JP2000510668A - 複数入力周波数固定ループ - Google Patents

複数入力周波数固定ループ

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Abstract

(57)【要約】 好ましくは、E1信号を有するGPS信号を、ループからの出力を有するE1信号と比較する複数固定ループが開示されている。GPS信号はローパスフィルターがかけられ、ローパスフィルター処理済みGPS信号対E1信号の関係が供給されるが、この関係は、E1と出力信号の比較値にフィルターをかけるための第二ローパスフィルターを有する閉ループの較正用に使われる。フィルターのパラメータを適切に選択することで出力安定性は、短期安定性を図るためNCOを駆動するローカル発振器の短期安定性と、E1信号の中期安定性と、GPS信号の短期安定性とをたどることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 複数入力周波数固定ループ 発明の背景 発明の技術的分野 本発明は位相と周波数が固定されたループに関しており、より詳しくは、複数 入力を有し、位相と周波数が固定されたループに関するものである。 従来技術の説明 多くの通信関係製品の場合、ネットワークの各ノードは固有の内部時計を備え ており、この時計はネットワークの他の時計に対して独立に作動する。しかし、 ネットワークが、多くの通信関係製品や高速広域ネットワークに見られる同期ネ ットワークである場合、これらの時計は互いに同調又は同期されねばならない。 非常に大きな中央オフィスで集中的な通話量があって米国電話電信会社の長距離 ネットワークのような高価な計時解決策を許容できるある種のネットワークの場 合、複数の主基準時計(PRC)をネットワーク全体に配置する。各PRCは、 GPS受信機が受信した複数の汎地球測位衛星信号を同時調和させ、同時調和さ せたGPS時間を追跡する数個のルビジウム発振器を制御し、このGPS時間が ネットワーク全体の普遍的な時間尺度を表す役目を果たす。PRCのコストは非 常に高価なので、ネットワーク全体の他のノードに対しては、固定ループを通じ て特定ノードのローカル発振器時計をPRC時計に同調又は同期させる。普遍的 時間に対するローカル時計の追跡可能性は、全体ネットワークの構造と、高価な 発振器の使用と、PRCサイトからローカルオフィスに縦続接続される時計の数 を最小とすることに依存する。ネットワーク全体を支援処理する部品全体のコス トは非常に高額となる。 ノード数が比較的少なくて(オーダーは数百)通信量が多いネットワークの場 合、高い追跡性を維持するためのこうしたコストは正当なことがある。通信量が 少ないネットワーク、例えば長距離スイッチングネットワークに接続されて民間 で運営されるノードに対して、こうしたコストを負担するのはより困難となる。 例えばデジタルセルラー電話網、ARDISと言ったデータ網、少なくとも幾つ かのページングシステムとPCS、と言ったより多くのノードを持つネットワー クの場合、ノードを互いに同調させるべきとするのが好ましい。通信量が少ない 又はノード数が多い場合、従来技術をネットワーク全体に駆使して普遍的時間を 追跡できる時計を備えた多数のノードを配置することは、高価でありかつしばし ば非実用的である。 代替として、タイミング信号用に幾つかの代替ソースがある。GPSが一例で ある。しかし、短期安定性と信頼性の点から、ネットワーク製品のタイミングの 直接ソースとしては使えない。GPSと言った信号の長期安定性は、一般的に大 変良く原子時計の安定性にすら勝る一方で、GPS信号の短期安定性はGPSを 全体的信頼性に欠けるものとしてしまう。とりわけ、GPS受信機から回復させ た短期タイミングのソルーションは、発振源、通信チャンネル、受信機が取り込 んだ線形・非線形の雑音成分のため損なわれている。結果的に、回復させたタイ ミング信号の短期安定性は、ホワイトノイズ位相変調とホワイトノイズ周波数変 調と言った短期ノイズと、短期間の機能不全と位相過渡現象で特徴づけられたも のとなる。このように受信されたGPS信号の短期不安定性と信頼性が、ネット ワーク中の種々のノードのタイミング合わせをするには、信号を不適切にする。 コストを下げるため、GPS受信機のベースPRC中のローカルフライホイー ル発振器としてのルビジウムに代って、低コストの水晶ベースの発振器を使うこ とができる。オーブンベースの水晶発振器は依然として比較的高価(数百ドル以 上)であり、GPSタイミング信号上の短期ノイズを制御抑制せねばならぬフラ イホイール時間に対し、かなりのタイミング不安定性を生じる。他の更に低コス トのノンオーブンベース発振器の解決策は、中期安定性が更に悪いため、全く適 さない。GPS受信機を1個のローカル発振器とで使う時の別の基本的問題は、 制御ループ中に過度の不安定性がある場合、原因がGPS受信機なのかローカル 発振器なのかを決定する独立手段がないという点である。 代替時計信号源として、タイミング情報は、OC−3やDS−1と言った電話 網ベースの基準信号から抽出できる。しかしこうした信号は、秒オーダーの短期 測定期間での周波数安定性が、水晶発振器よりもしばしば悪い一方で、OC−3 やDS−1の信号は、数十分オーダーというより長めの測定期間での周波数安定 性が、GPSより悪い。更に、E1やDS−1信号から抽出されたタイミング信 号の数秒から数十分と言う中期測定期間での安定性は、普通はGPSやローカル 水晶発振器より優れている。経済的に利用でき、周波数安定性の点から短・中・ 長期の安定性の制約を満たしタイミング源となる信号は、結果的にない。 別の代替では、一揃いのローカル発振器を使い、全体としての水晶発振器源の 安定性を改善し、欠陥検知を可能としている。しかしこれは、各地点で少なくと も2個のローカル発振器を要求することになり、相当なコスト問題である。 従って本発明の第一の目的は、短・中・長期の測定期間で安定性の良い時計源 を提供することである。本発明の更に別の目的は、多数のノードを持つネットワ ーク全体に、ノード当たりの実質的なコストを伴わずに、再生可能なタイミング 源を提供することである。 発明の要約 これら及び他の目的は、デュアル周波数固定ループと言った複数ソース周波数 固定ループにより達成される。