【発明の詳細な説明】
着用者の肌に対して局所的に接着するアタッチメント用の通気性の使い捨て吸収
性物品
発明の分野
この発明は、通気性の吸収性物品、特に衛生ナプキン、パンティーライナ、成
人の失禁用品又はスエットバッドに関する。特に、本発明は、体液の吸収が望ま
れる領域で着用者の肌に対して直接アタッチメントにより着用される通気性の吸
収物品に関する。
発明の背景
着用者の肌に局所的に適用される使い捨ての吸収性物品の分野での従来技術は
、特にバンドエイド、ばんそうこう、包帯の分野で発達している。これらの物品
はしばしば、通気性があるが、一般的には、緊急の事態で用いられ、そこでは例
えば、着用者の肌内に傷ができ、傷から流出する体液の吸収が望まれる。このよ
うな状況においては、快適さ、使用、適用のし易さ、痛みのない取り外し、分離
等の特性は、無菌性、回復のサポート、傷口の保護機構のような特性に対しては
二次的なものである。また、傷をカバーする吸収性物品は、多くは、吸収性物品
を適用する前に体毛が除去できるか、あるいは、少ししか体毛が生えていないか
、又は全く体毛が生えていない皮膚領域で使用される。
本発明は、傷をカバーする吸収性物品に関するものではなく、傷がなくても体
から自然に流出する体液を吸収する通気性の吸収性物品に関する。例えば、性器
の領域で使用される通気性の衛生ナプキンやパンティライナはこのような物品で
ある。また、例えば性器領域で着用される通気性の失禁用品又は人の脇の下の窪
み領域で着用される通気性のスウェットパッドは本発明の対象である。
もし、このような物品が、一般的に相当量の体毛が成長する領域で、着用者の
肌に適用されるならば、この物品の容易で、痛みのない取り外しの特性は、重要
な鍵となる。このような物品は、一般に米国法定発明登録Ｈ１６０２又はＷＯ９
６／３３６８３に開示されている。このような物品のより詳細は、例えば、ＰＣ
Ｔ出願のＷＯ９５／１６４２４で考慮されている。この文献では、全ての周囲に
沿って衛生ナプキンの着用者側の面に適用される身体接着物を有していることが
開示されている。この文献の根底にある問題は、第１に肌に対して安全に取付け
ることであるが、また、この物品を使用した後に取り外すときに着用者に対して
過度の痛みを起こすことなく取り外すという問題も述べられている。
このＷＯ９５／１６４２４の開示には、流動性の特徴に関して身体接着性に対
する特性の詳細な分析が含まれている。しかし、教示された流動性の基準には、
イタリアのVaj Ｓ．ｐ．Ａ．研究所で販売されたストレプミール（商標名）の
ような市販品の脱毛、すなわち体毛の除去剤が含まれているので、この文献は、
このような物品を痛みなく取り外しする問題に関しては少ししか考慮していない
。また、ＷＯ９５／１６４２４で述べられた局所的アタッチメントのための接着
物には、下着に付ける衛生ナプキンに使用される、今日の感圧接着物が含まれて
いる。更に、この文献は、静的な流動特性のみ特定しているが、身体接着物の動
的流動挙動については何も言っていない。
ＷＯ９６／１３２３８では、振動数に依存する身体接着物モデルが開示されて
いる。しかし、開示された測定値は、いずれも、例えば９頁にあるように、−６
０℃から＋１２０℃の間の温度で、０．１〜１００ｒａｄ／ｓの実際の振動数で
なされている。適用される温度（２０℃、一般的には浴室、すなわち、貯蔵温度
）での必要なデータを得るために、ウイリアム−ランデル−フェリー（以下、Ｗ
ＬＦと称する）式が使用された。
このＷＬＦ式は、経験的なものであり、或る範囲でのみ有効であり、例えば、
ポリマー接着物のガラス転移温度より低い温度に外挿するのには使用できないし
、また、ガラス転移温度より低い温度で得られた値をベースとして用いることは
できない。ＷＬＦ式の詳細とその適用については、ジョン・ウイレイ・アンド・
サンズから発行された、ゼット・タドマーとシー・ジー・ゴゴスによる「ポリマ
ー処理の原理」、或いは、同様にジョン・ウイレイ・アンド・サンズから発行さ
れた、ジェイ・デイ・フェリーによる「ポリマーの粘弾性特性」に示されている
。これは既にＷＯ９６／１３２３８にはないので、開示データの適用性は評価で
きない。更に、この開示内容は、通気性の自己接着物品に関するものではない。
欧州特許出願ＥＰ−６３８３０３には、衛生ナプキンのサイドカフス上に身体
接着物を使用して、直立した位置でカフスを維持することが開示されている。ス
イス公報ＣＨ−６４３７３０号には、大変長い衛生ナプキンを使用することが開
示され、このナプキンは、身体接着物を有する外側エッジの四つの角について面
取りして、一般の体毛成長領域の充分外側の身体接着領域を設けている。
さらに、身体接着物を限定し、組成を改良することにより、肌に対する吸収性
物品の直接アタッチメントを改良している。しかし、吸収性物品は、その外側表
面上の不透過性プラスチックフィルムを有しているので、このような閉じた装着
条件では問題を生じる。すなわち、物品内部が蒸され、温度上昇し、これは、通
常風通しが悪いと述べられているが、このことは少なくともこのような物品に対
して感じ易い使用者にとって許容し難い。この問題は、衣服に接着する物品に対
するよりも、装着者の肌に接着する物品に対して実質的により関係がある。何故
なら、これら物品は、これの装着者側の面を通して通気性がもたらされるからで
ある。
上記の従来技術の記述を基礎として、本発明の目的は、着用者の肌に取付けら
れ、着用者の身体からの自然流出液体の吸収のための使い捨ての吸収性物品であ
って、吸収性物品を痛みがなく取り外しでき、通気性の悪さがないものを提供す
ることにある。本発明の他の目的は、残りの接着物が残存することなく、吸収性
物品の取り外しを確実に行えるようにするとである。更に本発明の別の目的は、
着用者の液体流出領域に極めて近接して装着された場合でも、このことによる通
気性の悪さを生じることなく、吸収性物品の外側への液体損失を最小化し又は無
