JP2000515460A - 車両のリジッドアクスルのためのアクスルサスペンション - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 車両、特に貨物自動車のリジッドアクスルのためのアクスルサスペンションが提案され、その場合、アクスル案内のためにそれぞれの車両側にほぼ同じ高さで、車両縦方向に延びていて車両アクスル（１）を車体に垂直運動可能に結合させる少なくとも１つの縦リンク（２，３）が配置されており、かつ車両アクスルの上方で一方では車両アクスル（１）にかつ他方では車体にヒンジ結合された４点リンク機構（４）が配置されており、この４点リンク機構が、ねじり可能な十字体として、車両横方向で相互間隔を有するそれぞれ２つのジョイント（５，６），（７，８）を介して一方では車両アクスルにかつ他方では車体に結合されており、かつ、全体として１部分から成る鍛造品として形成された４点リンク機構のアーム（９，１０）がほぼ方形の横断面を有する曲げ支持体であり、かつ、アーム（９または１０）の１つが目標破断箇所（１２）を有している。

Description

【発明の詳細な説明】 車両のリジッドアクスルのための アクスルサスペンション 本発明は請求項１の上位概念による、車両特に貨物自動車のリジッドアクスル のためのアクスルサスペンションに関する。 この種のアクスルサスペンションは例えば国際公開第９７／００１７６Ａ１号 明細書から公知である。 上記書類に開示されたリジッドアクスルのためのアクスルサスペンションはア クスル案内のためにそれぞれの車両側でほぼ同じ高さに、車両縦方向に延びてい て車両アクスルを車体に垂直運動可能に結合させる少なくとも１つの縦リンクと 、ねじり応力により側方のローリングモーションおよびロッキングモーションに 抗して作用するスタビライザとして前記縦リンクより高い位置へ偏位して一方で は車両アクスルにかつ他方では車体にヒンジ結合されているマルチリンクとを有 している。このマルチリンクはアクスル案内と安定化とを兼ねたねじり可能な４ 点リンク機構であり、この４点リンク機構は、車両横方向に相互間隔を有するそ れぞれ２つのジョイント内で、一方では車両アクスルにかつ他方では車体に結合 されている。 ４点リンク機構は車両アクスルの上方で車両アクス ルにヒンジ結合されている。この４点リンク機構は国際公開第９７／００１７６ Ａ１号明細書によれば、ねじり可能な十字リンク、面支持部材または規定された 特性を有するねじり可能なラーメン構造として形成されることができる。車体も しくは車両アクスルへの４点リンク機構の結合はボールジョイントを介して行わ れる。 本発明は従来技術によるアクスルサスペンションを重量および安定性に関して 最適にすると同時にアクスルサスペンション全体の故障安全性を向上させるとい う技術的な問題提供をすることにある。 この問題提供は請求項１に記載した特徴により解決される。 まず始めに、国際公開第９７／００１７６Ａ１号明細書に記載された、特に同 明細書内で示された第１図から第１０図までと、これらに付属する記載とから明 らかであるような特徴を説明する。これらの特徴はこの出願の構成部分である。 その場合、例えば国際公開第９７／００１７６Ａ１号明細書によるアクスルサス ペンションを本発明と組み合わせることが考えられる。 本発明によれば、車両アクスルの上方で一方では車両アクスルにかつ他方では 車体にヒンジ結合された４点リンク機構がねじり可能な十字体として形成されて おり、かつそれぞれ車両横方向に相互間隔を有する２ つのジョイントを介して一方では車両アクスルにかつ他方では車体に結合されて いる。全体として１部分から成る鍛造品として形成された４点リンク機構のアー ムは、例えば丸い、ほぼ方形のまたはそれに類似した横断面を有する曲げ支持体 として形成されている。アームの１つは本発明によれば目標破断箇所を有してお り、この目標破断箇所は製作時に対応するアームに直接的に設けられ、従ってこ のことのために付加的な製作費用が不要となる。 その場合、アームは目標破断箇所の領域内に、固定された安全率を考慮して４ 点リンク機構の予期される負荷のために必要な横断面に比して大きな横断面を有 している。 本解決手段の著しい利点は、予期される最大の要求より著しく上方の負荷時で も、かつこれに起因する４点リンク機構の破損時でも、このことがまず始めに目 標破断箇所の領域内で、ひいてはコントロール可能に行われることにある。 しかし、本発明によればこのような極端な場合ですら、常に４点リンク機構の 両方のアームの１つのアームが車両アクスルに固定されているためにアクスル案 内が常時保証され、従って車両が例えば外的な助けなしに最寄りの工場へ走行す ることができる。 