JP2000507762A - ステレオ信号の処理用装置 - Google Patents

ステレオ信号の処理用装置

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JP2000507762A JP9535007A JP53500797A JP2000507762A JP 2000507762 A JP2000507762 A JP 2000507762A JP 9535007 A JP9535007 A JP 9535007A JP 53500797 A JP53500797 A JP 53500797A JP 2000507762 A JP2000507762 A JP 2000507762A
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クレモウ,リチャード
ナックビ,ファワッド
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Abstract

(57)【要約】 スピーカを通して演奏されるべきバイノーラル信号内のクロストーク消去のために使用することのできる回路内のフィルタ構成を単純化するために、該回路は、各入力として左右のバイノーラル信号LEFT−IN,RIGHT−INを受信するための第1及び第2の信号経路を含んでいる。第1の信号経路(14)は、第1の加算接合部(10)を含み、第2の信号経路は第2の加算接合部(12)を含んでいる。加算接合部(10)の出力側は、第1の交叉経路(14)により加算接合部(12)の入力側に結合され、加算接合部(12)の出力側は、第2の交叉経路(22)により接合部(10)の入力側に結合される。第1及び第2の交叉経路は、A及びSが遠位耳及び近位耳HRTFを表わすものとして、各々伝達関数A/Sをもつクロストークフィルタ(18,26)を含むそれぞれの第1及び第2のフィルタ手段(17,25)を含む。加算接合部(10,12)の出力は、クロストーク消去を取り入れた出力信号LEFT−OUT,RIGHT−OUTを表わす。

Description

【発明の詳細な説明】 ステレオ信号の処理用装置 本発明は、ステレオ信号特にバイノーラル信号(binaural signals)(ただしこ れに限られるわけではない)を処理するための装置に関する。本発明はまた、ス テレオ信号がより大きな3次元の印象を生成するように処理されるステレオ拡張 装置にも関する。 きわめてリアルな3次元サウンドイメージを生成せるようにバイノーラル信号 を処理することは、周知のことである。我々の国際特許出願第WO94/222 78(我々の参照番号PQ12529)を参照されたい。バイノーラル技術は、 いわゆる「人工ヘッド」マイクロホンシステムを用いて行なわれる録音に基づく ものであり、該録音はその後デジタル的に処理される。人工ヘッドの使用により 、3次元空間内で音源の位置を決定するのに脳が使用する自然の3次元サウンド キューをステレオ録音の中に確実に取込むことができる。その後バイノーラル信 号を信号処理することにより、両耳間(transaural)クロストークは確実にキャン セルされ(クロストークは、聴取者の1方の耳に振り向けられたオーディオ信号 がもう1方の耳によっても受け入れられるときに発生する)、3次元キュー(cue s)はスピーカを通してのデータの再生に対し有効となり、かくして脳は正しくキ ューを解釈することができる。処理が行われない場合、録音は音調的に正しく聞 こえず、スピーカ聴取を通してその3次元属性を再生しない。本明細書において 「バイノーラル」信号という語は、一対の離隔されたマイクロホンの間に位置づ けられた人工ヘッド手段により作り出されるオーディオ回折効果を表わす1成分 を含む2チャンネル又はステレオ信号を意味する。人工ヘッド手段 は、一般にそうであるように、耳の構造中にマイクロホンを備えた人間の頭及び 胴の精確なモデルであってよい;代替的にはこれは、はるかに精度の低いもの、 例えば離隔された1対のマイクロホンの間に位置づけされ、それでもサウンド信 号源からの回折信号を作り出す木製のブロック又はシートであってもよい;さら に、これは、かかる信号成分を作成しステレオ信号に適用する電気的合成回路又 はシステムであってもよい。 