JP2001001892A - 転落防護装置 - Google Patents

転落防護装置

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JP2001001892A
JP2001001892A JP11169851A JP16985199A JP2001001892A JP 2001001892 A JP2001001892 A JP 2001001892A JP 11169851 A JP11169851 A JP 11169851A JP 16985199 A JP16985199 A JP 16985199A JP 2001001892 A JP2001001892 A JP 2001001892A
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lever
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fall protection
arm
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JP11169851A
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English (en)
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Hisatsugu Yamada
久嗣 山田
Takeshi Okawa
健 大川
Noboru Kobayashi
昇 小林
Hiroshi Noda
宏 野田
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Kawaju Sharyo Engineering KK
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Kawaju Sharyo Engineering KK
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相互に連結する軌道車両の各妻壁間に設けら
れる、より安全性の向上した転落防護装置を提供する。 【解決手段】 相互に連結される軌道車両22a,22
bの対向する各妻壁23a,23bの、前記軌道車両2
2a,22bの少なくとも幅方向一側部に予め定められ
る転落防止のための領域である取付け座に、一方側に連
結されるレバーと他方側に連結されるレバーとが上下方
向に相互にずれ、かつ一方のレバーの先端部が他方のレ
バーの先端部よりも基端部寄りに突出するように設けら
れる。このような各レバーは少なくとも軌道車両22
a,22bの幅方向内方および下方への変位が阻止され
た状態で設けられる。これによって軌道車両22a,2
2bが停車場に停車する状態で各妻壁23a,23bの
隙間がプラットホーム空間に向いた上下方向に延びる開
口を形成することを防ぎ、より安全性を向上することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相互に連結される
軌道車両の対向する各妻壁間に設けられ、プラットホー
ムにいる軌道車両の利用者を前記各妻壁間の隙間へ転落
する事故から防護するための転落防護装置に関する。本
発明において、利用者は、軌道車両に乗降する乗降客お
よび軌道車両を運行するために従事する作業者などを含
む。
【0002】
【従来の技術】軌道車両の乗降用の停車場は、軌道車両
が走行するための軌条が敷設される軌道空間と、軌道空
間に隣接してプラットホームが設けられるプラットホー
ム空間とを有する。このような停車場において、利用者
はプラットホームから軌道空間に停車する軌道車両に乗
降することができる。前記軌道車両が、複数両連結され
ている場合、相互に連結される軌道車両の対向する各妻
壁間には隙間が形成される。このような隙間は、軌道車
両が前記停車場に停車する状態で、プラットホーム空間
に向けて開口する。このようにプラットホーム空間に向
けて開口する隙間に利用者が転落することを防止するた
めに、車両用の転落防止装置が設けられる。前記転落防
止装置として、特開平10−59175号公報に開示さ
れる車両用連結部への転落防止保護柵および特開平10
−157618号公報に開示される転落防止用外幌取付
け装置が知られている。
【0003】特開平10−59175号公報に示されて
いる車両連結部への転落防止保護柵は、軽量で車両の幅
方向に場所を取らず、かつ脱着を容易とするために、車
両の妻壁に相当する連結面端部に固設された保持金具に
シート状弾性体の保護柵を取付けた車両連結部への転落
防止保護柵において、前記保持金具に保護柵の車両の幅
方向および前後軸方向の動きを規制する上下方向の溝を
形成する。同時に保護柵を平板状に形成し、保護柵の基
部を前記溝に上下方向から挿入し、前記溝の上端または
下端に脱着容易な塞ぎ金を設ける。これによって軽量で
車両の幅方向に場所を取らず、また万一転落事故が起き
た場合には前記塞ぎ金を取外すことによって容易に脱着
可能な保護柵を提供することができる。このような保護
柵を前記各妻壁間に対向して設けることによって、車両
が停車する状態で、前記隙間とプラットホーム空間とを
仕切ることができる。これによって前記隙間への転落事
故の発生を防止することができる。
【0004】特開平10−157618号公報に開示さ
れている転落防止用外幌取付け装置1は、図17および
図18に示すように、相互に連結される軌道車両2の対
向する各妻壁である各車両連結面端部3に、外幌4を容
易に取付け、容易に取外すことができるようにした装置
である。前記外幌4は、上下方向に対して垂直な仮想一
平面における断面形状が略U字状となる所定幅のシート
状の弾性体であって、各々対向するように、各車両の連
結面端部に設けられる。図17および図18では、一方
側の連結面端部3に設けられる外幌4についてのみ示
す。転落防止用外幌取付け装置1では、前記外幌4の取
付けを、連結面端部3に設けたスライド案内枠5と、外
幌4の先端部4aの反対側の端部である基部4bに設け
られる、前記スライド案内枠5に係合して上方向Z1お
よび下方向Z2にスライド動作できるスライド金具6と
によって行う。前記スライド金具6は、外幌4の上下方
向に適宜形成される複数個の係合体部7によって構成さ
れる。また前記スライド案内枠5は、係合体部7が前記
係合を開始されるための複数個の離脱穴8と、係合体部
7に係合するように離脱穴8に隣接して設けられる係合
枠部9とによって構成される。これによって外幌4の取
付けは、スライド金具6の複数個の係合体部7をスライ
ド案内枠5の複数個の離脱穴8からスライド案内枠5内
に差込み、係合体部7を係合枠部9に係合しつつ下方向
Z2に離脱穴8の上下方向の長さだけスライド動作する
ことで完了する。また外幌4の取外しは、スライド金具
6をスライド案内枠5に対して係合されている係合体部
7を係合枠部9に対し、離脱穴8の上下方向に沿った長
さだけスライド動作することで係合体部7が係合枠部9
から外れるので、スライド案内枠5から離脱することが
できる。
【0005】このように外幌4の取付けおよび取外しを
容易に行うことができる。このような転落防止用外幌取
付け装置1によって、軌道車両が停車する状態で、前記
隙間とプラットホーム空間とを仕切ることができ、前記
利用者などの隙間11への転落事故が防がれる。
【0006】また外国では、相互に連結される車両の各
妻壁間に弾性を有する複数本の索条を、水平方向に沿っ
て設ける保護柵装置が知られている。前記弾性索は、全
て同じ長さの弾性索が用いられ、不測の事態に備えて、
前記車両が直線路の軌条の上にある状態で弛みを有する
ように設けられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−5917
5号公報に開示されている車両連結部への転落防止保護
柵は、車両が曲線路の軌条を走行する状態において、車
両の相対運動のため各妻壁間に対向して設けられる保護
柵同士が互いに押圧し合い、破損してしまうことを防ぐ
ために、対向する保護柵の各々の遊端部間に適当な間隔
をあけて設置される。このような間隔は実用上10cm
程度は確保する必要がある。したがって各妻壁間に保護
柵を対向して設けたとしても、前記隙間は、上下方向に
沿って延びる開口によってプラットホーム空間に連な
る。
【0008】また保護柵は、利用者がもたれかかった場
合には容易にプラットホーム空間から離れる方向に曲が
るように大きく変形してしまい、前記開口はより大きく
なってしまう。このような開口はより小さくすることが
望まれている。
【0009】さらに前記保護柵は、万一転落事故が起き
た場合などに備えて脱着可能な構成であるけれども、塞
ぎ金を固定するためのねじ止め部分を分解するなど取外
しにかなりの手間を要する。
【0010】またさらに前記妻壁には必要に応じて車両
の屋根に昇ることができるように足掛けステップが設置
されるけれども、前記保護柵は足掛けステップに極めて
近接して設けられるので、足掛けステップの使用時に支
障を来す。
【0011】特開平10−157618号公報に開示さ
れている転落防止用外幌取付け装置1では、車両の各連
結面端部間に対向して設けられる外幌4同士を、車両2
a,2bが曲線路の軌条を走行する状態で互いに干渉し
得ないように、予め定める間隔をあけて設ける。したが
って、このような転落防止用外幌取付け装置1を設けた
としても車両の各連結面端部間の隙間は、プラットホー
ム空間に向けて上下方向に沿って延びる開口を形成す
る。このような開口は、軌道車両2が曲線路の軌条の外
側に沿って設置されるプラットホームに停車する状態で
は、プラットホームの長手方向に沿った方向により大き
く形成される。このような開口はより小さくすることが
望まれている。
【0012】しかしながら対向する各連結面端部の近傍
から弾性体である外幌4を突出させる構成であるので、
前記開口をなくすためには、外幌4の基部4bと先端部
4aとの距離を、より長く形成しなければならず、前記
開口を塞ぐことができたとしても、各先端部4a付近は
片持ち梁によって弛み易くなってしまう不具合が生じ
る。
【0013】また基部側の幅が大きくなるテーパを有す
る略U字状のシート状弾性体を取付けるので、各妻壁へ
の取付け幅が大きく、作業性が悪い。
【0014】外国で知られている各妻壁間に複数本の弾
性索を設ける保護柵装置では、前記車両が直線路の軌条
の上にある状態で、全ての弾性索が弛みを有するように
設けられる。このためプラットホーム空間にいる利用者
が万一誤って前記隙間に転落しかかった場合に弾性索が
大きく弛んでいる上、弾発的に伸縮するので、利用者を
支持することが困難である。
【0015】このようにプラットホーム空間にいる利用
者を、相互に連結される軌道車両の対向する各妻壁間に
形成される隙間への転落事故からより確実に防護するこ
とができる車両用の転落防護装置が望まれている。
【0016】本発明の目的は、車両妻壁間の隙間への利
用者の転落に対する安全性を、より向上することができ
る転落防護装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、相互に連結される軌道車両の対向する各妻壁の少な
くとも相互に対向する各幅方向一側部の予め定める転落
防止のための領域に基端部が連結され、軌道車両の前後
軸方向にほぼ沿って延びる所定位置に、少なくとも前記
幅方向内方および下方への変位が阻止された状態で設け
られる棒状の防護アームを含み、各妻壁のいずれか一方
に連結される防護アームと、各妻壁のいずれか他方に連
結される防護アームとは、上下方向に相互にずれて設け
られ、一方の妻壁に連結される防護アームの先端部は、
対向する他方の妻壁に連結される防護アームの先端部よ
りも他方の妻壁寄りに突出して設けられることを特徴と
する転落防護装置である。
【0018】本発明に従えば、相互に連結される軌道車
両の対向する各妻壁の予め定める転落防止のための領域
に連結されて、転落防護装置が設けられる。前記領域
は、各妻壁の軌道車両における少なくとも相互に対向す
る各幅方向一側部に上下方向に延びた領域として定めら
れる。転落防護装置は、その基端部が上述した予め定め
る転落防止のための領域に連結され、軌道車両の前後軸
方向にほぼ沿って延びる棒状の防護アームを含む。この
ような転落防護装置の、各妻壁のいずれか一方に連結さ
れる防護アームと、各妻壁のいずれか他方に連結される
防護アームとが、上下方向に相互にずれて設けられる。
またさらに一方の妻壁に連結される防護アームの先端部
は、対向する他方の妻壁に連結される防護アームの先端
部よりも他方の妻壁寄りに突出して設けられる。これに
よって軌道車両が乗降用の停車場に停車しているとき、
各妻壁間の隙間とプラットホーム空間とを連ねる上下方
向に沿って延びる開口が形成されることが防がれる。
【0019】また前記防護アームは、少なくとも軌道車
両の幅方向内方および下方への変位が阻止された状態で
所定位置に設けられる。これによってプラットホーム空
間にいる利用者が転落防護装置にもたれ掛かったとして
も、利用者がもたれ掛かった各防護アームは前記幅方向
内方および下方へ変位することなく、利用者の体を確実
に支持することができる。したがって前記隙間がプラッ
トホーム空間に上下方向に延びる開口を介して連なる構
成と比較して、利用者の体が嵌まり込むような開口が形
成されないので、利用者の隙間への転落を確実に防止す
ることができ、より安全性が向上される。またプラット
ホーム空間にいる利用者がつまづくなどして体勢を崩し
たとき、防護アームを手でつかんだり足を掛けて踏ん張
ってその体勢を立て直すことが可能である。
【0020】さらに上述のように転落防護装置は、各妻
壁のいずれか一方に連結される防護アームと、各妻壁の
いずれか他方に連結される防護アームとが、上下方向に
相互にずれて設けられる。これによって転落防護装置
は、相互に連結される軌道車両が曲線路の軌条の上を走
