JP2001004773A - 原子炉の炉心及び燃料集合体 - Google Patents

原子炉の炉心及び燃料集合体

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JP2001004773A
JP2001004773A JP11172210A JP17221099A JP2001004773A JP 2001004773 A JP2001004773 A JP 2001004773A JP 11172210 A JP11172210 A JP 11172210A JP 17221099 A JP17221099 A JP 17221099A JP 2001004773 A JP2001004773 A JP 2001004773A
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water
fuel
hole
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Mitsuaki Yamaoka
光明 山岡
Shoichi Watanabe
庄一 渡辺
Kiyoshi Ueda
精 植田
Yasushi Tsuboi
靖 坪井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炉心の高さを大幅に低くすることなく、ボイド
係数を負とし、炉心径の増大を抑制する。 【解決手段】長尺燃料集合体2と短尺燃料集合体3とを
正方格子状に配列してなる原子炉の炉心において、長尺
燃料集合体2は長尺燃料部の上下部に軸方向ブランケッ
ト4を備え、短尺燃料集合体3は短尺燃料部の上部に水
排除容器5を有するとともに下部に軸方向ブランケット
4を備えている。水排除容器5は上部にガス抜き孔を、
下部に冷却材流入孔を設けている。定格時には水排除容
器5内に蒸気が溜まり、冷却水を排除し、水排除容器5
外の領域のボイド率増大時に水排除容器5内から中性子
漏れが助長され、同時に水排除容器5内を炉圧と等しく
保ち、出力上昇時の反応度変化を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軽水冷却型原子炉に
使用され、プルトニウムをリサイクルし、炉心構成物
質、配置を改良してウランからプルトニウムへの転換効
率を増大した原子炉の炉心及び燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に軽水冷却型原子炉、例えば沸騰水
型原子炉の炉心は、核分裂性物質を装填した多数体の燃
料集合体を装荷したものから構成され、核燃料からの熱
除去のための冷却材として水が使用されている。
【0003】水の割合が大きい従来の沸騰水型原子炉で
は水に含まれる水素原子の中性子減速能力が大きいた
め、核分裂により発生する高エネルギー中性子が大きく
減速しエネルギーの低い熱中性子となる。
【0004】エネルギーの低い中性子を核分裂性物質が
吸収した場合には、中性子を約3個発生させる核分裂反
応に比べて、核分裂を起こさず原子核の中に取込んでし
まう捕獲反応の割合が大きくなる。すなわち、中性子吸
収あたりの発生中性子数が低エネルギー中性子では少な
い。
【0005】一方、高エネルギー中性子では、捕獲反応
の割合が小さいため、捕獲による効果を含めても吸収あ
たりの平均中性子発生数は2個以上とすることが可能で
あり、1個が核分裂連鎖反応の維持に使われ、残りの1
個はU−238 等の親物質に吸収させて核分裂性物質を効
率的に生成することが可能である。
【0006】この核分裂性物質の生成と消滅の比率は従
来の軽水冷却型原子炉では0.5 程度であるが、燃料棒同
士の距離を小さくして稠密化した炉心では水の減速が少
なく高エネルギー中性子の割合が増加するため、その比
率を0.8 から1.0 程度とすることも可能であり、使用済
み燃料からプルトニウム等の核分裂性物質を回収して再
利用することにより核燃料の大幅な節約が可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】核燃料の利用効率を上
げるために、核燃料を稠密化して転換比を向上させた炉
心では、中性子を減速させる冷却材が少なく、高エネル
ギースペクトルとなるため、従来の液体金属ナトリウム
冷却型高速増殖炉のように冷却材の密度低下による反応
度(冷却材ボイド係数)が正となる可能性がある。
【0008】沸騰水型原子炉では炉心の安全性や安定性
の観点で冷却材ボイド係数は負の値にすることが必要で
ある。この対策として、炉心高さを極端に低くし、軸方
向の中性子漏洩を増大させる例が多い。転換比を1程度
まで、すなわち、増殖が可能なまでに核燃料を非常に稠
密とした設計では、冷却材ボイド係数を負の値にするた
めに炉心高さを50cmないし60cmの高さまで低くしている
設計が多い。
【0009】これは従来の軽水冷却型原子炉の炉心高さ
約370 cmと比べると大幅に低くなっており、同一の熱出
力を確保するには炉心径が大きくなり、また、同一炉心
径では原子炉の熱出力を削減しなければならず、原子炉