こうした複数ソース周波数固定ループの場合、ロ ーカルに生成された水晶発振器と言った一信号が、短期測定期間での最善の安定 性を提供する一方で、E1、DS1、OC3と言った少なくとも一つの第二受信 信号が、中期測定期間での最善の安定性を提供し、GPSやLORANと言った 第三の信号源が、長期間での最善の安定性を提供する。複数入力周波数固定ルー プは、時間測定期間をどんなに特定しても、利用できる3つの信号源の内で実質 的に最善なもの以上の安定性を提供し、三つの信号源の各々が出力を制御するも のとして使われる。 最善の短期安定性を有するローカル基準発振器を、制御ループの出力端子に直 接接続するのが好ましい。最善の中期安定性を有する信号は、中期安定性の制御 ループの出力を制御する第一基準として使われるべきである。この閉ループは、 タイプI、タイプII、タイプIIIどの制御ループを使っても良い。GPSや LORANと言った長期で最善の安定性を有する第3入力信号は、閉ループの 信号を較正・制御するために、開ループ方法で使ってもよい。制御ループは、ネ ットワーク入力がどんなに多くても、デジタル合成装置が実際には1個だけで済 むように組み立てられている。各ネットワーク入力に対しては別のデュアル入力 制御ループがソフトウェア中で作動する。只1個の合成装置から実際に出力され るタイミング信号は制御ループの一部とはならない。ループのフィルター定数の 選び方は、3つの信号の安定性への支配的な影響が出力信号の安定性を最大にす るよう選択される。 図面の簡単な説明 図1は、種々の入出力信号の仮想的な周波数安定性をプロットした図である。 図2は、本発明の第1実施例のラプラースドメインモデルである。 図3は、本発明の実施例のブロック図である。 図4は、図3の実施例に関し周波数安定性伝達応答をプロットした図である。 図5は、本発明の別の実施例のブロック図である。 図6は、更に別の代替実施例で使用できる合成装置のブロック図である。 図7は、本発明の別の実施例のラプラースドメインモデルである。 詳細な説明 図1は、典型的温度補償をした水晶ローカル発振器、即ち、同軸又は光学的な 陸上線ないしはマイクロ波リンクから受信したE1又はDS1信号と、GPS受 信機で受信したGPS信号とに関して測定される、全域の周波数安定性曲線(ア ラン曲線又は修正アラン分散曲線)10、12、14を仮想的に図示したプロッ ト図である。この曲線は、アラン又は修正アラン分散周波数安定性計測統計を用 い、積分時間の対数を表す横座標と周波数不安定性ノイズパワーの対数を表す縦 座標で、測定された信号の安定性を示す。ローカル発振器曲線10は、ローカル 発振器が最善の周波数安定性を約4秒という積分定数ないし測定定数に至るまで 持つことを示している。約4秒から約2000秒(2時間)の間では、DSIな いしE1信号が曲線12で示された最善の安定性見積値を有している。約200 0秒を越える範囲では、GPSが曲線14で示された最善の安定性見積値を有す る。曲線10、12、曲線12、14が交わるそれぞれの交差安定点16、18 の2点が存在し、最初の点は約4秒、二番目の点は約2000秒である。 デュアルソース固定ループの目的は、短期安定性曲線10、中期安定性曲線1 2、長期安定性曲線14を持つ出力時計信号を提供することにある。これは、利 用可能な各ソースの3個の安定性曲線のそれぞれの最適部分を実質的になぞった 所望の修正アラン分散を表した実線19で示される。それ故、デュアルソース固 定ループは、ローカル発振器と同じ短期安定性と、E1又はDS1信号と同じ中 期安定性と、GPS信号と同じ長期安定性とを実質的に有する。各曲線の最適部 分のこうした選択は、各交点に達するために各曲線のアラン分散又は修正アラン 分散を計算することで達成してもよい。 更に、種々の入力信号に関するアラン分散又は修正アラン分散の曲線は、固定 されておらず、ノイズや他の環境要因により多少変化する。それ故、最適な短期 /中期/長期の安定性が選択されるように、デュアルソース固定ループプロセッ サー(以下に論ずる)は、異なる信号に関する3個の修正アラン分散の交点を周 期的に決定し、フィルター定数(以下に論ずる)を変更してもよい。例えば曲線 12が曲線12’に劣化すると、交点16、18は、16’、18’に移動する 。出力曲線19は出力曲線19’になる。プロセッサーは、E1信号、GPS信 号のいずれかが許容できないレベルに劣化したか否かを決定してよい。E1信号 が許容できなくなった場合、デュアル入力制御ループはもはや使われない。代わ りに、バックアップ信号のGPS入力制御ループを背後で作動させる(後述)。 このバックアップ制御ループの信号は、E1信号が利用できない時に使われる。 GPS信号が許容できなくなった場合、較正ループ入力を零にセットしてデュア ル制御ループを作動させる。較正制御ループの出力は、将来のE1信号周波数の バイアスを予測する最善のものである。 図2は、デュアル周波数固定ループのラプラースドメインモデル100を示し ている。3個の入力信号、GPS信号YGPS(S)、E1信号YE1(S)、ロー カル発振器信号YLo(S)がループに与えられて、出力信号YOUT(S)がルー プから出力される。 NCO出力を出すローカル発振器から独立して作動する較正ループ105は、 周波数又は2個の外部信号YGPS(S)、YE1(S)間のむだ時間零での増分位 相差を測定する第1周波数比較器102を備えている。その後周波数又は位相差 の測定値は較正フィルターC(S)107で処理されるが、このフィルターは、 プライマリレイト(E1)周波数オフセットを補正するために、長期周波数較正 の見積値を与えるよう設計されたタイプ1、2、3のいずれかの開ループPLL を有している。本較正ループ105は、出力信号Yout(s)を測定しないの で、出力端子103における較正見積値を与えるため、開ループ周波数測定値を 用いていることに注意されたい。又、図1との関連で説明したように種々の信号 の相対的安定性は変わるので、フィルターC(S)107のフィルター定数は、 E1信号とGPS信号と関連した出力安定性を図るため、アラン分散又は修正ア ラン分散の曲がり点ないし交点を与えるように、調整される必要があろう。 プライマリループ110は閉ループであって、E1信号YE1(S)に対する出 力信号YOUT(S)の周波数差を、周波数、位相又はタイミングを測る差異検出 器112で測定する。