JP2000507424A - 誘電体共振器の取付け - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、誘電体共振フィルタ（１）の中に少なくとも１個のマイクロ波共振器（２０）を取り付けるための取付装置（３１）に関する。取付装置（３１）の外形は、遮蔽装置（１０）により定められるマイクロ波フィルタキャビティに適合するように、形状および寸法に関して適合している。取付装置（３１）は、発泡したポリマ材料で作成される。前記取付装置は少なくとも１個の空洞部を有する。前記空洞部を定める表面の中に、前記取付装置（３１）の中に前記マイクロ波共振器（２０）を取り付けるための少なくとも１個の凹部（３３）が備えられる。本発明はまた、共振フィルタの中にマイクロ波共振器を取り付ける方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 誘電体共振器の取付け 発明の分野 本発明は、マイクロ波フィルタの中に誘電体共振器を取り付ける方法とその取 付装置とに関する。 先行技術の説明 種々の形式の誘電体マイクロ波共振器が市販されているけれども、最もよく用 いられているマイクロ波共振器は短い円形の真っ直ぐな側壁の円柱体の形状を有 している。この円柱体は、その円柱体の中心に軸方向に延長されたホールを有す ることもあれば有しないこともある。このホールの半径に対する長さの比は１に 近いことが多い。放射損失を防止するために、これらの共振器は遮蔽容器で取り 囲まれることが多い。この容器は、マイクロ波フィルタキャビティを定める。 実際には市販されていないけれども、誘電体マイクロ波共振器は理想的には空 間内に自由に保持されるべきである。したがって、なんらかの形式の取付装置の 助けをかりて、誘電体共振器をキャビティの中にしっかりと取り付けることが必 要である。誘電体マイクロ波共振器をキャビティの中に取り付けるために従来か ら知られている取付装置は、共振器の電気的Ｑ因子を損なう。共振器取付装置は 十分に安定でなければならなく、そして共振器が受けることがある振動に耐える 十分な強度を有しなければならない。共振器の中に熱的に誘起されるストレスを できるだけ小さくするために、共振器の膨脹係数と、共振器および取付装置が配 置されているキャビティの膨脹係数とを、取付装置の膨脹係数に適合させること がまた適切である。 ＧＢ第2 276 039号は、誘電体マイクロ波共振器をマイクロ波フィルタキャビ ティの中に取り付ける装置を開示している。共振器フィルタは、少なくとも１個 のマイクロ波共振器と一緒に、前記のマイクロ波フィルタキャビティを有する。 この取付装置はセラミック円板で構成される。このセラミック円板は、ネジで取 り付ける方法により、キャビティの内側壁面の上に配置されたフランジの上のフ ィルタキャビティの中に取り付けられて固定される。この円板は、共振器に適合 したホールを有する。共振器は所定の位置に接着される、またはセラミック固定 装置により保持される、のいずれかである。取付装置をその正しい位置に調整す ることは比較的複雑な工程であり、一方、キャビティの中に取付装置を固定する およびその中に共振器を取り付ける工程は、両方とも時間のかかる工程である。 例えば共振器をある理由または別の理由により取り外すことが必要である時、こ れらの問題点にまた遭遇する。この共振器を取り外す場合、容器または取付装置 が損傷を受けるという、共振器にとって深刻な危険がまた存在する。 発明の要約 本発明は、共振器の電気的性質を損なうことなく、簡単でかつ廉価な方法で、 誘電体共振器をマイクロ波フィルタの中にどのように取り付けることができるか という問題に取り組んでいる。 マイクロ波フィルタの中に誘電体共振器をしっかりと固定する１つの方法は、 取付装置の中に共振器を配置する段階を有する。その時、遮蔽容器により定めら れたマイクロ波フィルタキャビティの中に取付装置が配置される。遮蔽容器には 、電気的接触体と、機能する共振フィルタを得るために必要な調整装置とが備え られる。 低損失でかつ低誘電率でありかつ非導電体である材料、例えばフィルタ共振器 の電気的性質を損なうことのない発泡ポリマ材料、で作成された取付装置により 、誘電体共振器がマイクロ波フィルタキャビティの中にしっかりと取り付けられ 。取付装置は、フィルタキャビティの中の空いている空間を実質的にすべて埋め る。 取り付けを簡単に行うことができかつ製造を廉価に行うことができるように、 取付装置は２個の同等な半分体に作成されることが好ましい。これらの２個の半 分体は、その直径が共振器の直径よりも小さなホールと、前記ホールの位置に共 振器に適合した凹部とを有する。この時、これらの２個の半分体を組み合わせた 凹部の深さは共振器の厚さに等しいようにされる。凹部の直径は共振器の直径に 等しい。取付装置は発泡したポリマ材料で作成される、好ましくは発泡プラスチ ック材料で作成される。取付装置は、共振器の熱膨張が原因で生ずる変位に釣り 合いがとれるように設計される。 本発明の目的は、共振器の電気的性質を損なうことなく、共振フィルタの中に 誘電体共振器を簡単に取り付けることである。 