JP2000507445A - 果実成熟 - Google Patents

果実成熟

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JP2000507445A JP9534719A JP53471997A JP2000507445A JP 2000507445 A JP2000507445 A JP 2000507445A JP 9534719 A JP9534719 A JP 9534719A JP 53471997 A JP53471997 A JP 53471997A JP 2000507445 A JP2000507445 A JP 2000507445A
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Abstract

(57)【要約】 MEL2およびMEL7と称するクローンは、メロン果実の成熟中に発現される遺伝子のcDNAである。これら遺伝子の発現の調節は、成熟過程の制御を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 果実成熟 本発明は、果実成熟中にメロン(Cucumis melo L.)によって生産されるDN A、およびその成熟過程を制御するためのこれらDNAの使用に関する。 したがって、本発明は、概して、植物遺伝子発現の調節による植物表現型の改 良に関する。更に詳しくは、本発明は、果実成熟過程に関係していることが知ら れている1種類または2種類以上の遺伝子の制御による果実成熟の制御に関する 。 発現の制御のための二つの主な方法が知られている。これらは、当該技術分野 において、「アンチセンスダウンレギュレーション」および「センスダウンレギ ュレーション」または「コサプレッション(cosuppression)」と称される。こ れらの方法は両方とも、標的遺伝子の発現の阻害をもたらす。 過発現(overexpression)は、選択された遺伝子の1個または2個以上の余分 なコピーの挿入によって達せられる。他のあまり用いられない方法は、遺伝的制 御要素、プロモーターおよび制御配列の修飾を行って、挿入された遺伝子のより 多いまたはより少ない発現を行う。 アンチセンスダウンレギュレーションの場合、標的遺伝子の全部または一部分 に対して相補的であるDNAを、ゲノム中に逆配向でおよびその翻訳開始シグナ ルを伴うことなく挿入する。最も簡単な理論は、転写可能であるが翻訳不能であ るこのようなアンチセンス遺伝子が、内因的遺伝子から転写されたmRNA産物 に対して配列が相補的であるmRNAを生じ:次に、そのアンチセンスmRNA が、天然に生じた「センス」mRNAと結合して、天然のmRNAのタンパク質 への翻訳を阻害する二重らせんを形成する。挿入されたアンチセンス遺伝子の長 さが内因的遺伝子配列と等しい必要はなく、フラグメントで充分である。そのフ ラグメントの大きさは、特に重要ではないと考えられる。40ヌクレオチドまた はその程度の小さいフラグメントが阻害作用を有すると報告されている。しかし ながら、少数しかないヌクレオチドが極めてよく作用するといわれており、完全 長さと同等までのより大きい数は確実に作用するであろう。好都合な制限酵素切 断部位が50ヌクレオチドの下流のどこかに存在するフラグメント長さを単純に 用いるのが普通である。遺伝子のフラグメントだけを必要とするということは、 遺伝子全部を配列決定する必要がないことを意味する。それは、通常はcDNA で充分であろうという意味でもあり、完全なゲノム配列を単離する必要性をなく す。 アンチセンスフラグメントは、標的遺伝子の内因的相補鎖と正確に同じである 必要はない。標的遺伝子の阻害を行うのに充分な配列類似性が存在しさえすれば よい。これは、別の場合にも有効である一つの植物種に由来した配列の使用を可 能にし且つ目的の個々の種それぞれにアンチセンスベクターを構築する必要性を なくすので、アンチセンス技術の重要な特徴である。一つの種から単離された配 列は別の場合にも有効でありうるが、一つの種と他の種との間の配列類似性の程 度がその作用を得るのに不十分であるところの例外を見出すのは希ではない。こ のような場合、種特異的同族体を単離する必要があるかもしれない。アンチセン スダウンレギュレーション技術は、当該技術分野において充分に確立されている 。それは、いくつかの教本および何百もの雑誌刊行物の論題である。主な特許文 献は、カルゲン・インコーポレーテッド(Calgene Inc.)の名義の欧州特許第25 40,208号である。アンチセンス技術の操作性を疑う理由は何もない。それは充分 に確立され、世界中の実験室で日常的に用いられ、そしてそれが用いられている 製品は市場にある。過発現もダウンレギュレーションも、「センス」技術によっ て行われる。標的遺伝子の完全長さコピーがゲノム中に挿入された場合、一定範 囲の表現型が得られ、いくつかは標的遺伝子を過発現し、いくつかは不十分に発 現する。次に、この方法によって生産された植物集団をスクリーニングし、そし て個々の表現型を単離できる。アンチセンスと同様、その挿入された配列は翻訳 開始シグナルを欠いている。