JP2001003206A - 光触媒処理体 - Google Patents

光触媒処理体

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JP2001003206A
JP2001003206A JP11177409A JP17740999A JP2001003206A JP 2001003206 A JP2001003206 A JP 2001003206A JP 11177409 A JP11177409 A JP 11177409A JP 17740999 A JP17740999 A JP 17740999A JP 2001003206 A JP2001003206 A JP 2001003206A
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JP
Japan
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photocatalyst
attached
photocatalytic
functional body
substrate
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Pending
Application number
JP11177409A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Sakurada
司 桜田
Masanobu Akiyama
政信 秋山
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SHINSHU CERAMICS KK
Shinshu Ceramics Co Ltd
Funayama Co Ltd
Original Assignee
SHINSHU CERAMICS KK
Shinshu Ceramics Co Ltd
Funayama Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by SHINSHU CERAMICS KK, Shinshu Ceramics Co Ltd, Funayama Co Ltd filed Critical SHINSHU CERAMICS KK
Priority to JP11177409A priority Critical patent/JP2001003206A/ja
Publication of JP2001003206A publication Critical patent/JP2001003206A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒をより発展させ、汎用性の高いものと
することを目的としており、具体的には、作業服、防災
用カッパ、飛行機の内壁および内装等に殺菌性、防臭性
等の作用を持たせる。 【解決手段】 前記の作業服、防災用カッパ、飛行機の
内壁および内装等に光触媒機能体をディッピング、塗
装、噴霧等により付着せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙製品、布製品、
プラスチック製品、金属製品等の基材上に付着されて優
れた殺菌性、有機物の分解性等を長期間持続することが
できるとともに、基材を侵すことのない光触媒機能体が
付着せしめられた光触媒処理体に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒機能体とは、優れた殺菌性、有機
物の分解性等を有するものであり、近頃、注目されてい
る物質の一つであり、現在用途開発が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本件出願人は
光触媒をより発展させ、汎用性の高いものとすることを
目的としており、本発明が解決しようとする具体的な課
題は、日頃、汗や汚れなどにより不衛生になりがちな作
業服やヘルメットを清潔に保つことであり、医療用白衣
を常に衛生的に保つことである。
【0004】また、防災用のカッパは、その使用形態よ
り、濡れたままになることが多く付着した水が独特の臭
いを発することがある。さらに、緊急用に備え付けられ
ているものも多く、これらのものは不衛生になりがちで
ある。よって、防災用のカッパの臭いを解消し衛生的に
保つことも必要である。
【0005】飛行機の機内は、フライト中は締め切った
状態になることから、機内に飲食物の臭いが籠もってし
