JP2000508211A - 整形安楽枕 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
枕(10)は、コンプライアンス基部(12)とコンプライアンス上敷き体(14)とを有する。上敷き体(14)には、複数の室(52,62,74)が形成されており、それぞれの室には詰め物が充填されている。区画の詰め物及び形状は、枕(10)の前から後ろまでの変曲して曲がった楔形状の支持体を設けるように選択されている。
Description
【発明の詳細な説明】
整形安楽枕
本発明は、枕に関する。
従来の枕は、おおむね繊維の詰め物で充填された袋であり、枕全体に均一な密
度が得られるよう工夫されている。使用時には、睡眠中に頭部及び首部が回転す
ることにより、詰め物である繊維は圧縮されるか枕の周辺に偏る傾向がある。従
って、頭部及び首部は、最も必要であるのに比べて最低限の支持しか得られず、
結果として首部が通常とは反対の方向に弧を描く傾向がある。すなわち、このよ
うな従来の枕は、首部を適切に支持していないと認識されており、頚部脊椎の自
然な曲がり及び傾きを阻害している。これにより、頚部の筋を違えたり、経時的
に背中上部及び首部の筋肉が張ったり、凝ったり、痛みをともなったりすること
になる。
別の構造としては、輪郭形成された発泡体枕が提案されており、この発泡体枕
において、発泡体ブロックは端部が尖っていない厚いボルスターに形成されてい
る。このようなボルスターは、裏返された場合でも、堅固で動かない固まりとし
て機能する。カイロプラクティックの文献によれば、このようなボルスターは頚
部脊椎を通常の脊椎配列から外側に押しつけ、頭部を不適切に後退させる。更に
、ボルスターの表面に形成される発泡構造体は、マットレスの自然な凸表面上で
外に広がる傾向がある。これにより、筋肉の痙攣や引きつけを伴う頚部脊椎のね
じれや顔面の病気(endema)及び呼吸への影響を伴う頭部の後方への傾斜が生じる
。
端部が尖っていないボルスターは、典型的には、凹面と凹面から上方に突出す
る複数のコンプライアンス構造体を備えた平面とを有する。これらの構造体は、
全体的な発泡支持体を供すると共に頭部の曲面を受け入れるようになっている。
従来の他の提案としては、異なる厚さ及び形状を有する動かない
発泡ブロック支持体を内部に配置されるキルト状の壁を備えたケースを用いるも
のがある。しかしながら、この構成では発泡体ブロックにコンプライアンスカバ
ーを提供するだけであり、結局、輪郭形成された発泡体枕と同様な欠点がある。
出願人に知られた装置はいずれも、首部の変曲して曲がった楔形状の支持体を
提供することを試みていない。
従って、本発明の一形態は、上記欠点をなくし、または軽減する枕を提供する
ことを目的とする。
一般的な言葉で言えば、本発明はコンプライアンス基部を有する枕を提供する
。このようなコンプライアンス基部は、一般に、ここでは好ましくは発泡体基部
として言及しているが、他のコンプライアンス基部、例えば、膨らませられた基
部などを用いることができる。好ましい実施例では、発泡体基部は、反対の方向
に向いた凹面を有する。コンプライアンス上敷き体が該凹面の一方に設けられ、
該上敷き体と組み合わされた発泡体基部は変曲して曲がった楔形状の支持体を提
供する。詳細には、上敷き体は、発泡体基部と組み合わされ、上面の前方から後
方にかけて変化する密度勾配または堅さの勾配を与えるコンプライアンス材料で
充填された複数の室に分割されている。
好ましくは、下側の凹面は、荷重が印加されたときに発泡体基部の前縁部の上
昇を円滑にする凸状の回転点を与える。
従って、本発明の一形態は、前縁部から後縁部まで延在するコンプライアンス
基部を有する枕であって、該基部はその上にコンプライアンス上敷き体を有して
おり、該基部と該コンプライアンス上敷き体とは協同して前縁部から後縁部に向
かって曲がった楔形状の支持体を形成する枕を提供する。
別の形態では、本発明は、前縁部から後縁部まで延在するコンプライアンス基
部を有する枕であって、該基部は該前縁部と該後縁部とに対して横向きの凹状の
両側表面を有しており、該基部はその上にコンプライアンス上敷き体を有してお
り、該基部は該コンプライ
アンス上敷き体と協同して該前縁部と該後縁部との間の支持体の堅さを増大させ
ている枕を提供する。
該枕の好ましい実施例において、コンプライアンス基部は、発泡体基部である
。
