【発明の詳細な説明】
プリンタ
本発明は、プリンタ、特に、包装材に対して証印を付与するのに適したプリン
タに関する。
上述したタイプの典型的なプリンタに於いて、インクリボンからのインクは、
プリント・ステーションに於いて基材に転写される。前記プリンタは、前記イン
クリボンと基材とが、前記プリント・ステーションに配置されたプリントヘッド
を連続的に通過移動するように構成されている。一般に、インクは、プリント作
業中に前記プリントヘッドが、前記リボンに接触してインクをリボンから基材に
転写するように構成された電気をエネルギー源とする複数の加熱部材を備える、
熱転写プロセスによって転写される。
熱転写プリンタは、包装材やラベル等の基材に、バーコード、価格、及び販売
期日等の証印をプリントするのに広く使用されている。典型的には、前記基材は
、プリントヘッドをたとえば毎秒0.5メータ等の高速で通過移動する連続ウェ
ブ材である。
公知の熱転写プリンタは、円筒状の回転プラテンに面するプリントヘッドを有
し、このプリントヘッドは、枢支軸心周りで揺動して前記プラテンに対して押し
付けるプリント位置と、このプラテンから離間した停止又は休止位置との間で、
前記プラテンに対して接近又は離間移動する。
その使用時に於いて、連続基材は、前記プリンタ内部に前記プリントヘッドと
前記プラテンの間を通して供給される。前記プラテンの回転軸心、即ち、その長
手軸心は、前記基材がプリントヘッドとプラテンとの間で通過する移動の方向に
対してこれを横断する方向に向けられている。プラテンの軸心は、プリントヘッ
ドの枢支軸心に対して平行である。
連続インクリボンは、プリンタ内部でプラテンとプリントヘッドとの間を、基
材がプラテン上を通過する速度に一致するように制御された速度で供給される。
前記リボンは、基材がリボンとプラテンとの間に位置する状態でリボンと基材と
がプラテン上を通過する時、基材上に位置する。リボンは、プリンタ内のテーク
オフ・スプールから供給され、プラテン上を通過後、巻き取りスプール上に巻き
取られる。
リボン駆動モータが、プリンタ内でのリボンの移動を駆動するべく、前記巻き取
りスプールに作用する。
前記プリントヘッドの自由端部には、直線状に配置された複数のプリント素子
の群列が取り付けられている。前記群列は、前記基材の移動方向を横断し、かつ
、前記プラテンの回転軸心とプリントヘッドの枢支軸心とに対して平行に向けら
れている。この構成に依り、前記群列は、使用中に於いて、プラテンの表面に対
して接線方向にこのプラテンに接触し、これによって接触線を形成する。
各プリント素子は、プリントヘッドが前記プリント位置にある時に、それぞれ
別々に作動されてインクリボンに熱を供給し、これによってこのリボンからイン
クを基材に転写する。プリント作業中に於いて電子式制御下で異なる素子を異な
るタイミングで作動させることによって、基材がプリンタを通過する時に、所望
の証印の形状が形成される。
上記概略した公知のプリンタでは、前記プリントヘッドは、専用のステッパモ
ータによって前記停止位置とプリント位置との間を移動される。専用のステッパ
モータを使用することによっていくつかの問題が発生する。
恐らく最も大きな問題は、プリンタ内で二つのモータを使用することから生じ
る。二つのモータを持つことによってコストと機械的複雑性が増加するのに加え
て、これらモータからの望ましくない熱放出のかなりの問題があり、これは熱分
散の困難をもたらす。もしもプリンタの温度が過度になったならば、これはリボ
ンからのインクの転写に対して悪影響を及ぼす。
又、ステッパモータには、特に、プリントヘッドがプラテンとの接触時に「は
ねかえり」あるいは「がたつき」の可能性があるという問題点がある。これによ
って、プリントヘッドとプラテンとの間の確実な接触が当然に必須であることか
ら、プリント品質が大幅に劣化し、重大な場合には、ステッパモータがプリント
ヘッドの停止位置から弾き返されて、プリント作業を完全に妨げてしまうことも
ある。このような状態は迅速に検出されないと、その結果、プリントされていな
いパッケージ、ラベル等が次々と作り出されてしまう。
