JP2000505539A - 蒸気分配方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 物質移動又は熱交換カラム（２２２）が一実施例において蒸気流をカラムの内周辺の周りに向けるそらせ面（２３０）を有する蒸気分配器を備えている。分配器からの排出に続いて、蒸気流は、蒸気流をカラムの中心に向けて向きを変えてカラムの水平断面を横切る蒸気流の分布をさらに均一にする円周方向に隔設された案内羽根（２４２）に接触する。

Description

【発明の詳細な説明】 蒸気分配方法及び装置 発明の概要 本発明は、一般的にいえば、物質移動及び熱交換カラムに関し、さらに詳しく いえば、そのようなカラムにおける蒸気分配を改良する方法と装置に関する。 蒸気と液体の相互作用は、多くの形式の物質移動及び熱交換プロセスにおいて 必要である。普通には、蒸気流は、トレーを含む領域又は不規則若しくは構造化 パッキングの下流でカラムに導入され、一方、液体流は、トレー又はパッキング の上方でカラムに導入される。次に、蒸気流及び液体流は、トレー又はパッキン グが下向きに流れる液体流をより大きな表面積に分配させて上向きに流れる蒸気 流との相互作用を強める働きをしながら、向流関係でその領域を貫流する。蒸気 流と液体流の間に起こる物質移動又は熱交換の効率を大きくするためには、蒸気 がトレーに入る下側気−液界面において、蒸気がカラムの水平断面を横切って均 一に分配されることが重要である。蒸気がパッキングの下でカラムに導入される とき、蒸気の速度は、蒸気がパッキングに入る前に蒸気が所望の水平分布になる のを妨げる可能性がある。蒸気分布を改良するために、いくつかのカラムでは、 そらせ板を蒸気の流路に置いて、蒸気を複数の方向にそらした。そのようなそら せ板の一例は、蒸気流を互いに反対方向に流れる二つの流れに分割するために蒸 気の入口に置かれるＶ字形のそらせ板である。このそらせ板は、簡単な設計のも ので、蒸気流がある程度の悪い分布をしてもよい多くの装置において適当に性能 を発揮する。 蒸気ホーンとして知られている従来の蒸気分配器のもう一つの例が米国特許第 ５，１０６，５４４号に開示されている。前記特許に開示された蒸気ホーンは、 底が開いている環状ハウジングを備えている。この蒸気ホーンは、開放底を通っ てハウジングの中に入り込む距離が段々に大きくなる複数の翼を含み、円周方向 に流れる蒸気流の下向き偏向を生じさせる。次に、下向きにそらされた蒸気は、 一様に蒸気ホーンから半径方向に内向きに置かれているパッキングベッドの中に 立ち上がるといわれている。 従来の蒸気分配器が多くの適用面で満足に機能できるが、物質移動又は熱交換 カラムの水平断面を横切る蒸気のもっと均一な分布を与える改良された蒸気分配 器がようぼうされるようになった。 発明の概要 本発明の主な目的は、物質移動又は熱交換カラムに入る蒸気の水平分布を大き くしてカラム内の蒸気と液体の相互作用の増進を達成できるようにするのに有効 な蒸気分配器を提供することである。 本発明のもう一つの目的は、カラムの中に容易に設置できるように簡単な設計 のものでなおカラムに入る蒸気の水平分布を一様にする蒸気分配器を提供するこ とである。 これ及びその他の目的を達成するために、一つの面において、本発明は、開放 内部空間を与え、ほぼ垂直な中心軸線を有するシェルと、前記シェルから伸びて 蒸気流を前記開放内部空間にほぼ軸方向に向ける蒸気入口ノズルと、前記シェル 内にあって蒸気入口ノズルから半径方向に内方に間隔をあけたほぼ垂直のそらせ 面と、そらせ面とシェルとの間に伸びる頂板と底板を備えて頂部と底部をほとん ど閉じられ、前記そらせ面が前記ほぼ半径方向からの蒸気流を分割してカラムシ ェルの内周辺の付近の反対向きの流路に向きを変えるように形作られて位置決め されている分配器と、前記シェル内にあって前記蒸気流の流路内に分配器から間 隔をあけた関係に置かれて前記蒸気流の少なくとも一部分をカラムシェルの内周 辺の周りの前記流路から前記中心軸線の方へ向け変えてカラムの水平断面を横切 る蒸気流の分布の均一性を大きくする案内羽根とを備える物質移動又は熱交換カ ラムに向けられている。 