アンチセンスとのもう一つの類似性は、挿入された 配列が完全長さコピーである必要はないということである。実際、過および不十 分発現性表現型の分布は、不十分発現に有利に傾くことが見出されており、これ は、遺伝子阻害が所望の作用である場合に好都合である。過発現のためには、挿 入されたコピー遺伝子がその翻訳開始コドンを保持していることが望ましい。コ サプレッションに関する主な特許文献は、DNAプラント・テクノロジー・イン コー ポレーテッド(Plant Technology Inc.)の名義の欧州特許第465,572号である。 センス/コサプレッション技術の操作性を疑う理由は何もない。それは充分に確 立され、世界中の実験室で日常的に用いられ、そしてそれが用いられている製品 は市場にある。 センスおよびアンチセンス遺伝子調節は、バード(Bird)およびレイ(Ray) によって、Biotechnology and Genetic Engineering Reviews 9:207-227(1991) で論評されている。トマトで選択された遺伝子を制御するためのこれら技術の使 用は、グレイ(Gray)ら,Plant Molecular Biology,19 69-87(1992)によって記 載されている。 記載された方法のいずれによる遺伝子制御も、センスまたはアンチセンス配列 を、ポリアデニル化シグナルを含有する適当なプロモーターおよび末端配列と一 緒に、形質転換によって標的植物種のゲノム中へ挿入した後、その形質転換細胞 を植物全体で再生することを必要とする。形質転換法は大部分の植物種に対して 存在しまたは利用可能な方法の適応によって入手できるということは正しいと考 えられる。 双子葉植物に最も広く用いられる方法は、アグロバクテリウム(Agrobacteriu m)に媒介される形質転換である。これは、全ての形質転換法の中で最もよく知 られ、最も広く研究され、したがって、最もよく理解されている。リゾバクテリ ア菌アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ま たは関連のアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)は、 事実上、その細菌に感染した植物において疾病症状である毛根腫瘍のクラウンゴ ールの形成を引き起こすプラスミドを含有する。病因論においてアグロバクテリ ウムによって用いられる機序の一部分は、左右境界部分で結合しているプラスミ ドDNAの部分が感染植物のゲノム中に安定してトランスフェクションされるこ とである。したがって、異種DNAが、いわゆる「転移」領域(T領域)中に、 通常そこに存在する遺伝子の代りに挿入されるならば、その異種遺伝子は植物ゲ ノム中に転移するであろう。雑誌文献、教本および特許には何百もの参考文献が あり、その方法は充分に確立されている。 アグロバクテリウムの有効性は、その微生物の宿主範囲に限定され、したがっ て多かれ少なかれ、双子葉植物種に限定される。概して、重要な穀物を含む単子 葉植物種は、アグロバクテリウム法による形質転換に従わない。単子葉植物細胞 の核中へDNAを直接挿入するための様々な方法が知られている。 射出法(ballistic method)の場合、通常は金またはタングステンである稠密 材料の微粒子を、それらが細胞に侵入する標的細胞のところで高速度で燃焼させ て、その細胞壁に穴を開け、そこを通ってDNAが入ることができる。そのDN Aは、微粒子にコーティングされていてよいしまたは培地に加えられていてよい 。 マイクロインジェクションの場合、DNAを超微細中空針による注射によって 個々の細胞中へ挿入する。 単子葉植物にも双子葉植物にも利用できるもう一つの方法は、標的細胞の液体 中懸濁液を生成し、炭化ケイ素または窒化ケイ素「ホイスカー」などの顕微鏡針 状材料を加え、そしてそれら細胞およびホイスカーが衝突し且つ液体中に存在す るDNAが細胞に入るように撹拌することを行う。 要約すると、センスおよびアンチセンス技術両方の必要条件が知られており、 しかも必要な配列を導入できる方法が知られている。次に、残っていることは、 遺伝子の調節が所望の作用を有すると予想されるその遺伝子を識別し、それらを 単離しまたは充分に有効な長さのフラグメントを単離し、その有効なフラグメン トがプロモーターと終結シグナルとの間に挿入されているキメラ遺伝子を構築し 、そしてその構築物を標的植物種の細胞中に形質転換によって挿入することであ る。次に、植物全体をその形質転換された細胞から再生できる。 果実成熟は、遺伝的にプログラムされた器官分化を詳細に調べるためのモデル システムとして広く用いられてきた複雑な発生過程である。リンゴ、バナナ、ト マト、ナシ、アボカドおよびマンゴーなどの、非クライマクテリック(non clim acteric)果実およびクライマクテリック(climacteric)果実両方を用いた研究 は、成熟中に異なった遺伝子発現の結果を与えた。成熟中に変化した活性を示す いくつかの酵素が報告されており、そしてそれぞれの遺伝子がクローン化された 。多数の成熟関連遺伝子の機能はまだ知られていない。 マスクメロン(Cucumis melo L.)は、成熟中のエチレン生産に関係したクラ イマクテリック上昇を有する経済的に重要な果実である。