JP2000506520A - 前立腺特異抗原ペプチド及びその使用 - Google Patents

前立腺特異抗原ペプチド及びその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、例えば遊離及び複合体化前立腺特異抗原の検出に、よって前立腺ガンの診断に使用され得るペプチドに関する。

Description

【発明の詳細な説明】 前立腺特異抗原ペプチド及びその使用 発明の背景 技術分野 本発明は、例えば遊離及び複合体化(complexed)前立腺特異的抗原 (PSA)の検出に、よって前立腺ガンの診断に使用され得るペプチドに関する 。従来技術 前立腺特異抗原(PSA)は、主に前立腺の上皮細胞より産生される約30キ ロダルトン(kD)の低分子量糖タンパク質である。PSAはヒト組織カリクレ イン遺伝子ファミリーの一員であり、3つの遺伝子、即ちhKLK1、hKLK 2及びhKLK3からなる。3つの遺伝子のタンパク質産物は、膵−腎臓カリク レイン(hK1)、ヒト腺性カリクレイン(hK2)(従来はhGK−1として 知られていた)及びPSA(hK3)である。PSAはセリンプロテアーゼであ り、疎水性残基で切断するキモトリプシン様特異性を示す(Chuら、J.Ur ol. 141:152−56(1989))。他の2つのカリクレイ ンはトリプシン様特異性を有する。上記3つの遺伝子は染色体19に位置してい る。PSA及びhK2はアンドロケン制御下で発現する。hK2に対するタンパ ク質は単離されておらず、その可能性ある臨床有用性は明らかになっていない( McCormackら、Urology 45:729−44(1995)、係 属中の米国特許出願第08/394,033号明細書も参照されたい)。 PSAは前立腺で産生され、前立腺及び精液中に高濃度で存在する。PSAは 尿及び血清中にも存在する。正常男性の血清PSAの濃度は年齢と共に増加する 。良性前立腺肥大(BPH)、前立腺症及び前立腺ガンの場合、血清PSAレベ ルは高い。多くの女性ではPSAは全くまたは殆ど発現しない。精液または前立 腺組織から単離されるPSAは主として30kD形態のPSAとして存在するが 、血清中のPSAは種々の形態で存在する。少量の血清PSAは低分子量もしく は遊離PSAとして存在する。免疫検出性PSAの大部分は、PSAとα−1− 抗キモトリプシン(ACT)の100kD複合体(複合体化PSAとしても知ら れている)(PSA−ACT)として存在する。α−2−マクログロブリンと形 成される他のPSA複合体は、 現在のイムノアッセイでは検出され得ない。PSAは、上記プロテアーゼ抑制物 質とそのプロテアーゼ活性サイトを介して複合体を形成する。血清は過剰のプロ テアーゼ抑制物質を含んでいるので(McCormackら、Urology 45:729−44(1995)、Partinら、J.Urol.152:1 358−68(1994)、Liljaら、Clin.Chem.37:161 8(1991)、Stenmanら、Cancer Res.51:222(1 991)及びWO92/09136)、血清中の遊離PSAは恐らく不活性PS Aである。 血清PSAは前立腺疾患における臨床的に最も有用な腫瘍マーカーとなった。 PSAは、治療に対する応答性をモニターするために、また前立腺ガンに対する 早期再発を検出するために使用されている。前立腺ガンを放射線、手術またはア ンドロゲン喪失により治療すると、PSAの血清レベルは低下する。治療後に低 下したレベルは予後及び生存に相関している。根治的前立腺摘除後に使用したと き、治療が成功した後のPSAレベルはゼロまで低下していなければならない。 なぜならば、前立腺がPSAの唯一の主要ソースであるからである。このため、 PSAは術後の腫瘍再発に対する非常に敏感なマーカーであり得る。PSAは患 者の段階付けを助けるためにも使用されている。PSAレベルは腫瘍の大きさと 相関するが、病気を独立して段階付けするには余り正確でないことが判明した。 しかしながら、PSAレベルは他の臨床及び病理学的パラメーターと組み合わせ ると有用である(Partinら、J.Urol.152:1358−68(1 994))。 PSAの用途が大きく発展し、PSAを臨床症状が現れる前に前立腺ガンの早 期発見に使用されるようになった。PSAが使用される以前は、直腸指診(DR E)が使用されていた。この方法の感度及び特異性は低かった。加えて、DRE により発見された多くの腫瘍は治すにはあまりに大きすぎた。早期発見方法とし てDREと一緒にPSAを使用することは、幾つかの臨床研究で有効であると確 認されている。典型的には、正常人のPSAの上限値は4.0ng/mlとされ てきた。このレベルを越えると生検の約33%は陽性であり、10ng/mlを 越えると約67%が陽性であった。前立腺症または良性前立腺肥大(BPH)の 場合、PSAレベルは4.0ng/mlを越えることがあり得る。50歳を過ぎ た多くの男性は幾つかの BPHの兆候を有している。PSAの老化特異的参照範囲(age−speci fic reference ranges)が早期発見におけるPSAの使用 を改善するための方法として示唆された(Parkinら、J.Urol.15 2:1358−68(1994))。 DREが正常でPSAが4.0ng/ml以下の患者は正常であると見做され 、10ng/mlを越える患者は恐らく前立腺ガンを患っているであろうと見做 される。従って、境界領域は4〜10ng/mlである。早期発見におけるPS Aの特異性を向上させるために幾つかの方法が案出された。これらの方法には、 1)老化特異的参照範囲の使用、2)PSAの経時的変化の使用、3)PSA密 度の使用、及び4)PSA形態の比率の使用が含まれる。遊離PSAレベル/総 PSAレベル比またはPSA−ACT複合体レベル/総PSAレベル比を使用す るとガンに対するPSAの特異性を向上し得ることが判明している。これは、前 立腺ガンを患っている患者の血清は、BPHを患っている男性の血清よりも遊離 PSAレベルが低い傾向にあるからである(McCormackら、Urolo gy 45:729−44(1995)、Partinら、J.Urol. 152:1358−68(1994)、Liljaら、Clin.Chem.3 7:1618(1991)、Stenmanら、Cancer Res.51: 222(1991)、Christenssonら、J.Urol.150:1 00−105(1993)及びWO 92/01936)。 本発明のペプチドにより、サンプル中に存在する総PSA、遊離PSAおよび PSA−ACT複合体の量を測定するために、よって臨床医の、例えば患者のB PHと前立腺ガンを区別し得る能力を向上させるために必要な抗血清を作製する ことができる。その後、的確な治療コースを始めることができる。本発明のペプ チドの上記使用及び他の使用について、更に詳細に以下説明する。 本明細書に記載した米国特許及び刊行物の開示内容はすべて参照により本明細 書に援用されるものとする。 発明の要旨 本発明は、PSAの領域のアミノ酸配列と同一であり、hK2のアミノ酸配列 と非同一のアミノ酸を1個以上含むことを特徴とする約10〜20個の残基を有 するアミノ酸配列からなる精製ペプチドに関する。或いは、ペプチドの配列はP SA及び hK2の領域のアミノ酸配列の配列と同一であり得る。これらのペプチドは、例 えば、ABT1(配列番号1)、ABT2(配列番号2)、ABT3(配列番号 3)、ABT4(配列番号4)、ABT5(配列番号5)、ABT6(配列番号 6)、ABT7(配列番号7)、ABT8(配列番号8)、ABT9(配列番号 9)、ABT10(配列番号10)、ABT11(配列番号11)、ABT12( 配列番号12)、ABT13(配列番号13)、ABT15(配列番号15)及 びABT16(配列番号16)からなる群から選択され得る。 