JP2002538779A - 膵臓細胞前駆細胞、それらに関する方法及び利用 - Google Patents

膵臓細胞前駆細胞、それらに関する方法及び利用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、生存力のある膵臓細胞前駆細胞の実質的に純粋な集団、及びかかる細胞を分離する方法に関するものである。本発明は、更に、かかる前駆細胞及びそれらの子孫のある種の治療的利用に関係する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 インシュリン依存型糖尿病(IDDM)は、上昇した血中ブドウ糖及びホルモン
のインシュリンが存在しないことを特徴とする疾患である。上昇した糖レベルの
原因は、ホルモンであるインシュリンの膵臓による不十分な分泌である。このホ
ルモンの非存在下では、体細胞は、血流から糖を正常な様式で吸収することがで
きず、過剰の糖が血中に蓄積する。慢性的に上昇した血中ブドウ糖は、組織及び
臓器に損傷を与える。IDDMは、インシュリン注射により治療される。インシ
ュリン注射の規模及びタイミングは、血糖の測定値により左右される。
【0002】 今日、世界には、4億人の糖尿病患者がいる。例えば、糖尿病は、米国におい
て最も一般的な慢性病の一つであり、主要な死亡原因である。1993年の国民
健康調査(NHIS)に基づく見積もりは、糖尿病が、45歳未満の米国人の1%
で、45〜64歳の6.2%で、及び65歳以上の10.4%で診断されたこと
を示している。言い換えると、1993年には、米国で7800万人がこの慢性
病を有することが報告された。加えて、糖尿病の年間罹患率に基づいて、毎年、
595,000症例の非インシュリン依存型糖尿病(NIDDM)と30,000
症例のインシュリン依存型糖尿病(IDDM)を含む約625,000人の新たな
糖尿病患者が診断されていることが見積もられる。
【0003】 米国における糖尿病の全出費は、医療用品の支出、入院及び仕事のできないこ
との対価を含めて、年9,200万ドルと見積もられている。社会及び市民の両
方に対する実質的な費用は、糖尿病の医療の直接的出費だけでなく、糖尿病関連
の病的状態及び早死ににより失われる生産力を含む間接的出費も背負っている。
糖尿病を有する個人は、糖尿病性ケトアシドーシス、末期の腎臓病、糖尿病性網
膜症及び手足の切断を含む主要な合併症の危険にある。直接的関連性の一層低い
多くの病気例えば高血圧症、熱病、末梢血管の病気及び感染症もあり、糖尿病を
有する個人は、これらに対する実質的に増大した危険にある。
【0004】 薬物療法例えば注射可能なインシュリン及び経口の血糖降下薬は、糖尿病患者
を長生きさせるが、糖尿病は、心臓病及び癌に続く第3位の主要な死亡原因のま
まである。糖尿病は又、非常に不能状態となる病気でもある。何故なら、薬物療
法は、血糖レベルを、高及び低血糖レベル間で動揺するのを阻止するだけ十分に
は制御せず、腎臓、眼及び血管に損傷を生じるからである。
【0005】 研究は、糖尿病を有する個人の医療コストが、彼らが糖尿病でない者よりも一
層頻繁に医者、病院外来部及び緊急治療室を訪れるため、そして入院することが
一層ありそうであるために一層高いということを知らせる文書を提供してきた。
糖尿病を有する米国人は、糖尿病を有しない人々よりも、一人当たり2〜5倍高
い総医療費及び損な出費を有する。これらの出費及び関連する生産性の喪失は、
糖尿病患者とその家族に悪影響を及ぼすだけでなく、連邦政府と州政府及び社会
にも悪影響を及ぼす。
【0006】 Diabetes Control and Complications Trial (DCCT)からのデータは、血
中ブドウ糖の強い制御は、糖尿病の合併症例えば網膜症、腎症及び神経障害を、
一日当たり1〜2回のインシュリン注射よりなる慣用の治療法と比較して有意に
遅延させるということを示している。DCCTにおける集中治療は、1日3回以
上の複数の注射又は外部ポンプによる皮下インシュリン注入(CSII)を含んだ
。インシュリンポンプは、インシュリンの生理的代替に近づくための毎日の複数
の皮下注射への別の様々なアプローチの一つである。
【0007】 機能的なブドウ糖の送り出し、インシュリン分泌をする膵臓のベータ細胞の小
島移植による補充は、長年にわたる治療の標的であった。このアプローチにおけ
る制限因子は、安全で、再現性があって豊富な小島源の入手可能性である。現行
の方法論は、死体材料又はブタの小島を移植用基材として利用している(Korbutt
等、1997)。しかしながら、克服すべき有意の問題は、ドナー組織の低い利用可
能性、分離により得られる小島の利用可能性及び低収率、並びに分離プロセスの
結果として生じ得る酵素的及び物理的損傷である(Secchi等、1997;Sutherland
等、1998により総説されている)。加えて、免疫拒絶の問題及びブタの小島を用
いる現行の異種移植に伴う懸念がある(Weir及びBonner-Weir, 1997により総説さ
れている)。
【0008】 機能的ベータ細胞を、イン・ビトロで、膵臓幹/前駆細胞の拡大及び分化によ
って造ることが、本発明の目的である。小島を得るために組織を物理的に分離す
る必要性を回避すること、並びに一層高い再現性及びプロセスの制御の可能性に
は、利点がある。上首尾の達成には、ブドウ糖を送り出し、インシュリンを分泌
するベータ細胞の、拡張可能な前駆細胞集団からの分化及び成熟が必要である。
【0009】発明の要約 本発明は、生存力のある膵臓細胞前駆細胞の実質的に純粋な調製物、及び膵臓
の腺管組織特に小葉内腺管組織からかかる細胞を単離する方法に関係する。本発
明は、更に、かかる前駆細胞及びそれらの子孫のある種の利用に関係する。
【0010】 一般に、この発明は、細胞性成分として、培養培地中で増殖することのできる
生存力のある膵臓細胞前駆細胞の実質的に純粋な集団を含む細胞性組成物を特徴
とする。好適具体例において、この細胞性組成物は、約20%より少ない、一層
好ましくは約10%より少ない、最も好ましくは約5%より少ない系統の決定さ
れた細胞を有する。
【0011】 一具体例において、本発明の前駆細胞は、培養培地における自己再生と膵臓細
胞系統への分化の能力を特徴とする。好適具体例において、これらの前駆細胞は
、膵島細胞例えばβ小島細胞、α小島細胞、δ小島細胞又はφ小島細胞への分化
誘導可能である。かかる膵臓細胞前駆細胞は、ある環境において、ホメオドメイ
ン型転写因子例えばSTF−1;PAX遺伝子例えばPAX6;PTF−1;h
XBP−1;HNF遺伝子;ビリン;チロシンヒドロキシラーゼ;インシュリン
;グルカゴン;及び/又はニューロペプチドYの少なくとも1つの発現を特徴と
し得る。本発明の膵臓細胞前駆細胞は又、レクチン好ましくは植物レクチン一層
好ましくはピーナッツ凝集素への結合をも特徴とし得る。ある好適具体例におい
て、これらの前駆細胞は、例えばFACSソーティングによりPDX+であり、
ブドウ糖応答性のインシュリン分泌細胞への分化が可能である。ある好適具体例
において、これらの前駆細胞は、PDX1+且つGlut2+である。ある好適
具体例において、これらの前駆細胞は、PDX1+、Glut2+であり且つPN
Aで染色される。
【0012】 ある好適具体例において、主題の膵臓細胞前駆細胞は、次の特徴の少なくとも
1つを有する:(i)2〜5パーセントウシ胎児血清中で生育でき;(ii)プラス
チック上で生育でき、例えばマトリゲルを用いることを必要とせず;(iii)3
0pg/ml以下の濃度のTGFβ5(GenBank受理番号P16176)で処理し
た場合に統計的に有意な細胞の増殖又は分化を誘導しない。
【0013】 更に別の具体例において、この発明は、細胞成分として、培養培地中で増殖す
ることのできる生存力のある膵臓細胞前駆細胞の実質的に純粋な集団を含む医薬
組成物を特徴とする。
【0014】 一般に、好適な前駆細胞は、哺乳動物起源のものであり、例えば霊長類(例え
ば、ヒト)から、ミニブタから、又はトランスジェニック哺乳動物から単離され
た細胞であり、又はかかる細胞の細胞培養子孫である。一具体例において、膵臓
の腺管組織を患者から単離して、膵臓細胞前駆細胞(又は、それらから得られる
分化した細胞)の培養を与えるための本発明の方法にかける。遺伝子置換その他
の遺伝子治療を、エキス・ビボで行い、それらの単離された細胞を最初のドナー
患者に移植するか又は第2の宿主患者に移植する。
【0015】 他の面において、この発明は、細胞集団として、少なくとも75%(一層好ま
しくは、少なくとも80、90又は95%)の前駆細胞を含み且つ培養培地にお
いて自己再生可能な細胞性組成物を特徴とする。
【0016】 更に別の面において、この発明は、本質的に、細胞集団としての、培養培地中
で自己再生することができ且つ膵臓細胞系統への分化が可能である生存力のある
膵臓細胞前駆細胞よりなる細胞性組成物を特徴とする。例えば、ある具体例にお
いては、これらの前駆細胞は、膵臓小葉内管外植片から単離され、例えばバイオ
プシーにより単離され、又はかかる細胞の細胞培養子孫である。
【0017】 この発明の一つの面は、膵臓細胞前駆細胞を膵管の試料から単離する方法を特
徴とする。一般に、この方法は、「ステムドネス」並びに内分泌及び外分泌細胞
へ分化する能力を保持しながらの膵臓腺管上皮の再現可能な拡張を可能にする培
養系を提供する。以下に説明するように、好適具体例において、膵臓腺管上皮は
、例えば外植片又は酵素消化により得られ、集密になるまで培養される。この集
密な細胞集団を、培養集団において前駆細胞の分化を引き起こす因子例えば栄養
因子例えば成長因子と接触させる。その後、この因子に応答して増殖する外植片
に由来する前駆細胞を、その外植片の残部から新たに出現した芽を直接機械的に
分離することにより又はその外植片の全部又は一部分を溶解させてから前駆細胞
集団を単離すること等により単離する。
【0018】 ある具体例においては、この培養物をcAMP上昇剤例えば8−(4−クロロ
フェニルチオ)−アデノシン−3’:5’−サイクリック−モノホスフェート(C
PT−cAMP)(例えば、Koike Prog.Neuro-Psychopharmacol.and Biol.Psychi at. 16 95-106(1992)参照)、CTP−cAMP、フォルスコリン、Na−ブチレ
ート、イソブチルメチルキサンチン(IBMX)及びコレラ毒素(Martin等、J.Neu robiol. 23 1205-1220(1992)参照)及び8−ブロモ−cAMP、ジブチリル−cA
MP及びジオクタノイル−cAMP(例えば、Rydel等、PNAS 85:1257(1988)参照
)と接触させる。
【0019】 ある具体例においては、この培養物を、成長因子例えば有糸分裂促進性成長因
子と接触させ、例えば、この成長因子を、IGF、TGF、FGF、EGF、H
GF、ヘッジホッグ又はVEGFよりなる群から選択する。他の具体例において
は、この成長因子は、TGFβスーパーファミリーの好ましくはDVR(dpp and
vg1 related)のメンバー例えばBMP2及び/又はBMP7である。
【0020】 ある具体例においては、この培養物を、ステロイド又はコルチコステロイド例
えばヒドロコーチゾン、デオキシヒドロコーチゾン、フルドロコルチゾン、プレ
ドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、デキサ
メタゾン、ベタメタゾン及びパラメタゾンと接触させる。一般に、The Merck Ma
nual of Diagnosis and Therapy,第15版、1239-1267及び2497-2506頁、Berkow
等編、Rahay, N.J., 1987を参照されたい)。
【0021】 好適具体例において、これらの培養物を、cAMP上昇因子、成長因子及びス
テロイド又はコルチコステロイド例えばここに記載のDCEカクテルと接触させ
る。
【0022】 他の面において、この発明は、化合物を、主題の方法により得られた前駆細胞
の生育、増殖及び/又は分化の1つを調節する能力についてスクリーニングする
方法であって、(i)膵臓細胞前駆細胞の単離された集団を確立し;(ii)その細
胞集団を試験化合物と接触させ;そして(iii)その集団における前駆細胞の生
育、増殖及び/又は分化の1つを検出することを含み、試験化合物の存在下での
生育、増殖及び/又は分化の1つの程度における、試験化合物の非存在下での生
育、増殖及び/又は分化の1つの程度と比較しての統計的に有意の変化が、その
試験化合物の生育、増殖及び/又は分化の1つを調節する能力を示す当該方法を
特徴とする。
【0023】 他の面において、この発明は、患者における不十分なインシュリン活性を特徴
とする病気を治療する方法であって、その患者に、主題の方法により得られた膵
臓細胞前駆細胞又はそれらから得られた分化した細胞及び製薬上許容し得るキャ
リアーを含む医薬組成物を導入することを含む当該方法を特徴とする。好適具体
例において、これらの前駆細胞は、ドナー起源(移植患者であってもよい)に由来
し、少なくとも移植前の規模に拡張させる。図40に示したように、主題の細胞
性組成物を用いて、糖尿病のマウスを救うことができる。
【0024】 好適具体例において、この患者は、哺乳動物例えば霊長類例えばヒトである。
【0025】 他の好適具体例において、この病気は、インシュリン依存型の糖尿病例えばI
型糖尿病である。
【0026】 更に別の具体例においては、これらの膵臓細胞前駆細胞を、膵島細胞例えばβ
小島細胞、α小島細胞、δ小島細胞又はφ小島細胞への分化を誘導してから、患
者に導入する。
【0027】 他の具体例においては、これらの膵臓細胞前駆細胞を、培養において、膵島細
胞例えばβ小島細胞、α小島細胞、δ小島細胞又はφ小島細胞への分化を誘導し
てから、患者に導入する。
【0028】 本発明の実施は、別途指示しない限り、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、
トランスジーン生物学、微生物学、組換えDNA及び免疫学の慣用の技術を用い
る(これらは、当業者の範囲内にある)。かかる技術は、文献に記載されている。
例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual, 第二版、Sambrook, Fritsch
及びManiatis編(Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989);DNA Cloning,
第I及びII巻(D.N. Glover編、1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J. Gait編
、1984);Mullis等、米国特許第4,683,195号;Nucleic Acid Hybridiz
ation (B.D. Hames及びS.J. Higgins編、1984);Transcription And Translatio
n (B.D. Hames及びS.J. Higgins編、1984);Culture Of Animal Cells (R.I. Fr
eshney, Alan R. Liss, Inc., 1987);Immobilized Cells And Enzymes (IRL Pr
ess, 1986);B. Perbal, A Practical Guide To Molecular Cloning (1984);学
術論文、Methods In Enzymology (Academic Press, Inc., N.Y.);Gene Transfe
r Vectors For Mammalian Cells (J.H. Miller及びM.P. Calos編、1987, Cold S
pring Harbor Laboratory);Methods In Enzymology, 第154及び155巻(Wu等、編
),Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology (Mayer及びWalker
編、Academic Press, London, 1987);Handbook Of Experimental Immunology,
第I〜IV巻(D.M. Weir及びC.C. Blackwell編、1986);Manipulating the Mouse E
mbryo,(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 19
86)を参照されたい。
【0029】 この発明の他の特徴及び利点は、下記の詳細な説明及び請求の範囲から明らか
となろう。
【0030】発明の詳細な説明 (i)概観 内分泌小島を生じ得る前駆細胞の成体膵臓内の存在が、ずっと以前に提案され
た(例えば、Bensley, 1911)。幾つかの再生モデルが、初期に、成体臓器におけ
る小島新生のイン・ビボの証拠を提供している(Shaw及びLatimer, 1925, Waren
及びRoot, 1925)。歴史的研究は、新たに形成された小島と仮定されたものと腺
管ネットワークとの間の物理的付着を示した。これら及びもっと最近の仕事(Bon
ner-Weir等、1993;Gu等、1994;Fernandes等、1997)から、小島前駆細胞が膵管
上皮のサブポピュレーションに由来するという現在広く支持されている考えが発
達した。
【0031】 この膵管ネットワークは、成体膵臓の3つの機能的構成要素の1つであり(他
の2つは、外分泌腺房及び内分泌小島である)、液体分泌及び消化酵素の小腸へ
の送達の担い手である。膵管の容積の見積もりは、ラットで平均11%である。
消化酵素を生成する外分泌腺房は、成体膵臓の最大の部分をなし、組織塊全体の
約77〜89%を占める。これらの小島は、インシュリン分泌性のべータ細胞を
含み、グルコース代謝のホルモン調節の担い手であり;臓器全体の5%未満を占
める(Githens, 1988により総説されている)。
【0032】 90%の膵臓切除(Bonner-Weir等、1993、Lampeter等、1995)、管連結(Wang等
、1995、Rosenberg 1995)、及びトランスジェニックマウス(Gu及びSarvetnick)
等の膵臓再生モデルは、すべて、小島組織が、管に結合した膵臓細胞前駆細胞か
らデ・ノボで生じるという更なるイン・ビボの証拠を提供している。これらの創
傷モデルの各々における共通の観察は、実験による傷害後の増殖中の腺管上皮に
おける内分泌細胞の迅速な出現及びその後の数週間の過程にわたるおそらく新た
に形成された小島の管周囲空間における出現である。加えて、インシュリンとア
ミラーゼの両方を発現するらしい細胞(それぞれ、内分泌細胞及び外分泌細胞を
示す)が、再生プロセスにおいて認められており、これらの細胞は活性化された
前駆細胞に相当すると考えられている(Melmed, 1979;Cossel, 1984;Gu等、199
4)。これらの活性化された細胞の正確な起源(管、腺房又はその他の何れか)、及
びそれらの前駆細胞からの又は選択的分化による活性化の機構は、未決定のまま
である。これらの不確実性にもかかわらず、これらの研究は、成熟膵臓の潜在的
な小島新生能力を強調している。
【0033】 膵臓の発生中に、PDX−1(インシュリン及び他のべータ細胞成分の発現を
調節する転写因子)の初期発現が、外分泌及び内分泌区画を生じることのできる
前駆細胞を示すということが提案されている(Ohlsson等、1993;Offield等、199
6;Ahlgren等、1996及びMadsen等、1996及びEdlund, 1998により総説されている
)。発生の機構は、成体のべータ細胞の新生における役割も演じているであろう
。実際、Fernandes等(1997)は、PDX−1発現細胞の成体膵管におけるストレ
プトゾトシン傷害後の出現を記載している。他の胎児性産物は、ホルモンPYY
であり、これの発現も又、決定された内分泌細胞前駆細胞を示すと仮定されてい
る(Upchurch等、1994)。これらの細胞型の両方は、小島中並びに膵臓発生の初期
に見出され、それらが小島形成に直接寄与しているかどうかは、未だ明らかでな
