JP2000505788A - 巨大分子送達用の親油性ペプチド - Google Patents

巨大分子送達用の親油性ペプチド

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Abstract

(57)【要約】 核酸を細胞に送達するためのペプチド−巨大分子複合体に関する。核酸キャリヤーは、結合複合体を含む。結合複合体は、核酸に非共有結合した結合部分を含む。結合複合体は、表面リガンド、核リガンドまたは溶解剤に結合した結合部分も含むことができる。これらは、スペーサーにより結合部分と結合してよい。さらに、キャリヤーは上記結合複合体または結合部分と結合した核酸を含んでよい。

Description

【発明の詳細な説明】 巨大分子送達用の親油性ペプチド 発明の分野 本発明は、一般的には、遺伝子およびその他の生物巨大分子を含む作用因子を 細胞に送達する分野に関する。発明の背景 以下の本発明の背景に関する記載は、本発明の請求の範囲の理解を助けるため に提供され、本発明の請求のの範囲に従来技術を設定または記載することを許容 せず、けっして本発明の請求の範囲を制限するものとして解釈されるべきではな い。 最近は遺伝子を細胞に送達する様々な技術があり、最近ではそのような方法を 用いて得られた治療効果の程度を評価するために、数多くの医療試行が行われて いる。遺伝子送達の一つの方法には、組換えレトロウイルスベクターを生きた動 物の細胞へ遺伝子を送達するために用いることが含まれる。Morganら、A nnu.Rev.Biochem.,62,191−217,1993。レトロ ウイルスベクターは、宿主染色体DNA内に伝達遺伝子を恒常的に組込む。レト ロウイルスに加えて、その他のウイルスも遺伝子送達用に用いられてきた。アデ ノウイルスも、上皮誘導組織内への遺伝子送達用手段として開発されている(S tratford−Perricaudetら、Hum.Gene.Ther. ,1,241−256,1990;Gilardiら、FEBS,267,60 −62,1990;Rosenfeldら、Science,252,4341 −4346,1991;Morganら、Annu.Rev.Biochem. ,62,191−217,1993)。組換えアデノウイルスベクターは、非増 殖細胞に形質導入する能力ならびに精製された高力価ウイルスを作り出す能力に おいて、レトロウイルス以上の長所を持つ。 ウイルスー仲介の遺伝子送達に加えて、より最近ではDNA送達とは、レセプ ター仲介のエンドサイトーシスをも意味する。エンドサイトーシスは、真核細胞 が小エンドサイトーシスベシクルの型で原形質膜のセグメントを連続的に摂取す るプロセスである(Albertsら、Mol.Biol.Cell,Garl and Publishing Co.,New York,1983)。細胞 外流体およびその中に溶解された物質は、ベシクル内に捕集され、細胞内に摂取 される(同上)。この大量の流体相エンドサイトーシスのプロセスは、可視化で き、細胞外流体内に導入されたペルオキシダーゼ酵素のようなトレーサーを用い て定量することもできる(同上)。 レセプター−仲介エンドサイトーシスを利用して、アシアログリコプロテイン レセプターが、インビトロではHepG2細胞への、およびインビボでは肝臓細 胞へのDNAの標的化に用いられた(Wuら、J.Biol.Chem.,26 2:4429−4432,1987;Wuら、Bio.,27,887−892 ,1988;Wuら、J.Biol.Chem.,263,14620−146 24,1988;Wuら、J.Biol.Chem.,264,16985−1 6987,1989;Wuら、J.Biol.Chem.,266,14338 −14342,1991)。これらの研究では、水溶性カルボジイミド[1−エ チル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド]、または3’( 2’ピリジルジチオ)プロピオン酸n−ヒドロキシスクシンイミドエステルで、 ポリリジンと共有結合させたアシアロオロソムコイドが用いられた。上記の研究 でのポリリジンは、イオン相互作用でDNAと結合する。DNAは、エンドサイ トーシスによって摂取された。 その他の研究では、インビトロで細胞にDNAを送達するために、トランスフ ェリンおよびトランスフェリンレセプターが用いられていた(Wagnerら、 P.N.A.S.,87,3410−3414,1990)。これらの研究では 、ポリリジンにトランスフェリンを共有結合することにより、トランスフェリン を修飾した(同上)。ポリリジンは、DNAとイオン相互作用した。DNAの送 達は、トランスフェリンレセプターを通して細胞へ行われた。そのような分析は 、インビトロで行われた(同上;Cottenら、P.N.A.S.,87,4 033−4037,1990;Zenkら、P.N.A.S.,87,3655 −3659,1990)。 DNAの送達(Gottschalkら、Gene Therapy,1,1 85−91,1993)に加えて、その他の巨大分子も、レセプター-リガンド システムにより送達することができる(Leamonら、P.N.A.S.,8 8,5572−5576,1991;Leamonら、J.Biol.Chem .,267,24966−24971,1992)。特に、これらの研究には、 小胞により細胞内および細胞外のコートされた小窩およびサイクルから排除され る、葉酸レセプター、固定化グリコシルホスファチジルタンパク質が含まれる。 Andersonら、Science,252,410−411,1992。こ の吸収メカニズムは、ポトサイトーシス(potocytosis)と呼ばれている。同上 。葉酸複合酵素は、このレセプターシステムを通して細胞内に送達され、少なく とも6時間の間、活性を保持していた(Leamonら、P.N.A.S.,8 8,5572−5576,1991)。葉酸レセプターは、組織分配を制限し、 数多くの組織から誘導された様々な悪性腫瘍細胞系内では過剰発現する(Wei tmanら、Cancer Res.,52,3396−3401、1992; Weitmanら、Cancer Res.,52,6708−6711,19 92;Campbell,Cancer Res.,51,5329−5338 、1991;Coney,Cancer Res.,51,6125−6123 ,1991)。また、その他の研究では、ビオチン化によりタンパク質に複合さ せたビオチンまたは葉酸が細胞へのタンパク質送達用に用いられている(Low ら、米国特許第5,108,921号)。 「細胞内に核酸を送達するための核酸トランスポーター」("Nucleic Acid Tr ansporters for Delivery of nucleic acids into a Cell"):Smithら、米 国特許出願番号08/484,777、1995年12月18日出願、ここに任 意の図面を含むその全体を参照として取り入れる)。 低密度のリポタンパク質レセプターへの結合を仲介する交換不可能なアポリポ タンパク質Eペプチドは、Mimsら、Journal of Biologi cal Chemistry,269(32),20539−20547,19 94、ここに任意の図面を含むその全体を参照として採用する。発明の概要 本発明は、細胞、送達される巨大分子と親油性ペプチドの間に形成された複合 体、およびそのような複合体によって形質転換された細胞の内に、巨大分子(例 えば核酸)を送達する親油性ペプチドの新規の用途を提供する。従って、本発明 は、細胞内への(核酸を含む)巨大分子の送達を強化させる。 親油性ペプチドは、送達ペプチド部分および脂質部分を持つ。いくつかの適当 な送達ペプチドのアミノ酸配列は本明細書中に示されており、当業者らは、本明 細害中に記載された方法を提供するその他の多くの方法を作成し使用することが できるであろう。脂質部分は、送達ペプチドを親油性にし、適当な修飾の例も本 明細書中に提供される。しかしながら、当業者らは、再度、異なる脂質部分を持 つ親油性ペプチドを作製し使用することもできるであろう。 従って、第一の態様では、本発明は、細胞内に巨大分子を送達するためのペプ チド−巨大分子複合体の特徴を示す。複合体は、脂質部分と関連した送達ペプチ ドを持つ親油性ペプチドを含む。親油性ペプチドの送達ペプチド部分を巨大分子 と複合させる。 本明細書中で用いられる用語「ペプチド−巨大分子複合体」とは、細胞膜を通 過して巨大分子を輸送する能力を持つ分子複合体をさす。この分子複合体は、巨 大分子と非共有的に結合するのが好ましい。ペプチド−巨大分子複合体は、安定 な凝縮した状態で核酸を輸送し、そして細胞内部に非共有的に結合した核酸を放 出することができる。さらに、核酸キャリヤーは、エンドソーム溶解による核酸 のリボソーム分解を防ぐことができる。さらに、必要ではないにもかかわらず、 ペプチド−巨大分子複合体は、また、以下に議論するように、角膜を通過して核 酸を効率的に輸送することもできる。 本明細害中に記載したペプチド−巨大分子複合体は、限定されないが、7つの 成分を含むことができる。それは、(1)興味ある遺伝情報または既知の化学組 成物を含む既知の一次配列を持つ核酸またはその他の巨大分子;(2)上記の( 1)内に核酸または巨大分子を安定化し凝縮する能力を持つペプチド作用因子( agent);(3)上記の(2)内のペプチド作用因子の親油性を増加させるN末 端 アシル化部分;(4)細胞表面から細胞の細胞質内への複合体全体の直接輸送を 可能にする溶解部分;(5)細胞表面レセプターまたは抗原を認識し結合する部 分、またはサイトーシスによって細胞に侵入する能力を持つ部分;(6)動く能 力を持つ部分または核膜を通過する運動を開始する能力を持つ部分;および/ま たは(7)上記の(2)、(3)、(4)、(5)および(6)部分と共有結合 する能力を持つ核酸または巨大分子の結合部分:を含むか、からなるか、または 本質的にからなる。 用語「送達」は、所望の細胞または任意の細胞への分子の輸送(transportati on)をさす。送達は、細胞表面、細胞膜、細胞エンドソーム、細胞膜内、核ある いは核内、または任意のその他の所望の細胞の領域であることができる。送達は 、核酸の輸送のみを包含せず、限定されないが、タンパク質、脂質、炭水化物お よび様々なその他の分子を含むその他の巨大分子の輸送をも含む。 用語「巨大分子」とは、生物学的包囲の内にあることのできる任意の天然およ び/または合成の重合体分子をさし、限定されないが、本明細書中に記載の複合 体またはキャリヤーシステムを用いて送達することのできるタンパク質、オリゴ ヌクレオチド、デキストラン、脂質または炭水化物が含まれる。本明細書中で用 いられる用語「核酸」は、DNAまたはRNAをさす。これは、むき出しのDN A、核酸カセット、むき出しのRNA、またはベクターあるいはウイルスを含む 核酸を含むであろう。これらは、例を示すのみであって、限定を意味するもので はない。 様々なタンパク質およびポリペプチドは、核酸によってコードされることがで きる。発現することのできるそのようなタンパク質またはポリペプチドには、ホ ルモン、増殖因子、酵素、血餅因子、アポリポタンパク質、レセプター、薬剤、 オンコジーン、腫瘍抗原、腫瘍サプレッサー、サイトカイン、ウイルス抗原、寄 生虫抗原、細菌抗原、ならびに化学合成されたポリマーおよび生合成および/ま たは化学的、細胞的および/または酵素的プロセスによって修飾されたポリマー 、が含まれる。これらの化合物の具体的例としては、プロインスリン、インスリ ン、成長ホルモン、アンドロゲンレセプター、インスリン−様増殖因子I、イン スリ ン様増殖因子II、インスリン増殖因子結合タンパク質、表皮増殖因子、TGF− α、TGF−β、皮膚増殖因子(PDGF)、血管形成因子[酸性繊維芽細胞増 殖因子、塩基性繊維芽細胞増殖因子、およびアンジオゲニン(Angiogenin)]、 マトリックスタンパク質(コラーゲンIV型、コラーゲンVII型、ラミニン)、 オンコジーン(ras、fos、myc、erb、src、sis、jun)、 E6またはE7形質転換配列、p53タンパク質、サイトカインレセプター、I L−1、IL−6、IL−8、IL−2、α、βまたはγIFN、GMCSF、 GCSF、ウイルスキャプシドタンパク質、ならびにウイルス、細菌および寄生 虫生物体からのタンパク質が含まれる。