JP2001004916A - 光ディスク用対物レンズ、並びにそれを用いた光ヘッド装置及び光学情報記録再生装置 - Google Patents

光ディスク用対物レンズ、並びにそれを用いた光ヘッド装置及び光学情報記録再生装置

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JP2001004916A JP11177177A JP17717799A JP2001004916A JP 2001004916 A JP2001004916 A JP 2001004916A JP 11177177 A JP11177177 A JP 11177177A JP 17717799 A JP17717799 A JP 17717799A JP 2001004916 A JP2001004916 A JP 2001004916A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1枚のレンズで構成され、基板厚みの異なる
2種類の光ディスクの何れに対してもその光ディスクに
応じた良好な集光特性を満足させることのできる光ディ
スク用対物レンズを提供する。 【解決手段】 対物レンズ2を、両面非球面の単レンズ
により構成し、光源側の面3を回転対称非球面とする。
また、対物レンズ2の光ディスク6側の面を、内周領域
4と外周領域5とに分け、内周領域4と外周領域5との
境界に光軸にほぼ平行な(光軸方向の)0.3μm前後
の段差7を設ける。そして、対物レンズ2の内周領域4
と外周領域5で、基板厚みの異なる光ディスクに対応さ
せて球面収差を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルビデオデ
ィスク、デジタルオーディオディスク、コンピュータ用
の光メモリディスク等の光ヘッドに用いられる対物レン
ズに関し、特に、1枚のレンズで構成され、基板厚みの
異なる2種類の光ディスクの何れ対してもその光ディス
クに応じた良好な集光特性を満足させることのできる光
ディスク用対物レンズ、並びにそれを用いた光ヘッド装
置及び光学情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスク用の光ヘッド装置に
おいては、情報媒体面上に回折限界の点像を集光して情
報を記録し又は再生するための対物レンズとして、非球
面を有する単レンズが多く用いられている。しかし、最
近、厚みの異なる光ディスクを互換再生する必要性が増
加しており、例えば、ディスク厚みが1.2mmのCD
あるいはCD−ROMとディスク厚みが0.6mmのD
VDあるいはDVD−ROMを1つの光ヘッドで読み取
ることが要求されている。この場合、2枚の対物レンズ
を使用する方法もあるが、光学系をより簡素化するため
には、1枚のレンズで厚みの異なる2種類の光ディスク
に対応できる方が有利である。また、その対物レンズも
なるべく簡素な構成であることが望まれる。
【0003】例えば、特開平8−334690号、特開
平9−184975号、特開平10−55564号等の
各公報においては、このような目的を達成するためのレ
ンズが提案されている。以下、従来の対物レンズについ
て、図20を参照しながら説明する。図20は従来の対
物レンズと光ディスクとの関係を示す配置図である。
【0004】図20(a)は、厚み0.6mmの光ディ
スク32に集光したときの、両面非球面対物レンズ33
の光路図を示したものである。対物レンズ33の光源側
の面は外周領域34と内周領域35とに分けられてい
る。外周領域34は厚み0.6mmの光ディスク32に
対して球面収差が補正されている。一方、内周領域35
は厚み0.9mmの光ディスクに対して球面収差が補正
されている。内周領域35と外周領域34の境界は、1
つの光源の波長655nmに対して厚み1.2mmのデ
ィスクを再生するのに必要なNAで決められる。例え
ば、厚み1.2mmの光ディスクを波長780nm、N
A0.45で再生する場合、655nmの光源ではNA
0.37程度となる。内周領域35は厚み0.6mmの
光ディスクに対して球面収差を持つことになるが、トー
タルの収差は回折限界といわれている0.07λよりも
遙かに小さく、厚み0.6mmの光ディスクを再生する
には十分な収差に収まる。
【0005】図20(b)は、同じ対物レンズ33を用
いて厚み1.2mmの光ディスク36に集光したときの
光路図を示したものである。同じ対物レンズ33の内周
領域35は厚み0.9mmの光ディスクに対して最適化
されているため、厚み1.2mmの光ディスク36に対
しては収差が小さい。しかし、外周領域34は厚み0.
6mmの光ディスク32に対して最適化されているた
め、厚み1.2mmの光ディスク36に対しては収差が
大きく、集光に寄与しなくなる。従って、外周領域34
は開口に似た働きもする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光源が1つの場合に
は、上記条件の下で厚み0.6mm、1.2mmの2種
類の光ディスクに対して性能を満足させることができ
る。しかし、厚み1.2mmの光ディスクをCD−Rの
ように780nmの光源で再生する必要が生じた場合に
は、波長が長くなるために相対的にNAを上げる必要が
生じ、内周領域と外周領域との境界をより大きくしなけ
ればならなくなる。このため、厚み0.6mmの光ディ
スクに対して発生する収差が大きくなり、集光特性が劣
化してしまうという問題がある。
【0007】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するためになされたものであり、1枚のレンズで構成
され、基板厚みの異なる2種類の光ディスクの何れに対
してもその光ディスクに応じた良好な集光特性を満足さ
せることのできる光ディスク用対物レンズ、並びにそれ
を用いた光ヘッド装置及び光学情報記録再生装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る光ディスク用対物レンズの第1の構成
は、両面非球面の単レンズからなり、厚みの異なる第1
及び第2の光ディスク基板を通して点像を集光する光デ
ィスク用対物レンズであって、少なくとも一方の非球面
が、光軸を中心とする円形開口の内側の内周領域と前記
内周領域よりも外側の外周領域の2つの領域からなり、
前記外周領域の非球面形状は、前記厚みの異なる第1及
び第2の光ディスク基板のうち厚みの小さい第1の光デ
ィスク基板に対して球面収差を補正し、前記内周領域の
非球面形状は、厚みの大きい第2の光ディスク基板に対
して球面収差を補正し、前記外周領域と内周領域との境
界は光軸方向に段差をもって接しており、下記式(1)
〜(4)の関係を満足することを特徴とする。
【0009】 t1<t2 (1) 0.05<TW<0.12 (2) 0.38<NA1<0.46 (3) 0.1<p(n−1)/λ<0.6 (4) 但し、 t1 :第1の光ディスク基板の厚み t2 :第2の光ディスク基板の厚み NA1:内周領域の開口における対物レンズのNA TW :第1の光ディスク基板を通して集光するときの
波面収差(単位はλ:rms) n :第1の光ディスクを再生するときの光源の波長
における対物レンズの屈折率 p :内周領域と外周領域の光軸方向の段差 λ :第1の光ディスクを再生するときの光源の波長 この光ディスク用対物レンズの第1の構成によれば、1
枚のレンズで、第1の光ディスクに対しても、第2の光
ディスクに対しても良好な集光スポットを得ることがで
き、その結果、良好な記録再生特性を得ることができ
る。
【0010】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第1の構成においては、第1の光ディスク基板を通
して集光するときの波面収差の3次の球面収差成分S3
が略0であるのが好ましい。この好ましい例によれば、
光ディスクの基板厚み誤差に対して性能の劣化を最小限
に抑えることができる。
【0011】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第1の構成においては、第1の光ディスク基板を通
して集光するときの波面収差の5次の球面収差成分S5
(単位はλ:rms)が下記式(5)の関係を満足する
のが好ましい。
【0012】 −0.03<S5<0.03 (5) この好ましい例によれば、第1の光ディスクを再生する