もう一つの面において、本発明は、外部シェルと前記シェルを通して伸びる蒸 気入口ノズルを有する物質移動又は熱交換カラム内で蒸気流を分配する方法に向 けられ、前記方法は、蒸気入口ノズルから半径方向に内方に間隔をあけたほぼ垂 直なそらせ面及びそらせ面とシェルとの間に伸びる頂板及び底板とを備えて、頂 部及び底部をほとんど閉じられている分配器を前記カラムの外部シェルの内部に 設ける工程と、蒸気流を分配器の中に蒸気入ロノズルを通して導入する工程と、 蒸気流が分配器から排出されるとき蒸気流を分割してカラムシェルの内周辺の周 りの対向する流路に向きを変えるために蒸気流をそらせ面に当たるように向ける 工程と、前記蒸気流の少なくとも一部分を前記中心軸線の方へ向け変えてカラム の水平断面を横切る蒸気流の分布をさらに一様にさせるために蒸気流を反対方向 に向いた流路内の分配器から間隔をあけた案内羽根に接触させる工程を備える。 図面の簡単な説明 明細書の一部分を形成し、明細書と併せて読まれるべきであり、同じ参照数字 が種々の図において同じ部品を示すために用いられている添付図面において、 図１は、本発明に従うカラムの蒸気入口ノズル及び蒸気分配器並びに点線で示 されているパッキング帯域を示す部分側面図、 図２は、図１の線２−２に沿って矢印の方向の水平断面で見たカラム及び蒸気 分配器の拡大平面図で、分配器を通る蒸気の流れの方向を矢印で示し、 図３は、図２の線３−３に沿って矢印の方向の垂直断面で見たカラム及び蒸気 分配器の側面図、 図４は、本発明の蒸気分配器の代わりの実施例の端部分の部分平面図、 図５は、蒸気分配器のもう一つの平面図で、いくつかの部分が分配器の開放底 部を示すために切り取られており、 図６は、図５に示された蒸気分配器を、図５の線６−６に沿って矢印の方向の 垂直断面で見た部分正面図、 図７は、図５に示された蒸気分配器を、図５の線７−７に沿って矢印の方向の 垂直断面で見た部分側面図で、いくつかの部分が分配器の開放底部を示すために 切り取られており、 図８は、本発明の蒸気分配器のなおもう一つの実施例の部分平面図で、いくつ かの部分が構成の細部を示すために切り取られており、 図９は、図８に示された蒸気分配器を、図８の線９−９に沿って矢印の方向の 垂直断面で見た部分側面図で、分配器の内壁のいくつかの部分が例示のために切 り取られており、 図１０は、蒸気分配器のさらにもう一つの実施例のいくつかの部分が構成の細 部を示すために切り取られている部分平面図、 図１１は、図１０に示された蒸気分配器を、図１０の線１１−１１に沿って矢 印の方向の垂直断面で見た部分側面図、 図１２は、本発明の蒸気分配器のなおさらに別の実施例のいくつかの部分を分 配器の開放底を示すために切り取った部分平面図、 図１３は、図１２に示された蒸気分配器を、図１２の線１３−１３に沿って矢 印の方向の垂直断面で見た部分側面図、 図１４は、図１３に示された蒸気分配器を、図１３の線１４−１４に沿って矢 印の方向の垂直断面で見た部分正面図、 図１５は、図１に示されたものと同様のカラムの部分側面図であるが本発明の 蒸気分配器の代わりの実施例を示す、 図１６は、図１５に示されたカラムを図１５の線１６−１６に沿って矢印の方 向の水平断面で見た拡大平面図で、蒸気の流れの方向を矢印で示し、 図１７は、図１５に示されたカラムを図１５の線１６−１６に沿って矢印の方 向の垂直断面で見た部分側面図で、蒸気入口に関して位置決めされたそらせ板を 示し、 図１８は、垂直断面で見たカラムの部分側面図で、案内羽根の別の実施例を示 しており、 図１９は、水平断面で見たカラムの平面図で、図１５に示された発明の別の実 施例を示している。 好ましい実施例の説明 非常に詳細な図面に移り、最初に図１〜３を参照すると、本発明の第１の実施 例のよって構成されたカラムが数字２０によって表されている。カラム２０は、 円筒形構成のもので流体流が貫流できる開放内部空間を与えている堅い外側シェ ル２２を備えている。カラムシェル２２はまた、方形、矩形又はその他の多角形 断面のものである形状を含む他の所望の形状のものであってもよい。カラム２０ は、カラム２０の内部で行われるべき化学処理操作の種類によって、物質移動又 は熱交換カラムにすることができる。 カラム２０は、カラムの開放内部空間を貫流する液体と蒸気の相互作用を容易 にするためにトレーまたはパッキングが置かれる帯域２４を備えている。パッキ ングは、不規則または構造の明確なパッキングであってよく、そのようなパッキ ングまたはトレーの多重帯域を設けることができる。