まうことが問題となっており、これらの臭いをなくすこ
とも必要である。
【0006】さらに、小学生等が使う体操着は汚れるこ
とが多く、汗等により不衛生になることもあり、改善の
余地がある。
【0007】また光触媒機能体は、殺菌作用も有してお
り人体に直接触れても問題ないことから、包帯などに光
触媒機能体を付着せしめることも可能である。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本願出願人は、請
求項1で光触媒機能体が付着せしめられた作業服からな
る光触媒処理体を提供する。
【0009】また、請求項2で、光触媒機能体が付着せ
しめられたヘルメットからなる光触媒処理体を提供す
る。光触媒機能体の殺菌作用や脱臭作用により、今まで
不衛生になりがちであった作業服やヘルメットを常に衛
生的な状態を保つことができる。
【0010】更に、請求項3で、光触媒機能体が付着せ
しめられた医療用白衣からなる光触媒処理体を提供す
る。本発明により院内感染等の予防も図れる。
【0011】請求項4では、光触媒機能体が付着せしめ
られた防災用カッパからなる光触媒処理体を、請求項5
では、光触媒機能体が付着せしめられた飛行機の内装及
び内壁からなる光触媒処理体を、更に、請求項6では、
光触媒機能体が付着せしめられた体操着からなる光触媒
処理体を、請求項7では、光触媒機能体が付着せしめら
れた包帯からなる光触媒処理体を、更に、請求項8で
は、光触媒機能体が付着せしめられた絆創膏からなる光
触媒処理体をそれぞれ提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の具体的な実施の
形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】まず、本発明全てに共通する光触媒機能体
について説明する。
【0014】図1に示すように、本発明に係る光触媒機
能体とは、少なくとも光半導体粉末2aと、金属微粒子
2bと、吸着材料3とからなるものである。
【0015】上記光半導体粉末2aとしては、TiO2
の他、CdS、CdSe、WO3、Fe23、SrTi
3、KNbO3等を挙げることができる。この中でも、
TiO 2は、ほとんどの酸、塩基、有機溶媒には侵され
ず化学的に安定であり、また、TiO2は中毒を起こす
ことはなく、発ガン性もないことが動物実験等で確認さ
れており、この様な点からTiO2が最も好ましい。
【0016】ここで、上記金属粉末2bは、光触媒機能
体中では電極として作用するが、この電極を形成する金
属粉末としては、銀の他、金、白金、銅等の種々の金属
粉末を用いることができる。光触媒が本来的な機能を発
揮するための不可欠な要素の一つとして水分が要求され
るため、電極を形成する金属粉末は、水の存在下で経時
変化が無く安定していることが必要となり、前記の金属
粉末の中でも白金が最も好ましいが、経済性を考慮し、
更に前記特性を具備しており、無毒でそれ自体も殺菌性
を有しているため銀が好ましい。
【0017】前記吸着材料3は、細菌、ウィルス、カビ
の他、悪臭物質及び有害物質等の処理対象物を吸着、保
持するために用いられるものである。係る吸着材料とし
ては、アパタイト(リン灰石)ゼイライト又はセピオラ
イト等のセラミック粉末、活性炭及び絹繊維含有物によ
りなる群から選ばれる1以上を挙げることができ、これ
らは必要に応じて2以上を組み合わせて用いることがで
きる。ここでアパタイトとしては、細菌、ウィルス、カ
ビ等の蛋白質を選択的に吸着するハイドロキシアパタイ
ト[Ca10(PO46(OH)2]が好ましい。また、
絹繊維含有物としては、絹繊維粉末の他、顆粒状に成形
したものやゲル状物等も含まれる。これらの吸着材料
(絹繊維含有物は粉末の場合)の粒径はより大きな表面
積を確保するとともに、良好な被着作業性を考慮すると
0.001〜1.0μmが好ましく、特に0.01〜
0.05μmが好ましい。光半導体粉末と吸着材料の混
合割合は、光半導体粉末100重量部に対して吸着材料
は1〜50重量部が好ましく、特に10〜30重量部が
好ましい。
【0018】ここで、上記で述べた光半導体粉末、金属
微粒子、吸着材料等から成る光触媒機能体を基材上に付
着せしめる方法は特に限定されるものではなく、低温溶
射法により付着せしめても、また印刷用インキや塗料と
して基材上に付着せしめるものであっても良い。
【0019】図1は、低温溶射法により基材表面に光触
媒を付着せしめた状態を示すものであり、不織布、織
布、紙、木材、セラミック板、金属板、プラスチック板
等の基材1上に例えば融点が2000℃以下である酸化