い。しかしながら、それらは、初期のマーカーを与え、それらに対して、再生系
を分析することができる。
【0034】 精製された成体膵管上皮の長期間のイン・ビトロ培養は、たいてい、うまく行
ってない。Githensとその同僚の仕事は、現在までのところ、最良の試みである(
Githens等、1989;Githens等、1987)。彼らのアプローチは、この管の上皮を培
養中に間質成分から精製することであり、その結果は、富化上皮画分が、培養に
おいて、一定期間(約1週間)にわたって、正常上皮細胞の分泌機能を維持するこ
とができるということを示した。加えて、これらの細胞は、特異的な膵臓上皮の
マーカーを発現することができた。しかしながら、長期間の培養は不可能であり
これらの著者は、内分泌細胞型の形成の如何なる認められた増大も報告しなかっ
た。
【0035】 我々は、構成要素の上皮と間充織を含む管の断片が分泌前駆細胞活性を含む基
本的な生物学的単位であろうと推測して、異なるアプローチを用いて、分離され
た膵管をそっくりそのまま培養することを選択した。発生中の生存及び生育のた
めの膵臓上皮のその周囲の間充織に対する依存性は、最初、Goloslow及びGrobst
ein(1962)及び他者(Wessels及びCohen, 1967)の初期の仕事により示された。遺
伝子ノックアウト技術を用いるもっと最近の仕事は、背側膵臓間充織の喪失が発
生中の膵臓上皮の喪失(Ahlgren等、1997)と相関し、その結果、背側芽からの膵
臓形成の不在と相関するということを示した。ソニックヘッジホッグタンパク質
による膵臓間充織の正体の平滑筋への再同定も又、混乱した膵臓上皮の伸出を生
じた(Apelqvist等、1997)。発生中の膵臓におけるこれらの結果から、間充織と
上皮の間の相関関係が、成体膵臓において、特に小島の新生及び再生に関して、
機能的に重要であり続けるという仮説が立てられた。
【0036】 新たに単離された管断片は、間充織間質に囲まれた単一の上皮層からなり、あ
るにしても少しの分化した内分泌細胞を含む。これらの管が培養において成長し
た後に、我々は、複数の内分泌細胞型の存在を認め、分化したべータ細胞の形成
に寄与し得るインシュリン及びアミラーゼ等のマーカーを同時発現する潜在的な
前駆細胞の存在をも認めた。加えて、我々は、膵臓細胞培養中に、以前に記載さ
てない非粘着性細胞型の出現を認めた。この新規な細胞型の数及び特性は、様々
な因子の添加により影響を受け、その一つの組合せは、再現可能に、機能的なグ
ルコース応答性べータ様細胞へと導く。従って、我々のデータは、この管培養系
における膵臓前駆細胞活性の存在及び誘導を示唆しており、該培養系は、今や、
べータ細胞の新生のイン・ビトロでの研究を可能にし、インシュリン依存型糖尿
病の治療のためにべータ細胞を生成するプロセスの第1のステップをも与える。
【0037】 これは、最初に、機能的なべータ様細胞がイン・ビトロ管培養により得られる
ことを示すものであり、膵管由来の前駆細胞の存在及び活性化を示唆し、そして
それらの細胞の分離及び操作のための系を提供する。一の好適具体例において、
主題の方法を用いて、高いパーセンテージのインシュリン産生の増大したβ−上
皮細胞を含む小島様細胞クラスター(「ICC」)を生成することができる。
【0038】 その上、書き添えた実施例に示したように、主題の細胞性組成物を用いて、糖
尿病のマウスを救済することができる。
【0039】 従って、本発明のある面は、後で明白な膵臓細胞系統に分化することのできる
前駆細胞の単離された集団、かかる細胞を分離する方法及びかかる細胞の治療的
利用に関係する。
【0040】 一具体例において、この発明は、膵臓細胞前駆細胞を分離する方法を提供する
。一般に、この方法は、膵管細胞を得るステップ;適当な栄養培地中でそれらの
膵臓細胞を培養するステップ;該培養に由来する前駆細胞の集団を分離するステ
ップを含む。好適具体例において、腺管上皮細胞を、小葉内管から得る。例えば
、膵臓腺管上皮細胞を、腺管断片の酵素消化又は他の機械的分離により得ること
ができる。これらの膵臓腺管細胞を集密になるまで、例えば、好ましくは、単層
で生育させる。生存力のある非粘着性の細胞を、培養物から、適宜それを粘着性
上皮細胞から膵臓細胞前駆細胞の増殖/分化を誘導する薬剤で処理した後で分離
することができる。下記のように、この非粘着性細胞集団は、膵臓細胞前駆細胞
につき富化される。
【0041】 この発明の他の面は、膵臓細胞前駆細胞又はその子孫について富化された細胞
性組成物に関係する。ある具体例においては、これらの細胞は、医薬調製物の、
例えば、無菌の、望ましくないウイルス、細菌及び他の(ヒトの)病原体を含まず
並びに発熱物質を含まない医薬調製物の部分として与えられる。即ち、ヒトへの
投与のために、これらの主題の細胞調製物は、FAD Office of Biologics standa
rdにより求められる無菌、発熱性、一般的安全性及び純度標準を満たすべきであ
る。
【0042】 ある具体例において、かかる細胞性組成物を、動物への、好ましくは哺乳動物
への、一層好ましくはヒトへの移植のために利用することができる。これらの細
胞は、移植の宿主に関して、自家の、同種異系の又は異種のものであってよい。
一の面において、本発明は、1型糖尿病を治療するための胎児膵臓細胞又は成熟
膵臓細胞の移植に関係する。
【0043】 本発明の他の面は、cAMP上昇剤を用いて、膵臓細胞前駆細胞を増殖及び分
化させることができるという我々の発見に関係する。この点において、この発明
は、膵臓細胞の増殖及び分化を、それらの糖尿病患者への移植の前に、エキソ・
ビボで誘導するためのcAMP上昇剤の利用に関係する。更に別の具体例におい
て、この発明は、膵臓組織を移植された患者への並びに改善された膵臓性能を必
要とし又は臓器の機能特にグルコース依存性のインシュリン分泌の障害を生じる
危険にある患者への、cAMPアゴニストのイン・ビボ投与を企図し、例えば、
主題の方法は、予防的に用いることができる。
【0044】 (ii)定義 便宜のために、明細書、実施例及び添付の請求の範囲で用いている幾つかの用
語をここに集めてある。
【0045】 ここで用いる場合、用語「動物」は、哺乳動物、好ましくは、ヒト等の哺乳動
物をいう。同様に、この発明の方法により治療される「患者」は、ヒト又は非ヒ
ト動物を意味することができる。
【0046】 ここで用いる場合、用語「細胞性組成物」は、細胞の調製物をいい、該調製物
は、細胞に加えて、非細胞性成分例えば細胞培養培地、例えばタンパク質、アミ
ノ酸、核酸、ヌクレオチド、補酵素、抗酸化剤、金属等を含むことができる。更
に、この細胞性組成物は、細胞性要素の生育又は生存力に影響を与えないが、そ
れらの細胞を特定の形式で与える成分例えばカプセル封入又は医薬製剤のための
ポリマーマトリクスを有することができる。
【0047】 用語「培養培地」は、当分野で認められており、一般に、生細胞の培養に用い
られる任意の物質又は調製物をいう。従って、「組織培養」は、組織例えば器官
原基又は成体器官の外植片の、構造及び機能を保存するためのイン・ビトロでの
維持又は生育をいう。「細胞培養」は、細胞のイン・ビトロでの生育をいい;そ
れらの細胞が増殖しても、それ自体、組織に編成はされない。
【0048】 主題の微小器官外植片及び増幅させた前駆細胞集団の組織及び細胞培養調製物
は、様々な形式を取り得る。例えば、「懸濁培養」は、細胞が適当な培地中に懸
濁されながら増殖する培養をいう。同様に、「連続流培養」は、細胞又は腺管外
植片の、細胞の生育例えば生存力を維持する新鮮な培地の連続流中での培養をい
う。用語「順化培養液」は、その培養液が、細胞により生成されて培養液中に分
泌されるある種のパラ分泌及び/又は自己分泌因子を含有するように変化するよ
うに、培養細胞と一定期間接触させた後の上清(例えば、培養細胞/組織を含ま
ないもの)をいう。
【0049】 「分化」は、本願の関連においては、増大した量のインシュリンを産生するべ
ータ上皮細胞の増大した集団を含む増大した数の小島様細胞集落を意味する。
【0050】 用語「ED50」は、ある薬物の最大の応答又は効果の50%を生じる投与量を
意味する。
【0051】 主題の方法に関して、例えばcAMPレギュレーターの「有効量」は、患者の
膵臓細胞培養物に加えたときに、細胞増殖速度及び/又は細胞の分化状態の変化
を引き起こすcAMP上昇剤の量をいう。
【0052】 用語「外植片」は、身体から採取されて人工的培地中で生育されている器官の
一部分をいう。
【0053】 「エキス・ビボ」とは、身体から採取され、イン・ビトロで一時的に培養され
て、身体に戻された細胞を意味する。
【0054】 用語「系統決定された細胞」は、もはや多能性ではなく、特定の細胞型例えば
膵臓細胞への分化を誘導された前駆細胞をいう。
【0055】 用語「器官」は、2つ以上の隣接する組織の層をいい、この組織の層は、ある
種の形態の細胞−細胞相互作用及び/又は細胞−マトリクス相互作用を維持して
微細構造を形成する。
【0056】 用語「一次培養」は、ICC内での上皮細胞と間充織細胞との相互作用が可能
なヒトの膵臓細胞の混合細胞集団を意味する。用語「一次」は、組織培養の分野
での通常の意味を有する。
【0057】 用語「前駆細胞」は、増殖して、分化した又は分化し得る娘細胞を生じさせる
ことのできる多数の母細胞を生成する能力を有する一層多くの前駆細胞を生じさ
せることのできる未分化細胞をいう。ここで用いる場合、用語「前駆細胞」は又
、ときには、当分野で「幹細胞」と呼ばれる細胞を包含することをも意図してい
る。好適具体例において、用語「前駆細胞」は、子孫が、しばしば、分化によっ
て、例えば完全に独自の性質を得ることにより、異なる方向に特殊化する一般化
された母細胞をいい、該分化は、胎児の細胞及び組織の進行性の多様化において
現れる。「前駆細胞」は、膵臓小葉内管の組織に生じて例えばB細胞系統等の分
化した子孫を生じさせる前駆細胞をいう。
【0058】 「増殖」は、細胞数の増加を指す。
【0059】 用語「組織」は、ある特定の機能を一緒に行う、同様に特殊化された細胞の群
又は層をいう。
【0060】 用語「膵臓」は、当分野で認められており、一般に、胃の後ろに、脾臓と十二
指腸の間に横向きに位置された、大きな、細長い、総状の腺をいう。膵臓の外分
泌機能例えば外部への分泌は、消化酵素の起源を与える。実際、「パンクレアチ
ン」は、消化補助に用いられる酵素(主として、アミラーゼ、プロテアーゼ及び
リパーゼ)を含む膵臓に由来する物質をいう。外分泌部分は、内腔を囲む幾つか
の漿液細胞よりなる。これらの細胞は、トリプシノーゲン、キモトリプシノーゲ
ン、カルボキシペプチダーゼ、リボヌクレアーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、
トリアシルグリセロールリパーゼ、ホスホリパーゼA2、エラスターゼ及びアミ
ラーゼ等の消化酵素を合成して分泌する。
【0061】 膵臓の内分泌部分は、ランゲルハンス小島よりなる。これらのランゲルハンス
小島は、外分泌する膵臓の中に埋め込まれた細胞の丸い集落のように見える。4
つの異なる型であるα、β、δ及びφ細胞が、これらの小島において同定されて
いる。α細胞は、膵臓の小島で見出される細胞の約20%を構成して、ホルモン
のグルカゴンを生成している。グルカゴンは、幾つかの組織に作用して、食間に
利用可能なエネルギーを作る。肝臓においては、グルカゴンは、グリコーゲンの
分解を引き起こし、アミノ酸前駆体からの糖新生を促進する。δ細胞は、膵臓で
グルカゴン放出を阻止して膵臓の外分泌を低下させるように作用するソマトスタ
チンを生成する。ホルモンの膵臓ポリペプチドは、φ細胞で生成される。このホ
ルモンは、膵臓の重炭酸塩及び酵素の外分泌を阻止し、胆嚢の弛緩を引き起こし
て、胆汁の分泌を低下させる。この小島で最も豊富な細胞は、60〜80%を構
成し、インシュリンを産生するβ細胞である。インシュリンは、食事中又はその
少し後で上昇する過剰の栄養素の蓄積を引き起こすことが知られている。インシ
ュリンの主要な標的器官は、肝臓、筋肉及びエネルギーの貯蔵のために特殊化さ
れた脂肪臓器である。
【0062】 用語「膵管」には、副膵管、背側膵管、主膵管及び腹側膵管が含まれる。漿腺
は、隣接する分泌細胞間の内腔の拡張を有し、これらは、細胞間小管と呼ばれる
。用語「小葉間導管」は、膵臓内の分泌ユニットの小葉内に見出される介在導管
及び線条部導管をいう。「介在導管」は、分泌性細葉又は細管から排液させる第
1の管セグメントをいう。介在導管は、しばしば、炭酸脱水酵素活性を有し、そ
れにより、重炭酸イオンがこれらの分泌物にこのレベルで加えられる。「線条部
導管」は、最大の小葉内管要素であり、分泌物のイオン蘇生を調節することがで
きる。
【0063】 用語「膵臓細胞前駆細胞」は、膵臓細胞系統の細胞に分化することのできる細
胞例えば通常膵臓細胞により産生されるホルモン又は酵素を産生することのでき
る細胞をいう。例えば、膵臓細胞前駆細胞は、少なくとも部分的に、α、β、δ
若しくはφ細胞又は外分泌する運命の細胞への分化を引き起こされ得る。この発
明の膵臓細胞前駆細胞は又、患者に投与する前に、細胞増殖及び細胞分化を促進
する条件下で培養することもできる。これらの条件は、これらの細胞をイン・ビ
トロで培養して増殖させ、集密にすることを含み、その時点で、それらの細胞に
擬似小島様凝集又は集落を形成させて、インシュリン、グルカゴン及びソマトス
タチンを分泌させることができる。
【0064】 用語「実質的に純粋な」は、前駆細胞に関して、少なくとも約75%の、好ま
しくは少なくとも約85%の、一層好ましくは少なくとも約90%の、最も好ま
しくは少なくとも約95%の純度の前駆細胞の集団をいう(全細胞集団を作る前
駆細胞に関して)。書き直すと、用語「実質的に純粋な」は、本発明の前駆細胞
の集団であって、培養及び増幅の前に、最初の未増幅の単離された集団において
約20%未満の、好ましくは約10%未満の、最も好ましくは約5%未満の細胞
系統の決定された細胞を含む当該集団をいう。
【0065】 (iii)典型的具体例 いくつかの用語を上に説明したが、本発明の一態様は、膵臓組織外植片、例え
ば管組織外植片から膵臓細胞前駆細胞、及びそれらの分化された子孫を分離する
方法を特徴とすることを注記する。
【0066】 主題の方法の一つの顕著な特徴は、出発原料を成体膵臓組織にすることができ
ることである。その上に、その方法は、比較的少ない量の出発原料で実施するこ
とができる。よって、ドナーからの膵臓組織の小さなサンプルは、ドナーを犠牲
にしたり又はひどく損傷しないで得ることができる。本発明の前駆細胞は、例え
ば規定の成長因子又は生物学的エキストラクトを培養に加える際の増殖応答に基
づいて、上皮外植片から増幅させ、続いて分離することができる。
【0067】 主題の方法の所定の実施態様の別の顕著な特徴は、離散した膵臓細胞前駆細胞
集団を分離しかつ増殖させるために規定した培養条件を使用することに関する。
【0068】 例えば、下記に記載する通りに、前駆細胞源管組織外植片を消化する又はその
他の方法で細片にし、それにより精製された管特性をもたらし、立ち代わってそ
れらを培地に入れて増殖させる。膵管調剤を、培養中に膨張させて細胞の単層、
例えば管上皮を形成させる。好適な実施態様では、細胞の大部分(例えば、>2
5パーセント、一層好ましくは>10%)は、ビメンチン陽性、非内分泌性及び
増殖性である。生存可能な非粘着性細胞(NAC)をそれと違って粘着性の膵細
胞の培養から分離することができる。上記した通りに、これらのNAC調剤を、
膵臓細胞前駆細胞について富化させる。
【0069】 本発明者等は、また、主題の培養の管細胞、及び培養において生じるをNAC
を、レクチンへの結合に基づいて精製することができることも見出した。例えば
、蛍光標識したレクチンを用いて、例えばFACS又はその他の細胞選別を容易
にすることができる。その他の実施態様では、レクチンを固定する、例えばフィ
ルター又はビーズのような固体表面上に固定するために変性しかつ細胞を親和精
製するために使用することができる。これらの目的用の代表的なレクチンは、蛍
光レクチン、ペルオキシダーゼ結合レクチン及びカリフォルニア、バーリンゲー
ムのVector Laboratories,Inc.により販売されるビオ
チニル化レクチンを含む。好適な実施態様では、レクチンは、植物レクチンであ
り、ピーナッツ凝集素への植物レクチンであるのが好ましい。その他の実施態様
では、レクチンは、下記からなる群より選ぶ:Aleuria Auranti
a Lectin(AAL);Amaranthus Caudatus Le
ctin(ACL、ACA);Bauhinia Purpurea Lect
in(BPL、BPA);Concanavalin A(Con A);Su
ccinylated Concanavalin A(Con A);Dat
ura Stramonium Lectin(DSL);Dolichos
Biflorus Agglutinin(DBA);Erythrina C
ristagalli Lectin(ECL、ECA);Euonymus
Europaeus Lectin(EEL);Galanthus Niva
lis Lectin(GNL);Griffonia(Bandeiraea
) Simplicifolia Lectin I(GSL I、BSL I
);Isolectin−B4;Griffonia(Bandeiraea)
Simplicifolia Lectin II(GSL II、BSL
II);Hippeastrum Hybrid Lectin(HHL、AL
);Lens Culinaris Agglutinin(LCA、LcH)
;Lotus Tetragonolobus Lectin(LTL); L
ycopersicon Esculentum(Tomato) Lecti
n(LEL、TL);Maackia Amurensis Lectin I
(MAL I);Maackia Amurensis Lectin II(
MAL II);Maclura Pomifera Lectin I(MP
L);Narcissus Pseudonarcissus Lectin(
NPL、NPA、DL);Peanut Agglutinin(PNA);P
haseolus Vulgaris Agglutinin(PHA);Pi
sum Sativum(PSA);Psophocarpus Tetrag
onolobus Lectin I(PTL I、WBA I);Psoph
ocarpus Tetragonolobus Lectin II(PTL
II、WBA II);Ricinus Communis Aggluti
nin I(RCA I、RCA120);Ricinus Communis
Agglutinin II(RCA II、RCA60、リシン);Sam
bucus Nigra(EBL、SNA);Solanum Tuberos
um(Potato)Lectin(STL、PL);Sophora Jap
onica Agglutinin(SJA);Soybean Agglut
inin(SBA);Ulex Europaeus Agglutinin
I(UEA I);Ulex Europaeus Aggluutinin
II(UEA II);Vicia Villosa Lectin(VVA、
VVL);Wheat Germ Agglutinin(WGA);Succ
inylated Wheat Germ Agglutinin;及びWis
teria Floribunda Lectin(WFA、WFL)。
【0070】 所定の実施態様では、管外植片に由来する解離された単層を、A2B5エピト
ープ、例えばA2B5モノクロナール抗体によって結合される能力(Eisen
barth等(1979)PNAS 76:4913)、又はGM3もしくはG
D3のようなガングリオキシドのような、神経膠星状細胞上に存在するその他の
糖脂質の存在によって選別することができる。
【0071】 その上に、本発明者等は、予期されないことに、単層のような細胞を増殖させ
ることを、そのような培養をcAMP増大剤で処理することと組み合わせると、
NAC、例えば膵臓細胞前駆細胞の誘導の増大を生成することを見出した。よっ
