JP2000516447A - グルクロニドリプレッサーおよびその使用 - Google Patents

グルクロニドリプレッサーおよびその使用

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Abstract

(57)【要約】 グルクロニドリプレッサーをコードする配列を含むクローンが記載される。リプレッサー(gusR)のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が示される。グルクロニドリプレッサーは、数ある用途の中で、トランスジーンの発現の制御、サンプル中のグルクロニドの検出、およびサンプルからのグルクロニドの単離に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】 グルクロニドリプレッサーおよびその使用 技術分野 本発明は、一般に、グルクロニドオペロンのリプレッサー分子に関し、そして より詳細には、リプレッサーのアミノ酸配列およびDNA配列、ならびにリプレッ サータンパク質の使用に関する。 発明の背景 E.coliの天然の生息環境は腸であり、そしてE.coliのβ-グルクロニダーゼ 活性は、その天然の経歴において特異的および非常に重要な役割を果たしている 。腸は、グルクロン酸化合物の豊富な供給源であり、E.coliによって効率的に 利用され得る炭素源を提供する。グルクロニド基質は、特異的な輸送手段である グルクロニドパーミアーゼを介してE.coliに取り込まれ(米国特許第5,288,463 号および同第5,432,081号)、そしてβ-グルクロニダーゼによって切断される。 このように遊離されるグルクロン酸残基は、炭素源として使用される。 一般に、グルクロニド基質のアグリコン成分はE.coliによっては使用されず 、そして腸内へ細菌膜を逆方向に通過して血流中で再吸収される。肝臓でのグル クロニル化および腸での脱グルクロニル化の対立するプロセスから生じるこの疎 水性化合物の循環は、腸管循環と呼ばれる。この現象は、生理学的に極めて重要 である。なぜなら、これは、微生物のβ-グルクロニダーゼの作用に大部分に起 因して、内因性ステロイドホルモンおよび外因的に投与される薬物を含む多くの 化合物がたちまち体外に排出されないことを意味するからである。むしろ、血流 におけるこれらの化合物のレベルは、この循環プロセスに起因して変動する。こ のプロセスは、薬学的投与量を決定することにおいて非常に重要であり、そして 実際に、いくつかの薬物がグルクロニド結合体として特異的に投与され、これは β-グルクロニダーゼが活性なアグリコンを遊離させる作用に依存している(Dra serおよびHill,1974)。 β-グルクロニダーゼは、E.coliのgusA遺伝子座によってコードされる(Nove lおよびNovel,Mol.Gen.Genet.120:319-335,1973)。gusA(GUS)は、3つ のタンパク質コード遺伝子からなるオペロンの1つのメンバーである。第2の遺 伝子であるgusB(PER)は、β-グルクロニドに特異的なパーミアーゼをコードす る。第3の遺伝子であるgusC(MOP)は、内膜に局在するパーミアーゼへのグル クロニドの接近を容易にする、約50kDaの外膜タンパク質をコードする。gusオペ ロンの主要なリプレッサーであるgusRは、オペロンのすぐ上流に位置している。 β-グルクロニダーゼ活性は、E.coli中では構成的には発現されない;むしろ 、オペロンの転写はいくつかの因子によって調節される。制御の基本的な機構は 、グルクロニド基質による誘導である。この調節は、リプレッサーをコードする gusR(以前は、uidR)遺伝子の産物の作用による。gusRは、gusAと同じ染色体の 領域に、欠失変異分析によってマップされ、gusAの上流に位置する。β-グルク ロニダーゼ活性のGusR抑制は、ノーザン分析によって、転写調節によって媒介さ れることが示されている:メチルβ-D-グルクロニドで誘導された培養物から抽 出されたRNAについて観察された強いハイブリダイセーションとは対照的に、E. coliの非誘導培養物由来のRNAは、gusAプローブにハイブリダイズしない(Jeffe rson,DNA Transformation of Caenorhabditis elegans:Development and Appli cation of a New Gene Fusion System.Ph.D.Dissertation,University of Co lorado,Boulder,CO,1985)。従っておそらく、GusRは、gusAオペレーター配 列に結合し、それにより転写を妨げることによってgusAの転写を抑制する。次い で、この抑制は、グルクロニド基質がリプレッサーに結合してそれを不活化する と解除される。 本発明は、グルクロニドリプレッサーの遺伝子配列およびタンパク質配列、な らびに遺伝子発現を制御しそしてグルクロニドを検出するためのリプレッサーの 使用を提供し、同時に、他の関連する利点を提供する。 発明の要旨 本発明は一般に、グルクロニドリプレッサーをコードする単離された核酸分子 を提供する。詳細には、E.coliグルクロニドリプレッサー(gusR)のヌクレオ チド配列およびアミノ酸配列が提供される。好ましい実施態様において、リプレ ッサーのヌクレオチド配列は、配列番号1に示されるかまたはその変異体である 。特定の実施態様において、gusRにハイブリダイズする核酸分子が提供される。 グルクロニドリプレッサーのグルクロニド結合部位をコードする核酸配列が示さ れる。 別の局面において、本発明は、グルクロニドオペレーターに結合し、そしてグ ルクロニドに結合するグルクロニドリプレッサータンバク質を提供し、ここでこ のオペレーターへの結合はグルクロニド結合に逆に依存する。特定の好ましい実 施態様において、リプレッサーは、配列番号2に示される配列またはその変異体 を含む。他の好ましい実施態様において、リプレッサーは、グルクロニド結合部 位またはドメインとヌクレオチド結合ドメインとの融合タンパク質を含む。 なお別の局面において、グルクロニドを単離するための方法が提供される。こ の方法は、(a)グルクロニド由来のグルクロニド結合ドメインを、グルクロニ ドを含むサンプルと接触させる工程であって、ここで、グルクロニドがリプレッ サータンパク質に結合する工程;および(b)上記のリプレッサーからグルクロ ニドを溶出する工程を包含する。 他の局面は、サンプル中のグルクロニドの存在を決定するかまたはその存在を 検出するための方法を提供する。この方法は、(a)リプレッサータンパク質を 、グルクロニドオペレーター配列を含む核酸分子に結合させて複合体を形成させ る工程;(b)上記の複合体をグルクロニドを含むサンプルと接触させる工程で あって、ここで、グルクロニドがリプレッサータンパク質に結合して核酸分子か らのタンパク質の遊離を生じる工程;および(c)上記のタンパク質の遊離を検 出する工程を包含する。 他の局面において、トランスジーンの遺伝子発現を制御するための方法が提供 される。この方法は、(a)リプレッサータンパク質をコードするヌクレオチド 配列、グルクロニドオペレーター配列、およびトランスジーンを含む核酸分子で 細胞をトランスフェクトするか、または形質転換する工程であって、ここで、上 記のオペレーターが上記のトランスジーンに作動可能に連結されている工程;な らびに(b)上記の細胞をリプレッサータンパク質に結合するグルクロニドと接 触させる工程を包含し;ここで、上記のグルクロニドが、上記のオペレーター配 列から上記のリプレッサータンパク質を遊離させ、それにより上記のトランスジ ーンの発現を可能にする。 なお別の局面において、脊椎動物のグルクロニド輸送タンパク質を同定するた めの方法が提供される。この方法は、輸送活性を欠いている宿主細胞を、グルク ロニドリプレッサーの制御下のレポーター遺伝子および脊椎動物RNAから構築さ れた発現ライブリーで二重にトランスフェクトする工程、ならびにグルクロニド の存在下でレポーター遺伝子の発現についてスクリーニングする工程を包含する 。 本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照 して明らかになる。さらに、特定の手順または組成物(例えば、プラスミドなど )をより詳細に記載する種々の参考文献が本明細書中に示され、そしてその全体 が参考として援用される。 図面の簡単な説明 図1は、E.coliのgusオペロン、およびβ-グルクロニドに対するgusタンパク 質の活性を示す図である。 図2は、β-グルクロニダーゼによって触媒される反応、およびGUS活性の検出 に有用な種々の基質の例を示す。 図3は、pKW223のマップである。このプラスミドは、gusR遺伝子を有する1.4k bのBstXI-NcoIフラグメントを含む。 図4は、2つのグルクロニドリプレッサー発現系を示す模式図である。上の図 は、グルクロニド(R-glcA)依存性の発現系で使用される構築物を示す。下の図 は、グルクロニドによって抑制される発現系で使用される構築物を示す。0:オ ペレーター配列;pA:ポリアデニル化シグナル;gusR融合体:DNA結合ドメイン 、グルクロニド結合ドメイン、および転写活性化ドメインを含む融合タンパク質 。 図5は、グルクロニド結合体の腸肝循環を示す。 図6は、BamHIフラグメントとして求められるgusオペロンの領域のマップであ る。 図7は、pKW244の制限マップである。 図8は、オペレーター/リプレッサー実験のストラテジーを示す。オペレータ ー部位を含む高コピープラスミドが、E.coli染色体上に配置されるgusオペロン を有する細胞に導入される。オペレーターは利用可能なリプレッサーに結合して 、gusオペロンの転写を可能にする。 図9は、オペレーター/リプレッサー滴定(titration)実験の例を示す。A :pBSIISK+で形質転換し、そしてX-glucを含有するLB培地上にプレートしたDH5 α細胞。B:pKW244で形質転換し、そしてX-glucを含有するLB培地上にプレート したDH5α細胞。gusオペロンは誘導され、これは青色のコロニーの存在によって 示される。 図10は、pMEL1の制限マップである。 図11は、pMEL3の制限マップである。 図12は、pMEL4の制限マップである。 図13は、pMEL5の制限マップである。 図14は、pMEL8の制限マップである。 図15は、gusオペロン調節領域のサブクローニングを図示し、そしてpKW244滴 定の割合として表されるDH5α中でのこれらのサブクローンの相対リプレッサー 滴定を示す。 図16は、gusAの上流のHpaIが中心にあるパリンドロームの位置および配列を示 す。 図17は、gusRの上流に配置されるHpaIが中心にあるパリンドロームの位置およ び配列を示す。 図18は、gusAの上流のPsp1406Iパリンドロームの位置および配列を示す。 図19は、gusオペロン調節領域のサブクローンを図示し、そしてpKW244滴定の 割合として表されるER1648中でのこれらのサブクローンの相対リプレッサー滴定 を示す。 図20は、pKW224の制限マップを示す。 図21は、pMEL101の制限マップを示す。 図22は、pMEL101由来の26kDaのgusR/lacZ融合タンパク質、およびpMEL103由来 の22kDaのgusRタンパク質の過剰発現を示すタンパク質ゲルの写真である。 図23は、pMEL103の制限マップを示す。 図24は、pKW241由来の26kDaのgusR/lacZ融合タンパク質(右側に矢印で示す) 、ならびにpKW288およびpKW289由来の22kDaのgusRタンパク質(左側に矢印で示 す)の過剰発現を示すタンパク質ゲルの写真である。 図25は、フェニルチオ-β-D-グルクロニドと結合させたSepharose CL6Bカラム 上でのgusRの精製を示すタンパク質ゲルのコンピューター画像である。レーン1 :タンパク質のサイズマーカー;レーン2:サンプルの素通り;レーン3:第1 の緩衝液での洗浄によって採集した画分;レーン4:第2の緩衝液での洗浄によ って採集した画分;レーン5:gusR標準品;レーン6:0.1MのNaClでの溶出によ って採集した第1の画分:レーン7:0.1MのNaClでの溶出によって採集した第2 の画分;レーン8:0.3MのNaClでの溶出によって採集した第1の画分;レーン9 :0.3MのNaClでの溶出によって採集した第2の画分。 図26は、サッカロラクトンと結合させたアガロースカラム上でのgusRの精製を 示すタンパク質ゲルのコンピューター画像である。レーン1:タンパク質のサイ ズマーカー;レーン2:サンプルの素通り;レーン3:第1の緩衝液での洗浄に よって採集した画分;レーン4:第2の緩衝液での洗浄によって採集した画分; レーン5:0.1MのNaClでの溶出によって採集した画分:レーン6:0.5MのNaClで の溶出によって採集した第2の画分;レーン7:gusR標準品。 図27は、ニッケルと結合させたSepharoseカラム上での誘導培養物由来のヘキ サヒスチジン改変gusRの精製を示すタンパク質ゲルのコンピューター画像である 。レーン1:10mMのEDTAを含有するIMAC緩衝液を使用する第1の溶出物;レーン 2:10mMのEDTAを含むIMAC緩衝液を使用する第2の溶出物;レーン3:10mMのED TAを含有するIMAC緩衝液を使用する第3の溶出物。 発明の詳細な説明 本発明を記載する前に、本明細書中以後で使用される特定の用語の定義を記載 することは、それらの理解に有益であり得る。 本明細書中で使用される「グルクロニド」または「β-グルクロニド」は、代 表的にはヒドロキシル基を介して、β型立体配置にある遊離のD-グルクロン酸の C1にヘミアセタール結合で結合した任意のアグリコンをいう。グルクロニドは、 一般に、グリコンにおける6位の炭素でのイオン化可能カルボン酸基に起因して 、非常に水溶性である。ほとんどの芳香族および脂肪族グルクロニドは、他の型 のグリコシド結合体に比較して著しく安定である。これは、C-1でのヘミアセタ ール結合に対するC-6でのカルボニル基の誘導効果に起因し得る。例えば、発色 性(colorigenic)基質および蛍光生成性基質(例えば、p-ニトロフェニル、β-D- グルクロニド、および4-メチルウンベリフェリールβ-D-グルクロニド)は、対 応するβ-D-ガラクトシドまたはβ-D-グルコシドより、水溶液においてかなり安 定であり、自発的な加水分解に起因するバックグラウンドを、かなり小さな問題 にする。