JP2000515610A - 内燃機関のシリンダヘッドに燃料噴射装置を固定する装置および燃料噴射装置の取付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、シリンダヘッドの上面の上部にカムシャフト支持部（４）が搭載され、シリンダヘッドの上面にはバルブ駆動機構を収容する区画（８）が形成された内燃機関の燃料噴射装置の固定装置に関する。燃料噴射装置はカムシャフト支持部（４）とシリンダヘッドを貫通し（１）シリンダヘッド（１）に設けられた凹部（１４）の底（１８）の位置に、シリンダヘッドにボルト（２６）で固定されたフォーク（２０）によって支持される。フォーク（２０）はカムシャフト（６）の下方の区画（８）内にカムシャフト（６）とは直行する向きに設けられ、２つの枝（２０ａ、２０ｂ）を有し、使用状態においては燃料噴射装置本体（１２）を燃料噴射装置の外周に対称に設けられた肩部（２１、２２）の２箇所で支持する。

Description

【発明の詳細な説明】 内燃機関のシリンダヘッドに燃料噴射装置を固定する装置 および燃料噴射装置の取付方法 本発明は、内燃機関のシリンダヘッドに燃料噴射装置を固定するための装置、 および、燃料噴射装置の取付方法に関するものである。 より具体的には、本発明は、下面がシリンダ内に位置し上部がシリンダヘッド から突出するように概ね垂直に貫通する燃料噴射装置をシリンダヘッドに固定す る固定装置に関するものである。 燃料噴射装置を、シリンダヘッドの上部にボルトで固定された滑りの有るフラ ンジで、シリンダヘッドの底部に設けられた凹部と称する所定位置の底に支持す る支持装置が知られている。該フランジは燃料噴射装置の本体を取り巻き、燃料 噴射装置本体の円筒状の部分に設けられたリング状の凸部を支持する。 このような構成からなる燃料噴射装置の固定装置によった場合、燃料噴射装置 の本体を支持するフランジが燃料噴射装置底部の支点から遠いために、燃料噴射 装置は信頼性にとって有害な座屈を生じる恐れがある。さらに、このような固定 装置は、アクセスできるシリンダヘッド上面でフランジを支持しているために、 燃料噴射装置の高さが制約を受ける。 また、上記の問題を有る程度軽減することができる従来技術であるドイツ特許 ４３１５２３３に従えば、燃料噴射装置の固定装置は、シリンダヘッドのバルブ 駆動機構が収容された区画内に組み込まれた燃料噴射装置の本体を囲む円筒スカ ート状のものであり、これによる支持位置は燃料噴射装置底部の支持位置から比 較的近い。スカートはスカートの外部に設けられスカートの軸とは直行する向き に延びたフォークによって固定され、フォークはシリンダヘッドにボルトで固定 される。 燃料噴射装置のこのような固定装置は、比較的複雑で費用のかかる気密手段を 必要としており、シリンダヘッドの上部を横切ってカムシャフトが設けられてい ろ場合には、燃料噴射装置の取り外しは明らかに困難である。 本発明は、上述のような種類の固定装置であって前記の問題点を解消するもの を提案するものである。 本発明は、内燃機関のシリンダヘッドに燃料噴射装置を固定する装置であって 、シリンダヘッドの上面の上部にはバルブ駆動機構を収容する区画を画定するカ ムシャフト支持部が搭載され、燃料噴射装置はシリンダヘッドにボルトで固定さ れたフォークによってその底部がシリンダヘッドに設けた凹部の底に当接する位 置に、カムシャフト支持部とシリンダヘッドを貫通するよう支持され、前記のフ ォークはカムシャフトの下に位置する区画内にカムシャフトと直行する向きに設 けられていることを特徴とする燃料噴射装置の固定装置を対象とする。 本発明の実施例によれば： ‐フォークは、使用状態において、２つの枝で、燃料噴射装置を、その本体の 外周に対称形に設けられた２つの肩部の位置で支持し、 ‐フォークの２つの枝は、燃料噴射装置が使用位置からおよそ４分の１回転し た状態で、肩部がやっと通過するだけの間隔を空けており、 ‐燃料噴射装置の本体は、肩部が通過するのに十分な直径を有する直径の大き な部分を有し、この部分がカムシャフト支持部に気密に保持され、 ‐カムシャフト支持部は、フォークの固定ボルトの正面に当該ボルトを締結す るための器具を通すことのできる貫通孔を有し、 ‐前記凹部は、シリンダヘッド内に設けられた冷却液を収容する区画を横断し て固定された円筒によって構成される。 