JP2001001368A - 射出成形同時絵付用シート - Google Patents

射出成形同時絵付用シート

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JP2001001368A
JP2001001368A JP11178198A JP17819899A JP2001001368A JP 2001001368 A JP2001001368 A JP 2001001368A JP 11178198 A JP11178198 A JP 11178198A JP 17819899 A JP17819899 A JP 17819899A JP 2001001368 A JP2001001368 A JP 2001001368A
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sheet
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polyolefin
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JP11178198A
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Isao Tajima
功 田島
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色透明感、表面物性に優れ且つ安価なポリ
オレフィン系樹脂でも密着良くラミネ−トする。 【解決手段】 射出成形同時絵付用シートSは、最表面
層となる着色剤で着色された着色透明のアクリル樹脂シ
ート1に、バインダーの樹脂が塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体とアクリル樹脂との混合物又はアクリルウレタ
ン樹脂の装飾層2、ウレタン樹脂のプライマー層3、ポ
リオレフィン系樹脂シート5が積層された構成とする。
バインダーの樹脂が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と
アクリル樹脂との混合物の装飾層2Aでは、プライマー
層とポリオレフィン系樹脂シート間に接着剤層4を設け
る。ポリオレフィン系樹脂シート5はポリオレフィン系
樹脂層5A及び5Bの積層体でも良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にポリオレフィ
ン系樹脂からなる樹脂成形物にも密着良くラミネートで
きる射出成形同時絵付用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、樹脂成形物の表面を絵付した
絵付け成形品が各種用途で使用されている。例えば、特
公昭50−19132号公報、特公昭43−27488
号公報等に開示の射出成形同時絵付方法等では、射出成
形同時絵付用シートを射出成形の雌雄両型間に配置した
後、溶融樹脂をキャビティ内に射出充填することで、樹
脂成形物の成形と同時にその表面に射出成形同時絵付用
シートを接着積層して、該シートで絵付された絵付け成
形品を得る方法を開示している。
【0003】ところで、従来、射出成形同時絵付方法に
て、樹脂成形物に使用する射出成形樹脂としては、AB
S樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が多か
った。この為、射出成形同時絵付方法にて樹脂成形物表
面に積層する為に用いるラミネートタイプの射出成形同
時絵付用シートについても、これらの射出成形樹脂に接
着が良い仕様のものが一般的であった。
【0004】そして、得られる絵付け成形品に塗装感や
表面艶等の意匠性を付与して高級感を出すとともに十分
な耐擦傷性、耐候性等の表面物性も得る為には、(1)
最表面層とする樹脂シートとして、透明性に優れたポリ
メチルメタクリレート(PMMA)等の透明なアクリル
樹脂シートを使用して、その裏側(樹脂成形物側となる
側)に装飾層等を印刷形成した構成としていた(特公昭
50−19132号公報等参照)。(2)また、このま
までは、樹脂成形物の色が透けて見え易いのを防いだ
り、射出成形型で真空成形する際の成形性を調整したり
する等の為に、上記装飾層の裏側に、更に着色隠蔽層と
して着色されたABS樹脂シートを積層した構成の射出
成形同時絵付用シート等も使用されてきた。(3)ま
た、安価の樹脂シートである等の点で、透明なポリプロ
ピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂シート
の裏側に装飾層を印刷等で形成した構成の射出成形同時
絵付用シート等も使用されて来た(特公昭50−191
32号公報等参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが最近は、射出
成形樹脂としてポリプロピレン等の安価なポリオレフィ
ン系樹脂の使用が望まれる事が多い。しかし、例えば上
記(1)〜(2)の如き構成の射出成形同時絵付用シー
トでは、いずれもポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成
形物に対して満足すべき密着性でラミネートできるもの
ではなかった。その上、(1)の構成の射出成形同時絵
付用シートでは、アクリル樹脂シート自体が、ポリオレ
フィン系樹脂シートや可塑化塩化ビニル樹脂シートに比
べて、常温において硬く、また、射出成形同時絵付けに
用いる場合、通常使用する厚みが0.1〜0.2mmで
あるために、樹脂シートとしての腰(形状保持性)が無
いと同時に割れ易く、装飾層の印刷時や射出成形同時絵
付時等に於いてシートのハンドリングが難しいとい問題
があった。更に、最表面層が単なる透明なアクリル樹脂
シートでは、意匠性として着色透明感は得られなかっ
た。また、(2)の構成の射出成形同時絵付用シートで
も、最表面層が単なる透明なアクリル樹脂シートでは、
意匠性として着色透明感は得られなかった。また、この
場合、(1)の構成よりもシートのハンドリング適性は
向上するが、その反面、裏面のABS樹脂シートがポリ
プロピレン等のポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成形
物と密着し難かった。また、(3)の構成の射出成形同
時絵付用シートでも、最表面層が単なる透明なポリオレ
フィン系樹脂シートでは、意匠性として着色透明感は得
られなかった。そして、アクリル樹脂シートに比べて、
シートのハンドリング適性とポリオレフィン系樹脂成形
物との密着性はともに向上するが、その反面、最表面層
となるポリオレフィン系樹脂シートが耐候性、耐擦傷
性、透明性に劣った。
【0006】そこで、本発明の課題は、ラミネートタイ
プの射出成形同時絵付用シートにおいて、得られる絵付
け成形品に着色透明の意匠性の共に十分な表面物性を付
与できる上、射出成形樹脂として、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン系樹脂を用いても、密着良く樹脂成形物
に積層できる様なシートを提供する事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の射出成形同時絵付用シートの第1の発
明では、図1(A)に例示する射出成形同時絵付用シー
トSの如く、ラミネートタイプの射出成形同時絵付用シ
ートにおいて、最表面層となる透明で着色剤で着色され
た着色透明のアクリル樹脂シート1に、少なくとも、バ
インダーの樹脂が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とア
クリル樹脂との混合物又はアクリルウレタン樹脂を主成
分とする装飾層2と、ウレタン樹脂を主成分とするプラ
イマー層3と、ポリオレフィン系樹脂シート5とが、こ
の順に積層されてなる構成とした。
【0008】また、本発明の射出成形同時絵付用シート
の第2の発明では、図1(B)に例示する射出成形同時
絵付用シートSの如く、ラミネートタイプの射出成形同
時絵付用シートにおいて、最表面層となる透明で着色剤
で着色された着色透明のアクリル樹脂シート1に、少な
くとも、バインダーの樹脂が塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体とアクリル樹脂との混合物を主成分とする装飾層
2Aと、ウレタン樹脂を主成分とするプライマー層3
と、塩素化ポリプロピレンを主成分とする接着剤層4
と、ポリオレフィン系樹脂シート5とが、この順に積層