他の混入するグリコシドを含まない多くのβ-グルクロニドが、激しい 酸加水分解によって調製され得る。その激しい酸加水分解は、グルコシド、ガラ クトシド、および他のグリコシドを切断するが、ほとんどのグルクロニドをイン タクトなままにする。複合糖質ポリマー、例えば、アラビアゴムは、単に硫酸中 でアラビアゴムを一晩煮沸することによって、単糖類成分、および単一のβ-グ ルクロニル二糖類、アルドビウロン酸(aldobiuronic acid)の集団に還元され得 る。 β-グルクロニドは、βアノマーとしてグルクロン酸の1位に結合される実質 的に任意の化合物からなり、そして代表的には、決して全く-O-グリコシドのみ ではないが、-O-グリコシドとして見出される。β-グルクロニドは、天然には、 天然の化合物および生体異物化合物の両方を可溶化し、解毒し、そして移動し、 したがってそれらを循環系を介する排出または活性の部位に指向するプロセスの 一部として、ほとんどの脊椎動物によって多くの細胞および組織におけるUDP-グ ルクロニルトランスフェラーゼの働きを介して生成される。E.coliは、それらの 構成分子中にそのようなグルクロニドを切断し得、そしてヘキスロニド-ヘキス ロネート経路による代謝を介してのエネルギー源としてグルクロン酸を使用する 。 多糖類形態のβ-グルクロニドは自然においてどこにでも存在し、脊椎動物に おいて最も豊富に存在する。脊椎動物においてそれらは、N-アセチルグルコサミ ンのような他の糖と共にポリマー形態にある結合組織および潤滑性組織の主要な 成分(例えば、軟骨の硫酸コンドロイタン、およびヒアルロン酸(これらは、滑 液および粘液の主要な成分である))である。β-グルクロニドは、植物におい て比較的まれである。しかし、傷ついた樹木によって生成される、いくつかの植 物ゴムおよび粘液、特にAcacia senegal由来のアラビアゴムは、たとえGUS基質 として役立つ末端残基として含んでいてもまれではあるけれど、ポリマー形状で 有意な量のβ-グルクロニドを含む。植物細胞壁の成分(例えば、ペクチン)に おいて見出されるグルクロニドおよびガラクトロニドは、一般に、α型立体配置 であり、そして頻繁に4-O-メチルエーテルとして置換される;したがって、これ らはβ-グルクロニダーゼの基質ではない。 本発明の文脈において、特定のβ-グルクロニド誘導体が使用される。そのよ うなβ-グルクロニド誘導体は、以下の式(1)を有する: ここで、R1はアグリコン部分であり、R2は疎水性部分であり、そしてL1お よびL2は、結合基から独立的に選択される。好ましい結合基は、直接的な結合 、-O-,-OC(=O)-,-C(=O)O-,-C(=O)-,-CH(OR3)-,-N(R3)-,-N(R3)C(=O)-,-C (=O)N(R3)-,-N(R3)C(=O)O-,-OC(=O)N(R3)-,-S-,および-SS-から独立的に選 択される。ここでR3は、HまたはC1-C22炭化水素基である。 第1の実施態様において:R1はアグリコン部分であり;L1は、直接的な結合 、-O-,-OC(=O)-,-C(=O)O-,-C(=O)-,-CH(OR3)-,-N(R3)-,-N(R3)C(=O)-,-C(= O)N(R3)-,-N(R3)C(=O)O-,-OC(=O)N(R3)-,-S-,および-SS-から選択され;R2 は疎水性部分であり;L2は、直接的な結合、-O-,-OC(=O)-,-C(=O)-,-N(R3)- ,-N(R3)C(=O)-,および-S-から選択され;ならびにR3はHまたはC1-C22炭化水 素基である。 好ましい第1の実施態様において:R1はアグリコン部分であり;L1は、直接 的な結合、-O-,-OC(=O)-,-C(=O)O-,-C(=O)-,-CH(OR3)-,-N(R3)-,-N(R3)C(= O)-,-C(=O)N(R3)-,-N(R3)C(=O)O-,-OC(=O)N(R3)-,-S-,および-SS-以下か ら選択され;R2は脂質(-CH2-CH(OC(=O)R3)-CH2(OC(=O)R3)またはC1-C22炭化水 素基であり;L2は、直接的な結合、-O-,-OC(=O)-,-C(=O)-,-N(R3)-,-N(R3) C(=O)-,および-S-から選択され;ならびにR3はHまたはC1-C22炭化水素基であ る。 より好ましい第1の実施態様において:R1はアグリコン部分であり;L1は、 直接的な結合、-O-,-OC(=O)-,-C(=O)O-,-C(=O)-,-CH(OR3)-,-N(R3)-,-N(R3 )C(=O)-,-C(=O)N(R3)-,-N(R3)C(=O)O-,-OC(=O)N(R3)-,-S-,および-SS-か ら選択され;R2は、C1-C22アルキル、C6-C22アリール、C3-C22シクロアルキル 、C7-C22アリールアルキル、C7-C22アルキルアリール、およびそれらの不飽和誘 導体から選択され;L2は、直接的な結合、-O-,および-N(R3)-から選択され; ならびにR3はHである。 第2の実施態様において:R1はアグリコン部分であり;L1は、直接的な結合 、-OC(=O)-,-C(=O)O-,-C(=O)-,-CH(OR3)-,-N(R3)-,-N(R3)C(=O)-,-C(=O)N (R3)-,-N(R3)C(=O)O-,-OC(=O)N(R3)-,-S-,および-SS-から選択される(β- グルクロニダーゼによって)切断不可能な結合であり;R2は疎水性基であり; L2は、直接的な結合、-O-,-OC(=O)-,-C(=O)-,-N(R3)-,-NHC(=O)-,および- S-から選択され;ならびにR3はHまたはC1-C22炭化水素基である。 好ましい第2の実施態様において:R1は、蛍光生成性部分または色素生成性 部分であり;L1は、直接的な結合,-OC(=O)-,-C(=O)O-,-C(=O)-,-CH(OR3)- ,-N(R3)-,-N(R3)C(=O)-,-C(=O)N(R3)-,-N(R3)C(=O)O-,-OC(=O)N(R3)-,-S- ,および-SS-から選択される切断不可能な結合であり;R2は疎水性基であり; L2は、直接的な結合、-O-,-OC(=O)-,-C(=O)-,-N(R3)-,-NHC(=O)-,および- S-から選択され;ならびにR3はHまたはC1-C22炭化水素基である。 より好ましい第2の実施態様において:R1は、4-メチルウンベリフェロン、3 -シアノ-4-メチルウンベリフェロン、4-トリフルオロメチルウンベリフェロン、 フルオレセイン、3-O-メチルフルオレセイン、およびレゾルフイン(resorufin) から選択される蛍光生成性部分、または5-ブロモ-4-クロロ-3-インドキシル、ナ フトールASBI、フェノールフタレイン、およびp-ニトロフェノールから選択され る色素生成性部分であり;L1は、直接的な結合,-N(R3)-,および-S-から選択 され;R2は疎水性基であり;L2は、直接的な結合、-O-,-OC(=O)-,-C(=O)-, -N(R3)-,-NHC(=O)-,および-S-から選択され;ならびにR3はHである。 第3の実施態様において:R1はアグリコン部分であり;L1は、直接的な結合 、-OC(=O)-,-C(=O)O-,-C(=O)-,-CH(OR3)-,-N(R3)-,-N(R3)C(=O)-,-C(=O)N( R3)-,-N(R3)C(=O)O-,-OC(=O)N(R3)-,-S-,および-SS-から選択される(β-グ ルクロニダーゼによって)切断不可能な結合であり;R2は疎水性部分であり; L2は、直接的な結合、-O-,-OC(=O)-,-C(=O)-,-C(=O)-,-N(R3)-,-NHC(=O)- ,および-S-から選択され;ならびにR3はHまたはC1-C22炭化水素基である。 好ましい第3の実施態様において:R1は、蛍光生成性部分または色素生成性 部分であり;L1は、直接的な結合,-N(R3)-,および-S-から選択され;R2は、 脂質(-CH2-CH(OC(=O)R3)-CH2(OC(=O)R3)またはC1-C22炭化水素基であり;L2は 、直接的な結合、-O-,および-N(R3)-から選択され;ならびにR3はHである。 より好ましい第3の実施態様において:R1は、4-メチルウンベリフェロン、3 -シアノ-4-メチルウンベリフェロン、4-トリフルオロメチルウンベリフェロン、 フルオレセイン、3-O-メチルフルオレセイン、およびレゾルフィン(resorufin) から選択される蛍光生成性部分、または5-ブロモ-4-クロロ-3-インドキシル、ナ フトールASBI、フェノールフタレイン、およびp-ニトロフェノールから選択され る色素生成性部分であり;L1は、直接的な結合,-N(R3)-,および-S-から選択 され;R2はC1-C22アルキル、C6-C22アリール、C3-C22シクロアルキル、C7-C22 アリールアルキル、C-C22アルキルアリール、およびそれらの不飽和誘導体から 選択され;L2は、直接的な結合、-O-,および-N(R3)-から選択され;ならびに R3はHである。 式(1)の化合物は、当該分野において公知の方法論によって調製され得る。-L1 -R1および-L2-R2が両方とも-OHである式(1)の化合物は、グルクロン酸とし て公知であり、多くの供給源から市販されている。R1が蛍光生成性または色素 生成性部分であるいくつかのグルクロン酸誘導体はまた、市販されている。-L2 -R2が-OHと異なる式(1)の化合物を提供するために、もとのグルクロン酸は、ア ルコールR2-OHとエステル結合され得るか(L2が酸素である化合物を提供する )、またはアミンR2-N(R3)Hと反応され得、アミド化合物(L2はN(R3)である) を提供する。他の誘導体は、当該分野で公知の手順によって調製され得る。 例えば、J.March(McGraw-Hill Book Company)によるAdvanced Organic Chemist ry(第3版)を参照のこと。いくつかの例において、式(1)におけるピラン環の ヒドロキシル基は、保護される必要があり得るが、これは公知の合成方法論によ って達成され得る。例えば、Greene,「Protective Groups in Organic Chemist ry」,John Wiley & Sons,New York NY(1981)を参照のこと。 本明細書中で使用される「グルクロニドオペロン」または「GUSオペロン」は 、β-グルクロニドの輸送および切断に関与する酵素と調節配列の調和(concert) をいう。E.coliにおいて、オペロンは、リプレッサー(gusR)、プロモーター/オ ペレーター配列、β-グルクロニダーゼ(gusAまたはGUS)、β-グルクロニド透過 酵素(gusB)、および膜タンパク質(gusC)を含む(図1を参照のこと)。グルクロ ニドオペロンまたは脊椎動物の等価物は、ほとんどの脊椎動物および多くの軟体 動物において見出される(LevvyおよびConchie、Glucuronic Acid,Free and Com bined,Dutton,G.J.編,Academic Press,New York 301.1966)。対照的に、グ ルクロニドオペロンは、完全にということでなければ、高等植物、コケ類、シダ 類、昆虫、菌類、カビ、およびほとんどの細菌属(E.coliおよびShigellaは例外 である)にほとんど存在しない。 本明細書中で使用される「グルクロニドリプレッサー」は、DNA結合がβ-グル クロニド(または誘導体)結合に依存するように少なくとも2つの相互作用ドメ インを有するタンパク質(特異的なDNA配列と結合するタンパク質、およびβ-グ ルクロニドまたはβ-グルクロニド誘導体と結合するもう一方のタンパク質)を いう。相互作用は、タンパク質が、古典的な細菌リプレッサーに関してはグルク ロニドオペレーターから遊離すること、または典型的な真核生物の転写活性因子 に関してはオペレーターに結合することを引き起こし得る。さらに、リプレッサ ーは、タンパク質の二量体化を可能にする第3のドメインを有し得る。上記のよ うに、ほとんどの脊椎動物およびいくつかの軟体動物は、β-グルクロニダーゼ 活性を有する。細菌種、E.coliおよびShigellaはグルクロニドリプレッサーを有 する。異なる種由来のグルクロニドリプレッサーへの言及に加えて、グルクロニ ドリプレッサーはまた、対立遺伝子を含むその変異体を包含する。特定の実施態 様について、対立遺伝子を含む変異体は、β-グルクロニドを結合しなければな らない。他の実施態様について、変異体は、グルクロニドオペレーター配列と結 合しなければならない。変異体は、リプレッサーの一部であり得、そして/また はアミノ酸置換、挿入、および欠失を含み得る。変異体はまた、天然の配列にハ イブリダイズするヌクレオチド配列において十分に類似し得る。 本明細書中で使用される「グルクロニドオペレーター」または「グルクロニド オペレーター配列」は、グルクロニドリプレッサーによって結合される特異的な ヌクレオチド配列をいう。例えば、E.coliにおいてグルクロニドオペレーター配 列を含む領域は、配列番号3に示される。オペレーター部位のより正確なマッピ ングは、下記で考察され、そして図18に示される。オペレーター配列は、リプレ ッサーが結合する限りは、天然の配列からのヌクレオチド変化を有し得る。いく つかの変化は、リプレッサーの増加した親和性を引き起こし得、いくつかは、減 少した親和性を引き起こし得る。一般に、増加した親和性は、本発明の文脈にお いて好ましい。 本明細書中で使用される「β-グルクロニダーゼ」は、β-グルクロニドおよび 誘導体の加水分解を触媒する酵素をいう。任意のほとんどのβ-D-グルクロニド は、基質として作用する。β-グルクロニダーゼ活性を検出するためのアッセイ のために、蛍光生成性または色素生成性基質が好ましい。そのような基質は、p- ニトロフェニル、β-D-グルクロニド、および4-メチルウンベリフェリルβ-D-グ ルクロニド、および図2に図示されるR-OH基のグルクロニド結合体を含むが、こ れらに限定されない。GUS活性としてもまた公知のβ-グルクロニダーゼ活性につ いてのアッセイは、米国特許第5,268,463号において提供される。 A.リプレッサー遺伝子および遺伝子生成物 上記のように、本発明は、グルクロニドリプレッサーについての遺伝子配列お よび遺伝子生成物を提供する。グルクロニドリプレッサー遺伝子は、遺伝的、生 化学的、または免疫学的方法によって単離され得る。