発現させることのできるその他の具体的 タンパク質またはポリペプチドには、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、α− 1−抗トリプシン、コレステロール−7α−ヒドロキシラーゼ、先端切除型アポ リポタンパク質B、リポタンパク質リパーゼ、アポリポタンパク質E、アポリポ タンパク質A1、LDLリーダー、それぞれの分子変異体、およびその組み合わ せが含まれる。当業者らは、これらのタンパク質が、広範囲のクラスのタンパク 質に属すること、およびこれらのクラスの内のその他のタンパク質も用いること ができることを、容易に認識するであろう。これらは、例として示しているだけ であって、いずれにせよ限定を意味するものではない。 また、上記のペプチド−巨大分子複合体から細胞内に取り込まれる遺伝物質に は、(1)細胞内に正常では認められない核酸;(2)細胞内に正常に認められ るが生理学的に有意のレベルでは発現されない核酸;(3)細胞内に正常に認め られ生理学的に所望のレベルで正常に発現される核酸;(4)細胞内での発現を 修飾することのできるその他の核酸;および(5)上記の任意の組み合わせ:が 含まれることも、特記しておかねばならない。 本明細書中に用いられる用語「親油性ペプチド」とは、核酸あるいは分子を安 定化し凝縮する能力を持つペプチド、化合物、または同一か、または実質的に類 似した機能的特徴を達成することのできるタンパク質をさす。これには、制限す るつもりはないが、静電気結合、疎水性結合、水素結合、インターカレーション 、によって核酸を安定化および/または凝縮させることができるか、またはDN A のメジャーおよび/またはマイナーなグローブ内の相互作用を含む核酸のヘリッ クス構造を形成することのできる、成分が含まれるであろう。用語「親油性ペプ チド」も、凝縮作用因子としてここに引用することができる。親油性ペプチドは 、核酸と非共有的に結合することができる。親油性ペプチドも、表面リガンド、 核酸リガンド、および/または溶解作用因子と化合することができる。好ましく は、親油性ペプチドは、脂質表面のアフィニティーが解離定数Kd〜10-6また はそれより小さいと測定され、そのα−ヘリックス性は脂質存在下で〜55%で ある、任意のペプチドをさす。非親油性ペプチドは、脂質表面の解離定数が>K d10-5と測定されるアフィニティーを持ち、α−ヘリックス性が脂質存在下で <40%である。本明細書中で用いられる用語「交換不可能な親油性ペプチド」 は、脂質表面のアフィニティーが解離定数≦Kd10-9と測定され、そのα−ヘ リックス性が脂質存在下で〜78%である、任意の親油性ペプチドをさす。本明 細書中に用いられる用語「α−ヘリックス性」とは、脂質存在下で誘導体化され たペプチドのN末端ドメインのα−ヘリックスコンフォメーションの保存をさす 。 一般的には、親油性ペプチドに重要なパラメーターには、以下の物が含まれる 。第一に、ペプチドは、DNAとのイオン相互作用を可能にする充分なリジンま たはアルギニンを含まねばならない。第二に、ペプチドは、安定なヘリックスを 形成するために充分な長さ(11または12残基)を持っていなければならず、 DNAを小粒子に凝縮されなければならない、例えば、K8はapoE3より大 きい粒子を形成する。第三に、DNAとの相互作用時に形成されるペプチドのヘ リックスは、イオン強度への影響のより少ない凝縮作用因子を提供するロイシン ジッパーの形成によって安定化することができる。最後に、凝縮ペプチドのリジ ンまたはアルギニン配列は、核局在化配列としてのさらなる機能として提供され る。 「送達ペプチド」とは、送達ペプチドが脂質部分と化合した場合に、巨大分子 を体内の所望の位置に輸送する能力を持つ任意のアミノ酸配列を意味する。本発 明では、最も好ましい送達ペプチド配列は、ペプチドapoE−3129-169の残 基142−150内に見出される。このドメインのアミノ酸配列は、RKLRK RLLRである。もう一つの好ましい実施態様では、親油性ペプチド結合分子は 、 式K(K)nVTK(式中、nは4、5、6、7、8であり、nに対するホモロ グは40である(n is 4,5,6,7,8 and homologues to n is 40))を持つ任意の ペプチドである。その他の好ましい実施態様では、親油性ペプチドは、式K(K )nXK(式中、nは4、5、6、7、8であり、nに対するホモログは40で あり(n is 4,5,6,7,8,and homologues to n is 40)、Xは任意の天然発生の アミノ酸およびそのアナログである)を持つ任意のペプチドである。好ましい実 施態様では、送達ペプチドは、以下に示す配列またはその機能的フラグメント、 を含むか、主にからなるか、またはからなる: STEELRVRLASHLRKLRKRLLRDADDLQKRLAVYQAGAREG, KKQLKKQLKKQLKQWK, KKSPKKSPKKSPKKSWK, KRRRRRRRRWR, KLSKLEKKWSKLEK, KLSKLEKKLSKLEKKWSKLEK, KSLKKSLKKSLKKSWK, KSTPPKKKRKVEDPKDFPSELLSA, KAKKKK-NK-(CH2)2-SS−(CH2)2-COKKKKWK, KIRRRGKNKVAARTCRQRRTDR, KXKKXKKKXKKXKWK(式中、XはAまたはSである), KIRRRGKNKAAARTCRERRRSK, KIRRRGKNKVAAQNCRKRKLDQ, KIRRRGKNKVAAQNCRKRKLET, KRRIRREKNKMAAAKCRNRRRELT, GRPRAINKHEQEQISRLLEKGHPRQQLAIIFGIGVSTLYRYFPASSIKKRMN, KSGPRPRGTRGKGRRIRR, KDRSNLLERHTR, KRPAATKKAGQAKKKL, K(K)nWK(式中、nは4、5、6、7、8でありそしてnに対するホモログは4 0である), K(K)nXK(式中、nは4、5、6、7、8であり、そしてnに対するホモログは 40であり、Xは任意の天然発生のアミノ酸およびそのアナログである), KSPLLKSMKGIKQQQHP-(SPNQQQHP)nGK(式中、nは1−6である)。 これには、核酸安定性および凝縮特性を提供する上記の任意のサブフラグメン トの使用が含まれるであろう。さらに、これには、上記ペプチドの任意の誘導体 、アナログ、または修飾体が含まれるであろう。上記のペプチドは、核酸に静電 気結合するリジンまたはアルギニン残基を含むことができる。これらの正に荷電 したアミノ酸は、核酸を保持し続ける。その他の例としては、オルニチン、ホモ リジン、ホモアルギニンおよび2,4−ジアミノ酪酸が含まれる。また、親油性 ペプチドは、インビトロおよびインビボでの目的を追跡するためのペプチド濃度 およびヨウ素化の測定に有用なチロシンを含むことができる。また、トリプトフ ァンは、インターカレーションを通して核酸との相互作用安定性を増加させる。 さらにDNAへのペプチドの結合は、トリプトファンの蛍光を消光し、複合体形 成の反応速度論および熱力学の測定を可能にする。また、親油性ペプチドは、ト リプトファン、アラニン、ロイシンまたはグルタミンのようなヘリックス形成残 基を含むこともできる。これらは、カチオン残基をヘリックス形態内の核酸との 相互作用に最適な立体配座にできるスペーサーとして作用することができ、結果 として、より安定な複合体が得られる。さらに、また、親油性ペプチドは、任意 の上記のペプチドの安定化された環状バージョンをも含む。そのように環状バー ジョンは、ラクタムまたはジスルフィド架橋を導入することによって形成するこ とができる。同様に、上記ペプチドの任意のダイマーも、結合部分として用いる ことができる。 また、用語「送達ペプチド」は、ペプチド結合またはペプチド骨格が分子骨格 で置き換えられ、その結果、ペプチドの機能性残基が、本来のペプチド上の活性 部位と相互に作用するほぼ適正な位置に、保存され、構造的に強制された、任意 の誘導体またはペプチド擬似体をも包含することができる。この置換は、制限す るつもりではないが、ぺプチド骨格のOおよびNH原子または活性部位との近接 相互作用をほとんど含まないその他の原子のような送達ペプチドの任意の原子を 含むことができる。「ポリペプチド擬似体」は、結果として、ペプチドの適当な 機能化に最もすぐれた残基の相互作用が保存されるような、任意のそのような置 換を包含することができる。例えば、一つのペプチド擬似体は、非ペプチジルで 建築されたスペーサーの置換の結果得られ(即ちベンゾジアゼピン−基本β−タ ーン擬似体)、その結果、機能的側鎖残基を置換し、その結果それらのC−α原 子は、天然ペプチド内の位置と等価の位置を占めることができた。この例は、制 限を意味するものではない。任意のそのようなペプチド擬似体またはアナログも 、本明細書中に包含される。 「脂質部分」とは、送達ペプチドと付着する能力を持つ任意の作用因子を意味 し、付着時に親油性ペプチド全体に親油性特性を授与する。好ましくは、このこ とは、送達ペプチドの親油性(lipophilicity)を増加させる。親油性は、付着 後の分子の解離定数(Kd)の減少によって測定される。好まし実施態様では、 脂質部分は、(1)N,N−ジステアリル−グリシル−;(2)ζ−N,N−ジ ステアリルグリシル−;および(3)N,N−ジステアリルアミドメチル:から なる基より選択されるジステアリル誘導体である。脂質部分のその他の実施態様 は、6から30までの炭素原子鎖の長さを持つ、0、1、2から6までのいずれ かの不飽和結合を含む直鎖または分枝鎖のアルキル基である。別の場合、脂質部 分は、Nα,Nε’−ジパルミトイル−、およびNα,Nε−ジパルミトイル: からなる基から選択されたジパルミトイル誘導体である。脂質部分のその他の実 施態様は、6から30までの炭素鎖長の、0、1、2から6までのいずれかの不 飽和結合を含む直鎖または分枝鎖のアルキル基である。 好ましくは、複合体は、単離されるか、精製されるか、または富裕化される。 従って、複合体またはキャリヤーシステムは、天然では認められない状態、およ びヒトの干渉なしには可能でない状態で存在する。その他の好ましい実施態様で は、複合体は、細胞表面レセプターと結合し、エンドソームを溶解し、そして細 胞の核を標的とすることができる。これらの機能を達成するために、親油性ペプ チドおよび/または親油性部分は、溶解作用因子、表面リガンドまたは核リガン ドと結びつけることができる。 本明細書中で用いられる用語「結びつける(associated with)」とは、共有 結合手段または非共有結合手段を通して、分子を、結合、付着、接続または連結 することをさす。「結びつける」は、限定するつもりはないが、表面リガンド、 核リガンドおよび/または溶解作用因子と化合する親油性ペプチドを含む。加え て、上記の成分とスペーサー(以下に検討する)との化合をも含む。 本明細書中に用いられる用語「溶解作用因子」とは、エンドソーム膜を崩壊さ せ、細胞の細胞質内に含有物を解放する能力を持つ、分子、化合物、タンパク質 またはペプチドをさす。溶解作用因子は、(1)膜融合機構、即ち融台性(fusog enic)であり、それにより溶解作用因子は、細胞膜と関連または溶解し、エンド ソーム含有物を細胞質内に漏出させる;(2)膜不安定化メカニズム、それによ って溶解作用因子は、細胞膜の構造組織を崩壊させ、エンドソームを通しての細 胞質内への漏出の原因となる;または、(3)エンドソーム溶解の原因となる、 その他の既知または未知のメカニズム:によって働くことができる。この用語に は、限定するつもりはないが、JTS−1ペプチド、ウイルス、溶解ペプチド、 またはその誘導体のような合成化合物が含まれる。用語「溶解ペプチド」は、膜 の構造組織および膜の保全を失うような膜を貫通する化学群をさす。溶解作用因 子の存在の結果として、膜は、溶解、融解またはその両方を受ける。 本発明に於いて、好ましい溶解作用因子は、JTS−1ペプチドまたはその誘 導体である。JTS−1溶解ペプチドのアミノ酸配列は、GLFEALLELL ESLWELLLEAである。当業者は、そのような命名法がアミノ酸を命名す るこの技術分野で受け入れられた標準表示法であることを、容易に認識し理解す るであろう。JTS−1溶解ペプチドおよび誘導体は、側鎖が分配されて疎水性 および親水性側鎖を持つペプチドが得られるようなアミノ酸配列を含む、α−ヘ リックスとして設計される。