JP2000513365A - 抗神経変性エルゴリン誘導体 - Google Patents

抗神経変性エルゴリン誘導体

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JP2000513365A JP10503784A JP50378498A JP2000513365A JP 2000513365 A JP2000513365 A JP 2000513365A JP 10503784 A JP10503784 A JP 10503784A JP 50378498 A JP50378498 A JP 50378498A JP 2000513365 A JP2000513365 A JP 2000513365A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、式(I)で表されるエルゴリン誘導体または薬剤として許容されるその塩の神経変性疾患の治療における新規な用途を提供する。式(I)で、R1は水素原子、または任意選択でC3−C7環状アルキル、ヒドロキシル基、またはR3がヒドロキシル若しくはヒドロキシメチル基のR3−置換フェニル基で置換された、直鎖または分枝鎖C1−C5アルキルまたはC2−C5アルケニル基を表し、R2は水素原子、または任意選択でヒドロキシル基、またはR3が前記と同じであるR3−置換フェニル基、またはC1−C5アルコキシ基で置換された、直鎖または分枝鎖のC1−C5アルキルまたはC2−C5アルケニル基を表し、2、3位及び8、9位の破線はそれぞれ独立して単結合または二重結合を表し、Zは、nが0または1から3の整数である(CH2nOH基、またはR4がC1−C5アルキル基またはフェニル基であるC(R42OH基を表す。式(I)で表されるいくつかの化合物は新規なものである。製造方法及びそれらを含む薬剤組成物についても記述する。

Description

【発明の詳細な説明】 抗神経変性エルゴリン誘導体 本発明は、エルゴリン誘導体による神経変性疾患の治療、その治療に用いる新 規なエルゴリン誘導体、それらの製造方法、及び薬剤として許容されるその塩に 関する。 本発明は、神経変性疾患の治療における、式Iで表されるエルゴリン誘導体ま たは薬剤として許容されるその塩の治療用途に関する。 上式で R1は水素原子、または任意選択でC3−C7環状アルキル、ヒドロキシル基、 またはR3がヒドロキシル若しくはヒドロキシメチル基のR3−置換フェニル基で 置換された、直鎖または分枝鎖C1−C5アルキルまたはC2−C5アルケニル基を 表し、 R2は水素原子、または任意選択でヒドロキシル基、または R3が前記と同じであるR3−置換フェニル基、またはC1−C5アルコキシ基で置 換された、直鎖または分枝鎖のC1−C5アルキルまたはC2−C5アルケニル基を 表し、2、3位及び8、9位の破線(−−)はそれぞれ独立して単結合または二 重結合を表し、Zは、nが0または1から3の整数である(CH2nOH基、ま たはR4がC1−C5アルキル基またはフェニル基であるC(R42OH基を表す 。 式Iの波線は、8または10位の置換基がα配位、すなわち環面の下方である か、または、β配位、すなわち環面の上方のどちらでもよいことを表している。 本発明の別の態様は、下記の化合物を除くことを特徴とする前記式Iで表され る新規エルゴリン誘導体を提供することである。 6−メチル−8β−ヒドロキシ−10α−メトキシ−エルゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10β−メトキシ−エルゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン、 6−メチル−8α−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−(1−メチルエトキシ)−エル ゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−ヒドロキシ−エルゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10β−ヒドロキシ−エルゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−Δ−8,9−エルゴ レン、 8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシエチル−10α−メトキシ−エルゴリン、及び 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−プロポキシ−エルゴリン。 より好ましくは、Zがヒドロキシル、ヒドロキシメチル及びヒドロキシエチル 基ではなく、R1が水素またはメチル基、R2が水素、またはメチル、プロピル、 イソプロピル基、2、3位の破線が二重結合を、また8、9位の破線が単結合ま たは二重 結合を表すことに特徴づけられる前記式Iで表されるエルゴリン誘導体を提供す る。 本明細書中で、C1−C5アルキル基という用語はメチル、エチル、プロピル、 イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル基を含み、C2− C5アルケニル基という用語は2−プロペニル、1−ブテニル、1,1−ジメチ ルアリル、1−ペンテニル、2−ペンテニルを含む。C3−C6環状アルキル基と いう用語はシクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル基を含む。 R1及びR2の意味でのフェニル基上の置換基R3は、オルト、メタまたはパラ 位のいずれにあっても良い。 酸付加塩形成に用いることのできる薬剤として許容される塩には、有機酸とし てはマレイン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、メタンスルホン酸、酢酸、安息 香酸、コハク酸、グルコン酸、グルタミン酸、リンゴ酸、粘液酸、アスコルビン 酸が、無機酸としては塩酸、臭化水素酸、硫酸またはリン酸が含まれる。 