【発明の詳細な説明】
AIDSの治療に有効なHIVプロテアーゼインヒビター
本出願は、U.S.5,413,999、Merck Case 18416
、EPO 550924に関連している。
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によりエンコードされたプロテア
ーゼを阻害する化合物、または医薬的に許容されるそれらの塩であって、HIV
による感染の予防や、HIV感染の治療、及び感染結果として生じる後天性免疫
不全症候群(AIDS)の治療に有用な化合物に関する。更に、本発明は、その
化合物を含有する医薬的組成物及び、本発明の化合物とAIDS及びHIVによ
るウイルス感染を治療するための他の薬剤との使用方法に関する。発明の背景
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と呼ばれるレトロウイルスは、免疫系の進行
性破壊(後天性免疫不全症候群;AIDS)ならびに中枢神経系及び末梢神経系
の変性を含む複雑な疾患の病因物質である。以前、このウイルスは、LAVや、
HTLV−III、あるいはARVとして知られていた。レトロウイルス複製の
共通の特徴は、ウイルスによりエンコードされたプロ
テアーゼによる前駆体ポリタンパク質の広範囲にわたる翻訳後プロセシングによ
り、ウイルスの構築及び機能に必要な成熟ウイルスタンパク質が生成されること
である。このプロセシングを阻害することにより、通常の感染性ウイルスの生成
を妨げることができる。例えば、Kohl,N.E.ら(Proc.Nat’l
Acad.Sci.,85、4686(1988))は、HIVでエンコードさ
れたプロテアーゼを遺伝的に不活化することにより、未熟な非感染性ウイルス粒
子が生成されることを示した。これらの結果は、HIVプロテアーゼの阻害がA
IDSの治療やHIVによる感染の予防または治療にとって有望な方法であるこ
とを表している。
HIVのヌクレオチド配列は、1つのオープンリーディングフレーム(読み取
り枠)にpol遺伝子が存在することを示している[Ratner,L.ら、N
ature,313、277(1985)]。アミノ酸配列の相同性は、pol
配列が逆転写酵素、エンドヌクレアーゼ、及びHIVプロテアーゼをエンコード
する証拠を示している[Toh,H.ら、EMBO J.,4、1267(19
85);Power,M.D.ら、Science,231、1567(198
6);Pearl,L.H.ら、Nature,329、351(1987)]
。出願
人は、本発明の化合物がHIVプロテアーゼのインヒビターであることを示す。
出願人は、ペプチド類似体のノルボルネン誘導体が有力なHIVプロテアーゼ
インヒビターであることを発見した。発明の簡単な説明
ここに、以下に定義する式IまたはIIの化合物が開示される。これらの化合
物は、他の抗ウイルス薬、免疫調節物質、抗生物質またはワクチンと組み合わせ
るか否かに関わらず、化合物、医薬的に許容されるそれらの塩または医薬的な組
成成分として、HIVプロテアーゼの阻害、HIVによる感染の予防、HIVに
よる感染の治療及びAIDSの治療に有用である。また、AIDSの治療法や、
HIVによる感染の予防法、及びHIVによる感染の治療法についても開示され
る。
本明細書では幾つかの略語が使用されるが、それらを以下に示す。活性化グループ
呼称
HBT(HOBTまたはHOBt):1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物カップリング試薬
EDC:塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドその他
DMF:ジメチルホルムアミド
Et3N:トリエチルアミン
EtOAc:酢酸エチル発明の詳細な説明及び好適な実施態様
本発明は、HIVプロテアーゼの阻害、HIVによる感染の予防または治療、
及び感染結果として生じる後天性免疫不全症候群(AIDS)の治療に有用な、
式IもしくはIIの化合物、それらの混合物、または医薬的に許容されるそれら
の塩に関するものである。式IまたはIIの化合物は以下のように定義される:
または
ここで、R及びR1は、独立して
a)水素、
b)以下の1つもしくはそれ以上のもので置換された、または置換されていな
い−C1-4アルキル、
i)ハロ、
ii)ヒドロキシ、
iii)C1-3アルコキシ、
iv)C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ニトロ、アミノ、アミド、カルボ
キシ、ヒドロキシ、ハロ、もしくはアリールのうちの1つもしくはそれ以上のも
ので置換された、または置換されていないアリール;
v)−W−アリールまたはW−ベンジル(Wは−O−、−S−、または−N
H−である);
vii)C1-4アルキル、ヒドロキシ、もしくはハロのうちの1つもしくは
それ以上のもので置換された、または置換されていない複素環;
viii)カルボキシル;
c)3−位置がC1-4アルキルで置換された、または置換されていない−C3-5
シクロアルキル;
d)ハロ、C1-4アルキル(1回もしくはそれ以上のヒドロキシで置換された
、または置換されていない)で置換された、または置換されていないアリール;
または
e)RとR1が互いに結合し、4−6員からなるシクロアルキルまたは複素環
を形成している;及び
R2は、
a)水素;
b)−OHもしくはC1-3アルコキシのうちの1つもしくはそれ以上のもので
置換された、または置換されていないフェニル;
c)−OHもしくはC1-3アルコキシのうちの1つもしくはそれ以上のもので
置換された、または置換されていないC5-7シクロアルキル;または
d)C1-4アルキル;及び
R3は、−CH2NR5R6、または
;及び
R4は、
a)5から7員からなり、−C1-4アルキル、オキソ、アミノ、もしくはハロ
のうちの1つもしくはそれ以上のもので置換された、または置換されていない複
素環;
b)−C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ニトロ、オキソ、アミノ、アミド、
カルボキシ、ヒドロキシ、ハロ、もしくはアリールのうちの1つもしくはそれ以
上のもので置換された、または置換されていないアリール;
c)アリール、またはC1-4アルキル(5から7員からなる複素環で一回置換
された、もしくは置換されていない);または
d)3−位置がC1-4アルキルで置換された、または置換されていないC3-5シ
クロアルキル;及び
R5は、
a)−V−R4(Vは−C(O)−Q−もしくは−SO2−Q−
であって、Qは存在しないか、−O−、もしくは−NH−である);及び
R6は、
a)水素、
b)以下の1つもしくはそれ以上のもので置換された、または置換されていな
い−C1-4アルキル
i)ハロ、
ii)ヒドロキシ、
iii)C1-3アルコキシ、
iv)C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ニトロ、アミノ、アミド、カルボ
キシ、ヒドロキシ、ハロ、もしくはアリールのうちの1つもしくはそれ以上のも
ので置換された、または置換されていないアリール;
v)−W−アリールまたはW−ベンジルであって、ここで、Wは−O−、−
S−、または−NH−である;
vi)C1-4アルキル、ヒドロキシ、もしくはハロのうちの1つもしくはそ
れ以上のもので置換された、または置換されていない複素環;
vii)カルボキシル;
c)3−位置がC1-4アルキルで置換された、または置換されていない−C3-5
シクロアルキル;または
d)C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ニトロ、アミノ、アミド、カルホキシ
、ヒドロキシ、ハロ、もしくはアリールのうちの1つもしくはそれ以上のもので