検出器112の出力は、周波数ないし増分時間の差を表し ており、較正ループの出力103と加算器114で加算され、P(S)フィルタ ー111でフィルターをかけられ、その結果は、数値制御される発振器(NCO )118に制御データを与えるため、再び加算器116で加算される。フィルタ ーP(S)の時定数は、アラン分散又は修正アラン分散の曲がり点を管理し、ロ ーカル発振器で決まる短期安定性と基準信号E1で決まる中期安定性を最大にす るように選択される。NCO118は、出力信号を与えるためローカル発振器信 号YLO(S)を使う。低位相ノイズを必要とする製品(CDMAセルラーラジオ )の場合、NCOの出力を位相固定ループ(図示せず)に接続しデジタル合成プ ロセスで取り込んだスプリアス位相変調を抑制する。NCO(又はオプショナル ノイズ抑制位相固定ループ)の出力がYOUT(S)である。 較正ループの出力103をプライマリループ110の加算器114と加算器1 16とに2回与えて、NCOパスの負帰還をなくし、プライマリループ110が 較正ループ105とは独立に作動するようになっていることに注意されたい。較 正ループ105にNCO帰還をしない場合、較正ループ105は開ループで作動 し、出力103を加算器105に負帰還させたプライマリループ110から切り 離されることになる。 図3は、図1のラプラースドメイン実行100のブロック図の実行200を示 す。較正ループ205は、E1信号とGPS信号の間の周波数の差を比較器20 2で測定する。周波数差の測定値はタイプ1の制御ループ207に与えられ、制 御ループ207がこの最初の周波数差にフィルターをかけ、較正出力203を供 給する。 プライマリループ210は、E1信号と出力信号OUTの間の周波数差を周波 数比較器212で計測し、この周波数差を較正ループの出力203に加算器21 4で合計し、その後、積分フィルター定数SINTE1と比例フィルター定数SPE1を 有するタイプ2の制御ループフィルター211をかける。フィルター211の出 力は、NCO用の制御データNを供給するため、較正ループの出力203を加え 合わす第2加算器216に接続される。プライマリループは、製品の要求により タイプ1、タイプ2、タイプ3のいずれでもよい。一般的に、タイプ2はオーブ ナイズされた発振器に適しており、タイプ3はTCXOと言ったオーブナイズさ れてない発振器に使われる。 制御ループは、位相誤差ないし時間誤差でなくフラクショナル周波数測定値を 使う構造とするのが好ましい。位相固定ループは通常、位相ないし時間の誤差測 定値を使うことを基本としている。1個の位相固定ループには入力1個であるか ら、位相誤差測定値は零に向かわされる。本デュアル制御ループ構造の場合、プ ライマリループ中の位相誤差は束縛されていない。周波数誤差は束縛されている ので、数値の丸めや切捨ての誤差を防ぐため入力誤差測定値が好ましい。周波数 誤差の積分値が時間誤差と固定定数の合計値と正確に等しくなるように、周波数 誤差や時間増分誤差をむだ時間零で測定すべきである。 図4は、パワースペクトル伝達応答250を、固有周波数の対数を横軸にパワ ースペクトル強度dBを縦軸にして示している。プライマリ制御ループは、25 秒の比例時定数と125秒の積分時定数を有し、較正制御ループのフィルター定 数は、10、000秒である。システムは、E1入力信号に対しバンドパスフィ ルター応答254を、GPS入力信号に対しハイパスフイルター応答256を与 える。ローカル水晶発振器に対する応答は、40dB/decadeのロールオ フローパスフィルターであり、プライマリループのタイプ(ここではタイプ2) で決まる。ローカル発振器中の1/fノイズとドリフトプロセスを抑制するため 充分なロールオフが必要である。 どんな入力であれ周波数安定性は変化するから、入力信号に対する応答は、フ ィルターのパラメータを変えることで、変更してよい。例えば、E1信号の長期 安定性を改善する場合、GPS信号帯域の上限を下げるべきである。逆に、E1 信号の長期安定性が下った場合、GPS信号が信号の中期安定性に対しより多く の効果を持つように、GPS信号のカットオフを上げるべきである。更には、E 1信号の短期安定性が下がった場合、LO信号が中期周波数安定性に対しより多 くの効果を持つように、E1信号の帯域の高周波数限界を下げるべきである。 図5は、GPS受信機を用いる本開示発明の更に別の実施例300を示す。ア ンテナ302は、例えば英国ノーサムプトンのナブスタが提供するXR5・GP S受信機と言ったGPSエンジンに接続されている送信GPS信号を受信する。 GPS受信機は、実行されるソフトウェアGPSエンジン(図示せず)を有して おり、本エンジンは、XR5の時間ベース20MHzと同期作動するGPSエン ジン(304)の一部分として、例えばリアルタイム時計を有するモトローラ6 8020(303)上でソフトウェアで実行される。時間ベースは、自由に作動 するローカル発振器から直接ないしNCOの後のいずれから取ってもよい。ロー カル発振器は要求されるコストと性能により、TCXO、DHCXO、OCXO のいずれれでもよい。GPSエンジン304は、GPSマルチチャンネル受信機 と、ソフトウェアカルマンフィルター(図示せず)を有しており、本フィルター は、受信GPS信号とローカル発振器のXR5時間ベース306とに対し、GP Sと時間ベース306間の周波数誤差の差異測定値を始めとする、種々の時間、 位相、周波数に関する見積値と測定値を供給する。 時間ベース306は又、ローカル時間ベース対2個の受信されたE1ないしD S1時計(E1AとE1B)の周波数誤差の零むだ時間測定値の関係を与えるた め、2個のモデュロ256同期カウンタラッチ310、312に接続される。特 に、各E1時計信号(E1AとE1B)は、トランスフォーマー接続経由で、例 えばダラスセミコンダクター社時計回復回路308、310で回復させて、回復 させた時間は公称1.98ミリ秒のストロボを供給するため、4063で割って やり、モデュロカウンタ310、312のラッチドカウントプロセスに1.98 ミリ秒毎の割合で定期的にラッチをかける。カウンタ310、312のラッチド カウントプロセスはローカルXR5の時間ベース信号の周波数誤差とこれに対応 するE1信号との関係を追跡する。ラッチ308の内容は、受信されたGPS信 号とローカルXR5の時間ベース信号間についてGPS受信機中でなされる測定 に連動して、GPS受信機中のプロセッサ(不図示)でサンプルされる。モデュ ロカウンタは決してリセットしないのが好ましい。