適切な核酸分子のいくつか は、DNA、RNA、または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質もし くはそれらの変異体をコードし、ストリンジェントな条件下で(例えば、65℃で の5×SSPE,0.5%のSDS,1×Denhardt'sまたは同等な条件;Ausubel(前出) , Sambrook(前出)を参照のこと)、配列番号1に示されるヌクレオチド配列の相補 体にハイブリダイズし、特定の宿主種に対して最適化されたコドンであり、そし て本明細書中で考察されるようなグルクロニドリプレッサーまたはそれらの変異 体をコードするハイブリッド分子のいずれか、ならびにストリンジェントな条件 下でコドン最適化分子の相補体にハイブリダイズする分子を含む。 本明細書中で例示されるE.coliグルクロニドリプレッサーをコードする遺伝子 は、遺伝的にそしてDNA配列分析によって同定された。他のグルクロニドリプレ ッサーは、ゲノムまたはcDNAライブラリーにおいて、E.coliリプレッサー遺伝子 配列での交差ハイブリダイゼーションによるか、相補性によるか、機能によるか 、または発現ライブラリーをスクリーニングする抗体によって同定され得る(他 の種由来のグルクロニドリプレッサーの単離に適切な方法および条件について、 Sambrookら(下記)、Ausubelら(下記)を参照のこと)。単に例示として、E.c oliグルクロニドリプレッサーの単離が、本明細書中で提供される。 グルクロニドリプレッサー遺伝子およびタンパク質 E.coli(gusR)におけるグルクロニドリプレッサーの存在は、遺伝的および生化 学的実験によって証明され、そしてグルクロニダーゼ遺伝子(gusA)の上流の領域 に遺伝的にマッピングされた。さらに、gusAを下方制御転写する、β-グルクロ ニダーゼ活性のgusR抑制が、ノーザン分析によって示された。メチルβ-D-グル クロニドによって誘導された培養物から抽出されたRNAに対して観察された強い ハイブリダイゼーションとは対照的に、E.coliの非誘導培養物由来のRNAは、gus Aプローブにハイブリダイゼーションを示さなかった(Jefferson、前出)。GusRは 、gusAオペレーター配列に結合することによって作用する。このように、GusRは 転写を妨げる。グルクロニド基質がリプレッサーに結合し、そしてそれを不活化 する場合にこの抑制が解放される。 gusA(β-グルクロニダーゼをコードする、米国特許第5,268,463号)およびgu sB(グルクロニド透過酵素をコードする、米国特許第5,432,081号)をコードす ることが公知のE.coliの染色体領域を、消化したE.coliゲノムDNAから低コピー プラスミドベクターpRK404(pKW212)または高コピーベクターpBSIISK+(pKW214) 中にPst I-Hind IIIフラグメントとしてクローン化した。gusAおよびgusBのみを 含むより小さなフラグメントをクローニングすることは、細胞抽出物において基 質p-ニトロフェニル-グルクロニドを用いて測定した場合、高レベルの構成的なG US活性を生じたことが以前に示されていた。しかし、gusAおよびgusBのいずれか の方向の数キロ塩基に及ぶクローンpKW212およびpKW214は、構成的活性を生じな かったが、p-ニトロフェニル-グルクロニドのようなGUS基質の添加による誘導を 必要とした。したがって、より大きなPst I-Hind III DNAフラグメントは、gusA およびgusBの転写を抑制し得る遺伝子を含み、そして抑制は、基質分子の添加に よって解放され得た。 pKW212のPst I-Hind IIIフラグメントの2つのサブクローンを作製した。第1 は、gusプロモーターおよびgusABC遺伝子(pKW222)を含むことが公知の大きなEco R I-Hind IIIフラグメントであった。第2のサブクローンは、約1.4kbのBstX I- Nco Iフラグメントから構築し、それはPst I部位の3'BstX I部位から、独特のEc oR I部位の下流のNco I部位まで及んだ。このフラグメント(gusAの上流にマッ ピングされた)を、クローン化してpKW223を作製した(図3)。 pKW222は、全gusオペロン領域(KW1)について欠失した株に形質転換された場合 、高レベルの構成的なGUS活性を示す。しかし、この形質転換された株が適合性 のプラスミドpKW223でさらに形質転換される場合、実質的に、すべての活性は排 除される。これはpKW223がgusオペロンの発現を抑制し得る遺伝子またはDNA配列 を含むことを示す。さらに、この抑制は、X-glcA(5-ブロモ-4-クロロ-3-インド リル-β-D-グルクロニド)のような適切なインデューサー分子の添加によって可 逆的である。このことは、インジゴ生成基質X-glcA上にプレートされる場合、深 青色のコロニーの生成によって実証される。 GUS遺伝子領域のDNA配列を、pKW222およびpKW223の挿入物から決定し、そして 配列番号4に示す。gusABC遺伝子を同定し、そしてgusAについてのコード配列は 、ヌクレオチド1466で始まる。gusAの2つの大きなオープンリーディングフレー ム5'が、ヌクレオチド1〜264および485〜1075に同定された。最も5'のリーディ ングフレームを、7-α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼについての部分 的なコード配列として同定した。第2のオープンリーディングフレームの予測さ れ るアミノ酸配列は、他の細菌転写リプレッサーに有意な配列類似性を有し、した がってこのことはこのオープンリーディングフレームがgusRをコードするという 証拠を提供する。予測されるリプレッサータンパク質は、195のアミノ酸である ;転写開始コドン(精製したgusRタンパク質に対するN末端アミノ酸配列分析に よって決定された)は、オープンリーディングフレーム(配列番号2;配列番号 4におけるヌクレオチド488)における第2のメチオニン残基である。リプレッ サータンパク質は、3つのドメインを有するようである:約60のアミノ酸のDNA 結合ドメイン;約100〜140のアミノ酸のグルクロニド結合ドメイン;および他の 転写因子に類似し、そして二量体化を媒介し得るロイシンジッパーを有する約40 のアミノ酸のドメイン。これらのドメインの正確な境界、および2つまたは3つ の分離可能なドメインがあるかどうかは、明確に証明されていないが、しかしド メインの機能に必要な最小の配列は、本明細書中において記載のアッセイによっ て同定可能である。 本発明の他の局面において、単離したグルクロニドリプレッサータンパク質ま たはグルクロニド結合タンパク質が提供される。さらに、リプレッサータンパク 質の使用に依存して、このようなタンパク質が、種々のグルクロニドまたは1つ 程度の特異的なグルクロニドを結合することが、望まれ得る。結合の特異性は、 グルクロニドの変異体を作製し、そして所望の活性について変異体を試験するこ とによって達成される。より高いかまたはより低い親和性を生じるDNA結合ドメ インの変異体および二量体化能を増加するかまたは消滅させる二量体化ドメイン の変異体もまた、本発明の文脈において有用である。 グルクロニドリプレッサーの変異体は、アミノ酸置換、欠失、挿入、および融 合タンパク質を含み、そして当該分野における周知の任意の方法によって構築さ れる(一般に、Ausubelら(前出):Sambrookら(前出)を参照のこと)。このよ うな方法は、部位指向性オリゴヌクレオチド変異誘発、制限酵素消化、および塩 基の除去または塩基の挿入、ミスマッチまたはさらなるヌクレオチドを含むプラ イマーを使用する増幅などを含む。グルクロニドリプレッサーのDNA配列の変異 体は、アミノ酸置換、欠失、挿入などを有するリプレッサータンパク質を発現す るために必要なヌクレオチド変化、および代替のコドン使用から生じるヌクレオ チド変化を含む。例えば、リプレッサータンパク質が、異種において発現される ならば、その種についてのコドン最適化は望まれ得る。 1つまたは2、3のアミノ酸が変化する定方向変異誘発に加えて、複数の置換 を有する変異体が産生され得る。これらの置換は、タンパク質もしくは機能性ド メインの全体に散乱されるか、または小さな領域に濃縮され得る。例えば、オペ レーター結合ドメインは、オリゴヌクレオチド-定方向変異誘発(ここで、オリ ゴヌクレオチドが一連のdN塩基を含むか、またはその領域が、切除され、そして 一連のdN塩基によって置換される)によって、推定されるDNA接触残基の領域で 変異誘発される。従って、ある領域に無作為化されたアミノ酸配列を有する変異 体の集団が産生される。次いで、所望の特性(例えば、グルクロニドオペレータ ーに対する高い結合親和性)を有する変異体が、この集団から選択される。同様 の様式で、グルクロニド結合ドメインの複数の変異体が産生される。これらの変 異体が、特定のグルクロニドへの結合のために選択される(好ましくは、他のグ ルクロニドへの親和性を除外するか、または大いに低い親和性しか有さないよう に)。 他の実施態様において、リプレッサータンパク質は、グルクロニド結合ドメイ ンと配列特異的DNA結合ドメインとの融合タンパク質、またはリプレッサーとグ ルクロニドのアグリコン部分に結合する分子との融合タンパク質を含む。これら の融合タンパク質の構築は、好ましくは、所望のドメイン領域の増幅およびその 増幅産物の連結によって達成される。当業者は、他の日常的な方法および手順が 代替的に使用され得ることを認識する。 グルクロニドリプレッサーは、少なくともDNA結合ドメインおよびグルクロニ ド結合ドメインを有する。ほとんどのリプレッサー分子に関して、これらのドメ インは異なる配列であるが、配列のオーバーラップはあり得る。例えば、リプレ ッサータンパク質の二量体化ドメインは、別の機能性ドメインと不可分であり得 る。E.coliにおいて、gusRリプレッサーは、最初の約60〜65残基を含むDNA結合 ドメイン、および約60〜65から160残基を含むグルクロニド結合ドメインを有す る。これらのドメインは、幾分大きいか、または小さくあり得、そしてこれらの ドメインの境界を決定するためのアッセイは、本明細書中に提供されている。リ プレッサーの構築のために、グルクロニド結合ドメインに隣接する残基に由来す るオリゴヌクレオチドプライマー配列が合成され、そしてこのドメインを増幅す るために使用される。制限部位は、好ましくは、連結およびクローニングを容易 にするためにプライマーに含まれる。同様に、cro、lacリプレッサー、グルココ ルチコイドレセプター、trpリプレッサー、TFIIIA、Sp-1、GCN4、AP-2、GAL4リ プレッサー、および任意の転写因子(その因子が結合する既知のDNA配列を有す るアクチベーターおよびリプレッサーを含む)のようなDNA結合タンパク質から 選択される、DNA結合ドメインに隣接するプライマーは、本発明の文脈において 有用である(SauerおよびPabo,Ann.Rev.Biochem.61:1053-1095,1992を参照の こと)。適合性の制限部位が、好ましくは、プライマーに組み込まれ、その結果 、連結された場合にはその産物は、同じリーディングフレームになる。2つのド メインの増幅された産物は、制限処理され、そして互いに連結され、そして適切 なベクターに挿入される。生じるクローンの検証は、制限マッピングおよびDNA 配列分析によって容易に行われる。DNA配列分析は、インフレームのリーディン グフレームが検証され得るので好ましい。 同様の様式で、リプレッサーとアグリコンに結合するアミノ酸配列との融合タ ンパク質が構築される。リプレッサーは、グルクロニドリプレッサーまたは上記 のような融合タンパク質であり得る。アグリコンに結合するアミノ酸配列として は、単鎖抗体、天然の基質またはリガンドなどが挙げられるが、これらに限定さ れない。融合タンパク質のさらなる部分は、グルクロニドに対するリプレッサー の特異性の増大を付与するように設計される。 ベクター、宿主細胞ならびにタンパク質を発現および産生する手段 グルクロニドリプレッサーは、種々の宿主生物において発現され得る。好まし くは、このリプレッサーは、多くの発現ベクターが開発され、そして入手可能で あるE.coliのような細菌において産生される。他の適切な宿主生物としては、他 の細菌種、ならびに酵母(例えば、Saccharomyces cerevisiae)、哺乳動物細胞 (例えば、CHOおよびCOS-7)、および昆虫細胞(例えば、Sf9)のような真核生 物が挙げられる。 リプレッサーをコードするDNA配列は、宿主に適切な発現ベクター中に導入さ れる。リプレッサー配列は、既存のcDNAに由来するか、または合成される。合成 の好ましい手段は、タンパク質のコード領域または所望の部分に隣接するプライ マーのセットを用いるcDNAからの遺伝子の増幅である。上記のように、リプレッ サー配列は、複数のコドンを有する各々のアミノ酸の代替的なコドンを含み得る 。代替的なコドンは、宿主種に「至適」である様に選択され得る。制限部位は、 代表的には、プライマー配列に取り込まれ、そしてベクターのクローニング部位 に関して選択される。必要である場合、転写の開始コドンおよび終結コドンが、 プライマー配列中に操作され得る。 最低でも、ベクターはプロモーター配列を含まねばならない。他の調節配列が 含まれ得る。このような配列としては、転写終結シグナル配列、分泌シグナル配 列、複製起点、選択マーカーなどが挙げられる。調節配列は、転写または翻訳を 可能にするように互いに作動可能に会合される。 グルクロニドリプレッサーの発現に本明細書中で使用されるプラスミドとして は、細菌宿主におけるタンパク質の発現のために設計されたプロモーターが挙げ られる。適切なプロモーターは、広範に入手可能であり、当該分野において周知 である。誘導性または構成的なプロモーターが好ましい。このような細菌におけ る発現のためのプロモーターとしては、T7ファージおよびT3、T5、およびSP6の ような他のファージ、ならびにtrp、lpp、およびlacオペロン由来のプロモータ ーが挙げられる。tacおよびtrcのようなハイブリッドプロモーター(米国特許第 4,551,433号を参照のこと)もまた使用され得る。真核生物細胞における発現の ためのプロモーターとしては、バキュロウイルス/昆虫細胞発現系のP10または多 面体遺伝子プロモーター(例えば、米国特許第5,243,041号、同第5,242,687号、 同第5,266,317号、同第4,745,051号および同第5,169,784号を参照のこと)、MMT V LTR、RSV LTR、SV40、メタロチオネインプロモーター(例えば、米国特許第4, 870,009号を参照のこと)および他の誘導性プロモーターが挙げられる。