JP2000512637A - ジデオキシヌクレオシドの高収率ジアステレオ選択的合成方法 - Google Patents

ジデオキシヌクレオシドの高収率ジアステレオ選択的合成方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明はβ-アノマーのヌクレオシド類似体の立体選択的合成を実質的に向上させる方法に関する。本発明による方法においては、ブロックされたラクトン糖前駆体へのフェニルセレノ基の導入は、望ましいフェニルセレノ基がブロック基から離れたブロックされたラクトン側に導入されるように選択される。糖前駆体へのフェニルセレノ基の立体特異的な導入によって、ヌクレオシド類似体、特に2',3'-ジデオキシと2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロヌクレシド類似体の極高収率での合成が可能になる。ある好ましい実施形態においては、好ましいフェニルセレノ基でブロッキングされたラクトンが得られた立体異性体の全生成量のほぼ90%以上の量で得られる。更に好ましい実施形態においては、好ましい立体異性体の量は、製造されたフェニルセレノ基でブロッキングされたラクトンの全量の少なくとも約95%、更に好ましくは少なくとも約97%である。

Description

【発明の詳細な説明】 ジデオキシヌクレオドの高収率ジアステレオ選択的合成方法 発明の分野 本発明は、光学活性シスヌクレオシドとヌクレオシド類似体と誘導体を合成す るジアステレオ選択的製造方法に関する。本発明の新規な製造方法によれば、所 望のシスヌクレオシドあるいはヌクレオシド類似体又は誘導体の一定のエナンチ オマーの立体規制合成を高い光学純度と高収率で行なうことが可能になる。本発 明はまた、本発明の製造方法に有用な中間体の製造に関する。 発明の背景 抗HIV剤として3'-アジド-3’-デオキシチミジン(AZT)の出現によって、3'-ヒ ドロキシル基を欠損したヌクレオシドの生物学的重要性が明示された。2',3'-ジ デオキシ(dd)と2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシ(D4)ヌクレオシド(2',3'-di deoxy(dd)and2',3'-didehydro-dideoxy(D4)nucleosides)の類似体が効果的な抗 ウイルス活性を示すことが発見されたことにより、卓越した治療剤の探索とこの ようなヌクレオシドの合成の高収率プロセスの開発に拍車がかかった。 例えば、De Clercq,E.J.Chemother. Supp.A 1989,23,35とBa1zaniら,Mo1.Pha rmaco1 1987,32,162を参照されたい。 糖と塩基部分の双方の系統的な変成の結果として、多数の2',3'-ジデオキシヌ クレオシド誘導体がウイルス感染の臨床用途に承認されている。これらには、D- β-ddl(2',3'-ジデオキシイノシン)、D-β-ddC(2',3'-ジデオキシシチジン、Mit suyaBroder,S.Proc.Nat1.Acad.Sci.U.S.A.1986,83,1911)とD-β-D4T(2',3'-ジデ ヒドロ-2',3'-ジデオキシチミジン、Mansuriら、J.Med.Chem.1989,32,461)が含 まれる。最近、多数のL-立体配置ヌクレオシド類似体、自然のD-ヌクレオシドの エナンチオマーが効果的なHBVとHIV用抗ウイルス剤として出現した。こ れらの類似体には、(-)SddC(3TC)[(2-ヒドロキシメチル-1,3-オキサチオラン-4- イル)シトシン]と、(-)FSddC(-FTC)[(2-ヒドロキシメチル-1,3-オキサチオラン- 4-イル)-5-フルオロシトシン、Chang,C-N.,らJ.Biol.Chem.,1992,267,13938-139 42とDoong,S-LらProc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.1991,88,8495-8499]、β-L-ddC(β- L-2',3'-ジデオキシシチジン、Lin,T-SらTetrahedron Lett 1994,35,3477とLi n,T-Sら、J.Med.Chem.1994,37,798-803)、β-L-Fd4C(β-L-5-フルオロ-2',3'-ジ デオキシ-チジン、Lin,T-SらJ.Med.Chem.1994,37,798-803)、そして、β-L-FD4C (β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデオキシシチジン、Lin,T-Sら]J .Med.Chem. 1996,39,1757)が含まれる。 D-立体配置の対応生成物と比較すると、上述の自然にないL-ヌクレオシドは、 細胞成長とミトコンドリアDNA合成の禁止の形でより大きな抗ウイルス活性(特 に、例えばHBVとHIVに対して)と低減された宿主毒性が付与されている。ここで 議論するL-ヌクレオシドの中で、β-L-FD4CはHBVに対して最も高活性であること が見出されている(Linら、J.Med.Chem.,1996,39,1757)。事実、β-L-FD4CはHBV に対して(-)SddC(3TC)よりも約10倍以上効果があり、HIVとHBVに対して組み合わ せて治療に使用することがFDAによって最近に承認された。β-L-FD4Cとβ-L-Fdd Cについて観察された卓越した抗ウイルス活性、またその他のヌクレオシド類似 体の明確な医薬としての可能性が、抗HBV剤と抗HIV剤を含む抗ウイルス用途とそ の他の用途への第1候補としてこれらの薬剤を更に開発する根拠となっている。 β-L-FD4Cの最初の合成と抗ウイルス活性の評価は、LinとCheng両博士の指導 の下にエール大学の科学者のグループにより達成された(J.Med.Chem.,1996,39,1 757)。エール大学の合成は、12工程のシーケンスよりなり、全収率は0.74%以下 であった。恐らく、シーケンス中の最も収率の低い工程は、トランス-N-グリコ シル化反応を使用した5-フルオロウラシルの導入であり、所望のβ-ア ノマー中間体を約10%しか生成しなかった。エール大学においてなされたこの研 究は、宿主毒性が最小で、効果的な抗ウイルスヌクレオシドの探索における主要 なブレークスルーを意味するが、この低収率の合成は、スケールアップには受け 入れられるものでなかった。従って、スケールアップ、臨床試験そして最終的に は商品化のために大量のβ-L-FD4Cを製造するには、もっと効率的な合成法が望 まれる。 