JP2000513227A - インスリン分泌細胞の単離および増殖方法 - Google Patents

インスリン分泌細胞の単離および増殖方法

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Abstract

(57)【要約】 インスリン分泌哺乳動物細胞を単離および増殖する方法が開発された.本発明の方法はインスリン分泌細胞の単離およびインスリンをインスリンプロモーター転写因子たとえばNKX6.1,HNF3β,STF-1,ベータ2などの1種または2種以上の制御下に分泌する一次培養細胞を調製する.このような増殖インスリン分泌細胞は,適当なアッセイによって容易に測定できるインスリンの産生に関連する転写因子1種または2種以上の測定可能な細胞内レベルを有する点で,他のすべての細胞から識別できる.

Description

【発明の詳細な説明】 インスリン分泌細胞の単離および増殖方法 発明の分野 本発明は,糖尿病の冶療法として所望によりマイクロカプセル内に封入された それらの送達を包含する,ランゲルハンス島の増殖に有用な方法および組成物に 関する.とくに,本発明の方法では,インスリン遺伝子の転写を調節する活性を 有するある種の特徴的な細胞内タンパク質(たとえばNHF3β,NKX6.1, SRF-1またはベータ2)の発現を生じる. 発明の背景 インスリン依存性糖尿病は膵臓のランゲルハンス島からのインスリン産生β細 胞の喪失によって特徴づけられる.標準的治療には,毎日の多重注射または体内 導入カテーテルおよびポンプによるウシもしくはブタまたは組換えヒトインスリ ンの非経口投与が包含される.この処置は,しかしながら,疾患の病的合併症の 一時的な遅延をもたらすにすぎない. インスリン注射からの開放を達成するための努力では,成人ヒト膵島が患者に 移植されてきた.このアプローチには,ヒト膵島の供給が十分でないことおよび 移植片拒絶の併発という問題がある.免疫抑制剤処置(たとえば,シクロスポリ ンによる)にはその有害な副作用および感染の可能性の増大による限界がある. これらの限界は膵島細胞の改良された起源の探索を必要としてきた. 胎児の膵島は,移植後に成熟可能であり,レシピエントによる拒絶傾向の低い 多くのβ幹細胞を含有しているが,実際の治療的アプローチに十分な大量を得る ことはできない.個々の細胞もしくは細胞集団(ヒトまたはブタ膵島を含む)の 移植は,実験モデルならびにヒト治療において使用できる機能性の生存細胞の無 尽蔵な供給に依存している. 内分泌器官の膵臓は主としてペプチドホルモンのグルカゴン(A細胞より), インスリン(B細胞より)およびソマトスタチン(D細胞より)のそれらの選択 的合成および分泌によって識別される3種の細胞型から構成される.発生学的に は小腸に由来するこれらの膵島細胞は,同じペプチドホルモン遺伝子の発現に向 けられた腸起源の調節経路を維持している.その初期段階において,胎児の膵臓 はソマトスタチン,インスリンおよびグルカゴンを共発現する多機能幹細胞集団 により形成されている.これらの幹細胞が成熟するに従い,それらの内分泌ホル モンのレパートリーは3種の遺伝子の同時発現に代わって単一遺伝子の発現に限 定されてくる.最初は3種のすべての遺伝子が共通の転写因子によって調節され ているが,異なる核転写因子タンパク質が以後,組織転写因子タンパク質を特定 し,以後個々の成熟島細胞型における組織特異的ペプチド産生を特定する.ラッ ト膵島細胞系におけるソマトスタチン遺伝子の発現は,ソマトスタチンプロモー ターと物理的に密接に関連する組織特異的プロモーターエレメント(TSE)の 多重コピーを要求することが明らかにされている.ソマトスタチンTSEは一般 的に,ホメオボックス型のタンパク質によって認識される構造的特徴を含有する (Leonardら,Molecular Endocrinology 7:1275-1283,1993). インスリン,ソマトスタチンおよびグルカゴンの島発現に必要なプロモーター DNA領域は,これらの臨界的なATに富む構造的特徴を包含するので,ホメオ ボックス含有因子がこれらの遺伝子の重要なアクティベーターであると推測され てきた.