タンパ ク質の発現のために、プロモーターは、グルクロニドリプレッサーのコード領域 と作動可能に連結するように挿入される。 グルクロニドリプレッサーの転写を制御するプロモーターは、それ自身がリプ レッサーによって制御され得る。いくつかの系において、プロモーターは、細胞 の生理学的な条件を変化させることによって(例えば、リプレッサーに競合的に 結合する分子の添加によって、または増殖培地の温度を変化させることによって )脱抑制され得る。好ましいリプレッサータンパク質としては、IPTG誘導に応答 性のE.coli lacIリプレッサー、温度感受性λcI857リプレッサーなどが挙げられ るがこれらに限定されない。E.coli lacIリプレッサーが好ましい。 他の好ましい実施態様において、ベクターはさらに、転写終結配列を含む。「 転写終結領域」は、選択されたプロモーターを認識するポリメラーゼによって転 写を終結するシグナルを提供する配列および/またはポリアデニル化のシグナル 配列のいずれかを有する。 好ましくは、ベクターは、細菌細胞における複製が可能である。従って、ベク ターは、好ましくは細菌の複製起点を含む。好ましい細菌の複製起点としては、 f1-oriおよびcol E1複製起点、特にpUCプラスミド由来のoriが挙げられる。 プラスミドはさらに、好ましくは、宿主中で機能性である少なくとも1つの選 択マーカーを含む。選択マーカー遺伝子としては、形質転換細胞が同定され、そ して選択的に増殖されることを可能にする宿主上での表現型を付与する任意の遺 伝子が挙げられる。細菌宿主に適切な選択マーカー遺伝子としては、アンピシリ ン耐性遺伝子(Ampr)、テトラサイクリン耐性遺伝子(Tcr)およびカナマイシ ン耐性遺伝子(Kanr)が挙げられる。カナマイシン耐性遺伝子が現在好ましい。 真核生物に適切なマーカーは、通常、宿主における相補性欠損(例えば、tk-宿 主におけるチミジンキナーゼ(tk))を必要とする。しかし、薬剤マーカーもま た利用可能である(例えば、G418耐性およびハイグロマイシン耐性)。 グルクロニドリプレッサーをコードするヌクレオチドの配列としてはまた、分 泌シグナルが挙げられ、それによって生じるペプチドが、プロセスおよび分泌さ れた前駆タンパク質になる。生じるプロセスされたタンパク質は、周辺細胞質空 間または発酵培地から回収され得る。使用に適切な分泌シグナルは、広範に入手 可能であり、当該分野で周知である(von Heijne,J.Mol.Biol.184:99-105,19 85)。E.coli(または他の宿主)において機能性である原核生物および真核生物 分泌シグナルが使用され得る。現在好ましい分泌シグナルとしては、以下のE.co li遺伝子によってコードされるものが挙げられるが、それに限定されない:pelB (Leiら、J.Bacteriol.169:4379,1987)、phoA、ompA、ompT、ompF、ompC、β -ラクタマーゼ、およびアルカリホスファターゼ。 当業者は、細菌細胞における発現に適切な広範のベクターが存在し、そしてそ れらが容易に入手可能であることを理解する。pETシリーズ(Novagen,Madison ,WI)ならびにtacおよびtrcシリーズ(Pharmacia,Uppsala,Sweden)のような ベクターが、グルクロニドリプレッサーの発現に適切である。pBlueBac(例えば 、米国特許第5,278,050号、同第5,244,805号、同第5,243,041号、同第5,242,687 号、同第5,266,317号、同第4,745,051号、および同第5,169,784号を参照のこと :Invitorogen,San Diegoから入手可能である)のようなバキュロウイルスベク ターが、昆虫細胞(例えば、Spondoptera frugiperda sf9細胞(米国特許第4,74 5,051号を参照のこと))におけるリプレッサーの発現に使用され得る。 グルクロニドリプレッサーの発現のための細菌宿主の選択は、ベクターによっ て部分的に指図される。市販のベクターは、適切な宿主と対になっている。 リプレッサータンパク質は、標準的な方法(例えば、アフィニティークロマト グラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、 HPLC、および他の公知のタンパク質単離法)によって単離される。(一般的には 、Ausubelら、前述;Sambrookら、前述を参照のこと)。単離された精製タンパ ク質は、クーマシーブルーで染色された場合、SDS-PAGEにおいて単一のバンドを 生じる。 好ましくは、リプレッサータンパク質は、ヘキサキス(hexahis)融合タンパ ク質として発現され、そして金属含有クロマトグラフィー(例えば、ニッケル結 合ビーズ)によって単離される。手短には、His6をコードする配列は、リプレッ サーをコードするDNA配列に連結される。His6配列は、分子の任意の場所に配置 され得るが、好ましくは、終結コドンのすぐ前の3'末端に連結される。His-gusR 融合は、種々の方法のいずれかによって構築され得る。簡便な方法は、His6のコ ドンを含む下流プライマーを用いるgusR遺伝子の増幅である(実施例3Cを参照の こと)。 リプレッサータンパク質はまた、β-グルクロニダーゼの競合インヒビターで あるβ-グルクロニドへのそれの結合によって精製され得る。グルクロニドは、 カルボジイミド媒介架橋または他の適切な方法を介して、Separoseまたはアガロ ースのようなアフィニティーマトリックスに結台される。例えば、フェニルチオ -β-D-グルクロニド-Sepharose CL6Bおよびサッカロラクトン-アガロース(Blos ynth AG,Switzerland)は両方ともgusRタンパク質に結合し、そして適切な塩濃 度でマトリックスから溶出され得る。 グルクロニドリプレッサータンパク質の機能のアッセイ リプレッサー活性は、種々のアッセイ(遺伝学的および生化学的アッセイを含 む)によって簡便に測定される。手短には、完全なgusオペロンを欠損した株( 例えば、KW1)は、オペレーター領域およびgusABC遺伝子を含むプラスミドによ って形質転換される。あるいは、リプレッサー遺伝子配列を欠損した株が用いら れ得る。このような株はguAを構成的に発現し、その活性は、β-グルクロニダー ゼ基質(好ましくは、色素生成性基質(例えば、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドキ シル-グルクロニド)または蛍光生成性基質(例えば、4-メチルウンベリフェロ ン-グルクロニド(methlumbelliferone-glucuronlde)))によって容易に検出さ れ得る。この株はさらに、リプレッサーまたは候補リプレッサータンパク質を発 現するプラスミドで形質転換される。リプレッサー活性が存在する場合、事実上 全てのグルクロニダーゼ活性が排除される。抑制は、適切なグルクロニドインデ ューサーの添加によって解放される。このアッセイの変形(例えば、基質、イン デューサー、株およびベクター構築物の選択)は、本明細書中および当該分野の 教示に基づいて行われ得る。他のインビトロアッセイ(例えば、β-グルクロニ ドインデューサーの存在下および非存在下でのDNAフットプリンテイング)もま た、リプレッサー活性をアッセイするために使用され得る。 DNAへのリプレッサーの結合を測定するための、およびリプレッサーへのグル クロニドの結合を測定するためのさらなるインビトロアッセイおよび方法は、バ イオセンサーまたはチップベース技術を含む。バイオセンサー(例えば、BIAコ ア(Pharmacla Biosensor AB,Uppsala,Sweden)または米国特許第5,395,587号に 開示されている装置)を用いて、タンパク質-リガンドおよびタンパク質-DNA相 互作用の機能的な特徴が、表面プラスモン共鳴検出器を用いてリアルタイムで測 定される。(一般的には、Malmqvist,Nature 361:186,1993;CouletおよびBard eletti,Biochem.Soc.Trans.19:1,1991;Robinson,Biochem.Soc.Trans.19:_ ,1991;およびDowns,Biochem.Soc.Trans.19:_,1991を参照のこと)。米国特 許第5,412,087号;WO 95/22058、米国出願番号08/28454、およびWO 88/08875に記 載されるようなチップベース技術もまた、結合を測定するために開発され得る。 本明細書中に記載されるように、本発明は、グルクロニドリプレッサータンパ ク質のDNA結合活性を含むリプレッサータンパク質を提供する。このDNA結合活性 は、グルクロニドオペレーター配列への特異的な結合である。種々のインビボお よびインビトロアッセイが、DNA結合を評価するために使用され得るが、遺伝学 的アッセイまたはバイオセンサーベースアッセイが使用され得る。手短には、遺 伝学的アッセイにおいて、候補結合タンパク質をコードするヌクレオチド配列は 、発現ベクター中にクローン化される。gusR遺伝子または活性を欠失し、そして レポーター遺伝子に連結されたグルクロニドオペレーター配列を含む株が、レポ ーター遺伝子の構成的な発現が存在するように、単離されるか、または構築され る。好ましくは、オペレーターおよびgusABC遺伝子を含む、pKW222のような構築 物が使用されるが、他の適切で容易にアッセイ可能であるレポーター遺伝子(例 えば、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ)は、gusAで置換され得る。候補 結合タンパク質がオペレーターに結合すると、gusAの転写、それ故酵素活性は、 大いに減少するか、または排除される。あるいは、移動度シフトアッセイが行わ れ得る。手短には、グルクロニドオペレーター配列を含むDNAのフラグメントが 入手される。これらのフラグメントを単離するための任意の適切な方法が使用さ れ得る。例えば、DNAフラグメントは、オペレーター配列を含むプラスミドまた は他のDNAの制限消化の後に単離されるか、またはオペレーター領域の増幅およ び増幅産物の精製によって単離され得る。そのフラグメントは、放射標識され、 そしてタンパク質と混合される(Ausubelら、前述、プロトコルの12章を参照の こと)。反応は、アガロースまたはポリアクリルアミドゲルを介して電気泳動さ れ、そしてX線フィルムに曝される。特異的なタンパク質-DNA相互作用は、DNA フラグメン トの遅延した移動を生じる。あまり好ましくはないが、他の方法が、DNAへのタ ンパク質の配列特異的結合を検出するために使用され得、これには、ニトロセル ロースフィルター結合、DNase Iフットプリンティング、メチル化保護、および メチル化妨害が挙げられる。 本発明の他の局面において、グルクロニドリプレッサーのβ-グルクロニド結 合活性を有するタンパク質が提供される。このような活性は、インビトロまたは インビボでアッセイされ得る。例えば、インビトロアッセイは、タンパク質をニ トロセルロースに染み込ませるか、またはタンパク質を電気泳動し、そしてタン パク質をニトロセルロースに転移させ、そして放射標識、蛍光または色素生成性 のグルクロニドをニトロセルロースにインキュベートすることによって行われ得 る。タンパク質とβ-グルクロニドとを接触させる任意の手段が使用され得る。 さらに、GUSの添加による結合または引き続く切断において蛍光または色素生成 性シグナルを生じる、多くのβ-グルクロニド基質が利用可能である。次いで、 結合グルクロニドは、オートラジオグラフィーによって検出される。他のインビ トロアッセイとしては、上記のバイオセンサーベースアッセイが挙げられる。適 切なインビボアッセイは、グルクロニドオペレーターおよびgusABC遺伝子を含む 上記のような株を構築することによって行われる。あるいは、細胞がグルクロニ ドを移入し得る限り、別のオペレーターおよびレポーター遺伝子構築物が使用さ れ得る。オペレーター結合アミノ酸配列を有するリプレッサータンパク質を発現 し得るベクター構築物が、候補グルクロニド結合アミノ酸配列に融合される。こ の構築物でトランスフェクトされた試験細胞は、レポーター遺伝子の発現を抑制 される。グルクロニドは、その細胞に提供され、そしてリプレッサーがグルクロ ニドに結合する場合にはレポーター遺伝子の脱抑制を引き起こす。これらのアッ セイにおいて異なるグルクロニドを供給することによって、グルクロニド結合の 識別のパターンが決定される。 B.細胞において遺伝子発現を制御するためのリプレッサーの使用 上記のように、本発明は、グルクロニドリプレッサーの制御下でのトランスジ ーンの発現のためのベクターを提供する。本発明の文脈において、トランスジー ンは、植物または動物の細胞に導入される任意の遺伝子配列である。2つのタイ プのグルクロニドリプレッサー制御系が本明細書中に提供される。一方は、グル クロニド依存性発現系であり;他方は、グルクロニド抑制発現系である(図4) 。 グルクロニド依存性系では、ベクターは、2つの発現ユニットを含むように構 築される。1つのユニットは、宿主細胞において発現し得るプロモーターの制御 下で、グルクロニドリプレッサー(好ましくは、gusR)を含む。第2のユニット は、プロモーターの制御下でトランスジーンを含むが、グルクロニドオペレータ ー部位が間に配置されている。静止状態(グルクロニドインデューサーを有さな い)では、リプレッサーは発現され、オペレーター部位に結合し、そしてトラン スジーンの転写を妨害する。誘導状態では、グルクロニドインデューサーは、リ プレッサーに結合し、そしてオペレーター部位からのリプレッサーの遊離を引き 起こし、従ってトランスジーンの発現を可能にする(図4)。 グルクロニド抑制発現系において、2つの発現ユニットが再び提供される。一 方のユニットは、グルクロニドオペレーター結合ドメイン、グルクロニド結合ド メイン、および転写アクチベータードメインを有する融合グルクロニドリプレッ サーを含む。他方のユニットは、グルクロニドオペレーター部位の下流にトラン スジーンを含む。静止状態では、融合リプレッサーは、オペレーターに結合し、 そして転写を活性化する。誘導状態では、融合プレッサーは、グルクロニドイン デューサーに結合し、そしてオペレーターから放出される。プロモーター連結な しでは、トランスジーンは発現されない(図4)。 