発明の目的 薬理活性のあるヌクレオシド類似体、特に2',3'-ジデオキシ(dd)と2',3'-ジデ オキシ-2',3'-ジデヒドロ(d4)ヌクレオシド類似体の効率的な合成法を提供する ことが本発明の目的である。 ヌクレオシド中間体、特に2',3'-ジデオキシと2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデ ヒドロヌクレオシド類似体の立体選択的合成を実質的に向上させるのに使用され る中間体を製造する立体選択的プロセスを提供することが本発明の更なる目的で ある。 この中間体の適当な位置にプリンあるいはピリミジンヌクレオシド塩基を導入 する立体選択性を実質的に向上させるのに使用される、2',3'-ジデオキシと2',3 '-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロヌクレオシド類似体の化学合成の中間体を提供 することが本発明のもう一つ別の目的である。 本発明のこれらの目的及び/またその他の目的は、次の本発明の説明から容易 に集められる。 発明の概要 本発明はβ-アノマーのヌクレオシド類似体(β-anomeric nucleoside analogs )の立体選択的合成を実質的に向上させる方法に関する。本発明による方法にお いては、ヒドロキシルを保護されたラクトン糖前駆体(下記4、あるいは、ブロ ックされたヒドロキシル基がα配向よりもβ配向であるエナンチオマーの立体異 性 体)へのフェニルヤレノ部分の導入が予期以上の高収率と予期以上の立体選択性 で得られた。好ましい実施形態においては、α面(下記5a)にフェニルセレノ 基を含むラクトン(リボースの前駆体)がαとβ生成物の全生成量の少なくとも 約90%以上の量で得られる。更に好ましい実施形態においては、得られるαラク トンの量は、αとβ生成物の全生成量の少なくとも約95%、更に好ましくは少な くとも約97%である。この反応の立体選択性は予期以上の結果であり、薬理活性 β-L-ヌクレオシドの高収率の合成に至っている。 β-L-ヌクレオシド類似体を合成する好ましいシーケンスによれば、フェニル セレノ基(phenylseleno)を含むラクトン(図1の5aと上述の通り)は糖部分に変 換され、糖部分(通常はリボース糖)にヌクレオシド塩基を導入するように使用さ れ、ヌクレオシドのβ-アノマー(β-anomer)はα-アノマーよりもずっと高濃度 で生成する。この方法は、ヌクレオシド類似体、そして、特に2',3-ジデヒドロ と2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロヌクレオシド類似体の合成に使用できる 。 本方法は先行技術の困難な面と欠点に取り組み、克服して、次の式(I)と(I I)の光学活性シスヌクレオシドとヌクレオシドの類似体と誘導体を高収率で製造 するプロセスを提供する。 (ここで、XはCHあるいはCH2であり、Yはプリンあるいはピリミジン塩基あ るいはその類似体と誘導体である。) 本発明はD-あるいはL-、βあるいはα-アノマーのヌクレオシドの立体選択的 合成を実質的に向上させ、特に、図1に示すようにグルタミン酸から誘導される 、ヒドロキシルをブロックされたラクトン(4)にフェニルセレノ基を導入する方 法を指向している。 フェニルセレノ基を含む化合物(例えば、N-フェニルセレノ-フタルイミドあ るいは構造ArSeXを有する同等のかさ高のセレン含有化合物(ここで、Arはt-ブチ ルフェニルあるいはニトロフェニルであり、Xはかさ高の解離性の基(-OAcと、- OC(O)CF3-SCN、-SO2Ar、NR2、そしてN-フタルィミド)))にD-あるいはL-グルタ ミン酸から誘導されるヒドロキルをブロックされたラクトン(4)を反応させ、そ の結果所望のフェニルセレノ基で置換されヒドロキシル基をブロックされたラク トン(5)、そして最終的には所望のβ-アノマーのヌクレオシドを予期以上の高収 率で合成することが可能になることにより、本発明のステップが達成される。L- ヌクレオシド類似体の合成はD-グルタミン酸から進行し、D-ヌクレオシド類似体 の合成はL-グルタミン酸から進行することが注目される。 本発明は、N-フェニルセレノーフタルイミドによる、ヒドロキシル基をブロッ クされたラクトン部分4(上記と図1)のケトンのαの炭素位置へのフェニルセレ ノ部分の導入は、驚くほど立体選択性が高く、ブロックされたヒドロキシル部分 の妨害から離れたラクトン側で起こるという発見を利用している。 本発明による好ましい側面として、本プロセスは、高価な出発物質を使用した り、アノマー異性体を分離するのに特に凝ったステップを使ったりせずに、多量 の式(I)のヌクレオシド(あるいはその類似体と誘導体)の製造を可能にする利点 を有する。本発明のプロセスによれば、スケールアップと商業生産が可能な収率 で、高純度で高光学活性のヌクレオシドが製造される。適切な、容易に入手でき る出発材料(L-ヌクレオシドの場合D-グルタミン酸あるいはD-ヌクレオシドの場 合L-グルタミン酸)を選択するだけで、立体配置(L-あるいはD-ヌクレオシドとし て)が容易に制御されるヌクレオシドを生成する更なる利点を有する。 図の簡単な説明 図1は、本発明によるβ-L-Fd4Cとβ-L-ddCの立体選択的合成のための好まし い化学合成のスキームを表わす。 発明の詳細な説明 本発明を説明するこの明細書を通じて次の定義を使用する。 「ヌクレオシド」、「ヌクレオシド類似体」あるいは「ヌクレオシド誘導体」 という語は、この明細書を通じて、リボース部分に結合して、本発明による2',3 '-ジデオキシと2',3'-ジデヒドロ−2',3'-ジデオキシヌクレシドを生成するピリ ミジンあるいはプリン塩基を含むヌクレオシドを記述するのに使用される。本発 明によるヌクレオシド類似体は、D-立体配置の(「D」)ヌクレオシドあるいは好 ましくは、L-立体位置の(「L」)ヌクレオシドである。本発明により製造される 、更に好ましいヌクレオシド類似体には、β-L-2',3'-ジデオキシシチジン(β-L -ddC)と、β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシシチジン(β-L-FddC)、そしてβ- L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロシチジン(β-L-Fd4C)がある 。例外的な抗HIVと抗HBV活性のために、β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシ-2', 3'-ジデヒドロシチジン(β-L-Fd4C)が最も好ましい。 「L-ヌクレオシド」、「D-ヌクレオシド」という語は、この明細書を通じて、 リボフラノシル部分の特定な化学的立体配置を含むヌクレオシド類似体を記述す るのに使用される。