また、本発明には、本発明のペプチドによる免疫感作に応答して産生される遊 離PSAに対して特異的な抗体が含まれる。前記ペプチドの例はABT6及びA BT1である。これらのペプチドに対する抗体は、モノクローナルでもポリクロ ーナルでもよい。 更に、本発明は、ABT4、ABT14及びABT16からなる群から選択さ れるペプチドによる免疫感作に応答して産生される総PSAに対して特異的に抗 体に関する。同様に、この抗体はモノクローナルでもポリクローナルでもよい。 更に、本発明は、PSAを含んでいると疑われる試験サンプ ル中のPSAを検出する方法も包含する。この方法は、 a)前記試験サンプルを、抗原/抗体複合体を形成し得るのに十分な時間及び条 件下でペプチドつまり抗原上の少なくとも1つのサイトに特異的に結合する抗体 またはその断片と接触させるステップ、 b)前記ステップa)で形成した抗原/抗体複合体に、プローブが前記ペプチド つまり抗原上の第2サイトに結合するプローブ抗体を該プローブが結合抗原に結 合し得るのに十分な時間及び条件下で添加するステップ c)結合プローブの量、よって前記試験サンプル中のPSAの量を測定するステ ップ、 を含む。前記PSAペプチドつまり抗原は、PSAの領域のアミノ酸配列と同一 であり、hK2のアミノ酸配列と非同一のアミノ酸を1個以上含む、約10〜2 0個の残基を有するアミノ酸配列からなる。例えば、前記ペプチドつまり抗原は ABT2、ABT4、ABT6、ABT1、ABT7及びABT16からなる群 から選択され得る。ステップa)の前記抗体を固相に結合させても、ステップc )の前記抗体を放射性同位元素で標識させてもよい。また、1つの抗体が遊離P SAに対して特異的 であり且つ他の抗体が総PSAに対して特異的であるか、または両方の抗体が総 PSAに対して特異的であってもよい。 本発明は、PSAを含んでいると疑われる試験サンプル中のPSAを検出する 別の方法も包含する。この方法は、 a)前記試験サンプルを、抗原/抗体複合体を形成し得るのに十分な時間及び条 件下で少なくとも1つのPSA由来のペプチドつまり抗原と特異的に結合する抗 体またはその断片と接触させるステップ、 b)前記ステップa)で形成した試験サンプル−抗体混合物に標識遊離PSAを 添加するステップ、 c)前記試練サンプル中のPSAと標識遊離PSAとの競合量を測定することに より、前記試験サンプル中のPSAの量を測定するステップ、 を含む。遊離PSAを検出する場合にはステップa)の前記抗体は遊離PSAに 特異的に結合し、総PSAを検出する場合にはステップa)の前記抗体は総PS Aに結合する。前記ペプチドつまり抗原はPSAの領域のアミノ酸配列と同一で あり、hK2のアミノ酸配列と非同一のアミノ酸を1個以上含む、約10〜20 個の残基を有するアミノ酸配列からなる。例えば、 前記ペプチドつまり抗原はABT2、ABT4、ABT6、ABT1、ABT7 及びABT16からなる群から選択される。 本発明は、ペプチドによる免疫感作に応答して産生された抗体を収容した容器 を含む試験サンプル中のPSAの存在を調べるためのキットをも包含する。前記 ペプチドは、PSAの領域のアミノ酸配列と同一であり、hK2のアミノ酸配列 と非同一のアミノ酸を1個以上含む、約10〜20個の残基を有するアミノ酸配 列からなる。抗体を作製するために使用される前記ペプチドは、例えば、ABT 2、ABT4、ABT6、ABT1、ABT7及びABT16からなる群から選 択され得る。 試験サンプル中のPSAの存在を測定するために使用され得る本発明の別のキ ットは、a)PSA上の少なくとも1つのサイトに特異的に結合する抗体または その断片、及びb)プローブが前記PSA上の第2サイトに結合するプローブ抗 体を含む。前記抗体を産生するために使用されるペプチドは、PSAの領域のア ミノ酸配列と同一であり、hK2のアミノ酸配列と非同一のアミノ酸を1個以上 含む、約10〜20個の残基を有するアミノ酸配列からなる。例えば、前記ペプ チドは、ABT2、ABT4、ABT6、ABT1、ABT7及びABT16か ら なる群から選択され得る。 本発明は、a)PSAの領域のアミノ酸配列と同一であり、hK2のアミノ酸 配列と非同一のアミノ酸を1個以上含む、約10〜20個の残基を有するアミノ 酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗体またはその断片、及びb)標識 遊離PSAを含む試験サンプル中の遊離PSAの存在を調べるためのキットも包 含する。抗体を作製するために使用される前記ペプチドはABT6又はABT1 であり得る。 更に、本発明は、PSAの領域のアミノ配列と同一であり、hK2のいずれの 領域のアミノ酸配列とも同一である、約10〜20個の残基を有するアミノ酸配 列からなるPSA由来の精製ペプチドが包含される。前記ペプチドの例はABT 14(配列番号14)である。 図面の簡単な説明 図1は設計したPSAペプチドを示す。(A)PSAの3Dモデルでの設計ペ プチドの位置。ペプチドセグメントをABT−番号で表示した。(B)PSA及 びhK2(それぞれ、配列番号17及び18)の配列及び構造アラインメント。 設計したPSAペプチド配列を、ABT−番号で表示した。非相同もし くは非同一残基を、hK2においてはボールドで、PSAにおいて影付きで示し た。更に、hK2配列に由来する2つのhK2ペプチドをhK2aおよびhK2 bと表示した。 図2は、(A)遊離PSA特異的モノクローナル抗体及び遊離PSAを優先的 に検出するモノクローナル抗体の抑制、並びに(B)遊離PSAを優先的に検出 する抗体であるmAb 2E9の、ABT6ペプチド及びPSAに結合するがh K2bペプチドには結合しない結合特異性を示す定量曲線を示す。 図3は、(A)PSAに対する総PSA特異的mAb結合の、ABT4ペプチ ドによる抑制、(B)PSAに対する総PSA特異的mAb結合の、ABT14 及びABT16ペプチドによる抑制、並びに(C)mAb H164の、ABT 4ペプチド及びPSAに結合するがhK2aペプチドには結合しない結合特異性 を示す定量曲線を示す。 図4は、アルカリホスファターゼ標識ヤギ抗−PSA抗血清の合成PSAペプ チドに対する特異的結合を示す。 図5は、家兎抗−ABT6抗血清の、ABT6ペプチド及びPSAに結合する がhK2bペプチドに結合しない結合特異性を示す定量曲線を示す。 図6は、家兎抗−ABT4抗血清の、ABT4ペプチド、PSA及びhK2a ペプチドへの結合アフィニティーを比較する定量曲線を示す。アフィニティーは ABT4>PSA>hK2aの順である。 発明の詳細な説明 本発明は、PSAの領域のアミノ酸配列と同一であり、hK2のアミノ酸配列 と非同一のアミノ酸を1個以上含む、約10〜20個の残基を有するアミノ酸配 列またはその断片からなる精製ペプチドに関する。或いは、ペプチドのアミノ酸 配列は、PSAの領域及びhK2の領域の配列と同一であり得る。これらのペプ チドは、各種診断及び治療目的で使用することができる。(末端システィン基を 「同一」ペプチドに付加して環化を実施することができることに注目されたい。 「同一」ペプチドをシスティン基を介して担体分子に結合させることもできる。 ) 用語「同一」は、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列間の相関度 を表すために使用される。アミノ酸配列の「同一性」を調べるための方法は当業 界で公知であり、例えば当該ペプチドのアミノ酸配列を直接調べ、例えばそれを 本明細書に 記載の配列と比較する方法が含まれる。特に、「同一性」は、2つの物質、例え ば本発明のペプチドとPSA及び/またはhK2のアミノ酸配列が正確に一致す ることを指す。