JP2000515461A - 液体分配バルブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 液体、特に飲料水の自動閉鎖式分配バルブを提供する。このバルブは主に、容器の開口部に取り付ける本体（１）と、本体（１）に固定された弾性の封水膜（３）に作用を及ぼす液体解放ピストン（２）とからなる。バルブは、ピストン（２）を開放位置に保持する手段（４'、４"）を備える。

Description

【発明の詳細な説明】 液体分配バルブ 本発明は、分配バルブを備えた剛性、半剛性、または柔軟な小型容器に含まれ る液体、特に飲料水の分配に関し、開放位置に保持する手段を備えた自動閉鎖式 バルブを備える。 現在、飲料水、特にテーブルワイン、フルーツジュース、あるいは高温殺菌牛 乳を、合成材料の袋などの剛性、半剛性、または柔軟な小型容器から分配する場 合、これは、容器の排出口に固定されたバルブ手段によって行われている。 このために、特に欧州特許出願公開第０４３２０７０号に記載された既知のバ ルブは、容器の開口部に取り付ける本体と、スプリングによって付勢されて本体 に案内される液体解放（放出）ピストンとからなり、ピストンは本体に結合され た弾性の封水膜（防水メンブレン）に作用を及ぼす。容器の開口部に取り付ける 本体は、鎖錠により開口部の環状突出部と協働する溝を含む固定はめ合わせ部を 備え、このようにしてバルブが分解しないようにしている。 バルブを操作するために、ピストンはその上部に突起を備える。この突起は、 バルブの開口部を介してバルブ外部に延びてピストンに牽引（引張り）作用を及 ぼすことを可能にするもので、それによって分配開口部を開放し、一方、閉鎖は 自動的に行われる。 このバルブは、容器の開口部からバルブを分解できないように組み込まれてい るのて、新たに液体を補充できないようにすることによって、あらゆる不正行為 を妨げることができる。 こうしたバルブはまた、液体を正しく分配することができ、瓶詰め作業あるい は一連の詰替え作業に完全に適合する。これらの作業は、無菌自動瓶詰機による 殺菌室のような無菌環境で行っても、あるいは、コップまたは小型容器の充填、 すなわち少量の一種類だけの飲料水または一種類だけのワインのために個人用途 またはレストラン用の無菌ではない環境で行ってもよい。 しかしながら、レストランでの分配量が多い、またはコップに様々なワインを 分配する場合、複数個の容器を同時に使用するので、容器が占める容積を考える と、個別の空間に容器を設置し、多数のバルブを備えたカウンタの分配器に適合 した手段 により、これらの容器を結合しなければならない。 このため、分配器と容器に装備するバルブとの間に接続装置を配置し、この装 置によって、容器のバルブの出口を迅速かつ気密に排出路に接続し、接続してい る間ずっと、このバルブを分配位置に保持することができる。 しかしながら、これらの既知の接続装置は、高価でかさばる。 このような場合、排出管の接続とバルブの開口部とを、単純な最小動作で実施で きれば特に有利である。 さらに、アルコール飲料水を分配する場合には、経済的な理由から、容器に装 備するバルブに課税できるように、すなわち課税シール（印紙）または同等物を 付すことができるようにし、この課税シールまたは同等物は、あらゆる不正行為 を行えないように、最初に使用するときに破るようにしなければならない。 本発明は、既存の接続装置及びバルブの不都合を解消し、カウンタの分配器の バルブに簡単かつ迅速に接続可能にするために、開放位置に保持することができ る自動閉鎖式のバルブを提供することを目的とする。 本発明によれば、容器の開口部に取り付ける本体と、本体に結合する弾性の封 水膜に作用を及ぼす液体解放ピストンとから 主に構成される、液体、特に飲料水の自動閉鎖式分配バルブにおいて、ピストン を開放位置に保持する手段を備えることを特徴とする。 本発明は、添付図面に関して記載する、限定的ではなく例として挙げられた好 適な実施の態様に関する下記の説明から一層理解されよう。 図１は、本発明によるバルブの斜視図である。 図２は、バルブだけの本体を示す図１と同様の図である。 図３は、閉鎖位置におけるバルブの側断面図である。 図４は、バルブが開放位置にある場合の、図３と同様の図である。 図５は、本発明の実施態様の変形例の図４と同様の図である。 添付図は、容器の開口部に取り付ける本体１と、本体１に結合された弾性の封 水膜３に作用を及ぼす液体解放ピストン２とから主に構成される、液体、特に飲 料水の自動閉鎖式分配バルブを示す。 