カラム２０がリボイラー、 貫流ライン及びカラム内で行われる特定の化学処理に必要または望まれるその他 の構成要素を備え得ることが分かるであろう。 カラム２０はまた、蒸気が上向きに流れてパッキング帯域２４に入るとき、蒸 気のより均一な分布を容易にするために本発明に従って構成された蒸気ホーンま たは分配器を備えている。液体は蒸気と一緒であってもよく、通常は蒸気に随伴 しており、「蒸気」という用語の使用は、液体の存在を含むことを意図している 。蒸気分配器２６は、帯域２４内のパッキング又はトレー下の平面内に置かれ、 カラムシェル２２を通って伸びる半径方向入口ノズル２８と通じてカラムシェル のほぼ垂直な方向に蒸気をカラム２０の中に導入できるようにする。図２に最も よく見ることができるように、分配器２６は、入口ノズル２８と同じほぼ水平な 平面内でカラムシェル２２から半径方向に離された内側環状壁３０を備えている 。環状壁３０及びカラムシェル２２は、カラムシェル２２の内円周の周りの蒸気 流路を与える環状プレナム３２の側部を形成する。 図３に示されているように、プレナム３２は大体直線的で、内側環状壁３０と カラムシェル２２の間に水平に伸びるリング形頂板３４によって頂部において閉 じられている。リング形底板３６がプレナムの底を閉じ、同様に内側環状壁３０ とカラムシェル２２の間に伸びている。頂板３４及び底板３６を内側環状壁３０ に溶接によるなどの適当な方法で固着し、カラムシェル２２の内面に同様な方法 で固着できる。内側環状壁３０及び板３４は、プレナム３２を貫流する蒸気流に よって加えられる圧力に耐えるに十分に堅い種々の適当な材料で構成できる。選 択される材料は、また、カラム２０の中で遭遇する蒸気及び液体に適合し、それ らによる劣化に耐える必要がある。 図２に戻ると、内側環状壁３０は、環状壁３０の円周に沿って出口ポート４０ を形成するように半径方向に千鳥配列にされた複数の円周方向に伸びるセグメン ト３８ａ、３８ｂ及び３８ｃを備えている。各出口ポート４０は、プレナムの中 を流れる蒸気流の一部分を出口ポート４０通して環状壁３０から半径方向に内向 きに置かれたカラム２０の開放領域に入るように向けることができる。複数の出 口ポートを用いることで、プレナム３２内の蒸気流を間隔の離れた場所にあるプ レナムに向けられる多数のより小さな個別流れに分割できるようにする。この方 法での蒸気流の分割は、開放領域における蒸気の乱流混合を可能にし、次いでそ のことは、カラム２０の水平断面を横切る蒸気の分布を蒸気が単に蒸気人口ノズ ル２８から直接にカラム内部に通る場合に達成できるであろうより一層均一にす る。 内側環状壁セグメント３８ａ、３８ｂ及び３８ｃは、カラムシェル２２と全体 として同心的であるが、各セグメントはプレナム３２の幅が蒸気流の流れの方向 に段々に狭まりが増すように隣接セグメントから半径方向にずらされている。壁 セグメント３８ａは、蒸気入口ノズル２８の位置にあって、ノズル２８を通って カラム２０に入る流れをプレナム３２の内部を円周方向に互いに反対方向に流れ る二つの流れに分割する働きをする。壁セグメント３８ａに隣接して下流にある 壁セグメント３８ｂは、壁セグメント３８ａから半径方向に外向きに間隔をあけ て配置され、出口ポート４０の両側面を形成するようにそれらの端を重ね合わせ ている。同様に、壁セグメント３８ｃは、壁セグメント３８ｂの端に重なり、壁 セグメント３８ｂよりカラムシェル２２に近い間隔に置かれている。 壁セグメント３８ｃの下流端において、出口ポート４０は，壁セグメント３８ ｃとカラムシェル２２の間の間隔によって形成されている。壁セグメン３８ｃの 下流端と対応する出口ポート４０は、蒸気入口ノズル２８から約１８０°の位置 にあるが、他の場所も可能で、用途によってはその方が好ましい。そらせ板４２ が壁セグメント３８ｃの下流端で出口ポート４０の間の位置にカラムシェル２２ に取りつけられて、そのようなポートからの蒸気排出が半径方向に内方にそらさ れるようにする。そらせ板４２は、平面構成であるとして示されているが、望む なら曲がった表面にしてもよいことが分かるであろう。なお、壁３８ｃの下流端 は、図４に示された関連の出口ポート４０の断面積を大きくように半径方向に内 方に広げてもよいであろう。 