「非同一」は、当該アミノ酸配列が正確に一致しないことを指す 。ウィスコンシン配列分析パッケージ(Wisconsin Sequence Analysis Package)のバージョン8において利用可能なプロ グラム(ウィスコンシン州マディソン、53711に所在のGenetics Computer Groupから入手可能)、例えばGAPプログラムを用い て、2つのポリヌタレオチドまたは2つのポリペプチド配列の同一性(及び類似 性)を計算することができる。2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列の同一性 を計算するための他のプログラムは当業界で公知である。 本発明のペプチドは、PSA及びhK2の3次元モデルを構築し(Brido nら、Urology 45:801−806(1995)及びVihinen ,M.、Biochem.Biophvs.Res.Commun.204:1 251−1256(1995))、次いで前記モデル中の露出(exposed )領域のいずれが特定の特徴を有しているかを決定 することにより選択された。 より詳しくは、標準的な比較方法を使用して結晶学的同等物及びセリンプロテ アーゼファミリー中の同族物のアミノ酸配列から推定することにより、PSAモ デルをまず作製した。 続いて、直接視覚化して分子の表面近くにあると思われるペプチドを選択した 。すなわち、露出表面ペプチドに対する抗体は前記ペプチドに容易に結合し得る 。タンパク質中に隠れている残基は選択しなかった。 更に、本明細書に記載されているペプチドを選択する際の基準として第2構造 物を使用した。より詳しくは、好ましくはβターン及び突出ループを有している ペプチドを選択した。なぜならば、前記した構造特徴は免疫学的応答の発生と相 関しているからである(例えば、Krchnakら、Methods inEn zymology 178:586−611(1989)参照)。 高フレキシブル性及び高親水性も考慮した。前記特徴は免疫原性と関連し、従 って抗体の産生を引き出す能力に関連している。特に、Karplus及びSh ultzの方法を用いて高フレキシブル性を予測した(Karplusら、Na turw issenschaften 72:212−13(1985)参照)。Hop p及びWoodsの方法を用いて高親水性を予測した(Hoppら、Proc. Natl.Acad.Sci.USA 78:3824−28(1991)参照 )。 選択過程で考慮した他の因子には、ペプチド中に元々存在するジスルフィド橋 の存在及び/またはペプチド内にジスルフイド橋を付加してもβコイルまたはタ ーンが正しいコンフォメーションで保持され得る可能性が含まれる。前記特性に より、環化ペプチドはPSAタンパク質の3次元立体配置により近似し、従って 前記特徴は選択過程で有用であった。 ペプチドを上記基準に基づいて3次元モデルから選択したら、選択した16個 の配列を線状コンフォメーションで合成した。数個の配列は環状コンフォメーシ ョンでも作製した。前記した環状形態は線状のものよりもより良好な免疫原とし て作用し得る。 ペプチドの表示、そのアミノ酸配列及び分子量を下記表1に示す。表1 合成PSAペプチド MS=マススペクトル分析法 上記したペプチドのすべてがPSAと反応性のモノクローナルまたはポリクロ ーナル抗体を作製するために使用され得るが、7個のペプチド、即ちABT4、 ABT14、ABT6、ABT1、ABT2、ABT16及びABT7が幾つか の公知の抗−PSAモノクローナル抗体に対する特異的結合を示し、よって、例 えばエピトープ特異的ポリクローナル及びモノクローナ ル抗体を引き出すための免疫原として使用され得る。エピトープ特異的ポリクロ ーナル抗体は、免疫原性(免疫応答を引き出すことができる性質)を有する親タ ンパク質由来のアミノ酸残基の小セグメントに相当する免疫原で産生される抗体 である。小セグメント、即ちペプチドはエピトープであると見做される。 上記した7個のペプチドの構造及び特性は以下の通りである。 ABT6はPSAの3次元モデルにおいてPSAの活性サイトの触媒三つ組( catalytic triad)近くに突出ループとして存在する(図1A参 照)。ABT6はPSA−ACT複合体中のACTによりブロックされるPSA 特異的エピトープを含み、そのアミノ酸配列はhK2と同一でない。また、AB T6は免疫原性でもあり、よって抗体を産生する能力を有している(図5参照) 。 ABT1はABT6の短型である。ABT1はABT6と同じ配列を有するが 、ABT6のN−末端の5個のアミノ酸(MSLLK)及びC−末端のセリンア ミノ酸が含まれていない(図1B参照)。抑制試験で、ABT1は、9B10抗 体(抑制率40%)、6:3抗体(抑制率23%)及び30:5抗体(抑制率5 0%)の3つのモノクローナル抗体を抑制した。ABT 6と同様に、ABT1はhK2と非同一の4個のアミノ酸を含む。従って、AB T1はPSA−ACT複合体中のACTによりブロックされるPSA特異的エピ トープである。 ABT4はPSAの3次元モデルにおいて触媒3つ組から離れてループ及びβ シート構造として存在する。ABT4はPSA−ACT複合体中のACTにより ブロックされないPSA特異的エピトープであり、hK2と非同一のアミノ酸配 列を有する。ABT4は免疫原性でもある(図6参照)。 ABT14はPSAのN−末端に存在する。ABT14はPSAのエピトープ を含み、PSA−ACT複合体中のACTによりブロックされない。そのアミノ 酸配列はPSA及びhK2と同一である(図1B参照)。 ABT16はPSAの3次元モデルにおいてαヘリックス構造として存在する 。ABT16はPSA−ACT複合体中のACTによりブロックされないエピト ープを含み、hK2のアミノ酸配列との同一性を欠くためにPSA特異的であり 得る(図1B参照)。 ABT2はPSAの3次元モデルにおいてループ構造として存在する。ABT 2はPSA−ACT複合体中のACTにより ブロックされないエピトープである。このエピトープはhK2のアミノ酸配列と の同一性を欠くためにPSA特異的であり得る(図1B参照)。 ABT7はPSAの3次元モデルにおいて触媒3つ組から離れた所にループ構 造として存在する。ABT7はPSA−ACT複合体中のACTによりブロック されないエピトープであり、hK2のアミノ酸配列との同一性を欠くためにPS A特異的であり得る(図1B参照)。 特に、遊離PSAに対して特異的な抗体と反応性の本発明のペプチド(すなわ ち、「遊離PSA関連エピトープ」)は、ペプチド−担体タンパク質または他の 免疫原性形態での注入によるポリクローナル及びモノクローナル系の抗体(すな わち、遊離特異的抗体)を作製するために使用され得る。前記した遊離PSA関 連エピトープとしてはABT6及びABT1が例示される。適当なペプチド担体 タンパク質には、例えば免疫原性であるように十分な分子量を有するタンパク質 が含まれる。その非限定例として、ウシ血清アルブミン、キーホールリンペット ヘモシアニン、オボアルブミン、及びペプチドが複数結合し得る合成担体(例え ば、ポリ−L−リシンまたはポリ−L−グル タミン)が挙げられる。(ペプチドの担体への結合による抗血清作製についての 概説は、J.Walker編、Methods in Molecular B iology、32巻、389−400頁(1994)を参照されたい。) また、総PSAに対して特異的な抗体と反応性の本発明のペプチド(すなわち 、「総PSA関連エピトープ」)は、ペプチド−担体タンパク質または他の免疫 原性形態での注入によるポリクローナル及びモノクローナル系の「総PSA抗体 」を作製するために使用され得る。