ときの集光特性、特に、エアリーリングのピーク強度を
抑えることができ、その結果、光ディスクの再生特性の
劣化を防止することができる。
【0013】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第1の構成においては、内周領域の非球面形状を、
光ディスク基板の厚みt3に対して球面収差が補正され
るように最適化するとき、t3が下記式(6)の関係を
満足するのが好ましい。
【0014】 0.8<t3<1.2 (6) この好ましい例によれば、第1の光ディスクに対しては
集光スポットの劣化を抑え、第2の光ディスクに対して
は第1の光ディスクよりも低い記録密度とすることによ
り、第2の光ディスクでの光ディスク傾きによってコマ
収差の影響を低減して、球面収差以外のスポットの劣化
要因を抑えることができる。
【0015】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第1の構成においては、内周領域と外周領域の段差
が断面円弧状であるのが好ましい。この好ましい例によ
れば、バイトや砥石等を用いて容易に加工することがで
きる。
【0016】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第1の構成においては、ガラス成形又は樹脂成形に
よって作製されるのが好ましい。この好ましい例によれ
ば、非球面形状を型に加工しておくことにより、同一の
形状及び性能を有するレンズを、安価に量産することが
可能となる。
【0017】また、本発明に係る光ディスク用対物レン
ズの第2の構成は、両面非球面の単レンズからなり、厚
みの異なる第1及び第2の光ディスク基板を通して点像
を集光する光ディスク用対物レンズであって、少なくと
も一方の非球面が、光軸を中心とする円形開口の内側の
内周領域と前記内周領域よりも外側で前記円形開口より
も外側の別の円形開口に囲まれた中間領域と前記中間領
域よりも外側の外周領域の3つの領域からなり、前記内
周領域と外周領域の非球面形状は、前記厚みの異なる第
1及び第2の光ディスク基板のうち厚みの小さい第1の
光ディスク基板に対して球面収差を補正し、前記中間領
域の非球面形状は、前記厚みの異なる第1及び第2の光
ディスク基板のいずれよりも厚みの大きい光ディスク基
板に対して球面収差を補正し、下記式(7)、(8)の
関係を満足することを特徴とする。
【0018】 0.35<NA2<0.43 (7) 0.03<NA3−NA2<0.1 (8) 但し、 NA2:内周領域と中間領域との境界における対物レン
ズのNA NA3:中間領域と外周領域との境界における対物レン
ズのNA この光ディスク用対物レンズの第2の構成によれば、1
枚のレンズで、第1の光ディスクに対しても、第2の光
ディスクに対しても良好な集光スポットを得ることがで
き、その結果、良好な記録再生特性を得ることができ
る。
【0019】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第2の構成においては、中間領域の非球面形状を、
光ディスク基板の厚みt4に対して球面収差が補正され
るように最適化するとき、t4が下記式(9)の関係を
満足するのが好ましい。
【0020】 1.4<t4<2.0 (9) この好ましい例によれば、第2の光ディスクに対する収
差を良好に補正することができる。
【0021】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第2の構成においては、内周領域と中間領域との境
界あるいは中間領域と外周領域との境界のいずれか一方
が段差なしに接続されているのが好ましい。この好まし
い例によれば、レンズの加工時に生じる無効部分を減ら
して光量を確保することができると共に、集光特性の劣
化を抑えることができる。
【0022】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第2の構成においては、内周領域と中間領域の段差
あるいは中間領域と外周領域の段差が断面円弧状である
のが好ましい。
【0023】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第2の構成においては、ガラス成形又は樹脂成形に
よって作製されているのが好ましい。
【0024】また、本発明に係る光ディスク用対物レン
ズの第3の構成は、両面非球面の単レンズからなり、厚
みの異なる第1及び第2の光ディスク基板を通して点像
を集光する光ディスク用対物レンズであって、少なくと
も一方の非球面が、光軸を中心とする円形開口の内側の
内周領域と前記内周領域よりも外側で前記円形開口より
も外側の別の円形開口に囲まれた中間領域と前記中間領
域よりも外側の外周領域の3つの領域からなり、前記内
周領域と外周領域の非球面形状は、前記厚みの異なる第
1及び第2の光ディスク基板のうち厚みの小さい第1の
光ディスク基板に対して球面収差を補正し、前記中間領
域の非球面形状を、光ディスク基板の厚みt5に対して
球面収差が補正されるように最適化するとき、t5が下
記式(10)の関係を満足し、前記外周領域は前記内周
領域に対して光軸方向に波長の整数倍の光路長に相当す
る段差をもって形成されており、下記式(11)〜(1
3)の関係を満足することを特徴とする。
【0025】 1.0<t5<1.4 (10) t1<t2 (11) 0.35<NA2<0.43 (12) 0.03<NA3−NA2<0.1 (13) 但し、 t1 :第1の光ディスク基板の厚み t2 :第2の光ディスク基板の厚み NA2:内周領域と中間領域との境界における対物レン
ズのNA NA3:中間領域と外周領域との境界における対物レン
ズのNA この光ディスク用対物レンズの第3の構成によれば、1
枚のレンズで、第1の光ディスクに対しても、第2の光
ディスクに対しても良好な集光スポットを得ることがで
き、その結果、良好な記録再生特性を得ることができ
る。
【0026】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第3の構成においては、第2の光ディスク基板を通
して集光するときの内周領域と中間領域のそれぞれの波
面収差が最小になる焦点位置が等しいのが好ましい。こ
の好ましい例によれば、情報媒体面で反射した光が受光
素子に入射したとき、内周領域と中間領域で同じ位置に
戻ってくるので、正確な信号光を得ることができる。
【0027】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第3の構成においては、第2の光ディスク基板を通
して集光するときの内周領域と中間領域の範囲における
波面収差の3次の球面収差成分S3が略0であるのが好
ましい。この好ましい例によれば、第2の光ディスクを
良好に記録再生することができる。
【0028】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第3の構成においては、内周領域と中間領域との境
界が段差なしに接続されているのが好ましい。
【0029】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第3の構成においては、中間領域と外周領域との境
界が前記中間領域と前記外周領域の形状の交点に設定さ
れているのが好ましい。また、前記本発明の光ディスク
用対物レンズの第3の構成においては、内周領域と中間
領域との境界及び中間領域と外周領域との境界のいずれ
も段差なしに接続されているのが好ましい。このように
中間領域と外周領域との境界が中間領域と外周領域の形
状の交点に設定され、内周領域と中間領域との境界及び
中間領域と外周領域との境界のいずれも段差なしに接続
されているという好ましい例によれば、非球面形状から
段差をなくして、加工を容易にすることができると共
に、面形状から無効部分をなくして、光量の損失を抑制
すことができる。
【0030】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの第3の構成においては、ガラス成形又は樹脂成形に
よって作製されているのが好ましい。
【0031】以上のように、本発明の光ディスク用対物
レンズは、単レンズの収差補正を、2つの光ディスクの
基板厚みに対してそれぞれ必要な集光性能が得られるよ
うに設計したものである。光ディスクの基板厚みが小さ