行するときなど、各軌道車両の前後軸方向が互いに平行
な状態から角変位するように変位しても、各防護アーム
の互いの干渉を避けて、前記各妻壁の相対的変位を許容
することができる。
【0021】請求項2記載の本発明は、請求項1に記載
の構成に加えて、前記防護アームは、前記所定位置から
先端部が前記軌道車両の幅方向外方に変位するように角
変位可能に連結され、所定位置にある防護アームの角変
位を抑制することができる抑制手段を含むことを特徴と
する。
【0022】本発明に従えば、前記防護アームは、前記
所定位置からその先端部が前記軌道車両の幅方向外方に
変位するように角変位可能に連結される。これによって
たとえば軌道車両が停車場に停車している状態で、軌道
上の落下物を拾うために、利用者が前記隙間に降りる必
要があるときには、防護アームを前記所定位置からその
先端部が軌道車両の幅方向外方に変位するように角変位
させることができる。このように防護アームの先端部を
前記幅方向外方に変位するように角変位させた状態で
は、プラットホーム空間と前記隙間とを連ねる利用者が
通過可能な大きな開口が形成されるので、利用者は軌道
上に降りることが可能であるとともに、軌道上からプラ
ットホームに昇ることが可能である。このように前記軌
道上に落下物がある場合などには、転落防護装置全体を
取外すことなく防護アームを角変位させるだけで、前記
隙間とプラットホーム空間との間を通ることができるの
で、落下物を拾うための作業が容易である。また落下物
を拾うため以外に、車両の点検などのために防護アーム
を角変位することができる。
【0023】また転落防護装置は、上述の防護アームの
角変位を抑制することができる抑制手段を含む。これに
よって軌道車両の走行時の振動または遠心力などによっ
て、防護アームが不所望に角変位してしまうことが防が
れる。すなわちこのような抑制手段によって、上述のよ
うに防護アームを角変位させる必要に迫られた場合以外
は、防護アームを前記所定位置に保持することができ
る。したがって転落防護装置は、上述のように軌道上の
落下物を拾うためなど必要に迫られた場合以外には、各
妻壁間の隙間とプラットホーム空間とを連ねる上下方向
に沿って延びる開口を形成することがない。
【0024】請求項3記載の本発明は、請求項1または
2に記載の構成に加えて、前記防護アームが前記所定位
置に配置されているか否かを検出する位置検出手段と、
防護アームに作用する荷重を検出する荷重検出手段とを
含むことを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、前記転落防護装置は、前
記防護アームが所定位置に配置されているか否かを検出
する位置検出手段を含む。これによって位置検出手段か
らの検出情報に基づいて軌道車両を制御することができ
る。したがってたとえば前記防護アームが前記所定位置
から角変位されており、その先端部が前記所定位置より
も軌道車両の幅方向外方側に位置するような状態で、軌
道車両が停車場から発車するような不具合を防ぐことが
できる。
【0026】また転落防護装置は前記防護アームに作用
する荷重を検出する荷重検出手段を含む。これによって
荷重検出手段からの検出情報に基づいて軌道車両を制御
することができる。したがってたとえばプラットホーム
にいる利用者が防護アームにもたれ掛かるなどして防護
アームに荷重が作用しているような状態で、軌道車両が
停車場から発車してしまうような不具合を防ぐことがで
きる。
【0027】請求項4記載の本発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の構成に加えて、前記防護アームは、妻
壁に固定される支持体に設けられ、前記支持体の上面は
凹凸状に形成されることを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、前記防護アームは相互に
連結される軌道車両の対向する各妻壁に固定される支持
体に設けられる。すなわち防護アームは、前記支持体を
介して、上述した予め定める転落防止のための領域にそ
の基端部が連結される。このように防護アームを妻壁に
連結する支持体は妻壁に固定されているので、軌道車両
の点検など各妻壁間の隙間で作業する必要がある場合に
は、支持体を手または足を掛けるステップとして利用し
て軌道上とプラットホームとの間を昇り降りすることが
可能である。また上述の作業を支持体につかまったまま
行うことも可能である。さらに前記隙間での作業以外に
も、軌道車両の屋根とプラットホームまたは軌道上との
間の昇降のための手または足を掛けるステップとしても
利用することができる。
【0029】また前記支持体の上面は凹凸状に形成され
る。これによって上述のように支持体をステップとして
利用する場合には、前記凹凸が滑り止めとしての役割を
果す。
【0030】請求項5記載の本発明は、相互に連結され
る軌道車両の対向する各妻壁の少なくとも相互に対向す
る各幅方向一側部の予め定める転落防止のための領域に
その基端部分が固定され、軌道車両の前後軸方向にほぼ
沿って突出する剛性の支持部と、可撓性および弾発性を
有し、各支持部の遊端部分に連結され、先端部分が対向
する妻壁に向かって凸に湾曲して形成される弾性変形部
とを有し、各軌道車両の前後軸方向が一直線上または平
行に配置された状態において、各弾性変形部の先端部分
は、相互に接触またはわずかに間隔をあけて近接するこ
とを特徴とする転落防護装置である。
【0031】本発明に従えば、相互に連結される軌道車
両の対向する各妻壁の予め定める転落防止のための領域
に連結されて、転落防護装置が設けられる。前記領域
は、各妻壁間の軌道車両における少なくとも幅方向一側
部に上下方向に延びた領域として定められる。転落防護
装置は、前記領域にその基端部分が固定され軌道車両の
前後軸方向にほぼ沿って突出する剛性の各支持部と、前
記各支持部の遊端部分にその基端部分が連結される弾性
変形部とを有する。このような転落防護装置は、前記軌
道車両の各前後軸方向が一直線上または平行に配置され
た状態において、各弾性変形部の先端部分が相互に接触
またはわずかに間隔をあけて近接する。このようにして
前記転落防止のための領域間のほぼ全長にわたって転落
防護装置が設けられているので、軌道車両が乗降用の停
車場に停車する状態では、各妻壁間の隙間とプラットホ
ーム空間とを連ねる上下方向に沿って延びる開口が全
く、またはほとんど形成されない。
【0032】また前記弾性変形部は可撓性および弾発性
を有するので各軌道車両が互いに近接するように相対的
に変位したとしても、破損してしまうことなく、各妻壁
の相対的変位を許容することができる。
【0033】このように大きな開口が形成されることを
防ぎ、かつ各妻壁間の変位を許容できる上で、弾性変形
部は、上述したように剛性の支持部の遊端部分に連結さ
れているので、転落防護装置全体が可撓性および弾発性
を有するような構成と比較して、プラットホームにいる
利用者が転落防護装置にもたれ掛かった場合などには、
転落防護装置全体の幅方向内方への変位量を小さくする
ことができる。したがって上述のように利用者が転落防
護装置に倒れかかったとしても、転落防護装置が幅方向
内方に大きく変位して、前記隙間とプラットホーム空間
とを連ねる開口がより大きく形成されてしまうことを防
ぐことができる。したがってこのような転落防護装置を
設けないような構成と比較して、利用者の体が嵌まり込
むような開口がほとんど形成されないので、より安全性
が向上される。また弾性変形部は剛性を有する支持部に
連結されているので、上述のように転落防護装置に倒れ
かかった利用者は、支持部をつかんでその体勢を立て直
すことも可能である。
【0034】さらに前記弾性変形部は、その各先端部分
が対向する妻壁に向かって凸に形成される。これによっ
て弾性変形部は、その各先端部分が上述のように凸に形
成されないような構成と比較して、軌道車両が各幅方向
にずれるように相対変位したとしても、上述の開口がよ
り大きく形成されにくく、かつ軌道車両が互いに近接す
るように相対的に変位したとしても互いに当接する面積
を小さくし、この当接した状態で前記幅方向により大き
く変形することが可能である。したがって上述の各領域
間の間隔のより大きな変化を許容することができる。
【0035】またさらに上述のように各領域間の間隔の
変化に応じて繰返し変形するのは弾性変形部のみであっ
て、弾性変形部が上述した繰返しの弾性変形によって劣
化した場合には、支持部から劣化した弾性変形部を取外
し、新たな弾性変形部を取付ければよい。このように弾
性変形部のみを交換することによって新たな転落防護装
置を実現することができ、繰返しの弾性変形による劣化
に応じて転落防護装置全体を交換するような構成と比較
して、経済的である。
【0036】請求項6記載の本発明は、請求項5に記載
の構成に加えて、前記弾性変形部は、上下方向に垂直な
断面形状が前記軌道車両の前後軸方向に長い長円状であ
る筒体から成り、少なくとも前記軌道車両の幅方向外方
側の部分には、係止孔が形成されることを特徴とする。
【0037】本発明に従えば、前記弾性変形部は上下方
向に垂直な断面形状が前記軌道車両の前後軸方向に長い
長円状である筒体から成る。これによって、軌道車両の
幅方向に沿った厚みが可及的に小さく、軽量であり、か
つ前記前後軸方向に沿った変形を許容することができる
弾性変形部を実現することが可能である。
【0038】また前記弾性変形部の少なくとも軌道車両
の幅方向外方側の部分には係止孔が形成される。これに
よって軌道上の落下物を拾うために利用者が前記隙間に
降りる必要があるときには、係止孔を手または足を掛け
るステップとして軌道上とプラットホームとの間の昇り
降りに利用することが可能である。またプラットホーム
にいる利用者が前記隙間に転落しかかった場合には、係
止孔を手掛かりとして弾性変形部につかまることがで
き、これによって体勢を立て直すことも可能である。上
述のように弾性変形部は筒体であるので、係止孔を形成
して荷重をかけたとしても、荷重を全体に分散させて支
持することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の第1の形
態の転落防護装置21を簡略化して示す正面図であり、
図2は図1の切断面線II−IIから見た断面図であ
る。図1および図2には、軌道車両22a,22bが、
直線路の軌条上に停車した状態を示す。また本発明では
便宜上、軌道車両22a,22bが走行または停車して
いる軌条が敷設される地表面に垂直な方向を上下方向と
して説明する。
【0040】転落防護装置21は、各車体24a,24
bの下方で図示しない連結器を用いて相互に連結される
軌道車両22a,22bの、対向する各妻壁23a,2
3b間に設けられる。軌道車両22a,22bは、たと
えば鉄道車両であって、図示しない軌条の上を走行す
る。軌道車両22aは、車体24aと、車体24aを支
持する図示しない台車とを備える。軌道車両22bも同
様に車体24bと図示しない台車とを備える。前記各妻
壁23a,23bは、前記各前後軸方向に対して垂直で
あり、軌道車両22a,22bが直線路の軌条の上に配
置される状態では、互いに略平行な状態に配置される。
【0041】このような各妻壁23a,23b間の、各
軌道車両22a,22bの幅方向中央部に可撓性を有す
る車両用連結幌25が設けられ、利用者は、車両用連結
幌25内を通って各軌道車両22a,22b間を移動す
ることができる。各軌道車両22a,22b間には、車
両用連結幌25の前記幅方向一方C1(D1)側に各妻
壁23a,23bに挟まれる隙間26が形成される。ま
た同様に車両用連結幌25の前記幅方向他方C2(D
2)側には、隙間27が形成される。
【0042】利用者が各軌道車両22a,22bに乗降
するための停車場には、前記軌条が敷設される軌道空間
28に隣接するプラットホーム空間29に、プラットホ
ームが前記軌条に沿って設けられている。各軌道車両2
2a,22bが停車場内で軌道空間28に停車している
とき、プラットホームは各軌道車両22a,22bにそ
れらの各幅方向一方C1,D1側から隣接している。前
記軌道車両22aの幅方向とは、軌道車両22aの前後
軸方向および上下方向に対して垂直となる方向を指し、
同様に軌道車両22bの幅方向とは、軌道車両22bの
前後軸方向および上下方向に対して垂直となる方向を指
す。各軌道車両22a,22bは、直線状の軌道空間に
あるとき、各前後軸線が一直線状または平行になり、各
幅方向が平行となる。
【0043】利用者は、各軌道車両22a,22bがプ
ラットホームの床構造体30に隣接して停車する状態
で、プラットホームから各軌道車両22a,22bに乗
降することができる。
【0044】このような状態では、前記隙間26が、プ
ラットホーム空間29に向けて開口する。プラットホー
ム空間29にいる利用者をこのような隙間26への転落
から防護するために、転落防護装置21が設けられる。
【0045】転落防護装置21は、各軌道車両22a,
22bの各幅方向一方C1,D1の側部の予め定める転
落防止のための領域である取付け座S1,S3間に設け
られる構成体201と、各軌道車両22a,22bの各
幅方向他方C2,D2の側部の取付け座S2,S4間に
設けられる構成体202とを備える。各取付け座S1〜
S4は、妻壁23a,23bの各幅方向両側部の下端部
から或る高さまで延びる領域として定められる。さらに
具体的には、前記領域は、上下方向に関して軌道車両2
2a,22bが停車場に停車したときにプラットホーム
の床構造体30の上面30aから、前記床構造体30上
に平均的な身長の子供の利用者が立ったときの利用者の
少なくとも腰よりも上方の高さ位置の範囲に設定され
る。取付け座S1,S3は隙間26に臨み、取付け座S
2,S4は隙間27に臨む。
【0046】また本発明の実施の他の形態として、前記
領域は、床構造体30の上面30aから、前記床構造体
30上に平均的な身長の成人の利用者が立ったときの利
用者の少なくとも腰より上方の高さの位置の範囲に設定