メロンでの研究は、他 のクライマクテリック果実の場合と同様、その成熟がエチレン合成の増加に関係 していることを示した。エチレン生合成の最終段階を触媒するトマトからのAC Cオキシダーゼ(Acol)と相同のcDNAクローンがメロンから単離され、 そして成熟中に増加することが判った。果実成熟において最も注目に値する生理 学的変化は、中果皮組織の軟化、色素の蓄積、特徴的な芳香の発生および甘味で ある。中果皮の軟化は、ペクチンおよびヘミセルロース多糖の変性に関係してい る。メロンの場合、これらの変化は、主としてβ−ガラクトシタダーゼによって 引き起こされると考えられるが、ポリガラクツロナーゼは、トマト、アボカドお よびナシの場合に重要である。セルラーゼおよびキシラナーゼなどの他の酵素も 、細胞壁異化作用に関与している。熟した果実の色の変化は、通常、カロテノイ ドまたはアントシアニンの蓄積およびクロロフィルの分解のためである。これは 、メロンと同様に成熟中にカロテノイドを合成するトマトで詳細に研究された。 カロテノイド経路における鍵酵素であるトマトフィトエンシンターゼと相同のc DNAクローンがメロンから単離され、そして成熟中に優先的に発現されること が判った。甘味は、熟したマスクメロンの特性であり、しかもそれは、品質評価 にも用いられる。糖レベルは、果実組織中に存在するインベルターゼおよびシン ターゼの平衡によって調節されとる考えられる。熟した果実の芳香は、50種類 を越える化合物の混合物に関係していて、これらのいくつかにはチオエステルが 含まれる。芳香揮発物の生産および放出はよく理解されていない。熟した果実の これらの性質はいずれも、その果実を消費者にとって魅力的にさせ、そしてそれ らの可能な操作は、科学的に且つ商業的に興味深い。しかしながら、メロン成熟 に関与する更に別の遺伝子を識別する必要がある。 本発明は、果実の成熟の制御に関し、そしてここで特に興味深いのはメロンの 場合である。 成熟過程を制御する場合の本発明者の関心は、両方とも成熟過程によって大き く影響される特性である果実の風味および/またはテキスチャー(texture)を 改良することである。 本発明により、メロンからの成熟関連cDNAであって、同一ポリペプチドを コードする配列番号1若しくは配列番号2の配列またはその変異体を有する該D NAを提供する。 本発明は、更に、果実成熟の制御のためのDNA構築物であって、植物細胞中 で機能しうるプロモーターおよび末端領域並びにそれらの間にセンスまたはアン チセンス配向の配列番号1または配列番号2の全部または一部分を有するDNA を含む上記DNA構築物を提供する。 更に、本発明は、変化した果実成熟特性を有する遺伝的に修飾された植物であ って、植物細胞中で機能しうるプロモーターおよび末端領域並びにそれらの間に センスまたはアンチセンス配向の配列番号1または配列番号2の全部または一部 分を有するDNAを含むDNA構築物をそのゲノム中に安定して包含された該植 物を提供する。 本発明は、前述の遺伝的に修飾された植物の果実も提供する。好ましくは、そ の植物はメロンである。しかしながら、本発明は、他の果実生産植物における果 実成熟過程を制御するための本発明のメロン由来DNAの使用も考察する。 本発明をもたらした本発明者の実験研究において、本発明者は、この研究の生 理学的および分子的アプローチを用いた。温度などの環境因子は、成熟のタイミ ングおよびいくつかの成熟関連遺伝子の発現レベルに影響しうるが、開花後30 〜40日(daa)の期間が、メロン成熟の最も活発な時期であると考えられた 。果肉の色は緑色から橙色に変り、そして中果皮組織は30daaで柔らかくな り始めた。この時点で、芳香化合物が放出され、そして種子が完全に発育した。 果実でのそれら変化のいくつかは、エチレンレベルと相関した(図1)。摘みと られた果実から発生したエチレンを測定した場合、同等のエチレンレベルは同様 の生理学的段階および外観を有する果実と関係していたことが注目された。この 報告のエチレン測定値は、メロン栽培変種の以前のエチレン生産データと一致す る。 本発明者は、MEL2およびMEL7と称する2種類の新規成熟関連cDNA を単離した。MEL2mRNAは、成熟の初期では検出されなかったが、30d aa〜40daaでは大きな発現の増加を示した。その発現は、果実が熟した4 0daaでピークに達した後、減少した。MEL2mRNAは、果実でだけ検出 され、試験された他の植物器官のいずれでも検出されなかった。MEL7mRN Aは、メロン植物の各種器官でおよび成熟の初期で検出された。それは、215 daaからmRNA発現の有意の増加を示した。果実成熟中のMEL7mRNA の発現パターンは、MEL2と同様であった。 メロン果実の場合、ACCオキシダーゼ、ACCシンターゼなどのエチレン生 合成経路に関与する酵素およびフィトエンシンターゼを含めたカロテノイド生産 に関与する酵素をコードしているmRNAの量の増加が報告された。熟したおよ び未熟のメロン果実mRNAを用いてin vitroで合成されたタンパク質のポリア クリルアミドゲル電気泳動は、いくつかのタンパク質が成熟中に豊富に増加した ことを示した。