JP2001004007A - 車両用多段変速機 - Google Patents

車両用多段変速機

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JP2001004007A
JP2001004007A JP11170946A JP17094699A JP2001004007A JP 2001004007 A JP2001004007 A JP 2001004007A JP 11170946 A JP11170946 A JP 11170946A JP 17094699 A JP17094699 A JP 17094699A JP 2001004007 A JP2001004007 A JP 2001004007A
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input
output
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clutch
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Masahiro Okubo
正博 大窪
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Exedy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段変速機における変速比を等比数列にし、
しかも変速操作を容易にする。 【解決手段】 この多段変速機は、入力側副変速機10
と、主変速機11と、出力側副変速機12とを備えてい
る。入力側副変速機10は、流体継手15と、流体継手
15の出力部に設けられた遊星歯車列16と、流体継手
15及び遊星歯車列16の動力伝達経路を2段階に切り
換えるための第1クラッチC1及び第1ブレーキ装置B
1とを有している。主変速機11は、入力側副変速機1
0の出力が入力され、複数段階の変速を行う。出力側副
変速機12は、遊星歯車列35と、この遊星歯車列35
の動力伝達経路を2段階に切り換えるための第2クラッ
チC2及び第2ブレーキB2とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多段変速機に関
し、特に、原動機からの動力を変速して出力軸に出力す
る車両用多段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】中型あるいは大型車両としてのトラック
やバス等では、6段あるいは7段変速の変速機が用いら
れている。一方、これらよりさらに大型のトラクター等
の重車両においては、10段以上の12段〜16段の多
段変速機が用いられている。このような多段変速機で
は、1つの変速機で多段変速を実現しようとすると、軸
方向に長くなりすぎてしまって、たわみが発生する等の
問題が生じる。
【0003】そこで、一般的な多段変速機は、主変速機
以外に、入力側に2段変速の副変速機を設けている。図
1に、従来の多段変速機を有する動力伝達装置の一例を
模式的に示す。この装置は、エンジンからの動力を変速
機側に伝達するクラッチ1と、入力側副変速機2と、主
変速機3とを有している。クラッチ1は、トランスミッ
ションケースの前端部に設けられたクラッチハウジング
内部に設けられ、入力側副変速機2及び主変速機3はミ
ッションケースに収納されている。主変速機3はドグク
ラッチ又はシンクロ装置を含んでいる。また、入力側副
変速機2では、ハイ(Hi)及びロー(Lo)2種のカ
ウンタギアの噛み合いを切り換えることにより変速が行
われる。切換は、ドグクラッチ又はシンクロ装置によっ
て行われる。
【0004】図1に示す装置の切換操作を図2に示す。
図2において、横方向の矢印は主変速機3での切換操作
を、縦方向の矢印は入力側副変速機2での切換操作を、
また斜め方向の矢印は主変速機3と入力側副変速機2で
の同時切換操作をそれぞれ示している。また、図3に、
従来の多段変速機を有する動力伝達装置の他の例を模式
的に示す。
【0005】この装置は、前記図1に示した装置に加え
て、出力側副変速機4が設けられている。出力側副変速
機4では、主変速機3からの出力を、カウンタギア又は
遊星ギアを切り換えることによって変速が行われる。ま
た、この図3に示す装置の、16段の場合の切換操作を
図4に示す。ここでも、前記同様に、横方向の矢印は主
変速機3での切換操作を、縦方向の矢印は入力側副変速
機2での切換操作を、また斜め方向の矢印は主変速機3
と入力側副変速機2での同時切換操作をそれぞれ示して
いる。また、横方向の破線の矢印は出力側副変速機4と
主変速機3での同時切換を、斜め方向の破線の矢印は出
力側副変速機4と主変速機3と入力側副変速機2での同
時切換を示している。
【0006】なお、図3に示した装置では、各段の変速
比を等比数列にしてスムーズな変速感覚を得ることが容
易である。すなわち、公比をx(ほぼ「1.2」)とし
て、入力側副変速機2の変速比を「1,x」とし、主変
速機3の変速比を「1,x2,x4,x6」とし、出力側
副変速機4の変速比を「1,x8」とすれば、各段の変
速比を等比数列にすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のような従来の多
段変速機においては、入力側副変速機、主変速機及び出
力側副変速機を切り換える場合、クラッチを操作してエ
ンジンからの動力を遮断する必要がある。また、偶数変
速段から奇数変速段への切換操作は、前記の2つあるい
は3つの変速機を同時に切換操作しなければならない
が、従来の変速機では、手動あるいはピストン等のアク
チュエータを用いてドグクラッチあるいはシンクロ装置
を切り換えており、変速操作がスムーズに行えない。
【0008】また、前記のような多段変速機が必要とな
る車両は、大型トラクター等の重車両であるが、このよ
うな重車両においては、大きなエンジンブレーキ等の、
フットブレーキ以外のブレーキも必要となる。本発明の
課題は、従来の多段変速機同様に、変速比を等比数列に
することができ、しかも変速操作を容易にすることにあ
る。
【0009】本発明の別の課題は、大きなエンジンブレ
ーキを得ることができるようにすることにある。本発明
のさらに別の課題は、変速機の構造をコンパクトにする
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る車両用多
段変速機は、原動機からの動力を変速して出力軸に出力
するものであり、入力側副変速機と、主変速機と、出力
側副変速機とを備えている。入力側副変速機は、流体継
手と、流体継手の出力部に設けられた遊星歯車列と、流