置換された、または置換されていないアリール;及び
Jは、
またはそれらの医薬的に許容可能な塩。
本発明の好適な化合物は以下のものを含む:化合物A 化合物B もしくは化合物C またはそれらの医薬的に許容可能な塩。
本発明の化合物は、非対称中心を持っていてもよく、また、ラセミ化合物、ラ
セミ混合物として生じてもよく、更に、本発明に包含される全ての異性体形態を
有する個々のジアステレオマーまたは鏡像異性体として生じてもよい。
ある構成要素または式IもしくはIIにおいて何らかの変化(例えば、アリー
ル、複素環、R、R1、R2等)が2回以上ある場合、各変化についての定義は、
他の変化の定義とは無関係である。また、置換基及び/又は変化の組み合わせは
、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
特に断りのない限り、ここで使用する「アルキル」という用語は、特定の数の
炭素原子を有する分枝鎖飽和脂肪族炭化水素グループと直鎖飽和脂肪族炭化水素
グループの両方を含むものとする(Meはメチルであり、Etはエチルであり、
Prはプロピルであり、Buはブチルである);「アルコキシ」という用語は、
酸素ブリッジにより結合された指定した数の炭素原子を有するアルキル基を表し
ている;また、「シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル(Cyh)、及びシクロヘプチル等の飽和
環状グループを含むものとする。ここで用いる「ハロ」という用語は、フルオロ
、クロロ、ブロモ、及びヨードを意味している。
特に断りのない限り、ここで用いる「アリール」という用語は、フェニル(P
h)またはナフチルを意味するものとする。
また、特に断りのない限り、ここで用いる「複素環」あるいは「複素環式」と
いう用語は、安定な5から7員からなる単環式あるいは二環式の複素環式環状シ
ステム、あるいは安定な7から10員からなる二環式の複素環式環系を表してい
る。これらを構成する環は飽和型でも不飽和型でもよく、炭素原子と、N、O、
及びSからなるグループから選択される1つから3つまでのヘテロ原子とから成
っている。ここで、窒素と硫黄のヘテロ原子は任意的に酸化されていてもよく、
また、窒素ヘテロ原子は任意的に第四級化されていてもよい。更に、上記用語は
、以上で定義した複素環式の環のいずれかがベンゼン環に融合しているあらゆる
二環式グループも含む。複素環式の環は、安定な構造をもたらすどんなヘテロ原
子あるいは炭素原子に結合していてもよい。そのような複素環式構成要素の例は
、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジ
ニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、
アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾ
リジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラ
ジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソ
オキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジ
ニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、キ
ノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラ
ニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、
テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモ
ルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、及びオキサジアゾリルを
含む。
式IまたはIIで表される化合物の医薬的に許容される塩(水溶性もしくは油
溶性、または分散性生成物の形態における)は、例えば無機もしくは有機の酸ま
たは塩基から形成される通常の無毒の塩または第四級アンモニウム塩を含む。そ
のような酸付加塩の例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン
酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸
水素塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シク
ロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン
酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプ
タン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロ
キシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナ
フタリンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモエート、ペクチン酸塩
、ペルオキソ硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩
、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、及び
ウンデカン酸塩を含む。また、塩基付加塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、
カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土
類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩等の有機塩基を有する塩、N−メチル−D
−グルカミン、及びアルギニンやリジン等のアミノ酸を有する塩を含む。また、
塩基性の窒素含有グループを、メチル、エチル、プロピル、及びブチル塩化物、
臭化物、及びヨウ化物等の低級アルキルハロゲン化物;ジメチル、ジエチル、ジ
ブチル
等のジアルキル硫酸塩;及び、ジアミル硫酸塩や、デシル、ラウリル、ミリスチ
ル、及びステアリル塩化物、臭化物、及びヨウ化物等の長鎖ハロゲン化物、ベン
ジル及びフェネチル臭化物及びその他等のアラルキルハロゲン化物等の物質によ
り、第四級化してもよい。他の医薬的に許容される塩は、エタノール硫酸塩や硫
酸塩を含む。
本発明の新規化合物を調製するための反応図式1−6が以下に示されている。
反応図式中で使用されている特定の置換基は例示のために用いたものであり、反
応図式はそれらに限定されるものではない。また、特定の化合物に対する以下の
反応図式の適用を例証するため、特に幾つかの例が示されている。
本発明の化合物を形成するために使用されるアミドカップリングは、典型的に
は、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたは1−エチル−3−(3−ジメチル−
アミノプロピル)カルボジイミド等の試薬を用いたカルボジイミド法により行わ
れる。アミドまたはペプチド結合を形成するための他の方法は、これに限定する
ものではないが、酸塩化物、アジド、混合無水物、あるいは活性エステルを経る
合成経路を含む。典型的には液
相のアミドカップリングが行われるが、代替的に、古典的なMerrifiel
d法による固相合成法を用いてもよい。1つもしくはそれ以上の保護基の添加及
び除去も慣例的によく行われる。
