JP2001002880A - ビニルピロリドン系重合体およびその安定化方法 - Google Patents

ビニルピロリドン系重合体およびその安定化方法

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JP2001002880A JP2000087448A JP2000087448A JP2001002880A JP 2001002880 A JP2001002880 A JP 2001002880A JP 2000087448 A JP2000087448 A JP 2000087448A JP 2000087448 A JP2000087448 A JP 2000087448A JP 2001002880 A JP2001002880 A JP 2001002880A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、貯蔵安定性の良好なビニルピロリド
ン系重合体と、その組成物、およびその安定化方法を提
供する。 【解決手段】 耐熱性、貯蔵安定性の向上のために、ビ
ニルピロリドン系重合体に少なくとも1種の酸化防止剤
を一定量配合しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯蔵安定性に優れ
たビニルピロリドン系重合体、その組成物、およびその
安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルピロリドンやビニルピロリド
ン共重合体などのビニルピロリドン系重合体は、生体適
合性、安全性、親水性等の長所、利点があることから、
従来、医薬品、化粧品、粘接着剤、塗料、分散剤、イン
キ、電子部品等の種々の分野で広く用いられている。と
ころが、本出願人は、ビニルピロリドン系重合体を前記
各種用途に提供する間に、ビニルピロリドン系重合体の
貯蔵性等の安定性に問題のあることを知った。例えば、
長期保存時や高温保存時に、ビニルピロリドン系重合体
またはその溶液が着色したり、分子量や粘度が低下する
ことがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、長期間貯蔵しておいても、着色そ
の他の物性変化が少なく、熱安定性にも優れていて、溶
液状態での保存も可能な、極めて良好な貯蔵安定性、熱
安定性を有するビニルピロリドン系重合体と、その組成
物、およびその安定化方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討を行った。その結果、前記諸問題の
解決には、ビニルピロリドン系重合体に酸化防止剤を一
定量配合しておけば良いことを見いだした。さらに、ビ
ニルピロリドン系重合体の貯蔵安定性を的確に判定する
方法として、ビニルピロリドン系重合体を所定の条件で
加熱した際のフィケンチャー式により示されるK値の低
下を見ることが良いことも見いだした。本発明は、これ
らの知見に基づき完成した。したがって、本発明にかか
るビニルピロリドン系重合体は、少なくとも1種の酸化
防止剤を0.00001〜30重量%、好ましくは0.
001〜30重量%含有してなる。本発明にかかるビニ
ルピロリドン系重合体はまた、空気中、常圧下において
120℃で2時間加熱保持する強制試験後のフィケンチ
ャー式により示されるK値が、前記強制試験開始前のK
値に対して低下率5%以内となるよう調整されてなる。
本発明にかかるビニルピロリドン系重合体はまた、溶液
状態において50℃で14日間加熱保持する促進試験後
のフィケンチャー式により示されるK値が、前記促進試
験開始前のK値に対して低下率5%以内となるよう調整
されてなる。
【0005】本発明にかかる各種用途の組成物は、樹脂
成分としてビニルピロリドン系重合体を含み、かつ、少
なくとも1種の酸化防止剤を前記ビニルピロリドン系重
合体に対し0.00001〜30重量%、好ましくは
0.001〜30重量%の割合で含む。本発明にかかる
ビニルピロリドン系重合体の安定化方法は、ビニルピロ
リドン系重合体に対し、0.00001〜30重量%、
好ましくは0.001〜30重量%の割合で、少なくと
も1種の酸化防止剤を配合しておく。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の一形態に
ついて詳しく説明する。本発明におけるビニルピロリド
ン系重合体とは、具体的には、ポリビニルピロリドンお
よび/またはビニルピロリドン共重合体である。ポリビ
ニルピロリドンとは、一般式(3)
【0007】
【化3】
【0008】(式(3)中、nは整数を表す。)で表さ
れる化合物であり、ビニルピロリドンを後述するような
任意の方法で重合することによって得られるものであ
る。ビニルピロリドン共重合体とは、ビニルピロリドン
と、これと共重合可能なコモノマーとを構成成分とする
共重合体である。ビニルピロリドンと共重合させるコモ
ノマーは、特に限定されることはなく、具体的には、例