本発明により得られる１つの利点は、マイクロ波フィルタキャビティの中のス トレスおよび変位のような熱的効果が実質的になくすることである。 本発明により得られるまた別の利点は、このマイクロ波フィルタ構造体を非常 に容易に組み立てることができることである。接着剤は必要でなく、そして構造 体に損傷を与える危険を犯すことなく、この構造体を分解除去することができる 。 本発明により得られるまた別の利点は、共振器が絶縁性の高い材料のの中に取 り付けられているにもかかわらず、良好な熱伝導率を有することである。共振器 の位置における取付装置の中のホールにより、対流および放射によって、熱をマ イクロ波フィルタキャビティから取り去ることができる。 本発明により得られるまた別の利点は、発泡ポリマ材料は、そして特に発泡プ ラスチックは、非常に高い精度に加工することが容易であることである。発泡プ ラスチックはまた非常に軽い材料であり、このことはまた１つの利点であること が分かる。 最後に、取付装置は空いている空間の実質的に全部を満たすので、マイクロ波 フィルタキャビティの中に１つの誘電率および同じ誘電率が得られる。このこと と取付装置の対称度が高いこととが一緒になって、結果として特別に良好な特性 が得られる。 下記において添付図面を参照しながら、その好ましい実施例を参照して本発明 を詳細に説明する。 図面の簡単な説明 図１は、マイクロ波フィルタキャビティの中に配置された本発明の取付装置の 図２の線Ｂ−Ｂに沿っての横断面図。 図２は、図１に示されたのと同じ取付装置およびマイクロ波フィルタキャビテ ィの図１の線Ａ−Ａに沿っての横断面図。 図３は、また別の形式のマイクロ波フィルタキャビティの中に配置された本発 明の取付装置のまた別の実施例の横断面図。 好ましい実施例の説明 図１は、誘電体共振フィルタ１の中に配置されたマイクロ波共振器２０に対す る本発明による取付装置３１の部分横断面図である。遮蔽容器１０はマイクロ波 フィルタキャビティを定める。このマイクロ波フィルタキャビティの中に、取付 装置が配置される。図示された実施例では、マイクロ波共振器の中心線の仮想垂 線がフィルタキャビティの中心線と一致するように、マイクロ波共振器２０が配 置される。図示された実施例の共振器２０は、真っ直ぐな側壁の円柱の形状を有 する。しかし、共振器２０は他の任意の形状を有することができる。 共振器２０は、取付装置３１により所定の位置に保持される。取付装置３１が 共振器の大部分を占有するように、取付装置３１の形状および寸法がフィルタキ ャビティの形状および寸法に適合される。取付装置に備えられた空洞部３２は、 マイクロ波発生器と隣接している。したがって、空洞部３２は取付装置３１の中 の共振器の上および下に配置される。これらの空洞部３２の直径は、マイクロ波 共振器２０の直径よりも小さい。したがってこの実施例の場合、真っ直ぐな側壁 の円柱型マイクロ波共振器２０の直径は、円柱型空洞部３２の直径よりも大きい 。これらの空洞部のおのおのは、取付装置３１の中にマイクロ波共振器２０を取 り付けるための凹部または開口部３３を有する。それぞれの凹部の中心は、マイ クロ波フィルタキャビティの中心線と整列している。凹部の幅は、共振器の高さ または厚さに適合される。取付装置は１個または複数個の部品で作成することが できる。取付装置が一体の構造体である場合、共振器２０をそれぞれの空洞部３ ２を通して押し込めることができるようにそして付随する凹部３３に取り付ける ことができるように、この取付装置は比較的弾性のある材料で作成されることが 好ましい。またはそれとは異なって、マイクロ波共振器２０を取付装置３１の中 に一体で成型することができる。この場合、取付装置３１およびマイクロ波共振 器２０はまた、図１および図２に示された構造体と一致する構造体を有すること ができる。けれども、取付装置３１は複数個の部品で構成されることが好ましい 。もし取付装置が２個の部品で構成されるならば、これらの２個の部品は相互に 同等であるように作成することができる。この時、取付装置を２個の部品に分割 する面は、マイクロ波共振器を受け入れる凹部３３を通り取付装置３１の縦方向 に真っ直ぐに通るであろう。取付装置が１個の部品で作成されるかまたは複数個 の 部品で作成されるかまたはマイクロ波共振器と一体で成型されるには関係なく、 取付装置３１およびマイクロ波共振器２０をマイクロ波フィルタキャビティの外 に組み立てることができる。 誘電体マイクロ波フィルタを組み立てる際、マイクロ波共振器２０が取付装置 の中に取り付けられる。取付装置はマイクロ波フィルタキャビティの中に配置さ れる。マイクロ波フィルタキャビティが組み立てられる。前記で説明したように 、取付装置はマイクロ波フィルタキャビティの中に非常に良く適合するであろう 。けれどもマイクロ波フィルタキャビティはそれは真っ直ぐな長方形の柱型構造 体または真っ直ぐな円柱型構造体であることが好ましいけれども、マイクロ波フ ィルタキャビティは任意に選定された構造体であることができる。 マイクロ波フィルタ共振器を定める容器は、例えばアルミニウムまたは真鍮の ような導電率の高い適切な材料で作成される。