前記した総PSA関連エピトープとしてはA BT4,ABT14及びABT16が例示される。 「遊離関連」抗体またはエピトープは、PSA−抑制物質複合体に比較して、 遊離PSAに対して部分的なもしくは実質的に全体的な特異性を示す抗体及び該 抗体に関連するエピトープであることに留意すべきである。前記したPSA−抑 制物質複合体の最も一般的なものはPSA−α−1−抗キモトリプシン(PSA −ACT)及びPSA−α−2−マクログロブリン(PSA−A2M)である。 一方、「総」PSA抗体またはエピトープは、PSA及びPSA−ACT複合 体の両方に対して有意に同等に結合する能力 を示す抗体及び該抗体に関連するエピトープである。 遊離及び総PSAのレベルを測定し得ることは非常に重要な利点である。上記 したように、前立腺患者の場合、遊離PSA/総PSA比はBPH患者に比して 低い。直腸指診の結果に加えて遊離/総PSA比を測定することは、前立腺ガン の早期発見を助け、必要な生検数を減らす(McCormackら、Urolo gy 45:729−44(1955)、Partinら、J.Urol.15 2:1358−68(1994)、Liljaら、Clin.Chem.37: 1618(1991)、Christinessonら、J.Urol.150 :100−105(1993))。 本発明は、本発明のペプチドに応答して産生される抗体または本発明のペプチ ドに対する抗体を含むキットを包含する。前記抗体は、例えば1個以上の前記ペ プチドによる免疫感作に応答して産生され得る。 「総PSA」は、イムノアッセイの、免疫学的に検出可能な形態のPSA、特 に遊離PSA及びPSA−ACT複合体(この2つが血清中の最も一般的な形態 である)を認識する能力を示すために使用される。遊離PSA及びPSA−AC T複合体 の割合はヒトにより異なるので、両方の形態を検出するためには総PSAアッセ イは必要である(McCormackら、Urology 45:729−44 (1995)及びPartinら、J.Urol.152:1358−68(1 994))。 また、hK2と非同一の本発明の遊離PSA関連及び総PSA関連ペプチドは 、ペプチド−担体タンパク質または他の免疫原性形態での注入によるポリクロー ナル及びモノクローナル系の、遊離PSAまたは総PSAに対するPSA特異性 ,非−hK2交差反応性抗体を産生するために使用され得る。(PSA及びhK 2はアミノ酸及び構造の点でかなり同一であるので交差反応性でない抗体を産生 することは難しい。) 加えて、遊離PSA特異的イムノアッセイは、上記した遊離PSA特異的抗体 及び総PSA抗体の組合せを使用することにより構成され得る。(本発明の総P SA抗体の代りに現在入手可能な総PSA抗体を使用することができる。) 特に、サンドイッチアッセイでは、1つの遊離特異的抗体及び1つの本発明の 適当なペプチドを用いて産生される総PSA抗体が使用され得る。PSAに対す る典型的な2ステップサンドイッチアッセイは、担体(例えば、微量定量プレー ト、ポリ スチレンビーズ及びラテックス微粒子)に固定化されたPSAに第1抗体を添加 し、そこにPSAを含む標本、コントロールまたは検量物質を添加することから なる。サンプル中のPSAはインキュベーション中に担体結合PSA抗体に結合 する。非結合物質を、例えば緩衝液による洗浄により除去する。次いで、PSA に対するプローブ抗体を添加すると、インキュベーション中に該抗体はPSA上 の第2サイトに結合する。過剰のプローブ抗体を緩衝液による洗浄により除去す る。前記プローブ抗体を放射性同位元素、例えばI125または酵素、例えば西洋 ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼまたはグルコースオキシダー ゼで標識してもよい。PSAにより結合されるプローブの量を、放射能レベルを 測定することにより、または酵素基質を添加し、形成された生成物を検出するこ とにより測定することができる。次いで、既知のPSAレベルを有する標準物質 を用いて検量曲線からPSAの量を決定する。 本発明は、上記サンドイッチアッセイを実施するために使用され得るキットを 包含する。前記キットは、例えば、PSA上の少なくとも1つのサイトに特異的 に結合する抗体またはその断片とPSA上の第2サイトに結合するプローブ抗体 を含み得 る。前記した抗体は本発明のペプチドを用いて作製され得る。 1ステップアッセイでは、捕捉抗体、プローブ抗体及びPSA含有サンプルを 1回のインキュベーションステップで結合させ、洗浄ステップ及び読取りステッ プがそれに続く。遊離PSA特異的アッセイの場合には、プローブまたは担体抗 体のいずれかが遊離特異的でなければならない(Chanら、Clin.Che m. 33:1916−1920(1987)、Ambruster、Clin. Chem. 39:181−195(1993)、Liljaら、Clin.Ch em. 37:1618(1991)及びChristenessonら、J.U rol. 158:100−105(1993))。 更に、本発明のペプチドは、遊離PSAに対する競合アッセイのための抗体を 作製するために使用され得る。より詳しくは、前記アッセイは、1つの遊離特異 的抗体及び標識遊離PSAを使用することを含む。(より好都合ならば、標識遊 離PSAの代わりに標識遊離ペプチドを使用することができる。) 遊離PSAに対する競合アッセイでは、サンプル、コントロールまたは検定物 質を遊離PSAに対する抗体とインキュベートする。このステップ後またはこの ステップと同時に、放射性 標識した精製遊離PSAを添加する。(放射性標識を使用することに加えて、P SAを、酵素、または化学発光または蛍光を発する化学物質のような他のリポー ター分子で標識してもよい(例えば、Chanら、Clin.Chem.33: 1916−20(1987)参照))。遊離PSA抗体に対する第2抗体(例え ば遊離PSA抗体がマウスモノクローナルならばヤギ抗−マウスIgGである) を添加して、遊離PSA抗体及び結合しているPSAを沈殿させる。或いは、第 2抗体を固相、例えばラテックス微粒子またはポリスチレンビーズに結合させて もよい。混合物を緩衝液で洗浄し、放射能の量を測定する。サンプル中のPSA の量を、標識PSAの結合に対するサンプル中のPSAの競合量を比較すること により測定する。PSA濃度は、既知レベルのPSAを含む標準物質からなる検 定曲線を用いて決定される(Chanら、Clin.Chem.33:1916 −1920(1987))。 本発明は、上記した競合アッセイ成分を利用するキットも包含する。より詳し くは、前記キットは本発明のペプチドの少なくとも1つに結合する抗体またはそ の断片を含有し得る。前記キットは、例えば標識遊離PSAを含み得る。 総PSA特異的イムノアッセイは、2つの本発明のペプチドに対する総PSA関 連抗体を組み合わせて使用することにより構成され得る。前記抗体の1方もしく は両方が非−hK2交差反応性抗体であってもよい。或いは、前記した抗体のう ちの1つを現在入手可能な総PSA抗体と組み合わせて使用してもよい。(非− hK2交差反応性抗体を使用することによりPSAの非−hK2交差反応アッセ イを構成し得る。)総PSA特異的アッセイは遊離PSAサンドイッチアッセイ に関して上記したように実施されるが、ただし両方の抗体は総PSAと反応性で なければならない。両抗体が総PSA及びhK2と反応性である場合には、構成 したアッセイでPSA及びhK2を検出する。プローブまたは捕捉抗体のいずれ かがPSAに対して特異的(非−hK2反応性)であるときには、アッセイは総 PSAのみを検出する。第1フォーマットの利点は、前立腺により産生される両 方のカリクレイン(即ち、PSA及びhK2)か検出されることである。