くした、使い捨ての吸収性物品を提供することにある。このことにより、着用者
の股領域で装着される使い捨ての吸収性物品では、周囲の肌組織と衣服を汚さな
いという確実性を向上している。
上記の本発明の目的に加えて、着用者の肌に対して適用することにより、吸収
流体の臭い、すなわち、吸収液体が吸収性物品をはみ出ることから生じる臭いを
防ぐ臭いシールを提供するので、衛生ナプキン、パンティライナ及び月経用品に
用いて、この用品から流出する臭気を減少、消失するようにしたものに好適であ
る。
発明の概要
本発明は、その物品の着用者に対して局所的に接着するアタッチメント用の通
気性の使い捨て吸収性物品に関する。この通気性の物品は、一般には、衣服のす
ぐ下に着用された物品の状況において、着用者側の面と衣服側の面と呼ばれる外
側面とを有する。通常の衛生ナプキンと衛生ナプキンに用いた身体接着物の衣服
側面は、液体、空気、水蒸気に対して不透過性である。逆に、本発明物品は、少
なくとも水蒸気透過性とすることにより通気性を持たせている。何故なら、水蒸
気透過性により、熱の消散（従って、湿気と、べたべたした感触を防ぐ）に関し
て最も高い効果が達成されるからである。しかし、好ましくは、物品の衣服側の
面は、また、漏れに対する基本である液体不透過性と妥協することなく、空気透
過性があるものでもよい。
特に、本発明の好適な具体例では、バックシートは開口形成フィルムを備え、
上記開口は漏斗形状をなし、漏斗入口でのベース開口と漏斗出口のピーク開口を
有する。この開口形成フィルムは、このピーク開口がこのベース開口よりも吸収
性コアに近接するように、通気性の吸収性物品のバックシート内に配置されてい
る。
本発明の他の好適な具体例では、上記着用者側の面に、少なくとも第１の層と
第２の層とを有する通気性バックシートを設けている。これらの層は、上記バッ
クシートは、上記第２の層よりも第１の層が吸収性コアにより近接するように配
向され、好ましくは、第１の層が上述のように空気透過性の開口形成フィルムで
、第２の層が微孔性フィルム又はメルトブローされた不織布基体である。
通気性物品は、着用者側の面と衣服側の面との間に、着用者から自然に流出す
る液体を吸収する吸収性コアを備えている。本発明の通気性の吸収性物品は、少
なくとも着用者側の面に着用者の肌に対して局部的に接着するアタッチメントの
ための接着物を備えている。
好適な具体例では、接着物は特に、Ｇ’３７と省略された温度３７℃（１００
°Ｆ）での弾性率、温度３７℃（１００°Ｆ）での粘性率、Ｇ’’３７を有する
ことを特徴とする。この接着物は、１００rad/secの振動数でのＧ’３７と１rad
/secの振動数でのＧ’３７との差、＿Ｇ’３７が、１ｒａｄ／ｓｅｃでのＧ’３
７の１５０％より、好ましくは８０％より大きくなく、或いは、好ましくは、１
００００Ｐａよりも小さい動弾性挙動のものが選択される。この接着物は、さら
に、
１００rad/secの振動数でのＧ’’３７と１rad/secの振動数でのＧ’’３７との
差、＿Ｇ’’３７が１００００Ｐａより大きくなく、好ましくは、５０００Ｐａ
より大きくなく、最も好ましくは１０００Ｐａよりも大きくない動粘性挙動のも
のが選択される。
特に好適には、本発明の物品は、１〜１００rad/secの全ての振動数範囲にお
いてＧ’３７／Ｇ’’３７比の値が１以上、好ましくは１．６以上、最も好まし
くは３．３以上である。
１〜１００rad/secの全ての振動数範囲においてＧ’３７／Ｇ’’37比の値は
、必ずしも振動数の変化に比例してはいないが、振動数を増加することにより変
化する。このＧ’３７／Ｇ’’３７比は、この振動数範囲内において、３を超え
る係数で変化すべきではなく、好ましくは２を超えるべきでなく、最も好ましく
は一定のままであるべきである。
１ｒａｄでは、Ｇ’３７の好適な値は、２００００Ｐａ未満、好ましくは１５
０００Ｐａ未満、最も好ましくは１００００Ｐａよりも少ないものである。他方
、１ｒａｄ／ｓｅｃの振動数でのＧ’’３７の値は、１５０００Ｐａをこえるべ
きではなく、好ましくは１００００Ｐａ未満であり、最も好ましくは５０００Ｐ
ａより少ない。上記流動特性は以下の接着組成により満たされる。すなわち、こ
の組成は、２０℃で流体の、５１〜９９．５重量％の可塑化化合物又は混合物と
、上記可塑化化合物又は混合物中で溶解可能又は膨張可能な、０．５〜２０重量
％、好ましくは５％〜１５％のポリマー化合物又は混合物とを備え、上記ポリマ
ー化合物又は混合物に対して０〜６００重量％の範囲の量の粘着性向上樹脂を備
えた組成である。この可塑化化合物又は混合物は、好ましくは、水、アルコール
類、好ましくは、グリセロール、グリコール類、ポリグリコール類、液体ポリブ
チレン類、オイル又はこれらの組合わせの群から選択され、一方、ポリマー化合
物又は混合物は、好ましくは、ブロックコポリマー熱可塑性エラストマー、スチ
レンブロックコポリマー及び水素添加スチレンブロックコポリマーの群から選択
される。
極く一般的に、好適な身体接着物は、少なくとも部分的に疎水性で、好ましく
は、接着物の６０重量％、より好ましくは８０重量％が疎水成分からなる。そし
て、もっとも好ましくは、接着物の材料が全て親水性ではない、すなわち、全て
疎水性成分から作られるのがよい。
本発明の特に好適な具体例では、接着物は、吸収性物品の着用者側の面の２０
％未満、より好ましくは１０％未満をカバーする。この発明は、衛生ナプキンま
たはパンティライナの分野に最も有効に適用される。
発明の詳細な説明
本発明は、使用者の肌に直接適用される通気性の使い捨て吸収性物品に関する
。この物品は、体液に対して吸収性を示し、使用者の衣服を汚れから保護し、通
気性により、適用状態で、使用者の物理的な快適さを改良し、製造や包装が容易
である。通気性の使い捨て吸収性物品は、以下に、衛生ナプキン或いは月経用品
を引用して説明するが、特にパンティーライナ、成人失禁物品又はスウェットパ