本発明は、移動するインクリボンから連続移動基材にインクを転写するための
公知のプリンタのこれら及びその他の問題点を解決することを課題とするもので
あっ
て、この課題を、プリントヘッドの移動を駆動するのにリボン駆動モータを使用
することによって達成するものである。この構成に依り、本発明は、モータの数
を半減させて一つにすることから、上記概説した公知のプリンタに対して明らか
なコスト上の利点を提供する。これによって、更に、それに関連する部材のコス
トも節約される。
更に、シングル・モータ式プリンタは、もちろん、公知のツイン・モータ式プ
リンタよりもコンパクトに形成することができる。更に、一つのモータでインク
リボンとプリントヘッドとの両方の移動を駆動することにより、電力消費を削減
することができるばかりでなく、熱分散に依る問題も減らすことができる。
本出願人は、プリンタの製造業者が、既に、インクリボンと可動インクヘッド
との両方を駆動するためにシングル・モータ式プリンタを提案していることを認
識している。具体例として、共にキャノン社のEP 0274266とUS 5
169247とに開示された画像記録装置があるが、これらの装置は、基本的に
はタイプライタ用のより条件の過酷性が低い低速プリント用途用に構成されたも
のである。
EP 0274266とUS 5169247とを分析すれば、これらの装置
は共に、インクリボンとプリントヘッドとの両方を一つのモータで駆動するため
にギア、カム及びレバーから成る複雑な機構を使用していることが明らかである
。これらの非常に複雑な機構の重要な特徴は次の通りである。(i)プリントヘ
ッドは、揺動可能に配設され、停止位置にバネ付勢されている、(ii)プリン
トヘッドは、このプリントヘッドに対して押し付けられ、前記バネの付勢力に抗
して作用するレバー又はカムによってプリント位置へと付勢されている、そして
(iii)前記レバー又はカムは、前記モータに接続されたギア機構によって駆
動され、このギア機構も又、特に前記インクリボンを駆動する。
タイプライタ等の低速の個人用プリンタに適した機構は、本発明によって意図
された高速プリンタのヘビーデューティーに全く対応することができないであろ
う。恐らく、これら機構の小さな構成部材が故障して、これら部材の機能はほと
んど不可能となるであろう。
これらの理由に依り、前記キャノン社の文献は、本発明の構成、即ち、移動す
るインクリボンから連続移動基材に対してインクを転写するプリンタであって、
停止
位置とプリント位置との間で移動可能なプリントヘッドと、リボン駆動モータと
、前記リボン駆動モータから取り出されるトルクを前記プリントヘッドに供給す
るプリントヘッド駆動手段、とを備えたプリンタ、に導くものではない。前記プ
リントヘッドにトルクを供給することにより、前記プリントヘッドは、頑丈で容
易にメンテナンス可能な単純な機構によって移動可能である。この構成に依れば
、更に、一定のプリント品質を確保するべく、プリントヘッドがプラテンに対し
て連続的に付勢された有利な作動モードを容易にすることができる。好ましくは
、これは、前記プリントヘッドと前記プリントヘッド駆動手段との間の相対移動
に対してこれを妨げることなく、これに抵抗を付与し、これによって伝達された
トルクがプリントヘッドをプラテンに対して付勢するように作用するクラッチに
よって達成される。
前記プラテンは、好ましくは、40±5のショアA硬度を有し、はねかえり又
はがたつきを低減する弾性構造を有する。
前記クラッチは、互いに対してスリップしながらトルクを伝達する複数の摩擦
プレート又はパッドを有する摩擦クラッチとすることができる。流体クラッチ等
のその他のタイプのクラッチを使用することも可能である。
摩擦クラッチが使用される場合には、これは、好ましくは、使用される摩擦材
料の摩耗を補償するための手段を有する。たとえば、トルクを軸に伝達するため
の摩擦部材を、前記軸に対して軸心方向に移動可能にし、かつ、対応の摩擦部材
と互いに当接するように付勢されるように構成することができる。
一好適実施例に於いて、前記プリントヘッド駆動手段は、前記プリントヘッド
