【発明の詳細な説明】
セリンプロテアーゼ阻害剤
本発明は、アシルグアニジン側鎖を有するセリンプロテアーゼ阻害剤、該阻害
剤を含む医薬組成物、ならびに該阻害剤のトロンビン関連疾患の治療および予防
への使用に関する。
セリンプロテアーゼは、特に血液凝固カスケードで重要な役割を果たす酵素で
ある。この群のプロテアーゼには例えば、トロンビン、トリプシン、第VIIa
、IXa、Xa、XIa、XIIa因子および蛋白Cなどがある。
トロンビンは、凝血カスケードの最後の段階を調節するセリンプロテアーゼで
ある。トロンビンの主要機能は、線維素原の開裂によるフィブリンモノマーの生
成であり、フィブリンモノマーは架橋によって不溶性ゲルを形成する。さらにト
ロンビンは、カスケードの比較的初期に、第V因子および第VIII因子を活性
化することで、それ自体の産生を調節する。それはさらに、細胞レベルで重要な
作用を有し、細胞において特異的受容体に作用して、血小板凝集、内皮細胞活性
化および線維芽細胞増殖を引き起こす。そうしてトロンビンは、止血および血栓
形成において中心的な調節機能を有する。トロンビンの阻害剤は広範囲の治療用
途を有し得ることから、この分野では広範囲の研究が行われてきた。セリンプロ
テアーゼ類、より具体的にはトロンビンの合成阻害剤の開発において、天然基質
の場合同様に蛋白分解酵素によって認識される小さい合成ペプチドに対する関心
が高まっている。その結果、トロンビンの遷移状態阻害剤および低分子量トロン
ビン阻害剤イノガトラン(Inogatran;Thromb.Haemostas.,1995,73:1325(Abs.1
633);WO 93/11152(実施例67)(強力かつ選択的なトロンビン阻害剤であるこ
とが開示されている)などの新たなペプチド様阻害剤が得られている。関係する
化合物が、WO 95/23609号に記載されている。イノガトランおよびそ
れの類縁化合物と比較すると、この特許出願に開示の化合物は、アグマチン様基
に芳香族基を有する。
より低用量で投与することができ、副作用がより少なくしかも重度が低い阻害
剤を得るべく、より有効かつより選択的なセリンプロテアーゼ阻害剤についての
研究が変わりなく続けられている。
本発明者らは、特に選択的なトロンビンまたは第Xa因子阻
害剤である新たな種類の非常に強力なセリンプロテアーゼ阻害剤を見いだし、そ
れは下記式Iの構造を有するか、あるいはそれのプロドラッグまたはそれの医薬
的に許容される塩である。
式中、AはH、置換されていても良いD,L−α−ヒドロキシアセチル、R1
、R1−O−C(O)−、R1−C(O)−、R1−SO2−、R2OOC−(CH
R2)m−SO2−、R2OOC−(CHR2)m−、H2NCO−(CHR2)m−ま
たはN−保護基であり;R1は、(1〜12C)アルキル、(2〜12C)アル
ケニル、(2〜12C)アルキニルおよび(3〜8C)シクロアルキルから(そ
れらの基は、(3〜8C)シクロアルキル、(1〜6C)アルコキシ、オキソ、
OH、COOH、CF3またはハロゲンで置換されていても良い)、ならびに(
6〜14C)アリール、(7〜15C)アラルキルおよび(8〜16)アラルケ
ニルから(これらにおいてアリール基は
(1〜6C)アルキル、(3〜8C)シクロアルキル、(1〜6C)アルコキシ
、OH、COOH、CF3またはハロゲンで置換されていても良い)選択され;
各基R2は独立にHであるかまたはR1と同じ意味を持ち;mは1、2または3で
あり;
Bは結合、式−NH−CH[(CH2)pC(O)OH]−C(O)−のアミノ
酸またはそれのエステル誘導体(pは0、1、2もしくは3である)、−N((
1〜12C)アルキル)−CH2−CO−、−N((2〜12C)アルケニル)
−CH2−CO−、−N((2〜12C)アルキニル)−CH2−CO−、−N(
ベンジル)−CH2−CO−、D−1−Tiq、D−3−Tiq、D−Atc、
Aic、D−1−Piq、D−3−Piqまたは疎水性、塩基性もしくは中性側
鎖を有するL−もしくはD−アミノ酸(該アミノ酸はN−(1〜6C)アルキル
置換されていても良い)であり;
あるいはAとBが一体となって、残基R3R4N−CHR5−C(O)−であり
;R3およびR4は独立に、R1、R1−O−C(O)−、R1−C(O)−、R1−
SO2−、R2OOC−(CHR2)m−SO2−、R2OOC−(CHR2)m−、H2
NCO−(CHR2)m−またはN−保護基であるか、あるい
はR3およびR4の一方がR5と結合して、それらが結合している「N−C」とと
もに5員環または6員環を形成しており、該環は脂肪族もしくは芳香族の6員環
と縮合していても良く;R5は疎水性、塩基性もしくは中性の側鎖であり;
Xは疎水性側鎖を有するL−アミノ酸、セリン、トレオニン、N,Oもしくは
Sから選択される別のヘテロ原子を有しても良く(1〜6C)アルキル、(1〜
6C)アルコキシ、ベンジルオキシもしくはオキソで置換されていても良い環状
アミノ酸であるか;あるいはXは−NR2−CH2−C(O)−または下記式の部
分であり;
(式中nは2、3または4であり、WはCHまたはNである);
QはHまたは−C(O)Yであり;YはH、−CHF2、CF3、−CO−NH
−(1〜6C)アルキレン−C6H5、−COOR6であり;R6はHもしくは(1
〜6C)アルキル、−CONR7R8であり;R7およびR8は独立にHもしくは(
1〜6C)アルキルであるか;あるいはR7とR8が一体となっ
て(3〜6C)アルキレンを形成しており;あるいはYは2−チアゾール、2−
チアゾリン、2−ベンゾチアゾール、2−オキサゾール、2−オキサゾリンおよ
び2−ベンゾオキサゾールから選択される複素環であり、該複素環は(1〜6C
)アルキル、(1〜6C)アルコキシもしくはオキソによって置換されていても
良く;
ZはHまたは(1〜6C)アルキルであり;
Qが−C(O)Yの場合rは0もしくは1であり、QがHの場合rは0、1、
2、3もしくは4である。
本発明の化合物は、トロンビン介在の疾患およびトロンビン関連の疾患の治療
および予防に有用である。それには、凝血カスケードが活性化される多くの血栓
状態および前血栓状態などがあり、それには深部静脈血栓症、肺塞栓症、血栓静
脈炎、血栓症もしくは塞栓症からの動脈閉塞、血管形成術もしくは血栓溶解の際
またはその後の動脈再閉塞、動脈損傷または侵襲的心臓手術後の再狭窄、術後静
脈血栓症または塞栓症、急性または慢性アテローム性動脈硬化、脳卒中、心筋梗
塞、癌および転移癌、ならびに神経変性性疾患などがあるが、これらに限定され
るものではない。本発明の化合物は、透析および手術で必要な
体外血液循環における抗凝血剤として使用することもできる。本発明の化合物は
さらに、in vitroでの抗凝血剤としても使用できる。
本発明による好ましい化合物は式Iの構造を有し、Xは疎水性側鎖を有するL
−アミノ酸、セリン、トレオニンまたは−NR2−CH2−C(O)−であり、Z
はHまたはメチルである。他の好ましい式Iの化合物は、Aが上記で定義したも
のであり;Bが結合、式−NH−CH[(CH2)pC(O)OH]−C(O)−
のアミノ酸またはそれのエステル誘導体(pは0、1、2もしくは3である)、
−N((1〜6C)アルキル)−CH2−CO−、−N((2〜6C)アルケニ
ル)−CH2−CO−、−N(ベンジル)−CH2−CO−、D−1−Tiq、D
−3−Tiq、D−Atc、Aic、D−1−Piq、D−3−Piqまたは疎
水性側鎖を有するD−アミノ酸(該アミノ酸はN−(1〜6C)アルキル置換さ
れていても良い)であり;
あるいはAとBが一体となって、残基R3R4N−CHR5−C(O)−であり
;XがN,OもしくはSから選択される別のヘテロ原子を有しても良く(1〜6
C)アルキル、(1〜6C)アルコキシ、ベンジルオキシもしくはオキソで置換
されていて
も良い環状アミノ酸であるか;あるいはXが−NR2−CH2−C(O)−または
下記式の部分であり;
ZがHまたはメチルであるものである。
AがH、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシル−プロピオニル、9−ヒドロキ
シ−フルオレン−9−カルボキシル、R1、R1−SO2−、R2OOC−(CHR2
)m−SO2−、R2OOC−(CHR2)m−、H2NCO−(CHR2)m、−ま
たはN−保護基であり;R1は、(1〜12C)アルキル、(2〜12C)アル
ケニル、(6〜14C)アリール、(7〜15C)アラルキルおよび(8〜16
)アラルケニルから選択され;各基R2は独立にHであるかまたはR1と同じ意味
を持ち;
Bが結合、D−1−Tiq、D−3−Tiq、D−Atc、Aic、D−1−
Piq、D−3−Piqまたは疎水性側鎖を有するD−アミノ酸(該アミノ酸は
N−(1〜6C)アルキル置換されていても良い)であり;
あるいはAとBが一体となって、残基R3R4N−CHR5−
C(O)−であり;Yが−CO−NH−(1〜6C)アルキレン−C6H5、−C
OOR6、−CONR7R8であるか、あるいはYが2−チアゾール、2−チアゾ
リン、2−ベンゾチアゾール、2−オキサゾール、2−オキサゾリンおよび2−
ベンゾオキサゾールから選択される複素環である式Iの化合物がより好ましい。
AがR1−SO2−、R2OOC−(CHR2)m−であり;Bが結合、D−1−
Tiq、D−3−Tiq、D−Atc、Aic、D−1−Piq、D−3−Pi
qまたは疎水性側鎖を有するD−アミノ酸であり;あるいはAとBが一体となっ
て、残基R3R4N−CHR5−C(O)−であって、R3およびR4の少なくとも
一方がR2OOC−(CHR2)m−もしくはR1−SO2−であり、他方が独立に
(1〜12C)アルキル、(2〜12C)アルケニル、(2〜12C)アルキニ
ル、(3〜8C)シクロアルキル、(7〜15C)アラルキル、R1−SO2−ま
たはR2OOC−(CHR2)m−であり;R5が疎水性側鎖であり;Yが−CO−
NH−(1〜6C)アルキレン−C6H5、−COOR6であり;R6がHもしくは
(1〜3C)アルキル、−CONR7R8であり;R7およびR8は独立にHもし
くは(1〜3C)アルキルであるか;あるいはR7とR8が一体となって(3〜5
C)アルキレンを形成しており;あるいはYが2−チアゾール、2−ベンゾチア
ゾール、2−オキサゾールおよび2−ベンゾオキサゾールから選択される複素環
である化合物が特に好ましい。
AがR2OOC−(CHR2)m−である場合、好ましくはBは疎水性側鎖を有
するD−アミノ酸であるか;あるいはAとBが一体となって残基R3R4N−CH
R5−C(O)−であって、R3およびR4の少なくとも一方がR2OOC−(CH
R2)m−であり、他方が独立に(1〜12C)アルキル、(3〜8C)シクロア
ルキル、R1−SO2−またはR2OOC−(CHR2)m−であり;Xが2−アゼ
チジンカルボン酸、プロリン、ピペコリン酸、4−チアゾリジンカルボン酸、3
,4−ジヒドロプロリン、2−オクタヒドロインドールカルボン酸である。Aが
HOOC−CH2−であり;BがD−Phe、D−Cha、D−Coa、D−D
Pa、p−Cl−D−Phe、p−O−メチル−D−Phe、p−O−エチル−
D−Phe、D−Nle、m−Cl−D−Phe、3,4−ジ−OMe−D−P
he、D−Chgであるか;あるいはAとBが一体となって残基R3R4
N−CHR5−C(O)−であって、R3およびR4の少なくとも一方がHOOC
−CH2−であり、他方が独立にメチル、(1〜4C)アルキル−SO2−または
HOOC−CH2−であり;R5が(3〜8C)シクロアルキル、(3〜8C)シ
クロアルキル(1〜4C)アルキル、フェニル、ベンジルであって、これらは塩
素もしくは(1〜4C)アルコキシで置換されていても良い化合物がより好まし
い。
AがR1−SO2−の場合、好ましくはBは結合、D−1−Tiq、D−3−T
iq、D−Atc、Aic、D−1−Piq、D−3−Piqまたは疎水性側鎖
を有するD−アミノ酸であり;あるいはAとBが一体となって、残基R3R4N−
CHR5−C(O)−であって、R3およびR4の少なくとも一方がR1−SO2−