51kDおよび36kDのタンパク質はそれぞれ、ACCシンタ ーゼおよびACCオキシダーゼでありうるし、そして43kDタンパク質はフィ トエンシンターゼであると考えられるが、それは、これらタンパク質の分子量が これら酵素で確認されたものに相当したからである。成熟中に増加した17kD のタンパク質は、MEL7ポリペプチドの予測寸法を有する。 エチレンの存在は、MEL2およびMEL7のmRNAレベルを調節するのに ある役割を果たすと考えられる。高エチレン雰囲気中で48時間後、MEL2m RNA発現が引き起こされ、そして20daa果実でも検出できた。MEL7m RNAは、エチレン処理から48時間後でも誘導された。組織の創傷は、MEL 2およびMEL7のmRNAの減少を引き起こしたが、これは、それらの代謝回 転速度またはそれぞれの遺伝子の転写に創傷が影響することを意味すると考えら れる。 サザン分析データは、少なくとも4個のゲノムEcoRVフラグメントがME L2cDNAプローブに対してハイブリッド形成したことを示し、MEL2につ いて2個以上の対応する遺伝子が存在することが示された。EcoRVおよびS alIでの消化におけるハイブリッド形成シグナルの相違(図7A)は、いくつ かの遺伝子がヌクレオチドレベルで低相同性を有することを示唆すると考えられ る。MEL2cDNA配列中に内部EcoRV部位は存在しないので、1.0k bハイブリッド形成バンドの検出は、その制限部位がイントロン配列中に位置し ているかもしれないことを示唆する。メロンゲノムDNAがEcoRIおよびB amHI酵素で消化された場合、MEL7cDNAプローブに対してハイブリッ ド形成した33.6kbの概算寸法のゲノムフラグメントが一つだけ存在した。 この結果は、MEL7が単一のまたは低コピーの遺伝子に由来すると考えられる ことを示した。 RNA結合タンパク質の特徴として確認された最も大きい保存領域(the most conserved region)であるRNA結合モチーフ(RNP−CSI)は、MEL2 予想ポリペプチド配列中で見出された。このような共通配列が、これまでに確認 されたいずれの成熟関連遺伝子でも見出されたのは初めてである。その存在は、 RNA代謝回転の調節において可能なこのタンパク質の関与を示した。核に位置 する標的シグナルは植物中で機能するが、N末端配列の不存在は、MEL2タン パク質の局在化についておよび転写、前mRNAプロセッシングまたは1個若し くは複数の成熟関連遺伝子の翻訳におけるその可能な調節的役割について予想す ることを困難にすることが示された。しかしながら、これは、果実細胞中のME L2タンパク質の免疫局在化によって明らかにされると考えられる。 主要乳液タンパク質(major latex protein)に対するMEL7予想ポリペプ チドの相同性は興味深い。これは、ケシの乳液の主要タンパク質である。ネスラ ー(Nessler)ら,Plant Physiology 79,499-504(1985)。乳液は、特に、乳管細 胞と称される分化した細胞で生産され、そしてその存在は、多数の植物類で報告 されている。根および茎において他の栄養組織の場合よりも多量にMEL7mR NAが検出されることは、植物における乳管の分布と一致する。乳液の機能につ いて最も有力な見解は、それが、創傷の封止および二次代謝産物の貯蔵に関与し ているということである。エチレンは、f乳液の生産および乳管細胞中の各種酵 素の活性を増加させることができると報告されている。MEL7タンパク質が主 要乳液タンパク質のメロン対応物であることが証明されるならば、その役割は、 熟した果実を感染および創傷から保護することにあると考えられる。この見解は 、Sn−1遺伝子産物が、通常、熟したピーマン果実においてしか検出されなか ったが、傷ついてから15時間後の未熟の果実でも蓄積しうるということによっ て支持される。果実は、おそらくは細胞壁の軟化のために、成熟中の感染および 損傷に対して一層感受性になることが知られている。MEL7発現は、創傷によ って引き起こされたと考えられたが、本発明者の結果は、そのmRNAレベルが 中果皮組織の創傷後に降下したことを示した。これは、創傷に応じたこのmRN A の誘導が一般的ではないことを示している。しかしながら、タンパク質の調節お よび機能は、種々の細胞および組織種で異なると考えられる。 これらクローンに類似したmRNAの蓄積パターンは、メロン成熟中において 、例えば、RNAプロセッシングまたは代謝回転および創傷封止において可能な それらの役割を示唆する。MEL2mRNAは、成熟に特異的であるので、その MEL2プロモーターの単離は、メロンの遺伝的修飾に極めて有用であろう。 次は、以下に記載の実施例で用いられた材料および方法の説明である。 植物組織 メロン種子(Cucumis melo L.cv.Cantaloupe charentais)は、テジア・ブリ ーディング・インスティトゥート(Tezier Breeding Institute),ヴェレンス ,フランスによって提供され、そして5リットルポット中の温室中において16 時間の照明下で成長した。開花したばかりの雌花に手で受粉を行い、そして既知 齢の果実を識別するために標識を付けた。