JP2000295944A - 釣り具 - Google Patents

釣り具

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JP2000295944A
JP2000295944A JP11104977A JP10497799A JP2000295944A JP 2000295944 A JP2000295944 A JP 2000295944A JP 11104977 A JP11104977 A JP 11104977A JP 10497799 A JP10497799 A JP 10497799A JP 2000295944 A JP2000295944 A JP 2000295944A
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Japan
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photocatalyst
fishing tackle
fishing
particles
weight
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JP11104977A
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English (en)
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Hidetoshi Shigefuji
秀俊 重藤
Tsukasa Sakurada
司 桜田
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SHINSHU CERAMICS KK
Ryobi Ltd
Shinshu Ceramics Co Ltd
Original Assignee
SHINSHU CERAMICS KK
Ryobi Ltd
Shinshu Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた殺菌力、脱臭力、防汚力を長期間維持
することができる釣り具を提供する。 【解決手段】 コマセを握った手で触れる竿、リール等
の釣り具の表面に光触媒の膜を形成する。光触媒の粒子
12は、水分が存在する環境下で光に当たると水分を分
解し、OH-ラジカルを発生させる。このOH-ラジカル
が、釣り具付着した細菌、アンモニアやトリメチルアミ
ン等の悪臭及び汚れのもととなる有機物を分解する。こ
のため、細菌を殺す殺菌、においを消す脱臭、汚れを落
とす防汚効果を有する釣り具が得られる。また、光触媒
の粒子12は、銅や銀等の抗菌物質と異なり、溶け出す
ものでないので効果を長持ちさせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿、リール、ウ
キ、ルアー、コマセを入れるバッカン、コマセを取り扱
うコマセミキサー、コマセ杓、コマセカゴ等の釣り具に
関する。
【0002】
【従来の技術】魚釣り時においては、釣竿あるいはリー
ルを取り付けた釣竿を操作しながら、コマセを握った
り、餌の付け替えを行ったり、魚の取り込みを行う。こ
のため、釣竿やリールの表面には、コマセや餌や釣り魚
等の有機物が付着・浸透する。この付着した有機物が、
腐敗したり、カビを生じるのみならず、腐敗時に発生す
るアンモニアやトリメチルアミン、イソ吉草酸が異臭を
放つという問題があった。この問題の解決策として、釣
り人は釣行後に釣り具を洗浄するが、これらの釣り具の
表面に付着・浸透した有機物を完全に除去するのは困難
であった。
【0003】また、最近は釣り具の構成部品の素材中に
銅や銀等の抗菌物質を混入したり、釣り具の表面に銅や
銀等の抗菌物質を混入した塗料を塗布したものが提案さ
れている(特開平9−9825号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、銅や銀
等の抗菌物質は、溶出することで腐敗やカビの発生を抑
える抗菌力を発揮するものである。このため、長期間に
わたって使用すると溶出する抗菌物質が乏しくなり、抗
菌作用を長く維持することができない。また、銅や銀等
は、溶出して人体や環境に悪影響を与えるおそれがあ