ッドもまた使い捨ての吸収性物品の用語に含まれる。ここで用いられる用語「衛
生ナプキン」は、外陰部領域に近接して、女性に着用され、吸収して身体から排
出される各種体液（例えば、窒排出物、月経、及び／又は尿）を含むことを意図
し、一度の使用後に破棄されことを意図したものであろ。使い捨ての吸収性物品
は、好ましくは、薄く、より好ましくは１〜５ｍｍの厚さで、いずれも使用前に
実質的にフラット、若しくは予め形作られた形状にある。
ここで用いられる用語「結合された」又は「貼られた」は、第１の部材が直接
第２の部材に接合されている形態、及び、第１の部材が中間部材に接合され、こ
の中間部材が第２の部材に接合されていることにより、第１の部材が第２の部材
に間接的に結合されている形態を包含する。
好適な具体例では、本発明の衛生ナプキンは、液体透過性のトップシートと、
このトップシートに結合され、液体不透過性であるが通気性のバックシートと、
トップシートと吸収性バックシートとの中間の吸収性コアとを備えている。衛生
ナプキンは、二つの主面、すなわち身体接触若しくは着用者側の面と、衣服側若
しくは衣服接触面を有する。
トップシートは、着用者の肌に対して、追従性があり、ソフトな感触で、刺激
性がないものである。トップシートは、また、弾性特性を持ち、トップシートの
１部分又は伸張中において１又は２方向に伸びることができる。更に、トップシ
ートは、流体透過性を有し、流体（例えば月経及び／又は尿）がその厚さ方向に
透過することができる。適切なトップシートは、広い範囲の材料から作ることが
でき、例えば、織布、不織布などの材料、開口形成熱可塑性フィルム、開口プラ
スチックフィルム、及びハイドロホームされた熱可塑性フィルム等の材料、並び
に熱可塑性スクリムなどがある。適切な織布、不織布材料は、天然繊維（例えば
、羊毛や綿の繊維）、合成繊維（例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、又は
ポリエチレン繊維）、若しくは天然繊維と合成繊維の組合わせ、又は２／マルチ
成分の繊維から作ることができる。
本発明で使用される好適なトップシートは、一般的には、ロフトの高い不織布
トップシートや開口形成フィルムトップシートから選択される。開口形成フィル
ムは特に、トップシートに好適である。何故なら、これらは、身体浸出物に対し
て透過性を有し、それでも、非吸収性で、流体がそこを通って戻り、着用者の肌
を再度濡れさせることを減少する傾向にある。従って、着用者に接している形成
フィルムの表面は、乾燥したままで、そのことにより、身体の汚れを減少し、着
用者により快適な感触をもたらす。適切に形成されたフィルムは、米国特許3,92
9,135号、米国特許4,324,246号、米国特許4,342,314号、米国特許4,463,045号、
米国特許5,006,394号に記載されている。特に好適な微細孔形成フィルムトップ
シートは、米国特許4,609,518号、米国特許4,629,643号に記載されている。本発
明の好適なトップシートは、これらの特許の１又は２以上に記載された形成フイ
ルムで、シンシナテイー、オハイオのプロクターアンドギャンブルカンパニーに
より、「ドライウエーブ」として衛生ナプキンに関して市販されている。
液体通路が均一に分散されておらず、トップシートの一部のみが液体通路を備
えているトップシートもまた、本発明の意図するものである。一般的には、この
ようなシートは、液体に対し中心部で透過性で、周辺部で不透過性のトップシー
トとなるように配向された液体通路を有するものである。
形成フィルムトップシートの着用者側の面を親水性として、身体表面が親水性
でない時よりも速くトップシートを通って流体が移動しやすくすることができる
。好適な具体例では、表面活性剤を、ＰＣＴ出願のＷＯ93／09741に記載された
ように、形成フィルムトップシートのポリマー材料内に組み入れる。これとは別
に、
トップシートの着用者側の面を、米国特許4,950,254号に記載されたように、表
面活性剤で処理することにより、親水性とすることができる。
他には、繊維とフィルム状構造物とを組込んだいわゆるハイブリッドトップシ
ートがあり、特にこのハイブリッドトップーシートの有益な具体例は、ＰＣＴ出
願のＷＯ93／09744、ＷＯ93／11725、ＷＯ93／11726に開示されている。
トップシートに適用したとき、マルチ層構造又は単一層構造が意図するもので
ある。上記のハイブリッドトップシートは、このようなマルチ層設計であるが第
１及び第２のトップシート設計のような他のマルチ層トップシートもまた考慮さ
れる。
吸収構造物又は吸収コアは、次の成分を含むことができる。すなわち、(a)選
択的な、第１の流体分散層、好ましくは第２の選択的な流体分散層と組み合わさ
れている。(b)流体貯蔵層。(c)貯蔵層の下にある選択的な繊維（ダスティング）
層。及び(d)他の選択的な成分。
ａ第１／第２の流体分散層
本発明の吸収性構造物の一つの選択要素は、第１の流体分散層と第２の流体分
散層である。第１の分散層は、一般的には、トップシートの下にあり、これと流
体伝達される状態にある。トップシートは、取得した流体をこの第一の分散層に
移送して、貯蔵層に最終分散させる。この第１の分散層を通しての流体の移送は
、吸収性物品の厚さ方向だけでなく、長さ方向、幅方向に沿ってもおこる。また
、選択的ではあるが、好ましい第２の分散層は、一般的には、第１の層の下にあ
り、これと流体伝達される状態にある。この第２分散層の目的は、第１の分散層
から容易に流体を取得して、その下の貯蔵層に急速に移送することである。これ
らの流体分散層は、このような分散層に一般的な材料で構成することができる。
特に、繊維間に毛細管を保持する繊維層は、湿気があるときでも、分散層として
有効である。
ｂ流体貯蔵層
流体伝達される位置にあり、一般的には、第１、又は第２の分散層の下にある