されてなる構成とした。
【0009】以上の様に、ラミネ−ト後に最表面層とす
る層に透明で着色剤で着色された着色透明のアクリル樹
脂シートを採用し、一方、樹脂成形物に接する最裏面層
としてはポリオレフィン系樹脂シートを採用し、装飾層
はこれらの間に設け、そして、該装飾層を密着良く積層
する為に、装飾層とポリオレフィン系樹脂シート間にプ
ライマー層を設け、また更に、第2の発明では接着剤層
をプライマー層とポリオレフィン系樹脂シート間に設け
た層構成とした上で、これら装飾層、プライマー層、或
いは更に接着剤層の各々に特定材料を採用して組み合わ
せる事で、得られる絵付け成形品に優れた着色透明感と
表面物性を付与できる上、特にポリオレフィン系樹脂の
樹脂成形物に密着良くラミネートでき、しかも射出成形
同時絵付用シートの層内の密着性も良好にできる。
【0010】また、本発明の射出成形同時絵付用シート
の第3の発明では、図1(C)に例示する射出成形同時
絵付用シートSの如く、上記第1又は第2の発明に於い
て更に、ポリオレフィン系樹脂シート5が、表側の第1
ポリオレフィン系樹脂層5Aと裏側の第2ポリオレフィ
ン系樹脂層5Bとの積層体からなる構成とした。
【0011】この様に、ポリオレフィン系樹脂シート
を、表側の第1ポリオレフィン系樹脂層と裏側の第2ポ
リオレフィン系樹脂層との積層体から構成することで、
裏側の方のポリオレフィン系樹脂シート5Bは、射出樹
脂の熱圧による熱融着で射出成形樹脂と接着するので、
裏側の方には汎用の安価なポリオレフィン系樹脂を使用
しても十分な接着性能が期待でき、一方、表側の方のポ
リオレフィン系樹脂シート5Aは、プライマー層3或い
は接着剤層4と密着させるので、例えば分子中に極性官
能基を有するポリオレフィン系樹脂を使用する等して、
低コストで良好な密着性が得られるポリオレフィン系樹
脂シートにできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、図1は、本発明の射出成形同時絵付用シー
トの各種形態例を例示する断面図、図2は本発明の射出
成形同時絵付用シートの用途である射出成形同時絵付方
法を説明する概念図、図3は本発明の射出成形同時絵付
用シートを用いて得られる絵付け成形品を例示する断面
図である。
【0013】〔概要〕先ず、図1(A)に例示の一形態
で、本発明の射出成形同時絵付用シートを説明すれば、
本発明の射出成形同時絵付用シートSは、最表面層は透
明で着色剤で着色された着色透明なアクリル樹脂シート
1からなり、最裏面層はポリオレフィン系樹脂シート5
からなり、そして装飾層2をこれら層間に有し、更に装
飾層2とポリオレフィン系樹脂シート5間にプライマー
層3を有する構成を基本的な層構成とする。そしてのこ
の様な層構成に対して、各層の構成材料を、図1(A)
の形態では、(最表面層及び最裏面層に上記特定材料を
採用した上で)装飾層2、プライマー層3に次の様な特
定材料を採用して層間の密着性を良好にする。すなわ
ち、装飾層2はそのバインダーの樹脂が塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との混合物又はアクリ
ルウレタン樹脂を主成分とする層とし、プライマー層3
はウレタン樹脂を主成分とする層とする。
【0014】そして、本発明の射出成形同時絵付用シー
トは、図1(A)に示す形態以外に、図1(B)及び
(C)に示す如き構成がある。
【0015】以下、更に各層について詳述する。
【0016】〔アクリル樹脂シート〕アクリル樹脂シー
ト1は、着色剤の添加で透明に着色されたアクリル樹脂
からなる着色透明の樹脂シートである。アクリル樹脂と
しては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポ
リブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリ
レート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル
(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等のアクリル
樹脂〔但し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート
又はメタクリレートの意味〕を単体又は2種以上の混合
物として用いる。
【0017】上記着色剤としては、有機顔料、無機顔
料、染料等の公知の着色剤を使用する事ができる。
【0018】例えば、黄色顔料としては、モノアゾ、ジ
スアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン
(例えばイソインドリノンイエロー)等の有機顔料、黄
鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロ
ー、アンチモン黄等の無機顔料が挙げられる。赤色顔料
としては、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔
料、キナクリドン(例えばキナクリドンレッド、キナク
リドンマゼンタ、キナクリドンスカーレット)等の有機
顔料、弁柄、朱、カドミウムレッド、クロムバーミリオ
ン等の無機顔料が挙げられる。青色顔料としては、銅フ
タロシアニン(例えばフタロシアニンブルー)、インダ
スレンブルー等の有機顔料、紺青、群青、コバルトブル
ー等の無機顔料が挙げられる。黒色顔料としては、アニ
リンブラック等の有機顔料、カーボンブラック等の無機
顔料が挙げられる。白色顔料としては、二酸化チタン、
亜鉛華、三酸化二アンチモン等の無機顔料が挙げられ
る。
【0019】また、耐候性が要求される場合には、着色
顔料が好ましく、例えば、黄色では、イソインドリノン
イエロー、スレンイエローG及び、パーマネントイエロ
ーHR等の有機顔料、黄色酸化鉄、ニッケルチタンイエ
ロー等の無機顔料、赤色では、キナクリドンレッド、パ
ーマネントレットFGR及び、パーマネントレッドF4
RG等の有機顔料、弁柄及び、硫化水銀カドミウム等の
無機顔料、青色では、フタロシアニンブルー、インダス
レンブルーRS等の有機顔料、群青、紺青等の無機顔
料、黒色ではカーボンブラック等の無機顔料、白色では
二酸化チタン、三酸化二アンチモン等の無機顔料を使用
すると良い。
【0020】また、着色顔料としては、透明性を損なわ
ない範囲内で光輝性顔料を使用して、光輝感による着色
透明としても良い。光輝性顔料としては、アルミニウム
粉、銅粉、真鍮粉等の金属粉や金属箔片、金属蒸着合成
樹脂フィルムの断裁片等の金属光沢を有する顔料、二酸
化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光
沢や干渉光沢を有する顔料、例えば、ポリエステル樹脂
層とアクリル樹脂層のように屈折率の異なる2種以上の
樹脂層を数μm以下程度の厚みで多層積層して、光の干
渉による虹彩色を生じさせたフィルム(例:マール社製
の「マールフィルム」(登録商標))を断裁した箔粉か
らなる顔料等が使用できる。
【0021】なお、着色顔料の粒径としては、使用用
途、要求物性に応じ適宜選択するが、通常0.1〜10
0μm程度が用いられる。また、着色顔料の添加量は、
顔料の種類によって異なるが、アクリル樹脂シートを透
視してその裏面の装飾層を透視可能な程度の透明度は維
持する量に抑える。
【0022】最表面層として、着色透明のアクリル樹脂
シートを使用し、装飾層をその下層とする事で、アクリ
ル樹脂自体が持つ優れた透明性によって、優れた着色透
明感、塗装感、表面艶等の高級感溢れる意匠性を付与出
来る事になる。また、ポリオレフィン系樹脂シート等に
くらべて、耐候性及び耐擦傷性等の表面物性も良好にで
きる。なお、着色透明とは、基本的には着色し且つアク
リル樹脂の優れた透明性が活きる透ける様な透明感であ
るが、着色し且つ曇った様な半透明でも良く(耐候性及
び耐擦傷性等の表面物性と共に、着色半透明としての意
匠感が付与できる)、着色半透明も包含する。
【0023】また、アクリル樹脂シートには、着色透明
とする為の着色剤の他に、更に良好な耐擦傷性を付与す
る為に、滑剤として炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤等の
滑剤を添加すると好ましい。但し、滑剤を添加し過ぎる
と射出成形同時絵付時に型内でシートが滑って、シワ、
歪み等を生じ易くなる。その為、滑剤はアクリル樹脂シ
ート表面の硝子平板上で測った動摩擦係数が0.2〜
0.9になる様に添加すると良い。添加量でいうと0.