ホメオボックスは多数の発生的に調節される転写因子中に存在する配列 特異的なDNA結合モチーフであり,その一部は系列特異的遺伝子の発現に要求 されるものと考えられている(Guzら,Development 121:11-18,1995). インスリン遺伝子を含め膵臓中の個々の遺伝子の鍵調節因子として多くのホメ オボックス型因子が提案されてきた.とくに,STF-1は膵臓形成に要求されβ 細胞系統を指図する1工程を構成する.続いて,STF-1は2種のインスリンプ ロモーター近位TSEに結合し,他の結合因子たとえばベータ2と共同してイン スリン産生細胞内のインスリン遺伝子の高レベルの発現を指示する.さらにST F-1がグルカゴン産生細胞内において発現しないことは,発生時のこれらの細胞 型の相違における分化的発現の重要性を示唆する(Peersら,Molecular Endocri nology 8:1798-1806,1994). したがって,ヒトにおける治療および糖尿病の実験モデルに使用できる機能性 生存細胞の無尽蔵な供給を生じる方法の必要性が本技術分野には残されている.発明の簡単な説明 本発明によれば,増殖させたインスリン分泌哺乳動物細胞から得られるインス リン分泌の総速度の一部は,インスリンプロモーターに直接的な作用を発揮し, それによってその転写活性を変えるある種の細胞内転写因子(たとえばHNF3- β,STF-1.NKX6.1またはベータ2)の活性によって決定できることが発 見された.この作用は,これらの転写因子の測定可能な量が適当なアッセイを用 いて検出できる増殖インスリン分泌細胞において十分に顕著である. インスリンの産生をモニタリングするこれらの方法は,哺乳動物の膵島細胞か らのインスリン分泌細胞の単離方法,インスリン分泌細胞の増殖方法および哺乳 動物の膵島細胞のインスリン分泌能の至適化方法の開発を可能にする. 発明の詳細な説明 本発明によれば,哺乳動物の膵島細胞からのインスリン分泌細胞の単離方法に おいて, 上記膵島細胞をインスリンの分泌を促進する条件下に培養し,ついで インスリンの産生に関連する転写因子1種または2種以上を産生するそれらの 細胞を単離することからなる方法を提供する. 本発明に使用される適当な培養条件は,本技術分野の熟練者によれば容易に同 定することができる.たとえば,約2〜4%の範囲のウシ胎児血清および約10〜 200μg/mlのウシ下垂体エキス(Pel Freeze Biologicals #57133-2)を含有す るハムのF12培地(GibcoBRL #317865-035)を,温度約37℃,約5%のCO2を 含有する雰囲気下,10mmの培養皿内で使用することができる.本技術分野の熟練 者には直ぐ気がつくように,様々な他の培地がこの場合の使用に適していて,た とえば0〜400ng/mlのインスリン,0〜100ng/mlの胎盤ラクトーゲン,0〜10μM のハイドロコーチゾン,0〜5mMのニコチンアミド,0〜200U/mlの肝成長因子, トリヨードサイロニン,1〜5μg/mlのアポトランスフェリン,20〜500μg/ml の視床下部エキス,0〜2%のウシ血清アルブミン等を含有する培地が使用に適し ている. 本明細書で用いられる「ホメオボックス型転写因子」または「転写因子タンパ ク質」の語は,膵島ホルモン遺伝子のネイティブなプロモーター領域に結合可能 であり,したがってmRNAの転写を修飾できるタンパク質を意味する.本明細 書で用いられる「ホメオボックス」の語は,与えられた遺伝子プロモーター領域 内の特定のヌクレオチド配列に結合する転写因子内の約55〜65アミノ酸のドメイ ンを意味する.転写因子のホメオボックスドメインは好ましくは,インスリンプ ロモーターに近位の「組織特異的プロモーターエレメント」(TSE)の一方ま たは両者のいずれかに結合する.転写因子は膵臓ホルモンの遺伝子発現をトラン スアクティベートする能力を有する.転写因子STF-1(IDX-1,IPF-1, およびPDX-1としても知られる)は,インスリンおよびソマトスタチン産生膵 島細胞からの核抽出物中における卓越したTSE結合活性を説明するものであり ,このタンパク質がペプチドホルモンの発現の調節および発生した膵臓における 内分泌細胞系統の特定に一次的役割を果たすとの主張を指示するものである.