塩酸、メタンスルホン酸、クエン酸及び酒石酸を用いて得られる付加塩が最も 好ましい。 本発明では、R1は水素原子、メチル、2−ヒドロキシエチ ルまたは(2−ヒドロキシ−2−フェニル)エチル基が好ましく、R2は水素原 子、メチル、1−メチルエチル、プロピル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロ キシプロピル、2−メトキシエチル基が好ましく、Zは(CH2nOH基、また はC(R42OH基が好ましく、nは0、1または2が好ましく、R4はメチル またはフェニル基が好ましい。 本発明の好ましい化合物の具体的な例は以下に列挙した化合物である。 1)6−メチル−8β−ヒドロキシ−10α−メトキシ−エルゴリン、 2)6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン、 3)6−メチル−8α−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン、 4)6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−(1−メチルエトキシ)− エルゴリン、 5)6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−ヒドロキシ−エルゴリン、 6)6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10β−ヒドロキ シ−エルゴリン、 7)6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−Δ−8,9−エ ルゴレン、 8)8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン、 9)6−メチル−8β−ヒドロキシ−10α−エトキシ−エルゴリン、 10)6−メチル−8β−ヒドロキシ−10α−プロポキシ−エルゴリン、 11)6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−プロポキシ−エルゴリン 、 12)8β−ヒドロキシ−10α−メトキシ−エルゴリン、 13)8β−ヒドロキシ−10β−ヒドロキシ−エルゴリン、 14)8α−ヒドロキシ−10α−メトキシ−エルゴリン、 15)8α−ヒドロキシ−10β−ヒドロキシ−エルゴリン、 16)8α−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン、 17)8α−ヒドロキシメチル−10α−ヒドロキシ−エルゴリン、 18)6−メチル−8α−ヒドロキシ−10α−メトキシ−エ ルゴリン、 19)6−メチル−8α−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン、 20)6−メチル−8α−ヒドロキシ−10β−メトキシ−エルゴリン、 21)6−メチル−8α−ヒドロキシメチル−10β−メトキシ−エルゴリン、 22)6−メチル−8β−ヒドロキシ−10β−メトキシ−エルゴリン、 23)6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10β−メトキシ−エルゴリン、 24)6−メチル−8β−(2−ヒドロキシ)エチル−10α−メトキシ−エル ゴリン、 25)6−メチル−8β−(3−ヒドロキシ)プロピル−10α−メトキシ−エ ルゴリン、 26)6−メチル−8β−ヒドロキシ−10α−(2−ヒドロキシ)エトキシ− エルゴリン、 27)6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−(2−ヒドロキシ)エト キシ−エルゴリン、 28)6−メチル−8β−ヒドロキシ−10α−(3−ヒドロキシ)プロポキシ −エルゴリン、 29)6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−(3−ヒドロキシ)プロ ポキシ−エルゴリン、 30)6−メチル−8β−ヒドロキシ−10α−(2−メトキシ)エトキシ−エ ルゴリン、 31)6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−(2−メトキシ)エトキ シ−エルゴリン、 32)(2−ヒドロキシ)エチル−8β−ヒドロキシ−10α−メトキシ−エル ゴリン、 33)(2−ヒドロキシ)エチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ −エルゴリン、 34)(2−ヒドロキシ−2−フェニル)エチル−8β−ヒドロキシ−10α− メトキシ−エルゴリン、 35)(2−ヒドロキシ−2−フェニル)エチル−8β−ヒドロキシメチル−1 0α−メトキシ−エルゴリン、 36)2,3−ジヒドロ−6−メチル−8β−ヒドロキシ−10α−メトキシ− エルゴリン、 37)2,3−ジヒドロ−6−メチル−8β−ヒドロキシメチ ル−10α−メトキシ−エルゴリン、 38)2,3−ジヒドロ−6−メチル−8β−(2−ヒドロキシ)エチル−10 α−メトキシ−エルゴリン、 39)2,3−ジヒドロ−6−メチル−8β−ジメチルヒドロキシメチル−10 α−メトキシ−エルゴリン、 40)2,3−ジヒドロ−6−メチル−8β−ジメチルヒドロキシメチル−10 α−ヒドロキシ−エルゴリン、 41)6−メチル−8β−ジメチルヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エル ゴリン、 42)6−メチル−8β−ジエチルヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エル ゴリン、 43)6−メチル−8β−ジフェニルヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エ ルゴリン、 44)6−メチル−8β−ジメチルヒドロキシメチル−10α−ヒドロキシ−エ ルゴリン、 45)6−メチル−8β−ジエチルヒドロキシメチル−10α−ヒドロキシ−エ ルゴリン、 46)6−メチル−8β−ジフェニルヒドロキシメチル−10α−ヒドロキシ− エルゴリン、 47)6−メチル−8α−ジメチルヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エル ゴリン、及び 6−メチル−8α−ジフェニルヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリ ン。 