本発明の他の一つの対象は、上記に示した内燃機関の燃料噴射装置の固定装置 の取付方法であって、 ‐予めバルブとバルブ駆動機構とを搭載したシリンダヘッドの上の所定位置に フォークと固定ボルトとを固定せずに置き、次にカムシャフトの支持部を搭載し 、 ‐燃料噴射装置の本体がカムシャフトの支持部の穴に、燃料噴射装置の底部が 凹部の底に当たって、当時に肩部がフォークの下に来るまで、肩部を結ぶ線がフ ォークの枝と平行になる方向に保持して燃料噴射装置本体を差込み、 ‐燃料噴射装置を４分の１回転だけ回転させて肩部がフォークと直角になるよ うにし、 ‐フォークの固定ボルトを締結し、燃料噴射装置の使用位置でこれを固定する 事を特徴とする方法である。 上述した本発明の特徴および他の特徴は、実施例に関する以下の記載および添 付の図面を参照することでおのずから明らかになるはずである。 図１は、本発明による燃料噴射装置の固定装置および燃料噴射装置を搭載した 内燃機関のシリンダヘッドの垂直断面図である。 図２は、本発明に基づく燃料噴射装置の固定装置の拡大断面図である。 図３ないし図５は、組み立ての種々の段階を示した燃料噴射装置およびその固 定装置の斜視図である。 図１は、エンジンのシリンダブロックを覆う水平方向の下面２と、固定ボルト ５によってカムシャフトの支持部４が搭載される上面３とを有するシリンダヘッ ドを含む直噴型ディーゼルエンジンの上部を示す。 カムシャフトの支持部４はシリンダヘッドの上面３の上でシリンダヘッドとカ ムシャフトの支持部４に挟まれた位置にあってバルブ駆動機構を収容する区画８ の一部に相当する凹部７の中に設けられたカムシャフト６のための支点として作 用する。カムシャフトの支持部４の上面１０の上部にはカバーあるいはシリンダ ヘッドカバー９が設けられる。 カムシャフトの支持部４には、概略円筒状であって燃料噴射装置の本体１２を 鉛直方向に通すための貫通孔１１が形成されている。 燃料噴射装置の本体１２は、下部１３がシリンダヘッド１に形成された凹部１ ４に当接し、頭部に相当する上部１５が外部からのアクセスが可能なようにカバ ーから突出している。 燃料噴射装置の本体１２の下方１３には、円周に沿って段付１６が有り、従来 の方法に従い、銅でできた気密性の座金１７を介して凹部の底１８に支持されて いる。 本発明に基づけば、燃料噴射装置１２は２つの枝２０ａ、２０ｂを有するフォ ーク２０によって、燃料噴射装置の本体の外周に、使用状態ではフォークの向き とは直角方向に当たる位置に対象に設けられた２つの肩部２１、２２でシリンダ ヘッド１から支持されている。 ２つの枝は、組み立て時にフォークの枝２０ａ，２０ｂの向きと平行の向きに された肩部２１、２２が通過するに十分な間隔を開けて設けられている。 肩部２１、２２は、燃料噴射装置の本体１２の両端１５、１３から概略等距離 に設けられており、このことによってフォークの滑動によって燃料噴射装置の本 体が軸方向の圧縮力を受ける際にも座屈の可能性が減少する。 フォーク２０の枝と反対側の端部２０は、図２に示されているように、装置が 滑動する際にシリンダヘッドが傷つかないようシリンダヘッドの上面３に設けた 座ぐり穴２５に焼きばめされた小片２４によって支持されている。 フォーク２０の概略中央部には固定ボルト２６が貫通しており、フォークの枝 が肩部２１、２２に当接して燃料噴射装置の本体１２をシリンダヘッド１の上に 支持する。 環状の座金２７がボルトの頭部２６とフォーク２０の間に介挿される。座金は 円錐状の表面２８を有しフォークの貫通孔に形成された円錐状の表面３４と協働 して、図２に示されているように、ボルトと貫通孔の中心軸を一致させるよう働 く。 「必勝座金」と称する座金３５が、ボルトのネジ溝の最下端の位置に固定され てフォークとボルトを一体化して固定する。 燃料噴射装置の本体１２は、頭部１５と肩部２１、２２の間に直径の大きな円 筒状の部分１２ａを有し、この部分がカムシャフトの支持部に設けられた貫通孔 １１の部分で気密に保持される。貫通孔と円筒状の部分１２ａの直径Ｄは、燃料 噴射装置を組み込むことが可能なように、燃料噴射装置の肩部の外寸法よりも大 きくなっている。 フォーク２０による燃料噴射装置のシリンダヘッドへの取り付けは以下の手順 による：フォーク２０、ボルト２６、カムシャフト４、バルブ駆動機構を予めシ リンダヘッド上に組み立てる。 図３および図４に示すように、燃料噴射装置の肩部２１、２２を結ぶ線がフォ ークの延長方向と平行になるような方向に保持して燃料噴射装置本体１２をカム シャフト支持部４の貫通孔１１に、凹部１４の底１８に燃料噴射装置が当たり肩 部２１、２２がフォークの下に来るまで挿入する。 