JP2000510205A - 弾性リング復帰システムを有するヒンジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、２枚のパネル（Ｐ１，Ｐ２）を、２枚のうちの少なくとも一方のパネルが各パネルの平面に平行な軸（Ｘ）について展開可能であるよう結合するためのヒンジであって、該ヒンジは、一方の展開パネルの可動固定部材（１）と、他方のパネル上の固定部材と、少なくとも安定角度平衡位置に向けて開くパネルの弾性復帰手段とともに協動する固定部材間の連結手段（３）とを備えるタイプのものであって、前記復帰手段が、前記可動固定部材（１）の穴（１０）内に位置しかつ前記連結手段（３）により担持されて前記各パネルの平面に平行な中心軸（５）を中心として回転するカム（３０）の付勢作動により弾性変形可能な取り外し可能なリング（４）から成ることを特徴とするヒンジに関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 弾性リング復帰システムを有するヒンジ 本発明は、２枚のパネルを互いに結合させるためのヒンジに関するものである 。 特に、本発明は少なくとも一つのパネルが各パネルの平面に平行な軸について 回転可能に開くパネルに応用される。 周知のヒンジは、概して可動パネルでの第一の固定部材と、他方の固定パネル もしくは可動パネルでの第二の固定部材と、少なくとも安定な角度平衡位置に向 けて移動可能なパネルの弾性復帰手段と協動する前記固定部材間の連結手段とを 備えている。 このタイプのヒンジにおいて、復帰手段は、時々反復運動に不完全に抵抗する 複合・脆性部分であるスプリングやピストンにより構成されている。 さらにこれらのヒンジは、汚れの原因となりうる（各種オイルやグリースとい った）潤滑剤を必要とする。 さらに、周囲の環境が浸食的であり、例えば、腐食現象が発生しがちであると ころでの使用の際に、上記のヒンジの使用は不適当であり、不可能ですらある。 本発明の目的は、上述した技術的な問題を解消することであり、少なくとも減 じることである。 上記目的は、２枚のパネルを、２枚のうちの少なくとも一方のパネルが各パネ ルの平面に平行な軸回りに展開可能であるよう結合するためのヒンジであって、 該ヒンジは、一方の展開パネル上の可動固定部材と、他方のパネル上の固定部材 と、少なくとも安定角度平衡位置に向けて開くパネルの弾性復帰手段とともに協 動する両固定部材間の連結手段と、を備えるタイプのものであって、前記復帰手 段が、前記可動固定手段の穴内に位置し、かつ前記連結手段により担持されて前 記各パネルの平面に平行な中心軸を中心にして回転するカムの付勢作動により弾 性変形可能な取り外し可能なリングから成ることを特徴とする本発明により達成 される。 本発明の有利な特徴点によると、前記カムは前記連結手段の角柱端部から形成 されており、該角柱端部の各角部により前記パネルの展開中の前記リングの弾性 的な付勢が確実になされる一方で、連結手段側面により多数の角度平衡位置で前 記パネルの停止／保持が確実になされる。 特に本発明によると、連結手段の角柱端部は、曲線端部により９０°で連結さ れた３側面を備えている。 他の特徴点によると、前記リングが一方で前記カムと他方で可動固定部材に固 定された停止部との間で固定するための側方の取っ手部を備えている。 さらに本発明の特徴点によると、前記カムが、可動固定部材に固定されかつ前 記カムの両側方で中心軸の端部を受け入れている２つの窪んだシリンダ間に、前 記リングと接触しながら保持されている。 本発明によると、第１の可動固定部材が、一方で中心空間内にリングとカムを 拘束するように、かつ他方で前記展開パネルの端部に作られたノッチの周縁にお いて前記部材を締結することを確実にするために、実質的に平行なフランジと組 み立てられることを目的としたあぶみ部材により構成されている。 あぶみ部材と可動固定部材のフランジとの間に形成された中心空間は、リング を収容するための穴を囲む詰め木により占められていることが好ましい。 さらに、あぶみ部材は、あぶみ部材またはフランジと固定されたスペーサ部材 を形成しかつリング中心の穴から突出するブッシュに投錨されることを目的とさ れたねじにより、フランジと組み立てられるように設けられている。 他の特徴点によると、前記カムは、中心軸により横断されかつ回転の１自由度 を形成する内部溝（inner conduit）を備えている。 さらに、前記連結手段は、カムとは反対の側で、固定パネルを固定するための 部材に固定されている。 