JP2000512904A - 表面変性多孔質膜及び方法 - Google Patents

表面変性多孔質膜及び方法

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Abstract

(57)【要約】 表面をペルフルオルカーボン共重合体組成物で完全に変性された多孔質膜基体からなる多孔質膜製品が提供される。この多孔質膜製品は、多孔質膜基体と実質上同じ透過性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 表面変性多孔質及び方法発明の分野 本発明は、ペルフルオルカーボン重合体組成物で変性された表面変性多孔質薄 膜、及び該膜の製造法に関する。従来技術の背景 多孔質膜フィルターは、流体流れ中の物質を分離するために種々な環境中にお いて利用されている。膜は固体重合体マトリックスから形成され、そして高度の 精密さで制御されそして測定可能な多孔度、細孔寸法、及び厚さを有する。使用 に当たって、膜フィルターは一般にはカートリッジのような装置に組み込まれ、 そして流体流れ中に挿入して液体及び気体から粒子、微生物又は溶質の除去を行 うように適応される。 有用であるためには、膜フィルターは、その強度、多孔度、化学的一体性及び 清潔さを維持するようにろ過しようとする流体に対して抵抗性でなければならな い。例えば、ミクロ電子回路の製造では、膜フィルターは、種々のプロセス流体 を精製して汚染物が回路の破損を引き起こさないようにするために広く使用され ている。流体のろ過又は精製は、通常、プロセス流体を膜フィルターに該膜を横 切る圧力差(これは、膜の下流側よりも上流側においてより高い圧力の帯域を形 成する)の下に通すことによって実施される。かくして、この態様でろ過しよう とする液体は、膜フィルターを横切って圧力降下を受ける。この圧力差は、上流 側で下流側の液体よりも高い溶存ガスレベルを有する液体をもたらす。これは、 空気のようなガスが低い方の圧力にある流体よりも高い方の圧力にある液体中に おいてより高い溶解度を有するためである。液体が膜フィルターの上流側から下 流側に通過するにつれて、膜において溶液から溶存ガスが出てきて液体のガス発 生をもたらす。また、液体のガス発生は、液体が溶存ガスを含有する限り圧力差 がなくても自然に起こる可能性があり、そしてガスが溶液から出てくるための推 進力、例えば、膜の表面上にガスポケットが形成して成長することができるよう な核形成部位が存在する。半導体やミクロ電子装置の製造において典型的に使用 されるガス発生性液体は、通常は、極めて高い純度の水、オゾン化水、アルコー ルのような有機溶剤、並びに、酸化剤を含有することができる濃厚及び水性酸又 は塩基のような一般的に有意に化学的活性な他のものを含む。これらの化学的活 性な液体は、膜の劣化を防止するために化学的に不活性なフィルターの使用を必 要とする。膜組成の化学的破壊をもたらす膜の劣化は、通常、使用間にフィルタ ーから離脱される抽出可能な物質をもたらし、かくしてろ過しようとする流体の 純度、保全性及び清潔さを危うくする。これらの用途では、ポリテトラフルオル エチレンのような弗素含有重合体から作られたフルオルカーボン基材膜フィルタ ーが通常使用される。弗素含有重合体は、それらの化学的不活性、又は化学薬品 攻撃に対する優秀な抵抗性が周知されている。弗素含有重合体の1つの不利益は 、それらが疎水性であり、それ故にかかる重合体から作った膜がその膜の表面エ ネルギーよりも大きい表面張力を有する水性流体又は他の流体で湿らすのが困難 であることである。ガス発生性液体を疎水性膜フィルターでろ過する間にしばし ば遭遇する他の問題は、ろ過プロセス間に溶存ガスが差圧の推進力下に溶液から 出てくるための核形成部位が膜によって提供されることである。内部細孔表面及 び外部又は幾何学的表面を含めて疎水性膜表面上にあるこれらの核形成部位で溶 液から出てくるガスは、膜に付着するガスポケットを形成する。これらのガスポ ケットが連続したガス発生によって寸法を大きくするにつれて、それらは、膜の 細孔から液体を置換し始め、最後には膜の有効ろ過面積を減少させる。この現象 は、通常、膜フィルターの脱湿潤(dewetting)と称されている。というのは、 膜の流体湿潤又は流体充填部分は、流体非湿潤又はガス充填部分に徐々に転換さ れるからである。また、膜の脱湿潤は、水性流体で湿った疎水性膜のような湿潤 膜が空気のようなガスに暴露されると自然に起こりうる。この脱湿潤現象はより 頻繁に起こり、そしてポリテトラフルオルエチレンのような弗素含有重合体から 作られたフルオルカーボン基材膜においてより顕著であることが分かった。また 、脱湿潤が起こるときの速度は、0.2ミクロン又はそれ以下のような小さい細 孔寸法の膜ではそれよりも大きい細孔寸法の膜よりも速いことも分かった。ろ過 プロセスの間に、フィルター装置において膜の脱湿潤によってろ過に利用可能な 有効膜面積が減少することは、フィルターの全ろ過効率の低下をもたらす。この 低下した効率は、所定の圧力降下におけるフィルターを通る流体の流量の低下、 又は所定の流量における圧力降下の増大において明らかになる。かくして、膜フ ィルターが時間と共に脱湿潤するにつれて、ユーザーは、フィルターが新たに取 り付けられ、それ故に完全に湿っているときと同じ容量(単位時間当たり)のプ ロセス液体を精製又はろ過することができない。ろ過プロセスの全処理容量のこ の減少は、単位容量のプロセス液体を精製するためのユーザーの時間及びコスト の増加をもたらす。処理量の減少に直面して、ユーザーは、プロセスにおいて新 しいフィルターを取り付けそして脱湿潤フィルターを廃棄することがしばしば要 求される。必ずしもフィルターの異物保持能の枯渇によるのではなく脱湿潤によ るこの早期のフィルター変化は予定外の停止時間をもたらし、且つユーザーの全 コストを増加する。随意として、ユーザーは、膜を横切って圧力降下を増大させ るためにポンプがフィルターを通して液体を強制送りするときの速度を増大させ ることのようなろ過系の他の要素に対して調整を行い、かくして一定の流量を維 持することによって効率の低下を補うことができる。これらの調整はユーザーに とってより高い操作コストになり、そして系にある他の要素の故障の可能性、並 びにプロセス圧の増大によるプロセス液体の漏れの可能性を増加する。ユーザー が脱湿潤による早期のフィルター変化を回避するための他の選択は、フィルター を処理して膜を再湿潤することである。この処理は予定外の停止時間をもたらす ろ過系からフィルター装置を取り外すことを要求するので時間を浪費し、そして フィルターを通過するプロセス液体に対して再湿潤プロセスから誘導された汚染 物の導入をしばしばもたらす可能性がある。典型的には、イソプロパノールのよ うなアルコール(これらは、安全上の関心を引き起こす可燃性液体である)を含 めて低表面張力の再湿潤剤を使用することができる。ろ過装置を使用状態に戻す 前に、最終ユーザーは、脱湿潤フィルターをアルコールで再湿潤し、次いで水に よるフラッシング、次いでプロセス液体によるフラシッングを行う。膜の製造業 者は、脱湿潤フィルターを取り扱い且つ処理するための専門技術を有している可 能性があるけれども、最終ユーザーは、かかる追加的なコスト高のプロセス工程 を実施するための能力又は希望を有しないかもしれない。 すべての膜は、膜の粒子保持特性に直接関係する公称細孔寸法によって特徴づ けられる。細孔寸法は膜を通る流量に正比例し、そして粒子保持は反比例する。 粒子保持及び流量の両方を最大限にするのが望ましい。これらの特性の1つを有 意に増大させそしてこれらの特性のうちの他のものを有意に低下させることは望 ましくない。 ベネズラ氏他の米国特許4470859には、ポリテトラフルオルエチレンの ようなフルオルカーボンより形成した微孔質基体の表面をペルフルオルカーボン 共重合体の溶液からの該共重合体の被覆で変性して膜の表面をより水湿潤性にす るための方法が開示されている。ペルフルオルカーボン共重合体は、溶剤中に高 められた温度において溶解される。次いで、その膜は溶液中に浸漬され、そして 真空室中に置かれる。次いで、室内の圧力は、フィルター内から空気を除去する ために約150mmHg(絶対圧)になる程に下げられる。しかる後、室内の圧 力は、大気圧に迅速に戻される。この被覆プロセスは、ベネズラ氏他が記載した こと、即ち、膜の細孔への完全な溶液侵入を確保するために反復される。この態 様で進めることによって、膜内の隙間を画定する膜表面及び内壁はペルフルオル カーボン共重合体で被覆される。被覆工程後に、溶剤は熱及び真空を使用して蒸 発によって除去され、又は溶媒和ペルフルオルカーボン共重合体は該共重合体が 事実上不溶性であるところの物質で沈殿される。溶液を形成するのに使用される 溶剤としては、ハロカーボン油、ペルフルオルオクタン酸、デカフルオルビフェ ニル、N−ブチルアセトアミド及びN,N−ジメチルアセトアミドが挙げられる 。膜表面の変性に続いて、ベネズラ氏他は、膜表面上の変性用共重合体に対する 溶剤を含有する流体の使用を回避することを教示している。また、ベネズラ氏他 は、重合体のアルコール溶液を回避すべきであることを開示している。 米国特許4433082及び4453991には、先に記載した被覆法に使用 される溶剤と比較して比較的害のない溶剤を使用してテトラフルオルエチレンと メチルペルフルオル(4,7−ジオキサ−5−メチル−8−ノネノエート)又は ペルフルオル(3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオ リド)との共重合体のような過弗素化イオン交換重合体の溶液を形成する方法が 開示されている。この過弗素化イオン交換重合体は、イソプロパノールのような アルコール溶剤中に高められた温度及び圧力において溶解される。得られた溶液 は、水性塩化ナトリウムの電解のような電気分解プロセスにおいて使用されるフ ィルム及び非孔質膜を製造し且つ修理するのに、多孔質ダイヤフラムを被覆して それらを非孔質製品に転換するために様々な化学反応を促進する際に使用する触 媒担体の如き基体を被覆するのに、また、スルホン酸又はスルホネート官能基を 有する使用済みの過弗素化重合体を再使用のために回収するのに有用であると記 載されている。これらの特許によって開示されるような電解プロセスでは、被覆 ダイヤフラムから誘導される抽出分は実質的な関心事ではなく、そして変性ダイ ヤフラムの多孔度は重要なものではない。 また、米国特許4348310には、弗化スルホニル含有フルオル重合体の溶 液が開示されている。ここで使用される溶剤は、完全にハロゲン化された飽和炭 化水素であって、好ましくは少なくとも1個の末端弗化スルホニル極性基を有す るものである。この溶液は、弗素化重合体から作られた膜中の穴を修理するのに 、また、イオン交換フィルム膜、透析膜、限外ろ過膜及びミクロろ過膜を作るた めに使用されると記載されている。これらの溶液について他の開示された用途は 、ダイヤフラムにその溶液を接触させ次いでハロゲン化溶剤を蒸発させ次いで被 覆したダイヤフラムを加水分解して弗化スルホニル基を酸又は塩形に変換するこ とによって電気化学セル用の多孔質ダイヤフラムを被覆することである。 マルロウク氏他の米国特許4902308にも、多孔質の膨張したポリテトラ フルオルエチレン膜の表面をペルフルオル陽イオン交換重合体の溶液からの該重 合体で変性する方法が記載されている。また、マルロウク氏他は、表面変性膜に 該重合体用の溶剤を含有する流体を接触させることは回避されるべきであること を教示している。 米国特許4259226及び4327010には、カルボン酸塩基を有する弗 素化重合体で多孔質膜表面を変性することが開示されている。膜から抽出分を制 御するための、又は膜表面への変性用組成物の結合度を制御するためのプロセス 工程は全く開示されていない。 米国特許5183545及び5094895には、表面をペルフルオルイオン 交換重合体組成物で変性してなる多孔質で多層の膨張ポリテトラフルオルエチレ ン基体から多層で複合体の多孔質ダイヤフラムを作る方法が開示されている。こ の変性用重合体組成物は界面活性剤を含有することができ、そして過剰の変性用 組成物を含有してもよいが、これらの両方とも望ましくない抽出分の源である。 加えて、これらの特許は、0.25mmを超え、好ましくは約0.76mm〜約 5.0mmの厚さを有する厚いポリフルオルカーボンダイヤフラムをペルフルオ ルイオン交換重合体で被覆する方法が開示されている。薄い膜基体は特定的に排 除され、1000よりも大きい当量を有するペルフルオルイオン交換重合体被覆 の使用も排除されている。 従って、湿潤性を向上させる変性表面を有する多孔質薄膜を提供することが望 ましいであろう。加えて、弗素含有重合体より構成される多孔質膜のような薬品 攻撃に対して抵抗性のかかる膜を提供するのが望ましいであろう。更に、使用間 に脱湿潤しないように、ガス発生性液体をろ過するときに表面上にガスの核形成 を促進しないかかる膜を提供することが望ましいであろう。また、得られる膜、 特に小さい細孔寸法の膜の束特性に有意の悪影響を及ぼさずに未変性膜と比較し て向上された粒子保持特性を有するかかる膜を提供することが望ましいであろう 。発明の概要 本発明は、内部細孔表面及び外部幾何学的表面を含めて表面を付着され結合さ れたペルフルオルカーボン共重合体組成物で完全に変性してなる薄い多孔質重合 体膜基体を製造する方法提供するものである。このペルフルオルカーボン共重合 体組成物は、それが重合体基体表面に結合されるような態様で付着される。ペル フルオルカーボン共重合体組成物の溶液は、重合体基体を溶液に浸漬させるか、 又は溶液を重合体基体に加圧下に通すか、又は膜の細孔に加圧下に貫入させるこ とによるが如くして薄い重合体基体と接触される。本明細書における用語「溶液 」は、溶剤、希釈剤又は分散剤媒体中に完全溶解及び/又は部分溶解ペルフルオ ルカーボン共重合体組成物を含有する液体組成物を含む。これらの溶液は、分散 媒体中に懸濁された未溶解ペルフルオルカーボン共重合体組成物の懸濁体を含む 。この溶液は、ペルフルオルカーボン共重合体組成物に対する溶剤、希釈剤又は 分散剤媒体である液体組成物であって膜基体を完全に湿潤するものを含み、又は 、それが膜基体を湿潤しないときには、膜は、溶液が膜の細孔に入ることができ るように予備湿潤される。溶液が膜の細孔に完全に入ることが必要要件である。 溶液が最初に膜を湿潤しない場合には、次いで、表面変性膜基体を、膜基体に結 合されたペルフルオルカーボン共重合体組成物の除去を回避しながら、未結合ペ ルフルオルカーボン共重合体組成物を溶媒和又は希釈によるが如くして選択的に 除去する溶剤、希釈剤又は分散剤と接触させることができる。過剰の未結合共重 合体を除去するために膜を共重合体含有溶液で湿潤させる場合には、続いての表 面変性膜基体を溶剤、希釈剤又は分散剤と接触させる工程を随意に利用すること ができる。得られた表面変性膜は、次いで、膜基体と結合ペルフルオルカーボン 共重合体組成物との間の結合強度を向上させるために乾燥されそして熱処理され る。これによって製造された変性膜の基体表面は、ペルフルオルカーボン共重合 体組成物で完全に変性される。 表面変性されて熱処理された膜はその表面が、結合ペルフルオルカーボン共重 合体組成物(これは、驚いたことに、未結合溶媒和ペルフルオルカーボン共重合 体組成物を溶媒和及び/又は希釈する溶剤又は希釈剤中に実質上可溶性でない) で完全に変性される。本明細書において用語「完全に変性された」を使用すると きには、それは、表面変性の程度が、膜をガス発生性液体と接触させたときに膜 の脱湿潤を何ら検出することができない程で、しかも、表面をメチレンブルー染 料で色付けしたときに表面の未染色部分が全く検出されない程のものであること を意味する。かくして、過剰の又は未結合のペルフルオルカーボン共重合体組成 物は、変性膜表面に悪影響を及ぼさずに未結合のペルフルオルカーボン共重合体 組成物についての溶剤又は希釈剤と共に変性膜から選択的に除去されることがで きる。加えて、膜から除去された未結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物は もはや、表面変性膜を通過させようとする流体中で離脱される可能性がある抽出 分の源ではない。かくして、本発明の表面変性されて熱処理された膜は、未結合 溶媒和ペルフルオルカーボン共重合体組成物用の溶剤又は希釈剤である液体が膜 と接触するときでさえも抽出分を実質上含まない。表面変性膜は、膜の単位面積 当たりのペルフルオルカーボン共重合体組成物の量が変性膜の全表面にわたって 実質上同じになるように変性用組成物で実質上均一に変性される。過剰の未結合 ペルフルオルカーボン共重合体組成物を除去するための溶剤又は希釈剤による後 続処理は、結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物による基体表面の実質上均 一且つ完全な変性を促進する。加えて、表面変性用組成物は、精製水のろ過間に 膜を横切る圧力降下の増大を測定することによって調べて、多孔質膜基体が実質 上閉鎖又は閉塞されないような量で且つ濃度で使用される。本発明の変性多孔質 膜製品は、圧力降下によって測定して未変性多孔質膜基体と実質上同じ透過性を 有する。即ち、未変性多孔質膜基体を横切る圧力降下と比較した時の本発明の変 性多孔質膜の場合の圧力降下の増大は、25%を超えない。好ましくは、この圧 力降下の増大は、未変性多孔質膜基体を横切る圧力降下と比較して15%を超え ず、そして最も好ましくは10%を超えない。 本発明に従って変性された膜は、未変性膜の束特性を実質上維持しながらずっ と小さい細孔寸法の未変性膜の粒子保持特性を有することができる。更に、本発 明の膜の表面変性を行う組成物はペルフルオルカーボン共重合体組成物から形成 されるので、変性表面もまた、化学薬品攻撃に対して高度に抵抗性である。加え て、ペルフルオルカーボン共重合体組成物は、ガス発生性液体をろ過するときに 膜の表面でのガスの核形成を促進しない。かくして、ガス発生性液体をろ過する ときには、本発明の膜の有効寿命は、膜の脱湿潤をもたらすガス発生性液体をろ 過するときに表面上でのガスの核形成を促進する未変性フルオルカーボン膜の有 効寿命よりも有意に長い。図面の簡単な説明 図1は、例1の方法によって形成された膜の1つの幾何学的表面の5029倍 の倍率で撮ったSEMである。 図2は、例1の膜の第二の幾何学的表面の5029倍の倍率で撮ったSEMで ある。 図3は、例1の膜の横断面の9133倍の倍率で撮ったSEMである。 図4は、例10の標準脱湿潤試験の結果を示すプロットである。 図5は、例11の標準SC2ドレンテストのP/Q対ドレン数を示すプロット である。 図6は、例14の未染色対照の図(4.3×)である。 図7は、例14の染色対照の図(4.3×)である。 図8は、染色された例15の非予備湿潤沈殿被覆試料の図(4.3×)である 。 図9は、染色された例15の予備湿潤沈殿被覆試料の図(4.3×)である。 図10は、染色された例14の非予備湿潤真空被覆試料の図(4.3×)であ る。 図11は、染色された例14の予備湿潤被覆試料の図(4.3×)である。 図12は、染色された例17に記載の本発明の表面変性試料の図(4.3×) である。 図13は、染色された例18に記載の本発明の表面変性試料の図(4.3×) である。 図14は、染色された例16に記載の本発明の表面変性試料の図(4.3×) である。特定の具体例の説明 本発明の膜の表面変性用組成物は、デュポン社によって商品名「NAFION 」(登録商標)の下に又は旭硝子社によって商品名「FLEMION」(商標) の下に製造販売されるもののようなペルフルオルカーボン共重合体として一般に 知られる重合体組成物を含み、そして膜基体に結合される。 