そのようなα−ヘリックスは、両親媒性(amphipat hicまたはamphiphilic)と呼ばれる。疎水性側鎖は、中性および非中性の両方の 、無極性の高いアミノ酸側鎖を含む。親水性側鎖は、多数のグルタミン酸を含む が、また、アスパラギン酸ならびに極性または塩基性アミノ酸をも含むことが できた。JTS−1ペプチドは、任意の誘導体またはその骨格の修飾を含むであ ろう。溶解ペプチドは、酸性pHで二次構造変化を受け、その結果、選択的溶解 性を持つ重合体凝集を形成する。 一般的に、両親媒性ペプチド溶解活性に重要なパラメーターには、以下の物が 含まれる。第一は、疎水性(hydrophobicity);ペプチドは、リン脂質−コレス テロール膜と作用しこれを通す充分に高い疎水性を持つ疎水性表面を持たなけれ ばならない、即ち、それ自体の脂質結合性は十分ではない。赤血球溶血素アッセ イは、ペプチドが有用な活性を持つであろうよりよい指標を与える。第二は、 プチドの凝集 :凝集する能力は、溶解およびトランスフェクションに重要な投割 を演ずる。第三は、pH感受性:両親媒性ペプチドは、pH感受性であるはずで ある。溶解活性は、JTS−1の親水性表面への、リジン、アルギニンおよびヒ スチジン残基の導入によって調節することができる。第四は、脂質膜相互作用: ペプチドは、脂質膜との相互作用を可能にする疎水性カルボキシ末端を持つはず である、例えば、トリプトファンのチロシン置換は活性を大きく減少させる。最 後は、ペプチド鎖長:長さは、安定なヘリックス形成および脂質膜への浸透およ びその破裂を得るために、12残基より大きくなければならない。溶解ペプチド、類似体および誘導体 エンドソーム溶解作用因子としてのアデノウイルスの使用を除去するために、 エンドソームから細胞への核酸の送達速度を増加させ、エンドサイトーシスされ たより高濃度の核酸のエンドソーム内への放出および非分解を確立するであろう 、融合性または膜崩壊性ペプチドを設計した。ホスファチジルスクシニルグリセ ロールおよびホスファチジルエタノールアミンからなるpH感受性リポソーム( Liu & Haung,1990,Biochem Biophys Act a,1022、348−54)に加えて、GLFEALLELLESLWELL LEA(JTS−1)の親油性誘導体およびその他の溶解ペプチドが用いられた 。水庖性口内炎ウイルスの糖タンパク質のアミノ末端配列および合成された両親 媒性ペプチドGALAを含む、数多くの融合性/溶解性ペプチドが以前から記載 されている(Ojcuisら、TIBS,16,225−229,1991;D om sら、Membrane Fusion,313−335、Marcel De kker,Inc.,N.Y.1991;Subbaraoら、Biochem istry,26,2964−2972,1987)。 インフルエンザの赤血球凝集素HA2サブユニットからの短い合成ペプチドが 、人工の脂質膜で研究されている(Whartonら、J.Gen.Virol .,69,1847−1857,1988)。これらのペプチドは、膜を溶解し 、さらに赤血球凝集素分子全体によく似たリポソーム含有物を漏出させる。しか しながら、その速度は、極めて遅い。 インフルエンザペプチドによる低いエンドソーム溶解効率を高めるために、新 たなペプチドを創作した。このようなエンドソーム溶解用新規ペプチドの創作に は、以下の4つの要素を考慮した:(1)膜内へのペプチド挿入後のそれらのオ リゴマーへの組織的結びつきを指示する、α−ヘリックスに沿った親水性および 疎水性アミノ酸残基の含有量および間隔;(2)結合分子へのペプチドの共有結 合による付着ならびにオリゴマー形成および避けがたい凝集の防止;(3)溶解 を達成するために必要な様々なオリゴマー化構造の充分な凝集;および(4)p H感受性エンドソームプロセシングを作りだす親水性のカルボキシおよびアミノ 側鎖ならびに末端基の存在。 ペプチド鎖に沿ったアミノ酸側鎖の配置は、タンパク質の二次および三次構造 を決定する。膜化合タンパク質については、疎水性および親水性残基によって創 り出される両親媒性プロフィールは、タンパク質の機能の主な決定因子である。 ウイルス外皮と細胞の細胞質膜との融合の原因となるインフルエンザ赤血球凝集 素領域の分析によって、タンパク質がα−ヘリックスを形成する場合に大きな疎 水性表面が形成されることが示される。 本発明では、数多くの溶解ペプチドが設計され、エンドソーム溶解活性につい て試験されている。これらのペプチドが機能性を持つために、それらは以下のパ ラメーターを持たねばならない。これらのペプチドは、両親媒性膜化合ペプチド である。これらの両親媒性ペプチドは、側鎖が配置されてその結果ペプチドが疎 水性側鎖および親水性側鎖を持つ様なアミノ酸配列を含む、α−ヘリックスとし て設計された。疎水性側鎖は無極性の高いアミノ酸側鎖を含むが、親水性側鎖は 、非常に多数のグルタミン酸を含む。 一般的に、両親媒性膜化合ペプチドは、通常、21のアミノ酸か、またはそれ より少ないアミノ酸を含む。設計の基準は、アミノ酸が両親媒性種を形成する高 い確率を持つことが、要求される。このことは、膜化合ペプチドの二次構造:即 ち、ヘリックス、ターン、ベンド(bend)、ループ、β−シート、およびそれらの 重合体凝集物および文献に記載されているその他の超二次構造、例えば、ヘリッ クス−ターン−ヘリックス:に提示することができる。さらに、アミノ酸は、α −ヘリックス内に認められる高い確率およびβ−シートまたはターン構造を形成 する低い確率を持つべきである。ロイシン、リジンおよびグルタメートは、その ような特徴に適当なアミノ酸である。例えば、α−ヘリックスの側方表面上に位 置するリジンおよびロイシンの反対側のグルタメート残基は、脂質相互作用のた めに最適な電荷の配置を提供する。その上、潜在するヘリックス安定化を利用す るために、リジンおよびグルタメートを配置することができる。ヘリックス双極 子の安定化は、NH2およびCOOH−末端の電荷を取り除くことによって最適 化され、それ故、NH2末端およびCOOH−末端のアミドは有用である。その ような可能性は、二次構造による予想または二次構造の設計を最適化する類似法 から、測定することができる。ペプチド内にヘリックス構造を誘導する傾向につ いて記載されている非天然アミノ酸も、用いられる。 疎水性または親油性表面は、脂質−ペプチドの相互作用に大きな影響を持つ。 このように、親油性表面は、脂質と相互作用することが知られているペプチド後 のモデルである。親油性表面上に置換される場合、疎水性および脂質相互作用性 残基(Ala、Leu、Met、Val、Phe、Trp、Tyr、Cys、P ro)は、単独または集団のいずれかで、類似の膜化合効率を促進する。同様に 、酸性基および/または親水性基(Glu、Gln、His、Lys、Gly、 Ser、Asp、Asn、Pro、Arg)を親水性表面上に配置して、目的を 達成することもできる。親油性および親水性表面も、脂質相互作用を促進する、 および/または、酸性pHでエンドソーム溶解を誘導する、残基を含むことがで き る。親水性表面に位置するグリシンおよびセリンは以下の実施例で示すような好 ましい影響活性を示すので、そのような相互作用は、α−ヘリックスを促進する 残基に限定されるわけではない。 特に、その一つであるJTS−1ペプチド、GLFEALLELLESLWE LLEAは、強い無極性アミノ酸のみを含む疎水性表面を持つが、これに対して 、親水性表面は生理的pH値で負電荷を持つグルタミン酸残基によって支配され る。アミノ末端に、JST−1ペプチドは、溶解性または膜破壊配列として、ア ミノ酸位置1−2−3にそれぞれGly−Leu−Phe配列を用いている。p H感受性を増加させるために、アミノ酸位置4にGluを加える。さらに、位置 12−15に、Ser−Leu−Trp−Gluを脂質結合部位として用いる。 残りの配列をアレンジすると、apoE−3の疎水性および親水性の表面が提供 される。アミノ酸16、9、2、13、6、17、10、3、14、7および1 8は、疎水性表面を形成する。アミノ酸5、12、1、8、15、4および11 は、親水性表面を形成する。 以下のJTSペプチド: apoE−3 GLFEALLELLESLWELLLEA: は、溶解活性を特徴とする。 上記に加えて、溶解性または膜破壊活性を持つn−アシルテトラペプチドを構 築することができる。これらの構造は、Smithら、米国特許出願番号08/ 484,777、1995年12月18日出願、に示されており、全ての図面を 含むその全体を参照としてここに採用する。上記の適当なアミノ酸で置換された 場合、テトラペプチド配列は、二重層の脂質と相互作用する、およびそれによっ て不安定化される可能性を持つ。アシル鎖は、構造的/機能的要求に基づいて、 長くすることも、または短くすることもできる。 さらに、より短いα−ヘリックスペプチドも、上記の溶解特性を残す考えに基 づいて、上記の設計モチーフで合成された。さらに、COOH末端アミドを用い ると、ヘリックス−双極子の最適化が提供される。α−らせん構造になったとき 、疎水性表面は位置4、7、3および10に現れる。 上記のα−ヘリックスペプチドにGly−Leu−Pheの溶解性または膜崩 壊活性を提供するために、ペプチドを11−マーまで伸ばした。以下のペプチド :Suc−GLFKLLEEWLE:を形成するためにさらなるアミノ酸に加え ることは、3つのグルタミン酸活性の存続を可能にする。さらに、ペプチドのア ミノ末端をスクシニル化し、ヘリックスを安定化するために設計されたリジンと の塩架橋をiからi+4にすることができる。 その他の溶解作用因子のさらなる詳細な記述は、Smithら、米国特許出願 08/484,777、1995年12月18日出願、に提供されており、ここ に全ての図面を含むその全体と参照として採用する。 本明細書中で用いられる用語「表面リガンド」は、細胞の表面レセプターに結 合するであろう化学化合物または構造をさす。本明細書中で用いられる用語「表 面レセプター」は、リガンドが付着できる細胞表面上の特異的化学団をさす。細 胞表面レセプターは、特定の細胞に特異的であることができる、即ち、もう一つ の細胞型よりむしろ一つの細胞型に優勢に認められる(例えば、LDLおよびア シアログリコプロテインレセプターは、肝細胞に特異的である)。レセプターは 、リガンドと付着した分子とのインターナリゼーション(internalization)を容 易にする。細胞表面レセプターには、これらに限定するつもりはないが、葉酸レ セプター、ビオチンレセプター、リポ酸レセプター、低密度リポタンパク質レセ プター、アシアロ糖タンパク質レセプター、インスリン様増殖因子II型/カチ オン−非依存性マンノース−6−リン酸レセプター、カルシトニン遺伝子−関連 ペプチドレセプター、インスリン様増殖因子Iレセプター、ニコチンアセチルコ リンレセプター、肝細胞増殖因子レセプター、内皮レセプター、胆汁酸レセプタ ー、骨格形態形成タンパク質レセプター、軟骨誘導因子レセプターまたはグリコ シル−ホスファチジルイノシトール(GPI)−固定化タンパク質(例えば、β −アンドレナルジック(andrenargic)レセプター、T−細胞活性化タンパク質 、Thy−1タンパク質、GPI−固定化5’ヌクレオチダーゼ)が含まれる。 これらの例は、限定例ではない。 レセプターは、リガンドが特異的に、および比較的高いアフィニティーで結合 する分子である。通常、それはタンパク質または糖タンパク質であるが、糖脂質 、脂質多糖、グリコサミノグリカンまたはグリコカリックスであっても良い。本 発明の目的としては、抗体またはそのフラグメントが結合するエピトープも、抗 原:抗体複合体がエンドサイトーシスを受けるため、レセプターと解釈される。 さらに、表面リガンドには、サイトーシス(例えば、エンドサイトーシス、ポト サイトーシス、ピノサイトーシス)で細胞に侵入する能力を持つ任意の物も含ま れる。 本明細書中で用いられる用語「リガンド」は、レセプターと結合するであろう 化学化合物または構造をさす。これには、限定ではないが、アシアロオロソムコ イド、アシアロ糖タンパク質、葉酸塩、リポ酸、ビオチンならびにPCT出願W O93/18759(ここに全ての図面、スケッチまたは図表を含む参照として 採用する)に列挙したそのような化合物のようなリガンドが含まれる。 当業者は、選ばれるリガンドが、結合されるレセプターに依存するであろうこ とを、容易に認識するであろう。