本発明の変形例によると、前記連結手段は９０°曲がり部を介して固定部材に 結合されている。 本発明によると、前記連結手段は各端部にカムを備え、可動固定部材は２枚の パネルが回転により開くように弾性変形可能リングを具備している。 上記の本発明の第１変形例によると、連結手段は、両パネルの３６０°のクリ アランスを許容するために直線形状である。 他の変形例によると、連結手段は、両パネルの相対配置の関係として２端部の カムの間が９０°から１８０°の間の角度を形成するように形成されている。 さらに本発明によると、前記連結手段は、カムとは反対側の端部において、壁 （mural wall）に固定するためのプレートに結合している。 本発明の他の目的は、ガラスパネルを結合するために上記ヒンジを特定使用す る点にある。 本発明のヒンジは、状況に応じて各連結手段及び各固定部材を調節することで 、パネルの供給／調節クリアランスが３６０°まで許容される。さらに、本発明 のヒンジは、厚さの異なるパネルや、多様な材質のパネルにも適用することがで きる。 本発明のヒンジは、全体として腐食の問題を解消するプラスチック材料から形 成されても良い。 さらに、本発明のヒンジは、特に容易に補修できるとともに容易にかつ素早く 組立られる可動リングの点において簡素化されている。 さらに、本発明のヒンジは、何ら潤滑剤を必要としないのでいつも清潔である 。 さらに、本発明のヒンジはいくつかの中間平衡位置を取りうるパネルを提供す る。このことは、各パネルの動きを分析することができ、かつ特にガラスのパネ ルに対し、損傷を導くストロークの終わりにおいて破壊的な衝撃の危険を制限す る。 本発明は、各図面とともに以下の記載を読むことでさらに容易に理解されよう。 図１ａ及び図１ｂは、それぞれ本発明の第一の実施の形態の要部正面図及び要 部平面図を示す。 図１ｃは、図１ａ，図１ｂの実施の形態の側面図を示す。 図２ａ，図２ｂは、それぞれ作動時のヒンジの断面におけるヒンジのリングの 正面図及び平面図を示す。 図２ｃは、本発明のヒンジにより連結された２枚のパネルについての全体図を 示す。 図３ａ，図３ｂ，図３ｃは、それぞれ第１の固定部材のあぶみ部材の正面図、 側面図、断面図を示す。 図４ａ，図４ｂ，図４ｃは、それぞれ第１の固定部材のフランジの正面図、側 面図、断面図を示す。 図５ａ及び図５ｂは、それぞれ本発明の第２の実施の形態の正断面図及び平断 面図を示す。 図６ａ及び図６ｂは、それぞれ本発明の第３の実施の形態の正断面図及び平断 面図を示す。 図７ａ及び図７ｂは、それぞれ本発明の第４の実施の形態の正断面図及び平断 面図を示す。 図２ｃに示すように、本発明のヒンジＣは、種々の寸法や形状の２枚のパネル Ｐ１，Ｐ２を結合するためのものである。少なくとも一方のＰ１は、２枚のパネ ルの平面に平行なＸ軸について回転可能に開くものである。 ヒンジＣを組み立てる前に、ノッチＥが一方または両方の展開パネルの側端部 に形成される。 ノッチＥは、可動固定部材１を受け入れるためのものである。すなわちノッチ Ｅは、図３ａから図４ｃを参照して以下に示されるように、展開パネルＰ１上の ヒンジＣを固定するための部材である。 勿論、パネルＰ１，Ｐ２の結合は、各パネルの側端部上に間隔をおいて取り付 けられた複数のヒンジＣにより確実にされることが好ましい。 図１ａ，図１ｂ、図１ｃの実施の形態において、ヒンジＣは、展開パネルＰ１ における可動固定部材１と、壁や間仕切り（図５ａ，図５ｂ）とすることもでき る固定パネルＰ２における固定部材２と、部材１，２間の連結手段３とを備えて いる。連結手段３は、少なくとも一つの安定角度平衡位置に向けて展開パネルＰ １を弾性的に復帰させるための手段と協動する。 本発明によると、復帰手段は、可動固定部材１の穴１０内に収容される取り外 し可能リング４により構成されている。 連結手段３により行われパネルＰ１，Ｐ２の平面に平行な軸Ｘに沿って配置さ れた中心軸５の周りに回転するカム３０の付勢作用により、リング４は図２ａの 破線で示したように弾性変形することができる。 必要であれば、カム３０と軸５との間の動的な連結がベアリング６により確実 にされる。リング４は、一方のカム３０と他方の可動固定部材１に取り付けられ た停止部１４との間にリングを固定するようにした側方取っ手部４１，４２を備 えている。 図１ａと図３ａから明らかなように、カム３０は、部材１に固定されかつカム ３０の両側で中心軸５の端部を受け入れている２つの窪んだシリンダ１３ａ，１ ３ｂ間でリング４と接触保持されている。 