に作用する方向性接続部材を有し、該接続部材は、前記モータから取り出された
トルクがそれに供給される方向に応じて、該プリントヘッドに実質的に異なるト
ルクを伝達するという意味に於いて方向性を有する。
より具体的には、この好適実施例は、前記プリントヘッドがプリントヘッド軸
によって駆動され、前記プリントヘッド駆動手段が一方向ベアリングを介して前
記プリントヘッド軸に接続され、前記一方向ベアリングが、プリント作業に於い
て、前記プリントヘッド駆動手段が前記プリントヘッド軸周りで回転することを
許容し、好ましくは前記モータから導出された前記トルクをほとんど伝達しない
ように構成されているプリンタを意図する。しかしながら、前記プリントヘッド
が、前記プリ
ントヘッド駆動手段の移動の方向を反転することによって、プリント作業の最後
に前記停止位置へと移動される時には、好ましくは、前記プリントヘッド駆動手
段を前記プリントヘッド軸にロックすることにより、前記一方向ベアリングは、
前記モータから導出された前記トルクのほぼ全部を前記プリントヘッド軸に伝達
する。
好ましくは、前記プリントヘッド駆動手段とリボン・スプールとは、前記モー
タから前記プリントヘッド駆動手段と前記リボン・スプールとにトルクを伝達す
るための駆動ベルト又はチエンによって、前記モータに接続されている。
前記リボン・スプールは、好ましくは、テークオフ・スプールからリボンを引
き出す巻き取りスプールである。前記巻き取りスプールは、巻き取り軸によって
駆動することが可能で、この巻き取り軸には、巻き取りスプール駆動手段が、プ
リント作業中に於いては、該巻き取りスプール駆動手段が前記巻き取り軸にロッ
クされ、前記巻き取りスプール駆動手段の移動の方向が反転された時には、前記
巻き取りスプール駆動手段が回転している間、前記巻き取り軸が静止状態に留ま
ることが可能に構成された、一方向ベアリング等の、前記巻き取り軸に対して作
用する方向性接続部材によって接続可能である。
リボン・スプールが、スプール・マウントに、たとえば、バヨネット式構成に
よって、取り外し可能にキー止めされている。前記リボン・スプールには、イン
タロック構造を構成するべく形成されたコアを備えさせてもよい。
以下、本発明の実施例を、添付の図面を参照しながら例示説明する。図中、
図1は、本発明一好適実施例の主要構成部材を図示する略正面図、
図2は、図1の略図に対応し、かつ、その詳細を示す詳細正面図、
図3は、図2に対応する側面図、
図4は、図3に図示されたプリントヘッド軸アセンブリの拡大図、そして
図5(a)及び5(b)は、それぞれ、巻き取りスプール用のマウントの正面
図と側面図である。
先ず図1を参照して、本発明に依るプリンタ10は、駆動ベルト14を介して
プリントヘッド駆動プーリ16と、インクリボン巻き取りスプール18に接続さ
れたインクリボン巻き取りスプール・プーリ40とに接続されたモータ12を有
する。
インクリボン20は、テークオフ・スプール22から供給され、その後、一連の
ローラ24によって前記巻き取りスプール18に案内される。
プラスチック包装材の連続ウェブとしての基材26が、上記プリンタ10に供
給され、このプリンタ10から離れる前に円筒状回転プラテン28上に導かれる
。前記プラテン28の回転軸心は、このプラテン28上での前記基材26の通過
移動の方向に対してこれを横断するように向けられている。
この好適実施例に於いて、前記プラテン28は、ゴム等の実質的に弾性の材料
から構成されている。この材料は、特に本発明に於ける特徴である他のはねかえ
り防止手段との協動に於いて、はねかえり及びがたつきによるプリント品質の劣
化を低減するのことが判っている。前記プラテンのゴムは、硬質コアの周りで押
し出し成形することができ、これは好ましくは、40±5のショアA硬度を有し
ている。
前記プリンタ10は、前記インクリボン20と基材26とが、前記プラテン2
8に面するプリンタヘッド30を連続して通過移動するように構成されている。
使用時に於いて、前記基材26は、プリントヘッド30とプラテン28との間に
供給され、インクリボン20も、プラテン28上で基材26が通過する速度に一