プラントの物量が増加し、経済性が悪化する課題があ
る。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、転換比を上げるために稠密化した炉心におい
て、炉心の高さを大幅に低くすることなく冷却材ボイド
係数を負とし、炉心径の増加を抑制し、ウラン資源の利
用率を高め、安全性及び経済性を向上させ得る原子炉の
炉心及び燃料集合体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、多数
の燃料棒を規則的に配列して構成した有効発熱部の長い
長尺燃料集合体と有効発熱部の短い短尺燃料集合体と
を、冷却材上流側の下端がほぼ同じ高さとなるように配
置した軽水冷却型原子炉の炉心において、前記長尺燃料
集合体と前記短尺燃料集合体は構造材を含めた長さがほ
ぼ同一で、燃料物質がウランとプルトニウムとの混合体
で、その主要な核分裂性物質がプルトニウムで、核分裂
性プルトニウムの富化度が略8%以上で、冷却材の水と
燃料物質との体積比を冷却材非沸騰時において1以下に
維持するとともに、前記短尺燃料集合体に水排除容器を
設けてなることを特徴とする。
【0012】この発明によれば、炉心高さを大幅に低く
することなく、ボイド係数を負とし、ボイド率増大時に
中性子漏れを助長し、炉心径とプラント物量の増大を防
止できる。
【0013】請求項2の発明は、チャンネルボックス
と、このチャンネルボックス内に配置された短尺燃料部
と、この短尺燃料部の上方に設けられた水排除容器と、
前記短尺燃料部の下方に設けられた軸方向ブランケット
とを具備し、前記水排除容器は上流側と下流側にそれぞ
れ孔を有し、かつ前記上流側の孔の大きさを下流側の孔
よりも大きくするか、または前記上流側の孔の総面積を
前記下流側の孔の総面積よりも大きく最外周部の横断面
形状が前記チャンネルボックスの内面形状とほぼ相似形
で、前記水排除容器と前記チャンネルボックスの内面と
の間を通過し得る間隙を有することを特徴とする。
【0014】この発明によれば、定格時には水排除容器
内に蒸気が溜り、冷却水を排除するとともに水排除容器
外の領域のボイド率増大時に水排除容器内から中性子漏
れが助長され、同時に炉圧と等しく保つことができる。
【0015】請求項3の発明は、前記水排除容器は、内
部に少なくとも冷却水または気泡の流れを複数に区画す
るように流れと平行方向の仕切り部材を設けてなること
を特徴とする。この発明によれば、水排除容器内の水や
気泡の不安定な出入を防止し、反応度の急激な変化を防
止できる。
【0016】請求項4の発明は、前記水排除容器はその
各区画ごとに上流側と下流側に冷却水または気泡の流れ
を許容する孔を有することを特徴とする。この発明によ
れば、区画ごとに水や気泡の不安定な出入を防止し、反
応度の急激な変化を防止できる。
【0017】請求項5の発明は、前記冷却水または気泡
の流れを許容する孔は、各区画ごとに上流側の孔の大き
さが下流側の孔の大きさよりも大きく、または上流側の
孔の総面積が下流側の孔の総面積よりも大きく、かつ上
流側の孔については前記水排除容器のチャンネルボック
ス内面に近い外周部の区画ほど小さいことを特徴とす
る。この発明によれば、出力運転中、長尺燃料集合体の
周辺で出力ピークが出力ピークを発生しても、出力ピー
ク発生の原因となる冷却水を早めに排除できる。
【0018】請求項6の発明は、前記冷却水または気泡
の流れを許容する孔のうち、上流側はジルコニウムまた
はハフニウムを含有する発熱体を設け、この発熱体に孔
を設けてなることを特徴とする。この発明によれば、捕
獲,ガンマ発熱により水排除容器内部からも気泡が発生
し、高出力時に水排除容器が気泡で満たされる。
【0019】請求項7の発明は、前記発熱体の孔はメネ
ジ状孔からなることを特徴とする。この発明によれば、
水排除容器内に流入する冷却水に対する抵抗が増大す
る。また、発熱でメネジの谷を中心に気泡が発生して成
長し流路が狭くなるので、流路抵抗が増大する。
【0020】請求項8の発明は、前記水排除容器の各区
画には炉水または気泡の流れを遮るように流れと直角方
向の仕切板を配置してなることを特徴とする。この発明
によれば、水排除容器内部の水位の突発的な変化を抑制
し、反応度の急激な変化を防止し、原子炉の安全性を確
保できる。
【0021】請求項9の発明は、前記水排除容器は冷却
材の上流側が解放され、その解放部の冷却材入口付近に
格子状部材を設けてなることを特徴とする。この発明に
よれば、水排除容器の下部での冷却水や気泡の不安定な
流入を抑制することができる。
【0022】請求項10の発明は、前記水排除容器は上下
両端部がほぼ逆円錐状に形成され、前記両端部を結ぶよ
うに貫通管が設けられ、この貫通管の下端部に逆向きの
傘状部材を取付けてなることを特徴とする。この発明に
よれば、非常用炉心冷却系(ECCS)の対策を考慮し
ながら負のボイド係数を達成でき、また高出力時からの
流入防止と、上流側の冷却水の圧損を抑制できる。
【0023】請求項11の発明は、チャンネルボックス
と、このチャンネルボックス内に設けられた短尺燃料部