であり、他方が独立に(1〜12C)アルキルまたはR1−SO2−であり;Xが
2−アゼチジンカルボン酸、プロリン、ピペコリン酸、4−チアゾリジンカルボ
ン酸、3,4−ジヒドロプロリン、2−オクタヒドロインドールカルボン酸であ
るか、下記の部分である。
Aがエチル−SO2−またはベンジル−SO2−であり;Bが結合、D−Phe
、D−Cha、D−Coa、D−DPa、p−Cl−D−Phe、p−O−メチ
ル−D−Phe、p−O−エチル−D−Phe、D−Nle、m−Cl−D−P
he、3,4−ジ−OMe−D−Phe、D−Chgであるか;あるいはAとB
が一体となって、残基R3R4N−CHR5−C(O)−であって、R3およびR4
の少なくとも一方がエチル−SO2−もしくはベンジル−SO2−であり、他方が
独立に(1〜12C)アルキルまたはR1−SO2−であり;R5が(3〜8C)
シクロアルキル、(3〜8C)シクロアルキル(1〜4C)アルキル、フェニル
、ベンジル、ジフェニルメチニルであって、これらの基が塩素もしくは(1〜4
C)アルコキシで置換されていても良い化合物がより好ましい。
最も好ましい式Iの化合物は、QがHであり、rが0、1もしくは2であるも
のである。
部分Aの定義で定義したN−保護基は、ペプチドで使用され
るN−保護基である。好適なN−保護基は、グリーンらの著作(T.W.Green and
P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis,Second Edition(Wiley
,NY,1991))およびグロスらの著作(The Peptides,Analysis,Synthesis,Biolo
gy,Vol.3 E.Gross and J.Meienhofer,Eds.,(Academic Press,New York,1981))
に記載されている。
置換されていても良いD,L−α−ヒドロキシアセチルという用語は、式HO
−CRaRb−C(O)−の基を意味し;式中RaおよびRbは独立にH、疎水性側
鎖であるか;あるいはRaとRbが一体となって5員環または6員環を形成してお
り、その環は1個または2個の脂肪族もしくは芳香族6員環と縮合していても良
く、前記5員環または6負環は、炭素原子と適宜にN、OおよびSから選択され
る1個のヘテロ原子から成るものである。好ましいD,L−α−ヒドロキシアセ
チル基は、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシル−プロピオニルおよび9−ヒド
ロキシ−フルオレン−9−カルボキシルである。
(1〜12C)アルキルという用語は、炭素数1〜12の分岐もしくは直鎖ア
ルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、t−ブチル、イソペンチル、ヘプチ
ル、ドデシルなどがある。
好ましいアルキル基は、炭素数1〜6の(1〜6C)アルキル基である。R6、
R7およびR8の定義で最も好ましいものは、炭素数1〜3の(1〜3C)アルキ
ル基であり、例えばメチル、エチル、イソプロピルである。(2〜12C)アル
ケニル基は、炭素数2〜12の分岐もしくは直鎖不飽和炭化水素基である。例と
しては、エテニル、プロペニル、アリルなどがある。
(1〜6C)アルキレンという用語は、炭素数1〜6の分岐もしくは直鎖アル
キレン基を意味し、例えば−(CH2)m−(mは1〜6)、−CH(CH3)−
、−CH(CH3)−(CH2)−などがある。Yの定義で好ましいアルキレン基
は、エチレンおよびメチレンである。
(2〜12C)アルキニル基は、三重結合を有する炭素数2〜12の分岐もし
くは直鎖炭化水素基である。(2〜6C)アルキニル基が好ましく、例としては
エチニルおよびプロピニルがある。
(6〜14C)アリール基は、炭素数6〜14の芳香族部分である。アリール
基はさらに、N、SまたはOなどの1以上のヘテロ原子を有することができる。
アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、(イソ)キノリル、インダニル
などがあ
る。最も好ましいのはフェニル基である。
(7〜15C)アラルキル基および(8〜16C)アラルケニル基は、1以上
のアリール基で置換されたそれぞれ総炭素数7〜15および8〜16のそれぞれ
アルキル基およびアルケニル基である。
(1〜6C)アルコキシという用語は、炭素数1〜6のアルコキシ基であり、
そのアルキル部分は上述で定義の意味を持つ。
(3〜8C)シクロアルキルという用語は、炭素数3〜8のシクロアルキル基
を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチルまたはシクロオクチルがある。シクロペンチルおよびシクロヘキ
シルが好ましいシクロアルキル基である。
ハロゲンという用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
エステル誘導体という用語は、適切なエステル誘導体、好ましくは(1〜4C
)アルキルエステル類を意味し、メチルエステル、エチルエステルまたはt−ブ
チルエステルなどがある。
1−および3−Tiqという用語は、それぞれ1,2,3,4−テトラヒドロ
イソキノリン−1−もしくは−3−カルボン
酸を意味し;1−および3−Piqという用語は、それぞれ1−および3−カル
ボキシペルヒドロイソキノリンであり;Atcは2−アミノテトラリン−2−カ
ルボン酸であり;Aicはアミノインダンカルボン酸であり;Pheはフェニル
アラニンであり;Chaはシクロヘキシルアラニンであり;Dpaはジフェニル
アラニンであり;Coaはシクロオクチルアラニンであり;Chgはシクロヘキ
シルグリシンであり;Nleはノルロイシンである。
疎水性側鎖という用語は、適宜に1以上の(3〜8C)シクロアルキル基もし
くは(6〜14C)アリール基(例えば窒素などのヘテロ原子を有していても良
い)、例えばシクロヘキシル、シクロオクチル、フェニル、ピリジニル、ナフチ
ル、テトラヒドロナフチルなどで置換されていても良い(1〜12C)アルキル
を意味し、その疎水性側鎖は適宜に、ハロゲン、トリフルオロメチル、低級アル
キル(例:メチルまたはエチル)、低級アルコキシ(例:メトキシ)、フェニル
オキシ、ベンジルオキシなどの置換基で置換されていても良い。
「置換(されている)」という用語は、1以上の置換基で置換されていること
を意味する。
塩基性側鎖を有するアミノ酸とは、例えばアルギニンおよびリジン、好ましく
はアルギニンであるが、これらに限定されるものではない。中性側鎖を有するア
ミノ酸という用語は、メチオニンスルホンなどのアミノ酸を指す。
環状アミノ酸とは例えば、2−アゼチジンカルボン酸、プロリン、ピペコリン
酸、1−アミノ−1−カルボキシ−(3〜8C)シクロアルカン(好ましくは、
4C、5Cまたは6C)、4−ピペリジンカルボン酸、4−チアゾリジンカルボ
ン酸、3,4−デヒドロ−プロリン、アザプロリン、2−オクタヒドロインドー
ルカルボン酸などである。好ましいものは、2−アゼチジンカルボン酸、プロリ
ン、ピペコリン酸、4−チアゾリジンカルボン酸、3,4−デヒドロ−プロリン
および2−オクタヒドロインドールカルボン酸である。
プロドラッグという用語は、式Iの化合物のアミジン基が、例えば水酸基また
は(1〜6C)アルコキシカルボニル基によって保護されている化合物を意味す
る。
本発明はさらに、式Iの化合物の製造方法を含むものであり、該方法は、好適
に保護されたアミノ酸またはアミノ酸類縁体をカップリングさせる段階と、次に
保護基を脱離させる段階を有
するものである。
式Iによる化合物は、そのような化合物について従来行われている方法で製造
することができる。
それについては、溶液中または固体支持体上のいずれかで、好適にNα保護さ
れた(および反応性側鎖がある場合は、側鎖を保護した)アミノ酸誘導体または
ペプチドを活性化し、好適にカルボキシル保護されたアミノ酸またはペプチド誘
導体にカップリングさせる。α−アミノ官能基の保護は、酸不安定性のtert
−ブチルオキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Z)基お
よび置換類縁体または塩基不安定性の9−フルオレニル−メチルオキシカルボニ
ル(Fmoc)基などのウレタン官能基によって行う。Z基は、接触水素化によ
って脱離させることもできる。他の好適なアミノ保護基には、Nps、Bmv、
Bpoc、Mscなどがある。アミノ保護基についての優れた概論が、グロスら
の著作にある(The Peptides,Analysis,Synthesis,Biology,Vol.3 E.Gross
and J.Meienhofer,Eds.,(Academic Press,New York,1981))。カルボキシル
基の保護は、メチルエステルもしくはエチルエステルのような塩基不安定性エス
テル、tert−ブチルエステ
ルのような酸不安定性エステルまたはベンジルエステルのような水素化不安定性
エステルなどのエステル形成によって行うことができる。リジンの側鎖官能基の
保護は、前記の基を用いて行うことができる。好適に保護されたアミノ酸または
ペプチドのカルボキシル基の活性化は、アジド、混成無水物、活性エステルまた
はカルボジイミド法によって、特に1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒ
ドロキシコハク酸イミド、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1
,2,3−ベンゾトリアジン、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシイミドのような触媒性でラセミ化を抑制する化合物を加えて行うこと
ができる(例えば、The Peptides,Analysis,Synthesis,Biology(上記参照)お
よびPure and Applied Chem.59(3),331-344(1987)参照)。アシルグアニジン部
分は、上記のカップリング法によって、好適にNα−保護されたアミノ酸誘導体
またはペプチドのC末端にカップリングさせることができる。
Qが−C(O)Yである本発明の化合物を製造する上で好適な方法では、保護
されたグルタミン酸(Glu)を基Yにカップリングさせ、脱保護し、次にN末
端で分子のA−B−X部分
にカップリングさせて、式A−B−X−Glu−Yの化合物を生成する。別個の
手順で、S−メチルイソ尿素を保護し、保護グアニジンに変換する。その保護グ
アニジンをA−B−X−Glu−Yにカップリングさせ、脱保護を行った後、式
Iの化合物を得る。
遊離塩基の形を取り得る本発明の化合物は、医薬的に許容される塩の形で反応
混合物から単離することができる。塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リ
ン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスル
ホン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸およびアスコルビン
酸などの有機もしくは無機酸で式Iの遊離塩基を処理することで、医薬的に許容
される塩を得ることもできる。
本発明の化合物は1以上のキラル炭素原子を有し得ることから、純粋なエナン
チオマーとしてあるいはエナンチオマーの混合物として、あるいはジアステレオ
マーを含む混合物として得られる。純粋なエナンチオマーを得る方法は当業界で
は公知であり、例えば、光学活性な酸とラセミ混合物から得られる塩の結晶化や
キラルカラムを用いるクロマトグラフィーなどがある。ジアステレオマーの場合
、順相カラムまたは逆相カラムを用い
ることができる。
本発明の化合物は、経口的または非経口的に投与することができ、ヒトの場合
好ましくは0.001〜100mg/kg、好ましくは0.01〜10mg/k
gの1日用量で投与することができる。例えば標準的参考文献(Gennaro et al.