のは、流体貯蔵層である。この流体貯蔵層は、任意の有効な吸収性材料またはそ
れらの組合わせからなる。好ましくは、「ヒドロゲル」、「スーパー吸収材」、
親水コロイド」材として引用される吸収性のゲル化材を適切なキャリアと組合わ
せたものである。
吸収性ゲル化材は、多量の水溶性体液を吸収することができる。そして、さら
に、中程度の圧力下でこのように吸収された流体を保持することができる。吸収
ゲル化材は、適切なキャリア内で均一又は不均一に分散できる。適切なキャリア
は、これらがそのような吸収性を有するならば、単独でも用いることができる。
ここで用いる適切な吸収性ゲル化材は、大抵は、実質的に水不溶解、若干架橋
され、部分的に中和されたポリマーゲル化材である。この材料は、水と接触して
ヒドロゲルを形成す。このようなポリマー材は、従来公知の重合可能な、不飽和
の、酸含有モノマーから作られる。
適切なキャリアには、吸収構造中、常套的に用いられる材料、例えば、綿毛及
び／又は薄織物の形態の、天然、変性又は合成繊維、部分的に変成し、若しくは
非変性のセルロース繊維が含まれる。適切なキャリアは、吸収ゲル化材と一緒に
使用することができるが、単独で、又は組合わせても使用できる。最も好適なも
のには、衛生ナプキン／パンティライナでの薄織物又は薄織物ラミネートがある
。
本発明の吸収性構造の具体例は、薄織物それ自身を折り重ねて形成された二重
層の薄織物ラミネートを備えている。これらの層は、互いに結合できる。吸収ゲ
ル化材または他の選択的な材料は、それらの層間に設けることができる。
硬化したセルローズ繊維のような変性セルローズ繊維もまた使用できる。合成
繊維もまた使用でき、セルローズアセテート、ポリビニルフルオライド、ポリビ
ニリデンクロライド、アクリル類（オリオンなど）、ポリビニルアセテート、非
溶解ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド類（ナ
イロンなど）、ポリエステル類、バイコンポーネント繊維、トリコンポーネント
繊維、これらの混合物などで作られたものも含む。好ましくは、繊維表面は、親
水性又は親水性に処理されたものである。貯蔵層は、パーライト、珪藻土、バー
ミキュライト等のフィラー材を含むこともできる。
吸収ゲル化材がキャリア中で非均一に分散された場合、貯蔵層はそれにもかか
わらず局部的に均一である。すなわち、貯蔵層の大きさ内で１又は幾つかの方向
に分布勾配を有している。非均一分布は、部分的に又は全体的に吸収ゲル化材を
囲うキャリアのラミネートにも当てはまる。
ｃ選択的な繊維（ダスティング）層
本発明の吸収構造体に含まれる選択要素は、貯蔵層に近接し、一般的に貯蔵層
の下にある繊維層である。この下の繊維層は、吸収構造物の製造中に貯蔵層中で
吸収ゲル化材を被覆するための基体を提供するので、一般的には「ダスティング
」層と称される。実際、吸収ゲル化材が繊維、シート、又はストリップなどのマ
クロ構造体を形成するこれらの例では、この繊維「ダスティング」層が含まれる
必要はない。しかし、この「ダスティング」層は、パッドの長さに沿って流体の
急速な毛細管現象による流動のように追加的な流体操作を容易とするものである
。
ｄ吸収性構造物の他の選択的な成分
本発明の吸収構造体は、通常吸収性ウェブ中にある他の選択的な要素を含むこ
とができる。例えば、補強スクリムを吸収構造体の各層内に、或いは各層間に配
置することができる。このような補強スクリムは、流体移動に対する界面バリア
を形成しないような形態とすべきである。熱結合の結果通常生じる構造的な完全
さがあれば、補強スクリムは、通常、熱結合吸収構造体に必要ではない。
他の要素を本発明の吸収構造体に含むことができ、好ましくは、第１又は第２
流体分散層に近接して、又は離れて臭い制御剤を設けることができる。活性カー
ボンを他の臭い制御剤で被覆され、または他の臭い被覆剤とともに用いたもの、
特に適切なゼオライト又は粘土材は、吸収構造体に選択的に組込まれる。これら
要素は、任意の所望の形態で組込むことができるが、しばしば分散粒子として含
まれる。
通気性バックシート
本発明によれば、吸収性物品は、基本的な要素として通気性のバックシートを
備えている。この通気性バックシートの第１の役割は、吸収性物品に吸収され、
含まれる浸出物により、吸収性物品に接触するパジャマ、下着のような物品が湿
ってしまうことを防ぐことである。これを達成するために、バックシートは、一
般的に、吸収構造物の全てにわたって延び、吸収構造物の回りを折り込むことに
よりトップシートの上に伸び、その一部を形成する。このことにより、米国特許
4,342,314号、カラム１６、ライン４７〜６２で記載されているように、トップ
シート形状は、トップシートを選択的に開口するという要請なしに達成すること
ができる。
しかし、バックシートを通して流体移動を防ぐということに加えて、通気性の
バックシートはまた、水蒸気と、好ましくは水蒸気、空気の両方をそれを通して
移送することができ、よって、バックシートと吸収性物品自体の中に及び外に空
気が循環することが可能となる。
ここで用いられる適切な通気性のバックシートは、従来公知の通気性のバック
シートから選択することができる。特に、２種類の通気性のバックシートがあり
、単一層の通気性バックシートは、通気性があり、液体に対して不透過性であり
、少なくとも二つの層を有するバックシートは、組合わせにより、通気性と液体
不透過性との両方を備えている。ここで通気性バックシートに用いる用語「液体
不透過性」は、物品から液体が損失することに対してバリアとなることのみに関
する。原則として、バックシートを通して物品に入る液体は、この用語により排
除されることを意図していない。
ここで用いた適切な単一層の通気性バックシートは、例えば、ＧＢＡ２１８４
３８９，ＧＢＡ２１８４３９０，、ＧＢＡ２１８４３９１，ＵＳ４５９１５２３
，ＵＳ３９８９８６７，ＵＳ３１５６２４２，及び欧州特許出願番号９５１２０