リセットはむだ時間と残留周 波数誤差を生じさせる。公称増分カウントは分数である、即ち、XR5の時間ベ ースとサンプル周期の間の結果的に生まれるカウント数は、XR5パルスの整数 にならない。それ故、量子化ノイズはディザー状態となる。本特定実施例では、 公称増分カウントは256を法として253.73であり、一回の更新毎に2. 27カウントづつ減ることになる。更に各サンプルは、採取・計測され記憶され る際に、採取時刻の標識を付けられる(即ち、記録された時間ベースに同期した プロセッサの実時間時計に従った時刻を有する)のが好ましい。 アルゴリズムは各カウンタの内容から、ノイズ、オフセット、その他の潜在的 誤差要因を減らす一方で、以下の通りに周波数情報中の変化を生成する。E1時 計がE1A、E1Bのどちらであっても、本アルゴリズムは有効である。 各ラッチから連続して採取した値を、E1A、E1B信号毎に独立したFIF Oキューに記憶させる。カウンタ308の最新の記憶値C(N)からその直前の 記憶値C(N−1)を差し引いて、両者を比較する。両カウント値の差の大きさ が256を法として所定の限界を越える場合、即ち現サンプル値が悪い値である ことが示されている場合、現サンプル値を棄却する。サンプル値C(N)全てが 所定の限界内にある場合、250ミリ秒の積分期間毎に公称128個のサンプル が存在することになる。 以下の疑似コードは、データのチェックとフィルタの機能を表している。 上記アルゴリズムはカウンタデータを、250ミリ秒の積分期間中に累積され た時間誤差に関する偏りのない見積値に圧縮するための効率的なデジタルプロセ スの特定実施例を示す。ベースが単一であれ、縦続接続(直列)の複数のいずれ であれ、二進法のフィルターを使うのが好ましい実施例である。 例えば0.25秒と言った所与の計算期間中での悪い値の数が、所定値を越え る場合、E1Aと言ったチャンネルの所与の時計は不安定ということになる。こ の場合、システムをホールドオーバーモードに入れE1Aの時計を棄却する、他 方のE1時計E1Bを使う、のいずれも可能である。 250ミリ秒毎に累積時間誤差見積値X(N)は、E1とローカル発振器(N COの前か後のいずれか)の間の周波数差に関する零むだ時間見積値に変換され ねばならない。本実行例の場合、20MHz時間ベースはNCO後に出力された ものである。最初のX(N)は、公称積分時間で割算し、フラクショナル周波数 (秒/秒)の単位とする必要がある。マイクロプロセッサの時計はFIFOの各 サンプルに時間標識をつけるベースとなる。公称積分時間デルタTとは、FIF O中における最新の良好サンプルの時間標識と最初の良好サンプルの時間標識の 間の差のことである。(以下の式中で、大文字のYは周波数差の測定値を、E1 −NCOと言った添字はNCOと比較したE1を、添字の一部である文字「s」 はスムージングされた見積値を、括弧内の文字「i」は現在値を表す。) デルタTの単位をミリ秒と仮定すると、変換式は以下の通りとなる。 偏ったYE1NCO(i)=(X(N)/デルタT)*50e−9(秒/カウン ト)*1000(ms/sec)/(5*222) その後、X(n)を零にリセットする。 上記の周波数差見積値YE1NCO(i)には、補正すべき偏り誤差源が2個あ る。偏りの第一誤差源は、ラッチ更新毎のデルタに起こる負の公称期待変化2. 27である。この偏りは、データ収集過程で意図的に加えられており、偏ったYE1NCO(i)に加えられるべき公称57.10066675ppmのオフセッ トを生じさせる。小さな偏りである第二誤差源は、NCO信号と言った時間ベー スに元来存在するオフセットから生ずる。偏りは以下の式で訂正してもよい。 NCO偏り(YSNCO)のスムージングされた見積値の計算は、後述する。 E1又はT1の有符号入力と言ったプライマリレート入力を1個しか持たない システムの場合、補正されたYE1NCO(i)は、プライマリループフィードバ ック誤差測定値として直接使用可能である。しかし後述のように、プライマリレ ート入力が複数ある場合、並列に作動する複数のデュアル入力周波数固定ループ が存在する。より一般化された本ケースの場合、ハードウェアNCOは、各デュ アル制御ループ「ソフトウェア」NCOの出力の加重平均である仮想NCOで、 制御されている。ハードウェアNCOは本質的に線形である(即ち、NCOオフ セットは、バラクタ制御発振器に対する分散の可変オフセットにたとえられるの で、既知かつ繰り返し可能である)ので、各デュアル制御ループに関するプライ マリループフィードバックは容易に回復できる。例えば2個のプライマリレート 入力E1A、E1Bの場合、各入力SNCOA、SNCOBに関連する「ソフトウ ェアNCO」が存在する。実際のハードウェアNCOの補正値(HNCO)は常 にα+β=1として、HNCO=αSNCOA+βSNCOBの関係にある。ハー ドウェアNCOは測定時間ベースを制御するので、E1A、E1Bの両入力が、 ハードウェアNCOで補正されたローカル発振器に対して測定される。例えばハ ードウェアNCOに対するE1Aのフラクショナル周波数の補正見積値は、以下 の通りに表せる。 YE1A-HNCO=YE1A−(HNCO+YLO) しかし、既知であるHNCO補正の値を両辺に加えると、 YE1A-HNCO+HNCO=YE1A−YLO これは、自由作動するローカル発振器に対するA入力のフラクショナル周波数 の「オープンループ」見積値を与える。プライマリループフィードバックは、チ ャンネル「A」に関するソフトウェアNCOの現在値を差し引けば得られる。 YE1A-SNCOA=YEIA-HNCO+HNCO−SNCOA 「B」デュアル制御ループに関するプライマリループフィードバックは同様の やり方で導き出せる。 較正ループ入力(YGPS-E1)は2段階プロセスで得る。第一段階では、GPS 時間尺度(YHNCOA-GPS)に対する補正ローカル時間ベースのフラクショナル周 波数オフセットの見積値を計算する。GPSエンジンの一般モデルは複数の測定 チャンネルと状態見積アルゴリズムを有している。測定チャンネルは、疑似レン ジデータと呼ばれるものを提供する。疑似レンジとは、GPSコードのロー カルコードと受信衛星信号の搬送波生成装置をロックするのに必要となる現在遅 延オフセットの測定値である。GPSアルゴリズムの一般状態空間は、位置、速 度、時計状態を含んでいる。