チタン(TiO2)の微粒子(5〜50μm)と、金属
の微粒子1〜10μmとを酸素、アセチレン等を使用し
たガス溶射法により約2900〜3000℃で溶融した
セラミックスを溶射したものである。溶射した状態で
は、光触媒の粒子2は、一方の電極として作用する酸化
チタン粒子2aとこの酸化チタン粒子2aに坦持された
他方の電極として作用する金属の例えば銀粒子2bとか
らなる。光触媒粒子2は電気化学セルをなし、溶射後
は、30〜40μの扁平積層粒子となり、ガスの高温に
より溶融しつつアンカー効果により基材1上に付着す
る。酸素、アセチレン等を使用するガス溶射による低温
溶射法においては、溶融光触媒粒子を噴射するガストー
チと基材とを相対的の移動させて基材表面が50℃以上
にならないようにして行われ、したがって、紙、布等に
対しても溶射が可能となるものである。しかしながら、
ガス溶射であるため使用原料の粉体の融点は2000℃
以下に制限される。なお、トーチと基材との相対速度を
調整することによりプラズマ溶射も可能となるが、プラ
ズマ溶射だと使用原料の融点は3500℃位のものまで
溶射可能となる。
【0020】一般に、溶射においては、アンカー効果に
より基材上にパウダーを付着させるため、溶射用のパウ
ダーは5μm以上の塊状のものが好適であり、溶射パウ
ダーとして全てアナターゼがルチルに転移しているもの
が用いられている。アナターゼ結晶形態の酸化チタン
(チタニア)は、強力な光触媒作用を有するが、溶射後
の光触媒粒子がすべてアナターゼ結晶を有していると、
その分解作用が強すぎて基材を犯してしまうので実用化
できないこととなる。しかしながら、アナターゼ結晶粒
子の粒径、溶射温度、基材表面温度及び使用加熱源をそ
れぞれ5〜25μm、約2900〜3000℃、40〜
50℃及びガスに調整選択することにより、アナターゼ
結晶10〜40%を合成することができる。すなわち、
アナターゼとルチルとの変態点である約750℃を超え
れば、結晶はすべてルチル型結晶になるが、上述の低温
溶射法によれば、全てルチル結晶の粒子を準備してこれ
を溶射すると、10〜40%のアナターゼ結晶が生成さ
れ、残りがルチル結晶となる。種々の実験によれば、溶
射後のアナターゼ対ルチルの重量比は1:3が好適であ
ることがX線分析の結果判明した。
【0021】図2は、基材1上に施された光触媒粒子4
を含む印刷インキ又は塗料の皮膜状態を示すものであ
り、前記光触媒粒子4は、酸化チタン粒子4aとこれに
坦持された銀粒子4bとからなる。光触媒粒子4は、図
1に示した低温溶射法の場合の粒子と同一構造とするこ
とができる。
【0022】また、全てがアナターゼ結晶形態の酸化チ
タン(TiO2)はその酸化力が極端に強く基材をぼろ
ぼろにしてしまうので、印刷インキ又は塗料において
も、原料である酸化チタン粒子のアナターゼとルチルの
重量比は20〜50%:50〜80%が好ましく、アナ
ターゼがこれ以下の比率だと光触媒作用が弱いし、これ
以上の比率だと光触媒作用が強すぎてバインダー6を分
解してインク又は塗料がすぐに分解してしまうこととな
る。特にアナターゼ対ルチルとの重量比が約3対7が最
も好ましい。
【0023】なお、チタン原料は必ずしもアナターゼと
ルチルにする必要はなく、触媒活性の強いアナターゼと
触媒活性の弱いアナターゼとの比較を調整することによ
っても適切な光触媒とすることができる。
【0024】また、光触媒機能体を印刷インキとして用
いる場合、その印刷インキは光半導体粉末、金属粉末及
び吸着材料に加えて、少なくとも色料及びバインダー6
としてのビヒクルを含有し、必要に応じてその他の成分
を含有するものである。
【0025】色料としては、一般に印刷インキの色料と
して用いるもの、例えば、無機顔料、有機顔料のほか、
油溶染料、分散染料等の染料を上げることができる。ビ
ヒクルとしては、油、例えばアマニ油等の乾性油、大豆
油等の半乾性油、ヒマシ油等の不乾性油を挙げることが
でき、樹脂、例えば、ロジン、変性ロジン、ギルソナイ
ト等の天然樹脂又は天然樹脂誘導体、フェノール樹脂、
アルキド樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ケ
トン樹脂、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴ
ム、環化ゴム、セルロース誘導体、反応性樹脂をあげる
ことができ、そのほかにも可塑剤を挙げることができ
る。また、その他の成分としては、天然ロウ又は合成ロ
ウのロウ成分、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、橋かけ剤、ゲ