６５３．１に記載されている。
ここで用いる適切な二重又はマルチ層の通気性バックシートは、例えば、ＵＳ
３８８１４８９，ＵＳ４３４１２１６，ＵＳ４７１３０６８，ＵＳ４８１８６０
０，ＥＰＯ２０３８２１，ＥＰＯ７１０４７１，ＥＰＯ７１０４７２，欧州特許
出願番号９５１２０６４７．３，９５１２０６５２．３，９５１２０６５３．１
，及び９６８３００９７．０に記載されている。
特に好適には、欧州特許出願番号９６８３０３４３．８で規定される要求に適
合するバックシートであり、特に好適には、一般的な吸収性物品は、そこに記載
されている要求に適合するものである。
不発明によれば、通気性のバックシートは、少なくとも一つ、好ましくは少な
くとも二つの水蒸気透過性層を備えている。適切な水蒸気透過層には、二次元の
平面ミクロ及びミクロ多孔フィルム、モノリシックフィルム、巨視的に伸延した
フィルム及び形成開口フィルムがある。本発明によれば、層内の開口は、どのよ
うな形態でもよいが、好ましくは、球状または楕円である。開口はまたその寸法
が変化したものでもよい。好適な具体例では、開口は好ましくは、層の表面全て
にわたって均等に分布しているものがよいが、表面の或る領域のみ開口された層
でもよい。
ここで用いられる二次元平面フィルムは、平均径が５マイクロメータ乃至２０
０マイクロメータの開口を有する。一般的には、ここで用いられる適切な二次元
平面ミクロ多孔フィルムは、平均径が１５０マイクロメータ乃至５マイクロメー
タの開口を有し、好ましくは、平均径が１２０マイクロメータ乃至１０マイクロ
メータの開口を有し、最も好ましくは、平均径が９０マイクロメータ乃至１５マ
イクロメータの開口を有する。一般的には、二次元平面マクロ多孔フィルムは、
平均径が２００マイクロメータ乃至９０マイクロメータの開口を有する。ここで
用いられる適切な巨視的に伸延したフィルム及び形成開口フィルム（三次元フィ
ルム）は、一般的に１００マイクロメータ乃至５００マイクロメータの径を有す
る。本発明の具体例によれば、バックシートは、巨視的に伸延したフィルム又は
開口形成フィルムを備え、一般的にバックシートは、総バックシート表面領域の
５％を超える開口を有し、好ましくは１０％乃至３５％有する。
バックシートの適切な二次元平面層は、公知の任意の材料から作られる。しか
し、好ましくは、一般に入手可能なポリマー材から作られる。適切な材料として
は、例えば、いわゆる通気性の衣服への適用でよく知られたゴアテックス（商標
名）、シンパテックス（商標名）タイプの材料がある。他の適切な材料として、
米国、ミネソタ、セントポールのミネソタマイニングアンドマニュファクチャリ
ングカンパニーのＸＭＰ−１００１がある。ここで用いられているように、用語
、二次元平面層は、深さが１ｍｍより浅い深さを有する層をいい、好ましくは、
０．５ｍｍより浅い。ここで、開口はその長さ方向に沿って平均均一径を有し、
層の面から外にはみ出すものではない。本発明でバックシートとして使用される
開口材料は、例えば、ＥＰＯ２９３４８２及びそこで引用されように、公知の任
意の方法を用いて作られることができる。更に加えて、この方法で作られる開口
の寸法は、バックシート層の面にそって力を付与することにより増加することが
でき
る（例えば、層を一軸又は二軸伸延する）。
適切な開口形成フィルムには、分散した開口を備えたフィルムが含まれ、この
開口は層の衣服側の面の水平面を超えてコア方向に伸び、そのことにより突起（
三次元フィルム）を形成している。突起は、その末端に位置したオリフィスを有
している。好ましくは、上記突起は、漏斗形状で、ＵＳ３９２９１３５に記載さ
れたものに類似している。突起の末端でのオリフィスの断面寸法または領域がこ
の層の衣服側の面内にある開口の断面寸法または領域よりも小さいのであるなら
ば、この面内にある開口と突起の末端にあるオリフィスとは、それ自身、円又は
非円である。コアに向かう方向において一方向の液体移送能力が完全でない場合
、好ましくは、このような開口形成フイルムは、少なくとも実質的に有するよう
に単一の方向である。ここで用いられる適切な巨視的な伸延フィルムには、例え
ば、ＵＳ４６３７８１９とＵＳ４５９１５２２３とがある。
適切なモノリテックフィルムには、米国、デュポン社から入手可能なハイトレ
ルがあり、他の材料としてインデックス９３、セッション７Ａ「不織布の付加価
値」、ジェー シー カーデナル アンド ワイ トロイレット、デュポン ド
ニュモス インターナショナル エス エ 、スイスに記載されている。
本発明によれば、バックシートは、上記水蒸気透過層に加えて追加のバックシ
ート層を有している。この追加の層は、バックシートの上記水蒸気透過層のいず
れの側に設けることができる。追加層は何れの材料でもよく、バックシートの液
体移送抵抗を改良するものであれば、例えば、繊維不織布層、好ましくは疎水性
繊維と好ましくはメルトブローされた繊維、若しくはこれらが物品の基本的に通
気性を有し、好ましくは上述した追加の水蒸気透過層を設けることができる。
局所的なアタッチメント用の接着物
上記のように本発明の物品は、使用者の肌に直接適用される。特に、衛生ナプ
キンは、液体排出領域の周りの特に女性使用者の性器領域で適用される。本発明
の「肌」とは、使用者の特定の皮膚に限らず、粘液を分泌する細胞や一般に衛生
ナプキンの使用者の性器領域にある体毛をも含む。
使用者の肌に対する本発明の物品の固定をするために、着用者に面している物
品のトップシート上の或る領域に接着物を設けて、身体接着といわれる局部的な
アタッチメントとする。
この点に関して各種設計が予想されるが、好ましくは、身体接着物はトップシ
ートの周縁部に沿って設けて、物品の中央部が接着物のないままとする。これに
より、最も適切に物品を配置するのが容易となる。すなわち、浸出する液体が漏
れたりまたはこぼれたりする可能性がない状態で、吸収性物品の吸収構造物内に