例えばパーソナルコンピュータ内のように、デジタル信号を処理するために限 定された量の処理パワーしか利用できないバイノーラル再生用として数多くの利 用分野が存在する。バイノーラル信号用の既知の信号処理システムは一般に、ク ロストーク消去のため幾分か複雑なデジタルフィルタを必要としてきた。そのた めこれらのシステムは、処理パワーが制限されている利用分野における使用には 適していない。 先行技術においては、数多くのフィルタアーキテクチャを用いて、クロストー ク消去が達成されてきた。各フィルタは、第1に1対のスピーカのうちの第1の スピーカとかかる第1のスピーカにより近い聴取者の耳との間の伝達関数(S) 、そして第2に同じ第1のスピーカから(もう1つのスピーカにより近い)聴取 者の遠位耳(far ear)までの伝達関数を表わす関数(A)という、2つの基本的 関数のさまざまな組合せを表わす。これらの関数S及びAは、「ヘッド関連伝達 関数(head related transfer function)」(HRTF)と呼ばれ、かかる関数は 、測定され広く公表されてきている。例えば、HL Han,J.Audio Eng.Soc.,1 994年1/2月,42,(1/2),p15〜36を参照のこと。当然のことな がら、実際の人間の頭についての測定値の代りにHRTFがモデルに基づく測定 又は計算から演繹される場合、HRTFの精確な値は変動し得る 。選ばれたモデルが単に各マイクロホンの間の木製ブロックである場合には、伝 達関数は、リアルなダミーヘッドのものよりもはるかに単純なものとなる。本明 細書では、「ヘッド関連伝達関数」は、実際の頭について測定された関数又は人 間の頭のモデルから測定又は計算された関数といったすべての関数を網羅するこ とが意図されている。 ここで図1を参照すると、これは、全てのクロストーク消去効果が4つのフィ ルタF1,F2,F3,F4のセットに組込まれている、Atal及びSchroederに 対するUS−A−3,236,949の図5の中に記されているフィルタアーキ テクチャの1つの形態を示している。バイノーラル入力は、LEFT−IN及び RIGHT−IN入力信号を有し、フィルタF1はLEFT−OUT出力端に対 し加算接合部2を介してLEFT−IN信号を供給し、この接合部でLEFT− IN信号はフィルタF2を介してRIGHT−IN信号と組合わされる。RIG HT−IN信号はまたフィルタF4を通して供給され、加算接合部4において、 フィルタF3を介して受信されたLEFT−IN信号と組合わされて出力信号R IGHT−OUTを提供する。 図2は、和分及び差分フィルタとして各フィルタが配置され、バイノーラルL EFT−IN及びRIGHT−IN信号が加算接合部3及び減算器接合部5を介 して両方のフィルタに供給され、各フィルタの出力が、出力信号LEFT−OU T,RIGHT−OUTを演繹するために加算接合部6及び減算器接合部8に供 給されているような、Blumleinに対するGB−A−394,325号及びCooper 及びBauckに対するUS−A−4,893,342号の中で開示されている通り の代替的アーキテクチャを示している。図1及び図2の配置は、全てのクロスト ーク消去効果を1つのフィルタセット の中に組込むことから、幾分か複雑なフィルタを必要とする。これらのフィルタ の複雑さを過度に低減しようと試みた場合、非常に重要なディテールが失なわれ 、該配置は有効でなくなる。 図3に示され、我々の同時係属出願第WO94/22278(我々の参照番号 PQ12529)の中に開示されている第3の配置もまた、Xフィルタ内ではな いもののYフィルタ内で同じ複雑性の問題をもつ。図3においては、バイノーラ ルRIGHT−IN信号は、加算接合部10内でフィルタXを介してLEFT- IN信号と組合わされ、接合部10の出力は、フィルタYを介してLEFT−O UT信号を提供している。RIGHT−IN信号は、加算接合部12において、 フィルタXを介して供給されたLEFT−IN信号と組合わされ、接合部12の 出力は、RIGHT−OUT信号としてフィルタYを介して提供される。 