本発明のL-ヌクレオシド化合物のL-立体配置のリボース部分 は、自然にはない立体配置であり、自然に存在するヌクレオシド、とりわけシチ ジン、アデノシン、チミジン、グアノシンとウリジンに見出されるD-立体配置の リボース部分と対照的である。 「ピリミジン」という語は、ウラシル、チミンとシトシンとこれらのメチル化 体と関連の類似体(プソイドウラシルを始めとする数多くの化合物を含む)等の化 合物を含む一般的なクラスのヘテロ環化合物を記述するのに使用される。ピリミ ジンという語には、構造(原子の種類とその配置)が自然に存在する塩基に類似す るが、自然に存在する塩基の付加的な機能性を有したり、ある機能性を欠如した りする点で、自然に存在するピリミジン塩基を模倣するピリミジン類似体が含ま れる。このような類似体には、CH部分を窒素原子で置換して、誘導されるもの( 例えば、5-アザシトシン等の5-アザピリミジン)がある。この語の内に含まれる のは、環置換基が組み込まれたり、除去されたり、あるいは例えば、ハロゲン、 ヒドロキシル、アミノ、C1-6アルキル等の当業界で公知の普通の置換基により変 成された塩基あるいは類似体である。好ましいピリミジン類似体には、5位を特 にハロゲンで置換されたシトシン類似体が含まれる。特に好ましいのは、ピリミ ジン塩基、5-フルオロシトシンである。本発明で使用されるピリミジン、類似体 と誘導体は通常当業界で公知である。 「プリン」という語は、ヒポキサンチン、キサンチン、アデニン、グアニンと それらの類似体等の化合物を含む一般的なクラスのヘテロ環化合物を記述するの に使用される。このような類似体には、CH部分を窒素原子で置換して誘導される もの(例えば、7-デアザアデニンあるいは7-デアグアニン等の7-アザプリン)があ る。このような塩基あるいは類似体が意味するのは、環置換基が取り込まれたり 、取り除かれたり、あるいは例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C1-6ア ルキル等の置換基により変成されたものである。 「ヒドロキシル基を保護された」という語は、所望しない反応から保護されて いるが、選択的な条件下で除去され、所望するならば、ヒドロキシル基を更なる 反応のために遊離する、ヌクレオシド前駆体の一つ以上のヒドロキシル基を指す 。この目的に使用されるヒドロキシル保護基には、なかでも、例えば、t-ブチル ジ メチルシリル、トリフェニルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、3置換のシリ ル基等の3置換のシリル基と、トリチル、メトキシトリチルそしてピバロイル基 がある。ブロック基はシリルブロック基、エーテルブロック基とエステルブロッ ク基のクラスから広く選択され、各ブロック基はヒドロキシルを保護されたラク トン(図1の4)のβ面へのフェニルセレノ基の導入を立体的に阻止し、ラクトン のα面へのフェニルセレノ基の導入を促進する能力によって選択される。上に挙 げたブロック基が好ましく、t-ブチルジフェニルシリル基が特に好ましいが、ラ クトンリボース前駆体4(ヒドロキシルを保護された位置は最後にヌクレオシド 類似体の最終生成物の5'位になる)のヒドロキシル基を保護された位置で比較的 かさ高な置換基を提供する同等な基はどれでも、α基(すなわち、ヒドロキシル 基を保護された基と反対のラクトン側)へのフェニル七レノ基の導入の位置を決 める助けをする。 「保護されたプリン」あるいは「保護されたピリミジン」という語は、この塩 基の窒素あるいは酸素の基が所望しない反応から保護されているプリンあるいは ピリミジンを記述するのに使用される。この目的の保護基は当業界で公知であり 、なかでも、例えば、トリメチルシリルと、ジメチルヘキシルシリル、t-ブチル ジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、アルキル基 そしてアシル基が含まれる。 「フェニルセレノ」という語は、糖(リボース)部分へのヌクレオシド塩基の 導入の配向を決めるのに重要な役割を果たし、最終の薬理活性β-L-あるいはD- ヌクレオシドを生成するグルタミン酸から誘導される、ヒドロキシル基を保護さ れたラクトン(図1の4とそれ以外にここで記述された化合物等)に導入される、 フェニルセレノ基を含む基あるいは部分を記述するのに使用される。本発明によ るフェニルセレノ基は式ArSeで表わされ、ここで、Arはフェニルあるいは例えば 、t-ブチルフェニル、ニトロフェニル等を含む置換フェニルである。フェニルセ レ ノ基は、式ArSeXの化合物によりヒドロキシル基を保護されたラクトン(4)に導入 されるが、ここでArはフェニルあるいは上述の置換フェニルであり、Xは好まし くはかさ高の解離性の基で、ヒドロキシル基を保護されたラクトン(4)のα面へ の導入の配向を立体特異的に支配する。Xは好ましくは、-OAcと、-OC(O)CF3- SCN、-SO2Ar、NR2、そしてN-フタルイミドであり、最も好ましくはN-フタルイミ ドである。Arがt-ブチルフェニルあるいはその他かさ高の他のフェニル基(フェ ニル以外の)のようなかさ高の置換基である場合には、Xは-Cl、-Br、あるいは- I等のハロゲンであってよい。 本発明の主な特徴には、置換ラクトン(5a)を高収率で生成する場合高立体選 択性を得るために、かさ高のフェニルセレノ化合物、最も好ましくはN-フェニル セレノフタルイミドを使用し、ヒドロキシル基を保護されたラクトン(図1の化 合物4等の)のケトンのα位にフェニルセレノ部分を導入することが含まれる。 フェニルセレノブロマイドあるいはフェニルセレノクロライドによるラクトン4 へのフェニルセレノ基の導入の立体選択性制御がかなり低いことを考えると、ラ クトン(5a)がこのような立体特異的に高収率(所望の立体異性体5aの少なく とも約90%、ある場合には97%あるいはそれ以上)で生成するのは、驚くべき結果 である。本発明において、フェニルセレノ基を導入するために、N-フェニルセレ ノフタルイミド(あるいは同等のフェニルセレノ化合物)を使用すると、当業界で 以前に報告された(Chuら、J.Org.Chem.,1990,55,1418)低い選択性(α/β=2.5 :1)と収率(10%)は大きく改善されて、約75%の収率で所望の立体異性体のみが得 られる。 本発明の主な特徴は、フェニルセレノ基の付加に続く工程の反応条件を最適化 し、各工程に対する高収率(>90%)を確保することである。 L-ヌクレオシドを製造する本発明による好ましい工程において、純粋なD-グル タミン酸は、順次、図1の式4のヒドロキシル基を保護されたラクトンに変換 され、N-フェニルセレノフタルイミドと反応させられ、もっぱら式5aのラクト ンが得られる。