出口ポート４０の幅が壁セグメント３８ａ、３８ｂ及び３８ｃの半径方向間隔 に対応するので、各ポート４０を通過する蒸気の量を所望の半径方向位置に壁セ グメントを位置決めすることによって予め定めることができる。できれば、各ポ ート４０は、プレナムの中を流れる蒸気流が出口ポート４０の中で均等に分割さ れ、各出口ポート４０を出る蒸気流の速度が同じであるようにほぼ同じ断面積を 持っているのが良い。このように蒸気流を分割することは蒸気流がさらに一様に カラム２０の開放内部空間に入るのを可能にする。出口ぽート４０の数は又、内 側環状壁のセグメントの数を増減することによって図示されたものと変えること もできる。一般に、出口ポートの数を増すことによってカラム内部の蒸気流の分 布より均一になる。各ポート４０を出て行く蒸気の量はまた各ポート４０のとこ ろの壁セグメント３８ａ、３８ｂ及び３８ｃの重なりの距離を変えることによっ て制御することもできる。 出口ポート４０は、共通な水平面内の円周方向に多数の蒸気流を排出する。所 望ならば、曲がったそらせ板４４を一つ以上の出口ポート４０に隣接して蒸気排 出流の一部分内に置いて異なる流れ方向に流れの一部分をそらせて蒸気の分配を 増大させることができる。しかし、多くの用途において、そらせ板４４なしで十 分な分配を達成できる。 蒸気分配器２６がカラム２０に入る蒸気流を分配するのに役立つことが容易に 分る。本発明によるプロセスにおいて、蒸気流が蒸気人口のズル２８を通してカ ラム２０に導入され、蒸気分配器プレナム３２に入る。蒸気流は、カラム２０の 内側周辺の周りのプレナム３２の中を流れて出口ポート４０によってカラム内部 内に分配される複数のより小さな流れに分割される。分配された蒸気流は、次に カラム２０の開放内部空間内を上昇し、蒸気分配器２６の上方にあるパッキング 帯域２４に送り込まれる。パッキング帯域２４に入る蒸気は、パッキング帯域２ ３より上の場所でカラムに導入されていた液体流に遭遇してそれと相互作用する 。明らかに、パッキング帯域２４に入る蒸気は、カラム２０の水平断面を横切っ て一様に分配されていたので、パッキング帯域２４内の蒸気と液体の間の相互作 用は、特にパッキングの下部で、非常に容易にされる。 前述の蒸気分配器の他の変更態様を作って本発明の範囲内に留めることができ る。ほんの一例として、リング形底板を蒸気分配機の既述の実施例から取り除け ることを認めることができる。これは、蒸気のある部分が開放空間を通ってプレ ナムから外へ下向きに流れることを可能にするが、他の部分は、蒸気分配器の内 側環状壁の中の出口ポートを半径方向に内向きに流れる。 本発明の蒸気分配器のその他の実施例は図５〜１４に示され、それらの図にお いては、接頭文字「１」が前についた同じ参照数字が既述の構成要素を表すのに 用いられている。 まず図５に移ると、本発明に従って構成された代替の実施例が数字１２０によ って表されている。カラム１２０は、カラム２０と共に用いられた半径方向入口 ノズル２８の代わりに接線蒸気入口１２８を用いることによる一つの面でカラム ２０と異なる。蒸気流がカラムシェル１２２に接線方向にプレナム１３２に入る ので、カラム２０のように対向方向に流れる二つの流れに分割されない。代わり に、プレナム１３２は、カラムシェル１２２の内周辺周りに一方向にのみ蒸気流 を運ぶ。 カラム１２０にあるプレナム１３２は、カラムシェル１２２の内周辺の周りに 約３６０°にわたっている。蒸気入口のズル１２８に隣接した最初の内側環状セ グメント１３８ａが平面構成のものであるとして示されたが、代わりに曲面形状 のものであってもよい。 分配器１２６は、それらが蒸気のすべてまたはほとんどすべてが通って排出さ れる少なくとも一部分開放底を有する点で前述のものと異なる。分配器１２６の 開放底を通る蒸気の均一な排出が蒸気流の方向に減少する断面積を有する導管又 は流路１４２を分配器内に設けることによって得られる。蒸気の一部分が分配器 １２６の底を通って排出されるとき、流路１３２の減少面積は流路内に残ってい る蒸気を所望の圧力に保つ働きをする。このようにして蒸気流に加わる所望の圧 力を保つことによって、分配器の環状長さに沿って排出される蒸気の量はほとん ど均一のままでカラム１２０の水平断面を横切る蒸気流の分配をさらに均一にな る。 