さらなるフィルタアーキテクチャが、1976年5月の日本音響学会収集の講 義論文集の659及び660頁の図6−ステレオサウンドイメージ合成回路−T .ドイ及びO.ハマダの中で示されている。図4に概略図が示されているが、こ こで、加算接合部10の出力はフィルタAを通して加算接合部12の入力端に印 加され、そしてフィルタBを通して出力信号LEFT−OUTを提供する。 加算接合部12の出力は、フィルタAを通して加算接合部10の入力端に印加 され、そしてフィルタBを通して出力信号RIGHT−OUTを提供する。フィ ルタA及びBは構造が複雑なものであるが、特に交叉フィード経路内のフィルタ Aは、Blumlein(GB−A−394,325)が行ったのと同じ要領で低域フィ ルタを含んでいる。 発明の概要 本発明の目的は、比較的単純なフィルタを利用できるように、スピーカ上でバ イノーラル信号が演奏され得るようにするためのクロストーク消去フィルタを内 蔵する回路を提供することにある。 本発明は、第1の態様において、それぞれ左右のバイノーラル入力信号を受信 するための第1及び第2の信号経路を含むバイノーラル信号処理用装置において 、該第1の信号経路が第1の組合せ接合部を含み、該第2の信号経路が第2の組 合せ接合部を含み、該第1の組合せ接合部の出力側が第1の交叉経路により該第 2の組合せ接合部の入力側に結合されており、該第2の組合せ接合部の出力側が 第2の交叉経路により該第1の組合せ接合部の入力側に結合されている装置であ って、該第1及び第2の交叉経路の各々が、伝達関数A/Sをもつクロストーク フィルタ手段を含み、ここでA及びSは、それぞれ上記で規定したような遠位耳 (far-ear)及び近位耳(near-ear)HRTFを表わし、該第1及び第2の組合せ接 合部の出力がバイノーラル出力信号を表わしている、バイノーラル信号処理用装 置を提供する。 各々の組合せ接合部は一般には加算接合部であるが、減算又は差分接合部であ ってもよい。通常クロストークを補償するために1つのチャネルの成分を他のチ ャネルから減算する必要があることから、加算接合部が用いられる場合には交叉 経路が信号反転を提供するべきである。 さらにもう1つの態様では、本発明は、出力として左及び右のバイノーラル出 力信号を提供するそれぞれの第1及び第2の信号経路に対し左右のバイノーラル 入力信号を提供すること、第1のクロストークフィルタ手段を通して第1の交叉 経路を介し、該第2の信号経路に左のバイノーラル出力信号を供給し、ろ波され た左のバイノーラル出力信号を右のバイノーラル入力信号と組合わせること、及 び第2のクロストークフィルタ手段を通して、該第1の信号経路に対し第2の交 叉経路を介して右のバイノーラル出力信号を供給し、ろ波された右のバイノーラ ル出力信号を左のバイノーラル入力信号と組合せることを含み、該第1及び第2 のクロストークフィルタ手段の各々が伝達関数A/Sを有し、ここでA及びSが それぞれ上記で規定したような遠位耳及び近位耳HRTFを表わしている、バイ ノーラル信号処理装置を提供する。 このような回路アーキテクチャにより、関数A/Sを実現するために特に単純 な構造のクロストークフィルタ手段が可能となる。図1〜4の先行技術の構成で は、かかる配置で各フィルタが多重消去(multiple cancellation)の問題を取 り扱わなくてはならないことを理由として単純なフィルタを用いることができな かったのに対し、本発明では、1つのチャネルの出力側ともう1つの(他の)チ ャネル内の組合せ接合部との間に交叉経路が延びているため、多重消去の問題は 発生しない、ということがわかるだろう。 バイノーラル信号及びHRTFのあらゆる電気的作成には不可避的に、いく分 かの単純化及び現実に対する近似が関与することになるということがわかるだろ う。特に、前述のとおり、バイノーラル信号は数多くの手段によって生成され得 るものの、人工ヘッド手段が耳構造を含み、その中に、あらゆる状況下でのリア ルな3次元サウンド再生に必要なさまざまなキューを生成するためにヘッド構造 のいずれかの側にとりつけられたマイクロホンが配置されているのが好ましい。 