本発明による特別な利点は、本発明によるただ１つの４点リンク機構によって 従来技術による既存のジョ イント接続部の使用もしくは複数のアクスル案内エレメント（縦リンク）の代用 の可能性が可能であることにある。 本発明によるアクスルサスペンションでは車両のローリング傾向を極めて簡単 かつ正確に規定することができ、従って４点リンク機構の重量最適化と同時にそ の最適な設計が可能である。公知の実施形に対比して本発明による４点リンク機 構によれば明らかに大きな力および回転モーメントを受け止めることができる。 これに伴い、本発明によるアクスル案内は、それが比較的わずかな部品を有し 、かつ少ない組立費用しか必要としないため、公知構成に対比して安価である。 ジョイントを例えばジョイントケースとボールとの間に配置されたエラストマ を備えたボールジョイントとして形成することが提案される。この分子ジョイン トは適当なショア堅さを有するエラストマの選択により、予期される負荷に対応 可能である。その上、エラストマおよび／またはケースの内部に、もしくはジョ イントの内側部分に少なくとも領域的に、ジョイント特性によい影響を与える切 欠を設けることができる。分子ジョイントは例えば１方向にわずかな緩衝性を、 かつ少なくともこの方向と異なる方向に比較的大きな緩衝性を有することができ る。前述したボールジョイントの他に、例えばピボットジョイントまたはその他 のような別種のジョイントを目下の使用例のために考 えることができるのはもちろんである。 本発明によれば特別に、ジョイントおよびこれを受容する４点リンク機構を、 負荷に応じて交換可能な部品を備えたビルディングブロック機構として形成する ことが考えられる。このようにすれば、顧客の要求に応じてジョイントおよび４ 点リンク機構を相互に調和させることができる。このことのために、ジョイント は標準化された外径を有し、かつ４点リンク機構のアームのジョイント受容部が 標準化された内径を有している。 これにより、分子ジョイントおよび４点リンク機構の金属製の基体はアクスル を介して導入された力に累積的な対向力を対向させることができる。 車両のリジッドアクスルのための本発明によるアクスルサスペンションの別の 有利な実施形では、４点リンク機構の安定化モーメントが１０と６０ｋＮｍとの 間、しかし有利には４０と５０ｋＮｍとの間にあり、４点リンク機構の車体側の ジョイントの間隔寸法が３００と７００ｍｍとの間にあり、しかし有利にはほぼ ５００ｍｍであり、４点リンク機構の車両アクスル側のジョイントの間隔寸法が ３００と７００ｍｍとの間にあり、しかし有利にはほぼ３５０ｍｍであり、また は４点リンク機構の車体側のジョイントと車両アクスル側のジョイントとの間隔 寸法が３００と１０００ｍｍとの間にあり、しかし有利にはほぼ５５０ｍｍであ る。 総じて本発明によるアクスルサスペンションによれば重量級および最大重量級 の貨物自動車に対する要求を考慮したコンパクトな機構が製作され、その特別な 利点はそれが最高の安全性要求に対応する弾力的に組合せ可能な４点リンク機構 であることにある。さらに、本発明によるアクスルサスペンションによれば、４ 点リンク機構の、アームの十字交点の位置に対応した、回転の中心のジオメトリ 的に規定された配置によって、アクスルの受動的なロールステアリング効果が具 合よく生じることができる。このことにより、例えば改善された舵取性能、改善 された負荷交番性能、わずかなタイヤ摩耗、および機構の過大規定される静力学 の回避によるその他の走行装置構成部分の負荷減少のような利点が生じる。さら に、車両アクスルの上方に４点リンク機構を配置したことにより比較的大きな床 自由度が生じ、これは例えば建築現場で使用される車両では極めて重要である。 本発明の前述した特徴および以下にも説明する特徴がそれぞれ上述の組合せで のみならず、その他の組合せで、または単独で、本発明の枠を越えることなしに 適用されることができるのはもちろんである。 図面に本発明の実施例が部分的に簡略に示されている。ここに、 第１図は本発明によるアクスルサスペンションの空 間的な配置を示し、 第２図は４点リンク機構を三次元的に示す。 本実施例で車両アクスル１は両方の車両側で、車両の縦中央から著しい間隔を 置いて縦リンク２および３により、かつ車両中央で車両アクスルの上方に配置さ れた４点リンク機構により、車体に結合されている。車両アクスルは図示の実施 例ではローリングモーション、要するにほぼ車両縦方向に位置する軸線を中心と してほぼ±６°の運動を行う。 