る。さらに、抗菌物質は菌の繁殖を抑える程度のもの
で、菌を殺すこと、臭いを消すこと及び汚れを落とすこ
とができず、上述の問題の完全なる解決が図れるもので
もなかった。
【0005】そこで、本発明は、優れた殺菌力、脱臭
力、防汚力を長期間維持することができる釣り具を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に係る発明は、表面に光触媒の膜を形成した
ことを特徴とする釣り具(1,8,21,22,51,
52)により上述した課題を解決する。
【0007】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る釣り具において、前記光触媒(12,14)は、ル
チル型結晶の酸化チタン(TiO2)の微粉末を低温溶
射法により溶射して、アナターゼ型結晶20〜30重量
%及びルチル型結晶70〜80重量%に形成されること
を特徴とする。
【0008】さらに、請求項3係る発明は、請求項1に
記載の釣り具において、前記光触媒(12,14)は、
酸化チタン(TiO2)のアナターゼ型結晶微粒子20
〜50重量%及びルチル型結晶微粒子50〜80重量%
と、金属微粒子と、吸着剤としてのセラミック微粒子を
バインダー中に混入せしめた塗料又は印刷インキを塗布
又は印刷することで形成されることを特徴とする。
【0009】ここで、本発明の釣り具としては、釣竿、
リール、ウキ、ルアー、コマセを入れるバッカン、コマ
セを取り扱うコマセミキサー、コマセ杓、コマセカゴ
を挙げることができる。光触媒は、オキアミ、コマセ用
団子、釣り魚等の有機物が付着し易い部位あるいはこれ
らをいじった手で握る部位の表面に施される。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
における釣り具の釣竿1を示すものである。この釣竿1
は、元竿2と、元竿2の先端に並継ぎや振出し可能に配
置される穂先竿3と、元竿2の後部に設けられるグリッ
プ部4とを備える。元竿2及び穂先竿3は、例えばカー
ボン繊維、ガラス繊維等を含んだ材料で形成される。
【0011】グリップ部4は、元竿2の後部に被せら
れ、元竿2の後端から前に向かって順次配置される把持
部分5、リールシート6を有している。
【0012】把持部分5は、コルク、EVA(エチレン
酢酸ビニル共重合体)等の握り易く手にフィットする材
料で作られた筒体であり、その中空内に元竿2が挿入さ
れ、接着されている。元竿2と把持部分5の後端は揃え
られており、そこには尻栓7が装着されている。
【0013】リールシート6は、固定フードと、緊締筒
によって固定フードに向かって進後動する移動フードと
を備える。リール8の脚は固定フードと移動フードとの
間に挟まれて固定される。
【0014】リール8に巻回された釣り糸9は、ガイド
10内を挿通される。釣り糸9には、ウキ21、コマセ
カゴ22が取り付けられている。
【0015】図2は、釣竿1に取り付けられるリール8
を示したものである。リール8は、合成樹脂、アルミ合
金、またはステンレス製等で形成される。このリール8
は、リール本体31と、ハンドルノブ32と、回転枠3
3と、スプール34とを備える。ハンドルノブ32を釣
り糸の巻き取り方向に回すと、その回転が回転枠33に
伝達され、回転枠33上のベールアーム35は、スプー
ル34の周りを回転する。また、ハンドルノブ32の回
転はスプール34の往復直線運動に変換され、スプール
34がベールアーム35の旋回域内を前後方向に往復運
動する。
【0016】釣竿1、ウキ21、コマセカゴ22の表面
には、光触媒の膜が形成される。また、リール本体3
1、ハンドルノブ32、回転枠33及びスプール34の
表面にも光触媒の膜が形成される。この光触媒の膜は、
低温溶射法により釣竿1等の表面にバインダーなしで付
着される場合と、バインダーを含有させた塗料として付
着される場合と、光触媒シートに離型紙を付着して使用
ならしめる場合とがある。
【0017】図3は、釣竿1の把持部分5を示したもの
である。把持部分5には、元竿2に挿入するまえに、光
触媒、バインダーを含有させた塗料内にどぶ付けするデ
ィッピングによって光触媒の膜が形成される。ディッピ
ングによると、把持部分5の表面、すなわち、餌を握っ
た手が触れる部位に確実に光触媒の膜を形成することが
できる。