第2フ ォーマットの利点は、アッセイがPSA分子に対してのみ特異的であることであ る。 また、総PSAに対する競合アッセイは、1つの本発明のペプチドに対する総 PSA抗体または1つの本発明のペプチドに 対するPSA特異性,非hK2交差反応性抗体と標識遊離または複合体化PSA を使用して構成され得る。前記アッセイでは標識遊離PSAの代わりに標識遊離 ペプチドを使用することができる。(非hK2交差反応性抗体を使用することに よりPSA,非−hK2交差反応アッセイが構成される。)アッセイの諸ステッ プは競合遊離PSAアッセイの場合と同一であるが、遊離PSAに対する抗体の 代わりに総PSA抗体または総PSA,非−hK2反応性抗体を使用する。 更に、PSA−ACT複合体に対するイムノアッセイは、総PSA抗体(恐ら く非−hK2交差反応性抗体であり得る)を使用して構成され、現在入手可能な ACTに対する抗体を用いてサンドイッチを形成し得る。上記したように、PS A−ACT複合体は、血清中の主要なPSA形態である。PSA−ACTに対す るアッセイは、1つの型の分子が検出される点で総PSAアッセイよりもより特 異的である。従って、遊離PSA及びPSA−ACTに対するアッセイを使用し て、2つの主要なPSA形態を別個に検出することが可能である。 前立腺ガンを患っている患者の場合、PSA−ACTレベルがBPH患者より も高いので、PSA−ACT/総PSA比を 使用すると前立腺ガンの早期発見においてPSAの特異性が向上することが判明 している(Stenmanら、Cancer Res.51:222−26(1 991)及びStenmanら、Lancet 334:1594−1598( 1994))。 加えて、本発明のペプチドは単独で、またはタンパク質(例えば、ウシ血清ア ルブミン、キーホールリンペットヘモシアニンまたはオボアルブミン)のような 担体または化学骨格(例えば、ポリ−L−リシンまたはポリ−L−グルタミン) に結合させて使用され得る。競合アッセイでは、アッセイに対するコントロール として(または検量物質として)ペプチドまたはペプチド担体をPSAの代わり に使用して、抗−PSAペプチドを抑制することができる。サンドイッチアッセ イでは、共通の担体骨格に結合させた2つのペプチドを使用して、該2つのペプ チドに対する抗体を使用するアッセイにおいてサンドイッチし得る2つのペプチ ドを含む二価分子(二価ペプチドコントロールまたは検量物質)を作製し得る。 前記した人工コントロールを使用するとき、二価ペプチドコントロールをサンプ ルとして含め、そのレベルをアッセイの正当性をみるためにモニターする。更に 、二価ペプチドの検量物質としての使用に関して、各 種濃度の二価ペプチドを使用してアッセイのための検量曲線を作製し得る。潜在 的な利点は、安定性、製造コスト及び明確に規定されたコントロールまたは検量 物質の使用である。 また、hK2の領域の配列を有するペプチドを使用して、ペプチド−担体タンパ ク質または他の免疫原性形態での注入によるポリクローナル及びモノクローナル 系の、hK2特異的抗体を作製することができる。更に、hK2に対して特異的 なイムノアッセイは、上記したhK2特異的抗体の組合せを用いて、または上記 抗体の1つと総PSA抗体(この抗体がhK2交差反応性であるならば)の組合 せを用いて構成され得る。より特定的には、1つまたは2つのhK2特異的抗体 を使用するサンドイッチアッセイフォーマットまたは1つのhK2特異的抗体ア ッセイは、1つのhK2特異的抗体及び標識hK2またはhK2ペプチドを用い て構成される(WO 95/03334参照)。従って、上記アッセイはすべて 、本発明のペプチドが選択されたPSA分子の領域に相当するhK2ペプチドを 用いて実施され得る。 更には、上記したhK2ペプチドは単独で、またはタンパク質(例えば、ウシ 血清アルブミン、キーホールリンペットヘモ シアニンまたはオボアルブミン)または化学骨格(例えば、ポリ−L−リシンま たはポリ−L−グルタミン)に結合させた組合せとして使用され得ることに留意 すべきである。競合アッセイでは、ペフチドまたはペプチド担体をアッセイのた めのコントロールとして(または検量物質として)使用して、抗−hK2ペプチ ド抗体を抑制することができる。hK2に対するサンドイッチアッセイでは、共 通の担体骨格に結合させた2つのhK2ペプチドを使用して、該ペプチドに対す る抗体を使用するアッセイにおいてサンドイッチし得る二価ペプチドコントロー ルまたは検量物質を作製することができる。二価ペプチドを人工コントロールと して使用するときには、二価ペプチドコントロールをサンプルとして含ませ、そ のレベルをアッセイの正当性をみるためにモニターする。二価ペプチドを検量物 質として使用するときには、各種濃度の二価ペプチドを使用してアッセイのため の検量曲線を作製することができる。潜在的な利点は、安定性、製造コスト及び 明確に規定されたコントロールまたは検量物質の使用である。 PSAに対して産生されるポリクローナル抗体は、遊離及び総PSAの両方に 対して反応性の抗体を含むことに留意すべき である。ポリクローナル抗−PSA抗体中の遊離特異的抗体は、固相(例えば、 臭化シアノゲン活性化セファロースCL4B)に結合させた本発明の遊離特異的 ペプチド(例えば、ABT6またはABT1)を含有するカラムに結合され得る 。(ペプチドカラムを使用する抗血清の精製についての概説は、M.Manso n編、Methods in Molecular Biology、10巻、 39−41頁(1992)を参照されたい。)非−遊離ペプチド特異的抗体を、 緩衝液を用いてカラムから洗い出す。次いで、遊離特異的抗体を高もしくは低− pHまたはカオトロピック物質を用いて溶離して、遊離PSAに対するアッセイ で使用され得る遊離特異的ポリクローナル抗体を生じさせる。 或いは、総PSAに対するエピトープ特異的抗体は、ポリクローナル抗血清か ら精製され得る。例えば、ペプチドABT4、ABT14またはABT16は、 固相担体に結合され得、カラムを作製するために使用され得る。ペプチドに反応 性のポリクローナル抗体はカラム上のペプチドに結合し、非反応性ペプチドは緩 衝液を用いてカラムから洗い出される。次いで、結合ポリクローナル抗体を高も しくは低pHまたはカオトロピック物 質を用いて溶離して、ペプチドエピトープに特異的なポリクローナル抗体を生じ させる。上記抗体は、遊離PSAに対して偏っている現在のサンドイッチアッセ イポリクローナルアッセイ(係属中の米国特許出願第08/174,964号明 細書参照)とは対照的に、イムノアッセイに使用して遊離PSA及びPSA−A CTに対して同等に反応し得るアッセイを構成することができる。遊離PSA及 びPSA−ACTの割合はヒトにより異なるので、遊離PSA及びPSA−AC Tを同等に測定することに理論的利点がある(McCormackら、Urol ogy 45:729−44(1995)、Stameyら、Cancer 7 4:1662−66(1994)及びStamey、Urology 45:1 73−84(1995))。 本発明のペプチドを用いて作製した抗−PSA抗体は、免疫組織化学的方法に より正常、良性またはガン組織の凍結またはパラフィン切片または細胞系中のP SAを検出するために使用することができる。例えば、標識抗血清を当該サンプ ルに添加後、インキュベーション及び洗浄ステップを行い得る。(適当な標識の 非限定例には、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼまたはペルオ キシダーゼのような酵素、I125の ような放射性標識、またはフルオレセインイソチオシアネートのような蛍光色素 が含まれる。)