車体は第１図で領域的に略示されている。第１図には車両フレーム１１への４ 点リンク機構の結合が示されている。縦リンク２および３のジョイント結合は車 両アクスルの下方に位置しており、他面において４点リンク機構は車両アクスル の上方で縦リンク２および３に対して異なる高さレベルに配置されている。すべ てのジョイント結合はカルダン的に運動可能に実施されており、かつ分子ジョイ ントから成っている。 ４点リンク機構４は安定な２つのアーム９および１０から、十字に交わる配置 で、かつほぼ方形横断面を有する１部分から成る鍛造品として形成されている。 アームの横断面の設計は予め規定された断面係数を“Ｗ”として簡単に次の式か ら行うことができる。すなわち、Ｗ＝ｂｈ²／６。ここに、“ｂ”はアーム横断 面の幅、“ｈ”はアーム横断面の高さである。 アーム９および１０はジョイント５および６を介し て車両シャーシに固定可能であり、かつアーム９および１０の他方の端部に配置 されたジョイント７および８により車両アクスル１に、もしくは車両アクスル１ に結合されたそれぞれ１つの支持体１．１に固定されている。４点リンク４のこ の構成は車両アクスルのローリングモーションを抑制する。４点リンクに発生し たねじれはねじり応力によりゼロ位置への復元のための戻し力を生じる。 第２図には本発明によるＸ形状の４点リンク機構が三次元的な図で示されてい る。Ｘ形状のこの十字体のアーム端部にはシャーシへの固定のためのジョイント ５および６と、車両アクスルへの固定のためのジョイント７および８が配置され ている。第２図のこの実施例ではアーム９に目標破断箇所１２が認められる。 アームの横断面輪郭はこの場合には図面にも示したようにほぼ方形である。種 々の材料が使用可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラインハルト ブール ドイツ連邦共和国 Ｄ―49163 ボームテ ビルケンシュトラーセ 21

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 車両、特に貨物自動車のリジッドアクスルのためのアクスルサスペンショ ンであって、アクスル案内のためにそれぞれの車両側にほぼ同じ高さで、車両縦 方向に延びていて車両アクスル（１）を車体に垂直運動可能に結合させる少なく とも１つの縦リンク（２，３）が配置されており、かつ車両アクスル（１）の上 方で一方では車両アクスルにかつ他方では車体にヒンジ結合された４点リンク機 構（４）が配置されており、この４点リンク機構が、ねじり可能な十字体として 、車両横方向で相互間隔を有するそれぞれ２つのジョイント（５，６），（７， ８）を介して一方では車両アクスルにかつ他方では車体に結合されている形式の ものにおいて、全体として１部分から成る鍛造品として形成された４点リンク機 構（４）のアーム（９，１０）がほぼ方形の横断面を有する曲げ支持体であり、 かつ、アーム（９または１０）の１つが目標破断箇所（１２）を有していること を特徴とする車両のリジッドアクスルのためのアクスルサスペンション。 ２． ジョイント（５，６），（７，８）が、ジョイントケースとボールとの間 に配置されたエラストマを備えたボールジョイントまたはピボットジョイントで あることを特徴とする請求項１記載のアクスル サスペンション。 ３． ジョイント（５，６），（７，８）と、これらを受容する４点リンク機構 （４）とが、負荷に対応して交換可能な部品を備えたビルディングブロック機構 を形成していることを特徴とする請求項２記載のアクスルサスペンション。 ４． ４点リンク機構（４）の安定化モーメントが１０と６０ｋＮｍとの間、し かし有利には４０と５０ｋＮｍとの間にあることを特徴とする請求項１から３ま でのいずれか１項記載のアクスルサスペンション。 ５． ４点リンク機構（４）の車体側のジョイント（５，６）の間隔寸法が３０ ０と７００ｍｍとの間にあり、しかし有利にはほぼ５００ｍｍであることを特徴 とする請求項１から４までのいずれか１項記載のアクスルサスペンション。 ６． ４点リンク機構（４）の車両アクスル側のジョイント（７，８）の間隔寸 法が３００と７００ｍｍとの間にあり、しかし有利にはほぼ３５０ｍｍであるこ とを特徴とする請求項５記載のアクスルサスペンション。 ７． ４点リンク機構の車体側のジョイントと車両アクスル側のジョイントとの 間の間隔寸法が３００と１０００ｍｍとの間にあり、しかし有利にはほぼ５５０ ｍｍであることを特徴とする請求項５記載のア クスルサスペンション。