状態更新アルゴリズム(カルマンフィルターが代表 的)は、疑似レンジ入力とGPSシステムからの関連データを使用し状態見積値 を繰り返し更新する。時計状態は、GPS時間尺度に対するローカル時間ベース の現在時間誤差オフセットに関するバイアス項XHNCOA-GPSを含んでいる。XR 5GPSエンジンの場合、4回までの状態更新は、異なるセットの衛星を使って 1秒毎に計算され、1個の加重平均時計バイアス更新が決定される。この加重平 均時計バイアスから、YHNCO-GPSを以下の通り計算する。 一秒間の更新期間に亘るデルタ時計バイアスを計算する。 デルタbias=XHNCO-GPS(i)−XHNCO-GPS(i−1) 1)カルマン又は他の状態見積アルゴリズムから得た許容可能な時計バイアスの 信頼区間見積値と同様に、強さとスルーレイトに関する所定のいき値を基に、現 在のデルタbiasを良好なものとして定性化する。デルタbiasが良好ならば、ロー カル補正時間ベース中の僅かなバイアスを補償して、YHNCO-GPSのバイアスのな い見積値を計算する。 YHNCO-GPS=デルタbias/(1−Y(i)SNCO) NCOバイアス(Y(i)SNCO)のスムージングされた見積値の計算はYHNCO -GPS のローパスフィルター見積値に基づいて行う。GPSの長期周波数オフセッ トが非常に小さい(1e−12末満)とすると、平均YHNCO-GPSは、補正ローカ ル発振器周波数バイアスの良好な見積値となる。Y(i)を得るスムージングフ ィルターは以下の通りに与えられる。 Y(i)SNCO=Y(i-1)SNCO *(1-1/τS)+YHNCO-GPS(i)/τS 但し、タウsはスムージング時定数であり、GPSに対するローカル発振器の 公称最低アラン分散周波数安定性積分時間を反映するよう選択すべきである。 YHNCO-GPSを一旦計算したら、第2段階で各E1入力に関するYE1-GPSを導く 。各入力に関し、ハードウェアNCOに対する入力のフラクショナル周波数誤差 の補正見積値が、既述の通り決定されている。「A」入力に関する較正ルー プ入力が下記の通り容易に導かれる。 YE1A-GPS=YE1A-HNCO+YHNCO-GPS E1B入力では、以下の通りに得られる。 YE1B-GPS=YE1B-HNCO+YHNCO-GPS こうして、複数デュアルループ制御システムに関する補正フラクショナル周波 数入力を得たら、「ソフトウェア」NCOの更新は以下の疑似コード操作を実行 するソフトウェアアルゴリズムで実行してもよい((i)は現在値のインデック スであり、「+=」は累積に関するCプログラミングの演算子であることに注意 されたい)。下記例は、タイプ1の較正ループと「A」入力用のタイプ2のプラ イマリループに関する実行を示す。 SNCOA(i)はタウ0秒毎に更新したソフトウェアNCO補正状態見積値で ある。本適用例では、タウ0は0.25秒である。種々の比例定数、積分定数( タウGPS、タウ比例、タウ積分)は、最も小さい全体修正アラン分散を与えるよ う出力周波数を制御するという条件の下に、望ましい曲がり点を与えるように選 択される。 図6は実行の際に使用可能な合成装置502のブロック図である。自由作動す るオーブン水晶発振器で生成されるローカル時間ベース504は、周波数10M HzがLC位相固定ループ502で倍加され125MHz信号となって、VCO 508の出力120MHzに対抗して時を刻む平衡変調機506に供給される。 変調機506の出力はローパスフィルター通過後、公称5MHz信号となって位 相検知器510に供給され、NCO512を出て再コンストラクションフィルタ ー514でスムージングされた出力と位相比較される。NCO512としては、 マサチューセッツのノーウッドのアナログデバイス社からのAD7008・CM OS・DDSチップが使える。位相検知器の出力はループフィルターで処理され た後120MHzのVCO508に供給される。VCO508の120MHzの 出力は6分割されて、20MHz信号がGPS受信機(図示せず)用のXR5の 時間ベース生成装置513とNCO504に供給される。本ハードウェア合成装 置は、入出力のフラクショナル周波数間に以下の関係を有する。 NCOは、入出力周波数間に以下の関係を有する。 f0=fin*K/232 K/232の項は、固定項と増分項とに分解でき、これを実行すると、 但し、rテ゛ルタ=デルタ/232でデルタは増分NCO制御ワードである。ハードウ ェア合成装置は以下の関係を達成するように操作されねばならない。 方程式NCO−1とNCO−2間の関係は、定常状態では、y0が公称で零で あるから、ylo=−HCNOとなり、方程式NCO−1は以下の式となる。 上記方程式は分子が零である時のみ成立することから、(25*−HNCO= 4*テ゛ルタ)となり、最終的にrテ゛ルタを置き換えると以下の通りとなる。 方程式NCO−3は、所望のハードウェアNCO補正を得るのに必要なハード ウェアNCO制御ワードを供給する。本実行の際、NCO制御ワードは250ミ リ秒毎に更新されることに注意されたい。ハードウェアNCOに対する実際の更 新インターバルはもっと速くできる。例えばXR5プロセッサは1ミリ秒毎に更 新をサポートできる。デルタワードの最下位ビットをディザリングして、合成プ ロセスの解像度を拡張する。ディザリングすると、ハードウェア合成装置の3. 8−11解像度は、5e−13を上回る有効解像度に改良される。 本合成装置の位相ノイズとスプリアス位相変調は、純粋な直接デジタル合成の 場合のようなNCO性能の制約をうけない。NCOの位相ノイズとスプリアス位 相変調は、120MHzの出力搬送波に持ち越される。しかし、標準的な電話方 式製品に必要な出力周波数は公称10MHzである。10MHzを生成し12分 割して作動させると、NCOの位相ノイズとスプリアス変調は、21dBだけ減 少する。 以前に述べたように、ハードウェア合成装置の制御ワードは、各ソフトウェア ループSNCO制御状態の加重平均に基づいているのと同様、数個の作動制御ル ープの一つから選択できる。既に論じたように、デュアル入力制御ループはE1 ないしT1プライマリレート信号の各々に関連している。加えて、標準シングル GPS入力制御ループは常に並列に作動している。シングル入力制御ループは較 正ループを不能状態にしている。プライマリループはYGPS-SNCOフィードバック 誤差信号を用いて作動されており、本信号は他のプライマリループの場合と同様 のやり方で導き出されている。