引き続き、ラクトンは還元されて、ジアステレオマーの糖混合物 6を生成し、引き続いてアセチル化され、シリル化された5-フルオルシトシンと 縮合されて、2'-フェニルセレノ-置換ヌクレオシド類似体(図1の化合物8)を生 成し、還元剤で処理された後、ヒドロキシル基を保護された2',3'-ジデオキシヌ クレオシド(dd)類似体11を生成する。あるいは、類似体8はピリジン中の過酸 化水素の混合物あるいは関連の酸化剤で処理されて、ヒドロキシを保護された2' ,3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロ−ヌクレオシド(d4)類似体9を生成する。ヒ ドロキシル基を保護されたヌクレオシド類似体9と11は、当業界で公知の方法 を使用して、保護基を取り除き、対応するβ-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシ- シチジン(β-L-FddC)とβ-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロシ チジン(β-L-Fd4C)を生成する。 前に指摘したように、本発明の主な側面は、ヒドロキシル基を保護されたラク トン4のケトンのα位にフェニルセレノ基を立体選択的に導入して、ヒドロキシ ル基を保護されたラクトン5aを生成させることである。ラクトン4は、当業界 で使用できるいかなる合成法によっても製造されるが、グルタミン酸から出発す る図1に示した合成スキームにより進めるのが好ましい。図1に示した合成スキ ームは、D-グルタミン酸から出発して、L-ヌクレオシドを合成する方向であるこ とが注目されるべきである。合成の標的化合物がD-ヌクレオシドならば、図1に 示した一般的な合成スキームに従った出発材料はL-グルタミン酸である。好まし くは、しかし必須ではないが、最終のD-ヌクレオシド類似体を製造する合成工程 は図1に示した工程と同じである。 ラクトン5aあるいはL-グルタミン酸(D-ヌクレオシドの製造に使用される)か ら誘導される対応するエナンチオマーのラクトンは、本発明による薬理活性のL- とD-2',3'-ジデオキシ(dd)と2',3'-ジデオキシ−2',3'-ジデヒドロ-(d4)ヌ クレオシドを効率的に合成する有用な中間体である。 フクトン4、フェニルセレノ−置換ラクトンの合成前駆体は、当業界で使用しう るいかなる合成法によっても合成されるが、好ましくは出発材料としてエナンチ オマーとして純粋なD-あるいはL-グルタミン酸から合成される。図1に示した好 ましい方法においては、ラクトン4を合成するために、D-グルタミン酸は酸の存 在下で反応させ、ラクトン酸1を生成し、引き続き適当なアルコールと酸でエス テル化し、ラクトンエステル2を生成する。その後、エステル部分は、一つ以上 のボロハイドライド(ナトリウム、リチウム、テトラブチルアンモノボロハイド ライド)あるいはアルミニウムハイドライド(Met-AIH4、Met-AIH(OR)3等を含む) 等の普通のハイドライド還元剤により還元され、ラクトンアルコール3を生成す る。ラクトンアルコール3は次に、以降の合成工程においてラクトン3の遊離の ヒドロキシル基が反応しないように保護する作用をする、例えばt-ブチルジフェ ニルシリルクロライドといったアルコールにかさ高な保護基Rを備えた化合物と 反応させる。保護基Rは、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチ ルジフェニルシリル(図1の化合物4)等のかさ高なシリル基、ピバロイル[Me3CC (O)-]基等のかさ高なエステル基、トリフェニルメチルエーテル(トリチル)ある いはp-メトキシフェニル-ジフェニルメチルエーテル(メトキシトリル)等のかさ 高なエーテル基である。これらのかさ高いヒドロキシルをブロックする基は、か さ高なフェニルセレノ化合物と組み合わされて、ヒドロキシル基を保護されたラ クトン4のラクトン部分のα位の炭素にα面でフェニルセレノ部分を高い立体選 択性で導入する結果を与える。 フェニルセレノ化されたヒドロキシル基を保護されたラクトン5aを製造する に当たって、ラクトン4は最初リチウムビス(トリメチルシリル)アミド等の強塩 基と反応させ、続いて、トリメチルシリルクロライド等のシリル保護基と反応さ せられる。この反応の塩基として、ナトリウムあるいはカリウムビス(トリメチ ルシリル)アミド、ラクトン4のケトン部分のα位の炭素からプロトンを引き抜 くのに充分強い同等の塩基、ブチルリチウム(BuLi)、リチウムジエチルアミド(L DA)等のその他の強塩基が使用される。生成するエノール中間体は次に、トリメ チルシリル基により安定化される。シリル化後、トリメチルシリル化されたエノ ール中間体は、N-フェニルセレノフタルイミドと反応させられ、カルボニルのα 位の炭素にフェニルセレノ基が導入される。当業者ならば容易に分かるように、 N-フェニルセレノフタルイミドあるいは同等のフェニルセレノ含有化合物により ラクトン部分のカルボニルのα位の炭素にフェニルセレノ基を導入する他の方法 も使用しうるが、上にアウトラインを述べた方法よりも一般的に効率的でない。 フェニルセレノ-置換ラクトン5aはこの後、適当なジデオキシとジデオキシ −ジデヒドロヌクレオシド類似体に置換される。このラクトンのカルボニル部分 を、グリコシル化反応でプリンあるいはピリミジン塩基と縮合できる、反応性の 中間体に変換(通常、還元により)することによって、通常、これは行なわれる。 これは、多くの方法で行なわれるが、好ましい方法には、リボース糖(図1の化 合物6等)のヘミアセタールヒドロキシル基をアセテート基(化合物7)に変換し 、リボース糖のアセチル化されたC-1炭素にプリンあるいはピリミジン塩基を縮 合させることがある。図1に示した合成スキームに述べた好ましい方法に従えば 、フェニルセレノ化ラクトン5aは、DIBAL-Hによりカルボニル基を第2アルコ ールに還元することにより、ヘミアセタール6に還元される。とりわけ、ボロハ イドライド試薬あるいはアルミニウムハイドライド試薬等の他の還元剤はどれで も使用され、カルボニルをアルコールに還元するが、この試薬による反応は殆ど 定量的(98%)であるため、DIBAL-Hが好ましい。ヘミアセタール6は次に、C-1を アセチル化されたリボース7に置換される。好ましい合成スキームにおいては、 通常、アミン等の酸スカベンジャーの存在下に、アセチル化剤はいろいろ使用で きるが、アセチル化反応は酢酸無水物/トリエチルアミン混合物中で行なわれる 。 