されてもよい。
【0047】転落防護装置21は、相互に連結される軌
道車両22a,22bが直線路の軌条の上にあるとき
に、各妻壁23a,23bの各中央を結ぶ直線の中点を
通りかつ上下方向に平行な直線に関して対称な構成を有
するので、幅方向一方C1(D1)側に設ける構成体2
01について、特に詳細に説明する。なお幅方向他方C
2(D2)側の構成体202については、構成体201
に対応する部分に同一の参照符を付す。
【0048】構成体201は、基本的には、各取付け座
S1,S3にその基端部が連結される棒状の防護アーム
である複数本のレバーを含む。取付け座S1に連結され
るレバーはその軸線方向が軌道車両22aの前後軸方向
に平行となるように延びる。同様に取付け座S3に連結
されるレバーは、その軸線方向が軌道車両22bの前後
軸方向に平行となるように延びる。本実施の形態では、
構成体201は4本のレバー、詳しく述べると、取付け
座S1に上下方向に間隔をあけて設けられる第1レバー
33および第2レバー34と、取付け座S3に上下方向
に間隔をあけて設けられる第3レバー35および第4レ
バー36とを備える。
【0049】互いに対向する各妻壁23a,23bのう
ち、一方の妻壁23aの取付け座S1に設けられる第1
および第2レバー33,34と、前記各妻壁23a,2
3bのうち他方の妻壁23bの取付け座S3に連結され
る第3および第4レバー35,36とは、上下方向に相
互にずれて設けられる。
【0050】上述した予め定める転落防止のための領域
である各取付け座は、上下方向に関して複数の領域部分
に分割される。本実施の形態においては、取付け座S1
は、下方から上方に向かって順に第1領域部分S11、
第2領域部分S12、第3領域部分S13および第4領
域部分S14に分割される。同様に取付け座S3も、上
述した各第1〜第4領域部分S11〜S14にそれぞれ
対応する高さ位置において、下方から上方へ向かって順
に第1領域部分S31、第2領域部分S32、第3領域
部分S33および第4領域部分S34に分割される。本
実施の形態においては、取付け座S1の、第1領域部分
S11に第1レバー33が設けられるとともに、第3領
域部分S13に第2レバー34が設けられる。また取付
け座S3の、第2領域部分S32に第3レバー35が設
けられるとともに、第4領域部分S34に第4レバー3
6が設けられる。
【0051】各取付け座の最も下方に位置する第1領域
部分S11,S31は、具体的には、軌道車両22a,
22bが停車場に停車した状態で、上下方向に関してプ
ラットホームの床構造体30の上面30aよりも上方で
あり、かつ前記床構造体30の上に平均的な身長の子供
の利用者が立ったときの膝よりも下方の位置に設定され
る。より好ましくは、利用者が歩行時に踏み越えてしま
わない程度の高さに設定され、前記利用者の膝が歩行時
に描く流線の最低位よりも下方となるように設定され
る。
【0052】また各取付け座の最も上方に位置する第4
領域部分S14,S34は、具体的には、軌道車両22
a,22bが停車場に停車した状態で、上下方向に関し
てプラットホームの床構造体30の上に平均的な身長の
子供の利用者が立ったときの肩よりも下方であり、かつ
腰よりも上方であるように設けられる。より好ましくは
前記利用者の歩行時の腰の流線の最高位よりも上方であ
り、かつ肩の流線の最低位よりも下方であるように設定
される。
【0053】上述した第1領域部分S11,S31およ
び第4領域部分S14,S34との間の第2および第3
領域部分S12,S13,S32,S33は、具体的に
は、軌道車両22a,22bが停車場に停車した状態
で、上下方向に関してプラットホームの床構造体30の
上に平均的な身長の子供の利用者が立ったときの利用者
の膝よりも上方であり、かつ腰よりも下方であるように
設定される。
【0054】本実施の形態においては、取付け座S1の
第1領域部分S11に設けられる第1レバー33は、前
記軌道車両22a,22bが停車場に停車した状態にお
いて、その軸線とプラットホーム床構造体30の上面3
0aとの間が上下方向に沿った間隔H1を有するように
設けられる。また取付け座S3の第2領域部分S32に
設けられる第3レバー35は、その軸線が第1レバー3
3の軸線に対して上下方向に沿った間隔ΔT1を有する
ように、第1レバー33よりも上方に設けられる。この
ような第3レバー35は、上述のように軌道車両22
a,22bが停車場に停車した状態におけるその軸線と
プラットホームの床構造体30の上面30aとの間が上
下方向に沿った間隔H2を有するように設けられる。ま
た取付け座S1の第3領域部分S13に設けられる第2
レバー34は、その軸線と第3レバー35の軸線との間
が上下方向に沿った間隔ΔT2を有するように、第3レ
バー35よりも上方に設けられる。このような第2レバ
ー34は、上述のように軌道車両22a,22bが停車
場に停車した状態におけるその軸線とプラットホームの
床構造体30の上面30aとの間が上下方向に沿った間
隔H3を有するように設けられる。さらに取付け座S3
の第4領域部分S34に設けられる第4レバー36は、
その軸線と第2レバー34の軸線との間が上下方向に沿
った間隔ΔT3を有するように、第2レバー34よりも
上方に設けられる。このような第4レバー36は、上述
のように軌道車両22a,22bが停車場に停車した状
態において、その軸線とプラットホームの床構造体30
の上面30aとの間が上下方向に沿った間隔H4を有す
るように設けられる。
【0055】また妻壁23aに連結される第1および第
2レバー33,34の各先端部33a,34aは、妻壁
23bに連結される第3および第4レバー35,36の
各先端部35a,36aよりも妻壁23b寄りに突出し
て設けられる。同様に、第3および第4レバー35,3
6の各先端部35a,36aは、第1および第2レバー
33,34の各先端部33a,34aよりも妻壁23a
寄りに突出して設けられる。
【0056】本実施の形態においては、第1〜第4レバ
ー33〜36の、それぞれの軸線方向に沿った長さは、
いずれも同じ長さL1に選ばれる。さらに互いに対向す
る取付け座S1,S3に設けられるレバー、たとえば第
2レバー34の先端部34aと第4レバー36の先端部
36aとは、軌道車両22a,22bが直線路の軌条の
上にある状態において、各妻壁23a,23bが直線距
離W1を有するとき、それぞれの軸線方向に沿った間隔
L2を有するように設けられる。このとき上述のよう
に、第2レバー34の先端部34aは第4レバー36の
先端部36aよりも妻壁23b寄りに突出している。す
なわち、第1〜第4レバー33〜36は、それぞれの軸
線方向に沿った長さL1と、互いに対向する妻壁に設け
られるレバーの先端部間の距離L2と、軌道車両22
a,22bが直線路の軌条の上にある状態における各妻
壁23a,23b間の直線距離W1との間に、次のよう
な関係式を満たすように設けられる。 L1+L1−L2 = W1
【0057】また構成体201は、上述した第1〜第4
レバー33〜36をそれぞれ各妻壁23a,23bに連
結する支持台である第1〜第4レバー支え37〜40
を、さらに備える。詳しく述べると、取付け座S1にお
いて、第1領域部分S11に第1レバー支え37が固定
され、第3領域部分S13に第2レバー支え38が固定
される。このような第1および第2レバー支え37,3
8を介して、第1および第2レバー33,34が、それ
ぞれ取付け座S1の第1領域部分S11,S13に設け
られる。同様に取付け座S3において、第2領域部分S
32に第3レバー支え39が固定され、第4領域部分S
34に第4レバー支え40が固定される。このような第
3および第4レバー支え39,40を介して、第3およ
び第4レバー35,36が,それぞれ取付け座S3の第
2領域部分S32および第4領域部分S34に設けられ
る。以下、第1〜第4レバー33〜36および第1〜第
4レバー支え37〜40を総称するときには、それぞれ
レバー31およびレバー支え32と略記することがあ
る。
【0058】このようなレバー31は、少なくとも軌道
車両22a,22bの幅方向内方C1b,D1bおよび
下方Y2への変位が阻止された状態で、所定位置に設け
られる。またレバー31は、前記所定位置から先端部が
軌道車両22a,22bの幅方向外方C1a,D1aに
変位するように角変位可能に連結される。前記幅方向内
方C1bとは、第1および第2レバー33,34におい
て、図2に仮想線P1で示される第1および第2レバー
33,34のそれぞれの軸線を含む仮想一平面よりも軌
道車両22aの幅方向他方C2側を指す。また前記幅方
向外方C1aとは、第1および第2レバー33,34に
おいて、仮想線P1で示される前記仮想一平面よりも軌
道車両22aの幅方向一方C1側を指す。同様に前記幅
方向内方D1bとは、第3および第4レバー35,36
において、第3および第4レバー35,36の軸線を含
む仮想一平面よりも軌道車両22bの幅方向他方D2側
を指す。また前記幅方向外方D1aとは、第3および第
4レバー35,36において、第3および第4レバー3
5,36の各軸線を含む仮想一平面よりも軌道車両22
bの幅方向一方D1側を指す。
【0059】図3は図1のセクションIIIを拡大して
示す正面図であり、図4は図3の第1レバー支え37を
示す正面図であり、図5は図4の第1レバー支え37の
右側面図であり、図6は図3の第1レバー33の、第1
レバー33の軸線を含みかつ上下方向に対して垂直な仮
想一平面である切断面線VI−VIから見た端面図であ
る。図3に示されるように第1レバー33は、妻壁23
aに固定される第1レバー支え37に設けられることに
よって、その基端部33bが妻壁23aに連結される。
このような第1レバー支え37は、大略的に直方体形状
の筺体41を備える。筺体41は、第1幅方向一方E1
側の側壁がほぼ全面にわたって切欠かれており、筺体4
1の内部空間と外部空間とを連通する第1開口45が形
成される。また筺体41の前記第1幅方向に対して垂直
な方向である第2幅方向一方F1側の側壁も同様にほぼ
全面にわたって切欠かれており、筺体41の内部空間と
外部空間とを連通する第2開口46が形成される。この
ような第1開口45と第2開口46とは連なっており、
換言すれば筺体41は図4および図5に示されるように
その第1幅方向一方E1側の側壁および第2幅方向一方
F1側の側壁のほぼ全面にわたって切欠かれている。こ
のような第1レバー支え37は、上述した第1幅方向お
よび第2幅方向に対してともに垂直な方向である厚み方
向が上下方向と略一致するように軌道車両22aの各妻
壁23aの取付け座S1の第1領域部分S11に固定さ
れる。
【0060】図3に示されるように第1レバー支え37
は、その第1幅方向他方E2側の第1側壁47の前記第
1幅方向他方E2側の表面47aが妻壁23aにほぼ全
面にわたって当接するように妻壁23aに固定される。
このような妻壁23aへの第1レバー支え37の取付け
は、図5に示されるように筺体41の第1幅方向他方E
2側の壁部である第1側壁47の四隅に4箇所形成され
る取付け孔48を介して、たとえばねじ止めすることに
よって妻壁23aに固定される。このように第1レバー
支え37が妻壁23aに固定された状態では、上述した
筺体41の第1幅方向一方E1は軌道車両22aの前後
軸方向一方A1に略一致し、第2幅方向一方F1は軌道
車両22aの幅方向一方C1に略一致する。
【0061】筺体41は、上述した第1および第2開口
45,46に加えて、第2幅方向他方F2側において、
その最も第1幅方向一方E1側の第2側壁49を除く残
余の領域が切欠かれ、筺体41の内部空間と外部空間と
を連通する第3開口50が形成される。前記第2側壁4
9は、上述した第1幅方向および第2幅方向に対してと
もに垂直な方向である厚さ方向に沿って延びる壁部であ
り、筺体41の厚さ方向一方G1側の壁部である上壁5
1ならびに厚さ方向他方G2側の壁部である下壁52に
連なる。
【0062】上述した上壁51には、第1レバー33の
基端部33bを第1レバー支え37に設ける回転軸53
を挿通するための回転軸挿通孔54が、大略的に厚さ方
向に沿って形成される。また下壁52には、その内周面
に内ねじが刻設された第1ねじ孔55が形成される。第
1ねじ孔55は、その軸線が回転軸挿通孔54の軸線と
一致するように形成される。
【0063】第1レバー33は、図6に示されるように
棒状であって、基本的にはレバー本体63と、レバー連
結部分64と、カバー部分65とを有する。レバー連結
部分64は、略円柱状であり、たとえばSS400など
の一般構造用圧延鋼材によって実現される。レバー本体
63は、レバー連結部分64より小さい外径を有する円
柱状であって、その軸線方向がレバー連結部分64の軸
線方向と略一致するように、レバー連結部分64の軸線
方向一方側の端部に固定される。レバー本体63は、レ
バー連結部分64と同様に、たとえばSS400などの
一般構造用圧延鋼材で実現される。
【0064】またレバー本体63を被覆するカバー部分
65は、その軸線方向一方側に開口を有する略円筒状で
あって、たとえばゴムなどの弾性を有する材料によって
実現される。このようにレバー本体63がカバー部分6
5によって被覆されて成る第1レバー33の先端部33
aの外径は、第1レバー33の基端部33bとなるレバ
ー連結部分64の外径とおおむね等しいように形成され
る。またカバー部分65は、前記開口が形成される軸線
方向一方側の端部の反対側である他方側の端部が、カバ
ー部分65の軸線方向他方に凸となるような弧を描く形
状に形成される。レバー連結部分64には、その軸線方
向がレバー連結部分64の軸線方向に対して垂直となる
ような略円筒状の軸孔66が貫通して形成される。また
レバー連結部分64の、レバー本体63が連結される側
とは反対側となる軸線方向一方側の端部には、後述する
第1レバー支え37の板ばね71の突部74が嵌まり込
むための凹部67が形成されている。このような凹部6
7は、レバー連結部分64の軸線方向一方側の端部にお