それ故、E1ないしT1の二つの入力がある場合 、並列に作動する3つの制御ループが存在する(2個のデュアル入力と1個のシ ングル入力)。 一例として3つの制御ループを使い、ハードウェアNCO補正を生成するアル ゴリズムについて述べる。アルゴリズムは二つの部分から成る。 1)各ループの現在のソフトウェアNCO状態が正常な定常状態か否かを決定 する。 2)定常状態で作動している各ソフトウェアNCO出力のウェイトファクター を決定する。 定常状態作動の決定は複数の基準に基づいてなされる。較正ループ入力とプラ イマリループ入力を以下の通りチェックする。 a)現在のフラクショナル周波数レベルは、所定の許容レベル内か否か。 b)フラクショナル周波数の変化割合(ドリフト)は、所定の許容レベル内か 否か。 上記試験に合格しない場合、入力側に過渡的故障の可能性がある。重要な例と しては、ソネットないしSDHベースのネットワーク入力上のポインタ位相の過 渡的故障が挙げられる。こうした故障の場合、プライマリ制御ループ入力を一時 的に零にセットする。こうすると、ポインタの過渡的故障がプライマリフィード バックループに衝撃を与えるのを阻止することになる。ポインタの故障が無視さ れるので、プライマリループは、ペイロードではなく、ソネットないしSDH搬 送波から中期安定性を抽出する。 漏洩性のバケットアルゴリズムは上記「a」,「b」両タイプの故障に関係し ている。故障率が高いと警報が出る。漏洩性のバケットは非対称なので一旦警報 が出ると制御ループが充分落ち着くまで警報は解除されない。 ウェイトファクターは各制御ループの中期安定性に基づき決定される。ローカ ル発振器は3つの制御ループ全てに共通なので、短期安定性は3つの制御ループ 共同じである。GPS信号は両デュアル制御ループへの較正入力でありかつシン グル制御ループ入力への唯一の入力なので、全ループ同じ長期安定性を有する。 各ループの中期安定性は、プライマリループ入力の中期安定性と直接関係する。 中期安定性は、他とローカル発振器に対する入力毎に計算される。2個のデュア ル制御ループの中期安定性範囲内における最初の積分時間(タウmと名付ける) に対して、修正アラン分散を使用する。ローカル発振器に係わる3つの入力(E 1A、E1B、GPS)は6個の相対的測定値MVAR(タウm)を与える。標 準N−コーナーハット分散分解手法を用いると、各入力とローカル発振器の分散 見積値が6個の相対的分散測定値から得られる。この分散見積値から、各入力と 関連制御ループ出力のウェイトファクターを決定できる。例えば制御ループ3つ 全てが正常な定常状態作動をしている場合、ウェイト計算は以下の通りである。 安定性GPS=1/MVARGPS(タウm) 安定性E1A=1/MVARE1A(タウm) 安定性E1B=1/MVARE1B(タウm) 重みGPS=安定性GPS/(安定性GPS+安定性EA1+安定性EB1) 重みE1A=安定性E1A/(安定性GPS+安定性E1A+安定性E1B) 重みE1B=安定性E1B/(安定性GPS+安定性E1A+安定性E1B) 図1、図2の議論に関連し上記で更に分かるように、較正ループ(GPS)の フィルター定数とプライマリループの積分及び比例定数を変える能力は、入力信 号の安定性に基づくことが望ましい。これには、ローカル時間ベースと、E1信 号と、GPS信号の安定性を決める修正アラン分散を計算するのが好ましい。こ うすると、種々のソースが変化し全体として出てくる出力信号の安定性を最大に できる。 既に述べたように、制御システムは現在のフラクショナル周波数誤差の見積値 を以下の基本入力から決定する。 YHNCO-GPS(GPS時間尺度に対する補正ローカル時間ベースのフラクショ ナル周波数) YE1A-HNCO(補正ローカル時間ベースに対するE1Aのフラクショナル周波 数) YE1B-HNCO(補正ローカル時間ベースに対するE1Bのフラクショナル周波 数) この基本セットより、多くの関連見積値が容易に導かれる。 YGPS-LO(ローカル発振器に対するGPSのフラクショナル周波数) YE1A-LO(ローカル発振器に対するE1Aのフラクショナル周波数) YE1B-LO(ローカル発振器に対するE1Bのフラクショナル周波数) YE1A-GPS(GPSに対するE1Aのフラクショナル周波数) YE1B-GPS(GPSに対するE1Bのフラクショナル周波数) YE1A-E1B(E1Bに対するE1Aのフラクショナル周波数) 上記6個の相対測定値は、本例の3つの制御ループを管理するために必要であ る。このフラクショナル周波数見積値入力の各々は、デジタル積分すれば、時間 誤差見積値に変換できる。 XGPS-LO+=YGPS-LO*タウ0 修正アラン分散(MVAR)はアルゴリズムの直接形式を使えば、時間誤差見 積値から直接計算できる。 MVAR(タウ)=E[{シグマ(Xi+2n−2Xi+n+Xi)}2] 但しE[]は期待値演算子、合計はiからnまで、タウ=nタウ0とする。 しかし、上記プロセスを2ステップに分けると、はるかに効率的なアルゴリズ ムを得る。 1)線形デジタル有限インパルス応答(FIR)をX(nタウ0)に施す。 2)上記フィルターのかかったプロセスの出力のサンプル分散を計算する。 上記2ステップは、nタウ0の各所望値に対し実行する必要がある。特定のn の値の場合、(3n+1)タウ0個分だけ遡ったサンプルを記憶することをFI Rフィルターは要求する。ある実行では必要とされる最大nを収容するのに充分 な記憶装置を1個利用する。しかし、デジタルフィルター設計に通暁する当業者 ならば、デシメイションプロセスが大きなnの値に使用できることが明らかであ る。例えば最初の記憶装置は、タウ0の更新割合でn=16を収容するようにセ ットできる。こうすると、3N−1即ち49回分の誤差サンプルを記憶せねばな らない。二番目の記憶装置は、32タウ0毎の10分の1割合で操作させること ができる。記憶装置への入力は、最初の記憶装置中の最後の32サンプルの移動 平均にすぎない。二番目の記憶装置は、n=16を収容するようにセットできる が、二番目の記憶装置の積分時間は32タウ0から512タウ0となる。上記手法 を使えば、記憶装置の必要量が大幅に減り、余分なフィルター操作がなくなる。 例えばMVARがn=1,2,4,8,...214まで必要とすると、1回のバ ッファー実行に49,153個のデータ要素が必要になる。3個の記憶装置とデ シメイション法を使えば、記憶装置の必要量は147データ要素へと減る。 