体継手及び遊星歯車列の動力伝達経路を2段階に切り換
えるための第1クラッチ装置及び第1ブレーキ装置とを
有している。主変速機は、入力側副変速機の出力が入力
され、複数段階の変速を行う。出力側副変速機は、主変
速機の出力が入力される遊星歯車列と、この遊星歯車列
の動力伝達経路を2段階に切り換えるための第2クラッ
チ装置及び第2ブレーキ装置とを有している。
【0011】この多段変速機では、入力側副変速機にお
いて第1クラッチ装置及び第1ブレーキ装置を制御する
ことにより、動力伝達経路が低速側及び高速側の2段階
に切り換えられる。また、主変速機ではシンクロ装置あ
るいは油圧クラッチ装置等によって複数段階の変速が行
われる。さらに、出力側副変速機では第1クラッチ装置
及び第2ブレーキ装置を制御することにより、動力伝達
経路が低速側及び高速側の2段階に切り換えられる。し
たがって、{2×(主変速機の変速段数)×2}の多段
変速が可能となる。
【0012】ここでは、入力側副変速機において流体継
手が設けられているので、発進及び停止時においてクラ
ッチペダル操作が不要になる。また入力側副変速機に流
体継手が設けられるとともに、遊星歯車列、例えば通常
の自動変速機に用いられている方式と同じく油圧で作動
するクラッチ装置及びブレーキ装置によって変速のため
の切換を行うので、他の変速機と同時に変速操作を行わ
なければならない場合にも、変速操作が容易になる。さ
らに、入力側副変速機が流体継手及びその近傍に設けら
れた遊星歯車列等で構成されているので、従来装置のよ
うにトランスミッションケースに配置されている場合に
比較して装置全体を小型化できる。
【0013】請求項2に係る車両用多段変速機は、請求
項1記載の装置において、流体継手は、原動機からの動
力が入力されるインペラと、インペラに対向して配置さ
れロックアップクラッチを有するタービンとを有してい
る。そして、入力側副変速機の遊星歯車列は、タービン
に連結されたリングギアと、リングギアに噛み合う複数
の遊星ギアと、複数の遊星ギアを回転自在に支持すると
ともに主変速機に動力を出力するキャリアと、複数の遊
星ギアが噛み合うサンギアとを有している。さらに、第
1クラッチ装置は原動機からの動力をキャリアに伝達及
び遮断するものであり、第1ブレーキ装置はサンギアの
回転を制動するものである。
【0014】この多段変速機では、ロックアップクラッ
チ及び第1クラッチ装置をともにオフ(動力遮断)し、
第1ブレーキ装置をオフ(解放)することによって、ニ
ュートラル状態となる。また、ロックアップクラッチ及
び第1クラッチ装置をともにオフし、第1ブレーキ装置
をオン(制動)することによって、原動機からの動力が
流体継手を介して伝達される低速側流体伝達状態とな
る。また、ロックアップクラッチをオン(動力伝達)
し、第1クラッチ装置をオフし、第1ブレーキ装置をオ
ンすることによって、原動機からの動力が遊星歯車列を
介して減速されて伝達される低速側直結伝達状態とな
る。さらに、ロックアップクラッチ及び第1クラッチ装
置をともにオンし、第1ブレーキ装置をオフすることに
よって、原動機からの動力が減速されずにそのまま出力
される高速状態となる。
【0015】ここでは、低速側及び高速側の切換だけで
はなく、低速側において流体伝達と直結伝達とが可能に
なる。したがって、流体伝達状態に設定すれば、エンジ
ンブレーキ時に、タービンを原動機回転数よりも高くし
てエンジンブレーキの増大作用(リターダ作用)を行わ
せることができる。また、低速側直結伝達状態にすれ
ば、登坂時において入力側副変速機を低速側にしても、
流体による損失をなくすことができる。
【0016】請求項3に係る車両用多段変速機は、請求
項2の装置において、キャリアと主変速機との間に設け
られた中間クラッチ装置をさらに備えている。ここで、
主変速機をシンクロ装置等の機械式で構成した場合、主
変速機の入力側に連結された部材のイナーシャあるいは
ドラグトルクが大きいと、変速時に回転を同期させるの
が困難になり、スムーズな変速操作が行えない。
【0017】そこで、この請求項に係る車両用多段変速
機では、キャリアと主変速機との間に中間クラッチ装置
を設け、変速時において主変速機と、その入力部に接続
されたイナーシャあるいはドラグトルクとを切り離すこ
とができるようにしている。これにより、変速時におい
て中間クラッチ装置をオフすれば、回転の同期が容易に
なり、スムーズな変速操作が可能になる。
【0018】請求項4に係る車両用多段変速機は、請求
項2の装置において、キャリアは主変速機に直接連結さ
れている。主変速機を油圧クラッチ装置で構成した場
合、前述のようにシンクロ装置で構成した場合のように
同期させるための動作が不要になる。そこで、このよう
な場合には、前述のような中間クラッチ装置は不要であ
り、キャリアと主変速機とが直接連結される。
【0019】請求項5に係る車両用多段変速機は、請求
項1から4の装置において、出力側副変速機の遊星歯車
列は、リングギアと、リングギアに噛み合う複数の遊星
ギアと、遊星ギアを回転自在に支持するとともに出力軸
に連結されたキャリアと、複数の遊星ギアに噛み合い主
変速機の出力に連結されたサンギアとを有している。ま
た、第2クラッチ装置はリングギアとキャリアとの間に
設けられており、第2ブレーキ装置はリングギアの回転
を制動するものである。
【0020】請求項6に係る車両用多段変速機は、請求
項1から5のいずれかに記載の装置において、入力側副
変速機は、流体継手、第1クラッチ装置及び第1ブレー
キ装置に油を供給するための油供給ポンプをさらに備え
ている。請求項7に係る車両用多段変速機は、請求項1
から6のいずれかの装置において、入力側副変速機の変
速比は、1,x2(1.1<x<1.5)、主変速機の
変速比は、x-1,1,x3、出力側副変速機の変速比
は、1,x5で示される値を中心とする±20%以内の
値である。
【0021】ここで、入力側副変速機を、遊星歯車列、
クラッチ装置及びブレーキ装置で構成した場合、変速操
作は容易になるが、遊星歯車列の構成上、現実的には変
速比を1.4以下にすることができない。10段以上の
多段変速機では、変速時のフィーリングを良好にするた
めには変速比が等比数列になっていることが好ましく、
しかも、実用的な最小変速比と最大変速比がほぼ決めら
れているために、その場合の公比は1.15〜1.2程
度に設定する必要がある。すなわち、遊星歯車列の変速
比が公比となる等比数列の変速比を設定することができ
ない。
【0022】そこで、この請求項に係る多段変速機で
は、入力側副変速機における遊星歯車列の変速比を1及
びx2とすることにより、すなわち「1.4≒x2」と
し、さらに主変速機及び出力側副変速機の変速比を前述
のように設定することにより、変速比を、公比xが1.