組合せ接合部は、一般に加算接合部であるが、減算又は差分接合部であっても よい。クロストークを補償するためにその他のチャネルから1つのチャネルの成 分を減算することが通常必要であるため、加算接合部が利用される場合には、交 叉経路は信号反転を提供す ベきである。 本発明の特定の利点は、それが、我々の同時係属国際特許出願第WO95/1 5069号(我々の参照番号PQ12582)の中に記述された発明と完全に両 立性あるものであるという点にある。すなわち、これは、一般に聴取者がスピー カとの関係において明確に規定された位置に座り続けていなければならず、そう でなければバイノーラル効果が失なわれてしまうという、バイノーラルサウンド 録音に付随して発生する1つの問題を扱うものであった。換言すると、バイノー ラル効果が生成される「スイートスポット」は、ほんの僅かな寸法でしか存在し ないのである。該国際出願は、完全には至らないクロストーク消去が関与する機 構(クロストークは0.95〜0.5の間の率(ファクター)で減少されている )により、頭の動きに適応させるために「スイートスポット」を広げるための機 構を開示している。交叉経路内にこのような減衰率を挿入することにより、スイ ートスポットは相応して広げられる。さらにかかる減衰率を導入することにより 、回路構成は、交叉経路のDC利得が1より小さくなるという点で、より安定し たものとなる。 図面の簡単な説明 ここで、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参考にして記述する 。 図1〜4は、先行技術のクロストーク消去配置の例である。 図5は、本発明の好ましい実施形態の概略図である。 図6及び7は、理論的に理想的なフィルタ関数と比較した場合の、利得と位相 対周波数の関係で表わした、図5の実施形態用のフィルタの第1のフィルタ関数 のグラフ表示である。 図8は、図6及び7のフィルタ関数を実現するための好ましいフ ィルタの回路図である。 図9及び10は、理論的に理想的なフィルタ関数と比較した場合の、利得と位 相対周波数の関係で表わした、図5の実施形態用のフィルタの第2のフィルタ関 数のグラフ表示である。 図11は、図9及び10のフィルタ関数を実現するための好ましいフィルタの 回路図である。 図12及び13は、理論的に理想的なフィルタ関数と比較した場合の、利得と 位相対周波数の関係で表わした、図5の実施形態用のフィルタの第3のフィルタ 関数のグラフ表示である。 図14は、図12及び13のフィルタ関数を実現するための好ましいフィルタ の回路図である。 図15及び16は、理論的に理想的なフィルタ関数と比較した場合の、利得と 位相対周波数の関係で表わした、図5の実施形態用のフィルタの第4のフィルタ 関数のグラフ表示である。 図17は、図15及び16のフィルタ関数を実現するための好ましいフィルタ の回路図である。 好ましい実施形態の説明 ここで図5を参照すると、本発明の好ましい実施形態において、LEFT−I Nバイノーラル入力信号が第1の加算接合部10に印加され、RIGHT−IN バイノーラル入力信号が第2の加算接合部12に印加される。加算接合部10の 出力は、遅延部16及びクロストーク消去フィルタ17をそなえるフィルタ手段 17を含む第1の交叉経路14を通して該第2の加算接合部12の入力側に印加 される。交叉経路14はまた、利得制御ユニット20をも含んでいる。加算接合 部12の出力は、遅延部24及びクロストーク消去フィルタ26をそなえるフィ ルタ手段25を含む第2の交叉経路22 を通して該第1の加算接合部10の入力側に印加される。経路16はまた利得ユ ニット28も含む。各加算接合部の出力側は、出力信号LEFT−OUT,RI GHT−OUTを提供する。 検分すれば、kが各交叉経路の全体的伝達関数を表わす場合、次の関係がわか る。 LEFT-OUT=LEFT-IN+k.RIGHT-OUT………(i) RIGHT-OUT=RIGHT-IN+k.LEFT-OUT……(ii) (i)にRIGHT-OUTを代入すると、 LEFT-OUT=LEFT-IN+k.RIGHT-IN+k2.LEFT-O UT 従って、並べ替えにより、 LEFT-OUT=(1−k2-1(LEFT-IN+k.RIGHT-IN)… (iii) RIGHT−OUTについても類似の等式が成り立つ。 