一般的なnの値に関するFIRフィルタープロセスは以下の通りである。 1)新しい時間誤差サンプルが記憶装置のインデックスjに与えられる。 2)インデックスがjから(j−n+1)mod49までのサンプルを用い て現在の移動平均を更新する。 3)インデックスが(j−n)mod49から(j−2n+1)mod49 までのサンプルを用いて遅れ移動平均を更新する。 4)インデックスが(j−2n)mod49から(j−3n+1)mod4 9までのサンプルを用いて2倍遅れ移動平均を更新する。 5)2番目の差異出力を、以下の値に更新する。 現在移動平均−2*遅れ移動平均+2倍遅れ移動平均 与えられたnの値に関するMVARは以下の通りに更新される。 1)現在のMVARシングルサンプル分散は以下の通りに与えられる。 MVARサンプル=(秒の差異)2*3.0/(タウ)2 2)平均MVARパワーは、与えられたn値に関するサンプルMVARから 平均MVARの現在見積値を計算する2進法フィルターを使って得る。 平均タウは、良好な信頼性と収束時間が得られるよう選択される。 図2の実施例に代わり、E1ないしT1とのリンクが失われた場合により良好 な作動を可能にする代替実施例600(図7に示す)を示す。特に図7の場合、 ローカル発振器(LO)とGPS信号の間のフラクショナル周波数差異YGPS-LO はデュアル入力位相固定ループ600への第一入力として供給され、第二入力は E1(又はT1)とローカル発振器の間のフラクショナル周波数差異YE1-LOを 含んでいる。2つの入力はそれぞれ、較正ループ611、プライマリループ60 1の減算器612、602に供給される。較正ループは、較正ループ611とプ ライマリループ601の台計値とYGPS-LOとの差異を処理する較正フィルター6 10を有し、プライマリループ601は、出力ノード606からフィードバック されるプライマリループの出力とYE1-LOとの差異を処理する、フィルター60 4を有する。2つのループ601、610の出力は、数値制御発振器(図示せず )用のフラクショナル周波数YNCOを供給する加算器608で合計され、同発振 器は、その後更なるフィルター操作を行いローカル発振器出力を供給する。この 二つのループ(と恐らく追加較正ループも)のための比較信号として ローカル発振器LOを選択することで、使用される比較信号(LO)は利用し得 る最も信頼性の高い比較信号となる。 ループ601の出力は、E1(又はT1)信号へのローカル発振器を固定する 補正数値である。較正ループは、ローカル発振器出力を長期間に亘りGSP信号 の位相ないし周波数に対して管理する出力を供給する。しかし、プライマリルー プが図7の実施例で働かない(ホールドオーバー状態に入る)場合、第二ループ は実質的にシンプル位相固定ループとなる。 プライマリループのループフィルター関数P(s)は、40秒、1/60秒、 800秒と言う時定数を有するクラスIIIフィルターである一方、較正ループ フィルター関数C(s)は約2000秒と言う時定数を有するクラスIフィルタ ーであってもよい。このように、較正ループはLOとGSP間の長期変化に対し てのみ敏感である一方、プライマリループはLOとE1(又はT1)信号間の差 の短期変化に対してのみ敏感である。更に、GSP信号とE1信号の極端な短期 変化は、ローカル発振器出力の変化に及ぼす影響が上記に論じたように殆どなし 又は皆無である。 図2の第一実施例の場合、2個のループは完全に切り離されているが、図7の 実施例では較正ループはプライマリループから切り離されていない。しかし、較 正ループの時定数は本第二実施例のプライマリループの時定数よりはるかに長い ので、プライマリループの損失の短期的影響は第二ループに実質的に及ばない。 何故ならクラスIIIフィルターの時定数は、第一ループの時定数の少なくとも 5倍はあるのが一般的だからである。 図7の開示実施例はラプラース変換で表されているが、アナログ部品とVCO を使うかないし本構造をデジタル的に実行して開示実施例を実行する方法を当業 者は容易に理解するであろう。例えば、図3や図5の実施例について見れば、あ る当業者は、周波数ないし位相比較器と、GPS時間ベースと、GPS時間ベー ス中のマイクロプロセッサー/別のマイクロプロセッサー/DSPのいずれかを 使用するであろうし、ある当業者は、図7のループ構造を実行する上記プログラ ミング手法を使用するであろう。差異を取り出すフィードバック用の各較正ルー プの出力にプライマリループの出力を個別に加えた後、各較正ループの出力をプ ライマリループの出力と合計しNCOを駆動すると言ったやり方で、どうすれば 追加較正ループが追加タイミング源のために容易に加えられるかは、更に自明と なろう。較正ループ毎に適切な時定数を異なって選択することにより、合計値を 重みづけする必要がなくなるし、代替的にはNCOを駆動する重みづけ合計を使 ってNCOの制御性を最大にしてもよい。 システム性能を更に改善するには、E1やT1をプライマリループの位相ない し周波数比較器に接続する前に、5秒から25秒間の遅延ラインを通過させるこ とが可能である。遅延ライン中でのタイミング情報に過渡現象が検出されるなら ば、プライマリループのフィルターからのE1やT1信号の積分器状態を、過渡 現象を表す入力信号の実際のデータ点の代わりとすることが可能である。これは システムから過渡現象を取り除くのに有効であり、より正確な時間ベースが可能 となる。 本発明の他の実施例は、中間信号を抽出するのにOC−3リンクや他のリンク を使用しても可能であることを、当業者は理解するであろう。更に、システムコ ストを下げるため沿岸地域では、GPSに代ってLORANを使ってもよい。他 のシステムパラメーター、例えばサンプル期間は勿論変えてよい。本発明の範囲 は当然請求項で判断されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN,YU