1〜0.5重量%程度である。なお、アクリル樹脂シー
トは単層の他、2層以上の積層体の樹脂シートとして用
いても良い。
【0024】なお、アクリル樹脂シートの厚みは特に制
限は無いが、射出成形同時絵付用シート全体としての強
度を、このアクリル樹脂シートで持たせる必要は無く、
また厚すぎると射出成形同時絵付用シートの腰が強くな
り過ぎてハンドリングが悪くなるので、付与する着色透
明感、塗装感等の表面特性に応じて、通常は20〜20
0μm程度とする。
【0025】〔装飾層〕装飾層2、2Aは、印刷等で例
えば絵柄等を表現した層である。装飾層2、2Aは、そ
のバインダーの樹脂の主成分に特定の樹脂を使用する。
すなわち、第1の発明、及び該第1の発明に対する第3
の発明、に於ける装飾層2〔図1(A)及び(C)参
照〕は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹
脂との混合物、或いはアクリルウレタン樹脂を、バイン
ダーの樹脂の主成分として構成する。また、第2及び該
第2の発明に対する第3の発明、に於ける装飾層2A
〔図1(B)及び(C)参照〕は、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体とアクリル樹脂との混合物でバインダーの
樹脂の主成分を構成する。この様な特定樹脂を使用する
事で、それぞれの発明の射出成形同時絵付用シートに於
いて、装飾層が接するアクリル樹脂シートと(該装飾層
のバインダーの樹脂に対応した特定樹脂を使用する)プ
ライマー層との密着性が良好となる。なお、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との混合物の組み
合わせは、アクリル樹脂はアクリル樹脂シートとの密着
性向上に寄与し、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は印
刷適性や成形適性向上に寄与する。また、アクリルウレ
タン樹脂はその単体でそれら適性を満足させる事ができ
る。
【0026】上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とし
ては、通常、酢酸ビニル含有量が5〜20重量%程度、
平均重合度350〜900程度のものが用いられる。ま
た、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、必要に応じ、
更にマレイン酸、フマル酸等のカルボン酸を共重合させ
たものでも良い。
【0027】上記アクリル樹脂としては、例えば、ポリ
メチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アク
リレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メ
タ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレー
ト−スチレン共重合体等のアクリル樹脂、或いは、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等
と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレ
ート等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エ
ステルとを共重合させて得られるアクリルポリオール等
のアクリル樹脂を、単体又は2種以上混合して使用す
る。なお、(メタ)アクリレートとはアクリレート又は
メタクリレートの意味である。塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体とアクリル樹脂との混合比は、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体/アクリル樹脂=1/9〜9/1(重
量比)程度である。
【0028】上記アクリルウレタン樹脂としては、2液
硬化型のアクリルウレタン樹脂、或いは熱可塑性のアク
リルウレタン樹脂等を使用すれば良い。
【0029】例えば、2液硬化型のアクリルウレタン樹
脂は、アクリルポリオールを主剤とし、イソシアネート
を架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。アクリ
ルポリオールとしては、例えば、メチル(メタ)アクリ
レート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重
合体、オクチル(メタ)アクリレート−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブ
チル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート−スチレン共重合体等を単体又は2種
以上混合して使用する。また、イソシアネートとして
は、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価
イソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イ
ソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ト
リレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジ
イソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネ
ート、或いはまた、上記各種イソシアネートの付加体、
又は多量体を用いる事もできる。例えば、トリレンジイ
ソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量
体(trimer)等がある。また、熱可塑性のアクリ
ルウレタン樹脂は、例えば2価のアクリルポリオールと
2価のイソシアネートとをウレタン結合させて得られる
様な、線状高分子からなる。
【0030】なお、装飾層のバインダーの樹脂として
は、副成分の樹脂として、必要に応じて、適宜、主成分
とする樹脂以外のその他の樹脂、例えば、熱可塑性ポリ
エステル樹脂、熱可塑性や2液硬化型等の(アクリルウ
レタン樹脂以外の)ウレタン樹脂(装飾層2の場合)等
の樹脂を併用しても良い。
【0031】装飾層2、2Aとしては、バインダーの樹
脂を上記特定樹脂から構成する他は、基本的には特に制
限は無い。装飾層2、2Aは、通常は印刷インキ又は塗
料で、公知の印刷又は塗工法(塗工法は全ベタ柄のと
き)により形成する。通常、装飾2、2Aは、アクリル
樹脂シート1に対して形成する。そして、装飾層が形成
されたアクリル樹脂シートを、間にプライマー層或いは
更に接着剤層を介して、ポリオレフィン系樹脂シート
と、ドライラミネーション法等の公知の積層法で積層す
れば、本発明の射出成形同時絵付用シートが得られる。
【0032】また、上記印刷インキ(或いは塗料)に用
いる着色剤は、前記アクリル樹脂シートの着色用として
列記した如き、公知の顔料や染料等の着色剤を使用で