と、この短尺燃料部の燃料棒が延長されて内部に燃料を
含まないガスプレナム領域と、このガスプレナム領域と
前記短尺燃料部の下流側端との境界近傍に前記ガスプレ
ナム領域側に冷却水の流入を妨げる流路抵抗部材を設け
てなることを特徴とする。この発明によれば、冷却水の
圧損をできるだけ抑制しながら、冷却水の流れを外周部
に向け、負のボイド係数を達成できる。
【0024】請求項12の発明は、前記流路抵抗部材は冷
却材の上流側に向けてほぼ逆円錐状に形成してなること
を特徴とする。この発明によれば、冷却水圧損を抑制
し、水排除容器の場合と同様に、負のボイド係数を達成
する作用がある。
【0025】請求項13の発明は、前記流路抵抗部材は、
中心部ほど上流側に、周辺部ほど下流側になるように段
差をつけて複数の格子状スペーサを設けてなることを特
徴とする。この発明によれば、ガスプレナム領域の最上
流側から上方まで広い気泡領域を確保でき、負のボイド
係数が確保しやすくなる。
【0026】請求項14の発明は、前記短尺燃料部の有効
発熱部の下流側下端近傍に、冷却材の流れを中心部から
前記チャンネルボックスの内面方向に転向させる流路抵
抗部材を設けてなることを特徴とする。この発明によれ
ば、気泡を十分に発達させることができる。
【0027】請求項15の発明は、前記水排除容器、前記
仕切板、前記管通管及び前記チャンネルボックスの少な
くとも一部を低中性子吸収材で形成してなることを特徴
とする。この発明によれば、負の反応度効果をより増大
させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1(a),(b)から図3
(a)〜(c)により本発明に係る原子炉の炉心の実施
の形態と燃料集合体の第1の実施の形態を説明する。図
1(a)は本実施の形態に係る沸騰水型原子炉の炉心の
配置図で、(b)は(a)の縦断面図である。図1
(a)に示した本実施の形態に係る炉心1は有効発熱部
の長い長尺燃料集合体2と有効発熱部の短い短尺燃料集
合体3とを、図1(b)に示すように下端(冷却材上流
側)がほぼ同じ高さとなるように配置されている。
【0029】炉心1の熱出力は3950MW、電気出力1300MW
であり、炉心1は長尺燃料集合体2を144 体と、短尺燃
料集合体3を88体、炉中心から径方向に同心円状に配置
して構成される。長尺燃料集合体2の上部および下部に
は軸方向ブランケット4が設けられ、短尺燃料集合体3
の下部に軸方向ブランケット4が設けられている。ま
た、短尺燃料集合体3の上部には水排除容器5が設けら
れている。
【0030】なお、後述する第2の実施の形態から第10
の実施の形態において適用し得る原子炉の炉心の構成は
図1(a),(b)と同様であり、長尺燃料集合体2は
図3(a),(b)と同様で、短尺燃料集合体3のみ構
成が異なるため、第2の実施の形態から第10の実施の形
態においては、原子炉の炉心1と長尺燃料集合体2の図
は省略する。
【0031】図2(a)は第1の実施の形態における短
尺燃料集合体3の縦断面図で、図2(b)は(a)のA
−A矢視断面図、図2(c)は(a)のB−B矢視断面
図、図2(d)は(a)のC−C矢視断面図である。
【0032】また、図3(a)は図2(a)における短
尺燃料集合体3と図3(b)における長尺燃料集合体2
を拡大して示す横断面図で、図3(b)は長尺燃料集合
体2の縦断面図である。図2(a)〜(d)に示す短尺
燃料集合体3はチャンネルボックス6内に水排除容器
5,短尺燃料部11および軸方向ブランケット4が配置さ
れている。図3(b)に示す長尺燃料集合体2は、チャ
ンネルボックス6a内に長尺燃料部12およびその上下に
軸方向ブランケット4が配置されている。
【0033】なお、図3(a)に示すように短尺燃料部
11と長尺燃料部12の軸方向ブランケット4は燃料棒11
a,12aを構成している。短尺燃料部11と長尺燃料部12
は劣化ウランにプルトニウムを富化した、主要な核分裂
性物質をプルトニウムとする混合酸化物からなる炉心燃
料であり、その下部の軸方向ブランケット4は劣化ウラ
ンである。
【0034】これらの燃料棒11a,12aは図示していな
いが、スペーサを介して整列に配置され、上下両端部は
上部タイプレートおよび下部タイプレートによって固定
されている。
【0035】短尺燃料集合体3における軸方向長さは、
炉心燃料となる短尺燃料部11は約70cm、軸方向ブランケ
ット4は約40cmである。炉心燃料と軸方向ブランケット
4はその外径が約12mmの被覆管に納められ、燃料棒を構
成している。被覆管内の燃料直径は約10mmである。
【0036】燃料棒11aは、図3(a)に示すようにチ
ャンネルボックス6内に三角格子状に配列されており、
燃料棒間のギャップは約1.3 mmである。これらの寸法は
あくまで一例であるが、この場合、断面の冷却水領域と
燃料領域の体積比は非沸騰時において約0.5 と、従来の
軽水冷却型原子炉の約2と比べて非常に小さくなってい
る。
【0037】したがって、中性子のエネルギーを低下さ
せる減速材の冷却水が少ないために、平均中性子エネル
ギーは従来の軽水冷却型原子炉と比べて高い。このた