これらの系の各々について、当業者は、さらなるエレメント(例えば、ポリア デニル化シグナル、スプライシング部位、エンハンサーなど)が、宿主細胞にお けるリプレッサーおよびトランスジーンの発現のために必要であるか、または至 適であり得ることを認識する。同様に、グルクロニド依存系におけるリプレッサ ーおよびトランスジーンのためのプロモーターの選択は、発現のために使用され る宿主および組織に部分的に依存する。例えば、組織特異的プロモーターが、さ らなる制御発現のために所望され得る。さらに、これらの発現ユニットは、単一 のベクターまたは複数のベクターで提供され得る。同様に、少なくとも1つのオ ペレーター配列が提供され、そして好ましくは直列配列の複数のオペレーター部 位が使用される。最も好ましくは、1〜10のオペレーター部位が含まれる。 転写活性化剤は、周知である(例えば、SauerおよびPabo、前出を参照のこと) 。特定の活性化剤(例えば、GAL4およびGCN4)は、遺伝子発現を活性化するため にツーハイブリッド系において首尾良く使用されており、そしてそれらの活性化 ドメインは、十分に特徴づけられている。 本明細書中に記載されるように、βグルクロニドに加えて、グルクロニドリプ レッサーにより結合されるが、βグルクロニダーゼによって切断されないβグル クロニド誘導体、または細胞膜をより容易に通過するβグルクロニド誘導体がこ れらの系において有用である。エステル結合、アミド結合などとしてC6位で改変 されてより疎水性になるグルクロニドの誘導体は、より膜透過性であるが、なお レセプタータンパク質に結合するグルクロニドを提供する。C1位で(例えば、-O -連結よりもむしろ、-N-、-C-、または-S-連結により)改変されるグルクロニド の誘導体は、βグルクロニダーゼによる切断に対して一般に感受性でない。1つ の例外は、-N-連結がE.coliのβグルクロニダーゼによって切断され得るが、ヒ トのβグルクロニダーゼによっては切断可能ではないことである。本明細書中で 示されるように、フェニルチオ-βDグルクロニドは、グルクロニダーゼリプレ ッサーによって結合されるが、βグルクロニダーゼによって切断されない。誘導 体のこれらの型は、宿主細胞が内因性GUS活性を発現する状況において好ましい 。より好ましくは、βグルクロニド誘導体は、より膜透過性(すなわち、より疎 水性)であるように二重に改変され、そしてグルクロニダーゼリプレッサーに結 合するが、内因性βグルクロニダーゼによって切断されない。誘導体のこのクラ スの1つの例は、C6位にメチルエステルを、そしてC1にアグリコンへのチオエー テル結合を有する。他の疎水性基(例えば、エチルエステル;プロピルエステル )および他のエーテル結合(例えば、-C-;-N-)が交換され得る。適切な疎水性 基およびエーテル結合は、周知である。 発現のためのトランスジーン 植物への導入のための好ましいトランスジーンは、繁殖性(雄性の不稔性、雌 性の繁殖力、および無配偶生殖を含む)に影響を与えるタンパク質;植物保護遺 伝子(疾患、細菌、菌類、線虫(nemotode)、ウイルス、および昆虫に耐性を与え るタンパク質を含む);発生プロセスに影響を与えるかまたは新たな表現型を与 える遺伝子およびタンパク質(例えば、成長点の発生、開花の時期などを制御す る遺伝子)をコードする。 昆虫および疾患耐性遺伝子は、周知である。これらの遺伝子のいくつかは植物 のゲノム中に存在し、そして遺伝的に同定されている。これらの遺伝子の他のも のは、細菌において発現されており、そして耐性を与えるために使用される。 特に周知の昆虫耐性遺伝子は、Bacillus thuringiensisの結晶遺伝子(crysta l gene)である。結晶遺伝子は、種々の昆虫(例えば、鱗翅目の昆虫、Diptera 、および蚊)に対して活性である。これらの遺伝子の多くがクローニングされて いる。例えば、GenBank受託番号X96682、同X96684;同M76442、同M90843、同M897 94、同M22472、同M37207、同D17518、同L32019、同M97880、同L32020、同M64478 、同M11250、同M13201、同D00117、同M73319、同X17123、同X86902、同X06711、 同X13535、同X54939、同X54159、同X13233、同X54160、同X56144、同X58534、同 X59797、同X75019、同X62821、同Z46442、同U07642、同U35780、同U43605、同U4 3606、同Ul0985;米国特許第5,317,096号、同第5,254,799号、同第5,460,963号、 同第5,308,760号、同第5,466,597号、同第5,2187,091号、同第5,382,429号、同 第5,164,180号、同第5,206,166号、同第5,407,825号、同第4,918,066、PCT出願 第WO95/30753号、同第WO94/24264号;AU9062083;EP408403B1、EP142924B1、EP256 ,553B1、EP192,741B1;JP62-56932を参照のこと。これらおよび関連のタンパク 質のための遺伝子配列は、標準的な、そして日常的な技術(例えば、B.thuring iensisライブラリーのプローブハイブリダイゼーションまたは増幅(一般には、 Sambrookら、前出、Ausubelら、前出を参照のこと)によって得られ得る。プロ ーブおよびプライマーは、公に入手可能な配列情報に基づいて合成され得る。 Sclerotinia、シスト線虫、タバコモザイクウイルス、アマおよび冠サビ病、 イネイモチ病、ウドンコ病、verticillum類しおれ、ジャガイモ昆虫(potato bee tle)、アブラムシ、ならびに他の感染症に対する他の耐性遺伝子は、本発明の状 況において有用である。このような疾患耐性遺伝子の例は、以下の参考文献にお ける教示から単離され得る:アマ植物からのサビ(rust)疾患耐性遺伝子の単 離(WO95/29238);avrRpt2非病原性遺伝子を有する病原体に対して疾患耐性を 与えるArabidopsis thalianaからのRps2タンパク質をコードする遺伝子の単離( WO95/28478);昆虫耐性を与えるインゲンマメのレクチン様タンパク質をコード する遺伝子の単離(JP 71-32092);トウモロコシからのC.carbonumに対するHm 1疾患耐性遺伝子の単離(WO95/07989);他の耐性遺伝子の例については、WO95/ 05743;米国特許第5,496,732号;同第5,349,126号;EP 616035;EP392225;WO94/ 18335;JP43-20631;EP502719;WO90/11770;米国特許第5,270,200号;同第5,218,10 4号および同第5,306,863号を参照のこと。さらに、植物疾患耐性遺伝子を同定お よび単離するための一般的な方法が開示される(WO95/28423)。本発明に従うベク ターへの挿入のために適切なこれらの遺伝子配列のいずれかは、プローブハイブ リダイゼーションまたは増幅のような標準的な組換え技術の技法によって単離さ れ得る。増幅が行われる場合、クローニングに適切な制限部位は、好ましくは挿 入される。 他のトランスジーン(例えば、雄の繁殖能を制御する)のためのヌクレオチド 配列は、米国特許第5,478,369号(そこで参照されている)、およびMarianiら、 Nature 347:737,1990において見出される。 ベクター、宿主細胞、および形質転換のための方法 上記のように、本発明は、グルクロニドリプレッサーの制御下でトランスジー ンを発現し得るベクターを提供する。農業的な適用において、ベクターは、植物 細胞において機能的であるべきである。時には、E.coli(例えば、タンパク質の 産生)または動物細胞において機能的なベクターを有することが好ましいことで あり得る。E.coliおよび動物細胞中でのクローニングおよび発現のためのベクタ ーおよび手順は、上記で、そして例えば、Sambrookら(前出)およびAusubelら (前出)に考察される。 植物において機能的なベクターは、好ましくはAgrobacteriumプラスミド由来 のバイナリープラスミドである。このようなベクターは、植物細胞を形質転換し 得る。これらのベクターは、宿主(植物)染色体中への組込みのために必要とさ れる左および右のボーダー(boader)配列を含有する。最小で、これらのボーダ ー配列間は、プロモーターの制御下で発現されるべき遺伝子である。好ましい実 施態様において、選択マーカーおよびレポーター遺伝子もまた含まれる。ベクタ ーはまた細菌の複製起点を含む。 上記のように、本発明は、グルクロニドリプレッサーの制御下での植物または 動物におけるトランスジーンの発現を提供する。トランスジーンの選択は、部分 的に所望の結果に依存する。例えば、植物の耐性が望ましい場合、好ましい遺伝 子は、疾患または昆虫に特異的である。 特定の好ましい実施態様において、ベクターはレポーター遺伝子を含む。レポ ーター遺伝子は、形質転換および発現の迅速な決定を可能にする。GUS(βグル クロニダーゼ)遺伝子が好ましい(米国特許第5,268,463号)。他のレポーター遺 伝子(例えば、βガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、GFPなど)もまた、本発 明の状況において適切である。これらの遺伝子の各々の発現をアッセイするため の方法および基質は、当該分野で周知である。レポーター遺伝子は、宿主細胞( 例えば、植物におけるCaMV 35Sプロモーター)中で機能的なプロモーターの制御 下にあるべきである。 ベクターは、グルクロニドリプレッサー遺伝子のためのプロモーター配列、お よび特定の実施態様においてはトランスジーンのプロモーター配列もまた含有す るべきである。 好ましくは、ベクターは、形質転換体を同定するための選択マーカーを含有す る。選択マーカーは、好ましくは適切な条件下で増殖の利点を与える。一般に、 選択マーカーは、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼのような薬物耐性遺伝 子である。他の薬物耐性遺伝子は、当業者に公知であり、そして容易に置換され 得る。選択マーカーはまた、好ましくは、連結された構成的または誘導的プロモ ーターと終結配列(ポリアデニル化シグナル配列を含む)とを有する。 さらに、細菌の複製起点および細菌の選択マーカーは、好ましくはベクター中 に含まれる。種々の起点(例えば、colEI、fdファージ)のうち、複製のcolEI起 点が好ましい。最も好ましいのは、pUCプラスミド由来の起点であり、これは高 コピー数を可能にする。 本発明の使用において適切な一般のベクターは、pBIN19の誘導体であるpBI121 (米国特許第5,432,081号)に基づく。他のベクターは、記載されている(米国 特許第4,536,475号)か、または本明細書中で開示されるガイドラインに基づい て構築され得る。プラスミドpBI121は、植物宿主染色体中への組み込みのための 左および右ボーダー配列を含有する。これらのボーダー配列は、2つの遺伝子に 隣接している。1つは、ノパリンシンターゼプロモーターによって駆動されるカ ナマイシン耐性遺伝子(ネオマイシンホスホトランスフエラーゼ)であり、そし てノパリンシンターゼポリアデニル化部位を用いる。2つ目は、CaMV 35Sプロモ ーターの制御下にあり、そしてノパリンシンターゼポリアデニル化部位を用いて ポリアデニル化されるE.coli GUS遺伝子(レポーター遺伝子)である。上記の発 現ユニットのいずれか1つが、さらに挿入されるか、またはCaMVプロモーターお よびGUS遺伝子の代わりに挿入される。プラスミドpBI121はまた、細菌の複製起 点および選択マーカーを含有する。 動物細胞における発現に適切なベクターは、当該分野で周知であり、そして一 般にAusubelら、前出およびSambrookら、前出に記載される。さらに、形質転換 法は周知であり、そしてエレクトロポレーション、直接注入、CaPO4-媒介トラン スフェクションなどが含まれる。 植物形質転換法 植物は、いくつかの方法のいずれかによって形質転換され得る。例えば、プラ スミドDNAは、Agrobacteriumの共培養または照射によって導入され得る。他の形 質転換法には、エレクトロポレーション、CaPO4媒介トランスフェクションなど が含まれる。好ましくは、ベクターDNAがまずAgrobacterium中にトランスフェク トされ、そして引き続いて植物細胞中に導入される。最も好ましくは、感染は、 共培養によって達成される。部分的に、形質転換法の選択は、形質転換される植 物に依存する。例えば、単子葉植物は、一般に、Agrobacteriumによっては形質 転換され得ない。従って、共培養によるAgrobacterium形質転換は、双子葉植物 および有糸分裂活性組織に最も適切である。非有糸分裂的双子葉植物組織は、噴 出(projectile)法または照射法が用いられる場合、Agrobacteriumによって効 率的に感染され得る。噴出法はまた、ヒマワリおよびダイズを形質転換するため に一般に使用される。照射は、裸のDNA、代表的にはAgrobacteriumまたはpUCに 基づくプラスミドが、形質転換または一過性の発現に用いられる場合に使用され る。 簡単に述べれば、共培養は、Agrobacteriumを凍結融解によって(Holstersら 、Mol.Gen.Genet.163:181-187,1978)、または他の適切な方法(例えば、Aus ubelら、前出;Sambrookら、前出)によって、まず形質転換することによって行 われる。プラスミドを含有するAgrobacteriumは、リーフディスク、プロトプラ スト、または成長点組織とインキュベートされて形質転換植物を生成する(Bevan ,Nucl.Acids.Res.12:8711,1984)。 簡単に述べれば、微少噴出照射のために、種は、漂白剤溶液中で表面を滅菌さ れ、そして蒸留水でリンスされる。次いで、種は、蒸留水中で摂取され、そして 子葉は、胚の軸の平面できれいに砕け散らされる。次いで、外植片は、始原(pr imordial)葉間で長軸方向に2等分され、そして増殖調節ホルモン、ミネラル、 およびビタミン添加物を有する培地上へ切り口を上に配置される。外植片は、粒 子加速デバイスによって、1.8μmのタングステン微少噴出照射で照射される。 