別の実施例では、楔形状すなわち勾配は変曲されている。
また、別の実施例では、コンプライアンス上敷き体は該前縁部の前方へ延在し
ている。
更に、別の実施例では、コンプライアンス上敷き体は横向きに延在する複数の
室を有しており、該室は異なる密度のコンプライアンス材料で充填されており、
それによって、該上敷き体の密度は、該コンプライアンス基部と協同して該前縁
部から該後縁部まで概略的に増大する。
本発明は、図面に示す実施例により説明される。すなわち、
図1は、枕の側断面の概略図であり、
図2は、図1のA−A線に沿った概略断面図であり、
図3A及び図3Bは、図1に示す枕に荷重Wを加えたときの効果を示す概略側
面図であり、図3Aは荷重のかかっていない状態の枕を示しており、また図3B
は荷重Wを加えた状態の枕を示しており、
図4は、使用中の図1の枕を示す概略的斜視図であり、
図5は、図3A及び3Bと同様な概略側面図であり、図1の枕がマットレスの
縁部に隣接する凸面を収容する様子を示しており、
図6は、他の配置で使用中の図1の枕を示す概略側面図であり、
図7は、枕の別の実施例を示す図1と同様の概略側面図であり、
図8は、枕の別の実施例の横方向の概略断面図であり、
図9は、枕の別の実施例の横方向の概略側面図である。
従って、図面、特に図1及び図2を参照すると、10で全体的に示されている
枕は、基部12及び上敷き体14を有する。基部12は、例えば合成或いは天然
のラテックス発泡体又は典型的には1.1乃至1.21b./ft.3のオーダ
ーの密度を有する低密度のポリウレタンフォームである可撓性細胞構造発泡体か
ら形成され、
反対の方向に向いている凹状面16、18を有する。凹状面16は、上方へ向い
て上敷き体14を支持しており、一方、凹状面18は、支持表面、例えば好まし
くは周辺凸状湾曲部すなわち“中高部(crowning)”を有するコイルばね入りマッ
トレスの上部表面に係合するようにされている。
図1および図2に示される好ましい実施例において、基部12は、図2に示さ
れているように均一な断面であり、平らな端面20および22の間を横方向に延
在している。基部12は、基部12の外表面に概ね一致している布ケース24内
に包囲されている。ケース24は、典型的には、地の目(grain)上に180カッ
ト(cut)以上を数える糸のブロードクロスまたは光沢のある平織り綿布といった
ポリコットン(polycotton)などの軽量織物から成る。しかし、広範な種類の織物
を使用し、基部12を包囲することができることは理解されるであろう。
凹状の上部表面16および下部表面18は、基部12内に3つの別個の領域、
つまり後部ボルスター26、ウエスト状中間部分28および球根状前部分30を
規定する。球根状前部分30とウエスト状中間部分28とは、基部12の上部表
面16に形成されている樋状部分32により分けられている。
上部表面16は、34で示されるスカラップ加工されたうね(ホタテ貝状の隆
起)を備え、後部ボルスター26および前部分30は、スカラップ34から上方
に突出し直立する平行な指部36、38がそれぞれ載置されている。示されてい
る実施例において、これは好ましい実施例であるが、指部36A、36Bの外(
上)端部は上部表面16に樋状部分(くぼみ)40を規定する。しかしながら、
指部36Aおよび36Bは表面16に形成される樋状部分40とともに省略して
もよいことは理解されるであろう。このような指部は、発泡体芯部との接触部分
を分割して、眠っている者が気づくことを減少させようとするものである。これ
は、例えば直交する方向の、間に差し込まれた切り込み勾配を有する横切る方向
のスカラップ加
工といったスカラップ加工表面を組み合わせて、発泡体芯部との接触部分を分割
して、個々の“小さい枕”とし、発泡体との接触に気づかないようにしようとす
る観点からのものである。
中間部分28の中央において間に差し込まれている切り込みの深さ及び頻度が
増加されているので、仰向けに寝ている間、頭部をゆりかごに入れたように支え
る支持体の柔らかく低い高さとなる。間に差し込まれた切り込みが周縁部に向か
い深さ及び頻度が減少させられているので、支持体がより堅くより高い高さとな
り、横向きに寝るのに適応している。すなわち、肩幅を補い、それによって、頭
部が横方向に落ち込むこと、そして頚部脊椎の“筋違い”を減少させて横向きに
寝る際の滑らかな脊椎の整列を維持する一助となしている。
