JP2000510930A - 燃料を燃料タンクから圧送するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 燃料タンク１０内に挿入可能でかつ最終位置において固定可能な蓄え容器１１と該蓄え容器１１内に収容された燃料フィードポンプ２０とを備えた、燃料を燃料タンクから圧送するための装置において、圧送装置を取り外す際に蓄え容器１１を自動的に空にするために、蓄え容器１１は、排出開口部２８を備えており、該排出開口部２８は遮断手段３０によって燃料タンク１０内における蓄え容器１１の最終位置において閉鎖され、燃料排出のために最終位置からの蓄え容器１１の離反と共に開放される。

Description

【発明の詳細な説明】 燃料を燃料タンクから圧送するための装置 従来技術 本発明は、請求項１の上位概念部で記載された、燃料を燃料タンクから圧送す るための装置に関する。 圧送モジュールとも呼ばれる、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第４４４ ４８５４号明細書に基づいて公知である、このような形式の自動車用燃料圧送装 置において、フィードポンプとタンク液面センサとが組み込まれていてフランジ によって密閉された蓄え容器は、完全な構成ユニットを形成しており、この構成 ユニットは燃料タンク内に挿入されかつこの燃料タンクのなかで固定される。こ の燃料タンクから内燃機関に延びる燃料圧送管路と内燃機関から燃料タンクに延 びる燃料戻し管路とは、蓄え容器のフランジに形成された接続管片に被せ填めら れている。適当な開口部もしくはポンプユニット、例えばサクションジェットポ ンプを介して蓄え容器は、燃料タンク内部と接続されていて、常に燃料を補充さ れる。この燃料は内燃機関の運転時にフィードポンプによって蓄え容器から吸い 込まれ、内燃機関に通じる圧送管路へ圧送される。 保守の際に、例えばフィードポンプの故障もしくはタンク液面センサの故障の 際に、完全な圧送モジュー ルが蓄え容器に燃料が溜まったままの状態で燃料タンクから取り外されなければ ならない。この場合不手際な取り扱いによって蓄え容器からの燃料流出が生じ得 る。このことが周辺部の汚れを引き起こす。これは圧送モジュールの取り外しが 設計に基づいて車両客室内で行われなくてはならない時に、特に問題となる。 発明の利点 請求項１の特徴部に記載のように構成された本発明による圧送装置には、公知 の装置に対して次のような利点がある。すなわち本発明による圧送装置では、圧 送装置がまだ燃料タンク内にある時に、圧送装置の取り外しと共に蓄え容器を自 動的に空にすることができる。圧送装置を燃料タンクから取り出すと共に蓄え容 器が完全に空の状態にされるので、前述の流出した燃料による汚れの危険性は確 実に回避される。燃料タンク内へ圧送装置を再び組み込む際に、遮断手段が自動 的に排出開口部を閉鎖するようになっているので、組み込まれた圧送装置の確実 な機能が保障され続ける。 請求項２以下に記載された構成によって、請求項１に記載された圧送装置の別 の有利な構成が可能となる。 本発明の別の有利な構成によると、燃料タンク内における蓄え容器の配置形式 は構造的に、蓄え容器が最終位置で燃料タンクの底部に載置されるように決定さ れている。排出開口部は容器底部に配置されており、 遮断手段による排出開口部の閉鎖は、蓄え容器を燃料タンク底部に載置すること で行われる。蓄え容器を燃料タンク底部から持ち上げることで遮断手段は、再び 排出開口部を開放する。このような構成は、圧送装置の取り出しおよび取り付け を容易にし、排出開口部を開放および閉鎖する遮断手段が僅かな技術コストで実 現し得る点で有利である。しかもこの場合圧送装置を、燃料タンクに設けられた 取り出し開口部を通して取り出す前に、蓄え容器の燃料排出を十分かつ確実に完 了することができる。 