えば、1)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
エチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;2)(メ
タ)アクリルアミド、および、N−モノメチル(メタ)
アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メ
タ)アクリルアミド誘導体類;3)(メタ)アクリル酸
ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール
等の塩基性不飽和単量体;4)ビニルホルムアミド、ビ
ニルアセトアミド、ビニルオキサゾリドン等のビニルア
ミド類;5)(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体;
6)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和無水物
類;7)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエ
ステル類;8)ビニルエチレンカーボネートおよびその
誘導体;9)スチレンおよびその誘導体;10)(メ
タ)アクリル酸−2−スルホン酸エチルおよびその誘導
体;11)ビニルスルホン酸およびその誘導体;12)
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類;13)エチレ
ン、プロピレン、オクテン、ブタジエン等のオレフィン
類;等が挙げられる。これらのコモノマー群のうち、ビ
ニルピロリドンとの共重合性等の点からは、1)〜8)
が特に好適である。以上のコモノマーは、1種類のみを
用いてもよいし、2種類以上を混合してビニルピロリド
ンと共重合させてもよい。
【0009】ビニルピロリドン共重合体における全単量
体成分中、ビニルピロリドンの割合は、特に限定されな
いが、全単量体成分に対して0.1モル%以上が好まし
く、1.0モル%以上がさらに好ましく、5.0モル%
以上が最も好ましい。共重合体中のビニルピロリドンが
0.1モル%未満であると、ビニルピロリドンに由来す
る種々の特性を発現しえないので好ましくない。ビニル
ピロリドン系重合体を得る重合反応は、従来公知の重合
方法、例えば、バルク重合、溶液重合、乳化重合、懸濁
重合、沈殿重合等によって行うことができる。重合反応
における反応温度は、反応原料等の条件に応じて適宜設
定すればよいが、好ましくは0〜250℃、さらに好ま
しくは20〜150℃、最も好ましくは40〜100℃
がよい。
【0010】ビニルピロリドン系重合体を得る重合反応
は、従来公知の重合開始剤、具体的には、例えば、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリルや2,2’−アゾビ
ス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩等のアゾ
化合物、ベンゾイルパーオキシドや過酸化水素等の過酸
化物等のラジカル重合系重合開始剤;三フッ化ホウ素ま
たはその錯体、塩化鉄(II)、ジエチル塩化アルミニ
ウム、ジエチル亜鉛、ヘテロポリ酸、活性白土等のカチ
オン重合系重合開始剤;等を添加して行うことができ
る。重合反応における重合開始剤の濃度については、特
に限定されないが、単量体成分に対して0.001〜1
0重量%が好ましく、0.01〜5重量%がさらに好ま
しく、0.05〜3重量%が最も好ましい。重合反応を
行う際には、重合開始剤の他に、適宜必要に応じて任意
の連鎖移動剤、pH調節剤、緩衝剤等を用いることもで
きる。
【0011】ビニルピロリドン系重合体を得る重合反応
に用いる溶媒、あるいはビニルピロリドン系重合体を溶
液として保存する際に用いる溶媒としては、特に制限さ
れないが、例えば、水;メチルアルコール、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール、ジエチレングリコー
ル等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチル
アセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート等のアルキレングリコールのエーテル(アセ
テート)類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン等のアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチ
ロラクトン等のエステル類;ヘキサン、オクタン等の脂
肪族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂環式飽和炭化水
素類;シクロヘキセン等の脂環式不飽和炭化水素類;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジクロロエ
タン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水
素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド等のスルホ
ン酸エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート等の炭酸エステル類;エチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート等の脂環式炭酸エステル類;等
が挙げられる。これらのなかで特にエーテル(アセテー
ト)類およびアミド類が好ましく、水およびアルコール
類がさらに好ましい。これらの溶媒は、単独あるいは2
種類以上を混合して用いることができる。また、これら
の溶媒は、重合反応における原料混合物中の単量体成分
濃度が、好ましくは1〜99重量%、さらに好ましくは
5〜70重量%、最も好ましくは10〜60重量%とな
るように用いることが好ましい。
【0012】本発明においては、上で述べたビニルピロ
リドン系重合体に対し、0.00001〜30重量%、
好ましくは0.001〜30重量%の割合で、少なくと
も1種の酸化防止剤を配合しておくことにより、ビニル
ピロリドン系重合体の貯蔵性や耐熱性等の安定化を図っ
ている。酸化防止剤の配合量が0.00001重量%未
満であれば、貯蔵性や耐熱性等の安定化が困難となり、
30重量%を超えると、強度や外観等の重合体本来の特
性が損なわれると言う問題が出てくる。本発明で用いら
れる酸化防止剤としては、例えば、サリチル酸ナトリウ
ム、メチルベンゾトリアゾールカリウム塩、2−メルカ
プトベンズイミダゾール、2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−
4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト、3,4,5−トリヒドロキシベンゾイックアシッド
プロピルエステル、ヒドロキノン、カテコール等のフェ
ノール系酸化防止剤;2,2’−メチレンビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレ
ンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔1,1−ジ
メチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕
2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウン
デカン、4,4’−(2,3−ジメチル−テトラメチレ
ン)ジピロカテコール等のビスフェノール系酸化防止
剤;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−
〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ビス
〔3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブ
チルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステ
ル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル
−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,
4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェロー
ル類等の高分子型フェノール系酸化防止剤;ジラウリル
3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,
3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−
チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾ
ール、テトラキスメチレン−3−(ラウリルチオ)プロ
ピオネートメタン、ステアリルチオプロピルアミド等の
硫黄系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、ジフェ
ニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホ
スファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイ
ト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタ
デシル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホス
ファイト、トリス(モノおよび/またはジノニルフェニ
ル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトール
ジフォスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、1
0−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキ
シ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファ
フェナントレン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトラ
イルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファ
イト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイ
ト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)オクチルホスファイト、ジステアリルペンタエ
リスリトールジホスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンホスフ
ォナイト等のリン系酸化防止剤;エリソルビン酸、エリ
ソルビン酸ナトリウム、クエン酸イソプロピル等のアル
コール系酸化防止剤;メチル化ジフェニルアミン、エチ
ル化ジフェニルアミン、ブチル化ジフェニルアミン、オ
クチル化ジフェニルアミン、ラウリル化ジフェニルアミ
ン、N,N’−ジsec−ブチル−p−フェニレンジア
ミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン
等のアミン系酸化防止剤;4−ベンゾイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケー
ト、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セ
バケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエ
チル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジンおよびその縮合物、8−アセチル−3−ド
デシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−
トリアザスピロ〔4,5〕デカン−2,4−ジオン等の
ヒンダードアミン系酸化防止剤;等が挙げられる。これ
らは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併
用してもよい。
【0013】本発明においては、前記例示の酸化防止剤
のなかで特に、フェノール性水酸基を有する化合物、具
体的には、フェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系
酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤等が好適
に用いられる。フェノール性水酸基を有する化合物を酸
化防止剤として用いると、ビニルピロリドン系重合体を
強熱した際の灰分を増加させることがなく、好ましい。
本発明における酸化防止剤としては、前記例示の酸化防
止剤の他に、下記一般式(1)および/または一般式
(2)で表される化合物が、特に好適に用いられる。ビ
ニルピロリドン系重合体の劣化は、例えば紫外線等の影
響で発生する過酸化物が開裂して生成するラジカル種が
関与して起こると考えられるのであるが、下記一般式
(1)および/または一般式(2)で表されるラジカル
連鎖禁止剤は、ラジカル化した状態において共鳴構造を
とるためラジカル捕捉性能が高く、重合体の経時劣化を
抑制する能力に極めて優れているからである。
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】(式(1)および式(2)中、R1
2 、R3 、R4 、R5 は、それぞれ独立して、水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換ア
リール基から選ばれる少なくとも1種を表す。但し、R
1 とR2 、またはR3 とR4 が結合して環構造を形成し
ていてもよい。) 前記一般式(1)で表される化合物としては、具体的に
は、例えば、チオホルムアミド、チオアセトアミド、チ
オプロピオンアミド、N−メチルチオホルムアミド、N
−メチルチオアセトアミド、N−エチルチオホルムアミ
ド等が挙げられ、前記一般式(2)で表される化合物と
しては、具体的には、例えば、チオ尿素、N,N’−ジ
メチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,
N’−ジブチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿
素、エチレンチオ尿素、プロピレンチオ尿素等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これらの中
でも特に、式(2)におけるR4 および/またはR5