関連する合成法のバックグラウンドに関する更なる情報が、EPO 0337
714に記載されている。
反応図式1は、特にNRR1基がモルホリンを形成する場合の、本発明の化合
物の合成法を例示している。ジカルボン酸塩「1」はペプチドカップリング試薬
EDCの存在下においてモルホリンに結合され、「2」を生じる。ついで、DB
Uとの反応で「3」が生じ、塩基と反応させることにより、このエステルがカル
ボン酸「4」に転化される。次に、EDCを用いて「4」を「5」(EP 55
0924に従って調製したもの)とカップリングさせることにより、「6」が得
られる。反応図式1 また、様々なアミドが置換された鏡像異性体的に純粋なノルボルネニルカルボ
ン酸「6」の合成法の概略が反応図式2に示されている。Hamanakaら(
N.Hamanaka)T.Seko、T.Miyazaki、M.Naka、
K.Furuta、及びH.Yamamoto;Tetrahedron Le
tt.,1989、30、2399−2402)の手順に従って、ヨードラクト
ン「7」を調製した。エチルアルコール中における触媒量の濃硫酸を用いて加熱
することにより、化合物「7」をエステル化してエチルエステル「8」を得た。
その後、酢酸中において「8」を亜鉛で処理することにより、化合物「9」を得
た。化合物「9」の酸部分を対応する酸塩化物(10)に転化し、次いで、その
酸塩化物を様々なアミンに結合させることにより、アミド「11」を得た。更に
、DME−水中におけるLiOHで処理することにより、化合物「11」のエチ
ルエステル部分を加水分解して対応する酸「12」を得た。反応図式2 反応図式3は、ノルボルネン−ヒドロキシエチルピペラジンクラスのインヒビ
ターにおけるインヒビター分子のピペラジンサイドの調製を示している。化合物
「13」(D.Askin、K.K.Eng、K.Rossen、R.M.Pu
rick、K.M.Wells、R.P.Volante、及びP.J.Rei
der;Tetrahedron Lett.,1994、35、673−67
6)を、ジイソプロピルエチルアミンの存在下において、m−ニトロフェニル−
スルホン酸(S)−グリシジルと反応させることにより、エポキシド「15」を
得た。イソプパノール中におけるLiN3で化合物「15」のエポキシド部位を
開くことにより、化合物「16」を得た。触媒Pdの存在下において水素雰囲気
中で化合物「16」を還元することにより、遊離アミン「17」を得た。反応図式3 反応図式4に示されているように、化合物「12」と「17」を、DMF中の
HOBT、EDC、及びトリエチルアミンを用いて、ペプチドカップリング条件
下で結合させることにより、化合物「18」を得た。化合物「18」を気体状の
HClで処理してBoc基を脱保護することにより、遊離アミン「19」が生成
した。「20」または「21」等の置換された化合物の調製は、反応図式4に示
されているように行った。反応図式4 反応図式5は、ノルボルネン−ヒドロキシエチルスルホンアミドクラスのイン
ヒビターの合成法を示している。イソブチルアミンを塩化アレ−ンスルホニルに
結合させ、化合物「22」を得た。化合物「22」のスルホンアミドグループを
、まずnBuLiで脱プロトン化し、次いで、エピクロロヒドリン等の適当なア
ルキル化剤を付加することにより、アルキル化した。化合物「23」のエポキシ
ド部位をアジドグループで開き、対応するアジドアルコール(化合物「24」)
を還元してアミン「25」を得た。次いで、カップリング試薬としてHOBT及
びEDCを用いてアミン「25」をノルボルネニル酸(化合物「12」)に結合
させることにより、化合物「26」を得た。ノルボルネニル側鎖に様々なアミド
が結合した種々の化合物を調製した。反応図式5 反応図式6は、ノルボルネン−ペンタンアミドクラスのインヒビターの一般的
な合成法の概略を示している。エポキシド「27」(D.Askin、K.K.
Eng、K.Rossen、R.M.Purick、K.M.Wells、R.
P.Volante、及びP.J.Reider;Tetrahedron L
ett.,1994、35、673−676)を、イソプロパノール中で加熱す
ることによりLiN3で開き、アジドアルコール「28」を得た。次いで、水素
雰囲気下で触媒Pdを用いて、そのアジド部位を、対応するアミンに還元するこ
とにより、化合物「29」を得た。その後、気体状のHClを通すことにより化
合物「29」の保護基を除去し、化合物「30」を得た。次に、HOBT及びE
DCカップリング条件下において化合物「30」を酸「12」に結合させること
により、化合物「31」を得た。ノルボルネニル側鎖に様々なアミドが結合した
種々の化合物を調製した。反応図式6 本発明の化合物は、抗ウイルス化合物の調製及びスクリーニング検定を行う上
で有用である。例えば、本発明の化合物は、酵素の突然変異体を単離するのに有
用であり、より強力な抗ウイルス化合物を得るための優れたスクリーニング手段
となる。更に、本発明の化合物は、例えば競合的阻害により、他の抗ウイルス薬
のHIVプロテアーゼへの結合部位を確定または決定するのに有用である。従っ
て、本発明の化合物は、これらの目的で市販製品である。
本発明の化合物は、HIVプロテアーゼの阻害や、ヒト免疫不全ウイルス(H
IV)による感染の予防または治療、及び、AIDS等の結果として生じる病的
状態の治療、及びそのような病的状態の発現の遅延に有用である。AIDSの治
療、またはHIVによる感染の予防あるいは治療は、これに限定するものではな
いが、以下に示すような広い範囲に亘るHIV感染の状態を治療することを含む
ものとして定義される:症候性のものも無症候性のものもどちらも含む、AID
S、ARC(AIDS関連症候群)、及び、HIVに対する実際の被曝、または
潜在的可能性としての被曝。例えば、本発明の化合物は、輸血
や、臓器移植、体液の交換、咬傷、事故による針の穿刺、あるいは手術中におけ
る患者血液への被曝等により、過去にHIVに被曝した疑いがある場合のHIV
による感染を治療するのに有用である。
これらの目的のため、本発明の化合物は、経口的に、非経口的に(皮下注射や
、静脈注射、筋肉注射、胸骨内注射、あるいは注入法を含む)、吸入スプレーに
より、あるいは経直腸的に、通常の非毒性の医薬的に許容可能な担体や、添加剤
、及び賦形剤を含む薬用量単位の処方で投与することができる。
従って、本発明により、更に、HIV感染症及びAIDSを治療するための治
療法や医薬的組成物が提供される。本発明に基づく治療は、そのような治療が必
要な患者に、医薬的な担体と、治療上有効量の本発明の化合物あるいは医薬的に
許容可能なその塩とからなる医薬的組成物を投与することを含んでいる。
これらの医薬的組成物は、経口的に投与可能な懸濁液や錠剤;鼻用スプレー;
例えば滅菌注射用の水性もしくは油脂性の懸濁液等の滅菌注射用製剤、または坐
剤の形態であってよい。
懸濁液として経口的に投与する場合、これらの組成物は、薬
剤の処方に関する技術分野で良く知られた方法により調製され、嵩上げするため
の微晶質セルロース、懸濁剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、
粘度増強剤としてのメチルセルロース、及び当分野で知られている甘味剤/香味
剤を含むことができる。即時放出型の錠剤として使用する場合、これらの組成物
は、微晶質セルロースや、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネ
シウム、もしくはラクトース及び/又は当分野で知られている他の賦形剤、結合
剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤、及び潤滑剤を含んでいてもよい。
鼻用エアロゾルまたは吸入により投与する場合、これらの組成物は、薬剤の処