一つの植物につき1個の果実を発育さ せた。果実は、開花後15日、20日、25日、30日、35日、40日および 45日(daa:days after anthesis)目に収穫した。果実の成熟段階は、収 穫直後のエチレン発生速度を測定することによっても評価された。中果皮組織を 種子腔および表皮から分離し、小片に切断し、液体窒素中で凍結させ、そして7 0℃で貯蔵した。 エチレン測定値 果実を収穫し、そして気密ガラス容器中に密封した。それらを室温で2時間イ ンキュベートし、そしてスバシール(Suba-seal)によって容器から回収された 気体1mlを用いて、パイ・ユニカム(Pye Unicam)PU4500ガスクロマトグラ フを用いて外部に放出されたエチレンを定量した。 色およびテキスチャー測定値 果実を縦軸方向に切断し、そして色測定値は、クロマ(Chroma)メーター(ミ ノルタ(Minolta)CR-200)を用いて表皮より1.5cm下の果肉にプローブ を置くことによって得られた。テキスチャー測定値については、長さ2cmおよ び直径15mmの円筒形果実組織試料を、表皮から始めて内部に向けて種子腔ま で金属製コルクボーラーを用いて取出した。その円筒を、金属製台に対して12 mm直径プローブで圧縮した。必要な力を、TA−XT2テキスチャー・アナラ イザー(Texture Analyser)(ステーブル・ミクロ・システムズ(Stable Micro Systems))を用いて、果実それぞれについてその試料がつぶれるまで変形と対 抗させた。 RNA抽出 全RNA抽出のために、組織の種類によって異なった方法を用いた。果実試料 および子房からの全RNAは、スミス(Smith)ら,Planta1 68:94-100(1986)に よって記載された方法を用いて抽出した。葉、茎、花弁および種子材料について の全RNAは、ワズワース(Wadsworth)ら,Anal.Biochem 172:279-283の手順 によって抽出し、そして根試料には、ディーン(Dean)ら,EMBO.J.4:3055-3061 (1985)を用いた。ポリ(A)+mRNAは、ポリAトラクトキット(Tract Kit) (プロメガ(Promega))を用いて果実全RNAから単離された。 示差スクリーニング 約30,000pfu/140mmプレートの重複プラークリフト(replicat e plaque lifts)を、cDNAライブラリーの希釈液から作成した。リフトは、 ハイボンド(Hybond)−N+(アマーシャム(Amersham))膜を用いて、製造者 によって記載のように行われた。重複フィルターを、モロニーネズミ逆転写酵素 (ストラタジーン(Stratagene))および[α−32P]dCTP(アマーシャム )を用いて未熟の果実かまたは熟した果実からの0.5μgのポリ(A)+RN Aから生じた一本鎖cDNAプローブに対してハイブリッド形成させた。ハイブ リダイゼーション条件は、ハイボンド−N+プロトコール(アマーシャム)にし たがった。クローンは、プローブに対するそれらの選択的ハイブリダイゼーショ ン能力に基づいて単離された。最初の単離物に、プラーク純粋クローンが単離さ れるまで同様のプローブを用いて2回目および3回目のスクリーニングを施した 。 ノーザンブロット ノーザンブロット分析は、ジョン(John)ら,The Plant J.7(3):483-490(199 5)によって記載のように行われた。次に、それらの膜を、増強スクリーンを用い て−70℃でオートラジオグラフィーに暴露させた。オートラジオグラフィーに 加えて、AMBIS 4000放射能分析画像検出器を用いて膜上のシグナル強度を直接 的に定量し、そしてAMBISクォントプローブ(QuantProbe)バージョン4ソフト ウェアを用いて分析した。 ゲノムDNA抽出およびサザンブロット ゲノムDNAは、ベルナツキー(Bernatzky)ら,Theor.App.Genet.72:314-32 1(1986)の方法によって若葉から抽出された。約10μgのゲノムDNAが、制 限酵素で一晩中消化され、そして0.8%アガロースゲル上の電気泳動によって 分離された。そのDNAを、ナイロン膜(ジェネスクリーンプラス(Genescreen plus),デュポン(DuPont))に対して製造者の指示にしたがって移した。次に 、それら膜を標識プローブ(ノーザンについて記載の通り)と42℃でハイブリ ッド形成させ、そしてオートラジオグラフフィルムに−70℃で暴露させた。 放射性標識プローブ DNAプローブを、ランダムプライミング法によって合成した。プラスミド( pMEL2およびpMEL7)をEcoRIおよびXHOIで消化してクローン 化インサートを取出した後、これらをアガロースゲル電気泳動によって分離した 。アガロースゲルからのcDNAインサートを、ジェネクリーン(Geneclean)I I(バイオ(Bio)101)キットを用いて精製し、そしてランダムプライムラベリ ングの鋳型として用いた。 DNA配列分析 配列決定は、合成オリゴペプチドをプライマーとして用いてジデオキシ鎖終結 法によって行われた。