いて、軸線方向他方側に凸となるような弧を描くように
凹となる形状、換言すればその内表面が半球面状の凹所
として形成される。また軸孔66と凹部67との間に
は、挿通孔68が形成される。挿通孔68は、その軸線
が、前記軸孔66の軸線と平行となりかつ軸孔66の軸
線およびレバー連結部分64の軸線を含む仮想一平面に
含まれるような、略円筒状に形成される。
【0065】第1レバー33は、前記軸孔66の軸線が
上述した第1レバー支え37に形成される回転軸挿通孔
54および第1ねじ孔55の各軸線と一致するように配
置された状態で略円筒状の回転軸53が挿通することに
よって、第1レバー支え37に連結される。すなわち回
転軸53は、その軸線が回転軸挿通孔54、第1ねじ孔
55および軸孔66の各軸線と略一致した状態で上壁5
1、第1レバー33、および下壁52を挿通する。この
ようにして第1レバー33は、その軸線方向が第1レバ
ー支え37の第1幅方向と略平行となるように、回転軸
53の軸線Iまわりに角変位可能に設けられる。しかし
ながら第1レバー33は、第1レバー支え37の第2側
壁49によって、回転軸53の軸線Iまわりの筺体41
の第2幅方向他方F2側への角変位が阻止される。
【0066】上述のように第1レバー支え37は、筺体
41の第2幅方向一方F1が軌道車両22aの幅方向一
方C1と略一致するように妻壁23aに設けられる。換
言すれば、筺体41は、第1開口45が軌道車両22a
の前後軸方向一方A1側に臨み、かつ第2開口46が軌
道車両22aの幅方向一方C1側に臨むように配置され
る。したがって第1レバー33は、その軸線方向が軌道
車両22aの前後軸方向と略平行となる位置である前記
所定位置において、前記幅方向内方C1bおよび下方Y
2への変位が阻止される状態で、その先端部33aが前
記所定位置から軌道車両22aの幅方向外方C1aに変
位するように前記回転軸53の軸線まわりに角変位する
ことができる。第1レバー33の先端部33aの前記幅
方向外方C1aへの変位に伴うレバー連結部分64の軸
孔66よりもレバー連結部分64の軸線方向一方側の部
分の前記幅方向内方C1bへの変位は、上述した第3開
口50によって許容される。
【0067】また第1レバー支え37の第2側壁49に
は、ストッパ56が設けられる。ストッパ56は、第1
レバー33が上述したような所定位置にあるときに、第
1レバー33に前記第2幅方向他方F2側から当接す
る。
【0068】また第2側壁49には、さらに位置検出セ
ンサ57および荷重検出センサ58が設けられる。位置
検出センサ57は、たとえばリミットスイッチなどのス
イッチ手段によって実現され、第1レバー33が前記所
定位置に配置されているか否かを検出する。またリミッ
トスイッチに換えてフォトセンサによって位置検出セン
サ57を実現してもよい。また荷重センサ58は、たと
えば歪みゲージ式または圧電素子式などのセンサによっ
て実現され、第1レバー33に作用する荷重を検出す
る。
【0069】さらに第1レバー支え37は、第1レバー
33の前記幅方向外方への角変位を抑制する抑制手段の
1つである板ばね71を備える。板ばね71は、筐体4
1の前記第1側壁47に、筐体41の内部空間に臨んで
設けられる。
【0070】図7は図3の第1レバー支え37の板ばね
71を簡略化して示す斜視図であり、図8は図3のセク
ションVIIIを拡大して示す簡略化した断面図であ
る。なお図8は図3の第1レバー33の軸線を含みかつ
上下方向に平行な仮想一平面における断面図である。板
ばね71は、たとえばばね鋼またはステンレス鋼によっ
て実現され、平板部72と平板部72の第3幅方向一方
J1側の端部に連なる湾曲部73とを有する。湾曲部7
3は、前記第3幅方向に平行でありかつ平板部72の厚
さ方向に平行な仮想一平面における断面形状が、平板部
72の厚さ方向一方K1側に凸となるような弧を描く形
状に形成される。このような湾曲部73の前記厚さ方向
一方K1側の表面の、平板部72の厚さ方向一方K1側
の表面と最も離反する部分には、突部74が形成され
る。
【0071】このような板ばね71は、上述したような
第1レバー33の回転軸53の軸線Iまわりの所定位置
からの角変位を抑制することができる抑制手段の1つで
あって、筐体41の前記第1幅方向他方E2側の壁部で
ある第1側壁47に設けられる。詳しく述べると、板ば
ね71の平板部72には、複数箇所、本実施の形態にお
いては前記第3幅方向に間隔をあけて2箇所の取付孔7
5が形成されており、この取付孔75を介してたとえば
リベットを用いて平板部72が第1側壁47に固定され
る。このとき板ばね71は平板部72の厚さ方向一方K
1が筺体41の第1幅方向一方E1と略一致し、前記湾
曲部73および突部74が第1幅方向一方E1側に凸と
なるように設けられる。
【0072】また板ばね71は、上述のように第1レバ
ー33が回転軸53によって第1レバー支え37に連結
される状態で、前記突部74が第1レバー33の前記凹
部67に嵌まり込むように配置される。このようにして
板ばね71によって、第1レバー33には、第1レバー
33の回転軸53の軸線まわりの前記所定位置からの角
変位に対して逆らうようなばね力が与えられる。
【0073】また図8に示されるように、回転軸53
は、回転軸挿通孔54、第1ねじ孔55、および軸孔6
6を挿通することによって、第1レバー33を第1レバ
ー支え37に連結する。このような回転軸53は、その
軸線方向一端部に、外ねじが刻設されたねじ部53aを
有しており、このねじ部53aが上述のように内周面に
内ねじが刻設される第1ねじ孔55に螺合することによ
って着脱可能に取付けられる。また回転軸挿通孔54
は、その下半部分の内径が回転軸53の外径とおおむね
等しいように形成され、その上半部分が上述の内径より
も大きい内径に形成される。回転軸53は、上述のねじ
部53aが形成される軸線方向一方側の端部とは反対側
の他方側の端部にも、外ねじが刻設される。回転軸53
は、前記回転軸挿通孔54の上半部分においてこの端部
に座金76を介してナット77を螺合することによっ
て、上壁51に着脱可能に設けられる。
【0074】またさらに第1レバー支え37は、前記抑
制手段の1つである回転防止ピン78を有する。回転防
止ピン78は、ピン本体部79と、ピン本体部79の軸
線方向一端部からその軸線方向に対して垂直な方向に向
かって屈曲する被把持部80とを有する。またピン本体
部79の前記軸線方向一方と反対側の他方側の端部に
は、外ねじが刻設されたねじ部79aが形成される。こ
のような回転防止ピン78は、上壁51に形成される回
転防止ピン挿通孔81および第1レバー33に形成され
る挿通孔68ならびに下壁52に形成される第2ねじ孔
82を挿通することによって、第1レバー33の所定位
置からの回転軸53の軸線まわりの角変位を抑制する。
【0075】詳しく述べると、上述した回転軸挿通孔5
4が形成される第1レバー支え37の筺体41の上壁5
1には、回転防止ピン挿通孔81が形成される。回転防
止ピン挿通孔81は、回転軸挿通孔54よりも前記第1
幅方向他方E2側に形成される略円筒状の孔であり、そ
の軸線が、回転軸挿通孔54の軸線に対して平行であ
り、かつ回転軸挿通孔54の軸線を含み前記第2幅方向
に対して平行な仮想一平面内に含まれるように形成され
る。また第2ねじ孔82は、その軸線方向が前記回転防
止ピン挿通孔81の軸線と一致するように下壁52に形
成される略円筒状の孔であって、その内周面に内ねじが
刻設される。
【0076】また上述した第1レバー33に形成される
挿通孔68は、回転軸53によって第1レバー33が第
1レバー支え37に連結され、かつ第1レバー33が前
記所定位置に配置される状態においてその軸線が、回転
防止ピン挿通孔81および第2ねじ孔82の各軸線が同
一直線上にあるように形成される。このような状態で、
回転防止ピン78が回転防止ピン挿通孔81、挿通孔6
8、および第2ねじ孔82を挿通することによって、第
1レバー33の前記所定位置からの回転軸53の軸線ま
わりの角変位が抑制される。回転防止ピン78は、上述
のように外ねじが刻設されたねじ部79aが第2ねじ孔
82の内周面に刻設された内ねじに螺着することによっ
て、着脱可能に取付けられる。また回転防止ピン挿通孔
81の内径および挿通孔68の内径は、回転防止ピン7
8のピン本体部79の外径よりもわずかに大きく形成さ
れる。
【0077】また図3〜図5を参照して、筐体41の上
壁51の上方に臨む部分は、凹凸状に形成される。詳し
く述べると、前記上壁51には、上方に凸となる複数の
突起83が形成される。突起83は、筐体41の厚さ方
向一方G1に向かって凸となるような弧を描く形状に形
成される。さらに上壁51は、前記厚さ方向に沿った厚
さL3が、下壁52の前記厚さ方向に沿った厚さL4よ
りも大きいように設定される。
【0078】このようにして軌道車両22aの妻壁23
aの取付け座S1の第1領域部分S11に、第1レバー
支え37を介して第1レバー33が設けられる。同じく
取付け座S1の第3領域部分S13に設けられる第2レ
バー34および第2レバー支え38については、第1レ
バー33および第1レバー支え37と同様であり、説明
を省略する。また妻壁23aに対向する妻壁23bの取
付け座S3に設けられる第3レバー35および第3レバ
ー支え39ならびに第4レバー36および第4レバー支
え40については、それぞれ図1に示されるような軌道
車両22a,22bが直線路の軌条の上にある状態で、
それぞれ第1レバー33および第1レバー支え37なら
びに第2レバー34および第2レバー支え38と、同一
の高さにあると仮定するときに、各取付け座間の中点を
通りかつ上下方向に沿った仮想一平面に関して対称な構
造を有しており、これらについても同一の参照符を付
し、説明は省略する。
【0079】またさらに妻壁23a,23bの前記各幅
方向他方C2,D2側の各取付け座S2,S4に設けら
れる構成体102についても、図1に示されるような軌
道車両22a,22bが直線路の軌条の上にある状態
で、各妻壁23a,23b間での前記各前後軸の延長線
の、中点を含みかつ各妻壁23a,23bと平行な仮想
一直線に関して対称に設けられている。すなわち構成体
102のレバー31は、少なくとも軌道車両22a,2
2bの幅方向内方C2a,D2aおよび下方Y2への変
位が阻止された状態で所定位置に設けられるとともに、
その先端部が軌道車両22a,22bの幅方向外方C2
b,D2bに変位するように角変位可能に連結される。
【0080】上述したように本実施の形態の転落防護装
置21は、その基端部31bが上述した予め定める転落
防止のための領域である取付け座に連結され、軌道車両
22a,22bの前後軸方向にほぼ沿って延びる棒状の
防護アームであるレバー31を含む。このような転落防
護装置21の、一方の妻壁23aに連結される第1およ
び第2レバー33,34と、他の妻壁23bに連結され
る第3および第4レバー35,36とが、上下方向に相
互にずれて設けられる。またさらに一方の妻壁23aに
連結される第1および第2レバー33,34の先端部3
3a,34aは、対向する他方の妻壁23bに連結され
る第3および第4レバー35,36の先端部35a,3
6aよりも他方の妻壁23b寄りに突出して設けられ
る。第3および第4レバー35,36についても、各先
端部35a,36aが対向する一方の妻壁23aに連結
される第1および第2レバー33,34の先端部33
a,34aよりも一方の妻壁23a寄りに突出して設け
られる。これによって軌道車両22a,22bが乗降用
の停車場に停車しているとき、各妻壁23a,23b間
の隙間26とプラットホーム空間29とを連ねる上下方
向に沿って延びる開口が形成されることが防がれる。
【0081】また前記レバー31は、少なくとも軌道車
両22a,22bの幅方向内方および下方への変位が阻
止された状態で所定位置に設けられる。これによってプ
ラットホーム空間29にいる利用者が転落防護装置21
にもたれ掛かったとしても、利用者がもたれ掛かった各
レバー31は前記幅方向内方および下方へ変位すること
なく、利用者の体を確実に支持することができる。した
がって前記隙間がプラットホーム空間に上下方向に延び
る開口を介して連なる構成と比較して、利用者の体が嵌
まり込むような開口が形成されないので、利用者の隙間
への転落を確実に防止することができ、より安全性が向
上される。またプラットホーム空間29にいる利用者が
つまづくなどして体勢を崩したとき、レバー31を手で
つかんだり足を掛けて踏ん張ってその体勢を立て直すこ
とが可能である。
【0082】さらに上述のように転落防護装置21は、
一方の妻壁23aに連結される第1および第2レバー3
3,34と、他方の妻壁23bに連結される第3および
第4レバー35,36とが、上下方向に相互にずれて設
けられる。これによって転落防護装置21は、相互に連
結される軌道車両22a,22bが曲線路の軌条の上を
走行するときなど、各軌道車両22a,22bの前後軸
方向が互いに平行な状態から角変位するように変位して
も、各レバー31の互いの干渉を避けて、前記各妻壁2
3a,23bの相対的変位を許容することができる。
【0083】またレバー31は、前記所定位置からその
先端部が前記軌道車両22a,22bの幅方向外方に変
位するように回転軸53の軸線まわりに角変位可能に連
結される。これによってたとえば軌道車両22a,22
bが停車場に停車している状態で、軌道上の落下物を拾
うために、利用者が前記隙間に降りる必要があるときに
は、レバー31を前記所定位置からその先端部31aが
軌道車両22a,22bの幅方向外方に変位するように
角変位させることができる。このようにレバー31の先
端部31aを前記幅方向外方に変位するように角変位さ
せた状態では、プラットホーム空間と前記隙間とを連ね
る利用者が通過可能な大きな開口が形成されるので、利
用者は軌道上に降りることが可能であるとともに、軌道
上からプラットホームに昇ることが可能である。このよ
うに前記軌道上に落下物がある場合などには、転落防護