アセチル化リボースにプリンあるいはピリミジン塩基を縮合させるために、ア セチル化リボース7は縮合反応で使用される。図1に示した好ましい方法におい ては、ビス-トリメチルシリル化5-フルオロシトシン塩基は、当業界で公知の多 数のルイス酸のなかでトリメチルシリルトリフレート(TMSOTf)、SnCl4、JiCl2(O R)2、TiCl(OR)3あるいはTiCl4等のルイス酸の存在下、定量的な収率でアセチル 化リボース7と縮合される。好ましくは、この縮合反応はトリメチルシリルトリ フレート(TMSOTf)の存在下で行なわれ、2'-α-フェニルセレノ置換ヌクレオシド 類似体8を生成する。2',3'-ジデオキシ−ヌクレオシド類似体12を合成するた めには、ヌクレオシド類似体8は好ましくは、AIBN3あるいはEtB/O2の存在下で ハイドライド還元剤、好ましくはトリ-n-ブチル錫ハイドライド(n-Bu3SnH)によ り還元され、続いて5'-OHブロック基が除去され、好ましい化合物のβ-L-5-フル オロ-2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロシチジン(β-L-FddC)が製造される。 あるいは、ヌクレオシド類似体8は適当な酸化剤(例えば、ピリジン中の過酸化 水素、あるいはメタクロロ過安息香酸等の過酸化物)と反応させられ、2',3'-ジ デオキシ−2',3'-ジデヒドロヌクレオシド類似体10を生成し、これはヒドロキ シ保護基を除去する処理を受けて、β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシ−2',3'- ジデヒドロシチジン(β-L-FD4C)を与える。 好ましい化学合成法を上述したが、置き換えの工程あるいは同等の工程を使用 して、同一の結果が得られるのは、当業者ならば容易に分かるであろう。例えば 、当業者ならば使用する試剤と溶媒を一部あるいは全部置き換えて、図1に示す 中間体を製造する。例えば、ラクトン1とラクトンエステル2は、適当なラクト ン生成剤あるいは試剤の組み合わせにより容易に製造され、またメタノールとプ ロパノールを含む適当なアルコールはどれでも、エステルを製造するのに使用さ れる。水素化剤のナトリウムボロハイドライドは互換性のあるボロハイドレート あるいはアルミニウムハイドライドならばどれによっても置き換えられ、エタノ ー ルに代わる適当な溶媒はどれでも使用しうる。アルコール基のそれ以上の反応を 防止し、フェニルセレノ基の導入の配向を助長するのに、かさ高なヒドロキシ保 護基はどれでも使用される。 ラクトン4のカルボニルのα位の炭素へのフェニルセレノ基の立体特異的導入 は、例えば、BuLiとLDAといった、リチウム(ビス)トリメチルシリルアミド以外 の多くの強塩基により行なわれる。この反応はエノール生成により進行し、フェ ニルセレノ基が付加するエノール構造が安定化されるために、トリメチルシリル 、とりわけt-ブチルジメチルシリルと他の同等なシリル保護基等のシリルブロッ ク基が使用される。この目的でシリル保護基を選択するに当たり、シリル保護基 は、シリル基のエノール中間体の安定化能力と除去の容易さに基づいて選択され ることを、当業者ならば理解するであろう。フェニルセレノフタルイミドは、本 発明で使用される好ましいフェニルセレン化剤であるが、上述のフタルイミド基 に同等なかさ高な解離性基を含むフェニルセレン化剤はどれでも、使用される。 当業者ならば、フェニルセレノ基の導入の立体選択性を変えるために、解離性基 (ArSeX)のかさ高さの変化に応じて、フェニル置換基を容易に改変するであろう 。 β-L-FddC(β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシシチジン)とβ-L-Fd4C(β-L-5- フルオロ-2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロシチジン)の合成についての次の 提示においては、本発明を実行しうる方法で例示するが、特に、明白な変形物、 置換物と同等物との関係において、本発明のプロセスの全範囲が制約されること はない。 実施例 実施例1 本発明の好ましい実施形態のアウトラインを図1に示し、その詳細を以下に示 す。化合物の参照番号は図1の合成スキームと同一である。この実施形態におい ては、標的化合物12β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシシチジン(β-L-FddC)と 10β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロシチジン(β-L-Fd4C)の 合成は、10工程で行なわれ、全収率はそれぞれ25%と27%であった。このシーケン スでの最も低収率の工程は75%(4から5a)である。各工程の平均収率はほぼ88%で あり、この合成スキームは商業的に実用的である。 材料と方法 すべての試薬は、別な指示をした場合を除いて市販品を購入した。溶媒は使用 する前に蒸留された。融点は、MelTemp装置を使用して測定し、未補正である。 プロトンNMRスペクトルは、Varian EM390あるいはBruckerWM250の装置で記録し 、(CH3)4Siから低磁場側にppm(δ)で報告した。紫外線スペクトルはBeckman25分 光光度計で記録した。分析薄層クロマトグラフィーでは、MerckEMシリカゲル60 を予めコートしたシートを使用した。カラムクロマトグラフィーでは、標準の有 機溶媒によりMerck EMシリカゲルを用いた。詳細な反応条件と各中間体のキャラ クタリゼーション(化合物8から12に対しては1HNMR、13CNMRとLRMSあるいはHRMS と元素分析データ)はこの節に示される。 手順 ラクトンエステル2の合成 水(70mL)中のD-グルタミン酸(50.0g)のサスペンジョンに、濃厚HCI(70mL)を0 ℃で加え、続けてNaNO2(35.0g)の水溶液(75ミmL)を2時間にわたってゆっくり加 えた。次に、反応は室温迄加温し、追加で15時間攪拌した。溶媒は真空で(50℃ 以下)で蒸発して乾固した。次に、反応混合物はEtOAc(150mL)と攪拌した。不溶 部は濾別し、固体をEtOAc(2×50mL)で洗浄した。合わせた濾液は乾燥された(Na2 SO4)。溶媒は真空で蒸発し、淡黄色のシロップとして45g(〜100%)の粗ラクトン( l)を得た。 EtOH(65mL)とベンゼン(150mL)中にp-TsOH(1.0g)の触媒量と上記の粗酸溶液を 5時間還流して沸点を79℃に迄上昇させ、大気圧下で溶媒を留去した。得ら れた反応混合物を室温迄冷却し、次にベンゼン(500mL)で希釈した。