JP2000505705A - 安定かつ局所的に皮膚に取付け、快適に取り外すための接着剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、皮膚に取り付けるための局所用接着剤に関する。特に、本発明は、体液の吸収が望まれる領域において皮膚に取り付けるために用いることができる局所的接着に関する。この局所的接着剤は安定な取付けを提供し、また適用に際して皮膚に快適であり、しかも取り外しに際して不快感を生じず、取り外しに際して皮膚に残る残留接着剤のレベルが低い。これは、局所的接着剤の化学組成およびレオロジー特性、特に局所的接着剤の弾性率Ｇ'と粘性率Ｇ”との間の関係に関する特性を選択することによって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】 安定かつ局所的に皮膚に取付け、快適に取り外すための接着剤 〔発明の分野〕 本発明は、皮膚に取り付けるための局所用接着剤に関する。特に、体液の吸収 が望まれる皮膚領域に、特に生理用ナプキン、パンティライナー、成人用失禁洋 品または汗パッドを接着するために用いることができる局所的接着剤に関する。 この局所的接着剤は安定な取付けを提供し、また適用に際して皮膚に快適であり 、しかも取り外しに際して不快感を生じることがない。これは、局所的接着剤の 化学組成およびレオロジー特性、並びに該局所的接着剤が塗布される基体の物理 的特性を選択することによって、特に、局所的接着剤の弾性率Ｇ’と粘性率Ｇ” との関係に関する特性を選択することによって達成される。 〔発明の背景〕 皮膚に取付けるための局所的接着剤の分野における一般的な従来技術は、バン ドエイド、プラスターおよび包帯の分野で開発されている。しかし、これらの技 術は、典型的には、例えば着用者の皮膚に傷が生じて、傷から排泄される体液を 吸収することが望まれるような緊急状況で適用される。かかる状況下では、例え ば快適さ、容易な使用および適用、痛みのない取り外し、個別性(discreteness) といった吸収体の特性の側面は、滅菌性、治癒支援特性、傷の機械的保護といっ た基準に比較すると副次的なものに過ぎない。また、このような創傷被覆用の吸 収製品の殆どは、吸収体製品が貼着される前に体毛を除去できる皮膚領域、或い は、体毛の成長が少ないか又は全くない皮膚領域に取り付けられる。 本発明は、創傷を伴わない身体から自然に排泄される体液を吸収するための吸 収体製品に特に有用な、局所的接着剤に関する。例えば、生理用ナプキン又はパ ンティーライナーの性器領域への取付けである。また、例えば性器領域に着用さ れる失禁器具、或いは人間の腋窩領域に着用される汗パッドにも、本発明の接着 剤を適切に用いることができる。 吸収体製品に使用される局所的接着剤は、一般的には、合衆国法定発明登録 Ｈ1602号またはWO96/33683号に開示されている。接着剤の更に幾らか詳細な記述 が、PCT出願ＷO95/16424号に開示されている。この書類には、生理用ナプキンの 着用者側の全周に沿って塗布された局所的接着剤を有する生理用品が開示されて いる。この書類に開示された発明の基礎をなす問題は、主に皮膚への安全な取付 けであるが、このような製品を使用した後に、着用者に過大な痛みを与えずに取 り外す問題にも言及されている。 WO 95/16424号の開示には、局所的接着剤のレオロジー的基準に関する詳細な 分析が含まれている。しかし、そこで教示されたレオロジー的基準には、商業的 に入手可能な脱毛組成物、例えばLaboratori VaJ S.p.A.がイタリアで販売して いるSTREP MIELE（商標名）が含まれているから、この書類は、このような製品 の痛みの無い取り外しの問題を少ししか考慮していない。WO 95/16424で述べら れている局所的取付けのための接着剤には、生理用ナプキンを下着に取り付ける ために使用するための現在の感圧接着剤が含まれている。更に、この書類は、静 的レオロジー特性のみを特定しており、局所的接着剤の動的レオロジー特性につ いては何も言及していない。 WO 96/13238号には、周波数依存性の局所的接着剤モデルが開示されている。 しかし、開示されている全ての測定（例えば第９頁）は、-60℃〜＋120℃の温度 および0.1〜100rad／sの実際の周波数で行われたものである。塗布温度(約20℃ 、典型的には浴室、即ち保存温度)で必要なデータを得るために、ウイリアムス ／ランデル／フェリー(Williams-Landel-Ferry；以下ではＷＬＦという)の式が 用いられた。 ＷＬＦの式は経験的なものであり、一定の限界内でのみ有効である。例えば、 ＷＬＦは、ポリマー接着剤のガラス転移点未満の温度に補外するために使用する ことができず、また、ガラス転移点未満で得られた値に基づいて使用することは できない。ＷＬＦの式に関する詳細およびその適用可能性は、John Wiley ＆ So ns発行のZ.TadamorおよびC.G.Gogosによる「ポリマー加工の原理」、または。John Wiley ＆ Sons発行のJ.D.Ferryによる「ポリマー類の粘性」に見ることができ る。これは既にWO 96/13238号から失われているので、開示されたデータの適用 可能性を評価することはできない。 ヨーロッパ特許出願EP-638 303号は、カフスを直立に維持するために、生理用 ナプキンの側方カフスに局所的接着剤を使用することを開示している。スイス公 報CH-643730号は、陰毛成長領域の充分外側に局部的接着剤領域を与えるために 、外縁の四つの隅部に局所的接着剤を設けた、面取りされた縁を有する非常に長 い生理用ナプキンの使用を開示している。何れの出願も、接着剤組成については 何も言及していない。 当該技術における上記の状態に基づいて、本発明の目的は、皮膚に確実に付着 させ且つ痛みを伴わずに皮膚から除去するための局所的接着剤を提供し、併せて 、該局所的接着剤組成物を除去した後に皮膚および体毛に残る残留接着剤の量を 減少させることである。 