【0018】また、リール8は、内部の回転機構に影響
を与えないように、各々に分解された状態で、または、
必要に応じて目隠しをした状態で塗装または低温溶射さ
れる。このリール8の餌を握った手が触れる部位にも、
把持部分5と同様に、組み立てる前にディッピングによ
って光触媒の膜を形成してもよい。
【0019】図4は、低温溶射法により釣竿1等の表面
に光触媒を低温溶射法により、付着せしめた状態を示す
ものであり、例えば融点が2000℃以下である酸化チ
タン(TiO2)の微粒子(5〜25μm)と、金属の
微粒子(1〜10μm)とを酸素、アセチレン等を使用
したガス溶射法により約2900〜3000℃で溶融し
たセラミックスを溶射したものである。溶射した状態で
は、光触媒の粒子12は、一方の電極として作用する酸
化チタン粒子12aとこの酸化チタン粒子12aに坦持
された他方の電極として作用する金属の例えば銀粒子1
2bとからなる。光触媒粒子12は電気化学セルをな
し、溶射後は、30〜40μの粒子となり、ガスの高温
により溶融しつつアンカー効果により釣竿1等の上に付
着する。酸素、アセチレン等を使用するガス溶射による
低温溶射法においては、溶融光触媒微粒子を噴射するガ
ストーチと釣竿1等とを相対的に移動させて釣竿1等の
表面が50℃以上に上がらないようにして行われる。し
かしながら、使用原料の粉体の融点は2000℃以下に
制限される。
【0020】一般に、アナターゼ結晶形態の酸化チタン
(チタニア)は、強力な光触媒作用を有するが、溶射後
の光触媒粒子がすべてアナターゼ結晶を有していると、
その分解作用が強すぎて釣竿1等を犯してしまうので実
用化できないこととなる。しかしながら、ルチル結晶粒
子の粒径、溶射温度、保湿体表面温度及び使用加熱源を
それぞれ5〜25μm、約2900〜3000℃、40
〜50℃及びガスに調整選択することにより、アナター
ゼ結晶20〜30%の膜を形成することができる。すな
わち、アナターゼとルチルとの変態点である約750℃
を越えれば結晶は全てルチル型結晶になるが、上述の低
温溶射法によれば、全てルチル結晶の粒子を準備してこ
れを溶射しても、溶射後に20〜30%のアナターゼ結
晶が生成され、残りがルチル結晶となる。種々の実験に
よれば、溶射後のアナターゼ対ルチルの重量比は1:3
が好適であることがX線分析の結果判明した。
【0021】また、光触媒粒子12にアパタイト、ゼオ
ライト、活性炭等の菌、有害物質、臭い等を吸着する吸
着材料13を混合して溶射すれば、釣竿1等を犯さない
ようにアナターゼ結晶の量を調整することによって光触
媒作用が弱められた点が補強される。
【0022】すなわち、溶射後のハイドロキシアパタイ
トは、雰囲気中の菌、有害物質、臭い等の処理対象を吸
着保持し、この吸着保持した処理対象を20〜30重量
%のアナターゼ結晶を有する光触媒粒子12が分解する
ので、光触媒作用が補強されることとなる。光触媒作用
を強めるためには、粒子が対象物に触れる接触面積を増
やす必要があるが、低温溶射法によれば、プラズマ溶射
に比較して粒子が細かく表面積の大なる膜が形成される
ので好ましい。
【0023】光半導体粉末としては、TiO2の他、C
dS、CdSe、WO3、Fe23、SrTiO3、KN
bO3等を挙げることができる。電極を形成する金属粉
末としては、銀の他、金、白金、銅等の種々の金属粉末
を用いることができる。光触媒としての金属粉末には、
光触媒が本来的な機能を発揮するための不可欠な要素の
一つとして水分が要求されるため、水の存在下で経時変
化がなく安定していることが必要となることから、前記
の金属粉末の中でも白金が最も好ましいが、経済性を考
慮し、更に前記特性を具備しており、無毒でそれ自体も
殺菌性を有しているため銀が好ましい。また、電極とし
ては、必ずしも金属には限定されず、これら金属の代わ
りに例えば、ケイ素Siが使用可能であることが判明
し、このケイ素電極によっても電子の移動が生じる。
銀、金、白金等は価格が高くケイ素の使用は経済的に大
きな効果を果たすものである。
【0024】前記吸着材料13は、細菌、ウィルス、か
びのほか、悪臭物質及び有害物質等の処理対象物を吸
着、保持するためのものである。かかる吸着材料13と
しては、アパタイト(リン灰石)、ゼオライト又はセピ
オライト等のセラミック粉末、活性炭及び絹繊維含有物
によりなる群から選ばれる1以上を上げることができ、