得られた反 応混合物は水、10%Na2CO3液、水で洗浄して後にNa2SO4で乾燥した。溶媒を真空 で蒸発して残渣を高真空下で蒸留し、所望の35.0gのエステルーラクトン(2)(65% の2段ステップ収率)を得た。 エステル-ラクトン2の分析 ラクトンアルコール3の合成 NaBH4(2.90g)のエタノール溶液(48mL)に0℃でエステルーラクトン2(17.3g、10 9.5mmol)のエタノール溶液(72mL)を10分かけて加えた。得られた反応混合物は室 温で1時間攪拌した。次に、反応は溶液のpHが3になる迄10%HClで0℃で凍結し た。固体は濾別した。濾液は真空で濃縮して得られた残渣はMeOHと一緒に3回蒸 発した。次に、得られた残渣はシリカゲルクロマトグラフィー(10-20%EtOH/CH2C l2)で精製し、9.5g(75%)の所望のアルコール3を無色の液体として得た。 ラクトンアルコール3の分析データ シリルエーテルラクトン4の手順 3(ラクトンアルコール)(5.10g、43.97mmol)のジクロロメタン溶液(62mL)に イミダゾール(3.98g、57.16mmol)とt-ブチルクロロジフエニルシラン(13.30g、1 2.58mL)を0℃で加えた。反応混合物は0℃で1時間、更に室温で2時間攪拌した 。反応混合物はCH2Cl2(150mL)で希釈し、水(3×40mL)とブライン(40mL)で洗浄し た。有機相は乾燥して真空で濃縮し、残渣を得た。その残渣をクロマトグラフ (20-30%EtOAc/ヘキサン)にかけ、15.2g(97%)の所望のシリルエーテル4を淡黄色 のシロップとして得た。 シリルエーテルラクトン4の分析データ フェニルセレナイドラクトン5aの合成 THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1M、32.2mL、32.20mmol)を 窒素下で6mLのTHFに加えたのち、-78℃に冷却した。20mLのTHF中に溶解したシリ ルエーテルラクトン4(10.36g、29.30mmol)を-78℃で、45分で上記の溶液にゆっ くりと加えた。添加1時間後、TMSCl(5.0mL、64.46mmol)を5分にわたって滴下 した。この反応混合物を-78℃で1時間、更に室温迄温めて2時間攪拌した。次 に、この反応混合物を-78℃に冷却し、N-フェニルセレノフタルイミド(11.0g、3 6.40mmo1)を粉末添加漏斗から1時間にわたって加えた。攪拌を3時間続け、続 けて30分で室温迄温めた。反応混合物は150mLのNaHCO3溶液と300mLのエーテルに 注ぎ、NaHCO3溶液で2回、NaCl溶液で1回抽出した。水層は150mLのエーテルで 再抽出した。有機層は合わせてMgSO4で乾燥して濾過し、溶媒を真空で除去した 。粗製生成物はクロマトグラフィーで精製し、11.20g(収率75%)のトランス異性 体を得た。200mg(1%)の少量のシス異性体も得られた。 フェニルセレナイドラクトン5aの分析データ ラクトール6の合成 フェニルセレナイドラクトン5a(1.63g、3.20mmol)のトルエン溶液(10mL)をDIB AL-H(2.35mL、1.5M)により-78℃で処理した。1時間後、追加量のDIBAL-H(0.32m L)を加えた。30分後、反応を-78℃で酒石酸ナトリウムカリウムの飽和溶液(40mL )で凍結した。反応混合物を室温迄温めて、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせ た有機層は、透明な液が得られる迄、酒石酸ナトリウムカリウムの飽和溶液で更 に洗浄した。得られた有機層は乾燥し、真空で蒸発した。クロマトグラフ(10-20 %EtOAc/ヘキサン)にかけ、1.60g(98%)の所望のラクトール6を得た。 ラクトール6の分析データ 1'シュガーアセテート7の合成 ラクトール6(4.50g、8.80mmol)のジクロロメタン溶液(18mL)に、0℃でトリエ チルアミン(1.59mL、11.44mmol)と酢酸無水物(1.08mL、11.44mmol)を加えた。触 媒量のDMAPも加えた。反応は0℃で1時間、次に室温で12時間攪拌した。反応をN aHCO3飽和溶液(20mL)で凍結し、得られた反応混合物をCH2Cl2(2×100mL)で抽出 した。合わせた有機層はブラインで洗浄し、乾燥して真空で濃縮した。残渣は短 いクロマトカラムのパック(溶離液として15%酢酸エチル/ヘキサンを使用)を通し て精製し、4.75g(98%)の所望の対応する1'シュガーアセテート誘導体7を濃厚な 油状として得た。 1'シュガーアセテートの分析 C29H35O4SiSe(MH+)に対するFAB質量計算値:554、測定値554。 フェニルセレナイドヌクレオシド8の合成 (TMS)2NH中の5-フルォロシトシン(1.11g、8.58mmol)と硫酸アンモニウム(40mg )の混合物を2時間還流迄加熱した。透明な溶液が得られた。反応混合物を室温 迄冷却し、溶媒を真空で除去した。得られた白色固体(ビス-TMS-5-FC)は高真空 下で30分間乾燥した。 このように得られた白色固体ビス-TMS-5-FCに、1'シュガーアセテート7(4.75 g、8.58mmol)のジクロロメタン溶液(30mL)を加えた。次に、上記の溶液に、TMS0 ff(1.99mL、10.30mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を0℃で加えた。反応混合物 は0℃で30分、次に室温で90分攪拌した。この時点で、反応をNH4Cl飽和溶液(30m L)で凍結してCH2Cl2(250mL)で抽出した。有機層はブラインで洗浄し、乾燥して 真空で濃縮した。得られた残渣はクロマトグラフ(60-80%EtOAc/ヘキサン、次にE tOH/CH2Cl2)にかけ、5.40g(100%)の所望の生成物を白色発泡体として得た。 フェニルセレナイドヌクレオシド8の分析データC31H35FN3O3SiSe(MH+)に対するFAB質量計算値:624、測定値624 シリルエーテルジデヒドロヌクレオシド9の合成 フェニルセレナイドヌクレオシド8(437mg、0.702mmo1)のTHF溶液に、0℃で 30重量%の過酸化水素水溶液(0.22mL、7.02mmo1)を加えた。反応は0℃で1時間、 攪拌した。この時点で、ピリジン(0.57mL、7.02mmo1)を0℃で加えた。反応は室 温で3時間、攪拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)とEt2O(10mL)で希釈し、次に 、NaHCO3飽和溶液とブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、真空で蒸発 して残渣を得た。