これらのペルフルオルカーボン共重合体は、一般的には、少なくとも2種の単 量体の共重合体であり、そして1種の単量体は、弗化ビニル、ヘキサフルオルプ ロピレン、弗化ビニリデン、トリフルオルエチレン、クロルトリフルオルエチレ ン、ペルフルオル(アルキルビニルエーテル)、テトラフルオルエチレン及びそ れらの混合物のような弗素含有単量体の群から選択されるものである。 第二の単量体は、(SO2F)、(SO3M)、(SO3R)、(SO2NR2) 、(COF)、(CO2M)、(CO2R)又は(CONR2)基 (ここで、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はNR4であり、 そして各Rは別個にH、CH3、C25又はC65のようなアルキル基又はア リール基であり、そしてこれらは、置換アルキル基又は置換アリール基を形成す るためにヒドロキシル、アミン、エーテル又はカルボニル基或いは類似基のよう な 他の官能基を随意に含有することができる) であってよい又はこれらに転化されうる官能基を含有する弗素含有単量体の群か ら選択される。かかる第二単量体の例は、一般的には、式CF2=CFRf−Xに よって表わすことができる。一般式におけるRfは、エーテル結合を含有するも のを含めて、任意の好適な又は通常の形状を有する1〜8個の炭素原子を含む線 状又は分岐状二官能性過弗素化基であり、そして炭素−炭素結合を介して又は好 ましくはエーテル結合を介してビニル基CF2=CFに直接結合されるものであ る。一般式におけるXは、(SO2F)、(SO3M)、(SO3R)、(SO2N R2)、(COF)、(CO2M)、(CO2R)又は(CONR2)基 (ここで、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はNR4であり、 そして各Rは別個にH、CH3、C25又はC65のようなアルキル基又はア リール基、又は置換アルキル基若しくは置換アリール基である) であってよい又はこれらに転化されうる官能基である。一般式における1つの制 限は、−X基に隣接する炭素原子上に少なくとも1個の弗素原子が存在すること の一般的な要件である。 典型的には、スルホニルベースドイオン交換基に転換されうる弗化スルホニル 基を含有するかかる第二単量体は米国特許3282875号、同第304131 7号、同第3560568号及び同第3718627号の各明細書に記載され、 そしてペルフルオルカーボン共重合体の製造法は米国特許3041317号、同 第2393967号、同第2559752号及び同第2593583号の各明細 書に記載されているので、必要ならば、それらの米国特許明細書を参照されたい 。これらのペルフルオルカーボン共重合体は、一般には、(SO3M)基に変換 されうるペンダントSO2Fベースド官能基を有する。本発明の1つの具体例で は、表面変性用組成物は、カルボニルベースドイオン交換基に転換されうるペン ダントカルボニルベースド官能基を含む。 ペンダントカルボニルベースドイオン交換官能基を有するペルフルオルカーボ ン共重合体は、米国特許4151052号明細書若しくは特開昭52−3848 6号公報に従うような任意の好適な通常の態様で製造することができ、又はスル ホニル基含有単量体から誘導されるカルボニル官能基含有単量体から米国特許第 4151051号明細書に記載されるような方法によって重合することができる ので、必要ならば、これらの文献を参照されたい。弗化カルボニル含有単量体の 具体的な例としては、 CF2=CFOCF2CF2COF、 CF2=CFCF2CF2COF、及び が挙げられる。好ましいカルボニル含有単量体としては、 が挙げられる。それ故に、本発明で使用される好ましいペルフルオルカーボン共 重合体としては、式−OCF2CF2X’及び/又は−OCF2CF2C−F2Y− B−YCF2CF2O− (式中、X’は弗化スルホニル(SO2F)、弗化カルボニル(COF)、スル ホネートメチルエステル(SO3CH3)、カルボキシレートメチルエステル(C OOCH3)、イオン性カルボキシレート(COO-+)又はイオン性スルホネ ート(SO3 -+)であり、 Yはスルホニル(SO2)又はカルボニル(CO)であり、 Bは−O−、−O−O−、−S−S−、並びに式NH(CR12)xNH (ここで、R1及びR2は短鎖アルカン、アルケン、水素及びアミン基から選 択される) のジ−及びポリアミンであり、 そしてZは水素、リチウム、セシウム、ルビジウム、カリウム及びナトリウム のようなアルカリ金属、又はバリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム 、ストロンチウム及びラジウムのようなアルカリ土類金属、又は第四級アンモニ ウムイオンである) によって表わされるカルボニル及び/又はスルホニルベースド官能基を有するも のが挙げられる。 ペルフルオルカーボン共重合体のスルホニル形は、典型的には、弗素化炭化水 素主鎖に官能基か又は官能基を有するペンダント側鎖のどちらかが結合してなる 重合体である。このペンダント側鎖は、例えば、 (ここで、R'fはF、Cl又はC1〜C10ペルフルオルアルキル基であり、 そしてWはF又はCl、好ましくはFである) 基を含有することができる。通常は、重合体中の側鎖基にある官能基は、エーテ ル結合を介して側鎖基に結合されることができる末端基 に存在する。この種のペルフルオルカーボン共重合体の例は、米国特許第328 2875号、同第3560568号及び同第3718627号の各明細書に開示 されているので、必要ならば、それらを参照されたい。 追加的な例は、一般式CF2=CF−Tk−CF2SO2F (ここで、Tは1〜8個の炭素原子を含む二官能性弗素化基であり、 そしてkは0又は1である) によって表わすことができる。Tにおける置換原子は、弗素、塩素又は水素を包 含する。最も好ましいペルフルオルカーボン共重合体は炭素に結合した水素及び 塩素を両方とも持たないもの、即ち、苛酷な環境で最大安定性を得るために過弗 素化されたものである。上記式のT基は分岐又は非分岐即ち直鎖のどちらであっ てもよく、そして1個以上のエーテル結合を有する。この群の弗化スルホニル含 有共単量体におけるビニル基はエーテル結合を介してT基に結合されること、即 ち、共単量体は式CF2=CF−O−T−CF2−SO2Fを有することが好まし い。かかる弗化スルホニル含有共単量体の例は、 CF2=CFOCF2CF2SO2 CF2=CFCF2CF2SO2F、及び である。 最も好ましい弗化スルホニル含有共単量体は、ペルフルオル(3,6−ジオキ サ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオリド)、である。 スルフォニル含有単量体は、米国特許第3282875号、同第304131 7号、同第3718627号及び同第3560568号の各明細書の如き文献に 記載されているので、必要ならば、それらを参照されたい。 本発明に使用されるペルフルオルカーボン共重合体の好ましい群は、次の反復 単位、 (式中、hは3〜15であり、 jは1〜10であり、 pは0、1又は2であり、 X”は一緒になって4個の弗素又は3個の弗素及び1個の塩素になり、 YはF又はCF3あり、 そしてR’fはF、Cl又はC1〜C10ペルフルオルアルキル基である) を有する重合体によって代表される。 本発明の方法では、スルホニル及びカルボニルの両方のタイプの官能基を含有 する共重合体並びに異なる官能基を有する共重合体の混合物を含めて、スルホニ ル又はカルボニルベースド官能基を含有する任意のペルフルオルカーボン共重合 体を使用することができる。最も好ましいスルホニル含有ペルフルオルカーボン 共重合体は、テトラフルオルエチレンとペルフルオル(3,6−ジオキサ−4− メチル−7−オクテンスルホニルフルオリド)との共重合体であり、そしてこれ からスルホン酸形又は塩形を得ることができる。最も好ましいカルボニル含有ペ ルフルオルカーボン共重合体は、テトラフルオルエチレンとメチルペルフルオル (4,7−ジオキサ−5−メチル−8−ノネノエート)との共重合体であり、そ してこれからカルボン酸形又は塩形を得ることができる。 一般には、ペルフルオルカーボン共重合体のスルホニル、カルボニル、スルホ ネート及びカルボオキシレートエステル、並びにスルホニル及びカルボニルベー スドアミド形は、加水分化反応によってイオン交換形に容易に転換される。例え ば、塩形はNaOHのような強アルカリでの処理によって得ることができ、そし て酸形はHClのような酸での処理によって得ることができる。この転換工程は 、膜基体をペルフルオルカーボン共重合体のスルホニル、カルボニル、スルホネ ート及びカルボキシレートエステル並びにスルホニル及びカルボニルベースドア ミド形で表面変性する前後に実施されることができる。 本発明の方法で使用されるペルフルオルカーボン共重合体は特定の当量に限定 される必要はなく、膜基体の表面に結合し且つ未結合溶媒和共重合体に対する溶 剤又は希釈剤である液体組成物との接触によって実質上除去されない限り、任意 の当量を有する任意の共重合体を使用することができる。加えて、得られた表面 変性膜の使用間の脱湿潤を防止するような任意の当量を有する任意のペルフルオ ルカーボン共重合体を使用することができる。一般には、ペルフルオルカーボン 共重合体の当量は、約900〜約1500、そしてより通常は約1050〜約1 250の間である。ペルフルオルカーボン共重合体の当量は、共重合体中の1個 の反復単位の平均重量である。 膜基体の表面変性が得られるペルフルオルカーボン共重合体溶液を形成するの に使用される溶剤としては、米国特許4386987号明細書に開示された溶剤 が挙げられるので、必要ならば、これを参照されたい。これらの溶剤は、ハロカ ーボンオイル、ペルフルオルオクタン酸油、N−アルキルアセトアミド及びデカ フルオルビフェニルを包含する。別法として、米国特許第4348310号明細 書に開示されたハロゲン化飽和炭化水素を使用することができるので、必要なら ば、これを参照されたい。好ましい溶剤は米国特許第4433082号及び同第 4453991号の各明細書に開示されるアルコール系溶剤であるので、必要な らば、これらを参照されたい。アルコール系溶剤は、メタノール、エタノール、 n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、2− メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレングリコールジエチルエ ーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル エーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン及びアセトニト リル、並びにこれら同士の混合物又はこれらと水との混合物を包含する。最も好 ましい溶剤は、水とイソプロパノールのような低級アルコールとの混合物である 。ペルフルオルカーボン共重合体の溶液は、密閉容器中で高温(これは、溶剤の 臨界温度よりも低く、典型的には180℃〜300℃である)及び高圧において 形成される。これらの溶液は、ペルフルオルカーボン共重合体を沈殿させずに、 イソプロパノール、エタノール、水又は類似物のようなペルフルオルカーボン共 重合体用の溶剤又は希釈剤と混和性である。溶液が完全に膜の細孔に入り込むと いうことが必要要件である。 溶液中のペルフルオルカーボン共重合体の濃度は、膜基体への共重合体の結合 を生じさせ且つ得られる表面変性膜の脱湿潤を防止するのに十分なだけ高くすべ きであるが、しかし得られる表面変性膜の束特性の不利な低下を防止するのに十 分なだけ低くすべきである。典型的には、溶液中のペルフルオルカーボン共重合 体の濃度は、約0.01重量%〜約10重量%、より通常は約0.1重量%〜約 5重量%である。 多孔質膜基体は、ペルフルオルカーボン共重合体組成物に対する溶剤によって 溶媒和又は劣化されない重合体組成物より形成される薄重合体微孔質又は限外ろ 過膜である。典型的な膜の細孔寸法は、10ミクロン〜0.01ミクロンの範囲 内である。膜基体は、フラットシート、波形シート、中空繊維又は類似物を含め て、任意の都合のよい幾何学的形状を有することができる。膜は、支持体付き若 しくは無支持でも、等方性若しくは異方性でも、表皮付き若しくは表皮なしでも よく、又は複合膜であってもよい。膜基体は、約5〜約250ミクロン、好まし くは約10ミクロン〜約200ミクロンの厚さを有する。膜は薄いので、これに よって未結合のペルフルオルカーボン共重合体組成物の除去が容易にされる。代 表的である好適な膜基体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチ ルペンテンのようなポリオレフィン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ リイミド、ポリアミド、弗素含有重合体、例えば、ポリテトラフルオルエチレン 、弗素化エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオルエチレン共 重合体又はペルフルオルアルコキシ重合体が挙げられる。好ましい膜基体は、弗 素含有重合体、特に、デュポン社によって商品名「Teflon(登録商標)PTFE 」、「Teflon(登録商標)FEP」及び「Teflon(登録商標)PFA」の下に製 造販売されるフルオルカーボンとして一般的に知られる群の重合体のようなポリ テトラフルオルエチレン、弗素化エチレン−プロピレン共重合体又はペルフルオ ルアルコキシ重合体から形成されたものである。 本発明の膜は、その全表面が結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物で完全 に変性されており、従って露出した基体表面は全く存在しない。この完全変性表 面は、結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物で実質上均質に被覆されること が好ましい。完全な表面変性は、液体をろ過するときに脱湿潤を防止する。均一 な変性は、フィルターによる均一なろ過を促進する。加えて、表面変性用組成物 は、精製水のろ過間に膜を横切る圧力降下の増大を測定することによって決定し て、多孔質膜基体が実質上閉鎖又は閉塞されないような量で且つ濃度で使用され る。本発明の変性多孔質膜製品は、圧力降下によって測定して未変性多孔質膜基 体と実質上同じ透過性を有する。即ち、未変性多孔質膜基体を横切る圧力降下と 比較した時の本発明の変性多孔質膜の場合の圧力降下の増大は、25%以下であ る。好ましくは、この圧力降下の増大は、未変性多孔質膜基体を横切る圧力降下 と比較して15%を超えず、最も好ましくは10%を超えない。 本発明の1つの具体例では、0.2ミクロン以下の平均細孔寸法を有する表面 変性膜が形成される。膜は、表面が先に記載の結合表面変性用組成物で完全に変 性された弗素含有重合体膜基体、好ましくは、ポリテトラフルオルエチレン、弗 素化エチレン−プロピレン共重合体又はペルフルオルアルコキシ重合体膜基体か ら形成される。この結合表面変性用組成物は、液体組成物をろ過する際のその使 用間に膜の脱湿潤を防止する。ろ過の間に、変性膜を横切る“最終”圧力降下は 、下記の標準脱湿潤試験(Standard Dewetting Test)に従って測定して、表面 変性膜を横切る“初期”圧力降下の約3倍よりも大きくなく、好ましくは約2倍 よりも大きくない。 フィルターの圧力降下は、液体流れに対するフィルターの抵抗性の尺度である 。高い圧力降下は、フィルターが脱湿潤しているか又は閉塞されているときの如 き高い抵抗性を示す。低い圧力降下は、フィルターが新しく且つ完全に湿潤して いるときの如き低い抵抗性を示す。たいていの場合に、圧力降下データは、異な る条件下の同じフィルター、同じタイプの他のフィルター、又は表面変性前の同 じフィルターと比較して考慮されるべきである。というのは、異なるタイプのフ ィルターは、フィルターにおける異なる膜細孔寸法、表面積及び寸法形状によっ て異なる圧力降下を有するからである。圧力降下は、1.0ガロン/分(gpm )の一定液体流量で標準化されたフィルターを横切る圧力差のポンド/平方イン チ(psi)単位で測定される。試験の間に、圧力降下は精製水で測定されるの が最も好ましい。変性膜の細孔閉塞があるならばその程度は先に記載される。 標準脱湿潤試験は、実際のろ過適用間にフィルターの脱湿潤又は非脱湿潤性能 の程度を予測するための手段として使用される。この試験では、ろ過しようとす る液体として水が使用される。この試験は、液体における粘度差によるか、又は 液体から除去されて膜表面上に捕捉された状態になりうる粒子によって引き起こ される流れ抵抗性の増大によるが如き他の潜在的な流量減少効果を排除する。試 験を実施するために、フィルターは100%イソプロパノールで湿潤され、乾燥 せずにアルコールを切り、そしてフラッシング装置に取り付け、ここでフィルタ ーは、それに水を1ガロン/分又はgpmの流量で10分間通すことによって水 でフラッシングされる。このフラッシング期間の終わりに、フィルターの“初期 ”圧力降下が測定される。次いで、フィルターはフラッシング装置から取り出さ れ、フィルターの乾燥を回避しながら水切りされ、そしてフラシング装置に再配 置され、ここでフィルターは水で1gpmにおいてフラシングされ、その間に“ ドレン#1”圧力降下が測定される。フィルターを通る水流れの開始間にフィル ターの上流側から大部分の空気を排出させるように注意が払われる。3つの追加 的な同じドレン操作が反復され、それに続いて対応する“ドレン#2、ドレン# 3及びドレン#4”圧力降下が実施される。“ドレン#4”圧力降下の後に、フ ィルターはフラッシング装置から取り出され、フィルターの乾燥を回避しながら 水切りされ、そしてフラシング装置に再配置され、ここでフィルターはフィルタ ーを横切って5psiの圧力差をもたらすように上流側にいて空気で加圧される 。次いで、フィルターは水で1gpmにおいてフラッシングされ、そして“ドレ ン#5、5psi空気”圧力降下が測定される。5psi空気加圧工程で2つの 追加的な同じドレン操作が反復され、それに続いて対応する“ドレン#6、5p si空気”及び“ドレン#7、5psi空気”圧力降下が実施される。“ドレン #7、5psi空気”圧力降下に相当する最後の圧力降下データは、通常、“最 終”圧力降下と称される。 また、結合表面変性用組成物は、膜が膜の乾燥を引き起こすのに十分なだけ長 い時間の間暴露されない限り、空気のようなガスへの膜の暴露間に膜の脱湿潤を 防止する。ろ過プロセスでの使用間に、フィルターは、ろ過しようとする液体の 置換の間の如きフィルターを横切る小さい圧力差の下に空気に暴露されることが できる。 また、空気への暴露間にフィルターで観察される脱湿潤の程度を予測するのに 水泡立ち点圧試験を使用することができることも分かった。膜の水泡立ち点圧が 低い程、空気への暴露時に脱湿潤の可能性が高くなる。これとは逆に、水泡立ち 点圧が高くなる程、脱湿潤の可能性が低くなる。本発明の膜製品の水泡立ち点圧 は、水泡立ち点圧試験法によって測定して、未変性膜基体の水泡立ち点圧よりも 少なくとも約50%大きくそして好ましくは少なくとも約100%よりも大きい 。水泡立ち点圧試験法は、水で予め充填された膜の細孔に空気を強制的に通すの に要する圧力を測定する。膜の泡立ち点は、水湿潤膜から水を置換するのに要す る圧力から測定される。流体湿潤膜は、適用した空気圧が細孔への流体の毛管吸 引を超えるときに空気がそれを通過するのを許容する。