すぐに移動されるように、その上に接着物のない液体透過性トップシートが身体
の液体が出るオリフィスに近い位置に配置される。
しかし、身体接着物をトップシートの周縁の回りに閉じて取り囲む必要はない
。アタッチメントの異なる位置間を離すように、ドットや破線のような増分領域
を設けて、このような物品の着用者に対して快適さが追加されるようにすること
もできる。
本発明の目的を満足するために、以下の点が考慮されるべきである。
身体接着物の物理、流動、及び接着特性
身体接着物が人のスキンヘア、粘液分泌細胞上に感圧接着物のように使用され
るとしても、感圧接着物要素は、このような材料の最も特徴的な流動挙動をもと
に、かろうじてやっと、典型的な感圧接着物（以下、ＰＳＡと称する）として考
えられるものである。
事実、接着物を知っている当業者は、ＰＳＡを一時的に物を固着する他の基材
（例えば、水）とを区別する最も特徴的な形態は、その流動パラメータと、特に
弾性率Ｇ’が適用される応力の振動数によって大変変化するということを知って
いる。特に、ＰＳＡのＧ’は、適用応力の振動数が代表的な結合振動数から、典
型的な剥離振動数、すなわち、以下に示す1rad/sから100rad/sに変化する際に、
その量が或るオーダーにわたって増加することができる。
第１の結果として、流動性パラメータ値と、特に一定の振動数でのＧ’の値を
示すことにより、「接着物」として使用される材料を定義することは許容され難
いことが導かれる。他の特性がない状態では、実用的な価値のない材料を含むよ
うになってしまう可能性があるので、このことは、誤解を招くこととなる。従っ
て、流動特性は動的な考慮をベースにしておこなわなければならない。
これは、弾性率Ｇ’に適用するのに限らず、粘性率Ｇ’’にも適用し、従って
、
ｔａｎ（δ）＝Ｇ’’／Ｇ’にも適用する。典型的なＰＳＡは、考慮される振動
数にわたってＧ’のバリエーションが高いだけでなく、Ｇ’’のバリエーション
もより高く、Ｇ’’の値は、Ｇ’の値に近く成いはより高くなる。すなわち、特
に典型的な剥離の振動数において、ｔａｎ（δ）は、約１又は１よりも高くすら
なると思われる。
理論的に確定されることを望まなくとも、このことは剥離に適用されるエネル
ギーの相当量が内部摩擦で放散され（すなわち、剥離をするのに有効ではない）
、他方、この事実により大変高い接着力レベルが巨視的に記録されることとなる
意味であると解釈されうる。
例えば、約１rad/sの振動数で、良好な結合状態とするために、弾性率の絶対
値が高くなりすぎないようにすべきであり、そうしないと、接着物は硬くなりす
ぎて接着しようとする表面に密接に結合しまたはぴったりつくことができない。
また、材料のソフトさと肌に対する接着のやさしさを維持しつつ、Ｇ’’の絶対
値を低くして、人の身体に直接適用するために特に価値のある良好な密着性をも
つようにすることも重要である。
最後に、当業者であれば、ＰＧＡのガラス転移温度Ｔｇは、有効なＰＳＡ材料
のグループを完全に、より十分に定義するパラメータとして認識できる。
上述のように、本発明の身体接着物として有効な材料は、流動特性を有し、こ
の特性は、身体温度として３７℃の参照温度で測定され、振動数範囲内である。
身体接着物を備えた物品をを適用することに関し、接着接触は、低い振動数で形
成され、一方、剥離は物品を除去する速度で起こることがわかる。この速度は、
１００ｒａｄ／ｓの振動数で表現され、接着物を形成する低い振動数は、1rad/s
のオーダーであることがわかっている。従って、本発明で使用される振動数範囲
は、１〜100rad/sである。次の特性を満たす必要がある。
振動数の範囲で、弾性率Ｇ’３７のパーセント変化は、１ｒａｄ／ｓのＧ’３
７に対して、１５０％以下で、好ましくは１００％未満で、より好ましくは８０
％未満であり、好ましくは絶対値で１００００Ｐａ未満である。これは、以下に
例示する身体接着物に適合される。一方、例えば、従来技術で引用されたプロメ
オン ＲＧ−６３Ｂは、同じ振動数範囲で、Ｇ’３７の３３１％の変動を示し、
本
発明では適用できない。
この振動数範囲では、粘性率Ｇ’’３７のパーセント変動は、１００００Ｐ以
下、好ましくは５０００Ｐａ以下、最も好ましくは１０００Ｐ以下である。
少なくとも、振動数範囲１rad/s〜100rad/sの範囲で、Ｇ’３７／Ｇ’’３７
の比の値は、好ましくは１以上、より好ましくは１．６以上、最も好ましくは３
．３以上、ただし、好ましくは約５０を超えないものとすべきである。
適用振動数１rad/sでのＧ’／Ｇ’’は、３７℃で測定されたことに注意すべ
きである。本発明の物品の実用的な使用では、物品の実際の貯蔵温度、従って、
適用される身体接着物の温度は広く変化する。すなわち、ラジエータに近い熱い
バスルームでの貯蔵では、約３７℃までに達する。一方、貯蔵室又は加熱してい
ないバスルームで、窓を開放した冬の期間での貯蔵は０℃に近い。しかし、本発
明の物品は、肌に直接使用され、一般に、着用者は、冷たすぎる物品を適用した
くないので、実際の身体接着物の温度は大変急速に３７℃に達し、或いは、適用
前に着用者によって暖められたりさえもする。接着結合特性は、身体温度で最も
適切に選択される。
上述のように、流動挙動は、ガラス転移温度の値に関係する。本発明の身体接
着物は、ガラス転移温度Ｔｇが好ましくは−１５℃未満、より好ましくは−２０
℃未満、最も好ましくは−２５℃未満である。
身体接着物の化学的、組成的特性
身体接着物の上記流動性、物理的特性の要求を満たすために、更に加えて、次
の調合基準を用いることができる。身体接着物として有益な組成の大部分は、実
質的にゲル状構造で好ましくはゲルである。このことは以下の事実から導かれる
。
広く用いられている構成要素は、室温で液体の材料である。
高分子又はポリマー要素は、可塑化材に対して少量存在している。好適な具体