本発明の更なる目的は、この組み合わせ体における局所的取付けのための接着 剤が、皮膚温との温度差にもかかわらず、適用に際して冷感または他の許容され 得ない温度感覚を生じないようにすることである。 本発明の上記目的に加えて、当該組み合わせにおける局所的接着剤は、皮膚ま たは身体に有益な化合物または組成物のデリバリー／分散のような、追加の利益 を与えることが望ましい。更に、例えば、通気性、水蒸気透過性または水蒸気／ 汗吸収性であることにより、自然の皮膚条件に影響しない局所的接着剤が好まし い。 〔発明の簡単な説明〕 本発明を、局所的接着剤を用いてディスポーザブル吸収体製品をその使用者に 取り付ける際の使用に関して説明する。当該製品は、典型的には着用者側または 身体側表面、および外側表面を有する。この製品は、着用者側表面と外側表面と の間に、着用者から排泄される液体、例えば尿、糞、経血、汗および膣排泄物を 吸収するための吸収性コア構造体を具備している。この局所的接着剤は、当該製 品を着用者の皮膚に取り付けることを可能にするものである。 ディスポーザブル吸収体製品を適用してから、該製品を除去するまでに生じる 一連の共通の状況を分析した結果として、望ましい特性上の目的、特に、確実な 初期取付け、使用中の確実な取付け、最後の痛みのない取り外し、および除去の 地に皮膚に残留する接着剤レベルの低下を達成するためには、特定の接着剤特性 を満たす必要があることが示された。この関係において考慮された特性は、当該 材料の弾性を記述する弾性率、および当該接着剤の粘性を記述する粘性率である 。 接着剤の粘性は、当該接着剤が迅速に付着し且つ確実に粘着する能力の指標を 表すと解釈することができる。弾性は、当該接着剤の「硬さ」の指標として解釈 することができる。その値はまた、良好な初期付着にとって極めて重要である。 それらの組み合わせは、取り外しの際に必要な力の指標と考えられる。弾性率と 粘性率との間の関係は、取り外しエネルギーの一部が接着剤内で喪失される指標 とみなされ、この喪失部分は、実際の取り外しをトリガーするために利用可能で ある。また、弾性率と粘性率との間の関係は、当該接着剤の内部凝集性の指標を も与え、これは局所的接着剤組成物を除去した後に接着剤が皮膚に残留する可能 性に関連する。 確実な初期および長期の取付け並びに容易／無痛の取り外しを与えるための、 本発明による局所的接着剤を提供するためには、弾性率および粘性率の間の関係 、並びにその動的性質が決定的に重要である。 局所的着剤は、Ｇ'₃₇の略号で表される37℃（華氏100°）での弾性率、Ｇ"₃₇ の略号で表される37℃（華氏100°）での粘性率を有する。また、この局所的接 着剤について、１rad/secの周波数でのＧ'₃₇と１rad/secの周波数でのＧ"₃₇との 間の差Δ（Ｇ'₃₇−Ｇ"₃₇）が定義される。この差は、当該局所的接着剤を除去し た後に皮膚に残る接着剤のレベルに関して、当該局所的接着剤の性質の指標を与 える。この接着剤は更に、ΔＧ'₃₇(即ち、100 rad/secの周波数でのＧ'₃₇と１ra d/secの周波数でのＧ'₃₇との差)として定義される動的弾性を有しており、また 、ΔＧ"₃₇（即ち、100 rad/secの周波数でのＧ"₃₇と１rad/secの周波数でのＧ"_{3 7} との差）として定義される動的粘性を有している。 本発明による局所的接着剤は、好ましくは下記の条件を満たす。 ・Ｇ'₃₇（1 rad/sec）は、1500Pa〜20000Pa、 好ましくは1500Pa〜15000Pa、 最も好ましくは3000Pa〜10000Paである。 ・Ｇ"₃₇ （1 rad/sec）は、100Pa〜15000Pa、 好ましくは100Pa〜10000Pa、 最も好ましくは300Pa〜5000Paである。 ・Ｇ'₃₇（１rad/sec）／Ｇ"₃₇（１rad/sec）の比は、３〜30の範囲である。 の比は、0.5以上、好ましくは0.7〜３、最も好ましくは１〜1.8である。 ・ΔＧ'₃₇/Ｇ'₃₇（１rad/sec）の比は1.5以下、好ましくは１以下、最も好ま し くは0.8以下であるか、 または、ΔＧ'₃₇は10000Pa以下、好ましくは5000Pa未満、最も好ましく は2000Pa未満の何れかであるか、 またはその両方である。 ・Δ（Ｇ'₃₇,−Ｇ"₃₇）（１rad/sec）は、1250Pa以上、好ましくは2500Pa以上 、 最も好ましくは3500Pa以上である。 さらに好ましい条件は次のとおりである。 ・少なくとも１rad/sec〜100 rad/secの周波数範囲におけるＧ'₃₇／Ｇ"₃₇の比 の値は、好ましくは3.3以上、より好ましくは５以上、最も好ましくは10 以上であるべきであるが、この周波数間隔の何処でも約30を超えず、より 好ましくは20超えない。 ・レオロジー特性は、ガラス転移温度Ｔｇの値とも関連し得るものである。本 発明による局所的接着剤については、Ｔｇは、好ましくは-15℃未満であり 、 より好ましくは-20℃未満であり、最も好ましくは-25℃未満である。 ・局所的接着剤のレオロジー特性および許容度は、比熱容量にも関係し得る。 好ましくは、局所的接着剤の比熱は４J/g/K未満、より好ましくは３J/g/K、 最も好ましくは２J/g/K未満である。 ・局所的接着剤のレオロジー特性および許容度は、当該接着剤の比熱伝導度に も関係する。好ましくは、この比熱伝導度は可能な限り低く、好ましくは１ 〜0.1W/m/K、最も好ましくは0.6〜0.1W/m/Kである。 上記の基準を満たす接着剤組成物は、吸収体製品の使用中および一般には廃棄 後においても、それらが人間または動物の皮膚に使用する安全性の要件をも満た すものであれば、ディスポーザブル吸収体製品のための局所的接着剤として使用 することができる。 衛生的な外観および接触の際の快適な感覚に関する基準が重要である場合が多 く、例えば、透明または白色で、且つ適用に際して冷感等の不快な感覚を防止す る接着剤が好ましい。 