流体湿潤円筒状細孔の寸 法とそれを空にするのに要する空気圧との間の関係(P、その円筒状細孔の泡立 ち点圧)は、 D=4γcos θ/P [ここで、Dは細孔の直径であり、θは接触角であり、そしてγは湿潤液体の表 面張力である]である。測定された泡立ち点圧を真の膜細孔の寸法に実験的に相 関させることができるときには、それは、真の非円筒状細孔の寸法の容易に得ら れる概算値を提供する。泡立ち点圧を本発明の膜の細孔寸法と相関させるのに使 用される1つの実験的方法は、膜によって保持される最小粒子を決定することで ある。膜はサブミクロン寸法のラテックスビーズを通され、そして膜によって保 持されたビーズの画分が測定される。ビーズの実質上全部(>90%)が膜によ って保持された場合には、最大細孔は、ラテックスビーズの平均直径よりも小さ い。 本発明に従って製造された表面変性膜は、典型的には、米国マサチューセッツ 州ベッドフォード所在のミリポア・コーポレーションから入手できるミリポア・ コーポレーション・テクニカル・ドキュメントMA041に記載される修正SE MATECH粒子保持法によって測定して、未変性表面を有する膜基体と比較し て有意に改善された粒子保持特性を有する。驚いたことに、表面変性膜の粒子保 持特性は、圧力降下によって測定したときに、未変性膜基体と比較して膜の束特 性を有意に低下させずに実質上向上される。膜は、先に記載した結合表面変性用 組成物で表面を変性した弗素含有重合体膜基体、好ましくは、ポリテトラフルオ ルエチレン、弗素化エチレン−プロピレン共重合体又はペルフルオルアルコキシ 重合体膜基体から形成される。 本発明の表面変性膜は、多孔質膜基体の表面全体に先に記載のペルフルオルカ ーボン共重合体組成物の溶液を、基体表面がその溶液で湿潤されるような条件下 で接触させることによって形成される。液体溶液は、膜基体の表面を固有的に湿 潤させることができるものであってもよく、また、溶液が膜を湿潤しない溶剤、 希釈剤若しくは分散剤から成る場合には、膜基体表面をメタノール、エタノール 、イソプロパノール若しくはアセトンのような湿潤剤で予備湿潤させ次いで溶液 と接触させることもでき、又は、溶液を加圧下に細孔内に侵入させることもでき る。膜基体と溶液との接触は、浸漬によって、又は溶液を膜に差圧下に通すこと によって、又は貫入によって行うことができる。ペルフルオルカーボン共重合体 組成物は、接触された基体表面を完全に変性するために基体表面に結合した状態 になる。 膜基体は溶液との接触からはずされ、そして本発明における重要なプロセス工 程では、溶液が膜を湿潤しないときには、膜は、ペルフルオルカーボン共重合体 組成物の実質的な沈殿を引き起こさないイソプロパノール、エタノール、メタノ ール、水又はこれらの混合物のような過剰の又は未結合の溶媒和ペルフルオルカ ーボン共重合体組成物に対する溶剤、希釈剤又は分散剤である液体組成物と接触 される。通常、この液体組成物は、ペルフルオルカーボン共重合体組成物の溶液 を作るのに使用される溶剤、希釈剤又は分散剤と完全混和性である。水は、それ がアルコールの如き基体表面変性工程に使用されるペルフルオルカーボン共重合 体組成物用の溶剤、希釈剤又は分散剤と混和性であるときには、使用されること ができる。好ましくは、液体組成物は、イソプロパノール、エタノール、水又は それらの混合物のようなペルフルオルカーボン共重合体組成物の溶液を作るのに 使用される溶剤を含む。この工程では、液体組成物は、希釈及び/又は溶媒和に よるが如くして、過剰の又は未結合のペルフルオルカーボン共重合体組成物を除 去する。未結合組成物のこの除去は細孔の閉塞を減少させ、そして表面変性膜の 使用間にろ過されつつある流体を汚染する可能性がある潜在的な抽出分を除去す る。表面変性膜を溶剤、希釈剤又は分散剤と接触させるこの後続工程は、随意と して、ペルフルオルカーボン共重合体組成物を含有する溶液が初期において膜を 湿潤するときに実施されることができる。この後続接触工程は、膜表面上に付着 されたペルフルオルカーボン共重合体組成物の量を制御するための手段を提供す る。驚いたことに、液体組成物は結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物を除 去せず、従って、表面変性は、液体組成物との接触によって悪影響を受けない。 随意として、表面変性膜は、次いで、液体組成物が水でないときにはその液体組 成物を除去するために水と接触される。 表面変性膜は、水又は液体組成物を除去するために乾燥され、そして結合ペル フルオルカーボン共重合体組成物と膜基体との間の結合強度を向上させるために 熱処理される。この乾燥及び熱処理は、単一工程で行うことができる。熱処理は 、膜基体又は表面変性用組成物を劣化させないような温度で行われる。一般には 、熱処理は、約50℃〜約180℃、より普通には約80℃〜約140℃の温度 において約5分〜約72時間、より普通には約15分〜約24時間の間実施され る。 本発明の表面変性膜は、膜基体に結合される表面変性用組成物によって使用間 に膜の脱湿潤を防止することによってガス発生性液体をろ過するのに特に有用で ある。かくして、本発明の膜は、基体として、ポリテトラフルオルエチレン、弗 素化エチレン−プロピレン共重合体又はペルフルオルアルコキシ重合体のような フルオルカーボン重合体を使用すると、酸化剤を含有することができる酸又は塩 基の如き化学的活性なガス発生性液体をろ過するのに特に有用である。これらの 場合には、膜基体及び表面変性用組成物の両方が化学的劣化に対して高度に抵抗 性であり、そして得られる表面変性膜はガスによって脱湿潤されない。 本発明の1つの具体例では、表面変性膜は、水又はろ過しようとするプロセス 流体で、圧力を加えて若しくは加えずに直接的に湿潤されることができ、又は膜 を先ずイソプロパノールのようなアルコールで湿潤させて間接的に湿潤されるこ とができる。後者の場合では、そのアルコールは、アルコールが水で除去されて 置換されるまで水を導入することによって置換され、次いでろ過しようとするプ ロセス流体が導入される。次いで、本発明の水湿潤表面変性膜を含む水収容ろ過 装置は、所望ならば、追加的な水と一緒に容器内に封止され、そしてその中の微 生物を不活性化するために水蒸気殺菌によるが如くして加熱されることができる 。例えば、米国特許第4727705号明細書に開示される方法は、最終ユーザ ーに輸送することができる水湿潤ろ過装置(ここで、最終ユーザーは、膜湿潤プ ロセスを行う必要なしにかかるろ過装置を直接使用することができる)の製造に 使用することができる。 次の実施例は本発明を例示するものであって、本発明を限定しようとするもの ではない。 例1 低級脂肪族アルコールと水との混液中に0.5重量%の商品名「Nafion 」ペルフルオルカーボン共重合体を含有する溶液を調製した。これは、米国ウイ スコンシン州ミルウオーキー所在のオールドリッチ・ケミカル・カンパニー・イ ンコーポレーテッドから入手できる市販の低級アルコールと水との混液中の5重 量%「Nafion」ペルフルオルカーボン共重合体溶液をイソプロピルアルコ ールで10:1に希釈することによって行われた。溶液中の「Nafion」ペ ルフルオルカーボン共重合体は硫酸形にあり、そして1,100の平均当量を有 していた。 上記からの「Nafion」ペルフルオルカーボン共重合体の希薄溶液を有す る容器中に0.1ミクロンの細孔寸法を有するポリテトラフルオルエチレン(P TFE)膜を含む10インチのひだ付きフィルター装置を上方から徐々に浸漬し た。これは、膜を通過したものを除いて溶液がフィルターの下流側又は内部に入 るのを任意の他の手段によって防止しながら、フィルターの上流側又は外部にお ける溶液のレベルが膜を完全に覆うまで実施された。下流側でフィルターのコア を溶液で満たすように、溶液が膜を浸透するための時間を経過させた。コアが溶 液で満たされたときに、フィルターの下流側で1インチHgの真空を適用するこ とによって膜を横切って圧力差を生じさせ、かくして溶液は膜を通って流れ始め てフィルターのコアからでた。フィルターの下流側の容量の他に、合計240ミ リリットルの溶液をフィルターに遅い流速(膜を横切る小さい圧力差によって指 図される)で通した。次いで、溶液からフィルターを取り出し、フィルターの乾 燥を回避するように注意しながら過剰の溶液をドレンさせ、そして膜から過剰の ペルフルオルカーボン共重合体を除去するために100%イソプロパノールを収 容する第二容器に入れた。フィルターの下流側容積の他に、合計2リットルのイ ソプロパノールをフィルターに上記と同様の差圧条件下に通した。次いで、イソ プロピルアルコールからイソプロパノール湿潤フィルターを取り出し、乾燥させ ずにイソプロピルアルコールをドレンし、そしてフラッシング装置に入れ、そこ でそれを水でフラッシングした。これは、フィルターに水を1ガロン/分の流量 で20分間通してすべての残留未結合ペルフルオルカーボン共重合体及び/又は イソプロパノールを更に除去することによって行われた。装置から水フラシング 済みフィルターを取り出し、そして2モル濃度の塩酸中に16時間浸漬してフィ ルターを更にきれいにした。塩酸からフィルターを取り出し、水で濯ぎ、そして 先に記載したようにして水で30分間更にフラッシングした。次いで、水切りし た水湿潤フィルターを炉に入れ、そしてフィルターを乾燥させ且つ結合ペルフル オルカーボン共重合体と膜基体との間の結合強度を向上させるために120℃の 熱に16時間暴露させた。 乾燥した変性フィルターを60%イソプロパノール/40%水で湿潤させ、そ して泡立ち点圧試験法によって一体性について試験した。フィルターの泡立ち点 圧を測定すると、42psiであり、これはフィルターが一体的であったことを 示す。次いで、フィルターを100%イソプロパノールで湿潤し、ドレンし、そ してフラッシング装置に取り付け、そこでフィルターに水を1ガロン/分の流量 で5分間フラッシングしてイソプロパノールを置換した。フィルターの圧力降下 を測定すると、0.66psi/gpmであった。同じタイプの未変性湿潤PT FEフィルターの圧力降下を同じ条件下に測定すると、0.65psi/gpm であった。 例2 0.1ミクロンの細孔寸法を有するPTFE膜の約100線フィートの連続長 尺物を「Nafion」(商品名)ペルフルオルカーボン共重合体で表面変性し た。これは、例1の5重量%「Nafion」ペルフルオルカーボン共重合体を 含有する溶液を収容する浴にかかる膜を5フィート/分の速度で約2分の全接触 時間の間連続的に通すことによって行われた。次いで、膜を水を収容する第二浴 に送って膜から過剰の溶液を除去した。この浴における膜と水との接触時間は約 5分であった。次いで、膜を第三浴に送り、そこで新鮮な水を膜上に絶えず吹き 付けて膜を更に浄化した。この浴における膜と水との接触時間も約5分であった 。次いで、湿潤した変性膜を熱風下に通して膜を乾燥させた。次いで、乾燥した 膜を巻き上げてロールを形成した。変性膜のロールを炉に100℃で16時間入 れて結合ペルフルオルカーボン共重合体と膜基体との間の結合強度を向上させた 。 表面変性膜を使用して4インチひだ付きフィルター装置を作った。これは、か かる膜をペルフルオルアルコキシ重合体ハウジングにヒートシールすることによ って行われた。この装置は、泡立ち点圧法によって試験すると一体的であること が分かった。フィルターの圧力降下を測定すると、1.5psi/gpmであっ た。未変性湿潤PTFE膜を含むことを除いて同じタイプのフィルター装置の圧 力降下を同じ条件下に測定すると、1.5psi/gpmであった。 例3 0.1ミクロンの細孔寸法を有するPTFE膜の47mm直径円板を、例1か らの5重量%「Nafion」(商品名)ペルフルオルカーボン共重合体溶液中 に2分間浸漬した。溶液から膜円板を取り出し、そしてそれを乾燥させないよう に注意を払いながら、過剰の溶液をドレンした。次いで、湿潤膜を10ミリリッ トルの100%イソプロパノール中に5分間浸漬して過剰のペルフルオルカーボ ン共重合体を除去し、次いで3回の水濯ぎでイソプロパノールを置換した。水湿 潤膜を炉に入れ、そして120℃で2時間乾燥させた。表面変性膜は、付着され た結合ペルフルオルカーボン共重合体によって、初期膜基体の重量を基にして3 .7重量%の増加を有することが分かった。 変性膜から過剰の共重合体を除去するのに使用した10ミリリットルの100 %イソプロパノールを蒸発によって1ミリリットルに濃縮し、そしてフーリエ・ トランスホーム・インフラレッド・スペクトロスコピー(FTIR)によって分 析した。濃厚物のFTIRスペクトルはペルフルオルカーボン共重合体の存在を 示したが、これは、溶媒和及び/又は稀釈によって未結合ペルフルオルカーボン 共重合体が除去されたことを例証する。イソプロパノールブランクのFTIRス ペクトルは、ペルフルオルカーボン共重合体の形跡を全く示さなかった。 例4 例3からの乾燥した表面変性膜を10ミリリットルの100%イソプロパノー ル中に5分間浸漬し、次いで3回の水濯ぎでイソプロパノールを置換し、そして 炉において120℃で2時間乾燥させた。変性膜円板の重量は、この例における イソプロパノールへの暴露前に膜の重量(例3の変性膜の重量)と同じであるこ とが分かった。この例は、変性膜を例3における乾燥工程の間に又はその後に熱 処理すると、溶媒和未結合ペルフルオルカーボン共重合体用の溶剤又は希釈剤に よる膜の接触後でさえも、付着された結合ペルフルオルカーボン共重合体の全部 が膜表面上にとどまることを例証する。 (比較)例5 例3の方法に従って0.1ミクロンの細孔寸法を有するPTFE膜の47mm 直径円板を「Nafion」(商品名)ペルフルオルカーボン共重合体で表面変 性した。但し、膜は、乾燥工程間に熱に暴露されなかった。その代わり、膜は室 温で2時間放置して乾燥させた。表面変性膜は、付着された結合ペルフルオルカ ーボン共重合体によって、初期の膜基体の重量を基にして4.1重量%の増加を 有することが分かった。 次いで、乾燥した表面変性膜を10ミリリットルの100%イソプロパノール 中に5分間浸漬し、次いで3回の水濯ぎでイソプロパノールを置換し、そして室 温で放置して2時間乾燥させた。膜円板は、乾燥変性膜のイソプロパノールへの 暴露前に存在する付着された結合ペルフルオルカーボン共重合体の重量を基にし て7.4重量%に相当する量の損失重量を有することが分かった。この例は、変 性膜が未結合溶媒和ペルフルオルカーボン共重合体用の溶剤又は希釈剤と接触し た後に膜表面上には付着された結合ペルフルオルカーボン共重合体の大部分がと どまるけれども、乾燥工程間に又はその後に膜を熱処理しないと、少量の部分が 除去されうることを例証する。 例6 例1の手順に従って0.1ミクロンの細孔寸法を有するPTFE膜を含む10 インチひだ付きフィルター装置を「Nafion」(商品名)ペルフルオルカー ボン共重合体で変性した。また、0.05ミクロン膜を含む同様のフィルターを 同じ態様で表面変性した。両方のフィルターを水で湿潤した後に、2つの水湿潤 フィルターを水を収容するバッグ内に封止し、そしてオートクレーブ処理条件下 に殺菌した。湿潤フィルターを収容するバッグを24時間放置して冷却させてか ら、バッグからフィルターを取り出して圧力降下を測定した。0.1ミクロンフ ィルターは0.8psi/gpmの圧力降下を有し、そして0.05ミクロンフ ィルターは1.0psi/gpmの圧力降下を有していた。 次いで、2つのフィルターを100%イソプロパノールで湿潤し、そして水で フラッシングして再湿潤操作後の圧力降下を測定した。0.1ミクロンフィルタ ーは0.8psi/gpmの圧力降下を有し、そして0.05ミクロンフィルタ ーは1.0psi/gpmの圧力降下を有していた。この例は、高度にガス発生 性の液体条件下における本発明の製品の非脱湿潤性を例証する。 (比較)例7 米国ニューヨーク州イースト・ヒルズ所在のポール・コーポレーションから、 水を収容するバッグ内に封止された0.1ミクロン細孔寸法PTFE膜を含む水 湿潤「Super-Cheminert」(商品名)フィルター装置を入手した。同様に、米国 ニューヨーク州イースト・ヒルズ所在のポール・コーポレーションから、0.0 5ミクロン細孔寸法PTFE膜を含む水湿潤「Ulti-Cheminert」(商品名) フィルター装置も入手した。“受け取り時の”2つのフィルターの圧力降下を、 対応するバッグからフィルターを取り出した直後に測定した。0.1ミクロン装 置は1.4psi/gpmの圧力降下を有し、そして0.05ミクロン装置は6 .3psi/gpmの圧力降下を有していた。 次いで、2つのフィルターを100%イソプロパノールで湿潤し、そして水で フラッシングして再湿潤操作後の圧力降下を測定した。0.1ミクロン装置は0 .7psi/gpmの圧力降下を有し、そして0.05ミクロン装置は0.9p si/gpmの圧力降下を有していた。この例は、水のようなガス発生性液体の 存在下に従来技術の製品で見られる脱湿潤現象を例証する。例8 0.1ミクロンの細孔寸法を有する超高分子量ポリエチレン膜の47mm直径 円板を、例1からの5重量%「Nafion」(商品名)ペルフルオルカーボン 共重合体溶液中に2分間浸漬した。溶液から膜円板を取り出し、そしてそれを乾 燥させないように注意を払いながら、過剰の溶液をドレンした。次いで、湿潤膜 を10ミリリットルの100%イソプロパノール中に5分間浸漬して過剰のペル フルオルカーボン共重合体を除去し、次いで3回の水濯ぎでイソプロパノールを 置換した。水湿潤膜を炉に入れ、そして90℃で2時間乾燥させた。表面変性膜 は、付着された結合ペルフルオルカーボン共重合体によって、初期の膜基体の重 量を基にして2.8重量%の増加を有することが分かった。変性膜の表面上のペ ルフルオルカーボン共重合体の存在は、FTIR分析によって確認された。 例9 0.1ミクロンの細孔寸法を有するPTFE膜を含む10インチ積層円板フィ ルター装置を、例1に記載したようにして「Nafion」(商品名)ペルフル オルカーボン共重合体で変性した。変性フィルターを先に記載の修正SEMAT ECH粒子保持法に従って試験すると、0.05ミクロン粒子で4.5のロッグ ・リダクション・バリュウ(Log ReductionValue)(LRV)(99.995% 保持率)を有することが分かった。フィルターの圧力降下を測定すると、0.7 7psi/gpmであった。 また、同じタイプの未変性対照フィルターを修正SEMATECH粒子保持法 に 従って試験すると、0.05ミクロン粒子で1.0のロッグ・リダクション・バ リュウ(LRV)(90.0%保持率)を有することが分かった。フィルターの 圧力降下を測定すると、0.74psi/gpmであった。この例は、本発明の 製品の向上した粒子保持特性を例証する。 例10 先に記載した標準脱湿潤試験に従って次のフィルター、即ち、(1)0.05 ミクロンの細孔寸法を有するPTFE膜であってその表面を例1に従って「Na fion」(商品名)ペルフルオルカーボン共重合体で変性したものを含む10 インチひだ付きフィルター装置、(2)同じPTFEタイプの未変性湿潤対照フ ィルター、及び(3)米国ニューヨーク州イースト・ヒルズ所在のポール・コー ポレーションから入手した0.05ミクロン細孔寸法PTFE膜を含む「Ulti-C heminert」(商品名)フィルター装置、を試験した。 試験結果は図5に提供されるが、図5は、圧力降下対条件又はドレン数のプロ ットを表わす。変性膜(1)は、ろ過間に初期の圧力降下から64%の圧力降下 増大を示し、これに対してフィルター(2)及び(3)はろ過間に初期の圧力降 下からそれぞれ600%及び300%の増大を示す。次いで、フィルターをすべ て100%イソプロパノールで再湿潤し、そして水圧力降下をもう一度測定した 。