例では、分子間で物理的、化学的なリンクによる三次元ネットワークを形成して
いる。特に、有益な物理的リンクは、ブロック熱可塑性エラストマーを含むシス
テム中にあるものである。
より具体的には、組成は、
重量パーセントで、０．５乃至２０％、好ましくは５％乃至１５％の高分子ポリ
マー基体またはその混合物で、以下の可塑化材中で溶解可能又は膨張可能である
。実施例に限定されないので、このような高分子又はポリマー基体は、天然及び
／又は合成物、例えば、天然ゴム類及びゼラチン類、これらの誘導体及びアルギ
ナート類、などの、天然ゴム又はその誘導体、ポリアクリル類、ポリビニルアル
コール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリデン（ＰＶＰ）またはポリ
ビニルエーテル類、これらのコポリマー及び誘導体、セルロース誘導体、ブロッ
クコポリマー熱可塑性エラストマー、好ましくはスチレンブロックコポリマー、
最も好ましくは、水素添加グレードのスチロール／エチレン−ブチレン／スチロ
ール(ＳＥＢＳ)、スチレン／イソプレン／スチレン（ＳＩＳ）、及びスチロール
／エチレン−プロピレン／スチロール（ＳＥＰＳ）とすることができる。
重量パーセントで、５１乃至９９．５％の可塑化材または可塑化基体の混合物
、これは室温で液体である。例示材に限定されるものではないが、可塑化材は、
水、各種アルコール類（特にグリセロール中のような）、グリコール類、ポリグ
リコール類、液体ポリブテン類、植物オイル、鉱物オイル、またはこれらの組合
わせなどの天然または合成オイル類とすることができる。
粘着性樹脂に対し、重量パーセントで、０乃至６００％の高分子ポリマー基体
。その主目的は、合成ポリマーに関して特にシステム中のＴｇを調整することで
ある
重量パーセントで、基体の０乃至１０％、より好ましくは０乃至５％、これは
、疎水性又は親水性液体可塑材の両方のゲル化を容易にし、安定化するためのも
のである。これらは、油性システム用とするこができ、例えば、Ｃ8乃至Ｃ22の
脂肪酸、その金属塩、そのポリオクソ誘導体、ラノリン誘導体、シリカ、ベント
ナイト、モントモリロナイトおよびその誘導体、ポリアミド、ワックス類、又は
それらの混合物がある。
公知の通常の添加物、例えば、防腐剤、抗酸化剤、抗ＵＶ、顔料、鉱物繊維、
流動性修正材等も各１０％までの量で含むことができる。
化学的なクロスリンクがシステム中で形成される場合、クロスリンク材は好ま
しくは、５重量パーセントまでの量存在できる。化学的なクロスリンクは、ポリ
アクリル酸とポリサッカライドとの間の反応のように異なる機能をもつポリマー
の相互の中和によっても形成される。
身体接着物のために得られる組成は、主成分の性質に応じて三つの類型に分割
できる。すなわち液体可塑化材：
１） 疎水成分：ここには、可塑化材は、一般にオイル又は植物又は鉱物起源の
オイルのブレンドで、ポリマーは普通合成ポリマー、好ましくは、オイルに溶融
し若しくは膨張するエラストマーである。
２） 混合相成分：ここには、疎水性と親水性の成分の両方、可能であれば、可
塑化材とポリマーの両方が、二若しくはそれ以上の分離相を形成する。このよう
な場合、乳化材／表面活性剤は、好ましくは、適切なレベルにあり、不整合相間
で安定したエマルジョンを形成するようにする。本発明の身体接着物では、疎水
成分が親水成分に対して、優勢であるのが好ましい。
３） 親水成分：ここには、一般に可塑材が水／グリセロール／グリコール類等
及び／又はその混合物で、ポリマー相は合成（例えば、ポリアクリル）または天
然（例えば天然ゴム）起源又はその混合物である。
医学分野で既に知られていること及び引用した従来技術とは違って、親水性の
構成物は、好ましくない。一方、疎水性及び混合相の構成物１）及び２）は本発
明に好適に適用される。
これは、医学分野で使用される親水性構成物は、ここに有効に適用するには、
弾性特性や結合性が低すぎるという、技術的な理由に一部依存している。疎水性
及び混合相の構成物が好ましい他の理由は、本発明を、特に、衛生ナプキン分野
に適用する場合、身体接着物が吸収液体と接触する可能性を有するためである。
吸収液体は、全て一般的に水性状態なので、親水性身体接着物との接触は、身体
接着物内に体液の吸収が生じる結果となることが確実である。
このことにより、流動特性が変化し、身体接着物の機能は、非衛生的となるだ
けでなく、体液が長期間直接肌に接触したままとなり、これは本発明の使い捨て
吸収性物品のどれをとっても全く好ましくはないものである。更に加えて、この
ことは、使用者にとって潜在的な欠点となる。何故なら、親水性構成物は、病原
菌さえ含む多くの微生物の成長にとって潜在的に良好な媒体となるからである。
更に、親水性身体接着物は、寒さや湿気として考えられる傾向にあり、新鮮な
衛生ナプキン又は脇の下のスウェットパッドへの適用に関して、一般の使用者の
期待に沿うものではない。更なる問題は、特に、可塑化材としての水を含む身体
接着物が、被透過性パッケージ内にシールされていないと、乾燥してしまう傾向
にあるということである。
本発明の吸収性物品は、従来の通常の方法のいずれにおいても作ることができ
る。吸収性物品のトップシート側に対して接着物を適用することは、当業者に対
して主な問題をおこすものとすべきではない。何故なら、パンティ固定接着物に
一般に使用されるのと同様の技術により提供できるためである。身体接着物によ
りカバーされる吸収性物品の着用者側の面の総領域は、２０％を超えるべきでは
なく、好ましくは１０％以下とする。好ましくは、接着物は吸収性物品の周縁に
近く、フィルムトップシートの場合（又はバックシートがトップシート上に折り
込まれた場合）、接着物は、好ましくは、液体に対して透過性のないフィルム部
分上にある。
物品の身体接着物（通常、パンティ固定接着物を有するような）は、使用前に
保護されている必要はない。シリコン化処理又は表面活性化処理したペーパーの
