JP2001003884A - スクロール型流体機械 - Google Patents

スクロール型流体機械

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JP2001003884A
JP2001003884A JP11174717A JP17471799A JP2001003884A JP 2001003884 A JP2001003884 A JP 2001003884A JP 11174717 A JP11174717 A JP 11174717A JP 17471799 A JP17471799 A JP 17471799A JP 2001003884 A JP2001003884 A JP 2001003884A
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Japan
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scroll
return pipe
oil
lubricating oil
valve
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JP11174717A
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Kazuhiro Sato
和弘 佐藤
Hiroaki Bito
宏明 尾藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期停止後の起動時においても潤滑切れを起
こすことがないスクロール型流体機械を提供する。 【解決手段】 ボディハウジング1と、該ボディハウジ
ング1内に互いに旋回可能に設けられた旋回スクロール
4と固定スクロール5とを有し、ボディハウジング1の
下部に貯留された潤滑油を旋回スクロール4と該旋回ス
クロール4が摺接するスラスト軸受部Jとの間、及び旋
回スクロール4と固定スクロール5との摺接部等に給油
し、余剰の潤滑油を油戻し管22を介してボディハウジ
ング1の下部に戻すスクロール型流体機械において、前
記油戻し管22に、定常運転時においては油戻し管22
を開き、運転停止時においては油戻し管22の管路を閉
じる形状記憶ポリマ弁23を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スクロール型流
体機械に係るものであり、特に、オルダムリングの焼き
付きを防止できるスクロール型流体機械に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】周知のように従来から空調用・冷凍用圧
縮機として、高効率かつ低騒音で稼働できるスクロール
型流体機械が広く利用されるようになってきている。こ
の一例を図9によって説明すると、スクロール型流体機
械は、ボディハウジング1とスクロール型圧縮機構Cと
電動モータ2を備え、電動モータ2の回転軸3がスクロ
ール型圧縮機構Cの下部に連結されている。
【0003】スクロール型圧縮機構Cは、端板とその内
面に立設された渦巻状ラップからなる一対のスクロール
4,5が互いに噛み合わされたもので、そのうちの一方
のスクロール(旋回スクロール4)が回転軸3を介して
電動モータ2によって、フレーム6に固定された他方の
スクロール(固定スクロール5)に対し相対的に旋回運
動を行うようになっている。
【0004】前記電動モータ2の回転軸3の上端には軸
心から所定量偏心した位置に偏心ピン7が突出して設け
られている。偏心ピン7は旋回スクロール4の下部に軸
線を同じくして立設された円筒状のボス部内に挿入され
ており、回転軸3が回転すると偏心ピン7を介して、旋
回スクロール4が固定スクロール5の軸心回りを偏心
し、旋回スクロール4の自転を防止するオルダムリング
8の作用により旋回運動を行うようになっている。上記
旋回スクロール4の旋回運動により密閉空間である複数
の圧縮室9が外側の吸入ポートから中心の吐出ポート1
0にかけて移動する間に次第に容積を減少して圧縮仕事
を行う。