2程度で、しかも1速〜12速が{x10,x9,x8,x
7,x6,x5,x4,x3,x2,x,1,x-1}の等比数
列を設定することができる。
【0023】請求項8に係る車両用多段変速機は、請求
項1から6のいずれかの装置において、入力側副変速機
の変速比は、1,x2(1.1<x<1.5)、主変速
機の変速比は、x-1,1,x3,x4、出力側副変速機の
変速比は、1,x8で示される値を中心とする±20%
以内の値である。この場合も前記同様に、変速比を、公
比xが1.2程度で、しかも1速〜16速が{x14,x
13,x12,x11,x10,x9,x8,x7,x6,x5
4,x3,x2,x,1,x-1}の等比数列を設定する
ことができる。
【0024】請求項9に係る車両用多段変速機は、請求
項3の装置において、入力側副変速機は、中間クラッチ
装置及び遊星歯車列に流体継手からの油が侵入するのを
防止するためのシール部材と、中間クラッチ装置及び遊
星歯車列に侵入した油を排出するための排出部とをさら
に備えている。そして、主変速機は機械的に動力の断・
接が可能な動力接断手段を有している。
【0025】ここでは、主変速機において、シンクロ装
置等の動力接断手段によって機械的に動力の断・接が行
われる。このために、前述のように、変速時において出
力側と入力側の回転を同期させやすいように中間クラッ
チ装置が設けられている。この中間クラッチ装置及び遊
星歯車列部分に流体継手からの油が侵入すると、ドラグ
トルクが大きくなる。
【0026】そこで、この請求項に係る多段変速機で
は、中間クラッチ装置及び遊星歯車列に流体継手からの
油が侵入するのを防止し、さらにこれらの部分に侵入し
た油を排出するための排出部を設けている。請求項10
に係る車両用多段変速機は、請求項4に係る装置におい
て、主変速機及び出力側副変速機は動力伝達経路の切換
のための複数の油圧クラッチ装置を有している。
【0027】ここでは、主変速機等において油圧クラッ
チ装置によって変速のための切換を行っているので、中
間クラッチ装置が不要になる。
【0028】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]図5に本発明の
第1実施形態による前進16段、後進4段の車両用多段
変速機を示す。 <全体構成>この多段変速機は、エンジンからの動力が
入力される入力側副変速機10と、入力側副変速機10
からの動力が入力される主変速機11と、主変速機11
からの動力が入力される出力側副変速機12とを有して
いる。
【0029】<入力側副変速機>入力側副変速機10
は、図5及び図5の拡大部分図である図6に示すよう
に、ロックアップクラッチL/Uを有する流体継手15
と、流体継手15の出力回転を減速して出力する入力側
遊星歯車列16と、第1クラッチC1と、中間クラッチ
Cmと、第1ブレーキB1とを有している。なお、この
入力側変速機10内には作動油を各部に供給するための
チャージングポンプ17が設けられている。
【0030】流体継手15は、エンジンからの動力がフ
ロントカバー20を介して入力されるインペラー21
と、インペラー21に対向して配置され作動油を介して
連結されたタービン22とを有している。また、ロック
アップクラッチL/Cはフロントカバー20とタービン
22とを機械的に連結するためのものであり、このロッ
クアップクラッチL/Cをオン(クラッチ伝達状態)す
ることによって、入力側副変速機10における低速側
(ロー:Lo)直結伝達状態が設定可能である。
【0031】入力側遊星歯車列16は、流体継手15の
タービン22に連結されたリングギアR1と、リングギ
アR1に噛み合う複数の遊星ギアP1と、遊星ギアP1
を回転自在に支持するキャリアCA1と、中心部に配置
され遊星ギアP1に噛み合う筒状のサンギアS1とを有
している。そして、サンギアS1の中心部には主変速機
11の入力軸25が貫通している。
【0032】第1クラッチC1はキャリアCA1とフロ
ントカバー20との間で動力の伝達及び遮断を行うため
のクラッチであり、中間クラッチCmはキャリアCA1
と主変速機11の入力軸25との間で動力の伝達及び遮
断を行うためのクラッチである。この中間クラッチCm
を設けた理由は次の通りである。すなわち、主変速機1
1では、後述するように、シンクロ装置による機械式変
速を行っており、主変速機11の入力部である入力軸2
5に連結された部材のイナーシャ及びドラグトルクが大
きいと、変速時に入力側と出力側の回転を同期させるの
が困難となる。そこで、中間クラッチCmを設けて、主
変速機11での変速時に主変速機11と入力側のイナー
シャ及びドラグトルクとを切り離し可能とし、回転の同
期を容易にしている。
【0033】なお、中間クラッチCm及び遊星歯車列1
6における流体継手部15との境界部分にはシール部材
26が設けられ、流体継手15からの作動油が中間クラ
ッチCm及び遊星歯車列16の内部に侵入するのを抑え
ている。また、これと併せて、中間クラッチCm及び遊
星歯車列16の内部に侵入した作動油を外部に逃がすた
めの逃がし孔27が形成されている。このような構成に
よって、中間クラッチCm及び遊星歯車列16でのドラ
グトルクを小さくしている。
【0034】また、第1ブレーキB1はサンギアS1の
回転の制動及びその解除を行うためのものである。 <主変速機>主変速機11は、入力側副変速機10から
動力が入力される入力軸25と、入力軸25と平行に配
置されたカウンタ軸30と、入力軸25と同軸に配置さ
れた中間出力軸31と、後進用のギアを含む複数組のギ
ア対G1,G2,G3,G4,Grと、第1〜第4及び
後進用シンクロ装置S1,S2,S3,S4,Srとを