再湿潤操作の後、圧力降下はすべて初期の圧力降下と実質上同じであり、この ことは、試験間に観察された圧力降下の増大又は束特性の損失がろ過プロセス間 の脱湿潤のみによるものであったことを示す。 例11 0.05ミクロンの細孔寸法を有するPTFE膜を含む10インチひだ付き円 板フィルター装置を、例1に記載したようにして「Nafion」(商品名)ペ ルフルオルカーボン共重合体で変性した。次いで、フィルターを“Standard SC2 Drain Test”法に従って次の如くして試験した。フィルターを100%イソプ 日パノールで湿潤し、そして水でフラッシングしてそのアルコールを置換した。 次いで、フィルターを、集積回路の製造間にシリコンウェファーを浄化するのに 使用された液体浴を精製するのに使用される再循環薬品浴系のろ過系のフィルタ ーホルダーに取り付けた。この液体(SC2として知られる)は、0.2部の3 7%塩酸(HCl)、強酸化剤としての1部の30%過酸化水素(H22)、及 び5部の水を含む高度にガス発生性で化学的に活性な液体である。浴における液 体の温度は80℃に維持される。 ろ過プロセスの間、フィルター装置を通して液体を推進させるために容積形ポ ンプが使用され、かくしてフィルターを横切って圧力降下が形成される。使用時 のフィルターの直接的圧力降下データは得るのが困難であるので、フィルターの 上流側の圧力(P)、並びにフィルターを通る液体流量(Q)が監視される。上 記の圧力を流量によって割った比率(P/Q)を流れに対する全系抵抗性の指標 として使用することが産業界において一般に行われている。時間と共に潜在的に 変化する可能性があるろ過系の唯一の部分は粒状物の除去によるか又は脱湿潤に よる流れに対するフィルターの抵抗性であるので、P/Q比は、液体流れに対す るフィルターの抵抗性の直接的尺度である。また、P/Q比は、フィルターの流 れ抵抗性のより敏感な尺度である。というのは、それは、P単独又はQ単独での 変化よりも著しく変化するからである。Pは圧力差のポンド/平方インチ(ps i)単位で測定され、これに対してQはガロン/分(gpm)単位で測定される 。それ故に、P/Q比は、psi/gpm単位で与えられる。必要ならば、この プロセスをより詳細に説明している、米国マサチューセッツ州ベッドフォード所 在のミリポア・コーポレーションから入手できるミリポア・コーポレーション・ テクニカル・ドキュメントMA059を参照されたい。 ろ過系のホルダーに取り付けられた湿潤フィルターを使用して、SC2液体を 80℃でフィルターに通し、そして“初期”P及びQを測定した。この例では、 きれいなSC2液体だけを使用し、そして粒子の保持のような液体流れに対する 向上した抵抗性をもたらす可能性がある他の潜在的効果を回避し、かくして脱湿 潤現象を隔離するためにウェファーが全く処理されなかった。フィルターホルダ ーからドレン弁及びベント弁を介して液体を排出させ、そしてフィルターホルダ ーを含めて系を通る気を推進させるポンプを使用して、浴及び配管(ポンプを含 めて)から浴中の液体の全容量も排出させた。この第一ドレンサイクルの後に、 フィルターに液体を流通させながら、浴を新鮮なSC2液体で満たしそして80 ℃に加熱した。液体の温度を80℃に設定した後に、“ドレン#1”P及びQ値 を測定した。このドレンサイクルを追加的に5回反復し、そして各ドレンサイク ル後にその対応するP及びQ値を測定した。比較のために、0.05ミクロンP TFE膜を含む未変性湿潤対照フィルター(フィルター2)及び米国ニューヨー ク州イースト・ヒルズ所在のポール・コーポレーションから得られる0.05ミ クロン細孔寸法PTFE膜を含む商品名「Ulti-Cheminert」フィルター(フィル ター3)を使用して、この例を反復した。 この例からの結果は、P/Q比対ドレン数のプロットを表わす図5に示される 。この結果によれば、本発明に従って製造された変性膜フィルター(フィルター 1)は、時間又はドレン数の経過による一定のP/Q比によって分かるように、 これらの極めて化学的に攻撃的で且つ高度にガス発生性の条件下においてさえも 脱湿潤せず、これに対して、未変性フィルタフィルター(フィルター2)及び「 Ulti-Cheminert」フィルター(フィルター3)は、P/Q比の増大によって分か るように、脱湿潤することが示されている。 例12 0.1ミクロンの細孔寸法を有するPTEF膜を含む10インチ積層円板フィ ルター装置を、例1に記載したようにして商品名「Nafion」ペルフルオル カーボン共重合体で変性した。フィルターを100%イソプロパノールで湿潤さ せ、そして水でフラッシングしてアルコールを置換した。0.05ミクロンの細 孔寸法を有する変性PTFE膜を含む同様のフィルターを同じ態様で湿潤させた 。2つの水湿潤フィルターを泡立ち点圧試験装置に取り付け、そしてフィルター の水泡立ち点圧を測定した。また、同じ態様で、未変性湿潤対照フィルターの水 泡立ち点圧も測定した。 2つの変性フィルターの泡立ち点圧は40psiよりも大きく、これに対して 未変性フィルターの泡立ち点圧は5psiよりも低かった。 例13 例1及び3の方法に従って商品名「Nafion」ペルフルオルカーボン共重 合体で変性した0.1ミクロン細孔PTFE膜のいくつかの試料を100%イソ プロパノールで湿潤し、そして水で濯いでそのアルコールを置換した。水湿潤試 料を次の化学薬品中に次の条件下に浸漬した。 (a)97%硫酸、150℃、100時間 (b)30%過酸化水素、50℃、100時間 (c)2.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、50℃、100時間 (d)1部の水酸化アンモニウム(28%)、1部の過酸化水素(30%)及 び5部の水を含有するSC1溶液、80℃、3時間 (e)1部の塩酸(37%)、1部の過酸化水素(30%)及び5部の水を含 有するSC2溶液、80℃、3時間 (f)7部の硫酸(97%)及び1部の過酸化水素(30%)を含有するピラ ンハ(piranha)溶液、135℃、168時間 SC1及びSC2溶液を、有効な酸化剤レベルを維持する温度において新鮮な 溶液で30分毎に置き換え、そしてピランハ溶液を24時間毎に新鮮な溶液で置 き換えた。更に、(c)及び(d)からの試料を試験後に塩酸で処理して、すべ ての試料が試験後に酸形にあることを確実にした。 これらの高度に攻撃的な化学薬品への暴露後に、試料を水で十分に濯ぎ、しか る後に、化学薬品に暴露されなかった対照試料と一緒にFTIRによって分析し た。対照を含めてすべての試料のFTIRスペルトルは同じであり、このことは 、変性膜の化学組成の変化が全く起こらなかったことを示す。加えて、FTIR スペクトルの定量的分析によって、変性用ペルフルオルカーボン組成物の量の変 化が全く起こらなかったことが決定された。 (比較)例14 この例は、米国特許第4470859号明細書に記載される従来技術の方法、 及びこれによって得られる望ましくない結果を例証する。ペルフルオルカーボン 共重合体組成物による多孔質膜基体の表面変性の程度は、以下に記載した操作に よる染料での染色によって決定された。 先ず商品名「Nafion 117」の8インチ×10インチフィルムを切断 して2インチ×2インチフィルム片にすることによって、商品名「Nafion 117」ペルフルオルカーボン共重合体の溶液を作った。商品名「Nafio n 117」は、0.91meq/gのイオン交換容量及び1100の当量を有 する「Nafion」共重合体フィルムのスルホン酸形である。 次いで、それよりも小さいフィルム片を共重合体のリチウムスルホン酸塩形に 転換した。これは、それらを溶液の重量を基にして3重量%のLiOH及び1重 量%のジメチルスルホキシド(DMSO)の水溶液中に浸漬することによって行 われた。溶液を50℃に4時間加熱し、次いで室温に冷却した。溶液からフィル ム片を取り出し、そして脱イオン水中において1時間の間に3回濯いだ。フィル ム片を測定すると、ペルフルオルカーボン共重合体をリチウムスルホン酸塩形で 含んでいた。 15gのリチウム変性フィルム片を丸底フラスコに285mlのテトラメチレ ンスルホン(スルホラン)溶剤と一緒に入れ、そして窒素ブランケット下に撹拌 しながら240℃に4時間加熱した。しかる後、この溶液を25〜30℃に冷却 して共重合体の5重量%溶液を作り、これにスルホランを加えることによって希 釈して1重量%溶液を作った。 米国特許第4470859号の操作に従って、次いで、2ミクロンPTFE膜 を1%溶液中に浸漬したが、この溶液は膜を湿潤しなかった。溶液及び膜を入れ た容器を真空室中に入れ、そして150mmHg絶対の真空を2分間施し、次い で急速に大気にガス抜きした。真空及び急速ガス抜きを反復した。溶液は依然と して、膜を湿潤しなかった。 次いで、溶液から膜を取り出し、そして炉に130℃で6時間入れた。炉から 膜を取り出し、室温で冷却し、そしてイソプロパノール(IPA)中に浸漬して 膜を湿潤させた。次いで、湿潤膜を、メチレンブルー染料の0.1%水溶液中に 、膜表面の染色が生じるまで浸漬した。次いで、膜から過剰の染料を除去するよ うに撹拌しながら、膜を水、IPA及び水中において順次洗浄した。 図10の図面は、暗い斑点によって示されるように、表面変性用組成物が膜表 面を不完全に変性したことを示す。明るい背景は未変性膜基体からなる。図6( 非染色PTFE膜)及び図7(メチレンブルーの0.1%水溶液中に浸漬し次い で濯いだPTFE)の対照は、PTFE膜基体がメチレンブルーによって染色さ れないことを示す。 米国特許第4470859号の0.2ミクロンPTFE多孔質膜の表面変性法 を反復したが、但し、PTFE膜基体は、この例で先に記載した表面変性用共重 合体のスルホラン溶液との接触前にIPAで約10秒間予備湿潤された。IPA は即座にPTFE基体を湿潤する。加えて、接触は真空及びガス抜きによって行 われなかった。というのは、膜は予備湿潤されたからである。予備湿潤工程の目 的は、それが図10に示される表面変性結果を改善したかどうかを調べることで あった。 IPAで予備湿潤された後、膜をスルホラン中に5分間浸漬して膜中のIPA をスルホランで置換した。スルホランで湿潤した膜を次いで、ペルフルオルカー ボン共重合体組成物の1%スルホラン溶液中に5分間浸漬した。次いで、溶液か ら膜を取り出し、そしてペルフルオルカーボン共重合体組成物の新鮮な1%スル ホラン溶液中に15分間浸漬した。 次いで、溶液から膜を取り出し、130℃で6時間オーブン乾燥した。次いで 、表面変性膜をこの例において先に記載したようにしてメチレンブルーで染色し た。表面変性膜は図11の図面に示される。図11に示されるように、PTFE 膜は不完全に表面変性されている。 (比較)例15 本例は、米国特許第4470859号明細書に記載される従来技術の方法、及 び膜を表面変性するための共重合体沈殿技術の利用が不満足な結果をもたらすこ とを例証する。 0.2ミクロンPTFE膜基体を例14の1%スルホラン溶液中に浸漬し、そ して例14に記載される如くして2つのサイクルで真空及び急速ガス抜きを実施 した。その溶液は膜を湿潤しなかった。溶液から膜を取り出し、そしてトルエン 中に15秒間浸漬してペルフルオルカーボン共重合体組成物の沈殿を生じさせた 。次いで、トルエンから膜を取り出し、そして炉に130℃で6時間入れた。炉 から膜を取り出し、冷却し、そして例14に記載の操作によってメチレンブルー で染色した。 図8に示される得られた膜は、その表面が不完全に変性されている。 米国特許第4470859号の0.2ミクロンPTFE多孔質膜の表面変性法 を反復したが、但し、そのPTFE膜基体は、この例で先に記載した表面変性用 共重合体のスルホラン溶液と接触させるために膜をIPA中に浸漬させることに よってIPAで予備湿潤された。加えて、真空及びガス抜きによって接触を期待 しなかった。というのは、膜が予備湿潤されたからである。予備湿潤工程の目的 は、それが図8に示される表面変性結果を改善したかどうかを調べることであっ た。 IPAで予備湿潤された後、膜をスルホラン中に5分間浸漬して膜中のIPA をスルホランで置換した。次いで、スルホランで湿潤した膜を例14のペルフル オルカーボン共重合体組成物の1%スルホラン溶液中に5分間浸漬した。次いで 、溶液から膜を取り出し、そして例14のペルフルオルカーボン共重合体組成物 の新鮮な1%スルホラン溶液中に15分間浸漬した。溶液から膜を取り出し、そ してトルエン中に15秒間浸漬してペルフルオルカーボン共重合体組成物の沈殿 を生じさせた。次いでトルエンから膜を取り出し、そして炉で130℃で6時間 乾燥させた。次いで、表面変性膜を冷却し、そして例14に記載の如くしてメチ レンブルーで染色した。表面変性膜を図9に示す。この膜は、図8に示される膜 と比較してその表面のより多くが共重合体で変性されているけれども、その表面 は不完全に変性されていて望ましくない。 例16 本例は、膜を湿潤する溶剤より形成されるペルフルオルカーボン共重合体溶液 を使用するときの本発明の方法を例証する。 米国ウイスコンシン州ミルウオーキー所在のアルドリッチ・ケミカル・カンパ ニーから入手される低級アルコールと水との混液中に溶解されたスルホン酸形の 商品名「Nafion」ペルフルオルカーボン共重合体の1重量%溶液中に、0 .05ミクロンPTFE膜を室温で1分間浸漬した。このペルフルオルカーボン 共重合体は1100の当量を有していた。膜は、溶液中で即座に湿潤する。 溶液から膜を取り出し、そして直ちにIPA中に室温で1分間浸漬した。IP Aは膜を湿潤する。次いで、IPAから膜を取り出し、そして直ちに水中に撹拌 しながら2分間浸漬した。水から膜を取り出し、そして120℃で2時間オーブ ン乾燥させた。 炉から膜を取り出し、室温に冷却し、そしてIPA中に浸漬した。IPAから 膜を取り出し、そして直ちにメチレンブルーの0.1%水溶液中に撹拌しながら 浸漬した。 次いで、膜を水中で洗浄して過剰のメチレンブルーを除去し、次いでIPAで 洗浄し、次いで水中に浸漬した。次いで、膜を室温で乾燥させた。得られた膜を 図14に示すが、この膜の表面は、表面変性用組成物で完全に変性されている。 例17 本例は、膜をペルフルオルカーボン共重合体溶液との接触に続いて未結合ペル フルオルカーボン共重合体を除去し且つこの膜を湿潤する溶剤と接触させたとき にこの膜が湿潤されないようなペルフルオルカーボン共重合体溶液を使用して本 発明の膜を製造することができることを例証する。 例15に記載の予備湿潤操作によって、0.05ミクロンPTFE膜をIPA で予備湿潤した。次いで、IPAから膜を取り出し、そしてスルホラン中に5分 間浸漬して膜中のIPAをスルホランで置換した。次いで、スルホランで湿潤し た膜を例14に記載の1%ペルフルオルカーボン共重合体溶液中に5分間浸漬し た。次いで、溶液から膜を取り出し、そして例14のペルフルオルカーボン共重 合体組成物の新鮮な1%スルホラン溶液中に15分間浸漬させた。 次いで、溶液から膜を取り出し、そして直ちにIPA中に2分間浸漬して膜か ら過剰の表面変性用組成物を除去した。IPAから膜を取り出し、そして直ちに 水中に2分間浸漬した。水から膜を取り出し、そして120℃で16時間オーブ ン乾燥させた。 次いで、膜を例14に記載の操作によってメチレンブルーで染色した。得られ た膜を図12に示す。膜表面は、完全表面染色によって示されるようにペルフル オルカーボン共重合体組成物で完全に変性されている。 例18 本例は、薄い多孔質膜基体を湿潤するペルフルオルカーボン共重合体組成物の 溶液を利用して膜表面をその共重合体組成物で完全に変性することができること を例証する。 0.1ミクロンPTFE膜を例16に記載のペルフルオルカーボン共重合体組 成物のアルコール溶液中に15秒間浸漬した。溶液は、膜を完全に湿潤すること が観察された。 溶液から膜を取り出し、そして炉に120℃で2時間直接入れた。炉から膜を 取り出し、そして例14の操作によってメチレンブルーで染色した。 膜表面は、図13に示されるように共重合体で完全に変性された。
【手続補正書】 【提出日】平成11年11月4日(1999.11.4) 【補正内容】 明細書 表面変性多孔質膜及び方法発明の分野 本発明は、ペルフルオルカーボン重合体組成物で変性された表面変性多孔質薄 膜、及び該膜の製造法に関する。従来技術の背景 多孔質膜フィルターは、流体流れ中の物質を分離するために種々な環境中にお いて利用されている。膜は固体重合体マトリックスから形成され、そして高度の 精密さで制御されそして測定可能な多孔度、細孔寸法、及び厚さを有する。使用 に当たって、膜フィルターは一般にはカートリッジのような装置に組み込まれ、 そして流体流れ中に挿入して液体及び気体から粒子、微生物又は溶質の除去を行 うように適応される。 有用であるためには、膜フィルターは、その強度、多孔度、化学的一体性及び 清潔さを維持するようにろ過しようとする流体に対して抵抗性でなければならな い。例えば、ミクロ電子回路の製造では、膜フィルターは、種々のプロセス流体 を精製して汚染物が回路の破損を引き起こさないようにするために広く使用され ている。流体のろ過又は精製は、通常、プロセス流体を膜フィルターに該膜を横 切る圧力差(これは、膜の下流側よりも上流側においてより高い圧力の帯域を形 成する)の下に通すことによって実施される。かくして、この態様でろ過しよう とする液体は、膜フィルターを横切って圧力降下を受ける。この圧力差は、上流 側で下流側の液体よりも高い溶存ガスレベルを有する液体をもたらす。これは、 空気のようなガスが低い方の圧力にある流体よりも高い方の圧力にある液体中に おいてより高い溶解度を有するためである。液体が膜フィルターの上流側から下 流側に通過するにつれて、膜において溶液から溶存ガスが出てきて液体のガス発 生をもたらす。また、液体のガス発生は、液体が溶存ガスを含有する限り圧力差 がなくても自然に起こる可能性があり、そしてガスが溶液から出てくるための推 進力、例えば、膜の表面上にガスポケットが形成して成長することができるよう な核形成部位が存在する。半導体やミクロ電子装置の製造において典型的に使用 されるガス発生性液体は、通常は、極めて高い純度の水、オゾン化水、アルコー ルのような有機溶剤、並びに、酸化剤を含有することができる濃厚及び水性酸又 は塩基のような一般的に有意に化学的活性な他のものを含む。これらの化学的活 性な液体は、膜の劣化を防止するために化学的に不活性なフィルターの使用を必 要とする。膜組成の化学的破壊をもたらす膜の劣化は、通常、使用間にフィルタ ーから離脱される抽出可能な物質をもたらし、かくしてろ過しようとする流体の 純度、保全性及び清潔さを危うくする。これらの用途では、ポリテトラフルオル エチレンのような弗素含有重合体から作られたフルオルカーボン基材膜フィルタ ーが通常使用される。弗素含有重合体は、それらの化学的不活性、又は化学薬品 攻撃に対する優秀な抵抗性が周知されている。弗素含有重合体の1つの不利益は 、それらが疎水性であり、それ故にかかる重合体から作った膜がその膜の表面エ ネルギーよりも大きい表面張力を有する水性流体又は他の流体で湿らすのが困難 であることである。ガス発生性液体を疎水性膜フィルターでろ過する間にしばし ば遭遇する他の問題は、ろ過プロセス間に溶存ガスが差圧の推進力下に溶液から 出てくるための核形成部位が膜によって提供されることである。内部細孔表面及 び外部又は幾何学的表面を含めて疎水性膜表面上にあるこれらの核形成部位で溶 液から出てくるガスは、膜に付着するガスポケットを形成する。これらのガスポ ケットが連続したガス発生によって寸法を大きくするにつれて、それらは、膜の 細孔から液体を置換し始め、最後には膜の有効ろ過面積を減少させる。