これらは必要に応じて2以上を組み合わせて用いること
ができる。ここでアパタイトとしては、細菌、ウィル
ス、かび等の蛋白質を選択的に吸着するハイドロキシア
パタイト[Ca10(PO46(OH)2]が好ましい。ま
た、絹繊維含有物としては、絹繊維粉末のほか、顆粒状
に成形したものやゲル状物等も含まれる。これらの吸着
材料(絹繊維含有物は粉末の場合)の粒径はより大きな
表面積を確保するとともに、良好な被着作業性を考慮す
ると0.001〜1.0μmが好ましく、特に0.01
〜0.05μmが好ましい。光半導体粉末と吸着材料の
混合割合は、殺菌、脱臭作用等を好適に発揮するために
は、光半導体粉末100重量部に対して吸着材料13が
1〜50重量部が好ましく、特に10〜30重量部が好
ましい。
【0025】ハイドロキシアパタイトを混合した溶射皮
膜の原料は、1例としてTiO280重量%、Ag10
重量%、ハイドロキシアパタイト10重量%が好適であ
る。
【0026】図5は、光触媒粒子14がバインダーを含
有させた塗料として付着された被膜状態を示すものであ
り、前記光触媒粒子14は酸化チタン粒子14aとこれ
に坦持された銀粒子14bとからなる。光触媒粒子14
は、図4に示した低温溶射法の場合の粒子と同一構造と
することができる。すなわち、金属電極としてはケイ素
Siも使用可能である。
【0027】なお、これら光触媒粒子14は吸着剤とし
てのハイドロキシアパタイト15に被覆され、更にバイ
ンダー16によって保湿体の表面に付着されている。
【0028】全てがアナターゼ結晶形態の酸化チタン
(TiO2)はその酸化力が極端に強く釣竿1等をぼろ
ぼろにしてしまうので、塗料においても、原料である酸
化チタン粒子のアナターゼとルチルの重量比は20〜5
0%:50〜80%が好ましく、アナターゼがこれ以下
の比率だと光触媒作用が弱いし、これ以上の比率だと光
触媒作用が強すぎてバインダー16を分解して塗料がす
ぐに剥がれてしまうこととなる。特にアナターゼ対ルチ
ルとの重量比が約3対7が最も好ましい。
【0029】塗料は、光半導体粉末、金属粉末及び吸着
材料に加えて、少なくともバインダー16としての塗膜
形成成分及び分散剤を含有し、必要に応じてその他の成
分を含有するものである。
【0030】塗膜形成成分としては、セルロース誘導
体、フタル酸樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ア
ミノアルド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、エマルジョン、水溶性樹脂等の合成樹脂を挙げるこ
とができる。分散剤としては、石油系溶剤、芳香族系溶
剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶
剤、セルソルブ系溶剤、水等を挙げることができる。な
お、粉体塗料にする場合には、分散剤としての溶剤は不
要となる。また、その他の成分としては、顔料、例え
ば、二酸化チタン、黄鉛、ベンガラ、酸化クロム、カー
ボンブラック等の無機顔料、ハンザイエロー、ノバパー
ムオレンジ、キナクリドンバイオレット、銅フタロシア
ニン等の有機顔料、沈降性炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、タルク、クレー、ホワイトカーボン等の体質顔料、
ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、リン酸
亜鉛、リン酸アルミニウム等の防食顔料に代表される特
殊機能顔料等を挙げることができる。更に、上記成分以
外にも、補助材料として、塗膜乾燥促進性の付与を目的
とする乾燥剤、顔料分散剤、フラッディング防止剤、顔
料沈降防止剤、塗料の流動性の調節を目的とする増粘
剤、チキソトロピック剤、たれ止め剤、塗面の調整を目
的とするレベリング剤、泡消し剤、はじき防止剤、フロ
ーティング防止剤のほか、可塑剤、皮張り防止剤、静電
塗装助剤、すり傷防止剤、ブロッキング防止剤、紫外線
防止剤、防染剤、防腐剤、防かび剤等を配合することが
できる。これらの各成分の配合割合には特別なものはな
く、通常販売されている塗料と同じ配合割合を適用する
ことができる。
【0031】塗料における光半導体粉末、金属粉末及び
吸着材料の合計配合量は、殺菌、防臭等の作用を発揮