く、NAが高い方のレンズの収差において、トータルの
収差は基板厚みの大きい光ディスクでの収差を考慮する
必要があるために従来よりも大きい値となるが、外周領
域と内周領域で設計形状を変えると共に、外周領域と内
周領域との境界に光軸方向の段差を持たせることによ
り、高密度に記録された光ディスク側でのスポットの形
状を良好に保つことができる。また、光ディスクの基板
厚みが大きく、記録密度及びNAが低い方のレンズの収
差においては、必要な開口内の収差を十分小さく抑える
と共に、必要な開口の外側での収差を急激に悪化させる
ことにより、絞りを設けたのと同様の効果を持たせるこ
とができる。その結果、安定した性能で情報を記録し、
又は情報を再生することができる。
【0032】また、本発明に係る光ヘッド装置の構成
は、2つの光源と、前記2つの光源から出射した光線を
それぞれの光源に対応した厚みの第1及び第2の光ディ
スク基板を通して情報媒体面上に集光する集光手段と、
前記情報媒体で変調された光束を分離するための光束分
離手段と、前記情報媒体で変調された光を受光する受光
手段とを備えた光ヘッド装置であって、前記集光手段が
前記本発明の光ディスク用対物レンズであることを特徴
とする。
【0033】また、本発明に係る光学情報記録再生装置
の構成は、光ヘッド装置を用いて、厚さの異なる第1及
び第2の光ディスク基板の情報媒体面上に情報を記録
し、あるいは前記情報媒体面上に記録された情報を再生
する光学情報記録再生装置であって、前記光ヘッド装置
として前記本発明の光ヘッド装置を用いることを特徴と
する。
【0034】この光ヘッド装置及び光学情報記録再生装
置の構成によれば、異なる基板厚さの2種類の光ディス
クに対し、1つの対物レンズで記録再生を行うことがで
きるので、安価な光ヘッド装置及び光学情報記録再生装
置を実現することができる。また、いずれの光ディスク
に対してもそれぞれの光ディスクの状態に適した収差内
容を対物レンズの開口に応じて持たせることにより、1
つの対物レンズで、異なる2種類の光ディスクに対し、
良好な記録、再生、消去性能を得ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を用いて本発明
をさらに具体的に説明する。
【0036】〈第1の実施の形態〉図1は本発明の第1
の実施の形態における光ディスク用対物レンズを用いて
光ディスクに集光したときの光路図を示している。
【0037】図1に示すように、本実施の形態の対物レ
ンズ2は、両面非球面の単レンズからなり、光源側の面
3は回転対称非球面である。また、対物レンズ2の光デ
ィスク6側の面は、内周領域4と外周領域5とに分けら
れている。そして、入射光線1は対物レンズ2に入射し
た後、対物レンズ2によって光ディスク6の情報媒体面
6aに集光される。
【0038】再生あるいは記録すべき光ディスク6とし
ては、基材の厚みが0.6mmの第1の光ディスクと、
基材の厚みが1.2mmの第2の光ディスクとが用意さ
れている。
【0039】第1の光ディスク基板を通して集光すると
きの波面収差(単位はmλ:rms)をTWとしたと
き、TWは下記式(2)の関係を満足するのが望まし
い。
【0040】 0.05<TW<0.12 (2) TWが0.05以下の場合には、第2の光ディスクを再
生するときの所望の開口内での収差が悪くなりすぎるた
めに、満足な集光特性が得られなくなる。一方、TWが
0.12以上の場合には、第1の光ディスクでの収差が
悪くなりすぎて、同様に満足な集光特性が得られなくな
る。
【0041】また、内周領域4の開口における対物レン
ズ6のNAをNA1としたとき、NA1は下記式(3)
の関係を満足するのが望ましい。
【0042】 0.38<NA1<0.46 (3) NA1が0.38以下の場合には、第2の光ディスクを
再生するときの開口が小さくなりすぎて、スポット径が
大きくなりすぎてしまう。一方、NA1が0.46以上
の場合には、第1の光ディスクでの収差が上記式(2)
の上限を越えないと、第2の光ディスクでの収差を満足
することができず、その結果、第1の光ディスクでの収
差が悪化してしまう。
【0043】また、第1の光ディスクを再生するときの
光源の波長における対物レンズ2の屈折率をn、内周領
域4と外周領域5の光軸方向の段差をp、第1の光ディ
スクを再生するときの光源の波長をλとしたとき、p
(n−1)/λは下記式(4)の関係を満足するのが望
ましい。
【0044】 0.1<p(n−1)/λ<0.6 (4) p(n−1)/λが0.1以下の場合あるいは0.6以
上の場合には、第1の光ディスクを再生するときの集光
特性、特に、エアリーリングのピーク強度が高くなりす
ぎて、光ディスク6の再生特性が劣化してしまう。
【0045】また、第1の光ディスク基板を通して集光
するときの波面収差の5次の球面収差成分をS5(単位
はλ:rms)としたとき、S5は下記式(5)の関係
を満足するのが望ましい。
【0046】 −0.03<S5<0.03 (5) S5が−0.03以下の場合あるいは0.03以上の場
合には、上記式(4)の場合と同様に、第1の光ディス
クを再生するときの集光特性、特に、エアリーリングの
ピーク強度が高くなりすぎて、光ディスク6の再生特性
が劣化してしまう。
【0047】また、内周領域4の非球面形状を、光ディ
スク6の厚みt3に対して球面収差が補正されるように
最適化するとき、t3は下記式(6)の関係を満足する
のが望ましい。
【0048】 0.8<t3<1.2 (6) t3が0.8以下の場合には、第2の光ディスクに対す
る収差補正が不足してしまう。一方、t3が1.2以上
の場合には、第1の光ディスクに対する収差が悪化して
しまう。
【0049】図2は本発明の第1の実施の形態における
対物レンズの光ディスク側の面の形状を示す構成図であ
る。図2に示すように、対物レンズ2の光ディスク6側
の面には、内周領域4と外周領域5との境界に光軸にほ
ぼ平行な(光軸方向の)段差7が設けられている。図2
においては、分かり易くするために、段差7が実際より
も強調して描かれているが、実際の段差7は0.3μm
前後である。このような形状は理想的であるが、例え
ば、対物レンズ2をガラス成形で作製する場合、その型
は超硬のような非常に硬い物であり、砥石による研削加
工が必要となる。従って、内周領域4と外周領域5との
境界における段差7は、例えば、円弧形状のような形状
8になってしまう。しかし、実際の形状8と理想的な形
状5とが異なる領域は、例えば、砥石の半径が2mmの
場合、半径方向でせいぜい35μm程度であり、レンズ
の全有効径(約4mm)に対して十分に小さく、レンズ
性能にはほとんど影響を与えない。
【0050】次に、本実施の形態における光ディスク用
対物レンズ2の具体的な数値例を示す。尚、以下の各実
施例において、以下に示す符号は共通とする。但し、対
物レンズ2の第1面は光源側の面、第2面は光ディスク
6側の面とする。また、光ディスク6は平行平板とす
る。さらに、第1の光ディスクに集光する第1の光源の
波長を655nm、第2の光ディスクに集光する第2の
光源の波長を800nmとした。また、第1の光ディス
クの第1の光源における屈折率を1.578353、第
2の光ディスクの第2の光源における屈折率を1.57
153とした。
【0051】 f1:第1の光源における対物レンズの焦点距離 WD1:第1の光ディスクに対する対物レンズの作動距
離 n1:第1の光源における対物レンズの屈折率 d:対物レンズのレンズ厚み t1:第1の光ディスク基板の厚み t2:第2の光ディスク基板の厚み t3:内周領域の非球面形状を球面収差が0となるよう
に最適化するときの光ディスク基板の厚み NA:対物レンズのNA NA1:内周領域の開口における対物レンズのNA f2:第2の光源における対物レンズの焦点距離 WD2:第2の光ディスクに対する対物レンズの作動距
離 n2:第2の光源における対物レンズの屈折率 TW:第1の光源によって第1の光ディスクに集光した
場合の波面収差(単位はλ(波長):rms) p:内周領域と外周領域の光軸方向の段差 S3:第1の光源によって第1の光ディスクに集光した
場合の波面収差の3次の球面収差成分(単位はλ(波
長):rms) S5:第1の光源によって第1の光ディスクに集光した
場合の波面収差の5次の球面収差成分(単位はλ(波
長):rms) また、非球面形状は、下記(数1)によって与えられ
る。
【0052】
【数1】
【0053】但し、上記(数1)における各符号の意味