て、管細胞が増殖して集合になった(細胞が培養板の表面を覆う)時に、細胞を
、培養中の所定の細胞の分化を引き起こして前駆細胞にし、引き続きインシュリ
ン産生又はその他の内分泌細胞もしくは外分泌細胞にするために、cAMP増大
剤で処理することができる。よって、注意深く規定した条件を培養において、組
織外植片中の細胞の離散した集団を選択的に活性化するように、獲得することが
できる。本発明の前駆細胞及び分化された細胞を増幅させ、引き続き培養から分
離することができる。
【0072】 膵臓組織は、励起された組織を穏やかに細片にすることにより又は励起された
組織をコラゲナーゼ(例えば、コラゲナーゼA)によって消化することによるよ
うな任意の適した方法を使用して、例示すると、管の中を潅流させることにより
又は例えば、細片にされた組織を適したpH及び緊張強さのコラゲナーゼ含有緩
衝剤中で簡単にインキュベートすることによって調製するのが普通である。調製
した組織を、次いで随意に、濃縮(及び部分精製)するためにフィコル勾配によ
って遠心分離するような、適した方法及び物質を使用して濃縮してよい。濃縮さ
れた組織を、次いで組織培養ガラス製品又はプラスチック製品のような任意の適
した容器中に再懸濁させる。好適な実施態様では、管サンプルに、全面単層培養
であって、それからNACが形成されるものを形成させる。
【0073】 所定の実施態様では、培養に、8−(4−クロロフェニルチオ)−アデノシン
−3’:5’−サイクリック−モノホスフェート(CPT−cAMP)(例えば
、コイケ Prog.Neuro−Psycopharmacol.and B
iol.Psychiat.16 95−106(1992)を参照)、CPT
−cAMP、フォルスコリン、Na−Butyrate、イソブチルメチルキサ
ンチン(IBMX)及びコレラトキシン(Martin等、J.Neurobi
ol.23 1205−1220(1992)を参照)並びに8−ブロモ−cA
MP、ジブチリル−cAMP及びジオクタノイル−cAMP(例えば、Ryde
l等、PNAS 85:1257(1988)を参照)のようなcAMP増大剤
を接触させる。
【0074】 所定の実施態様では、培養に、成長因子、例えば分裂成長因子を接触させ、例
えば成長因子をIGF、FGF、TGF、EGF、HGF、ヘッジホグ又はVE
GFからなる群より選ぶ。その他の実施態様では、成長因子は、TGFβ上科、
好ましくはDVR(dpp及びvglに関連する)系統のメンバー、例えばBM
P2及び/又はBMP7である。
【0075】 所定の実施態様では、培養に、ステロイド又はコルチコステロイド、例えばヒ
ドロコルチゾン、デオキシヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、ブレドニゾ
ロン、メチルブレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、デキサメタゾ
ン、ベタメタゾン及びパラメタゾンのようなものを接触させる。一般的に、ニュ
ージャージー、ラヘイ、1987年、Berkow等編、The Merck
Manual of Diagnosis and Therapy、第15版
、1239−1267頁及び2497〜2506頁を参照。
【0076】 好適な実施態様では、培養に、cAMP増大剤、成長因子及びステロイド又は
コルチコステロイド、例えば本明細書中に記載するDCEカクテルを接触させる
【0077】 主題の方法の顕著な特徴は、規定した外植片を、源であって、それらから離散
した前駆細胞集団を増幅させることができるものとして使用することに関する。
これより、所定の実施態様では、剤に応答して増殖する外植片からの前駆細胞を
、残りの外植片から直接機械分離することにより或は外植片の全部又は一部を溶
解し、引き続き前駆細胞集団を分離することによる等して、分離することができ
る。その上に、主題の方法は、出発原料を多量に必要としないのが普通である。
よって、ドナーからの膵臓組織の小さなサンプルは、ドナーを犠牲にしたり又は
ひどく損傷しないで得ることができる。本発明の前駆細胞は、例えば規定の成長
因子又は生物学的エキストラクトを培養に加える際の増殖応答に基づいて、上皮
外植片から増殖させ、続いて分離することができる。
【0078】 代わりに又は加えて、cAMP調節剤による処理を上記した通りにして用いて
分化を誘導させることができる。そのような方法の細胞生成物は、インシュリン
産生細胞を含み、一層好ましくはグルコース応答性インシュリン産生細胞を含む
ことができる。
【0079】 動物から組織を培養するために存在する組織培地は、多数存在する。これらの
内のいくつかは複雑であり、いくつかは簡単である。管上皮外植片は、複雑な培
地で増殖し得ることが予想されるが、外植片を、外植片中の所定の膵臓集団を活
性化することについて一層正確な制御を実施するために、Dulbecco’s
Minimal Essential Media(DMEM)のような簡単
な培地中に保つことが一般に好適になる。好適な実施態様では、膵管上皮をFB
S5%を有するIsocave改質MEM細胞培地中で培養する。その上に、外
植片を血清の不存在において長期間保つことができる。発明の好適な実施態様で
は、成長因子又はその他の分裂促進剤を、培養をインビトロに保つための一次培
地中に入れないが、引き続き使用して前駆細胞の別個の集団の増殖を引き起こす
。添付例を参照。
【0080】 そのような拡大された培養手順では、商業サイズのバイオリアクター、OPT
ICAL TM培養システム、Model 5300E(Charles Ri
ver Labs.:マサチューセッツ、ウイルミントン)、又はCELLMA
X TM QUAD細胞培養システム(Cellco,Inc.:メリーランド
、ジャーマンタウン)のようなバイオリアクターに、ヒト膵細胞の一次培養を播
種する。バイオリアクターを、適当に有効な濃度のマイトジェン及び適宜にcA
MP増大剤を補足した適した完全な増殖培地をまき散らす。次いで、β−上皮細
胞含有島様クラスターを収穫することができる。細胞を、例えばBeattie
等、Transplantaion56:1340(1993)によって記載さ
れる通りにして低温保存した後に使用してよい。
【0081】 培養を、12又は24ウェルマイクロプレートのような任意の適した培養容器
中に保ってよく、かつ同じ動物から分離した細胞について典型的な培養条件下、
例えば5%CO2中37℃のような条件下に保ってよい。培養を、曝気を改善す
るために振盪してよく、振盪速度は、例えば12rpmにする。
【0082】 管培養から前駆細胞を分離するために、外植片に、外植片中の前駆細胞の内の
1つ又はそれ以上の集団の増殖を引き起こす剤を接触させるのが望ましくなるの
が普通である。例えば、マイトジェン、例えば有糸分裂及び細胞形質転換を誘導
する物質を使用して外植片中の前駆細胞集団を検出し、かつ所望の場合には、そ
の集団の増幅を引き起こすことができる。例示すると、成長因子の精製された又
は半精製された調剤を培養に適用することができる。適用された成長因子に応答
する前駆細胞の誘導は、前駆細胞の増殖によって検出することができる。しかし
、下記に記載する通りに、集団の増幅は、応答性集団を分離する所定の技術を使
用するために、大きい程度に起きる必要がない。
【0083】 なお他の実施態様では、管外植片及び/又は増幅された前駆細胞を供給細胞層
、例えば誘導因子を分泌する供給細胞の層又は誘導因子を含有するポリマー層上
で培養することができる。例えば、添付例に記載する通りに、マトリゲル層を使
用して造血前駆細胞膨張を誘導することができる。マトリゲル(マサチューセッ
ツ、ベドフォード在Collaborative Research,Inc.
)は、マトリックスとハツカネズミ基底膜タンパク質のエキストラクトして誘導
される付随される物質との複合混合物であり、主にラミニン、コラーゲンIV、
ヘパリン硫酸プロテオグリカン、及びニドジェンからなり、エンタクチンは、K
leinman等、「Basement Membrane Complexe
s with Biological Activity」,Biochemi
stry,25巻(1986)、312〜318頁に記載される通りに、EHS
腫瘍から調製された。同様に、天然の細胞及び組換え処理された細胞を、本培養
に供給細胞層として供することができる。
【0084】 下記に更に詳細に記載する通りに、主題の方法は、環状AMP(cAMP)ア
ゴニストを使用して実施して内分泌表現型又は外分泌表現型の培養細胞の分化を
誘導することができることを意図する。なお他の実施態様では、発明は、cAM
Pアゴニストを、膵臓組織を移植された患者に、並びに膵性能、特にグルコース
依存性インシュリン分泌を改善する必要性を有する患者にインビボ投与すること
を意図する。
【0085】 本開示に鑑みて、種々の異なる小さい分子を、例えば、cAMP依存活性を正
しく調節する日常薬物スクリーニングアッセイによって容易に識別することがで
きることは、当業者にとって明らかであると思う。例えば、主題の方法は、アデ
ニレートシクラーゼを活性化し得る、フォルスコリン(FK)、コレラトキシン
(CT)、百日咳トキシン(PT)、プロスタグランジン(例えば、PGE−1
及びPGE−2)、コルフォルシン及びβ−アドレナリン作用レセプターアゴニ
ストを含む化合物を使用して実施することができる。β−アドレナリン作用レセ
プターアゴニスト(本明細書中時には「β−アドレナリン作用アゴニスト」と呼
ぶ)は、下記を含む:アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、カル
ブテロール、クレンブテロール、クロルプレナリン、デノパミン、ジオキシエテ
ドリン(dioxethedrine)、ドペキサミン、エフェドリン、エピネ
フリン、エタフェドリン、エチルノルエピネフリン、フェノテロール、ホルモテ
ロール、ヘキソプレナリン、イボパミン、イソエタリン、イソプロテレノール、
マブテロール、メタプロテレノール、メトキシフェナミン、オキシフェドリン、
ピルブテロール、プレナルテロール、プロカテロール、プロトキロール、レプロ
テロール、リミテロール、リトドリン、ソテレノール、サルメテロール、テルブ
タリン、トレトキノール、ツルブテロール、及びキサモテロール。
【0086】 cAMPホスホジエステラーゼを抑制し、それによりcAMPの半減期を増大
させ得る化合物もまた主題の方法において有用である。そのような化合物は、下
記を含む:アムリノン、ミルリリノン、キサンチン、メチルキサンチン、アナグ
レリド、シロスタミド、メドリノン、インドリダン、ロリプラム、3−イソブチ
ル−1−メチルキサンチン(IBMX)、ケレリトリン、シロスタゾール、グル
ココルチコイド、グリセオン酸(griseolic acid)、エタゾレー
ト、カフェイン、インドメタシン、テオフィリン、パプベリン、メチルイソブチ
ルキサンチン(MIX)、及びフェノキサミン。
【0087】 cAMPの所定の類似体、例えばcAMPのアゴニストであるものも使用する
ことができる。本方法において有用になり得る代表的なcAMP類似体は、下記
を含む:ジブチリル−cAMP(db−cAMP)、(8−(4)−クロロフェ
ニルチオ)−cAMP(cpt−cAMP)、8−[(4−ブロモ−2,3−ジ
オキソブチル)チオ]−cAMP、2−[(4−ブロモ−2,3−ジオキソブチ
ル)チオ]−cAMP、8−ブロモ−cAMP、ジオクタノニル−cAMP、S
p−アデノシン3’:5’−サイクリックホスホロチオエート、8−ピペリジノ
−cAMP、N6−フェニル−cAMP、8−メチルアミノ−cAMP、8−(
6−アミノヘキシル)アミノ−cAMP、2’−デオキシ−cAMP、N6,2
’−O−ジブトリル−cAMP、N6,2’−O−ジスクシニル−cAMP、N6 −モノブチリル−cAMP、2’−O−モノブチリル−cAMP、2’−O−モ
ノブトリル−8−ブロモ−cAMP、N6−モノブトリル−2’−デオキシ−c
AMP、及び2’−O−モノスクシニル−cAMP。
【0088】 主題の方法において有用な上に列挙した化合物を、化合物の生物学的利用能、
活性、又はその他の薬理学的に関連のある性質を増大させるために改質してよい
。例えば、フォルスコリンは、下記式を有する:
【化1】 フォルスコリンの親水性を、所望する生物学的活性をひどく減じないで増大させ
ることが分かったフォルスコリンの改質は、C6及び/又はC7におけるヒドロ
キシルを(アセチル基を除いた後に)親水性アシル基によってアシル化すること
を含む。C6を親水性アシル基によってアシル化した化合物では、C7は随意に
脱アセチル化されてよい。適した親水性アシル基は、構造−(CO)(CH2n Xを有する基を含み、構造中、XはOH又はNR2であり;Rは水素、C1〜C4
アルキル基であり、或はRは、一緒になって原子3〜8、好ましくは原子5〜7
を含む環を形成し、ヘテロ原子を含んでよく(例えば、ピペラジン又はモルホリ
ン環);nは1〜6、好ましくは1〜4、更に一層好ましくは1〜2の整数であ
る。その他の適した親水性アシル基は、親水性アミノ酸又はそれらの誘導体、ア
スパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン
、チロシン、等のようなものを含み、複素環式側鎖を有するアミノ酸を含む。フ
ォルスコリン又は上に列挙したその他の化合物、それらを当業者に知られている
その他の可能な親水性アシル側鎖によって改質したものは、本方法において容易
に合成しかつ活性をテストしてよい。
【0089】 同様に、上に列挙した化合物の内のいずれかの変種又は誘導体は、主題の方法
においてcAMPアゴニストとして有効になり得る。当業者ならば、そのような
誘導体を容易に合成しかつ適した活性をテストすることができると思う。
【0090】 所定の実施態様では、主題のcAMPアゴニストは、cAMP活性化について
のそれらの選択性に基づいて選ぶことができる。
【0091】 所定の実施態様では、上記のcAMPアゴニスト、好ましくは異なるタイプの
cAMPアゴニストの内の二種又はそれ以上を投与するのが有利になり得る。例
えば、アデニレートシクラーゼアゴニストをcAMPホスホジエステラーゼアゴ
ニストと共に使用すると、有利な又は相乗効果を有し得る。
【0092】 所定の好適な実施態様では、主題の剤は、有効なcAMPレベルをED501m
M又はそれ以下、一層好ましくは1μM又はそれ以下、更に一層好ましくは1n
M又はそれ以下で上げる。
【0093】 主題の方法の所定の実施態様では、培養中の細胞の成長状態、例えば細胞増殖
、分化及び/又は細胞死をモニターするのが望ましいであろう。細胞増殖を測定
する方法は、当分野で良く知られており、細胞の複製を特徴とするDNA合成を
求めることを含むのが最も一般的である。DNA合成を測定する方法は、当分野
に多数存在し、それらの内の任意のものを発明に従って用いてよい。発明の実施
態様では、DNA合成は、免疫螢光法によって検出するために放射性標識(3
−チミジン)又は標識ヌクレオチド類似体(BrdU)を使用して求めた。
【0094】 しかし、DNA合成を測定するのに加えて、応答性前駆細胞集団を分離するた
めの基準として、形態学的変化に基づくことができ、形態学的変化に基づくこと
になるのが好ましい。例えば、添付例に記載する通りに、本発明者等は、所定の
成長因子が、管外植片において前駆細胞の増幅を引き起こし、それで肉眼又は鏡
検法によって容易に検出することができる構造を形成するようにすることを観測
した。典型的な実施態様では、増殖し、引き続き外植片、例えば芽又はブレブか
ら外殖を形成することによって成長因子に応答するそれらの前駆細胞を容易に検
出することができる。別の例示の実施態様では、その他の構造上の変化、例えば
増殖細胞の光学密度の変化をコントラスト鏡検法によって検出することができる
【0095】 更に例示すると、ICCをブロモデオキシウリジン(「BrdU」)と共にイ
ンキュベートし、ホルムアルデヒド中に固定化し、パラフィン中に埋め込み、切
断することができる。セクションを、例えばErber等、Am.J.Clin
.Path.88:43(1987)によって記載されるイムノアルカリホスフ
ァターゼ技術を用い、ポリクローナルモルモット抗−ブタ(anti−porc
ine)インシュリン(Chemicon;カリフォルニア、エルセクンド)を
一次抗体として使用してインシュリンについて染色することができる。
【0096】 DNA合成の間にBrdUを組み込んだ細胞核を、マウスモノクローナル抗−
BrdU(Dako;カリフォルニア、カーピンタリア)を使用して識別し、S
ternberger等、J.Histochem.,Cytochem.18
:315(1970)のイムノ−ペルオキシド技術によって検出した後に、ヘマ
トキシリン対比染色することができる。
【0097】 上皮細胞を、分離したセクション上でマウスモノクローナル抗−上皮抗原抗体
(Ber−EP4、Dako、上記)を一次抗体として使用して識別することが
できる。
【0098】 インシュリン陽性の上皮細胞の表面積を、全ICC領域のパーセントとして計
算し、これらをコンピュータ化されたイメージ分析計(American In
novision;カリフォルニア、サンジェゴ)によって定量化することがで
きる。同じ方法を、BrdU標識指数を求めるために使用することができる。イ
ンシュリン及びBrdUの両方について陽性な細胞もまた、2つの抗原を二重に
染色した後に、同じサンプルの分離したセクションにおいて記録してよい。
【0099】 平均の細胞サイズは、全ICC領域対核の数の比によって計算することができ
る。
【0100】 平均のベータ−細胞サイズは、個々のインシュリン陽性細胞の表面積を測定す
ることによって推定することができる。
【0101】 サンプルの生物学的及び実験的変動性の補正を行なうために、各々のサンプル
について十分な数のICCセクション(少なくとも15)及び核(少なくとも1
000)を分析すべきである。
【0102】 処理された外植片の活性化された前駆細胞を分離するのに種々の技法を採用し
てよい。前駆細胞についての好適な分離手順は、細胞死をできるだけ少なくする
ものである。例えば、活性化された前駆細胞を外植片サンプルから機械的手段に
よって除く、例えばピペットによって機械的に分けることができる。その他の例
では、外植片全体又はそれの細分部分(sub−portion)から前駆細胞
を、例えば外植片を酵素消化した後に、特異的細胞マーカーに基づいて、例えば
アフィニティー分離技術又は蛍光活性化細胞選別(FACS)を使用して活性化
された前駆細胞集団を分離することによって解離することが可能になる。
【0103】 更に例示すると、下記の例は、管外植片が成長因子応答性前駆細胞タイプを含
有することを立証する。更に、異なる成長因子が管組織外植片内の前駆細胞の別
個の集団を誘導/増幅して増殖させることができることを立証する。これは、別
個の前駆細胞集団の表面上に特異的成長因子が存在することを示す。これは、こ
れらのレセプターの発現が興味のある前駆細胞集団にマークを付けることから重
要である。モノクローナル抗体は、特定の細胞系列及び/又は分化の段階に関係
するマーカー(表面膜タンパク質、例えばレセプター)を識別するために特に有
用である。主題の前駆細胞を分離する手段は、抗体被覆磁気ビーズ、アフィニテ
ィークロマトグラフィー、及び固体マトリックス、例えば板に結合された抗体に
よる「パニング」又はその他の簡便な技術を使用した、磁気分離を含み得る。精
確な分離をもたらす技術は、蛍光活性化細胞選別を含み、これは、変化する度合
いの複雑化、例えば複数の色チャンネル、低角度及び鈍い光散乱検出チャンネル
、インピーダンスチャンネル、等を有することができる。
【0104】 簡便には、抗体に、直接分離を可能にする磁気ビーズ、支持材に結合されたア
ビジン又はストレプトアビジンによって除くことができるビオチン、蛍光活性化
細胞選別機によって使用することができる蛍光色素、等のようなマーカーを結合
して特定の細胞タイプの分離の容易を可能にしてよい。細胞の成育可能性に過度
に不利にならない任意の技術を採用してよい。
【0105】 例示の実施態様では、主題の前駆細胞上に存在する成長因子レセプターについ