し、適度な塗装性を確保するため、塗料全量中3〜55
重量%が好ましく、特に15〜35重量%が好ましい。
【0032】なお、光半導体粉末及び金属粉末(Ag)
対吸着材料(ハイドロキシアパタイト)の重量比は、7
0〜80重量%対10〜20重量%が好適である。
【0033】このような塗料の塗装方法は特に制限され
るものではなく、刷毛塗り、エアスプレー塗装、静電塗
装、粉体塗装、電着塗装、カーテンフロー塗装、ロール
塗装等の方法を適用することができる。
【0034】本件出願人が使用している塗料の成分割合
は以下の通りである。 1)アクリルラッカー塗料
【0035】
【表1】
【0036】2)液ウレタン塗料 (乾燥時の塗膜中)光触媒30%、バインダー固形分7
0%。
【0037】
【表2】
【0038】塗工の際には、主剤:硬化剤4:1にて混
合。 3)焼付アクリル塗料 (乾燥時の塗膜中)光触媒30%、バインダー固形分7
0%。
【0039】
【表3】
【0040】4)水性アクリル塗料 (乾燥時の塗膜中)光触媒50%、バインダー固形分5
0%。
【0041】
【表4】
【0042】次に、一定の寸法の光触媒シートに離型紙
を付着して使用ならしめる場合について説明する。例え
ば、図6に示すように、シート状基材としてのポリエス
テル不織布40等に低温溶射法、塗料または印刷インキ
により光触媒皮膜41を形成し、この裏側に粘着剤42
を有する離型紙43を貼付け、現場で離型紙43を剥が
して釣り具に貼り付けたりする。基材としてはPET不
織布のみならず、例えば、100μ程度の厚さのステン
レス板でもよい。
【0043】シート状基材上に光触媒膜を形成する方法
としては、上述のように、低温溶射法、塗料として付着
する方法、印刷により形成する方法があるが、低温溶射
法の場合は、バインダーが不要であり、アパタイトのよ
うに吸着剤を混合する場合もあるし、混合しない場合も
ある。塗料あるいは印刷インキの場合は、バインダーが
必要となるので、光触媒粒子がバインダー中に埋もれて
処理対象に接する光触媒粒子が小さくなるので、触媒作
用がバインダーなしの低温溶射法に比較して弱くなる。
したがって、その弱点を補うためにアパタイト等の吸着
剤が必要となる。
【0044】低温溶射法及び塗料によって、シート状基
材上に光触媒膜を形成する場合については上述の説明の
通りであるので、ここでは、印刷によって光触媒膜を形
成する場合について説明する。印刷インキは、光半導体
粉末、金属粉末及び吸着材料に加えて、少なくとも色料
及びバインダー16(図5参照)としてのビヒクルを含
有し、必要に応じてその他の成分を含有するものであ
る。
【0045】色料としては、一般に印刷インキの色料と
して用いるもの、例えば、無機顔料、有機顔料のほか、
油溶染料、分散染料等の染料を上げることができる。ビ
ヒクルとしては、油、例えばアマニ油等の乾性油、大豆
油等の半乾性油、ヒマシ油等の不乾性油を挙げることが
でき、樹脂、例えば、ロジン、変性ロジン、ギルソナイ
ト等の天然樹脂又は天然樹脂誘導体、フェノール樹脂、
アルキド樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ケ
トン樹脂、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴ
ム、環化ゴム、セルロース誘導体、反応性樹脂をあげる
ことができ、そのほかにも可塑剤を挙げることができ
る。また、その他の成分としては、天然ロウ又は合成ロ
ウのロウ成分、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、橋かけ剤、ゲ
ル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、つや消し剤、
消泡剤、色分かれ防止剤、光重合開始剤、かび防止剤等
を挙げることができる。これらの各成分の配合割合には
特別なものはなく、通常市販されている印刷インキと同
じ配合割合を適用することができる。
【0046】印刷インキにおける光半導体粉末、金属粉
末及び吸着材料の合計配合量は、殺菌、防臭等の作用を
発揮し、適度な印刷性を確保するため、印刷インキ全量
中3〜55重量%が好ましく、特に15〜35重量%が
好ましい。
【0047】このような印刷インキの形態及び種類は特