き、例えばチタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、
コバルトブルー等の無機顔料、アニリンブラック、フタ
ロシアニンブルー、イソインドリノン、キナクリドン等
の有機顔料、アルミニウム箔粉、二酸化チタン被覆雲母
等の光輝性顔料(パール顔料)、その他染料等を用い
る。
【0033】装飾層の絵柄は、木目、石目、布目、砂
目、皮絞模様、幾何学模様、文字、記号、全面ベタ等と
任意である。
【0034】なお、装飾層としては、木目柄等による装
飾目的の層の他に、銀粉等の導電性粉末をバインダー中
に分散させた、導電性層等の機能層でも良い。
【0035】〔プライマー層〕プライマー層3は、層間
に介在し層間密着性を向上させる。このプライマー層3
は、その主成分にウレタン樹脂を用いる事で、装飾層
2、2Aと、ポリオレフィン系樹脂シート5或いは接着
剤層4との良好な層間密着性が得られる。該ウレタン樹
脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂、1液湿気硬化型
ウレタン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等を使用すれば良
い。
【0036】例えば、2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリ
オールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)
とするウレタン樹脂である。ポリオールとしては、分子
中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリル
ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポ
リオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタン
ポリオール等が用いられる。また、イソシアネートとし
ては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多
価イソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリ
レンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香
族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添
加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタ
ンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシ
アネート、或いはまた、上記各種イソシアネートの付加
体、又は多量体を用いる事もできる。例えば、トリレン
ジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート
3量体(trimer)等がある。
【0037】1液湿気硬化型ウレタン樹脂は、分子末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分と
する組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両
末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソ
シアネートプレポリマーであり、常温で固体の熱可塑性
樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同士が
空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、そ
の結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じて、
この尿素結合に更に分子末端のイソシアネート基が反応
して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を起
こす。分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマ
ーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的には、ウ
レタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル結合を
有するポリエステル骨格、ポリブタジエン骨格等であ
る。適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用す
る。なお、分子鎖中にウレタン結合がある場合は、この
ウレタン結合とも末端イソシアネート基が反して、アロ
ファネート結合を生じて、このアロファネート結合によ
っても架橋反応を起こす。
【0038】熱可塑性ウレタン樹脂は、2価のポリオー
ルと2価のイソシアネートとをウレタン結合させて得ら
れる線状高分子からなる。
【0039】なお、プライマー層は、上述の如き特定樹
脂を用いたインキ又は塗液で、公知の印刷法又は塗工法
で形成すれば良い。
【0040】〔接着剤層〕接着剤層4〔図1(B)参
照〕は、ウレタン樹脂を主成分とするプライマー層3と
ポリオレフィン系樹脂シート5間に介在して、これらを
より良好に接着させる層である。この接着剤層は、塩素
化ポリプロピレンを主成分として構成する。上記特定材
料からなるプライマー層3とポリオレフィン系樹脂シー
ト5間の層間密着力向上には、塩素化ポリプロピレンを
主成分として使用することで、好ましい結果を得ること
ができる。
【0041】プライマー層3とポリオレフィン系樹脂シ
ート5との間に、更に接着剤層4を介在させる目的は、
主に以下の二つである。
【0042】(1)ポリオレフィン系樹脂シートの易接
着処理を目的とする場合;すなわち、この場合、接着剤
層4は、この後で詳述するポリオレフィン系樹脂シート
5が単層構成で、且つコスト等の点から、接着性向上に
寄与する極性官能基を導入していない場合に、極性官能
基導入のポリオレフィン系樹脂層に代わる樹脂層として
利用することにより、プライマー層3とポリオレフィン
系樹脂シート5との接着性を強化する。この場合は、接
着剤層4は、ポリオレフィン系樹脂シート5側の表面に
形成する方が、接着力向上の点で好ましい。接着剤層4
は、グヒラアロールコート、熔融押出コート等の公知の
塗工法で形成する。なお、もちろんだが、ポリオレフィ
ン系樹脂シート5に、極性官能基を導入したポリオレフ
ィン系樹脂を使用する場合でも、接着剤層を使用しても
良い。
【0043】(2)アクリル樹脂シート1への印刷・塗
工工程とポリオレフィン系樹脂シート5との積層工程と
のオフライン化を目的とする場合;すなわち、この場合
は、アクリル樹脂シート1上に装飾層2Aとプライマー
層3を形成するまでは、慣用の印刷・塗工機によりイン
ラインで連続して加工が終わる。一方、ポリオレフィン
系樹脂シート5の積層(ラミネ−ト)は、印刷・塗工機
とは別のラミネ−ト機で行われる為、現実の生産工程の