本発明の別の有利な構成によると、遮断手段が、容器底部に設けられた排出開 口部を取り囲むシールリングによって形成されている。このシールリングは、容 器底部の外側底面を越えて軸方向に突出しかつ蓄え容器の最終位置で燃料タンク 容器に押し付けられる。このようにして、排出開口部の開放および閉鎖するため の遮断手段が、最小限の製造コストでもって実現され得る。 本発明の別の択一的な構成によると、遮断手段が、容器底部の外側に配置され ていて排出開口部を被うシールエレメントによって形成されている。この場合シ ールエレメントは、蓄え容器を燃料タンク底部に載置することで排出開口部に押 し付けられかつ燃料タンク底部からの蓄え容器の持ち上げによって離れ落ちるよ うに、容器底部に鉛直方向移動可能に形成されている 。 このような遮断手段の実現は、圧送装置の設置状態において高いシール効果をも たらす。取り付け許容誤差あるいは燃料タンクでの蓄え容器のゆがみ等によって 影響されない。 図面 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。 第１図は、挿入された圧送装置を有する燃料タンクを部分的に示す縦断面図で あり、 第２図および第３図はそれぞれ、圧送装置の最終位置での（第２図）もしくは 最終位置から持ち上げられた位置（第３図）での、燃料タンクに挿入された圧送 装置を部分的に示す図である。 実施例の説明 第１図では、部分的に燃料タンク１０が縦断面図で示されており、この燃料タ ンク１０には圧送ユニットもしくは圧送モジュールともいわれる、燃料を圧送す るための装置が挿入されている。この装置は第１図に示した燃料タンク１０内の 最終位置に、図示されていない手段によって固定されている。燃料圧送装置はポ ット形の蓄え容器１１を有している。蓄え容器１１の上方開口部はフランジ１２ によって閉鎖可能である。このフランジ１２が公知の形式で調圧機１３と、内燃 機関に延びる燃料圧送管路のための接続管片１４と、 内燃機関から延びる燃料戻し管路のための接続管片１５とを有している。接続管 片１４，１５の導管部分１６，１７はフランジ１２を貫通し、蓄え容器１１の内 部にまで突出する。導管部分１６に圧力ホース１８が被せ填められている。この 圧力ホース１８は接続管片１４を、蓄え容器１１内に軸方向かつ半径方向へ移動 しないように収容された燃料フィードポンプ２０の圧力管片１９に結合させる。 導管部分１７には結合ホース２１が被せ填められていて、この結合ホース２１は 接続管片１５を、蓄え容器１１に形成された浸漬導管２２に結合させる。浸漬導 管２２は、蓄え容器１１の底部１１１近くで開口する。電動モータ駆動式のフィ ードポンプ２０は、吸い込み側に配置された燃料プレフィルタ２３を介して燃料 を蓄え容器１１から吸い込み、この燃料を圧縮側に後置された燃料メインフィル タ２４を介して圧力管片１９へ圧送する。フィードポンプ２０とプレフィルタ２ ３とメインフィルタ２４とは、フィルタ蓋２５によって閉鎖されたフィルタケー シング２６に収容されていて、この場合圧力管片１９がフィルタ蓋２５を貫通し 突出している。燃料タンク１０から蓄え容器１１への燃料の充填はサクションジ ェットポンプ２７によって行われる。サクションジェットポンプ２７は浸漬導管 ２２から流出する燃料戻し流によって運転される。内燃機関の運動の際に電動モ ータ駆動式の燃料フィードポンプ２０が燃料を蓄え容 器１１から圧力管片１９と圧力ホース１８とを介して接続管片１４へ、さらに接 続管片１４に接続された圧送導管を介して内燃機関に圧送する。内燃機関で使用 されなかった燃料は戻し管路を介して、この管路に結合された接続管片１５に流 れ込み、結合ホース２１を介して浸漬導管２２に流出する。浸漬導管２２におい て流出する燃料流がサクションジェットポンプ２７で負圧を生ぜしめる。この負 圧によって燃料が燃料タンク１０から蓄え容器１１に圧送される。 