取付装置は、いくらか発泡したポ リマ材料で作成される、好ましくは発泡プラスチックで作成される。 マイクロ波共振器の空洞部３２は熱放射を行って、熱をさらに効率よく放散す ることができる。 図３は、誘電体マイクロ波フィルタのまた別の実施例の部分横断面図である。 この実施例では、それぞれの共振器の中心線がフィルタキャビティの中心線と一 致するように、マイクロ波共振器がフィルタキャビティの中に配置される。換言 すれば、真っ直ぐな側壁の円柱型マイクロ波共振器が相互に積層されて配置され ると言うことができる。前記で説明された実施例の場合のように、図３の実施例 の取付装置３１は、１個または複数個の部品で構成される、またはマイクロ波共 振器と一体で成型される、のいずれかであることができる。前記の実施例の場合 のように、前記取付装置が一体構造体である時、マイクロ波共振器２０を取付装 置の中に押し込めることができるように、取付装置は十分に弾性のある材料で作 成されるであろう。取付装置が例えば２個の部品で作成される時、これらの２個 の部品を分離する切断面は、これらの２個の部品が相互に同等であるように選定 することができる。そうすることにより、さらに廉価になり、そして製造をさら に効率的に行うことができるであろう。取付装置３１の中の凹部３３は、マイク ロ波共振器２０に十分に適合している。 取付装置３１およびマイクロ波共振器２０はマイクロ波フィルタキャビティの 外に組み立てることができるために、それを通して取付装置３１が挿入されるキ ャビティ開口部を要求された任意の位置に配置することができる。このことに関 するただ１つの基準は、マイクロ波フィルタキャビティに対する開口部は十分に 大きくて、取付装置３１を挿入することができることである。 電気接触体と、誘電体マイクロ波フィルタが機能しそして微細に調整するのに 必要な調整装置１５とが、フィルタキャビティの側面に備えられる。このような 特徴は全体的に当業者にはよく知れられているので、このような特徴が本発明の 範囲内に含まれるわけではない。したがってこのような特徴は、本発明において さらに詳細に説明することはしない。 本発明の範囲が前記で説明しそして例示された実施例に限定されるわけではな い。本発明の範囲内において、多くの変更の可能であることが理解されなければ ならない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ， ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，Ｎ Ｏ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ， ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 誘電体共振フィルタ（１）の中に少なくとも１個のマイクロ波共振器 （２０）を取り付けるための取付装置であって、遮蔽容器（１０）により定めら れるマイクロ波フィルタキャビティの中に前記取付装置を適合させることができ る形状および寸法を前記取付装置（３１）の外形が有することと、前記取付装置 がその定められた表面の中に少なくとも１個の空洞部（３２）を有し前記マイク ロ波共振器（２０）を前記取付装置（３１）の中に取り付けて固定するための少 なくと１個の凹部（３３）が備えられることと、を特徴とする前記取付装置。 ２． 請求項１記載の取付装置において、前記空洞部（３２）が真っ直ぐな側 壁の円柱型構造体を有することと、前記空洞部（３２）の直径が真っ直ぐな側壁 の前記円柱型マイクロ波共振器（２０）の直径よりも小さいことと、前記凹部 （３３）が前記マイクロ波共振器（２０）の形状および寸法に適合していること と、を特徴とする前記取付装置。 ３． 請求項１記載の取付装置において、前記取付装置（３１）が前記マイク ロ波フィルタキャビティの大部分を満たしていることを特徴とする、前記取付装 置。 ４． 請求項１記載の取付装置において、前記取付装置（３１）が発泡したポ リマ材料で作成される、好ましくは発泡プラスチックで作成される、ことを特徴 とする前記取付装置。 ５． 請求項１記載の取付装置において、前記マイクロ波共振器（２０）が前 記取付装置３１の中に一体で成型で作成されることを特徴とする、前記取付装置 。 ６． 請求項１記載の取付装置において、前記取付装置（３１）が単一構造体 であることを特徴とする、前記取付装置。 ７． 請求項１記載の取付装置において、前記取付装置（３１）が少なくとも ２個の部品で構成されることを特徴とする、前記取付装置。 ８． 請求項１〜請求項７のいずれかに記載された取付装置において、それぞ れのマイクロ波共振器（２０）の中心線の垂線が前記マイクロ波フィルタキャビ ティの中心線に一致するように、前記マイクロ波共振器（２０）が前記取付装置 （３１）の中に配置されることを特徴とする、前記取付装置。 ９． 請求項１〜請求項７のいずれかに記載された取付装置において、前記マ イクロ波共振器（２０）のそれぞれの中心線が前記マイクロ波フィルタキャビテ ィの中心線に一致するように、前記マイクロ波共振器（２０）が前記取付装置 （３１）の中に配置されることを特徴とする、前記取付装置。