【0005】ここで、固定スクロール5の上部には仕切
壁となる吐出カバー11が気密状態を維持して固定さ
れ、頂部ハウジング12、ボディハウジング1を上下に
仕切るように設けられている。この吐出カバー11を境
としてボディハウジング1内の上方には高圧室となる吐
出チャンバ13が形成され、吐出チャンバ13は吐出管
14と接続され圧縮された冷媒ガスが吐出管14から吐
出される。
【0006】上記フレーム6は旋回スクロール4が摺接
すると共に外周部に旋回スクロール4との間に介装され
たオルダムリング8が装着されるもので、中央部には旋
回容積部16が設けられ、その外周にはオルダムリング
8のキー溝17が設けられている。尚、図9において1
8はモータロータ、19はモータステータ、20はドラ
イブブッシュ、21は給油孔、22は油戻し管を示す。
【0007】したがって、従来のスクロール型流体機械
においては、運転時にはボディハウジング1の下部に溜
められた潤滑油は図9に矢印で示すように回転軸3に設
けられた給油孔21を介して旋回スクロール4のボス部
下部に給油される。更に、潤滑油は偏心ピン7とドライ
ブブッシュ20の隙間を通って旋回スクロール4のボス
部が旋回運動を行う旋回容積部16に満たされ、その一
部により旋回スクロール4とフレーム6のスラスト軸受
部との間が給油され、オルダムリング8のキー溝17に
給油される。これら摺動部分を給油する潤滑油の余剰分
は旋回スクロール4のボス部が旋回運動する旋回容積部
16から油戻し管22を経て下部へと戻される。
【0008】ここで、旋回スクロール4とフレーム6の
スラスト軸受部との間を給油し、オルダムリング8のキ
ー溝17を給油した潤滑油はその後スクロール吸入口よ
り圧縮室9へと吸い込まれ、両スクロール4,5を潤滑
するが、この油量が多すぎると油循環量が増大し、ユニ
ットの効率低下の原因となる。このため、上記摺動部分
を給油した余剰の潤滑油の旋回容積部16からの戻し量
を油戻し管22の管径を調整することによりコントロー
ルすることで摺動部分の信頼性の確保と効率維持を両立
させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した給油に関する
構成を採用していることで定常運転時においては摺動部
分を給油するのに必要充分な給油量が得られ、摺動部の
信頼性を高めることができる。しかしながら、摺動部分
がほとんど無潤滑の状態で起動した場合に、摺動部分の
うちでも潤滑油のまわりが遅れるオルダムリング8にお
いては、ボディハウジング1の下部の潤滑油だめから回
転軸3、ドライブブッシュ20、フレーム6の旋回スク
ロール4との摺接部分であるスラスト軸受部を経由して
ようやくキー溝17に潤滑油が供給されるため、このキ
ー溝17に十分に給油がされない場合にはキー溝17に
おいて焼き付きを起こす虞がある。
【0010】このような起動時の給油切れを改善するた
めに、起動時において潤滑油を摺動部分により多く供給
するため前記油戻し管22の管径を小さくして、キー溝
17に速やかに給油を行うことも考えられるが、このよ
うにすると逆に定常運転時における戻り量が少なくなり
潤滑油量が増加するため、冷媒内に潤滑油が混入し易
く、冷媒内に潤滑油が混入した場合はユニット効率が低
下してしまうという問題がある。そこで、この発明は、
長期停止後の起動時においても潤滑切れを起こすことが
ないスクロール型流体機械を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載した発明は、密閉ハウジングと、該
密閉ハウジング内に互いに旋回可能に設けられた旋回ス
クロールと固定スクロールとを有し、密閉ハウジングの
下部に貯留された潤滑油を旋回スクロールと該旋回スク
ロールが摺接するスラスト軸受部との間、及び旋回スク
ロールと固定スクロールとの摺接部に給油し、余剰の潤
滑油を油戻し管を介して密閉ハウジングの下部に戻すス
クロール型流体機械において、前記油戻し管に、管路開
度調整機構を設けたことを特徴とする。このように構成
することで、管路開度調整機構により油戻し管の管路の
開度を潤滑切れが起きないように最適に調整することが