装置21全体を取外すことなくレバー31を角変位させ
るだけで、前記隙間とプラットホーム空間との間を通る
ことができるので、落下物を拾うための作業が容易であ
る。また落下物を拾うため以外に、車両の点検などのた
めにレバー31を角変位することができる。
【0084】また転落防護装置21は、上述のレバー3
1の角変位を抑制することができる抑制手段の1つであ
る板ばね71を含む。これによって軌道車両22a,2
2bの走行時の振動または遠心力などによって、レバー
31が不所望に角変位してしまうことが防がれる。すな
わちこのような板ばね71によって、上述のように板ば
ね71を角変位させる必要に迫られた場合以外は、レバ
ー31を前記所定位置に保持することができる。したが
って転落防護装置21は、上述のように軌道上の落下物
を拾うためなど必要に迫られた場合以外には、各妻壁2
3a,23b間の隙間とプラットホーム空間とを連ねる
上下方向に沿って延びる開口を形成することがない。
【0085】また板ばね71はその湾曲部73に形成さ
れる凸部74が、レバー31のレバー連結部分64の凹
部67に嵌まり込むことによって、レバー31が前記所
定位置に設けられるので、レバー31の位置決めを正確
に行うことが可能である。
【0086】また本実施の形態においては、抑制手段と
して板ばね71に加えてさらに回転防止ピン78を有す
る。回転防止ピン78によって、たとえば、子供の利用
者によるいたずらなど上述の軌道車両22a,22bの
振動などよりも大きな力の作用によるレバー31の不所
望な角変位を確実に防止することができる。
【0087】また回転防止ピン78は、ピン本体部79
の軸線方向に対してほぼ垂直となるように屈曲した被把
持部80を有するので、レバー31を回転軸53の軸線
まわりに前記幅方向外方へ角変位させたいときには、被
把持部80を把持して回転防止ピン78の軸線まわりに
ねじ部79aの螺着方向と反対方向に回動させることに
よって、容易に取外すことができる。また回転防止ピン
挿通孔81の内径および挿通孔68の内径が、回転防止
ピン78の外径よりも大きく形成されているので、回転
防止ピン78を容易に引き抜くことが可能である。
【0088】また前記前記転落防護装置21は、前記レ
バー31が所定位置に配置されているか否かを検出する
位置検出手段である位置検出センサ57を含む。これに
よって位置検出センサ57からの検出情報に基づいて軌
道車両22a,22bを制御することができる。したが
ってたとえば前記レバー31が前記所定位置から角変位
されており、その先端部31aが前記所定位置よりも軌
道車両22a,22bの幅方向外方側に位置するような
状態で、軌道車両22a,22bが停車場から発車する
ような不具合を防ぐことができる。
【0089】また転落防護装置21は前記レバー31に
作用する荷重を検出する荷重検出手段である荷重検出セ
ンサ58を含む。これによって荷重検出センサ58から
の検出情報に基づいて軌道車両22a,22bを制御す
ることができる。したがってたとえばプラットホームに
いる利用者がレバー31にもたれ掛かるなどしてレバー
31に荷重が作用しているような状態で、軌道車両22
a,22bが停車場から発車してしまうような不具合を
防ぐことができる。
【0090】また上述のように前記レバー31は、相互
に連結される軌道車両22a,22bの対向する各妻壁
23a,23bに固定される支持体である各レバー支え
32に設けられる。すなわち各レバー31は、前記各レ
バー支え32を介して、上述した取付け座にその基端部
が連結される。このようにレバー31を妻壁23a,2
3bに連結するレバー支え32は妻壁23a,23bに
固定されているので、軌道車両22a,22bの点検な
ど各妻壁23a,23b間の隙間で作業する必要がある
場合には、各レバー支え32を手または足を掛けるステ
ップとして利用して軌道上とプラットホームとの間を昇
り降りすることが可能である。また上述の作業をレバー
支え32につかまったまま行うことも可能である。さら
に前記隙間での作業以外にも、軌道車両22a,22b
の屋根とプラットホームまたは軌道上との間の昇降のた
めの手または足を掛けるステップとしても利用すること
ができる。
【0091】また前記支持体の上面には複数の突起83
が形成され、凹凸状に形成される。これによって上述の
ようにレバー支え32をステップとして利用する場合に
は、前記凹凸が滑り止めとしての役割を果す。
【0092】またレバー31は、その先端部31aがカ
バー部分65を有するので、利用者がレバー31に倒れ
かかったときには利用者の身体を傷つけることなく衝撃
を緩和し、利用者の身体を支持することが可能である。
【0093】また本実施の形態においては、転落防護装
置21は、プラットホーム空間29にいる利用者が子供
であると仮定する場合に、最下段の第1レバー33が少
なくとも利用者の膝より下に位置し、中段の第2および
第3レバー34,35が少なくとも利用者の膝と腰との
間に位置し、最上段の第4レバー36が少なくとも利用
者の腰と肩との間に位置するように配置される。
【0094】上述のように最下段の第1レバー33は、
プラットホームの床構造体30の上面30aから、前記
床構造体30の上に利用者が立ったときの利用者の膝よ
りも下方の位置、より好ましくは利用者が歩行時に踏み
越えてしまわない程度の高さに設けられる。したがって
利用者の踏み出した足が床構造体30と第1レバー33
との間に入らないようにすることのできる、足元から前
記隙間へ転落しない構成である。したがってこのような
位置に第1レバーが設けられないような構成と比較し
て、より安全性が向上される。また最上段の第4レバー
36は、利用者の肩から腰に相当する部分に配置される
ので、仮に利用者が転落防護装置21に倒れかかった場
合においても、利用者の体を確実に支持し、利用者が本
装置を乗り越えて前記隙間に転落することが防がれる。
さらに前記最下段と最上段の各レバーの間にも第2およ
び第3レバー34,35が設けられるので、このように
前記最下段の第1レバーと最上段の第4レバーとの間に
第2および第3レバーが設けられないような構成と比較
して、利用者の体が第1レバーと第4レバーとの間を通
り抜けることが確実に防がれ、安全性がより向上され
る。
【0095】また前記隙間26,27には、レバー31
の軸線方向に沿って延びる開口が形成される。これによ
って前記開口を介してプラットホームから隙間を覗くこ
とができ、軌道車両22a,22bの連結部および車両
用連結幌25の状態を確認することができる。
【0096】また転落防護装置21は、大略的に棒状の
部材で実現されるので、軽量であり、かつその設置に要
する空間が少なくてすみ、たとえば軌道車両22a,2
2bの屋根とプラットホームまたは軌道上との間を昇り
降りするために各妻壁23a,23bに足掛け用のステ
ップが設けられるような場合であっても、足掛けステッ
プの使用を妨げることなく設置することができる。
【0097】さらに転落防護装置21は大略的に剛性を
有する部材から成り、全体として弾性を有しないので、
利用者が第1レバーに足をかけたときにしっかりと支持
することができ、弾性を有するような材料から形成され
るような構成と比較して、安全性がより向上される。
【0098】またさらに本実施の形態の転落防護装置2
1は、前記対向する取付け座間の距離の変位を弾性体の
張力によって許容する構成ではないので、レバーを弾性
体で実現するような構成と比較して材質の信頼性が高
く、繰返しの前記取付け座間の距離の変化においても劣
化の度合が少ない。したがって短い期間毎にレバー1本
1本について劣化した状態であるかを確認する作業を必
要でなく、保守管理が面倒でない。
【0099】図9は本発明の実施の第2の形態の転落防
護装置91のレバー92のレバー本体93の軸線を含み
かつ上下方向に対して垂直な仮想一平面における端面図
である。本実施の形態の転落防護装置91は、上述した
実施の形態の転落防護装置と類似しており、同様の構成
を有する部分は同一の参照符を付して説明を省略し、異
なる構成を有する部分についてのみ説明する。本実施の
形態の転落防護装置91が、上述した実施の形態の転落
防護装置21と異なるのはレバー92である。
【0100】本実施の形態のレバー92は、基本的に
は、上述の実施の形態のレバー31と同様に、レバー本
体93と、レバー連結部分94と、カバー部分95とを
有する。レバー本体93およびレバー連結部分94は、
上述した実施の形態のレバー本体63およびレバー連結
部分64と同様であり、説明を省略する。
【0101】カバー部分95は、その軸線方向一方側に
開口を有する略円筒状に形成され、上述した実施の形態
のカバー部分65と同様にたとえばゴムなどによって実
現される。またカバー部分95は、前記開口が形成され
る軸線方向一方側の反対側である他方側の壁部が、前記
軸線方向他方側に凸となる弧を描く形状に形成される。
カバー部分95の内径は、レバー本体93の外径よりも
わずかに大きく形成される。このようなカバー部分95
に、レバー本体93がその軸線方向がカバー部分95の
軸線方向と略一致するようにその軸線方向一方側から挿
通する。
【0102】カバー部分95の前記軸線方向他方側の壁
部のカバー部分95の内部空間に臨む側の表面95a
と、前記レバー本体93の軸線方向一方側の端面93a
との間には、ばね96が介在される。ばね96は、その
軸線方向がカバー部分95の軸線方向およびカバー本体
93の軸線方向と略一致するように設けられる。これに
よって本実施の形態のレバー92は、レバー本体93と
カバー部分95とがその軸線方向に伸縮可能である。
【0103】レバー本体93は、図9に示されるような
状態、すなわち相互に連結される軌道車両22a,22
bが直線路の軌条の上にある状態において、カバー部分
95に挿通される。ばね96のばね力は、上述の状態に
おいて、レバー本体93の軸線方向一方側の端面93a
とカバー部分95の軸線方向一方側の端面95bとがレ
バー本体93の軸線方向に沿った距離L5を有するよう
に、設定される。すなわちレバー本体93とカバー部分
95とがその軸線方向に縮んだ状態では、ばね96は上
述のようなレバー本体93の前記端面93aとカバー部
分95の前記端面95bとが距離L5を有する状態に戻
るようなばね力をレバー本体93の前記端面93aおよ
びカバー部分95の前記端面95aに与える。
【0104】これによって本実施の形態の転落防護装置
91は、上述した実施の形態の転落防護装置21の効果
に加えて、相互に連結される軌道車両22a,22bが
曲線状の軌条の上にある状態において、前記曲線の内側
に位置する側の対向する各取付け座間のレバー本体93
の軸線方向に沿った直線距離をより小さい距離にまで許
容することができる。すなわちたとえば前記各取付け座
間の距離が、レバー92の通常状態におけるレバー本体
93の軸線方向に沿った長さL6よりも小さい場合であ
っても、レバー本体93とカバー部分95とがその軸線
方向に伸縮することによって、レバー92が破損するこ
となく前記距離を許容することが可能である。
【0105】上述した各実施の形態では、レバーは各妻
壁に固定される支持体であるレバー支えに設けられ、か
つこのレバー支えの上方に臨む部分には上方に凸となる
突起が形成されていたけれども、レバーはこのようなレ
バー支えに設けられなくてもよい。
【0106】また上述の各実施の形態においては転落防
護装置は、レバーが前記所定位置に配置されているか否
かを検出する位置検出手段である位置検出センサおよび
レバーに作用する荷重を検出する荷重検出手段である荷
重検出センサとを有していたけれども、このような位置
検出手段および荷重検出手段を含まないような構成であ
ってもよい。
【0107】またさらに上述した実施の各形態において
はレバーは前記所定位置からその先端部が軌道車両の幅
方向外方に変位するように角変位可能に連結され、転落
防護装置はレバーの角変位を抑制することができる抑制
手段である板ばね71および回転防止ピン78を有して
いたけれども、レバーは少なくとも前記幅方向内方およ
び下方への変位が阻止された状態で所定位置に設けられ
ていればよく、上述のような角変位可能に連結されてい
なくてもよい。
【0108】また転落防護装置は相互に連結される軌道
車両の対向する各妻壁の幅方向両側部に設けられていた
けれども、少なくとも幅方向一側部に設けられればよ
い。
【0109】またレバーは、そのレバーが連結されてい
る軌道車両22a,22bの前後軸方向に平行に軸線が
配置されるように設けられていたけれども、レバーは軌
道車両22a,22bの前後軸方向にほぼ沿って延びて
いればよく、たとえば前記前後軸方向にほぼ沿って妻壁
から離反するにつれて下方に傾斜するように設けられて
もよい。これによって雨天時には雨水がかかっても、傾
斜によって流し落とすことが可能である。これによって
レバー支えの中で雨水が凍結するなどしてレバーを角変
位させることができなくなることを防ぐことが可能であ
る。
【0110】また各妻壁に連結されるレバーの配置は、
上述した各実施の形態での配置には限定されず、各妻壁
のいずれか一方に連結されるレバーと妻壁のいずれか他
方に連結されるレバーとが上下方向に相互にずれて設け
られていればよい。
【0111】さらに各取付け座にレバーを少なくとも1
本ずつ設け、各取付け座の上下方向に関して残余の領域
にレバー支えのみを設けるような構成であってもよい。
このようなレバー支えは、上述のように軌道車両22
a,22bの屋根への昇降に用いる足掛けのためのステ
ップおよび手摺りとして利用することができる。
【0112】図10は本発明の実施の第3の形態の転落
防護装置101を示す簡略化した正面図であり、図11
は図10の転落防護装置101の簡略化した平面図であ
り、図12は図10のセクションXIIを拡大し、一部
切欠いて示す正面図である。本実施の形態の転落防護装
置101は、上述した実施の各形態の転落防護装置と類
似しており、同様の構成を有する部分は同一の参照符を