水素である場合、すなわちチオ尿素またはその誘導体で
ある場合が、ラジカル化した状態において4種の共鳴安
定化構造をとりうるので、最もラジカル捕捉能が高く、
好ましい。これらの一般式(1)および/または一般式
(2)で表される化合物を使用する場合、その配合量
は、ビニルピロリドン系重合体に対して0.00001
〜10重量%とすることが好ましく、0.005〜1重
量%とすることがより好ましい。
【0017】本発明においては、さらに、前記酸化防止
剤として、ラジカル連鎖禁止剤と過酸化物分解剤とが併
用されていることが好ましい。ラジカル連鎖禁止剤と過
酸化物分解剤とを併用することにより、ビニルピロリド
ン系重合体の劣化抑制において相乗効果を発揮し、それ
ぞれ単独で使用した場合に比べ、より長期間にわたっ
て、あるいは、より高温度下において、効果を維持する
ことができるのである。前記過酸化物分解剤とは、ビニ
ルピロリドン系重合体の製造に使用した過酸化物の未分
解物や、ビニルピロリドン系重合体の保存中や輸送中な
どにラジカル種の酸化等によって生成する過酸化物を還
元するものである。過酸化物分解剤としては、具体的に
は、例えば、前記酸化防止剤の例示のうち、硫黄系酸化
防止剤やリン系酸化防止剤の具体例として挙げたもの等
がある。これらの過酸化物分解剤を使用する場合、その
配合量は、ビニルピロリドン系重合体に対して0.00
001〜10重量%とすることが好ましく、0.005
〜1重量%とすることがより好ましい。
【0018】前記ラジカル連鎖禁止剤とは、ビニルピロ
リドン系重合体の保存中や輸送中などに光や熱等の影響
によって生成するラジカルを捕捉して、重合体骨格への
ラジカルの連鎖を抑制するものである。ラジカル連鎖禁
止剤としては、具体的には、例えば、前記酸化防止剤の
例示のうち、フェノール系酸化防止剤、ビスフェノール
系酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤、アル
コール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒンダード
アミン系酸化防止剤の具体例として挙げたもの、およ
び、前記一般式(1)および/または一般式(2)で表
される化合物の具体例として挙げたもの等がある。本発
明においては、これらの中でも特に、フェノール系酸化
防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防
止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、チオ尿素および
その誘導体が好ましく、チオ尿素およびその誘導体がよ
り好ましい。これらのラジカル連鎖禁止剤を使用する場
合、その配合量は、ビニルピロリドン系重合体に対して
0.00001〜10重量%とすることが好ましく、
0.005〜1重量%とすることがより好ましい。
【0019】本発明においては、さらに、連鎖開始阻害
剤をも含有させることが好ましい。連鎖開始阻害剤を配
合することによって、ビニルピロリドン系重合体の劣化
抑制において、さらに相乗効果を発揮できる場合がある
からである。連鎖開始阻害剤としては、具体的には、例
えば、従来公知の紫外線吸収剤、金属不活性化剤、消光
剤等が挙げられる。これらの連鎖開始阻害剤を使用する
場合、その配合量は、ビニルピロリドン系重合体に対し
て0.00001〜10重量%とすることが好ましい。
本発明において、ビニルピロリドン系重合体に前記酸化
防止剤(前記ラジカル連鎖禁止剤、前記過酸化物分解
剤)および必要に応じて前記連鎖開始阻害剤を配合する
方法については、特に制限はないが、重合反応後の反応
液や、ビニルピロリドン系重合体の粉末を溶媒に溶解ま
たは分散させて得られるビニルピロリドン系重合体の溶
液または分散体に配合するのが好ましい。
【0020】本発明におけるビニルピロリドン系重合体
は、5重量%濃度の水溶液としたときのpHが4〜12
であることが好ましく、pHが5〜9であることがより
好ましい。前記pH領域においては、本発明における酸
化防止剤による安定化効果がより一層有効に発揮でき
る。pHが4より酸性側であると、酸化劣化が起こりや
すく、前記安定化効果の持続性が損なわれる傾向があ
る。本発明によれば、ビニルピロリドン系重合体の貯蔵
安定性は、以下の方法で確実に判定できる。すなわち、
ビニルピロリドン系重合体、または、ビニルピロリドン
系重合体に酸化防止剤等の貯蔵安定剤を配合してなる組
成物を、空気中、常圧下において120℃で2時間加熱
保持する強制試験に掛け、この強制試験前後のビニルピ
ロリドン系重合体を、ビニルピロリドン系重合体が溶解
する任意の溶媒に10重量%以下の濃度で溶解させ、そ
の溶液の粘度を25℃において毛細管粘度計によって測
定し、これらの測定値を用いてフィケンチャー式により
示されるK値を求める。なお、溶液の状態で判定する場
合、50℃で14日間加熱保持する促進試験に掛け、任
意の溶媒でビニルピロリドン系重合体の含有量が10重