圧送装置の修理を行う際に、蓄え容器１１を空にした状態で圧送装置を空の燃 料タンク１０から取り出すことができるようにするために、蓄え容器１１は容器 を空にするための排出開口部２８を備えている。この排出開口部２８は、燃料タ ンク１０内で蓄え容器１１が稼働準備された最終位置にある時、適宜な遮断手段 によって閉鎖されていて、蓄え容器１１をこの最終位置から取り外した際に自動 的に開放される。 第１図に示した燃料圧送装置の実施例では、燃料タンク１０における燃料圧送 装置の最終位置において、蓄え容器１１は燃料タンク１０の底部１０１に直接装 着され、燃料タンク１０に固定されている。排出開口部２８は蓄え容器１１の底 部１１１に配置されている。遮断手段は蓄え容器１１が燃料タンクの底部１０１ に装着されることによってもしくは蓄え容器１１が燃料タンクの底部１０１から 持ち上げられることによっ て有効になり、排出開口部２８をシールもしくは排出開口部２８を開放する。 第１図の実施例では、遮断手段はシールリング３０によって実現され、このシ ールリング３０は排出開口部２８を取り囲むリング溝３１に差し込まれている。 リング溝３１は、容器底部１１１の外側の底面１１１ａに設けられている。シー ルリング３０は、容器底部１１１の外側の底面１１１ａを軸方向に越えて幾分突 き出し、燃料タンク底部１０１に蓄え容器１１を載置した場合および燃料タンク 底部１０１に蓄え容器１１を固定した場合に押しつけられるので、シールリング ３０は排出開口部２８を密にシールする。 第２図および第３図による圧送装置の別の実施例では、遮断手段は、容器底部 １１１の外側に配置されかつ容器底部１１１で鉛直方向に移動可能に取り付けら れたシールエレメント３２を用いて実現されている。シールエレメント３２は、 茸状に形成されていて、この場合軸部３３がヘッド部３４とは反対側の自由端部 に一体的に弾性的な軸厚部３３１を備えている。この軸厚部３３１によってシー ルエレメント３２は、容器底部１１１に設けられた保持開口部３５にクリップ留 めされ得る。 排出開口部は、図示の実施例では複数の貫通孔３６に分けられており、これら の貫通孔３６は、保持開口部３５を中心に同心的なピッチ円上に配置されている 。 組み立ての際に茸状シールエレメント３２の軸厚部３３１は、保持開口部３５ を押し通されるので軸厚部３３１は容器底部１１の内側底面１１１ｂにおいて保 持開口部３５を被う。燃料タンク底部１０１に面したヘッド部３４下面の外縁部 には、シール縁部３７が形成されている。シールエレメント３２を容器底部１１ １に押しつけることと、シール縁部３７は外側底面１１１ａへ押し上げられ、全 ての貫通孔３６を燃料タンク１０に対してシールする。良好なシール効果を得る ために環状のシール縁部３７の直径は、貫通孔３６直径の２倍の値と貫通孔３６ のピッチ円直径との和よりも著しく大きくされている。第２図に示した燃料タン ク１０内における蓄え装置１１の最終位置においてシールエレメント３２は燃料 タンク底部１０１によって容器底部１１１に押し上げられ、貫通孔３６から成る 排出開口部をシールする。ヘッド部３４を容器底部１１１に押し上げる際に軸部 ３３は容器内部に押し進み、この場合軸厚部３３１は容器底部１１１の内側底面 １１１ｂから持ち上がる（第２図）。蓄え容器１１は燃料タンク１０との固定が 外された後に持ち上げられると、シールエレメント３２が容器底部１１１の外側 底面１１１ａから落下する。このシールエレメントの落下運動は、軸厚部３３１ が容器底部１１１の内側底面１１１ｂに接触した時に軸厚部３３１によって制止 される。ヘッド部３４が容器底部１１１から落下することによって貫通孔３６は 開放され、燃料は蓄え容器１１から燃料タンク１０に放出することが可能となる 。 燃料タンク１０のタンク底部１０１に蓄え容器１１が平らに設置されることを 保証するために、容器底部１１１は保持開口部３５および貫通孔３６の領域で凹 接されている。この場合凹接部の深さはヘッド部３４の軸方向での厚さより多少 小さい程度である。