方に関する技術分野で良く知られた方法により調製され、ベンジルアルコールあ
るいは他の適当な保存剤、生体内有効利用率を高めるための吸収促進剤、フルオ
ロカーボン、及び/又は当分野で知られている他の可溶化剤または分散剤を用い
、生理食塩液中の溶液として調製することができる。
注射用の溶液もしくは懸濁液は、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水
、リンゲル液、もしくは等張食塩水等の適当な無毒で非経口的に使用することが
できる希釈剤もしくは溶剤、
または、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む滅菌された温和な脂肪
油、及びオレイン酸を含む脂肪酸等の適当な分散剤もしくは湿潤剤、及び懸濁剤
を用いて、既知の技術により処方することができる。
坐剤の形態で経直腸的に投与する場合、これらの組成物は、その薬剤に、通常
の温度では固体であるが、薬剤を放出するため直腸腔で液化及び/又は溶解する
カカオバター、合成グリセリドエステル、またはポリエチレングリコール等の適
当な非刺激性の賦形剤を混合することにより調製することができる。
以上に指示された状態の治療または予防には、一日当たり、約0.02グラム
から5.0グラムあるいは10.0グラムの用量レベルが有用である。但し、経
口的に投与する場合は、用量が2倍から5倍高くなる。例えば、HIVによる感
染は、体重1キログラム当たり1.0ミリグラムから50ミリグラムの本発明の
化合物を1日に1回から4回投与することにより、効果的に治療することができ
る。1つの好適な投与計画では、6時間毎に100mgから400mgの用量が
各患者に経口的に投与される。しかし、個々の患者に対する特定の用量レベル及
び投薬の頻度は、使用する特定の化合物の活性や、その化合物の代謝の安定性及
び作用の長さ、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、摂食状態、投与方法及び
投与時間、排泄速度、薬剤の組み合わせ、個々の状態の重症度、及び投与される
患者が受けている治療法等により、変わり得ることが理解されよう。
また、本発明は、本発明のHIVプロテアーゼ阻害化合物を、AIDSの治療
に有効な1つもしくはそれ以上の薬剤と組み合わせて用いる場合にも指向される
。例えば、本発明の化合物は、被曝前及び/又は被曝後のいずれの時期において
も、当分野における通常の技術を有する者に知られている有効量のAIDS抗ウ
イルス薬や、免疫調節物質、抗感染薬、あるいはワクチンと組み合わせて効果的
に投与することができる。 本発明の化合物を他のAIDS抗ウイルス薬や、免疫調節物質、抗感染薬、あ
るいはワクチンと組み合わせの範囲は、上記の表に列記されているものに限らず
、原則的には、AIDSの治療に有効なあらゆる医薬的化合物との組み合わせを
含むことが理解されよう。
ddCや、ddI、及びAZTの合成もEPO 484071
に開示されている。
好適な組み合わせは、HIVプロテアーゼのインヒビターと、AZTや、dd
C、またはddI等のHIV逆転写酵素のヌクレオシドインヒビターを同時ある
いは交互に用いることである。好適なHIVプロテアーゼのインヒビターは化合
物A−Dであり、最も好適なものは化合物E及びFである。
微生物発現HIVプロテアーゼの阻害検定
大腸菌に発現されたプロテアーゼとペプチド基質[反応開始時におけるVal
−Ser−Gln−Asn−(ベータナプチル)Ala−Pro−Ile−Va
lの濃度、0.5mg/mL]の反応の阻害試験を、30℃で1時間、pH5.
5の50mM酢酸Na条件下で行った。1.0μlのDMSO中における様々な
濃度のインヒビターを、25μlのペプチド水溶液に添加した。pH5.5の0
.133M酢酸Naと0.1%ウシ血清アルブミンの溶液中における15μlの
0.33nMプロテアーゼ(0.11ng)を加えることにより反応を開始させ
、160μlの5%リン酸を用いて反応を停止させた。反応生成物は、HPLC
(VYDACワイドポア5cm C−18逆相、アセトニトリル勾配、0.1%
リン酸)により分離した。反応
の阻害の程度は、その生成物のピーク高さから決定した。それとは別に合成した
それらの生成物のHPLCにより、定量的な基準を設け、生成物の組成を確定し
た。化合物A−Cは、以下の表にあげられているIC50値を示した。
表
化合物 IC50(nM)
A 0.055
B 82.8
C 0.025
実施例1 ラセミ体シス−メチル−3−(モルホリニル)カルボニルビシクロ−(2.2. 1.)ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、化合物2の合成
ジメチルホルムアミド(30mL)中におけるシス−5−
ノルボルネン−エンド−2、3−ジカルボン酸メチル「1」(3.00g、15
.3mmol)の攪拌溶液に、トリエチルアミン(1.85g、2.55mL、
18.3mmol)と、水和1−ヒドロキシ−べンゾトリアゾール(2.47g
、18.3mmol)、塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル
カルボジイミド(3.51g、18.3mmol)、及びモルホリン(1.59
g、1.60mL、18.3mmol)を加えた。得られた溶液を室温で16時
間攪拌した。その溶液を濃縮し、酢酸エチルで希釈した後、飽和NaHCO3(
2×25mL)及びブライン(1×25mL)で洗浄した。その有機層を乾燥(
Na2SO4)させて濃縮し粗製油として化合物「2」(4.01g)を得、更に
精製することなく使用した。ppm単位における、部分1H NMR(CDCl3
、300MHz)δ:
実施例2 ラセミ体トランス−メチル−3−モルホリニルカルボニルビシクロ−2.2.1 .ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、化合物3の合成
メタノール(14mL)中における「2」の攪拌溶液に、1,8−ジアザビシ
クロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(3.29g、3.23mL、21.6
mmol)を加えた。得られた溶液を、還流により16時間加熱した。その溶液
を室温にまで冷却し、濃縮した後、酢酸エチルで希釈し、次いで、1NのHCl
(2×25mL)で洗浄した。その有機層を乾燥(Na2SO4)させて濃縮し、
粗製油として化合物「3」(2.9g)を得、更に精製することなく使用した。
ppm単 実施例3 ラセミ体トランス−3−(モルホリニル)カルボニルビシクロ−(2.2.1. )ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、化合物4の合成
水酸化リチウム一水和物(906mg、21.6mmol)を、ジオキサン(
20mL)中における化合物「3」の溶液に加えた。得られた溶液を室温で16
時間攪拌した。その溶液を濃縮し、酢酸エチルで希釈した後、1NのHCl(2
×25mL)で洗浄した。その有機層を乾燥(Na2SO4)させて濃縮し、白色
の固体として化合物「4」(2.5g)を得た。以降のステップでは、化合物「
4」を加工せずそのまま使用した。
実施例4 N’−[2(S)−シクロペンチル−1(R)−ヒドロキシ−3(R)−メチル ]−3(S)−[[(N−(トランス−3(RS)−(モルホリニル)カルボニ ル]ビシクロ(2.2.1.)ヘプト−5−エン−2(RS)−カルボキシレー ト)アミノ
]−2(S)−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−3(S)−フェ ニルメチル−ピロリジン−2−オン、化合物6の合成
ジメチルホルムアミド(6mL)中における化合物「4」(500mg、1.