新たに照射された外植片は、切り口を下にして3日間、18時間の光周期で、培地 に移された形質転換されたAgrobacteriumの懸濁液中に配置される。外植片は、 増殖レギュレーターを欠失するが選択のための薬物を含有する培地に移され、そ して2〜5週間増殖される。薬物選択なしでさらに1〜2週間後、緑の薬物耐性 シュートからの葉のサンプルをインビトロで増殖させた台木に移植し、そして土 に移される。 グルクロニドインデューサーは、トランスジーンの発現の状態に変化が所望さ れる場合に、植物に適用される。細胞に輸送された任意のグルクロニドは、本発 明の状況において有用である。植物の脈管培養(vasculuture)系は、インデュ ーサーを分配する。インデューサーは、受動的拡散によってかまたはパーミアー ゼ(これもまたトランスジーンである))の発現によってかのいずれかで、細胞 に侵入する。好ましくは、グルクロニドは、宿主細胞によって分解されない。ま た、好ましくは、グルクロニドは、液体溶液において可溶性である。グルクロニ ドは、植物、土をスプレーすることによって、肥料などの中に提供されて適用さ れ得る。 C.診断におけるリプレッサーの使用 簡単なグリコシドとして、生体異物(体に対して外因性の化合物)および内因 性フェノールおよび脂肪族アルコールが、生物学的に不活性に(解毒)され、脊 椎動物の尿および胆汁中に排泄される(Dutton,1966,1981に総説される)、2つ の基本的な形態の最も顕著なものとして、βグルクロニドが極めて重要である。 脊椎動物における解毒の根底にある主要な問題は、体内の多くの化合物(ステ ロイドホルモンのような内因性の生物学的に活性な分子、ビリルビンのような生 分解産物、および食物または薬中において体内に導入され得る外来化合物(生体 異物)を含む)が親油性または脂溶性であるということである。従って、それら は尿または胆汁(体からの老廃物の除去の2つの主要な経路)において容易に溶 解しない。この問題は、親油性化合物の高度に極性な残基(例えば、グルクロン 酸または硫酸残基)への結合体化によって解決される。これは、得られる結合体 を高度に水溶性にし、従って体から排出され得るようにする。 グルクロン酸抱合は、脊椎動物の多くの組織、特に肝臓において起こる。反応 は、ウリジンジホスフェート1-α-D-グルクロネートからアグリコン(アグリコ ンは、糖分子またはグリコン(glycon)が結合する、解毒される残基である)へ のグルクロン酸残基の転移を触媒する一連の膜結合酵素によって行われる。UDP グルクロニルトランスフェラーゼのいくつかのアイソザイムが特徴付けされてお り、そしてこれらは、Dutton(1980)において詳細に総説される。これらの酵素は 、解毒酵素(親油性の、比較的不溶性の化合物を、高度に水可溶性のグルクロニ ド結合体(ならびに硫酸および他の誘導体)に協力して代謝するヒドロキシラー ゼおよび混合機能オキシダーゼを含む)の集団を頻繁に形成する。次いで、これ らの結合体は、(より大きなグルクロニド結合体について)胆汁または尿中に排 泄される。(図5を参照のこと。) 数千のβグルクロニドが、解毒産物として尿および胆汁において同定されてい る。これは、以下の、遊離のアグリコンまたは関連の化合物(例えば、医学的治 療中の薬物としての)の経口投与後に形成する多くを含み、そして公知のグルク ロニドの広範なリストが、Dutton(Glucuronic Acid,Free and Combined,Acad emic Press,New York 1966)に見出され得る。さらに、多くの内因性ステロイ ドホルモンおよび生物活性基質、またはビリルビンのような生分解性産物が、β グルクロニド結合体として結合され、そして排泄される。グルクロニドとの結合 体化のこのプロセスは、酵素βグルクロニダーゼ(GUS)の活性によって逆行さ れる。 βグルクロニド結合体を切断するGUSの能力は、2つの重要な段階に依存する :(1)基質は、一般にグルクロニドパーミアーゼによって媒介される細胞中に 取り込まれなければならない、そして(2)基質は、gusリプレッサーによる抑 制を軽減し得なければならない。 多くの異なるグルクロニドのGUS活性を誘導する能力は、様々である(例えば 、1mM濃度のメチルβ-D-グルクロニドは、フェニルβ-D-チオグルクロニドの活 性レベルの約15倍のGUS活性のレベルを誘導する)。さらに、5-ブロモ-4-クロロ -3-インドリルβ-D-グルクロニド(X-Gluc)、p-ニトロフェニルβ-D-グルクロ ニド(PNPG)、4-メチルウンベリフェリルβ-D-グルクロニド(MUG)、およびレゾ ルフィン(resorufin)グルクロニドは、全て強力なインデューサーとして作用 する。一般に、90分の誘導(これらのグルクロニドの1mMの外濃度で開始)の後 に測定されたGUS活性の値は、細菌培養物のOD600ユニットにつき、1分間あたり に加水分解されたPNPGは1〜50nmolのオーダーである。体内に天然に生じるグル クロニド(エストロゲングルクロニドおよびテストステロングルクロニドを含む )もまた、誘導性能力を有する(以下の実施例4を参照のこと)。 グルクロニドのGUSを誘導する能力、それゆえリプレッサーに結合する能力は 、グルクロニドのサンプル中での存在をアッセイするために使用され得る。代表 的には、特に哺乳動物およびヒトのためには、サンプルは、好ましくは尿である が、胆管もしくは大腸から得られる胆汁、または血清でもあり得る。グルクロニ ドを検出するためのアッセイは、以下のようである。簡単には、オペレーター配 列がグルクロニドリプレッサーに結合される。サンプルが添加され、そしてリプ レッサーに結合するグルクロニドが存在する場合には、リプレッサーは、オペレ ーターから放出される。次いで、未結合のリプレッサーが検出される。リプレッ サー の放出が、グルクロニドを含有しないサンプルが使用される場合に検出される放 出よりも高い場合には、グルクロニドは、サンプル中に存在する。 DNA配列は、グルクロニドオペレーターであり得るが、そのかわりリプレッサ ーが特異的に結合する任意の配列であり得る。例えば、リプレッサーがlacリプ レッサーDNA結合配列とグルクロニド結合ドメインとの融合物である場合には、D NA配列は、lacオペレーターである。さらに、リプレッサーは、単一のグルクロ ニドのみに結合し得る。このようなリプレッサーを生成およびアッセイするため の方法が、本明細書中に記載される。 このアッセイは、溶液中で行われ得るが、好ましくは、オペレーターは、固層 基盤に結合される。このような固層基盤には、ビーズ、チップ、バイオセンサー などが含まれる。特定の検出には、結合したリプレッサーから未結合のリプレッ サーを区別する任意の手段が含まれる。このような手段には、比色定量、表面プ ラスモン共鳴、化学発光、オートラジオグラフィー、および当該分野で公知の他 の手段が含まれる。 D.グルクロニドを精製するためのリプレッサーの使用 本発明は、グルクロニドリプレッサーの結合特性を用いてグルクロニドを精製 するための方法を提供する。簡単には、グルクロニドリプレッサーまたはグルク ロニド結合ドメインは、基質に付着、複合体化、または結合される。あるいは、 リプレッサーまたはドメインは、溶液中にある。グルクロニドを含有するサンプ ルは、リプレッサーに結合するのに十分な時間添加される。好ましくは、サンプ ルは、平衡結合を達成するまでの時間添加される。未結合の物質は、洗浄除去さ れ、そして結合したグルクロニドを溶出される。一般に、溶出は、非生理学的条 件下(例えば、温度シフト、塩濃度の増加または減少、pHの増加または減少)で 起こる。(例えば、Deanら、Affinity chromatography:a practical approach IR L Press,Oxford,England,1985を参照のこと。) リプレッサーは、種々のマトリックスに結合し得る。タンパク質は、容易にア ガロースビーズ、デキストランビーズ、ニトロセルロース、ポリアクリルアミド ビーズ、磁気ビーズなどに結合される。これらおよび類似の固層基盤にカップリ ングするための方法は、周知であり、そして一般的な議論は、Deanら(前出)に 見出される。好ましい実施態様において、リプレッサーは、6his融合タンパク 質として単離され、これはニッケルカラムに容易に結合される。他の融合タンパ ク質タグ(例えば、Sタグ、T7タグ、HSVタグ)は、容易に入手可能であり(Nov agen,Madison,WI)、ならびに融合タンパク質を結合するための材料を含むキ ットもまた入手可能である。あるいは、リプレッサーは、サンプルと接触する前 またはした後のいずれかに、ビオチンに結合体化され得、そしてアビジンまたは ストレプトアビジン結合基質(例えば、ストレプトアビジン-アガロースビーズ )に二者択一的に結合され得る。 特定のグルクロニドの単離が所望される場合、単離のために使用するグルクロ ニドリプレッサーは、好ましくはそのグルクロニドに特異的に結合し、そして他 のグルクロニドに結合しないか、またはずっと低い親和性で他のグルクロニドに 結合するかのいずれかである。特異的結合グルクロニドリプレッサーは、天然に 見出されるか、または本明細書中に記載される方法によって生成される改変体の いずれかである。 E.脊椎動物由来のグルクロニド輸送タンパク質を同定するためのリプレッサー の使用 本発明はまた、脊椎動物由来のグルクロニド輸送タンパク質を同定するための 方法を提供する。上記のように、GUS活性は、本質的に脊椎動物由来のタンパク 質に見出され、これは、特定の輸送タンパク質が存在することを意味する。しか し、このようなタンパク質の同定および単離は、解明されないままである。グル クロニドリプレッサーを発現するクローンを用いて、脊椎動物輸送タンパク質を 発現するクローンの同定を容易にする。 簡単には、GUS活性を有しない細胞が、gusRおよびレポーターまたはグルクロ ニドオペレーター配列に連結した選択遺伝子を発現するベクターで形質転換され る。休止状態において、レポーター遺伝子は、発現されない。グルクロニドが添 加される場合、レポーター遺伝子の発現はあるべきではなく、これは細胞がグル クロニド輸送タンパク質を欠失することを示す。適切な宿主細胞には、酵母およ び植物ならびにほとんどの細菌が含まれる。次いで、形質転換された細胞は、脊 椎動物由来の発現ライブラリー(例えば、ヒト発現ライブラリー)でトランスフ ェクトされる。このようなライブラリーは、市販されているか、または標準的な 方法論により構築される。二重に形質転換された細胞は、βグルクロニドで処理 され、そしてレポーターまたは選択遺伝子の出現がアッセイされる。選択遺伝子 が好ましく、そしてこのような遺伝子の例には、薬物耐性遺伝子(例えば、G418 耐性)が含まれる。グルクロニドを輸送する細胞は、レポーター遺伝子を発現し 、そして輸送を担うクローンは、単離されそして特徴付けされる。 以下の実施例は、例示のために提供され、そして限定のためではない。 実施例 実施例1 E.coliグルクロニドリプレッサー(gusR)のクローニング gusA(β-グルクロニダーゼをコードする)(米国特許第5,268,463号を参照の こと)およびgusB(グルクロニドパーミアーゼをコードする)(米国特許第5,26 8,463号および同第5,432,018号を参照のこと)をコードすることが公知であるE. coliの染色体領域を、消化されたE.coliゲノムDNAからのPstI-HindIIIフラグメ ントとしてクローニングする。フラグメントを、低コピープラスミドベクターpR K404(pKW212)または高コピープラスミドベクターpBSII SK+(pKW214)のいず れかに挿入する。gusAおよびgusB遺伝子のみを含むクローンを宿主細胞にトラン スフェクトした場合、高いレベルの構成GUS活性を、基質p-ニトロフェニル-グル クロニドを使用して、抽出物において測定する。対照的に、PstI-HIndIIIフラグ メント(gusAおよびgusBの5'および3'方向に数キロベース伸長する)を含むいず れかのクローンでトランスフェクトした宿主細胞は、グルクロニダーゼ活性を有 さなかった。しかし、グルクロニダーゼ活性は、GUS基質(例えば、p-ニトロフ ェニル-グルクロニド)の添加によって誘導される。従って、PstI-HindIIIフラ グメントは、gusAおよびgusBの転写物を抑制し得る遺伝子を含み、そして抑制は 、 基質グルクロニド分子の添加によって軽減される。 リプレッサー遺伝子の同定を、pKW212のPstI-HindIIIフラグメントの2つのサ ブクローンの構築によって容易にした。1つのサブクローンは、gusプロモータ ーおよびgusABC遺伝子を含むことが公知であるEcoRI-HindIIIフラグメントを含 んだ(pKW222)。第2のサブクローンは、約1.4kbのBstXI-NcoIフラグメント( 配列番号4のヌクレオチド1〜1368)を含み、これはPstI部位の下流およびgusA の上流をマップする。フラグメントをpBSIISK+に平滑末端フラグメントとしてク ローニングし、pKW223を作製した(図3)。リプレッサーは、以下の形質転換実 験によって1.4kbのBstXI-NcoIフラグメント上に存在することが示される。KW1株 (gusオペロン領域全体を欠失している)を、pKW222で形質転換する。この形質 転換体は、高いレベルの構成GUS活性を示す。この形質転換した株を、適合性の プラスミドpKW223でさらに形質転換する場合、実質的にすべてのGUS活性が排除 され、pKW223は、gusオペロンの発現を抑制する遺伝子またはDNA配列を含むこと を示す。この抑制は、インデューサー分子X-glcA(5-ブロモ-4-クロロ-3-インド リル-β-D-グルクロニド)の添加により可逆である。これは、二重に形質転換さ れた細胞をインジゴ生成基質X-glcA上にプレートする場合、濃紺のコロニーの産 生によって示される。 GUS遺伝子領域のDNA配列を、pKW222およびpKW223の挿入物から決定し、そして 配列番号1に示す。gusABC遺伝子を、ヌクレオチド1466で開始するとして同定し た。gusAの5'の2つ大きなオープンリーディングフレームを、ヌクレオチド1〜 264および485〜1075から見出した。5'のほとんどのリーディングフレームを、7- α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼとして同定した。第2のオープンリ ーディングフレームの推定アミノ酸配列は、他の細菌転写リプレッサーに対して 有意な配列類似性を示し、従って、このオープンリーディングフレームはgusRを コードする証拠を提供した。