流路１４２は、垂直断面が方形、直線形、多角形、円形又は卵形にすることが できる。図５〜１４に示されているように、環状流路１４２は、断面が直線的で あって頂板１３４、内側環状壁１３０及びカラムシェル１２２によって輪郭を定 められている。底は、完全に開いて示されているが、必要なら、流路１４２を底 で一部分閉じることができる。 流路１３２の漸減垂直断面は内壁１３０を蒸気流の方向にカラムシェル１２２ に近づけて置くことによって達成される。図５〜１４の各実施例において、環状 内壁１３０は、カラムシェル１２２と同心的であるセグメントで区分されて蒸気 流の方向にシェル１２２に段々に近く置かれている。したがって、分配器１２６ の断面積は蒸気流の方向に段階的に減少する。用いられる壁セグメントの数は、 要求次第で変えることができる。代わりに、内側環状壁１３０は、流路１４２の 狭まるのが段階的でなく連続的であるように連続曲線で伸びることができる。 内側環状壁１３０が図５〜１４に示された分配器におけるように同心的セグメ ントであるとき、直立そらせ板１４４は、各内側環状壁セグメントの下流端に置 かれ、次の内側環状壁セグメントの上流端に接続されている。もう一つのそらせ 板壁１４４ａも最後の環状壁の下流端に置かれて蒸気流路１４２の端を閉じるよ うにカラムシェル１２２に結合される。 そらせ板壁１４４は、内側環状壁１３０の間の遷移部を形成するだけでなく、 内側環状壁１３０に隣接した流路１４２の中を移動する蒸気流のその部分の流れ を分裂させてそらせる働きもする。この方法による蒸気流の偏向は、うずの増加 を生じさせて流路１４２内を流れる全蒸気流の混合をもたらす。そらされた蒸気 流の一部分がまた分配器１２６の開放底からそらせ板壁１４４によって直接に送 り込まれる。したがって、蒸気流は、それが絞り流路１４２を通って移動すると きの流れ抵抗の増加と蒸気流の各部分の流れを遮るそらせ板壁１４４の抵抗の両 方を受けて分配器１２６から排出される。 そらせ板壁１４４は、望まれる特定の流れパターンによって種々の方法で向き を決めることができる。図５〜７に示されているように、各そらせ板壁１４４を 放射状線に沿って横たわるように位置決めされる。したがって、半径方向そらせ 板壁１４４は、内側環状壁にほぼ直角に伸びてカラム１２０の垂直軸に平行に伸 びている。 代わりに、図８及び９に示されているように、半径方向そらせ板壁１４４をカ ラム１２０の垂直軸にある角度をなして蒸気流の流れの方向に傾けることができ る。この方法によるそらせ板壁１４４の傾斜が垂直に向けられたそらせ板壁１４ ４に比較して蒸気流の下向き偏向を大きくし、蒸気流の各部分を分配器１２６の 底から下向きにより効果的に送り出す。傾斜角は、図示のものから変えて本発明 の範囲内に留めることができることが分かるであろう。 そらせ板壁１４４の向きのもう一つの変形が図１０及び１１に示され、それら の図では、そらせ板壁は、垂直であるがカラムの放射線状線または半径に対して 角度を付けられている。傾いたそらせ板壁１４４は、半径方向そらせ板壁に比較 して内側環状壁１３０のセグメント間の遷移をさらに滑らかにし、蒸気流の流れ の分裂を少なくする。結果として、蒸気流は下向きではなく半径方向に外向きに 優先的に送られる。 そらせ板壁１４４の向きのなお別の変形が図１２〜１４に示され、そらせ板壁 １４４がカラム垂直軸及び放射線状線の両方にある角度をなして伸びている。し たがって、傾いたそらせ板壁１４４は、蒸気流の各部分を同時に下向きと半径方 向に外向きに優先的に注ぐ。 図５〜１４に示された分配器１２６を前述の分配器と同様な方法で作動させて 入口ノズル１２８を通してカラムに入る蒸気流の均一な分配を生じさせることが できる。分配器１２６の開放底を出て行く蒸気の体積流量を分配器の長さに沿っ てほぼ一様なままにできるようにするために、流路１４２の面積がその長さに沿 って減少する量を体積蒸気流量、入口圧力と温度、蒸気の比重及び流路の長さと 共同して選択する。 分配器１２６の中及びカラム１２０に隣接した領域の中を流れる蒸気の間の圧 力差は、蒸気流の各部分に分配器の開放底から流出させる。蒸気流が流路１４２ に沿って移動するとき、分配器１２６の中の蒸気流の流れに対して利用できる面 積を減らすことによって、さらによく制御された圧力差を分配器の長さに沿って 維持できる。