本発明はまた、知られているエルゴリン類から出発し、対応する化学変換によ る、本発明の式Iで表される化合物の製造方法を提供するが、その製造方法は置 換基の性質によって決まる。 式Iで表される化合物、及び薬剤として許容されるその塩の製造方法は以下の 通りである。 (i)Zがヒドロキシル基で9、10位の破線が単結合である、式Iで表される 化合物、または薬剤として許容されるその塩の好ましい製造方法は、 (1)式IIaで表され、 上式で、R5がC1−C5アルキル基で破線及びR1及びR2が前記と同じである化 合物を、ヒドラジンと反応させ、得られる 8−ヒドラジド誘導体を酸性条件下で亜硝酸塩で処理するステップと、 (2)式IIIで表され、上式で、破線、R1及びR2が前記と同じである得られた8−アミノ誘導体を、酢 酸の存在下に亜硝酸塩で処理し、得られる8−アセチルオキシ誘導体を加水分解 するステップと、所望の場合、 (3)式Iで表され、 上式で、破線及びR1が前記と同じであり、R2がメチル基である得られた化合物 を、酸存在下で式R2−OHで表される化合物で処理してR2がメチル基と異なる 式Iで表される化合物 に変換するステップと、所望の場合、式Iで表される得られた前記化合物を、薬 剤として許容されるその塩に変換するステップとを含む。 (ii)別の実施例において、Zが式(CH2nOHで表される基であり、nが 1または2である式Iで表される化合物、または薬剤として許容されるその塩の 好ましい製造方法は、 (1)式IIで表され、 上式で、破線、R1、R2及びR5が前記と同じである化合物を還元するステップ と、所望の場合、 (2)ZがCH2OHを表す式Iで表される得られた化合物を塩化メタンスルホ ニルで処理するステップと、 (3)式IVで表され、 上式で、R1、R2及び破線が前記と同じである得られた化合物を、KCNと反応 させるステップと、 (4)式Vで表され、 上式で、R1、R2及び破線が前記と同じである得られた化合物を、R5が前記と 同じである式R5OHで表されるアルコールの存在下で酸と反応させるステップ と、 (5)式VIで表され、 上式で、R1、R2、R5及び破線が前記と同じである得られた化合物を還元する ステップと、所望の場合、前記ステップ(ii)(1)と同様にして得られる、 ZがCH2CH2OHまたはCH2OHである式Iで表される化合物を、薬剤とし て許容さ れる塩に変換するステップとを含む。 (iii)別の実施例において、ZがCH2CH2CH2OHである式Iで表され る化合物、または薬剤として許容されるその塩の好ましい製造方法は、 (1)前記式IVで表される化合物を、マロン酸ジ−C1−C5アルキルエステル の塩と縮合させるステップと、 (2)式VIIで表され、 上式で、R1、R2、R5及び破線が前記と同じである得られた化合物を加熱する ステップと、 (3)式VIIIで表され、 上式で、R1、R2、R5及び破線が前記と同じである得られた 化合物を還元するステップと、所望の場合、式Iで表される得られた化合物を薬 剤として許容される塩に変換するステップとを含む。 (iv)別の実施例において、ZがC(R42OHであり、R4が前記と同じで ある式Iで表される化合物、または薬剤として許容されるその塩の好ましい製造 方法は、 (1)前記式IIで表される化合物を、R4が前記と同じである式R4MgBrで 表されるグリニャール試薬と縮合させ、所望の場合、式Iで表される得られた化 合物を薬剤として許容されるその塩に変換するステップとを含む。 (v)別の実施例において、8、9位の破線が単結合である式Iで表される化合 物の別の製造方法は、式IXで表され、 上式で、破線、R1及びZが前記と同じである化合物を、酸の存在下でR2が前記 と同じであるR2OHで表される化合物の光化学的付加により変換するステップ と、所望の場合、前記式 Iで表される得られた化合物を薬剤として許容されるその塩に変換するステップ とを含む。 所望の場合、前記の製造方法の組合せ、あるいは、エルゴット誘導体で知られ ている合成法により、製造法(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v )によって製造される式Iで表される分子の様々な部位をさらに変化させうるこ とに留意されたい。 前記(i)に記載の式Iで表される化合物は、例えば、前記式IIaで表され る化合物をエタノール中、ヒドラジン水和物と還流して反応させることによって 調製できる。対応するヒドラジドが、得られたこれを0℃で塩酸の存在下で亜硝 酸ナトリウムで処理し、続いて90〜100℃に加熱することによって、一般式 IIIで表される化合物に変換された。(P.A.S.Smith、Org.R eact.、3巻、337ページ、1946年)。 続いて、5〜10℃で氷酢酸中、亜硝酸ナトリウムで処理すると、相当するア セチルオキシ誘導体が得られた。これを水酸化ナトリウムのエタノールまたはメ タノール溶液中35〜70℃の温度範囲でけん化することにより、一般式Iで表 される化合 物が得られた。R2がメチル基の場合、これらの化合物を10〜15%の硫酸、 トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等の酸の存在下、10〜35℃でR2−O Hと反応させることにより、R2がメチルとは異なる基である一般式Iで表され る化合物に変換できる。 前記(ii)に記載の式Iで表される化合物は、例えば、前記式IIで表され る化合物を還元することにより、nが1である一般式Iで表される化合物を得る ことによって調製できる。還元は0〜50℃でテトラヒドロフランまたはジオキ サン等の溶媒中LiAlH4等の還元剤、または15〜70℃でイソプロパノー ルまたはメタノール等の溶媒中NaBH4等の還元剤を用いて行うことができる 。 