この現象 は、通常、膜フィルターの脱湿潤(dewetting)と称されている。というのは、 膜の流体湿潤又は流体充填部分は、流体非湿潤又はガス充填部分に徐々に転換さ れるからである。また、膜の脱湿潤は、水性流体で湿った疎水性膜のような湿潤 膜が空気のようなガスに暴露されると自然に起こりうる。この脱湿潤現象はより 頻繁に起こり、そしてポリテトラフルオルエチレンのような弗素含有重合体から 作られたフルオルカーボン基材膜においてより顕著であることが分かった。また 、脱湿潤が起こるときの速度は、0.2μm(ミクロン)又はそれ以下のような 小さい細孔寸法の膜ではそれよりも大きい細孔寸法の膜よりも速いことも分かっ た。ろ過プロセスの間に、フィルター装置において膜の脱湿潤によってろ過に利 用可能な有効膜面積が減少することは、フィルターの全ろ過効率の低下をもたら す。この低下した効率は、所定の圧力降下におけるフィルターを通る流体の流量 の低下、又は所定の流量における圧力降下の増大において明らかになる。かくし て、膜フィルターが時間と共に脱湿潤するにつれて、ユーザーは、フィルターが 新たに取り付けられ、それ故に完全に湿っているときと同じ容量(単位時間当た り)のプロセス液体を精製又はろ過することができない。ろ過プロセスの全処理 容量のこの減少は、単位容量のプロセス液体を精製するためのユーザーの時間及 びコストの増加をもたらす。処理量の減少に直面して、ユーザーは、プロセスに おいて新しいフィルターを取り付けそして脱湿潤フィルターを廃棄することがし ばしば要求される。必ずしもフィルターの異物保持能の枯渇によるのではなく脱 湿潤によるこの早期のフィルター変化は予定外の停止時間をもたらし、且つユー ザーの全コストを増加する。随意として、ユーザーは、膜を横切って圧力降下を 増大させるためにポンプがフィルターを通して液体を強制送りするときの速度を 増大させることのようなろ過系の他の要素に対して調整を行い、かくして一定の 流量を維持することによって効率の低下を補うことができる。これらの調整はユ ーザーにとってより高い操作コストになり、そして系にある他の要素の故障の可 能性、並びにプロセス圧の増大によるプロセス液体の漏れの可能性を増加する。 ユーザーが脱湿潤による早期のフィルター変化を回避するための他の選択は、フ ィルターを処理して膜を再湿潤することである。この処理は予定外の停止時間を もたらすろ過系からフィルター装置を取り外すことを要求するので時間を浪費し 、そしてフィルターを通過するプロセス液体に対して再湿潤プロセスから誘導さ れた汚染物の導入をしばしばもたらす可能性がある。典型的には、イソプロパノ ールのようなアルコール(これらは、安全上の関心を引き起こす可燃性液体であ る)を含めて低表面張力の再湿潤剤を使用することができる。ろ過装置を使用状 態に戻す前に、最終ユーザーは、脱湿潤フィルターをアルコールで再湿潤し、次 いで水によるフラッシング、次いでプロセス液体によるフラシッングを行う。膜 の製造業者は、脱湿潤フィルターを取り扱い且つ処理するための専門技術を有し ている可能性があるけれども、最終ユーザーは、かかる追加的なコスト高のプロ セス工程を実施するための能力又は希望を有しないかもしれない。 すべての膜は、膜の粒子保持特性に直接関係する公称細孔寸法によって特徴づ けられる。細孔寸法は膜を通る流量に正比例し、そして粒子保持は反比例する。 粒子保持及び流量の両方を最大限にするのが望ましい。これらの特性の1つを有 意に増大させそしてこれらの特性のうちの他のものを有意に低下させることは望 ましくない。 ベネズラ氏他の米国特許4470859には、ポリテトラフルオルエチレンの ようなフルオルカーボンより形成した微孔質基体の表面をペルフルオルカーボン 共重合体の溶液からの該共重合体の被覆で変性して膜の表面をより水湿潤性にす るための方法が開示されている。ペルフルオルカーボン共重合体は、溶剤中に高 められた温度において溶解される。次いで、その膜は溶液中に浸漬され、そして 真空室中に置かれる。次いで、室内の圧力は、フィルター内から空気を除去する ために約150mmHg(絶対圧)になる程に下げられる。しかる後、室内の圧 力は、大気圧に迅速に戻される。この被覆プロセスは、ベネズラ氏他が記載した こと、即ち、膜の細孔への完全な溶液侵入を確保するために反復される。この態 様で進めることによって、膜内の隙間を画定する膜表面及び内壁はペルフルオル カーボン共重合体で被覆される。被覆工程後に、溶剤は熱及び真空を使用して蒸 発によって除去され、又は溶媒和ペルフルオルカーボン共重合体は該共重合体が 事実上不溶性であるところの物質で沈殿される。溶液を形成するのに使用される 溶剤としては、ハロカーボン油、ペルフルオルオクタン酸、デカフルオルビフェ ニル、N−ブチルアセトアミド及びN,N−ジメチルアセトアミドが挙げられる 。膜表面の変性に続いて、ベネズラ氏他は、膜表面上の変性用共重合体に対する 溶剤を含有する流体の使用を回避することを教示している。また、ベネズラ氏他 は、重合体のアルコール溶液を回避すべきであることを開示している。 米国特許4433082及び4453991には、先に記載した被覆法に使用 される溶剤と比較して比較的害のない溶剤を使用してテトラフルオルエチレンと メチルペルフルオル(4,7−ジオキサ−5−メチル−8−ノネノエート)又は ペルフルオル(3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオ リド)との共重合体のような過弗素化イオン交換重合体の溶液を形成する方法が 開示されている。この過弗素化イオン交換重合体は、イソプロパノールのような アルコール溶剤中に高められた温度及び圧力において溶解される。得られた溶液 は、水性塩化ナトリウムの電解のような電気分解プロセスにおいて使用されるフ ィルム及び非孔質膜を製造し且つ修理するのに、多孔質ダイヤフラムを被覆して それらを非孔質製品に転換するために様々な化学反応を促進する際に使用する触 媒担体の如き基体を被覆するのに、また、スルホン酸又はスルホネート官能基を 有する使用済みの過弗素化重合体を再使用のために回収するのに有用であると記 載されている。これらの特許によって開示されるような電解プロセスでは、被覆 ダイヤフラムから誘導される抽出分は実質的な関心事ではなく、そして変性ダイ ヤフラムの多孔度は重要なものではない。 また、米国特許4348310には、弗化スルホニル含有フルオル重合体の溶 液が開示されている。ここで使用される溶剤は、完全にハロゲン化された飽和炭 化水素であって、好ましくは少なくとも1個の末端弗化スルホニル極性基を有す るものである。この溶液は、弗素化重合体から作られた膜中の穴を修理するのに 、また、イオン交換フィルム膜、透析膜、限外ろ過膜及びミクロろ過膜を作るた めに使用されると記載されている。これらの溶液について他の開示された用途は 、ダイヤフラムにその溶液を接触させ次いでハロゲン化溶剤を蒸発させ次いで被 覆したダイヤフラムを加水分解して弗化スルホニル基を酸又は塩形に変換するこ とによって電気化学セル用の多孔質ダイヤフラムを被覆することである。 マルロウク氏他の米国特許4902308にも、多孔質の膨張したポリテトラ フルオルエチレン膜の表面をペルフルオル陽イオン交換重合体の溶液からの該重 合体で変性する方法が記載されている。また、マルロウク氏他は、表面変性膜に 該重合体用の溶剤を含有する流体を接触させることは回避されるべきであること を教示している。 米国特許4259226及び4327010には、カルボン酸塩基を有する弗 素化重合体で多孔質膜表面を変性することが開示されている。膜から抽出分を制 御するための、又は膜表面への変性用組成物の結合度を制御するためのプロセス 工程は全く開示されていない。 米国特許5183545及び5094895には、表面をペルフルオルイオン 交換重合体組成物で変性してなる多孔質で多層の膨張ポリテトラフルオルエチレ ン基体から多層で複合体の多孔質ダイヤフラムを作る方法が開示されている。こ の変性用重合体組成物は界面活性剤を含有することができ、そして過剰の変性用 組成物を含有してもよいが、これらの両方とも望ましくない抽出分の源である。 加えて、これらの特許は、0.25mmを超え、好ましくは約0.76mm〜約 5.0mmの厚さを有する厚いポリフルオルカーボンダイヤフラムをペルフルオ ルイオン交換重合体で被覆する方法が開示されている。薄い膜基体は特定的に排 除され、1000よりも大きい当量を有するペルフルオルイオン交換重合体被覆 の使用も排除されている。 従って、湿潤性を向上させる変性表面を有する多孔質薄膜を提供することが望 ましいであろう。加えて、弗素含有重合体より構成される多孔質膜のような薬品 攻撃に対して抵抗性のかかる膜を提供するのが望ましいであろう。更に、使用間 に脱湿潤しないように、ガス発生性液体をろ過するときに表面上にガスの核形成 を促進しないかかる膜を提供することが望ましいであろう。また、得られる膜、 特に小さい細孔寸法の膜の束特性に有意の悪影響を及ぼさずに未変性膜と比較し て向上された粒子保持特性を有するかかる膜を提供することが望ましいであろう 。発明の概要 本発明は、内部細孔表面及び外部幾何学的表面を含めて表面を付着され結合さ れたペルフルオルカーボン共重合体組成物で完全に変性してなる薄い多孔質重合 体膜基体を製造する方法提供するものである。このペルフルオルカーボン共重合 体組成物は、それが重合体基体表面に結合されるような態様で付着される。ペル フルオルカーボン共重合体組成物の溶液は、重合体基体を溶液に浸漬させるか、 又は溶液を重合体基体に加圧下に通すか、又は膜の細孔に加圧下に貫入させるこ とによるが如くして薄い重合体基体と接触される。本明細書における用語「溶液 」は、溶剤、希釈剤又は分散剤媒体中に完全溶解及び/又は部分溶解ペルフルオ ルカーボン共重合体組成物を含有する液体組成物を含む。これらの溶液は、分散 媒体中に懸濁された未溶解ペルフルオルカーボン共重合体組成物の懸濁体を含む 。この溶液は、ペルフルオルカーボン共重合体組成物に対する溶剤、希釈剤又は 分散剤媒体である液体組成物であって膜基体を完全に湿潤するものを含み、又は 、それが膜基体を湿潤しないときには、膜は、溶液が膜の細孔に入ることができ るように予備湿潤される。溶液が膜の細孔に完全に入ることが必要要件である。 溶液が最初に膜を湿潤しない場合には、次いで、表面変性膜基体を、膜基体に結 合されたペルフルオルカーボン共重合体組成物の除去を回避しながら、未結合ペ ルフルオルカーボン共重合体組成物を溶媒和又は希釈によるが如くして選択的に 除去する溶剤、希釈剤又は分散剤と接触させることができる。過剰の未結合共重 合体を除去するために膜を共重合体含有溶液で湿潤させる場合には、続いての表 面変性膜基体を溶剤、希釈剤又は分散剤と接触させる工程を随意に利用すること ができる。得られた表面変性膜は、次いで、膜基体と結合ペルフルオルカーボン 共重合体組成物との間の結合強度を向上させるために乾燥されそして熱処理され る。これによって製造された変性膜の基体表面は、ペルフルオルカーボン共重合 体組成物で完全に変性される。 表面変性されて熱処理された膜はその表面が、結合ペルフルオルカーボン共重 合体組成物(これは、驚いたことに、未結合溶媒和ペルフルオルカーボン共重合 体組成物を溶媒和及び/又は希釈する溶剤又は希釈剤中に実質上可溶性でない) で完全に変性される。本明細書において用語「完全に変性された」を使用すると きには、それは、表面変性の程度が、膜をガス発生性液体と接触させたときに膜 の脱湿潤を何ら検出することができない程で、しかも、表面をメチレンブルー染 料で色付けしたときに表面の未染色部分が全く検出されない程のものであること を意味する。かくして、過剰の又は未結合のペルフルオルカーボン共重合体組成 物は、変性膜表面に悪影響を及ぼさずに未結合のペルフルオルカーボン共重合体 組成物についての溶剤又は希釈剤と共に変性膜から選択的に除去されることがで きる。加えて、膜から除去された未結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物は もはや、表面変性膜を通過させようとする流体中で離脱される可能性がある抽出 分の源ではない。かくして、本発明の表面変性されて熱処理された膜は、未結合 溶媒和ペルフルオルカーボン共重合体組成物用の溶剤又は希釈剤である液体が膜 と接触するときでさえも抽出分を実質上含まない。表面変性膜は、膜の単位面積 当たりのペルフルオルカーボン共重合体組成物の量が変性膜の全表面にわたって 実質上同じになるように変性用組成物で実質上均一に変性される。過剰の未結合 ペルフルオルカーボン共重合体組成物を除去するための溶剤又は希釈剤による後 続処理は、結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物による基体表面の実質上均 一且つ完全な変性を促進する。加えて、表面変性用組成物は、精製水のろ過間に 膜を横切る圧力降下の増大を測定することによって調べて、多孔質膜基体が実質 上閉鎖又は閉塞されないような量で且つ濃度で使用される。本発明の変性多孔質 膜製品は、圧力降下によって測定して未変性多孔質膜基体と実質上同じ透過性を 有する。即ち、未変性多孔質膜基体を横切る圧力降下と比較した時の本発明の変 性多孔質膜の場合の圧力降下の増大は、25%を超えない。好ましくは、この圧 力降下の増大は、未変性多孔質膜基体を横切る圧力降下と比較して15%を超え ず、そして最も好ましくは10%を超えない。 本発明に従って変性された膜は、未変性膜の束特性を実質上維持しながらずっ と小さい細孔寸法の未変性膜の粒子保持特性を有することができる。更に、本発 明の膜の表面変性を行う組成物はペルフルオルカーボン共重合体組成物から形成 されるので、変性表面もまた、化学薬品攻撃に対して高度に抵抗性である。加え て、ペルフルオルカーボン共重合体組成物は、ガス発生性液体をろ過するときに 膜の表面でのガスの核形成を促進しない。かくして、ガス発生性液体をろ過する ときには、本発明の膜の有効寿命は、膜の脱湿潤をもたらすガス発生性液体をろ 過するときに表面上でのガスの核形成を促進する未変性フルオルカーボン膜の有 効寿命よりも有意に長い。図面の簡単な説明 図1は、例1の方法によって形成された膜の1つの幾何学的表面の5029倍 の倍率で撮ったSEMである。 図2は、例1の膜の第二の幾何学的表面の5029倍の倍率で撮ったSEMで ある。 図3は、例1の膜の横断面の9133倍の倍率で撮ったSEMである。 図4は、例10の標準脱湿潤試験の結果を示すプロットである。 図5は、例11の標準SC2ドレンテストのP/Q対ドレン数を示すプロット である。 図6は、例14の未染色対照の図(4.3×)である。 図7は、例14の染色対照の図(4.3×)である。 図8は、染色された例15の非予備湿潤沈殿被覆試料の図(4.3×)である 。 図9は、染色された例15の予備湿潤沈殿被覆試料の図(4.3×)である。 図10は、染色された例14の非予備湿潤真空被覆試料の図(4.3×)であ る。 図11は、染色された例14の予備湿潤被覆試料の図(4.3×)である。 図12は、染色された例17に記載の本発明の表面変性試料の図(4.3×) である。 図13は、染色された例18に記載の本発明の表面変性試料の図(4.3×) である。 図14は、染色された例16に記載の本発明の表面変性試料の図(4.3×) である。特定の具体例の説明 本発明の膜の表面変性用組成物は、デュポン社によって商品名「NAFION 」(登録商標)の下に又は旭硝子社によって商品名「FLEMION」(商標) の下に製造販売されるもののようなペルフルオルカーボン共重合体として一般に 知られる重合体組成物を含み、そして膜基体に結合される。 これらのペルフルオルカーボン共重合体は、一般的には、少なくとも2種の単 量体の共重合体であり、そして1種の単量体は、弗化ビニル、ヘキサフルオルプ ロピレン、弗化ビニリデン、トリフルオルエチレン、クロルトリフルオルエチレ ン、ペルフルオル(アルキルビニルエーテル)、テトラフルオルエチレン及びそ れらの混合物のような弗素含有単量体の群から選択されるものである。 第二の単量体は、(SO2F)、(SO3M)、(SO3R)、(SO2NR2) 、(COF)、(CO2M)、(CO2R)又は(CONR2)基 (ここで、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はNR4であり、 そして各Rは別個にH、CH3、C25又はC65のようなアルキル基又はア リール基であり、そしてこれらは、置換アルキル基又は置換アリール基を形成す るためにヒドロキシル、アミン、エーテル又はカルボニル基或いは類似基のよう な 他の官能基を随意に含有することができる) であってよい又はこれらに転化されうる官能基を含有する弗素含有単量体の群か ら選択される。かかる第二単量体の例は、一般的には、式CF2=CFRf−Xに よって表わすことができる。一般式におけるRfは、エーテル結合を含有するも のを含めて、任意の好適な又は通常の形状を有する1〜8個の炭素原子を含む線 状又は分岐状二官能性過弗素化基であり、そして炭素−炭素結合を介して又は好 ましくはエーテル結合を介してビニル基CF2=CFに直接結合されるものであ る。一般式におけるXは、(SO2F)、(SO3M)、(SO3R)、(SO2N R2)、(COF)、(CO2M)、(CO2R)又は(CONR2)基 (ここで、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はNR4であり、 そして各Rは別個にH、CH3、C25又はC65のようなアルキル基又はア リール基、又は置換アルキル基若しくは置換アリール基である) であってよい又はこれらに転化されうる官能基である。一般式における1つの制 限は、−X基に隣接する炭素原子上に少なくとも1個の弗素原子が存在すること の一般的な要件である。 典型的には、スルホニルベースドイオン交換基に転換されうる弗化スルホニル 基を含有するかかる第二単量体は米国特許3282875号、同第304131 7号、同第3560568号及び同第3718627号の各明細書に記載され、 そしてペルフルオルカーボン共重合体の製造法は米国特許3041317号、同 第2393967号、同第2559752号及び同第2593583号の各明細 書に記載されているので、必要ならば、それらの米国特許明細書を参照されたい 。これらのペルフルオルカーボン共重合体は、一般には、(SO3M)基に変換 されうるペンダントSO2Fベースド官能基を有する。本発明の1つの具体例で は、表面変性用組成物は、カルボニルベースドイオン交換基に転換されうるペン ダントカルボニルベースド官能基を含む。 ペンダントカルボニルベースドイオン交換官能基を有するペルフルオルカーボ ン共重合体は、米国特許4151052号明細書若しくは特開昭52−3848 6号公報に従うような任意の好適な通常の態様で製造することができ、又はスル ホニル基含有単量体から誘導されるカルボニル官能基含有単量体から米国特許第 4151051号明細書に記載されるような方法によって重合することができる ので、必要ならば、これらの文献を参照されたい。弗化カルボニル含有単量体の 具体的な例としては、 CF2=CFOCF2CF2COF、 CF2=CFCF2CF2COF、及び が挙げられる。好ましいカルボニル含有単量体としては、 が挙げられる。