致するように制御された速度で、プリントヘッドとプラテン28との間に供給さ
れる。前記一連のローラ24は、その時点で基材がリボンと20とプラテン28
との間に位置する状態で、これらリボン20と基材26とが共にプラテン28上
を通過する時に、リボン20が基材26上に位置するように配置構成されている
。
前記プリントヘッド30は、前記プラテンに対して押し付けられるプリント位
置と、プラテンから離間した休止位置との間で接近又は離間移動するべく、枢支
軸心32(この軸心は、前記プリントヘッド駆動プーリ16によって共用される
)周りで移動可能に枢支されている。前記プリントヘッド30の前記枢支軸心3
2は前記プラテン28の長手軸心と平行である。
前記プリントヘッド30は、滑りクラッチを介して前記プリントヘッド駆動プ
ーリ16に接続されている。後にこのクラッチの動作を図3及び4を参照してよ
り詳しく説明するが、ここでの目的のためには、このクラッチは、プリントヘッ
ド30とプリントヘッド駆動プーリ16との間の相対移動に対して摩擦抵抗を与
えるものである、と述べるだけで十分である。即ち、前記モータ12が、図示さ
れているよ
うに、プリントヘッド駆動プーリ16を反時計方向に駆動する時には、プリント
ヘッド30は、プラテン28に向かってプリント位置にまで下方に駆動される。
しかしながら、こればかりでなく、プリントヘッド30は、このプリント位置に
、モータ12が示された方向にプリントヘッド駆動プーリ16を駆動する時に前
記滑りクラッチによって与えられる摩擦力によって、下方向に確実に保持される
。
前記プリントヘッド30の自由端部34には、複数のプリント素子の直線状の
群列(図示せず)が取り付けられている。該群列は、前記基材26の移動の方向
に対してこれを横断する方向で、かつ、前記プラテン28の軸心と前記プリント
ヘッド30の枢支軸心32とに対して平行に向けられている。これに依り、使用
時に於いて、前記群列は、プラテン28の表面に対して接線方向に該プラテン2
8に接触し、これによって接触線を形成する。
各プリント素子は、プリンタの電子装置(図示せず)の制御下で、プリントヘ
ッド30が前記プリント位置にある時に、それぞれ別々に作動されてインクリボ
ン20に熱を供給し、これによってこのリボン20からインクを基材26に転写
して、基材26がプリンタ10を通過する時に、所望の証印の形状を形成する。
前記好適実施例は、図2と図3とにより詳細に図示され、ここで適当な場合に
は同じ参照番号が維持されている。前記モータ12は、モータ・プーリ38を取
り付けたモータ軸36を有する。前記駆動ベルト14は、前記モータ・プーリ3
8と、プリントヘッド駆動プーリ16と、前記巻き取りスプール18に取り付け
られた巻き取りスプール・プーリ40とを取り囲んでいる。これによって、前記
駆動ベルト14は、これら三つのプーリ38、16及び40を互いに接続し、モ
ータ12が作動された時に、そのトルクがこれら三つのプーリ38、16及び4
0のそれぞれに伝達される。
次に、必要な場合には図1を参照して、前記プリンタの基本動作を説明する。
前記モータが図示(矢印C1によって示されている)されているように反時計方
向に前記モータ軸36を駆動すると、駆動ベルト14も反時計方向(矢印C2)
に回転し、これによって、巻き取りスプール・プーリ40又は巻き取りスプール
18(矢印C3)と、プリントヘッド駆動プーリ16(矢印C4)とが共に反時
計方向に駆動される。
このプリントヘッド駆動プーリ16の反時計方向の移動は、上述した滑りクラ
ッチを介した作用によって、プリントヘッドを、その初期の停止又は休止位置か
ら、プリントヘッド30の自由端部34がプラテン28に対して付勢されるプリ
ント位置へと付勢する。前記自由端部34が、プラテンがその移動を阻止するこ
とによって、それ以上移動できなくなった時、前記クラッチは滑り始めるが、し
かし、それによって発生する摩擦力により、強固な保持力がプリントヘッドに供
給され、このプリントヘッドを前記プリント位置に保持し、これによってはねか
えりとがたつきとを防止する。
前記巻き取りプーリ40の反時計方向の回転によって、インクリボン20が回