転 写因子は内分泌器官の膵臓のB細胞およびD細胞において均一に発現され,外分 泌細胞では発現されない.本技術分野の熟練者によれば,インスリンの産生に関 連する様々な転写因子,たとえばNKX6.1,HNF3-β,STF-1,ベータ2 等を容易に同定することが可能である. 本明細書において用いられる均一に発現されるの語は,転写因子タンパク質を コードする天然に存在するRNAがインスリンを産生する膵島細胞型のそれぞれ に検出できることを意味する. STF-1に対する抗体を包含する方法,たとえば免疫組織化学的および分子生 物学的方法によれば,DNAのmRNAへの転写から成熟タンパク質の翻訳に至 るSTF-1の発現をモニターし,分析して,これをインスリンの産生と関連づけ ることが可能になる.すなわち,STF-1は,インスリンプロモーターの特異的 機能活性を,膵島のβ細胞におけるインスリンの発現と同時に検出する同定マー カーとして使用できる.このSTF-1因子は,最高のSTF-1活性を提供する培 地の開発という意味での細胞培養の至適化のプローブとしてのみでなくSTF-1 細胞したがってインスリン産生細胞の同定のためのプローブとしても使用できる . STF-1は,転写因子のホメオボックスのクラスのメンバーであり,膵臓の器 官形成に要求される(Johnsonら,Nature 371:606-609,1994).それは発生 の初期に腸の上皮細胞および最終的に膵臓を形成する細胞の大部分によって発現 される.しかしながら,成人ではSTF-1の発現は大膵管,外分泌およびA細胞 では失われ,十二指腸上皮,β細胞およびδ細胞のわずかなサフセットに限定さ れる(Gusら,Development 121:11-18,1995). 成人のβおよびδ細胞では,STF-1はこれらの細胞の品質証明の表現型,β 細胞におけるインスリン発現(Peersら,Molecular Endocrinology 8:1798-1806 ,1994),およびδ細胞でのソマトスタチンの発現(Leonardら,Molecular End ocrinology 7:1275-1283,1993)に要求される.STF-1は,ヒトインスリンプ ロモーターのCT2ボックスに結合し(Petersenら,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 91 :10465-10469,1994),インスリン遺伝子の転写の増大を生じる. 本発明によれば,他の転写因子たとえばSTF-1,HNF3β,NKX6.1, ベータ2などは,成熟膵島細胞およびインスリン発現のための要求の両マーカー として利用できる.さらに,本発明によれば,培養条件はグルコース応答インス リン放出の測定値とともにこのような転写因子の発現レベルおよび活性に基づい て至適化できる. 本発明の他の態様によれば,インスリン分泌細胞の増殖方法において, 哺乳動物の膵島細胞をインスリンの分泌を促進する条件下に培養し, インスリンの産生に関連する転写因子1種または2種以上を産生するそれらの 細胞を単離し,ついで 単離された細胞を上記転写因子1種または2種以上の産生を促進する条件下に 培養することからなる方法を提供する. 本発明のさらに他の態様によれば,哺乳動物の膵島細胞のインスリン分泌能を 至適化する方法において, 上記膵島細胞をインスリンの分泌を促進する様々な培養条件下に培養し, インスリンの産生に関連する転写因子1種または2種以上の高レベルの産生を 刺激するそれらの条件を選択することからなる方法を提供する. 本発明を次に以下の非限定的実施例を参照してさらに詳細に説明する. 実施例1 ブタおよびヒト膵島は標準技術によって単離する.単離された膵島を,酸素張 力,グルコースレベルおよびpHを高および低レベルの間で動揺させる標準細胞 培養とは異なり,本発明に従い膵島細胞を酸素,グルコースおよびpHの生理学 的レベルで増殖させるほかは市販の細胞培養培地を用いて,標準培養容器中で培 養する.