上記のレオロジー的基準および他の要件は、45％、好ましくは51％〜99.5％の 20℃で液体である可塑剤化合物または可塑剤組成物と、該可塑剤化合物または可 塑剤組成物中で可溶性または膨潤性である0.5〜20％、好ましくは５％〜15％の ポリマー化合物またはポリマー組成物と、前記組成物の0〜50重量％、好ましく は前記ポリマー化合物の０〜600％の粘着性樹脂とを含有する接着剤組成物によ って満たすことができる。前記可塑剤化合物または可塑剤組成物は、好ましくは 、水、アルコール(好ましくはグリセロール)、グリコール、ポリグリコール、液 体ブテン、オイル、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。前記 ポリマー化合物またはポリマー組成物は、好ましくは、ブロックコポリマー／熱 可塑性エラストマー、スチレンブロックコポリマーおよび水素化スチレンブロッ クコポリマー、ポリアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、天然ゴムもしくはゼ ラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン(ＰＶＰ)、ポリビニル エーテル、セルロース誘導体、またはこれらの組み合わせからなる群から選択さ れる。 〔発明の詳細な説明〕 局所的接着のための接着剤 本発明の局所的接着剤組成物は、皮膚に直接適用される。特別の応用におい て、当該接着剤は、典型的には女性使用者の液体排泄領域周辺の性器領域に適用 される生理用ナプキンに使用することができる。本発明における「皮膚」の語は 、使用者の特定の皮膚に関するだけでなく、粘膜ならびに典型的には生理用ナプ キン使用者の性器領域に見られる体毛をも含む。 皮膚に製品を固定するためには、一般に、製品の皮膚に面した側の一定領域に 局所的接着剤を与えることが必要とされる。 生理用ナプキンについては種々の設計が考えられるが、当該製品の中央領域が 接着剤の無い状態で残されるように、トップシートの周縁に沿って局部的接着剤 を設けるのが望ましい。このことによって、排泄される液体が漏れまたは零れを 生じることなく直ちに吸収体製品の吸収構造体の中に輸送されるように、液体透 過性トップシートの接着剤が存在しない領域が体液放出オリフィスに隣接して配 置されるようにナプキンを配置することが、最も適切に助長されるであろう。 トップシート接着剤には、当該製品の着用者側表面の基体上における好ましい パターンが与えられ、好ましくは、例えば点、螺旋またはストリップの形態で、 且つ一定の厚さまたはキャリパーを有する連続的または不連続な層のパターンが が与えられる。 局部的接着剤の物理的特性、レオロジー的特性および接着特性 局部的接着剤は、人間の皮膚、体毛および粘膜組織に対して、感圧接着剤と同 様に使用される。しかし、かかる材料を同定する最も特徴的なレオロジー的性質 に基づけば、この局部的接着剤組成物を典型的な感圧接着剤（以下ＰＳＡという ）とみなすことは殆ど困難である。 事実、接着剤の当業者に公知のように、物を一時的に接着できる他の物質（例 えば、二つのガラス板の間の水）からＰＳＡを区別する最大の特徴は、それらの レオロジー的パラメータ、特に弾性率Ｇ'が、印加される応力の周波数に伴って 大きく変化するという事実である。より具体的に言えば、ＰＳＡのＧ'は、印加 される応力の周波数が典型的な結合周波数から典型的な脱結合周波数へ、即ち、 以下に示すように、１rad/s〜100rad/sへと変化する際に、或るオーダーの大き さに亘って増大し得る。 第一の結論として導かれることは、固定値周波数でのレオロジー的パラメータ 、特にＧ'の値を与えることによって、「局所的接着剤」として使用することを 意図した材料を定義することは許容されないことである。他の特徴がなければ、 それは実際的な価値のない材料を含むであろうから、誤りを生じる可能性がある 。従って、レオロジー特性は動的な考察に基づくべきことが必要とされる。 これは弾性率Ｇ'に対してだけでなく、粘性率Ｇ"についても適用され、従って tan(δ)＝Ｇ"／Ｇ'についても適用することができる。典型的なＰＳＡは、考慮 された周波数に亘ってＧ'の大きな変化を有するだけでなく、特に脱結合に典型 的な周波数において、Ｇ'に近くまたはこれよりも大きくなり得る（即ち、tan( δ)が約１以上になる）ほどの大きなＧ"の変化も存在することが周知である。 理論に拘束されることを望むものではないが、この事実は、微視的には極めて 高レベルの接着力の証拠になる一方で、脱結合のために適用されるエネルギーの かなりの部分が接着剤中で失われること（従って、脱結合を生じるのに有効でな い）を意味すると解釈することができる。 上記で示したように、本発明による局所的接着剤として有用な材料は、37℃の 参照温度（人間の通常の体温）および或る周波数範囲で測定されるレオロジー的 特徴を有する。局所的接着剤を有する生理用ナプキンのような製品の適用に際し て、接着性の接触は低周波数で形成される一方、脱接合は製品の取り外し速度で 生じることが分かった。この速度は、100 rad/sの周波数として表されるのに対 して、接着剤接合を形成する低周波数は１rad/sのオーダーであることが分かっ た。従って、本発明による使用のための周波数範囲は１〜100 rad/sである。 接着剤の結合特性は、ヒトの体温において最も適切に選択されると思われる。 本発明による局所的接着剤は皮膚に対して直接使用され、当業者は小さい比熱( 例えば、好ましくは４J/g/K未満)を有する接着剤組成物を選択する指向性がある から、局所的接着剤の実際の温度は非常に迅速に37℃に達し、または適用の前に 人間によって暖められるであろう。 結合の良好な条件、即ち約１rad/sでの条件を与えるためには、弾性率の絶対 値は高すぎてはならなり。さもなければ、接着剤は硬すぎて、それが接着される べき表面に対して密接に接合またはモールドすることができない。また、生理用 ナプキンの分野での使用に特に価値がある良好な粘着性を得るためには、低い絶 対値のＧ"を有すると共に、該材料が柔らかく且つ皮膚に対して穏やかに接着で きることも重要である。 Ｇ"₃₇（１rad/sec）に対するＧ'₃₇（１rad/sec）の比は、これら二つの値が皮 膚への接着に際してバランスすることを保証するために重要である。