有している。なお、第1シンクロ装置S1の作動によっ
て第1ギア対G1による動力伝達が行われ、第2シンク
ロ装置S2の作動によって第2ギア対G2による動力伝
達が行われ、第3シンクロ装置S3の作動によって入力
軸25と中間出力軸31の動力伝達が行われ、第4シン
クロ装置S4の作動によって第4ギア対G4による動力
伝達が行わる。また、後進用シンクロ装置Srの作動に
よって後進用ギア対Grによる動力伝達が行われる。
【0035】入力軸25の出力側端には第3ギア対G3
の一方のカウンタギアが固定されており、このカウンタ
ギアがカウンタ軸30に固定された第3ギア対G3の他
方のカウンタギアに噛み合っている。各ギア対は、カウ
ンタ軸30に固定された複数のギアと、この複数のギア
のそれぞれに噛み合う中間出力軸31側の複数のギアと
を有している。中間出力軸31側の複数のギアは、それ
ぞれ中間出力軸31に対して回転自在に支持されてい
る。
【0036】第1、第2、第4及び後進用シンクロ装置
S1,S2,S4及びSrは中間出力軸31側に配置さ
れた各ギアと中間出力軸31とを、また第3シンクロ装
置S3は入力軸25と中間出力軸31とを選択的に連結
するためのものであり、これらのシンクロ装置はカップ
及びコーン等の部材からなる周知の構造である。 <出力側副変速機>出力側変速機12は、主変速機11
から動力が入力される出力側遊星歯車列35と、第2ブ
レーキB2と、第2クラッチC2と、出力軸36とを有
している。
【0037】出力側遊星歯車列35は、リングギアR2
と、リングギアR2に噛み合う複数の遊星ギアP2と、
遊星ギアP2を回転自在に支持するとともに出力軸36
に連結されたキャリアCA2と、遊星ギアP2に噛み合
うとともに主変速機11の中間出力軸31の出力側端に
連結されたサンギアS2とを有している。第2ブレーキ
B2はリングギアR2の回転を制動するためのものであ
る。また第2クラッチC2は第2ブレーキB2とキャリ
アCA2(出力軸36)とを連結あるいは遮断するため
のものである。また、第2ブレーキB2及び第2クラッ
チC2はチャージングポンプ17によって供給される油
圧により同期されるようになっており、同期後、スリー
ブSOを左右に手動又は図示しないアクチュエータで移
動させることにより、第2ブレーキB2及び第2クラッ
チC2の機械的断接が行われる。
【0038】<各変速機の変速比>図7に入力側副変速
機10の変速比を、図8に主変速機11の変速比を、図
9に出力側副変速機12の変速比をそれぞれ示してい
る。ここで、入力側副変速機10は、遊星歯車列16を
用いているために、変速比は「1」及び「1+ρ1」と
なる。ここで、ρ1は、遊星歯車列16のリングギアR
1の歯数に対するサンギアS1の歯数比、すなわち(サ
ンギア歯数/リングギア歯数)である。ρ1は設計上
「0.3〜0.6」の値となり、このため変速比は
「1.3〜1.6」となる。
【0039】一方、変速比を等比数列とした多段変速機
の場合、その公比は、最小変速比及び最大変速比の制約
から、一般的に「1.15〜1.2あるいは1.3」が
望ましい。従来の装置のように、入力側副変速機をカウ
ンタギア対によって構成する場合は、その変速比を
「1.2」程度にすることは容易である。しかし、前述
のように、遊星歯車列16を用いた入力側副変速機で
は、変速比を「1.3」よりも小さくすることは現実的
には困難である。また、入力側副変速機10の変速比を
小さくすれば、エンジンブレーキの増大作用が得られ
ず、特に重車両においては好ましくない。
【0040】そこで、この実施形態では、従来から行わ
れてきた変速方法とは異なる方法で変速操作を行わせる
ようにしている。特に、入力側副変速機10の変速比を
低速側「x」、高速側「1」とするのではなく、低速側
を「x2」としている。この場合の各変速機10〜12
の変速比は、等比数列の公比をxとした場合、 入力側副変速機 : 1,x2 主変速機 : x-1,1,x3,x4 出力側副変速機 : 1,x8 となる。
【0041】具体的には、公比xを「1.2」とし、入
力側副変速機10において、入力側遊星歯車列16のサ
ンギアS1とリングギアR1の歯数比ρ1を「0.4
4」とすることにより、変速比は、図7に示すように、
低速(ロー;Lo)側が「1.44」、高速(ハイ;H
i)側が「1」となる。なお、入力側変速機10におい
ては、第1ブレーキB1をオン(制動)することにより
低速側に切り換えられ、第1ブレーキB1をオフ(解
放)して第1クラッチC1をオン(動力伝達)すること
によって高速側に切り換えられる。
【0042】また、主変速機11では、各シンクロ装置
の作動を制御することによって、図8に示すような変速
比を取り得る。図8に示す「ギア位置」は、第1〜第4
及び後進用シンクロ装置の作動を制御して、いずれのギ
ア対によって動力伝達がなされるかを示すものである。
例えば、ギア位置が「G1」の場合は、第1シンクロ装
置S1を作動させて、第1シンクロ装置S1が設けられ
ているギア対G1を中間出力軸31に連結させることを
示している。そして、この場合の変速比(x4=2.0
7)は、(カウンタ軸30側のギア歯数)/(中間出力
軸31側のギア歯数)の値を示している。
【0043】また、出力側副変速機12では、出力側遊
星歯車列35のサンギアS2とリングギアR2の歯数比
ρ2を「0.303」とすることにより、すなわち、 サンギア歯数/リングギア歯数=ρ2=0.303 とすることにより、変速比は、図9に示すように、低速
(ロー;Lo)側が「4.3」、高速(ハイ;Hi)側
が「1」となる。なお、出力側副変速機12において