それ故に、本発明で使用される好ましいペルフルオルカーボン共 重合体としては、式−OCF2CF2X’及び/又は−OCF2CF2C−F2Y− B−YCF2CF2O− (式中、X’は弗化スルホニル(SO2F)、弗化カルボニル(COF)、スル ホネートメチルエステル(SO3CH3)、カルボキシレートメチルエステル(C OOCH3)、イオン性カルボキシレート(COO-+)又はイオン性スルホネ ート(SO3 -+)であり、 Yはスルホニル(SO2)又はカルボニル(CO)であり、 Bは−O−、−O−O−、−S−S−、並びに式NH(CR12xNH (ここで、R1及びR2は短鎖アルカン、アルケン、水素及びアミン基から選 択される) のジ−及びポリアミンであり、 そしてZは水素、リチウム、セシウム、ルビジウム、カリウム及びナトリウム のようなアルカリ金属、又はバリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム 、ストロンチウム及びラジウムのようなアルカリ土類金属、又は第四級アンモニ ウムイオンである) によって表わされるカルボニル及び/又はスルホニルベースド官能基を有するも のが挙げられる。 ペルフルオルカーボン共重合体のスルホニル形は、典型的には、弗素化炭化水 素主鎖に官能基か又は官能基を有するペンダント側鎖のどちらかが結合してなる 重合体である。このペンダント側鎖は、例えば、(ここで、R' fはF、Cl又はC1〜C10ペルフルオルアルキル基であり、 そしてWはF又はCl、好ましくはFである) 基を含有することができる。通常は、重合体中の側鎖基にある官能基は、エーテ ル結合を介して側鎖基に結合されることができる末端基 に存在する。この種のペルフルオルカーボン共重合体の例は、米国特許第328 2875号、同第3560568号及び同第3718627号の各明細書に開示 されているので、必要ならば、それらを参照されたい。 追加的な例は、一般式CF2=CF−Tk−CF2SO2F (ここで、Tは1〜8個の炭素原子を含む二官能性弗素化基であり、 そしてkは0又は1である) によって表わすことができる。Tにおける置換原子は、弗素、塩素又は水素を包 含する。最も好ましいペルフルオルカーボン共重合体は炭素に結合した水素及び 塩素を両方とも持たないもの、即ち、苛酷な環境で最大安定性を得るために過弗 素化されたものである。上記式のT基は分岐又は非分岐即ち直鎖のどちらであっ てもよく、そして1個以上のエーテル結合を有する。この群の弗化スルホニル含 有共単量体におけるビニル基はエーテル結合を介してT基に結合されること、即 ち、共単量体は式CF2=CF−O−T−CF2−SO2Fを有することが好まし い。かかる弗化スルホニル含有共単量体の例は、 CF2=CFOCF2CF2SO2 CF2=CFCF2CF2SO2F、及び である。 最も好ましい弗化スルホニル含有共単量体は、ペルフルオル(3,6−ジオキ サ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオリド)、 である。 スルフォニル含有単量体は、米国特許第3282875号、同第304131 7号、同第3718627号及び同第3560568号の各明細書の如き文献に 記載されているので、必要ならば、それらを参照されたい。 本発明に使用されるペルフルオルカーボン共重合体の好ましい群は、次の反復 単位、 (式中、hは3〜15であり、 jは1〜10であり、 pは0、1又は2であり、 X’’は一緒になって4個の弗素又は3個の弗素及び1個の塩素になり、 YはF又はCF3であり、 そしてR’fはF,Cl又はC1〜C10ペルフルオルアルキル基である) を有する重合体によって代表される。 本発明の方法では、スルホニル及びカルボニルの両方のタイプの官能基を含有 する共重合体並びに異なる官能基を有する共重合体の混合物を含めて、スルホニ ル又はカルボニルベースド官能基を含有する任意のペルフルオルカーボン共重合 体を使用することができる。最も好ましいスルホニル含有ペルフルオルカーボン 共重合体は、テトラフルオルエチレンとペルフルオル(3,6−ジオキサ−4− メチル−7−オクテンスルホニルフルオリド)との共重合体であり、そしてこれ からスルホン酸形又は塩形を得ることができる。最も好ましいカルボニル含有ペ ルフルオルカーボン共重合体は、テトラフルオルエチレンとメチルペルフルオル (4,7−ジオキサ−5−メチル−8−ノネノエート)との共重合体であり、そ してこれからカルボン酸形又は塩形を得ることができる。 一般には、ペルフルオルカーボン共重合体のスルホニル、カルボニル、スルホ ネート及びカルボオキシレートエステル、並びにスルホニル及びカルボニルベー スドアミド形は、加水分化反応によってイオン交換形に容易に転換される。例え ば、塩形はNaOHのような強アルカリでの処理によって得ることができ、そし て酸形はHClのような酸での処理によって得ることができる。この転換工程は 、膜基体をペルフルオルカーボン共重合体のスルホニル、カルボニル、スルホネ ート及びカルボキシレートエステル並びにスルホニル及びカルボニルベースドア ミド形で表面変性する前後に実施されることができる。 本発明の方法で使用されるペルフルオルカーボン共重合体は特定の当量に限定 される必要はなく、膜基体の表面に結合し且つ未結合溶媒和共重合体に対する溶 剤又は希釈剤である液体組成物との接触によって実質上除去されない限り、任意 の当量を有する任意の共重合体を使用することができる。加えて、得られた表面 変性膜の使用間の脱湿潤を防止するような任意の当量を有する任意のペルフルオ ルカーボン共重合体を使用することができる。一般には、ペルフルオルカーボン 共重合体の当量は、約900〜約1500、そしてより通常は約1050〜約1 250の間である。ペルフルオルカーボン共重合体の当量は、共重合体中の1個 の反復単位の平均重量である。 膜基体の表面変性が得られるペルフルオルカーボン共重合体溶液を形成するの に使用される溶剤としては、米国特許4386987号明細書に開示された溶剤 が挙げられるので、必要ならば、これを参照されたい。これらの溶剤は、ハロカ ーボンオイル、ペルフルオルオクタン酸油、N−アルキルアセトアミド及びデカ フルオルビフェニルを包含する。別法として、米国特許第4348310号明細 書に開示されたハロゲン化飽和炭化水素を使用することができるので、必要なら ば、これを参照されたい。好ましい溶剤は米国特許第4433082号及び同第 4453991号の各明細書に開示されるアルコール系溶剤であるので、必要な らば、これらを参照されたい。アルコール系溶剤は、メタノール、エタノール、 n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、2− メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレングリコールジエチルエ ーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル エーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン及びアセトニト リル、並びにこれら同士の混合物又はこれらと水との混合物を包含する。最も好 ましい溶剤は、水とイソプロパノールのような低級アルコールとの混合物である 。ペルフルオルカーボン共重合体の溶液は、密閉容器中で高温(これは、溶剤の 臨界温度よりも低く、典型的には180℃〜300℃である)及び高圧において 形成される。これらの溶液は、ペルフルオルカーボン共重合体を沈殿させずに、 イソプロパノール、エタノール、水又は類似物のようなペルフルオルカーボン共 重合体用の溶剤又は希釈剤と混和性である。溶液が完全に膜の細孔に入り込むと いうことが必要要件である。 溶液中のペルフルオルカーボン共重合体の濃度は、膜基体への共重合体の結合 を生じさせ且つ得られる表面変性膜の脱湿潤を防止するのに十分なだけ高くすべ きであるが、しかし得られる表面変性膜の束特性の不利な低下を防止するのに十 分なだけ低くすべきである。典型的には、溶液中のペルフルオルカーボン共重合 体の濃度は、約0.01重量%〜約10重量%、より通常は約0.1重量%〜約 5重量%である。 多孔質膜基体は、ペルフルオルカーボン共重合体組成物に対する溶剤によって 溶媒和又は劣化されない重合体組成物より形成される薄重合体微孔質又は限外ろ 過膜である。典型的な膜の細孔寸法は、10μm(ミクロン)〜0.01μm( ミクロン)の範囲内である。膜基体は、フラットシート、波形シート、中空繊維 又は類似物を含めて、任意の都合のよい幾何学的形状を有することができる。膜 は、支持体付き若しくは無支持でも、等方性若しくは異方性でも、表皮付き若し くは表皮なしでもよく、又は複合膜であってもよい。膜基体は、約5〜約250 μm(ミクロン)、好ましくは約10μm(ミクロン)〜約200μm(ミクロ ン)の厚さを有する。膜は薄いので、これによって未結合のペルフルオルカーボ ン共重合体組成物の除去が容易にされる。代表的である好適な膜基体としては、 ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチルペンテンのようなポリオレフィン 、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、弗素含有重 合体、例えば、ポリテトラフルオルエチレン、弗素化エチレン−プロピレン共重 合体、エチレン−トラフルオルエチレン共重合体又はペルフルオルアルコキシ重 合体が挙げられる。好ましい膜基体は、弗素含有重合体、特に、デュポン社によ って商品名「Teflon(登録商標)PTFE」、「Teflon(登録商標)FEP」及 び「Teflon(登録商標)PFA」の下に製造販売されるフルオルカーボンとして 一般的に知られる群の重台体のようなポリテトラフルオルエチレン、弗素化エチ レン−プロピレン共重合体又はペルフルオルアルコキシ重合体から形成されたも のである。 本発明の膜は、その全表面が結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物で完全 に変性されており、従って露出した基体表面は全く存在しない。この完全変性表 面は、結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物で実質上均質に被覆されること が好ましい。完全な表面変性は、液体をろ過するときに脱湿潤を防止する。均一 な変性は、フィルターによる均一なろ過を促進する。加えて、表面変性用組成物 は、精製水のろ過間に膜を横切る圧力降下の増大を測定することによって決定し て、多孔質膜基体が実質上閉鎖又は閉塞されないような量で且つ濃度で使用され る。本発明の変性多孔質膜製品は、圧力降下によって測定して未変性多孔質膜基 体と実質上同じ透過性を有する。即ち、未変性多孔質膜基体を横切る圧力降下と 比較した時の本発明の変性多孔質膜の場合の圧力降下の増大は、25%以下であ る。好ましくは、この圧力降下の増大は、未変性多孔質膜基体を横切る圧力降下 と比較して15%を超えず、最も好ましくは10%を超えない。 本発明の1つの具体例では、0.2μm(ミクロン)以下の平均細孔寸法を有 する表面変性膜が形成される。膜は、表面が先に記載の結合表面変性用組成物で 完全に変性された弗素含有重合体膜基体、好ましくは、ポリテトラフルオルエチ レン、弗素化エチレン−プロピレン共重合体又はペルフルオルアルコキシ重合体 膜基体から形成される。この結合表面変性用組成物は、液体組成物をろ過する際 のその使用間に膜の脱湿潤を防止する。ろ過の間に、変性膜を横切る“最終”圧 力降下は、下記の標準脱湿潤試験(Standard Dewetting Test)に従って測定し て、表面変性膜を横切る“初期”圧力降下の約3倍よりも大きくなく、好ましく は約2倍よりも大きくない。 フィルターの圧力降下は、液体流れに対するフィルターの抵抗性の尺度である 。高い圧力降下は、フィルターが脱湿潤しているか又は閉塞されているときの如 き高い抵抗性を示す。低い圧力降下は、フィルターが新しく且つ完全に湿潤して いるときの如き低い抵抗性を示す。たいていの場合に、圧力降下データは、異な る条件下の同じフィルター、同じタイプの他のフィルター、又は表面変性前の同 じフィルターと比較して考慮されるべきである。というのは、異なるタイプのフ ィルターは、フィルターにおける異なる膜細孔寸法、表面積及び寸法形状によっ て異なる圧力降下を有するからである。圧力降下は、0.2263m3/h{1 .0ガロン/分(gpm)}の一定液体流量で標準化されたフィルターを横切る 圧力差のkPa{≒ポンド/平方インチ(psi)×6.87}単位で測定され る。試験の間に、圧力降下は精製水で測定されるのが最も好ましい。変性膜の細 孔閉塞があるならばその程度は先に記載される。 標準脱湿潤試験は、実際のろ過適用間にフィルターの脱湿潤又は非脱湿潤性能 の程度を予測するための手段として使用される。この試験では、ろ過しようとす る液体として水が使用される。この試験は、液体における粘度差によるか、又は 液体から除去されて膜表面上に捕捉された状態になりうる粒子によって引き起こ される流れ抵抗性の増大によるが如き他の潜在的な流量減少効果を排除する。試 験を実施するために、フィルターは100%イソプロパノールで湿潤され、乾燥 せずにアルコールを切り、そしてフラッシング装置に取り付け、ここでフィルタ ーは、それに水を0.2263m3/h(1ガロン/分又はgpm)の流量で1 0分間通すことによって水でフラッシングされる。このフラッシング期間の終わ りに、フィルターの“初期”力降下が測定される。次いで、フィルターはフラッ シング装置から取り出され、フィルターの乾燥を回避しながら水切りされ、そし てフラシング装置に再配置され、ここでフィルターは水で0.2263m3/h (1gpm)においてフラシングされ、その間に“ドレン#1”圧力降下が測定 される。フィルターを通る水流れの開始間にフィルターの上流側から大部分の空 気を排出させるように注意が払われる。3つの追加的な同じドレン操作が反復さ れ、それに続いて対応する“ドレン#2、ドレン#3及びドレン#4”圧力降下 が実施される。“ドレン#4”圧力降下の後に、フィルターはフラッシング装置 から取り出され、フィルターの乾燥を回避しながら水切りされ、そしてフラシン グ 装置に再配置され、ここでフィルターはフィルターを横切って34.35kPa (5psi)の圧力差をもたらすように上流側にいて空気で加圧される。次いで 、フィルターは水で0.2263m3/h(1gpm)においてフラッシングさ れ、そして“ドレン#5、34.35kPa(5psi)空気”圧力降下が測定 される。34.35kPa(5psi)空気加圧工程で2つの追加的な同じドレ ン操作が反復され、それに続いて対応する“ドレン#6、34.35kPa(5 psi)空気”及び“ドレン#7、34.35kPa(5psi)空気”圧力降 下が実施される。“ドレン#7、34.35kPa(5psi)空気”圧力降下 に相当する最後の圧力降下データは、通常、“最終”圧力降下と称される。 また、結合表面変性用組成物は、膜が膜の乾燥を引き起こすのに十分なだけ長 い時間の間暴露されない限り、空気のようなガスへの膜の暴露間に膜の脱湿潤を 防止する。ろ過プロセスでの使用間に、フィルターは、ろ過しようとする液体の 置換の間の如きフィルターを横切る小さい圧力差の下に空気に暴露されることが できる。 また、空気への暴露間にフィルターで観察される脱湿潤の程度を予測するのに 水泡立ち点圧試験を使用することができることも分かった。膜の水泡立ち点圧が 低い程、空気への暴露時に脱湿潤の可能性が高くなる。これとは逆に、水泡立ち 点圧が高くなる程、脱湿潤の可能性が低くなる。本発明の膜製品の水泡立ち点圧 は、水泡立ち点圧試験法によって測定して、未変性膜基体の水泡立ち点圧よりも 少なくとも約50%大きくそして好ましくは少なくとも約100%よりも大きい 。水泡立ち点圧試験法は、水で予め充填された膜の細孔に空気を強制的に通すの に要する圧力を測定する。膜の泡立ち点は、水湿潤膜から水を置換するのに要す る圧力から測定される。流体湿潤膜は、適用した空気圧が細孔への流体の毛管吸 引を超えるときに空気がそれを通過するのを許容する。流体湿潤円筒状細孔の寸 法とそれを空にするのに要する空気圧との間の関係(P、その円筒状細孔の泡立 ち点圧)は、 D=4γcos θ/P [ここで、Dは細孔の直径であり、θは接触角であり、そしてγは湿潤液体の表 面張力である]である。測定された泡立ち点圧を真の膜細孔の寸法に実験的に相 関させることができるときには、それは、真の非円筒状細孔の寸法の容易に得ら れる概算値を提供する。泡立ち点圧を本発明の膜の細孔寸法と相関させるのに使 用される1つの実験的方法は、膜によって保持される最小粒子を決定することで ある。膜はサブミクロン寸法のラテックスビーズを通され、そして膜によって保 持されたビーズの画分が測定される。ビーズの実質上全部(>90%)が膜によ って保持された場合には、最大細孔は、ラテックスビーズの平均直径よりも小さ い。 本発明に従って製造された表面変性膜は、典型的には、米国マサチューセッツ 州ベッドフォード所在のミリポア・コーポレーションから入手できるミリポア・ コーポレーション・テクニカル・ドキュメントMA041に記載される修正SE MATECH粒子保持法によって測定して、未変性表面を有する膜基体と比較し て有意に改善された粒子保持特性を有する。驚いたことに、表面変性膜の粒子保 持特性は、圧力降下によって測定したときに、未変性膜基体と比較して膜の束特 性を有意に低下させずに実質上向上される。膜は、先に記載した結合表面変性用 組成物で表面を変性した弗素含有重合体膜基体、好ましくは、ポリテトラフルオ ルエチレン、弗素化エチレン−プロピレン共重合体又はペルフルオルアルコキシ 重合体膜基体から形成される。 本発明の表面変性膜は、多孔質膜基体の表面全体に先に記載のペルフルオルカ ーボン共重合体組成物の溶液を、基体表面がその溶液で湿潤されるような条件下 で接触させることによって形成される。液体溶液は、膜基体の表面を固有的に湿 潤させることができるものであってもよく、また、溶液が膜を湿潤しない溶剤、 希釈剤若しくは分散剤から成る場合には、膜基体表面をメタノール、エタノール 、イソプロパノール若しくはアセトンのような湿潤剤で予備湿潤させ次いで溶液 と接触させることもでき、又は、溶液を加圧下に細孔内に侵入させることもでき る。膜基体と溶液との接触は、浸漬によって、又は溶液を膜に差圧下に通すこと によって、又は貫入によって行うことができる。ペルフルオルカーボン共重合体 組成物は、接触された基体表面を完全に変性するために基体表面に結合した状態 になる。 膜基体は溶液との接触からはずされ、そして本発明における重要なプロセス工 程では、溶液が膜を湿潤しないときには、膜は、ペルフルオルカーボン共重合体 組成物の実質的な沈殿を引き起こさないイソプロパノール、エタノール、メタノ ール、水又はこれらの混合物のような過剰の又は未結合の溶媒和ペルフルオルカ ーボン共重合体組成物に対する溶剤、希釈剤又は分散剤である液体組成物と接触 される。通常、この液体組成物は、ペルフルオルカーボン共重合体組成物の溶液 を作るのに使用される溶剤、希釈剤又は分散剤と完全混和性である。水は、それ がアルコールの如き基体表面変性工程に使用されるペルフルオルカーボン共重合 体組成物用の溶剤、希釈剤又は分散剤と混和性であるときには、使用されること ができる。好ましくは、液体組成物は、イソプロパノール、エタノール、水又は それらの混合物のようなペルフルオルカーボン共重合体組成物の溶液を作るのに 使用される溶剤を含む。この工程では、液体組成物は、希釈及び/又は溶媒和に よるが如くして、過剰の又は未結合のペルフルオルカーボン共重合体組成物を除 去する。未結合組成物のこの除去は細孔の閉塞を減少させ、そして表面変性膜の 使用間にろ過されつつある流体を汚染する可能性がある潜在的な抽出分を除去す る。表面変性膜を溶剤、希釈剤又は分散剤と接触させるこの後続工程は、随意と して、ペルフルオルカーボン共重合体組成物を含有する溶液が初期において膜を 湿潤するときに実施されることができる。