配列決定用プラスミドDNAは、キアジェン(Qiagen)カ ラムを用いて単離され、そしてシークエナーゼ(Sequenase)V.2.0(UBS)およ びタクトラック(Taqtrack)(プロメガ)配列決定用キットを用いて配列決定さ れた。DNA配列データは、ウィスコンシン大学ジェネティクス・コンピュータ ー・グループ(Genetics Computer Group)(GCG)およびDNAストライダ ー(Strider)プログラムを用いて分析された。 in vitro翻訳 in vitro翻訳には、未熟の(15および200daa)および熟した(35お よび40daa)果実からの2μgのポリ(A)+mRNAを、35S−メチオニ ン(アマーシャム)で標識されたTNT結合コムギ胚芽抽出物(プロメガ)中 で鋳型として用いた。 未熟果実の創傷およびエチレン処理 未熟の果実(20daa)を、解剖用小刀の刃を用いて極小片を切取ることに よって傷つけ、そして2および6時間後に液体窒素中で凍結させた。同一果実か らの対照非創傷材料は、収穫直後に凍結した。エチレン処理には、未熟の果実を 、気密ガラス容器内の20μ11-1のエチレン雰囲気中に48時間密封した。そ れら容器を10時間ごとに換気して低酸素状態にならないようにし、再度密封し 、そしてエチレン濃度を元に戻した。 ここで、本発明を実施例によって記載する。論評された図面は、 図1 メロン果実の成熟中の変化 (A)成熟中の色の変化。色測定値からの色相成分aを用いた。負の値は緑色 を示し、そして正は赤色果実を示す。 (B)ニュートン(N)/mmの変形で表わされた果肉の固さ。 (C)摘みとられた果実からのエチレンの放出。データは全て、開花からの果 実の齢に対してプロットされた。 図2 翻訳可能なmRNAの成熟中の変化。 産物は、SDS−pageによって分別された。熟した果実試料中で量が増加す るタンパク質を矢じり形で示す。分子量マーカーの位置を左側に示す。 実施例1 成熟および果実属性 メロン果肉色の緑色から特徴的な橙色への変化は、開花後30日(daa)で 開始し(図1A)、そして初めは、種子腔の周囲で最も明らかであった。その変 化は持続し、蓄積した色素のために果実が暗橙色に達する最終段階まで表皮へ向 かって広がった。果実はまた、30〜40daaで固さ(力/変形)の劇的な低 下を示した(図1B)。それらは、25daaに軟化し始め、そして40daa で極端に柔らかく且つ水気が多くなった。熟したメロンの芳香は35daaで検 出でき、そして45daaまで増加した。成熟している果実からのエチレンは3 5daaで検出でき、これは、種子が充分に発育した時期と一致した(図1C) 。 それは35〜40daaで増加した後、更に遅い速度で45daaまで増加し続 けた。30daaより前の緑色の未熟果実からエチレンは検出されなかった。 翻訳可能なmRNAの成熟中の変化 熟したおよび未熟の果実からのポリ(A)+mRNAの in vitro翻訳産物は、 豊富に変化したタンパク質を示した。55、51、47、43、36、31、2 7、20および17kDの分子量を有するタンパク質(図2)は、熟した果実で 増加するように見えたが、果実が成熟するにつれて検出不能になったいくつかの タンパク質が存在した。同様の変化は、種々の成熟段階からの全タンパク質をS DS−PAGEによって分析した場合に見られたが(データは示されていない) 、いくつかのタンパク質の分子の大きさは異なった。 実施例2 MEL2およびMEL7のcDNAクローンの単離 示差的発現を示した2種類のcDNAクローンを、メロンの熟した果実cDN Aライブラリーから、未熟のおよび熟した果実のポリ(A)+mRNAからの一 本鎖cDNAプローブを用いて単離した。MEL2クローンは、成熟している果 実RNA中の1.6kb転写物とハイブリッド形成したが、そのインサートは1 512bpであって、これは、それが完全長さクローンではないことを示す。そ れは、1370ヌクレオチドの読み取り枠(ORF)を有するが、アミノ末端の 開始コドンを欠いている。3’非翻訳配列は142塩基長さであり且つ推定上の ポリアデニル化シグナルを含有する。予想されたタンパク質は、3個の可能なグ リコシル化部位および1個のRNA結合モチーフを有する。配列は不完全である が、予想されたタンパク質は高百分率の疎水性アミノ酸(Leu 10.1%, Val 8.1%,Ile 6.2%,Ala 7.7%)を有する。MEL2 予想ポリペプチドの配列分析およびヒドロパシープロット(hydropathy plot) (図3)は、シグナルペプチドを全く示さなかったが、このような配列は、存在 するならば、クローンの失われた5’末端中にあると考えられる。配列類似性探 索後、ヌクレオチドかまたはタンパク質のデータベース中の既知の配列のいずれ にも、有意の相同性はなかった。 MEL7cDNAインサートは、456ヌクレオチドのORFを含む686b p長さである。200bp非翻訳配列は、3’末端に存在し且つヌクレオチド6 46〜651位に推定上のポリアデニル化シグナルを有する。プライマー伸長実 験は、MEL7転写物がcDNAより14塩基長いことを示した(データは示さ れていない)。予想されたポリペプチドの分子量は、151アミノ酸を含む17 .3kDである(図4A)。