は、第2ブレーキB2をオン(制動)、第2クラッチC
2をオフ(遮断)することにより低速側に切り換えら
れ、第2ブレーキB2をオフ(解放)して第2クラッチ
C2をオン(連結)することによって高速側に切り換え
られる。
【0044】<前進の変速比>前進の各段における変速
比を図10に示す。前進の各段における変速比は、(入
力側副変速機の変速比)×(主変速機の変速比)×(出
力側副変速機の変速比)で表される。この図から明らか
なように、前進1,2,5,6速は、入力側及び出力側
副変速機10,12を低速側に設定するとともに、主変
速機11において中間出力軸31に連結するギア対を変
更することによって選択される。前進3,4,7,8速
は、入力側副変速機10を高速側に設定するとともに出
力側副変速機12を低速側に設定し、主変速機11にお
いて中間出力軸31に連結するギア対を変更することに
よって選択される。また、前進9,10,13,14速
は、入力側副変速機10を低速側に設定するとともに出
力側副変速機12を高速側に設定し、主変速機11にお
いて中間出力軸31に連結するギア対を変更することに
よって選択される。さらに、前進11,12,15,1
6速は、入力側及び出力側副変速機10,12を高速側
に設定し、主変速機11において中間出力軸31に連結
するギア対を変更することによって選択される。
【0045】このような多段変速機では、前進1速から
16速までの変速比を、公比xを「1.2」としたx14
〜x-1までの等比数列とすることができる。また、図1
0において、横方向の実線矢印は主変速機11での変速
切換操作を示し、斜め方向の実線矢印は主変速機11と
入力側副変速機10での変速切換操作を示し、斜め方向
の実線と破線の共通の矢印は主変速機と入力側及び出力
側副変速機での変速切換操作を示している。
【0046】例えば、前進1速から前進2速への変速切
換操作は、前進1速の状態から主変速機11において変
速切換操作を行い、中間出力軸31に連結されるギア対
をギア対G1からG2に変更する。また、前進2速から
3速への変速切換操作は、前進2速の状態から、入力側
副変速機10において低速側から高速側への切換操作を
行うとともに、主変速機11において中間出力軸31に
連結されるギア対をG2からG1に切り換える。前進3
速から4速への変速切換操作は、前進3速の状態から主
変速機11において変速切換操作を行い、中間出力軸3
1に連結されるギア対をG1からG2に変更する。さら
に前進4速から5速への変速切換操作は、前進4速の状
態から、入力側副変速機10において高速側から低速側
への切換操作を行うとともに、主変速機11において中
間出力軸31に連結されるギア対をG2から直結に切り
換える。
【0047】以下、主変速機11におけるギア対の選択
は異なるが、基本的には同様の切換操作を行うことによ
り、前進6速から16速まで変速切換操作を行うことが
可能である。なお、前進8速から9速への切換は、入力
側副変速機10の切換操作とともに出力側副変速機12
において低速側から高速側への切換操作も行う必要があ
る。
【0048】<後進の変速比>後進の各段における変速
比を図11に示す。後進の各段においては、主変速機1
1において中間出力軸31に連結するギア対をGrとす
る。そして、後進1速は、入力側及び出力側副変速機1
0,12を低速側に設定することによって選択される。
後進2速は、入力側副変速機10を高速側に設定すると
ともに出力側副変速機12を低速に設定することによっ
て選択される。また、後進3速は、入力側副変速機10
を低速側に設定するとともに出力側副変速機12を高速
側に設定することによって選択される。さらに、後進4
速は、入力側及び出力側副変速機10,12を高速側に
設定することによって選択される。
【0049】変速の切換操作については、縦方向の実線
矢印は入力側副変速機10での変速切換操作を示し、斜
め方向の実線と破線の共通の矢印は主変速機と入力側及
び出力側副変速機での変速切換操作を示している。以上
のように、この実施形態に係る多段変速機では、前進1
速から16速の各段の変速比を、公比xを「1.2」と
した等比数列とすることができる。また、発進及び停止
さらには入力側副変速機の低速側と高速側との間の切換
において、クラッチペダルを踏む必要がなく、変速操作
が容易になる。
【0050】<入力側副変速機の変速>次に、入力側副
変速機10の変速について詳細に説明する。入力側副変
速機10の各締結要素の制御と変速との関係を図12に
示す。ロックアップクラッチL/U、第1クラッチC
1、第1ブレーキB1及び中間クラッチCmが全てオフ
の場合はニュートラル状態である。主変速機11及び出
力側副変速機12において変速切換操作を行う場合に、
このニュートラル状態が選択される。これにより、変速
切換操作を行う変速機と入力側の部材とを切り離すこと
ができ、入力側部材のイナーシャやドラグトルクによっ
て切換操作が行いにくくなるのを避けることができる。
【0051】低速側の変速比は、前述のように「1+ρ
1」となる。そして、流体を介して動力を伝達する低速
側流体伝達状態と、ロックアップクラッチL/Uのオン
によって流体を介さずに遊星歯車列16を介して動力を
伝達する低速側直結伝達状態との2つの状態を設定する
ことが可能である。流体を介して動力を伝達する場合
は、ロックアップクラッチL/Uをオフ、第1クラッチ
C1をオフ、第1ブレーキB1をオン、中間クラッチC
mをオンする。この状態は、発進及び停止時や、エンジ
ンブレーキの増大作用(リターダ作用)を行わせる場合
に設定される。また流体を介さずに遊星歯車列16を介
して動力を伝達する場合は、ロックアップクラッチL/