ての抗体の内のいくつかは市販されており(例えば、EGFレセプター、FGF
レセプター及び/又はTGFレセプターについての抗体)、その他の成長因子レ
セプターについては、抗体は、当業者に良く知られた技術によって造ることがで
きる。当業者は、関心のある前駆細胞を分離するために抗体を使用するのに加え
て、また、例えば細胞を標識して「パンニング」プロセスを可能にするのに成長
因子それら自体を使用することもできる。
【0106】 本発明の前駆細胞は、分離する際に、更に下記の方法で特性表示することがで
きる:成長因子への応答性、特異的遺伝子発現、そのような細胞の表面上の抗原
マーカー及び/又は基礎的形態学。
【0107】 例えば、成長因子応答性の程度、例えばそれらが応答することになる成長因子
の濃度範囲、最大及び最小応答、並びにその他のどんな成長因子及び条件にそれ
らが応答し得るかを使用して主題の前駆細胞を特性表示することができる。
【0108】 その上に、分離された前駆細胞は、膵臓について発育している(すなわち、幹
又は前駆)細胞にマークを付けることが知られている遺伝子の発現によって特性
表示することができる。
【0109】 例示の実施態様では、肝細胞核因子(HNF)転写因子系統、例えばHNF1
−4は、膵臓発育の間種々の細胞タイプにおいて種々の時に発現されることが知
られている。例えば、前駆細胞は、HNF1α、HNF1β、HNF3β、HN
F3γ、及び/又はHNF4のような一種又はそれ以上のHNFタンパク質を発
現し得る。グルコーストランスポータGlut2もまた両方の初期の膵細胞につ
いてのマーカーである。fkh−1等のような「フォークヘッド」転写因子の内
のいくつかは、初期の腸管組織におけるマーカーになると理解される。
【0110】 別の例示の実施態様では、STF−1(IPF−1、IDX−1又はPDXと
しても知られている)のようなホメオドメインタイプ転写因子は、最近になって
、発育中の膵臓の異なる集団にマークを付けることが示された。いくつかのLI
M遺伝子もまたインシュリン遺伝子発現を調節することが示されてきており、ま
たプロト分化されたβ膵島細胞についてのマーカーになろう。同様に、PAX6
遺伝子のようなPAX遺伝子の内のいくつかは、膵臓形成の間に発現され、所定
の膵臓細胞前駆細胞集団を特性表示するのに使用され得る。膵臓細胞前駆細胞の
その他のマーカーは、膵特異的転写因子PTF−1、hXBP−1、等を含む。
その上に、HNFタンパク質の内のいくつかは、初期の膵臓発達の間に発現され
、膵臓細胞前駆細胞用マーカーとして使用され得る。
【0111】 膵細胞を生じる前駆細胞は、また、ビリン及び/又はチロシンヒドロキシラー
ゼのようなマーカーを発現し、並びにインシュリン、グルカゴン及び/又は神経
ペプチドYのような因子を分泌し得る。
【0112】 NACにおいて記録されることができるその他のマーカーは、下記を含む:R
ab3A(Zahraoui等(1989)J.Biol.Chem.12:3
94;Baldini等(1995)PNAS 92:4284);ベシクル関
連膜タンパク質2(VAMP2、フジターヨシガキ等(1996)J.Biol
.Chem.271:13130;及びNielsen等(1995)J Cl
in Invest 96:1834);アミリン、及び/又はA2B5(Ei
senbarth等(1979)PNAS 76:4913)。
【0113】 その他の実施態様では、管上皮細胞、並びにおそらくそれらから生じる膵前駆
細の主題の培養は、レクチン、好ましくは植物レクチン、一層好ましくはピーナ
ッツ凝集素に結合することを特徴とする。好適な実施態様では、ピーナッツ凝集
素である。その他の実施態様では、レクチンは、下記からなる群より選ぶ:Al
euria Aurantia Lectin(AAL);Amaranthu
s Caudatus Lectin(ACL、ACA);Bauhinia
Purpurea Lectin(BPL、BPA);Concanavali
n A(Con A);Succinylated Concanavalin
A(Con A);Datura Stramonium Lectin(D
SL);Dolichos Biflorus Agglutinin(DBA
);Erythrina Cristagalli Lectin(ECL、E
CA);Euonymus Europaeus Lectin(EEL);G
alanthus Nivalis Lectin(GNL);Griffon
ia(Bandeiraea) Simplicifolia Lectin
I(GSL I、BSL I);Isolectin−B4;;Griffon
ia(Bandeiraea) Simplicifolia Lectin
II(GSL II、BSL II);Hippeastrum Hybrid
Lectin(HHL、AL);Lens Culinaris Agglu
tinin(LCA、LcH);Lotus Tetragonolobus
Lectin(LTL); Lycopersicon Esculentum
(Tomato) Lectin(LEL、TL);Maackia Amur
ensis Lectin I(MAL I);Maackia Amuren
sis Lectin II(MAL II);Maclura Pomife
ra Lectin(MPL);Narcissus Pseudonarci
ssus Lectin(NPL、NPA、DL);Peanut Agglu
tinin(PNA);Phaseolus Vulgaris Agglut
inin(PHA);Pisum Sativum(PSA);Psophoc
arpus Tetragonolobus Lectin I(PTL I、
WBA I);Psophocarpus Tetragonolobus L
ectin II(PTL II、WBA II);Ricinus Comm
unis Agglutinin I(RCA I、RCA120);Rici
nus Communis Agglutinin II(RCA II、RC
A60、リシン);Sambucus Nigra(EBL、SNA);Sol
anum Tuberosum(Potato)Lectin(STL、PL)
;Sophora Japonica Agglutinin(SJA);So
ybean Agglutinin(SBA);Ulex Europaeus
Agglutinin I(UEA I);Ulex Europaeus
Aggluutinin II(UEA II);Vicia Villosa
Lectin(VVA、VVL);Wheat Germ Agglutin
in (WGA);Succinylated Wheat Germ Agg
lutinin;及びWisteria Floribunda Lectin
(WFA、WFL)。
【0114】 例えば、添付図に示す通りに、ヒトの膵臓の種々の成分を異なるレクチンによ
ってマークを付けることができる。DSLは、小葉間導管及び小葉内管にマーク
を付ける。LCAは、間葉にマークを付けるようである。ECLは、一層大きな
管にマークを付けないで、小葉内管にマークを付ける。Succinylate
d Wheat Germ Agglutininは、主管細胞のサブセットに
マークを付け、WGAに比べて極めて制限される。
【0115】 主題の前駆細胞は、一旦分離しかつ特性表示したら、更に分化して特異的細胞
系列にさせることができる条件下で培養することができる。これは、展開するこ
とができる誘導のパラダイムによって達成することができる。例えば、主題の前
駆細胞は、対応する胚組織と再び組み合わせて胚組織が成細胞を指示して共発育
(codevelop)及び共分化(codifferentiate)させる
ことができるかどうかを見ることができる。代わりに、前駆細胞を一種又はそれ
以上の成長因子又は分化因子に接触させ、細胞の分化を誘導することができる。
例えば、細胞を、Forskolin、Di−butyrl、cAMP、Na−
Butyrate、デキサメタゾン又はコレラトキシンのような作用薬、或はD
VR亜科メンバーのようなTGFβのような成長因子によって処理することがで
きる。
【0116】 別の好適な実施態様では、主題の前駆細胞は、当分野で使用される多数の再生
モードの内の一つ、例えば宿主動物の部分膵臓切除又はストレプトゾシン治療を
受けた宿主動物中に移植することができる。
【0117】 よって、本発明の別の態様は、主題の前駆細胞の子孫、例えば初期の外植片培
養の細胞に由来したそれらの細胞に関係する。そのような子孫は、前駆細胞の後
世代、並びに主題の前駆細胞を外植片から分離した後に分化を誘導することによ
って発生される系列が決定された細胞、例えばインビトロで誘導された細胞を含
むことができる。
【0118】 本発明のなお別の態様は、主題の前駆細胞、又はそれらの子孫の実質的に純粋
な調剤を細胞成分として含む細胞組成物に関係する。本発明の細胞組成物は、前
駆細胞の実質的に純粋な集団を含むばかりでなく、また細胞培養成分、例えばア
ミノ酸、金属、コエンザイム因子、並びに非前駆細胞の小さな集団、例えばそれ
らの内のいくつかは、発明の分離された前駆細胞を引き続き分化することによっ
て生じ得るものを含む培地も含むことができる。その上に、その他の非細胞成分
は、細胞成分を特定の環境、例えば移植、例えば連続培養下で支持体用に適した
ものにするものを含む。
【0119】 本発明の前駆細胞を被験者、特にヒト被験者に投与する一般的な方法を、本明
細書中に詳細に記載し、該方法は、細胞を被験者内の標的部位に注入又は移植す
ることを含むので、発明の細胞を、細胞を被験者の中に注入又は移植することに
よって導入を助成する送達装置の中に入れることができる。そのような送達装置
は、細胞及び流体を受容被験者の体内に注入するためのチューブ、例えばカテー
テルを含む。好適な実施態様では、チューブは、加えて針、例えば注射器であっ
て、それを通して発明の細胞を被験者の所望の場所に導入することができるもの
を有する。発明の前駆細胞は、異なる形態でそのような送達装置、例えば注射器
の中に入れることができる。例えば、細胞は、そのような送達装置に入れる時に
、溶液に懸濁させ又は支持体マトリックスに埋め込むことができる。本明細書中
で用いる通りの「溶液」なる用語は、製薬上許容し得るキャリヤー又は希釈剤で
あって、その中で発明の細胞が生存可能なままであるものを含む。製薬上許容し
得るキャリヤー及び希釈剤は、食塩水、緩衝水溶液、溶媒及び/又は分散媒体を
含む。そのようなキャリヤー及び希釈剤の使用は、当分野で良く知られている。
溶液は、滅菌しておりかつ容易な注射可能性が存在する程度に流動性であるのが
好ましい。溶液は、製造及び貯蔵の条件下で安定性でありかつ例えばパラベン、
クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール、等を使用する
ことによってバクテリアやカビのような微生物の汚染作用に対して保護するのが
好ましい。発明の溶液は、本明細書中に記載する通りの前駆細胞及び必要とする
通りに、上に列挙したその他の成分を製薬上許容し得るキャリヤー又は希釈剤中
に組み込んだ後に、ろ過滅菌することによって調製することができる。
【0120】 前駆細胞を組み込む又は埋め込むことができる支持体マトリックスは、受容体
適合性でありかつ分解して受容体に有害でない生成物になるマトリックスを含む
。天然の及び/又は合成の生分解性マトリックスは、そのようなマトリックスの
例である。天然の生分解性マトリックスは、血漿凝塊、例えば哺乳動物に由来す
るもの及びコラーゲンマトリックスを含む。合成の生分解性マトリックスは、ポ
リアンヒドリド、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸のような合成ポリマーを含
む。合成ポリマー及び細胞をこれらのマトリックス中に組み込む又は埋め込む方
法のその他の例は、当分野で知られている。例えば、米国特許第4,298,0
02号及び同第5,308,701号を参照。これらのマトリックスは、インビ
ボで脆弱な前駆細胞についての支持体及び保護となり、従って、前駆細胞を受容
被験者中に導入する好適な形態である。
【0121】 本発明は、また、膵臓の不十分な機能に伴う種々の障害を治療するために治療
上使用することができる実質的に純粋な前駆細胞も提供する。
【0122】 例示すると、主題の前駆細胞は、外分泌及び内分泌の両方の種々の膵臓障害を
治療又は予防する際に使用することができる。例えば、前駆細胞を使用して分化
された膵細胞の集団を部分膵切除、例えば膵臓の一部を除去した後に修復するた
めに産生することができる。同様に、そのような細胞集団は、膵臓組織崩壊、例
えば膵炎、例えば酵素が物質の中に逃避することによって引き起こされる膵臓組
織の自己分解による症状のような膵臓組織の破壊による膵臓組織損失を再生する
又は膵臓組織損失に代えるのに使用することができる。
【0123】 代表的な実施態様では、主題の前駆細胞は、任意のインシュリン欠乏障害に悩
む患者のために提供することができる。例えば、毎年728,000を超える糖
尿病の新しいケースが診断され、150,000のアメリカ人が糖尿病及びその
合併症で死亡し;合衆国における年の全コストは、200億ドルを超える(La
nger等(1993)Science 260:920−926)。糖尿病は
、膵島が破壊し又は機能障害になりグルコース制御の損失に至ることを特徴とす
る。真性糖尿病は、慢性的に高いレベルの血糖(高血糖)が存在することによっ
て定義される代謝障害である。インシュリン依存性(タイプ1)真性糖尿病(「
IDDM」)は、膵β−細胞の自己免疫媒介破壊から生じ、その結果インシュリ
ン産生を失って高血糖を生じる。タイプ1糖尿病は、生存を確実にするのにイン
シュリン代償療法を要する。非インシュリン依存性(タイプ2)真性糖尿病(「
NIDDM」)は、初めに、正常よりも高いレベルの血漿インシュリン(高イン
シュリン血症)の存在における高血糖を特徴とする。タイプ2糖尿病では、炭化
水素代謝を制御する組織プロセスは、インシュリンへの感応性が低下したと考え
られる。タイプ2糖尿病状態の進行は、血糖の濃度増大に関係しかつグルコース
誘導インシュリン分泌速度の相対的低下に結び付けられる。
【0124】 両方の形態の真性糖尿病における治療の主目的は、同じである、すなわち血糖
レベルをできるだけ正常近くに下げることである。タイプ1糖尿病の治療は、代
償量のインシュリンを投与することを伴う。対照して、タイプ2糖尿病の治療は
、インシュリンを投与することを要しない。例えば、タイプ2初期治療法は、ダ
イエット及びスルホニル尿素のような経口低血糖症剤による療法によって増強さ
れるライフスタイル変化に基づき得る。しかし、特に糖尿病の後者の段階では、
島消耗から生じ得る糖尿病の合併症を最少にしようと試みて高血糖の制御を生じ
るのに、インシュリン治療法を要し得る。
【0125】 一層最近になって、治療への組織工学的アプローチは、健康な膵島を、通常免
疫拒絶を回避するために膜に被包して移植することに焦点を合わせてきた。3つ
の一般的なアプローチが、動物モデルにおいてテストされた。初めに、管状膜を
、島を収容したハウジング内で螺旋状に巻く。膜をポリマーグラフに接続し、こ
れは、立ち代わって装置を血管につなげる。グルコース及びインシュリンを膜を
前後に通して自由に拡散させることを可能にし、更に抗体及びリンパ球の通過を
ブロックするように、膜透過度を操作することによって、この装置で処置した膵
切除された動物において正常血糖が保たれた(Sullivan等(1991)
Science 252:718)。
【0126】 第二のアプローチでは、島細胞を含有する中空ファイバーを多糖アルギネート
中に固定化させた。装置を糖尿病動物の腹腔内に入れた時に、血糖レベルが低下
され、良好な組織適合性が観測された(Lacey等(1991) Scien
ce 254:1782)。
【0127】 最後に、島をアルギネート又はポリアクリレートで構成されるマイクロカプセ
ルに入れた。これらのマイクロカプセルで治療された動物は、2年を超えて正常
血糖を保つ場合がいくつかあった(Lim等(1980) Science 2
10:908;O’Shea等(1984) Biochim Biochys
.Acta.840:133;スガモリ等(1989) Trans.Am.S
oc.Artif.Intern.Organs 35:791;Levesq
ue等(1992) Endocrinology 130:644;及びLi
m等(1992) Transplantation 53:1180)。しか
し、これらの移植戦略のすべては、ドナー島の大きな信頼し得る源を必要とする
【0128】 発明の膵臓細胞前駆細胞は、分化して膵系列の細胞、例えばβ島細胞になる能
力を有することから、糖尿病を治療するために使用することができる。発明の前
駆細胞は、更にこれらの細胞を成熟した膵細胞に分化させることができる条件下
でインビトロ培養することができ、又はそれらは、一度被験者に導入された分化
をインビボで受けることができる。細胞を被包する方法は多数当分野で知られて
いる。例えば、インシュリンを産生するβ島細胞の源が移植可能な中空ファイバ
ー中に被包される。そのようなファイバーは、予備紡糸され、次いでβ島細胞が
添加されることができ(Aebischer等の米国特許第4,892,538
号;Aebischer等の米国特許第5,106,627号;Hoffman
等(1990) Expt.Neurobiol.110:39−44;Jae
ger等(1990) Prog.Brain Res.82:41−46;及
びAebischer等(1991) J.Biomech.Eng.113:
178−183)、又はβ島細胞の回りにポリマーコートを形成するように作用
するポリマーと共に同時押し出しされることができる(Lim等の米国特許第4
,391,909号;Seftonの米国特許第4,353,888号;スガモ
リ等(1989) Trans.Am.Artif.Intern.Organ
s 35:791−799;Sefton等(1987) Biotechno
l.Bioeng.29:1135−1143;及びAebischer等(1
991) Biomaterials 12:50−55)。
【0129】 その上に、移植可能な源を前駆細胞集団か又はそれの分化された子孫のいずれ
かの形態で提供するのに加えて、主題の細胞は、膵細胞の培養を分泌された因子
を産生しかつ精製するために製造するのに使用することができる。例えば、培養
された細胞をインシュリンの源として提供することができる。同様に、外分泌培
養をパンクレアチン用源として提供することができる。
【0130】 本発明のなお別の態様は、種々の化合物を、膵管上皮培養からの別個の膵細胞
集団の成長、増殖又は分化を調節するそれらの能力についてスクリーンする方法
を提供する。例示の実施態様では、主題の前駆細胞、及びそれらの子孫は、種々
の化合物又は天然生成物をスクリーンするのに使用することができる。そのよう
な外植片を最少培地中に長い期間(例えば、7〜21又はもっと長い間)保つこ
とができ、そのような外植片に任意の化合物、例えば小さい分子又は天然生成物
、例えば成長因子を接触させてそのような化合物が外植片における前駆細胞の細
胞成長、増殖又は分化の内の一つに与える作用を求めることができる。所定の化
合物に応答するこれらの細胞の成長、増殖又は分化の検出及び定量化は、所定の
管外植片における成長、増殖又は分化の内の一つを誘導する点での化合物の効能
を求める手段となる。細胞増殖を測定する方法は、当分野で良く知られており、
細胞複製を特徴とするDNA合成を求めることを含むのが最も一般的である。D
NA合成を測定する方法は、当分野に多数存在し、それらの内の任意のものを発
明に従って用いてよい。発明の実施態様では、DNA合成は、DNA合成は、免
疫蛍光検査によって検出するために放射線標識(3H−チミジン)又は標識ヌク
レオチド類似体(BrdU)を使用して求めた。化合物の効能は、種々の濃度の
化合物を使用して得られたデータから投与量応答カーブを発生することによって
評価することができる。また、対照アセイを実施して比較のための基線を供する
こともできる。所定のテスト剤に応答して増幅される前駆細胞集団の識別を、上