次いで、PSAの存在を、酵素標識抗体の場合には発色団由来の 吸光度、放射性標識抗体の場合には放射線減衰、または蛍光色素標識抗体の場合 には蛍光を検出することにより評価する。他の標識及び検出方法も使用すること ができる。 更に、本発明のペプチドは抗体を産生するので、前記ペプチドは哺乳動物用ワ クチンにも使用され得る。 以下の非限定的実施例を使用して、本発明を例示する。 実施例I ペプチドの設計、合成及びエピトープマッピング A.ペプチド設計法: 仮想ペプチドエピトープを、PSAの分子モデル及びアミノ酸配列アラインメ ント(Bridonら、Urology 45:801(1995)及びVih inen,M.、Biochem.Biophys.Res.Commun.2 04:1251−1256(1994))に基づいて設計した。PSAの3次元 モデルから設計した16個のペプチドの位置を図1Aに示す。PSA及びhK2 のオリジナルのタンパク質配列アラインメン トは、ウィスコンシン配列分析パッケージ(Wisconsin Sequen ce Analysis Package、ウィスコンシン州マディソン,Su ite B,575 Science Drive,University R esearch Parkに所在のGenetic Computer Gro up)のPileupから得た。次いで、上記アラインメントを更にGreer (J.Greer、Proteins7:317(1990))に記載されてい る比較モデリングのより正確な方法に従って編集した。hK2及びPSAの最終 タンパク質配列アラインメントを図1Bに示す。 上記したように、16個のPSAペプチドを、PSAの一次アミノ酸配列及び これらのペプチドの3Dモデルにおける位置に基づいて作製した。一般的に、こ れらのペプチド配列は、PSA分子に対して表面接近性であり、突出ループ、α ヘリックスまたはβターンのような或る種の2次的構造特徴を示した。更に、設 計されたペプチドの多く(即ち、15/16)は、ヒトカリクレイン−1(hK 2)とは異なるアミノ酸残基を1個以上含んでいた。 B.ペプチド合成: 設計したペプチドを、Applied Biosystem431A合成装置 (カリフォルニア州フォースターシティー)で標準Fmoc(9−フルオレニル メトキシカルボニル)化学を用いてMerr−ifield(Merrifie ld,R.B.、J.Am.Chem.Soc.85:2149−2154(1 963))の段階的固相法により合成した。ペプチドを切断し、82%TFA、 5%フェノール、5%H2O、5%チオアニソール及び2.5%エタンジチオー ルの混合物を用いて25℃で2〜4時間脱保護し、冷エーテルを添加して沈殿さ せた。粗ペプチドを、0.1%TFAを含有する5〜50%アセトニトリル勾配 を用いる逆相HPLCにより精製した。精製したペプチドの等質性及び同一性を 、電気−スプレーマススペクトル分析により確認した。すべてのペプチドが少な くとも95%の純度を有していることが判明した。ペプチドを環化させるために 、カルボキシル末端及びアミノ末端に1個のシスティン残基を有するペプチドを 作製した。分子内ジスルフィド橋により形成される環状ペプチドを、既知の空気 酸化法(Tamら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83: 8082−8086(1986))を用いて合成した。要するに、精製した線状 ペプチドを0.1mMトリス−HCl緩衝液(pH8.4)中に0.5mg/m lの濃度で溶解し、空気に曝しながら25℃で可変時間撹拌した。HPLCを酸 化の完了をモニターするために使用した。環状ペプチドを上記のように精製し、 分子内ジスルフィド結合の形成を電気−スプレーマススペクトルにより確認した 。 C.エピトープマッピング: I.間接ELISA 間接ELISAアッセイを使用して、抗−PSA mAb及びpAbの反応性 及び特異性を調べた。アッセイのために、96ウェルマイクロタイタープレート (マサチューセッツ州ケンブリッジに所在のCostar)を、0.1M炭酸− 重炭酸緩衝液(pH9.0)中のPSA(0.5μg/ウェル、精液から精製し たAbotto Laboratoriesの社内製品、コード#91969) またはペプチド(0.1mg/ウェル)で4℃で一晩コートした。プレートをP BS緩衝液(0.008Mリン酸ナトリウム、0.002Mリン酸カリウム、0 .14M塩化ナトリウム及び0.01M塩化カリウム、pH7.4) 中1% BSAで1時間ブロックしてから、希釈度の異なる抗4−PSA mA bまたはpAb(100μ1/ウェル)を添加した。25℃で1時間インキュベ ート後、ウェルを0.5%Tween20を含有するPBS緩衝液で洗浄し、次 いで5000倍希釈のアルカリホスファターゼ結合抗体(ヤギ抗−マウスIgG またはヤギ抗−家兎IgG、イリノイ州ロックフォードに所在のPierceか ら入手)100μl/ウェルを添加し、インキュベーションを25℃で1〜2時 間継続した。洗浄後、100μl/ウェルのリン酸p−ニトロフェニル基質(イ リノイ州ロックフォードに所在のPierce)を添加し、405nmの吸光度 を自動化マイクロタイタープレートリーダー(カリフォルニア州メンローオーク スに所在のMolecular Devices Corp.)を用いて測定し た。 II.競合イムノアッセイ (A) 捕捉抗体及びユーロピウムキレート(Eu)標識抗体の2サイト組合せ を使用して、PSAに対するmAb結合のPSA由来の合成ペプチドによる抑制 を調べた。要するに、0.100mlのDelfia(登録商標)緩衝液(フィ ンランド国トゥルクのOYに所在のWallac)(即ち、50mM トリス−HCl(pH7.75)、0.9%NaCl、0.05%Na−アジド 、0.01%Tween40、0.05%ウシγグロブリン、20μM DPT A、0.5%BSA、10μg/ml天然マウスIgG、5μg/ml変性マウ スIgG及び20μg/mlチェリーレッド含有ブロック緩衝液)中の遊離PS A(0.05pmol/ウェル、OYのWallac)を、捕捉のために使用さ れる各種抗−PSA抗体をコートしたマイクロタイターウェル(1〜2μg/ウ ェルの抗体)に添加し、25℃で1時間インキュベートした。(遊離または総抗 体を使用することができる。)Delfia(登録商標)洗浄溶液で洗浄後、2 5mlのDelfia(登録商標)緩衝液中のペプチド(PSAに対して62, 500〜1,000,000モル過剰)をユーロピウムキレート標識抗−PSA 抗体(0.05pmol)と一緒に添加し、25℃で1時間インキュベーション を継続した。別に4回洗浄後、結合したEu標識抗体の量を既知の時間分解蛍光 定量法(Petterssonら、Clin.Chem.41:1480−88 (1995)及びHemmiliaら、Anal.Biochem.137:3 35−43(1984))で測定した。 (B) 捕捉抗体及びアルカリホスファターゼ結合抗体の2サイト組合せを使用 して、PSAに対するmAb結合の合成ペプチドによる抑制をアルカリホスファ ターゼ標識抗体を用いて調べた。遊離PSAまたは総PSAに対して特異性を有 する抗体を含むプローブ及び捕捉抗体の組合せを、該組合せが結合してサンドイ ッチを形成するように選択した。上記したように、PBS緩衝液(pH7.4) 100ml中の各種抗−PSA捕捉mAb(即ち、遊離または総)(0.4pm ol/ウェル)をコートしたマイクロタイターウェル(1μg/ウェル)を添加 し、25℃で1時間インキュベートした。0.5%Tween20を含有するP BS緩衝液で洗浄後、PBS緩衝液50μl中のペプチド(PSAに対して50 ,000〜500,000モル過剰)をアルカリホスファターゼ結合抗体(20 ng/ウェル、Abbott Laboratories)と一緒に添加し、2 5℃で1〜2時間インキュベートした。