,Remington's Pharmaceutical Sciences,(18th ed.,Mack Publishing Comp
any,1990、特にPart 8:Pharmaceutical Preparations and Their Manufacture
を参照)の方法に従って、医薬的に好適な補助剤と混合して本発明の化合物を圧
縮して、丸薬、錠剤などの固体投与単位とするか、あるいは処理を施してカプセ
ルもしくは坐剤とすることができる。医薬的に好適な液体によって、本発明の化
合物を液剤、懸濁駅、乳剤の形で投与して、例えば注射製剤または鼻噴霧剤とし
ての使用のような噴霧剤として使用することもできる。
錠剤などの投与単位を製造するには、充填材、着色剤、ポリマー結合剤などの
従来の添加剤を使用することが想到される。一般に、活性化合物の機能を妨害し
ない医薬的に許容される添加剤を用いることができる。
組成物の投与に用いることができる好適な担体には、ラクト
ース、デンプン、セルロース誘導体など、あるいはそれらの混合物などがあり、
好適な量で使用することができる。
以下の実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。実施例
「−Glu(グアニジン)」という用語は、下記式のものを意味する。
以下において、Bz1=ベンジル;Boc=tert−ブチルオキシカルボニ
ル;Cbz=ベンジルオキシカルボニル;Ac=アセチル;PAc=フェニルア
セチル;Glu=グルタミン酸;Cha=シクロヘキシルアラニン;Pro=プ
ロリン;Phe=フェニルアラニン;1−Piq=1−カルボキシペルヒドロイ
ソキノリン;Nal=2−ナフチルアラニン;Asp=アスパラギン酸である。
別段の断りがない限り、保持時間(Rt(LC))は、スペルコジル(Supelc
osil)LC−18−DB(2.1mm×25
cm)カラムでの逆相液体クロマトグラフィーによって測定したものである。実施例1 HOOC−CH2−D−Cha−(N−シクロペンチル)−Gly−Ala−グ アニジン
(a)N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−S−メチルイソチオ尿素
S−メチルイソチオ尿素セミ硫酸塩(10g)を塩化メチレン(100mL)
に懸濁させた。懸濁液に、4N水酸化ナトリウム溶液(10mL)を攪拌下に加
えた。反応混合物を氷浴に入れ、2N水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを約1
1に維持しながら、ジ−tert−ブチルジカーボネート(15.7g)の塩化
メチレン(100mL)溶液を滴下した。滴下終了後、反応混合物を室温で終夜
攪拌した。塩化メチレン層を分液し、水層を塩化メチレンで抽出した。合わせた
有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下に溶媒留去した
。残留物について、シリカでのクロマトグラフィー精製(溶離液:ヘプタン/酢
酸エチル=4/1体積%)を行って、N−(tert−ブチルオキシカルボニル
)−S−メチルイソチオ尿素
(9.38g)を得た。
TLC:Rf=0.75、シリカゲル、酢酸エチル/ヘプタン=3/1体積%
(b)N−(ベンジルオキシカルボニル)−N’−(tert−ブチルオキシカ ルボニル)−S−メチルイソチオ尿素
N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−S−メチルイソチオ尿素(2g
)を塩化メチレン(20mL)に溶かした。溶液に、4N水酸化ナトリウム溶液
(2mL)を攪拌しながら加えた。反応混合物を氷浴に入れ、2N水酸化ナトリ
ウム溶液を加えてpHを約11に維持しながら、N−(ベンジルオキシ−カルボ
ニルオキシ)コハク酸イミド(2.62g)の塩化メチレン(20mL)溶液を
滴下した。滴下終了後、反応混合物を室温で終夜攪拌した。塩化メチレン層を分
液し、水層を塩化メチレンで2回洗浄した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸
ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下に溶媒留去した。残留物について、シリカ
でのクロマトグラフィー精製(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=3/2体積%)
を行って、N−(ベンジルオキシカルボニル)−N’−(tert−ブチルオキ
シカルボニル)−S−メチルイソチオ尿素(3.15g)を得た。
TLC:Rf=0.78、シリカゲル、酢酸エチル/ヘプタン=1/1体積%
(c)N−(Cbz)−N’−(t−Boc)−グアニジン
N−(ベンジルオキシカルボニル)−N’−(tert−ブチルオキシカルボ
ニル)−S−メチルイソチオ尿素(3.15g)をメタノール性アンモニア(2
.4M、50mL)に溶かした。反応混合物を室温で終夜攪拌した。混合物を減
圧下に溶媒留去し、得られた残留物をシリカでのクロマトグラフィーによって精
製して(溶離液:塩化メチレン/メタノール=95/5体積%)、N−(Cbz
)−N’−(t−Boc)−グアニジン(1.83g)を得た。
TLC:Rf=0.80、シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9/1体
積%
(d)N−(t−Boc)−グアニジン塩酸塩
N−(Cbz)−N’−(t−Boc)−グアニジン(1.8g)のメタノー
ル(50mL)溶液に、10%パラジウム炭素(250mg)および2N塩酸溶
液3.12mLを加えた。混合物を大気圧で室温にて1時間水素化した。パラジ
ウム触媒を濾去し、溶媒を減圧下に留去して、N−(t−Boc)−グア
ニジン塩酸塩を定量的に得た。
TLC:Rf=0.10、シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9/1体
積%
(e)Cbz−β−Ala−(N−t−Boc)−グアニジン
Cbz−β−Ala−OH(171mg)を脱水ジメチルホルムアミド(5m
L)に溶かした。トリエチルアミン(212μL)を加えた後、反応混合物を窒
素下に置き、冷却して−15℃とした。次に、クロロギ酸イソブチル(99μL
)を加え、混合物を−15℃で15分間攪拌した。N−(t−Boc)−グアニ
ジン塩酸塩(150mg)およびトリエチルアミン(106μL)を冷混合物に
加えた。反応混合物を−15℃で1時間攪拌し、次に室温で45分間経過させた
。トリエチルアミン塩酸塩を濾去し、濾液を溶媒留去して乾固させた。残留物を
シリカでのクロマトグラフィーによって精製して(溶離液:塩化メチレン/メタ
ノール=95/5体積%)、Cbz−β−Ala−(N−t−Boc)−グアニ
ジン(256mg)を得た。
TLC:Rf=0.50、シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9/1体
積%
(f)H−β−Ala−(N−t−Boc)−グアニジン塩酸塩
Cbz−β−Ala−(N−t−Boc)−グアニジン(220mg)のジメ
チルホルムアミド(5mL)溶液に、10%パラジウム炭素(100mg)およ
び4M塩酸溶液300μLを加えた。混合物を大気圧で室温にて1時間水素化し
た。パラジウム触媒を濾去し、溶媒を減圧下に留去して、H−β−Ala−(N
−t−Boc)−グアニジン塩酸塩を定量的に得た。
TLC:Rf=0.10、シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9/1体
積%
(g)N−シクロペンチル−Gly−OMe
H−Gly−OMe・HCl(23.2g)のメタノール(200mL)溶液
に、シクロペンタノン(15.6g)を加えた。混合物を15分間攪拌し、シア
ノ水素化ホウ素ナトリウム(7g)を加えた。pHを6に調節した。反応混合物
を室温で16時間攪拌した。反応を完結させるためシクロペンタノン(1g)を
加え、攪拌を継続した。
反応をTLCでモニタリングした。原料が全て消失していた時点で、混合物を
pH2の酸性とし、30分間攪拌した。溶媒
を除去し、残留物を水で希釈した。溶液をエーテルで洗浄し、6N水酸化ナトリ
ウムでpHを12に調節し、塩化メチレンで抽出した。合わせた有機層を飽和塩
化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒留去して、
油状物16gを得た。
Rf=0.46(シリカで、酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水=63/20/
6/11(体積基準)にて)
(h)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−D−Cha−OMe
H−D−Cha−OMe・HCl(26g)のアセトニトリル(300mL)
溶液を攪拌しながら、それにブロモ酢酸t−ブチル(17g)を加えた。ジイソ
プロピルエチルアミンによって混合物をpHを8.5に調節した。混合物を室温
で16時間攪拌し、減圧下に溶媒留去した。残留物を塩化メチレンに溶かし、溶
液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒留去した。溶離液をヘ
キサン/酢酸エチル=9/1(体積基準)とするシリカゲルでのクロマトグラフ
ィーによって、N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−D−Cha−OM
e 20gを得た。
Rf=0.46(シリカで、酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水=15.75/
5/1.5/2.75(体積基準)にて)
(I)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha− OMe
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−D−Cha−OMe(20g)
およびジ−t−ブチルジカーボネート(17g)の溶液のpHを、ジイソプロピ
ルエチルアミンを用いて8.5に調節した。混合物を室温で16時間攪拌した。
溶媒を減圧下に除去した。残留物に塩化メチレンおよび水を加えた。有機層を分
液し、冷1N塩酸、水、5%重炭酸ナトリウムおよび水で洗浄した。有機層を硫
酸ナトリウムで脱水し、濾液の溶媒留去を行って、N−(t−ブチルオキシカル
ボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−OMeの非晶質固体を収量28gで
得た。
Rf=0.60(シリカで、酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水=252/20
/6/11(体積基準)にて)
(j)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha− OH
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−
D−Cha−OMe(28g)のジオキサン:水=9:1(体積基準)(420
mL)溶液を、十分な1N水酸化ナトリウムで処理して、室温で90分間、pH
を13に維持した。酸性とした後、混合物を水に投入し、塩化メチレンで抽出し
た。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。濾液の溶媒留去を行い、
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−OH
24gを得た。
Rf=0.23(シリカで、塩化メチレン/メタノール=9/1(体積基準)
にて)
(k)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha− (N−シクロペンチル)−Gly−OMe
N−シクロペンチル−Gly−OMe(10.2g)および2−(1H−ベン
ゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラ
フルオロボレート(TBTU;21.2g)を、N−(t−ブチルオキシカルボ
ニルメチル)−N−Boc−D−Cha−OH(24g)のN,N−ジメチルホ
ルムアミド(300mL)溶液に加えた。混合物のpHを調節して8.5とした
。混合物を室温で終夜攪拌し、溶媒留去によって濃縮した。水および酢酸エチル
を残留物に加えた。有
機層を分液し、1N塩酸、水、5%重炭酸ナトリウムおよび水で洗浄し、硫酸ナ
トリウムで脱水した。濾液の溶媒留去を行い、残留物についてヘキサン/酢酸エ
チル=8/2(体積基準)を溶離液とするシリカゲルでのクロマトグラフィーを
行った。N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha
−(N−シクロペンチル)−Gly−OMeを含む分画を集めて、溶媒留去した
。収量:17g。
Rf=0.57(シリカで、ヘキサン/酢酸エチル=7/3(体積基準)にて
)
(l)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha− (N−シクロペンチル)−Gly−OH