本発明によれば、図２から図４が示すように、バルブは、ピストン２を開放位 置に保持する手段４を備える。この手段４は主に、バルブの本体１及びピストン ２にそれぞれ備えられた、 協働（相互作用）する形状の要素４’及び４”からなる。 本発明の特徴によれば、手段４を構成する要素４’、４”は、バルブの本体１ において弾性の封水膜３の弁座をなす部分に延びるカムと、ピストン２のガイド と、本体１の前記カムの上部で同心で延びる、ピストン２の一部に規則正しい間 隔で配置された摺動部とからそれぞれ構成される(図２から図４)。 ピストン２は、好適には、バルブの本体１において弾性の封水膜３の弁座と前 記ピストン２のガイドとをなす部分にはめ合わされる中空の操作ノブとして構成 され、本体１に結合する弾性の封水膜３に、回転自在に連結される。ピストン２ はさらに、手段４の要素４’を形成するカムの下に延びる周辺溝６との協働によ る、本体１の対応する部分へのスナップ式あるいはラチェット式（encliquetage ）保持手段５を含み、この手段５は、内端を持つショルダの形状を取る。かくし て、ピストン２を本体１の対応する部分にラチェット留めした後で、前記ピスト ン２は、取り外されないように前記本体１に保持される。 ピストン２に備えられた要素４”を形成する摺動部は、鎖錠保持手段５を形成 するショルダの反対側で、ピストン２をなすノブの内側円筒壁に配置され、摺動 部の下端は、周辺溝６から のカム４’の高さよりもやや高い、前記ショルダからの一定の距離にある。この ようにして、摺動部４”は、カム４’の中心に向けて案内され、ピストン２をな すノブが回転するときには、カムの勾配上を押され、バルブを開く方向に弾性封 水膜３を変形させる(図４)。 カム４’は好適には、非対称な勾配を有し、また先が丸くなった三角形の先端 の形をした摺動部４”の下端を支持する上方平面部を有する。その結果、バルブ の開放は、カム４’の傾斜が緩やかな方の勾配を摺動部４”が摺動することによ り容易に実施可能であり、開放位置における保持は、前記カム４’の上部で摺動 部４”を支持することによって行われる。バルブを自動的に閉鎖するためには、 ピストン２をなすノブを余分に少しひねるだけでよく、そのとき摺動部４”は、 弾性の封水膜３によって及ぼされる牽引力の作用でカム４’の急な方の勾配をそ の先端によって摺動する。ノブの回し方が不完全であると、摺動部４”は、カム ４’の急な方の勾配に押されるように付勢され、連続してノブをゆるめると、前 記ノブをゆるめる際の自動閉鎖効果を生むことになる。 本発明の他の特徴によれば、カム４’は、勾配が最も急な側 の上方平面部の端に、先端突出部として、摺動部４”の位置における停止（スト ッパ）装置１０を備える。このような摺動部４”の位置における停止装置１０に よって、操作者は、回転時に作動しにくい筒所となって現れる前記摺動部４”の 留め位置に到達したことを確認するたけでノブ２の不可逆的な開放位置を容易に 管理することができる。 本発明の別の特徴によれば、弾性の封水膜３は、前記封水膜３と一体成形され たシャフト３’を備え、またその自由端に、ピストン２を形成するノブに回転可 能に結合される軸受３”を備える。このような結合によって、封水膜３は、垂直 移動が可能になるともに、ノブ２が回転する間、押し込まれて変形可能になるが 、前記封水膜３は有害なせん断による変形を受けることはない。 ピストン２をなすノブは、有利には、その把持及び操作を容易にするローレッ ト７を、既知の方法でその上部周辺に備える。 本発明のもう一つの特徴によれば、特に添付の図１及び図２が示すように、バ ルブの本体１は、周辺溝６の下に突起８を備え、この突起８は、先端（図示せず ）によりノブ２に結合される、もぎ取るあるいは引きちぎることができるキャッ プあるい はカバー(Cape)９の対応する断面の穴と協働し、課税シールの貼付面を有する。 かくして、カバーに設けられた穴と本体１の突起８との協働により、カバー９を もぎ取るまでノブ２の回転は阻まれる。カバー９をもぎ取ると、課税シールは、 少なくとも突起８と接触している位置では破れる結果となるので、シールは使用 不能になる。この実施態様から、バルブは、運送及び保管中、不可侵である（保 護されている）。かくして、フルーツジュースまたは高温殺菌牛乳などの無菌飲 料水の品質保持には必要不可欠な安全性が確保される。このような不可侵性から 、違法な使用は直ちに検知することができる。 周知のように、バルブの本体１の出口端は、それ自体既知のタイプの可撓管の 一端から突出した周辺保持手段を備え、このような管を速やかに接続することが できる。 