可能となる。
【0012】請求項2に記載した発明は、上記管路開度
調整機構が定常運転時においては油戻し管を開き、運転
停止時においては油戻し管の管路を閉じるものであるこ
とを特徴とする。このように構成することで、管路開度
調整機構により定常運転時においては油戻し管を開くこ
とで余剰の潤滑油が循環流体に混入するのを防止でき、
運転停止時においては油戻し管を閉じることで潤滑油の
摺動部への回りを促進させることができる。
【0013】請求項3に記載した発明は、上記管路開度
調整機構が、運転停止時において油戻し管を閉塞するよ
うに形状が戻る形状記憶特性を有する弁であることを特
徴とする。このように構成することで、弁により運転停
止時において油戻り管が閉塞した状態となっているた
め、起動した場合に摺動部に無潤滑状態の部分があって
も、油戻り管から潤滑油が戻らない分摺動部への潤滑油
の回りが促進される。
【0014】請求項4に記載した発明は、上記弁が潤滑
油の温度低下に伴い閉弁姿勢に戻る形状記憶特性を有す
る板状の弁体を備えていることを特徴とする。このよう
に構成することで、定常運転時においては潤滑油により
押し開かれた弁体により油戻し管から余剰の潤滑油が戻
るため、余剰の潤滑油の流体への混入量を少なくするこ
とができ、運転停止時において温度が低下すると弁体が
閉弁するため、再度起動した場合の摺動部への潤滑油の
回りを促進できる。
【0015】請求項5に記載した発明は、上記弁が潤滑
油の温度低下に伴い起立姿勢に戻る形状記憶特性を有す
る多数の植毛からなる弁体を備えていることを特徴とす
る。このように構成することで、定常運転時においては
潤滑油により押し開かれた弁体により油戻し管から余剰
の潤滑油が戻るため、余剰の潤滑油の流体への混入量を
少なくすることができ、運転停止時において温度が低下
すると弁体が閉弁するため、再度起動した場合の摺動部
への潤滑油の回りを促進できる。
【0016】請求項6に記載した発明は、上記弁体が形
状記憶ポリマによって形成されていることを特徴とす
る。このように構成することで成形性が向上し、形状の
自由度も高められる。請求項7に記載した発明は、上記
密閉ハウジングの下部に貯留された潤滑油が、旋回スク
ロールを駆動する回転軸に形成された給油孔を介して各
摺接部に供給されることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1実施形態を
図9を援用し(第2実施形態も同様)図1から図4に基
づいて説明する。尚、以下の説明においては前記従来の
構成と同一部分に同一符号を付して説明する。図1、図
9においてスクロール型流体機械はボディハウジング1
(密閉ハウジング)とスクロール型圧縮機構Cと電動モ
ータ2を備え、電動モータ2の回転軸3がスクロール型
圧縮機構Cの下部に連結され、スクロール型圧縮機構C
は、端板とその内面に立設された渦巻状ラップからなる
旋回スクロール4と固定スクロール5とが互いに噛み合
わされ相対的に旋回運動を行うものである。
【0018】前記電動モータ2の回転軸3の上端には軸
心から所定量偏心した位置に偏心ピン7が突出して設け
られている。偏心ピン7は旋回スクロール4の下部に軸
線を同じくして立設された円筒状のボス部B内に挿入さ
れており、回転軸3が回転すると偏心ピン7を介して、
旋回スクロール4が固定スクロール5の軸心回りを偏心
し、旋回スクロール4の自転を防止するオルダムリング
8の作用により旋回運動を行う。上記旋回スクロール4
の旋回運動により密閉空間である複数の圧縮室9が外側
の吸入ポートから中心の吐出ポート10にかけて移動す
る間に次第に容積を減少して圧縮仕事を行う。
【0019】固定スクロール5の上部には仕切壁となる
吐出カバー11が気密状態を維持して固定され、頂部ハ
ウジング12、ボディハウジング1を上下に仕切るよう
に設けられている。この吐出カバー11を境としてボデ
ィハウジング1内の上方には高圧室となる吐出チャンバ
13が形成され、吐出チャンバ13は吐出管14と接続
され圧縮された冷媒ガスが吐出管14から吐出される。
尚、18はモータロータ、19はモータステータ、20