そうすることでヘッド部３４はタンク底部１０１によってま だ十分な圧着力で容器底部に押しつけられる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1.燃料タンクから燃料を圧送する装置であって、燃料タンク（１０）内に挿入 可能でかつ最終位置において固定可能な蓄え容器（１１）が設けられていて、該 蓄え容器（１１）が燃料タンク（１０）から燃料を充填可能であり、蓄え容器（ １１）内に燃料フィードポンプ（２０）が収容されており、該燃料フィードポン プ（２０）が燃料を蓄え容器（１１）から吸い込み、燃料圧送管路に圧送する形 式のものにおいて、 蓄え容器（１１）が排出開口部（２８；３６）を備えており、遮断手段が設け られていて、該遮断手段が、排出開口部（２８；３６）を蓄え容器（１１）の最 終位置で閉鎖しかつ最終位置からの蓄え容器（１１）の離反と共に開放するよう になっていることを特徴とする燃料圧送装置。 2. 蓄え容器（１１）が該蓄え容器の最終位置において燃料タンク（１０）の 底部（１０１）に載置されており、排出開口部（２８；３６）が、容器底部（１ １１）に配置されていて、前記排出開口部（２８；３６）は、遮断手段を用いて 燃料タンク底部（１０１）への蓄え容器（１１）の載置によって閉鎖されかつ前 記排出開口部（２８；３６）は、遮断手段を用いて燃料タンク底部（１０１）か らの蓄え容器（１１）の持ち上げによって開放される、請求項１記載の燃料圧送 装置。 3. 遮断手段が容器底部（１１１）における排出開口部（２８）を取り囲むシ ールリング（３０）によって形成されており、該シールリング（３０）は容器底 部（１１１）の外側底面（１１１ａ）から突き出ていて、蓄え容器（１１）の最 終位置において燃料タンク底部（１０１）に押しつけられる、請求項２記載の燃 料圧送装置。 4. シールリング（３０）が排出開口部（２８）を取り囲むリング溝（３１） に差し込まれていて、該リング溝（３１）は容器底部（１１１）の外側底面（１ １１ａ）に設けられている、請求項３記載の燃料圧送装置。 5. 遮断手段が、容器底部の外側に配置されていて排出開口部（３６）を覆う シールエレメント（３２）から成り、前記シールエレメント（３２）は蓄え容器 （１１）を燃料タンク底部（１０１）に載置することで排出開口部（３６）に押 しつけられかつ燃料タンク底部（１０１）からの蓄え容器（１１）の持ち上げに よって離れ落ちるように、容器底部（１１１）に鉛直方向移動可能に保持されて いる、請求項２記載の燃料圧送装置。 6. シールエレメント（３２）が、環状で弾性的なシール縁部（３７）を有し ており、該シール縁部（３７）は、蓄え容器（１１）の最終位置で排出開口部（ ３６）から半径方向間隔をおいて容器底部（１１１）の外側底面（１１１ａ）に 押しつけられる、請求項５記載の燃料圧送装置。 7. シールエレメント（３２）が、容器底部（１１１）に設けられた保持開口 部（３５）にクリップ留めされている、請求項５または６記載の燃料圧送装置。 8. シールエレメント（３２）が茸状に形成されており、シールエレメント（ ３２）の軸部（３３）は自由端部に弾性的な軸厚部（３３１）を備えていて、該 軸厚部（３３１）が保持開口部（３５）を押し込み貫通可能でありかつ、前記保 持開口部（３５）を容器底部（１１１）の内側の底面（１１１ａ）において被っ ており、シール縁部（３７）が、容器底部（１１１）に面したヘッド部（３４） 下面の外縁部に形成されている、請求項７記載の燃料圧送ポンプ。 9. 排出開口部が、ピッチ円上に配置された複数の貫通孔（３６）に分割され ており、ピッチ円は保持開口部（３５）に対して同心的に配置されている、請求 項８記載の燃料ポンプ。 10．環状のシール縁部（３７）の直径が貫通孔（３６）直径の２倍の値とピッ チ円直径との和よりも著しく大きい、請求項９記載の燃料圧送ポンプ。