異なる型の細胞は異なるレセプターを持つため 、このことは、用いられる細胞表面リガンドに依存して、具体的な細胞型に核酸 を標的化する方法を提供する。従って、好ましい細胞表面リガンドは、標的とさ れる細胞の型に依存するであろう。 本明細書中で用いられる用語「核リガンド」は、核レセプターと結合するであ ろうリガンドをさす。本明細書中に用いられる用語「核レセプター」は、特異的 リガンドと結合し、核膜を通過するリガンドの輸送を助けるであろう核膜上の化 学団をさす。核レセプターは、制限するつもりはないが、核配置配列と結合する それらのレセプターであることができる。核リガンドの例としては、PCT出願 WO93/18759(ここに、全ての図面、スケッチ、図表、および例示を含 む参照として採用される)に開示されたそれらが含まれるが、限定例ではない。 上記のように、表面リガンド、核リガンドおよび/または溶解作用因子は、親 油性ペプチド結合分子と直接化合することができるか、またはスペーサーを介し て親油性ペプチド結合分子と化合することができる。Smithら、上記のそれ らも、ここに採用された。 上記の巨大分子は、DNAまたはRNAのような核酸であっても良い。脂質部 分を、前記送達ペプチドのN−末端と連結させ、送達ペプチドを前記巨大分子と 非共有的に結合させることができる。巨大分子を一つより多くの親油性ペプチド 、例えば、2、3、4または5の親油性ペプチドと複合させることができる。上 記の機能的特性(即ち、凝縮、溶解、核標的化等)は、異なるペプチド−巨大分 子の複合体から別々に創り出すことができる。送達ペプチドは、Mimsら、J our.Biol.Chem.,269,20539−20547、に記載の、 (1)apoE−3129-169;(2)apo−E3139-169;および(3)apo E−3129-169Q142:からなる群から選択された化合物を含むことができる。 もう一つの態様では、本発明は、前記巨大分子を細胞に送達するための上記の 複合体を使用する方法であって、前記複合体の前記細胞への取り込みを可能にす るに充分な時間、前記細胞を前記複合体と接触させ、その中で前記巨大分子の生 理学的に充分な量を送達する段階を含む、前記の方法の特徴を示す。 好ましい実施態様では、また、方法は、前記巨大分子を溶解および/または網 の目に絡ませる(enmesh)ことのできる生物の界面活性体と前記複合体を接触さ せることも含む。本明細書中で用いられる用語「網の目に絡ませる」は、核酸巨 大分子で送達ペプチドを被覆、複合または化合し、その結果、ペプチド−巨大分 子複合体に縮合することをさす。界面活性体は、CHAPS(N,N−ジメチル −N−(3−スルホプロピル)−3−[(3α,5β,7α,12α)−3,7 ,12−トリヒドロキシ−24−オキソコラン−24−イル]アミノ−1−プロ パナミニウムヒドロキシド内部塩)、1−O−オクチル−D−グルコシド、なら びに、コール酸ナトリウムを除くその他の両性イオンおよび中性の界面活性体: からなる群より選択することができる。好ましくは、界面活性体は、界面活性体 の臨界ミセル濃度(CMC)以下の最終濃度で存在する。用語「臨界ミセル濃度 」は、ミセル構造の形成が促進されるより下の界面活性体のその濃度をさす。さ らに、好ましくは、界面活性体は、前記界面活性体の濃度をその臨界ミセル濃度 以下に減少させるに充分な前記の巨大分子での希釈率を持つ。 もう一つの態様では、本発明は、上記の複合体で形質転換された細胞の特徴を 示す。本明細書中で用いられる「形質転換」または「形質転換される」は、細胞 または生物体による核酸の取り込みを含む遺伝子運搬のメカニズムである。それ は、細胞の(表現型を発現する)特徴に一過性または永続的変化を導入するプロ セスまたはメカニズムである。そのような変化は、DNAまたはRNAが、特異 的遺伝子生成物を発現するか、または外因性遺伝子生成物の発現あるいは影響を 変える形で、細胞内に導入されることによる、遺伝子の運搬のメカニズムによる ものである。細胞内への侵入に続いて、形質転換する核酸は、宿主の核酸と再結 合することができる。そのような形質転換は、細胞に遺伝物質の永続的成分を組 み込んでできる、標的化細胞の染色体内へ遺伝子を導入すると言う点で、安定な 形質転換であると考えられる。安定な形質転換後の遺伝子発現は、安定な形質転 換に導かれる細胞の特徴を、永続的に変えることができる。さらに、形質転換す る核酸は、プラスミドあるいは鋳型ファージとして、またはエピソームによって 、独立的に存在することができる。エピソームによる形質転換は、導入された遺 伝子が宿主細胞染色体に組み込まれないが、染色体外エレメントとして転写され る活性状態で残っている、安定な形質転換変異体である。 形質転換は、以下に記載のインビボの技術によって、または核酸を含み、また 選択可能マーカーをも含むペプチド−巨大分子複合体で細胞を同時トランスフェ クトするエクスビボの技術によって、成し遂げることができる。この選択可能マ ーカーを用いると、形質転換されたそのような細胞が選択される。形質転換の研 究に用いられる選択可能マーカーの型は、当業者らに周知である。 形質転換された細胞は、ホルモン、増殖因子、酵素、クロッティング因子、ア ポリタンパク質、レセプター、薬剤、腫瘍抗原、ウイルス抗原、寄生虫抗原、お よび細菌抗原を含む、タンパク質、ポリペプチドまたはRNAから選択される様 々な化合物を生成することができる。その他の例は、上記の核酸についての検討 の内に見い出すことができる。形質転換された細胞によって発現される生成物は 、用いられた核酸に依存する。上記は、単なる例であり、制限を意味するもので はない。 これらの使用方法は、細胞を形質転換するに充分な時間、上記のようなペプチ ド−巨大分子複合体と細胞を接触させる段階を含むであろう。興味ある細胞の型 は、限定するつもりはないが、肝臓、筋肉、肺、内皮、骨格、血液、関節および 皮膚が含まれる。 本発明のその他の特徴および長所は、添付図面および請求の範囲と共に、以下 の本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。図面の簡単な説明 図1は、本発明の様々な特徴を説明する概略図である。 図2は、誘導体化した親油性ペプチド、ジステアリル−グリシル−apoE− 3129-169を示しており、親油性アンカーおよび両親媒性表面を示している。 図3は、突然変異し誘導体化した親油性ペプチド、ジステアリル−グリシル− apoE−3129-169(Q142)を示しており、残基142のアミノ酸の置換(ar gからgln)を示している。 図4は、誘導体化された親油性ペプチド、ジステアリル−グリシル−apoE −3129-169と複合させた場合に、サイトーシスされ次に分解される、標識され たLDLの能力を示している。突然変異し誘導体化した親油性ペプチド、ジステ アリル−グリシル−apoE−3129-169(Q142)は、サイトーシスおよび分解を 有意に少なくする(Mimsら、を参照のこと)。 図5は、界面活性体CHAPSでの親油性ペプチドの溶解性を示している。 図6は、凝縮されたペプチド−巨大分子複合体の大きさへの、様々なCHAP Sの濃度の影響について、示している。5mMの臨界ミセル濃度以下でCHAP Sと混合されたペプチド−巨大分子複合体は、CHAPSの濃度が≧5mMであ るそのような複合体と比較して、(複合体の直径で測定した)サイズの有意の減 少を示している。 図7は、CHAPS濃度が細胞にトランスフェクトされるペプチド−巨大分子 複合体の能力に有意の影響を持たないことを示している。発現したタンパク質か ら発散された比光単位(relative light units)によって測定した場合、ペプチ ド−巨大分子複合体単独および界面活性体と複合したそれらは両方とも、細胞内 にトランスフェクトされた外来タンパク質を発現した。 図8は、ペプチド−巨大分子複合体を製造する方法を示している。CHAPS 濃度をその臨界ミセル濃度である5mM以下に希釈すると、結果として可溶化し た親油性ペプチドと核酸の予期しない驚くべき網の目の絡みおよび凝縮が起こり 、直径の小さくなったペプチド−巨大分子複合体が作り出される。 図9は、様々なペプチド複合体の大きさの比較を示している。誘導体化された 親油性ペプチド、ジステアリル−グリシル−apoE−3129-169(カラム4; 1.からr.)は、凝縮後、最も大きい直径の減少を示した。 図10は、様々なペプチド−巨大分子複合体のトランスフェクションの能力を 示している。誘導体化された親油性ペプチド、ジステアリル−グリシル−apo E−3129-169と、ガラクトシアリル化−溶解親油性ペプチドK8:JTS−1 の間に、有意のトランスフェクションの差は存在しなかった。しかしながら、突 然変異し誘導体化された親油性ペプチド、ジステアリル−グリシル−apoE− 3129-169(Q142)は、有意に少ないトランスフェクションを示す。おそらく、レ セプターを受ける突然変異したペプチドが、エンドサイトーシス、およびそれに 続く送達核酸の発現を仲介する能力がないためであろう。 図面は、必ずしも一定の割合で表しているわけではない。本発明のある特徴は 、スケールを誇張しているか、または明快にし簡潔にするために図式的な形で示 しているであろう。さらに、PCT出願WO93/18759の図面も、ここに 参照として採用する。発明の詳細な説明 以下に、核酸およびその他の巨大分子を細胞に送達するために親油性ペプチド と共にペプチド−巨大分子を用いる、本発明の好ましい実施態様の具体的例につ いて、示している。これらの例は、例証として提供されたものであって、いかな る様式でも本発明を制限するつもりのものではない。 これらの例は、具体的な親油性ペプチドが細胞送達用核酸を如何に安定化し凝 縮するかを示している。さらに、これらの例は、表面および核リガンドを如何に 細胞内部および/または細胞核内へ核酸を標的化するための送達ペプチドと共に 用いることができるかについて示している。そのような標的化送達は、溶解作用 因子および親油性ペプチドの使用によって強化される。これらの例には、インビ ボおよびインビトロ技術、様々な細胞または動物モデル、および如何に核酸を細 胞内に挿入することができるかが含まれる。 そのようなペプチド−巨大分子複合体の用途がここに示され、さらに、PCT 出願WO93/18759、Wooら、「DNAキャリヤーシステムおよびその 使用方法」("A DNA Carrier System and Method of Use")中に詳述されており ここに参照として採用される。以下に、ペプチド−巨大分子複合体内の結びつい た核酸にある機能を提供するために、そのような化合核酸を含む形質転換された 細胞または動物内で用いることのできるペプチド−巨大分子複合体の具体例を提 供する。当業者らは、ペプチド−巨大分子複合体の具体的部分が、ペプチド−巨 大分子複合体の望ましい性質を提供する機能的領域を含むそれとして同定できる ことを、認識しているであろう。そのような領域は、日常的に行われている欠失 、突然変異または修飾技術またはそれらと等価な技術を用いて容易に最小化する ことができる。 本発明の複合体またはキャリヤーシステムは、好ましくは、合成の溶解物質お よび核酸親油性ペプチド結合分子を用いることによって、細胞内への核酸の送達 を強化する。特に、具体的溶解作用因子は、エンドソームを崩壊させ、それによ って、核酸のリソソーム破壊を防ぐに有効である。具体的な親油性ペプチド結合 分子は、安定化され凝縮された核酸を細胞に送達するに有用である。さらに、こ れらの具体的な親油性ペプチドは、安定化され凝縮された核酸を細胞の核内に送 達するに有利である。これらのキャリヤーは、適当に標的化された細胞への具体 的核酸の送達を強化することによって、疾病を治療するために用いることができ る。また、これらのキャリヤーを用いて、動物モデルでヒトの疾病を評価するた めの、形質転換された細胞ならびにトランスジェニック動物を作り出すこともで きる。 また、本発明は、DNA安定性および細胞へのDNA送達を増加させるために 、DNA親油性ペプチドを利用する。特に、本発明は、核酸を凝縮する能力を持 つペプチドと非共有的に結合した核酸と共に核酸キャリヤーを用いる特徴がある 。これらの親油性ペプチドは、より小さくまたは凝縮されたより安定な核酸粒子 を 送達用に提供し、そうすることによって細胞内および核内への核酸のトランスフ ェクション率を高める。 溶解作用因子および親油性ペプチドの両方の特徴を利用することによって、本 発明は、核酸キャリヤーシステムによる核酸送達を高める。