は以下の通りである。
【0054】 h:光軸からの高さ X:光軸からの高さがhの非球面上の点の非球面頂点の
接平面からの距離 Cj:対物レンズの第j面の非球面頂点の曲率(Cj=1
/Rj) Kj:対物レンズの第j面の円錐定数 Aj,n:対物レンズの第j面のn次の非球面係数 但し、 j=1、2 (実施例1)以下に、実施例1の具体的数値を示す。
【0055】f1=3.3142 WD1=1.891 n1=1.602892 d=1.8 t1=0.6 t2=1.2 t3=1.1 NA=0.6 NA1=0.42 f2=3.3384 WD2=1.521 n2=1.59842 第1面のレンズ形状パラメータは以下の通りである。
【0056】R1=2.1700 K1=−6.72993×10-11,4=2.08530×10-31,6=7.99262×10-51,8=−7.79741×10-71,10=−7.00341×10-6 第2面の内周領域におけるレンズ形状パラメータは以下
の通りである。
【0057】R2=−17.3537 K2=−3.61277×10 A2,4=4.06605×10-32,6=−1.06794×10-32,8=9.75688×10-52,10=−2.01568×10-6 第2面の外周領域におけるレンズ形状パラメータは以下
の通りである。
【0058】R2=−16.46001 K2=−7.90807×10 A2,4=4.57207×10-32,6=−1.35987×10-32,8=1.72647×10-42,10=−8.80573×10-6 その他のレンズパラメータは以下の通りである。
【0059】TW=0.112 p=0.00059274 p(n1−1)/λ=0.545 S3=0.0125 S5=0.0231 図3に、本実施例の収差図を示す。図3(a)には第1
の光源と第1の光ディスクに対する光路長収差を示して
おり、図3(b)には第2の光源と第2の光ディスクに
対する光路長収差を示している。また、図4に、第1の
光ディスクに集光されたスポットの断面強度分布を示
す。他のスポットの断面強度分布の計算においても同様
に、入射光線の光量分布は一様であるとした。尚、図4
中の破線は波面収差が0の波面における理想的な点像強
度分布を示している。また、計算された点像の最大ピー
クを1に正規化して示している。図4においては、特に
光ディスクの性能に大きな影響を及ぼすエアリーリング
付近の点像強度分布を拡大して示している。以上のこと
は、以下の実施例2〜6についても同様である。
【0060】第1の光ディスク基板の厚みは0.6mm
であり、第1の光ディスクは、NA0.6の対物レンズ
2を用いて再生するのが望ましい。図3(a)から分か
るように、第1の光源と第1の光ディスクに対する光路
長収差は±0.25λ程度であり、波面収差は0.11
2λ:rmsにも達している。しかし、図4に示したス
ポットの断面強度分布から明らかなように、収差のない
理想的なスポットの形状とほとんど差がなく、光ディス
ク6の性能上問題なく再生あるいは記録が可能となる。
【0061】また、第2の光ディスクは、NAが0.4
5前後の対物レンズ2を用いて再生するのが望ましい
が、図3(b)に示すように、第2の光源と第2の光デ
ィスクに対する光路長収差は、NA0.42以内では非
常に小さく、それ以上のNAでは急激に大きくなってい
くことが分かる。光路長収差が非常に大きい場合には、
光ディスク6の情報媒体面上で反射した光線が受光素子
上に戻ってこないため、結果として対物レンズ2に開口
を設けたことと同じになり、厚みが1.2mmの光ディ
スク6に対しても、対物レンズ2に新たに開口を設けこ
となく良好に再生あるいは記録を行うことが可能とな
る。
【0062】(実施例2)以下に、実施例2の具体的数
値を示す。
【0063】f1=3.3142 WD1=1.890 n1=1.602892 d=1.8 t1=0.6 t2=1.2 t3=1.0 NA=0.6 NA1=0.42 f2=3.3384 WD2=1.540 n2=1.59842 第1面のレンズ形状パラメータ、並びに第2面の内周領
域及び外周領域におけるレンズ形状パラメータは、上記
実施例1と同じである。
【0064】その他のレンズパラメータは以下の通りで
ある。
【0065】TW=0.0743 p=0.00030266 p(n1−1)/λ=0.279 S3=0.0025 S5=−0.011 図5に、本実施例の収差図を示す。図5(a)には第1
の光源と第1の光ディスクに対する光路長収差を示して
おり、図5(b)には第2の光源と第2の光ディスクに
対する光路長収差を示している。また、図6に、第1の
光ディスクに集光されたスポットの断面強度分布を示
す。
【0066】第1の光ディスク基板の厚みは0.6mm
であり、第1の光ディスクは、NA0.6の対物レンズ
2を用いて再生するのが望ましい。図5(a)から分か
るように、第1の光源と第1の光ディスクに対する光路
長収差は最大で約−0.4λ程度であり、波面収差は
0.074λ:rmsである。しかし、図6に示したス
ポットの断面強度分布から明らかなように、収差のない
理想的なスポットの形状とほとんど差がなく、光ディス
ク6の性能上問題なく再生あるいは記録が可能となる。
【0067】また、第2の光ディスクは、NAが0.4
5前後の対物レンズ2を用いて再生するのが望ましい
が、図5(b)に示すように、第2の光源と第2の光デ
ィスクに対する光路長収差は、NA0.42以内では非
常に小さく、それ以上のNAでは急激に大きくなってい
くことが分かる。従って、上記実施例1と同様に、対物
レンズ2に開口を設けたことと同じになり、厚みが1.
2mmの光ディスク6に対しても、対物レンズ2に新た
に開口を設けことなく良好に再生あるいは記録を行うこ
とが可能となる。
【0068】(実施例3)以下に、実施例3の具体的数
値を示す。
【0069】f1=3.3128 WD1=1.890 n1=1.602892 d=1.8 t1=0.6 t2=1.2 t3=1.0 NA=0.6 NA1=0.44 f2=3.3370 WD2=1.541 n2=1.59842 第1面のレンズ形状パラメータは以下の通りである。
【0070】R1=2.1700 K1=−6.72993×10-11,4=2.08530×10-31,6=7.99262×10-51,8=−7.79741×10-71,10=−7.00341×10-6 第2面の内周領域におけるレンズ形状パラメータは以下
の通りである。
【0071】R2=−17.26266 K2=−4.55689×10 A2,4=4.13486×10-32,6=−1.11949×10-32,8=1.04423×10-42,10=−5.61508×10-7 第2面の外周領域におけるレンズ形状パラメータは以下
の通りである。
【0072】R2=−16.46001 K2=−7.90807×10 A2,4=4.57207×10-32,6=−1.35987×10-32,8=1.72647×10-42,10=−8.80573×10-6 その他のレンズパラメータは以下の通りである。
【0073】TW=0.072 p=0.00015135 p(n1−1)/λ=0.139 S3=0.0031 S5=−0.028 図7に、本実施例の収差図を示す。図7(a)には第1
の光源と第1の光ディスクに対する光路長収差を示して
おり、図7(b)には第2の光源と第2の光ディスクに
対する光路長収差を示している。また、図8に、第1の
光ディスクに集光されたスポットの断面強度分布を示
す。
【0074】第1の光ディスク基板の厚みは0.6mm
であり、第1の光ディスクは、NA0.6の対物レンズ
2を用いて再生するのが望ましい。図7(a)から分か
るように、第1の光源と第1の光ディスクに対する光路
長収差は最大で約−0.5λ程度であり、波面収差は
0.072λ:rmsである。しかし、図8に示したス
ポットの断面強度分布から明らかなように、収差のない
理想的なスポットの形状とほとんど差がなく、光ディス
ク6の性能上問題なく再生あるいは記録が可能となる。
【0075】また、第2の光ディスクは、NAが0.4
5前後の対物レンズ2を用いて再生するのが望ましい
が、図7(b)に示すように、第2の光源と第2の光デ
ィスクに対する光路長収差は、NA0.44以内では非
常に小さく、それ以上のNAでは急激に大きくなってい
くことが分かる。従って、上記実施例1と同様に、対物
レンズ2に開口を設けたことと同じになり、厚みが1.