下部表面18は、中間部分において概ね平面であり、前部分30の下部表面を
規定する42で示されている凸状の回転表面と滑らかにつながっている。表面4
2は、基部12の前端頂部で上部表面16と交差する。
基部12は、自立できるのに十分な厚さを持つとともに、枕10の安楽さに悪
影響を与えるような過剰な大きさを避けるような形態とされている。
上敷き体14は、外側カバー50内に配置された一組の個別の室として形成さ
れている。外側カバー50は、ケース24と同じ様な材料から作られてもよく、
充填材料を包含するのに十分な糸数を有する。
前側室52は、ケース24と上敷き体50の間に延在する一対の隔壁54、5
6により前部分30の上部表面16上に画成されている。隔壁54は、好ましく
は、弾性を有し、軽く伸び、糸数の多い、二方向に伸張する織物、又は代わりに
、上部表面16に対して傾斜た伸張方向を有する一方向に伸張する織物のごとき
伸張材料から形成される。隔壁54は、基部12の上部表面16に平行な線に沿
って隔壁56に取り付けられている。隔壁56は、糸数の多い伸張し
ない織物とするのが望ましい。
別の隔壁58は、隔壁54と56との交差部に固定され、隔壁56がケース2
4と交差する位置から離れた位置でケース24へと延在する。従って、隔壁56
及び58は、上部表面16に形成された樋状部分32に橋設される後退室60を
画成する。また、隔壁58は糸数の多い伸張しない織物とするのが望ましい。
隔壁54、58は、中間室62の一方の壁を画成し、他方の壁は、ケース24
からカバー50まで延在する隔壁64により画成されている。隔壁64は、また
、尖った頂部を有する室66の一方の壁を形成しており、他方の壁は隔壁68に
より画成されている。隔壁64及び68は、各々共通の場所でケース24に固定
され、おのおの耐久性を有し、軽く伸張し、糸数の多い、好ましくは二方向に伸
張する織物から作られる。隔壁64は、それ自体に折り重ね及び再かがり(resti
tch)工程を73で施し尖った頂部を有する室66を生成することを経て70及び
72で示されているようにカバー50に二重に取り付けられている。特に、好ま
しくはひだを形成するように、隔壁64はカバー50に取り付けられている。代
わりに、隔壁68をこのように取り付けても良い。
また、隔壁68は、ケース24の収束部とカバー50との間に形成されている
後側室74の前壁を形成する。図2から判るように、室は平らな端壁20及び2
2を越えて突出し、発泡体基部12の縁部周囲を包んでいるが、下部表面18を
越えては延在しない。
室52,60,62,66及び74は、適切な支持勾配及び睡眠用輪郭を提供
すべく、互いに共働すると共に、発泡体基部12とも共働する。
前側室52は、前部分30の頂部44から前方に延在していると共に、詰め物
の単位重量当たりで最大の高さを得るべく且つ内容物を再びふわりとふくらませ
るのに必要な期間を長くすべく、DuPont Comforel(登録商標)
のような、繊維タフトタイプの詰め物を充填されている。頂部44の前の室52
の突出部は、
発泡体基部が存在しないということの結果として、非常に低い密度の導入部を枕
にもたらし、もって、全体的に漸進的ではあるが変曲させられており且つコンプ
ライアンスを有する支持体が、首部と背中の上部とに与えられる。室52の横方
向の両端部は、図2において76,78で指示されている、Holo−fil(
登録商標)即ち熱接着材料のパッドを充填されている。パッド76及び78は、
平らな端壁20及び22の認識を最小にしてコンプライアンスを有する外面をも
たらす。
中間室62は、30%のComforel(登録商標)と70%のHolo−
fil(登録商標)との吹込混合物のような、中間の密度の、柔軟で可動のシリ
コーン処理をした繊維、あるいは、好ましくは高い密度での100%のComf
orelを、好適に充填されている。室62は、基部の上部表面16と共働すべ
く、高さ及び繊維密度において調和を取られており、もって、穏やかに上昇する
、変曲され曲げられた楔形状の支持体が形成される。パッド76及び78が、上
述のようにして組み込まれている。
後側室74は、繊維が滑らないように安定化させ且つ徐々に曲がった楔形状の
支持体を完成すべく、熱接着Holo−filのような、より堅い密度の層状化
されたタイプの詰め物を充填されている。後側室74の充填は、柔軟な触感を与
えつつ、後部ボルスター26の重量支持能力にも寄与する。室74は、クッショ