管理上は、印刷・塗工機の工程とラミネ−ト機の工程と
は同時連続化させずに別個に独立して各々機械が空いて
いるときに各々の機械が受け持つ工程を実施する方が、
多品種量産時には効率的な場合が多い。そして、この場
合は、アクリル樹脂シート1上に装飾層2Aとプライマ
ー層3を形成してから、ポリオレフィン系樹脂シート5
を積層するまでの時間が、プライマー層3に用いる1液
又は2液硬化型ウレタン樹脂の硬化反応完了時間(ポッ
トライフ)よりも長くなることも有る。もし、ポットラ
イフを超過すると、もはやプライマー層は接着力を失
う。そこで、プライマー層3を形成後、インライン連続
で、そのポットライフ未満のうちに、プライマー層3上
に更に接着剤層4形成しておくことにより、ポットライ
フが無限大の塩素化ポリプロピレンの接着剤層4により
ポリオレフィン系樹脂シート5との接着力は時間無制限
となる。また、それならば、むしろ塩素化ポリプロピレ
ンをプライマー層3に用い、接着剤層4の追加を省くこ
とも一応考えられるが、結論は不可である。これは、装
飾層2Aを構成するアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体との混合物と、塩素化ポリプロピレンと
は、接着性が非常に弱い為である。よって、印刷・塗工
工程とラミネ−ト工程のオフライン化には、アクリル樹
脂シート1に装飾層2Aとプライマー層3と接着剤層4
までをインライン形成しておいたものを適宜、ポリオレ
フィン系樹脂シート5に積層する方式が最適となる。な
お、この場合、接着剤層4は、上記特定樹脂を用いたイ
ンキ又は塗液を用い、グラビアロールコート等の公知の
印刷法又は塗工法で、アクリル樹脂シート1のプライマ
ー層3の表面側に、装飾層2A及びプライマー層3と連
続して形成する。接着剤層の厚みは特に制限はないが、
例えば5〜20μm程度である。
【0044】〔ポリオレフィン系樹脂シート〕ポリオレ
フィン系樹脂シート5を、射出成形同時絵付用シートの
裏側の層に採用する事で、射出成形同時絵付用シートを
ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成形物に密着性を良
くラミネ−ト出来る様になる。ポリオレフィン系樹脂シ
ート5を構成するポリオレフィン系樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
メチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロ
ピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテ
ン共重合体等の高結晶質の非エラストマーポリオレフィ
ン系樹脂、或いは各種のオレフィン系熱可塑性エラスト
マーを使用すれば良い。なかでも特にポリエチレンやポ
リプロピレンは、入手容易性、汎用性、低コスト等の利
点も得られる。
【0045】射出成形同時絵付用シートの最裏面層とし
て、ポリオレフィン系樹脂シートを使用することで、射
出成形同時絵付用シートを、ポリオレフィン系樹脂から
なる樹脂成形物に密着良くラミネ−トできる様になる。
ポリオレフィン系樹脂シートの樹脂は、射出成形同時絵
付用シートを積層する樹脂によって選択すれば良い。例
えば積層する樹脂が、ポリプロピレン系の場合はポリプ
ロピレンを使用し、ポリエチレン系の場合はポリエチレ
ンが好ましい。また、射出成形同時絵付用シート全体と
しての必要な厚みは、高価なアクリル樹脂シートより
は、このポリオレフィン系樹脂シートで出すのが、低コ
ストとなり、また、撓りやすくハンドリングも容易で、
且つ成形性の点でも好ましい。
【0046】なお、ポリエチレンやポリプロピレンに
は、成形性等を適度なものとする為に、必要に応じ適
宜、ゴム成分等を添加したものでもよい。例えば、ゴム
成分としては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、或いはアタクチックポリプロ
ピレン等である。また、エチレン、プロピレンのモノマ
ー以外に、他のポリオレフィンモノマーを共重合させた
ものでも良い。他のポリオレフィンモノマーとしては、
例えば、α−オレフィンとしてブテン、ペンテン、ヘキ
セン、オクテン、デセン、ドデセン等がある。
【0047】また、例えばポリエチレンやポリプロピレ
ン等からなるポリオレフィン系樹脂シートには、各種物
性調整の為に必要に応じて、体質顔料、難燃剤、紫外線
吸収剤、光安定剤等を添加しても良い。体質顔料として
は、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミ
ナ、カオリナイト等の粒径0.1〜10μm程度の粒子
が用いられる。難燃剤としては水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム等が用いられる。紫外線吸収剤として
は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等が用い
られる。また、光安定剤としては、ヒンダードアミン系
ラジカル捕捉剤等が用いられる。
【0048】また、ポリオレフィン系樹脂シートには、
必要に応じ適宜、着色剤を添加しても良い。着色剤を添
加して着色隠蔽性を付与することで、射出成形同時絵付
用シートを積層する樹脂の色を隠蔽し且つ装飾層の下地
色を整える事ができる。着色剤には、前述アクリル樹脂
シートのところで述べた如き、公知の着色剤を使用する
事ができる。
【0049】また、ポリオレフィン系樹脂シート5は複
層構成としても良い。例えば、図1(C)に例示の如
く、ポリオレフィン系樹脂シート5を、第1ポリオレフ
ィン系樹脂層5Aと第2ポリオレフィン系樹脂層5Bと
の積層体とする形態は、好ましい形態の一つである。ポ
リオレフィン系樹脂シート5を上記の如き積層体とする
には、例えば、Tダイによる共押出法によって成膜と同
時に融着で積層すれば良い。なお、図1(C)はこの様
な融着によって、第1ポリオレフィン系樹脂層5A及び
第2ポリオレフィン系樹脂層5Bの2層が直接に接して
積層された構成の積層体を想定した図であるが、この
他、図示は省略するが、間に接着剤層を介して接着剤で
接着して積層した構成の積層体としても良い。接着剤に
は、例えば2液硬化型ウレタン樹脂等を使用すれば良
い。
【0050】例えば、表側の第1ポリオレフィン系樹脂
層5Aには、分子中に極性官能基を有するポリオレフィ
ン系樹脂を使用して、裏側の樹脂成形物側となる第2ポ
リオレフィン系樹脂層5Bには、分子中に極性官能基の
無いポリオレフィン系樹脂を使用した構成は、その好適
な一例である。すなわち、ポリオレフィン系樹脂シート
5が、分子中に極性官能基を有する第1ポリオレフィン
系樹脂層5Aと、分子中に極性官能基の無い第2ポリオ
レフィン系樹脂層5Bとの積層体からなる構成である。
この構成では、射出成形同時絵付用シートの裏面側はポ
リオレフィン系樹脂の樹脂成形物と熱融着される為、極
性官能基が無く安価なポリオレフィン系樹脂(第2ポリ
オレフィン系樹脂層5B)で接着性を確保し、一方、プ
ライマー層3或いは接着剤層4と接する内側には分子中