同時に、Ｇ '₃₇の絶対的な変化は、考慮した周波数範囲内に限定される必要がある。従って 、経 時的な不快感または除去／脱ラミネーション時の不快感を生じることなく、局所 的接着剤の確実な取付けを維持するためには、Ｇ'₃₇（１ rad/sec）に対するΔ Ｇ'₃₇［即ち、Ｇ'₃₇（100 rad/sec）−Ｇ'₃₇(１rad/sec)］の比の値を小さく維 持しなければならない。これはまた、ΔＧ'₃₇を下記の一定の値に維持すること によって絶対的に表現することができる。 重要なこととして、 の比は、弾性率および粘性率の両者の動的属性が確実な接着および無痛かつ容易 な除去を与える関係に維持されることを保証するために、充分に大きいことが必 要とされる。 更に、前記製品を着用者の皮膚に取り付けるための局所的接着剤について、特 にその除去段階を考察すると、当該局所的接着剤の良好な除去条件は、着用者に 痛みを生じさせることなく、従って着用者の皮膚および体毛から除去するときに 過度に強く粘着することなく、皮膚（特に、製品が着用者の身体に接触している 皮膚に生えている体毛）から接着剤を容易に除去できるときに達成されることが 理解される。特に、当業者に明らかなように、良好な除去とは、局所的接着剤が 皮膚または体毛に残留物を残さないことをも意味する。本発明の局所的接着剤の 弾性率Ｇ'₃₇（１rad/sec）と粘性率Ｇ”₃₇（１rad/sec）との間の差Δ（Ｇ'₃₇− Ｇ"₃₇）は、局所的接着剤を除去した後に着用者の皮膚に残る接着剤レベルを低 減する範囲に関係する。着用者の皮膚から局所的接着剤を除去した後に皮膚に残 留する接着剤のレベルを問題にする限り、このような差は、実際に本発明の局所 的接着剤の性質に関する指標を与える。 如何なる理論にも拘束されるものではないが、弾性率Ｇ'₃₇と粘性率Ｇ"₃₇との 間の差は、当該局所的接着剤の内部凝集力の直接的な尺度である。従って、他の レオロジー的条件が満たされるとすれば、差Δ（Ｇ'₃₇−Ｇ"₃₇）が増大すると、 局所的接着剤を除去したときに接着剤が皮膚に残留する可能性は低下する。 最後に、接着剤組成物のガラス転移温度Ｔｇ、比熱、および比熱伝導度が、有 用な局所的接着剤のグループをより完全に定義するための有用なパラメータであ ることを当業者は承認するであろう。 以下の特性の組が満足されるべきである。 ・Ｇ'₃₇（１rad/sec）は、1500Pa〜20000Pa、 好ましくは1500Pa〜15000Pa、 最も好ましくは3000Pa〜10000Paである。 ・Ｇ"₃₇（１rad/sec）は、100Pa〜15000Pa、 好ましくは100Pa〜10000Pa、 最も好ましくは300Pa〜5000Paである。 ・Ｇ'₃₇（１rad/sec）／Ｇ"₃₇（１rad/sec）の比は、３〜30の範囲である。 の比は、0.5以上、好ましくは0.7〜３、最も好ましくは１〜1.8である。 ・ΔＧ'₃₇／Ｇ'₃₇（１rad/sec）の比は1.5以下、好ましくは１以下、最も好ま し くは0.8以下であるか、 または、ΔＧ'₃₇は10000Pa以下、好ましくは5000Pa未満、最も好ましく は2000Pa未満の何れかであるか、 またはその両方である。 ・差Δ（Ｇ'₃₇−Ｇ"₃₇）（1 rad/sec）は、1250Ｐａ以上、好ましくは2500Ｐ ａ以 上、より好ましくは3500Ｐａ以上である。 また、更に好ましい条件は次の通りである。 ・少なくとも1 rad/sec〜100 rad/secの周波数範囲において、Ｇ'₃₇/Ｇ"₃₇の 比の値は、好ましくは3.3以上、より好ましくは５以上、最も好ましくは10 以上であるべきであるが、この周波数間隔の何処においても約30を超えず、 より好ましくは20超えない。 ・レオロジー特性は、ガラス転移温度Ｔｇの値とも関連し得る。本発明による 局所的接着剤について、Ｔｇは、好ましくは-15℃未満であり、より好まし くは-20℃未満であり、最も好ましくは-25℃未満である。 ・局所的接着剤のレオロジー特性および許容度は、比熱容量にも関係し得る。 好ましくは、局所的接着剤の比熱は４J/g/K未満、より好ましくは３J/g/K、 最も好ましくは２J/g/K未満である。 ・局所的接着剤のレオロジー特性および許容度は、当該接着剤の比熱伝導度に も関係する。好ましくは、この比熱伝導度は可能な限り低く、好ましくは１ 〜0.1W/m/K、最も好ましくは0.6〜0.1W/m/Kである。 局所的接着剤の化学的および組成物的特性 局所的接着剤の上記レオロジー的特性および物理的特性の要件を満たす局所 的接着剤組成物を提供するために、下記の処方基準を使用することができる。な お、局所的接着剤として有用な殆どの組成物は実質的にゲル様の構造を有し、好 ましくはゲルであることに留意すべきである。これは、次の事実から導かれる： ・主要な成分は室温で実質的に液体の可塑剤である。 ・巨大分子またはポリマー成分は、可塑剤に対する少量成分として存在する。 好ましい実施例において、それは分子間の物理的または化学的結合によって生じ た３次元ネットワークを形成する。特に有用な物理的結合は、ブロック熱可塑性 エラストマー(Block Thermoplastic Elastomers)を含有する系に存在するもので ある。 より具体的には、本発明の組成物は下記の成分を含有する： ・下記の可塑剤（類）中で可溶性または膨潤性であるような、0.5〜20重量％ 、好ましくは5％〜15％重量％の、マクロ分子ポリマー物質または係る物質の混 合物。非限定的な例として、このようなマクロ分子またはポリマー物質は、天然 物および／または合成物、例えば天然ゴムおよびゼラチン、それらの誘導体、並 びにアルギン酸；ポリアクリル酸類；ポリビニルアルコール；ポリエチレンオキ シド；ポリビニルピロリドン（PVP）若しくはポリビニルエーテル、それらの共 重合体および誘導体；セルロース誘導体；ブロック共重合体熱可塑性エラストマ ー、好ましくはスチレンブロック共重合体、より好ましくは水素化等級のスチロ ール／エチレン-ブチレン／スチロール(SEBS)、スチレン／イソプレン／スチレ ン(SIS)およびスチロール／エチレン-プロピレン／スチロール（SEPS）であ ることができる。 ・45〜99.5重量％、好ましくは51〜99.5重量％の、室温で液体である可塑剤物 質または可塑化剤物質の混合物。非限定的な例として、これらの可塑化剤は、水 、種々のアルコール(特にグリセロール)、グリコールおよびそのエーテル、ポリ グリコール、液体ポリブテン、フタレート、アジペート、ステアレート、パルミ テート、セバケートまたはミリステートのようなエステル、植物油、鉱油またそ れらの組み合わせのような天然油もしくは合成油であることができる。 ・組成物の0〜50重量％、好ましくは0〜600重量％の、マクロ分子ポリマー物 質の粘着樹脂(その主な目的は、特に合成ポリマーに基づく系のＴｇを調整する ことである)。 ・0〜10重量％、より好ましくは0〜5重量％の、親水性または疎水性の液状可 塑剤のゲルおよびゲル形成プロヤセスを促進および安定化するための物質。これ らは、油性系のためのもの、例えばＣ₈〜Ｃ₂₂の脂肪酸、それらの金属塩および ポリオキソ誘導体；ラノリン誘導体；シリカ；ベントナイト、モンモリロナイト およびそれらの誘導体；ポリアミド；ワックスまたはこれらの混合物であること ができる。 保存剤、抗酸化剤、抗ＵＶ剤、顔料、ミネラル繊維、レオロジー改良剤等のよ うな当該技術において公知の共通の添加剤もまた、夫々10％以下の量で含有させ ることができる。 系の中に化学的架橋が形成されるとき、架橋剤は、好ましくは５重量％以下の 量で存在させることができる。化学的架橋は、酸性ポリアクリル類と多糖類との 間の反応のように、異なった官能基を有するポリマー相互間の中和によっても形 成することができる。 得られた局部的接着剤用の組成物は、主成分（通常は液状可塑剤）の性質に従 って三つのファミリーに分類することができる。 １） 可塑剤が、典型的には植物または鉱物起源の油またはその混合物であり 、ポリマーが、通常はこの油中で可溶性または膨潤性である合成ポリマー、好ま しくはエラストマーである疎水性組成物。 ２） 疎水性および親水性の両成分が、可塑剤およびポリマーの中で２以上の 分離した相を形成している混合相組成物。このような場合、好ましくは、不適合 相の間で安易なエマルジョンを形成するのに適したレベルで、乳化剤／表面活性 剤が存在する。本発明による典型的な接着剤の場合、好ましくは、疎水性成分の 方が親水性成分に対して優勢である。 ３） 典型的には、可塑剤が水／グリセロール／グリコール等、および／また はこれらの混合物であり、また、ポリマー相が合成起源（例えばポリアクリル類 ）または天然起源（例えば天然ゴム）またはそれらの混合物である親水性組成物 。 医療分野および従来技術とは異なり、本発明の適用において親水性組成物は好 ましくなく、混合相組成物１）および２）が好ましいことが強調される。 このことは、本願において有用であるためには、医療分野で使用される多くの 親水性組成物は弾性および粘着性が低すぎるという意味において、部分的には技 術的な理由によるものである。疎水性組成物または混合相組成物が好まれる他の 理由は、特に生理用ナプキンの分野における本発明の適用では、吸収すべき液体 が局所的接着剤に接触する可能性があることである。この体液は全て一般に水性 であるから、親水性の局所的接着剤に接触すると、局所的接着剤の中への体液の 吸収が生じるであろう。 次いで、これはレオロジー特性の変化、従って、局所的接着剤の機能の変化を 生じ、非衛生的な外観を生じるであろう。 更に、親水性の局所的接着剤は、冷たく且つ湿ったものとして感じられる傾向 にあり、これは、人間の皮膚に塗布された際の典型的な予想とは一致しない。可 塑剤として水を含有する特定の局所的接着剤は、不透過性のパッケージの中にシ ールされるまでに乾燥してしまう傾向を有するという事実から、もう一つの問題 が生じる。 局所的接着剤の塗布 本発明による局所的接着剤を使用できる吸収体製品は、当該技術における通常 の如何なる技術によっても製造することができる。当該接着剤は、他の接着剤に ついて通常使用されている周知の方法によって与えることができるから、吸収体 製品のトップシート側にこの接着剤を塗布することは、当業者に大きな問題を生 じるものではない。当該局所的接着剤で覆われる皮膚の全面積または当該製品の 着用者側表面の全面積は、20％以下、好ましくは10％以下であるべきである。当 該接着剤は、好ましくは吸収体製品の周縁に近接して広がっており、トップシー ト膜の場合（またはバックシートがトップシート上に折りたたまれるとき）は、 当該接着剤は液体透過性でないフィルム部分に存在するのが好ましい。最も好ま しくは、当該接着剤は、点等の小さな増加面積(small incremental area)のパタ ーンで与えられる。 局所的接着剤は、当該製品の着用者側表面の少なくとも一部に、好ましくは一 定の厚さまたはキャリパーを有する層として、或いは局所的接着剤の塗布により 所期の表面に亘って変化し得る層として塗布される。 もし可能であれば、当該製品は少なくとも水蒸気透過性、好ましくは空気透過 性であることにより、通気性を与えて蒸れを防止する。通気性は、それが局所的 接着剤によってサポートされなければ、接着剤が塗布されない製品領域に限定さ れ得る。 製品に塗布された局所的接着剤は、使用前には保護されるのが好ましい。この 保護は、シリコーン処理または表面活性剤処理された紙のような剥離性ライナー によって与えられ、選択された局所的接着剤の容易な開放を提供する。 本発明は、使用者の皮膚に直接適用されるディスポーザブル吸収体製品に対し て有益に使用することができる。この製品は、通常は体液に対する吸収性を示し 、使用者の下着を汚れから保護し、使用者にとって快適であり、また製造および 包装が容易である。以下、生理用ナプキンまたは月経を参照して該使い捨て吸収 体製品を説明するが、パンティーライナー、成人用失禁製品、スウェットパッド もまた、ディスポーザブル吸収体製品に含まれる。