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−(N
−シクロペンチル)−Gly−OMe(17g)を、ジオキサン/水=1/1(
体積基準、150mL)および希水酸化ナトリウム中でケン化し、非晶質固体1
5gを得た。溶離液を塩化メチレン/メタノール=95/5(体積基準)とする
シリカゲルでのクロマトグラフィーによって、N−(t−ブチルオキシカルボニ
ルメチル)−N−Boc−D−Cha−(N−シクロペンチル)−Gly−OH
13gを得た。
Rf=0.30(シリカで、塩化メチレン/メタノール=9/1(体積基準)
にて)
(m)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha− (N−シクロペンチル)−Gly−β−Ala−(N−t−Boc)−グアニジ ン
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−(N
−シクロペンチル)−Gly−OH(310mg)を脱水ジメチルホルムアミド
(10mL)に溶かした。トリエチルアミン(168μL)を加えた後、反応混
合物を窒素下に置き、冷却して−15℃とした。次にクロロギ酸イソブチル(7
9μL)を加え、混合物を−15℃で15分間攪拌した。H−β−Ala−(N
−t−Boc)−グアニジン塩酸塩(154mg)を脱水ジメチルホルムアミド
(5mL)に溶かし、トリエチルアミンを加えることでpHを8.5に維持しな
がら上記の混成無水物溶液に滴下した。反応混合物を−15℃で1時間攪拌し、
次に0℃で1時間攪拌した。反応混合物の溶媒留去を行って乾固させた。残留物
を酢酸エチルに溶かし、水、ブラインの順で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、
減圧下に濃縮した。残留物についてシリカでのクロマトグラフィー精製を
行って(溶離液:塩化メチレン/メタノール=95/5体積%)、N−(t−ブ
チルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−(N−シクロペンチ
ル)−Gly−β−Ala−(N−t−Boc)−グアニジン(268mg)を
得た。
TLC:Rf=0.80、シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9/1体
積%
(n)HOOC−CH2−D−Cha−(N−シクロペンチル)−Gly−β− Ala−グアニジン
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−(N
−シクロペンチル)−Gly−β−Ala−(N−t−Boc)−グアニジン(
265mg)を、室温で90%トリフルオロ酢酸/水(10mL)にて2時間処
理した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を水に溶かし、分取HPLCスペ
ルコジルLC−18−DBカラムに直接入れ、20%A/80%Bから20%A
/20%B/60%Cの勾配溶離系(A:0.5Mリン酸緩衝液pH=2.1、
B:水、C:アセトニトリル/水=6/4)を用いて流量15mL/分で溶離し
た。HOOC−CH2−D−Cha−(N−シクロペンチル)−Gly−β−A
la−グアニジンの収量185mg。
Rf(LC):40分間で20%A/80%Bから20%A/20%B/60
%Cとして32.22分。実施例2 HOOC−CH2−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−(2−チアゾ リル)
(a)H−D−Cha−OMe・HCl
冷却した(−20℃)脱水メタノール(195mL)に、塩化チオニル(28
mL)を滴下した。H−D−Cha−OH・HCl(40g)を加え、反応混合
物を5時間加熱還流した。混合物を減圧下に濃縮し、メタノールとの共沸で溶媒
留去した(3回)。残留物をメタノール/ジエチルエーテルから結晶化させて、
H−D−Cha−OMe・HClを結晶粉末として得た(40.9g)。
TLC:Rf=0.66、シリカゲル、n−ブタノール/酢酸/水=10/1
/3体積%
(b)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−D−Cha−OMe
ブロモ酢酸t−ブチル(36g)をH−D−Cha−OMe・HCl(40.
9g)のアセトニトリル(400mL)溶液を
攪拌したものに加えた。ジイソプロピルエチルアミンで混合物のpHを8.5に
調節した。混合物を室温で16時間攪拌し、減圧下に溶媒留去した。残留物を塩
化メチレンに溶かし、溶液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶
媒留去した。溶離液をヘプタン/酢酸エチル=9/1(体積基準)とするシリカ
ゲルでのクロマトグラフィーによって、N−(t−ブチルオキシカルボニルメチ
ル)−D−Cha−OMe 64gを得た。
TLC:Rf=0.25、シリカゲル、酢酸エチル/ヘプタン=1/1体積%
(c)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha− OMe
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−D−Cha−OMe(64g)
およびジ−t−ブチルジカーボネート(40.3g)の溶液のpHを、ジイソプ
ロピルエチルアミンを用いて8.5に調節した。混合物を室温で16時間攪拌し
た。溶媒を減圧下に除去した。残留物に塩化メチレンおよび水を加えた。有機層
を分液し、冷1N塩酸、水、5%重炭酸ナトリウムおよび水で洗浄した。有機層
を硫酸ナトリウムで脱水し、濾液の溶
媒留去を行って、N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D
−Cha−OMeの非晶質固体を収量59.6gで得た。
TLC:Rf=0.50、シリカゲル、酢酸エチル/ヘプタン=1/1体積%
(d)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha− OH
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−OM
e(59.6g)のジオキサン:水=9:1(体積基準)(900mL)溶液を
、十分な6N水酸化ナトリウムで処理して、室温で6時間、pHを12に維持し
た。酸性とした後、混合物を水に投入し、塩化メチレンで抽出した。有機層を水
で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。濾液の溶媒留去を行い、N−(t−ブチ
ルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−OH 54gを得た。
TLC:Rf=0.60、シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9/1体
積%
(e)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha− Pro−OBzl
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−OH
(13.5g)のN,N−ジメチルホルムアミド(150mL)の冷(0℃)溶
液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(7.09g)、ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(7.61g)、H−Pro−OBzl・HCl(9.31g)お
よびトリエチルアミン(6mL)の順に加えた。混合物を0℃で1時間攪拌し、
室温として終夜経過させた。混合物を冷却して−20℃とし、ジシクロヘキシル
尿素を濾過によって除去した。濾液の溶媒留去を行って乾固させた。残留物を酢
酸エチルに溶かし、5%重炭酸ナトリウム、水、3%クエン酸およびブラインの
順で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物について、溶
離液をヘプタン/酢酸エチル=3/1(体積基準)とするシリカケルでのクロマ
トグラフィー精製を行った。N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−
Boc−D−Cha−Pro−OBzlを含む分画を集め、溶媒留去した。収量
:15g。
TLC:Rf=0.70、シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル=1/1体積%
(f)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha− Pro−OH
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−Pr
o−OBzl(15g)のメタノール(150mL)溶液に、10%パラジウム
炭素(750mg)を加えた。混合物を大気圧で室温にて1時間水素化した。パ
ラジウム触媒を濾去し、溶媒を減圧下に留去し、N−(t−ブチルオキシカルボ
ニルメチル)−N−Boc−D−Cha−Pro−OH11.2gを得た。
TLC:Rf=0.65、シリカゲル、酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水=2
13/20/6/11体積%
(g)Boc−Glu(OtBu)−NMeOMe
Boc−Glu(OtBu)−OH(15g)の塩化メチレン(150mL)
溶液に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(5.3g)および[2−
(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロ
ニウムテトラフルオロボレート](15.87g)を加え、トリエチルアミンを
加えることで、pHを8〜8.5に調節した。反応混合物を室温で16時間攪拌
した。混合物を冷0.3M塩酸溶液、
水、5%重炭酸ナトリウム水溶液および水の順で洗浄した。有機層を硫酸ナトリ
ウムで脱水し、濾過し、溶媒留去した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフ
ィーによって精製して(溶離液:塩化メチレン/メタノール=98/2体積%)
、Boc−Glu(OtBu)−NMeOMe(17.5g)を得た。
TLC:Rf=0.85、シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9/1体
積%
(h)Boc−Glu(OtBU−(2−チアゾリル)
n−ブチルリチウム(88.9mmol)のジエチルエーテル(90.7mL
)溶液を攪拌しながら冷却し(−78℃)、それに2−ブロモチアゾール(14
.6g)のジエチルエーテル(75mL)溶液を滴下した。溶液を−78℃で3
0分間攪拌した後、その溶液を、Boc−Glu(OtBu)−NMeOMe(
14g)の脱水テトラヒドロフラン(150mL)溶液に滴下した。混合物を−
78℃で1時間攪拌してから、混合物を氷冷5%クエン酸水溶液に投入した。混
合物を昇温させて室温とし、分液した。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた
有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾
過し、溶媒留去した。残留物をシリカでのク
ロマトグラフィーによって精製して(溶離液:塩化メチレン/酢酸エチル=9/
1体積%)、Boc−Glu(OtBu)−(2−チアゾリル)(6.83g)
を得た。
TLC:Rf=0.92、シリカゲル、塩化メチレン/酢酸エチル=7/3体
積%
(i)H−Glu−(2−チアゾリル)・TFA
Boc−Glu(OtBu)−(2−チアゾリル)(450mg)をトリフル
オロ酢酸(TFA)3mL、塩化メチレン1mLおよびアニソール150μLに
溶かし、室温で1時間攪拌した。溶媒留去後、粗アミンを定量的収率で黄色油状
物として単離し、直接N−Boc−N−(tert−ブチルオキシカルボニルメ
チル)−D−Cha−Pro−Glu−(2−チアゾリル)の製造に使用した。
TLC:Rf=0.10、シリカゲル、酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水=6
3/20/6/11体積%
(j)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha− Pro−Glu−(2−チアゾリル
N−Boc−N−(tert−ブチルオキシカルボニルメチル)−D−Cha
−Pro−OH(590mg)を脱水ジメチ
ルホルムアミド(15mL)に溶かした。ジイソプロピルエチルアミン(416
μL)を加えた後、反応混合物を窒素下に置き、冷却して−15℃とした。次に
クロロギ酸イソブチル(158μL)を加え、混合物を−15℃で15分間攪拌
した。H−Glu−(2−チアゾリル)・TFA(300mg)を脱水ジメチル
ホルムアミド(10mL)に溶かし、ジイソプロピルエチルアミンを加えてpH