め、核分裂性物質であるプルトニウムの転換比が約1.0
と高くなっており、核分裂性プルトニウムの富化度は約
11%である。これらの燃料棒11a約600 本を断面の一辺
が約30cmの大きさのチャンネルボックス6で包んでい
る。
【0038】図2(a)〜(d)に示すように短尺燃料
部11の上側にはチャンネルボックスが延長されており、
その内部には横断面形状がチャンネルボックス6の内面
形状と相似形で、冷却水が水排除容器5とチャンネルボ
ックス6との間隙13を通過できる程度に小型の水排除容
器5がチャンネルボックス6の内面に支持部材7を介し
て固着されている。この水排除容器5の軸方向長さは約
1m、断面の一辺は約20cmである。
【0039】水排除容器5の内部に冷却材流れと平行方
向の空間仕切り部材8を設けて複数の区画を構成してい
る。また、水排除容器には区画ごとに冷却材の流れを許
容する上部の孔9と下部の孔10を上下に設けている。
【0040】そして、仕切り部材8で仕切られた各区画
において上部の孔9の大きさは下部の孔10の大きさより
も小さく、さらに上下部の孔9,10の大きさは下部の孔
10では同一であるが、上部の孔9ではチャンネルボック
ス6の内面に近い外周部の区画ほど小さく形成されてい
る。
【0041】図3(b)において、長尺燃料部12は劣化
ウランにプルトニウムを富化した混合酸化物からなる炉
心燃料であり、短尺燃料集合体3の短尺燃料部11の2倍
の長さの約140 cmである。その他は断面形状、燃料の組
成とも短尺燃料部11と同様であるが、水排除容器5は設
けない。長尺燃料部12の下部だけでなく、上部にも短尺
燃料集合体3と同様な組成の軸方向ブランケット4を設
けている。
【0042】つぎに水排除容器5の作用を説明する。短
尺燃料集合体3が炉心に装荷された時点で、冷却水は水
排除容器5下部の孔10から流入し、内部の空気は上部の
孔9から排出され、水排除容器5内部は冷却水で満たさ
れる。出力運転中においては、短尺燃料部11の下流端か
ら排出した冷却水と気泡の一部がチャンネルボックス6
と水排除容器5の間の間隙13を通り抜けるが、一部は水
排除容器5の下部の孔10から内部に流入する。
【0043】内部に流入した気泡に着目すると、仕切り
部材8で仕切られた各領域において上部の孔9の大きさ
が下部の孔10の大きさよりも小さいために、下部の孔10
からの気泡流入率が上部の孔9からの流出率よりも高く
なり、水排除容器5の内部には気泡が蓄積していき、十
分に時間が経過すれば水排除容器5の内部はほぼ気泡の
みとなる。
【0044】このような運転状態において、何らかの原
因により出力が増大すると、短尺燃料部11と長尺燃料部
12の気泡発生量も増大して炉心全体の冷却水ボイド率が
増大する。これにより中性子スペクトルが硬くなり、核
分裂反応が増加、つまり炉心反応度が増加する方向とな
る。
【0045】ところが、内部に気泡が充満したボイド状
態の水排除容器5を設けているため、スペクトルが硬く
なると短尺燃料部11や隣接する長尺燃料部12から水排除
容器5を通して漏洩する中性子も増大するために、炉心
反応度増大が抑制される。
【0046】また、チャンネルボックス6と水排除容器
5の間の間隙13における冷却水中のボイド率も増大し、
隣接する長尺燃料部12から漏洩し、この間隙13の冷却水
で反射される中性子の割合が減少するため、水排除容器
5を通して上方へ漏洩する中性子が増大して、炉心反応
度を低減する。
【0047】これらの効果が相俟ってボイド率増大時の
炉心反応度の増大が抑制され、負の反応度を確保でき
る。これは何らかの理由で冷却水流量が減少し、ボイド
率が増大した場合も同様である。すなわち、冷却水のボ
イド係数を負にすることができる。
【0048】表1は従来の偏平炉心と第1の実施の形態
の炉心の特性を比較したものである。表1では同一炉心
径として両者を比較している。本実施の形態では長尺燃
料部12と短尺燃料部11の平均として実効炉心高さは約11
0 cmであり、同一炉心径では従来の偏平炉心の高さ(約
55cm)よりも炉心体積が約2倍となっている。両炉心と
も同等な負のボイド係数となっており、本実施の形態の
方が負のボイド係数を確保しながら平均炉心高さを高く
することができる。
【0049】
【表1】 また、本実施の形態では出力ピーキング係数が従来の偏
平炉心に比べて約1.3倍大きいものの、同一の最大線出
力制限値のもとでは熱出力を約1.5 倍程度発生させるこ
とができ、従来の偏平炉心よりも経済的に約1.0 という
高い転換比の炉心を達成している。さらに、同一の熱出
力を確保する条件の下では、本実施の形態の方がより炉
心径を小さくでき、やはり同様に経済的な炉心とするこ
とができる。
【0050】つぎに、水排除容器5における仕切り部材
8と上部の孔9の大きさの差について作用を述べる。水
排除容器5内部において水や気泡の流出入により液面の
高さが変動すると炉心反応度も変動することになる。仕
切り部材8は1つの区画の大きさを制限して水や気泡の
不安定出入りの影響を緩和し、炉心反応度の急激な変化
を防止する働きを持つと同時に、水排除容器5の機械的