推定リプレッサータンパク質は、約196アミノ酸で あり;正確な翻訳開始コドンは未定である。なぜなら推定タンパク質のN末端部 分に3つのメチオニン残基が存在するからである(配列番号2)。リプレッサー タンパク質は、3つのドメインを有するようである:約60アミノ酸のDNA結合ド メイン;約100〜140アミノ酸のグルクロニド結合ドメイン:およびダイマー化を 媒介し得る他の転写因子に類似のロイシンジッパーを有する約40アミノ酸のドメ イン。これらのドメインの正確な境界、および2つまたは3つの分離可能なドメ インが存在するかどうかは、決定的には確立されていない。 実施例2 E.coliグルクロニドオペレーターの同定 2つのアプローチが、gusオペロンのオペレーター配列の同定を導く。1つの アプローチにおいて、オペレーター領域のサブクローンを構築し、そして染色体 DNA上のオペレーター部位から離れたリプレッサーを滴定する能力について試験 する。第2のアプローチにおいて、オペレーター領域内の目的の特定の配列を合 成して、高コピープラスミドにクローニングし、そしてリプレッサー/オペレー ター滴定実験によって試験する(図8および9を参照のこと)。 (1)gusA(gusオペロンの最初の遺伝子)と上流の遺伝子gusRとの間の遺伝 子間領域全体を含む1.4kbのBamHI-BamHIフラグメントを単離し、そしてベクター pBSII(SK+)にクローニングし、pKW244を作製した(図6および7)。BamHIフラ グメントは、gusオペロンを調節する主要なオペレーター部位を包含する。最初 の実験は、pKW244の挿入物がリプレッサー結合部位を含むことを確認した。E.co li DH5α株を、X-glucを含むプレート上でブルーコロニーを生じるpKW244で形質 転換した。これは、リプレッサー滴定によるgusオペロンの誘導を示した。 調節領域のサブクローンを構築した(図10〜15)。これらのクローンのβ-グ ルクロニダーゼ活性を、以下の表および図15に示す。 これらの結果は、pMEL3、pMEL4、およびpMEL5がオペレーター配列を含むこと を示し、従ってオペレーター領域がしぼられた。 gusオペロンのオペレーター部位を同定する第2のアプローチを、推定オペレ ーター配列をpBSIISK+ベクターに直接合成およびクローニングし、そして滴定に よってリプレッサー結合のためのクローンを試験することによって実施する(図 8)。3つの推定オペレーター配列(パリンドローム配列からなる)を、DNA配 分析から同定した。 1つの潜在的オペレーター配列は、gusオペロン推定転写開始から+15のHpaI 部位の周囲に集中した14bpの不完全なパリンドロームである。第2の高い相同性 の(14塩基対のうち13)HpaIパリンドロームもまた、gusR遺伝子の転写開始付近 に存在する。gusRを含む大部分のリプレッサーは、それら自身を調節することが 公知であるので、GusRオペレーター部位もまた存在することが予測された。 両方のHpaI集中配列を、pBSIISK+にクローニングした(図16および17)。2つ の相補的なオリゴヌクレオチドを合成し、そしてアニールした。二本鎖オリゴヌ クレオチドは、EcoRIおよびBamHI付着末端を有した。これを、EcoRIおよびBamHI での消化によって調製されたpBIISK+ベクターにクローニングした。これらの挿 入物を含むクローンを、X-glucプレート上にプレーティングしたDH5α形質転換 体におけるGUS活性の滴定、および得られるプラスミドにおけるHpaI部位の取り 込みによって同定した。 上記の種々のgusオペロンサブクローンで実施したオペレーター/リプレッサ ー滴定実験は、DNAの第2の領域(上記のHpaIパリンドロームから分離された) がリプレッサー分子に結合することを示唆した。この75bp領域は、2つの重複パ リンドロームを含む40bpの配列を示す(図18)。この領域を含むクローンは、gu sオペロンの約20%誘導を生じ、これは、pMEL4およびpMEL5で形質転換されたDH 5αで観察されたすべてのリプレッサー結合を説明するのに十分であったことを 示した。これは、この特定のDNAフラグメントに対する転写開始の上流のリプレ ッサー結合配列の位置づけをさらに絞り込む。uxuオペロンを欠失した株(ER164 8;New England Biolabs,Beverly,MA)を使用するさらなる分析は、uxuリプレ ッサーがgusオペロンの5%未満を抑制したことの説明となることを示した。 このパリンドローム領域を、アニールしたときEcoRIおよびBamHI付着末端を作 製する相補的オリゴヌクレオチドによって、pBSIISK+にクローニングした。クロ ーン(pMEL6)を、X-glucプレート上にプレーティングしたDH5α形質転換体におけ るGUS活性の滴定によってスクリーニングした。候補クローンを、Psp1406Iでの 制限消化によって確認した。さらに、Psp1406I部位の周りに集合した完全なパリ ンドロームを、pBSIISK+(pMEL7)にクローニングし、より強力なリプレッサー結 合について試験した。完全なパリンドロームの性質に起因して、1つのオリゴヌ クレオチドのみを合成した。これは、BamHI突出部を作製した(図18を参照のこ と)。得られたクローンを、Magenta−Gal(100μg/ml)上にプレーティングし たDH5α形質転換体におけるpBSIISK+ベクターのα相補表現型の欠損について選 択し、そしてPsp1406Iでの消化によって確認した。このクローン(pMEL7)は、D H5αに形質転換した場合に、非常に少ない滴定を生じた。リプレッサー結合能力 の欠損は、この領域内の真のオペレーター部位は、gusオペロン転写開始から−1 64位に集中した第2のパリンドロームを示すようであった。しかし、この18bpの 完全なパリンドロームを作製することにおいて、この領域に結合するリプレッサ ーに重要なヌクレオチドが置換されており、それゆえこの部位のリプレッサー分 子への全体の親和性を減少させることが考えられる。 uxuR欠損株としてのER1648の同定は、gusオペロン調節サブ領域で実施された オペレーター/リプレッサー滴定実験を、UxuRリプレッサーを欠損する株におい て実施されることを可能とした。次いで、これらの2つの系の間に観察されるい かなる有意な差異も、UxuR滴定効果が存在しないことに寄与し得る。多数の種々 のgusオペロン調節領域サブクローンを、この株に形質転換した。βグルクロニ ダーゼ産生を、分光光度GUSアッセイによって測定した。これらの滴定実験の結 果を、以下の表に記録し、そして図19に図示する。 pMEL1およびpMEL34を、ER1648に形質転換した場合、バックグラウンドのβグ ルクロニダーゼ活性からの有意な増加は検出不能であった。これは、これらのプ ラスミドは、この株においてgusオペロンから離れたリプレッサーを滴定しなか ったことを示す。これらのプラスミドは、DH5αに形質転換した場合、リプレッ サーを滴定することが示されたHpaIパリンドローム配列を含むので、これは、Hp aIパリンドロームは、UxuR結合部位であることを示す。 対照的に、pMEL4、pMEL5、およびpMEL6(これらはすべて、gusオペロンを調節 するリプレッサー結合の主要な領域を含む)は、このuxuR欠失株に形質転換され る場合、滴定効果において5倍の増加を示し、pKW244形質転換体によって産生さ れたものと等しかった。 従って、gusオペロン調節領域の種々のサブクローンで行ったリプレッサー/ オペレーター滴定実験は、gusオペロンを調節する2つのリプレッサー結合領域 の同定を生じた。主要な結合領域は、gusA転写開始部位の上流の-136〜-180bpの 間に位置する44bpのフラグメント上に位置する一方、第2の主要でない結合部位 は、この同じ転写の開始から+25に位置するHpaI集中不完全パリンドロームに見 出される。この第2の結合部位はUxuRオペレーター部位である。実施例3 gusリプレッサータンパク質の発現 gusR遺伝子産物の過剰発現を、発現ベクター中のコード領域をクローニングす ることによって達成する。gusR遺伝子を、pKW223からの遺伝子をサブクローニン グし、そして増幅することによって、種々の発現ベクターにクローニングする。 A.lacZ融合タンパク質としてのgusRの発現 gusR遺伝子をまず、pBSIISK+(pKW224)中のlacプロモーターの下流に、5'-3 ’転写方向にクローニングした(図20)。gusRを含むフラグメントは、上流にさ らなる490bpおよび下流にさらなる305 bpの配列を有した。しかし、GusRタンパ ク質は、このプラスミドをE.coliに導入した場合、検出されなかった。このこと は、配列が、lacZプロモーターからのgusR遺伝子の発現を妨げたことを示唆する 。上流配列の検査は、hsdH遺伝子(E.coliのステロイド代謝に関与する)(Yosh imotoら、1991)のC末端コード領域および転写ターミネーターを含むことが見 出されたオープンリーディングフレームを明らかにした。これらの配列は、さら に下流に位置したgusR遺伝子の前で、lacZプロモーターからのmRNA伸長および翻 訳を停止させるようである。 hsdターミネーターを、続いて、以下のようにして除去した。pKW224をSpeI( これは、ポリリンカーおよびgusRの推定翻訳開始の上流の40 bpにおいて切断す る)で消化し、hsdターミネーターを含む468bpフラグメントを遊離させ、lacプ ロモーターと同じ向きでベクター配列およびgusR遺伝子配列を含む3866bpのフラ グメントを残した。連結に続いて、468bpのフラグメントを欠くクローンを、T7 および逆方向配列決定プライマーを用いる1500 bpの産物の増幅によって同定し た。候補クローンを、SpeI部位を欠くと確認した。1つの単離株をpMEL104と命 名した(図21)。 pMEL101を、E.coli株KW1(gusオペロンを欠失)に形質転換し、そして0.5mMIP TGによって発現を誘導した。約26kDaのタンパク質が、pMEL101形質転換KW1に おいて明らかに検出されたが、野生型KW1、pBSIISK+形質転換KW1、またはpKW224 形質転換KW1からのタンパク質抽出物においては検出されなかった(図22)。26k Daタンパク質は、22kDa(7)GusRタンパク質とpMEL101中のこの遺伝子の上流のlac Zコード配列との間に形成された融合タンパク質の推定量である。 GusRをまた、以下のプライマー対で増幅した: 5'プライマーは(上のプライマー)は、EcoRI部位および強力なシャインダル ガルノ配列を含む。3'プライマー(下のプライマー)は、EcoRI部位を含む。増 幅した産物をEcoRIで消化し、そしてlacZ融合タンパク質または非融合タンパク 質のいずれかとして得るためにベクターに挿入した。図24は、推定22kDa(非融 合)および26kDa(融合)タンパク質が産生されたことを示す。 B.pMEL101誘導体における非融合タンパク質としてのgusRの発現 pMEL101を操作して、lacZおよびgusR遺伝子のちょうど上流とインフレームな 2つの停止コドンの作製を導く、融合タンパク質におけるフレームシフトを作製 した。翻訳停止コドンにより、この部位のmRNA転写物からリボソームが脱離され 、そして翻訳のすぐ近くのgusR開始でそれらが再付着される。従って、野生型Gu sRタンパク質の発現が続いて起こる。pMEL103を、SacI(ポリリンカーに配置さ れた部位)でのpMEL101の消化、T4 DNAポリメラーゼでの消化による付着末端の 除去によって構築した。処理したプラスミドを再連結し、KW1に形質転換し、そ して所望の配置を有するクローンを単離した(pMEL103)(図23)。pMEL103形質 転換KW1のタンパク質抽出物のSDS-PAGE分析は、22kDaのGusRタンパク質の過剰発 現を示した。しかし、遺伝的試験は、GusRの発現にもかかわらず、GUS活性(こ れは、IPTGでの誘導後に予測されたことである)において大きな減少は見られな かったことを示した。フレームシフトの下流のDNA配列の試験は、gusR翻訳開始 の12コドン上流の第2のE.coli開始コドン(GTG)を同定した。従って、リボソ ームの再付着は、翻訳のgusR開始とは異なりこの部位で優先的に生じ得、不活化 融合タンパク質を産生する。これは、gusR遺伝子を調節する強力なシャインダル ガルノ配列の欠損と考えられるようである。 C.ヘキサ-His融合タンパク質としてのgusRの発現 gusRのコード領域を増幅し、そして発現ベクターに挿入する。ベクターは、pT TQ18の誘導体であり(Stark,Gene 51:255,1987)、この誘導体では、NcoI部 位がシャインダルガルノ配列の下流に操作され、そして6つのHisコドンに隣接 するNheI部位もまた操作される。この増幅反応に使用されるプライマーは、以下 の通りである: 得られた増幅産物(および本来の産物)は、産物がC末端で6つのHis残基 をコードするベクター配列とインフレームで挿入されるように、翻訳開始として 第2のメチオニンを使用し、そして5'末端にクローニングを容易にするためのNc oI部位(0528Tに下線)、ならび3'末端にNheI部位(0528Bに下線)を含む。gusR に同一または相補的なヌクレオチドを、太字で表す。gusRをpMEL101から増幅し 、そしてベクターに挿入する。タンパク質を産生し、そしてニッケルクロマトグ ラフィーによって単離する。 D.グルクロニダーゼリプレッサータンパク質の精製 適切な細菌宿主(例えば、E.coli JM105;XL-1 Blue)を、グルクロニダーゼリ プレッサーを発現し得るベクター構築物で形質転換する。好ましいベクターは、 IPTGの添加の際に発現の誘導を可能にする。いくつかの適切なベクターは上に記 載され、他は周知および容易に入手可能である。誘導および適切な増殖期間に続 いて、細胞を回収し、そしてガラスビーズでの撹拌によって溶解させる。溶解物 を遠心分離により清澄化し、そしてグルクロニドクロマトグラフィーマトリック ス(gusRについては、フェニルチオ-β-D-グルクロニド(PTG)-Sepharose CL6B もしくはサッカロラクトン-アガロース、またはHis6-gusR融合についてはNi-IDA -Sepharose)上でバッチ吸着する。カラムは、市販で入手するか、またはカルボ ジイミド化学を使用する連結によって合成する。