付して説明を省略し、異なる構成を有する部分について
だけ説明する。本実施の形態の転落防護装置101は、
各軌道車両22a,22bの幅方向一方の側部の予め定
める転落防止のための領域である各取付け座S1,S3
間に設けられる構成体203と、各軌道車両22a,2
2bの幅方向他方の側部の各取付け座S2,S4間に設
けられる構成体とを備える。転落防護装置101は、各
軌道車両22a,22bが直線路の軌条の上にある状態
で幅方向に関して対称な構成を有するので、幅方向一方
に設ける構成体203だけを詳細に説明する。なお図1
0に現れない幅方向他方側の構成体については、説明を
省略する。
【0113】構成体203は、基本的には可撓性および
弾発性を有し、それぞれの先端部分102a,103a
が対向する妻壁23a,23bに向って凸に湾曲して形
成される第1弾性変形部102および第2弾性変形部1
03と、その基端部分が前記各取付け座S1,S3に固
定され、軌道車両22a,22bの前後軸方向にほぼ沿
って突出する剛性の第1支持部104a,104b,1
04cおよび第2支持部105a,105b,105c
とを備える。
【0114】本実施の形態では、取付け座S1に上下方
向に間隔をあけて3本の、上から下へ順に第1支持部1
04a,104b,104cが設けられるとともに、取
付け座S3に上下方向に間隔をあけて3本の、上から下
へ順に第2支持部105a,105b,105cが設け
られる。以下、各第1支持部104a〜104cおよび
各第2支持部105a〜105cを総称するときには、
各数字a〜cを省略して第1支持部104、第2支持部
105とそれぞれ略記することがある。
【0115】第1支持部104はそれぞれの軸線方向が
軌道車両22aの前後軸方向に平行となるように取付け
座S1に固定され、各第2支持部105は、それぞれの
軸線方向が軌道車両22bの前後軸方向に平行となるよ
うに取付け座S3に設けられる。このような各第1支持
部104は、それぞれの軸線方向に沿った長さが同一に
形成され、それぞれの遊端部分に第1弾性変形部102
が連結される。同様に各第2支持部105はそれぞれの
軸線方向に沿った長さが同一に形成され、それぞれの遊
端部分に第2弾性変形部103が連結される。
【0116】第1および第2弾性変形部102,103
は、図11に示されるように上下方向に対して垂直な仮
想一平面における断面形状が前記軌道車両の前後軸方向
に長い長円状であるような筒体から成る。このような第
1および第2弾性変形部102,103は、可撓性およ
び弾発性を有する、たとえばゴムなどの材料によって実
現される。本実施の形態の第1および第2弾性変形部1
02,103は、上述の断面形状が長円状の中でも、特
に楕円状となるように設けられる。このような第1およ
び第2弾性変形部102,103は、図10および図1
1に示されるような相互に連結される軌道車両22a,
22bが直線路の軌条の上にあるような状態、すなわち
各軌道車両22a,22bの前後軸が一直線上または平
行に配置される状態において、それぞれの先端部分10
2a,103aが相互に接触するように近接して設けら
れる。本実施の形態においては、第1および第2弾性変
形部102,103の各先端部分102a,103a
は、相互に弾発的に押圧し合うように設けられる。
【0117】このような第1および第2弾性変形部10
2,103は、それぞれの軸線方向が上下方向に平行と
なるように設けられる。さらに第1および第2弾性変形
部102,103は、上述したそれぞれの断面形状の楕
円状の各長手方向が、図10および図11に示される状
態において略一致して互いに押圧し合うように設けられ
る。
【0118】また第1および第2弾性変形部102,1
03は、図10に示されるように軌道車両22a,22
bが停車場に停車した状態で、その下端部が正面から見
てプラットホームの床構造体30の上面30aよりも下
方であり、かつ軌道車両22a,22bの各車体24
a,24bの下端部よりも上方であるように設けられ
る。
【0119】図12に示されるように第1支持部104
aは、基本的には、支持部本体106aと固定部分10
7aとを有する。支持部本体106aは、剛性を有する
棒状の部材であって、その軸線方向一端部に固定部分1
07aが固定される。固定部分107aは、板状の部材
であって、支持部本体106aの軸線方向がその厚さ方
向と平行となるように、支持部本体106aの軸線方向
一端部に固定される。
【0120】このような固定部分107aには、支持部
本体106aが固定される残余の領域に、固定部分10
7aの厚さ方向に沿って延び、固定部分107aを貫通
する複数個の図示しない取付けのための孔が形成され
る。固定部分107aは、その厚さ方向他方側の表面が
妻壁23aの取付け座S1に当接した状態で、複数個の
支持部取付けボルト108aによって前記取付けのため
の孔および妻壁23aを貫通させて、上述した取付け座
S1に固定される。これによって支持部104aは、そ
の基端部分が前記取付け座S1に固定され、支持部本体
106aの軸線方向が軌道車両22aの前後軸方向に平
行となって突出するように設けられる。
【0121】また支持部本体106aの、固定部分10
7aが固定される軸線方向一方側の反対側である他方側
の端部106a1には、前記支持部本体106aの軸線
方向一方側に向けて略円筒状のねじ孔109aが形成さ
れる。ねじ孔109aは、その軸線方向が支持部本体の
106aの軸線方向と概ね等しいように形成され、その
内周面には内ねじが刻設される。このようにねじ孔10
9aが形成された支持部本体106aの前記端部106
a1に取付けボルト110aによって弾性変形部102
が連結される。
【0122】取付けボルト110aは、外ねじが刻設さ
れたねじ部111aと、頭部112aとを有し、ねじ部
111aの外ねじが上述したねじ孔109aの内ねじに
螺着することによって、第1弾性変形部102と支持部
本体106aとを着脱可能に連結する。このように弾性
変形部102が第1支持部104aに連結される状態
で、第1弾性変形部102と支持部本体106aの前記
端部106a1との間には第1保護板113aが介在さ
れるとともに、第1弾性変形部102と取付けボルト1
10aの頭部112aとの間には第2保護板114aが
介在される。すなわち取付けボルト110aは、第2保
護板114a、第1弾性変形部102、第1保護板11
3aを順に貫通して、支持部本体106aの前記ねじ孔
109aに嵌まり込む。このようにして第1弾性変形部
102が各支持部の遊端部分に連結される。
【0123】図11に示されるように、弾性変形部は、
上述したような上下方向に対して垂直な仮想一平面にお
ける断面形状である長円の長手方向と支持部本体の軸線
方向とが略一致するように、それぞれの長手方向に関し
て先端部分でない側の端部である基端部分が連結され
る。すなわち相互に連結される軌道車両が直線路の軌条
の上に配置される状態では、図11に示されるように第
1および第2弾性変形部102,103の前記各長手方
向ならびに各支持部の各々の軸線方向が略一致するよう
に設けられる。
【0124】また第1弾性変形部102の、プラットホ
ーム空間29に臨む側である幅方向一方側には、第1係
止孔が形成される。本実施の形態においては、上下方向
に間隔をあけて3箇所の第1係止孔115a,115
b,115cが上から順に形成される。第1係止孔11
5a〜115cは、上方に凸となる弧と略水平な弦によ
って規定される略半円状にそれぞれ形成される。また第
2弾性変形部103のプラットホーム空間29に臨む側
である幅方向一方側には、第1係止孔115a,115
b,115cと同様に第2係止孔116a,116b,
116cが形成される。上述した第1および第2弾性変
形部102,103の各幅方向一方側とは、それぞれの
長手方向および上下方向に対して垂直な方向であって、
軌道車両22a,22bの前記幅方向外方C1a,D1
aに等しい方向を指す。以下、各第1係止孔115a〜
115cおよび各第2係止孔116a〜116cを総称
するときには、各添え字a〜cを省略して、第1係止孔
115、第2係止孔116とそれぞれ略記することがあ
る。
【0125】また本実施の形態においては、中空に形成
される第1弾性変形部102の内部空間に、縄ばしごが
設けられる。このような縄ばしごは、図12に仮想線1
17で示されるように第1弾性変形部102の下端部か
ら下方に降ろすことができる構成となっている。
【0126】このようにして転落防護装置101の構成
体203は、軌道車両22a,22bの各幅方向一方C
1,D1側の予め定める転落防止のための領域である取
付け座S1,S3にそれぞれ設けられる。
【0127】また本実施の形態とは逆に、プラットホー
ム空間が軌道車両22a,22bの各幅方向他方C2,
D2側から軌道空間に隣接すると仮定する場合には、同
様に前記隙間30はプラットホーム空間に向けて開口す
る。このような隙間30にプラットホームから利用者が
誤って転落することを防止するために、軌道車両22
a,22bに各幅方向他方C2,D2側の予め定める転
落防止のための領域である取付け座S2,S4間に転落
防護装置101の図示しない構成体が同様に設けられ
る。
【0128】図13は各軌道車両22a,22bが曲率
半径の最も小さな曲線路の軌条の上にある状態におい
て、構成体203が前記曲線の外側に配置される場合を
示す簡略化した平面図であり、図14は各軌道車両22
a,22bが曲率半径の最も小さな曲線路の軌条の上に
ある状態において、構成体203が前記曲線の内側に配
置される場合を示す簡略化した平面図である。上述のよ
うに本実施の形態の第1および第2弾性変形部102,
103は、図10〜図12に示されるような軌道車両2
2a,22bが直線路の軌条の上にある状態で、それぞ
れの先端部102a,103aが互いに弾発的に押圧し
合うような構成である。この状態における第1および第
2弾性変形部102,103の、上下方向に対して垂直
な仮想一平面における断面形状は、第1および第2弾性
変形部102,103が互いに弾発的に押圧し合わない
ような構成と比較して、それぞれの長手方向により小さ
く、かつそれぞれの幅方向により大きくなるように弾性
変形している。
【0129】したがって図13に示されるような軌道車
両22a,22bが曲率半径の最も小さな曲線路の軌条
の上にある状態において、構成体203が前記曲線の外
側に配置されるような状態では、図10〜図12に示さ
れるような状態の第1および第2弾性変形部102,1
03と比較して、それぞれの長手方向により大きくな
り、かつそれぞれの幅方向により小さくなるように変形
する。
【0130】また図14に示されるような、軌道車両2
2a,22bが曲率半径の最も小さな曲線路の軌条の上
にある状態において構成体203が前記曲線の内側にあ
るような状態では、第1および第2弾性変形部102,
103は、図10〜図12に示される状態から、それぞ
れの長手方向に関してより短く、かつそれぞれの幅方向
に関してより大きくなるように弾性変形する。すなわち
第1および第2弾性変形部102,103は、対向する
取付け座S1,S3間の最大の直線距離W2と最小の直
線距離W3との間で伸縮変位を許容することができる。
【0131】すなわち第1および第2弾性変形部10
2,103は、上述のような押圧を許容できる強度を有
し、かつプラットホームにいる利用者が押圧しても前記
幅方向内方への変形量が少なくなるような厚みW5に選
ばれる。
【0132】上述した本実施の形態の転落防護装置10
1は、各取付け座にその基端部分が固定され軌道車両2
2a,22bの前後軸方向にほぼ沿って突出する剛性の
第1および第2支持部104,105と、前記第1およ
び第2支持部104,105の各遊端部分にそれぞれの
基端部分が連結される第1および第2弾性変形部10
2,103とを有する。このような転落防護装置101
は、前記軌道車両22a,22bの各前後軸方向が一直
線上または平行に配置された状態において、第1および
第2弾性変形部102,103の各先端部分102a,
103aが相互に弾発的に押圧し合う。
【0133】このようにして対向する取付け座間のほぼ
全長にわたって転落防護装置101が設けられているの
で、軌道車両22a,22bが乗降用の停車場に停車す
る状態では、各妻壁23a,23b間の隙間とプラット
ホーム空間とを連ねる上下方向に沿って延びる開口が全
く、またはほとんど形成されない。
【0134】また前記第1および第2弾性変形部10
2,103は可撓性および弾発性を有するので各軌道車
両22a,22bが互いに近接するように相対的に変位
したとしても、破損してしまうことなく、各妻壁23
a,23bの相対的変位を許容することができる。
【0135】このように大きな開口が形成されることを
防ぎ、かつ各妻壁23a,23b間の変位を許容できる
上で、第1および第2弾性変形部102,103は、上
述したように剛性の支持部の遊端部分に連結されている
ので、転落防護装置全体が可撓性および弾発性を有する
ような構成と比較して、プラットホームにいる利用者が
転落防護装置にもたれ掛かった場合などには、転落防護
装置21全体の幅方向内方への変位量を小さくすること
ができる。したがって上述のように利用者が転落防護装
置21に倒れかかったとしても、転落防護装置21が幅
方向内方に大きく変位して、前記隙間とプラットホーム
空間とを連ねる開口がより大きく形成されてしまうこと
を防ぐことができる。したがってこのような転落防護装
置を設けないような構成と比較して、利用者の体が嵌ま
り込むような開口がほとんど形成されないので、より安
全性が向上される。また弾性変形部は剛性を有する支持
部に連結されているので、上述のように転落防護装置に
倒れかかった利用者は、支持部をつかんでその体勢を立
て直すことも可能である。
【0136】さらに転落防止装置101は、軌道車両2
2a,22bが停車場に停車する状態では、第1および
第2支持部104,105よりも、第1および第2弾性