これらの成分は、単 独で、一緒に、または以下に記載の、およびPCT出願WO93/18759、 Woら、「DNAキャリヤーシステムおよびその使用方法」("A DNA Carrier S ystem and Method of Use")(図面を含むその全体をここに参照として採用する )中に開示された、核酸キャリヤーのその他の成分と共に用いることができる。 溶解物および親油性ペプチドと共に、キャリヤーシステムは、エンドソームから 細胞内部への安定な凝縮された核酸の放出を強化することによって、特異的細胞 への核酸の送達を高める。 核酸、親油性ペプチドおよび溶解作用因子を含む核酸結合複合体に加え、本発 明は、表面リガンドおよび核リガンド等を含む様々な核酸結合複合体の特徴をも また示している。表面リガンドは、細胞表面レセプターと結合し、サイトーシス (例えば、エンドサイトーシス、ポトサイトーシス、ピノサイトーシス)を通し て細胞に侵入する能力を持つ。ある種の細胞に特異的な表面リガンドを用いるこ とによって、核酸は、所望する組織に直接に、ペプチド−巨大分子複合体を用い て送達することができる。核リガンドは、核膜と通して細胞の核に核酸を認識さ せ輸送する能力を持つ。そのような核リガンドは、核に対して核酸を標的化する 親油性ペプチドの能力の強化を助ける。 さらに、本発明は、パルミチン酸かあるいはグリシンのN,N−ジステアリル 誘導体のいずれかでのアシル化を通してN末端を修飾することによって誘導体化 されたペプチドの特徴を示す。そのような修飾を行うと、脂質と化合した場合の 新規化合物のKd値が増加することによって、処理ペプチドが親油性になる;こ のように、誘導体化は、本来結合している脂質表面へのペプチドのアフィニティ を効果的に増加させ、結合親油性ペプチドが無差別的に他の脂質表面に移る傾向 を減少させる。それ故、いったん、誘導体化されたペプチドは、核酸輸送複合体 内に複合され、パルミチン酸またはN,N−ジステアリル修飾物は、ペプチドを つなぎ止め、インビボで循環中に接触することのできる標的でない他の脂質表面 へのその転移を防ぐであろう。それ故、本発明のさらなる長所は、親油性ペプチ ド結合部分がその特異的標的に到達するまでの、長い伝達時間の間中、インビボ での循環性を保つ親油性ペプチド結合部分の能力である。このことは、体中を循 環する間に接触することのできる赤血球、血管細胞表面、または脂質関連血漿タ ンパク質への非特異的吸収を通しての関連標的リガンドまたは核酸のいずれかの 不本意な損失を防ぐために、可能である。本発明のこの改良された特徴は、標的 細胞のトランスフェクション効率を著しく上昇させ、投与中の投与量を減少させ 、結果として、可能性のある有害な副作用を少なくする。より短い生きた複合体 が所望されるならば、12炭素のアンカー部分を用いることができた。これは、 ただ単に説明例であって、制限例ではない。Kdは、親油性基、例えば、アルキ ルまたは脂肪酸残基、の疎水性によって熱力学的に定量される。 本発明の更に好都合な特徴は、パルミチン酸またはN,N,−ジステアリル修 飾が、脂質の存在下において処理されたペプチドのαヘリックス性を増加させる ことである。これは、そのペプチドのN末端ドメインが、第四ヘリックスバンド ル(bundle)によってペプチドのその標的リセプターに対する結合を媒介するこ とを示したので更に有益な特徴である。ペプチドのこのヘリックスドメインは、 ペプチド修飾が除去されたかまたは脱脂された場合にその標的リセプターの結合 能の500倍の低下を示す。したがって、修飾されたペプチドのαヘリックス性 に対する脂質修飾の作用は、αヘリックスの破壊を伴うことなくその展開を引き 起こし、それによって、リセプター活性コンホメーションおよび標的細胞に対す る適切な結合をもたらす。 特定の細胞およびその核に対して核酸を供給する上記キャリヤーの能力はまた 、トランスジェニック動物モデルを、分子性発癌および疾患の詳細な分析、潜在 的な化学的および物理的発癌物質および腫瘍プロモーターの評価、モデル治療手 段の検討、更には、畜産目的に用いることを可能にする。更に、上記ペプチド− 巨大分子複合体の利点は、種々の疾患の投与および治療の方法を可能にする。更 に、上記ペプチド−巨大分子複合体は、特定のタンパク質、ポリペプチドおよび /ま たはRNAを生じるように細胞を形質転換するのに用いることができる。同様に 、上記ペプチド−巨大分子複合体は、組織培養細胞と一緒にインビトロで用いる ことができる。インビトロでの使用は、特異的に標的にされた組織培養細胞中へ 特異的発現を集中させることによって、種々の核酸の投割を研究することを可能 にする。 本発明は、上で論及されたペプチド−巨大分子複合体によって供給される核酸 が細胞に含有されているトランスジェニック動物をも包含する。これら細胞には 、生殖細胞または体細胞が含まれる。トランスジェニック動物モデルは、分子性 発癌および疾患の詳細な分析、潜在的な化学的および物理的発癌物質および腫瘍 プロモーターの評価、モデル治療手段の検討、および畜産目的に用いることがで きる。 その使用方法には、ヒトを治療する方法も含まれ、これは、本発明のもう一つ の態様である。その治療方法は、細胞または組織による核酸の発現のために、そ の細胞または組織に対して所望の核酸を供給するように上記の核酸キャリヤーを 投与する工程を含む。目的の細胞または組織の種類には、制限されるわけではな いが、肝、筋肉、肺、内皮、関節、皮膚、骨および血液が含まれうる。 治療または使用の方法には、肝細胞を上で論及された核酸キャリヤーと接触さ せることによってその肝細胞中に核酸を供給する方法が含まれる。核酸キャリヤ ーと一緒に用いられる表面リガンドは、肝細胞リセプターによる認識に特異的な ものである。特に、アシアロオロソムコイドタンパク質は、細胞表面リガンド、 apoE−3または親油性ペプチド結合性分子のような誘導体として用いられ、 そしてJTS−1または誘導体は溶解作用因子として用いられる。更に、これら 使用方法には、apoE−3を含み且つ表面または核リガンドを含まないキャリ ヤーを用いる核酸の供給も含まれる。本明細書中で用いられる「肝細胞」という 用語は、肝臓の細胞を意味する。 治療または使用の方法の一つの態様には、筋細胞を上で論及されたペプチド− 巨大分子複合体の一つと接触させることによって筋細胞に対して核酸を供給する 方法が含まれる。用いられる表面リガンドは、筋細胞上に含有されたリセプター に特異的である。特に、表面リガンドは、インスリン様成長因子Iでありうる。 更に、親油性ペプチド結合性分子はapoE−3または誘導体でありうるし、そ して溶解作用因子はJTS−1または誘導体でありうる。更に、血漿、全血中に 存在し、そして限定されるわけではないが、胸膜気道、腹膜腔、腫瘍および組織 の間隙などの身体の特定の部分と独特に結合した交換可能な脂質は、ペプチド− 巨大分子複合体の更に別の成分として含まれうるので、そのペプチド−巨大分子 複合体は、身体のどの部分にそれらが集中するかによって定性的にも定量的にも 異なることがありうる。更に、これらの治療または使用の方法には、apoE− 3を含み且つ表面または核リガンドを含まないキャリヤーを用いる核酸の供給も 含まれる。本明細書中で用いられる「筋細胞」という用語は、横紋筋、平滑筋ま たは心筋に関連した細胞を意味する。 治療または使用の方法のもう一つの態様には、骨形成細胞を上で論及されたペ プチド−巨大分子複合体と接触させることによって骨形成細胞に対して核酸を供 給する方法が含まれる。ペプチド−巨大分子複合体と一緒に用いられる表面リガ ンドは、骨形成細胞に関連したリセプターに特異的である。特に、表面リガンド には、制限されるわけではないが、骨形成タンパク質または軟骨誘導因子が含ま れうる。更に、核酸キャリヤーの親油性ペプチド結合性分子はapoE−3また は誘導体でありうるし、そして溶解作用因子はJTS−1またはその誘導体であ りうる。更に、これらの治療または使用の方法には、apoE−3を含み且つ表 面または核リガンドを含まないキャリヤーを用いる核酸の供給も含まれる。本明 細書中で用いられる「骨形成細胞」という用語は、骨成長を促進する細胞を意味 する。非制限例には、骨芽細胞、ストローマ細胞、誘導前骨芽細胞、確定前骨芽 細胞、軟骨細胞、更には、骨形成を助けることができる他の細胞が含まれる。 治療または使用の方法のもう一つの関連態様には、上で論及されたペプチド− 巨大分子複合体を用いて細胞に対して核酸を供給する方法が含まれる。ペプチド −巨大分子複合体は、葉酸塩をリガンドとして用いる。更に、核酸キャリヤーは 、JTS−1または誘導体を溶解作用因子としておよびapoE−3またはその 誘導体を親油性ペプチド結合性分子として用いることができる。この方法は、制 限 されるわけではないが、肝細胞を含めた葉酸塩リセプターを含有する細胞を標的 とする。 治療または使用の方法の更に別の関連態様には、上で論及されたペプチド−巨 大分子複合体を用いて滑膜細胞またはマクロファージに対して核酸を供給する方 法が含まれる。ペプチド−巨大分子複合体は、滑膜細胞および/またはマクロフ ァージによって認識されたリガンドを用いる。更に、核酸キャリヤーは、JTS −1または誘導体を溶解作用因子としておよびapoE−3またはその誘導体を 親油性ペプチド結合性分子として用いることができる。更に、この使用方法には 、apoE−3を含み且つ表面または核リガンドを含まないキャリヤーを用いる 核酸の供給も含まれる。「滑膜細胞」という用語は、関節または関節の体液腔に 関連した細胞を意味する。 上の方法に加えて、使用方法には、核リガンド結合性複合体も用いる供給も含 まれる。このような核キャリヤーは、細胞の核に対して核酸を向けるのに投だつ であろう。更に、上の使用方法には、親油性ペプチド結合性分子および溶解作用 因子を含む核酸キャリヤーまたはそれらの多数が含まれる。 上の方法の核酸キャリヤーは、様々な経路によって投与されうる。「投与」ま たは「投与する」という用語は、身体中への核酸キャリヤーまたはそのキャリヤ ーのキャリヤーの導入経路を意味する。投与は、静脈内、筋肉内、局所、嗅覚器 官または経口であってよい。投与は、標的組織に対して直接的でありうるしまた は全身供給によりうる。特に、投与は、細胞に対する直接注射によってよい。も う一つの実施態様において、投与は、静脈内、皮下スプレーまたは非晶質粉末P VPの使用によってよい。投与経路には、筋肉内、エーロゾル、経口、局所、全 身、嗅覚器官、眼、腹腔内および/または気管内が含まれる。細胞形質転換 本発明の一つの実施態様には、上記のペプチド−巨大分子複合体に関連した核 酸で形質転換された細胞が含まれる。細胞がいったん形質転換されると、その細 胞は、その核酸によってコードされたタンパク質、ポリペプチドまたはRNAを 発現するであろう。細胞には、制限されるわけではないが、肝、筋および皮膚が 含まれた。本記載は、いずれにせよ、制限するためのものではない。 目的の遺伝物質を含有する核酸は、形質転換された細胞中においてその核酸が RNAに転写され、そして必要な場合にはタンパク質またはポリペプチドに翻訳 されうるように、宿主またはベクター内で適所におよび逐次的に配向される。種 々のタンパク質またはポリペプチドは、形質転換された細胞中の核酸カセット中 の配列によって発現されうる。これら生産物は、細胞内または細胞外の構造要素 、リガンド、ホルモン、神経伝達物質、成長調節因子、アポリポタンパク質、酵 素、血清タンパク質、リセプター、小分子量化合物用のキャリヤー、薬物、免疫 調節物質、癌遺伝子、腫瘍サプレッサー、毒素、腫瘍抗原、抗原、アンチセンス 阻害剤、三本鎖形成阻害剤、リボザイムとして、またはそれらの活性を調節する ための細胞構造上の特異的構造決定因子を認識するリガンドとして機能しうる。 形質転換は、インビボかまたはエクスビボ技術によって行うことができる。当 業者は、このような形質転換技術を熟知しているであろう。エクスビボ技術によ る形質転換には、選択可能なマーカーを含有するDNAで細胞を同時トランスフ ェクションすることが含まれる。この選択可能マーカーは、形質転換された状態 になった細胞を選択するのに用いられる。選択可能マーカーは、当業者に周知で ある。 例えば、肝臓病のための核酸供給に対する一つのアプローチは、罹患した個体 から肝細胞を取出し、それらをインビトロで遺伝的に変化させ、そしてそれらを 受容遺伝子座中に再度挿入することである。