マトリックスをカラムに注ぎ、 そして緩衝液(代表的には、50mM Tris(pH7.6)、1mM DTT;50mM MES(pH7.0)、 またはIMAC緩衝液(ヘキサ-his融合について)のいずれか)で洗浄する。マトリ ックスに結合するリプレッサーを、NaCl含有緩衝液中に溶出する。 図25、26、および27に示すように、精製したリプレッサータンパク質は、これ らの方法により容易に入手可能である。gusRは、0.1M NaClおよびまた0.5M NaCl 中のサッカロラクトン-アガロースから実質的に溶出され(図26)、そして0.3M NaClでPTG-Sepharoseから実質的に溶出される(図25)。ヘキサHisgusRは、10mM EDTA中のNi-IDA-Sepharoseから溶出される(図27)。 実施例4 野生型E.coliにおけるβグルクロニドによるGUSの誘導 種々のβグルクロニドを、それらのGUS活性を誘導する能力について試験する 。これらのインデューサーは、ステロイドグルクロニドを含む。野生型E.coliを 糞便から単離し、そして中間対数期まで増殖させる。インデューサーを1mMで60 分間添加する。細胞を洗浄し、そしてGUS活性を測定する。以下の表は、脊椎動 物に見出される天然βグルクロニドが、gusオペロンを誘導することを示す。さ らに、インデューサーの分子量とその誘導活性との間には相関性はない。 試料(例えば、尿、血液、胆汁、細胞抽出物など)中のグルクロニドの存在お よび濃度の検出についての生物学的指標を構築し得る。簡単には、グルクロニダ ーゼプロモーター/オペレーター領域の制御下でgusAを発現する任意のベクター 構築物中のgusA遺伝子を、別のレポーター遺伝子のコード領域で置換する。適切 なレポーター遺伝子は周知であるか、入手可能な配列であるか、または入手可能 な遺伝子を含むクローンである。これらのレポーター遺伝子としては、β-gal、 ルシフェラーゼ、グリーン蛍光タンパク質などが挙げられる。操作した構築物( これは、合成オペロンを有する)を宿主細胞(例えば、細菌、植物細胞、動物細 胞、真菌細胞、または任意の細胞株)に導入する。好ましくは、宿主細胞は、内 因性GUS活性を欠き、そしてグルクロニド輸送分子を発現するか、または細胞膜 を通過するグルクロニドの輸送が可能である。従って、合成オペロンは、グルク ロニドによって誘導されるが、誘導した遺伝子は、グルクロニドを切断しない。 前述から、本発明の特定の実施態様は、例示の目的で本明細書中に記載されて いるが、種々の改変が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得 ることが理解される。従って、本発明は、添付した請求の範囲によって制限され ることを除いて、制限されない。 配列表の簡単な説明 配列番号1は、グルクロニドリプレッサーをコードするヌクレオチド配列であ る。 配列番号2は、E.coli gusRの推定アミノ酸配列である。 配列番号3は、プロモーター/オペレーター配列を含むgusRとgusAとの間の遺 伝子間領域のヌクレオチド配列である。 配列番号4は、gusオペロンのヌクレオチド配列である。 配列番号5は、E.coli gusAの推定アミノ酸配列である。 配列番号6は、E.coli gusBの推定アミノ酸配列である。 配列番号7は、E.coli gusCの推定アミノ酸配列である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/02 G01N 33/53 N G01N 33/53 33/566 33/566 C12N 5/00 C B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,UZ,VN,YU (72)発明者 ウィルソン,キャサリン ジェイ. オーストラリア国 クイーンズランド 4810,タウンスビル,ウエスト エンド, ノーマン ストリート 4 (72)発明者 レーダー,マイケル オーストラリア国 オーストラリア キャ ピタル テリトリー 2612,リンハム,デ バーグ ストリート 16/124

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.グルクロニドリプレッサーをコードする単離された核酸分子。 2.前記核酸分子が、配列番号1に示される配列を含むか、または配列番号1に 示される配列の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、そして 機能的なグルクロニドリプレッサーをコードする、請求項1に記載の核酸分子。 3.前記核酸分子が、配列番号2またはその変異体をコードし、そして機能的な グルクロニドリプレッサーをコードする、請求項1に記載の核酸分子。 4.グルクロニダーゼオペレーターに結合するグルクロニドリプレッサーのドメ インをコードする、単離された核酸分子。 5.前記核酸分子が、配列番号1のヌクレオチド1から192の配列を含むか、ま たは配列番号1のヌクレオチド1から192の相補体にストリンジェントな条件下 でハイブリダイズし、そしてグルクロニダーゼオペレーターに結合するドメイン をコードする、請求項4に記載の核酸分子。 6.前記核酸分子が、配列番号2のアミノ酸1から63またはその変異体をコード し、そしてグルクロニダーゼオペレーターに結合するドメインをコードする、請 求項4に記載の核酸分子。 7.グルクロニドに結合するグルクロニドリプレッサー由来のドメインをコード する単離された核酸分子。 8.前記核酸分子が、配列番号1のヌクレオチド1から192の配列を含むか、ま たは配列番号1のヌクレオチド1から192の相補体にストリンジェントな条件下 でハイブリダイズし、そしてグルクロニドに結合するドメインをコードする、請 求項7に記載の核酸分子。 9.前記核酸分子が、配列番号1のヌクレオチド192から462もしくはその変異体 、または配列番号1のヌクレオチド195から585もしくはその変異体の配列を含み 、そしてグルクロニドに結合するドメインをコードする、請求項7に記載の核酸 分子。 10.前記核酸分子が、配列番号2のアミノ酸64から154もしくはその変異体、 または配列番号2のアミノ酸64から195もしくはその変異体をコードし、そして グルクロニドに結合するドメインをコードする、請求項6に記載の核酸分子。 11.グルクロニドオペレーターに結合し、そしてグルクロニドに結合する単離 されたグルクロニドリプレッサーであって、ここで、該オペレーターへの結合が グルクロニドへの結合に依存する、グルクロニドリプレッサー。 12.配列番号2のアミノ酸配列またはその変異体を含む、単離されたグルクロ ニドリプレッサー。 13.グルクロニドリプレッサー由来のグルクロニド結合ドメインを含む、単離 されたタンパク質。 14.前記グルクロニド結合ドメインの配列が、配列番号2のアミノ酸64から15 4もしくはその変異体、または配列番号2のアミノ酸64から195もしくはその変異 体を含む、請求項12に記載のタンパク質。 15.グルクロニダーゼオペレーターに結合するグルクロニドリプレッサー由来 のドメインを含む、単離されたタンパク質。 16.前記オペレーター結合ドメインの配列が、配列番号2のアミノ酸1から63 またはその変異体を含む、請求項15に記載のタンパク質。 17.グルクロニドリプレッサー由来のグルクロニド結合ドメイン、および選択 されたヌクレオチド配列に結合するDNA結合ドメインを含む、融合タンパク質。 18.前記グルクロニド結合ドメインが、配列番号2のアミノ酸64から154もし くはその変異体、または配列番号2のアミノ酸64から195もしくはその変異体の アミノ酸配列を含む、請求項17に記載の融合タンパク質。 19.転写活性化因子ドメインをさらに含む、請求項17に記載の融合タンパク 質。 20.N末端からC末端へのドメインの順序が、DNA結合ドメイン−グルクロニ ド結合ドメイン−転写活性化因子ドメインである、請求項19に記載の融合タン パク質。 21.グルクロニドのアグリコンに結合するドメインをさらに含む、請求項17 に記載の融合タンパク質。 22.請求項1〜3のいずれか1項に記載のグルクロニドリプレッサーをコード する核酸分子を含む、ベクター。 23.請求項7に記載のグルクロニドリプレッサー由来のグルクロニド結合ドメ インをコードする核酸分子を含む、ベクター。 24.請求項17に記載の融合タンパク質をコードする核酸分子を含む、ベクタ ー。 25.前記ベクターが発現ベクターである、請求項22〜24のいずれか1項に 記載のベクター。 26.前記ベクターが、バイナリーAgrobacterium tumefaciensプラスミドベク ターである、請求項25に記載のベクター。 27.グルクロニドリプレッサーをコードする核酸分子を含む、形質転換された 宿主細胞。 28.前記核酸分子が、配列番号1に示される配列を含むか、または配列番号1 に示される配列の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、そし て機能的なグルクロニドリプレッサーをコードする、請求項27に記載の宿主細 胞。 29.請求項22〜24に記載のベクターで形質転換された宿主細胞。 30.前記細胞が植物細胞である、請求項29に記載の宿主細胞。 31.前記細胞が動物細胞である、請求項29に記載の宿主細胞。 32.前記細胞が真菌細胞である、請求項29に記載の宿主細胞。 33.前記細胞が細菌細胞である、請求項29に記載の宿主細胞。 34.サンプル中のグルクロニドの存在を決定するための方法であって: (a)グルクロニドオペレーターを含む核酸分子にグルクロニドリプレッサー を結合させて複合体を形成する工程; (b)グルクロニドを含むサンプルと該複合体とを接触させる工程であって、 ここで、該グルクロニドが該リプレッサータンパク質に結合して該核酸分子から の該タンパク質の遊離を生じる工程;および (c)該リプレッサータンパク質の遊離を検出する工程、 を包含する、方法。 35.サンプル中のグルクロニドの存在を決定するための方法であって: (a)選択された核酸配列を含む核酸分子に請求項17に記載の融合タンパク 質を結合させて複合体を形成する工程; (b)グルクロニドを含むサンプルと該複合体とを接触させる工程であって、 ここで、該グルクロニドが該融合タンパク質に結合して該核酸分子からの該タン パク質の遊離を生じる工程;および (c)該リプレッサータンパク質の遊離を検出する工程、 を包含する、方法。 36.前記タンパク質が単一のグルクロニドに結合する、請求項34または35 のいずれかに記載の方法。 37.前記グルクロニドがグルクロニドモルフィンである、請求項36に記載の 方法。 38.宿主細胞に導入されるトランスジーンの遺伝子発現を制御するための方法 であって: (a)グルクロニドリプレッサー、グルクロニドオペレーター、およびトラン スジーンをコードする核酸分子で宿主細胞をトランスフェクトするか、または形 質転換する工程であって、ここで、該オペレーターが該トランスジーンに作動可 能に連結されている、工程;ならびに (b)該宿主細胞を該リプレッサータンパク質に結合するグルクロニドと接触 させる工程、 を包含し、ここで、該グルクロニドが該オペレーターから該リプレッサータンパ ク質を遊離させ、それにより該トランスジーンの発現を可能にする、方法。 39.宿主細胞に導入されるトランスジーンの遺伝子発現を制御するための方法 であって: (a)請求項17に記載の融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列、グ ルクロニドオペレーター、およびトランスジーンを含む核酸分子で宿主細胞をト ランスフェクトするか、または形質転換する工程であって、ここで、該オペレー ターが該トランスジーンに作動可能に連結されている、工程;ならびに (b)該宿主細胞をリプレッサータンパク質に結合するグルクロニドと接触さ せる工程、 を包含し、ここで、該グルクロニドが該ヌクレオチド配列から該リプレッサータ ンパク質を遊離させ、それにより該トランスジーンの発現を減少させる、方法。 40.前記グルクロニドが、細胞によって発現されるβ-グルクロニダーゼによ ってC1で切断されていないグルクロニド誘導体:C6で疎水性基を有するグルクロ ニド誘導体、および細胞内で発現されるβ-グルクロニダーゼによってC1で切断 されておらず、そしてC6で疎水性基を有する、グルタロニド誘導体からなる群か ら選択される、請求項38または39のいずれかに記載の方法。 41.前記グルクロニドが、C6でメチルエステル基を有し、そしてC1でチオエー テル結合を有するグルクロニド誘導体である、請求項38または39のいずれか に記載の方法。 42.前記グルクロニドのアグリコンが蛍光生成性または色素生成性である、請 求項38または39のいずれかに記載の方法。 43.前記宿主細胞が、植物細胞、動物細胞、真菌細胞、および細菌細胞からな る群から選択される、請求項38または39のいずれかに記載の方法。 44.グルクロニド輸送タンパク質を単離するための方法であって: (a)グルクロニドを輸送しない細胞を、グルクロニドリプレッサー、および グルクロニドオペレーターに作動可能に連結されたレポーター遺伝子をコードす る核酸分子でトランスフェクトするかまたは形質転換する工程; (b)工程(a)の細胞を脊椎動物由来の発現ライブラリーでさらにトランス フェクトするかまたは形質転換する工程; (c)工程(b)の細胞をグルクロニドで処理する工程;ならびに (d)該レポーター遺伝子の発現を検出する工程であって、それにより輸送タ ンパク質を発現する細胞を同定する工程、 を包含する、方法。 45.グルクロニドリプレッサータンパク質を単離するための方法であって: (a)リプレッサータンパク質を、グルクロニドと結合させたマトリックスと 接触させて、該グルクロニドに該リプレッサータンパク質を結合させる工程;お よび (b)該リプレッサータンパク質を溶出し、それにより該リプレッサータンパ ク質を単離する工程、 を包含する、方法。 46.前記グルクロニドが、C6でのアミド結合を介してマトリックスに結合され ている、請求項45に記載の方法。 47.前記グルクロニドが、フェニルチオ-β-グルクロニドである、請求項45 に記載の方法。 48.前記グルクロニドがサッカロラクトンである、請求項45に記載の方法。 49.前記マトリックスがアガロースである、請求項48に記載の方法。
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