に極性官能基を有する第1ポリオレフィン系樹脂層5A
として、プライマー層3或いは接着剤層4との密着を確
保し、しかも、射出成形同時絵付けに必要なポリオレフ
ィン系樹脂シート5の総厚は、安価な樹脂の第2ポリオ
レフィン系樹脂層5Bで確保して、良好な密着性とコス
トとを両立させる事ができる。
【0051】なお、ポリオレフィン系樹脂シートの分子
中に極性官能基を付与する為には、エチレン、プロピレ
ン等オレフィン系単量体に、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸を共重
合させて重合体分子中にカルボキシル基を付与したり、
或いは一旦、酢酸ビニルを共重合させた後、鹸化して重
合体分子中に水酸基を付与したりすれば良い。これら共
重合成分は通常5〜25mol%程度とする。また、共
重合の形態としては通常グラフト共重合であるが、その
他の共重合形態でも良い。
【0052】また、ポリオレフィン系樹脂シート5を2
層構成とすることで、例えば、樹脂成形物側の第2ポリ
オレフィン系樹脂層5Bは着色隠蔽層として専ら着色隠
蔽付与、成形性、及び射出成形同時絵付けの為に必要な
厚さを確保した層として使用し、プライマー層側(表
側)の第1ポリオレフィン系樹脂層5Aは、着色剤等を
添加せず、専らプライマー層との密着を確保した層とし
て使用する事が出来、コストを最小限にして且つ複数の
要求物性を満たすことができる。そして、上記隠蔽性に
よって、射出成形樹脂の色に左右されずに、絵付けによ
る色調表現を安定化できる。
【0053】ポリオレフィン系樹脂シートは、延伸シー
ト、未延伸シートのいずれでも良いが、射出成形同時絵
付時にシートが伸ばされる様に積層され、成形性が望ま
れる場合には、未延伸シートの方が好ましい。ポリオレ
フィン系樹脂シートは、Tダイ熔融押出法等の公知の成
膜法によって既にシートとした物を使用しても良いが、
アクリル樹脂シートに装飾層、プライマー層等を形成し
た積層シートに対して、Tダイ熔融押出法等によってシ
ートとして成膜と同時に積層しても良い。なお、前者の
場合は、ドライラミネーション等の公知の積層法で積層
すれば良い。なお、ポリオレフィン系樹脂シートの厚み
は、用途等によるが、50〜500μm程度とする。ま
た、該厚みは、射出成形同時絵付用シート全体の総厚が
300μm以上となる様するのが、ハンドリングの容易
さ等の点で好ましい。これらの為に、該厚みは、通常は
アクリル樹脂シートの厚みよりも厚くする。
【0054】〔射出成形同時絵付方法〕ここで、上述し
た本発明の射出成形同時絵付用シートの使用用途であ
る、射出成形同時絵付方法について、一応説明してお
く。ここでの射出成形同時絵付方法は、ラミネ−ト形態
となり、特公昭50−19132号公報、特公昭43−
27488号公報等に記載されるように、射出成形同時
絵付用シートを、一対の型の間に配置した後、両型を型
締めし、両型で形成されるキャビティ内に流動状態の樹
脂を射出し充填して固化させて、樹脂成型物の成形と同
時にその表面に射出成形同時絵付用シートを積層して、
樹脂成形物を絵付けする方法である。
【0055】なお、射出成形同時絵付方法としては、従
来公知の各種形態をとり得る。例えば、射出成形同時絵
付用シートの予備成形を行う形態、或いは行わない形
態。また、射出成形同時絵付用シートの予熱を行う形
態、行わない形態。なお、予備成形時には通常は射出成
形同時絵付用シートは予熱する。
【0056】なお、もちろんの事だが、射出成形同時絵
付用シートの絞りが大きい場合は、予備成形を行うのが
好ましい。一方、射出成形同時絵付用シートの絞りが少
ない場合は、射出される流動状態の樹脂の樹脂圧で該シ
ートを成形しても良い。この際、絞りが浅ければ、予備
成形無しで樹脂射出と同時に型内に充填される流動状態
の樹脂の樹脂圧で射出成形同時絵付用シートを成形して
も良い。また、樹脂圧で射出成形同時絵付用シートを成
形する場合でも、該シートは予熱せずに射出樹脂の熱を
利用しても良い。また、射出成形同時絵付用シートの予
備成形は、通常は、射出成形型を真空成形型と兼用して
行うが、型間に該シートを供給する前に、型外部で別の
真空成形型で該シートを真空成形する様な予備成形でも
良い。また、予備成形は、射出成形型を真空成形型と兼
用して行う形態が効率的で且つ精度良く積層できる点で
好ましい。なお、本発明に於いて真空成形とは真空圧空
成形も包含する。
【0057】ところで、図2は射出成形同時絵付方法を
或る一形態で説明する概念図である。図2に示す形態で
は、型締めする前に、射出成形同時絵付用シートを型間
で加熱し軟化させて射出成形型で真空成形により予備成
形した後に、型締めして樹脂を射出する形態である。そ
こで次に、図2を用いて、射出成形同時絵付方法を更に
説明する。
【0058】先ず、図2(A)の如く、射出成形型とし
ては、射出ノズルと連通する湯道(ランナー)及び湯口
(ゲート)を有する型Maと、キャビティ面に吸引孔4
1を有し射出成形同時絵付用シートの予備成形型を兼用
する型Mbの一対の成形型を用いる。これらの型は鉄等
の金属、或いはセラミックスからなる。型開き状態に於
いて両型Ma、Mb間に射出成形同時絵付用シートSを
供給し、型Mbに射出成形同時絵付用シートSを枠状の
シートクランプ42で押圧する等して固定する。この
際、射出成形同時絵付用シートのポリオレフィン系樹脂
シート側は、図面右側の射出樹脂側となる様にする事は
もちろんである。次いで、適宜、両型間に挿入したヒー
タ(図示略)で射出成形同時絵付用シートを加熱軟化さ
せる。加熱は例えば非接触の輻射加熱とするが、接触に
よる伝導加熱でも良い。そして、吸引孔から吸引して真
空成形して、射出成形同時絵付用シートを型Mbのキャ
ビティ面に沿わせ予備成形する。なお、真空成形は圧空
も併用する真空圧空成形でも良く、これも包含する。次
いで、ヒータを両型間から退避させ、図2(B)の如く
両型を型締めし、両型で形成さるキャビティに加熱熔融
状態等の流動状態の樹脂を充填する。そして、射出成形
同時絵付用シートの不要部分がある場合は、それを適宜
トリミングすれば、図4の断面図で概念的に示す如き本
発明の絵付け成形品Pが得られる。
【0059】〔射出成形樹脂〕なお、射出成形同時絵付
方法に於いて、射出成形して樹脂成形物とする樹脂とし
ては、基本的には、射出成形同時絵付方法に於ける従来
公知のものが使用でき特に制限はなく、製品の要求物性
やコスト等に応じて選定される。但し、本発明の射出成
形同時絵付用シートは、ポリオレフィン系樹脂に対して
密着が良い様に構成されているので、ポリオレフィン系
樹脂が好適である。ポリオレフィン系樹脂としては、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポ
リメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、プ
ロピレン−ブテン共重合体等の高結晶質の非エラストマ
ーポリオレフィン系樹脂、或いは各種のオレフィン系熱
可塑性エラストマーが用いられる。
【0060】なお、本発明の射出成形同時絵付用シート
はこれらポリオレフィン系樹脂と密着性が良い様に構成