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくとも二つの入力信号と一つのローカル発振器信号とに応答する複数ソ ースループであって、当該三信号の各々が自身の周波数を有し、一つの信号 が最善の短期安定性を通常有し、第二の信号が最善の中期安定性を通常有し、 第三の信号が最善の長期安定性を通常有するように、各信号が異なる周波数 安定特性を有する、そのような複数ソースループおいて、当該デュアルソー スループが、三つの入力信号の内の二信号間の第一差異を検出する第一差異 検出手段であって、当該第一差異が周波数差異と位相差異のグループの一つ を含むそのような第一差異検出手段と、三つの入力信号の内の二信号間の第 二差異を検出する第二差異検出手段であって、当該入力信号の一つが当該第 一差異検出手段に接続される当該二入力信号とは異なり、当該第二差異が周 波数差異と位相差異のグループの一つを含むそのような第二差異検出手段と、 短期・中期・長期の安定性特性を有する出力信号を供給する発振手段と、フ ィルター手段出力の短期安定性が、第一信号の短期安定性と、第二信号の中 期安定性と、第三信号の長期安定性をたどるように発振手段を制御するため、 両差異に応答するフィルター手段とを有することを特徴とするデュアルソー スループ。 2.前記フィルター手段が、第一差異検知器に応答しかつ第一周波数応答を持つ 第一ローパスフィルターと、第二差異検知器に応答しかつ第二周波数応答を 示す第二フィルターとから成り、前記発振器が両フィルターの出力に応答す ることを特徴とする請求項1に記載のループ。 3.第一差異手段が、第一信号を第二信号と比較し、第二差異検出手段が、第一 信号を第三信号と比較することを特徴とする請求項2に記載のループ。 4.前記フィルター手段が、第二、第三信号の間の位相差異と周波数差異の内の 一つを決定する手段を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のループ。 5.第一フィルターの出力が第二フィルターの入力端子に接続されることを特徴 とする請求項2に記載のループ。 6.第一フィルターの出力が第二フィルターの出力端子に接続されることを特徴 とする請求項5に記載のループ。 7.各フィルターがフィルターの周波数応答を変える少なくとも一つのパラメー タと、互いに対する信号の相対的安定性を決定するための手段と、出力信号 の全体的な安定性を最大化するフィルター係数を変える手段と、を有するこ とを特徴とする請求項2に記載のループ。 8.3個の独立した入力信号に基づいた安定特性を持った時計信号を供給する方 法であって、3個の入力信号の各々が固有の安定特性曲線を有し、入力信号 の安定特性曲線の各々が環境条件に応じて変化し得る、そうした時計信号を 供給する方法において、当該方法が、各入力信号の周波数と位相の内の少な くとも一つを他の入力信号の周波数と位相の内の少なくとも一つと比較する 段階と、変化し得るフィルターで比較値にフィルターをかける段階と、フィ ルタリングに基づいて発振信号を出力する段階と、出力に関する周波数安定 性が最大化されるようフィルターを調節する段階と、からなることを特徴と する時計信号を供給する方法。 9.フィルターを調節する段階の安定性曲線が、発振器出力安定性曲線に3個の 入力信号の各安定性曲線の最も安定した部分を実質的にたどるようにさせる、 ことを特徴とする請求項8に記載の方法。 10.発振信号を出力する段階が、唯一1個の合成装置でなされることを特徴とす る請求項8に記載の方法。 11.異なる安定性特性を有する少なくとも3個の入力信号に基づいた周波数安定 性を持つ発振信号を供給し、3個の信号の安定特性を組み合わせることで、 最適な安定特性を供給するループ装置において、当該ループ装置が、異なる 二対の入力信号に関し、位相差異と周波数差異の一つを決定するための比較 手段と、当該比較手段に応答し制御情報を生成するフィルター手段と、複数 の合成装置から成り、当該合成装置は、周波数安定特性を有しかつ出力信号 を供給する制御情報に応答し、当該制御情報が周波数安定特性に最適安定特 性を実質的にたどらしめることを特徴とするループ装置。 12.各信号がノイズとバイアスを含み、当該ループが少なくとも幾つかの差異の 補正値を見積もるための見積手段を、更に有することを特徴とする請求項1 1に記載のループ装置。 13.フィルター手段が、変化し得るフィルターパラメータで差異値に対しフィル タリングを実行することを特徴とする請求項12に記載のループ装置。 14.前記フィルターパラメータが、出力信号の周波数安定性を最大にするように 変えられることを特徴とする請求項13に記載のループ装置。 15.ローカルに生成された信号と、陸上ライン回線を通じ受信された信号と、ラ ジオリンクを通じ受信された信号と、に基づいた周波数安定性を有する出力 信号を生成する方法において、当該方法が、第一差異を供給するため、ロー カルに生成された信号と陸上ライン信号間の、周波数差異と位相差異の情報 の一つを反復測定する段階と、第二差異を供給するため、ローカルに生成さ れた信号と陸上ライン信号間の内の一つとラジオリンク信号の間の、周波数 差異と位相差異の情報の一つを反復測定する段階と、第一フィルター済み差 異を供給するため、当該第一差異に第一フィルターでフィルターをかける段 階と、第一組み合わせ差異を形成するため、当該第一フィルター済み差異を 当該第二差異と組み合わせる段階と、第二フィルター済みセットを供給する ため、第一組み合わせ差異にフィルターをかける段階と、第二組み合わせ差 異を形成するため、当該第一組み合わせ差異を、当該第二フィルター済み差 異と組み合わせる段階と、少なくとも陸上ライン信号とラジオ信号とに依存 する周波数を有する出力時計信号を供給するため、第二組み合わせ差異で発 振器を制御する段階とから成ることを特徴とする方法。 16.前記発信器手段はローカル発信器信号を生成し、ローカル発信器信号は前記 第一、第二の両検出手段に供給され、前記フィルター手段は、出力を有しか つ第一差異検出手段で決定された差異間の差異、及びプライマリループの出 力に応答するプライマリループと、出力を有しかつ第二差異検出手段で決定 された差異間の差異、及びプライマリループと較正ループの出力合計値に応 答する較正ループとを更に有し、前記発信器手段は前記第一、第二の両ルー プの出力合計値に基づいて制御される、ことを特徴とする請求項1に記載の 複数ソースループ装置。 17.当該ループが、最善の中期安定性を有する前記信号と第一差異検出器との間 に接続された遅延ラインを更に有し、最善の中期安定性を有する前記信号中の少 なくとも幾つかの過渡現象が、プライマリループからのデータで置き換えられ得 るようになっていることを特徴とする請求項16に記載のループ。
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