エクスビボアプローチは、肝細胞を 採取し、その肝細胞を培養し、その肝細胞を形質導入しまたはトランスフェクシ ョンし、そしてそのトランスフェクションされた肝細胞を罹患した個体中に導入 する工程を含む。 肝細胞は、様々な方法で入手できる。それらは、形質転換された肝細胞を後で 注射される個体から採取されてよいし、またはそれらを他の源から集め、形質転 換した後に、目的の個体に注射することができる。 エクスビボ肝細胞をいったん集め、それを、核酸キャリヤーを含有する培地と 接触させ、そしてその培養された肝細胞をその培地中において肝細胞の取込みお よび形質転換に充分な時間および適当な条件下で維持することによってその肝細 胞を形質転換させることができる。次に、それら肝細胞を、組織中への細胞懸濁 液の注射によって正常位置(肝体または門脈血管系)または異所位置に導入でき る。当業者は、その細胞懸濁液が、細胞の成育能力を維持するための塩類、緩衝 剤または栄養素;細胞安定性を確保するためのタンパク質;並びに血管形成およ び植込まれた細胞の成長を促進する因子を含有しうることを理解するであろう。 代わりの方法では、採取された肝細胞を、形質導入後に外科的に正常または異 所位置に植込むことができるプラスチック、繊維またはゼラチン状材料から成る 基質上においてエクスビボで成長させることができる。この基質は、血管形成お よび植込まれた細胞の成長を促進する因子と一緒に埋込むことができる。次に、 細胞を再度植込むことができる。上記のことは単なる例であり、制限するもので はない。投与 本明細書中で用いられる投与は、身体中への核酸キャリヤーの導入経路を意味 する。投与には、静脈内、筋肉内、全身、皮下、真皮下、局所または経口の供給 法が含まれる。投与は、標的組織に対して直接的であることもできるし、または 全身供給によることもできる。 特に、本発明は、細胞中における特異的核酸配列の発現のために核酸を投与す るのに用いることができる。投与経路には、筋肉内、エーロゾル、嗅覚器官、経 口、局所、全身、眼、腹腔内および/または気管内が含まれる。核酸キャリヤー を投与する好ましい方法は、静脈内供給による。もう一つの好ましい投与方法は 、細胞中への直接注射による。 遺伝子の直接的転移は極めて有効であった。実験は、関節および甲状腺組織中 へのDNAの直接注射による投与が、注射区域での遺伝子の発現を引き起こすこ とを示している。関節腔中へのIL−1含有プラスミドの注射は、遺伝子の発現 を長期間引き起こす。注射されたDNAは、組込まれない染色体外状態で存続す ると考えられる。この転移手段は、好ましい実施態様の一つである。 更に、本発明の核酸キャリヤーを投与するもう一つの手段は、乾燥粉末の形を 吸入用に用いることによる。用いることができる一つの化合物は、非晶質粉末で あるポリビニルピロリドン(“PVP”)である。PVPは、広範囲の物質と一 緒に複合体を形成するポリアミドであり、しかも化学的におよび生理学的に不活 ーで霧状になるエーロゾル組成物または液体によってもよく、それによって吸入 されうる。 いずれかの選択されたベクター構築物の特別な供給経路は、核酸キャリヤーと 結合した核酸の具体的な使用に依るであろう。概して、用いられるそれぞれの核 酸キャリヤーに特異な供給プログラムは、特定の標的組織に関する取込みに続い て、有効性の実証に集中するであろう。取込み実験には、核酸の細胞取込みおよ び選択された特異的核酸の発現を評価する取込み検定が含まれるであろう。この ような検定は、取込み後の標的核酸の局在性も示し、そして発現されたタンパク 質の定常状態濃度の維持のための必要条件を決定するであろう。次に、有効性お よび細胞障害性を調べる。毒性には、細胞成育能力が含まれるのみならず、細胞 機能も含まれるであろう。 本明細書中で記載のようにエンドサイトーシスを行うキャリヤー中に包含され たDNAは、細胞外空隙から異種遺伝子を取込む細胞種類の範囲を増加させる。 選択された供給方法は、細胞質蓄積および最適投薬をもたらすはずである。投 薬量は、疾患および投与経路に依るであろうが、0.1〜1000mg/kg( 体重)/日であるべきである。この量は、標準法によって容易に決定できる。そ れは、最適投薬に応じてより多いかまたはより少なくありうる。治療期間は、疾 患症状の経過によっておそらくは継続して延長するであろう。投与回数は、疾患 供給ビヒクルおよび臨床試験からの有効性データに依るであろう。 細胞内のDNAの治療的レベルの決定は、取込みおよび分解の経路に依る。分 解の程度の低下は、DNAの細胞内半減期を延長するであろう。肝臓への直接供給 本発明の核酸キャリヤーは、肝臓癌などの肝臓に関与した疾患の進行を逆行さ せるかまたは阻止する場合にも用いることができる。一つの実施態様は、肝疾患 を治療するのに必要な分子をコードしている核酸を供給するための静脈内投与法 の使用を伴う。必要なタンパク質またはRNAを発現する核酸キャリヤーは、肝 臓に対して直接的に進むように肝臓または血液供給中へ直接的に注射できる。最 後に、上で論及されたPVPなどの乾燥粉末の形は、肝疾患を治療するのに用い ることができる。乾燥粉末の形は、吸入によって供給される。これらの処置は、 選択された核酸によってコードされた特定のタンパク質の発現によって肝臓癌ま たは他の肝疾患を制御するまたは抑制するのに用いることができる。 当業者は、本発明が目的を達成し、そして挙げられた結果および利点、更には 、それに固有のものを得るのに充分に適合することを容易に理解するであろう。 ペプチド−巨大分子複合体は、本明細書中に記載の方法、手順、処置、分子、特 異的化合物と共に、現在のところ好ましい実施態様を代表するものであり、典型 的であり、そして本発明の範囲を制限するためのものではない。そこでの変化お よび他の用途は当業者によって考えられるであろうが、それらは本発明の精神の 範囲内に包含され、請求の範囲によって定義される。 本明細書中で開示された発明に対する種々の置換および変更が、本発明の範囲 および精神から逸脱することなく行われうることは、当業者に容易に理解される であろう。筋肉への直接DNA供給 筋ジストロフィーは、多数の異なった理由のために異常な筋発生を引き起こす 一群の疾患である。これら疾患は、正常な遺伝子産物の生産をもたらす本発明の 核酸キャリヤーを用いる遺伝子の直接供給を用いることによって治療することが できる。本発明を用いる筋肉に対する供給は、ウイルスおよび寄生生物両方の起 原の多数の感染に対するワクチン用に種々の抗原を生産する遺伝子を与えるよう に行われる。老化によって引き起こされる有害な作用もまた、本明細書中で記載 の核酸供給システムを用いて処置することができる。成長ホルモンタンパク質の 注射は、筋組織の成長および増殖を促進するので、成長ホルモン遺伝子を筋肉に 対して供給して、老化過程の後期中に低下する筋成長および発育をもたらすこと ができる。インスリン様成長因子−1(IGF−1)などの他の成長関連因子を 発現する遺伝子を供給することができる。更に、かなり多数の異なった遺伝子を 、この方法によって筋組織に対して供給できる。 IGF−1は、リセプター媒介エンドサイトーシスによって細胞中に取込まれ るので、DNAを筋肉に対して供給するのにそれを用いることができる。このポ リペプチドは、70アミノ酸長さであり且つ構造的にインスリンに関連した成長 促進ポリペプチドのメンバーである。そのポリペプチドは多数の種類の組織上に リセプターを有するので、それは、広範囲の細胞種類の増殖および代謝活性に影 響を与える組織成長および細胞分化の調節に関与している。結果として、本発明 の核酸キャリヤー供給システムは、筋肉に対する組織特異的核酸供給のためのリ ガンドとしてIGF−1を用いる。IGF−1/核酸供給システムの利点は、リ セプター媒介エンドサイトーシスによる取込みでリガンド/核酸複合体と接触す るようになる極めて多数の細胞のために、その供給の特異性および効率が大きく 増加することである。本発明の供給システムにおいて筋細胞に対する核酸の供給 に特異的なリガンドの使用と共に上記の核酸を用いることは、筋組織に影響を与 える疾患および異常の治療法を提供する。 上記のことに加えて、第IX因子もまた、筋細胞に対して供給することができる 。第IX因子をコードしているDNAは、本発明の核酸キャリヤーを用いて供給で きる。結果として、本発明の核酸キャリヤー供給システムは、第IX因子をコード しているDNAを用いて、第IX因子欠乏であり且つこのような欠乏による疾患お よび異常に対して感受性である細胞を治療することができる。第IX因子をコード しているDNAは、上記のようなK8およびapoE−3とカップリングするか または結合することができる。次に、その複合体を、発現のために筋細胞に対し て直接的に供給できる。DNA対K8対apoE−3の好ましい比率は1:3: 1である。上の複合体の直接注射が好ましい。第IX因子を発現する核酸を筋細胞 に対して供給するための本発明の上の核酸供給システムの使用は、筋組織に影響 を与える疾患および異常の治療法を提供する。骨形成細胞への直接DNA供給 老化過程中に起こる問題は他にも多数あるが、一つの主要な問題は骨粗鬆症で あり、これは、全骨質量および強度の減少である。本発明の直接核酸キャリヤー 供給システムを用いて、骨成長を促進する細胞に対して遺伝子を供給することが できる。骨芽細胞は、体内の主な骨形成細胞であるが、骨形成を助けることがで きる細胞は他にも存在する。骨髄のストローマ細胞は、骨芽細胞のための幹細胞 源である。そのストローマ細胞は、誘導前骨芽細胞(IOPC)として知られる 細胞集団に分化し、これらは次に、成長因子の誘導下において確定前骨芽細胞( DOPC)に分化する。成熟して直接的に骨生産細胞になるのはこの細胞集団で ある。IOPCは、筋組織および軟結合組織でも見出される。骨形成過程に関与 するもう一つの細胞は、軟骨細胞として知られる軟骨生産細胞である。 IOPCを剌激して分化させるのに関与することが確認された因子は、骨形成 タンパク質(BMP)として知られる。この19,000MWタンパク質は、無 機質脱落骨から最初に識別された。BMPに類似したもう一つの因子は、軟骨誘 導因子(CIF)であり、これは、IOPCを刺激して分化させるように機能し 、そして更に、軟骨形成、軟骨石灰化、血管浸潤、石灰化軟骨の吸収、および最 後の新規骨形成の誘導の経路を開始する。軟骨誘導因子は、形質転換成長因子β と同族であると確認された。 骨芽細胞は骨生産に関与しているので、骨芽細胞活性を増大させる遺伝子は、 これら細胞に対して直接的に供給できる。遺伝子は、IOPCおよび軟骨細胞に 対しても供給でき、これらは骨芽細胞に分化して、骨形成をもたらす。BMPお よびCIFは、これら細胞に対して遺伝子を供給するのに用いることができるリ ガンドである。これら細胞に対して供給された遺伝子は、骨形成または骨芽細胞 の増殖を促進する。ポリペプチドIGF−1は、下垂体切除されたラットの成長 を刺激するが、これは、骨芽細胞によるポリペプチドの特異的取込みによるかま たはポリペプチドと軟骨細胞との相互作用によることがあり、これが骨芽細胞の 形成をもたらす。他の特異的骨細胞および成長因子は、骨形成に関与する種々の 細胞との相互作用によって骨形成を促進するのに用いることができる。 これらの細胞種に対して供給することができる次の成長因子を発現する遺伝子 の非制限例は、インスリン、インスリン様成長因子−1、インスリン様成長因子 −2、表皮成長因子、形質転換成長因子−α、形質転換成長因子−β、血小板由 来成長因子、酸性線維芽細胞成長因子、塩基性線維芽細胞成長因子、骨由来成長 因子、骨形成タンパク質、軟骨誘導因子、エストラジオールおよび成長ホルモン である。これら因子は全て、骨芽細胞、関連幹細胞および軟骨細胞の増殖に対し て正の作用を有する。結果として、BMPまたはCIFは、これら成長因子を発 現する遺伝子を、本発明の核酸/タンパク質複合体の静脈内注射によって標的細 胞に対して供給するための結合体として用いることができる。本発明の供給シス テムにおいて、骨細胞に対する核酸の供給に特異的なリガンドの使用と共に上記 の核酸を用いることは、骨組織に影響を与える疾患および異常の治療法を提供す る。滑膜細胞への直接DNA供給 動物モデルおよびヒト疾患における関節に対する炎症刺激は、部分的には、局 所災症反応を剌激するIL−1およびIL−6などのサイトカインの分泌によっ て媒介されうる。炎症反応は、これらリガンドのリセプターの可溶性フラグメン トの局所分泌によって変化しうる。