ル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、つや消し剤、
消泡剤、色分かれ防止剤、光重合開始剤、かび防止剤等
を挙げることができる。これらの各成分の配合割合には
特別なものはなく、通常市販されている印刷インキと同
じ配合割合を適用することができる。
【0026】印刷インキにおける光半導体粉末、金属粉
末及び吸着材料の合計配合量は、殺菌、防臭等の作用を
発揮し、適度な印刷性を確保するため、印刷インキ全量
中3〜55重量%が好ましく、特に15〜35重量%が
好ましい。
【0027】このような印刷インキの形態及び種類は特
に制限されるものではなく、ペーストインキ、ソルベン
トインキ又は無溶剤インキとし、それらを平版印刷イン
キ、凸版印刷インキ、グラビア印刷インキ、スクリーン
印刷インキ、凹版印刷インキ、特殊印刷インキとして適
用することができる。これらの中でも本発明の目的を最
も効果的に達成するためには、紙用スクリーンインキ、
プラスチック用スクリーンインキ、ガラス用スクリーン
インキ、布地用スクリーンインキ等のスクリーン印刷用
インキが好ましい。
【0028】塗料は、光半導体粉末、金属粉末及び吸着
材料に加えて、少なくともバインダー6としての塗膜形
成成分及び分散剤を含有し、必要に応じてその他の成分
を含有するものである。
【0029】塗膜形成成分としては、セルロース誘導
体、フタル酸樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ア
ミノアルド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、エマルジョン、水溶性樹脂等の合成樹脂を挙げるこ
とができる。分散剤としては、石油系溶剤、芳香族系溶
剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶
剤、セルソルブ系溶剤、無機シリコン系溶剤、水等を挙
げることができる。なお、粉体塗料にする場合には、分
散剤としての溶剤は不要となる。また、その他の成分と
しては、顔料、例えば、二酸化チタン、黄鉛、ベンガ
ラ、酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料、ハン
ザイエロー、ノバパームオレンジ、キナクリドンバイオ
レット、銅フタロシアニン等の有機顔料、沈降性炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、ホワイトカ
ーボン等の体質顔料、ジンククロメート、ストロンチウ
ムクロメート、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム等の防
食顔料に代表される特殊機能顔料等を挙げることができ
る。更に、上記成分以外にも、補助材料として、塗膜乾
燥促進性の付与を目的とする乾燥剤、顔料分散剤、フラ
ッディング防止剤、顔料沈降防止剤、塗料の流動性の調
節を目的とする増粘剤、チキソトロピック剤、たれ止め
剤、塗面の調整を目的とするレベリング剤、泡消し剤、
はじき防止剤、フローティング防止剤のほか、可塑剤、
皮張り防止剤、静電塗装助剤、すり傷防止剤、ブロッキ
ング防止剤、紫外線防止剤、防染剤、防腐剤、防かび剤
等を配合することができる。これらの各成分の配合割合
には特別なものはなく、通常販売されている塗料と同じ
配合割合を適用することができる。
【0030】塗料における光半導体粉末、金属粉末及び
吸着材料の合計配合量は、殺菌、防臭等の作用を発揮
し、適度な塗装性を確保するため、塗料全量中3〜55
重量%が好ましく、特に15〜35重量%が好ましい。
【0031】なお、光半導体粉末及び金属粉末(Ag)
対吸着材料(ハイドロキシアパタイト)の重量比は、7
0〜80重量%対10〜20重量%が好適である。
【0032】このような塗料の塗装方法は特に制限され
るものではなく、刷毛塗り、エアスプレー塗装、静電塗
装、粉体塗装、電着塗装、カーテンフロー塗装、ロール
塗装等の方法を適用することができる。
【0033】本件出願人が使用している塗料の成分割合
は以下の通りである。
【0034】1)アクリルラッカー塗料
【表1】
【0035】2)液ウレタン塗料 (乾燥時の塗膜中)光触媒30%、バインダー固形分7
0%。
【表2】
【0036】3)焼付アクリル塗料 (乾燥時の塗膜中)光触媒30%、バインダー固形分7
0%。
【表3】
【0037】4)水性アクリル塗料 (乾燥時の塗膜中)光触媒50%、バインダー固形分5