次に、これは、分配器の長さに沿って蒸気流のより一層均一な排出 をもたらし、排出された蒸気流が上にあるパッキングに入る前にカラム１２０の 水平断面を横切ってより均一に分配される。 次に図１５〜１８に移ると、これらの図では前述の同じ構成要素を表すのに接 頭文字「２」の付いた参照数字を用いており、カラム２２０がカラム２２０のシ ェル２２２の内半径又は周辺のわずかな部分だけの周りに伸びている分配器２２ ６を組み込んで示されている。分配器２２６は、蒸気入口２２８において半径方 向に内向きに取付けられているそらせ面２３０を備えて、ノズルを通ってカラム に入る半径方向に向いた蒸気流がそらせ面に接触させられるようにする。そらせ 面２３０は、蒸気流を分割しカラムシェル２２２の内周辺の付近で蒸気流を対向 した流路に向きを変えるように形作られて位置決めされている。そらせ面２３０ は、互いに面をそむけていてノズル近くで垂直線に沿って交差する二つのほぼ直 立の突き合わせ面２３０ａ及び２３０ｂとなるように上から見たときＶ字形であ るのが好ましい。交差する突き合わせ面２３０ａ及び２３０ｂによって形成され る開先角度は望むように変えることができる。一般に、開先角度は、約３０°な いし１８０°であって、さらに好ましくは約９０°ないし１５０°である。代わ りに、そらせ面２３０を三つ以上の平面突き合わせ面又は一つの外向きに凸形弧 状面によって形成できる。そらせ面２３０はまた、垂直に対してある角度で下向 きに傾いて蒸気流が円周方向にそらされていながら下向き角度でそらされるよう にしてもよい。０°と約３０°の間の角及びさらに好ましくは約０°と１５°の 間の角で要求通りに変えることができる。 分配器２２６もまた分配器の頂部及び底部を完全に又は少なくとも実質上閉じ るようにそらせ面２３０とシェル２２２の間に伸びる頂板２３４及び底板２３６ を備えている。頂板２３４と底板２３６の一方又は両方は、ほぼ水平に伸びるこ とができるか、又は分配器２２６から蒸気排出の方向に対向して下向きに傾斜し た部分を与えるように半径方向中線から下向きに傾けられることができる。でき れば頂板及び底板の両方は、０°から約３０°までの範囲でよく、さらに好まし くは約１０°である同じ角度で半径方向中線から下向きに傾けられるのがよい。 分配器２２６の側面は、カラムシェル２２２の内周辺付近で互いに反対方向に向 けられた流路内で蒸気流を排出できるように開放ままである。ある用途では、底 板２３６及び／又は頂板２３４を省いてもよい。しかし、もっと普通には、底板 だけを省くことになろう。 分配器２２６は、入口ノズル２２８を覆うように置かれてシェル２２２の周辺 の一部分に沿って伸びるように大きさを決められている。分配器２２６の周辺寸 法は、ノズル２２８の開口のおよその幅からシェル２２２の円周よりわずかに小 さい値までの範囲にわたることができる。望ましくは、分配器２２６の周辺寸法 はシェルの円周の半分より小さく、好ましくは、円周の四分の一より小さいこと である。 前述のそらせ板４２と同様であってもよい案内羽根２４２が分配器２２６から 円周方向に間隔をおいた場所に置かれている。案内羽根２４２は、分配器から排 出された蒸気流の流路内に置かれて、望ましくは各流路内に少なくとも一つの上 下のへりが分配器２２６のそれぞれ上下へりの上方の水平面内にある垂直な高さ のものである。二つ以上の案内羽根２４２も各流路内に位置決めできる。複数の 案内羽根を用いる場合、それらは下流方向に段々に大きくなるものである必要が ある、案内羽根２４２の形も所望のように変えることができる。図示された実施 例では、案内羽根は、大体平面であり、半径方向に位置を合わされている。案内 羽根２４２は、また弧状にすることもできるであろうし又は蒸気流をカラムの中 心垂直軸の方へ向きを変える任意の適当な形にできるであろう。案内羽根２４２ は、半径方向に位置をそろえる必要なく、前述のそらせ板壁１４４とほとんど同 様に傾けられることができるであろう。なお、案内羽根２４２を前記カラムシェ ル２２２の内面に押しつけて取り付けでき、前記案内羽根と内面との間のシェル の前記内周辺に沿って蒸気流の流れを阻止することができる。代わりに、案内羽 根２４２を図１８に示されているように前記シェル２２２の内面から間隔をおい て隔設された案内羽根とシェル２２２の内面との間を前記蒸気流の一部分が流れ られるようにできる。