変形部102,103がよりプラットホーム側に突出す
るように設けられる。したがって利用者が転落防護装置
101にもたれかかったときには、可撓性を有する第1
および第2弾性変形部102,103によって利用者の
身体を受け止めやすい。したがって利用者が上述のよう
に倒れかかった場合においても、利用者の身体を傷つけ
ることなく受け止めることができる。
【0137】さらに前記第1および第2弾性変形部10
2,103は、その各先端部分102a,103aが対
向する妻壁23a,23bに向かって凸に形成される。
これによって第1および第2弾性変形部102,103
は、その各先端部分102a,103aが上述のように
凸に形成されないような構成と比較して、軌道車両22
a,22bが各幅方向にずれるように相対変位したとし
ても、上述の開口がより大きく形成されにくく、かつ軌
道車両22a,22bが互いに近接するように相対的に
変位したとしても互いに当接する面積を小さくし、この
当接した状態で前記幅方向により大きく変形することが
可能である。したがって上述の各取付け座間の間隔のよ
り大きな変化を許容することができる。
【0138】またさらに上述のように各取付け座間の間
隔の変化に応じて繰返し変形するのは第1および第2弾
性変形部102,103のみであって、第1および第2
弾性変形部102,103が上述した繰返しの弾性変形
によって劣化した場合には、第1および第2支持部10
4,105から劣化した第1および第2弾性変形部10
2,103をそれぞれ取外し、新たな弾性変形部を取付
ければよい。このように弾性変形部のみを交換すること
によって新たな転落防護装置を実現することができ、繰
返しの弾性変形による劣化に応じて転落防護装置全体を
交換するような構成と比較して、経済的である。
【0139】また前記第1および第2弾性変形部10
2,103は上下方向に垂直な断面形状が前記軌道車両
22a,22bの前後軸方向に長い長円状である筒体か
ら成る。これによって、軌道車両22a,22bの幅方
向に沿った厚みが可及的に小さく、軽量であり、かつ前
記前後軸方向に沿った変形を許容することができる第1
および第2弾性変形部102,103を実現することが
可能である。
【0140】また本実施の形態の第1および第2弾性変
形部102,103は、上下方向に対して垂直な仮想一
平面における断面形状が、各軌道車両の各前後軸方向に
長手の長円状のうち、楕円状であるように形成されるの
で、第1および第2弾性変形部は上述の断面形状が軌道
車両が直線路の軌条の上にある状態で真円となるような
構成と比較して、第1および第2弾性変形部の前記軌道
車両22a,22bの幅方向に沿った全体の厚みが小さ
いので、第1および第2弾性変形部を各取付け座に連結
するための第1および第2支持部をよりプラットホーム
空間側に近接させて固定することができる。
【0141】さらにまた本実施の形態の弾性変形部の前
記断面形状は、長円の中でも、特に直線状の部分を有し
ない楕円状に形成されるので、弾性変形部が直線状の部
分を有するような構成と比較して、より高い弾性変形を
得ることができる。
【0142】また本実施の形態の第1および第2弾性変
形部102,103は、軌道車両22a,22bが直線
路の軌条の上にある状態で、各々の前記長手方向が略一
致し、かつ相互に弾発的に押圧し合うような構成である
ので、仮に利用者が第1および第2弾性変形部102,
103にもたれ掛かった場合でも容易にプラットホーム
空間29から離れる方向である前記幅方向内方に曲がる
ように変形してしまうことがなく、前記開口を形成しな
い。
【0143】また前記第1および第2弾性変形部10
2,103の軌道車両22a,22bの幅方向外方側の
部分には第1および第2係止孔115,116が形成さ
れる。これによって軌道上の落下物を拾うために利用者
が前記隙間に降りる必要があるときには、第1および第
2係止孔115,116を手または足を掛けるステップ
として軌道上とプラットホームとの間の昇り降りに利用
することが可能である。またプラットホームにいる利用
者が前記隙間に転落しかかった場合には、第1および第
2係止孔115,116を手掛かりとして第1および第
2弾性変形部102,103につかまることができ、こ
れによって体勢を立て直すことも可能である。上述のよ
うに第1および第2弾性変形部102,103は筒体で
あるので、第1および第2係止孔115,116を形成
して荷重をかけたとしても、荷重を全体に分散させて支
持することができる。
【0144】また上述したように第1弾性変形部102
の内部空間には縄ばしごが設けられる。したがって軌道
上に落下物があるなど、必要に応じて図12に仮想線1
17で示されるように縄ばしごを下方に降ろして、前記
軌道上とプラットホーム空間との間の昇り降りに利用す
ることが可能である。
【0145】図15は本発明の実施の第4の形態の転落
防護装置121を示す平面図である。本実施の形態の転
落防護装置121は、上述の実施の各形態の転落防護装
置と類似しており、同様の構成を有する部分は同一の参
照符を付して説明を省略し、異なる構成を有する部分に
ついてだけ説明する。本実施の形態は、上述した実施の
第3の形態の転落防護装置101と特に類似しており、
転落防護装置101と異なるのは、第1および第2弾性
変形部122,123である。
【0146】本実施の形態の第1および第2弾性変形部
122,123は、上述の第1および第2弾性変形部1
02,103と、大略的には同様の形状である。第1お
よび第2弾性変形部102,103と異なるのは、軌道
車両22a,22bが停車場に停車する状態でプラット
ホーム空間29に臨む側である第1および第2弾性変形
部122,123の各幅方向一方側の反対側の各他方側
に、第1および第2弾性変形部122,123の前記各
軸線方向に沿って延びる切欠き126,127がそれぞ
れ形成される点である。上述した第1および第2弾性変
形部122,123の各幅方向他方とは、軌道車両の前
記各幅方向内方C1b,D1bとそれぞれ等しい方向を
指す。
【0147】すなわち図15に示されるように、本実施
の形態の第1および第2弾性変形部122,123は、
上下方向に垂直な仮想一平面における断面形状が、それ
ぞれの幅方向他方側に開口を有する略C字状に形成され
る。これによって第1および第2弾性変形部122,1
23は、上述した実施の第3の形態の転落防護装置10
1の第1および第2弾性変形部102,103と比較し
て、よりそれぞれの長手方向に沿って大きく弾性変形す
ることが可能である。したがって、より小さな各取付け
座間の直線距離を許容することが可能である。
【0148】図16は本発明の実施の第5の形態の転落
防護装置141を示す簡略化した正面図である。本実施
の形態の転落防護装置141は、上述した各実施の形態
の転落防護装置と類似しており、同様の構成を有する部
分は同一の参照符を付して説明を省略し、異なる構成を
有する部分についてだけ説明する。本実施の形態は、上
述した実施の第3の形態の転落防護装置101と特に類
似している。
【0149】本実施の形態の第1および第2弾性変形部
142,143は、各取付け座S1,S3間において各
軌道車両22a,22bの各車体24a,24bの上端
部から下端部のほぼ全域にわたって上下方向に沿って延
びる略長円筒状に実現される。
【0150】また本実施の形態においては、第1弾性変
形部142は、上下方向に相互に間隔を有する複数本
の、本実施の形態においては5本の第1支持部144
a,144b,144c,144d,144eにそれぞ
れ上下方向に沿って連結され、妻壁23aに固定され
る。同様に第2弾性変形部143も、上下方向に相互に
間隔をあけて複数本の、本実施の形態においては5本の
第2支持部145a,145b,145c,145d,
145eにそれぞれ上下方向に沿って連結され、妻壁2
3bに固定される。
【0151】また本実施の形態の第1弾性変形部142
は、各々幅方向一方に上下方向に間隔をあけて5箇所の
第1係止孔147a,147b,147c,147d,
147eが上から順に形成される。同様に第2弾性変形
部143にも、5箇所の第2係止孔148a,148
b,148c,148d,148eが形成される。第1
および第2係止孔147a〜147e,148a〜14
8eは、上述した実施の形態の第1および第2係止孔1
15,116と同じように形成される。
【0152】このように本実施の形態の転落防護装置1
41は、第1および第2弾性変形部142,143が、
軌道車両22a,22bの車体24a,24bの上端面
から下端面のほぼ全域にわたって上下方向に沿って延び
て設けられるので、上述した実施の第3の形態の転落防
護装置101の効果に加えて、軌道車両22a,22b
の走行時には、前記軌道車両22a,22bの走行に伴
う空気流の乱れを低減することができ、したがって空力
騒音を低減することが可能である。
【0153】上述した実施の第3〜第5の形態におい
て、第1および第2弾性変形部は、各軌道車両22a,
22bが直線路の軌条の上にある状態では、相互に弾発
的に押圧し合うような構成であったけれども、第1およ
び第2弾性変形部は相互に接触しているだけでもよく、
またわずかに間隔をあけて近接していてもよい。なお、
上述のように第1および第2弾性変形部が相互に間隔を
あけて近接しているような構成において、前記間隔は、
上下方向に沿って延びる開口に相当するけれども、その
開口の幅は利用者の身体が入り込んでしまわない程度に
選ばれることが好ましい。
【0154】また第1および第2弾性変形部は、大略的
に、上下方向に垂直な仮想一平面における断面形状が前
記軌道車両の前後軸方向に長い長円状のうち、直線部分
を有しない楕円状であったけれども、直線部分を有する
ような長円状であってもよい。
【0155】また上述した実施の第3の形態の転落防護
装置101の第1および第2弾性変形部102,103
にはその各幅方向一方側に第1および第2係止孔11
5,116が形成される構成であったけれども、第1お
よび第2係止孔は各第1および第2弾性変形部の幅方向
他方側にも形成されているような構成であってもよく、
また第1および第2係止孔が形成されないような構成で
あってもよい。
【0156】また上述した実施の第3〜第5の形態にお
いては、転落防護装置は各軌道車両の各妻壁の幅方向両
側部に設けられていたけれども、少なくとも幅方向一方
側に形成されていればよい。
【0157】また本発明の実施の他の形態として、前記
各転落防止のための領域は、床構造体30の上面30a
から、前記床構造体30上に平均的な身長の成人の利用
者が立ったときの利用者の少なくとも腰より上方の高さ
の位置の範囲に設定されてもよい。
【0158】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の本発明によ
れば、相互に連結される軌道車両の対向する各妻壁の予
め定める転落防止のための領域に連結されて、転落防護
装置が設けられる。前記領域は、各妻壁の軌道車両にお
ける少なくとも相互に対向する各幅方向一側部に上下方
向に延びた領域として定められる。転落防護装置は、そ
の基端部が上述した予め定める転落防止のための領域に
連結され、軌道車両の前後軸方向にほぼ沿って延びる棒
状の防護アームを含む。このような転落防護装置の、各
妻壁のいずれか一方に連結される防護アームと、各妻壁
のいずれか他方に連結される防護アームとが、上下方向
に相互にずれて設けられる。またさらに一方の妻壁に連
結される防護アームの先端部は、対向する他方の妻壁に
連結される防護アームの先端部よりも他方の妻壁寄りに
突出して設けられる。これによって軌道車両が乗降用の
停車場に停車しているとき、各妻壁間の隙間とプラット
ホーム空間とを連ねる上下方向に沿って延びる開口が形
成されることが防がれる。
【0159】また前記防護アームは、少なくとも軌道車
両の幅方向内方および下方への変位が阻止された状態で
所定位置に設けられる。これによってプラットホーム空
間にいる利用者が転落防護装置にもたれ掛かったとして
も、利用者がもたれ掛かった各防護アームは前記幅方向
内方および下方へ変位することなく、利用者の体を確実
に支持することができる。したがって前記隙間がプラッ
トホーム空間に上下方向に延びる開口を介して連なる構
成と比較して、利用者の体が嵌まり込むような開口が形
成されないので、利用者の隙間への転落を確実に防止す
ることができ、より安全性が向上される。またプラット
ホーム空間にいる利用者がつまづくなどして体勢を崩し
たとき、防護アームを手でつかんだり足を掛けて踏ん張
ってその体勢を立て直すことが可能である。
【0160】さらに上述のように転落防護装置は、各妻
壁のいずれか一方に連結される防護アームと、各妻壁の
いずれか他方に連結される防護アームとが、上下方向に
相互にずれて設けられる。これによって転落防護装置
は、相互に連結される軌道車両が曲線路の軌条の上を走
行するときなど、各軌道車両の前後軸方向が互いに平行
な状態から角変位するように変位しても、各防護アーム
の互いの干渉を避けて、前記各妻壁の相対的変位を許容
することができる。
【0161】請求項2記載の本発明によれば、請求項1
に記載の構成に加えて、前記防護アームは、前記所定位
置からその先端部が前記軌道車両の幅方向外方に変位す
るように角変位可能に連結される。これによってたとえ
ば軌道車両が停車場に停車している状態で、軌道上の落
下物を拾うために、利用者が前記隙間に降りる必要があ
るときには、防護アームを前記所定位置からその先端部
が軌道車両の幅方向外方に変位するように角変位させる
ことができる。このように防護アームの先端部を前記幅
方向外方に変位するように角変位させた状態では、プラ
ットホーム空間と前記隙間とを連ねる利用者が通過可能
な大きな開口が形成されるので、利用者は軌道上に降り
ることが可能であるとともに、軌道上からプラットホー
ムに昇ることが可能である。このように前記軌道上に落
下物がある場合などには、転落防護装置全体を取外すこ
となく防護アームを角変位させるだけで、前記隙間とプ