ようなリリースライナが、特に選択された身体接着物に対して良好なリリース表
面であるならば、このリリースライナーを設けて保護するようにすることができ
る。
第一に、本発明の吸収性物品は、身体接着物により着用者上にサポートされ、
所定の場所に維持するために、サポートを追加する必要はない。しかし、例えば
、バックシート上を覆う滑り抵抗を有する衛生ナプキンを設けて、衛生ナプキン
が次第にその位置から移動するのを防止することも可能である。更に、本発明で
はパンティ固定接着物は、望ましくはなく、従って、好ましくはないとしても、
本発明に関連して、厳密な意味でこれらを排除しているものではない。実施例１
本発明で有益なオイルベース混合物は、シェル社から入手できる、スチレンを
３３重量パーセント含む、スチレン／エチレン−ブチレン／スチレンブロックコ
ポリマーである、９．９重量％のクラトン Ｇ-1651、及び、ワトコ社から入手
できるパラフィンミネラルオイルである、５９．３重量パーセントのカイドルで
あ
る。
さらに、この混合物は、クラトンポリマー１００部に対して、粘着樹脂を３０
１部含んでいる。粘着樹脂は、エクソン社から入手できる水素添加樹脂である、
エスコレツ ５３００である。
カルロエルバＳ．ｐ，Ａから入手可能なステアリン酸マグネシウムは、オイル
に対する共ゲル化材として0.7重量パーセントのレベルで用いられた。
チバガイギから入手できるイルガノクス１０１０は、０．３重量パーセントの
レベルで添加された。
最終組成は以下のパーセント組成である。
クラトン Ｇ-1651 ９．９重量パーセント
カイドル ５９．３重量パーセント
アエスコレツ 5300 ２９．８重量パーセント
ステアリン酸マグネシウム ０．７重量パーセント
イルガノクス 1010 ０．３重量パーセント
この組成は、次の流動特性を示す。
ａ） 1rad/sでの弾性率、Ｇ’３７＝６８７６Ｐａ
ｂ） 1rad/sでの弾性率と粘性率の比、Ｇ’３７／Ｇ’’３７＝１２．４９
100rad/sでの弾性率と粘性率の比、Ｇ’３７／Ｇ’’３７＝７．０１
ｃ） 1rad/sでのＧ’３７に対して100rad/sでのＧ’３７の比は、1.308である
。
上記の組成は、感じ易い体毛性肌に快適に適用できることが判断される。比較例
オイルベース混合物は、シェル社から入手できる、スチレンを３３重量パーセ
ント含む、スチレン／エチレン−ブチレン／スチレンブロックコポリマーである
、７．１重量％のクラトン Ｇ-1651、及び、ワトコ社から入手できるパラフィ
ンミネラルオイルである、４１．９重量パーセントのカイドルである。
さらに、この混合物は、クラトンポリマー１００部に対して、粘着樹脂を704
部含んでいる。粘着樹脂は、ヘルキュール社から入手できる炭化水素樹脂である
、レガレツ 3102である。
カルロエルバＳ．ｐ，Ａから入手可能なステアリン酸マグネシウムは、オイル
に対する共ゲル化材として0.7重量パーセントのレベルで用いられる。
チバガイギから入手できるイルガノクス１０１０は、０．３重量パーセントの
レベルで添加された。
最終組成は以下のパーセント組成である。
クラトン Ｇ-1651 ７．１重量パーセント
カイドル ４１．９重量パーセント
レガレツ 3102 ５０．０重量パーセント
ステアリン酸マグネシウム ０．７重量パーセント
イルガノクス 1010 ０．３重量パーセント
この組成は、次の流動特性を示す。
ａ） 1rad/sでの弾性率、Ｇ’３７＝３０５９Ｐａ
ｂ） 1rad/sでの弾性率と粘性率の比、Ｇ’３７／Ｇ’’３７＝２．５３
100rad/sでの弾性率と粘性率の比、Ｇ’３７／Ｇ’’３７＝０．７４
ｃ） 1rad/sでのＧ’３７に対して100rad/sでのＧ’３７の比は、４．９４４
である。
上記の組成は、前腕肌に適用するに相当不快であると判断された。感じ易い体
毛性肌への適用は認められなかった。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考）
Ａ６１Ｆ 13/511
(81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，
ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ
Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ
，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，
ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ
Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ
，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＪ)，ＡＬ，ＡＭ
，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，
ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ
Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ
，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，
ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ
Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ
，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，
ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，Ｖ
Ｎ，ＹＵ，ＺＷ