量%以下となるように希釈し、前記と同様にその溶液の
粘度を測定してK値を求めればよい。そして、前記強制
試験後のK値の前記強制試験前のK値初期値に対する低
下率、あるいは、前記促進試験後のK値の前記促進試験
前のK値初期値に対する低下率を見れば、ビニルピロリ
ドン系重合体の貯蔵安定性が容易に判断できるのであ
る。貯蔵安定性に優れたビニルピロリドン系重合体(酸
化防止剤等の貯蔵安定剤を配合した組成物を含む)は、
前記低下率が5%以内に止まる。
【0021】ここで、K値とは、測定された粘度を用い
て、次のフィケンチャー式から計算される値である。 (logηrel )/C=〔(75Ko2)/(1+1.5
Ko C)〕+Ko K=1000Ko ここで、Cは、溶液100ml中のビニルピロリドン系
重合体のg数を示し、η rel は、溶媒に対する溶液の粘
度を示す。本発明に適用できるビニルピロリドン系重合
体のK値の初期値については、特に限定されないが、1
5〜120の範囲のK値を有するビニルピロリドン系重
合体に適用するのが好ましい。また、特にK値が高いビ
ニルピロリドン系重合体の安定性が悪いことから、60
〜120の範囲のK値を有するビニルピロリドン系重合
体に適用するのが、さらに好ましい。
【0022】本発明の貯蔵安定化されたビニルピロリド
ン系重合体、すなわち、空気中、常圧下において120
℃で2時間加熱保持する強制試験後のフィケンチャー式
により示されるK値が、前記強制試験前のK値に対し
て、低下率5%以内となるよう調整されてなるビニルピ
ロリドン系重合体、あるいは、溶液状態において50℃
で14日間加熱保持する促進試験後のフィケンチャー式
により示されるK値が、前記促進試験開始前のK値に対
して低下率5%以内となるよう調整されてなるビニルピ
ロリドン系重合体においては、前記K値の低下率が維持
できる貯蔵安定化剤配合や貯蔵安定化方法であれば、前
記酸化防止剤の配合以外によるビニルピロリドン系重合
体の貯蔵安定化方法も採用できる。
【0023】本発明の貯蔵安定化されたビニルピロリド
ン系重合体は、医薬品、化粧品、粘接着剤、塗料、分散
剤、インキ、電子部品等の種々の分野で用いられるビニ
ルピロリドン系重合体配合組成物において用いることが
出来る。このような本発明にかかるビニルピロリドン系
重合体組成物は、酸化防止剤のような貯蔵安定化剤を予
め配合しておいた、あるいは、K値を調整しておいた、
本発明のビニルピロリドン系重合体を含む組成物である
ほかに、貯蔵安定化剤は予め配合されていないが、この
組成物に別途配合する酸化防止剤等が結果としてビニル
ピロリドン系重合体の貯蔵安定化に貢献するような場合
の組成物をも意味する。
【0024】本発明においては、ビニルピロリドン系重
合体に対し、必要に応じて、例えば、加工安定剤、可塑
剤、分散剤、充填材、老化防止剤、顔料、硬化剤等の各
種添加剤を含ませておいても良い。
【0025】
【実施例】以下、本発明にかかる実施例および比較例に
ついて説明するが、本発明は該実施例により何ら制限さ
れるものではない。実施例および比較例のK値について
は、前述した粘度測定方法、すなわち実施例および比較
例の各ビニルピロリドン系重合体の0.1〜2重量%水
溶液を用いて25℃で毛細管粘度計により相対粘度を測
定する方法で測定した粘度を、前記フィケンチャーの式
に当てはめて計算した。 〔実施例1〕重量平均分子量98万、K値初期値86の
ポリビニルピロリドン10gと、酸化防止剤としてサリ
チル酸ナトリウム0.1gとを、40gの水に溶解し
た。この水溶液をテフロン(登録商標)シートにキャス
ト後、6700Pa(50mmHg)、90℃で真空乾
燥し、さらに粉砕して、ポリビニルピロリドン粉末を得
た。これに空気中、常圧下、120℃で2時間加熱する
強制試験を施したところ、この樹脂組成物の重量平均分
子量は97万であり、K値は82であってK値の低下率
は5%以下であった。
【0026】〔比較例1〕サリチル酸ナトリウムを添加
しないこと以外は、実施例1と同様に行ったところ、こ
の樹脂組成物の重量平均分子量は65万であり、K値は
69に低下していた(低下率20%)。 〔実施例2〕重量平均分子量105万、K値初期値91
のポリビニルピロリドン10gと、酸化防止剤としてサ
リチル酸ナトリウム0.05gとを、40gの水に溶解
した。この水溶液に2,2’−アゾビス(2−メチルプ
ロピオンアミジン)二塩酸塩0.1gをさらに加えた。
これ以外は実施例1と同様に行ったところ、この樹脂組
成物の重量平均分子量は105万であり、K値は91で
あって初期値からの変化はなかった。
【0027】〔比較例2〕サリチル酸ナトリウムを添加
しないこと以外は、実施例2と同様に行ったところ、こ
の樹脂組成物の重量平均分子量は67万であり、K値は
69に低下していた(低下率24%)。 〔実施例3〕サリチル酸ナトリウムの代わりにメチルベ
ンゾトリアゾールカリウム塩を用いること以外は、実施
例1と同様に行ったところ、この樹脂組成物の重量平均
分子量は96万であり、K値は83であってK値の低下
率は5%以下であった。