強度を増加させる。
【0051】また、停止状態からの出力上昇中は、前述
したように短尺燃料部11での気泡発生増大、水排除容器
5中での気泡流入増加により水排除容器5の液面が徐々
に低下していく。中心の区画と外周の区間とで上部の孔
9の大きさが異なっているため、液面低下速度が異な
り、液面低下による反応度への影響を緩和することがで
きる。
【0052】さらに、長尺燃料部12で水排除容器5に隣
接した領域では、水による中性子の熱化によって出力ピ
ークが発生する可能性があるが、上部の孔9の大きさを
チャンネルボックス6に近い外周部ほど小さくしている
ので、外周部区画の液面低下が早く、隣接した長尺燃料
部12における出力ピークの原因となる水を早めに排除す
ることができる。
【0053】なお、水排除容器5や仕切り部材8の板厚
が厚い場合には、中性子の漏洩を妨げる作用を有する
が、水排除容器5の内外の圧力差は小さいので、その厚
さを薄く保つことができる。
【0054】つぎに図4(a)〜(c)により本発明に
係る燃料集合体の第2の実施の形態を説明する。図4
(a)は本実施の形態における短尺燃料集合体3aの上
部を拡大して示した縦断面図、図4(b)は図4(a)
のA−A矢視断面図、図4(c)は図4(a)のB−B
矢視断面図である。
【0055】本実施の形態が図2に示した第1の実施の
形態と異なる点は、水排除容器5の下部に発熱体14を設
け、この発熱体14にメネジ孔15を設けたことにある。他
の部分は第1の実施の形態と同様であるのでその説明は
省略する。
【0056】この短尺燃料集合体3aにおいては水排除
容器5の下部に設けた冷却水や気泡の流れを許容する孔
はハフニウムとジルコニウム合金である発熱体14にメネ
ジ孔15を設け、メネジ孔15の大きさは上部の孔9よりも
大きくなっている。
【0057】本実施の形態によれば、水排除容器5の下
部の発熱体14での中性子捕獲,ガンマ発熱により水排除
容器5内部からも気泡が発生し、高出力時に水排除容器
5が気泡に満たされ、さらに発熱によりメネジ孔15の谷
を中心に気泡が発生して成長し、流路が狭くなるので流
路抵抗が増大し、内部に冷却水が進入するのを妨げる。
このように、第1の実施の形態と同様に出力運転中に水
排除容器5の内部を気泡で満たすことができ、ボイド係
数を負にする作用を有する。
【0058】なお、本実施の形態において第1の実施の
形態のように仕切り部材8を設け、また、上部の孔9の
大きさを外周部ほど大きくすれば、冷却水や気泡の不安
定流入による炉心反応度への影響を緩和できることは同
様である。
【0059】つぎに図5(a)〜(d)により本発明に
係る燃料集合体の第3の実施の形態を説明する。なお、
図5(a)は本実施の形態に係る燃料集合体3bの縦断
面図で、図5(b)は図5(a)のA−A矢視断面図、
図5(c)は図5(a)のB−B矢視断面図、図5
(d)は図5(a)のC−C矢視断面図で、図2(a)
〜(d)と同一部分には同一符号を付して重複する部分
の説明は省略する。
【0060】本実施の形態が第1の実施の形態と異なる
点は、水排除容器5内に垂直(縦)方向の仕切り部材8
の他に横方向仕切り部材16を設けたことにある。横方向
仕切り部材16には冷却水が流れる流路孔17が設けられて
いる。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0061】本実施の形態によれば、第1の実施の形態
と同様にボイド係数を負にする作用を有する他に、容器
内部の水位の突発的な変化を抑制し、反応度の急激な変
化を防止し、原子炉の安全性を確保する作用が得られ
る。
【0062】つぎに図6(a)〜(c)により本発明に
係る燃料集合体の第4の実施の形態を説明する。なお、
図6(a)は本実施の形態に係る燃料集合体3cの上部
を拡大して示した縦断面図で、図6(b)は図6(a)
のA−A矢視断面図、図6(c)は図6(a)のB−B
矢視断面図である。
【0063】本実施の形態が第1の実施の形態と異なる
点は、水排除容器5の上下両端を封止する上部端板18と
下部端板19をV字状に形成してそれぞれに上部の孔9と
下部の孔10を設け、上部端板18から下部端板19を貫通す
る貫通管20を設け、貫通管20の下端部に逆傘状部材21を
取付けたことにある。
【0064】すなわち、水排除容器5の上下両端を冷却
水上流側に円錐形状に突出するように形成することによ
り、上流側の冷却水の圧力損失を抑制する作用がある。
また、冷却材の下流側には水排除容器5の内部に向けて
逆円錐形に突出するように構成し、かつ上流側及び下流
側の円錐頂部を結ぶように貫通管20を固着し、この管通
管20の上流側(下側)に逆傘状部材21を傘の頂点が下向
きとなるように逆三角形状に取付ける。
【0065】本実施の形態によれば、非常用炉心冷却系
(ECCS)の装置が作動した場合には上方から注入さ
れた冷却水が貫通管20を通して効率よく短尺燃料部11に
到達することができる。逆傘状部材21は出力運転時に貫
通管20への冷却水流入量を抑制し気泡割合を高める作用
を有すると同時に、上流側の冷却水の圧損抑制を図るこ