ラットホーム空間との間を通ることができるので、落下
物を拾うための作業が容易である。また落下物を拾うた
め以外に、車両の点検などのために防護アームを角変位
することができる。
【0162】また転落防護装置は、上述の防護アームの
角変位を抑制することができる抑制手段を含む。これに
よって軌道車両の走行時の振動または遠心力などによっ
て、防護アームが不所望に角変位してしまうことが防が
れる。すなわちこのような抑制手段によって、上述のよ
うに防護アームを角変位させる必要に迫られた場合以外
は、防護アームを前記所定位置に保持することができ
る。したがって転落防護装置は、上述のように軌道上の
落下物を拾うためなど必要に迫られた場合以外には、各
妻壁間の隙間とプラットホーム空間とを連ねる上下方向
に沿って延びる開口を形成することがない。
【0163】請求項3記載の本発明によれば、請求項1
または2に記載の構成に加えて、前記転落防護装置は、
前記防護アームが所定位置に配置されているか否かを検
出する位置検出手段を含む。これによって位置検出手段
からの検出情報に基づいて軌道車両を制御することがで
きる。したがってたとえば前記防護アームが前記所定位
置から角変位されており、その先端部が前記所定位置よ
りも軌道車両の幅方向外方側に位置するような状態で、
軌道車両が停車場から発車するような不具合を防ぐこと
ができる。
【0164】また転落防護装置は前記防護アームに作用
する荷重を検出する荷重検出手段を含む。これによって
荷重検出手段からの検出情報に基づいて軌道車両を制御
することができる。したがってたとえばプラットホーム
にいる利用者が防護アームにもたれ掛かるなどして防護
アームに荷重が作用しているような状態で、軌道車両が
停車場から発車してしまうような不具合を防ぐことがで
きる。
【0165】請求項4記載の本発明によれば、請求項1
〜3のいずれかに記載の構成に加えて、前記防護アーム
は相互に連結される軌道車両の対向する各妻壁に固定さ
れる支持体に設けられる。すなわち防護アームは、前記
支持体を介して、上述した予め定める転落防止のための
領域にその基端部が連結される。このように防護アーム
を妻壁に連結する支持体は妻壁に固定されているので、
軌道車両の点検など各妻壁間の隙間で作業する必要があ
る場合には、支持体を手または足を掛けるステップとし
て利用して軌道上とプラットホームとの間を昇り降りす
ることが可能である。また上述の作業を支持体につかま
ったまま行うことも可能である。さらに前記隙間での作
業以外にも、軌道車両の屋根とプラットホームまたは軌
道上との間の昇降のための手または足を掛けるステップ
としても利用することができる。
【0166】また前記支持体の上面は凹凸状に形成され
る。これによって上述のように支持体をステップとして
利用する場合には、前記凹凸が滑り止めとしての役割を
果す。
【0167】請求項5記載の本発明によれば、相互に連
結される軌道車両の対向する各妻壁の予め定める転落防
止のための領域に連結されて、転落防護装置が設けられ
る。前記領域は、各妻壁間の軌道車両における少なくと
も幅方向一側部に上下方向に延びた領域として定められ
る。転落防護装置は、前記領域にその基端部分が固定さ
れ軌道車両の前後軸方向にほぼ沿って突出する剛性の各
支持部と、前記各支持部の遊端部分にその基端部分が連
結される弾性変形部とを有する。このような転落防護装
置は、前記軌道車両の各前後軸方向が一直線上または平
行に配置された状態において、各弾性変形部の先端部分
が相互に接触またはわずかに間隔をあけて近接する。こ
のようにして前記転落防止のための領域間のほぼ全長に
わたって転落防護装置が設けられているので、軌道車両
が乗降用の停車場に停車する状態では、各妻壁間の隙間
とプラットホーム空間とを連ねる上下方向に沿って延び
る開口が全く、またはほとんど形成されない。
【0168】また前記弾性変形部は可撓性および弾発性
を有するので各軌道車両が互いに近接するように相対的
に変位したとしても、破損してしまうことなく、各妻壁
の相対的変位を許容することができる。
【0169】このように大きな開口が形成されることを
防ぎ、かつ各妻壁間の変位を許容できる上で、弾性変形
部は、上述したように剛性の支持部の遊端部分に連結さ
れているので、転落防護装置全体が可撓性および弾発性
を有するような構成と比較して、プラットホームにいる
利用者が転落防護装置にもたれ掛かった場合などには、
転落防護装置全体の幅方向内方への変位量を小さくする
ことができる。したがって上述のように利用者が転落防
護装置に倒れかかったとしても、転落防護装置が幅方向
内方に大きく変位して、前記隙間とプラットホーム空間
とを連ねる開口がより大きく形成されてしまうことを防
ぐことができる。したがってこのような転落防護装置を
設けないような構成と比較して、利用者の体が嵌まり込
むような開口がほとんど形成されないので、より安全性
が向上される。また弾性変形部は剛性を有する支持部に
連結されているので、上述のように転落防護装置に倒れ
かかった利用者は、支持部をつかんでその体勢を立て直
すことも可能である。
【0170】さらに前記弾性変形部は、その各先端部分
が対向する妻壁に向かって凸に形成される。これによっ
て弾性変形部は、その各先端部分が上述のように凸に形
成されないような構成と比較して、軌道車両が各幅方向
にずれるように相対変位したとしても、上述の開口がよ
り大きく形成されにくく、かつ軌道車両が互いに近接す
るように相対的に変位したとしても互いに当接する面積
を小さくし、この当接した状態で前記幅方向により大き
く変形することが可能である。したがって上述の各領域
間の間隔のより大きな変化を許容することができる。
【0171】またさらに上述のように各領域間の間隔の
変化に応じて繰返し変形するのは弾性変形部のみであっ
て、弾性変形部が上述した繰返しの弾性変形によって劣
化した場合には、支持部から劣化した弾性変形部を取外
し、新たな弾性変形部を取付ければよい。このように弾
性変形部のみを交換することによって新たな転落防護装
置を実現することができ、繰返しの弾性変形による劣化
に応じて転落防護装置全体を交換するような構成と比較
して、経済的である。
【0172】請求項6記載の本発明によれば、請求項5
に記載の構成に加えて、前記弾性変形部は上下方向に垂
直な断面形状が前記軌道車両の前後軸方向に長い長円状
である筒体から成る。これによって、軌道車両の幅方向
に沿った厚みが可及的に小さく、軽量であり、かつ前記
前後軸方向に沿った変形を許容することができる弾性変
形部を実現することが可能である。
【0173】また前記弾性変形部の少なくとも軌道車両
の幅方向外方側の部分には係止孔が形成される。これに
よって軌道上の落下物を拾うために利用者が前記隙間に
降りる必要があるときには、係止孔を手または足を掛け
るステップとして軌道上とプラットホームとの間の昇り
降りに利用することが可能である。またプラットホーム
にいる利用者が前記隙間に転落しかかった場合には、係
止孔を手掛かりとして弾性変形部につかまることがで
き、これによって体勢を立て直すことも可能である。上
述のように弾性変形部は筒体であるので、係止孔を形成
して荷重をかけたとしても、荷重を全体に分散させて支
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態の転落防護装置21
を簡略化して示す正面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た簡略化した
断面図である。
【図3】図1のセクションIIIを拡大して示す簡略化
した正面図である。
【図4】図3の第1レバー支え37を示す正面図であ
る。
【図5】図4の第1レバー支え37の右側面図である。
【図6】図3の第1レバー33の、レバー本体63の軸
線を含みかつ上下方向に対して垂直な仮想一平面である
切断面線VI−VIから見た端面図である。
【図7】図3の第1レバー支え37の板ばね71を簡略
化して示す斜視図である。
【図8】図3のセクションVIIIを拡大して示す簡略
化した断面図である。
【図9】本発明の実施の第2の形態の転落防護装置91
のレバー92の、レバー本体93の軸線を含みかつ上下
方向に垂直な仮想一平面における断面図である。
【図10】本発明の実施の第3の形態の転落防護装置1
01を簡略化して示す正面図である。
【図11】図10の転落防護装置101の簡略化した平
面図である。
【図12】図10のセクションXIIを一部切欠いて拡
大して示す簡略化した正面図である。
【図13】図10の軌道車両22a,22bが曲率半径
の最も小さな曲線路の軌条の上にある状態において、構
成体203が前記曲線の外側にある状態を簡略化して示
す平面図である。
【図14】図10の軌道車両22a,22bが曲率半径
の最も小さな曲線路の軌条の上にある状態において、構
成体203が前記曲線の内側にある状態を簡略化して示
す平面図である。
【図15】本発明の実施の第4の形態の転落防護装置1
21を簡略化して示す平面図である。
【図16】本発明の実施の第5の形態の転落防護装置1
41を簡略化して示す正面図である。
【図17】従来の転落防止用外幌取付け装置1を示す簡
略化した正面図である。
【図18】図17の転落防止用外幌取付け装置1の簡略
化した平面図である。
【符号の説明】
21,91,101,121,141 転落防護装置 22a,22b 軌道車両 23a,23b 妻壁 25 車両用連結幌 26,27 隙間 28 軌道空間 29 プラットホーム空間 30 プラットホームの床構造体 31,92 レバー 32 レバー支え 102,122,142 第1弾性変形部 103,123,143 第2弾性変形部 104,124,144 第1支持部 105,125,145 第2支持部 S1〜S4 取付け座
フロントページの続き (72)発明者 大川 健 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 (72)発明者 小林 昇 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目12番14 号 川重車両エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 野田 宏 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目12番14 号 川重車両エンジニアリング株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に連結される軌道車両の対向する各
    妻壁の少なくとも相互に対向する各幅方向一側部の予め
    定める転落防止のための領域に基端部が連結され、軌道
    車両の前後軸方向にほぼ沿って延びる所定位置に、少な
    くとも前記幅方向内方および下方への変位が阻止された
    状態で設けられる棒状の防護アームを含み、 各妻壁のいずれか一方に連結される防護アームと、各妻
    壁のいずれか他方に連結される防護アームとは、上下方
    向に相互にずれて設けられ、 一方の妻壁に連結される防護アームの先端部は、対向す
    る他方の妻壁に連結される防護アームの先端部よりも他
    方の妻壁寄りに突出して設けられることを特徴とする転
    落防護装置。
  2. 【請求項2】 前記防護アームは、前記所定位置から先
    端部が前記軌道車両の幅方向外方に変位するように角変
    位可能に連結され、所定位置にある防護アームの角変位
    を抑制することができる抑制手段を含むことを特徴とす
    る請求項1記載の転落防護装置。
  3. 【請求項3】 前記防護アームが前記所定位置に配置さ
    れているか否かを検出する位置検出手段と、防護アーム
    に作用する荷重を検出する荷重検出手段とを含むことを
    特徴とする請求項1または2記載の転落防護装置。
  4. 【請求項4】 前記防護アームは、妻壁に固定される支
    持体に設けられ、前記支持体の上面は凹凸状に形成され
    ることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記
    載の転落防護装置。
  5. 【請求項5】 相互に連結される軌道車両の対向する各
    妻壁の少なくとも相互に対向する各幅方向一側部の予め
    定める転落防止のための領域にその基端部分が固定さ
    れ、軌道車両の前後軸方向にほぼ沿って突出する剛性の
    支持部と、 可撓性および弾発性を有し、各支持部の遊端部分に連結
    され、先端部分が対向する妻壁に向かって凸に湾曲して
    形成される弾性変形部とを有し、 各軌道車両の前後軸方向が一直線上または平行に配置さ
    れた状態において、各弾性変形部の先端部分は、相互に
    接触またはわずかに間隔をあけて近接することを特徴と
    する転落防護装置。
  6. 【請求項6】 前記弾性変形部は、上下方向に垂直な断
    面形状が前記軌道車両の前後軸方向に長い長円状である
    筒体から成り、少なくとも前記軌道車両の幅方向外方側
    の部分には、係止孔が形成されることを特徴とする請求
    項5記載の転落防護装置。
JP11169851A 1999-06-16 1999-06-16 転落防護装置 Pending JP2001001892A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101374004B1 (ko) 2012-04-25 2014-03-19 홍익대학교 산학협력단 고속철도차량의 공력소음 저감장치
CN106218658A (zh) * 2016-07-29 2016-12-14 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 一种轨道车辆用横向止挡及轨道车辆

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