各フィルタ18,26のためのフィルタ伝達関数は−A/Sであり、ここでS は同じ側の伝達関数(スピーカから最も近い耳まで)であり、Aは逆の側の伝達 関数である。遅延部16,24は、2つの関数A及びSの時間遅延差である時間 遅延τを導入する。こうして、図5の回路内で、単位利得(unity gain)の交叉結 合経路についての理論的に完璧なクロストーク消去が、結果として得られる。し かしながら、好ましい実施形態は、利得制御ユニット20,28により導入され る単位よりもわずかに小さい利得率(gain factor)xを含んでいる。その理由は 、以下の通りである。S及びAは実際には、往々にして人工ヘッドから測定され る。非常に低い周波数の測定は、非常に低い周波数の音響信号を生成することが 困難であるた めに、実施が非常に難い。従って、A及びS関数をゼロ周波数で同じ利得になる まで人工的に強制するというのが一般的な実践方法である。こうしてA及びS関 数は、あたかも音源が遠くにあるかのように挙動することになる。その結果、フ ィルタの利得−A/Sは、ゼロ周波数で(マイナス)単位の利得を有する。従っ て利得制御ユニット20,28無しの図5の配置は、低周波数で単位の正のフィ ードバックを有し、不安定となる。promiduの利得制御ユニット20,28によ り、1より小さいDC利得率が、この問題を回避させてくれる。promiduの利得 制御ユニット20,28の2次的な利点は、クロストーク−消去の量が低減され ることにあり、上述のような我々の国際特許出願WO95/15069号に開示 されている利点が実現される。 従って、出力信号はかくして以下のとおりに表わすことができる。 LEFT-OUT=(1−x22-2-1(LEFT-IN−xAS-1.RIG HT-IN)…(iv) RIGHT−OUTについても類似の等式が成り立つ。 ここで図6を参照すると、この図は、人工ヘッドについての測定値から演繹し た関数−A/Sの理論値40及び本発明によるフィルタにより提供される近似関 数42の、周波数対利得の関係を表わしたグラフ表示である。0.5と0.95 の間のクロストーク消去減少率はこのグラフには示されていないが、図5に利得 関数20及び28として実現されている。図6から、各フィルタ18,26が、 理論的関数に密に近似させるために、7kHz前後で顕著なくぼみを、又9kHz前後 で顕著なピークを有することがわかるだろう。理論的A/S関数の各々及び全て のディテールを再生するフィルタを実現することは、はるかに多くのフィルタ段 を必要とし、さらに関数 のディテールが精確な測定条件に応じて変化することから、実際上実施不可能で あるということが理解できるだろう。 図6はまた、42としてその応答が示されているフィルタの極及びゼロのプロ ットも示している。近似は、望みの精度で行なうことができるが、この例では、 4つの極及び4つのゼロを伴うフィルタが示されている。図7は、近似フィルタ 42及び理論的−A/S関数40の、周波数対位相の関係を表わしたグラフ表示 である。Aの時間遅延要素は、明確化のため省略されている。 本発明の1つの目的は、本発明の実現を先に記述したように処理パワーの面で 経済的なものにすることにある。IIRフィルタは特に適切であり、2つのカス ケード式2次IIR区分から成る、図6の近似曲線を実現するための1つの好適 なクロストークフィルタが図8に示されている。フィルタ18,26には8つの 乗算器が必要である。図8において2つのカスケード式2次区分50,52は類 似の形態を有しており、各々の区分において、入力信号が加算接合部54まで通 過させられ、ここで加算接合部56からの出力との加算が発生する。接合部54 の出力は、さらなる加算接合部58及び2つの1サンプル遅延ユニット60,6 2に印加される。遅延ユニット60の出力は、乗算器64の中で係数B1/B0 によりスケーリングされ、加算接合部58の入力側に印加され、又乗算器66の 中で係数A1によりスケーリングされ、加算接合部56の入力側に印加される。 