0%。
【表4】
【0038】一般に、光触媒は非溶出系であり、光半導
体粉末に坦持される金属は電極として作用し、それが液
中に溶出して殺菌するわけではなく、水の存在下で発生
するOH-ラジカルにより殺菌効果を発揮するものであ
る。これに対して、従来の溶出系抗菌剤、例えば、抗菌
性を有する銀、銅、亜鉛等の金属を坦持したゼオライト
からなる抗菌剤とバインダーとの混合物を必要個所に塗
布し乾燥したようなものは、図3に示すように前記金属
が直ちに液中に溶出して即効性を示すが、短時間でその
効果は減少し、しかも金属が溶出した部分が細菌の巣と
なり却って害を及ぼすこととなる。
【0039】本発明の光触媒機能体は、図3に示すよう
に、即効性については、従来の抗菌剤より劣る場合があ
るが、非溶出型であるため、殆ど、液中に溶け出すこと
はなく、その効果が長時間持続することとなる。
【0040】したがって、従来の抗菌剤、例えば、抗菌
作用を有する金属イオン(Ag、Cu、Zn)を坦持し
たゼオライト微粒子を光触媒粒子(TiO2+Ag)と
混合させて低温溶射するとか、前記従来の金属イオンを
坦持したゼオライト微粒子をバインダー中に混合して印
刷インキ又は塗料として使用すれば、即効性があり、か
つ持続性のある抗菌、殺菌剤とすることができる。
【0041】図4は、ゴミ清掃員等が着る作業服40で
あり、光触媒機能体を付着せしめたものである。この
際、光触媒機能体を作業服40の表面に付着せしめるこ
とにより、清掃中に付いた汚れや臭いを分解することが
でる。また、光触媒機能体を作業服の裏地41に付着せ
しめることにより、作業中にかいた汗やその臭い等を分
解することができ、衛生面でも好ましい。この場合、光
触媒機能体を付着せしめる方法は、特に限定される物で
はなく、溶融光触媒粒子を噴射するガストーチと、基材
とを相対的の移動させて、基材表面が50℃以上になら
ないようにして行われる低温溶射法により付着せしめて
もかまわないし、印刷インキや塗料として付着せしめて
もかまわない。
【0042】図5は、光触媒機能体を有する印刷インキ
を基材に印刷するグラビア印刷機50の基本的な構造を
示している。このグラビア印刷機50は、印刷インキ5
1を貯蔵するインキタンク52と、インキタンク52か
ら印刷インキ51を汲取るための円柱状に形成されたフ
ァニッシャロール53と、その上側にファニッシャロー
ル53に接するように設けられ、基材55に印刷インキ
51を付着せしめるための円筒状の版胴54とこの版胴
54の上側に版胴54に接するように設けられ、基材5
5を版胴54とで挟み込んでいる円柱状の圧胴56とを
備えている。基材55は、版胴54と圧胴56との間で
これらの回転方に長手方向を一致させて搬送される。
【0043】ファニッシャロール53は、その径の半分
程度がインキタンク52内部の印刷インキ51に浸漬さ
れ、回転軸を中心に回転してインキタンク52から印刷
インキ51を汲み上げ、版胴54の表面に印刷インキ5
1を付着せしめている。
【0044】版胴54の表面には、全周にわたり格子状
のグラビア目が刻まれている。この版胴54は、ファニ
ッシャロール53と同一の方向に回転している。ファニ
ッシャロール53により表面に付着せしめられた印刷イ
ンキ51は版胴54の表面全体に一様に付着され、反動
の回転に伴い上方へ持ち上げられる。一方、持ち上げら
れた印刷インキ51が約1/4回転した位置に、先端の
版胴54の表面に接触している薄板状の鋼板57を備え
たドクター58が設けられている。版胴54の回転に伴
い持ち上げられた印刷インキ51の内グラビア目に入り
込んだもの以外はドクター58により掻き落とされ、基
材55が搬送されている版胴54の上側には、グラビア
目に残された印刷インキのみが到達する。
【0045】圧胴56は、その下端部を反動の上端部に
押圧するようにして基材55を挟み込み、版胴54の回
転方向とは逆の方向に回転している。そして、版胴54
のグラビア目に入り込んだ印刷インキが版胴54と圧胴
56とによって基材55に向けて押圧されて、基材に付
着することで印刷される。
【0046】この方法により、図4に示す作業服40に
なる前の原反に光触媒機能体を付着せしめることも可能
である。
【0047】また、図6は原反に光触媒機能体を付着せ
しめる際に使用するディッピング装置60である。この
ディッピング装置60により作業服になる前の原反の状
態において、光触媒機能体を付着せしめることも可能で
ある。この装置では、原反61から生地をその長さ方向
に引き出して、生地に塗料62を付着させる。ディッピ