この後続接触工程は、膜表面上に付着 されたペルフルオルカーボン共重合体組成物の量を制御するための手段を提供す る。驚いたことに、液体組成物は結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物を除 去せず、従って、表面変性は、液体組成物との接触によって悪影響を受けない。 随意として、表面変性膜は、次いで、液体組成物が水でないときにはその液体組 成物を除去するために水と接触される。 表面変性膜は、水又は液体組成物を除去するために乾燥され、そして結合ペル フルオルカーボン共重合体組成物と膜基体との間の結合強度を向上させるために 熱処理される。この乾燥及び熱処理は、単一工程で行うことができる。熱処理は 、膜基体又は表面変性用組成物を劣化させないような温度で行われる。一般には 、熱処理は、約50℃〜約180℃、より普通には約80℃〜約140℃の温度 において約5分〜約72時間、より普通には約15分〜約24時間の間実施され る。 本発明の表面変性膜は、膜基体に結合される表面変性用組成物によって使用間 に膜の脱湿潤を防止することによってガス発生性液体をろ過するのに特に有用で ある。かくして、本発明の膜は、基体として、ポリテトラフルオルエチレン、弗 素化エチレン−プロピレン共重合体又はペルフルオルアルコキシ重合体のような フルオルカーボン重合体を使用すると、酸化剤を含有することができる酸又は塩 基の如き化学的活性なガス発生性液体をろ過するのに特に有用である。これらの 場合には、膜基体及び表面変性用組成物の両方が化学的劣化に対して高度に抵抗 性であり、そして得られる表面変性膜はガスによって脱湿潤されない。 本発明の1つの具体例では、表面変性膜は、水又はろ過しようとするプロセス 流体で、圧力を加えて若しくは加えずに直接的に湿潤されることができ、又は膜 を先ずイソプロパノールのようなアルコールで湿潤させて間接的に湿潤されるこ とができる。後者の場合では、そのアルコールは、アルコールが水で除去されて 置換されるまで水を導入することによって置換され、次いでろ過しようとするプ ロセス流体が導入される。次いで、本発明の水湿潤表面変性膜を含む水収容ろ過 装置は、所望ならば、追加的な水と一緒に容器内に封止され、そしてその中の微 生物を不活性化するために水蒸気殺菌によるが如くして加熱されることができる 。例えば、米国特許第4727705号明細書に開示される方法は、最終ユーザ ーに輸送することができる水湿潤ろ過装置(ここで、最終ユーザーは、膜湿潤プ ロセスを行う必要なしにかかるろ過装置を直接使用することができる)の製造に 使用することができる。 次の実施例は本発明を例示するものであって、本発明を限定しようとするもの ではない。 例1 低級脂肪族アルコールと水との混液中に0.5重量%の商品名「Nafion 」ペルフルオルカーボン共重合体を含有する溶液を調製した。これは、米国ウイ スコンシン州ミルウオーキー所在のオールドリッチ・ケミカル・カンパニー・イ ンコーポレーテッドから入手できる市販の低級アルコールと水との混液中の5重 量%「Nafion」ペルフルオルカーボン共重合体溶液をイソプロピルアルコ ールで10:1に希釈することによって行われた。溶液中の「Nafion」ペ ルフルオルカーボン共重合体は硫酸形にあり、そして1,100の平均当量を有 していた。 上記からの「Nafion」ペルフルオルカーボン共重合体の希薄溶液を有す る容器中に0.1μm(ミクロン)の細孔寸法を有するポリテトラフルオルエチ レン(PTFE)膜を含む25.4cm(10インチ)のひだ付きフィルター装 置を上方から徐々に浸漬した。これは、膜を通過したものを除いて溶液がフィル ターの下流側又は内部に入るのを任意の他の手段によって防止しながら、フィル ターの上流側又は外部における溶液のレベルが膜を完全に覆うまで実施された。 下流側でフィルターのコアを溶液で満たすように、溶液が膜を浸透するための時 間を経過させた。コアが溶液で満たされたときに、フィルターの下流側で2.5 4cmHg(1インチHg)の真空を適用することによって膜を横切って圧力差 を生じさせ、かくして溶液は膜を通って流れ始めてフィルターのコアからでた。 フィルターの下流側の容量の他に、合計240ミリリットルの溶液をフィルター に遅い流速(膜を横切る小さい圧力差によって指図される)で通した。次いで、 溶液からフィルターを取り出し、フィルターの乾燥を回避するように注意しなが ら過剰の溶液をドレンさせ、そして膜から過剰のペルフルオルカーボン共重合体 を除去するために100%イソプロパノールを収容する第二容器に入れた。フィ ルターの下流側容積の他に、合計2リットルのイソプロパノールをフィルターに 上記と同様の差圧条件下に通した。次いで、イソプロピルアルコールからイソプ ロパノール湿潤フィルターを取り出し、乾燥させずにイソプロピルアルコールを ドレンし、そしてフラッシング装置に入れ、そこでそれを水でフラッシングした 。これは、フィルターに水を0.2263m3/h(1ガロン/分)の流量で2 0分間通してすべての残留未結合ペルフルオルカーボン共重合体及び/又はイソ プロパノールを更に除去することによって行われた。装置から水フラシング済み フィルターを取り出し、そして2モル濃度の塩酸中に16時間浸漬してフィルタ ーを更にきれいにした。塩酸からフィルターを取り出し、水で濯ぎ、そして先に 記載したようにして水で30分間更にフラッシングした。次いで、水切りした水 湿潤フィルターを炉に入れ、そしてフィルターを乾燥させ且つ結合ペルフルオル カーボン共重合体と膜基体との間の結合強度を向上させるために120℃の熱に 1 6時間暴露させた。 乾燥した変性フィルターを60%イソプロパノール/40%水で湿潤させ、そ して泡立ち点圧試験法によって一体性について試験した。フィルターの泡立ち点 圧を測定すると、288.54kPa(42psi)であり、これはフィルター が一体的であったことを示す。次いで、フィルターを100%イソプロパノール で湿潤し、ドレンし、そしてフラッシング装置に取り付け、そこでフィルターに 水を0.2263m3/h(1ガロン/分)の流量で5分間フラッシングしてイ ソプロパノールを置換した。フィルターの圧力降下を測定すると、20kPa・ (m3/h)-1(0.66psi/gpm)であった。同じタイプの未変性湿潤P TFEフィルターの圧力降下を同じ条件下に測定すると、19.7kPa・(m3 /h)-1(0.65psi/gpm)であった。 例2 0.1μm(ミクロン)の細孔寸法を有するPTFE膜の約30.48m(1 00線フィート)の連続長尺物を「Nafion」(商品名)ペルフルオルカー ボン共重合体で表面変性した。これは、例1の5重量%「Nafion」ペルフ ルオルカーボン共重合体を含有する溶液を収容する浴にかかる膜を0.0254 m/s(5フィート/分)の速度で約2分の全接触時間の間連続的に通すことに よって行われた。次いで、膜を水を収容する第二浴に送って膜から過剰の溶液を 除去した。この浴における膜と水との接触時間は約5分であった。次いで、膜を 第三浴に送り、そこで新鮮な水を膜上に絶えず吹き付けて膜を更に浄化した。こ の浴における膜と水との接触時間も約5分であった。次いで、湿潤した変性膜を 熱風下に通して膜を乾燥させた。次いで、乾燥した膜を巻き上げてロールを形成 した。変性膜のロールを炉に100℃で16時間入れて結合ペルフルオルカーボ ン共重合体と膜基体との間の結合強度を向上させた。 表面変性膜を使用して10.16cm(4インチ)ひだ付きフィルター装置を 作った。これは、かかる膜をペルフルオルアルコキシ重合体ハウジングにヒート シールすることによって行われた。この装置は、泡立ち点圧法によって試験する と一体的であることが分かった。フィルターの圧力降下を測定すると、45.5 kPa・(m3/h)-1(1.5psi/gpm)であった。未変性湿潤PTFE 膜 を含むことを除いて同じタイプのフィルター装置力降下を同じ条件下に測定する と、45.5kPa・(m3/h)-1(1.5psi/gpm)であった。 例3 0.1μm(ミクロン)の細孔寸法を有するPTFE膜の47mm直径円板を 、例1からの5重量%「Nafion」(商品名)ペルフルオルカーボン共重合 体溶液中に2分間浸漬した。溶液から膜円板を取り出し、そしてそれを乾燥させ ないように注意を払いながら、過剰の溶液をドレンした。次いで、湿潤膜を10 ミリリットルの100%イソプロパノール中に5分間浸漬して過剰のペルフルオ ルカーボン共重合体を除去し、次いで3回の水濯ぎでイソプロパノールを置換し た。水湿潤膜を炉に入れ、そして120℃で2時間乾燥させた。表面変性膜は、 付着された結合ペルフルオルカーボン共重合体によって、初期膜基体の重量を基 にして3.7重量%の増加を有することが分かった。 変性膜から過剰の共重合体を除去するのに使用した10ミリリットルの100 %イソプロパノールを蒸発によって1ミリリットルに濃縮し、そしてフーリエ・ トランスホーム・インフラレッド・スペクトロスコピー(FTIR)によって分 析した。濃厚物のFTIRスペクトルはペルフルオルカーボン共重合体の存在を 示したが、これは、溶媒和及び/又は稀釈によって未結合ペルフルオルカーボン 共重合体が除去されたことを例証する。イソプロパノールブランクのFTIRス ペクトルは、ペルフルオルカーボン共重合体の形跡を全く示さなかった。 例4 例3からの乾燥した表面変性膜を10ミリリットルの100%イソプロパノー ル中に5分間浸漬し、次いで3回の水濯ぎでイソプロパノールを置換し、そして 炉において120℃で2時間乾燥させた。変性膜円板の重量は、この例における イソプロパノールへの暴露前に膜の重量(例3の変性膜の重量)と同じであるこ とが分かった。この例は、変性膜を例3における乾燥工程の間に又はその後に熱 処理すると、溶媒和未結合ペルフルオルカーボン共重合体用の溶剤又は希釈剤に よる膜の接触後でさえも、付着された結合ペルフルオルカーボン共重合体の全部 が膜表面上にとどまることを例証する。 (比較)例5 例3の方法に従って0.1ミクロンの細孔寸法を有するPTFE膜の47mm 直径円板を「Nafion」(商品名)ペルフルオルカーボン共重合体で表面変 性した。但し、膜は、乾燥工程間に熱に暴露されなかった。その代わり、膜は室 温で2時間放置して乾燥させた。表面変性膜は、付着された結合ペルフルオルカ ーボン共重合体によって、初期の膜基体の重量を基にして4.1重量%の増加を 有することが分かった。 次いで、乾燥した表面変性膜を10ミリリットルの100%イソプロパノール 中に5分間浸漬し、次いで3回の水濯ぎでイソプロパノールを置換し、そして室 温で放置して2時間乾燥させた。膜円板は、乾燥変性膜のイソプロパノールへの 暴露前に存在する付着された結合ペルフルオルカーボン共重合体の重量を基にし て7.4重量%に相当する量の損失重量を有することが分かった。この例は、変 性膜が未結合溶媒和ペルフルオルカーボン共重合体用の溶剤又は希釈剤と接触し た後に膜表面上には付着された結合ペルフルオルカーボン共重合体の大部分がと どまるけれども、乾燥工程間に又はその後に膜を熱処理しないと、少量の部分が 除去されうることを例証する。 例6 例1の手順に従って0.1μm(ミクロン)の細孔寸法を有するPTFE膜を 含む10.16cm(10インチ)ひだ付きフィルター装置を「Nafion」 (商品名)ペルフルオルカーボン共重合体で変性した。また、0.05μm(ミ クロン)膜を含む同様のフィルターを同じ態様で表面変性した。両方のフィルタ 一を水で湿潤した後に、2つの水湿潤フィルターを水を収容するバッグ内に封止 し、そしてオートクレーブ処理条件下に殺菌した。湿潤フィルターを収容するバ ッグを24時間放置して冷却させてから、バッグからフィルターを取り出して圧 力降下を測定した。0.1μm(ミクロン)フィルターは24.3kPa・(m3 /h)-1(0.8psi/gpm)の圧力降下を有し、そして0.05μm(ミ クロン)フィルターは30.4kPa・(m3/h)-1(1.0psi/gpm) の圧力降下を有していた。 次いで、2つのフィルターを100%イソプロパノールで湿潤し、そして水で フラッシングして再湿潤操作後の圧力降下を測定した。0.1μm(ミクロン) フィルターは24.3kPa・(m3/h)-1(0.8psi/gpm)の圧力降下 を有し、そして0.05μm(ミクロン)フィルターは30.4kPa・(m3/ h)-1(1.0psi/gpm)の圧力降下を有していた。この例は、高度にガ ス発生性の液体条件下における本発明の製品の非脱湿潤性を例証する。 (比較)例7 米国ニューヨーク州イースト・ヒルズ所在のポール・コーポレーションから、 水を収容するバッグ内に封止された0.1μm(ミクロン)細孔寸法PTFE膜 を含む水湿潤「Spper-Cheminert」(商品名)フィルター装置を入手した。同様 に、米国ニューヨーク州イースト・ヒルズ所在のポール・コーポレーションから 、0.05μm(ミクロン)細孔寸法PTFE膜を含む水湿潤「Ulti-Cheminert 」(商品名)フィルター装置も入手した。“受け取り時の”2つのフィルターの 圧力降下を、対応するバッグからフィルターを取り出した直後に測定した。0. 1μm(ミクロン)装置は42.5kPa・(m3/h)-1(1.4psi/gp m)の圧力降下を有し、そして0.05μm(ミクロン)装置は191.3kP a・(m3/h)-1(6.3psi/gpm)の圧力降下を有していた。 次いで、2つのフィルターを100%イソプロパノールで湿潤し、そして水で フラッシングして再湿潤操作後の圧力降下を測定した。0.1μm(ミクロン) 装置は21.3kPa・(m3/h)-1(0.7psi/gpm)の圧力降下を有 し、そして0.05μm(ミクロン)装置は27.3kPa・(m3/h)-1(0 .9psi/gpm)の圧力降下を有していた。この例は、水のようなガス発生 性液体の存在下に従来技術の製品で見られる脱湿潤現象を例証する。 例8 0.1μm(ミクロン)の細孔寸法を有する超高分子量ポリエチレン膜の47 mm直径円板を、例1からの5重量%「Nafion」(商品名)ペルフルオル カーボン共重合体溶液中に2分間浸漬した。溶液から膜円板を取り出し、そして それを乾燥させないように注意を払いながら、過剰の溶液をドレンした。次いで 、湿潤膜を10ミリリットルの100%イソプロパノール中に5分間浸漬して過 剰のペルフルオルカーボン共重合体を除去し、次いで3回の水濯ぎでイソプロパ ノールを置換した。水湿潤膜を炉に入れ、そして90℃で2時間乾燥させた。表 面変性膜は、付着された結合ペルフルオルカーボン共重合体によって、初期の膜 基体の重量を基にして2.8重量%の増加を有することが分かった。変性膜の表 面上のペルフルオルカーボン共重合体の存在は、FTIR分析によって確認され た。 例9 0.1μm(ミクロン)の細孔寸法を有するPTFE膜を含む25.4cm( 10インチ)積層円板フィルター装置を、例1に記載したようにして「Nafi on」(商品名)ペルフルオルカーボン共重合体で変性した。変性フィルターを 先に記載の修正SEMATECH粒子保持法に従って試験すると、0.05μm (ミクロン)粒子で4.5のロッグ・リダクション・バリュウ(Log Reduction Value)(LRV)(99.995%保持率)を有することが分かった。フィル タ一の圧力降下を測定すると、23.4kPa・(m3/h)-1(0.77psi /gpm)であった。 また、同じタイプの未変性対照フィルターを修正SEMATECH粒子保持法 に従って試験すると、0.05μm(ミクロン)粒子で1.0のロッグ・リダク ション・バリュウ(LRV)(90.0%保持率)を有することが分かった。フ ィルターの圧力降下を測定すると、22.5kPa・(m3/h)-1(0.74p si/gpm)であった。この例は、本発明の製品の向上した粒子保持特性を例 証する。 例10 先に記載した標準脱湿潤試験に従って次のフィルター、即ち、(1)0.05 μm(ミクロン)の細孔寸法を有するPTFE膜であってその表面を例1に従っ て「Nafion」(商品名)ペルフルオルカーボン共重合体で変性したものを 含む25.4cm(10インチ)ひだ付きフィルター装置、(2)同じPTFE タイプの未変性湿潤対照フィルター、及び(3)米国ニューヨーク州イースト・ ヒルズ所在のポール・コーポレーションから入手した0.05μm(ミクロン) 細孔寸法PTFE膜を含む「Ulti-Cheminert」(商品名)フィルター装置、を試 験した。 試験結果は図5に提供されるが、図5は、圧力降下対条件又はドレン数のプロ ットを表わす。変性膜(1)は、ろ過間に初期の圧力降下から64%の圧力降下 増大を示し、これに対してフィルター(2)及び(3)はろ過間に初期の圧力降 下からそれぞれ600%及び300%の増大を示す。次いで、フィルターをすべ て100%イソプロパノールで再湿潤し、そして水圧力降下をもう一度測定した 。再湿潤操作の後、圧力降下はすべて初期の圧力降下と実質上同じであり、この ことは、試験間に観察された圧力降下の増大又は束特性の損失がろ過プロセス間 の脱湿潤のみによるものであったことを示す。 例11 0.05μm(ミクロン)の細孔寸法を有するPTFE膜を含む25.4cm (10インチ)ひだ付き円板フィルター装置を、例1に記載したようにして「N afion」(商品名)ペルフルオルカーボン共重合体で変性した。次いで、フ イルターを“Standard SC2 Drain Test”法に従って次の如くして試験した。フ ィルターを100%イソプロパノールで湿潤し、そして水でフラッシングしてそ のアルコールを置換した。次いで、フィルターを、集積回路の製造間にシリコン ウェファーを浄化するのに使用された液体浴を精製するのに使用される再循環薬 品浴系のろ過系のフィルターホルダーに取り付けた。この液体(SC2として知 られる)は、0.2部の37%塩酸(HCl)、強酸化剤としての1部の30% 過酸化水素(H22)、及び5部の水を含む高度にガス発生性で化学的に活性な 液体である。浴における液体の温度は80℃に維持される。 ろ過プロセスの間、フィルター装置を通して液体を推進させるために容積形ポ ンプが使用され、かくしてフィルターを横切って圧力降下が形成される。使用時 のフィルターの直接的圧力降下データは得るのが困難であるので、フィルターの 上流側の圧力(P)、並びにフィルターを通る液体流量(Q)が監視される。上 記の圧力を流量によって割った比率(P/Q)を流れに対する全系抵抗性の指標 として使用することが産業界において一般に行われている。時間と共に潜在的に 変化する可能性があるろ過系の唯一の部分は粒状物の除去によるか又は脱湿潤に よる流れに対するフィルターの抵抗性であるので、P/Q比は、液体流れに対す るフィルターの抵抗性の直接的尺度である。また、P/Q比は、フィルターの流 れ抵抗性のより敏感な尺度である。というのは、それは、P単独又はQ単独での 変化よりも著しく変化するからである。Pは圧力差のkPa{ポンド/平方イン チ(psi)}単位で測定され、これに対してQはm3/h{ガロン/分(gp m)}単位で測定される。それ故に、P/Q比は、kPa・(m3/h)-1(ps i/gpm)単位で与えられる。必要ならば、このプロセスをより詳細に説明し ている、米国マサチューセッツ州ベッドフォード所在のミリポア・コーポレーシ ョンから入手できるミリポア・コーポレーション・テクニカル・ドキュメントM A059を参照されたい。 ろ過系のホルダーに取り付けられた湿潤フィルターを使用して、SC2液体を 80℃でフィルターに通し、そして“初期”P及びQを測定した。