リガンドと可溶性リセプターとの複合体は、 通常は細胞の表面上にあるリセプターに対してリガンドが結合するのを妨げ、そ れによって炎症作用の刺激を妨げる。療法は、関節の構造において高レベル発現 を誘導できるプロモーターと一緒に、適当なサイトカイン(例えば、IL−1) のリセプターの可溶性型を含有するベクターおよびこのベクターの有効な取込み を可能にする構成体の構築から成る。次に、このDNAを本発明のDNAキャリ ヤーと一緒に用いる。このDNAを冒された関節中に注射し、そこで、可溶性I L−1リセプターまたは天然IL−1阻害剤などのIL−1の阻害剤の分泌が局 所炎症反応および結果としての関節炎を変化させる。 この方法は、多数の「自己免疫」疾患または「膠原血管」病を特徴付ける関節 炎のエピソードを治療する場合に有用である。この方法は、炎症性関節炎による 大関節の不具となる損傷も妨げることができる。 上記のことに加えて、本発明は、次の方法と一緒に用いることもできる。重傷 の関節炎のための現行療法は、炎症反応を低下させるためのステロイドを含めた 薬剤の投与を伴う。ステロイドは、全身的にまたは関節腔中への直接注射によっ て局所に投与できる。 ステロイドは、通常、細胞の細胞質内リセプターに対して結合することによっ て機能する。ステロイド−リセプター複合体の形成は、リセプターの構造を変化 させるので、それは、核に対して輸送でき且つ細胞のゲノム中の特異的配列に対 して結合でき、そして特異的遺伝子の発現を変更できるようになる。ステロイド リセプターの遺伝的修飾を行って、このリセプターが、天然に存在するステロイ ドをより高い親和性で結合できるまたはRU486などの非天然の合成ステロイ ドを結合できるようにすることができる。他の修飾は、天然のステロイドリセプ ターが天然または合成ステロイドでの処置後に遺伝子発現を調節するのと同様に 、DNAに対して結合でき且つステロイドの不存在下で遺伝子発現を調節できる ということを意味する「構成的に活性」であるステロイドリセプターを生じるよ うに行うことができる。 特に重要なのは、関節炎の治療に利用可能な最も重要な薬物であるコルチゾン 、ヒドロコルチゾン、プレドニゾンまたはデキサメタゾンなどのグルココルチコ イドステロイドの作用である。関節炎を治療する一つのアプローチは、核酸カセ ットが遺伝的に修飾されたステロイドリセプター、例えば、グルココルチコイド の作用によく似ているが、その作用のためにグルココルチコイドの存在を必要と しない遺伝的に修飾されたステロイドリセプターを発現するベクターを関節の細 胞中に導入することである。これは、グルココルチコイド模倣リセプターと称さ れる。これは、グルココルチコイドリセプターのDNA結合ドメインを含有する 関節の細胞中の構成的に活性なステロイドリセプターの発現によって得られる。 これは、これら薬物の全身毒性を伴うことなくステロイドの治療的作用を誘導す る。或いは、天然またはRU486などの合成グルココルチコイドに対してより 高い親和性を有するステロイドリセプターは、関節中に導入できる。これらリセ プターは、無毒性濃度のステロイドまたは更に低用量の薬理学的に投与されたス テロイドによって刺激された場合、増加した抗炎症作用を示す。或いは、新規の 通常 不活性なステロイドによって活性化されるステロイドリセプターの構成は、この リセプターを取込む細胞にのみ影響を与えると考えられる薬物の使用を可能にす る。これらの作戦は、これら薬物に関係した強い全身性の合併症を伴うことなく 、関節炎に対するステロイドによる治療的作用を得る。特に重要なのは、これら 遺伝子を特定の細胞種(例えば、滑膜細胞対リンパ球)に対して、これら細胞の 活性に影響を与えるために特異的に集中させる能力である。 両方とも本明細書に援用される(図面を含む)ベジト(Vegeto)らの“Proges terone Receptor Having C Terminal Hormone Binding Domain Truncations”と 題する米国特許第5,364,791号およびベジトらの1992年9月2日出願の“Mutated Steroid Hormone Receptors,Methods for Their Use and Molecular Switch fo r Gene Therapy”と題する米国特許出願第07/939,246号で記載のように、グルコ コルチコイド模倣リセプターなどの遺伝的に修飾されたリセプターは、グルココ ルチコイド模倣活性を有するものを含めた新規ステロイドリセプターを生じるの に用いることができる。遺伝子調節タンパク質のステロイドリセプターファミリ ーは、このような分子の理想的なセットである。これらタンパク質は、リガンド 活性転写因子であり、そのリガンドは、ストロイドからレチノイド、脂肪酸、ビ タミン、甲状腺ホルモンおよび他の現在未確認の小分子までありうる。これら化 合物は、リセプターに対して結合し、そして転写をアップレギュレーションする かまたはダウンレギュレーションする。 本発明の好ましいリセプターは、グルココルチコイドリセプターの変形、即ち 、グルココルチコイド模倣リセプターである。これらリセプターは、天然に存在 するリガンドとは構造が異なる種々のリガンド、例えば、RU486をそれらが 結合するように修飾されうる。例えば、アミノ酸配列の切断を含めた小さなC末 端変更は、リガンドの親和性を変化させ且つ機能を変化させる。リセプター突然 変異体をスクリーニングすることにより、リセプターは、宿主細胞自体のリセプ ターを活性化させないリガンドに応答するように受注製造することができる。 しかしながら、当業者は、様々な突然変異、例えば、カルボキシ末端アミノ酸 のより短い欠失が、ある種のステロイドホルモンリセプタータンパク質の有用な 突然変異体を生じるのに必要であることを理解するであろう。突然変異しうるス テロイドホルモンリセプターは、エストロゲン、プロゲステロン、グルココルチ コイド−α、グルココルチコイド−β、鉱質コルチコイド、アンドロゲン、甲状 腺ホルモン、レチン酸およびビタミンB3のリセプターを含めたリセプターなど のステロイドホルモンリセプタースーパーファミリーを含むリセプターのいずれ かである。更に、トランス抑制(transrepression)のみまたはトランス活性化 (transactivation)のみができるものなどの他の突然変異ステロイドをコード しているDNAもまた、上の実施態様の範囲内である。このようなステロイドは 、トランス抑制を活性化させるために、RU486に対して応答できると考えら れる。 上記のことに加えて、本発明は、次の方法と一緒に用いることもできる。酵素 プロスタグランジンシンターゼを阻害する薬物は、関節炎の治療において重要な 薬剤である。これは、部分的には、局所免疫応答を剌激する場合のある種のプロ スタグランジンの重要な投割のためである。サリチル酸塩は広く用いられる薬物 であるが、重傷状態の関節炎には、しばしば不適当である制限用量で投与されう る。 本発明を用いる遺伝子転移は、プロスタグランジンシンターゼのアンチセンス RNAの発現によって、冒された関節において特異的にプロスタグランジンシン ターゼの作用を阻害するのに用いられる。プロスタグランジンシンターゼのアン チセンスRNAとmRNAとの間に形成された複合体は、このmRNAの適当な プロセッシングおよび翻訳を妨げ、そして処置された細胞中のこの酵素レベルを 低下させる。或いは、RNA分子は、プロスタグランジン合成に必要な酵素を発 現する遺伝子の調節部分で三重らせんを形成するのに用いられる。或いは、プロ スタグランジン合成に必要な酵素の活性部位を結合し且つこの活性を阻害するR NA分子が識別される。 或いは、プロスタグランジン代謝を変化させる酵素をコードしている遺伝子を 、関節中に転移させることができる。これらは、炎症性プロスタグランジンの化 学組成または濃度を変化させることによって重要な抗炎症作用を有する。 同様に、本発明は、関節の修復および再生を促進するのに有用である。関節の 再生能は、軟骨細胞が、腱および軟骨などの軟骨組織を再造形できないし且つ修 復できないという事実によって制限される。更に、損傷に対する応答で生じるコ ラーゲンは、通常のコラーゲンの引っ張り強度を欠いた異なった種類のものであ る。更に、その損傷コラーゲンは、入手可能なコラゲナーゼによってほとんど再 造形されない。更に、ある種のメタロプロテイナーゼの不適当な発現は、関節の 破壊における一成分である。 軟骨細胞に対して特異的なプロモーター(すなわち、コラーゲンプロモーター )を用いる遺伝子転移は、関節の機能の修復を改善するための別のコラーゲンま たは適当なコラゲナーゼを発現させ且つ瘢痕形成を妨げるのに用いられる。 これらの目的の遺伝子転移は、関節腔中へのDNAの直接導入によって行われ 、そこでそれが軟骨細胞および滑膜細胞と接触する。更に、遺伝子は、関節の環 境中に透過し、そこでそれらは線維芽細胞、筋芽細胞および他の関節周囲成分に よって取込まれる。肺への直接供給 本発明の核酸キャリヤーは、肺癌などの肺に関与した疾患の進行を逆行させる かまたは阻止する場合にも用いることができる。一つの実施態様は、肺疾患を治 療するのに必要な分子をコードしている核酸を供給するための静脈内投与法の使 用を伴う。必要なタンパク質またはRNAを発現する核酸キャリヤーは、肺に対 して直接的に進むように肺または血液供給中へ直接的に注射できる。更に、ネブ ライザーで霧状のエーロゾルまたは液体の使用も、肺に対して所望の核酸を投与 するのに用いることができる。最後に、上で論及されたPVPなどの乾燥粉末の 形は、肺疾患を治療するのに用いることができる。乾燥粉末の形は、吸入によっ て供給される。これらの処置は、選択された核酸によってコードされた特定のタ ンパク質の発現によって肺癌または他の肺疾患を制御するまたは抑制するのに用 いることができる。 当業者は、本発明が目的を達成し、そして挙げられた結果および利点、更には 、それに固有のものを得るのに充分に適合することを容易に理解するであろう。 核 酸キャリヤーシステムは、本明細書中に記載の方法、手順、処置、分子、特異的 化合物と共に、現在のところ好ましい実施態様を代表するものであり、典型的で あり、そして本発明の範囲を制限するためのものではない。そこでの変化および 他の用途は当業者によって考えられるであろうが、それらは本発明の精神の範囲 内に包含され且つ請求の範囲によって定義される。 本明細書中で挙げられた分子の投与のための更に別の器官、組織、腔、1個ま たは複数の細胞、間隙は、本明細書中に図面を全て含めてそのまま援用される“ Nucleic Acid Transporters for Delivery of Nucleic Acids into a Cell”; スミス(Smith)ら,1995年12月18日出願の米国特許出願第08/484,777号で見出 されうる。 実施例 次の実施例は、リポペプチドの合成および誘導体化、核酸のコーティングおよ び網の目への絡ませ(enmeshment)、網の目への絡ませおよび凝縮後のペプチド −巨大分子複合体の分粒された粒子、ペプチド−巨大分子複合体を用いる上皮細 胞形質転換を示し、そして本発明は請求の範囲によってのみ制限される。実施例1)リポペプチドの合成および誘導体化 ペプチド合成−apoEペプチド148〜169、144〜169、139〜 169および129〜169を、アプライド・バイオシステムズ(Applied Bios ystems)430Aペプチド合成機と共に与えられたプログラムを用いて固相法に よって合成した。次の側鎖保護基、すなわち、SerおよびThrのためのベン ジルエーテル、AspおよびGluのためのベンジルエステル、Tyrのための ジクロロベンジルエーテル、Lysのためのクロロベンジルオキシカルボニル、 およびArgおよびHisのためのトシルを用いた。ペプチドのN末端のアシル 化は、ペプチジル樹脂のパルミチン酸無水物を用いるN,N−ジメチルアミノピ リジンで触媒されたアシル化によって行われた。N,N−ジステアリルグリシン の付加は、ジイソプロピルエチルアミンの存在下のテトラヒドロフラン/N,N −ジメチルホルムアミド(1:1)中におけるN,N−ジステアリルグリシンの ヒドロキシスクシンイミドエステルとペプチジル樹脂との一晩中の反応によって 行われた。合成が完了した後、その樹脂をN,N−ジメチルホルムアミドおよび 塩化メチレンで洗浄し、そして真空デシケーター中で乾燥させた。