を8.5に維持しながら冷混成無水物溶液に滴下した。反応混合物を−15℃で
30分間攪拌した。反応混合物を溶媒留去して乾固させた。残留物を酢酸エチル
に溶かし、水、5%重炭酸ナトリウム水溶液、水、ブラインの順で洗浄し、硫酸
ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物をシリカでのクロマトグラフィ
ーによって精製して(溶離液:塩化メチレン/メタノール=95/5体積%)、
N−Boc−N−(tert−ブチルオキシカルボニルメチル)−D−Cha−
Pro−Glu−(2−チアゾリル)(171mg)を得た。
TLC:Rf=0.50、シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9/1体
積%
(k)N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−S−メチルイソチオ尿素
S−メチルイソチオ尿素セミ硫酸塩(10g)を塩化メチレン(100mL)
に懸濁させた。懸濁液に、4N水酸化ナトリウム溶液(10mL)を攪拌下に加
えた。反応混合物を氷浴に入れ、2N水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを約1
1に維持しなから、ジ−tert−ブチルジカーボネート(15.7g)の塩化
メチレン(100mL)溶液を滴下した。滴下終了後、反応混合物を室温で終夜
攪拌した。塩化メチレン層を分液し、水層を塩化メチレンで2回抽出した。合わ
せた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下に溶媒留去
した。残留物について、シリカでのクロマトグラフィー精製(溶離液:ヘプタン
/酢酸エチル=4/1体積%)を行って、9.38gを得た。
TLC:Rf=0.75、シリカゲル、酢酸エチル/ヘプタン=3/1体積%
(l)N−(ベンジルオキシカルボニル)−N’−(tert−ブチルオキシカ ルボニル)−S−メチルイソチオ尿素
N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−S−メチルイ
ソチオ尿素(2g)を塩化メチレン(20mL)に溶かした。溶液に、4N水酸
化ナトリウム溶液(2mL)を攪拌しながら加えた。反応混合物を氷浴に入れ、
2N水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを約11に維持しながら、N−(ベンジ
ルオキシ−カルボニルオキシ)コハク酸イミド(2.62g)の塩化メチレン(
20mL)溶液を滴下した。滴下終了後、反応混合物を室温で終夜攪拌した。塩
化メチレン層を分液し、水層を塩化メチレンで2回洗浄した。合わせた有機層を
水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下に溶媒留去した。残留物
について、シリカでのクロマトグラフィー精製(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル
=3/2体積%)を行って、3.15gを得た。
TLC:Rf=0.78、シリカゲル、酢酸エチル/ヘプタン=1/1体積%
(m)N−(Cbz)−N’−(t−Boc)−グアニジン
N−(ベンジルオキシカルボニル)−N’−(tert−ブチルオキシカルボ
ニル)−S−メチルイソチオ尿素(3.15g)をメタノール性アンモニア(2
.4M、50mL)に溶かした。反応混合物を室温で終夜攪拌した。混合物を減
圧下に溶
媒留去し、得られた残留物をシリカでのクロマトグラフィーによって精製して(
溶離液:塩化メチレン/メタノール=95/5体積%)、1.83gを得た。
TLC:Rf=0.80、シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9/1体
積%
(n)N−(t−Boc)−グアニジン塩酸塩
N−(Cbz)−N’−(t−Boc)−グアニジン(1.8g)のメタノー
ル(50mL)溶液に、10%パラジウム炭素(250mg)および2N塩酸溶
液3.12mLを加えた。混合物を大気圧で室温にて1時間水素化した。パラジ
ウム触媒を濾去し、溶媒を減圧下に留去して、N−(t−Boc)−グアニジン
塩酸塩を定量的に得た。
TLC:Rf=0.10、シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9/1体
積%
(o)N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha− Pro−Glu((N−t−Boc)−グアニジン)−(2−チアゾリル)
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−Pr
o−Glu−(2−チアゾリル)(170
mg)の塩化メチレン(5mL)溶液を冷却し(0℃)、それにジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(123mg)、N−(t−Boc)−グアニジンHCl(7
5mg)およびトリエチルアミン(53μL)をその順に加えた。混合物を0℃
で1時間攪拌し、室温に維持してさらに1時間経過させた。混合物を冷却して−
20℃とし、ジシクロヘキシル尿素を濾去した。濾液の溶媒留去を行って乾固さ
せた。残留物について、溶離液を塩化メチレン/メタノール=95/5(体積%
)とするシリカゲルでのクロマトグラフィー精製を行った。N−(t−ブチルオ
キシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−Pro−Glu((N−t
−Boc)−グアニジン)−(2−チアゾリル)を含む分画を集め、溶媒留去し
た。収量:173mg。
TLC:Rf=0.50、シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9/1体
積%
(p)HOOC−CH2−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−(2− チアゾリル)
N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−N−Boc−D−Cha−Pr
o−Glu((N−t−Boc)−グアニジン)−(2−チアゾリル)を室温で
2.5時間にわたって、
90%トリフルオロ酢酸/水(10mL)で処理した。反応混合物を減圧下に濃
縮し、残留物を水に溶かし、流量50mL/分で40分間かけて20%A/80%
Bから20%A/45%B/35%Cとする勾配溶離系を用いる分取HPLCデ
ルタパック(DeltaPak)RP−C18に直接負荷した(A:0.5Mリン酸緩衝液
pH2.1、B:水、C:アセトニトリル/水=6/4)。収量:HOOC−C
H2−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−(2−チアゾリル)22m
g
Rt(LC):35.04分、40分間でA20%/B80%/C0%からA
20%/B20%/C60%。実施例3 (4aR,8aR)−ペルヒドロイソキノリン−1(R,S)−カルボニル−P ro−Glu(グアニジン)−(2−チアゾリル)
(a)2−Cbz−(4aR,8aR)−ペルヒドロイソキノリン−1(R,S )−カルボン酸
EP 0643073号実施例1に記載の方法に従って、2−Cbz−(4a
R,8aR)−ペルヒドロイソキノリン−1(R,S)−カルボン酸を合成した
。
TLC:Rf=0.85、シリカにて酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水=63
/20/6/11
(b)2−Cbz−(4aR,8aR)−ペルヒドロイソキノリン−1(R,S )−カルボニル−Pro−OtBu
2−Cbz−(4aR,8aR)−ペルヒドロイソキノリン−1(R,S)−
カルボン酸(500mg)のジメチルホルムアミド(5mL)溶液を冷却し(0
℃)、それにDCCI(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、342mg
)、HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、319mg)、H−
Pro−OtBu(270mg)およびトリエチルアミン(0.55mL)をそ
の順で加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、終夜室温に維持した。反応混
合物を冷却して−20℃とし、DCU(1,3−ジシクロヘキシル尿素)を濾去
した。濾液を減圧下に濃縮し、酢酸エチルに溶かした。この溶液を5%重炭酸ナ
トリウム水溶液、3%クエン酸水溶液、水およびブラインの順で洗浄し、硫酸ナ
トリウムで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物をシリカでのクロマトグラフィー
によって精製して(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=4/1体積%)、2−Cb
z−(4aR,8aR)−ペルヒドロイソキノリン−1(R,
S)−カルボニル−Pro−OtBu(634mg)を得た。
TLC:Rf=0.90、シリカにて酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水=63
/20/6/11
(c)2−Cbz−(4aR,8aR)−ペルヒドロイソキノリン−1(R,S )−カルボニル−Pro−OH
2−Cbz−(4aR,8aR)−ペルヒドロイソキノリン−1(R,S)−
カルボニル−Pro−O−t−ブチルエステル(600mg)を、塩化メチレン
(1mL)、トリフルオロ酢酸(3mL)、アニソール(0.15mL)の混合
液中で、室温にて1時間攪拌した。反応混合物を低温で減圧下に濃縮し、残留物
をpH9.5の水に溶かした。水相をジエチルエーテルで洗浄し、次に水層を2
M塩酸溶液によってpH2.5の酸性とした。水層を酢酸エチルで抽出し、有機
相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して、2−Cb
z−(4aR,8aR)−ペルヒドロイソキノリン−1(R,S)−カルボニル
−Pro−OH(588mg)を得た。
TLC:Rf=0.54、シリカにて酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水=60
/3/1/2
(d)(4aR,8aR)−ペルヒドロイソキノリン−1(RS)−カルボニル −Pro−Glu−(2−チアゾリル)
2−Cbz−(4aR,8aR)−ペルヒドロイソキノリン−1(R,S)−
カルボニル−Pro−OHとH−Glu−(2−チアゾリル)・TFAとの間の
混成無水物カップリング、グアニジン化、脱保護および精製を、実施例2に記載
の手順に従って行った。収量:64.7mg。
Rt(LC):28.93分、40分間でA20%/B80%からA20%/
B20%/C60%。実施例4 EtSO2−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−(2−チアゾリル)
(a)Boc−D−Cha−Pro−OPAc
Boc−D−Cha−OHおよびH−Pro−OPAcを用いて、実施例1に
記載の方法と同様にしてBoc−D−Cha−Pro−OPAcを製造した。
TLC:Rf=0.5、シリカにて塩化メチレン/メタノール=95/5
(b)エチルSO2−D−Cha−Pro−OPAc
Boc−D−Cha−Pro−OPAc(3.8g)を50%TFA/塩化メ
チレン(25mL)に溶かし、室温で30分間攪拌した。反応混合物を減圧下に
溶媒留去した。粗アミンを塩化メチレン(50mL)に溶かし、エタンスルホニ
ルクロライド(0.8mL)を−78℃で加えた。反応中、トリエチルアミンを
加えてpH8に維持した。混合物を0℃で3時間攪拌し、次に水(25mL)を
加えた。室温でさらに30分間攪拌後、反応混合物を減圧下に濃縮した。残留物
をジエチルエーテルに溶かし、1N塩酸溶液、水、5%重炭酸ナトリウム溶液お
よびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下に溶媒留去し
た。粗取得物をメタノールで磨砕して、エチルSO2−D−Cha−Pro−O
PAc(3.0g)を得た。
TLC:Rf=0.6、シリカにて塩化メチレン/メタノール=95/5
(c)エチルSO2−D−Cha−Pro−OH
エチルSO2−D−Cha−Pro−OPAc(10g)のテトラヒドロフラ
ン(250mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオライドの1Mテトラ
ヒドロフラン(84mL)溶液を加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌し、
水(1リ
ットル)に投入した。水溶液を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を1N塩
酸溶液および水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮した。残