ンにもなり、従って、後部ボルスター26との接触の認識を最小にする。ここで
も、パッド76及び78が、組み込まれ得、あるいは、不織Holo−filの
詰め物が、端壁20及び22を包んでもよい。
室60,66は、充填されていない。即ち、それらの室は、空である。後退室
60は、前側室52と中間室62との間に一様な界面をもたらすべく設けられて
おり、そして、それは空であるので、それ自体が、上敷き体14と基部12とに
よって生成される、徐々に上昇する楔形状の支持体に、支持変曲部を生成する。
この変曲部すなわち支持逃がし部は、頭部の受動的な後退をもたらし、もって、
もしそうでなければ、半ば無意識に、深い眠りの間に収縮し始め、姿勢の自然な
後退を行うべく後頭部を枕内へ押し入れるように試みるであろう筋肉が、ただ単
に休息して完全な弛緩と回復とを達成することを可能にされる。後退室60によ
ってもたらされる支持体の変曲部は、前側室52と中間室62とにおいて、適度
に高い密度で充填することを可能にし、もって、再びふわりとふくらませるのに
必要な頻度が、低減させられる。
伸張された隔壁54は、例えば、眠っている間に頭が持ち上げられ又は回転す
る場合のように圧力が除去された際に、壁56及び58を、それらの真っ直ぐに
ぴんと張った状態に維持すべく利用される。隔壁54の回復と隔壁56及び58
の結果的な引っ張りとが、前側室52内に再び膨らむ作用を引き起こし、もって
、上敷き体14のコンプライアンスが維持される。
尖った先端を有する室も、再び膨らむのを容易にすべく、未充填のままである
。何故ならば、この室の先の尖った上敷き体も、応力を加えられた際に、アコー
ディオンプリーツのように開き得るからである。隔壁72と70との間の先の尖
った室の構造も、かなりの流動性を、完成した枕ユニットに与え、これにより、
その快適性と寿命との両方が、助長される。
端壁20と22との間の幅が20インチである枕の例においては、室52の上
面は、頂部44から隔壁54の交差部までが14.5インチの長さを有している
。隔壁54と56とを合わせた長さは、3.5インチのオーダーであり、そして
、室52は、110グラムのComforelを充填されていると共に、パッド
76及び78は、各々25グラムである。室62の上部表面は、ほぼ8.75イ
ンチの弧状の長さを有していると共に、隔壁64の高さは、2.5インチのオー
ダーである。室60の詰め込みは、65グラムのComforelと55グラム
のHolo−filとで達成されており、パッド76及び78は、各々25グラ
ムのHolo−filからなっている。後側室74は、ほぼ9. 5インチの上
部長さを有している
と共に、125グラムの熱接着Holo−filと各々が25グラムのHolo
−filからなる2つのパッド76及び78との詰め物を有している。
しかしながら、これらの密度は具体的な要求(例えば、織物の「屈従性」、又
は好み)に合わせて調節され得るが、結果的に漸進的な楔形状をもたらす、漸進
的ではあるが変曲させられた密度勾配が好ましいということが、理解される。
室と基部との相互作用が、上記記載と関連して、図3A及び図3Bから理解さ
れ得る。図3Aに示されている自由体状態において、凹状下部表面18は、mで
指示されているマットレスからの隙間をもって支持されており、室42は、発泡
体基部12から前方に突出している。頭部を載せることによって枕に荷重が加え
られると、凹状表面18は平らになると共に、回転軸の働きをする面42の周り
で回転が起こる。この回転は、樋状部分32を設けることによって容易になり、
もって、頂部44の上向きの突出部が得られる。この突出部は、首部を穏やかに
上昇させ且つ支持するのに役立つ機械的なリフトを提供し、その首部は、球根状
部分30と後退室60とによって提供される高さと支持とにより、支えられる。
3つの室52,62及び74によってもたらされる漸進的ではあるが変曲させら
れている勾配も、筋肉の弛緩を助ける。
図4から理解され得るように、球根状前部分30の上部表面によって支持がも
たらされつつ、頂部44と使用者の肩との間の距離が変化すると、室52の前縁
部においてもたらされている有効詰め物密度も変化する。例えば、距離が最大に
なると、最も低い密度の支持が、首部の下部と背中の上部とにもたらされる。他
方、人の肩が頂部44に隣接していて距離が最小であると、結果的に増大した有
効密度(堅さ)と支持とが、基部12によってもたらされている支持に加わり、