この方法で増殖した膵島はウエスタンブロット分析によって決定される STF-1,HNF3β,NKX6.1およびベータ2タンバク質のレベルにより定 義することができる. たとえば,STF-1タンパク質の存在は増殖細胞の特徴づけに使用することが できる.継代数1および4の増殖した培養膵島(10cmプレート)をそれぞれ細胞 溶解溶液(1%ドデシル硫酸ナトリウム,1mM EDTA,1mMの2%メル カプトエタノール,100mM KCl,20mM Tris HCl,pH7.4)0.5mlによ り65℃で抽出する.各抽出物の等量(10μgタンパク質)を10%SDS-ポリア クリルアミドゲル上電気泳動に付し,ニトロセルロースに移す.このブロットを STF-1に対して特異的な抗体(Peersら,Molecular Endocrinology 8:1798-18 06,1994)(1%ゼラチン,0.02%Tween 20,500mM NaCl,20mM Tris HCl,pH7.5中1:1000)でプローブし,ついでオートラジオグラフィー後に[125 ]-プロテインA(Amersham IM 144,20mM Tris HCl,pH7.5,500mM NaCl,0.5%ウシ血清アルブミン,0.5%Triton X-100,0.2%SDS中1:1 000)によって検出する. 実施例2 この実施例にはβ細胞に対する特異的プローブとして使用するためのSTF-1 mRNAレベルの定量化を記載する.典型的な膵島培養液から増殖したβ細胞を TriReagent(Sigma #T-9424)で抽出してRNAおよびタンパク質サンプルの両 者を調製する.STF-1mRNAレベルは定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応( RT-PCR)によって,正しくスプライスされたメッセージを識別するプライ マー,たとえば を用いて測定する.選択されたサンプルのノーザンブロット分析はRT-PCR の結果の確認に使用する.高レベルのSTF-1の発現は,膵臓内分泌細胞を著 しく含有する培養液中において認められたが,房状細胞または線維芽細胞の培養 液中には見られない.STF-1の発現を他のマーカー(たとえば,インスリンお よびソマトスタチン)と比較することによって,培養液中のβ細胞の増殖能が決 定され,各実験について至適化される.各ドナー膵島細胞集団についての培養条 件はこれらの結果に基づいて調整される. 実施例3 この実施例では,β細胞培養培地を至適化するためのSTF-1タンパク質のレ ベルおよび活性の使用が証明される.STF-1とインスリンプロモーターにおけ るCT2エレメントの相互作用はインスリノーマにおいてグルコース刺激後に増 強され,これはSTF-1タンパク質のレベルおよび状態(リン酸化,グリコシル 化等)の両者がインスリンの発現に重要であることを示唆している.膵島細胞の 培養条件は,STF-1タンパク質の発現レベルおよびグルコース依存性修飾に基 づいて一部至適化される.STF-1タンパク質のレベルはタンパク質抽出物中で ,特異的抗体(Peersら,Molecular Endocrinology 8:1798-1806,1994)を用い てウエスタンブロット分析により測定され,対照タンパク質および他のマーカー と比較される. 膵島細胞の増殖の至適条件下では,細胞数で正規化したSTF-1タンパク質の レベルは一定のままである.STF-1のグルコース依存性修飾は細胞抽出物中に おいて,電気泳動移動性シフトアッセイ,DNAフットプリンティング実験およ び等電点電気泳動によって調べられる.アッセイの結果は,静的グルコース刺激 アッセイで測定するグルコース応答性インスリン放出の測定値と比較し,培養条 件の至適化に使用される. これは,β細胞の培養条件を至適化するためにSTF-1タンパク質の状態およ びレベルを使用する最初の報告である.加えて,膵島細胞はSTF-1プローブを 用いるインシトゥハイブリダイゼーションにより典型的な培養液中に同定された .