そのペプチド を脱保護し、そして10%アニソールおよび1%エタンジチオールを含有する無 水HFを用いる−20℃で3時間の処理によって樹脂から切断した。HFを真空 下において−20℃で蒸発させ、そしてペプチドを冷エーテルで沈澱させた。そ の沈澱および樹脂をエーテルで洗浄し、そしてペプチドをトリフルオロ酢酸中に 溶解させた。そのトリフルオロ酢酸をロータリーエバポレーターで蒸発させ、そ してペプチドをエーテルで沈澱させ且つ遠心分離によって集めた。沈澱したペプ チドを1Mトリス、6M塩化グアニジニウム中に溶解させた。そのpHを酢酸で 3に調整し、そしてペプチドを、5%酢酸で平衡されたバイオゲル(Bio-Gel) P−2カラム(5x50cm)上で脱塩した。ペプチド含有画分を凍結乾燥させ 、そしてそのペプチドを0.1Mリン酸二水素アンモニウム、6M塩化グアニジ ニウム,pH3.0中に溶解させた。 ペプチド合成および誘導体化の追加の情報は、両方とも本明細書中に図面また は図を全て含めてそのまま援用されるミムス(Mims)ら,Jour.Biol.Chem269,20 539-47および“Nucleic Acid Transporters for Delivery of Nucleic Acids in to a Cell”;スミスら,1995年12月18日出願の米国特許出願第08/484,777号で 見出されうる。実施例2)核酸のコーティングおよび網の目への絡ませ 予想外の且つ驚くべき結果は、ペプチド洗浄剤ミセルを核酸と混合し、急速撹 拌し、そして約200倍(洗浄剤のcmc未満,約1mM)に希釈した場合に示 された。引続き、核酸は親油性ペプチドでコーティングされ且つ網の目に絡まっ た状態になり、凝縮核酸\親油性ペプチド複合体を形成し、同時に、CHAPS洗浄 剤モノマーは得られた混合物から透析されうる(図8)。実施例3)網の目に絡ませそして凝縮後のペプチド−巨大分子複合体の分粒され た粒子 実施例2の処置で与えられた核酸の凝縮の程度を、図9として示す。ジステア リル−グリシル−apoE−3129-169を、予めK8と凝縮したDNAに対して 加えた場合、粒度は約20%だけ増加した。JTS−1の添加は、粒度を更に4 0%増加させた。対照的に、凝縮性ペプチドの不存在下でのDNAに対するジス テアリルーグリシル−apoE−3129-169の添加は、約60nmのより小さい 粒子を与えた。突然変異ペプチドであるジステアリル−グリシル−apoE−3129-169Q142 を用いる凝縮および網の目への絡ませはまた、小さい60nmの単 分散粒子集団を与えた。10mM CHAPS中のジステアリル−グリシル−apoE −3129-169を、DNAを存在させることなく希釈した場合、得られた小胞は直 径約450nmであった。 ショ糖密度勾配遠心分離を施されたジステアリル−グリシル−apoE−312 9-169 :DNA複合体の分析は、カプセル封入後に遊離DNAが存在しないこと を示した。対照における遊離DNAは勾配の上部に残ったが、網の目に絡まされ て凝縮した複合体は、遠心管の底部で見出された。実施例4)ペプチド−巨大分子複合体を用いる上皮細胞形質転換 細胞をトランスフェクションする実施例3の製剤の能力を、LDLリセプター をアップレギュレーションするように1μg mL-1ロバスタチン中において一 晩中増殖させた293個の上皮細胞で調べた。ガルトスレート(galtoselated) K8もJTS−1も、有効な遺伝子転移には不必要であった(図10c)。LD Lリセプターに対する突然変異ペプチドの減少した結合から予想されるように、 突然変異ペプチド複合体による発現は、野生型apoEペプチド複合体で見られ る場合の約5%であった。本発明者は、ジアシルペプチドが凝縮作用因子、カプ セル封入作用因子、標的集中作用因子および溶解作用因子として機能すると結論 している。充分に定義されたリセプターリガンドドメインは別として、他の機能 を有する配列部分はなお解明されるべきである。 ジステアリル−グリシル−apoE−3129-169の残基141〜150間の陽 イオン配列は、その親油性ペプチドを、肺に対する遺伝子供給にうまく用いられ てきた陽イオン脂質に匹敵させる。本発明者は、遺伝子供給の機序が、両方の陽 イオン試薬で同様であると考えている。陽イオンアミノ酸クラスターによるエン ドソーム膜の脱安定化は、エンドソーム膜を破壊する過程である、電荷不均衡を 相殺する陰電荷リン脂質のフリップフロップを誘導する。陰イオンリン脂質と陽 イオン親油性ペプチドとの相互作用は、DNAとペプチトとの相互作用よりも強 い。したがって、DNAは、核に対する細胞タンパク質による輸送のために細胞 質中に放出される。本発明者は、一つの機能的配列だけを含有する短い親油性ペ プチドを組合わせることができると予想しているので、インビトロおよびインビ ボでの遺伝子供給は、別々の親油性ペプチドの組合せによって達成されうる。更 に、DOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミンなどの商業的に入手 可能な陽イオン脂質並びにコレステロール、アポリポタンパク質、脂肪酸、リゾ リン脂質、陰イオン、中性および陽イオンのリン脂質、および糖脂質を含めた他 の脂質は両方とも、ペプチド−巨大分子複合体中の追加の成分として包含されう る。この実施例は例示するものであり、制限するためのものではない。 明細書中で挙げられた特許および刊行物は全て、本発明が関係する当業者のレ ベルを示すものである。特許および刊行物は全て、それぞれ個々の刊行物が援用 されることが具体的に且つ個々に示されたかのような程度に本明細書中に援用さ れる。 本明細書中で例示的に記載された発明は、適当に、本明細書中で具体的に開示 されていない一つまたは複数の要素、一つまたは複数の制限のいずれの不存在下 でも実施できる。用いられた用語および表現は、説明の用語として用いられ、制 限としてではなく、そして示されかつ記載された特徴のいずれの同等物も除外す るこのような用語および表現の使用には目的がないが、請求の範囲に記載された 発明の範囲内で様々な変更が可能であることは理解される。したがって、本発明 は好ましい実施態様および任意の特徴によって具体的に開示されたが、本明細書 中で開示された概念の変更および変化が当業者によって修復されうることおよび このような変更および変化が、請求の範囲で定義の本発明の範囲内であると考え られることは理解されるべきである。 特許および非特許両方の参考文献を含めた本明細書中に予め援用されていない 参考文献は、全ての目的のためにそのまま援用される。他の実施態様は、次の請 求の範囲の範囲内である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ハウアー,ヨヘン アメリカ合衆国テキサス州77025,ヒュー ストン,ベルフォンティン 2825,アパー トメント 150エイ (72)発明者 ミムス,マーサ・ピー アメリカ合衆国テキサス州77035,ヒュー ストン,ファイアーストーン 4419

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.脂質部分に結合した送達ペプチドを含む交換不可能な親油性ペプチドから なる複合体であって、親油性ペプチドの送達ペプチド部分が巨大分子と複合体形 成している、巨大分子を細胞に送達するためのペプチド−巨大分子複合体。 2.送達ペプチドが、以下の群: STEELRVRLASHLRKLRKRLLRDADDLQKRLAVYQAGAREG, KKQLKKQLKKQLKQWK, KKSPKKSPKKSPKKSWK,および KRRRRRRRRWR から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1記載の複合体。 3.送達ペプチドが、以下の群: KLSKLEKKWSKLEK, KLSKLEKKLSKLEKKWSKLEK, KSLKKSLKKSLKKSWK,および KSTPPKKKRKVEDPKDFPSELLSA から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1記載の複合体。 4.送達ペプチドが、以下の群: KAKKKK-NK-(CH2)2-SS-(CH2)2-COKKKKWK, KIRRRGKNKVAARTCRQRRTDR, KXKKXKKKXKKXKWK(式中、XはAまたはS), KIRRRGKNKAAARTCRERRRSK,および KIRRRGKNKVAAQNCRKRKLDQ から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1記載の複合体。 5.送達ペプチドが、以下の群: KIRRRGKNKVAAQNCRKRKLET, KRRIRREKNKMAAAKCRNRRRELT, GRPRAINKHEQEQISRLLEKGHPRQQLAIIFGIGVSTLYRYFPASSIKKRMN,および KSGPRPRGTRGKGRRIRR から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1記載の複合体。 6.送達ペプチドが、以下の群: KDRSNLLERHTR, KRPAATKKAGQAKKKL, K(K)nWK(式中、nは4,5,6,7,8であり、そしてnに対するホモログ は40である), K(K)nXK(式中、nは4,5,6,7,8であり、そしてnに対するホモログ は40である、但しXは天然アミノ酸およびそのアナログ),および KSPLLKSMKGIKQQQHP-(SPNQQQHP)nGK(式中、nは1から6) から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1記載の複合体。 7.脂質部分が、(1)N,N−ジステアリル−グリシル−;(2)ε−N, N−ジステアリルグリシル−;および(3)N,N−ジステアリルアミノメチル からなる群から選択されるジステリル誘導体である、請求項1記載の複合体。 8.脂質部分が、Nα,Nε−ジパルミトイル−、およびNα,Nε−ジパイ ミトイルからなる群から選択されるジパルミチル誘導体である、請求項1記載の 複合体。 9.細胞表面リセプターと結合でき、エンドソームを溶解でき、そして細胞の 仁を標的とすることができる、請求項1記載の複合体。 10.親油性ペプチドが表面リガンドに結合している、請求項1記載の複合体。 11.親油性ペプチドが核リガンドに結合している、請求項1記載の複合体。 12.巨大分子が核酸である、請求項1記載の複合体。 13.巨大分子がDNAである、請求項1記載の複合体。 14.巨大分子がRNAである、請求項1記載の複合体。 15.脂質部分が送達ペプチドのN末端に結合している、請求項1記載の複合体 。 16.送達ペプチドが巨大分子に非共有結合している、請求項1記載の複合体。 17.巨大分子がひとつ以上の親油性ペプチドと複合体形成している、請求項1 記載の複合体。 18.巨大分子が2、3、4、または5の親油性ペプチドと複合体形成している 、請求項1記載の複合体。 19.送達ペプチドが(1)apoE−3129-169;(2)apoE−3139-169 ;および(3)apoE−3129-169Q142から選択されるアミノ酸配列からなる 、請求項1記載の複合体。 20.複合体が細胞に取り込まれるのに十分な時間、細胞に複合体を接触させる 工程からなる、巨大分子を細胞へ送達するために請求項1ないし19のいずれか1 項記載の複合体を用いる方法であって、但し、巨大分子を生理学上十分な量で送 達する方法。 21.巨大分子を可溶化および/または巻き込むことができる生物学上の界面活 性剤に複合体を接触させることをさらに含む、請求項20記載の方法。 22.界面活性剤がCHAPSおよびO−オクチル−グルコースからなる群から 選択される、請求項21記載の方法。 23.界面活性剤が界面活性剤の臨界ミセル濃度以下の最終濃度で存在する、請 求項21記載の方法。 24.界面活性剤が巨大分子との間で希釈比を有することにより、界面活性剤の 最終濃度が臨界ミセル濃度以下になる、請求項21記載の方法。 25.請求項1ないし19のいずれか1項記載の複合体で形質転換された細胞。 26.送達ペプチドがカチオン性である、請求項1記載の複合体。 27.送達ペプチドが中性である、請求項1記載の複合体。 28.送達ペプチドが糖脂質である、請求項1記載の複合体。
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