これにより、より堅い有効支持を背中の上部と首部とに与える。この結果、眠っ
ている人の枕10上の位置に依存して、ほぼ4°〜7°の漸進的な傾斜即ち上昇
が、もたらされる。従って、
眠っている人の自然で楽な歩行姿勢に近い、スムースな脊椎の配列が、体位筋肉
が休息するのを可能にしつつ、達成され得る。この態様で、枕は、休息に満ち且
つ快適な睡眠を助長すると共に、副鼻洞の組織排液と呼吸作用とを促進する。
指部36及び38は、基部12の表面における鉛直方向の支持の勾配をつける
ために設けられており、基部12があることに気づかないようにさせる。明らか
に、別の態様の表面構造又は手段を用いても同様な効果を奏することができる。
表面16におけるスカラップ34は、区画内で繊維が基部に沿って滑ってしまう
傾向を減じるために設けられている。繊維を張り付けた層によっても同様な効果
を得ることができるが、スカラップ加工の方がより経済的であると思われる。上
部表面16における基部12の中間部において組み合わせ溝部を形成することに
より鉛直方向の支持の勾配を修正することもでき、これにより基部12の感覚(
存在感)を更に低減することができる。
凹状の下部表面18もマットレスの周縁部分で典型的に見受けられる凸状表面
部分と協働し、枕に荷重をかけた際に高さを増大させるのに有効である。図5A
において見受けられるように、マットレスの周縁部分に枕を位置させた場合、凹
状の下部表面18がマットレスの凸状の表面を受け入れることができ、使用者に
対し通常の支持を提供する。但し、図5Bに示すように枕を若干前方へ移動させ
ると、これにより重さは枕の後方にかかり、該下部表面18は平坦化し、基部1
2の後部分は回転し前方へ動くこととなる。これにより中間部室62を圧縮し、
増大した高さ、後退(retrusion)及び効果的な密度を作りだす。通常の使用時に
おける4度乃至7度のなめらかな脊椎の傾斜は、前方への移動により、前方への
移動量及び凸状部の突出量に依存して、およそ7度乃至10度迄増大することが
できる。
図6において見受けられるように、枕10を背中又は/及び脚の支持を提供す
るようにいろいろな配置で用いることができる。背も
たれとして用いる場合には、図6に示されたように、楔状の輪郭は背中の自然な
傾斜を受け入れ、そして中間部室62は腰のための支持及び上部仙骨部クッショ
ンを提供する。但し、基部12の後側室74及び後部26が比較的高密度である
ことにより腰部の支持のために堅固な支持を提供する。
脚の支持として用いる場合には、曲がった楔形状により休息時における膝のゆ
るやかな曲がりを許容し、例えば、隆起した膝関節の後方膜状構造の苦痛を伴う
伸びを取り除くのを助ける。後退室60は、脹ら脛の筋肉を受け入れ、かつ膝関
節の膜状構造における望ましくない引っ張りを取り除く支持体の変曲を提供する
ことにより、この膝の曲げを助長する。また、膝を持ち上げることは、脊椎の曲
がりを減じて、快適さを高め背中の張りを減ずる。
別の実施例が図7に示されており、北米枕事情、例えば20インチ枕の場合に
適合するように枕10は奥行きが縮められている。この構成によれば、基部12
にきつい楔角度が設けられており、符番36における表面構造が発泡体基部の気
づき(存在感)を減じ、上敷き体のコンプライアンスを維持する。本実施例にお
いて、表面76の輪郭を修正することにより密度勾配を設けるようにして、後側
室74を全体的に除いてもよい。
従って、種々の使用における最適な支持を提供する枕が提供される。
上記記載において、基部12は均一の断面として述べられているが、3次元で
ほりさげて付加的な輪郭を設けるようにしてもよい。数字データで制御された機
械的な装置により基部12を機械加工又は押し出し加工してもよく、その場合、
所望の円環形状を組み込んで、例えば、いすのクッションとして使用するために
、支持及び安定性を増すようにすることができる。後者の場合、レーザ切り込み
ドリル坑等を空気の流れのために設けることができ、例えば、使用者が動いた際
にある程度の涼しさを与えることができる。あるいは、基部12を異なる密度の
発泡体の層から形成することもでき、これ
らの幾つかはゆっくりと回復する発泡体又はそれと同等なものにして使用者の輪
郭に対する型形成により快適さを増すことができる。
他の実施例において、特に寝袋に使用される場合において、該発泡体の基部を