記したような表現化に従って実施することができる。
【0131】 (iv)例証 今、発明を一般的に記載し、発明は、下記に例を参照することによって一層容
易に理解されるものと思う。下記の例は、単に本発明の所定の態様及び実施態様
を例示するために含むもので、発明を制限することを意図しない。
【0132】 例1:膵臓細胞前駆細胞の分離方法 管分離及び培養 2リットルの2週齢Sprague−Dawleyラットの子から膵臓を分離
し、10mlの(DMEM中1U/ml)Collagenase A(セント
ルイス、Boehringer−Mannheim)中に入れ、振盪水浴中で1
50−175rpmで37℃において40分間消化した。その消化物を短時間旋
回させ、Ca++/Mg++の存在しないHBSS(ニューヨーク、グランドアイラ
ンド、Gibco BRL)で一度洗浄した。ペレットをHBSS中に再懸濁さ
せ、500μmメッシュ(マサチューセッツ、ケンブリッジ、Costar C
orning)を通してろ過し、再び洗浄した。ペレットを再懸濁させてHBS
S中50mlにし;10mlを10cm培養板(Costar Corning
)に移して解剖スコープ下に置いた。個々の管断片をマイクロピペットで吸引す
ることによって選定し、血清を有する培地を収容する板に移した。この板から断
片を再び選定し、培地及び血清のフレッシュチューブに移し、洗浄した後に平板
固定した。断片を、プスチック上でFBS(Gibco−BRL)5%、グルタ
ミン及びPen/Strep(Gibco−BRL)1%を含有するIscov
eis改質DMEM(Gibco−BRL)中で培養した。個々の管断片を研究
するために、管を8ウェル室スライド(イリノイ、ナパービル、Lab−Tek
)上で増殖させた。単層又はNACを発生させるために、管断片を調剤当たり4
つの4−ウェル板(Nunc)に平板固定した。NACの誘導は、FBS5%、
グルタミン、Pen/Strep及びDexamethasone(1μM、S
igma)、Cholera Toxin(100ng/ml、Sigma)並
びにEGF(10ng/ml、Gibco)に合流した後(通常培養において5
日)に培地変化によって達成された。48時間後に、NACが収穫された。
【0133】免疫細胞学 培養、管及び非粘着性細胞を、1%パラホルムアルデヒド中に固定させ、Tr
itonX−100(PBST)0.3%を含有するPBS中に透過可能化した
(permeabilized)。PBST中正常ロバ血清(Jackson
ImmunoResearch)5%及びBSA(Sigma)1%からなるブ
ロッキング緩衝剤中で予備インキュベートすることによって非特異的結合部位を
ブロックした。すべての抗体をブロッキング緩衝剤中に希釈した。一次抗体によ
るインキュベーションを加湿された室で4℃において一晩実施した。使用した一
次抗体は、下記であった:モルモット抗−インシュリン(Linco、1:20
00):マウス抗−インシュリン/プロインシュリン(Biodesign、B
oehringer Mannheimからの標識キットを使用して直接ビオチ
ンに結合された);モルモット抗−グルカゴン(Linco、1:2500)、
マウス抗ソマトスタンチン(Biomeda、1:50);ラビット抗−膵ポリ
ペプチド(Zymed、1:50);ラビット抗−アミラーゼ(Sigma、1
:1500)、及びラビット抗−PDX−1(Christopher Wri
ght,Vanderbiltのギフト、1:2000)。二次抗体及び三次試
薬は、下記であった:FITC結合されたロバ抗−モルモットIgG(Jack
son ImmunoResearch、1:200);Cy3結合されたロバ
抗−モルモット、ラビット又はマウスIgG(Jackson、1:1000)
;ビオチン結合されたロバ抗−ラビット又はマウスIgG(Jackson、1
:500);AvidinD−FITC(Vector Labs、1:100
0);ストレプタビジン(streptavidin)−Cy3(Jackso
n、1:1000)。細胞を、Nikon Eclipse E800エピフル
オレセント(epifluorescent)又はNikon Diaphot
300倒立蛍光/相微鏡写真機で数えた。
【0134】単細胞cDNA増幅及びPCR分析 単細胞からのcDNAを、Brady等(1993)及びDulac及びAx
el(1995)に従って増幅した。単一NACをランダムに選び、氷冷細胞溶
解緩衝剤を収容するPCRチューブ中に移した。第一鎖cDNA合成及び引き続
くPCR増幅を記載される(Dulac及びAxel、1995)通りに実施し
たが、PCR反応を全容積100μlの代わりに50μlで実施した。増幅され
たcDNAを1%アガロースゲル上で電気泳動にかけ、DNA断片のサイズは、
予期される通りに0.5〜1kbの範囲であった。次いで、個々のcDNAのア
リコートを、特異的PCRプライマーを使用してPCRによってマーカー遺伝子
について分析した。PCR反応を35サイクルについて各々94℃で30秒間、
55℃で1分間、及び72℃で2分間ランした。アンプライマー(amplim
er)配列は、下記であった:
【化2】
【0135】インシュリン放出アセイ インシュリン放出をNAC、分離された管、単層細胞、又は島10のバッチを
使用して静的インキュベーション条件下で測定した。細胞又は島を、3mM G
lucose(Sigma)及びBSA(Sigma)0.2%を含有するKr
ebs Ringer Phosphate緩衝剤(KRP)中で37℃におい
て30分間予備インキュベートした。上澄み液を捕集し、細胞を一度洗浄した後
に、更に17mMグルコース中で37℃において1時間インキュベートした。次
いで、この上澄み液を捕集し、すべてのサンプルを、Linco Resear
ch(ミズーリ、St.Charles)からのラットC−ペプチド用RIAキ
ットを使用してインシュリン特異的放射性同位元素標識免疫アセイを行うまで、
−20℃に保った。インシュリン含量測定については、細胞を酸−エタノール中
で抽出し、超音波で処理した後にアセイした。
【0136】カルシウム映像 NACをHanks緩衝剤(GIBCO)中の0.7%低融点アガロース中で
固定化し、プルロン酸(pluronic acid)(Molecular
Probes)0.1%及びジメチルスルホキシド(Sigma)1%を加えて
含有する標準Krebs Ringer Phosphate(KRP)緩衝剤
中で5μMフルオ−3アセトキシ−メチル(AM)エステル(Molecula
r Probes)によって室温で1時間の間染料添加した。次いで、細胞を洗
浄して過剰の染料を除き、加熱された顕微鏡ステージ(Olympus)に置い
て32℃に保った。フルオ−3蛍光強度を細胞内カルシウム濃度のインジケータ
ーとして使用し、同焦点レーザー走査顕微鏡(Olympus)によって測定し
た。励起波長を488nm(アルゴンイオンレーザー)に設定し、40X水レン
ズを使用した。同焦点開口及びレーザー強度を含む、レーザー走査についての同
じパラメーターを各々の実験について設定した。細胞内カルシウムのグルコース
誘導変化を分解するために、レーザー走査をXRTシリーズとして、各々の走査
の間の間隔10秒を用いて行った。映像ファイルを保存し、続いてFLUOVI
EWソフトウエア(Olympus)によって分析した。関心のある細胞を丸で
囲み、丸で囲んだ領域の平均強度を経時的にプロットした。
【0137】結果 膵管の分離、特性表示、及び培養 規定したインビトロ培養システムを確立するために、小葉間導管の集団を分離
し、特性表示した。記載する培養システムを確立するのに、初め1〜2月齢動物
からの成組織を使用したが、終局的に一層一貫しておりかつ一層大きな収量のク
リーンな管をもたらす2〜3週齢ラットからの組織に代えた。膵臓組織を収穫し
、コラゲナーゼ消化を施した(Githens & Whelan,1983;
Githens等,1989)。次いで、消化された組織を、管の純粋な集団が
得られるまで、複数回反復して手でつかんだ(図1)。典型的な実験は、動物2
0匹当たりかなり均一な管200〜300までをもたらした。チューブリンベー
タIII及びアセチル化−LDL−DiIについての染色は、選定した管集団に
神経細胞及び血管が存在しないことを示した(図示せず)。
【0138】 出発原料の特性表示は、インシュリン、PDX−1、PYY、及びアミラーゼ
を発現するために単一管を分析することによって行った。表1は、時間ゼロにお
ける手でつかんだ管の大部分に、これらの内分泌マーカー及び外分泌マーカーが
存在しなかったことを示す。培養の開始においてインシュリン−免疫陽性細胞を
含有しない管は、すべての管の内の92%よりも多く、すべての管の内の同様の
割合が免疫組織化学的に検出可能なPDX−1を有しなかった。テストして陽性
だったそれらの管の内で、ほとんどすべては、インシュリン−免疫陽性な細胞を
1〜2個有するだけであった。解離された管の分析もまた、インシュリン及びP
DX−1タンパク質について免疫陽性な時間ゼロ管細胞が0.05%よりも少な
いことも示した(図示せず)。同様に、PYY含有細胞は、極めて少なく、カウ
ントした細胞の内の0.015%以下を構成した。アミラーゼ陽性細胞は、初期
集団の内の0.02%を構成し、おそらくそれらは極めて少ないクラスターにお
いて生じるので、外分泌キャリオーバーを表した。PDX−1か又は内分泌マー
カーインシュリンか又はPYYのいずれかを発現する細胞の数は、総計で細胞の
0.1%よりもずっと少ない量になり(表1)、これらの細胞が成熟した管にお
いて極めて少ない(データを示さず)という成膵臓のセクションに関する免疫組
織化学的観測を確証した。平均の管断片は、3450±1860の細胞を含有し
(n=10測定)、かつ平均の管収量は、225断片であったので、培養の開始
におけるインシュリン−陽性細胞の初期数は、細胞およそ800,000当たり
80〜400の範囲であった(表1)。
【0139】 培養は、単一管断片を1cm2ウェル内に入れ(図2)又は複数の断片を4−
ウェル板の中に入れる(1.9cm2/ウェル)ことによって行った。種々の基
質をテストした(Mtrigel、コラーゲン、ヒドロゲル)が、最も清浄かつ
最も関心のある結果は、簡単にチャージされたプラスチックに平板固定すること
によって得られた。ウシ胎児血清(FCS)5%を含有するIscoveis
Modified Dulbecco’s Media(IMDM)を各々のウ
ェルに加え、管を5日にわたって培養した。図2中の上部パネルは、インシュリ
ン染色を培養された管の時系列で示し、下部パネルは、対応する明るい場映像を
示す。単一管集団の分析は、時間ゼロにおいて、管断片の8%がインシュリンに
ついて陽性であった(表1)のに対し、24時間程の短い時間で、インシュリン
−陽性細胞を含有する管の数は、13%に増大しており、2日までに17%に増
大していたことを示した。これらの陽性は、最も頻繁に単細胞又は2〜4の細胞
の小さい焦点として現れた(図2)。個々の培養の5日までに、ウェルの23〜
25%は、単層上にインシュリン−陽性細胞を含有し、その後に変化はほとんど
無かった(7日を通して、46/185単一管培養)。これらの結果の含意の一
つは、非インシュリン陽性管が、培養を通してインシュリン陽性になることであ
る。
【0140】 ウェル当たりの管断片の数を増大させると、一般に5日以内で単層の一層急速
な外植及び合流を生じており、交差摂取がいくらか起きることを示唆する。本発
明者等は、本発明者等の管調製当たり16ウェル(1.9cm2)に平板固定す
ることを時間と細胞収量との間のバランスとして標準化した。FBS中で培養し
て7日(T7)に、単層は、出発原料の5倍の最大膨張についてウェル当たり平
均25±20(範囲0〜51)のインシュリン陽性細胞を含有する。このシステ
ムでは、細胞の大部分は、ビメンチン陽性、非内分泌性及び増殖性であり(Br
dU摂取によって示される通り)、おそらく管細胞の上皮層を囲むストローマ細
胞から生じる。インシュリン陽性細胞は、BrdU摂取が可能であるが、これは
、めったに行われない(図示せず)。BrdU摂取のバルクは、ビメンチン陽性
繊維芽細胞による。単層上に早期に出現するインシュリン陽性細胞ののろい成長
速度は、ベータ細胞がインビトロ及びインビボで複製するのが極めてまれである
ことを立証する他の研究者からの観測報告(1996年にSjoholm;19
99年にNielsenによって検討された)と一致する。7日を超えるそれ以
上の培養は、インシュリン陽性細胞を収容するウェルの数か又はインシュリン陽
性細胞の数のいずれも有意には増大させなかった。
【0141】 本発明者等は、インシュリンを発現する細胞の数の増大に加えて、また、FB
S培養におけるいくつかのウェルが、多数のアミラーゼ陽性細胞、しばしばイン
シュリンを共発現する(coexpress)細胞を収容することも観察した(
図3A〜C)。インシュリン及びアミラーゼの両方を発現する細胞が、膵臓再生
の間に出現することが実証され、活性化された膵細胞であると思われる(Mel
med,1979,Gu等、1994)。加えて、これらの培養は、丸くかつ半
接着性の細胞タイプであって、それの多くは、インシュリンがわずかであるとは
いえ、両方のマーカーを発現するようであるものを収容するものであった。
【0142】 PYY及び/又はグルカゴゲンを発現する細胞が、本発明者等の管培養におい
て観察される(図3D〜F)。早期の膵臓発達の間のPYY及びグルカゴゲンの
共発現は、内分泌前駆細胞進行にマークを付けると仮定された(Upchurc
h等、1994)。インシュリンと対照して、PYY陽性細胞の数は、培養の間
変化しなかった(表2)。単層上でインシュリン陽性な細胞の内の、ほとんどが
PDX−1を共発現したが、すべてがPDX−1を共発現したわけではない。P
DX−1を発現し、しかもなおインシュリンを発現しなかった、及び逆の細胞も
また培養中に観察された(図3G、矢印)。これより、分化の種々の段階及び異
なる発達系列を表わす細胞が、本発明者等の培養において出現する。
【0143】非粘着性細胞タイプの出現 インシュリン陽性細胞の数は、5日を超える培養によって有意に増大しなかっ
た、それは、それらの複製速度が遅いこと、おそらく細胞死による。因子をT5
培養に加えてインシュリン−陽性細胞の数の増大を誘導することができるかどう
かを求めた。上皮細胞か又は膵臓発達のいずれかに影響を与える多数の因子をテ
ストした:デキサメタゾン、コレラトキシン、EGF、TGFα、PDGFα、
HGF、TGFβ1、IL−1α、GLP−1、グルカゴン、ガストリン、GI
P、PYY、NPY、及びPPをT5培養に、更に2日の培養の間加えた。単独
でテストした時に、因子のほとんどは、観察されたインシュリン陽性細胞の数を
有意には増大させなかった(図示せず)。しかし、DCE、デキサメタゾン、コ
レラトキシン及びEGFのカクテルは、単層上のインシュリン−陽性細胞の数を
有意に増大させた(n=8実験にわたり平均2〜3倍の増大、表1)。加えて、
DCEの存在は、48時間の経過にわたって非粘着性細胞(NAC)集団の出現
を有意に増進させた(図4)。NACは、対照培養(図4A)においてさえ並び
に成長因子処理された培養(図4C、D)において観察されたが、これらの状態
の内で、DCEによって見られる誘導のレベルに至ったものは無かった。示した
例では、HGF及びTGFβ1を、単層に与える影響についてテストした。HG
Fは、胎児島の成長を刺激するのが示され(Otonkoski等、1994)
、TGFβ1は、インビトロ膵培養において内分泌細胞の出現を抑制するするの
が示された(Sanvito等、1994)。本発明者等のシステムでは、HG
F及びTGFβ1は、培養表現型又はNAC産生に対してほんのわずかな影響を
有していただけであった。
【0144】 NACは、全面単層培養において自然発生的に出現する。NACの出現の数及
び速度の両方が、DCEカクテルを加えることによって有意に増大される(しば
しば>8倍)(図4B)。これらの細胞は、特徴的に相が明るく、高い粒状度を
有する分泌外観を保有し、かつ通常サイズが20〜50μmの範囲である(図4
挿入部)。真のNACは、単層の表面において自由に動き回る大きな丸い細胞と
して出現するのが最もしばしばである。他の多数は、依然結合され、見かけ上出
現の進行中であるのがしばしばである。NACの増大は、DCE添加後24時間
までに見られることができるが、48時間で最大になるようである。DCEを培
養中に反復して与えると、NAC形成の逐次波を生じるが、数は逐次に小さくな
る(図示せず)。
【0145】 DCEは、以前に、一次精製された膵臓上皮集落の生育と機能を促進すること
が示された(Githens等、1987, 1989)が、NACS又は内分泌細胞型は報告され
なかった。おそらく、DCEの効果は、間接的であり;我々の混合細胞培養系の
間質成分において働いてベータその他の小島細胞型の分化を誘導する。続く我々
の培養における試験は、デキサメタゾンもEGFも単独では、NAC生成に対し
て対照と比較して有意の効果を有しないが、活性の大部分は、コレラ毒素のcA
MP上昇効果と関係しているということを示した。事実、多くのcAMPアゴニ
ストも、この効果を有した(データは示してない;他所で説明)。デキサメタゾン
とEGFの存在は、CTの効果を増大させるらしかった。NAC集団内のこれら
の細胞の大きさと顆粒状態は、著しく変化したが、生きた状態での染料染色は、
NACの99%より多くが生存可能であることを示した。
【0146】 DCEに応答性の導管の数に関して、DCE処理したウェル(n>10実験、
ウェル当たり単一の導管)の95%より多くが、対照用のウェルを超えるNAC
の少なくとも2倍増を生じた。正常の培養における各処理したウェル(ウェル当
たり8〜16導管)は、DCEにおいて(n=9実験)48時間後に、3,000
〜18,000NACを生じ、平均収率は、約7000/ウェルか又は約1×1
5NAC細胞/調製物であった。BrdU取り込み実験は、DCEの効果の1
つが細胞分裂を刺激することであることを示した。48時間の最後でのパルス標
識は、DCE処理単層において、対照より4倍多いBrdU陽性細胞を示し、こ
れは、長期間続く増殖刺激を示している(示さない)。DCE添加の開始時にパル
ス標識した場合には、48時間で回収したNACの10%がBrdU陽性であり
、これは、これらの細胞がDCE応答性の循環細胞から得られることを示してい
る。DCEは、単純に細胞接着の喪失を刺激するのではないらしい。
【0147】NACにおけるホルモンの発現 単層の分析は、FBS培養における細胞の約0.02%がインシュリンを発現
し、DCEの添加がその数を2〜3倍に増加させて平均59±52(5〜196
の範囲)/ウェルのインシュリン陽性細胞を与えることを示した。単層の分析に
加えて、NACを、インシュリン及び他の内分泌マーカーの発現について分析し
た。NACは、培養液中に自由に浮遊しているので、それらを、外観が最大にな
ったときに、DCE添加の48時間後に吸引により集めた。小島の4つの内分泌
細胞の型のすべてを、この集団において、免疫細胞化学的に検出することができ
た。図5は、NACのインシュリン、PDX−1、グルカゴン、ソマトスタチン
及び膵臓ポリペプチドについての免疫染色を示している。図5Aに示したように
、インシュリンの標識は、一貫して明るい約4〜5%の細胞を有する蛍光強度の
連続体(範囲2.5〜13%、n=6測定)を示し、陽性細胞の大部分(全細胞集
団の30〜40%以上)は、低レベルの免疫蛍光を示している(A、C)が、これ
らは、バックグラウンド(B)よりは依然高かった。この低インシュリン発現細胞
の数は、FACS分析により確認した(データは、他所に記載)。PDX−1、グ
ルカゴン、ソマトスタチン及び膵臓ポリペプチドを発現する細胞も又、この集団
中に存在し(それぞれ、D、E、F及びG)、グルカゴン陽性細胞が次に最も高頻
度(6%)であり、その次がソマトスタチン(3%)であり、そして膵臓ポリペプチ
ド陽性細胞(2%)が最も希であった。従って、NAC集団は、小島の内分泌細胞
型の全セットの培養単層からの富化を構成している。
【0148】転写のプロフィル NAC集団中のインシュリンを発現する細胞の数の更なる測定として、我々は