99mmol)の攪拌溶液に、トリエチルアミン(443mg、0.663mL
、4.38mmol)と、水和1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(322mg
)2.38
mmol)、塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイ
ミド(456mg、2.38mmol)及び化合物「5」(EPO 55092
4に開示されている方法により調製した)(913mg、1.99mmol)を
加えた。得られた溶液を室温で7時間攪拌した。その溶液を濃縮し、酢酸エチル
で希釈した後、飽和NaHCO3(2×25mL)及びブラィン(1×25mL
)で洗浄した。その有機層を乾燥(Na2SO4)させ、濃縮した。その結果得ら
れた白色の固体をフラッシュクロマトグラフィー(10%ヘキサン/酢酸エチル
)で精製することにより、化合物「6」の極性の低い単一のジアステレオマー(
70mg)と、「6」のジアステレオマーの混合物(875mg)、及び「6」
の極性の高い単一のジアステレオマー(85mg)を全て白色の固体として得た
。化合物「6」の極性の低い単一のジアステレオマー:
「6」のジアステレオマーの混合物:融点=102℃−104℃。「6」の極性
の高い単一のジアステレオマー:融点
実施例5 4(R)−エトキシカルボニル−6(S)−ヨード−2−オキソ−3(R)5( S),7(S),8(S)−1−オキサトリシクロ[3.2.1.15、8]ノナ ン、化合物8の調製
無水エタノール(21mL)中の化合物「7」(3.766g、12.2mm
ol)に3滴の濃硫酸を加え、その混合物を還流により15時間加熱した。溶媒
を除去し、残さを酢酸エチルに溶解した後、飽和NaHCO3水溶液及びブライ
ンで洗浄し、次いで、その有機溶液を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を濾過
及び蒸発させることにより、薄い黄色の油(3.897g、収率95%)を得た
。 実施例6 3(R)−エトキシカルボニル−1(S),4(R)−ビシクロ−[2.2.1 ]ヘプト−5−エン−2(R)−イルカルボン酸、化合物9の調製
酢酸(25mL)中の化合物「8」(3.897g、11.6mmol)の磁
気攪溶液に亜鉛末(Aldrich、7.58g、116mmol)を加えた。
得られた混合物を、攪拌しながら、4時間、60℃で加熱した。その混合物を室
温にまで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残さをEtOAc(100mL)
に溶解した後、水(2×50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。その
水性層をEtOAc(10×30mL)で抽出した。合わせた有機溶液を無水M
gSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮することにより、2.507gの薄黄色の油
(収
実施例7 N−2’−フェニルエチル3(R)−エトキシカルボニル−1(S),4(R) −ビシクロ−[2.2.1]ヘプト−5−エン−2(R)−イルカルボキサミド 、化合物11(RR1=H,CH2CH2Ph)の調製
CH2Cl2(5mL)中の化合物「9」(500mg、2.38mmol)の
磁気攪拌溶液に、0℃で、塩化オキサリル(0.25mL、2.85mmol)
とN,N−ジメチルホルムアミド(9μL、0.119mmol)を加えた。こ
の混合液を、室温に暖めながら、18時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、そ
の残さを乾燥CH2Cl2(6mL)に溶解した。この溶液に、トリエチルアミン
(0.66mL、4.76mmol)と、フェニルエチルアミン(0.45mL
、3.57mmol)、及びDMAP(20mg)を加えた。この混合液を室温
で18時間攪拌した。更にCH2Cl2(10mL)を加え、得られた溶液を、1
NのHCl水溶液(10mL)、水(5mL)、飽和NaHCO3水溶液(5m
L)、及びブライン(5mL)で洗浄した。無水MgSO4で乾燥させた後、濃
縮することにより、茶色がかった油(0.510g、収率69%)を得た。
実施例8 N,N−ビス(2’−フェニルエチル)3(R)−エトキシカルボニル−1(S ),4(R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2(R)−イルカル ボキサミド、化合物11(RR1=(CH2PH)2)の調製
上記の化合物「11」(RR1=H,CH2CH2Ph)に対する手順と同じ。
実施例9 3(R)−(N−2’−フェニルエチル)アミドカルボキシ−1(R),4(S )−ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2(R)−イルカルボン酸、化 合物12(RR1=H,CH2CH2Ph)の調製
DME(10mL)及び水(10mL)中の化合物「11」(RR’=H,C
H2CH2Ph、510mg、1.628mmol)の磁気攪拌溶液にLiOH・
H2O(0.342g、8.14mmol)を加え、その混合液を周囲温度で6
0時間攪拌した。溶媒の容量を回転蒸発により3分の1まで減らし、濃塩酸を加
えて混合物のpHを2〜3に調整した。水溶液をEtOAC(10×20mL)
で抽出し、有機層を無水MgSO4で乾燥させた。濾過後、濃縮することにより
、0.411g(収率88%)の薄茶色の固体を得た。
実施例10 N,N−ビス(2’−フェニルエチル)アミドカルボキシ−1(R),4(S) −ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2(R)−イルカルボン酸、化合 物12(RR1=(CH2Ph)2)の調製
上記の化合物「12」(RR1=H,CH2CH2Ph)に対する手順と同じ。
実施例11 N−tert−ブチル1−(2’(S),3’−エポキシプロピル)−4−te rt−ブチルオキシカルボニルピペラジン−2(S)−カルボキサミド、化合物 15の調製
DMF(35mL)中の化合物「13」(5.225g、18.31mmol
)と化合物「14」(4.746g、18.31mmol)の磁気攪拌溶液にD
IEA(3.508mL、20.14mmol)を加えた。得られた混合液を、
最初に80℃に加熱し、7時間、65℃に維持した。その後、その混合液を室温
で15時間攪拌した。飽和NaHCO3水溶液(35mL)を加え、得られた混
合液を50℃で0.5時間攪拌した。室温にまで冷却した後、EtOAc(30
0mL)を加え、その有機溶液を水(50mL×3)及びブライン(50mL)
で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、回転蒸発により濃縮
した。その残さをシリカゲルクロマト
グラフィーカラムで精製することにより、4.708gの薄黄色の固体(収率7
5%)を得た。