2mmの光ディスク6に対しても、対物レンズ2に新た
に開口を設けことなく良好に再生あるいは記録を行うこ
とが可能となる。
【0076】(実施例4)以下に、実施例4の具体的数
値を示す。
【0077】f1=3.3106 WD1=1.889 n1=1.602773 d=1.805 t1=0.6 t2=1.2 t3=0.9 NA=0.6 NA1=0.44 f2=3.3341 WD2=1.538 n2=1.59842 第1面のレンズ形状パラメータは以下の通りである。
【0078】R1=2.1700 K1=−6.72993×10-11,4=2.08530×10-31,6=7.99262×10-51,8=−7.79741×10-71,10=−7.00341×10-6 第2面の内周領域におけるレンズ形状パラメータは以下
の通りである。
【0079】R2=−17.0574 K2=−5.33838×10 A2,4=4.25485×10-32,6=−1.18514×10-32,8=1.22997×10-42,10=−3.46201×10-6 第2面の外周領域におけるレンズ形状パラメータは以下
の通りである。
【0080】R2=−16.46575 K2=0.0 A2,4=6.72727×10-32,6=−1.61122×10-32,8=1.96560×10-42,10=−9.90970×10-6 その他のレンズパラメータは以下の通りである。
【0081】TW=0.0589 p=0.00030266 p(n1−1)/λ=0.274 S3=0.0018 S5=−0.003 図9に、本実施例の収差図を示す。図9(a)には第1
の光源と第1の光ディスクに対する光路長収差を示して
おり、図9(b)には第2の光源と第2の光ディスクに
対する光路長収差を示している。また、図10に、第1
の光ディスクに集光されたスポットの断面強度分布を示
す。
【0082】第1の光ディスク基板の厚みは0.6mm
であり、第1の光ディスクは、NA0.6の対物レンズ
2を用いて再生するのが望ましい。図9(a)から分か
るように、第1の光源と第1の光ディスクに対する光路
長収差は最大で約−0.3λ程度であり、波面収差は
0.059λ:rmsである。しかし、図10に示した
スポットの断面強度分布から明らかなように、収差のな
い理想的なスポットの形状とほとんど差がなく、特に、
エアリーリングのピーク強度は理想的な点像強度分布よ
りもさらに低く、光ディスク6の性能上問題なく再生あ
るいは記録が可能となる。
【0083】また、第2の光ディスクは、NAが0.4
5前後の対物レンズ2を用いて再生するのが望ましい
が、図9(b)に示すように、第2の光源と第2の光デ
ィスクに対する光路長収差は、NA0.44以内では非
常に小さく、それ以上のNAでは急激に大きくなってい
くことが分かる。従って、上記実施例1と同様に、対物
レンズ2に開口を設けたことと同じになり、厚みが1.
2mmの光ディスク6に対しても、対物レンズ2に新た
に開口を設けことなく良好に再生あるいは記録を行うこ
とが可能となる。
【0084】〈第2の実施の形態〉図11は本発明の第
2の実施の形態における光ディスク用対物レンズを用い
て光ディスクに集光したときの光路図を示している。
【0085】図11に示すように、本実施の形態の対物
レンズ2は、両面非球面の単レンズからなり、光源側の
面3は回転対称非球面である。また、対物レンズ2の光
ディスク6側の面は、内周領域9と中間領域10と外周
領域11とに分けられている。そして、入射光線1は対
物レンズ2に入射した後、対物レンズ2によって光ディ
スク6の情報媒体面6aに集光される。
【0086】ここで、内周領域9と中間領域10との境
界における対物レンズ2のNAをNA2、中間領域10
と外周領域11との境界における対物レンズ2のNAを
NA3としたとき、NA2、NA3は下記式(7)、
(8)の関係を満足するのが望ましい。
【0087】 0.35<NA2<0.43 (7) 0.03<NA3−NA2<0.1 (8) NA2が0.35以下の場合あるいは0.43以上の場
合には、第2の光ディスクに対して望ましいスポット径
が得られない。また、NA3−NA2が0.03以下の
場合には、中間領域10の幅が狭くなりすぎて、第2の
光ディスクに対する収差の補正が困難となる。一方、N
A3−NA2が0.1以上の場合には、逆に中間領域1
0の幅が広くなりすぎて、第1の光ディスクに対する収
差が劣化してしまう。
【0088】また、中間領域10の非球面形状を、光デ
ィスク6の厚みt4に対して球面収差が補正されるよう
に最適化するとき、t4は下記式(9)の関係を満足す
るのが望ましい。
【0089】 1.4<t4<2.0 (9) t4が1.4以下の場合あるいは2.0以上の場合に
は、第2の光ディスクに対する収差が悪化してしまう。
【0090】図12は本発明の第2の実施の形態におけ
る対物レンズの光ディスク側の面の形状を示す構成図で
ある。図12に示すように、対物レンズ2の光ディスク
6側の面には、内周領域9と中間領域10との境界に光
軸にほぼ平行な段差12が設けられている。図12にお
いては、分かり易くするために、段差12が実際よりも
強調して描かれているが、実際の段差12は0.3μm
前後である。このような形状は理想的であるが、実際の
加工において砥石による研削加工を行うと、内周領域9
と中間領域10との境界における段差12は、例えば、
円弧形状のような形状13になってしまう。しかし、実
際の形状13と理想的な形状10とが異なる領域は、例
えば、砥石の半径が2mmの場合、半径方向でせいぜい
35μm程度であり、レンズの全有効径(約4mm)に
対して十分に小さく、レンズ性能にはほとんど影響を与
えない。一方、中間領域10と外周領域11との境界に
おいては段差が生じないように、中間領域10の形状が
決定されている。
【0091】次に、本実施の形態における光ディスク用
対物レンズ2の具体的な数値例を示す。尚、上記第1の
実施の形態において示した共通の符号以外に下記の符号
を追加する。
【0092】NA2:内周領域と中間領域との境界にお
ける対物レンズのNA NA3:中間領域と外周領域との境界における対物レン
ズのNA t4:中間領域の非球面形状を球面収差が0となるよう
に最適化するときの光ディスク基板の厚み (実施例5)以下に、実施例5の具体的数値を示す。
【0093】f1=3.300 WD1=1.890 n1=1.602972 d=1.8 t1=0.6 t2=1.2 t4=1.8 NA2=0.39 NA3=0.44 f2=3.3241 WD2=1.538 n2=1.59842 第1面のレンズ形状パラメータは以下の通りである。
【0094】R1=2.1700 K1=−6.72993×10-11,4=2.08530×10-31,6=7.99262×10-51,8=−7.79741×10-71,10=−7.00341×10-6 第2面の内周領域及び外周領域におけるレンズ形状パラ
メータは以下の通りである。
【0095】R2=−16.46001 K2=−7.90807×10 A2,4=4.57207×10-32,6=−1.35987×10-32,8=1.72647×10-42,10=−8.80573×10-6 第2面の中間領域におけるレンズ形状パラメータは以下
の通りである。
【0096】R2=−18.9318 K2=1.65803×10 A2,4=2.81973×10-32,6=−4.83241×10-42,8=−3.23374×10-52,10=1.75251×10-5 図13に、本実施例の収差図を示す。図13(a)には
第1の光源と第1の光ディスクに対する光路長収差を示
しており、図13(b)には第2の光源と第2の光ディ
スクに対する光路長収差を示している。また、図14
に、第1の光ディスクに集光されたスポットの断面強度
分布を示す。
【0097】第1の光ディスク基板の厚みは0.6mm
であり、第1の光ディスクは、NA0.6の対物レンズ
2を用いて再生するのが望ましい。図13(a)から分
かるように、第1の光源と第1の光ディスクに対する光
路長収差はNA0.4付近で−0.5λ程度となる。し
かし、図14に示したスポットの断面強度分布から明ら
かなように、収差のない理想的なスポットの形状とほと