はドライブブッシュ、21は給油孔を示す。
【0020】また、6はフレームを示し、このフレーム
6は旋回スクロール4の端板4aが摺動するスラスト軸
受部Jの摺動面Sを備えると共にその外周に旋回スクロ
ール4との間に介装されるオルダムリング8が装着され
るものである。フレーム6の中央部には旋回スクロール
4のボス部Bを受容する旋回容積部16が設けられてい
る。そして、この旋回容積部16の外側にオルダムリン
グ8のキー溝17が直径方向に一対設けられている。
【0021】22は油戻し管を示し、この油戻し管22
はフレーム6の旋回容積部16の内壁で開口し外側に延
びるパイプであり、外側の開口端はボディハウジング1
の下部に向かって指向している。ここで上記油戻し管2
2には、上記フレーム6に挿入されている基部22aに
成形性が良く形状の自由度が高い高分子材からなる形状
記憶ポリマ弁23が設けられている。この形状記憶ポリ
マ弁23(弁、管路開度調整機構)はその形状記憶特性
による開度調整機能を有している。
【0022】図2〜図4において、形状記憶ポリマ弁2
3は、油戻し管22の内壁に取り付けられる筒状部23
aを備えている。この筒状部23aには薄肉の1/4円
弧形状の弁体23bが交叉する2つのスリットSLによ
り4つ配置されている。図3に示すように弁体23bは
筒状部23aの流路方向で筒状部23aの中央部に設け
られ弁体23bが撓むことにより開弁(図4)と閉弁
(図3)を行うものである。
【0023】弁体23bは定常運転時温度が上昇した状
態では図4に示すように弁体23bが軟化するため潤滑
油の流れにより撓んで開弁し、温度が高いうちに潤滑油
の流れが止まると閉弁し、この状態で運転が停止し温度
が低下し形状を記憶している温度になると図3に示すよ
うに閉弁状態で硬化する。
【0024】したがって、上記形状記憶ポリマ弁23を
備えた第1実施形態によれば、定常運転時温度が上昇し
た状態では図4に示すように弁体23bは軟化するため
潤滑油の流れにより開弁し、余剰の潤滑油の油戻し管2
2への戻り量を確保することができる。そのため、余剰
の潤滑油が必要以上に摺動部分に供給されることが原因
で冷媒に潤滑油が混合し運転効率が低下するのを防止で
きる。そして、定常運転停止後の潤滑油の温度が高いう
ちに弁体23bは潤滑油が流れなくなるため閉弁し、冷
えた後には閉止状態で硬化する。
【0025】ここで、運転停止後に起動すると、起動初
期においては形状記憶ポリマ弁23の弁体23bは閉弁
状態となっており、かつ起動初期であるため潤滑油の温
度は低い。よって、潤滑油が弁体23bに至っても弁体
23bは開弁せず、潤滑油の温度が上昇するまでの間は
油戻り管22からの油戻り機能が阻害される。これによ
り、行き場を失った潤滑油は旋回スクロール4とフレー
ム6のスラスト軸受け部Jとの間を経由して、速やかに
オルダムリング8のキー溝17に供給される。
【0026】その結果、長期停止後に始動する場合に、
オルダムリング8が無潤滑状態となっていたとしても、
弁体23bが油戻し管22から余剰潤滑油を戻す機能を
阻害し、潤滑油が旋回スクロール4をフレーム6のスラ
スト軸受け部Jとの間を経由してオルダムリング8のキ
ー溝17に供給されるため無潤滑状態のオルダムリング
8までの給油時間を従来に比較して短縮することができ
る。これにより従来問題となったオルダムリング8とキ
ー溝17との焼き付きを防止し、信頼性を向上すること
ができる。
【0027】一方、定常運転時は潤滑油の温度上昇によ
り弁体23bは余剰の潤滑油の流れにより開弁し、油戻
り管22からボディハウジング1の下部へと戻るため、
定常運転時において余剰の潤滑油の循環量を抑制でき
る。したがって、長期停止後の起動時においても、定常
運転時においても適正な潤滑油の供給を確保することが
できる。
【0028】次に、図5〜図8に基づいてこの発明の第
2実施形態を説明する。この実施形態は第1実施形態に
おける形状記憶ポリマ弁23の替わりに図5に示すよう
に油戻り管22に植毛状弁24(弁、管路開度調整機
構)を設けたものである。この植毛状弁24も成形性が
良く形状の自由度が高い高分子材(形状記憶特性を有す