MEL7のアミノ末端にはシグナルペプチドが存在 しないし、しかもヒドロパシープロフィール(図4b)はそのポリペプチド中に 貫膜部分を示さない。アミノ酸配列の33〜35位には1個の推定上のグリコシ ル化部位が存在する。MEL7ポリペプチドは、ケシ(Papaver somniferum)か ら単離された主要乳液タンパク質(33.5%同一および61.6%類似、図4 a)およびピーマン(Capsicum annuum)から単離されたSn−1遺伝子(32 .6%同一および57.6%類似)と、アミノ酸レベルで有意の相同を示す。3 種類のポリペプチドはまた、同様の長さおよび分子量を有する。 実施例3 果実発育および成熟中の並びに他の器官におけるMEL2およびMEL7mRN Aの発現 メロン植物の果実および他の器官からのRNAを用いるノーザン分析は、ME L2mRNAが成熟中にのみ蓄積し(図5A)、そして30daaより前の未熟 果実では検出されなかった(最大発現の0.5%未満)ことを示した。MEL2 mRNAのレベルは、30daa〜40daaの間で約100倍に増加し(図5 A)、そして果実が極めて柔らかく且つ水気が多くなった45daaで減少した (最大値の約40%)。MEL2mRNAは、調べられた他の植物器官全てにお いて検出限界未満であった(図5A)。MEL7mRNAは、成熟の初期の間は 低量で存在し、25daa〜40daaまで増加し(13倍)、続いて45da aで減少した(最大値の約40%)(図5B)。MEL7mRNAは、研究され た種々の他の植物器官において極めて少量で発現され、そして種子、葉および花 弁と比較して、根(最大値の0.6%)、茎(最大値の0.65%)および子房 (0.57%)で僅かに高かった(図5Bのオートラジオグラフの部分のより長 い暴露時間に注目されたい)。MEL2およびMEL7をプローブとして用いる トマト果実からのmRNAのノーザン分析を、ハイブリダイゼーションおよび洗 浄の低緊縮条件下で行った場合、MEL2およびMEL7同族体は検出できなか った。 実施例4 エチレン処理および創傷後のMEL2およびMEL7mRNAの発現 MEL2およびMEL7遺伝子の調節におけるエチレンおよび創傷の役割を調 べるために、未熟の果実を高(20μll-1)エチレン雰囲気中で48時間イン キュベートし且つ更に傷つけた。エチレン処理されたおよび傷つけられた果実の ノーザン分析は、MEL2mRNAが、20daa対照果実では検出できなかっ たが、エチレン処理後に27倍誘導されたことを示した。果実組織の創傷は、M EL2mRNAの量を創傷後2時間で対照と比較して7倍減少させ、そしてそれ は6時間後に検出できなくなった(図6A)。 MEL7mRNAレベルは、未処理対照試料と比較した場合、エチレンに応じ て約5倍増加した。傷つけられた果実では、対照非創傷試料と比較した場合、2 時間後にMEL7mRNAの80%を越える減少および6時間後に約95%の減 少があった(図6B)。 実施例5 ゲノムサザン分析 メロンゲノムDNAをいくつかの制限酵素で消化し、そしてサザン分析用のM EL2およびMEL7放射性標識プローブとハイブリッド形成させた。ゲノムD NAの単一消化物(single digests)は、高分子量のハイブリッド形成バンドを 生じた。この問題を克服するために、二重消化物(double digests)も用いられ た。MEL2プローブは、約6.5、4.9、3.8および1.0kb大きさの 4種類のEcoRVフラグメント並びに9.0、6.2、4.3、3.3および 1.1kbの5種類のSalIフラグメントに対してハイブリッド形成した(図 7A)。両方の列に、二つの種類のハイブリッド形成シグナルが存在した。Ec oRV消化物の6.5および4.9kbバンド並びにSalI消化物の4.3、 3.3および1.1kbバンドは極めて強いシグナルを与えたが、残りのバンド は弱くハイブリッド形成するように見えた。MEL2cDNA配列中の一つの制 限部位は、SalI酵素についてMEL2cDNA配列の650位に存在するが 、 EcoRV酵素については存在しない。 ゲノムDNAをEcoRIおよびBamHI制限酵素で消化した場合、MEL 7プローブは、単一の1.6kbフラグメントに対してハイブリッド形成した。 EcoRI酵素もBamHI酵素も、MEL7cDNAインサートを切断するこ とはない。HindIII消化物の場合、3.5kbおよび0.3kbの二つのフラ グメントがMEL7プローブと強くハイブリッド形成し、そして1.0および0 .7kbの概算寸法の二つのフラグメントは極めて弱くハイブリッド形成した( 図7B)。その0.3kbフラグメントは、MEL7cDNA配列の47位およ び324位にある二つの内部HindIII制限部位に由来しうる。 図1 メロン果実の成熟中の変化 (A)成熟中の色の変化。色測定値からの色相成分aを用いた。負の値は緑色 を示し、そして正は赤色果実を示す。 (B)ニュートン(N)/mmの変形で表わされた果肉の固さ。 (C)摘みとられた果実からのエチレンの放出。データは全て、開花からの果 実の齢に対してプロットされた。 図2 翻訳可能なmRNAの成熟中の変化。 未熟の(U)および熟した(R)果実ポリ(A)+mRNAからの in vitro翻 訳産物は、SDS−PAGEによって分別された。