んど差がなく、光ディスク6の性能上問題なく再生ある
いは記録が可能となる。
【0098】また、第2の光ディスクは、NAが0.4
5前後の対物レンズ2を用いて再生するのが望ましい
が、図13(b)に示すように、第2の光源と第2の光
ディスクに対する光路長収差は、NA0.44以内では
小さく、それ以上のNAでは急激に大きくなっていくこ
とが分かる。光路長収差が非常に大きい場合には、光デ
ィスク6の情報媒体面上で反射した光線が受光素子上に
戻ってこないため、結果として対物レンズ2に開口を設
けたことと同じになり、厚みが1.2mmの光ディスク
6に対しても、対物レンズ2に新たに開口を設けことな
く良好に再生あるいは記録を行うことが可能となる。
【0099】〈第3の実施の形態〉図15は本発明の第
3の実施の形態における光ディスク用対物レンズを用い
て光ディスクに集光したときの光路図を示している。
【0100】図15に示すように、本実施の形態の対物
レンズ2は、両面非球面の単レンズからなり、光源側の
面3は回転対称非球面である。また、対物レンズ2の光
ディスク6側の面は、内周領域14と中間領域15と外
周領域16とに分けられている。そして、入射光線1は
対物レンズ2に入射した後、対物レンズ2によって光デ
ィスク6の情報媒体面6aに集光される。
【0101】ここで、中間領域15の非球面形状を、光
ディスク6の基板厚みt5に対して球面収差が補正され
るように最適化するとき、t5は下記式(10)の関係
を満足するのが望ましい。
【0102】 1.0<t5<1.4 (10) t5が1.0以下の場合あるいは1.4以上の場合に
は、第2の光ディスクに対する内周領域14と外周領域
16との境界よりも内側での開口における球面収差が劣
化する。
【0103】また、内周領域14と中間領域15との境
界における対物レンズ2のNAをNA2、中間領域15
と外周領域16との境界における対物レンズ2のNAを
NA3としたとき、NA2、NA3は下記式(12)、
(13)の関係を満足するのが望ましい。
【0104】 0.35<NA2<0.43 (12) 0.03<NA3−NA2<0.1 (13) NA2が0.35以下の場合あるいは0.43以上の場
合には、第2の光ディスクに対して望ましいスポット径
が得られない。また、NA3−NA2が0.03以下の
場合には、中間領域15の幅が狭くなりすぎて、第2の
光ディスクに対する収差の補正が困難となる。一方、N
A3−NA2が0.1以上の場合には、逆に中間領域1
5の幅が広くなりすぎて、第1の光ディスクに対する収
差が劣化してしまう。
【0105】図16は本発明の第3の実施の形態におけ
る対物レンズの光ディスク側の面の形状を示す構成図で
ある。図16に示すように、対物レンズ2の光ディスク
6側の面において、内周領域14と中間領域15との境
界は段差なしに接続されている。また、外周領域16の
形状は、内周領域14と光路長が1波長分ずれた形状1
7に等しい。また、中間領域15と外周領域16との境
界にも段差が生じないように、中間領域15と外周領域
16との境界が定められている。
【0106】以上のように、本実施の形態の対物レンズ
2においては、内周、中間、外周の各領域間に段差を設
けない構成としたので、加工が容易となる。
【0107】(実施例6)以下に、実施例6の具体的数
値を示す。
【0108】f1=3.300 WD1=1.890 n1=1.602972 d=1.8 t1=0.6 t2=1.2 t4=1.2 NA2=0.39 NA3=0.46 f2=3.3241 WD2=1.539 n2=1.59842 第1面のレンズ形状パラメータは以下の通りである。
【0109】R1=2.1700 K1=−6.72993×10-11,4=2.08530×10-31,6=7.99262×10-51,8=−7.79741×10-71,10=−7.00341×10-6 第2面の内周領域及び外周領域におけるレンズ形状パラ
メータは以下の通りである。但し、外周領域の形状の光
軸との交点は内周領域のそれに対して0.00109だ
け第1面側へ平行移動している。
【0110】R2=−16.46001 K2=−7.90807×10 A2,4=4.57207×10-32,6=−1.35987×10-32,8=1.72647×10-42,10=−8.80573×10-6 第2面の中間領域におけるレンズ形状パラメータは以下
の通りである。但し、中間領域の形状の光軸との交点は
内周領域のそれに対して0.0003419だけ第1面
側へ平行移動している。
【0111】R2=−17.3870 K2=−2.71760×10 A2,4=3.98819×10-32,6=−9.93390×10-42,8=6.64032×10-52,10=6.11772×10-6 図17に、本実施例の収差図を示す。図17(a)には
第1の光源と第1の光ディスクに対する光路長収差を示
しており、図17(b)には第2の光源と第2の光ディ
スクに対する光路長収差を示している。また、図18
に、第1の光ディスクに集光されたスポットの断面強度
分布を示す。図17(a)から分かるように、第1の光
源と第1の光ディスクに対する光路長収差はNAが0.
46以上で1波長ずれているが、図18に示したスポッ
トの断面強度分布から明らかなように、収差のない理想
的なスポットの形状とほとんど差がなく、光ディスク6
の性能上問題なく再生あるいは記録が可能となる。
【0112】また、第2の光ディスクは、NAが0.4
5前後の対物レンズ2を用いて再生するのが望ましい
が、図17(b)に示すように、第2の光源と第2の光
ディスクに対する光路長収差は、NA0.46以内では
小さく、それ以上のNAでは急激に大きくなっていくこ
とが分かる。光路長収差が非常に大きい場合には、光デ
ィスク6の情報媒体面上で反射した光線が受光素子上に
戻ってこないため、結果として対物レンズ2に開口を設
けたことと同じになり、厚みが1.2mmの光ディスク
6に対しても、対物レンズ2に新たに開口を設けること
なく良好に再生あるいは記録を行うことが可能となる。
【0113】また、第2の光ディスクに集光した場合
に、内周領域14と中間領域15のそれぞれの波面収差
が最小となる焦点位置が等しくなるように、中間領域1
5の形状が設計されている。このため、光ディスク6の
情報媒体面で反射した光線が受光素子に入射したとき、
内周領域14と中間領域15で同じ位置に戻ってくるの
で、正確な信号光が得られる。
【0114】さらに、本実施例では、第2の光ディスク
に集光した場合の内周領域14と中間領域15の範囲に
おける波面収差の3次の球面収差成分が−0.0019
λと非常に小さいため、第2の光ディスクを良好に再生
あるいは記録することができる。
【0115】尚、上記各実施例1〜6で示した対物レン
ズ2は、ガラス成形あるいは樹脂成形によって作製する
のが望ましい。非球面形状を型に加工しておくことによ
り、同一の形状及び性能を有するレンズを、安価に量産
することが可能となるからである。
【0116】〈第4の実施の形態〉次に、上記第1〜第
3の実施の形態における光ディスク用対物レンズ2を用
いた光ヘッド装置及び光学情報記録再生装置について、
図19を用いて説明する。図19は本発明の第4の実施
の形態における光ヘッド装置及び光学情報記録再生装置
を示す構成図である。
【0117】図19に示すように、第1の光源である波
長655nmの半導体レーザ18から出射した光束19
は、コリメートレンズ20によって略平行光となる。コ
リメートレンズ20によって略平行光となった光束19
は、ビームスプリッター21を透過し、上記第1〜第3
の実施の形態で示した対物レンズ2によって厚み0.6
mmの第1の光ディスク23の情報媒体面23a上に集
光される。また、第2の光源である波長が800nmの
半導体レーザ24から出射した光束25は、コリメート
レンズ26によって略平行光となる。コリメートレンズ
26によって略平行光となった光束25は、ビームスプ
リッター21で反射し、同じ対物レンズ2によって厚み
1.2mmの第2の光ディスク27の情報媒体面27a
上に集光される。ここで、対物レンズ2は、可動式のホ
ルダー28に装着されており、光ディスクの面ぶれ等に
追随してその焦点を常に情報媒体面上に合わせると共