留物を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルからの結晶化によって精製して、エ
チルSO2−D−Cha−Pro−OH(6.0g)を得た。
TLC:Rf=0.2、シリカにて酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水=163
/20/6/11
(d)EtSO2−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−(2−チアゾ リル)
エチルSO2−D−Cha−Pro−OHとH−Glu−(2−チアゾリル)
・TFAとの間の混成無水物カップリング、グアニジン化、脱保護および精製を
、実施例2に記載の手順に従って行った。収量:83mg。
Rt(LC):28.33分、30分間でA20%/B60%/C20%から
A20%/B80%。実施例5 N−Ac−D−Phe−2−Nal−Glu(グアニジン)−(2−チアゾリル )
N−Ac−D−Phe−OHおよびH−2−Nal−OMe
を用い、実施例2に記載の方法と類似の方法によってN−Ac−D−Phe−2
−Nal−OMeを製造した。
(a)N−Ac−D−Phe−2−Nal−OH
N−Ac−D−Phe−2−Nal−OMe(1.55g)のジオキサン/水
=9/1(体積基準)(20mL)溶液を、十分な量の6N水酸化ナトリウムで
処理して、室温で1時間にわたってpHを12に維持した。酸性とした後、混合
物を水に投入し、塩化メチレンで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで脱水した。濾液の溶媒留去を行って、粗N−Ac−D−Phe−2−Nal
−OH 1.7gを得た。
TLC:Rf=0.50、シリカゲル、酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水=6
3/20/6/11体積%
(b)N−Ac−D−Phe−2−Nal−Glu(グアニジン)−(2−チア ゾリル)
N−Ac−D−Phe−2−Nal−OHとH−Glu−(2−チアゾリル)
・TFAとの間の混成無水物カップリング、グアニジン化、脱保護および精製を
、実施例2に記載の手順に従って行った。収量:218mg。
Rt(LC):29.97分、30分間でA20%/B60%
/C20%からA20%/B80%。実施例6 N−Me−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−(2−チアゾリル)
Boc−(N−Me)−D−Cha−OHおよびH−Pro−OBzlを用い
、実施例2に記載の方法と類似の方法によってBoc−(N−Me)−D−Ch
a−Pro−OHを製造した。H−(N−Me)−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−(2−チアゾ リル)
Boc−(N−Me)−D−Cha−Pro−OHとH−Glu−(2−チア
ゾリル)・TFAとの間の混成無水物カップリング、グアニジン化、脱保護およ
び精製を、実施例2に記載の手順に従って行った。収量:85mg。
Rt(LC):32.27分、40分間でA20%/B80%からA20%/
B20%/C60%。実施例7 N−Ac−D−Phe−Phe−Glu(グアニジン)−(2−チアゾリル)
実施例5に記載の方法と類似の手順で標題化合物を得た。収量:112mg。
Rt(LC):42.97分、40分間でA20%/B80%からA20%/
B20%/C60%。実施例8 N−Me−D−Phe−Pro−Glu(グアニジン)−(2−チアゾリル)
Boc−(N−Me)−D−Cha−OHおよびH−Pro−OMeを用い、
実施例2に記載の方法と類似の方法によってBoc−(N−Me)−D−Phe
−Pro−OMeを製造した。
Boc−(N−Me)−D−Phe−Pro−OMeを用いて実施例5mに記
載の方法と類似の方法で、Boc−(N−Me)−D−Phe−Pro−OHを
得た。
Rt(Lc):28.0分、40分間でA20%/B80%からA20%/B
20%/C60%。H−(N−Me)−D−Phe−Pro−Glu(グアニジン−(2−チアゾリ ル)
Boc−(N−Me)−D−Phe−Pro−OHとH−
Glu−(2−チアゾリル)・TFAとの間の混成無水物カップリング、グアニ
ジン化、脱保護および精製を、実施例2に記載の手順に従って行った。収量:7
9.3mg。
Rt(LC):28.28分、40分間でA20%/B80%からA20%/
B20%/C60%。実施例9 BzlSO2−norLeu(シクロ)−Gly−Glu(グアニジン)−(2 −チアゾリル)
norLeu(シクロ)−Glyとは、下記式の構造部分を意味する。
(a)Boc−norLeu(シクロ)−OH
L−α−アミノ−ε−カプロラクタム(10g)のジオキサン/水(2/1体
積基準)(30mL)溶液を攪拌しながら、それに1N水酸化ナトリウム溶液(
7.8mL)と次にジ−t−ブチルカーボネート(18.8g)を加えた。混合
物を室温で16時間攪拌し、減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチルに
溶かし、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下
に溶媒留去した。粗取得物をヘキサンで磨砕し、濾過し、減圧下に乾燥して、B
oc−norLeu(シクロ)−OH(16g)を得た。
TLC:Rf=0.85、シリカでの酢酸エチル/ヘプタン=1/1
(b)Boc−norLeu(シクロ)−Gly−OMe
Boc−norLeu(シクロ)−OH(10g)を塩化メチレン(100m
L)に溶かした。−20℃で、ビス(トリメチルシリル)アミドの1M THF
/シクロヘキサン(1/1体積基準)溶液(1当量)をゆっくり加え、混合物を
30分間攪拌した。次にブロモ酢酸メチル(4mL)を加え、混合物を室温で2
時間攪拌した。追加のビス(トリメチルシリル)アミドのTHF/シクロヘキサ
ン(1/1体積基準)溶液を加えて、反応を完結させた。混合物を塩化メチレン
で希釈し、0.1N塩酸、水、5%重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗
浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下に溶媒留去した。残留物をシリ
カでのクロマトグラフィーによって精製して(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル=
6/4体積%)、Boc−nor
Leu(シクロ)−Gly−OMe(12g)を得た。
TLC:Rf=0.55、シリカでの酢酸エチル/ヘプタン=6/4
(c)BzlSO2−norLeu(シクロ)−Gly−OMe
Boc−norLeu(シクロ)−Gly−OMe(3g)を50%TFA/
塩化メチレン(35mL)に溶かし、室温で1時間攪拌した。反応混合物を減圧
下に溶媒留去した。粗アミンを塩化メチレン(25mL)に溶かし、ベンジルス
ルホニルクロライド(2.25g)の塩化メチレン(10mL)溶液を0℃でゆ
っくり加えた。反応中、トリエチルアミンを加えてpH8に維持した。混合物を
室温で1時間攪拌し、次に混合物を減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶
かし、5%重炭酸ナトリウム溶液、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム
で脱水し、濾過し、減圧下に溶媒留去した。残留物をシリカでのクロマトグラフ
ィーによって精製して(溶離液:塩化メチレン/酢酸エチル=95/5体積%)
、BzlSO2−norLeu(シクロ)−Gly−OMe(3.9g)を得た
。
TLC:Rf=0.40、シリカにて塩化メチレン/酢酸エチル=9/1
(d)BzlSO2−norLeu(シクロ)−Gly−OH
BzlSO2−norLeu(シクロ)−Gly−OMe(3.9g)のジオ
キサン/水=9/1(100mL)溶液に、十分な量の1N水酸化ナトリウムを
加えて、室温で2時間、pHを13に維持した。酸性とした後、混合物を水に投
入し、塩化メチレンで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し
た。濾液の溶媒留去を行って、標題化合物3.6gを得た。
TLC:Rf=0.60、シリカにて酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水=63
/20/6/11
(e)BzlSO2−norLeu(シクロ)−Gly−Glu(グアニジン) −(2−チアゾリル)
BzlSO2−norLeu(シクロ)−Gly−OHとH−Glu−(2−
チアゾリル)・TFAとの間の混成無水物カップリング、グアニジン化、脱保護
および精製を、実施例2に記載の手順に従って行った。収量:34.6mg。
Rt(LC):21.42分、30分間でA20%/B60%/C20%から
A20%/C80%。実施例10 カイザー(Kaiser)オキシム樹脂でのアシルグアニジン類の製
造
カイザーオキシム樹脂4.0g(NovaBiochem、1.10mmol/g)の塩
化メチレン/ジメチルホルムアミド(3:2体積基準)(80mL)懸濁液に、
Boc−β−Ala−OH(3.3g、17.6mmol)、N−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール(3.0g、22.0mmol)およびN,N−ジイソプロピ
ルカルボジイミド(3.4mL、22.0mmol)を加えた。懸濁液を室温で
16時間振盪した。樹脂を濾去し、塩化メチレン/ジメチルホルムアミド(3:
2体積基準)、ジメチルホルムアミド、2−プロパノールおよび塩化メチレン(
各3回)で洗浄した。樹脂を室温で30分間、無水酢酸/ジイソプロピルエチル
アミン/N−メチルピロリドン(3:1:12体積基準)80mLで処理するこ
とで、未反応のオキシム基をキャッピングした。反応混合物を濾過によって除去
し、樹脂をN−メチルピロリドン、2−プロパノール/塩化メチレン(1:3体
積基準)および塩化メチレンで洗浄した(各3回)。得られた誘導体化樹脂(4
.96g)を減圧下に乾燥した。
樹脂の一部(50mg)を24個のリアクタの有機合成ロボットに移し入れた
。樹脂を塩化メチレン/ジメチルホルムアミド(3:2体積基準)および塩化メ
チレンで洗浄することで(2回)膨潤させた。
i)Boc基の脱保護
樹脂を25%トリフルオロ酢酸の塩化メチレン溶液1mLで前処理し、次に時
々窒素を吹き込みながら、25%トリフルオロ酢酸2mLと30分間反応させた
。樹脂を塩化メチレン、2−プロパノールおよび塩化メチレンで洗浄した(各2
回)。
ii)第1の構造ブロック(A)のカップリング
樹脂を塩化メチレン/ジメチルホルムアミド(3:2体積基準)で洗浄するこ
とで膨潤させた。樹脂に、構造ブロックA(Boc−Pro−OH、Boc−(
N−メチル)−Gly−OH、Boc−Gly−OHまたはBoc−Phe−O
H)の0.2M塩化メチレン/(3:2体積基準)溶液1mL、TBTUの0.
44Mジメチルホルムアミド溶液0.5mL、ジイソプロピルエチルアミンの0
.44M塩化メチレン溶液0.5mLを加えた。時々窒素を吹き込みながら、樹
脂を室温で60分間インキュベーションした。溶媒除去後、樹脂を塩化メチレ
ン/ジメチルホルムアミド(3:2体積基準)、ジメチルホルムアミド、2−プ
ロパノールおよび塩化メチレンで洗浄した(各2回)。
iii)Boc基の脱保護
構造ブロックAのBoc基をi)に記載の手順によって脱離させた。
iv)第2の構造ブロック(B)のカップリング
構造ブロックB(Boc−D−Cha−OHまたはBoc−D−Phe−OH
)の0.2M塩化メチレン/ジメチルホルムアミド(3:2体積基準)溶液を用
いて、第2の構造ブロックBをiii)に記載の方法と同じ手順を用いてカップ
リングさせた。
v)Boc基の脱保護
トリフルオロ酢酸による前処理段階以外はi)に記載の手順を行って、構造ブ
ロックBのBoc基を脱離させた。
vi)第3の構造ブロック(C)のカップリング
樹脂を塩化メチレン/ジメチルホルムアミド(3:2体積基準)で洗浄し、次
にジイソプロピルエチルアミンの0.11M塩化メチレン/ジメチルホルムアミ
ド(3:2体積基準)溶液
2mLで2回洗浄した。樹脂に塩化メチレン/ジメチルホルムアミド(3:2体
積基準)1mL、スルホニルクロライドC(フェニルスルホニルクロライド、4
−クロロフェニルスルホニルクロライドまたは7−メトキシナフチルスルホニル
クロライド)の0.44M塩化メチレン/ジメチルホルムアミド(3:2体積基
準)溶液0.5mLおよびジイソプロピルエチルアミンの0.44M塩化メチレ
ン溶液0.5mLを加えた。時々窒素を吹き込みながら、樹脂を室温で60分間
反応させた。反応混合物除去後、樹脂を塩化メチレン/ジメチルホルムアミド(
3:2体積基準)、ジメチルホルムアミド、2−プロパノールおよび塩化メチレ
ンで洗浄した(各2回)。
vii)樹脂からの生成物の開裂
樹脂をジメチルホルムアミドで2回洗浄してから、グアニジンHCLの0.2
Mジメチルホルムアミド溶液1.8mLおよびジイソプロピルエチルアミン0.