に制限されるものではなく、ペーストインキ、ソルベン
トインキ又は無溶剤インキとし、それらを平版印刷イン
キ、凸版印刷インキ、グラビア印刷インキ、スクリーン
印刷インキ、凹版印刷インキ、特殊印刷インキとして適
用することができる。これらの中でも本発明の目的を最
も効果的に達成するためには、紙用スクリーンインキ、
プラスチック用スクリーンインキ、ガラス用スクリーン
インキ、布地用スクリーンインキ等のスクリーン印刷用
インキが好ましい。
【0048】一般に、光触媒は非溶出系であり、光半導
体粉末に坦持される金属は電極として作用し、それが液
中に溶出して殺菌するわけではなく、水の存在下で発生
するOH-ラジカルにより殺菌効果を発揮するものであ
る。これに対して、従来の溶出系抗菌剤、例えば、抗菌
性を有する銀、銅、亜鉛等の金属を坦持したゼオライト
からなる抗菌剤とバインダーとの混合物を必要個所に塗
布し乾燥したようなものは、図7に示すように前記金属
が直ちに液中に溶出して即効性を示すが、短時間でその
効果は減少し、しかも金属が溶出した部分が細菌の巣と
なり却って害を及ぼすこととなる。
【0049】本発明の光触媒機能体は、図7に示すよう
に、即効性については、従来の抗菌剤より劣る場合があ
るが、非溶出型であるため、殆ど、液中に溶け出すこと
はなく、その効果が長時間持続することとなる。
【0050】したがって、従来の抗菌剤、例えば、抗菌
作用を有する金属イオン(Ag、Cu、Zn)を坦持し
たゼオライト微粒子を光触媒粒子(TiO2+Ag)と
混合させて低温溶射するとか、前記従来の金属イオンを
坦持したゼオライト微粒子をバインダー中に混合して印
刷インキ又は塗料として使用すれば、即効性があり、か
つ持続性のある抗菌、殺菌剤とすることができる。
【0051】次に、光触媒使用時に対象物によっては、
光触媒作用の強弱をコントロールする必要がある場合が
あるが、光触媒機能を弱める因子としては、各種金属イ
オン又は高級脂肪酸がある。すなわち、処理液中に銀イ
オン等の金属イオンを投入したり、金属イオンが電離し
ているミネラル水等を注入すると光触媒機能が減少す
る。
【0052】逆に、光触媒機能を強める因子としては、
過酸化水素(H22)、オゾン(O 3)及び紫外線が存
在する。処理対象にこれらの因子を加えるとラジカル
(OH-)が加速度的に発生して触媒作用を著しく強化
せしめる。すなわち、H22又はO3を処理対象に1%
〜数ppm加えるのみで光触媒作用が加速する。また、
22又はO3を発生させる物質を光触媒とともに、処
理対象内に設けても良い。例えば、PbO2や貴金属若
しくは貴金属酸化物(これらは通常溶出しない)を陽分
極し、表面上でH22、O3を発生させれば、処理対象
に強い光触媒作用を与えることができる。
【0053】更に、溶射又は塗料、インクの形態の光触
媒に石こう粒子(CaSO4)を混合させた皮膜を形成
すると、エチレンガス(C24)の分解に有効である。
【0054】なお、光触媒の場合、基材が金属板である
場合には電極としての金属は必ずしも必要でない。
【0055】次に、上述のように構成した釣竿1、リー
ル8等釣り具の作用について説明する。コマセを握った
り、餌の付け替えを行ったり、魚の取り込みを行った手
で、釣竿1、リール8等を握ると、釣竿1、リール8等
の表面には、コマセや餌や釣り魚等の有機物が付着す
る。光触媒の粒子12は、水分が存在する環境下で光に
当たると水分を分解し、OH -ラジカルを発生させる。
このOH-ラジカルは強い酸化力を有するので、釣り具
に付着した細菌、アンモニアやトリメチルアミン等の悪
臭及び汚れのもととなる有機物を酸化分解する。このた
め、菌を殺す殺菌、においを消す脱臭、汚れを落とす防
汚効果を有する釣り具が得られる。
【0056】図8は、本発明の第2の実施形態における
釣り具のコマセを入れるバッカン51、コマセを掬うコ
マセ杓52を示したものである。バッカン51、コマセ
杓52、コマセを扱うコマセミキサー(図示せず)に
は、コマセとなるオキアミやアミなどによって、特に強
い臭いが付着し、水で洗浄しても汚れが落ちにくい。バ
ッカン51の表裏面、コマセ杓52、コマセミキサーの
全体に上述の低温溶射法、またはバインダーを用いた塗
装等によって光触媒の膜を形成することによって、これ
らの釣り具に殺菌、消臭、防汚効果を持たせることがで
きる。