実施例12 N−tert−ブチル1−(3’−アジド−2’(S)−ヒドロキシプロピル) −4−tert−ブチルオキシカルボニルピペラジン−2(S)−カルボキサミ ド、化合物16の調製
イソプロパノール(30mL)中の化合物「15」(4.708g、13.7
9mmol)の磁気攪拌溶液にLiN3(1.350g、27.58mmol)
を加え、得られた混合液を75℃まで5時間加熱した。その混合液を室温にまで
冷却し、溶媒を減圧下で除去した後、その残さをEtOAc(100mL)に溶
解し、次いで、飽和NaHCO3水溶液(50mL)及びブライン(50mL)
で洗浄した。その有機溶液を無水NA2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。そ
の残さを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、3.6
61g(収率69%)の薄黄色の油を得た。
実施例13 N−tert−ブチル1−(3’−アミノ−2’(S)−ヒドロキシプロピル) −4−tert−ブチルオキシカルボニルピペラジン−2(S)−カルボキサミ ド、化合物17の調製
100mLのEtOAc中におけるN−tert−ブチル1−(3’−アジド
−2’(S)−ヒドロキシプロピル)−4−tert−ブチルオキシカルボニル
ピペラジン−2(S)−カルボキサミド、化合物「16」(1.662g、4.
44mmol)の磁気攪拌溶液に、炭素に混合したPd(400mg)を加えた
。得られた混合物を水素の大気圧下において、周囲温度で18時間攪拌した。そ
の混合液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。その残さをシリカゲルクロマトグ
ラフィーで精製することにより、1.291gの薄黄色の固体(収率81%)を
得た。
実施例14 N−tert−ブチル1−{3’−[3”−(2'''−フェニルエチル−アミド )カルボキシ−1”(R),4”(S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5” −エン−2”(R)−イルカルボニル]アミノ−2’(S)−ヒドロキシ}プロ ピル−4−(1’,1’−ジメチル)エチルオキシカルボニルピペラジン−2( S)−カルボキサミド、化合物18(RR1=H,CH2CH2Ph)の調製
DMF(0.65mL)中の化合物「12」(RR1=H,CH2CH2Ph、
79.5mg、0.279mmol)と化合物「17」(100mg、0.27
9mmol)の磁気攪拌溶液に、HOBT(37.7mg、0.279mmol
)と、EDC(53.5mg、0.279mmol)、及びトリエチルアミン(
38.9μL、0.279mmol)を加えた。得ら
れた混合液を周囲温度で18時間攪拌した。溶媒を回転蒸発により除去し、その
残さをEtOAc(10mL)に溶解した。得られたEtOAC溶液を飽和Na
HCO3水溶液(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、無水Na2SO4で
乾燥させた。濾過後、減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(CH2Cl2中における1.5%−2.5%のMeOHで溶離した)で
精製することにより、0.125gの白色の固体(収率72%)を得た。HPL
C(215nmにおける)純度97.1%(λmax=255nm)。
C34H51O6N5・0.6H2Oの分析
計算値:C:64.14,H:8.26,N:11.00
実測値:C:64.19,H:8.22,N:10.75
実施例15 N−tert−ブチル1−{3’−[3”−(2'''−フェニルエチルアミド) カルボキシ−1”(R),4”(S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5”− エン−2”(R)−イルカルボニル]アミノ−2’(S)−ヒドロキシプロピル }ピペラジン−2(S)−カルボキサミド、化合物19(RR1=H,CH2CH 2Ph)の調製
乾燥HCl飽和EtOAc(25mL)中の化合物「18」(RR1=H,C
H2CH2Ph)(108mg、0.172mmol)の溶液を、0℃で30分攪
拌した。Arを15分間通気することにより過剰なHClガスを追い出し、その
溶液を濃縮した。得られた残さをEtOAc(20mL)に溶解した後、1Nの
NaOH溶液(20mL)、水(20mL)、及びブライン(20mL)で洗浄
した。その有機層を無水MgSO4で乾燥させた後、濾過し、減圧下で濃縮する
ことにより、54mgの薄茶色の固体を得た。HPLC(215nmにおける)
純度96.2%
(計算値 526.3393)実施例16 N−tert−ブチル1−{3’−[3”−(2'''−フェニルエチル−アミド )カルボキシ−1”(R),4”(S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5” −エン−2”(R)−イル]カルボキシアミノ−2’(S)−ヒドロキシ}プロ ピル−4−シクロブチル−ピペラジン−2(S)−カルボキサミド、化合物20 (RR1=H,CH2CH2Ph、R2R3=−(CH2CH2CH2)−)の調製
ジクロロエタン(0.25mL)中の化合物「19」(19mg、0.036
1mmol)の磁気攪拌溶液にシクロブタン(5.4μL、0.072mmol
)と、NaB(OAc)3H(11.5mg、0.054mmol)、及び酢酸
(2.5μL、0.043mmol)を加えた。得られた混合液を周囲温度で6
0時間攪拌した。その混合液をEtOAc(5mL)で希釈した後、飽和NaH
CO3水溶液(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾
燥させた。その粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーカラム(0.5:3:
97 NH4OH−MeOH−CH2Cl2)で精製することにより、9.7mg
(収率46%)の白色の固体を得た。HPL
C(215nmにおける)純度96.1%(λmax=336nm)、MS(F
AB,M+1)580,HRFABMS(M+1)計算値580.3863,実
測値580.3860。 実施例17 N−tert−ブチル1−{3’−[3”−(2'''−フェニルエチル−アミド )カルボキシ−1”(R),4”(S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5” −エン−2”(R)−イル]カルボキシアミノ−2’(S)−ヒドロキシ}プロ ピル−4−(2’,6’−ジメチル−ピリジル)メチルピペラジン−2(S)− カルボキサミド、化合物21(RR1=H,CH2CH2Ph、Ar=4−(2, 6−ジメチルピリジル))の調製
DMF(0.5mL)中の化合物「19」(26.8mg、0.051mmo
l)の磁気攪拌溶液に塩酸4−クロロメチル−2,6−ジメチルピリジン(14
.7mg、0.077mm