Uをオン、第1クラッチC1をオフ、第1ブレーキB1
をオン、中間クラッチCmをオンする。この状態は、登
坂や降坂時等の低速時で、しかも流体の損失を避けたい
場合に、あるいは渋滞路における流体伝達から直結伝達
への自動変速時に使用される。
【0052】高速側は、変速比は「1」であり、ロック
アップクラッチL/Uをオン、第1クラッチC1をオ
ン、第1ブレーキB1をオフ、中間クラッチCmをオン
する。この状態では、エンジンからの動力は遊星歯車列
16で減速されずにそのまま主変速機11の入力軸25
に伝達される。これは一定速以上の通常走行時に使用さ
れる。
【0053】図13は、エンジンブレーキの増大作用、
すなわちリターダ作用を説明する図面である。なお、こ
の図13は、前進12段(後述する第2実施形態)の前
進1速〜前進12速における車両の牽引力と車速との関
係を示している。また、図中、5速、6速、9速、10
速の実線で示す特性は、入力側副変速機10が低速の直
結状態でエンジンがオーバーランしない領域であり、変
速比分だけエンジンブレーキ力が増大している。一方、
破線で示す部分は、入力側副変速機10が低速側流体伝
達状態の場合であり、この場合直結状態では、エンジン
回転がオーバーランしエンジンが焼き付く。しかし、流
体状態にてエンジンのオーバーランを避けるとともに、
タービンには大きなブレーキ力が作用することを示して
いる。
【0054】例えば、前進8速で走行している状態にお
いて、入力側副変速機10を高速側から低速側の流体伝
達に切換操作して前進6速にシフトダウンすると、ブレ
ーキ力を大幅に増大させることができる。他の前進7
速、11速、12速についても、同様の切換操作を行う
ことによって、図に示すようにブレーキ力を増大させる
ことができる。
【0055】[第2実施形態]図14に本発明の第2実
施形態による前進12段、後進4段の多段変速機を示
す。 <全体構成>この多段変速機は、エンジンからの動力が
入力される入力側副変速機50と、入力側副変速機50
からの動力が入力される主変速機51と、主変速機51
からの動力が入力される出力側副変速機52とを有して
いる。
【0056】<入力側副変速機>入力側副変速機50
は、図14及び図14の拡大部分図である図15に示す
ように、ロックアップクラッチL/Uを有する流体継手
15と、流体継手15の出力回転を減速して出力する入
力側遊星歯車列16と、第1クラッチC1と、第1ブレ
ーキB1とを有している。なお、この入力側変速機50
内には、前記実施形態同様に、作動油を各部に供給する
ためのチャージングポンプ17が設けられている。
【0057】この第2実施形態による入力側変速機50
は、前記第1実施形態の入力側変速機10に比較して、
中間クラッチCmが設けられていない点が異なるが、他
の構成は同様である。ここで、この第2実施形態におい
て中間クラッチCmが必要ないのは、後述するように、
主変速機51と出力側副変速機52とを一般的な自動変
速機と同様に油圧クラッチ、ブレーキ構造による変速と
したためである。このような油圧クラッチ、ブレーキ構
造では、入力側部材のイナーシャやドラグトルクによっ
て変速操作が行いにくくなるという不具合が生じないの
で、変速操作時に入力側の部材を切り離す必要がない。
【0058】<主変速機>主変速機51は、入力側副変
速機50から動力が入力される入力軸55と、入力軸5
5と平行に配置されたカウンタ軸56と、入力軸55と
同軸に配置された中間出力軸57と、後進用のギアを含
む複数組のギア対G1,G2,G3,Grと、第1〜第
3及び後進用油圧クラッチFc1,Fc2,Fc3,R
cとを有している。なお、第1油圧クラッチFc1のオ
ンによって第1ギア対G1による動力伝達が行われ、第
2油圧クラッチFc2のオンによって入力軸55と中間
出力軸57の直結による動力伝達が行われ、第3油圧ク
ラッチFc3のオンによって第3ギア対G3による動力
伝達が行われる。また、後進用油圧クラッチRcのオン
によって後進用ギア対Grによる動力伝達が行われる。
【0059】入力軸55の出力側端には第2ギア対G2
のうちの一方のカウンタギアが固定されており、このカ
ウンタギアがカウンタ軸56に固定された他方のカウン
タギアに噛み合っている。各ギア対は、カウンタ軸56
に固定あるいは回転自在に支持された複数のギアと、こ
の複数のギアのそれぞれに噛み合う中間出力軸57側の
複数のギアとを有している。中間出力軸57側の複数の
ギアは、それぞれ中間出力軸57に対して固定あるいは
回転自在に支持されている。
【0060】前進用油圧クラッチFc3及び後進用油圧
クラッチRcはカウンタ軸56に設けられている。前進
用油圧クラッチFc3及び後進用油圧クラッチRcの入
力側はカウンタ軸56に連結されており、出力側はカウ
ンタ軸56に回転自在に支持されたギアに連結されてい
る。また、前進用油圧クラッチFc1,Fc2は中間出
力軸31側に設けられている。前進用油圧クラッチFc
1の入力側はカウンタ軸56に固定されたギアに連結さ
れており、出力側は中間出力軸57に連結されている。
また前進用油圧クラッチFc2の入力側は入力軸55に
連結され、出力側は中間出力軸57に連結されている。
【0061】<出力側副変速機>出力側副変速機52
は、前記実施形態における出力側副変速機12と基本的
な構成は同じであり、出力側遊星歯車列35と、出力軸
36と、第2ブレーキB2及び第2クラッチC2とを有
している。ここでは、第2ブレーキB2と第2クラッチ
C2とが完全な油圧方式である点が異なる。
【0062】<各変速機の変速比>図16に入力側副変
速機50の変速比を、図17に主変速機51の変速比