ング装置60は、原反の中心に挿入され、原反が回転自
在に取り付けられる回転軸63と光触媒を含有する塗料
62を収容するタンク64と、塗料が付着された生地を
巻き取るための巻き取り軸65を備えている。
【0048】タンク64には、生地をタンク64内に案
内する案内ローラー66と、タンク内部で生地を横断さ
せるように案内している2つのローラー67と、タンク
外部へ搬送される生地を巻き取り軸の方へ案内する案内
ローラー68とを備えている。また、このタンクの底面
には、塗料中の光触媒が均一に分散するように撹拌する
撹拌装置69が設けられている。
【0049】このディッピング装置60によれば、生地
がローラーの間を通過している間に塗料が生地の表面層
部に付着する(図2に示す状態になる)。なお、生地が
案内ローラーを通過後、巻き取り軸65により巻き取ら
れるまでに、図示しない乾燥装置によって生地は乾燥さ
れる。
【0050】図4に示す作業服40は、このディッピン
グ装置60により光触媒機能体を付着せしめられた原反
により形成されても良い。
【0051】図7は、工事現場等で使用する安全ヘルメ
ット70内部に光触媒機能体を付着せしめたものであ
る。ヘルメット内部71は、夏などは非常に蒸れやす
く、汗などで不衛生になりがちである。この様な問題点
が光触媒機能体をヘルメット内部に付着せしめることに
より回避される。
【0052】この場合であっても、光触媒機能体を付着
せしめる方法は限定されるものではなく、いかなる方法
であってもかまわないが、光触媒機能体を含有する水性
塗料を用い、これをスプレー72にして、ヘルメット内
部71へ吹き付ける方法がこの場合好適である。また、
スプレー72でなくても、家庭用の霧吹きに、前記光触
媒機能体を含有する水性塗料を入れて使用することによ
り、同様の効果が得られる。
【0053】図8は、防災用カッパ80に光触媒機能体
を付着せしめたものである。防災用カッパ80は、その
使用形態上濡れたままになることが多く、防災用カッパ
80に付着した水が独特の悪臭を放つことがある。この
場合、光触媒機能体をカッパ80の表面に付着せしめる
ことにより、悪臭や汚れ等を分解することができる。ま
た、防災用カッパ80は耐久性を持たせるため、さら
に、水分を通さないためにゴムで作られていることが多
く、長時間着ていると蒸れて汗をかくことがある。この
場合には、光触媒機能体をカッパの裏地81に付着せし
めることにより、汗等を分解することができる。
【0054】また、光触媒機能体をカッパ80に付着せ
しめる方法は、特に限定されるものではなく前記印刷に
よって付着せしめても、ディッピング装置によって付着
せしめても良いが、カッパ80を製造する際に塗料状の
光触媒機能体を生地となるゴムの中へ混入せしめること
も可能である。
【0055】図9は、医師や看護婦が着る白衣90に光
触媒機能体を付着せしめたものである。光触媒機能体は
殺菌作用も有しており、衛生管理が必要な白衣90等に
用いることは非常に好ましい。また、同じ様な理由か
ら、図10に示した医師や看護婦がかぶる帽子100に
光触媒機能体を付すことも可能である。
【0056】以上に示した医療用白衣や帽子に光触媒機
能体を付着せしめる方法は特に限定されるものではない
が、図6に示したディッピング装置60により白衣90
等の生地に光触媒機能体を付着せしめることも可能であ
る。
【0057】図11および図12は、包帯110やガー
ゼ120に光触媒機能体を付着せしめたものである。光
触媒機能体は人体への影響は無く、その上、殺菌作用を
有していることより直接傷口に触れる包帯110やガー
ゼ120などにおいても使用可能である。この場合であ
っても、光触媒機能体を付着せしめる方法は特に限定さ
れるものではなく、図6に示したディッピング装置60
により包帯110やガーゼ120といった製品になる前
の原反の段階で光触媒機能体を付着せしめることも可能
である。
【0058】また、救急車の内壁および内装に光触媒機
能体を付着せしめることも可能である。光触媒機能体の
殺菌作用により車内の衛生を保つことができる。
【0059】更に、図13に示すように、飛行機の内壁
および内装に光触媒機能体を付着せしめることもでき
る。機内は飛行中、閉め切った状態であるがゆえ、カレ
ー等の臭いの強い食事を出すとその臭いがこもってしま
うという問題があった。しかし、飛行機の内壁130
や、座席131及び、座席の頭部カバー132、マット
133、または天井134等に、光触媒機能体を塗装に
より付着せしめることにより、これらの臭いを分解する
ことができる。
【0060】これらの内壁や内装に光触媒機能体を付着