ol)とトリエチルアミン(17.8μL、0.128mmol)を加えた。得
られた混合液を周囲温度で18時間攪拌した。その混合液をEtOAc(10m
L)で希釈した後、飽和NaHCO3水溶液(5mL)及びブライン(5mL)
で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。その粗生成物をシリカゲルクロマトグ
ラフィーカラム(2%MeOH−CH2Cl2で溶離した)で精製することにより
、18.9mgの白色の固体(収率57%)を得た。HPLC(215nm)純
度98.5%C37H52N6O4・0.7EtOAcの分析
計算値: C:67.66,H:8.22,N:11.89
観測値: C:67.80,H:8.34,N:11.54
実施例18 3−[N−(4−メチルフェニルスルホニル)イソブチルアミノ]プロパン−1 (RS),2−オキシド、化合物23の調製
ジクロロメタン(25mL)中の塩化p−トルエンスルホニル(3.813g
、20.0mmol)の磁気攪拌溶液に、ジクロロメタン(5mL)中における
イソブチルアミン(2.48mL、25mmol)とトリエチルアミン(3.4
85mL、25mmol)の0℃の混合液を加えた。得られた混合液を室温にま
で暖めながら3時間攪拌した。その反応混合物を、1NのHCl水溶液(30m
L、次いで20mL)と飽和NaHCO3水溶液(30mL)で洗浄した。その
有機層を無水MgSO4で乾燥させ、濾過した後、回転蒸発により濃縮した。そ
の残さを一晩吸引することにより、4.304g(18.9mmol、収率95
%)の白色の固体を得た。
−78℃のTHF(30mL)中におけるこの白色の固体の溶液に、nBuL
i(ヘキサン中の2.5M溶液、20mmol)を加えた。添加の終了時には、
溶液が黄色くなった。得られた混合液を20分間攪拌した後、蒸留したばかりの
エピクロロヒドリン(2.35mL、30mmol)を滴下しながら加
えた。その混合液を1時間以上かけて室温にまで暖め、23℃で3時間攪拌を続
けた。得られた反応混合物に飽和NH4Cl水溶液(50mL)を加えた後、E
tOAC(2×50mL)で抽出した。その有機層を、1NのHCl(2×30
mL)と、飽和NaHCO3水溶液(20mL)、及びブライン(30mL)で
洗浄した。次いで、無水MgSO4で乾燥させた後、濾過し、濃縮した。その残
さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(9%−10%EtOAc/ヘキサン
)で精製することにより、
実施例19 3−アジド−1−(N−(4−メチルフェニルスルホニル)イソブチルアミノ) −2(RS)−プロパノール、化合物24の調製
イソプロパノール中の3−[N−(4−メチルフェニルスル
ホニル)イソブチルアミノ]プロパン−1,2−オキシド、化合物「23」(2
.289g、8.077mmol)の溶液にアジ化リチウム(0.791g、1
6.15mmol)を加え、その混合物を80℃まで5時間加熱した。溶媒を除
去し、その残さを水(20mL)とEtOAc(30mL)との間で分配した。
水性層をEtOAc(20mL)で抽出し、有機層を合わせた。次いで、合わせ
た有機層を飽和NaHCO3溶液(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄
した。その後、無水MgSO4で乾燥させ、濾過した後、回転蒸発で濃縮するこ
とにより、2.615g(収率99%)の無色の油を得た。
実施例20 1−アミノ−3−(N−(4−メチルフェニル−スルホニル)イソブチルアミノ )−2(RS)−プロパノール、化合物25の調製
EtOH(20mL)中の化合物「24」(2.615g、
8.011mmol)の溶液にPd(OH)2/C(1.00g)を加えた。得
られた混合物を、水素雰囲気下において、周囲温度で1日間攪拌した。その混合
液を濾過し、濾液を濃縮することにより、2.036g(収率85%)の無色の
油を得た。
実施例21 4−アザ−1−[3’(R)−tert−ブチルアミドカルボキシル−1’(R ),4’(S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5’−エン−2’(R)−イ ルカルボニル]アミノ−2(RS)−ヒドロキシ−6−メチル−4−(4’−メ チルベンゼンスルホニル)−ヘプタン、化合物26、(RR1=H,t−Bu) の調製
DMF(1.0mL)中における化合物「25」(50.4mg、0.168
mmol)と、「12」(RR’=H,C(CH3)3、25.3mg、0.10
7mmol)、HBT(22.2
mg、0.164mmol)、EDC(36.1mg、0.188mmol)、
及びEt3N(0.030mL、0.215mmol)の混合物を、周囲温度で
2日間攪拌した。溶媒を回転蒸発により除去し、その残さをEtOAc(20m
L)に溶解した後、10%クエン酸水溶液(10mL)と、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。その有機層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過し、濃縮することにより、薄黄色の固
体を得た。この固体をシリカゲルクロマトグラフィーカラム(1%メタノール−
ジクロロメタンで溶離した)で精製することにより、1:1のジアステレオマー
混合物として、31.9mg(収率55%)の白色の固体を得た。MS(M+1
)=520,HRMS(M+1)=520.2852,C27H42N3O5Sの計算
値520.2845;
C27H41N3O5S・0.4CH2Cl2の分析
計算値:C:59.44,H:7.61,N:7.59
実測値:C:59.61,H:7.63,N:7.48
実施例22 4−アザ−1−[3’(R)−ベンジルアミドカルボキシル−1’(R),4’ (S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5’−エン−2’(R)−イルカルボ ニル]アミノ−2(RS)−ヒドロキシ−6−メチル−4−(4’−メチルベン ゼンスルホニル)−ヘプタン、化合物26、(RR1=H,CH2Ph)の調製
収率47%、HPLC(215nmにおける)純度98%(λmax=229
nm);MS(M+1)=554,HRMS(M+1)=554.2692,C30
H40N3O5Sの計算値554.2689;C30H39N3O5S・0.60H2Oの分析
計算値: C:63.83,H:7.18,N:7.44
実測値: C:63.84,H:6.98,N:7.42
実施例23 4−アザ−1−[3’(R)−(2”−フェニルエチルアミド)カルボキシル− 1’(R),4’(S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5’−エン−2’( R)−イルカルボニル]アミノ−2(RS)−ヒドロキシ−6−メチル−4−( 4’−メチルベンゼンスルホニル)ヘプタン、化合物26、(RR1=H,CH2 CH2Ph)の調製
収率55%;MS(M+1)=568,HRMS(M+1)=568.284