次いで、nが1である式Iで表される化合物を0〜5℃でピリジン中塩化メタ ンスルホニルと反応させると、前記式IVで表される化合物が得られ、次いで5 0〜90℃でジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド中KCNと反応 させると前記式Vで表される化合物が得られる。式Vで表される化合物を塩化水 素ガス存在下でメタノールと反応させると式VIで表される化合物が得られ、こ れを前記のように還元することによ りnが2である式Iで表される化合物が得られる。 前記(iii)に記載の式Iで表される化合物は、例えば、前記式IVで表さ れる化合物を60〜85℃でジメチルホルムアミド中、ナトリウムマロン酸ジメ チルと縮合させて式VIIで表される化合物を製造し、これを塩化ナトリウムの 存在下ジメチルスルホキシド中で100〜120℃に加熱して式VIIIで表さ れる化合物に変換し、さらに、式VIIIで表される化合物を前記のように還元 することによりnが3の式Iで表される化合物が調製できる。(C.S.Mar vel及びF.D.Hager、Org.Synth.、1巻、248ページ、 1941年)。 前記(iv)に記載の式Iで表される化合物は、例えば、前記式IIで表され る化合物を0〜55℃でジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン等の溶媒中 、グリニャール試薬R4MgBrと縮合させることにより調製できる。(W.W. Moyer及びC.S.Marvel、Org.Synth.、2巻、602ペー ジ、1943年)。 前記(v)に記載の式Iで表される化合物は、例えば、前記式IXで表される 化合物を、希硫酸存在下、10〜40℃で水 銀/中圧ランプを用い、R2OHを光化学的に付加することによって調製できる 。 式Iで表される化合物を製造する場合の出発材料のいくつかは知られている。 それ以外の化合物は知られている方法で、知られている化合物から出発して同様 に製造できる。式Iで表される知られている化合物は、米国特許3,228,9 43、EP−A−0 004 664,EP−A−O−156645及び米国特 許4,861,793中に、生物学的に活性なエルゴリン化合物の製造中間体と してのみ記載されており、それらの製造方法も記載されている。 予想外なことに、式Iで表されるエルゴリン誘導体が、アルツハイマー病また はダウン症候群等におけるPKC活性の低下、老人性記憶障害若しくは老人性学 習障害に伴う神経変性病状の治療に使用できることが判明した。 式Iで表される化合物は、PKCの内因性基質であり、in vivo状態に 極めて類似したB−50/GAP−43のリン酸化をin vitroで促進で きる。 さらに、式Iで表される化合物は、海馬及び線条体等の脳の異なる部位のシナ プトソーム中のPKC転座(dislocation) を増加させることができる。 したがって、本発明の化合物は、種々の形態の痴呆、記憶障害、アルツハイマ ー病及びダウン症候群等のPKCシグナル変換経路の機能性低下に伴う病状の治 療に用いることが可能と思われる。 本発明の化合物の毒性は、経口で>800mg/kgと極めて低く、したがっ て有用な薬物として安全に使用できる。 実験の部−生物学的データ B−50/GAP−43のリン酸化 Graan Tら(De Graan P.N.E.、Moritz A.、 De Wit M.及びGispen W.H.、「Purification of B−50 by 2−mercaptoethanol extrac tion from rat brain synaptosomal pla sma membranes」、Neurochem.Res.、18巻、87 5〜881ページ、1993年)の方法でラットの脳から精製したB−50を基 質として用いた。タンパク質のリン酸化は、Kikkawaら(Kikkawa U.、Go M.、Kuomoto J.及びNishizuka Y. 「Rapid purification of PKC by HPLC」、 Biochim Biophys Res Commun、135巻、636〜 643ページ、1986年)(0.012μg/1μg基質/7.5μM AT P、1マイクロキューリー/管)の方法で精製したPKCにより、20mMのp H7.0のTris HCl、 10mMのMgCl2、0.2mMのCaCl2 、1μg/100μlのPSを含有する反応混合物中で行った。γ32P−ATP をリン酸供与体として用いた。インキュベーションは30℃で5分間行い、3% ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、5%2−メルカプトエタノール、10%グ リセロール、pH6.8の0.12MTrisHCl中の0.002%ブロモフ ェノールブルーを含有する停止液を体積で3分の1量加えて反応を停止させた。 次いで、試料を可溶ゲル中11%アクリルアミド−0.3%ビス−アクリルアミ ドを用い一次元のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)にかけ た。得られたゲルを染色、次いで脱染色し、オートラジオグラフィを行った。オ ートラジオグラム上のB−50バンドの定量分析は、密度計測分析で行った。 本発明の化合物は、PKCの特異的シナプス前基質である成長関連タンパク質 B−50のin vitroにおけるリン酸化を促進するが、このタンパク質は 、シナプス形成性関連の諸事象において、様々な伝達過程で重要な役割をつとめ ることが知られている。 異なる脳領域におけるPKC転座 Dunkley(Dunkley p.R.、Health J.W.、Har rison S.M.、Jarvie P.E.、Glenfield P.J .、及びRostas J.A.P.