ここで使用する「生理用ナプ キン」の語は、女性が外陰部領域付近に着用し、身体から排泄される種々の体液 （例えば膣排泄液、経血および／または尿）を吸収および保持することを意図し 、また一回使用した後に廃棄することを意図した製品を言う。ディスポーザブル 吸収体製品は、好ましくは薄く、より好ましくは厚さが１〜５ｍｍであり、使用 前の形状または予め成形された形状では実質的に平坦である。 ここで使用する「接合された」または「固定された」の語は、第一の部材が第 二の部材に直接結合される構成、並びに第一の部材を中間部剤に結合し、次いで 該中間部材を第二の部材に結合することにより、第一の部材が第二の部材に間接 的に結合される構成を包含する。 好ましい実施例において、本発明の生理用ナプキンは、液体透過性のトップシ ート、該トップシートに接合された液体不透過性のバックシート、および前記ト ップシートとバックシートとの中間にある吸収性コアを具備する。生理用ナプキ ンは二つの主表面、即ち、局所的接着剤が塗布される身体接触表面または着用者 側表面と、下着側表面または下着接触表面とを有する。 トップシートは従順で且つ柔らかい感触を有し、着用者の皮膚に対して非刺激 性である。また、トップシートは、トップシートの一部またはその全体に亘って 、一方向または二方向での延びを可能にする弾性を有することができる。更に、 トップシートは液体透過性であり、液体（例えば経血および／または尿）がその 全体の厚さに亘って容易に浸透することを可能にする。 本発明に使用するための好ましいトップシートは、典型的には、高ロフトの不 織布トップシートおよび穿孔成形膜トップシートから選択される。穿孔成形膜は 、身体滲出液に対して透過性であるが、吸収性ではなく、また液体を逆流させて 着用者の皮膚を濡らす傾向が低いので、トップシートとして特に好ましいもので ある。従って、着用者に接触している成形膜の表面は、乾燥した状態を維持する ことにより、身体の汚れを低減して着用者のために更に快適な感覚を生じさせる 。適切な成形膜は、米国特許第3,929,135号、米国特許第4,324,246号、米国特許 第4,342,314号、米国特許第4,463,045号、および米国特許第5,006,394号に記載 されている。特に好ましい微細穿孔成形膜トップシートは、米国特許第4,609,51 8号および米国特許第4,629,643号に開示されている。本発明のための好ましいト ップシートは、上記特許の一以上に記載されている成形フィルムを具備し、オハ イオ州シンシナチのプロクター＆ギャンブル・カンパニー社によって、生理用ナ プキンに関して「DRY WEAVE」として販売されている。 当該局所的接着剤は、最も適切には、中央部では液体透過性で且つ周縁部では 液体不透過性のトップシートがもたらすように配向した液体通路を有し、液体通 路が均一に分布せずに一部にのみ液体通路を有するトップシートに塗布される。 他の変形例は、繊維状および膜状の構造を組み込んだ所謂ハイブリッドトッブ シートであり、このようなハイブリッドトップシートの特に有用な実施例は、PC T公報WO 93/09744；WO 93/11725；またはWO 93/11726に開示されている。 トップシートに言及するときは、多層構造または単層構造のもを想定している 。上記のハイブリッドトップシートはそのうちの多層設計であるが、一次および 二次トップシート設計のような他の多層トップシートも考慮される。 吸収性コアもまた複数の層からなることができ、液体貯留機能および液体分布 機能を提供することができる。 吸収性コアはトップシートと液体流通しており、且つ典型的にはその下に配置 される。該コアは、有用な如何なる吸収材からなっていてもよく、またはそれら 材料の組み合わせからなっていてもよい。好ましくは、適切なキャリアと組み合 わせて、「ヒドロゲル」、「超吸収体」、「ヒドロコロイド」と通常呼ばれる吸 収性ゲル化材を具備する。 ここで使用するための適切な吸収性ゲル化材は、実質的に水不溶性で、僅かに 架橋され、且つ部分的に中和されたポリマー性ゲル化材からなることが最も多い であろう。この材料は、水に接触したときにヒドロゲルを形成する。このような ポリマー材料は、当該技術で周知の、重合性で且つ不飽和性の酸含有モノマー（ 例えばアクリル酸）から調製することができる。 適切なキャリアには、吸収性構造体において従来利用されている材料、例えば 天然繊維、修飾繊維または合成繊維、特に綿毛および／またはティッシュの形態 の、修飾または未修飾のセルロース繊維が含まれる。適切なキャリアは、吸収性 ゲル化剤と一緒に使用することができるが、それらは単独または組み合わせて使 用することもできる。生理用ナプキン／パンティーライナーに関連して最も好ま しいのは、ティッシュまたはティッシュラミネートである。 本発明の適用において特に有用なコアの一実施例は、ティッシュ紙を折り畳む ことにより形成された二層ティッシュラミネートである。これらの層は、相互に 接合させてもよい。吸収性ゲル化材または他の任意の材料は、これら層の間に含 ませることができる。 当該吸収性コアは、吸収性ウエッブの中に通常存在する任意の成分、例えば臭 気抑制剤（特に、適切なゼオライト）を含めることができる。 バックシートは主として、吸収性コアに吸収されてその中に含まれている滲出 液が、該吸収体製品に接触している製品（例えばアンダーパンツ、パンツ、パジ ャマおよび下着）を濡らすのを防止するものである。このバックシートは、好ま しくは液体（例えば、経血および／または尿）に対して不透過性であり、通常は 薄いプラスチック膜から製造される。 バックシートは、典型的には吸収性コアの全体に亘って広がっており、また、 これを吸収性コアの周囲で折り畳むことにより、トップシートの上に広がってト ップシートの一部を形成することができる。これによって、トップシートに選択 的に穿孔することを必要とせずに、米国特許第4,342,314号第16欄第47行〜第62 行に開示されているトップシートの構成を達成することができる。 好ましくは、バックシートは少なくとも水蒸気透過性であること、好ましくは 空気透過性であることにより、当該吸収体製品に対して通気性を与える。