遅延ユニット66の出力は、乗算器68内で係数A2によりスケーリングされ、 加算接合部56の入力側に印加され、かつ乗算器70内で係数B2/B0により スケーリングされ、加算接合部72に印加される。加算接合部72はまた、加算 接合部58からの出力信号をも受けとり、出力信号を提供する。 各フィルタ区分の伝達関数を以下のように表現できることがわか るだろう。 出力/入力=(1+Z-1B1/B0+Z-2B2/B0)(1−Z-1A1−Z-2A2)-1 すなわち2つの極と2つのゼロをもつ2次フィルクである。Zは周知のZ変換 である。 図6の曲線40は、人工ヘッド又は人間の頭での測定から演繹されたデータの 例である。これは、例えばスプリアス共振、反共振及び反射によってひき起こさ れるいくつかの望ましくないディテールを含んでいる。例えば、9kHz前後での 急峻なピーク及び16kHz前後での急峻なくぼみは恐らくは、このような影響に 起因するものである。従って、フィルタをそれに適合するように設計しようと試 みる前に曲線40を平滑化するのがこの場合の良好なアプローチである。 図9は、測定された−A/S関数76が平滑化されたもののなおも関数の重要 な特性を保持しているという点を除いて、図6に類似したグラフを示す。曲線7 8は、0〜15kHzの範囲内で2dB未満の誤差を伴って、望ましい応答に密接に 追従する近似フィルタの応答を示している。図10は、理論的−A/S接合部7 6及び近似フィルタの位相対周波数のグラフを示しており、図7と類似している 。この平滑化プロセスの2次的利点は、本発明の目的と調和した形で、曲線78 と適合するように単純なフィルタ18,26を設計することができるということ にある。このフィルタの1つの実施形態が、5つの乗算器を用いて図11に示さ れており、ここで図8のものに類似した部品には同じ参照番号が施されている。 フィルタ18,26の第2の区分80は単純化されており、段50の出力を1つ の入力として受信する加算接合部82を有する。接合部82のさらなる入力側と 出力側の間には、遅延部84及び乗算器86が結合さ れている。加算接合部82の出力側は、段に対し出力を提供する。 フィルタ18,26の幾分かの近似が受容できるのであれば、フィルタ長18 ,26のさらなる短縮を達成することができる。図12及び13は1つの例を示 している。図12では、近似フィルタ関数90が、全周波数範囲にわたり5dB未 満の誤差を有し、正及び負の誤差は等しく分布している。数多くの利用分野にお いて、この近似は満足しうるものでありうる。2つの乗算器しか使用しない1つ の実施形態が図14に示されており、ここで図8のものと類似した部品には同じ 参照番号が施されている。かくして、1つの出力信号を提供する、加算接合部5 8の1つの入力側に結合された出力側をもつ加算接合部54に対し、1つの入力 が提供される。接合部54の出力側は同様に遅延ユニット60にも結合され、こ のユニットは、係数A1を提供する乗算器66により接合部54の入力側に、ま た係数B1/B0を提供する乗算器64により接合部58の入力側に結合されて いる。 図15及び16に示されているように、わずか1つの乗算器を用いて、さらに 高度の単純化が可能である。ここで望ましい近似関数100は、最高6kHzまで しか正確に追従されず、その後は、望ましい曲線に応答が正確に追従するように させることはできないが、周波数の低い領域は、より高い周波数領域よりもさら に重要である。可能な1つの実施形態は図17に示されており、ここで図11の ものに類似する部品は、同じ参照番号で示されている。かくして加算接合部82 は1つの入力として入力信号INPUTを受信する。遅延部84及び乗算器86 が、接合部82のさらなる入力側と出力側の間に結合されている。加算接合部8 2の出力側は出力信号OUTPUTを提供する。 以上で開示された全てのフィルタは、多大な人為的操作及び3次 元印象の喪失無くクロストーク消去を生成することになるが、フィルターが忠実 に理想的A/Sに追従すればするほど、サウンドの印象は良くなる。特に、10k Hz以上の高い周波数については、高いキューが存在し、従って高さの印象を作り 出すのにより高い周波数で精確な消去が望まれる。 