「A rapid percolatio n gradient procedure for isolation o f synaptosomes directly from S1 frac tion:homogeneity and morphology of s ubcellular fractions」、Brain res、441巻 、59〜71ページ、1988年)により記載された方法に従って、精製シナプ トソームを得た。 皮質、海馬から精製したシナプトソーム(10mg/ml)は、酒石酸(pH 7.0)に溶解した本発明の化合物の用量を段階的に増やしながら添加するか、 あるいは基質のみを添加し、30℃で15分間インキュベートした。 インキュベーション終了後、精製シナプトソームを10mMのEGTAを含有 する冷却したクレブス緩衝液中に集め、次いでShearmannら(Shea rman M.S.、Shinomura T.、Oda T.及びNishi zuka Y.「Protein kinase C subspecies in adult rat hippocampalsynaptosomes .Activation by diacylglycerol and ar achidonic acid」、FEBS Lett、279巻、261〜2 64ページ、1991年)に従って処理した。 シナプトソームをクレブス緩衝液中、撹拌しながら4℃で30分間、溶解した 。溶解した懸濁液を100000gで60分間遠心分離した。得られた上清は「 サイトゾル分画」として処理した。ペレットを0.1%TritonX−100 を含有する溶解用緩衝液中に4℃で45分間、再懸濁させた。遠心分離を繰り返 し、得られた上清を「膜分画」とした。サイトゾル及び 膜分画に含まれるタンパク質をSDS−PAGEにより分離し、ニトロセルロー ス紙に吸着させた。 ウェスタンブロット上のPKCはポリクローナル全PKC抗体(Upstat e Biotechnology)により検出した。ウェスタンブロット法によ るPKCアイソザイムの分析は、モノクローナル抗体(GIBCO)を用いて行 った。抗原抗体複合体は化学発光増感で検出した。結果はコンピュータ支援イメ ージ解析により分析し、対照条件でのPKC転座に対する百分率で表した。 本発明の化合物の海馬シナプトソームにおけるPKC転座のデータを下記の表 に示す。 精製され活性のあるシナプトソームを用いた生理条件下の分析で、本発明の化 合物はPKCの膜コンパートメントへの転座を増加させることができる。これら の結果は、アルツハイマー病脳内の種々の領域の粒子分画でPKC濃度の顕著な 低下が見られることを考慮すると、特に興味あるものである(Masliah E.、Cole G.、Shimohama S.、Hansen L.、De Teresa R.、Terry R.D.及びSaitoh T.「Dif ferential involvement of protein kin ase C isozymes in Alzheimer’s diseas e」、J.Neurosci、10巻、2113〜2124ページ、1990年 )。 本発明は、薬剤として許容される賦形剤(担体または希釈剤)と式Iで表され る化合物からなる薬剤組成物も包含する。本発明の化合物を含有する薬剤組成物 は、下記の従来法により製造され、薬剤として適切な剤形で投与される。例えば 、固体の経口剤は活性化合物と共に、ラクトース、ブドウ糖、セルロース、コー ンスターチまたはバレイショ澱粉等の希釈剤、シリカ、タルク、ステアリン酸、 ステアリン酸マグネシウムまたはカルシ ウム、及び/またはポリエチレングリコール類等の潤滑剤、デンプン、アラビア ゴム、ゼラチン、メチルセルロースまたはポリビニールピロリドン等の結合剤及 び一般に薬物の製剤に用いられる非毒性及び不活性な物質を含有できる。これら の薬剤調製物は、知られている方法、例えば、混合、顆粒化、錠剤化、糖衣また はフィルムコーティング工程等の手段を用いて製造できる。 錠剤は以下のようにして製造できる。 上記成分をあわせてブレンドし、それぞれ460mgの錠剤に圧縮成型する。 経口投与用の液状分散剤では、例えばシロップ、乳濁液または懸濁液が可能で ある。シロップ剤は、担体として、例えば、ショ糖またはグリセリンとショ糖及 び/またはマンニトール及び/またはソルビトール等を含有できる。懸濁剤及び 乳濁剤は 担体として、例えば、天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチンまたは ポリビニルアルコールを含有できる。坐剤は、活性化合物と共に薬剤として許容 される担体、例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、またはレシチンを含 有できる。一般に、薬物は、活性成分が1日に体重1kgあたり5〜50mg、 好ましくは体重1kgあたり5〜15mgとなるように、単回または分割して投 与される。 以下の実施例で本発明を例示する。 実施例16−メチル−8β−(3−ヒドロキシ)プロピル−10α−メトキシ−エルゴリ (R1=CH3、R2=CH3、破線(2,3)=二重結合、破線(8,9)=単結 合、Z=(CH23OH) 4.3gの6−メチル−8β−トシルオキシメチル−10α−メトキシ−エル ゴリン、2.5gのナトリウムマロン酸ジエチル及び1.5gのヨウ化カリウム を30mlのジメチルスルホキシド中に加え、さらに10mlのマロン酸ジエチ ルを加えた混合物を、攪拌しながら75℃で2時間加熱した。 溶液を氷水に注加し、得られた沈殿をろ別、乾燥し、酢酸エ チルを溶出溶媒に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィを行う。所望の分画 を合わせ、蒸発乾固し、エタノールで結晶化すると、3.2gの2−エトキシカ ルボニル−3−(6−メチルエルゴリン−10α−メトキシ−8β−イル)−プ ロピオン酸エチルエステルが得られた。 15gの2−エトキシカルボニル−3−(6−メチルエルゴリン−10α−メ トキシ−8β−イル)−プロピオン酸エチルエステル及び15gの無水塩化ナト リウムを100mlのジメチルスルホキシド中に溶解し、撹拌しながら、180 ℃で1時間加熱した。 溶媒を減圧留去し、残留物を酢酸エチルに溶解し、食塩水で数回洗浄した。