カム３０は、ここでは、図示された各実施の形態及び特に詳細な図２ｂにおい て、３側面３０１，３０２，３０３を備える連結手段３の角柱端部により形成さ れている。 ３側面３０１，３０２，３０３は、３つの平衡な角度位置において展開パネル Ｐ１の停止及び保持を確実にする。これらの位置において、カム３０の側面３０ １，３０２，３０３のいずれか一側面とリング４の取っ手部４１とがいつも接触 状態にある。同様に窪んだシリンダ１３ａ，１３ｂは、カム３０と同一の断面を 有している。 側面３０１，３０２，３０３は、各側面の角部で９０°に結合している。各角 部は、リング４に対して押しが強くない曲線形状を形成するために面取りされて いる。 図示した実施の形態では、カム３０が２つの角部３３１，３３２を有している 。各角部は、それぞれ一方向または反対方向に回転する際にリング４の取っ手部 ４１を付勢することでリング４の弾性的な圧縮を確実にしている。 この圧縮は、停止部１４が存在するために、リング４が軸Ｘに沿って垂直方向 へ延長することに伴い行われる（図２ａを参照されたい）。カム３０は、中心軸 ５により横断され回転の１自由度を与える内部溝３５を備えている。さらに、連 結手段３はカム３０とは反対側で固定部材２と固定されている。固定部材２はこ こではクリップで形成されており、クリップの枝部２１，２２が固定パネルＰ２ の側端部を挟んでいる。クリップ２は、ねじ用に複数のオリフィス２０を具備し ている。 展開パネルＰ１の可動固定部材１は、中央空間にリング４とカム３０とを閉じ こめるように実質的平行なフランジ１２とで組み立てられるようにされたあぶみ 部材１１により構成されている。 さらに、このような組立は、展開パネルＰ１のノッチＥの周辺の可動部材１を ねじ７により締結することで確実にされる（図１ｂ）。 ねじ７は、ここではあぶみ部材１１（図３ｃを参照された）に固定されたスペ ーサ部材を形成するブッシュ１５に、またはフランジ１２側に固定されたブッシ ュ（図示せず）に固定されるものであり、固定部材１の穴１０内のリング４の中 心に突出している。 あぶみ部材１１とフランジ１２との間に形成された中央空間は、好ましくはコ ルクのような圧縮可能材料から成る詰め木８によりリング４を収容するための穴 １０の周囲に占められている。 図４ａから図４ｃに示したフランジ１２は、ねじ７を取り付けるために中心オ リフィス１７で貫かれたあぶみ部材１１の外壁の対称的なプレートにより構成さ れている。 フランジ１２の内表面は、あぶみ部材１１と組み立てられる間、窪んだシリン ダ１３ａ，１３ｂと対向配置される穴１２ａ，１２ｂを具備している。 この内部表面は、さらに停止部１４と対向配置されるための穴１２ｃと、ブッ シュ１５の端部を受け入れるための中心穴１２ｄとを具備している。 この構成により、あぶみ部材１１とフランジ１２との間の空間に部材を入れる 間に、突出する各端部がそれぞれ穴１２ａ，１２ｂ，１２ｃ内に受け入れられる シリンダ１３ａ，１３ｂと停止部１４とブッシュ１５との支持が確実になる。 図５ａ及び図５ｂの実施の形態において、連結手段３は、同様にカム３０とは 反対側で固定パネルを固定するための部材２と固定されている。 しかしここでは、固定パネルは間仕切り（図示せず）であり、この場合に部材 ２は壁への固定用ネジを受け入れるための２，３のオリフィス２０で貫通された プレートで構成されている。 連結手段３は、ここでは、９０°曲がり部２３（図５ｂ）を介して固定プレー ト２に結合されている。 図６ａ，図６ｂの実施の形態において、ヒンジＣは、以降で記載されるパネル Ｐ１のタイプの回転により（図示せず）展開する２枚のパネルを結合するための ものである。 ヒンジＣは、ここでは各展開パネルに固定されるための２つの対称的な可動部 材１ａ，１ｂを具備している。 連結手段３はカム３０ａ，３０ｂを両端部にて備えている。可動部材１ａ，１ ｂはそれぞれ弾性変形可能リング４ａ，４ｂを具備している。ここでは、連結手 段３は、両パネルの３６０°のクリアランスを許容するために直線形状である。 ヒンジＣの構造は、前出の各図を参照して記載された各展開パネル上の構造と同 一のものである。 図７ａ，図７ｂの実施の形態において、ヒンジＣにより連結された２枚のパネ ルは、図６ａ及び図６ｂの実施の形態におけるように同様に展開する。