【0057】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1の発明
によれば、釣り具の表面に光触媒の膜を形成したので、
釣り具に付着した細菌、アンモニアやトリメチルアミン
等の悪臭及び汚れのもととなる有機物はOH-ラジカル
によって分解される。このため、脱臭、抗菌、防汚効果
を有する釣り具が得られる。また、光触媒は、溶け出す
ことがないのでこれらの効果を長持ちさせることができ
る。
【0058】また、請求項2の発明によれば、前記光触
媒がルチル型結晶の酸化チタン(TiO2)の微粉末を
低温溶射法により溶射して、アナターゼ型結晶20〜3
0重量%及びルチル型結晶70〜80重量%に形成され
るので、光触媒の粒子が釣り具を分解して犯すことな
く、良好な殺菌、脱臭、防汚効果を有する釣り具が得ら
れる。
【0059】さらに、請求項3に係る発明によれば、前
記光触媒が酸化チタン(TiO2)のアナターゼ型結晶
微粒子20〜50重量%及びルチル型結晶微粒子50〜
80重量%と、金属微粒子と、吸着剤としてのセラミッ
ク微粒子をバインダー中に混入せしめた塗料又は印刷イ
ンキを塗布又は印刷することで形成されるので、光触媒
の粒子が釣り具を分解して犯すことなく、良好な殺菌、
脱臭、防汚効果を有する釣り具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における釣り具の釣
竿、リール等を示す図である。
【図2】上記リールの拡大平面図である。
【図3】上記釣竿の把持部分を示す斜視図である。
【図4】低温溶射法による皮膜状態図である。
【図5】塗料または印刷インキによる皮膜状態図であ
る。
【図6】離型紙を備えた一定寸法の光触媒機能体の断面
図である。
【図7】従来と本発明との光触媒としての効果の比較を
示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における釣り具のバッ
カン、コマセ杓を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 釣竿(釣り具) 8 リール(釣り具) 12,14 光触媒 21 ウキ(釣り具) 22 コマセカゴ(釣り具) 41 コマセ杓(釣り具) 42 バッカン(釣り具)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 35/02 A01K 85/00 Z (72)発明者 桜田 司 長野県木曽郡上松町大字荻原川向諸原1391 −3 株式会社信州セラミックス内 Fターム(参考) 2B019 AA14 AB51 AD10 2B107 BA70 HA01 4G069 AA08 AA15 BA04A BA04B BA48A CA17 EA07 FB23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に光触媒の膜を形成したことを特徴
    とする釣り具。
  2. 【請求項2】 前記光触媒は、ルチル型結晶の酸化チタ
    ン(TiO2)の微粉末を低温溶射法により溶射して、
    アナターゼ型結晶20〜30重量%及びルチル型結晶7
    0〜80重量%に形成されることを特徴とする請求項1
    に記載の釣り具。
  3. 【請求項3】 前記光触媒は、酸化チタン(TiO2
    のアナターゼ型結晶微粒子20〜50重量%及びルチル
    型結晶微粒子50〜80重量%と、金属微粒子と、吸着
    剤としてのセラミック微粒子をバインダー中に混入せし
    めた塗料又は印刷インキを塗布又は印刷することで形成
    されることを特徴とする請求項1に記載の釣り具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000334311A (ja) * 1999-05-28 2000-12-05 Shinshu Ceramics:Kk 光触媒機能体及びその製造方法
KR101168130B1 (ko) * 2009-11-12 2012-07-24 윤범석 기능성 낚시찌 및 이의 제조방법
JP2020147679A (ja) * 2019-03-13 2020-09-17 関西ペイント株式会社 塗料組成物

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