この例では、 きれいなSC2液体だけを使用し、そして粒子の保持のような液体流れに対する 向上した抵抗性をもたらす可能性がある他の潜在的効果を回避し、かくして脱湿 潤現象を隔離するためにウェファーが全く処理されなかった。フィルターホルダ ーからドレン弁及びベント弁を介して液体を排出させ、そしてフィルターホルダ ーを含めて系を通る気を推進させるポンプを使用して、浴及び配管(ポンプを含 めて)から浴中の液体の全容量も排出させた。この第一ドレンサイクルの後に、 フィルターに液体を流通させながら、浴を新鮮なSC2液体で満たしそして80 ℃に加熱した。液体の温度を80℃に設定した後に、“ドレン#1”P及びQ値 を測定した。このドレンサイクルを追加的に5回反復し、そして各ドレンサイク ル後にその対応するP及びQ値を測定した。比較のために、0.05μm(ミク ロン)PTFE膜を含む未変性湿潤対照フィルター(フィルター2)及び米国ニ ューヨーク州イースト・ヒルズ所在のポール・コーポレーションから得られる0 .05μm(ミクロン)細孔寸法PTFE膜を含む商品名「Ulti-Cheminert」フ ィルター(フィルター3)を使用して、この例を反復した。 この例からの結果は、P/Q比対ドレン数のプロットを表わす図5に示される 。この結果によれば、本発明に従って製造された変性膜フィルター(フィルター 1)は、時間又はドレン数の経過による一定のP/Q比によって分かるように、 これらの極めて化学的に攻撃的で且つ高度にガス発生性の条件下においてさえも 脱湿潤せず、これに対して、未変性フィルタフィルター(フィルター2)及び「 Ulti-Cheminert」フィルター(フィルター3)は、P/Q比の増大によって分 かるように、脱湿潤することが示されている。 例12 0.1μm(ミクロン)の細孔寸法を有するPTEF膜を含む25.4cm( 10インチ)積層円板フィルター装置を、例1に記載したようにして商品名「N afion」ペルフルオルカーボン共重合体で変性した。フィルターを100% イソプロパノールで湿潤させ、そして水でフラッシングしてアルコールを置換し た。O.05μm(ミクロン)の細孔寸法を有する変性PTFE膜を含む同様の フィルターを同じ態様で湿潤させた。2つの水湿潤フィルターを泡立ち点圧試験 装置に取り付け、そしてフィルターの水泡立ち点圧を測定した。また、同じ態様 で、未変性湿潤対照フィルターの水泡立ち点圧も測定した。 2つの変性フィルターの泡立ち点圧は274.8kPa(40psi)よりも 大きく、これに対して未変性フィルターの泡立ち点圧は34.35kPa(5p si)よりも低かった。 例13 例1及び3の方法に従って商品名「Nafion」ペルフルオルカーボン共重 合体で変性した0.1μm(ミクロン)細孔PTFE膜のいくつかの試料を10 0%イソプロパノールで湿潤し、そして水で濯いでそのアルコールを置換した。 水湿潤試料を次の化学薬品中に次の条件下に浸漬した。 (a)97%硫酸、150℃、100時間 (b)30%過酸化水素、50℃、100時間 (c)2.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、50℃、100時間 (d)1部の水酸化アンモニウム(28%)、1部の過酸化水素(30%)及 び5部の水を含有するSCl溶液、80℃、3時間 (e)1部の塩酸(37%)、1部の過酸化水素(30%)及び5部の水を含 有するSC2溶液、80℃、3時間 (f)7部の硫酸(97%)及び1部の過酸化水素(30%)を含有するピラ ンハ(piranha)溶液、135℃、168時間 SCl及びSC2溶液を、有効な酸化剤レベルを維持する温度において新鮮な 溶液で30分毎に置き換え、そしてピランハ溶液を24時間毎に新鮮な溶液で置 き換えた。更に、(c)及び(d)からの試料を試験後に塩酸で処理して、すべ ての試料が試験後に酸形にあることを確実にした。 これらの高度に攻撃的な化学薬品への暴露後に、試料を水で十分に濯ぎ、しか る後に、化学薬品に暴露されなかった対照試料と一緒にFTIRによって分析し た。対照を含めてすべての試料のFTIRスペルトルは同じであり、このことは 、変性膜の化学組成の変化が全く起こらなかったことを示す。加えて、FTIR スペクトルの定量的分析によって、変性用ペルフルオルカーボン組成物の量の変 化が全く起こらなかったことが決定された。 (比較)例14 この例は、米国特許第4470859号明細書に記載される従来技術の方法、 及びこれによって得られる望ましくない結果を例証する。ペルフルオルカーボン 共重合体組成物による多孔質膜基体の表面変性の程度は、以下に記載した操作に よる染料での染色によって決定された。 先ず商品名「Nafion 117」の20.3cm(8インチ)×25.4 cm(10インチ)フィルムを切断して5.08cm(2インチ)×5.08c m(2インチ)フィルム片にすることによって、商品名「Nafion 117 」ペルフルオルカーボン共重合体の溶液を作った。商品名「Nafion 11 7」は、0.91meq/gのイオン交換容量及び1100の当量を有する「N afion」共重合体フィルムのスルホン酸形である。 次いで、それよりも小さいフィルム片を共重合体のリチウムスルホン酸塩形に 転換した。これは、それらを溶液の重量を基にして3重量%のLiOH及び1重 量%のジメチルスルホキシド(DMSO)の水溶液中に浸漬することによって行 われた。溶液を50℃に4時間加熱し、次いで室温に冷却した。溶液からフィル ム片を取り出し、そして脱イオン水中において1時間の間に3回濯いだ。フィル ム片を測定すると、ペルフルオルカーボン共重合体をリチウムスルホン酸塩形で 含んでいた。 15gのリチウム変性フィルム片を丸底フラスコに285mlのテトラメチレ ンスルホン(スルホラン)溶剤と一緒に入れ、そして窒素ブランケット下に撹拌 しながら240℃に4時間加熱した。しかる後、この溶液を25〜30℃に冷却 して共重合体の5重量%溶液を作り、これにスルホランを加えることによって希 釈して1重量%溶液を作った。 米国特許第4470859号の操作に従って、次いで、2μm(ミクロン)P TFE膜を1%溶液中に浸漬したが、この溶液は膜を湿潤しなかった。溶液及び 膜を入れた容器を真空室中に入れ、そして150mmHg絶対の真空を2分間施 し、次いで急速に大気にガス抜きした。真空及び急速ガス抜きを反復した。溶液 は依然として、膜を湿潤しなかった。 次いで、溶液から膜を取り出し、そして炉に130℃で6時間入れた。炉から 膜を取り出し、室温で冷却し、そしてイソプロパノール(IPA)中に浸漬して 膜を湿潤させた。次いで、湿潤膜を、メチレンブルー染料の0.1%水溶液中に 、膜表面の染色が生じるまで浸漬した。次いで、膜から過剰の染料を除去するよ うに撹拌しながら、膜を水、IPA及び水中において順次洗浄した。 図10の図面は、暗い斑点によって示されるように、表面変性用組成物が膜表 面を不完全に変性したことを示す。明るい背景は未変性膜基体からなる。図6( 非染色PTFE膜)及び図7(メチレンブルーの0.1%水溶液中に浸漬し次い で濯いだPTFE)の対照は、PTFE膜基体がメチレンブルーによって染色さ れないことを示す。 米国特許第4470859号の0.2μm(ミクロン)PTFE多孔質膜の表 面変性法を反復したが、但し、PTFE膜基体は、この例で先に記載した表面変 性用共重合体のスルホラン溶液との接触前にIPAで約10秒間予備湿潤された 。IPAは即座にPTFE基体を湿潤する。加えて、接触は真空及びガス抜きに よって行われなかった。というのは、膜は予備湿潤されたからである。予備湿潤 工程の目的は、それが図10に示される表面変性結果を改善したかどうかを調べ ることであった。 IPAで予備湿潤された後、膜をスルホラン中に5分間浸漬して膜中のIPA をスルホランで置換した。スルホランで湿潤した膜を次いで、ペルフルオルカー ボン共重合体組成物の1%スルホラン溶液中に5分間浸漬した。次いで、溶液か ら膜を取り出し、そしてペルフルオルカーボン共重合体組成物の新鮮な1%スル ホラン溶液中に15分間浸漬した。 次いで、溶液から膜を取り出し、130℃で6時間オーブン乾燥した。次いで 、表面変性膜をこの例において先に記載したようにしてメチレンブルーで染色し た。表面変性膜は図11の図面に示される。図11に示されるように、PTFE 膜は不完全に表面変性されている。 (比較)例15 本例は、米国特許第4470859号明細書に記載される従来技術の方法、及 び膜を表面変性するための共重合体沈殿技術の利用が不満足な結果をもたらすこ とを例証する。 0.2μm(ミクロン)PTFE膜基体を例14の1%スルホラン溶液中に浸 漬し、そして例14に記載される如くして2つのサイクルで真空及び急速ガス抜 きを実施した。その溶液は膜を湿潤しなかった。溶液から膜を取り出し、そして トルエン中に15秒間浸漬してペルフルオルカーボン共重合体組成物の沈殿を生 じさせた。次いで、トルエンから膜を取り出し、そして炉に130℃で6時間入 れた。炉から膜を取り出し、冷却し、そして例14に記載の操作によってメチレ ンブルーで染色した。 図8に示される得られた膜は、その表面が不完全に変性されている。 米国特許第4470859号の0.2μm(ミクロン)PTFE多孔質膜の表 面変性法を反復したが、但し、そのPTFE膜基体は、この例で先に記載した表 面変性用共重合体のスルホラン溶液と接触させるために膜をIPA中に浸漬させ ることによってIPAで予備湿潤された。加えて、真空及びガス抜きによって接 触を期待しなかった。というのは、膜が予備湿潤されたからである。予備湿潤工 程の目的は、それが図8に示される表面変性結果を改善したかどうかを調べるこ とであった。 IPAで予備湿潤された後、膜をスルホラン中に5分間浸漬して膜中のIPA をスルホランで置換した。次いで、スルホランで湿潤した膜を例14のペルフル オルカーボン共重合体組成物の1%スルホラン溶液中に5分間浸漬した。次いで 、溶液から膜を取り出し、そして例14のペルフルオルカーボン共重合体組成物 の新鮮な1%スルホラン溶液中に15分間浸漬した。溶液から膜を取り出し、そ してトルエン中に15秒間浸漬してペルフルオルカーボン共重合体組成物の沈殿 を生じさせた。次いでトルエンから膜を取り出し、そして炉で130℃で6時間 乾燥させた。次いで、表面変性膜を冷却し、そして例14に記載の如くしてメチ レンブルーで染色した。表面変性膜を図9に示す。この膜は、図8に示される膜 と比較してその表面のより多くが共重合体で変性されているけれども、その表面 は不完全に変性されていて望ましくない。 例16 本例は、膜を湿潤する溶剤より形成されるペルフルオルカーボン共重合体溶液 を使用するときの本発明の方法を例証する。 米国ウイスコンシン州ミルウオーキー所在のアルドリッチ・ケミカル・カンパ ニーから入手される低級アルコールと水との混液中に溶解されたスルホン酸形の 商品名「Nafion」ペルフルオルカーボン共重合体の1重量%溶液中に、0 .05μm(ミクロン)PTFE膜を室温で1分間浸漬した。このペルフルオル カーボン共重合体は1100の当量を有していた。膜は、溶液中で即座に湿潤す る。 溶液から膜を取り出し、そして直ちにIPA中に室温で1分間浸漬した。IP Aは膜を湿潤する。次いで、IPAから膜を取り出し、そして直ちに水中に撹拌 しながら2分間浸漬した。水から膜を取り出し、そして120℃で2時間オーブ ン乾燥させた。 炉から膜を取り出し、室温に冷却し、そしてIPA中に浸漬した。IPAから 膜を取り出し、そして直ちにメチレンブルーの0.1%水溶液中に撹拌しながら 浸漬した。 次いで、膜を水中で洗浄して過剰のメチレンブルーを除去し、次いでIPAで 洗浄し、次いで水中に浸漬した。次いで、膜を室温で乾燥させた。得られた膜を 図14に示すが、この膜の表面は、表面変性用組成物で完全に変性されている。 例17 本例は、膜をペルフルオルカーボン共重合体溶液との接触に続いて未結合ペル フルオルカーボン共重合体を除去し且つこの膜を湿潤する溶剤と接触させたとき にこの膜が湿潤されないようなペルフルオルカーボン共重合体溶液を使用して本 発明の膜を製造することができることを例証する。 例15に記載の予備湿潤操作によって、0.05μm(ミクロン)PTFE膜 をIPAで予備湿潤した。次いで、IPAから膜を取り出し、そしてスルホラン 中に5分間浸漬して膜中のIPAをスルホランで置換した。次いで、スルホラン で湿潤した膜を例14に記載の1%ペルフルオルカーボン共重合体溶液中に5分 間浸漬した。次いで、溶液から膜を取り出し、そして例14のペルフルオルカー ボン共重合体組成物の新鮮な1%スルホラン溶液中に15分間浸漬させた。 次いで、溶液から膜を取り出し、そして直ちにIPA中に2分間浸漬して膜か ら過剰の表面変性用組成物を除去した。IPAから膜を取り出し、そして直ちに 水中に2分間浸漬した。水から膜を取り出し、そして120℃で16時間オーブ ン乾燥させた。 次いで、膜を例14に記載の操作によってメチレンブルーで染色した。得られ た膜を図12に示す。膜表面は、完全表面染色によって示されるようにペルフル オルカーボン共重合体組成物で完全に変性されている。 例18 本例は、薄い多孔質膜基体を湿潤するペルフルオルカーボン共重合体組成物の 溶液を利用して膜表面をその共重合体組成物で完全に変性することができること を例証する。 0.1μm(ミクロン)PTFE膜を例16に記載のペルフルオルカーボン共 重合体組成物のアルコール溶液中に15秒間浸漬した。溶液は、膜を完全に湿潤 することが観察された。 溶液から膜を取り出し、そして炉に120℃で2時間直接入れた。炉から膜を 取り出し、そして例14の操作によってメチレンブルーで染色した。 膜表面は、図13に示されるように共重合体で完全に変性された。 【図4】【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 9/36 CEW C08J 9/36 CEW (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 薄い多孔質重合体基体の表面が結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物 で完全に変性されて成る変成多孔質膜製品であって、 前記結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物が溶媒和された未結合ペルフル オルカーボン共重合体組成物に対する溶剤又は希釈剤中に実質上不溶性であり、 且つ、 前記変性多孔質膜製品が多孔質重合体基体と実質上同じ透過性を有する、 前記変性多孔質膜製品。 2. 前記共重合体組成物が前記基体の全表面にわたって実質上均一に付着され た、請求項1記載の多孔質膜製品。 3. フラットシートから成る、請求項1記載の膜製品。 4. 波形シートから成る、請求項1記載の膜製品。 5. 中空繊維から成る、請求項1記載の膜製品。 6. フラットシートから成る、請求項2記載の膜製品。 7. 波形シートから成る、請求項2記載の膜製品。 8. 中空繊維から成る、請求項2記載の膜製品。 9. ペルフルオルカーボン共重合体組成物が次の基、即ち、(SO2F)、( SO3M)、(SO3R)、(SO2NR2)、(COF)、(CO2M)、(CO2 R)又は(CONR2) (ここで、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はNR4であり、 そして各Rは別個にH、アルキル基、アリール基、置換アルキル基又は置換ア リール基である) のうちの少なくとも1つを含有する、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8 のいずれか一項記載の膜製品。 10. 前記基体が弗素含有重合体である、請求項1又は2記載の膜製品。 11. 前記弗素含有重合体がポリテトラフルオルエチレンである、請求項10 記載の膜製品。 12. 前記弗素含有重合体がペルフルオルアルコキシ重合体である、請求項1 0記載の膜製品。 13. 前記弗素含有重合体が弗素化エチレン−プロピレン共重合体である、請 求項10記載の膜製品。 14. 水泡立ち点圧試験によって測定して膜の水泡立ち点圧が未変性膜の水泡 立ち点圧よりも少なくとも約50%大きいような非脱湿潤性表面を有する少なく とも1種の過弗素化組成物を含む、請求項1又は2記載の表面変性多孔質膜製品 。 15. 標準脱湿潤試験によって測定して膜を横切る最終の圧力降下が膜を横切 る初期の圧力降下のせいぜい約3倍であるような非脱湿潤性表面を有する少なく とも1種の過弗素化組成物を含む、表面変性多孔質膜。 16. 薄い多孔質重合体基体の全表面にわたってペルフルオルカーボン共重合 体組成物が付着されて成る多孔質膜製品において、前記ペルフルオルカーボン共 重合体組成物が溶媒和された未結合ペルフルオルカーボン共重合体組成物に対す る溶剤又は希釈剤中に実質上不溶であり且つ前記多孔質膜製品が多孔質重合体基 体と本質上同じ透過性を有する、前記多孔質膜製品の製造方法であって、 a)ペルフルオルカーボン共重合体組成物を含有させた溶液を前記ポリマー基体 と接触させて該ポリマー基体上に前記ペルフルオルカーボン共重合体組成物を付 着させて結合させ、 b)工程a)からの結合したペルフルオルカーボン共重合体組成物及び未結合ペ ルフルオルカーボン共重合体組成物を有する前記重合体基体を未結合ペルフルオ ルカーボン共重合体組成物に対する溶剤、希釈剤又は分散剤と接触させて、該共 重合体基体から結合したペルフルオルカーボン共重合体組成物が取り除かれるの を実質上防止しながら、該共重合体基体から未結合ペルフルオルカーボン共重合 体組成物を選択的に除去し、 c)表面上に結合したペルフルオルカーボン共重合体組成物を有する前記重合体 基体を熱処理する ことを含む、前記方法。 17. 前記多孔質重合体基体がフラットシートである、請求項16記載の方法 。 18. 前記多孔質重合体基体が波形シートである、請求項16記載の方法。 19. 前記多孔質重合体基体が中空繊維である、請求項16記載の方法。 20. 前記重合体基体が弗素含有重合体である、請求項16、17、18又は 19記載の方法。 21. 前記弗素含有重合体がポリテトラフルオルエチレンである、請求項20 記載の方法。 22. 前記弗素含有重合体がペルフルオルアルコキシ重合体である、請求項2 0記載の方法。 23. 前記弗素含有重合体が弗素化エチレン−プロピレン共重合体である、請 求項20記載の方法。 24. ペルフルオルカーボン共重合体組成物が次の基、即ち、(SO2F)、 (SO3M)、(SO3R)、(SO2NR2)、(COF)、(CO2M)、(C O2R)又は(CONR2)(ここで、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属 又はNR4であり、そして各Rは別個にH、アルキル基、アリール基、置換アル キル基又は置換アリール基である)のうちの少なくとも1つを含有する、請求項 16、17、18又は19のいずれか一項記載の方法。 25. 前記重合体基体が弗素含有重合体である、請求項24記載の方法。 26. 前記弗素含有重合体がポリテトラフルオルエチレンである、請求項25 記載の方法。 27. 前記弗素含有重合体がペルフルオルアルコキシ重合体である、請求項2 5記載の方法。 28. 前記弗素含有重合体が弗素化エチレン−プロピレン共重合体である、請 求項25記載の方法。 29. 前記溶液がペルフルオルカーボン共重合体組成物を含有する低級アルコ ール溶液である、請求項16、17、18、19、21,22又は23のいずれ か一項記載の方法。 30. 前記溶液がペルフルオルカーボン共重合体組成物を含有する低級アルコ ール溶液である、請求項20記載の方法。
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