熟した果実試料中で量が増加 するタンパク質を矢じり形で示す。分子量マーカーの位置を左側に示す。 図3 MEL2クローンのDNA配列 MEL2予想ポリペプチドのヒドロパシープロット。ヒドロパシープロフィー ル(11個の連続したアミノ酸の窓)は、カイト(Kyte)およびドゥーリトル( Doolittle)(1982)にしたがって計算され、そしてアミノ酸番号に対してプロ ットされた。 図4 MEL7cDNAクローンによってコードされたアミノ酸配列および主 要乳液タンパク質との比較。 (A)MEL7ポリペプチド(上段配列)(配列番号3)の、ケシの主要乳液 タンパク質(下段)(配列番号4)に対する相同性。ピリオドは弱い類似性を示 し、コロンは強い類似性を示し、そして垂直線は匹敵するアミノ酸の一致を示す 。 ギャップ(...)は、列を最適にするために両方の配列に対して導入された。 (B)MEL7予想ポリペプチドのヒドロパシープロット。ヒドロパシープロ フィール(11個の連続したアミノ酸の窓)は、カイトおよびドゥーリトル(19 82)にしたがって計算され、そしてアミノ酸番号に対してプロットされた。 図5 メロン器官におけるおよび果実成熟中のMEL2およびMEL7mRN Aの発現。 メロンの成熟期および各種器官からの全RNAを、1%アガロースゲル中で電 気泳動を行い、ナイロン膜上にブロッティングし、そして (A)MEL2プローブ (B)MEL7プローブ とハイブリッド形成させた。MEL2でプローブされた膜を12時間暴露させた が、MEL7でプローブされた膜は、果実試料については18時間、そして他の 器官試料については8日間暴露させた。下段パネルは、最大シグナルの百分率と して表わされる膜のハイブリダイゼーションの定量化を示す。 図6 エチレン処理および創傷後の未熟メロン果実におけるMEL2およびM EL7mRNAの発現 未熟のメロン果実(20daa)をエチレン(20μll-1,48時間)で処 理するかまたは2時間および6時間傷つけた。MEL2(A)およびMEL7( B)相同mRNAの発現は、ノーザンブロット分析を用いて確認された。RNA 試料は、 1.対照未処理および非創傷果実; 2.エチレン処理された果実; 3.2時間後に傷つけられた果実; 4.6時間後に傷つけられた果実 であった。ノーザンブロット膜の放射能分析画像検出によって確認されたMEL 2およびMEL7の蓄積を、下のノーザンブロット写真で示す。結果は、最大シ グナルの百分率として表わされる。 図6 MEL2およびMEL7遺伝子のサザン分析。 ゲノムDNAをメロンの葉から単離し、そして種々の制限酵素で消化した。D NAは、0.8%アガロースゲル上で分離され、ナイロン膜上に移され、そして MEL2(A)およびMEL7(B)でプローブされた。分子量マーカーを各ブ ロットの左側に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN (72)発明者 ジョン,アイザク アメリカ合衆国ミシガン州48109―1048, アン・アーバー,ユニバーシティ・オブ・ ミシガン,ディパートメント・オブ・バイ オロジー(番地なし) (72)発明者 カルヴォウニ,ゾイ ギリシャ共和国ジーアール―15669 アシ ンズ,パパゴウ,アルジロカストロウ 51 (72)発明者 グレイアーソン,ドナルド イギリス国ラクバラ エルイー12 5アー ルディー,サットン・ボニントン・キャン パス,ユニバーシティ・オブ・ノッティン ガム,ディパートメント・オブ・フィジオ ラジ・アンド・エンヴァイアランメント ル・サイエンス(番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. メロンからの成熟関連cDNAであって、同一ポリペプチドをコードす る配列番号1若しくは配列番号2の配列またはその変異体を有する上記DNA。 2. 果実成熟の制御のためのDNA構築物であって、植物細胞中で機能しう るプロモーターおよび末端領域並びにそれらの間にセンスまたはアンチセンス配 向の配列番号1または配列番号2の全部または一部分を有するDNAを含む上記 DNA構築物。 3. 変化した果実成熟特性を有する遺伝的に修飾された植物であって、植物 細胞中で機能しうるプロモーターおよび末端領域並びにそれらの間にセンスまた はアンチセンス配向の配列番号1または配列番号2の全部または一部分を有する DNAを含むDNA構築物をそのゲノム中に安定して包含された上記植物。 4. 前記植物がメロンである請求項3に記載の植物。 5. 請求項3または請求項4に記載の遺伝的に修飾された植物の果実。 6. 遺伝的に修飾された植物の微生物学的生産方法であって、植物細胞中で 機能しうるプロモーターおよび末端領域並びにそれらの間にセンスまたはアンチ センス配向の配列番号1または配列番号2の全部または一部分を有するDNAを 含むDNA構築物を提供し、該構築物を植物の細胞中に挿入し、そして該細胞か ら植物全体を再生することを含む上記方法。 7. 遺伝的に修飾された植物であって、請求項6に記載の方法の生産物であ る上記植物。
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