せしめる方法は、特に限定させるものではなく、内壁等
の場合は、内壁を形成する際に低温溶射法により付着せ
しめることもでき、また、頭部カバーの場合には、その
原反にディッピング装置を使って光触媒機能体を付着せ
しめることも可能である。
【0061】また、図14光触媒機能体を付着せしめた
絆創膏の斜視図である。絆創膏140は、光触媒機能、
つまり殺菌性を有するガーゼ部141と、粘着テープ部
142とからなる。ガーゼ部に光触媒機能体を付着せし
めることにより、傷口にばい菌などが入ることを防ぐと
同時に、傷口に存在しているばい菌を光触媒が殺してく
れる点で好適である。
【0062】
【発明の効果】本発明により、作業用衣類や作業用品ま
たは、医療用衣類や医療用品等を衛生的に保つことがで
き、さらに、飛行機等の内壁および内装に光触媒機能体
を付着せしめることにより、乗り物内の臭いを解消でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】低温溶射法による皮膜状態図である。
【図2】塗料または印刷インキによる皮膜状態図であ
る。
【図3】従来と本発明との光触媒としての効果の比較を
示す図である。
【図4】光触媒を付着せしめた作業服の斜視図である。
【図5】基材に光触媒を含有する塗料を付着するグラビ
ア印刷機の概要を示す縦断面図である。
【図6】生地に光触媒を含有する塗料を付着するディッ
ピング装置の概要を示す縦断面図である。
【図7】光触媒を付着せしめたヘルメットの斜視図であ
る。
【図8】光触媒を付着せしめた防災用カッパの斜視図で
ある。
【図9】光触媒を付着せしめた医療用白衣の斜視図であ
る。
【図10】光触媒を付着せしめた医師や看護婦のかぶる
帽子の斜視図である。
【図11】光触媒を付着せしめた包帯の斜視図である。
【図12】光触媒を付着せしめたガーゼの斜視図であ
る。
【図13】飛行機の断面図である。
【図14】光触媒を付着せしめた絆創膏の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…基材 2、4…光触媒粒子 6…バインダー 40…作業服 50…グラビア印刷機 60…ディッピング装置 70…ヘルメット 80…防災用カッパ 90…医療用白衣 100…医師や看護婦がかぶる帽子 110…包帯 120…ガーゼ 130…飛行機の内壁 131…飛行機の座席 132…飛行機の座席の頭部カバー 133…飛行機のマット 134…飛行機の客室の天井 140…絆創膏 141…絆創膏のガーゼ部 142…絆創膏の粘着部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 9/00 A61L 9/00 C (72)発明者 秋山 政信 東京都中央区月島2−20−15 船山株式会 社東京本店内 Fターム(参考) 3B011 AB01 AB06 AB11 AC00 AC04 AC16 AC19 4C058 AA05 AA12 AA26 BB02 CC08 JJ04 JJ05 JJ21 JJ23 JJ24 4C080 AA07 BB02 BB04 BB05 BB06 HH05 JJ03 KK08 LL10 MM02 QQ03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒機能体が付着せしめられた作業服
    からなる光触媒処理体。
  2. 【請求項2】 光触媒機能体が付着せしめられたヘルメ
    ットからなる光触媒処理体。
  3. 【請求項3】 光触媒機能体が付着せしめられた医療用
    白衣からなる光触媒処理体。
  4. 【請求項4】 光触媒機能体が付着せしめられた防災用
    カッパからなる光触媒処理体。
  5. 【請求項5】 光触媒機能体が付着せしめられた飛行機
    の内装及び内壁からなる光触媒処理体。
  6. 【請求項6】 光触媒機能体が付着せしめられた体操着
    からなる光触媒処理体。
  7. 【請求項7】 光触媒機能体が付着せしめられた包帯か
    らなる光触媒処理体。
  8. 【請求項8】 光触媒機能体が付着せしめられた絆創膏
    からなる光触媒処理体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014193818A (ja) * 2013-03-28 2014-10-09 Dainippon Printing Co Ltd 医療用粘着製品

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