【0028】〔実施例4〕サリチル酸ナトリウムの代わ
りにヒドロキノン0.01gを用いること以外は、実施
例1と同様に行ったところ、この樹脂組成物の重量平均
分子量は97万であり、K値は85であってK値の低下
率は5%以下であった。 〔実施例5〕重量平均分子量85万、K値初期値80の
ポリビニルピロリドン10gと、酸化防止剤として2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1gと
を、40gのメタノールに溶解した。この溶液をテフロ
ンシートにキャスト後、6700Pa(50mmH
g)、70℃で真空乾燥し、さらに粉砕して、ポリビニ
ルピロリドン粉末を得た。得られたポリビニルピロリド
ン粉末に実施例1の強制試験を施したところ、この樹脂
組成物の重量平均分子量は83万であり、K値は79で
あってK値の低下率は5%以下であった。
【0029】〔実施例6〕2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノールの代わりに2−メルカプトベンズイ
ミダゾールを用いること以外は、実施例5と同様に行っ
たところ、この樹脂組成物の重量平均分子量は82万で
あり、K値は78であってK値の低下率は5%以下であ
った。 〔実施例7〕2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノールの代わりにトリフェニルホスファイトを用いるこ
と以外は、実施例5と同様に行ったところ、この樹脂組
成物の重量平均分子量は80万であり、K値は76であ
ってK値の低下率は5%以下であった。
【0030】〔実施例8〕重量平均分子量61万、K値
初期値50のビニルピロリドン/酢酸ビニル=80/2
0(モル比)共重合体10gと、酸化防止剤としてヒド
ロキノン0.01gとを、40gの水に溶解した。この
水溶液をテフロンシートにキャスト後、6700Pa
(50mmHg)、90℃で真空乾燥し、さらに粉砕し
て、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体粉末を得
た。得られたビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体粉
末に実施例1の強制試験を施したところ、この樹脂組成
物の重量平均分子量は59万であり、K値は49であっ
てK値の低下率は5%以下であった。
【0031】〔比較例3〕ヒドロキノンを添加しないこ
と以外は、実施例8と同様に行ったところ、この樹脂組
成物の重量平均分子量は50万であり、K値は42に低
下していた(低下率16%)。 〔実施例9〕ヒドロキノンの量を0.0005gとした
以外は、実施例4と同様に行ったところ、この樹脂組成
物の重量平均分子量は92万であり、K値は82であっ
てK値の低下率は5%以下であった。
【0032】〔比較例4〕ヒドロキノンの量を0.00
003gとした以外は、実施例4と同様に行ったとこ
ろ、この樹脂組成物の重量平均分子量は88万であり、
K値は80に低下していた(低下率7%)。 〔実施例10〕サリチル酸ナトリウムの量を1.0gと
した以外は、実施例1と同様に行ったところ、この樹脂
組成物の重量平均分子量は98万であり、K値は85で
あってK値の低下率は5%以下であった。
【0033】〔実施例11〕サリチル酸ナトリウムの代
わりにチオ尿素0.01gを用いること以外は、実施例
1と同様に行ったところ、この樹脂組成物の重量平均分
子量は97万であり、K値は85であってK値の低下率
は5%以下であった。 〔実施例12〕K値88のポリビニルピロリドン10g
と、チオ尿素0.005gとを、40gの水に溶解し
た。この水溶液に、50℃で14日間加熱する促進試験
を施したところ、促進試験後のポリビニルピロリドン水
溶液のK値は87であって、K値の低下率は5%以下で
あった。
【0034】〔比較例5〕実施例12においてチオ尿素
を用いないこと以外は、実施例12と同様に行ったとこ
ろ、促進試験後のポリビニルピロリドン水溶液のK値は
74に低下していた(低下率16%)。 〔実施例13〕K値初期値88のポリビニルピロリドン
50gと、酸化防止剤としてチオ尿素0.05gとを、
200gの水に溶解した。この水溶液のpHは、6.5
であった。この水溶液をテフロンシートにキャスト後、
6700Pa(50mmHg)、90℃で真空乾燥し、
さらに粉砕して、ポリビニルピロリドン粉末を得た。得
られたポリビニルピロリドン粉末を、空気中50℃で保
持し、7日毎にK値を測定して、初期値からの低下率が
5%以上となるまでの日数(K値安定性持続日数)によ
って、K値安定性の持続性を観たところ、K値安定性持
続日数は70日であった。
【0035】〔実施例14〜16〕チオ尿素の代わりに
表1に記載の酸化防止剤を用いること以外は、実施例1
3と同様に行った。各々で得られたポリビニルピロリド
ン粉末のK値安定性持続日数を表1に示す。 〔実施例17〜25〕K値初期値88のポリビニルピロ
リドン50gと、表1に記載の酸化防止剤それぞれ0.