る)で成形されている。尚、他の構成は前記実施形態と
同様であるので、同一部分に同一符号を付して説明す
る。
【0029】図6〜図8において、植毛状弁24は、油
戻し管22の内壁に取り付けられる筒状部24aを備え
ている。この筒状部24aには筒状部24aの内径の半
径の長さを備えた多数の植毛が中央部に向かって配設さ
れた弁体24bが設けられている。図3に示すように弁
体24bは筒状部24aの流路方向においては筒状部2
4aの前後端に渡って設けられ、弁体24bを構成する
植毛が撓むことにより開弁(図8)と閉弁(図7)を行
うものである。尚、上記植毛は高分子材等を用いて成形
されている。
【0030】弁体24bは定常運転時温度が上昇した状
態では図8に示すように弁体24bが軟化するため潤滑
油の流れにより撓んで開弁し、温度が高いうちに潤滑油
の流れが止まると閉弁し、この状態で運転が停止し温度
が低下し形状を記憶している温度になると図7に示すよ
うに閉弁状態で硬化する。
【0031】したがって、上記植毛状弁24を備えた第
2実施形態によれば、定常運転時温度が上昇した状態で
は図4に示すように弁体24bは軟化するため潤滑油の
流れにより開弁し、余剰の潤滑油の油戻し管22への戻
り量を確保することができる。そのため、余剰の潤滑油
が必要以上に摺動部分に供給されることが原因で冷媒に
潤滑油が混合し運転効率が低下するのを防止できる。そ
して、定常運転停止後の潤滑油の温度が高いうちに弁体
24bは潤滑油が流れなくなるため閉弁し、冷えた後に
は閉止状態で硬化する。
【0032】ここで、運転停止後に起動すると、起動初
期においては植毛状弁24の弁体24bは閉弁状態とな
っており、かつ起動初期であるため潤滑油の温度は低
い。よって、潤滑油が弁体24bに至っても弁体24b
は開弁せず、油戻り管22からの油戻り機能が阻害され
る。これにより、行き場を失った潤滑油は旋回スクロー
ル4とフレーム6のスラスト軸受け部Jとの間を経由し
て、速やかにオルダムリング8のキー溝17に供給され
る。
【0033】その結果、長期停止後に始動する場合に、
オルダムリング8が無潤滑状態となっていたとしても、
弁体24bが油戻し管22から余剰潤滑油を戻す機能を
阻害し、潤滑油が旋回スクロール4をフレーム6のスラ
スト軸受け部Jとの間を経由してオルダムリング8のキ
ー溝17に供給されるため無潤滑状態のオルダムリング
8までの給油時間を従来に比較して短縮することができ
る。これにより従来問題となったオルダムリング8とキ
ー溝17との焼き付きを防止し、信頼性を向上すること
ができる。
【0034】一方、定常運転時は潤滑油の温度上昇によ
り弁体24bは余剰の潤滑油の流れにより開弁し、油戻
り管22からボディハウジング1の下部へと戻るため、
定常運転時において余剰の潤滑油の循環量を抑制でき
る。したがって、長期停止後の起動時においても、定常
運転時においても適正な潤滑油の供給を確保することが
できる。尚、この発明は上記実施形態に限られるもので
はなく、例えば、形状記憶ポリマ弁23と、植毛状弁2
4は運転停止時においては油戻し管22を閉弁するよう
に設定されているが、完全に閉じないで油戻し管22の
管路を絞るように設定しても良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載した発明によれば、管路開度調整機構により油戻し管
の管路の開度を調整することが可能となるため、運転状
況に合わせて最適な開度に調整することができる効果が
ある。請求項2あるいは請求項7に記載した発明によれ
ば、定常運転時においては油戻し管を開くことで余剰の
潤滑油が循環流体に混入するのを防止でき、運転停止時
においては油戻し管を閉じることで潤滑油の摺動部への
回りを促進させることができるため、摺動部に無潤滑部
がある場合でも焼き付き等が生ずることはなく、信頼性
を高めることができる効果がある。
【0036】請求項3から請求項5あるいは請求項7に
記載した発明によれば、運転停止時において油戻り管が
閉塞した状態となっているため、起動した場合に摺動部
に無潤滑状態の部分があっても、油戻り管から潤滑油が
戻らない分摺動部への潤滑油の回りが促進されるため、