とができる。このように、本実施の形態によれば、EC
CS対策を考慮しながら、負のボイド係数を達成するこ
とができる。
【0066】つぎに図7(a)〜(c)により本発明に
係る燃料集合体の第5の実施の形態を説明する。なお、
図7(a)は本実施の形態に係る燃料集合体3dの上部
を拡大して示した縦断面図で、図7(b)は図7(a)
のA−A矢視断面図、図7(c)は図7(a)のB−B
矢視断面図である。
【0067】本実施の形態が第1の実施の形態と異なる
点は、水排除容器5の下端部は解放されており、この解
放部に格子状に組んだ格子状部材22を設けたことにあ
る。その他の部分は第1の実施の形態と同様なので、同
一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略
する。
【0068】本実施の形態によれば、これまでの実施の
形態と同様に出力運転中に水排除容器5の内部を気泡で
満たすことができ、ボイド係数を負にする作用を有する
が、下部での冷却水や気泡の不安定流入が生じやすいた
めに、格子状部材22を設けることによりこれを抑制する
ことができる。
【0069】つぎに図8(a),(b)により本発明に
係る燃料集合体の第6の実施の形態を説明する。なお、
図8(a)は本実施の形態に係る燃料集合体3eの縦断
面図、図8(b)は図8(a)のA−A矢視断面図であ
る。
【0070】本実施の形態は、短尺燃料部11の上方には
チャンネルボックス6の内面からの距離が5cmを超える
範囲において、前記短尺燃料部11の燃料棒が約1m程度
延長され、被覆管内部には核燃料を含まず、核分裂ガス
を収容するガスプレナム領域23となっている。さらに、
短尺燃料部11とガスプレナム領域23との境界近傍でガス
プレナム領域23側に冷却材の流れを妨げる逆円錐形状流
路抵抗部材24を配置したことにある。
【0071】逆円錐形状流路抵抗部材24の形状は冷却水
の上流側に向けて逆円錐形状であることにより、冷却水
圧損をできるだけ抑制しつつ、冷却水流れを外周部に向
かわせる作用がある。逆円錐形状流路抵抗部材24によ
り、ガスプレナム領域23では冷却水流量が少なく気泡の
割合が高くなり、内部ガス領域とも合わせて中性子が漏
洩しやすい領域となっている。本実施の形態によれば、
水排除容器5の場合と同様に、負のボイド係数を達成す
る作用を有する。
【0072】つぎに図9により本発明に係る燃料集合体
の第7の実施の形態を説明する。図9は本実施の形態に
係る燃料集合体3fの縦断面図である。本実施の形態は
第6の実施の形態に準じたもので、第6の実施の形態に
おける冷却水の上流側に向けて逆円錐形状流路抵抗部材
24の代りに、2段階の段差をもたせて上部格子状スペー
サ25と下部格子状スペーサ26を設けるとともに、上部格
子状スペーサ25を下部格子状スペーサ26よりも横方向の
大きさを小さくしたことにある。
【0073】本実施の形態によれば、上流側の上部格子
状スペーサ25近傍では、このスペーサ25が配置されてい
るガスプレナム領域23部分で冷却水流量が減少し、上部
格子状スペーサ25が配置されていない外周部への冷却水
流れが発生し、燃料棒が延長されていないチャンネルボ
ックス6の内面からの距離が5cm以内の領域に冷却水が
多く流れるようになる。これにより、ガスプレナム領域
23での流量が減少し、気泡割合を高めることができ、や
はり水排除容器5の場合と同様に、負のボイド係数を達
成する作用を有する。
【0074】つぎに図10により本発明に係る第8の実施
の形態を説明する。図10は本実施の形態に係る燃料集合
体3gの縦断面図である。本実施の形態は第7の実施の
形態に準じたもので、短尺燃料部11の上方にはチャンネ
ルボックス6の内面からの距離が5cmを超える範囲にお
いて、燃料棒が約1m程度延長されたガスプレナム領域
23となっているが、流路抵抗部材として、大きさの異な
る上部格子状スペーサ25と下部格子状スペーサ26を段差
をもたせて有効発熱部である短尺燃料部11の下流側に設
けたことにある。
【0075】本実施の形態において、気泡が横方向に十
分発達するのは幅の広い上部格子状スペーサ25の下流側
なので、ガスプレナム領域23の最上流側から広い気泡領
域を確保するために、ガスプレナム領域23のやや上流側
の短尺燃料部11に流路抵抗部材として格子状スペーサ25
と下部格子状スペーサ26を設けている。
【0076】本実施の形態によれば、ガスプレナム領域
23の最上流側から上まで広い気泡領域を確保でき、負の
ボイド係数を確保しやすくなる。なお、流路抵抗部材の
下流側で短尺燃料部11の熱除去が低下するが、これには
プルトニウム富化度の低減等、燃料物質の量を低減する
ことで対応できる。
【0077】つぎに図11により本発明に係る第9の実施
の形態を説明する。図11は本実施の形態に係る燃料集合
体3hの縦断面図である。本実施の形態が第1の実施の
形態と異なる点は、短尺燃料部11の下方に位置する下部
位置方向ブランケット4の下方にガスプレナム領域23を
設けて、短尺燃料部11の核分裂生成ガスを蓄積すること
にある。
【0078】本実施の形態によれば、短尺燃料部11の下