転自由なテークオフ・スプール22から引き出され、次に、プラテン28とプリ
ントヘッド30との間から巻き取りスプール18上に案内される。同時に、前記
基材26がプラテン28上で駆動され、ここで、リボン20からのインクが、プ
リントヘッド30に取り付けられた前記プリント素子によって基材26上に転写
される。
図2,3に見られ、かつ、図4により詳細に図示された前記プリントヘッド軸
アセンブリ46に戻って、その主要な構成部材は、プリントヘッド軸48に取り
付けられている。前記プリントヘッド30は、前記プリントヘッド軸48に対し
てオフセットされ、かつ、この軸に固定され、前記プリントヘッド・プーリ16
が前記軸48に一方向ベアリング50を介して接続されている。
前記プリントヘッド・プーリ16は、第2及び第3摩擦パッド・アセンブリ5
4及び55と摺動摩擦対面接触する第1摩擦パッド52を備える。前記摩擦パッ
ド・アセンブリ54は、前記プリントヘッド軸48に固定され、摩擦パッド・ア
センブリ55は、該アセンブリ55の前記軸48周りでの軸心方向の移動を許容
するが、該アセンブリ55の軸48周りでの回転は阻止するピン又は溝構造を介
して前記軸48に取り付けられている。前記摩擦パッド・アセンブリ55は、バ
ネ68によって前記摩擦パッド52に向けて付勢され、これによって、前記クラ
ッチ・アセンブリが、前記摩擦材に生じる摩耗を補償し、これによって、前記ク
ラッチ・アセンブリ上に一定の摩擦力を維持することを許容する。ローラ・ベア
リング56が前記軸用の支持を提供している。
プリント作業に於いて、前記モータ軸36の反時計方向回転によって、プリン
ト
ヘッド・プーリ16が、失印C4によって示されているように回転され、前記一
方向ベアリング50は、前記プリントヘッド軸アセンブリ46内に於いて、プリ
ントヘッド・プーリ16が前記プリントヘッド軸48周りで回転可能であるよう
に、構成されている。しかしながら、前記プリントヘッド・プーリ16のプリン
トヘッド軸48の周りでの回転は、前記摩擦パッド52が摩擦パッド54及び5
5に対して摺動するので、完全に自由というわけではない。具体的には、前記プ
リントヘッド・プーリ16の回転によって、第1摩擦パッド52が回転し、これ
によって、トルクが、前記第2及び第3摩擦パッド54及び55とに対して、そ
れらの互いの当接面を介して伝達され、これら第2及び第3摩擦パッド54、5
5も回転するのである。これら第2及び第3摩擦パッド54、55は、前記プリ
ンタヘッド軸48に固定されているので、この軸48も回転し、これによって、
プリントヘッド30をプリント作業中に於いてプラテン28に対して付勢する。
インクリボン20がプラテンを介して引き出される時、前記駆動ベルト14は
、プリントヘッド・プーリ16を、反時計方向に回転させ続ける。しかしながら
、プリントヘッド30がプラテンに強く押し付けられ、リボン20と基材26と
を狭持している時、プリントヘッド軸48はその回転を停止しなければならない
。プリントヘッド・プーリ16の回転の継続は、前記第1摩擦パッド52と第及
び第3摩擦パッド54,55のと間の滑りを伴う。これに依り、プリントヘッド
・プーリ16は、プリントヘッド軸48に対してトルクを与え続け、従つて、プ
リントヘッド30がそのプリント位置にある時に、このプリントヘッド30をプ
ラテン28に対して連続的かつ強固に付勢するのである。
プリント作業の終わりに於いて、前記プリントヘッド30を、プラテン28か
ら離して前記停止又は休止位置まで持ち上げる時には、モータ12の駆動方向が
反転され、これによって駆動ベルト14が反対方向、即ち、図示されているよう
に時計方向に回転する。これにより、プリントヘッド・プーリ16が時計方向に
回転する。この回転の方向に於いて、前記一方向ベアリングは、プリントヘッド
・プーリ16をプリントヘッド軸48に対してロックし、その結果、この軸48
を時計方向(矢印A4によって示す)に回転させ、その結果、プリントヘッド3
0がプラテン28から離間揺動する。尚、この移動は積極的に駆動され、これに
よって、プリントヘ