膨らますことができる浮き袋形態に置き換えることもでき、この場合、上敷き体
をその上に配置する。
図8は枕の実施例の横断面を示す。ウエスト状中間部分28はそこに中間部室
62を有する。但し、この実施例においては、ウエスト状中間部分28は下側か
ら延在するトロイド状の部分82及び84を有する。トロイド(toroid)状の部分
82及び84はウエスト状中間部分28の下側の両側に配置されている。トロイ
ド状の部分82及び84はウエスト状中間部分28の一部とすることができ、全
てを発泡体化した材料の同じ部品から切り出すことができ、又は別々の材料サン
プルから切り出してウエスト状中間部分28に貼り付けることもできる。好適に
は、トロイド状の部分はウエスト状中間部分28の密度に比べ高密度、例えば、
1.6乃至1.8lb/cu.ftからなる。
トロイド状の部分82及び84は、枕に低く柔らかな中央ゾーンを設けるのに
貢献する事により、仰向けに寝た際に、仰向け寝は典型的に枕の中央部でなされ
、脊椎の整合の向上を可能にする。横向き寝、典型的には寝ている人は枕の中心
部を外して横向き寝がなされ、即ち枕のより周縁部の方に位置し、中間部分28
の発泡体芯部の後側円環体が肩幅を補償して、寝ている人の横向きの頭部の落下
に伴う頸付け根脊椎“ねじれ”を防ぐことを助長する事により、脊椎のなめらか
な整合を可能ならしめる。
図9はある実施例を示しており、これにおいては、詰め込まれた伸縮性のある
円筒状のソックス状のインサート85,86及び88を先に述べた室52,62
及び74に置き換えて用いることができる。インサート84,86及び88の各
々は符番87において隣接するインサートに縫いあわされ又は他の方法で取り付
けられ、例えば接着剤で符番89において発泡体基部に、そして好適に上敷き体
50(不図示)に取り付けられている。
その他の実施例において、付加的な隔壁を設けることができ、及び/または特
に幾つかの羽布団キルト化された製品において用いられている角度付けされた縫
い目を設けることができる。
本発明は枕を提供するものであり、特に安楽枕を提供するものであり、特に整
形外科的な効果をもたらす安楽枕を提供し、かかる安楽枕は寝ている際に改良さ
れた快適さを提供できるものである。かかる枕は、特に、頸脊椎、首部と背中が
不快で苦痛を感じやすく、それに関連する不快感を受けやすい人々に対するため
のものである。
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Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 前縁部から後縁部まで延在するコンプライアンス基部を有する枕であって 、前記基部は前記基部の上にコンプライアンス上敷き体を有しており、前記基部 と前記コンプライアンス上敷き体とは協同して前記前縁部から前記後縁部へ向か って曲がった楔形状の支持体を形成することを特徴とする枕。 2. 前記曲がった楔形状の支持体は、変曲して曲がった楔形状の支持体である ことを特徴とする請求項1に記載の枕。 3. 前記コンプライアンス上敷き体は、前記前縁部の前方へ延在していること を特徴とする請求項1又は2に記載の枕。 4. 前記コンプライアンス上敷き体は、横向きに延在する複数の室から形成さ れていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の枕。 5. 前記複数の室は密度の異なるコンプライアンス材料で充填されており、前 記枕は前記前縁部から前記後縁部までの支持体の剛性が高いことを特徴とする請 求項4に記載の枕。 6. 前記複数の室は横向きになった前記複数の室の間に後退室を形成する隔壁 により部分的に分離されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の枕。 7. 前側室と前記前側室の後ろの室との間で前記コンプライアンス基部に隣接 して後退室が形成されており、前記後退室は前記上敷き体の表面に向かって部分 的に延在していることを特徴とする請求項4又は5に記載の枕。 8. 前記後退室は、断面が三角形状であることを特徴とする請求項7に記載の 枕。 9. 後退室が後側室の前方に形成されており、前記後退室の断面が逆三角形状 であることを特徴とする請求項4乃至8に記載の枕。 10. 前記逆三角形の頂点が前記コンプライアンス基部に近接して 並置されていることを特徴とする請求項9に記載の枕。 