添付の図１から図４において、バルブは、容器の開口部に取り付ける本体の軸 に垂直に延びるピストン２と共に示されているが、バルブの本体が、この軸の垂 線に対して傾斜して延びるように構成することも、さらにはこの軸と平行あるい は同軸に延びているように構成することも同様に可能である。 従って、図５は、本発明の実施態様の変形例を示し、バルブ の本体１’は、容器の開口部に取り付ける本体の延長線上に容器と同軸に延び、 そのピストン２’も同様に、本体と同軸に延び、対応する封水膜１３は、バルブ の注ぎ口１６の下流側で、前記容器の開口部に取り付ける本体とバルブの本体１ ’との結合通路１５に備えられた支持部あるいは座部１４で直接支持される。こ のような実施態様は、無菌液分配用のバルブに得に有効である。 実際、図１から図４に示した実施態様とは異なり、この場合に封水膜１３の気 密性は、座部１４の位置だけで、すなわち一筒所で行われる。図１から図４の実 施態様では、気密性はバルブの本体と封水膜との接合位置で同様に保たなければ ならない。その結果、無菌状態が損なわれる虞れは著しく減少する。 本発明によって、開放位置における保持、ならびに迅速な閉鎖、あるいはまた 迅速な閉鎖を伴う瞬間的な開放を可能にする自動閉鎖式のバルブを実現すること ができる。 勿論、本発明は説明及び図示した実施態様に限定されるものではない。特に各種 要素の構成の観点から、あるいは同等技術の代替によって、本発明の保護範囲を 出ることなく様々な変更が可能である。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年１月２７日（１９９８．１．２７） 【補正内容】 請求の範囲 １． 容器の開口部に取り付ける本体（１）と、本体（１）に固定された弾性の 封水膜（３）に作用を及ぼす液体解放ピストン（２）とから主に構成される、液 体、特に飲料水の自動閉鎖式分配バルブであって、バルブの本体（１）及びピス トン（２）にそれぞれ備えられた協動する相補形状の要素（４'、４"）からなる 、ピストン（２）を開放位置に保持する手段（４）を備えており、前記手段（４ ）を形成する要素（４'、４"）は、バルブの本体（１）において弾性の封水膜（ ３）の弁座とピストン（２）のガイドとをなす部分に延びるカムと、本体（１） のカムの上部で中心に向かって延びるピストン（２）の一部に規則正しい間隔で 配置された摺動部とからそれぞれ構成されることを特徴とする分配バルブ。 ２． ピストン（２）は、バルブの本体（１）において弾性の封水膜（３）の弁 座と前記ピストン（２）のガイドとをなす部分にはめ込まれる中空の操作ノブと して構成され、本体（１）に結合する弾性の封水膜（３）に、回転自在に結合さ れることを特徴とする請求項１に記載の分配バルブ。 ３． ピストン（２）はさらに、手段（４）の要素（４'）を形成するカムの下 に延びる周辺溝（６）との相互作用による、本体（１）の対応部分へのラチェッ ト式保持手段（５）を含み、この手段（５）は、内端を持つショルダの形状を呈 することを特徴とする請求項１又は２に記載の分配バルブ。 ４． ピストン（２）に備えられた要素（４"）を形成する摺動部は、ラチェッ ト式保持手段（５）を形成するショルダの反対側で、ピストン（２）をなすノブ の内側円筒壁に配置され、摺動部の下端は、周辺溝（６）からのカム（４'）の 高さよりもやや高い、前記ショルダからの一定の距離にあることを特徴とする請 求項１又は２に記載の分配バルブ。 ５． カム（４'）は、非対称な勾配を有し、また先が丸くなった三角形の先端 の形をした摺動部（４"）の下端を支持する上方平面部を有することを特徴とす る請求項１、２及び４のいずれか一項に記載の分配バルブ。 ６． カム（４'）は、勾配が最も急な側の上方平面部の端に、先端突出部とし て、摺動部（４"）の位置における停止装置（１０）を備えることを特徴とする 請求項１、２、４及び５のいずれか一項に記載の分配バルブ。 ７． 弾性の封水膜（３）は、前記封水膜（３）と一体成形されたシャフト（３ '）を備え、またその自由端に、ピストン（２）を形成するノブに回転可能に結 合される軸受（３"）を備えることを特徴とする請求項１に記載の分配バルブ。 ８．ピストン（２）をなすノブは、その把持及び操作を容易にするローレット（ ７）を、既知の方法でその上部周辺に備えることを特徴とする請求項１又は２に 記載の分配バルブ。 ９．バルブの本体（１）は、周辺溝（６）の下に突起（８）を備え、この突起は 、先端によりノブ（２）に結合される、もぎ取ることができるカバー（９）の対 応する断面の穴と一緒に、課税シールの貼付面を有することを特徴とする請求項 １、３及び４のいずれか一項に記載の分配バルブ。 １０．前記バルブの本体は、容器に取り付ける本体の軸の垂線に対して傾斜する ように延びていることを特徴とする請求項１に記載の分配バルブ。 １１．バルブの本体（１'）は、容器の開口部に取り付ける本体の延長線上に容 器と同軸に延び、そのピストン（２'）も同様に、本体と同軸に延び、対応する 封水膜（１３）は、バルブの注ぎ口（１６）の下流側で、前記容器の開口部に取 り付ける本体と バルブの本体（１'）との結合通路（１５）に備えられた座部（１４）で直接支 持されることを特徴とする請求項１に記載の分配バルブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 容器の開口部に取り付ける本体（１）と、本体（１）に固定された弾性の 封水膜（３）に作用を及ぼす液体解放ピストン（２）とから主に構成される、液 体、特に飲料水の自動閉鎖式分配バルブであって、ピストン（２）を開放位置に 保持する手段（４）を備えることを特徴とする分配バルブ。 ２． 前記手段（４）は、バルブの本体（１）及びピストン（２）にそれぞれ備 えられた協動する相補形状の要素（４'、４"）からなることを特徴とする請求項 １に記載の分配バルブ。 ３． 前記手段（４）を形成する要素（４'、４"）は、バルブの本体（１）にお いて弾性の封水膜（３）の弁座とピストン（２）のガイドとをなす部分に延びる カムと、本体（１）のカムの上部で中心に向かって延びるピストン（２）の一部 に規則正しい間隔で配置された摺動部とからそれぞれ構成されることを特徴とす る請求項１又は２のいずれかに記載の分配バルブ。 ４． ピストン（２）は、バルブの本体（１）において弾性の封水膜（３）の弁 座と前記ピストン（２）のガイドとをなす部分にはめ込まれる中空の操作ノブと して構成され、本体（１） に結合する弾性の封水膜（３）に、回転自在に結合されることを特徴とする請求 項１から３のいずれか一項に記載の分配バルブ。 ５． ピストン（２）はさらに、手段（４）の要素（４'）を形成するカムの下 に延びる周辺溝（６）との相互作用による、本体（１）の対応部分へのラチェッ ト式保持手段（５）を含み、この手段（５）は、内端を持つショルダの形状を呈 することを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の分配バルブ。 ６． ピストン（２）に備えられた要素（４"）を形成する摺動部は、ラチェッ ト式保持手段（５）を形成するショルダの反対側で、ピストン（２）をなすノブ の内側円筒壁に配置され、摺動部の下端は、周辺溝（６）からのカム（４'）の 高さよりもやや高い、前記ショルダからの一定の距離にあることを特徴とする請 求項２から４のいずれか一項に記載の分配バルブ。 ７． カム（４'）は、非対称な勾配を有し、また先が丸くなった三角形の先端 の形をした摺動部（４"）の下端を支持する上方平面部を有することを特徴とす る請求項２から４及び６のいずれか一項に記載の分配バルブ。 ８． カム（４'）は、勾配が最も急な側の上方平面部の端に、 先端突出部として、摺動部（４"）の位置における停止装置（１０）を備えるこ とを特徴とする請求項２から４、６及び７のいずれか一項に記載の分配バルブ。 ９． 弾性の封水膜（３）は、前記封水膜（３）と一体成形されたシャフト（３ '）を備え、またその自由端に、ピストン（２）を形成するノブに回転可能に結 合される軸受（３"）を備えることを特徴とする請求項１に記載の分配バルブ。 １０．ピストン（２）をなすノブは、その把持及び操作を容易にするローレット （７）を、既知の方法でその上部周辺に備えることを特徴とする請求項１から４ のいずれか一項に記載の分配バルブ。 １１．バルブの本体（１）は、周辺溝（６）の下に突起（８）を備え、この突起 は、先端によりノブ（２）に結合される、もぎ取ることができるカバー（９）の 対応する断面の穴と一緒に、課税シールの貼付面を有することを特徴とする請求 項１、５及び６のいずれか一項に記載の分配バルブ。 １２．前記バルブの本体は、容器に取り付ける本体の軸の垂線に対して傾斜する ように延びていることを特徴とする請求項１に記載の分配バルブ。 １３．バルブの本体（１'）は、容器の開口部に取り付ける本体の延長線上に容 器と同軸に延び、そのピストン（２'）も同様に、本体と同軸に延び、対応する 封水膜（１３）は、バルブの注ぎ口（１６）の下流側で、前記容器の開口部に取 り付ける本体とバルブの本体（１'）との結合通路（１５）に備えられた座部（ １４）で直接支持されることを特徴とする請求項１に記載の分配バルブ。