2mLを加えた。時々窒素気流を吹き込みながら、樹脂を室温で64時間インキ
ュベーションした。樹脂を濾去し、濾液をガラス製試験管に回収した。樹脂をジ
メチルホルムアミドで2回洗浄した。集めた濾液の溶媒留去を行って乾固させた
。特性決定
全ての化合物について、以下の条件を用いて、スペルコジルLC−18−DB
(4.6mm×25cm)カラムでの逆相液体クロマトグラフィーによる特性決
定を行った。流量:1.0mL/分;緩衝液A:水、B:アセトニトリル/水(
9:1体積基準)、C:0.5Mリン酸緩衝液pH=2.1;勾配1:0〜30
分間で55%A−25%B−20%C→15%A−65%B−20%C。210
nmでUV検出。保持時間を分単位で表Iに示してある。
さらに、全ての化合物を、電子噴霧(electrospray)イオン化質量スペクトル
測定によって分析した。表Iには、正モードで検出したM+H値を示してある。
いずれの化合物の場合も、認められた質量は予想値と一致している。
表I:カイザーオキシム樹脂で製造したアシルグアニジン類の特性決定(逆相H
PLCでの保持時間および電子噴霧質量スペクトル測定でのM+Hピーク)
実施例11
さらに、本発明の方法を用いて以下の化合物を製造することができる。
−HOOC−CH2−D−Cha−(1−アミノシクロヘキシルカルボキシ)
−β−Ala−グアニジン;
−(HOOC−CH2)2−D−Cha−Pro−β−Ala−グアニジン;
−HOOC−CH2−N−Me−D−Cha−Pro−β−Ala−グアニジ
ン;
−HOOC−CH2−N−アリル−D−Cha−Pro−β−Ala−グアニ
ジン;
−HOOC−CH2−N−プロパルギル−D−Cha−Pro−β−Ala−
グアニジン;
−HOOC−CH2−N−ベンジル−D−Cha−Pro−β−Ala−グア
ニジン;
−HOOC−CH2−N−シクロプロピル−D−Cha−Pro−β−Ala
−グアニジン;
−HOOC−CH2−N−シクロブチル−D−Cha−Pro−β−Ala−
グアニジン;
−HOOC−CH2−N−シクロペンチル−D−Cha−Pro−β−Ala
−グアニジン;
−HOOC−CH2−N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−β−Ala
−グアニジン;
−2−プロピル−ペンタノイル−Asp(OMe)−Pro
−β−Ala−グアニジン;
−2−プロピル−ペンタノイル−Asp−Pro−β−Ala−グアニジン;
−エチルSO2−D−Cha−Pro−β−Ala−グアニジン;
−エチルSO2−D−Phe−Pro−β−Ala−グアニジン;
−[2−(BzlSO2−NH)−ピリジニル−1−CH2−CO]−β−Al
a−グアニジン;
−[3−(BzlSO2−NH)−ピリジン−2−オン−1−CH2−CO]−
β−Ala−グアニジン;
−BzlSO2−norLeu(シクロ)−Gly−β−Ala−グアニジン
;
−N−Me−D−Phe−Pro−Glu(グアニジン)−COOH;
−N−Me−D−Phe−Pro−Glu(グアニジン)−(2−オキサゾリ
ル);
−N−Me−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−COOH;
−N−Me−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−(2−チアゾリル)
;
−N−Me−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−(2−オキサゾリ
ル);
−HOOC−CH2−D−Phe−Pro−Glu(グアニジン)−COOH
;
−HOOC−CH2−D−Phe−Pro−Glu(グアニジン)−(2−チ
アゾリル);
−HOOC−CH2−D−Phe−Pro−Glu(グアニジン)−(2−オ
キサゾリル);
−HOOC−CH2−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−COOH
;
−HOOC−CH2−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−(2−オ
キサゾリル);
−エチルSO2−D−Phe−Pro−Glu(グアニジン)−COOH;
−エチルSO2−D−Phe−Pro−Glu(グアニジン)−(2−チアゾ
リル);
−エチルSO2−D−Phe−Pro−Glu(グアニジン)
−(2−オキサゾリル);
−エチルSO2−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−COOH;
−エチルSO2−D−Cha−Pro−Glu(グアニジン)−(2−オキサ
ゾリル);
−1−Piq−Pro−Glu(グアニジン)−COOH;
−1−Piq−Pro−Glu(グアニジン)−(2−オキサゾリル);
−HOOC−CH2−D−Cha−(N−シクロペンチル)−Gly−Glu
(グアニジン)−(2−チアゾリル);
−N−Me−D−Phe−(N−シクロペンチル)−Gly−Glu(グアニ
ジン)−(2−チアゾリル);
−2−プロピル−ペンタノイル−Asp(OMe)−Pro−Glu(グアニ
ジン)−(2−チアゾリル);
−2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシル−プロピオニル−Pro−Glu(グ
アニジン)−(2−チアゾリル);
−1−Piq−(N−シクロペンチル)−Gly−Glu(グアニジン)−(
2−チアゾリル);
−ジフェニルプロピオニル−Pro−Glu(グアニジン)
−(2−チアゾリル);
−下記の残基
が−Glu(グアニジン)−COOH、−Glu(グアニジン)−(2−チアゾ
リル)または−Glu(グアニジン)−(2−オキサゾリル)にカップリングし
ている化合物;
−9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシル−Pro−β−Ala−グ
アニジン;
−9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシル−(N−シクロペンチル)
−Gly−β−Ala−グアニジン;
−9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシル−アゼチジン−2−カルボ
キシル−β−Ala−グアニジン実施例12 抗トロンビンアッセイ
トロンビン(第IIa因子)は、凝血カスケードにおける因子である。
トロンビンによって行われる色素原基質s−2238の加水
分解の速度を分光測光法的に測定することで、本発明の化合物の抗トロンビン活
性を評価した。この緩衝系での抗トロンビン活性評価を用いて、被験化合物のI
C50値を評価した。
試験媒体:トロメタミン−NaCl−ポリエチレングリコール6000(TN
P)緩衝液。基準化合物:12581(Kabi)。媒体:TNP緩衝液。最終反応
混合物中2.5%以下の濃度で有害効果を起こさないジメチルスルホキシド、メ
タノール、エタノール、アセトニトリルまたはtert−ブチルアルコールによ
って可溶化を促進することができる。方法 試薬*
1.トロメタミン−NaCl(TN)緩衝液。緩衝液の組成:トロメタミン(
トリス)6.057g(50mmol)、NaCl 5.844g(100mm
ol)、水(1リットルまでの残量)。溶液のpHを、37℃でHCl(10m
mol/L)によって7.4に調節する。
2.TNP緩衝液:ポリエチレングリコール6000をTN緩衝液に溶かして
、濃度3g/Lとする。
3.S−2238溶液:S−2238 1瓶(25mg;Kabi
Diagnostica、スウェーデン)をTN緩衝液20mLに溶かして、濃度1.25
mg/mL(2mmol/L)とする。
4.トロンビン溶液:ヒトトロンビン(16000 nKat/瓶;Centraal
Laboratorium voor Bloedtransfusie、アムステルダム、オランダ)をTNP緩
衝液に溶かして、835 nKat/mLのストック液を得る。使用直前にこの
溶液をTNP緩衝液で希釈して、濃度3.34 nKat/mLとする。
−*使用する成分はいずれも分析用である。
−水溶液には、超純水(Milli-Qの品質)を使用する。被験化合物溶液および基準化合物溶液の調製
被験化合物および基準化合物をMilli−Q水に溶かして、10-2mol/
Lのストック濃厚液を得る。各濃厚液を媒体で段階的に希釈して、濃度10-3、
10-4および10-5mol/Lとする。ストック液を含む希釈液をアッセイに用
いる(反応混合物の最終濃度:それぞれ、3×10-3;10-3;3×10-4;1
0-4;3×10-5;10-5;3×10-6および10-6mol/L)手順
室温で、被験化合物もしくは基準化合物の溶液または媒体
0.075mLおよび0.025mLを交互に微量定量プレートのウェルにピペ
ットで入れ、それらの溶液をそれぞれTNP緩衝液0.115mLおよび0.0
165mLで希釈する。各ウェルにS−2238溶液0.030mLずつを加え
、プレートを37℃で10分間、インキュベータ(Amersham)で振盪して予熱お
よび前インキュベーションする。前インキュベーション後、各ウェルにトロンビ
ン溶液0.030mLを加えることによってS−2238の加水分解を開始する
。プレートを37℃でインキュベーションする(30秒間振盪して)。インキュ
ベーション開始1分後から始めて、動力学的微量定量プレート読取器(Twinread
er plus, Flow Laboratories)を用いて、405nmでの各サンプルの吸光度を
2分ごとに90分間測定する。
全データを、LOTUS−MEASUREを用いてIBM製パーソナルコンピ
ュータに収集する。各化合物について濃度(mol/L反応混合物で表す)およ
びブランクについて吸光度を、反応時間(分単位)に対してプロットする。反応の数値化
各最終濃度について、最大吸光度をアッセイプロットから計
算した。ハフナーらによるロジット変換解析(Hafner et al.,Arzneim-Forsch./
Drug Res.1977,27(II):1871-3)を用いて、IC50値(ブランクの最大吸光度
の50%阻害を起こす、μmol/Lで表した最終濃度)を計算した。
以下の表には、本発明の化合物のIC50値を挙げてある。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1998年2月24日(1998.2.24)
【補正内容】
請求の範囲
1.下記式Iの構造を有する化合物、あるいは該化合物のプロドラッグまたは該
化合物の医薬的に許容される塩。