摺動部が焼き付きを起こすのを防止でき信頼性を高める
ことができる効果がある。
【0037】請求項6に記載した発明によれば、上記効
果に加え、弁体が形状記憶ポリマによって形成されてい
ることにより、成形性が向上し形状の自由度が高まると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施形態の要部断面図であ
る。
【図2】 この発明の第1実施形態の形状記憶ポリマ弁
の正面図である。
【図3】 図2の取付け状態を示す側断面図である。
【図4】 図3の作動説明図である。
【図5】 この発明の第2実施形態の要部断面図であ
る。
【図6】 この発明の第2実施形態の植毛状弁の正面図
である。
【図7】 図6の取付け状態を示す側断面図である。
【図8】 図7の作動説明図である。
【図9】 従来技術、及びこの発明の実施形態の全体断
面説明図である。
【符号の説明】
1 ボディハウジング(密閉ハウジング) 3 回転軸 4 旋回スクロール 5 固定スクロール 21 給油孔 22 油戻し管 23 形状記憶ポリマ弁(弁、管路開度調整機構) 24 植毛状弁(弁、管路開度調整機構) 23b,24b 弁体 J スラスト軸受部
フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AA21 AB03 BB03 BB05 BB07 BB50 CC13 CC23 CC39 3H039 AA03 AA04 AA12 BB11 CC27 CC30 CC35 CC40

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ハウジングと、該密閉ハウジング内
    に互いに旋回可能に設けられた旋回スクロールと固定ス
    クロールとを有し、密閉ハウジングの下部に貯留された
    潤滑油を旋回スクロールと該旋回スクロールが摺接する
    スラスト軸受部との間、及び旋回スクロールと固定スク
    ロールとの摺接部に給油し、余剰の潤滑油を油戻し管を
    介して密閉ハウジングの下部に戻すスクロール型流体機
    械において、前記油戻し管に管路開度調整機構を設けた
    ことを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 【請求項2】 上記管路開度調整機構が、定常運転時に
    おいては油戻し管を開き、運転停止時においては油戻し
    管の管路を閉じるものであることを特徴とする請求項1
    に記載のスクロール型流体機械。
  3. 【請求項3】 上記管路開度調整機構が、運転停止時に
    おいて油戻し管を閉塞するように形状が戻る形状記憶特
    性を有する弁であることを特徴とする請求項1に記載の
    スクロール型流体機械。
  4. 【請求項4】 上記弁が潤滑油の温度低下に伴い閉弁姿
    勢に戻る形状記憶特性を有する板状の弁体を備えている
    ことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型流体機
    械。
  5. 【請求項5】 上記弁が潤滑油の温度低下に伴い起立姿
    勢に戻る形状記憶特性を有する多数の植毛からなる弁体
    を備えていることを特徴とする請求項2に記載のスクロ
    ール型流体機械。
  6. 【請求項6】 上記弁体が形状記憶ポリマによって形成
    されていることを特徴とする請求項3または請求項4の
    いずれかに記載のスクロール型流体機械。
  7. 【請求項7】 上記密閉ハウジングの下部に貯留された
    潤滑油が、旋回スクロールを駆動する回転軸に形成され
    た給油孔を介して各摺接部に供給されることを特徴とす
    る請求項1から請求項5のいずれかに記載のスクロール
    型流体機械。
JP11174717A 1999-06-21 1999-06-21 スクロール型流体機械 Withdrawn JP2001003884A (ja)

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