しかし、 ここでは各パネルの相対配置の関係として、連結手段３が２つのカム３０ａ，３ ０ｂの間で９０°と１８０°との間の角度をとるように形成されている（図７ｂ では１３５°の状態を示す）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． ２枚のパネル（Ｐ１，Ｐ２）を、少なくとも一方のパネルが両パネルの平 面に平行な軸（Ｘ）回りに展開するよう結合するためのヒンジであって、該ヒン ジは、一方の展開パネル上の可動固定部材（１）と、他方の展開パネル上の固定 部材と、少なくとも安定角度平衡位置に向けて開く前記パネルの弾性復帰手段と 協動する前記両固定部材間の連結手段（３）と、を備え、かつ前記復帰手段が、 前記可動固定部材（１）の穴（１０）内に収容されかつ前記連結手段（３）によ り担持されて前記各パネルの平面に平行な中心軸（５）を中心として回転するカ ム（３０）の付勢作動により弾性変形可能な取り外し可能なリング（４）から構 成されているタイプのものであって、 前記カム（３０）が、前記連結手段（３）の角柱端部から形成されており、該 角柱端部の各角部により前記パネルの展開中の前記リング（４）の弾性的な付勢 が確実になされる一方、該角柱端部の各側面により、平衡した多数の角度位置で 前記パネルの停止／保持が確実になされることを特徴とする２枚のパネルを結合 するためのヒンジ。 ２． 前記連結手段（３）の前記角柱端部は、曲線端部（３３１，３３２）によ り９０°で連結された３側面（３０１，３０２，３０３）を備えていることを特 徴とする請求項１記載のヒンジ。 ３． 前記リング（４）が、一方で前記カム（３０）と他方で可動固定部材（１ ）に固定された停止部（１４）との間で固定するための側方の各取っ手部（４１ 、４２）を備えていることを特徴とする請求項１または２のいずれかに記載のヒ ンジ。 ４． 前記カム（３０）が、前記可動固定部材（１）に固定されかつ前記カムの 両側方で中心軸（５）の各端部を受け入れている２つの窪んだシリンダ（１３ａ ，１３ｂ）間に、前記リングと接触しながら保持されていることを特徴とする請 求項１から３のいずれか一つに記載のヒンジ。 ５． 前記可動固定部材（１）が、一方で中心空間内に前記リング（４）と前記 カム（３０）を拘束するように、かつ他方で前記展開パネルの端部に作られたノ ッチ（Ｅ）の周縁において前記可動固定部材（１）を締結することを確実にする ために、実質的に平行なフランジ（１２）と組み立てられることを目的としたあ ぶみ部材（１１）により構成されていることを特徴とする請求項１から４のいず れか一つに記載のヒンジ。 ６． 前記あぶみ部材（１１）と前記可動固定部材（１）の前記フランジ（１２ ）との間に形成された前記中心空間は、前記リング（４）を収容するための前記 穴（１０）を囲む詰め木（８）により占められていることを特徴とする請求項５ 記載のヒンジ。 ７． 前記あぶみ部材（１１）は、該あぶみ部材（１１）または前記フランジ（ １２）と固定されたスペーサ部材を形成しかつ前記リング（４）の中心の前記穴 （１０）から突出するブッシュ（１５）に投錨されることを目的とされたねじ（ ７）により、前記フランジ（１２）と組み立てられることを特徴とする請求項５ または６のいずれかに記載のヒンジ。 ８． 前記カム（３０）は、中心軸（５）により横断されかつ回転の１自由度を 形成する内部溝（３５）を備えていることを特徴とする請求項１から７のいずれ か一つに記載のヒンジ。 ９． 前記連結手段（３）は、前記カム（３０）とは反対側で、固定パネルを固 定するための前記固定部材（２）に固定されていることを特徴とする請求項１か ら８のいずれか一つに記載のヒンジ。 １０． 前記連結手段（３）は、９０°曲がり部（２３）を介して前記固定部材 （２）に結合されていることを特徴とする請求項９記載のヒンジ。 １１． 前記連結手段（３）は各端部にカム（３０ａ，３０ｂ）を備え、かつ可 動固定部材（１ａ，１ｂ）は前記２枚のパネルが回転により開くように各弾性変 形可能リング（４ａ，４ｂ）を具備していることを特徴とする請求項１から１０ のいずれか一つに記載のヒンジ。 １２． 前記連結手段（３）は、各パネルの３６０°のクリアランスを許容する ために直線形状とされていることを特徴とする請求項１１記載のヒンジ。 １３． 前記連結手段（３）は、前記２つの端部のカム（３０ａ，３０ｂ）の間 が９０°から１８０°の間の角度を形成するように形成されていることを特徴と する請求項１１記載のヒンジ。 １４． 前記連結手段（３）は、前記カム（３０）とは反対側の端部において、 壁に固定するためのプレート（２）に結合していることを特徴とする請求項１か ら１０のいずれか一つに記載のヒンジ。 １５． 両ガラスパネルを結合するための請求項１から１４のいずれか一つに記 載のヒンジの使用。