を、図18に出力側副変速機52の変速比をそれぞれ示
している。ここで、前記同様に、入力側副変速機50
は、遊星歯車列16を用いているために、変速比は
「1」及び「1+ρ1」となる。そして、各変速機50
〜52の変速比は、等比数列の公比をxとした場合、 入力側副変速機 : 1,x2 主変速機 : x-1,1,x3 出力側副変速機 : 1,x5 に設定されている。
【0063】具体的には、公比xを「1.25」とし、
入力側副変速機50において、入力側遊星歯車列16の
サンギアS1とリングギアR1の歯数比ρ1を「0.5
6」とすることにより、変速比は、図16に示すよう
に、低速(ロー;Lo)側が「1.56」、高速(ハ
イ;Hi)側が「1」となる。なお、入力側変速機50
においては、前記同様に、第1ブレーキB1をオン、第
1クラッチC1をオフすることにより低速側に切り換え
られ、第1ブレーキB1をオフ、第1クラッチC1をオ
ンすることによって高速側に切り換えられる。
【0064】また、主変速機51では、各油圧クラッチ
を制御することによって、図17に示すような変速比を
取り得る。図17に示す「ギア位置」は、各油圧クラッ
チのオン、オフを制御して、いずれのギアによって動力
を伝達するかを示すものである。例えば、ギア位置が
「G1」の場合は、第1油圧クラッチFc1をオンする
ことを示している。
【0065】また、出力側副変速機52では、出力側遊
星歯車列35のサンギアS2とリングギアR2の歯数比
ρ2を「0.49」とすることにより、すなわち、 サンギア歯数/リングギア歯数=ρ2=0.49 とすることにより、変速比は、図19に示すように、低
速(ロー;Lo)側が「3.05」、高速(ハイ;H
i)側が「1」となる。なお、出力側副変速機52にお
いては、第2ブレーキB2をオンし、第2クラッチC2
をオフすることにより低速側に切り換えられ、第2ブレ
ーキB2をオフし、第2クラッチC2をオンすることに
よって高速側に切り換えられる。
【0066】<前進の変速比>前進の各段における変速
比を図19に示す。前進の各段における変速比は、(入
力側副変速機の変速比)×(主変速機の変速比)×(出
力側副変速機の変速比)で表される。この図から明らか
なように、前進1,2,5速は、入力側及び出力側副変
速機50,52を低速側に設定するとともに、主変速機
51における油圧クラッチのオン、オフを制御すること
によって選択される。前進3,4,7速は、入力側副変
速機50を高速側に設定するとともに出力側副変速機5
2を低速側に設定し、主変速機51において油圧クラッ
チのオン、オフを制御することによって選択される。ま
た、前進6,9,10速は、入力側副変速機50を低速
側に設定するとともに出力側副変速機52を高速側に設
定し、主変速機51において油圧クラッチを制御するこ
とによって選択される。さらに、前進8,11,12速
は、入力側及び出力側副変速機50,52を高速側に設
定し、主変速機51において油圧クラッチを制御するこ
とによって選択される。
【0067】このような多段変速機では、前進1速から
12速までの変速比を、公比xを「1.25」としたx
10〜x-1までの等比数列とすることができる。また、図
10と同様に、図19において、横方向の実線矢印は主
変速機51での変速切換操作を示し、斜め方向の実線矢
印は主変速機51と入力側副変速機50での変速切換操
作を示し、横方向の実線と破線の共通の矢印は主変速機
51と出力側副変速機52での変速操作を示し、斜め方
向の実線と破線の共通の矢印は主変速機51と入力側及
び出力側副変速機50,52での変速切換操作を示して
いる。
【0068】<後進の変速比>後進の各段における変速
比を図20に示す。後進時は、主変速機51における後
進用油圧クラッチRcをオンする。そして、後進1速
は、入力側及び出力側副変速機50,52を低速側に設
定することによって選択される。後進2速は、入力側副
変速機50を高速側に設定するとともに出力側副変速機
52を低速に設定することによって選択される。また、
後進3速は、入力側副変速機50を低速側に設定すると
ともに出力側副変速機52を高速側に設定することによ
って選択される。さらに、後進4速は、入力側及び出力
側副変速機50,52を高速側に設定することによって
選択される。
【0069】変速の切換操作については、縦方向の実線
矢印は入力側副変速機50での変速切換操作を示し、斜
め方向の実線と破線の共通の矢印は主変速機51と入力
側及び出力側副変速機50,52での変速切換操作を示
している。以上のように、この実施形態に係る多段変速
機では、前進1速から12速の各段の変速比を、公比x
を「1.25」とした等比数列とすることができる。ま
た、変速に際しては、通常の自動変速装置と同様に、ク
ラッチペダルを踏む必要がなく、しかも、前記第1実施
形態のように中間クラッチCmをオフする必要がないの
で素早い変速が行える。
【0070】<入力側副変速機の変速>この第2実施形
態における入力側副変速機50の変速については、前記
第1実施形態における中間クラッチCmが省略されてい
ることを除いて全く同様であり、説明は省略する。
【0071】
【発明の効果】以上のような本発明では、変速比を等比
数列にして変速操作を容易にすることができる。また、
大きなエンジンブレーキを得ることができる。さらに、
従来の多段変速機に比較して装置を小型化することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の多段変速機の一例を示す模式図。
【図2】図1に示す変速機の変速操作を示す図。
【図3】従来の多段変速機の別の一例を示す模式図。