別に4回洗浄後、100μl/ウェルの リン酸p−ニトロフェニル基質(イリノイ州ロックフォードに所在のPierc e Chemical Co.)を添加し、405nmの吸光度を自動化マイク ロタイタープレートリーダーを用いて測定した。 D.結果: I.遊離PSAに優先的に結合するmAbのエピトープ 16個の合成ペプチド(表1)のすべてを、一連のモノクローナル抗−PSA 抗体を使用してセクションC−11−Aに記載の競合イムノアッセイによりスク リーニングした。ABT6ペプチドは、遊離PSAに対して特異的であるmAb 9B10及び5A10(Liljaら、Clin.Chem.37:1618 −25(1991)、Petterssonら、Clin.Chem. 41: 1480−88(1995)及びLovgrenら、Biochem.Bioh s.Res.Commun. 213:888−95(1995))に対する特異 的結合を示した。また、ABT6ペプチドは、PSA−ACT複合体中のACT によりカバーされる領域に近い領域に結合するH68(Abbott LabS .から入手)及びmAB 2E9(Lovgrenら、Biochem.Bio phs.Res.Commun. 213:888−95(1995))に選択 的に結合した。PSAに結合するmAbのABT6ペプチドによる抑制率(%) を図2Aに示す。これらのデーターから、ABT6は遊離PSAに対して特異的 なmAb により認識されるPSA上エピトープを含んでいるかまたは遊離PSAに対する 優先的な結合を示すことが分かる。 図1Bに示すように、ABT6ペプチドは、hK2配列とは異なる幾つかのア ミノ酸を含む。ABT6ペプチドがPSA特異的エピトープに相当することを示 すために、対応するhK2bペプチド(図1B参照)を合成した。ABT6ペプ チド、hK2ペプチド及びPSAのmAb 2E9に対する特異的結合をセクシ ョンC−Iに記載した間接ELISAを用いて比較した。図2BにELISAの 結果を示す。2E9はPSAおよびABT6ペプチドに対して結合するが、hK 2ペプチドに対しては結合しない結合特異性を示すことが明らかである。これら のデーターに基づいて、PSAの3次元モデルで突出ループであるABT6ペプ チドは、PSA−ACT複合体中のPSAに対するACTの結合によりブロック されるかまたは立体的に干渉されるPSA特異的エピトープに相当するとの結論 が得られる。更に、このエピトープは、ABT6及びhK2bの比較に基づいて PSAに対して幾分特異性を有する。 II.総PSAに対して特異的なmAbのエピトープ 3つの合成ペプチド、即ちABT4、ABT14及びABT 16は、セクションC−II−A及びBに記載の競合イムノアッセイにおいて総P SAに対して特異的であった数種のmAbのエピトープを含んでいることが同定 された。ABT4ペプチドは、mAb 2Cl(Lovgrenら、Bioch em.Biohs.Res.Commun. 204:1251−56(1994 ))及びH164(イリノイ州アボットパークに所在のAbbott Labs .で標準ハイブリドーマ技術により産生した)に対するPSA結合をそれぞれ8 0〜90%抑制した(図3A)。ABT14は、mAb 4H5(Lovgre nら、Biochem.Biophvs.Res,Commun. 204:1 251−56(1994))に対するPSA結合を選択的に抑制し、ABT16 はmAb P10(スウェーデン国イエーデポリに所在のCanAg Diag nostics Inc.)及びH50(イリノイ州アボットパークに所在のA bbott Labs.で標準ハイブリドーマ技術により産生した)に対するP SA結合を抑制する。しかしながら、両ペプチドの抑制率は、ABT4ペプチド に比して比較的弱い。従って、ABT14及びABT16は、mAb 4H5、 P10及びH50の部分的エピトープに相当し得る。 配列アラインメント(図1B)から、有力なABT4ペプチドはhK2配列とは 異なる幾つかのアミノ酸を含んでいた。ABT4のエピトープ特異性を評価する ために、対応するhK2aペプチドを合成した。mAb H164のABT4, hK2aペプチド(図1B参照)及びPSAの特異的結合をセクションC−Iに 記載の間接ELISAを用いて調べ、結果を図3Cに示す。これらのデータ(図 3C)から、MAb H164はPSAおよびPSAペプチドABT4に特異的 に結合するが、hK2aペプチドには結合しないことが明らかであった。従って 、PSAの3Dモデルでループ及びβ鎖構造を示したABT4はPSA特異的エ ピトーブに相当し、このエピトープはPSA−ACT複合体中のACTによりブ ロックされないであろう。 III.合成ペプチドに対する抗−PSA pAb反応性 合成ペプチドを、アルカリホスファターゼに結合させたヤギ抗−PSA抗血清 を使用する直接ELISAアッセイフォーマットによりスクリーニングした。特 に、ペプチドをマイクロタイタープレートにコートし、酵素標識抗−PSAポリ クローナル抗体により検出した。ヤギ抗−PSA抗血清を遊離PSAで免疫感作 することにより産生した。ポリクローナル抗血清とし て、このヤギ抗−PSAは複数の遊離及び総PSA関連エピトープに対する抗体 を示すと予想され得る。ELISA結果を図4に示す。上記したようにmAbで 同定された上記エピトープに加えて、2個の新しいエピトープのABT2及びA BT7が抗−PSA抗血清により同定された。 実施例II ABT6ペプチド(遊離PSAエピトープ)の免疫原性 A.ABT6ペプチドでの免疫感作 抗血清を、Bio−Synthesis,Inc.(テキサス州ルイスビル) において標準的な市販の方法を用いて、家兎を担体タンパク質KLH(キーホー ルリンペットヘモシアニン)に結合させたPSAペプチドABT6で免疫感作す ることにより作製した。 B.抗−ABT6抗血清の反応性及び特異性 抗血清抗−ABT6の反応性及び特異性を、実施例Iに記載されているように PSA、PSAペプチドABT6及びhK2ペプチドhK2bに対する相対的結 合アティニティー(Wangら、Uroloy 39:1−5(1982))を 推定することにより評価した。これらの研究のために実施例Iのセクシ ョンC−Iに記載されている間接ELISAフォーマットを使用し、データを図 5に示す。これらのデータから、抗−ABT6抗血清はABT6ペプチド及びP SAに対してのみ高アフィニティーで特異的に結合することが明らかとなった。 hK2bペプチドに対しては殆ど結合しなかった。 実施例III ABT4ペプチド(総PSAエピトープ)の免疫原性 A.ABT4ペプチドでの免疫感作 抗−ABT4抗血清を、Bio−Synthesis,Inc.(テキサス州 ルイスビル)において2匹の家兎を担体タンパク質KLHに結合させたPSAペ プチドABT4で免疫感作することにより作製した。 B.抗−ABT4抗血清の反応性及び特異性 抗−ABT4抗血清の反応性及び特異性を、実施例Iに記載されているように PSA、PSAペプチドABT4及びhK2ペプチドhK2aに対する相対的結 合アフィニティーを推定することにより評価した。これらの研究のために実施例 IのセクションC−Iに記載されている間接ELISAフォーマットを使用し、 データを図6に示す。これらのデータから、抗−AB T4抗血清はABT4ペプチド及びPSAに対して結合するが、hK2Aペプチ ドに対して若干の交差反応性を有することが明らかとなった。相対的アフィニテ ィーはABT4>PSA>hK2aであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/574 G01N 33/574 A 33/577 33/577 B (72)発明者 ブライドン,ドミニク・ピー アメリカ合衆国、カリフオルニア・94123、 サン・フランシスコ、ベイ・ストリート・ 2167 (72)発明者 チユー,シアオシン アメリカ合衆国、イリノイ・60031、ガー ニー、シエラ・プレイス・752 (72)発明者 リルヤ,ハンス スウエーデン国、エス―236 00・ホール ビケン、ホレンダーレベーゲン・28 (72)発明者 ピーロネン,テイモ・ペツテリ フインランド国、フイン―20380・トウル ク、フランツインカツ・4・ベー・8 (72)発明者 ビヒネン,マウノ・アンテロ フインランド国、フイン―00660・ヘルシ ンキ、アルクテイエ・27・セ (72)発明者 ペツテルソン,インマヌエル・キム・スベ ルケル フインランド国、フイン―20810・トウル ク、テイーレンテキヤンカツ・14・エー・ 20