1,C31H42N3O5Sの計算値
C31H41N3O5S・0.75H2Oの分析
計算値: C;64.06,H:7.37,N:7.23
実測値: C:64.02,H:7.13,N:7.16
実施例24 4−アザ−1−[3’(R)−(N’,N’−ビスフェニルメチル−アミド)カ ルボキシル−1’(R)4’(S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5’−エ ン−2’(R)−イルカルボニル]アミノ−2(RS)−ヒドロキシ−6−メチ ル−4−(4’−メチル−ベンゼンスルホニル)ヘプタン、化合物26、(RR 1=(CH2Ph)2)の調製
収率23%;UV(λmax)=225nm;MS(M+1)=664;HR
MS(M+1)=644.3151,
C37H45N3O5S・0.95H2Oの分析
計算値:C:67.24,H:7.15,N:6.36
実測値:C:66.92,H:6.91,N:6.07
実施例25 N−1’(S)−(2’(R)−ヒドロキシインダニル)5−アミノ−3(S) −ヒドロキシ−2(R)−フェニルメチルペタンアミド、化合物30の調製
iPrOH(50mL)中の化合物「27」(3.77g、10mmol)と
アジ化リチウム(4.90g、100mmol)の混合物を、80℃まで15時
間加熱した。その混合物を室温にまで冷却し、溶媒を除去した。次いで、その残
さをEtOAc(100mL)に溶解した後、飽和NaHCO3水溶液(100
mL)及びブライン(100mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4で
乾燥させ、濾過した。その後、得られた濾液を回転蒸発で濃縮することにより、
粗生成物、化合物「28」を得た。次いで、この粗生成物をEtOAc(100
mL)に溶解した後、Pd(OH)2/C(0.8g)を加えた。次に、その混
合物を、水素雰囲気下において、室温で18
とにより、粗化合物「29」を得た。HClガス飽和EtOAc(45mL)中
の化合物「29」(0.95g、2.41mmol)の溶液を0℃で30分間攪
拌した。過剰なHClガスをArを通気することにより除去した後、その混合液
を回転蒸
発により濃縮した。次いで、その残さをEtOAc(30mL)に溶解した後、
1NのNaOH水溶液(20mL)で洗浄した。得られた水性層をEtOAc(
4×10mL)で抽出し、有機層を合わせた。次に、合わせた有機層を無水Na2
SO4で乾燥させた後、濾過し、減圧下で濃縮することにより、0.915gの
粗生成物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、4%
−4.75%MeOH/塩化メチレン)にかけることにより、0.16g(収率
19%)の純粋な生成物を得た。
実施例26 N−1’(S)−(2’(R)−ヒドロキシインダニル)5−[3’−(2”− フェニルエチルアミド)カルボキシ−1’(R),4’(S)−ビシクロ[2. 2.1]ヘプト−5’−エン−2’(R)−イル]カルボキシ−アミノ−3(S )−ヒドロキシ−2(R)−フェニルメチルペタンアミド、化合物31(RR’ =H,CH2CH2Ph)の調製
DMF(0.5mL)中のN−2’−フェニルエチルアミドカルボキシ−1(R
),4(S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2(R)−イルカル
ボン酸、化合物「12」(32.2mg、0.113mmol)と、N−1(S
)−(2(R)−ヒドロキシインダニル)5−アミノ−3(S)−ヒドロキシ−
2(R)−フェニルメチルペタンアミド、化合物「30」(40mg、0.11
3mmol)、HOBT(15.3mg、0.113mmol)、EDC(21
.6mg、0.113mmol)、及びトリエチルアミン(15.7μL、0.
113mmol)の混合物を、周囲温度で15時間攪拌した。溶媒を回転蒸発で
除去した後、その残さをEtOAc(10mL)に溶解し、次いで、飽和NaH
CO3水溶液(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄した。その有機溶液を無
水Na2SO4で乾燥させた後、濾過し、回転蒸発により濃縮した。その残さをシ
リカゲルクロマトグラフィー(2.5%−2.75%MeOH−CH2Cl2で溶
離した)で精製することにより、27.3mgの白色の固体(収率39%)を得
た。融点188−190℃,MS(M+1)622,HRFABMS(M+1)
計算値622.3281,実測値622.3287.
実施例27 N−1’(S)−(2’(R)−ヒドロキシインダニル)5−[3’−tert −ブチルアミド−カルボキシ−1’(R),4’(S)−ビシクロ[2.2.1 ]ヘプト−5’−エン−2’(R)−イルカルボニル]アミノ−3(S)−ヒド ロキシ−2(R)−フェニル−メチルペタンアミド、化合物31(RR’=H, C(CH3)3)の調製
融点187℃−190℃、HPLC(215nmにおける)純度97.2%(
lmax=261nm),C34H43N3O5・1.2H2Oの分析
計算値:C:68.59,H:7.69,N:7.06,
観測値:C:68.64,H:7.40,N:7.00
以上に詳述した記載は、例証の目的で開示した幾つかの例を含め、本発明の原
理を教示しているが、本発明の実施は、以下に示す請求の範囲及びその同等物の
範囲内で行われるあらゆる通常の変形や、適用、または修飾を包含するものであ
ることが理解されよう。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 31/5375 A61K 31/535 605
C07C 311/18 C07C 311/18
C07D 207/26 C07D 207/26
241/04 241/04
307/93 307/93
401/06 401/06
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ
,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU,
CZ,EE,GE,HU,IL,IS,JP,KG,K
R,KZ,LC,LK,LR,LT,LV,MD,MG
,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,
SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,U
S,UZ,VN,YU
(72)発明者 キム,バイオン・ムーン
アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・
07065、ローウエイ、イースト・リンカー
ン・アベニユー・126
(72)発明者 バツカ,ジヨウジフ・ピー
アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・
07065、ローウエイ、イースト・リンカー
ン・アベニユー・126