【図4】図3に示す変速機の16段の変速操作を示す
図。
【図5】本発明の第1実施形態による多段変速機の概略
構成図。
【図6】図5の拡大部分図。
【図7】図5に示す多段変速機の入力側副変速機の変速
比を示す図。
【図8】前記多段変速機の主変速機の変速比を示す図。
【図9】前記多段変速機の出力側副変速機の変速比を示
す図。
【図10】前記多段変速機の前進側の変速比及び変速操
作を示す図。
【図11】前記多段変速機の後進側の変速比及び変速操
作を示す図。
【図12】入力側副変速機の変速動作を説明する図。
【図13】エンジンブレーキの増大作用を説明する図。
【図14】本発明の第2実施形態による多段変速機の概
略構成図。
【図15】図14の拡大部分図。
【図16】図14に示す多段変速機の入力側副変速機の
変速比を示す図。
【図17】前記多段変速機の主変速機の変速比を示す
図。
【図18】前記多段変速機の出力側副変速機の変速比を
示す図。
【図19】前記多段変速機の前進側の変速比及び変速操
作を示す図。
【図20】前記多段変速機の後進側の変速比及び変速操
作を示す図。
【符号の説明】
10,50 入力側副変速機 11,51 主変速機 12,52 出力側副変速機 15 流体継手 16 入力側遊星歯車列 17 チャージングポンプ 21 インペラ 22 タービン 26 シール部材 27 油逃がし孔 36 出力軸 C1,C2 クラッチ Cm 中間クラッチ B1,B2 ブレーキ L/U ロックアップクラッチ S1〜S4 シンクロ装置 Fc1〜Fc3,Rc 油圧クラッチ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機からの動力を変速して出力軸に出力
    する車両用多段変速機であって、 流体継手と、前記流体継手の出力部に設けられた遊星歯
    車列と、前記流体継手及び遊星歯車列の動力伝達経路を
    2段階に切り換えるための第1クラッチ装置及び第1ブ
    レーキ装置とを有する入力側副変速機と、 前記入力側副変速機の出力が入力され、複数段階の変速
    を行う主変速機と、 前記主変速機の出力が入力される遊星歯車列と、この遊
    星歯車列の動力伝達経路を2段階に切り換えるための第
    2クラッチ装置及び第2ブレーキ装置とを有する出力側
    副変速機と、を備えた車両用多段変速機。
  2. 【請求項2】前記流体継手は、原動機からの動力が入力
    されるインペラと、前記インペラに対向して配置されロ
    ックアップクラッチを有するタービンとを有し、 前記入力側副変速機の遊星歯車列は、前記タービンに連
    結されたリングギアと、前記リングギアに噛み合う複数
    の遊星ギアと、前記複数の遊星ギアを回転自在に支持す
    るとともに前記主変速機に動力を出力するキャリアと、
    前記複数の遊星ギアが噛み合うサンギアとを有し、 前記第1クラッチ装置は前記原動機からの動力を前記キ
    ャリアに伝達及び遮断するものであり、 前記第1ブレーキ装置は前記サンギアの回転を制動する
    ものである、請求項1記載の車両用多段変速機。
  3. 【請求項3】前記キャリアと前記主変速機との間に設け
    られた中間クラッチ装置をさらに備えている、請求項2
    記載の車両用多段変速機。
  4. 【請求項4】前記キャリアは前記主変速機に直接連結さ
    れている、請求項2記載の車両用多段変速機。
  5. 【請求項5】前記出力側副変速機の遊星歯車列は、リン
    グギアと、リングギアに噛み合う複数の遊星ギアと、前
    記遊星ギアを回転自在に支持するとともに前記出力軸に
    連結されたキャリアと、前記複数の遊星ギアに噛み合い
    前記主変速機の出力に連結されたサンギアとを有し、 前記第2クラッチ装置は前記リングギアとキャリアとの
    間に設けられており、 前記第2ブレーキ装置は前記リングギアの回転を制動す
    るものである、請求項1から4のいずれかに記載の車両
    用多段変速機。
  6. 【請求項6】前記入力側副変速機は、前記流体継手、第
    1クラッチ装置及び第1ブレーキ装置に油を供給するた
    めの油供給ポンプをさらに備えている、請求項1から5
    のいずれかに記載の車両用多段変速機。
  7. 【請求項7】前記入力側副変速機の変速比は、1,x2
    (1.1<x<1.5) 前記主変速機の変速比は、x-1,1,x3 前記出力側副変速機の変速比は、1,x5 で示される値を中心とする±20%以内の値である、請
    求項1から6のいずれかに記載の車両用多段変速機。
  8. 【請求項8】前記入力側副変速機の変速比は、1,x2
    (1.1<x<1.5) 前記主変速機の変速比は、x-1,1,x3,x4 前記出力側副変速機の変速比は、1,x8 で示される値を中心とする±20%以内の値である、請
    求項1から6のいずれかに記載の車両用多段変速機。
  9. 【請求項9】前記入力側副変速機は、前記中間クラッチ
    装置及び遊星歯車列に前記流体継手からの油が侵入する
    のを防止するためのシール部材と、前記中間クラッチ装
    置及び遊星歯車列に侵入した油を排出するための排出部
    とをさらに備えており、 前記主変速機は機械的に動力の断・接が可能な動力接断
    手段を有している、請求項3記載の車両用多段変速機。
  10. 【請求項10】前記主変速機及び出力側副変速機は動力
    伝達経路の切換のための複数の油圧クラッチ装置を有し
    ている、請求項4記載の車両用多段変速機。
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