次に、図５に示されているように、燃料噴射装置の上部を把持して燃料噴射装 置の本体１２を約４分の１回転だけ回転させ、肩部２１、２２を結ぶ線がフォー クの枝２０ａ、２０ｂと直交するようにする。 最後に、固定ボルト２６の真上にカムシャフトの支持部を貫通して設けられた 鉛直方向の貫通孔３１を通して器具を用いて固定ボルト２６を締結し、燃料噴射 装置を凹部１４の底１８に固定する。 気密性を確保するために、貫通孔３１は蓋３２あるいは同様の機能を有する部 材で閉塞する。最後に、カムシャフト４にカバー５を取りつける。 好ましい実施態様に於いては、燃料噴射装置を受ける凹部１４は、燃料噴射装 置本体１２の下部１３が冷却液と良好な熱的接触を行うことが出来るよう冷却液 の区画３３を貫通して焼きばめ等の手法でシリンダヘッドに固定された管状部材 である。 上記に示した本発明に係る固定装置によれば、図２に示されているように、特 にカムシャフトの下方にカムシャフトと直交する方向に設けられたフォーク２０ により配置上の干渉が緩和され、同時に、燃料噴射装置にとって問題となる座屈 の無い安定した保持が可能になる。 さらに、この構成は、燃料噴射装置の装着および取り外しを、限られた数の部 品により極めて簡単且つ安価な方法で実現するものである。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 内燃機関のシリンダヘッド（１）に燃料噴射装置を固定する装置であって 、シリンダヘッドの上面の上部にカムシャフト支持部（４）が搭載され、シリン ダヘッドの上面がバルブ駆動機構を収容する区画（８）を画成し、燃料噴射装置 はカムシャフト支持部（４）とシリンダヘッドを貫通して（１）シリンダヘッド （１）に設けられた凹部（１４）の底（１８）の位置に、シリンダヘッドにボル ト（２６）で固定されたフォーク（２０）によって支持され、 前記フォーク（２０）は、２つの枝（２０ａ、２０ｂ）を有し、使用状態にお いては燃料噴射装置本体（１２）を燃料噴射装置の外周に対称に設けた２つの肩 部（２１、２２）で支持し、フォーク（２０）はカムシャフト（６）の下方の区 画（８）内にカムシャフト（６）とは直行する向きに設けられたことを特徴とす る燃料噴射装置の固定装置。 ２． 請求項１に記載した固定装置において、枝（２０ａ、２０ｂ）は、その間 に、燃料噴射装置を使用位置とはおよそ４分の１回転回させたときに肩部（２１ 、２２）が通るだけの隙間を有することを特徴とする燃料噴射装置の固定装置。 ３． 請求項１または請求項２のいずれかに記載した燃料噴射装置の固定装置に おいて、燃料噴射装置本体（１２）は、直径の大きな円筒部（１２ａ）を有し、 この円筒部がカムシャフトの支持部（４）に設けられた貫通孔（１１）に気密に 取りつけられ、貫通孔は前記肩部（２１、２２）が通過するのに十分な直径（Ｄ ）を有することを特徴とする燃料噴射装置の固定装置。 ４． 請求項１ないし請求項３のいずれかに記載した燃料噴射装置の固定装置に おいて、カムシャフト支持部（４）には、フォーク（２０）の固定ボルト（２６ ）締結用の工具を通すための貫通孔（３１）が設けられていることを特徴とする 燃料噴射装置の固定装置。 ５． 請求項１ないし請求項４のいずれかに記載した燃料噴射装置の固定装置に おいて、凹部（１４）は、シリンダヘッドに設けられた冷却液を収容する区画（ ３３）を貫通してシリンダヘッド（１）に固定された管状部材であることを特徴 とする燃料噴射装置の固定装置。 ６． 請求項１ないし請求項５の何れか１つに示した燃料噴射装置の固定装置の 取付方法であって、 ‐バルブとバルブ駆動機構とを予め組み込んだシリンダヘッドの所定位置に、フ ォーク（２０）と固定ボルト（２６）を締結せずに置き、 ‐カムシャフト支持部の貫通孔（１１）に、燃料噴射装置を、その底部が凹部の 底（１８）に支持されかつ肩部がフォークの下にくるまで、肩部（２１、２２） を結ぶ線（Ｑ）がフォークの枝（２０ａ、２０ｂ）と平行になるよう保持して挿 入し、 ‐燃料噴射装置の頭部（１５）を把持して、肩部（２１、２２）を結ぶ線（Ｑ） がフォークの枝（２０ａ、２０ｂ）と直交するよう約４分の１回転回し、 ‐フォークの固定ボルト（２６）を締結して上記の使用位置で燃料噴射装置を固 定する ことを特徴とする燃料噴射装置の固定装置の取付方法。