得られた残渣はシリカゲルクロマトグラフ(5-10%EtOH/CH2Cl2) にかけ、280mg(86%)の所望のシリルエーテルジデヒドロヌクレオシド9を得た。 シリルエーテルジデヒドロヌクレオシド9の分析データ C25H29FN3O3SiSe(MH+)に対するFAB質量計算値:467、測定値467 シリルエーテルジデデオキシシヌクレオシド10の合成合成法(a) 5'-シリルエーテル9(0.71g、1.53mmol)のTHF溶液(26mL)を0℃でテト ラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)(3.81mL、1M、3.81mmol)で処理した。 反応は0℃で30分、次に室温で2時間、攪拌した。この時点で、溶媒を真空で除 去した。得られた残渣はシリカゲルクロマトグラフ(80%EtOAc/ヘキサンからEtOH /CH2Cl2)にかけ、331mg(95%)の所望の生成物のβ-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキ シ-2',3'-ジデヒドロシチジン(β-L-Fd4C)10を白色発泡体として得た。合成法(b) 0℃に冷却した、シリルエーテル9(321mg、0.690mmol)のTHF溶液にト リエチルアミン-トリヒドロフルオライド(0.449mL、2.72mmo1)を加えた。室温で 5時間攪拌後、2回目の試薬を0℃で加えた。反応混合物は室温で15時間攪拌 した。溶媒を真空で除去した。残渣はクロマトグラフ(5-10-20%EtOH/CH2Cl2)に かけ、146mg(94%)の所望の生成物のβ-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシ-2',3'- ジデヒドロシチジン(β-L-FD4C)10を得た。 β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロシチジン(β-L-FD4C)10 の分析データ β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロシチジン(β-L-FD4C)1 C9H11FN3O3(MH+)に対するFAB質量計算値:228、測定値228 シリルエーテルジデデオキシシヌクレオシド11の合成 フェニルセレナイドヌクレオシド8(323mg、0.519mmo1)の脱ガスしたベンゼン 溶液(5mL)と触媒量のAIBNにトリブチル錫ハイドライド(0.279mL、1.038mmol)を 加えた。反応混合物は1.5時間還流まで加熱した。次に、反応を室温迄冷却し 、溶媒を真空で除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(5-10%EtOH/CH2Cl2 )にかけ、240mg(100%)の所望の生成物のシリルエーテルジデデオキシシヌクレ オシド11を得た。 シリルエーテルジデデオキシシヌクレオシド11の分析データ C9H13FN3O3(MH+)に対するFAB質量計算値:230、測定値230 β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシシチジン(β-L-FddC)12の合成 シリルエーテルジデデオキシシヌクレオシド11(240mg、0.52mmol)のTHF溶液 (10mL)に0℃でEt3N-(HF)3(0.339mL、2.08mmol)を加えた。反応混合物は室温 で3時間攪拌した。この時点で、6当量の同一の脱シリル化剤を追加して加え、 反応混合物を室温で一夜攪拌した。次に、溶媒を真空で除去して得られた残渣は クロマトグラフ(10-20%EtOH/CH2Cl2)にかけ、95mg(78%)の所望のβ-L-FddC12 を白色発泡体として得た。 β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシ-シチジン(β-L-FddC)12の分析データ 実施例2 フェニルセレナイドラクトン(5a)の先行技術による合成 シリルエーテルラクトン(4)からのフェニルセレナイドラクトン(5a)の次の 合成は、Chouら、J.Org.Chem.,55,1418(1990)とRylら、Synthesis874(1977)の先 行技術の教示に従った。基本的に、この方法は、フェニルセレニウムブロマイド を使用し、エノールエーテルにフェニルセレノ基を導入するものである。フェニ ルセレノ基の導入の立体選択性は、本発明による方法よりも著しく特異性が小さ い。 ラクトン4(12.50g、35.27mmol)のTHF溶液(106mL)を-78℃で15分間、LiHMDS(3 5.30mL、1M)で処理した。次に、TMSCl(4.48mL、35.27mmol)を2分にわたって加 えた。次に、この反応混合物を-78℃で30分、更に室温で2時間攪拌した。次に 、反応をNH4Cl飽和溶液で凍結した。反応溶媒は一部真空で除去した。得られた 反応混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。次に、有機層をブラインで洗浄し、N a2SO4で乾燥した。蒸発後、得られた残渣はシリカゲルクロマトグラフィ(10-20% EtOAc/ヘキサン)にかけ、4.40g(24%)の異性体5bと共に10.80g(60%)の所望の2' -フェニルセレナイド5aを得た。 2'-β-フェニルセレナイド誘導体5b(4.40g、8.64mmo1)のTHF溶液(35mL)を 室温で24時間、DBU(3.10mL、20.74mmol)で処理した。反応溶媒を一部真空で除去 した。反応混合物をEtOAc(150mL)で希釈し、NaHCO3飽和溶液とブラインで洗浄し た。有機層を乾燥して蒸発し、精製して1.3g(30%)の回収S.M.(5b)と共に2.3g( 52%)の2'-α-フェニルセレナイド5aを得た。 分析データ 異性体5bの13CNMR(CDCl3,75MHz):δ175.8,135.7,135.5,133.0,132.9,1 30.0,129.4,128.9,127.9,127.5,78.8,64.8,37.1,31.8,26.9,19.4。 上記した実施例および実施形態は、例の形で本発明の説明を提供する目的であ り、如何なる方法であれ本発明を制約することは考えていない。当業者が上記の ものに施した種々の改変あるいは変更も、本発明によるものと考えられ、この出 願と次のクレームの技術思想の範囲内に含まれるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ, VN (72)発明者 シューヤン,リー アメリカ合衆国、06511 コネチカット、 ニュー・ヘイヴン、プロスペクト・ストリ ート 570、#9