11. 前記後退室は、空室であることを特徴とする請求項6乃至10に記載の枕 。 12. 前記後退室は、前記コンプライアンス上敷き体をふわりとふくらませ易く していることを特徴とする請求項11に記載の枕。 13. 前記前側室に隣接している前記後退室は、前記曲がった楔形状の支持体に 変曲を与えていることを特徴とする請求項7に記載の枕。 14. 前記コンプライアンス基部は、テーパーの付いた前側構造体を有している ことを特徴とする請求項1乃至13に記載の枕。 15. 前記前縁部と前記後縁部とに対して横向きの凹状の両側表面を有する前記 基部は、球根状前部分と、ウエスト状中間部分と、後部ボルスターとを有してい ることを特徴とする請求項1乃至14に記載の枕。 16. 前記球根状前部分と前記ウエスト状中間部分とは、前記コンプライアンス 基部の上部表面に形成された樋状部分により分けられていることを特徴とする請 求項15に記載の枕。 17. 前記コンプライアンス基部の下の曲がり部は、重みが掛けられたときに持 ち上げと支持の穏やかな回転機構を与えることを特徴とする請求項1乃至16に 記載の枕。 18. 前記コンプライアンス基部は、前側室のねじり調整と共同して調整可能な 支持体を与えることを特徴とする請求項1乃至17に記載の枕。 19. 前記コンプライアンス基部は、横向き支持体に円環体を与えることを特徴 とする請求項1乃至18に記載の枕。 20. 表面の切り込みがこのような円環体を設けるのに役立っていることを特徴 とする請求項19に記載の枕。 21. 前記コンプライアンス基部は、発泡体基部であることを特徴とする請求項 1乃至20に記載の枕。 22. 前記コンプライアンス基部は、膨らませることができる基部 であることを特徴とする請求項1乃至20に記載の枕。 23. 前縁部から後縁部まで延在するコンプライアンス基部を有する枕であって 、前記基部は前記前縁部と前記後縁部とに対して横向きの凹状の両側表面を有し ており、前記基部は前記基部の上にコンプライアンス上敷き体を有しており、前 記基部は前記コンプライアンス上敷き体と協同して前記前縁部と前記後縁部との 間の支持体の剛性を増大させていることを特徴とする枕。 24. 前記支持体の剛性の増大は、支持体の変曲の増大であることを特徴とする 請求項23に記載の枕。 25. 前記支持体の剛性の増大は、密度の増大であることを特徴とする請求項2 3又は24に記載の枕。 26. 前記コンプライアンス上敷き体は、前記前縁部の前方へ延在していること を特徴とする請求項23乃至25に記載の枕。 27. 前記コンプライアンス上敷き体は、横向きに延在する複数の室から形成さ れており、前記複数の室は密度の異なるコンプライアンス材料で充填されており 、それによって前記前縁部から前記後縁部まで前記枕の密度が増大していること を特徴とする請求項26に記載の枕。 28. 前記コンプライアンス上敷き体に並置されている前記コンプライアンス基 部はスキャロップ加工された表面を有することを特徴とする請求項23乃至27 に記載の枕。 29. 前記基部は、前記前縁部と前記後縁部とに対して横向きの凹状の両側表面 を有しており、かつ球根状前部分と、ウエスト状中間部分と、後部ボルスターと が設けられていることを特徴とする請求項23乃至28に記載の枕。 30. 前記球根状前部分と前記ウエスト状中間部分とは、前記基部の上部表面に 形成された樋状部分により分けられていることを特徴とする請求項29に記載の 枕。 31. 前記基部は、自立できるのに十分な厚さを有するように形づけられている ことを特徴とする請求項1乃至30に記載の枕。 32. 前側室とそれに隣接する室との間に後退室があることを特徴とする請求項 27乃至31に記載の枕。 33. 前記球根状前部分と前記ウエスト状中間部分との間で前記発泡体基部の表 面に樋状部分が設けられていることを特徴とする請求項30乃至32に記載の枕 。 34. 前側室とそれに隣接する室との間に隔壁が形成されており、前記隔壁が伸 張材料で形成されていることを特徴とする請求項27乃至33に記載の枕。 35. 前記コンプライアンス基部は、発泡体基部であることを特徴とする請求項 23乃至34に記載の枕。 36. 前記コンプライアンス基部は、膨らませることができる基部であることを 特徴とする請求項23乃至34に記載の枕。
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