このバ ツクシートは、例えば、微孔性膜および／または不織材料、および／または穿孔 成型膜の組み合わせからなるラミネート材であることができる。所望の場合は、 通気性をバックシートの周縁部または中央部に限定することができ、或いは、バ ックシートの全体に亘って通気性を与えることもできる。 本発明による局所的接着剤を除去したときの皮膚に残留する接着剤残量に対す る、当該接着剤の差Δ(Ｇ'₃₇−Ｇ"₃₇)の効果を評価するために、残留物試験(Res idue Test)を開発した。この試験においては、所定のΔ（Ｇ'₃₇−Ｇ"₃₇）値を特 徴とする局所的接着剤の層を設けた標準基体を、着用者の前腕皮膚に接着し、そ の後に該基体を取り外した後、皮膚に残った接着剤残留物の量を評価する。 残留物試験 残留物試験を利用して、局所的接着剤の層を設け且つ予め着用者の前腕皮膚に 取り付けたサンプルを取り外した後に、着用者の皮膚に残る接着剤残留物の量を 評価する。この試験では、接着剤残留物の量を、残留した接着剤により生じる残 留皮膚粘着性として、前記サンプルを取り外した後の皮膚に粘着させた標準鋼プ レートを取り外すのに必要なピーク引っ張り力（Ｎ）で具体的に評価する。 ＜サンプルの調製＞ 試験は、Acumeter Model LH-1押し出し機を用いて塗布された一定の厚さを有 する連続的な局所接着剤層を一方の側に設けた、厚さ23μｍのポリエステルフィ ルム［例えば、Colorno(Parma,Italy)のEffegidei S.p.A.によって販売されてい るもの］製で且つ50×20mmの矩形サンプルについて行う。接着剤層を保護するた めに、離型紙を適用する。これらのサンプルは個別的に調製し、調製の１時間後 に試験する。 ＜装置＞ １）気候的に制御された実験室 23℃の温度および50％の相対湿度を維持する。 ２）インストロン社(Instron Limited)、UK Model 6021ダイナモメータ ロードヤル＝10Ｎ 試験速度＝1000mm／min ３）重り １Kg、直径44mmで高さ82mmの円柱形の重り ４）カードボードプレート 60×60mmの矩形カードボードプレート ５）鋼プレート 滑らかで平坦な表面を有し、且つダイナモメータの可動クランプに結合す るための手段を設けた、50×60mmの矩形鋼プレート ＜残留物の測定＞ 試験の少なくとも２時間前に水および石鹸で普通に洗浄および乾燥して、皮膚 を室内条件と平衡化させる以外、着用者の皮膚には何等特殊な処理は必要とされ ない。サンプルの大きさよりも約10mmだけ長く且つ広い矩形領域が、適切な手段 でこれを描くことにより、着用者の前腕皮膚の内側部分に選択される。この領域 は、該領域の長手側を腕の長さ方向に沿わせて、手首と肘の間の中央に形成され る。次いで、オペレータは、先に定義された選択領域の中心にサンプルを位置合 わせした状態で皮膚に適用し、重りをサンプル上に配置し、該サンプルの全 表面を覆うためにサンプルと重りの間にカードボードプレートを介在させた状態 で、30秒間放置することにより該サンプルに圧力を作用させる。 重りを除去し、カードボードプレートを除去した後に、サンプルを着用者に１ 時間着用させる。次いで、オペレータは、局所的接着剤を設けたサンプルを、サ ンプルが適用されている皮膚に接触することなく、徐々に且つ滑らかに引っ張り ながら、着用者の前腕皮膚から取り外す。鋼プレートは、その平坦な表面が水平 に（即ち、クランプの移動方向に対して直交する）、且つ下を向いて配置される ように、ダイナモメータの上部可動クランプに接続される。着用者は、サンプル が適用された皮膚の選択領域を鋼プレートの直下に配置した状態で、その腕を、 ダイナモメータの可動クランプ下の適切な支持体上に水平に配置する。着用者の 前腕およびクランプ上の鋼プレートは、鋼プレートおよび選択領域の長い方の辺 が平行で、且つ鋼プレートの表面および選択領域における前腕皮膚の表面が相互 に略平行な状態で、鋼プレートが前腕の選択領域に対して中心に位置合わせされ るように相互に位置決めされ、配向される。 インストロンは、鋼プレートの平坦表面と皮膚との間の完全な接触が達成され るまで、クランプを鋼プレートと共に前記選択領域に向けて移動させ、9.8Ｎの 圧縮力を30秒間印加する。次いで、クランプを上昇させ、鋼プレートを選択領域 から取り外すために必要なニュートン（Ｎ）で測定されたピーク引っ張り力を、 残留量の尺度として記録する。 この測定では、試験中のサンプルについて代表的な残留値を測定することを保 証するために、同じタイプの５つのサンプルについて行ない、それらの平均を出 す。 局所的接着剤を除去した後に皮膚に残る接着剤残留物の量を、本発明による二 つの異なった局所的接着剤組成物を設けた二つの異なったサンプルＡおよびＢに ついて評価した。 サンプルＡおよびサンプルＢには、下記で説明する組成物１および組成物２の 層が夫々設けられる。 組成物１ 9.9重量％のKraton G-1651（33重量％のスチレンを含有するシェル社から入 手可能なスチレン／エチレン-ブチレン／スチレン・ブロック共重合体)、および 59.3重量％のKaydol（Witco社から入手可能なパラフィン系鉱油）を用いて、本 発明による油ベースの組成物を調製した。 更に、該組成物は、100部のKratonポリマー当たり301部の粘着性樹脂を含有し ていた。この粘着性樹脂は、Escorez 5300（エクソン社から入手可能な水素化粘 着性樹脂）であった。 油の共ゲル化剤であるステアリン酸マグネシウム（Carlo Erba S.p.A.から入 手可能）を、0.7重量％のレベルで使用した。 Irganox 1010（チバガイギ一社から入手可能な抗酸化剤）を、0.3重量％のレ ベルで添加した。 その結果、処方は最終的に下記のパーセンテージの組成を有していた。 Kraton G-1651 9.9重量％ Kaydol 59.3重量％ Escorez 5300 29.8重量％ ステアリン酸マグネシウム 0.7重量％ Irganox 1010 0.3重量％ この組成物は、37℃で下記のレオロジー特性を有している。 