乾 燥し、溶媒を留去し、残留物をエタノールから2回結晶化を行うと、11gの3 −(6−メチルエルゴリン−10α−メトキシ−8β−イル)−プロピオン酸エ チルエステルが得られた。 5gの水素化リチウムアルミニウムを150mlのテトラヒドロフラン中に懸 濁し、攪拌しながら、25℃で15gの3−(6−メチルエルゴリン−10α− メトキシ−8β−イル)−プロピオン酸エチルエステルを少量ずつ加えた。 5時間攪拌した後、過剰の水素化物は10mlの水を注意深く加えて分解した 。懸濁液を濾過し、溶媒を留去した。 残留物をメタノールに溶解し、活性炭処理を行い、エタノールで結晶化すると 融点190〜195℃の標題化合物が9.6g得られた。 実施例26−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−(2−ヒドロキシ)エトキシ− エルゴリン (R1=CH3、R2=CH2CH2OH、破線(2,3)=二重結合、破線(8, 9)=単結合、Z=CH2OH) 10gの6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリ ンを100mlのエチレングリコール中に溶解し、撹拌しながら7.5mlの濃 硫酸で室温で処理した。3時間撹拌後、反応溶液を氷水に注ぎ、濃水酸化ナトリ ウム溶液でアルカリ性にした。沈殿物を集め、水で洗浄し、エタノールで結晶化 すると、融点201〜205℃の標題化合物が75%の収率で得られた。 実施例36−メチル−8α−ヒドロキシメチル−10α−(2−ヒドロキシ)エトキシ− エルゴリン (R1=CH3、R2=CH2CH2OH、破線(2,3)=二重結合、破線(8, 9)=単結合、Z=CH2OH) 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリンに代え て6−メチル−8α−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリンを用い 、実施例2と同様の操作を行い、融点178〜180℃の標題化合物を60%の 収率で得た。 実施例46−メチル−8α−ヒドロキシメチル−10α−(3−ヒドロキシ)プロポキシ −エルゴリン (R1=CH3、R2=CH2CH2CH2OH、破線(2,3)=二重結合、破線( 8,9)=単結合、Z=CH2OH) エチレングリコールに代えて1,3−プロパンジオールを用い、実施例2と同 様の操作を行い、融点189〜195℃の標題化合物を55%の収率で得た。 実施例56−メチル−8α−(3−ヒドロキシ)プロピル−10α−メトキシ−エルゴリ (R1=R2=CH3、破線(2,3)=二重結合、破線(8,9)=単結合、Z =(CH23OH) 6−メチル−8β−トシルオキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリンに代 えて6−メチル−8α−トシルオキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリンを 用い、実施例1と同様の操作を行い、融点134〜138℃標題化合物を35% の収率で得た。 実施例66−メチル−8β−(3−ヒドロキシ)プロピル−10α−2−ヒドロキシ)エ トキシ−エルゴリン (R1=CH3、R2=CH2CH2OH、破線(2,3)=二重結合、破線(8, 9)=単結合、Z=(CH23OH) 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリンに代え て6−メチル−8β−(3−ヒドロキシ)プロピル−10α−メトキシ−エルゴ リンを用い、実施例2と同様の操作を行い、融点212〜215℃の標題化合物 を57%の収率で得た。 実施例76−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−(2−メトキシ)エトキシ−エ ルゴリン (R1=CH3、R2=CH2CH2OCH3、破線(2,3)= 二重結合、破線(8,9)=単結合、Z=CH2OH) エチレングリコールに代えて2−メトキシエタノールを用い、実施例2と同様 の操作を行い、融点188〜193℃の標題化合物を67%の収率で得た。 実施例86−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−ヒドロキシ−エルゴリン (R1=CH3、R2=OH、破線(2,3)=二重結合、破線(8,9)=単結 合、Z=CH2OH) エチレングリコールに代えて水を用い、実施例2と同様の操作を行い、融点1 75〜179℃の標題化合物を85%の収率で得た。 実施例96−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10β−ヒドロキシ−エルゴリン (R1=CH3、R2=OH、破線(2,3)=二重結合、破線(8,9)=単結 合、Z=CH2OH) 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−ヒドロキシ−エルゴリン製造 の母液から、融点134〜137℃の標題化 合物が5%の収率で得られた。 実施例108β−ヒドロキシメチル−10α−ヒドロキシ−エルゴリン (R1=H、R2=OH、破線(2,3)=二重結合、線(8,9)=単結合、Z =CH2OH) 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリンに代え て8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリンを用い、実施例8と 同様の操作を行い、融点145〜149℃の標題化合物を65%の収率で得た。実施例11 8β−ヒドロキシメチル−10α−(2−ヒドロキシ)エトキシ−エルゴリン (R1=H、R2=CH2CH2OH)破線(2,3)=二重結合、破線(8,9) =単結合、Z=CH2OH) 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリンに代え て8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリンを用い、実施例2と 同様の操作を行い、融点198〜205℃の標題化合物を75%の収率で得た。 