流側にガスプレナム領域23を設けた場合に比べて、中性
子漏洩を助長する水排除容器5及びチャンネルボックス
6の内面と、水排除容器5の間隙13の流路に対し、炉心
燃料部の有効発熱部を近接して配置することができ、炉
心燃料部からの中性子漏洩効果を効率よく利用すること
ができ、ボイド係数の確保に有利となる。
【0079】つぎに図2により本発明に係る燃料集合体
の第10の実施の形態を説明する。本実施の形態において
は、図2に示す前述した第1の実施の形態における短尺
燃料集合体において、水排除容器5とその内部の仕切り
部材8、チャンネルボックス6を中性子吸収の少ない例
えばジルコニウムのような低中性子吸収材で形成したこ
とにある。
【0080】水排除容器5とチャンネルボックス6の間
隙13には冷却水と気泡が流れており、水の体積が大きい
ので多くの中性子が減速され、熱化している。冷却水中
のボイド率が増大すると、減速度合いが低下し、中性子
スペクトルは硬くなる。
【0081】この場合、ステンレス鋼のように低エネル
ギーでの中性子捕獲割合が大きい材料では中性子スペク
トルが硬くなることにより中性子吸収量が大きく減少
し、正の反応度効果を及ぼす。したがって、水排除容器
5とその近傍では中性子吸収の少ない材料を用いる方が
負の反応度効果を確保するのに有利である。
【0082】本実施の形態によれば、水排除容器5とそ
の内部の仕切り部材8、チャンネルボックス6を含めて
中性子吸収の少ないジルコニウムとしているので、負の
反応度効果をより増大させるとができる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、軽水冷却型原子炉で
は、炉心高さを大幅に低くすることなく、従来炉心の径
方向サイズと同等の大きさで高転換や増殖を可能とし、
ウラン資源の利用率を大幅に高めることができる。これ
により、資源有効活用、安全性、経済性が同時に満足で
きる原子炉を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る原子炉の炉心の実施の形
態を示す炉心配置図、(b)は(a)の縦断面図。
【図2】(a)は本発明の第1および第10の実施の形態
の炉心に適用される短尺燃料集合体の縦断面図、(b)
は(a)のA−A矢視断面図、(c)は(a)のB−B
矢視断面図、(d)は(a)のC−C矢視断面図。
【図3】(a)は本発明の各々の実施の形態に共通な短
尺燃料集合体及び長尺燃料集合体の有効発熱部を示す横
断面図、(b)は同じく共通な長尺燃料集合体を示す縦
断面図。
【図4】(a)は本発明に係る燃料集合体の第2の実施
の形態を示す縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視断
面図、(c)は(a)のB−B矢視断面図である。
【図5】(a)は本発明に係る燃料集合体の第3の実施
の形態を示す縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視断
面図、(c)は(a)のB−B矢視断面図、(d)は
(a)のC−C矢視断面図。
【図6】(a)は本発明に係る燃料集合体の第4の実施
の形態を示す縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視断
面図、(c)は(a)のB−B矢視断面図。
【図7】(a)は本発明に係る燃料集合体の第5の実施
の形態を示す縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視断
面図、(c)は(a)のB−B矢視断面図。
【図8】(a)は本発明に係る燃料集合体の第6の実施
の形態を示す縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視拡
大断面図。
【図9】本発明に係る燃料集合体の第7の実施の形態を
示す縦断面図。
【図10】本発明に係る燃料集合体の第8の実施の形態
を示す縦断面図。
【図11】本発明に係る燃料集合体の第9の実施の形態
を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…炉心、2…長尺燃料集合体、3…短尺燃料集合体、
4…軸方向ブランケット、5…水排除容器、6…短尺用
チャンネルボックス、6a…長尺用チャンネルボック
ス、7…支持部材、8…仕切り部材、9…上部の孔、10
…下部の孔、11…短尺燃料部、12…長尺燃料部、13…間
隙、14…発熱体、15…メネジ孔、16…横方向仕切り部
材、17…流路孔、18…上部端板、19…下部端板、20…貫
通管、21…逆傘状部材、22…格子状部材、23…ガスプレ
ナム領域、24…逆円錐形状流路抵抗部材、25…上部格子
状スペーサ、26…下部格子状スペーサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 精 東京都港区芝大門一丁目4番4号 アイテ ル技術サービス株式会社内 (72)発明者 坪井 靖 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の燃料棒を規則的に配列して構成し