又、半定量的単一細胞PCR(Brady等、Dulac及びAxel, 1995)をも行って、イン
シュリンのmRNAをランダムに選択した個々のNAC細胞中で検出した。図6
は、分析した細胞40の内の15即ち>35%がインシュリンmRNAを含んで
いたことを示している。パネルAは、cDNAが各単一細胞試料から増幅された
ことを示している。パネルBは、インシュリンメッセージの強度が陽性細胞間で
変化したことを示している。このシグナル強度の変化は、免疫細胞化学により観
察されたものと似ており、ハイブリダイゼーション分析によっても認められて確
認された(データは示さない)。40の選択した細胞の内の2つが、グルカゴンメ
ッセージを含んでいた(パネルC)が、それらの1つはインシュリンとPDX−1
のメッセージをも含んでいた。パネルDは、分析した細胞の80%より多くの細
胞(35/50)がPDX−1のメッセージを含んでいたことを示している。イン
シュリン陽性細胞の内の1つだけがPDX1を発現しなかったが、PDX−1陽
性であって検出可能なインシュリン又はグルカゴンメッセージを有しない多くの
細胞があった。インシュリン及びグルカゴン細胞の絶対的及び相対的数は、免疫
細胞化学により観察されたものとよく一致し、インシュリンの場合はフロー分析
ともよく一致する。興味深いことには、これらの3つのマーカーの何れをも発現
しない幾つかのNAC細胞があった。これらの細胞の正体は、現在不明である。
リボソームコンポーネントS6(RPS6)に対する標識されたプローブを用いる
40のcDNAのアレイハイブリダイゼーションは、すべての試料におけるその
存在を示した(示さない)。転写のプロフィルは、多くのNACがPDX−1を発
現すること、これらの細胞の約40%がインシュリンのmRNAとタンパク質の
両方で陽性であること(たとえ、レベルが変動しても)、及びNACの大部分がベ
ータ細胞の表現型を有するらしいという免疫細胞化学の結果を確認した。加えて
、PDX−1陽性であるがインシュリン陰性の有意の細胞画分があり、これは、
前駆細胞状態を示しているのであろう。単層細胞のSC−PCRは、23/23
のアクチン陽性、0/23のインシュリン陽性細胞を示し(示さない)、これは、
NAC集団中に内分泌表現型が比較的豊富であることを示している。
【0149】インシュリン含有量及びグルコース刺激によるインシュリン分泌 機能的ベータ細胞の顕著な特徴は、上昇したグルコースレベルに応答してイン
シュリンを分泌するそれらの能力である。機能的ベータ細胞が管培養物中にある
かどうかを測定するために、我々は、静的インシュリン放出アッセイを単層とN
AC集団の両方について行って、それらのグルコース変化に対する応答を測定し
た。我々は又、培養によるインシュリン発現の相対的増加を測定するために全イ
ンシュリン含有量をRIAにより測定した。図7は、時間ゼロの単離された導管
、DCE培養された単層、及び収穫されたNACにおけるグルコースにより誘導
されたインシュリン放出を示している。このNAC集団は、上昇したグルコース
に応答して分泌されるインシュリンの3倍増を示した。対照的に、単層に含まれ
る細胞は、僅かのグルコース応答しか示さず、高又は低グルコース条件に何れに
おいても遙かに少量のインシュリンを分泌した。時刻ゼロでの導管(n=3)の分
析は、グルコース刺激されたインシュリンの分泌を示さず、これらの導管の酸−
エタノール抽出は、RIAの感度(約100pg/ml)のレベル内で検出可能な
インシュリンを示さなかった。全インシュリンの抽出は、単層上の50,000
細胞当たり1.34ngの、及び50,000NAC細胞当たり25.0ngの
インシュリン含有量を示した。比較において、約1000細胞の正常なラットの
小島は、典型的には、約20ngのインシュリンを含有している(データは示さ
ない)。その上、DCEに24、48又は72時間さらされた培養物から回収し
たNACを比較した場合には、48時間培養物からのNACだけが信頼できるグ
ルコース刺激によるインシュリン応答を示した。従って、このデータは、導管培
養中に生成されたインシュリン量の大幅な増大及びそのインシュリンがグルコー
スに応答して生産的に放出され得ることを示しており、これは、機能的ベータ細
胞の存在を示している。現在の研究は、増大した細胞数、インシュリンの含有量
及び/又は機能へと導く変数の更なる理解に焦点を集中している。
【0150】グルコース刺激による可逆的なカルシウム流の実証 扱うべき鍵となる問題は、どれだけ多くの培養物中に生成されたインシュリン
含有細胞が機能的グルコース応答を有するかということである。これを測定する
1つの方法は、グルコース投与に応答して中へ向かうカルシウム流を生成するこ
とのできる細胞の数を測定することである。インシュリン分泌は、グルコース代
謝にリンクして中へ向かうカルシウム流により媒介されることが知られている(K
alkhoff及びSiegesmund, 1981, Wang及びMcDaniel, 1990)。培養物内の機能的ベ
ータ細胞の存在及び数を評価するために、我々は、グルコースに応答しての細胞
質ゾル流入を、カルシウム依存性蛍光染料Fluo−3を用いて測定した。NA
Cを用いる典型的実験(n>10)の結果を、図8に示す。この例において、試料
細胞の33%が、上昇したグルコースに応答してのカルシウム流誘導の強い振幅
及び速度論を示した。単層に未だ付着している細胞の測定は、細胞内カルシウム
のグルコース誘導された変化を検出できなかった。
【0151】 我々が我々の導管培養物由来のベータ細胞において観察したグルコース誘導さ
れるカルシウム流の振幅及び速度論は、小島由来のベータ細胞についての文献に
記載されたもの(Asada等、1998;Schuit, 1996)と似ている。グルコース誘導さ
れるカルシウム流の振幅及び速度論の細胞間の変動は、ベータ細胞の生理の不均
一性の証拠と解釈されてきた。分離されて研究された単一ベータ細胞は、無傷の
小島と比較して変化したインシュリン分泌速度及びグルコース感度を有すること
(Halban等、1982;Bosco等、1989)、及び個々のベータ細胞は、著しく異なるイ
ンシュリン合成速度を有すること(Moitoso de Vargas等、1997)が示されてきて
おり、これらのすべては、我々の培養において認められる。このカルシウム流の
振幅の変動も又、Fluo−3染料充填における差異によって説明することがで
きよう。
【0152】 この特徴的なカルシウム流のプロフィルは、2−デオキシグルコース、代謝さ
れないグルコース類似体によっては誘導されなかった(Niki等、1974, 1993;Mal
aisse, 1979)。それは、ジアゾキシド、SURリンクしたカリウムチャンネルの
高親和性のインヒビターによって完全に阻止され(Thomas等、1996)[カルシウム
誘導されるインシュリン分泌に必要(Henquin等、1982;Trube等、1986)]、それ
は又、EGTAによっても阻止された(Wollheim及びSharp 1981;Wang及びMcDan
iel, 1990)[該剤は、細胞外カルシウムを封鎖する(示さない)]。しかしながら、
それは、トルブタミド、SURリンクしたカリウムチャンネルの高親和性のアク
チベーターにより活性化することができた[該剤は、糖尿病患者においてインシ
ュリン分泌を特異的に刺激するのに用いられる(Sato等、1999;Melander, 1998)
]。この刺激されたカルシウム流の可逆性は、図8Bに示されている。これらの
実験(n=3)において、10%の細胞が、可逆的にグルコースに応答し、最終的
に、インシュリン分泌促進剤トルブタミドによって刺激され得た。これらの細胞
の55パーセントは、何れの刺激にも応答せず、残りの35%の細胞は、グルコ
ースに応答するがトルブタミドには応答しないか又はトルブタミドに応答するが
グルコースに応答せず、これは、不均一で複雑な集団を示している。我々は、不
均一なインシュリン発現レベルにもかかわらず、NACの10〜40%はグルコ
ースに応答し、従って、機能的ベータ細胞の様に挙動し得たと結論する。
【0153】検討 我々は、ここで、精製した膵管集団から機能的ベータ細胞形成の研究を可能に
するイン・ビトロ培養系を説明する。かかる導管の培養は、インシュリン陽性細
胞の経時的増加及びインシュリン陽性となる導管断片の総数の増加の両方を生じ
た。この後者の結果は、インシュリンを発現することのできる細胞が培養中に活
性化され得ることを示している。これらの結果に加えて、我々は、培養中に出現
する非接着性細胞の関心ある集団の外観を説明するが、その数及び出現は、因子
及び薬剤の添加によって直接調節することができる。
【0154】 これらの我々がNACと呼んでいる非接着性細胞は、大きさ及び顆粒状態及び
マーカー発現が不均一である。免疫細胞化学分析は、4つの小島内分泌マーカー
のすべてがこの集団内で検出され得ることを示している。我々の分析も又、これ
らの細胞が、成体の膵島におけるそれらの比と類似の比で現れることを示してい
る(インシュリンを発現する細胞が一番多く、グルカゴン、ソマトスタチン及び
膵臓ポリペプチドが続く)。それらのヒトの病気に関係するために、これらのイ
ンシュリン発現細胞の数及び機能を評価することは、我々の主要な焦点であった
【0155】 手摘みの導管材料は、培養開始時点では、非常に僅かのインシュリン陽性細胞
を含んでいた。培養の開始時点と終了時点でのインシュリン陽性細胞の数の分析
は、主として新しい非接着性細胞集団における500倍の増加を示した。培養の
初期に認められたインシュリン陽性細胞はBrdUを取り込んだので、我々は、
観察されたベータ様細胞の大部分がこの導管内の拡大する前駆細胞から生じたと
いうことを提議する。
【0156】 インシュリン発現及びNAC形成のDCE刺激の機構は、未知である。その成
分の1つのデキサメタゾンは、胎児性小島の分化の刺激(Korsgren等、1993)、膵
臓腫瘍細胞の増殖の刺激(Brons等、1984)及び外分泌マーカー発現のアップレギ
ュレーション(Rall等、1977;Van Nest等、1983)を含む膵臓に対する複数の効果
を有することが知られた糖質コルチコイド類似体であるが、驚くべきことに、成
熟マウスの小島ではインシュリン発現を抑制もする(Lambillotte等、1997)。糖
質コルチコイドは又、幾つかの細胞型例えば肝細胞におけるEGFレセプターの
発現をアップレギュレートすることも示されている(Gladhaug等、1989)。EGF
は、胃及び膵臓上皮の重要な有糸分裂促進物質であり、レギュレーターであって
(Meittinen 1997)、事実、培養膵管において上皮様伸出を刺激することが示され
ている(Heimann及びGithens 1991)。細胞内cAMPレベルを上昇させるコレラ
毒素等の薬剤は、上皮細胞の特性を刺激することが示されており(Rindler等、19
79)、EGFと組み合わせたコレラ毒素は、膵管における嚢胞形成及び小島クラ
スターを誘導することが示されている(Heimann及びGithens, 1991;Yuan等、199
6)。興味深いことには、Heimann及びGithens(1991)は、このDCEの組合せを用
いて、腺管上皮を同定して、繊維芽細胞から、コラーゲン又はアガロースに埋め
られたクラスターにおける嚢胞形成の刺激によって精製した。我々の思いのまま
に、DCE中の導管の連続培養も又、単層形成へと導くが、NAC形成を除く。
培養構成の選択(包埋か平板単層か)及び因子添加のタイミングは、これらの分化
に対する責任を負うものであり、これらは現在研究されている。
【0157】 おそらく生成される細胞の初期のそしておそらく未成熟の性質のために、又は
それらの細胞が完全な小島機能のために必要な電気的接触を未だ形成していない
という事実の故に、個々の単層又はNAC細胞内に見出されるホルモン発現のレ
ベルは、成体のベータ細胞におけるよりもずっと低かった。我々のインシュリン
抽出研究は、平均的NAC細胞が匹敵するラットのベータ細胞より20〜50倍
少ないインシュリンを含むことを示した。単に、インシュリンエブライチ(ёb
righti)細胞がグルコース応答を有し且つエディミ(ёdimi)細胞が
一層未成熟な非グルコース応答性のプレベータ細胞に相当するのであろう。それ
にもかかわらず、ずっと大きい細胞集団が、NAC集団において、ランダムに選
択した単層細胞集団よりグルコース刺激によるインシュリン分泌応答を有するこ
とが示され得た。我々の培養系が細胞−細胞接触、完全なホルモン発現及び完全
なベータ細胞の成熟を刺激するために必要な栄養作用を逸しているということは
、ありそうなことである。多くの因子が、胎児のベータ細胞のインシュリン発現
を増大させ且つインシュリン分泌を促進することが示され(Otonkoski等、1993,
1994;Huotari等、1998;Sorenson及びBrelje, 1997)、これらは、現在、我々の
系で試験している。
【0158】 我々がここで記載する系は、今までイン・ビボでしか記載されなかった再生及
び新生の事象のイン・ビトロでの研究を初めて可能にするものである。我々は、
この系を操作して細胞の正体の範囲を与えることができること、インシュリン陽
性細胞の有意の増加を得ることができること及びこの細胞集団内にベータ細胞様
機能を検出することができるということを示す。我々の研究は、イン・ビボ操作
によって膵管系に帰せられた多くの再生及び幹細胞活性がイン・ビトロ培養によ
って再現され得るということを示す。この系は、今や、これらの活性の原因の細
胞の系統的研究並びにそれらの数、ホルモン含有量及び機能に影響を及ぼす因子
の同定を可能にする。加えて、この系は、インシュリン依存型糖尿病の治療のた
めの治療経路としての、天然の、細胞処理しない方法によって、機能的ベータ細
胞を造る制御され且つ限定された方法のゴールを達成することに向けられた最初
のステップを構成する。
【0159】 実施例2:膵臓細胞前駆細胞分化の誘導 単層をEGF(10ng/ml)又はTGF−β(10ng/ml)の存在下で生
育させて、生育を増進させることができる。分化の誘導は、cAMPに依存して
いると考えられている。細胞内cAMPレベルの増加を誘導する薬剤は、分化を
誘導すると予想されている。
【0160】 カクテルDCE(1μM デキサメタゾン、100ng/ml コレラ毒素、
10ng/ml EGF)は、培養導管単層におけるインシュリン陽性細胞の数
の増加を誘導する。図9は、DCE+5%FCSで処理した単層と5%FCSだ
けで処理した単層との比較を示している。導管を5日間培養してから、更に48
時間にわたって処理した。DCE処理に応答して培養中のインシュリン陽性細胞
の総細胞数が約5倍増加しているということに注意されたい。培養中の総細胞数
も又、約20%増加している。バーは、四連のウェルの平均値を表している。
【0161】 デキサメタゾン、コレラ毒素、フォルスコリン、ジブチルcAMP及びNa−
ブチレートは、すべて試験して分化を誘導することが見出された。図10は、フ
ォルスコリン、ジブチルcAMP及びNa−ブチレートが、浮遊前駆細胞の出現
の誘導において、DCEの代用となり得ることを示している。簡単にいえば、腺
管断片の単層が、5日間の培養の後に、cAMPアゴニストのフォルスコリン及
びジブチリルcAMP並びに胎児小島分化剤のナトリウムブチレートによって誘
導された。低濃度及び高濃度の各因子を導管単層に加えた。48時間後に、生成
したNACを集めて計数した。処理をx軸上に示し、浮遊前駆細胞の数をy軸上
に示してある。各バーは、二連のウェルの合計である。
【0162】 我々は、セクレチンが単層の分化及び膵臓前駆細胞上での出現を誘導すること
ができることも観察した。図11において、培養の5日後にセクレチンを単層に
1〜100nMの投与量で加えた。浮遊前駆細胞数を、処理の48時間後に測定
した。各バーは、1.9cm2の2つのウェルの合計を表している。
【0163】 図12で用いている導管培養物を、上記のように培養した。セクレチン投与量
を変えて、48時間後に、単層上のインシュリン陽性細胞の数と浮遊前駆細胞の
総数を計数して評価した。インシュリンの評価は、免疫細胞化学により行った。
投与量依存性の浮遊前駆細胞数の増加があるということに注意されたい。単層中
のインシュリン陽性細胞数もセクレチン投与量と共に増加し、投与量50nmで
のインシュリン陽性細胞の見かけの減少は、異常である。各点は、二連のウェル
の平均値を表している。左側のy軸は、得られた浮遊前駆細胞の総数を示し、右
側のy軸は、ウェル当たりのインシュリン陽性細胞の数を示している。セクレチ
ン投与量をx軸に示してある。
【0164】 図13は、血管作動性小腸ペプチド(VIP)も、浮遊前駆細胞の出現を誘導す
ることにより導管単層を分化させることを示している。培養において、5日後に
、VIPをこれらの培養物に加え、誘導された浮遊前駆細胞数を、処理の48時
間後に測定した。C=対照であり、これは、5%FCSである。この実験におけ
る最適投薬量は、50ng/mlのVIPであり、これは、浮遊前駆細胞数の対
照の3倍を超える増加を誘導した。y軸は、かかる細胞の数(×100)を示して
いる。各バーは、2つのプールしたウェルの合計である。
【0165】 我々は又、インシュリンの存在がセクレチン誘導される分化を減少させること
をも観察した。図14参照。浮遊前駆細胞が、セクレチン(100nM)により誘
導された。インシュリン(10ng/ml)とセクレチンの同時添加は、浮遊前駆
細胞の全体としての誘導を減少させた。各バーは、2つのプールした二連のウェ
ルの合計を表しており、その数をy軸に細胞数(×100)として表してある。
【0166】 実施例3:レクチン細胞表面マーカーを用いる膵臓前駆細胞の分離 我々は又、膵臓細胞前駆細胞を分離/精製するために利用することのできる細
胞型特異的マーカーの同定、又はかかる前駆細胞を生じさせる膵臓/腺管上皮の
同定をも企てる。我々が試験した様々な候補の試薬の内で、我々は、ある種のレ
クチンが、最終的に膵臓細胞前駆細胞を生成することのできる導管上皮細胞に優
先的に結合し、それ故、その分離を容易にするということを発見した。
【0167】 Arachis hypogaea(南京豆凝集素、PNA)は、細胞表面の特異的な炭水化物基
に結合する植物レクチンである。PNAは、ガラクトシル(β−1,3)N−アセ
チルガラクトサミンに結合する。それは、最初、べータ細胞マーカーとして研究
用に選択された(Heald KA, Hail CA, Hurst RP, Kane N, Downing R, Diabetes Res 1991 May;17(1):1-6, Separation of beta-cells from dispersed porcine
pancreas by selective lectin binding参照)が、我々の思いのままに、PNA
は、ラットの小島細胞を標識せず、導管上皮細胞を標識した。
【0168】 PNA(Arachis hypogaea,南京豆凝集素)を、Vector Laboratoriesから入手し
て[FITC結合体(カタログ番号FL−1071)]、1:250〜500希釈で
用いた。
【0169】 成人の膵臓のパラフィン切片を、Carolina Biological Supplyから入手した。
【0170】 組織化学のプロトコール: 成人の膵臓、成体ラットの膵臓、胎児ラットの膵
臓のパラフィン切片又は成体マウスの膵臓の冷凍切片を用いた。別法として、時
間0の導管又は2週齢のラットの膵臓からの培養導管調製物をパラホルムアルデ
ヒド固定を用いて又は用いないで試験した。PNA−FITCを、通常、PBS
又はDMEM/HEPES培地中での1:250希釈で用い、4℃で、1時間〜
一晩にわたってインキュベートしてから洗浄して、DAPIを含むVectaS
hieldマウンティング媒質の下でマウントした。前固定なしで染色した細胞
を、マウティング媒質の添加前に後固定した。
【0171】 FACSのプロトコール: PNA−FITCを、無菌の洗浄緩衝液(1%F
BSを含み、Ca++Mg++を含まないPBS)中で1:250に希釈した。
分散させた生細胞(約2×106細胞)を遠心で沈めて、100μlのレクチン中