実施例126−メチル−8β−ジメチルヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン (R1=CH3、R2=CH3、破線(2,3)=二重結合、破線(8,9)=単結 合、Z=(CH32COH) 5gの6−メチル−8β−メトキシカルボニル−10α−メトキシ−エルゴリ ンを100mlのテトラヒドロフラン中に溶解し、これに1Mのヨウ化メチルマ グネシウムのテトラヒドロフラン溶液25mlを滴下した。 懸濁液を2時間還流し、次いで25mlの塩化アンモニウム飽和溶液で処理し た。 ろ過後、溶媒を留去し、残留物をジクロロメタンに溶解し、乾燥した。溶媒を 留去し、アセトンで結晶化すると、融点141〜147℃の標題化合物が3.7 g得られた。 実施例136−メチル−8β−ジメチルヒドロキシメチル−10α−(2−ヒドロキシ)エ トキシ−エルゴリン (R1=CH3、R2=CH2CH2OH、破線(2,3)=二重結合、破線(8, 9)=単結合、Z=(CH32COH) 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリンに代え て6−メチル−8β−ジメチルヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリ ンを用い、実施例2と同様の操作を行い、融点178〜184℃標題化合物を4 3%の収率で得た。 実施例146−(2−ヒドロキシ)エチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ− エルゴリン (R1=CH3、R2=CH2CH2OH、破線(2,3)=二重結合、破線(8, 9)=単結合、Z=CH2OH) 3gの8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン及び3gの炭 酸カリウムを25mlのジメチルホルムアミド中に溶解し、撹拌しながら1.3 gの2−ブロモエタノールを加えた。 室温で3時間撹拌後、溶液を酢酸エチルで希釈し、食塩水で徹底的に洗浄した 。乾燥後、溶媒を留去して残留物を少量のシリカゲルを用いてクロマトグラフィ で精製し、エタノールで結晶化すると融点198〜204℃の標題化合物が2. 1g得られた。 実施例152,3β−ジヒドロ−6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ −エルゴリン (R1=CH3、R2=CH3、破線(2,3)=単結合、破線(8,9)=単結合 、Z=CH2OH) 5gの6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン を35mlのトリフルオロ酢酸中に溶解し、窒素気流中、0.7gの水素化ホウ 素ナトリウムを少量ずつ注意しながら加えた。 10分間撹拌後、溶液を氷水で希釈し、アンモニア水で塩基性とし、ジクロロ メタンで抽出した。乾燥後、溶媒を留去し、残留物をクロロホルムを溶出液とし てシリカゲルカラムで分離し、酢酸エチルで結晶化すると、融点134〜138 ℃の標題化合物が1.3g得られた。 実施例162,3α−ジヒドロ−6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ −エルゴリン (R1=CH3、R2=CH3、破線(2,3)=単結合、破線(8,9)=単結合 、Z=CH2OH) 実施例15の化合物の結晶化母液のシリカゲルクロマトグラフィを行い、クロ ロホルム/メタノール(9:1)混液で慎重に溶出し、イソプロパノールで結晶 化すると、融点97〜102℃の標題化合が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AU,BR ,CA,CN,HU,IL,JP,KR,MX,NO, NZ,PL,SG,SI,UA,US (72)発明者 カルパーニヤ,ニコラ イタリー国、イ―20014・ネルビアーノ、 ビア・アー・テルツアギ、41 (72)発明者 バラシ,マリオ イタリー国、イ―20146・ミラン、ビア・ モンクツコ、24/アー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式(I)で表されるエルゴリン誘導体であって、 上式で、 1は水素原子、または任意選択でC3−C7環状アルキル、ヒドロキシル基、 またはR3がヒドロキシル若しくはヒドロキシメチル基のR3−置換フェニル基で 置換された、直鎖または分枝鎖C1−C5アルキルまたはC2−C5アルケニル基を 表し、 R2は水素原子、または任意選択でヒドロキシル基、またはR3が前記と同じで あるR3−置換フェニル基、またはC1−C5アルコキシ基で置換された、直鎖ま たは分枝鎖のC1−C5アルキルまたはC2−C5アルケニル基を表し、2、3位及 び8、9位の破線はそれぞれ独立して単結合または二重結合を表し、Zは、nが 0または1から3の整数である(CH2nOH基、またはR4がC1−C5アルキ ル基またはフェニル基である C(R42OH基を表すエルゴリン誘導体、または薬剤として許容されるその塩 の神経変性疾患治療における使用。 2.R1は水素原子、メチル、2−ヒドロキシエチルまたは(2−ヒドロキシ− 2−フェニル)エチル基、R2は水素原子またはメチル、1−メチルエチル、プ ロピル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−メトキシエチル 基、Zは(CH2nOH基、またはC(R42OH基で、nは0、1または2、 R4はメチルまたはフェニル基である、請求の範囲第1項に記載のエルゴリン誘 導体の使用。 3.アルツハイマー病、ダウン症候群、痴呆、記憶障害の治療における、請求の 範囲第1項または第2項に記載する使用。 