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 約10〜20個の残基のアミノ酸配列からなる精製ペプチドであって、前 記配列は前立腺特異抗原(PSA)の領域のアミノ酸配列と同一であり、ヒト腺 性カリクレイン(hK2)のアミノ酸配列と非同一のアミノ酸を1個以上含むこ とを特徴とする前記精製ペプチド。 2. 前記ペプチドが、ABT1(配列番号1)、ABT2(配列番号2)、A BT3(配列番号3)、ABT4(配列番号4)、ABT5(配列番号5)、A BT6(配列番号6)、ABT7(配列番号7)、ABT8(配列番号8)、A BT9(配列番号9)、ABT10(配列番号10)、ABT11(配列番号1 1)、ABT12(配列番号12)、ABT13(配列番号14)、ABT15 (配列番号15)及びABT16(配列番号16)からなる群から選択されるこ とを特徴とする請求項1に記載の精製ペプチド。 3. 前記ペプチドがABT2、ABT4、ABT6、ABT1、ABT7及び ABT16からなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の精製ペ プチド。 4. ABT6及びABT1からなる群から選択されるペプチドによる免疫感作 に応答して産生されることを特徴とする遊離PSAに対して特異的な抗体。 5. 前記抗体がモノクローナルであることを特徴とする請求項4に記載の抗体 。 6. 前記抗体がポリクローナルであることを特徴とする請求項4に記載の抗体 。 7. ABT4、ABT14及びABT16からなる群から選択されるペプチド による免疫感作に応答して産生される総PSAに対して特異的な抗体。 8. 前記抗体がモノタローナルであることを特徴とする請求項7に記載の抗体 。 9. 前記抗体がポリクローナルであることを特徴とする請求項7に記載の抗体 。 10. PSAを含んでいると疑われる試験サンプル中のPSAを検出する方法 であって、 a)前記試験サンプルを、抗原/抗体複合体を形成し得るのに十分な時間及び条 件下でペプチドつまり抗原上の少なくとも1つのサイトに特異的に結合する抗体 またはその断片と接触させ るステップ、 b)前記ステップa)で形成された抗原/抗体複合体に、プローブが前記ペプチ ドつまり抗原上の第2サイトに結合するプローブ抗体を該プローブが結合抗原に 結合するのに十分な時間及び条件下で添加するステップ c)結合プローブの量、よって前記試験サンプル中のPSAの量を測定するステ ップ、 を含み、前記ステップa)のペプチドつまり抗原が、PSAの領域のアミノ酸配 列と同一であり、hK2のアミノ酸配列と非同一のアミノ酸を1個以上含む、約 10〜20個の残基のアミノ酸配列からなることを特徴とする前記方法。 11. ステップa)の前記抗体が固相に結合していることを特徴とする請求項 10に記載の方法。 12. ステップb)の前記抗体が放射性同位元素で標識されていることを特徴 とする請求項10に記載の方法。 13. 1つの抗体が遊離PSAに対して特異的であり且つ他の抗体が総PSA に対して特異的であるか、または両方の抗体が総PSAに対して特異的であるこ とを特徴とする請求項10に記載の方法。 14. 前記ペプチドつまり抗原がABT2、ABT4、ABT6、ABT1、 ABT7及びABT16からなる群から選択されることを特徴とする請求項10 に記載の方法。 15. PSAを含んでいると疑われる試験サンプル中のPSAを検出する方法 であって、 a)前記試験サンプルを、抗原/抗体複合体を形成し得るのに十分な時間及び条 件下で少なくとも1つのPSA由来のペプチドつまり抗原と特異的に結合する抗 体またはその断片と接触させるステップ、 b)前記ステップa)で形成した試験サンプルー抗体混合物に標識遊離PSAを 添加するステップ c)前記試練サンプル中のPSAと標識遊離PSAとの競合量を測定することに より、前記試験サンプル中のPSAの量を測定するステップ、 を含み、前記ステップa)のペプチドつまり抗原が、PSAの領域のアミノ酸配 列と同一であり、hK2のアミノ酸配列と非同一のアミノ酸を1個以上含む、約 10〜20個の残基のアミノ酸配列からなることを特徴とする前記方法。 16. 遊離PSAを検出する場合にはステップa)の前記抗 体は遊離PSAに特異的に結合し、総PSAを検出する場合にはステップa)の 前記抗体は総PSAに結合することを特徴とする請求項15に記載の方法。 17. 前記ペプチドつまり抗原がABT2、ABT4、ABT6、ABT1、 ABT7及びABT16からなる群から選択されることを特徴とする請求項15 に記載の方法。 18. 試験サンプル中のPSAの存在を調べるためのキットであって、PSA の領域のアミノ酸配列と同一であり、hK2のアミノ酸配列と非同一のアミノ酸 を1個以上含む、約10〜20個の残基のアミノ酸配列からなるペプチドによる 免疫感作に応答して産生された抗体を収容した容器を含むことを特徴とする前記 キット。 19. 前記ペプチドがABT2、ABT4、ABT6、ABT1、ABT7及 びABT16からなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載のキ ット。 20. 試験サンプル中のPSAの存在を調べるためのキットであって、a)P SA上の少なくとも1つのサイトに特異的に結合する抗体またはその断片、及び b)プローブが前記PSA上の第2サイトに結合するプローブ抗体を含み、前記 抗体また はその断片が、PSAの領域のアミノ酸配列と同一であり、hK2のアミノ酸配 列と非同一のアミノ酸を1個以上含む、約10〜20個の残基のアミノ酸配列か らなるペプチドによる免疫感作に応答して産生されることを特徴とする前記キッ ト。 21. 前記ペプチドがABT2、ABT4、ABT6、ABT1、ABT7及 びABT16からなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載のキ ット。 22. 試験サンプル中のPSAの存在を調べるためのキットであって、a)P SAの領域のアミノ酸配列と同一であり、hK2のアミノ酸配列と非同一のアミ ノ酸を1個以上含む、約10〜20個の残基のアミノ酸配列からなるペプチドに 特異的に結合する抗体またはその断片、及びb)標識遊離PSAを含むことを特 徴とする前記キット。 23. 前記ペプチドがABT6であることを特徴とする請求項22に記載のキ ット。 24. 約10〜20個の残基のアミノ酸配列からなる精製ペプチドであって、 前記配列はPSAの領域のアミノ酸配列と同一であり、hK2の領域のアミノ酸 配列と同一であることを特徴とする前記精製ペプチド。 25 前記ペプチドがABT14であることを特徴とする請求項24に記載のペ プチド。
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