に、対物レンズ2の開口を制限する働きもする。集光ス
ポットは情報媒体面23aあるいは27aに形成された
凹凸によって回折される。情報媒体面23aあるいは2
7aで回折し、反射されたレーザ光(光束19あるいは
25)は、ビームスプリッター21で反射し、凸レンズ
29及びシリンドリカルレンズ30で屈折して受光素子
31上に集光される。そして、受光素子31の電気信号
により、情報媒体面23aあるいは27aで変調された
光量変化が検出され、データが読み取られる。
【0118】上記のように波長655nmの第1の光源
を用いて基板厚み0.6mmの第1の光ディスク23に
集光した場合、対物レンズ2は波面収差の値そのものは
大きいものの、集光されたスポットは、特に第1の光デ
ィスク23の記録再生に大きな影響を与えるエアリーリ
ングの強度が相対的に低いため、良好な記録再生特性を
得ることができる。
【0119】また、上記のように波長800nmの第2
の光源を用いて基板厚み1.2mmの第2の光ディスク
27に集光した場合には、レンズホルダー28の開口は
NA0.6に相当したままであるが、対物レンズ2のN
Aが0.4ないし0.45以上では光路長収差が急激に
大きくなっており、対物レンズ2に開口を設けたことと
同じになる。また、受光側においても、NAが0.4な
いし0.45以上では、その大きな光路長収差のため
に、受光素子31の外側に光線が来るので、結果として
対物レンズ2にマスクしたことと(開口を設けたこと
と)同じになる。もちろん、NAが0.4ないし0.4
5以内では第2の光源に対して光路長収差が十分に補正
されているため、厚み1.2mmの第2の光ディスク2
7に対して良好な記録再生特性を得ることができる。
【0120】以上のように、それぞれの光ディスクの状
態に適した収差内容を対物レンズ2に持たせることによ
り、異なる2種類の光ディスクに対して、1つのレンズ
で良好な記録再生を行うことができる。
【0121】尚、上記実施の形態においては、光源の波
長を655nmと800nmに設定しているが、他の波
長、例えば、400nmと650nm等の組み合わせで
あってもよい。
【0122】また、上記実施の形態においては、2種類
の光ディスクの基板厚みを0.6mmと1.2mmに設
定しているが、他の厚み、例えば、0.3mmと0.6
mm等の組み合わせであってもよい。
【0123】また、上記実施の形態においては、対物レ
ンズ2の屈折率をほぼ1.6近辺に設定しているが、使
用可能なガラス材料、樹脂材料の範囲で、例えば、1.
45から2.0等の範囲のものを用いてもよい。
【0124】また、上記実施の形態においては、第1の
光ディスクに対するNAを0.6に設定しているが、こ
れよりも高い、あるいは低いNAであってもよい。
【0125】また、上記実施の形態においては、対物レ
ンズ2の光ディスク側の面(第2面)に段差等を形成し
ているが、対物レンズ2の光源側の面(第1面)に段差
等を形成してもよい。また、上記実施の形態で示したよ
うな機能を、従来の単レンズとは別の例えば平行平板等
の光学素子に付加するようにしてもよい。
【0126】また、上記実施の形態においては、対物レ
ンズ2に対して光ディスクの基板厚みによって開口制限
を変えなかったが、異なる基板厚みに応じて開口制限を
付加するようにしてもよい。
【0127】また、上記実施の形態においては、光ディ
スク用対物レンズ2に対して略平行光を入射させる場合
を例に挙げて説明したが、半導体レーザから出射された
光を直接1つのレンズで集光したり、又はコリメートレ
ンズによって略平行光とせずに発散光又は集束光とする
有限倍率のレンズを用いてもよい。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
1枚のレンズで構成され、基板厚みの異なる2種類の光
ディスクの何れに対してもその光ディスクに応じた良好
な集光特性を満足させることのできる光ディスク用対物
レンズ、並びにそれを用いた光ヘッド装置及び光学情報
記録再生装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における光ディスク
用対物レンズを用いて光ディスクに集光したときの光路
【図2】本発明の第1の実施の形態における光ディスク
用対物レンズの光ディスク側の面の形状を示す構成図
【図3】本発明の第1の実施の形態における光ディスク
用対物レンズの実施例1の収差図
【図4】本発明の第1の実施の形態における光ディスク
用対物レンズの実施例1の点像強度分布を示すグラフ
【図5】本発明の第1の実施の形態における光ディスク
用対物レンズの実施例2の収差図
【図6】本発明の第1の実施の形態における光ディスク
用対物レンズの実施例2の点像強度分布を示すグラフ
【図7】本発明の第1の実施の形態における光ディスク
用対物レンズの実施例3の収差図
【図8】本発明の第1の実施の形態における光ディスク
用対物レンズの実施例3の点像強度分布を示すグラフ
【図9】本発明の第1の実施の形態における光ディスク
用対物レンズの実施例4の収差図
【図10】本発明の第1の実施の形態における光ディス
ク用対物レンズの実施例4の点像強度分布を示すグラフ
【図11】本発明の第2の実施の形態における光ディス
ク用対物レンズを用いて光ディスクに集光したときの光
路図
【図12】本発明の第2の実施の形態における光ディス
ク用対物レンズの光ディスク側の面の形状を示す構成図
【図13】本発明の第2の実施の形態における光ディス
ク用対物レンズの実施例5の収差図
【図14】本発明の第2の実施の形態における光ディス
ク用対物レンズの実施例5の点像強度分布を示すグラフ
【図15】本発明の第3の実施の形態における光ディス
ク用対物レンズを用いて光ディスクに集光したときの光
路図
【図16】本発明の第3の実施の形態における光ディス
ク用対物レンズの光ディスク側の面の形状を示す構成図
【図17】本発明の第3の実施の形態における光ディス
ク用対物レンズの実施例6の収差図
【図18】本発明の第3の実施の形態における光ディス
ク用対物レンズの実施例6の点像強度分布を示すグラフ
【図19】本発明の第4の実施の形態における光ヘッド
装置及び光学情報記録再生装置を示す構成図
【図20】従来の光ディスク用対物レンズを用いて光デ
ィスクに集光したときの光路図
【符号の説明】
1 入射光線 2 対物レンズ 3 対物レンズの光源側の面 4 対物レンズのディスク側の面の内周領域 5 対物レンズのディスク側の面の外周領域 6 光ディスク 6a 情報媒体面 7 段差 9 対物レンズのディスク側の面の内周領域 10 対物レンズのディスク側の面の中間領域 11 対物レンズのディスク側の面の外周領域 14 対物レンズのディスク側の面の内周領域 15 対物レンズのディスク側の面の中間領域 16 対物レンズのディスク側の面の外周領域 18 半導体レーザ 19 光束 20 コリメートレンズ 21 ビームスプリッター 23 第1の光ディスク 23a 情報媒体面 24 半導体レーザ 25 光束 26 コリメートレンズ 27 第2の光ディスク 27a 情報媒体面 28 ホルダー 29 凸レンズ 30 シリンドリカルレンズ 31 受光素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹埜 智彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H087 KA13 LA01 PA01 PA17 PB01 QA02 QA07 QA14 QA34 RA03 RA05 RA12 RA13 RA42 RA47 UA01 5D119 AA41 BA01 DA01 DA05 EC01 EC45 EC47 FA05 JA44

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両面非球面の単レンズからなり、厚みの
    異なる第1及び第2の光ディスク基板を通して点像を集
    光する光ディスク用対物レンズであって、少なくとも一
    方の非球面が、光軸を中心とする円形開口の内側の内周
    領域と前記内周領域よりも外側の外周領域の2つの領域
    からなり、前記外周領域の非球面形状は、前記厚みの異