4.6−メチル−8β−ヒドロキシ−10α−メトキシ−エルゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10β−メトキシ−エルゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン、 6−メチル−8α−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−(1−メチルエトキシ)−エル ゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−ヒドロキシ−エルゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10β−ヒドロキシ−エルゴリン、 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−Δ−8,9−エルゴ レン、 8β−ヒドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン6−メチル−8β−ヒ ドロキシメチル−10α−メトキシ−エルゴリン、及び 6−メチル−8β−ヒドロキシメチル−10α−プロポキシ−エルゴリン。 を除く請求の範囲第1項に記載の式(I)で表されるエルゴリン誘導体。 5.Zがヒドロキシル、ヒドロキシメチル及びヒドロキシエチル基ではなく、R1 が水素またはメチル、プロピル基、R2が水素、またはメチル、プロピル、イソ プロピル基、2、3位の破線が二重結合であり、8、9位の破線が単結合または 二重結 合を表すことに特徴づけられる、請求の範囲第1項に記載の式Iで表されるエル ゴリン誘導体。 6.請求の範囲第4項または第5項に記載の式Iで表される化合物または薬剤と して許容されるその塩の製造法であって、知られているエルゴリンから適切な化 学変換によって前記式Iで表されるエルゴリンを製造するステップと、所望の場 合、式Iで表される得られたエルゴリンを、薬剤として許容されるその塩に変換 するステップとを含む方法。 7.Zがヒドロキシル基で8、9位の破線が単結合である、請求の範囲第4項に 記載の式Iで表される化合物、または薬剤として許容されるその塩の製造方法で あって、 (1)式IIaで表され、 上式で、R5がC1−C5アルキル基で破線及びR1及びR2が請求の範囲第4項の 記載と同じである化合物を、ヒドラジンと反応させ、得られる8−ヒドラジド誘 導体を酸性条件下で亜硝 酸塩で処理するステップと、 (2)式IIIで表され、 上式で、破線、R1及びR2が前記と同じである得られた8−アミノ誘導体を、酢 酸の存在下に亜硝酸塩と反応させ、得られた8−アセチルオキシ誘導体を加水分 解するステップと、所望の場合、 (3)得られる式Iで表され、 上式で、破線及びR1が前記と同じで、R2がメチル基である化合物を、酸存在下 で式R2−OHで表される化合物と反応させてR2がメチル基と異なる式Iで表さ れる化合物に変換するステップと、所望の場合、式Iで表される得られた化合物 を、 薬剤として許容されるその塩に変換するステップとを含む方法。 8.Zが式(CH2nOHで表される基であり、nが1または2である、請求の 範囲第4項に記載の式Iで表される化合物、または薬剤として許容されるその塩 の製造方法であって、 (1)式IIで表され、 上式で、破線、R1、R2及びR5が請求の範囲第7項の記載と同じである化合物 を還元するステップと、所望の場合、 (2)式Iで表され、式中ZがCH2OHを表す得られた化合物を塩化メタンス ルホニルで処理するステップと、 (3)式IVで表され、 上式で、R1、R2及び破線が前記と同じである得られた化合 物を、KCNと反応させるステップと、 (4)得られる式Vで表され、上式で、R1、R2及び破線が前記と同じである化合物を、R5が前記と同じであ る式R5OHで表されるアルコールの存在下で酸と反応させるステップと、 (5)式VIで表され、 上式で、R1、R2、R5及び破線が前記と同じである得られた化合物を還元する ステップと、所望の場合、前記ステップ(1)と同様にして得られるZがCH2 CH2OHまたはCH2OHである式Iで表される化合物を、薬剤として許容され るその塩に変換するステップとを含む方法。 9.ZがCH2CH2CH2OHである、請求の範囲第4項に記載の式Iで表され る化合物、または薬剤として許容されるその塩の製造方法であって、 (1)請求の範囲第8項に記載の式IVで表される化合物を、マロン酸ジ−C1 −C5アルキルの塩と縮合させるステップと、 (2)式VIIで表され、 上式で、R1、R2、R5及び破線が前記と同じである得られた化合物を加熱する ステップと、 (3)式VIIIで表され、 上式で、R1、R2、R5及び破線が前記と同じである得られた化合物を還元する ステップと、所望の場合、式Iで表される得 られた化合物を薬剤として許容されるその塩に変換するステップとを含む方法。 10.請求の範囲第4項に記載の式Iで表され、ZがC(R4)2OHであり、R4 が請求の範囲第4項の記載と同じである化合物、または薬剤として許容されるそ の塩の製造方法であって、(1)請求の範囲第8項に記載の式IIで表される化 合物を、R4が前記と同じである式R4MgBrで表されるグリニャール試薬と縮 合させるステップと、所望の場合、式Iで表される得られた前記化合物を薬剤と して許容されるその塩に変換するステップを含む方法。 11.請求の範囲第4項に記載の式Iで表される、8、9位の破線が単結合であ る化合物の製造方法であって、式IXで表され、 上式で、破線、R1及びZが請求の範囲第4項の記載と同じである化合物を、酸 の存在下でR2が請求の範囲第4項の記載と 同じであるR2OHで表される化合物の光化学的付加により変換するステップと 、所望の場合、前記式Iで表される得られた化合物を薬剤として許容されるその 塩に変換するステップとを含む方法。 12.活性成分である請求の範囲第4項に記載の式Iで表されるエルゴリン、ま たは薬剤として許容されるその塩と、薬剤として許容される担体または希釈剤と の混合物からなる薬剤組成物。 13.神経変性疾患の治療に用いられる、請求の範囲第4項に記載の式Iで表さ れるエルゴリン誘導体、または薬剤として許容されるその塩。
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