してあるが、その密着性をより向上させる必要がある場
合には、これらポリオレフィン系樹脂に、エチレンプロ
ピレンゴムを添加すると良い。エチレンプロピレンゴム
はエチレン−プロピレン共重合体からなるゴム(EP
R)であり、非晶質のランダム共重合体である。また、
エチレンプロピレンゴムとしては純粋なエチレン−プロ
ピレン共重合体の他に、エチレン−プロピレン−ジエン
ターポリマー(EPDM)も使用できる。エチレンプロ
ピレンゴムはポリオレフィン樹脂100重量部に対し1
〜40重量部の範囲で添加するのが、密着性向上、剛性
維持の点から好ましい。
【0061】なお、射出成形樹脂は、用途に応じて適
宜、着色剤を添加して着色した樹脂を使用しても良い。
着色剤には、前述装飾層で述べた如き公知の着色剤を使
用できる。また、射出成形樹脂には、必要に応じて適
宜、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム等の無機物粉末、ガラス繊維等の充填剤、安定
剤、滑剤等の公知の各種添加剤を含有させる。
【0062】〔絵付け成形品〕本発明の射出成形同時絵
付用シートを用いて得られる絵付け成形品は、図3の断
面図で概念的に示す絵付け成形品Pの如く、前述したい
ずれかの形態の本発明の射出成形同時絵付用シートS
が、ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成形物6の表面
に積層してなる構成の成形品である。もちろん、射出成
形同時絵付用シートSは、そのポリオレフィン系樹脂シ
ートが樹脂成形物と接する様に積層されている。樹脂成
形物6は、ポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィ
ン系樹脂は、前記射出成形樹脂で説明した如き樹脂であ
る。樹脂成形物6の表面に射出成形同時絵付用シートS
を積層するには、前述した射出成形同時絵付方法によれ
ば良い。絵付け成形品は、射出成形同時絵付用シートと
樹脂成形物との密着性に優れ、また優れた着色透明感、
表面物性も得られる。
【0063】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する。
【0064】〔実施例1: 第2の発明〕図1(B)の
如き構成の射出成形同時絵付用シートSを次の様にして
作製した。着色剤としてキナクリドンレッド、イソイン
ドリノンレッド及びフタロシアニンブルーの添加で着色
透明としたポリメチルメタクリレート(PMMA)シー
ト(厚さ0.125mm)を着色透明のアクリル樹脂シ
ート1として、その片面に、バインダーの樹脂が塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との1対1重
量比混合物で、着色剤として弁柄、カーボンブラック、
イソインドリノンイエロー及びチタン白を用いた着色イ
ンキをグラビア印刷して、木目柄の装飾層2A(柄パタ
ーンを有する柄層と、この後に印刷形成した着色ベタ層
とからなる)を形成し、更に、アクリルポリオール10
0重量部に対して1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ
ートを8重量部用いた2液硬化型ウレタン樹脂を主成分
とするプライマー剤を全面にグラビア塗工して厚さ1μ
mのプライマー層3を形成して、印刷シートとした。
【0065】一方、ポリオレフィン系樹脂シート5とし
て、アイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポ
リプロピレンとの80対20重量比混合物からなるポリ
プロピレン系熱可塑性エラストマーに、チタン色、弁柄
及び黄鉛を主成分とする着色剤の添加で黄褐色に着色さ
れた不透明で隠蔽性の厚さ0.2mmの樹脂シートに対
して、その両面をコロナ放電処理した後、片面に塩素化
ポリプロピレンを主成分とする接着剤をグラビア塗工し
て厚さ4μmの接着剤層4を形成したシートを予め用意
しておき、該接着剤層4と上記印刷シートの未硬化状態
のプライマー層3とが接する様にして、ポリオレフィン
系樹脂シート5を上記印刷シートにドライラミネーショ
ン法によって積層し、40℃雰囲気中で3時間養生し
て、本発明の射出成形同時絵付用シートSを得た。
【0066】〔実施例2 :第1の発明〕図1(A)の
如き構成の射出成形同時絵付用シートSを次の様にして
作製した。先ず、印刷シートとして、実施例1と同じ着
色透明のアクリル樹脂シート1(厚さ0.125mm)
の片面に、実施例1と同じ内容の装飾層2Aを装飾層2
として形成したのみのシートを用意した。
【0067】次に、実施例1と同じ着色不透明のポリオ
レフィン系樹脂シート5(但し、厚さは0.3mm)の
片面に、アクリルポリオール100重量部に対して1,
6−ヘキサメチレンジイソシアネートを8重量部用いた
2液硬化型ウレタン樹脂を主成分とするプライマー剤を
グラビア塗工して、厚さ1μmのプライマー層3を全面
に形成した上で、該未硬化状態のプライマー層3と上記
印刷シートの装飾層2とが接する様にして、ポリオレフ
ィン系樹脂シート5を上記印刷シートにドライラミネー
ション法によって積層して、本発明の射出成形同時絵付
用シートを得た。
【0068】〔実施例3 :第1の発明〕図1(A)の
如き構成の射出成形同時絵付用シートSを次の様にして
作製した。実施例2に於いて、装飾層2のバインダーの
樹脂をアクリルウレタン樹脂に変更した他は、実施例2
と同様にして、本発明の射出成形同時絵付用シートを得
た。
【0069】〔実施例4 :第3の発明〕図1(C)の
如き構成の射出成形同時絵付用シートSを次の様にして
作製した。実施例2に於いて、ポリオレフィン系樹脂シ
ート5を厚さ0.1mmの第1ポリオレフィン系樹脂層
5Aと厚さ0.1mmの第2ポリオレフィン系樹脂層5
Bとの2層構成の厚さ0.2mmの積層体に変更した他
は、実施例2と同様にして、本発明の射出成形同時絵付
用シートを得た。
【0070】なお、上記ポリオレフィン系樹脂シート5
としては、表側となる第1ポリオレフィン系樹脂層5A
には、アイソタクチックポリプロピレンとアタクチック
ポリプロピレンとの80対20重量比混合物でマレイン
酸のグラフト共重合により分子中にカルボキシル基を導
入した無着色透明のポリプロピレン系熱可塑性エラスト
マーを用い、裏側となる第2ポリオレフィン系樹脂層5
Bは、実施例1同様の着色剤の添加で黄褐色に着色され
た不透明で隠蔽性のポリプロピレン樹脂を用いた。そし
て、第1ポリオレフィン系樹脂層5Aと第2ポリオレフ
ィン系樹脂層5Bとは、Tダイからの熔融共押出法で積
層した。
【0071】〔実施例5 :第3の発明〕図2(C)の
如き構成の射出成形同時絵付用シートSを次の様にして
作製した。実施例4に於いて、装飾層2のバインダーの
樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂
との1対1重量比混合物)を、アクリルウレタン樹脂に
変更した他は、実施例4と同様にして、本発明の射出成
形同時絵付用シートを得た。
【0072】〔性能評価〕次の項目について評価した。
【0073】(A)意匠感:先ず、意匠感としては、上