ッドが、所望の時、確実に、とりわけ、迅速に、前記停止又は休止位置へと戻る
ように構成されている。
前記巻き取りスプール・アセンブリは、図3に最もよく図示されている。この
図3に於いて、巻き取りプーリ40は、一方向ベアリング44を介して巻き取り
軸42に接続され、前記巻き取りスプール18は前記巻き取り軸42に固定され
ている。前記一方向ベアリング44は、前記巻き取りプーリ40が図1及び図2
に図示されているように反時計方向に駆動される時、該プーリ40が巻き取り軸
42にロックされ、これによってこの軸42をも反時計方向に回転させるように
構成されている。反対に、巻き取りプーリ40が、図1及び図2に示されている
ように時計方向に駆動される時、前記ベアリング44は、プーリ40が自由に回
転する間、巻き取り軸42が静止状態に留まることを許容する。このことの重要
性は、モータ12が駆動ベルト14を時計方向に回転させてプリントヘッド30
を停止又は休止位置へと移動させる時に、巻き取りスプール・プーリ40が、使
用済みのインクリボンをスプールから巻き戻す(ゆるむ)ことがないということ
である。
最後に図5(a)及び5(b)を参照して、前記巻き取りスプール18用のマ
ウント58は、ほぼ筒状の壁60を有し、この壁の外面には直径方向に対向する
J状スロット62が形成されている。これらのスロット62は、前記テークオフ
・スプール18と関連付けられ、かつ、前記マウント58の前記壁60を受ける
べく寸法構成された筒壁(図示せず)に形成された内側に延出する直径方向に対
向するラグを受取るように形状及び寸法構成されている。
新しい巻き取りスプール18をセットするには、このスプール18を、前記マ
ウント58に対して、前記内側延出ラグが、各前記J状スロット62の開口端部
に入れるように位置合せする。前記スプール18を回すことによって、前記ラグ
はJ状スロット62の傾斜部に沿って上方に移動し、最終的にそのそれぞれの閉
鎖端部に達し、これによって、スプール18は構成で位置固定される。
バヨネット式取り付け式が単純で、現時点に於いては好適ではあるが、スプー
ルのそのマウントへの他のキー固定又はインタロック取り付け構成も可能であり
、それらを開発することができる。
インクリボンの品質がプリント品質にとって決定的であるので、規格外のイン
ク
リボンの使用を、前記マウントとして、良質のリボンの供給業者に特有のあつら
えインタロック構造のものを使用するように構成することによって避けることが
できる。
どのような形状でも、スプールをそのマウントに正確に一致させて取り付ける
ことを可能とするために、前記スプールのコアは、従来技術のプリンタではボー
ル紙のコアが使用されていたのに対して、ABS等のプラスチック材から形成す
ることができる。ボール紙は使用前又は使用中に於いて変形する可能性があり、
本発明が特に係る高速プリンタに於いて特に問題があることは明らかである。こ
れらの問題は、プリント品質を低下させる、リボンの振動と、そのスプール・マ
ウントに対する、従って、プリンタ全体に対する「ふらつき」となって現れうる
。
本発明は、もちろん、その他の具体的態様で実施可能である。従って、本発明
の範囲を示すものとして、上述した具体的記載よりもむしろ、添付の請求範囲と
ここでの一般的記載とが参照されるべきである。
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DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
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,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
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B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
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