以上で開示した各フィルタは、水平面内で聴取者のまわりに「完全に」サウン ドイメージを回転させるように配置されたバイノーラルミュージックトラックを 聴き、その効果を見極めるためにクロストーク消去フィルタを利用する一群の聴 取者によってテストされた。より単純なフィルタについては、示されているとお りにフィルタ特性が入念に最適化されたのでないかぎり、後方の「頭部の直後の 」位置が作用しなくなり、音源が前方位置へ逆戻りする;イメージが分離し始め 、例えばボーカル、バス、パーカッションなどが空間的に分離する、といったよ うな望ましくない効果が発生する可能性がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ナックビ,ファワッド イギリス国,ミドルセックス ユービー3 1エイチエイチ,ヘイズ,ダウレイ ロ ード,セントラル リサーチ ラボラトリ ーズ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.それぞれ左右のバイノーラル入力信号を受信するための第1及び第2の信 号経路を含むバイノーラル信号処理用装置において、該第1の信号経路が第1の 組合せ接合部を含み、該第2の信号経路が第2の組合せ接合部を含み、該第1の 組合せ接合部の出力側が第1の交叉経路により該第2の組合せ接合部の入力側に 結合されており、該第2の組合せ接合部の出力側が第2の交叉経路により該第1 の組合せ接合部の入力側に結合されている装置であって、該第1及び第2の交叉 経路の各々が、伝達関数A/Sをもつクロストークフィルタ手段を含み、ここで A及びSは、それぞれ上記したような遠位耳及び近位耳HRTFを表わし、該第 1及び第2の組合せ接合部の出力がバイノーラル出力信号を表わしている、バイ ノーラル信号処理用装置。 2.各々の交叉経路が、周波数とは無関係な0.95〜0.5の減衰率を提供 する利得制御手段を有する、請求項1に記載の装置。 3.各々の組合せ接合部が加算接合部であり、各々の交叉経路が信号反転を提 供する、請求項1又は2に記載の装置。 4.各クロストークフィルタ手段に1つ又はそれより多くの区分が含まれ、そ のうちの少なくとも1つが2次無限インパルス応答(IIR)フィルタをそなえ ている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。 5.各々のクロストークフィルタ手段が、カスケード接続された第1及び第2 の区分を含み、各々の区分が2次IIRフィルタをそなえている、請求項4に記 載の装置。 6.該IIRフィルタ又は各々のIIRフィルタが、出力を提供するための第 2の加算接合部に対し第1及び第2の遅延素子を介し て結合された、入力信号を受信するための第1の加算接合部を含み、係数乗算器 を含むフィードバック及びフィードフォワード経路が、遅延素子及び加算接合部 の間に設けられている、請求項4又は5に記載の装置。 7.各出力として左及び右のバイノーラル出力信号を提供する、それぞれの第 1及び第2の信号経路に対し左右のバイノーラル入力信号を提供すること、第1 のクロストークフィルタ手段を通して第1の交叉経路を介し該第2の信号経路に 該左のバイノーラル出力信号を供給し、ろ波された左のバイノーラル出力信号を 該右のバイノーラル入力信号と組合わせること、及び第2のクロストークフィル タ手段を通して該第1の信号経路に対し第2の交叉経路を介して該右のバイノー ラル出力信号を供給し、ろ波された右のバイノーラル出力信号を該左のバイノー ラル入力信号と組合せることを含み、該第1及び第2のクロストークフィルタ手 段の各々が伝達関数A/Sを有し、ここでA及びSは、それぞれ上記したような 遠位耳及び近位耳HRTFを表わしている、バイノーラル信号処理方法。 8.実質的に添付図面の図5〜17を参照して本明細書に記述されこれらの図 の中に示されているようなバイノーラル信号処理用装置。 9.実質的に添付図面の図5〜17を参照して本明細書に記述されているよう なバイノーラル信号処理方法。
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