    た有効発熱部の長い長尺燃料集合体と有効発熱部の短い
    短尺燃料集合体とを、冷却材上流側の下端がほぼ同じ高
    さとなるように配置した軽水冷却型原子炉の炉心におい
    て、前記長尺燃料集合体と前記短尺燃料集合体は構造材
    を含めた長さがほぼ同一で、燃料物質がウランとプルト
    ニウムとの混合体で、その主要な核分裂性物質がプルト
    ニウムで、核分裂性プルトニウムの富化度が略8%以上
    で、冷却材の水と燃料物質との体積比を冷却材非沸騰時
    において1以下に維持するとともに、前記短尺燃料集合
    体に水排除容器を設けてなることを特徴とする原子炉の
    炉心。
  2. 【請求項2】 チャンネルボックスと、このチャンネル
    ボックス内に配置された短尺燃料部と、この短尺燃料部
    の上方に設けられた水排除容器と、前記短尺燃料部の下
    方に設けられた軸方向ブランケットとを具備し、前記水
    排除容器は上流側と下流側にそれぞれ孔を有し、かつ前
    記上流側の孔の大きさを下流側の孔よりも大きくする
    か、または前記上流側の孔の総面積を前記下流側の孔の
    総面積よりも大きく最外周部の横断面形状が前記チャン
    ネルボックスの内面形状とほぼ相似形で、前記水排除容
    器と前記チャンネルボックスの内面との間を通過し得る
    間隙を有することを特徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】 前記水排除容器は、内部に少なくとも冷
    却水または気泡の流れを複数に区画するように流れと平
    行方向の仕切り部材を設けてなることを特徴とする請求
    項2記載の燃料集合体。
  4. 【請求項4】 前記水排除容器はその各区画ごとに上流
    側と下流側に冷却水または気泡の流れを許容する孔を有
    することを特徴とする請求項3記載の燃料集合体。
  5. 【請求項5】 前記冷却水または気泡の流れを許容する
    孔は、各区画ごとに上流側の孔の大きさが下流側の孔の
    大きさよりも大きく、または上流側の孔の総面積が下流
    側の孔の総面積よりも大きく、かつ上流側の孔について
    は前記水排除容器のチャンネルボックス内面に近い外周
    部の区画ほど小さいことを特徴とする請求項4記載の燃
    料集合体。
  6. 【請求項6】 前記冷却水または気泡の流れを許容する
    孔のうち、上流側はジルコニウムまたはハフニウムを含
    有する発熱体を設け、この発熱体に孔を設けてなること
    を特徴とする請求項2ないし5記載の燃料集合体。
  7. 【請求項7】 前記発熱体の孔はメネジ状孔からなるこ
    とを特徴とする請求項6記載の燃料集合体。
  8. 【請求項8】 前記水排除容器の各区画には炉水または
    気泡の流れを遮るように流れと直角方向の仕切板を配置
    してなることを特徴とする請求項3ないし7記載の燃料
    集合体。
  9. 【請求項9】 前記水排除容器は冷却材の上流側が解放
    され、その解放部の冷却材入口付近に格子状部材を設け
    てなることを特徴とする請求項2ないし8記載の燃料集
    合体。
  10. 【請求項10】 前記水排除容器は上下両端部がほぼ逆
    円錐状に形成され、前記両端部を結ぶように貫通管が設
    けられ、この貫通管の下端部に逆向きの傘状部材を取付
    けてなることを特徴とする請求項2ないし9記載の燃料
    集合体。
  11. 【請求項11】 チャンネルボックスと、このチャンネ
    ルボックス内に設けられた短尺燃料部と、この短尺燃料
    部の燃料棒が延長されて内部に燃料を含まないガスプレ
    ナム領域と、このガスプレナム領域と前記短尺燃料部の
    下流側端との境界近傍に前記ガスプレナム領域側に冷却
    材の流入を妨げる流路抵抗部材を設けてなることを特徴
    とする燃料集合体。
  12. 【請求項12】 前記流路抵抗部材は冷却材の上流側に
    向けてほぼ逆円錐状に形成してなることを特徴とする請
    求項11記載の燃料集合体。
  13. 【請求項13】 前記流路抵抗部材は、中心部ほど上流
    側に、周辺部ほど下流側になるように段差をつけて複数
    の格子状スペーサを設けてなることを特徴とする請求項
    12記載の燃料集合体。
  14. 【請求項14】 前記短尺燃料部の有効発熱部の下流側
    下端近傍に、冷却材の流れを中心部から前記チャンネル
    ボックスの内面方向に転向させる流路抵抗部材を設けて
    なることを特徴とする請求項11ないし13記載の燃料集合
    体。
  15. 【請求項15】 前記水排除容器、前記仕切板、前記管
    通管及び前記チャンネルボックスの少なくとも一部を低
    中性子吸収材で形成してなることを特徴とする請求項1
    ないし14記載の燃料集合体。
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