に再懸濁し、4℃で30〜45分間インキュベートした。次いで、細胞を、無菌
洗浄緩衝液で2回洗い、5%FBS、ペニシリン/ストレプトマイシン、1mM
グルタミンを含む2mlのIscovei改変DMEMに再懸濁して、FACS
Vantageで流すまで氷上に保持した。標準的FACS手順を用いた。
【0172】 FACSでソートした細胞を、管内に集めて、完全Iscoveis培地(上
記参照)を含むマルチウェル培養プレートに直接送達した。播種時の細胞密度、
表面基質及び培養時間は、変化させた。幾つかの培養物を、FACSにより再分
析し、幾つかを、組織化学により分析した。 PNAを用いて、我々は、下記の観察を行った: (i)上皮細胞のマーカーとしてのPNA。PNAは、膵管中の上皮細胞の単層を
示す。それは、ブタの小島においてベータ細胞を示すという文献の報告と対照的
に、ラットでは島細胞を示さない。それは、血管又は間質細胞を免疫組織化学に
よって示さない。PNAは、成体動物における膵管上皮細胞並びに胚発生におけ
る上皮性のシートを示す(ラットのステージe15、e16及びe18で)。 (ii)PNAは、細胞表面を標識する。 (iii)PNAは、生きている、未固定の、透過性にされてない細胞を標識する
。 (iv)PNAは、主膵管(総胆管、CBD)を示さない。PNAは、主として、中
位の大きさの小葉間導管及び多くの一層大きい小葉内導管を示す。 (v)PNAは、蛍光活性化セルソーティングに適した試薬である。PNAは、生
存力のある細胞のFACS(Becton Dickinson FACSVantage)によるソーティング
及び回収を可能にし;PNA陽性細胞を直接マルチウェルプレートにソートする
ことができる。我々は、PNA標識をRIN、島細胞、T0導管及び培養導管単
層に適用した。約5〜15%のT0導管調製物は、FACS分析によりPNA陽
性である。このパーセンテージは、培養中(FBS中で4日間)に非常に変化する
ようには見えない。PNA陽性のソートした細胞は、ソートの選択制(液滴当た
りの事象、ソート選択モード等)に依って、再分析時に76〜94+%の純度で
ある。PNA陰性集団は、99+%陰性である。 (vi)PNAソートした細胞は、有利な生育特性を有する。細胞は、生存力を有
しているが、ソート後には非接着性である。分散した導管細胞は、最短の7日で
基質に接着するようになり生育を開始する。対照的に、完全な単一の導管は、そ
のままであり、24時間後に広がり始める。細胞の生存力は、培養添加物のない
場合には、プレート密度に依存する。細胞の未ソート集団は、容易に増殖し;P
NA陽性ソートは、最も遅い。この含意は、PNA陽性細胞以外の他の細胞型が
健全な伸出を維持するために並びにある種の細胞特性(下記)に必要であるという
ことである。培養中のPNA陽性細胞は、PNA陽性のままでいない(PNA−
FITCで再染色される)。
【0173】 立方内皮様細胞の別の集団が、著しいが;一層平たく、一層大きく、一層繊維
芽細胞的な細胞も存在する。前者は、DiI結合したアセチル化LDLの取り込
み、内皮細胞の特徴を示すが、一層大きい一層平たい細胞は示さない。
【0174】 未ソートで且つPNA陰性の集団は、非常に混ざった表現型と形態の培養物に
生育する。これらの培養物中の非常に少しのパーセンテージの細胞が、diI−
Ac−LDL−陽性(即ち、内皮様)である。
【0175】 培養中のPNA陽性細胞は、インシュリン陽性又はPDX−1陽性でない。混
合予備ソート集団中の多くの細胞は、これらのベータ細胞のマーカーの両方につ
いて陽性である。概して、強いPDX陽性細胞は、PNAは弱いか又は陰性であ
る。強くPNA陽性の細胞は、PDX陽性でない。これは、一の細胞型から他へ
進むことを示唆している。
【0176】 PNA陰性細胞培養中の少数の細胞は、インシュリン及びPDX−1について
陽性である。これは、多分、PNA陽性の前駆細胞の小さいキャリーオーバーか
ら、少数のPDX+細胞(PNA陰性であった)が回収されたこと又は他の細胞型
の存在がPDX−1発現を活性化したことを示唆している。
【0177】 PDX−1発現は、これらの培養導管調製物において、インシュリン発現より
ずっと高い(一層多く且つ相対的に一層明るい)。PDX−1タンパク質はインシ
ュリン発現のレギュレーターであるので、この発見は、PDX−1陽性からイン
シュリン陽性への進行をも示唆している。
【0178】 グルカゴン陽性細胞は、PYY陽性細胞に数で勝っているが、もっとも、両方
とも全ソート画分中では希な細胞である。以前の仕事は、PYY陽性細胞がグル
カゴン細胞に先行することを示しており;従って、これらの結果は、前駆細胞が
既にこの時点を超えて進行していたことを示唆する。
【0179】 これらの発見に基づいて、我々は、PNAの膵管上皮細胞を選択的に検出する
能力は、島の前駆細胞型を含む細胞集団の回収を可能にし得るということを結論
する。これらの細胞は、それら自体では、生存して分化するには不十分なようで
あり;即ち、他の細胞又は因子が、増殖及び分化を増強することができる。それ
にもかかわらず、PNA選択は、組換え実験を実施して膵島の成長に必要な成分
を同定することを可能にする大きなステップに相当する。
【0180】 図15〜17は、PNA染色に基づいたソート後、2週間培養した細胞の表現
型を説明している。 図18及び19は、成体及び胎児の膵臓におけるPNAの特異性を説明してい
る。 図30及び31は、他のレクチンの成体ラット膵臓への結合を説明している。 図32〜39は、レクチンの成人の膵臓への結合の特異性を説明している。
【0181】 実施例4:膵臓細胞前駆細胞の遺伝子型の同定 膵臓細胞前駆細胞を分離するための我々の技術を改良するために、我々は、膵
臓べータ細胞又はその前駆細胞の正体を、その遺伝子発現プロフィルにより、決
定するためのプロトコールをデザインした。一般に、この方法は、単一細胞cD
NA増幅を遺伝子発現分析に適用する。かかる様式で、発生の特定のステージの
細胞についての遺伝子発現「フィンガープリント」を、アレイにしたハイブリダ
イゼーションにより得ることができる。
【0182】 簡単にいえば、単一細胞を例えば膵臓組織から分離し、各細胞からのcDNA
を、Brail等(1999)Mutat Res 406:45-54により開発された単一細胞PCRにより
増幅し、P32で標識する。次いで、これらのcDNAを特定のメッセージ例えば
インシュリン及びPDX1の存在につき選択する。
【0183】 公知の膵臓マーカーのcDNAをPCRにより生成し、ナイロン膜上に並べる
。その結果生成したアレイを用いて、標識した単一細胞cDNAとハイブリダイ
ズさせる。このアレイのオートラジオグラフイメージを用いて、個々の細胞の遺
伝子発現プロフィルを限定し、同定することができる。
【0184】 図20〜29は、このプロトコールを更に説明している。図20は、典型的な
単一細胞mRNAPCR増幅反応の結果を示している。図21は、膵臓の発生中
の遺伝子発現の変化を説明している(主題の方法により測定)。図22は、ベータ
細胞及びその前駆細胞を検出するためのマーカーのアレイの一具体例を説明して
いる。
【0185】 図23は、成体及び胎児の膵臓組織及び心臓における遺伝子発現の概要を描く
典型的なオートラジオグラフを示している。図24は、遺伝子発現の定量的分析
が、細胞の遺伝子発現プロフィルの測定の部分として、如何に行われ得るのかを
示している。同様に、図25は、胎児の膵臓組織の種々のステージにおける及び
種々の刺激の後での遺伝子発現の概要を描くオートラジオグラフを示しており;
図26は、オートラジオグラフの定量的分析を説明している。
【0186】 図27は、上記の例で記載したいわゆる浮遊前駆細胞における遺伝子発現の概
要を描くオートラジオグラフを示しており;図28は、図27のオートラジオグ
ラフの定量的分析を説明している。我々は、主題の方法を用いて、我々の膵臓細
胞前駆細胞が、最初に分離した時点で、PNA+で且つPDX1-であることを示
した。これらの細胞がインシュリン分泌細胞(インシュリン+)に分化するにつれ
て、それらは、PNA+でPDX1+になる。一層初期の前駆細胞は、PNA+
PDX1-に加えて、インシュリン-、PYY-、グルカゴン-且つサイトケラチン + である。
【0187】 図29は、成体小島と膵臓発生中のある種の遺伝子の発現の相対的レベルを示
している。
【0188】 実施例5:膵管由来の培養物から移植された細胞は、一時的に、糖尿病状態を救
済する。 SCID/icrlマウスを、Taconicから得た。マウスの平均体重は、25
gであった。ストレプトゾトシン(STZ)をSigma社から購入して、20mMの
クエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)中の30mg/ml溶液とした。各動物
にSTZを200mg/kgの投与量で与え、注射後の3日目の朝の空腹時血糖
の前では食餌を自由に摂らせた(前日の夕方に餌を片付けた)。糖尿病の動物は、
200mg/dlを超える血中グルコースを有することが見出されたものであっ
た(平均は、300mg/dlの付近に集まった)。次いで、1日当たり1.2U
のブタのインシュリンを7日間放出するインシュリンペレット(Innovative Rese
arch of America)を、套管針により肩甲骨の上に皮下移植した。糖尿病状態から
の回復(血中グルコース=100mg/dl)をモニターした後で、膵管培養物に
由来する細胞又は単離した成体膵臓を、標準的外科手順を用いて副腎の下に移植
した。500,000又は106の細胞(導管培養物の非接着性細胞(NAC)画分
)をマウスに移植した。偽薬、小島及びインシュリンペレットのみのグループ内
のすべての手術したマウスは生存した。6/7の細胞移植されたマウスは、移植
後48〜72時間で死亡した。すべてのグループについて、空腹時血糖を、尾か
らの採血により、標準的間隔で測定した。
【0189】 図40に示したように、分化した膵管単層の非接着性部分に由来する機能的ベ
ータ細胞を含む不均一集団を、ストレプトゾトシン(STZ)処理した糖尿病マウ
スに移植した。STZを注射されたSCIDマウスは、48時間以内に糖尿病的
になった。次いで、インシュリン含有ペレットを皮下に移植して血中グルコース
を安定させて、細胞移植のための一層安定な環境を造った。このインシュリンペ
レットは、移植の7日後に、T=11日(T11)で終了するようにデザインされ
た。ペレット移植の48時間以内に、これらの動物の空腹時血糖は、280〜3
80mg/dlの血中グルコースから50mg/dl未満まで低下した。試験グ
ループにおいては、次いで、陽性対照としての細胞又は成体小島を副腎下に移植
した。1週間後(T13)に、空腹時血糖を測定し、16、21及び28日目にも
測定した。黒い正方形は、偽薬のグループ(n=5マウス)を表し、予想されるよ
うに、インシュリンの非存在下で、血中グルコースは、時間をかけて300mg
/dlより上までゆっくり上昇した。インシュリンペレットだけを移植されて細
胞移植物を移植されなかった動物(n=5)も又、予想されたように挙動し、一時
的救済に続いて、インシュリン放出用の錠剤が終了した後に糖尿病のリバウンド
が生じている(赤い菱形)。小島を受容した動物(青い三角形、n=5、400小
島/動物)は、完全な長期間の救済を示し、空腹時血中グルコースは、約100
mg/dlに維持された。導管由来の細胞を受容した単一の生存動物(緑の円、
n=1(7の内の))は、糖尿病状態の一時的な救済を示した。この単一の動物は
、4〜5日の>150mg/dlの血中グルコースの低下を示した後、移植前の
血中グルコースレベルに戻った。
【0190】 上記の参考文献及び刊行物のすべてを、参考として、本明細書中に援用する。
【0191】 同等物 当業者は、ここに記載したこの発明の特定の具体例に対する多くの同等物を認
識し、日常的実験を用いて確認することができるであろう。かかる同等物は、請
求の範囲に包含されるものである。
【0192】 表1:導管培養物の免疫染色 単離した導管におけるマーカー発現及び導管培養物におけるインシュリン。導管
断片当たりの平均細胞数は、3450±1860(n=10)であり、間充織/間
質細胞に囲まれた上皮細胞の単層を含んだ。全ての分離した導管(n=60〜9
0)上の陽性免疫染色は、次の通りであった:インシュリン7/90導管、32
陽性細胞;PDX−1 4/75導管、15陽性細胞;PYY 5/60導管、
31細胞;アミラーゼ10/69導管、49細胞。PDX−1、PYY、アミラ
ーゼについての分離n=2;インシュリンについての分離n=4。NACの収量
は、80,000〜130,000細胞/調製物に及び;最大値は、観察された
細胞密度に基づく理論的最大値は300,000細胞/調製物(10,000N
AC/cm2)であるが、160,000であった。
【表1】
【0193】 表2:導管培養物におけるPDX−1、PYY及びアミラーゼの免疫染色 培養物中のインシュリン陽性細胞の96〜100%は、PDX−1陽性細胞でも
あった。加えて、PDX−1陽性、インシュリン陰性細胞は、培養のすべての状
態で出現しているが;DCE活性化単層においては、これらの細胞数が増加し(
20〜50%多い)、一層多くの細胞質PDX−1細胞がある。単層中のPYY
の見かけの変化は、殆ど又は全くないが、PYYは、現れつつあるNACに存在
するようである。
【表2】
【0194】
【図面の簡単な説明】
【図1】 膵管の分離。この略画は、研究下の管を得た方法を説明している。2〜3週齢
のラット由来の膵臓組織をコラゲナーゼ溶液中で分離し、腺管物質を手摘みによ
り得た。清浄な管をプラスチック上の培地中に置いた。3〜5日以内に、単層が
得られ、それから、誘導培地にさらした際にNACが生成された。様々なステー
ジの管の分離及び純度を示す一連の写真をこの略画の下に示す。第1のパネルは
、第一次の消化を示し、第2のパネルは、第一回目の手摘みの結果を示している
。未だ外分泌組織を含むものがあることに注意されたい。第二回の選択後に、こ
れらの管は、小島及び外分泌組織の両方を有していない。
【図2】 膵管の培養及びインシュリン染色。描かれているのは、単一の管の培養におけ
る時間0のプレーティング(T0)から5日目(T5)までの時系列である。上段の
パネルは、インシュリンについてCy3標識した免疫細胞化学染色の例を示して
おり、下段のパネルは、結合した明視野及び蛍光イメージを示している。T0に
おいては、インシュリン発現細胞はない。培養の24時間以内に、この管は、広
がり且つ崩壊し始め、細胞は、周辺に向かって移動する。細胞の増殖は、主とし
て、間充織細胞の外へ成長する単層中に存在するが、腺管上皮細胞も又、Brd
Uを取り込む(データは示してない)。インシュリン陽性細胞は、培養期間にわた
ってこの管から自発的に現れたが、それらの全体的複製速度は遅い(データは示
してない)。T5によれば、幾つかの単層は、インシュリン陽性細胞のかなり大
きな集落を含み;典型的には、それらは、20細胞以下を含んだ。
【図3】 この管の単層は、複数の前駆細胞マーカーを発現する。単層を、インシュリン
(A)及びアミラーゼ(B)の両者について染色した。パネルCは、幾つかの細胞が
インシュリンとアミラーゼの両方を発現することを示す混合物である。2つの形
態的に異なる細胞型(粘着性で平らなものと、半接着性で丸い細胞)が存在してい
る。矢印は、インシュリンとアミラーゼの両方を同時発現することのできる丸い
半接着性細胞を示している。パネルD及びEは、それぞれ、グルカゴンとPYY
についての染色を示しており、パネルFは、グルカゴン明細胞の一つがPYYを
も発現することを示す混合物である。パネルGは、核PDX−1(Cy3)と細胞
質インシュリン(FITC)染色の混合物を示している。矢印は、PDX−1を発
現するがインシュリンを発現しない細胞(又は、その逆)を示している。
【図4】 因子の添加は、非接着性細胞(NAC)型の出現に影響を及ぼす。様々な因子で
処理した培養物のホフマン調節コントラスト写真を撮った。培養物を、5%FB
S中で、集密単層が得られるまで5日間生育させ;次いで、更なる48時間にわ
たって因子を加えて、これらの培養物の写真を撮った。NACは、すべての条件
下で認められた。パネルAは、FBS中で生育させた対照用培養物を示しており
;パネルBは、DCE(1μMデキサメタゾン、100ng/mlコレラ毒素、
10ng/mlEGF)で処理した培養物を示し;パネルCは、HGF(10ng
/ml)で処理した培養物を示し、そしてパネルDは、TGFβ1(10ng/m
l)で処理した培養物を示している。パネルA中の矢印1は、接着性の集密単層
を示し、矢印2は、一対の丸い緩く接着し又は接着しない細胞を指している。H
GF及びTGFβ1処理した培養物も又、半接着細胞及び非接着細胞を含んだ。
しかしながら、薬理学的カクテルDCEは、他の試みたすべての条件より、平均
で、少なくとも8倍多くNACを誘導した。BrdUパルス実験は、強力な増殖
及び集密単層をDCE曝露の48時間後でさえも示し、これは、おそらく、単純
な細胞接着性の喪失ではなく、非対照性分裂を示している。パネルB中のはめ込
み写真は、NACの形態及び顆粒状態を示している。
【図5】 複数のホルモン含有細胞型が、NAC集団において検出される。NACをDC
E刺激した単層培養物から集めて、内分泌マーカー発現について免疫細胞化学的
に分析した。インシュリン(A、C)、PDX−1(D)、グルカゴン(E)、ソマト
スタチン(F)及び膵臓ポリペプチド(G)を発現する細胞は、すべて、NAC集団
中に存在した。マーカーを、FITC又はCy3免疫蛍光を用いて可視化して、
核をDAPI(C−G)を用いて対比染色した。パネルAは、インシュリン染色の
10倍の倍率の対物鏡視野を示している。異質のシグナル強度が認められた(明
るく染色された一つの細胞及び陰性細胞を伴う薄暗く染色された多くの細胞がこ
こに示されている)。パネルBは、正常な免疫前の血清を用いた染色を示してい
る。A内の薄暗い細胞は、バックグラウンドよりは有意に明るく、観察された明
るい細胞よりずっと少ないインシュリンを尚も含んでいるということに注意され
たい。パネルCは、薄暗い細胞及び陰性細胞を示す他のインシュリン染色(Cy
3)を一層高倍率(20×対物レンズ)で示している。これらの視野の中で、細胞
の約40〜50%の試験結果は、インシュリン陽性である。パネルD、E、F及
びGは、それぞれ、PDX−1、グルカゴン、ソマトスタチン及び膵臓ポリペプ
チド染色を示している(60×対物レンズ)。矢印は、DAPI染色された、ホル
モン陰性の細胞を示している。
【図6】 NACにおけるPDX−1、インシュリン及びグルカゴン発現の単一細胞PC
R(SC−PCR)分析。40の細胞を、NACのランダムな集団から選択して、
方法の節に記載したようにしてcDNA用に処理した。これらのcDNAを、つ
いで、インシュリン(B)、グルカゴン(C)及びPDX−1(D)メッセージについ
て分析した。パネルAは、1.2%アガロースゲル上でのcDNAのエチジウム
ブロミド染色を示している。大部分のcDNA産物は、標的の500〜1000
bpの範囲内に入った。パネルBは、細胞当たりのインシュリンメッセージの量
に変動があり、幾つかの細胞は他のものよりずっと強いシグナルを与えることを
示している。これらの細胞の15/40(37%)の試験結果は、インシュリンm
RNAについて陽性であった。これらの内の一つは、グルカゴンについても陽性
であったが、両メッセージは、インシュリンのみを発現した他の細胞と比較して
相対的に弱かった。パネルCは、これらの細胞の2/40(5%)がグルカゴンメ
ッセージを含んでいたこと(免疫細胞化学データとよく相関する結果)を示してい
る。パネルDは、これらの摘んだ細胞の多くがPDX−1mRNAを含んでいた
ことを示している。細胞の有意の画分がPDX−1mRNAのみを発現しインシ
ュリン又はグルカゴンを発現しないということに注意されたい。
【図7】 培養した管のインシュリン含量及びグルコース応答。新たに分離した管(T=
0)、1週間培養した管(T=7)、及びDCE誘導された管培養物から採集した
NACを、すべて、グルコース刺激インシュリン分泌(GSIS)について試験し
、総インシュリン含量のために抽出もした。時間0の管は、RIAにより検出可