05gとを、200gのメタノールに溶解した。この溶
液をテフロンシートにキャスト後、6700Pa(50
mmHg)、70℃で真空乾燥し、さらに粉砕して、ポ
リビニルピロリドン粉末を得た。各々で得られたポリビ
ニルピロリドン粉末について、実施例13と同様に求め
たK値安定性持続日数を表1に示す。
【0036】〔比較例6〕酸化防止剤を用いないこと以
外は、実施例13と同様に行った。得られたポリビニル
ピロリドン粉末のK値安定性持続日数を表1に示す。 〔実施例26〕実施例13において、さらにコハク酸
0.005gを用いて水溶液のpHを5.5としたこと
以外は、実施例13と同様に行った。得られたポリビニ
ルピロリドン粉末のK値安定性持続日数を表1に示す。 〔実施例27〕実施例13において、さらに水酸化ナト
リウム0.05gを用いて水溶液のpHを11.6とし
たこと以外は、実施例13と同様に行った。得られたポ
リビニルピロリドン粉末のK値安定性持続日数を表1に
示す。
【0037】〔比較例7〕実施例13において、さらに
コハク酸0.01gを用いて水溶液のpHを3.5とし
たこと以外は、実施例13と同様に行った。得られたポ
リビニルピロリドン粉末のK値安定性持続日数を表1に
示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、K値の低下が抑制され
た、良好な耐熱性、貯蔵安定性を示す、ビニルピロリド
ン系重合体を提供することができる。本発明によればま
た、ビニルピロリドン系重合体を含む、耐熱性、貯蔵安
定性が良好な組成物を提供することができる。本発明に
よればまた、ビニルピロリドン系重合体の耐熱性、貯蔵
安定性を向上させる安定化方法を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 善知 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 西林 秀幸 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4J002 BJ001 EJ016 EV126 EV266 FD076 GB04 GH00 GJ00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種の酸化防止剤を0.000
    01〜30重量%含有してなる、ビニルピロリドン系重
    合体。
  2. 【請求項2】前記酸化防止剤が、フェノール性水酸基を
    有する化合物である、請求項1に記載のビニルピロリド
    ン系重合体。
  3. 【請求項3】前記酸化防止剤が、下記一般式(1)およ
    び/または一般式(2)で表される化合物である、請求
    項1に記載のビニルピロリドン系重合体。 【化1】 【化2】 (式(1)および式(2)中、R1 、R2 、R3
    4 、R5 は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル
    基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基から
    選ばれる少なくとも1種を表す。但し、R1 とR2 、ま
    たはR3 とR4 が結合して環構造を形成していてもよ
    い。)
  4. 【請求項4】空気中、常圧下において120℃で2時間
    加熱保持する強制試験後のフィケンチャー式により示さ
    れるK値が、前記強制試験開始前のK値に対して低下率
    5%以内となるよう調整されてなる、ビニルピロリドン
    系重合体。
  5. 【請求項5】溶液状態において50℃で14日間加熱保
    持する促進試験後のフィケンチャー式により示されるK
    値が、前記促進試験開始前のK値に対して低下率5%以
    内となるよう調整されてなる、ビニルピロリドン系重合
    体。
  6. 【請求項6】5重量%濃度の水溶液としたときのpHが
    4〜12である、請求項1から5までのいずれかに記載
    のビニルピロリドン系重合体。
  7. 【請求項7】樹脂成分としてビニルピロリドン系重合体
    を含み、かつ、少なくとも1種の酸化防止剤を前記ビニ
    ルピロリドン系重合体に対し0.00001〜30重量
    %の割合で含む、樹脂組成物。
  8. 【請求項8】ビニルピロリドン系重合体に対し、0.0
    0001〜30重量%の割合で、少なくとも1種の酸化
    防止剤を配合しておく、ビニルピロリドン系重合体の安
    定化方法。
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