記各実施例の射出成形同時絵付用シートを用いて得られ
た絵付成形品は全て、下地の木目柄とアクリル樹脂シー
トの着色透明感とが協同して、高級感溢れる木目意匠が
付与できた。
【0074】(B)ハンドリング適性:図2の概念図に
示した様な射出成形同時絵付(ラミネート)方法によっ
て、図3に示す如き射出成形同時絵付用シートSが(ポ
リオレフィン系樹脂シート側で)樹脂成形物6に積層さ
れた絵付け成形品Pを製造して、製造時のハンドリング
適性を評価した。なお、射出成形樹脂として、エチレン
−プロピレン共重合体ゴムを10重量%添加したポリプ
ロピレン樹脂を使用した。また、射出成形同時絵付は、
射出成形同時絵付用シートを、雌雄一対の射出成形型が
型開き状態のときに、雌型のパーティング面にシートク
ランプで押圧固定し、該シートを赤外線輻射方式の熱盤
で加熱・軟化させて、雌型からの真空吸引で雌型に沿わ
せた後、雌雄両型を型締めし、キャビティ内に射出成形
樹脂を射出充填し冷却固化させた後、型開きして、射出
成形同時絵付用シートが樹脂成形物の表面に積層した絵
付け成形品を取り出した。
【0075】製造上の問題点の有無確認の為に、成形は
連続30ショット行ったが、上記全ての実施例の射出成
形同時絵付用シートにおいて、該シートの雌雄両型間へ
の挿入、真空成形は問題無く、シートの破れ、割れも生
じず、ハンドリング適性は良好であった。
【0076】(C)物性評価:また、全ての実施例の射
出成形同時絵付用シートに於いて、次の各物性も全て良
好であった。
【0077】成形性:樹脂成形物の絵付け面の表面凹
凸に射出成形同時絵付用シートが十分に追従し成形され
ているか否かを、目視で確認して、十分に絵付け面の凹
凸に追従しているものは良好、不十分なものは不良とし
た。 密着性:碁盤目テストとして、絵付け成形品表面(射
出成形同時絵付用シート面)に、2mm間隔で碁盤目状
に縦横に切り込みを入れて、縦横で10×10個の合計
100個の枡目を作った後、セロハン粘着テープ(ニチ
バン株式会社製、「セロテープ」(登録商標)24mm
幅、産業用)を25℃に於いて貼着した後、勢い良く剥
がして、射出成形同時絵付用シートがテープと共に剥が
れるか否かで評価した。枡目の剥がれが1個も無いもの
を良好、枡目の剥がれ有りのものを不良とした。 耐熱性:絵付け成形品を70℃のオーブン中に500
時間入れた後、取り出して室温まで冷却後、外観の異常
の有無を目視で評価し、異常無きものを良好、異常有る
ものを不良とした。 耐湿性:絵付け成形品を50℃、95%RHの恒温恒
湿槽中に500時間入れた後、取り出して室温まで冷却
後、外観の異常の有無を目視で評価し、異常無きものを
良好、異常有るものを不良とした。 耐温水性:絵付け成形品を40℃の温水中に24時間
入れた後、取り出して表面水分を拭き取り室温まで冷却
後、外観の異常の有無を目視で評価し、異常無きものを
良好、異常有るものを不良とした。
【0078】
【発明の効果】本発明の射出成形同時絵付用シートに
よれば、得られる絵付け成形品に優れた着色透明感を付
与できる上、特にポリオレフィン系樹脂等に密着良くラ
ミネートでき、射出成形同時絵付用シートの層内の密着
性も良好にできる。その結果、従来、ポリオレフィン系
樹脂の成形品では、その困難性から表面化粧無しの射出
成形したままの生材による意匠であった物が、射出成形
同時絵付けよる高意匠化の展開を図ることができるよう
になった。 また、プライマー層とポリオレフィン系樹脂シートの
間に、接着剤層を設け構成では、射出成形同時絵付用シ
ートに於ける層間密着力を向上できる。
【0079】また、ポリオレフィン系樹脂シートが2
層構成の積層体からなる形態では、射出成形同時絵付け
に必要な総厚を確保しつつ、全体のコストを最小限に抑
えた上で、ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成形物と
の良好な接着性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形同時絵付用シートの形態例を
例示する断面図。
【図2】射出成形同時絵付方法の一例を説明する概念
図。
【図3】本発明の射出成形同時絵付用シートを用いて得
られる絵付け成形品を例示する断面図。
【符号の説明】
1 アクリル樹脂シート 2、2A 装飾層 3 プライマー層 4 接着剤層 5 ポリオレフィン系樹脂シート 5A 第1ポリオレフィン系樹脂層 5B 第2ポリオレフィン系樹脂層 6 樹脂成形物 41 吸引孔 42 シートクランプ Ma 射出成形型(雄型) Mb 射出成形型(雌型) P 絵付け成形品 S 射出成形同時絵付用シート
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA37H AK03D AK03E AK07 AK10G AK15B AK15J AK22B AK22J AK25A AK25B AK25J AK51B AK51C AK51J AL01B AL09 AR00B AR00C BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D BA10E BA13 CB00 CC00 EJ65C GB90 HB00B HB01 HB31 JK06 JL10A JN01A 4F206 AA03 AB12 AB16 AB25 AD05 AD09 AD20 AG03 JA07 JB19 JF05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラミネートタイプの射出成形同時絵付用
    シートにおいて、 最表面層となる透明で着色剤で着色されたアクリル樹脂
    シートに、少なくとも、バインダーの樹脂が塩化ビニル
    −酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との混合物又はア
    クリルウレタン樹脂を主成分とする装飾層と、ウレタン
    樹脂を主成分とするプライマー層と、ポリオレフィン系
    樹脂シートとが、この順に積層されてなる、射出成形同
    時絵付用シート。
  2. 【請求項2】 ラミネートタイプの射出成形同時絵付用
    シートにおいて、 最表面層となる透明で着色剤で着色されたアクリル樹脂
    シートに、少なくとも、バインダーの樹脂が塩化ビニル
    −酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との混合物を主成
    分とする装飾層と、ウレタン樹脂を主成分とするプライ
    マー層と、塩素化ポリプロピレンを主成分とする接着剤
    層と、ポリオレフィン系樹脂シートとが、この順に積層
    されてなる、射出成形同時絵付用シート。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂シートが、表側の
    第1ポリオレフィン系樹脂層と裏側の第2ポリオレフィ
    ン系樹脂層との積層体からなる、請求項1又は請求項2
    に記載の射出成形同時絵付用シート。
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