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 下記式(5a) (ここで、Rは、t-ブチルジフェニルシリルと、トリフェニルシリル、t-ブチル ジメチルシリル、トリチル、メトキシトリル、そしてピバロイルからなる群から 選ばれるヒドロキシルの保護基(A)である。) のラクトンのジアステレオ選択性の製造方法であって、下記ステップ(1)と( 2)を含んでなることを特徴とする製造方法。 (1) 下記式(4) のヒドロキシル基を保護されたラクトンに有効量の強塩基を反応させ、続いて( 第2段階として)シリルブロッキング基(B)を導入して、シリルで保護された エノールエーテル生成物を製造するステップと、 (2) ステップ(1)で得られたシリルで保護したエノールエーテル生成物に 式ArSeX(ここで、Arはフェニルあるいは置換フェニルであり、Xは、-0Acと、-O C(O)CF3-SCN、-SO2Ar、NR2、そしてN-フタルイミドからなる群から選ばれる) のフェニルセレノ化合物を反応させて、式5aの化合物を製造するステップ。 2. 上記塩基がブチルリチウムと、リチウムジエチルアミド、リチウム(ビス) トリメチルシリルアミド、ナトリウム(ビス)トリメチルシリルアミド、そしてカ リウム(ビス)トリメチルシリルアミドからなる群から選ばれることを特徴とする 、請求項1に記載の製造方法。 3. 上記シリルブロッキング基(B)がトリメチルシリル基であることを特徴 とする、請求項1に記載の製造方法。 4. 下記式(I) (ここで、Yはプリンあるいはピリミジン塩基であり、XはCHあるいはCH2であ る。) のL-ヌクレオシドのジアステレオ選択性の製造方法であって、下記ステップ(1 )と(4)を含んでなることを特徴とする製造方法。 (1) 下記式(5a) (ここで、Rはt-ブチルジフェニルシリルと、トリフェニルシリル、t-ブチルジ メチルシリルトリル、メトキシトリル、そしてピバロイルからなる群から選ばれ るかさ高なヒドロキシルの保護基である。) の化合物を、下記式(4)の化合物から、(第1段階として)上記化合物(4)に有効量の強塩基を反応させ、続いて(第2 段階として)シリルブロック基を導入して、シリルで保護したエノールエーテル 生成物を製造し、続いて、上記シリルで保護したエノールエーテルに式ArSeX(こ こで、Arはフェニルあるいは置換フェニルであり、Xは、-OAc、-OC(O)CF3-SC N、-SA2Ar、NR2、とN-フタルイミドからなる群から選ばれる)のフェニルセレノ 化合物を反応させて、式(5a)のフェニルセレノ化ラクトンを製造するステップと 、 (2) 式(5a)の化合物のラクトン部分を還元して、下記ヘミアセタール(6) を製造するステップと、 (3) ヘミアセタール(6)をエステル化して、下記式(7) (ここで、Tはエステル基である。) のエステル化された化合物を製造するステップと、 (4) 上記エステル化された化合物(7)にプリンあるいはピリミジン塩基を縮 合させて、下記式(8) (ここで、Yはプリンあるいはピリミジン塩基であり、更に酸化あるいは還元状 態にさらされて式(I)のヌクレオシドを生成する。) のヌクレオシドを製造するステップ。 5. 上記式(8)のヌクレオシドが酸化状態にさらされ、続いてヒドロキシル基 が脱保護されて、下記式(10) の2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロヌクレオシドを生成することを特徴とす る、請求項4に記載の方法。 6. Yがピリミジン塩基であることを特徴とする、請求項4に記載の製造方法 。 7. 上記ピリミジン塩基がシトシンであることを特徴とする、請求項5に記載 の製造方法。 8. 上記ピリミジン塩基が5−フルオロシトシンであることを特徴とする、請 求項5に記載の製造方法。 9. 更に式(8)のヌクレオシドを還元し、下記式(12) の2',3-ジデオキシヌクレオシド誘導体を製造することからなることを特徴とす る4項に記載の製造方法。 10. Yがピリミジン塩基であることを特徴とする、請求項9に記載の製造方 法。 11. 上記ピリミジン塩基がシトシンであることを特徴とする、請求項10に 記載の製造方法。 12. 上記ピリミジン塩基が5-フルオロシトシンであることを特徴とする、請 求項10に記載の製造方法。 13. XがN-フタルイミドであることを特徴とする、請求項9に記載の製造方 法。 14. 強塩基がブチルリチウム、リチウムジエチルアミド、リチウム(ビス)ト リメチルシリルアミド、ナトリウム(ビス)トリメチルシリルアミドとカリウム( ビス)トリメチルシリルアミドからなる群から選ばれることを特徴とする、請求 項9に記載の製造方法。 15. シリルブロック基がトリメチルシリルであることを特徴とする、請求項 9に記載の製造方法。 16. 還元ステップ(2)がボロハイドライド還元剤あるいはハイドライド還 元剤の存在下で行なわれることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。 17. 下記式(5c)(ここで、Rは、t-ブチルジフェニルシリルと、トリフェニルシリル、t-ブチル ジメチルシリル、トリチル、メトキシトリル、そしてピバロイルからなる群から 選ばれるヒドロキシルの保護基(A)である。) のラクトンのジアステレオ選択性の製造方法であって、下記(1)と(2)ステ ップを含んでなることを特徴とする製造方法。 (1)下記式(4a) のヒドロキシル基を保護されたラクトン(4a)に有効量の強塩基を反応させ、続い て(第2段階として)シリルブロッキング基(B)を導入して、シリルで保護し たエノールエーテルを製造するステップと、 (2) ステップ(1)から得られたシリルで保護したエノールエーテルに式Ar SeX(ここで、Arはフェニルあるいは置換フェニルであり、Xは、-OAcと、-OC(O) CF3-SCN、-SO2Ar、NR2、そしてN-フタルイミドからなる群から選ばれる。)の フェニルセレノ化合物を反応させて、式5cの化合物を製造するステップ。 18. 塩基がブチルリチウムと、リチウムジエチルアミド、リチウム(ビス)ト リメチルシリルアミド、ナトリウム(ビス)トリメチルシリルアミド、そしてカリ ウム(ビス)トリメチルシリルアミドからなる群から選ばれることを特徴とする、 請求項17に記載の製造方法。 19. シリルブロッキング基(B)がトリメチルシリル基であることを特徴と する、請求項17に記載の製造方法。
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