ａ）1 rad/ｓでの弾性率：Ｇ'₃₇＝6876Pa ｂ）1 rad/ｓでの粘性率：Ｇ"₃₇＝550.5Pa ｃ）1 rad/ｓでの弾性率と粘性率との比：Ｇ'／Ｇ"₃₇＝12.45 ｅ）ΔＧ'₃₇＝2124Paで、Ｇ'₃₇（1 rad/sec）に対するΔＧ'₃₇の比は 0.308である。 組成物２ この局所的接着剤は、10重量％のKraton G-1651(シェル社から入手可能なスチ レン／エチレン-ブチレン／スチレン・ブロック共重合体)、49重量％のKaydol(W itco社から入手可能なパラフィン系鉱油)、40重量％のEscorez 5300（エク ソン社から入手可能な水素化粘着性樹脂)、0.7重量％のステアリン酸マグネシウ ム(Car1o Erba S.p.A.から入手可能)、および0.3重量％のIrganox 1010（チバガ イギー社から入手可能な抗酸化剤）を含有する油ベースの組成物である。 その結果、処方は最終的に下記のパーセンテージの組成を有していた。 Kraton G-1651 10.0重量％ Kaydol 49.0重量％ Escorez 5300 40.0重量％ ステアリン酸マグネシウム 0.7重量％ Irganox 1010 0.3重量％ この組成物は、37℃で下記のレオロジー特性を有している。 ａ）１rad/ｓでの弾性率：Ｇ'₃₇＝7038Pa ｂ）１rad/ｓでの粘性率：Ｇ"₃₇＝487Pa ｃ）１rad/ｓでの弾性率と粘性率との比：Ｇ'／Ｇ"₃₇＝14.45 ｅ）ΔＧ'₃₇＝2051Paで、Ｇ'₃₇（１rad/sec）に対するΔＧ'₃₇の比は 0.291である。 試験の結果は下記の表に纏められている。 上記の結果は、差Δ（Ｇ'₃₇−Ｇ"₃₇）の高い値は、本発明による局所的接着剤 組成物を除去した後に、着用者の皮膚に残される接着剤残留物の低い量に対応す ることを示している。 更に、本発明による上記の局所的接着剤組成物は、初期の適用について快適で あり、また感受性で且つ体毛の生えた皮膚からの痛みのない取り外しについて快 適であると判断された。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ９７１２０３３８．５ (32)優先日 平成９年11月20日(1997．11．20) (33)優先権主張国 ヨーロッパ特許庁（ＥＰ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ， ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，Ｖ Ｎ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 コルツァーニ、イタロ イタリア国、アイ―66100 キエティ、ビ ア・フォンテ・ベキア 40

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ディスポーザブル吸収体製品を皮膚に取付けるための局所的接着剤であっ て： 前記局所的接着剤は温度37℃（100°Ｆ）での弾性率Ｇ’₃₇、温度37℃（100° Ｆ）での粘性率Ｇ”₃₇、および前記弾性率Ｇ’₃₇(1rad/sec)と粘性率Ｇ”₃₇(1ra d/sec)との間の差Δ（Ｇ’₃₇−Ｇ”₃₇）を有し、 前記接着剤は、 ・Ｇ'₃₇ (1rad/scc)が1500Pa〜20000Pa、好ましくは1500Pa〜15000Pa、 最も好ましくは3000Pa〜10000Paであり、 ・Ｇ”₃₇(1rad/sec)が100Pa〜15000Pa、好ましくは100Pa〜10000Pa、 最も好ましくは300Pa〜5000Paであり、 ・Ｇ’₃₇(1rad/sec)／Ｇ”₃₇(1rad/sec)の比が3〜30の範囲であり、 の比が0.5以上、好ましくは0.7〜3、最も好ましくは１〜1.8であり、 ・或いは、 -Ｇ’₃₇(100rad/sec)〜Ｇ’₃₇(1rad/sec)が10000Pa以下、好ましくは500OPa 未満、好ましくは2000Pa未満であるか、 の比が1.5以下、好ましくは１以下、最も好ましくは0.8以下であるか、 またはこれらの組み合わせであり、 ・差Δ（Ｇ’₃₇−Ｇ”₃₇）（1rad/sec）が1250Ｐａ以上、好ましくは2500Ｐａ 以上、 最も好ましくは3500Ｐａ以上である ことを特徴とする局所的接着剤。 ２．請求項１に記載の局所的接着剤であって、前記局所的接着剤は連続的な層 として与えられることを特徴とする局所的接着剤。 ３．請求項１または２に記載の局所的接着剤であって、 ・45％〜99.5％、好ましくは51％〜99.5％重量％の、20℃で液体である可塑 剤化合物または可塑剤組成物と、 ・該可塑剤化合物または可塑剤組成物中において可溶性または膨潤性の、0. 5〜20重量％のポリマー化合物またはポリマー組成物と、 ・該ポリマー化合物またはポリマー組成物の0〜50重量％、好ましくは0〜60 0％の粘着性樹脂とを含有することを特徴とする組み合わせ体。 ４．請求項３に記載の局所的接着剤であって、 ・前記可塑剤化合物または組成物は、水、アルコール、グリコール、油また はこれらの組み合わせからなる郡から選択され、 ・前記ポリマー化合物または組成物は、ブロックコポリマー／熱可塑性エラ ストマー、スチレンブロックコポリマーおよび水素化スチレンブロックコポリマ ーからなる郡から選択される局所的接着剤。 ５．請求項１〜４の何れか１項に記載の局所的接着剤であって、前記接着剤の 80重量％が疎水性成分からなり、最も好ましくは前記接着剤の全ての成分が疎水 性である局所的接着剤。 ６．生理用ナプキンまたはパンティーライナーのような、局所的接着剤を用い て着用者の皮膚に取り付けるための使い捨て吸収体製品であって：該製品は、着 用者側表面および下着側表面を有し、またこれら着用者側表面と下着側表面との 間に吸収体コアを有し、前記着用者側表面の少なくとも一部に、該製品を局所的 接着剤で取り付けるための請求項１に記載の局所的接着剤を有する製品。 ７．整理用意ナプキンまたはパンティーライナーのようなディスポーザブル 吸収体製品上での、請求項１に記載の局所的接着剤の使用。