案内羽根の半径方向の幅を要求通りに変えることのできる のが分かるであろう。 案内羽根２４２の円周位置決めは、特定用途に対して要求に従って選択できる 。望ましくは、対向的に方向づけられている流路内の案内羽根２４２は、分配器 から等距離に位置決めされている。カラムの水平断面を横切る蒸気流の均一分布 を案内羽根２４２を互いから１８０°の対向位置で分配器２２６から等距離に置 くことによって達成できる。その他の適当な配置が可能であり、本発明の範囲内 にある。 動作について言えば、分配器２２６は、蒸気流が分配器２２６によって拘束さ れないシェル２２２の内周辺の付近でずっと大きな距離自由に流れる以外は、前 述の分配器２６と同様に作用する。 二つ以上の蒸気入口ノズル２２８をカラム内で利用できることが分かるであろ う。そのような構成は、二つの入口ノズル２２８と二つの関連の分配器２２６が 示されている図１９に例示されている。入口ノズル２２８は、互いに直接向かい 合わせに置かれている。一つ以上の案内羽根２４２が対向分配器２２６の中間に 置かれて、カラムの垂直中心軸の方へ円周方向蒸気流をそらせる。例示された実 施例において、二つの案内羽根２４２が両方の円周方向にシェルに沿って置かれ て、相互と隣接分配器２２６から等距離に間隔をあけている。案内羽根の数とと もに間隔を要求通りに変更できる。 前述のことから、本発明が上述のすべての目的をこの構造に固有のその他の利 点とともに達成するのによく適応しているものであることが分かるであろう。 二、三の特徴及び副組合せが有益であり、他の特徴及び副組合せを参考にしな いで用いられてもよいことを理解するであろう。これは請求の範囲によって考慮 に入れられ、その範囲内にある。 多くの可能な実施態様を本発明の範囲からそれることなく本発明から作ること ができるので、本明細書に述べ添付図面に示されたすべての事柄は例示として解 釈されるべきで、制限の意味に解釈されるべきでないことを理解すべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ， ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｇ Ｅ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ， ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，Ｐ Ｌ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ (72)発明者 シェイ、チャン リ アメリカ合衆国マサチュセッツ州01741 ミドルセックス リッチフィールド ドラ イブ 210 (72)発明者 バーベン、オー ジェフリー アメリカ合衆国カンサス州67220 ウィチ タ ノース オールド マナー 114

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．開放内部空間を与え、ほぼ垂直な中心軸線を有するシェルと、前記シェ ルから伸びて蒸気流を前記開放内部空間にほぼ軸方向に向ける蒸気入口ノズルと 、前記シェル内にあって前記蒸気入口ノズルに関して位置決めされ、蒸気流を前 記大体半径方向からカラムシェルの内周辺の周りに向けられた流路に向きを変え るそらせ板と、前記シェル内にあって前記蒸気流の流路内にそらせ板から間隔を あけた関係に置かれて前記蒸気流の少なくとも一部分をカラムシェルの内周辺の 周りの前記流路から前記中心軸線の方へ向け変えてカラムの水平断面を横切る蒸 気流の分布をさらに均一にさせる案内羽根とを備える物質移動又は熱交換カラム 。 ２．前記そらせ板は、前記蒸気入口ノズルから半径方向に間隔をあけて配置 され、蒸気流をほぼ半径方向からカラムシェルの内周辺の周りに向けられた流路 へ蒸気流の向きを変えるほぼ直立のそらせ面を備える請求項１に記載のカラム。 ３．前記そらせ面が前記蒸気流をカラムシェルの内周辺の周りの二つの対向 する流路に分割して向きを変える請求項２に記載のカラム。 ４．前記そらせ板から間隔をあけてシェル内にある第２の案内羽根を備え、 前記案内羽根の一つが前記対向する流路の各々の中に配置されて前記蒸気流をカ ラムシェルの内周辺の周りの前記対向する流路から前記中心軸の方へ向きを変え て、カラムの水平断面を横切る蒸気流の前記より均一な分布を生じさせる請求項 ３に記載のカラム。 ５．前記対向する流路の各々の中に二つ以上の案内羽根を備える請求項４に 記載のカラム。 ６．第１及び第２の案内羽根が前記そらせ板からほぼ等距離に置かれている 請求項４に記載のカラム。 ７．前記案内羽根がそらせ面の対応寸法より大きい高さを有する請求項４に 記載のカラム。 ８．前案内羽根が前記シェルの内面にもたれさせて置かれ、前記案内羽根と 内面との間のシェルの内周辺に沿う前記蒸気の流れを阻止する請求項７に記載の カラム。 ９．前記案内羽根の少なくとも一つが前記シェルから隔設され前記蒸気の一 部分が隔設された案内羽根と前記内面との間を流れることを可能にする請求項７ に記載のカラム。 １０．前記案内羽根が全体として平らである請求項４に記載のカラム。 １１．前記案内羽根が半径方向に整置されている請求項１０に記載のカラム。 １２．前記案内羽根が全体として曲がっている請求項４に記載のカラム。 １３．そらせ面とシェルとの間に伸びる頂板を備え、蒸気流の上向き偏向を阻 止する請求項４に記載のカラム。 １４．開放内部空間を与え、ほぼ垂直な中心軸線を有するシェルと、前記シェ ルから伸びて蒸気流を前記開放内部空間にほぼ軸方向に向ける蒸気入口ノズルと 、前記シェル内にあって蒸気入口ノズルから半径方向に内方に間隔をあけたほぼ 垂直のそらせ面と、そらせ面とシェルの間に伸びる頂板とを備え、前記そらせ面 が前記ほぼ半径方向からの蒸気流を分割してカラムシェルの内周辺の周りの対向 する流路に向きを変えるように形作られて前記蒸気入口ノズルに関して位置決め されており、前記頂板によって頂部を閉じられている分配器と、前記シェル内に あって前記蒸気流の流路内に分配器から間隔をあけた関係に置かれて前記蒸気流 の少なくとも一部分をカラムシェルの内周辺の周りの前記流路から前記中心軸線 の方へ向け変えてカラムの水平断面を横切る蒸気流の分布の均一性を大きくする 案内羽根とを備える物質移動又は熱交換カラム。 １５．前記分配器が前記カラム内周辺のほんのわずかな部分の周りに伸びてい る請求項１４に記載のカラム。 １６．二つ以上の案内羽根が前記対向する流路の各々の中に置かれている請求 項１５に記載のカラム。 １７．前記対向する流路の一方にある案内羽根と前記対向する流路の他方にあ る案内羽根が前記そらせ板からほぼ等距離に置かれている請求項１５に記載のカ ラム。 １８．二つの前記案内羽根がそらせ面の対応寸法より大きい高さを有する請求 項１５に記載のカラム。 １９．前記案内羽根が前記シェルの内面にもたれさせて置かれ、前記案内羽根 と内面との間のシェルの前記内周辺に沿う前記蒸気の流れを阻止する請求項１８ に記載のカラム。 ２０．前記案内羽根の少なくとも一つが前記シェルから隔設され前記蒸気の一 部分が隔設された案内羽根と前記内面との間を流れることを可能にする請求項１ ８に記載のカラム。 ２１．前記案内羽根が全体として平らである請求項１５に記載のカラム。 ２２．前記案内羽根が半径方向に整置されている請求項２１に記載のカラム。 ２３．前記案内羽根が全体として曲がっている請求項１５に記載のカラム。 ２４．そらせ面とシェルの間に伸びる底板を備え前記分配器の底をほとんど阻 止する請求項１５に記載のカラム。 ２５．外部シェルと前記シェルを通して伸びる蒸気入口ノズルを有する物質移 動又は熱交換カラム内で蒸気流を分配する方法において、該方法は、前記カラム の外部シェルの内部に蒸気入口ノズルから半径方向に内方に間隔をあけたほぼ垂 直なそらせ面及びそらせ面とシェルとの間に伸びる頂板とを備えて、頂部を前記 頂板によって閉じられている分配器を設ける工程と、蒸気流を分配器の中に蒸気 入口ノズルを通して導入して蒸気流をそらせ面に当たるように向けて蒸気流が分 配器から排出されるとき蒸気流を分割してカラムシェルの内周辺の周りの対向す る流路に向きを変える工程と、前記蒸気流の少なくとも一部分を前記中心軸線の 方へ向け変えてカラムの水平断面を横切る蒸気流の分布の均一性を増大させるよ うに蒸気流を対向する流路内の分配器から間隔をあけた案内羽根に接触させる工 程を備える蒸気分配方法。 ２６．前記蒸気流を各対向流路にある二つ以上の案内羽根にもたれて接触させ る工程を含む請求項２５に記載の方法。