能なインシュリンを含まなかった。対照的に、培養した管は、インシュリン含量
の識別可能な増加を有したが、グルコース応答は示さなかった。この典型的実験
において、分離されたNACは、細胞当たりのレベルに標準化した際に、DCE
処理した単層の18倍高いインシュリン含量を示した。加えて、これらのNAC
は、強い3倍のGSIS応答(生体の小島で認められる生理的範囲の3〜5倍以
内)を示した。ML=単層、n.d.=検出不能。
【図8】 NACにおけるグルコース誘導されたカルシウムの流れ。グルコースは、NA
C集団において、内側へ向かうカルシウムの流れを誘導する。単一細胞における
細胞内カルシウムの変化を、Fluo−3及び共焦点顕微鏡を用いてモニターし
た。A、この典型的実験において(n>10)、この集団の約1/3が、グルコー
ス投与に応答して確固としたカルシウム流入を開始し、58%の細胞は、グルコ
ースに対して応答を示さなかった。各実験において、約6〜10%の細胞が、時
間と共に増大する高い細胞内カルシウム含量を始め;これらは、死につつある細
胞であると判断された。80細胞を、この実験で分析した。B、誘導されたカル
シウムの流れの可逆性を示している。この典型的実験において(n>6)、グルコ
ース刺激によるカルシウムの流れは、クレブス−リンゲルホスフェート(KRP)
溶液を用いて洗い流すことができた。次いで、第2のカルシウム流れを、17m
Mのグルコースの再投与により刺激することができた。グルコースの洗浄とその
後のトルブタミド刺激、SUR結合されたカリウムチャンネルブロッカーも又、
予想通り、カルシウム流れを刺激した。矢印は、投与の時間を示している。12
3細胞のすべてを、この実験で分析した。これらの細胞の7〜13%が、これら
の刺激に応答してカルシウム流れを生じた(赤で表示)が、45〜65%の細胞は
、如何なる刺激に対しても何の応答も示さなかった(青で表示)。残りの35%の
細胞は、コラーゲンに応答して変化する振幅及び速度論を示し、これは、複雑な
集団を示している。
【図9】 DCEによる分化の誘導を示すグラフである。
【図10】 フォルスコリン、ジブチルcAMP及びNa−ブチレートの分化誘導に対する
効果を示すグラフである。
【図11】 セクレチンの浮遊前駆細胞の誘導に対する効果を説明するグラフである。
【図12】 セクレチンの浮遊前駆細胞の誘導に対する効果を説明するグラフである。
【図13】 血管作動性腸管ペプチド(VIP)も又、浮遊前駆細胞の出現を誘導することに
より管単層を分化させることを説明するグラフである。
【図14】 インシュリンが、セクレチン誘導される分化を減少させることを示すグラフで
ある。
【図15】 PNA染色に基づいてソートした後に2週間培養した細胞の表現型を例示する
顕微鏡写真である。
【図16】 PNA染色に基づいて貯蔵した後に2週間培養した細胞の表現型を例示する顕
微鏡写真である。
【図17】 PNA染色に基づいて貯蔵した後に2週間培養した細胞の表現型を例示する顕
微鏡写真である。
【図18】 成体及び胎児の膵臓におけるPNAの特異性を例示する顕微鏡写真である。
【図19】 成体及び胎児の膵臓におけるPNAの特異性を例示する顕微鏡写真である。
【図20】 典型的な単一細胞mRNAPCR増幅反応の結果を示す電気泳動ゲルの写真で
ある。
【図21】 膵臓の発生中の遺伝子発現の変化を説明する表である。
【図22】 べータ細胞及びそれらの前駆細胞を検出するためのマーカーの配列の一具体例
を例示する図表である。
【図23】 成体及び胎児の膵臓組織及び心臓における遺伝子発現の概要を描写するオート
ラジオグラフである。
【図24】 遺伝子発現の定量的分析が、細胞の遺伝子発現の概要の測定の部分として、如
何に行われ得るかを例示するグラフである。
【図25】 異なるステージにおける及び異なる刺激後の、胎児の膵臓組織における遺伝子
発現の概要を描写するオートラジオグラフである。
【図26】 オートラジオグラフの定量的分析を例示するグラフである。
【図27】 いわゆる浮遊前駆細胞における遺伝子発現の概要を描写するオートラジオグラ
フである。
【図28】 図27のオートラジオグラフの定量的分析を例示するグラフである。
【図29】 成体の小島間での、膵臓発生中における、ある遺伝子の発現の相対的レベルを
示す表である。
【図30】 ある種のレクチンの成体ラットの膵臓に対する結合を例示する顕微鏡写真であ
る。
【図31】 ある種のレクチンの成体ラットの膵臓に対する結合を例示する顕微鏡写真であ
る。
【図32】 ある種のレクチンの成人の膵臓に対する結合を例示する顕微鏡写真である。
【図33】 ある種のレクチンの成人の膵臓に対する結合を例示する顕微鏡写真である。
【図34】 ある種のレクチンの成人の膵臓に対する結合を例示する顕微鏡写真である。
【図35】 ある種のレクチンの成人の膵臓に対する結合を例示する顕微鏡写真である。
【図36】 ある種のレクチンの成人の膵臓に対する結合を例示する顕微鏡写真である。
【図37】 ある種のレクチンの成人の膵臓に対する結合を例示する顕微鏡写真である。
【図38】 ある種のレクチンの成人の膵臓に対する結合を例示する顕微鏡写真である。
【図39】 ある種のレクチンの成人の膵臓に対する結合を例示する顕微鏡写真である。
【図40】 膵管由来の培養物に由来する移植された細胞は、一時的に、糖尿病状態を救済
する。分化した膵管単層の非接着性部分に由来する機能的べータ細胞を含む異質
集団を、ストレプトゾトシン(STZ)処理した糖尿病マウスに移植した。STZ
を注射したSCIDマウスは、48時間以内に糖尿病性となった。次いで、イン
シュリン含有ペレットを皮下に移植して、血中グルコースを安定化させて細胞移
植のための一層安定な環境を造った。このインシュリンペレットは、移植の7日
後にT=11日(T11)で放出するようにデザインした。ペレット移植の48時
間以内に、これらの動物の空腹時血中グルコースは、280〜380mg/dl
血中グルコースの範囲から50mg/dl未満に低下した。試験グループにおい
て、次いで、細胞又は成体小島(陽性対照)を、副腎の下に移植した。1週間後に
(T13)、空腹時血中グルコースを測定し、16、21及び28日目に再び測定
した。黒い正方形は、偽薬のグループ(n=5マウス)を表し、予想されるように
、インシュリンの非存在下では、血中グルコースは、時間をかけて300mg/
dlより上までゆっくり上昇した。インシュリンペレットのみを移植されて細胞
移植物を移植されなかった動物(n=5)も又、予想されたように挙動し、一時的
救済に続いて、インシュリン放出用の錠剤が終了した後に糖尿病のリバウンドが
生じている(赤い菱形)。小島を受容した動物(青い三角形、n=5、400小島
/動物)は、完全な長期間の救済を示し、空腹時血中グルコースは、約100m
g/dlに維持された。管由来の細胞を受容した単一の生存動物(緑の円、n=
1(7の内の))は、糖尿病状態の一時的な救済を示した。この単一の動物は、4
〜5日の>150mg/dl血中グルコースの低下を示した後、移植前の血中グ
ルコースレベルに戻った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/10 C12N 5/00 ZNAE (31)優先権主張番号 60/171,338 (32)優先日 平成11年12月21日(1999.12.21) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ケビン パーン アメリカ合衆国 02478 マサチューセッ ツ、ベルモント、ヒル ロード 53 ナン バー710 Fターム(参考) 4B065 AA90X AA93X AC14 AC20 BB19 BC01 BD14 BD25 BD32 CA24 CA44 4C086 AA01 AA02 BA08 DA08 EA18 MA02 MA66 NA14 ZC35 4C087 AA01 AA02 AA03 BB51 MA02 MA66 NA14 ZC35

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PDX1の発現を特徴とし、グルコース応答性のインシュリ
    ン分泌細胞に分化することのできる生存力のある膵臓細胞前駆細胞の実質的に純
    粋な集団。
  2. 【請求項2】 生存力のある膵臓細胞前駆細胞の実質的に純粋な集団を細胞
    性成分として含む細胞性組成物であって、該前駆細胞が培養培地中で増殖及び/
    又は分化し得る当該細胞性組成物。
  3. 【請求項3】 20%未満の決定された細胞系統を有する、請求項2に記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】 前駆細胞が哺乳動物由来である、請求項2に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 哺乳動物がトランスジェニック哺乳動物である、請求項4に
    記載の組成物。
  6. 【請求項6】 哺乳動物が霊長類である、請求項4に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 哺乳動物がヒトである、請求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 哺乳動物がミニブタである、請求項4に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前駆細胞が膵臓細胞系統に分化することができる、請求項2
    に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前駆細胞が、β島細胞、α細胞、δ島細胞、φ島細胞又は
    外分泌細胞に分化することのできる、請求項9に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前駆細胞が、肝細胞核因子(HNF);STF−1、PAX
    遺伝子、PTF−1、hXBP−1、ビリン、チロシン、ヒドロキシラーゼ、イ
    ンシュリン、グルカゴン又はニューロペプチドYの少なくとも1つを発現するこ
    とを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前駆細胞が、PAX−6の発現を特徴とする、請求項11
    に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前駆細胞が、培養中に少なくとも約7日間維持され得る、
    請求項2に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 少なくとも75%の膵管上皮から分離された前駆細胞又は
    その子孫を細胞集団として含む細胞性組成物であって、該前駆細胞が培養培地中
    で自己再生可能な当該細胞性組成物。
  15. 【請求項15】 本質的に、細胞集団としての、生存可能な膵臓細胞前駆細
    胞であって、培養培地中で自己再生でき且つ膵臓細胞系統のメンバーに分化する
    ことができる膵臓細胞前駆細胞よりなる細胞性組成物。
  16. 【請求項16】 前駆細胞が、小葉内細胞から分離される、請求項14に記
    載の組成物。
  17. 【請求項17】 前駆細胞が、IGF、EGF、TGF、FGF、HGF及
    びVEGF又はこれらのオルソロガス若しくはパラロガス因子よりなる群から選
    択する少なくとも一の成長因子に応答する、請求項15に記載の組成物。
  18. 【請求項18】 膵臓細胞前駆細胞を含み、決定された細胞系統が20%未
    満である細胞性組成物であって、該前駆細胞が培養培地中で自己再生可能であり
    且つ膵臓細胞系統へ分化することができる当該細胞性組成物。
  19. 【請求項19】 前駆細胞が、膵臓小島細胞への分化誘導可能である、請求
    項18に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 小島細胞が、膵臓のβ小島細胞である、請求項19に記載
    の組成物。
  21. 【請求項21】 小島細胞が、膵臓のα小島細胞である、請求項19に記載
    の組成物。
  22. 【請求項22】 小島細胞が、膵臓のδ小島細胞である、請求項19に記載
    の組成物。
  23. 【請求項23】 小島細胞が、膵臓のφ小島細胞である、請求項19に記載
    の組成物。
  24. 【請求項24】 前駆細胞が、STF−1及びPAX6の発現により特徴付
    けられる、請求項18に記載の組成物。
  25. 【請求項25】 誘導剤を更に含む、請求項18に記載の組成物。
  26. 【請求項26】 前記の誘導剤を、フォルスコリン、ジブチルcAMP、N
    a−ブチレート、デキサメタゾン及びコレラ毒素よりなる群から選択する、請求
    項25に記載の組成物。
  27. 【請求項27】 請求項2の細胞性組成物を含む医薬組成物。
  28. 【請求項28】 請求項15の細胞性組成物を含む医薬組成物。
  29. 【請求項29】 請求項16の細胞性組成物を含む医薬組成物。
  30. 【請求項30】 請求項18の細胞性組成物を含む医薬組成物。
  31. 【請求項31】 下記を含む前駆細胞を分離する方法: i) 膵管細胞を得; ii) 該膵臓細胞を適当な栄養培地中で培養し; iii)該培養物から前駆細胞の集団を単離する。
  32. 【請求項32】 膵臓の小葉内導管上皮細胞を得ることを含む、請求項31
    に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記の膵管上皮細胞を外植により得又は酵素消化により得
    る、請求項31に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記の膵管細胞を集密になるまで生育させる、請求項31
    に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記の前駆細胞を、機械的分離により分離する、請求項3
    1に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記の培養物を、集密になるまで生育させた後で、非接着
    細胞を分離して、更に薬剤で処理する、請求項34に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記の薬剤が、分化を誘導し且つ該剤を、フォルスコリン
    、ジブチリルcAMP、Na−ブチレート、デキサメタゾン及びコレラ毒素より
    なる群から選択する、請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記の薬剤が、成長因子である、請求項36に記載の方法
  39. 【請求項39】 前記の成長因子を、IGF、TGF、FGF、EGF、H
    GF、ヘッジホッグ及びVEGFよりなる群から選択する、請求項38に記載の
    方法。
  40. 【請求項40】 前記の成長因子を、TGFβスーパーファミリー、BMP
    2及びBMP7よりなる群から選択する、請求項38に記載の方法。
  41. 【請求項41】 本質的に、細胞集団としての、生存可能な膵臓細胞前駆細
    胞であって、培養培地中で自己再生でき且つ膵臓細胞系統のメンバーに分化する
    ことができる下記を含む方法により単離することのできる膵臓細胞前駆細胞より
    なる細胞性組成物 解離した上皮細胞を膵管から得; 上皮細胞を適当な栄養培地中で単層として培養して膵臓細胞前駆細胞を該上皮
    細胞単層から拡大させ; 該前駆細胞を該培養物から分離する。
  42. 【請求項42】 哺乳動物の膵臓β小島細胞のエキス・ビボ増殖を刺激する
    方法であって、下記のステップ: (a)哺乳動物の膵臓細胞の初代培養物を用意し;そして (b)該初代培養細胞を有効濃度のcAMPアゴニストと接触させる ことを含み、この有効濃度が、初代培養物のβ小島細胞への分化を誘導するのに
    十分な量である当該方法。
  43. 【請求項43】 初代培養細胞が、ヒトの膵臓細胞である、請求項42に記
    載の方法。
  44. 【請求項44】 前記の細胞分化が、平均細胞インシュリン産生の増大を含
    む、請求項41に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記の培養細胞を、成長因子の存在下で、細胞外マトリク
    ス上の単層にて生育させることを更に含む、請求項41に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記の細胞を、インシュリン遺伝子をアップレギュレート
    する薬剤例えばポリ(ADP−リボース)シンテターゼインヒビター例えばニコチ
    ンアミド又はベンズアミドと接触させることを更に含む、請求項41に記載の方
    法。
  47. 【請求項47】 成人の膵臓ベータ細胞のエキス・ビボ増殖を刺激する方法
    であって、下記のステップ: (a)初代成人膵臓細胞単層培養物を用意し;そして (b)該細胞を有効濃度の成長因子及びcAMPアゴニストと共に培養する ことを含み、この有効濃度がこの初代培養物のインシュリン産生細胞の生成を誘
    導するのに十分な量である上記の方法。
  48. 【請求項48】 1型糖尿病を患っているか又は該病気になる危険にある患
    者を治療する方法であって、下記のステップ: (a)成人膵臓細胞の初代培養物を用意し; (b)該初代培養物を、有効濃度のcAMPアゴニストを含む試薬と接触させ、こ
    の有効濃度は初代培養物にインシュリン産生細胞の生成を誘導するのに十分な量
    であり; (c)このように処理した成人膵臓細胞を採集し;そして (d)該患者に上記(c)の細胞の有効量を移植する ことを含む上記の方法。
  49. 【請求項49】 1型糖尿病を患っているか又は該病気になる危険にある患
    者を治療する方法であって、下記のステップ: (a)膵臓細胞の初代培養物を、有効濃度のcAMPアゴニストを含む試薬と接触
    させ、この有効濃度はこの初代培養物にインシュリン産生の生成を誘導するのに
    十分な量であり; (b)こうして処理した成人膵臓細胞を採集し;そして (c)上記(c)の細胞の有効量を該患者に移植する ことを含む上記の方法。
  50. 【請求項50】 前記の非経口移植が、門脈内、脾臓内、腎臓皮膜下経路、
    又は静脈経路により投与することを含む、請求項48に記載の方法。
  51. 【請求項51】 ステップb)が、前記の細胞を、有効濃度の成長因子例え
    ばIGF、TGF、FGF、EGF、HGF、ヘッジホッグ、VEGF及びTG
    Fβスーパーファミリーのメンバーの存在下で単層培養にて生育させることを更
    に含む、請求項48に記載の方法。
  52. 【請求項52】 前記の単層を非酵素的方法により解離させてから、該解離
    した細胞を再凝集させることを更に含む、請求項50に記載の方法。
  53. 【請求項53】 前記の再凝集細胞を該細胞内のインシュリン遺伝子をアッ
    プレギュレートする薬剤例えばポリ(ADP−リボース)シンテターゼインヒビタ
    ー例えばニコチンアミド又はベンズアミドと接触させることを更に含む、請求項
    51に記載の方法。
  54. 【請求項54】 成人の膵臓小島細胞を臨床的に有用な量で増殖及び分化さ
    せる方法であって、下記のステップ: (a)バイオリアクターにヒトの膵臓細胞培養物を播種し; (b)該バイオリアクターを、バイオリアクター内の細胞の増殖及びインシュリン
    分泌細胞への分化を誘導するのに十分な量のcAMPアゴニストを補った完全生
    育培地で潅流し;そして (c)該バイオリアクターからインシュリン分泌細胞を収集する ことを含む上記の方法。
JP2000598620A 1999-02-10 2000-02-10 膵臓細胞前駆細胞、それらに関する方法及び利用 Pending JP2002538779A (ja)

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