培養細胞中におけるSTF-1および他のβ細胞マーカーの共存はインスリン産 生細胞の形態学的同定,したがって,均一なβ細胞クローンの継代培養を可能に する.これらのクローンの物理的単離は,細胞のレーザー指示スプライシングの 使用および細胞培養容器からさらに継代培養のためのこれらのクローンの 修正を含めたロボット化装置での操作によって可能である.特定のβ細胞の選択 の確認およびβ細胞の選択の培地の至適化のためにSTF-1をプローブとして使 用するこれらの技術はこれまで報告されていない. 実施例4 この実施例にはSTF-1プロモーターを調節する手段を記載する.STF-1の 高レベル発現はβ細胞の表現型に必要であると考えられる.トランスジェニック マウスモテルにおいて,STF-1プロモーターフラグメントは,膵臓β細胞に, β-ガラクトシダーゼレポーター遺伝子の発現を優先的に指示する.類似のレポ ーター構築体を増殖β細胞集団に導入して,STF-1プロモーターからの転写を 最大にする因子を同定するために培地の効果をモニターすることが可能である. レポーター遺伝子の発現データを他のデータおよび条件と関連づけて,グルコー ス依存性インスリンの放出を至適化することができる. 以上本発明をその一部の好ましい実施態様を参照しながら詳細に説明したが, 記載され請求された精神および範囲内において様々な修飾および変動が可能であ ることを理解すべきである.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN,YU (72)発明者 ソーン―シオング,パトリック アメリカ合衆国90049 カリフォルニア州 ロサンジェルス,チェノールト ストリー ト 11755

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物の膵島細胞からのインスリン分泌細胞を単離する方法において, 上記膵島細胞をインスリンの分泌を促進する条件下に培養し,ついで インスリンの産生に関連する転写因子1種または2種以上を産生する細胞を単 離することからなる方法. 2.転写因子はNKX6.1,HNF3β,STF-1およびベータ2からなる群 より選択される「請求項1」記載の方法. 3.転写因子はNKX6.1である「請求項1」記載の方法. 4.転写因子はHNF3βである「請求項1」記載の方法. 5.転写因子はSTF-1である「請求項1」記載の方法. 6.転写因子はベータ2「請求項1」記載の方法. 7.インスリン分泌細胞を増殖させる方法において, 上記哺乳動物の膵島細胞をインスリンの分泌を促進する条件下に培養し, インスリンの産生に関連する転写因子1種または2種以上を産生するそれらの 細胞を単離し,ついで 単離された細胞を上記転写因子1種または2種以上の産生を促進する条件下に 培養することからなる方法. 8.転写因子はNKX6.1,HNF3β,STF-1およびベータ2からなる群 より選択される「請求項7」記載の方法. 9.転写因子はNKX6.1である「請求項7」記載の方法. 10.転写因子はHNF3βである「請求項7」記載の方法. 11.転写因子はSTF-1である「請求項7」記載の方法. 12.転写因子はベータ2「請求項7」記載の方法. 13.「請求項1」記載の方法によって製造されたインスリン分泌細胞. 14.「請求項7」記載の方法によって製造されたインスリン分泌細胞. 15.哺乳動物の膵島細胞のインスリン分泌能を至適化する方法において, 上記膵島細胞をインスリンの分泌を促進するように設計された様々な培養条件 下に培養し, インスリンの産生に関連する転写因子1種または2種以上の高レベルの産生を 刺激するそれらの条件を選択することからなる方法. 16.転写因子はNKX6.1,HNF3β,STF-1およびベータ2からなる群 より選択される「請求項15」記載の方法. 17.転写因子はNKX6.1である「請求項15」記載の方法. 18.転写因子はHNF3βである「請求項15」記載の方法. 19.転写因子はSTF-1である「請求項15」記載の方法. 20.転写因子はベータ2「請求項15」記載の方法.
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