    なる第1及び第2の光ディスク基板のうち厚みの小さい
    第1の光ディスク基板に対して球面収差を補正し、前記
    内周領域の非球面形状は、厚みの大きい第2の光ディス
    ク基板に対して球面収差を補正し、前記外周領域と内周
    領域との境界は光軸方向に段差をもって接しており、下
    記式(1)〜(4)の関係を満足することを特徴とする
    光ディスク用対物レンズ。 t1<t2 (1) 0.05<TW<0.12 (2) 0.38<NA1<0.46 (3) 0.1<p(n−1)/λ<0.6 (4) 但し、 t1 :第1の光ディスク基板の厚み t2 :第2の光ディスク基板の厚み NA1:内周領域の開口における対物レンズのNA TW :第1の光ディスク基板を通して集光するときの
    波面収差(単位はλ:rms) n :第1の光ディスクを再生するときの光源の波長
    における対物レンズの屈折率 p :内周領域と外周領域の光軸方向の段差 λ :第1の光ディスクを再生するときの光源の波長
  2. 【請求項2】 第1の光ディスク基板を通して集光する
    ときの波面収差の3次の球面収差成分S3が略0である
    請求項1に記載の光ディスク用対物レンズ。
  3. 【請求項3】 第1の光ディスク基板を通して集光する
    ときの波面収差の5次の球面収差成分S5(単位はλ:
    rms)が下記式(5)の関係を満足する請求項1又は
    2に記載の光ディスク用対物レンズ。 −0.03<S5<0.03 (5)
  4. 【請求項4】 内周領域の非球面形状を、光ディスク基
    板の厚みt3に対して球面収差が補正されるように最適
    化するとき、t3が下記式(6)の関係を満足する請求
    項1〜3のいずれかに記載の光ディスク用対物レンズ。 0.8<t3<1.2 (6)
  5. 【請求項5】 内周領域と外周領域の段差が断面円弧状
    である請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスク用対
    物レンズ。
  6. 【請求項6】 ガラス成形又は樹脂成形によって作製さ
    れた請求項1〜5のいずれかに記載の光ディスク用対物
    レンズ。
  7. 【請求項7】 両面非球面の単レンズからなり、厚みの
    異なる第1及び第2の光ディスク基板を通して点像を集
    光する光ディスク用対物レンズであって、少なくとも一
    方の非球面が、光軸を中心とする円形開口の内側の内周
    領域と前記内周領域よりも外側で前記円形開口よりも外
    側の別の円形開口に囲まれた中間領域と前記中間領域よ
    りも外側の外周領域の3つの領域からなり、前記内周領
    域と外周領域の非球面形状は、前記厚みの異なる第1及
    び第2の光ディスク基板のうち厚みの小さい第1の光デ
    ィスク基板に対して球面収差を補正し、前記中間領域の
    非球面形状は、前記厚みの異なる第1及び第2の光ディ
    スク基板のいずれよりも厚みの大きい光ディスク基板に
    対して球面収差を補正し、下記式(7)、(8)の関係
    を満足することを特徴とする光ディスク用対物レンズ。 0.35<NA2<0.43 (7) 0.03<NA3−NA2<0.1 (8) 但し、 NA2:内周領域と中間領域との境界における対物レン
    ズのNA NA3:中間領域と外周領域との境界における対物レン
    ズのNA
  8. 【請求項8】 中間領域の非球面形状を、光ディスク基
    板の厚みt4に対して球面収差が補正されるように最適
    化するとき、t4が下記式(9)の関係を満足する請求
    項7に記載の光ディスク用対物レンズ。 1.4<t4<2.0 (9)
  9. 【請求項9】 内周領域と中間領域との境界あるいは中
    間領域と外周領域との境界のいずれか一方が段差なしに
    接続された請求項7又は8に記載の光ディスク用対物レ
    ンズ。
  10. 【請求項10】 内周領域と中間領域の段差あるいは中
    間領域と外周領域の段差が断面円弧状である請求項7又
    は8に記載の光ディスク用対物レンズ。
  11. 【請求項11】 ガラス成形又は樹脂成形によって作製
    された請求項7〜10のいずれかに記載の光ディスク用
    対物レンズ。
  12. 【請求項12】 両面非球面の単レンズからなり、厚み
    の異なる第1及び第2の光ディスク基板を通して点像を
    集光する光ディスク用対物レンズであって、少なくとも
    一方の非球面が、光軸を中心とする円形開口の内側の内
    周領域と前記内周領域よりも外側で前記円形開口よりも
    外側の別の円形開口に囲まれた中間領域と前記中間領域
    よりも外側の外周領域の3つの領域からなり、前記内周
    領域と外周領域の非球面形状は、前記厚みの異なる第1
    及び第2の光ディスク基板のうち厚みの小さい第1の光
    ディスク基板に対して球面収差を補正し、前記中間領域
    の非球面形状を、光ディスク基板の厚みt5に対して球
    面収差が補正されるように最適化するとき、t5が下記
    式(10)の関係を満足し、前記外周領域は前記内周領
    域に対して光軸方向に波長の整数倍の光路長に相当する
    段差をもって形成されており、下記式(11)〜(1
    3)の関係を満足することを特徴とする光ディスク用対
    物レンズ。 1.0<t5<1.4 (10) t1<t2 (11) 0.35<NA2<0.43 (12) 0.03<NA3−NA2<0.1 (13) 但し、 t1 :第1の光ディスク基板の厚み t2 :第2の光ディスク基板の厚み NA2:内周領域と中間領域との境界における対物レン
    ズのNA NA3:中間領域と外周領域との境界における対物レン
    ズのNA
  13. 【請求項13】 第2の光ディスク基板を通して集光す
    るときの内周領域と中間領域のそれぞれの波面収差が最
    小になる焦点位置が等しい請求項12に記載の光ディス
    ク用対物レンズ。
  14. 【請求項14】 第2の光ディスク基板を通して集光す
    るときの内周領域と中間領域の範囲における波面収差の
    3次の球面収差成分S3が略0である請求項12又は1
    3に記載の光ディスク用対物レンズ。
  15. 【請求項15】 内周領域と中間領域との境界が段差な
    しに接続された請求項12〜14のいずれかに記載の光
    ディスク用対物レンズ。
  16. 【請求項16】 中間領域と外周領域との境界が前記中
    間領域と前記外周領域の形状の交点に設定された請求項
    12〜15のいずれかに記載の光ディスク用対物レン
    ズ。
  17. 【請求項17】 内周領域と中間領域との境界及び中間
    領域と外周領域との境界のいずれも段差なしに接続され
    た請求項12〜16のいずれかに記載の光ディスク用対
    物レンズ。
  18. 【請求項18】 ガラス成形又は樹脂成形によって作製
    された請求項12〜17のいずれかに記載の光ディスク
    用対物レンズ。
  19. 【請求項19】 2つの光源と、前記2つの光源から出
    射した光線をそれぞれの光源に対応した厚みの第1及び
    第2の光ディスク基板を通して情報媒体面上に集光する
    集光手段と、前記情報媒体で変調された光束を分離する
    ための光束分離手段と、前記情報媒体で変調された光を
    受光する受光手段とを備えた光ヘッド装置であって、前
    記集光手段が請求項1〜18のいずれかに記載の光ディ
    スク用対物レンズであることを特徴とする光ヘッド装
    置。
  20. 【請求項20】 光ヘッド装置を用いて、厚さの異なる
    第1及び第2の光ディスク基板の情報媒体面上に情報を
    記録し、あるいは前記情報媒体面上に記録された情報を
    再生する光学情報記録再生装置であって、前記光ヘッド
    装置として請求項19に記載の光ヘッド装置を用いるこ
    とを特徴とする光学情報記録再生装置。
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