[式中、AはH、置換されていても良いD,L−α−ヒドロキシアセチル、R1
、R1−O−C(O)−、R1−C(O)−、R1−SO2−、R2OOC−(CH
R2)m−SO2−、R2OOC−(CHR2)m−、H2NCO−(CHR2)m−ま
たはN−保護基であり;R1は、(1〜12C)アルキル、(2〜12C)アル
ケニル、(2〜12C)アルキニルおよび(3〜8C)シクロアルキルから(そ
れらの基は、(3〜8C)シクロアルキル、(1〜6C)アルコキシ、オキソ、
OH、COOH、CF3またはハロゲンで置換されていても良い)、ならびに(
6〜14C)アリール、(7〜15C)アラルキルおよび
(8〜16)アラルケニルから(これらにおいてアリール基は(1〜6C)アル
キル、(3〜8C)シクロアルキル、(1〜6C)アルコキシ、OH、COOH
、CF3またはハロゲンで置換されていても良い)選択され;各基R2は独立にH
であるかまたはR1と同じ意味を持ち;mは1、2または3であり;
Bは結合、式−NH−CH[(CH2)pC(O)OH]−C(O)−のアミノ
酸またはそれのエステル誘導体(pは0、1、2もしくは3である)、−N((
1〜12C)アルキル)−CH2−CO−、−N((2〜12C)アルケニル)
−CH2−CO−、−N((2〜12C)アルキニル)−CH2−CO−、−N(
ベンジル)−CH2−CO−、D−1−Tiq、D−3−Tiq、D−Atc、
Aic、D−1−Piq、D−3−Piqまたは疎水性、塩基性もしくは中性側
鎖を有するL−もしくはD−アミノ酸(該アミノ酸はN−(1〜6C)アルキル
置換されていても良い)であり;
あるいはAとBが一体となって、残基R3R4N−CHR5−C(O)−であり
;R3およびR4は独立に、R1、R1−O−C(O)−、R1−C(O)−、R1−
SO2−、R2OOC−(CHR2)m−SO2−、R2OOC−(CHR2)m−、H2
NCO−(CHR2)m−またはN−保護基であるか、あるいはR3およびR4の一
方がR5と結合して、それらが結合している「N−C」とともに5員環または6
員環を形成しており、該環は脂肪族もしくは芳香族の6員環と縮合していても良
く;R5は疎水性、塩基性もしくは中性の側鎖であり;
Xは、1以上の(3〜8C)シクロアルキル基または(6〜14C)アリール
基で置換されていても良い(1〜12C)アルキルである疎水性側鎖を有するL
−アミノ酸であって、該疎水性側鎖は、ハロゲン、トリフルオロメチル、低級ア
ルキル、低級アルコキシ、フェニルオキシ、ベンジルオキシなどの置換基で置換
されていても良いか;あるいはXは、セリン、トレオニン、N,OもしくはSか
ら選択される別のヘテロ原子を有しても良くかつ(1〜6C)アルキル、(1〜
6C)アルコキシ、ベンジルオキシもしくはオキソで置換されていても良い環状
アミノ酸であるか;あるいはXは−NR2−CH2−C(O)−または下記式の部
分であり;
(式中nは2、3または4であり、WはCHまたはNである);
QはHまたは−C(O)Yであり;YはH、−CHF2、−CF3、−CO−N
H−(1〜6C)アルキレン−C6H5、−COOR6であり;R6はHもしくは(
1〜6C)アルキル、−CONR7R8であり;R7およびR8は独立にHもしくは
(1〜6C)アルキルであるか;あるいはR7とR8が一体となって(3〜6C)
アルキレンを形成しており;あるいはYは2−チアゾール、2−チアゾリン、2
−ベンゾチアゾール、2−オキサゾール、2−オキサゾリンおよび2−ベンゾオ
キサゾールから選択される複素環であり、該複素環は(1〜6C)アルキル、(
1〜6C)アルコキシもしくはオキソによって置換されていても良く;
ZはHまたは(1〜6C)アルキルであり;
Qが−C(O)Yの場合rは0もしくは1であり、QがHの場合rは0、1、
2、3もしくは4である。]
2.Xが疎水性側鎖を有するL−アミノ酸、セリン、トレオニンまたは−NR2
−CH2−C(O)−であり、ZがHまたはメチルである請求項1に記載の化合
物。
3.Aが請求項1で定義したものであり;Bが結合、式−NH
−CH[(CH2)pC(O)OH]−C(O)−のアミノ酸またはそれのエステ
ル誘導体(pは0、1、2もしくは3である)、−N((1〜6C)アルキル)
−CH2−CO−、−N((2〜6C)アルケニル)−CH2−CO−、−N(ベ
ンジル)−CH2−CO−、D−1−Tiq、D−3−Tiq、D−Atc、A
ic、D−1−Piq、D−3−Piqまたは疎水性側鎖を有するD−アミノ酸
(該アミノ酸はN−(1〜6C)アルキル置換されていても良い)であり;
あるいはAとBが一体となって、残基R3R4N−CHR5−C(O)−であり
;
XがN,OもしくはSから選択される別のヘテロ原子を有しても良くかつ(1
〜6C)アルキル、(1〜6C)アルコキシ、ベンジルオキシもしくはオキソで
置換されていても良い環状アミノ酸であるか;あるいはXが−NR2−CH2−C
(O)−または下記式の部分であり;ZがHまたはメチルである請求項1に記載の化合物。
4.AがH、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシル−プロピオニル、9−ヒドロ
キシ−フルオレン−9−カルボキシル、R1、R1−SO2−、R2OOC−(CH
R2)m−SO2−、R2OOC−(CHR2)m−、H2NCO−(CHR2)m−ま
たはN−保護基であり;R1が、(1〜12C)アルキル、(2〜12C)アル
ケニル、(6〜14C)アリール、(7〜15C)アラルキルおよび(8〜16
)アラルケニルから選択され;各基R2が独立にHであるかまたはR1と同じ意味
を持ち;
Bが結合、D−1−Tiq、D−3−Tiq、D−Atc、Aic、D−1−
Piq、D−3−Piqまたは疎水性側鎖を有するD−アミノ酸(該アミノ酸は
N−(1〜6C)アルキル置換されていても良い)であり;あるいはAとBが一
体となって、残基R3R4N−CHR5−C(O)−であり;
Yが−CO−NH−(1〜6C)アルキレン−C6H5、−COOR6、−CO
NR7R8であるか、あるいはYが2−チアゾール、2−チアゾリン、2−ベンゾ
チアゾール、2−オキサゾール、2−オキサゾリンおよび2−ベンゾオキサゾー
ルから選択される複素環である請求項3に記載の化合物。
5.AがR1−SO2−、R2OOC−(CHR2)m−であり;
Bが結合、D−1−Tiq、D−3−Tiq、D−Atc、Aic、D−1−P
iq、D−3−Piqまたは疎水性側鎖を有するD−アミノ酸であり;
あるいはAとBが一体となって、残基R3R4N−CHR5−C(O)−を示し
、R3およびR4の少なくとも一方がR2OOC−(CHR2)m−もしくはR1−S
O2−であり、他方が独立に(1〜12C)アルキル、(2〜12C)アルケニ
ル、(2〜12C)アルキニル、(3〜8C)シクロアルキル、(7〜15C)
アラルキル、R1−SO2−またはR2OOC−(CHR2)m−であり;R5が疎水
性側鎖であり;
Yが−CO−NH−(1〜6C)アルキレン−C6H5、COOR6であり;R6
がHもしくは(1〜3C)アルキル、−CONR7R8であり;R7およびR8が独
立にHもしくは(1〜3C)アルキルであるか;あるいはR7とR8が一体となっ
て(3〜5C)アルキレンを形成しており;あるいはYが2−チアゾール、2−
ベンゾチアゾール、2−オキサゾールおよび2−ベンゾオキサゾールから選択さ
れる複素環である請求項4に記載の化合物。
6.AがR2OOC−(CHR2)m−であり;
Bが疎水性側鎖を有するD−アミノ酸であるか;
あるいはAとBが一体となって残基R3R4N−CHR5−C(O)−を示し、
R3およびR4の少なくとも一方がR2OOC−(CHR2)m−であり、他方が独
立に(1〜12C)アルキル、(3〜8C)シクロアルキル、R1−SO2−また
はR2OOC−(CHR2)m−であり;
Xが2−アゼチジンカルボン酸、プロリン、ピペコリン酸、4−チアゾリジン
カルボン酸、3,4−ジヒドロプロリン、2−オクタヒドロインドールカルボン
酸である請求項5に記載の化合物。
7.AがHOOC−CH2−であり;
BがD−Phe、D−Cha、D−Coa、D−DPa、p−Cl−D−Ph
e、p−O−メチル−D−Phe、p−O−エチル−D−Phe、D−Nle、
m−Cl−D−Phe、3,4−ジ−OMe−D−Phe、D−Chgであるか
;
あるいはAとBが一体となって残基R3R4N−CHR5−C(O)−であって
、R3およびR4の少なくとも一方がHOOC−CH2−であり、他方が独立にメ
チル、(1〜4C)アルキル−SO2−またはHOOC−CH2−であり;R5が
(3〜
8C)シクロアルキル、(3〜8C)シクロアルキル(1〜4C)アルキル、フ
ェニル、ベンジルであって、これらは塩素もしくは(1〜4C)アルコキシで置
換されていても良い請求項6に記載の化合物。
8.AがR1−SO2−であり;
Bが結合、D−1−Tiq、D−3−Tiq、D−Atc、Aic、D−1−
Piq、D−3−Piqまたは疎水性側鎖を有するD−アミノ酸であり;
あるいはAとBが一体となって、残基R3R4N−CHR5−C(O)−を示し
、R3およびR4の少なくとも一方がR1−SO2−であり、他方が独立に(1〜1
2C)アルキルまたはR1−SO2−であり;
Xが2−アゼチジンカルボン酸、プロリン、ピペコリン酸、4−チアゾリジン
カルボン酸、3,4−ジヒドロプロリン、2−オクタヒドロインドールカルボン
酸であるか、下記の部分である請求項5に記載の化合物。
9.Aがエチル−SO2−またはベンジル−SO2−であり;
Bが結合、D−Phe、D−Cha、D−Coa、D−DPa、p−Cl−D
−Phe、p−O−メチル−D−Phe、p−O−エチル−D−Phe、D−N
le、m−Cl−D−Phe、3,4−ジ−OMe−D−Phe、D−Chgで
あるか;
あるいはAとBが一体となって、残基R3R4N−CHR5−C(O)−を示し
、R3およびR4の少なくとも一方がエチル−SO2−もしくはベンジル−SO2−
であり、他方が独立に(1〜12C)アルキルまたはR1−SO2−であり;R5
が(3〜8C)シクロアルキル、(3〜8C)シクロアルキル(1〜4C)アル
キル、フェニル、ベンジル、ジフェニルメチニルであって、これらの基が塩素も
しくは(1〜4C)アルコキシで置換されていても良い請求項8に記載の化合物
。
10.QがHであり、rが0、1もしくは2である請求項5ないし9のいずれか
に記載の化合物。
11.請求項1ないし10のいずれかに記載の化合物と医薬的に好適な補助剤を
含有する医薬組成物。
12.治療用の請求項1ないし10のいずれかに記載の化合物。
13.トロンビン関連の疾患を治療または予防するための医薬
品製造への請求項1ないし10のいずれかに記載の化合物の使用。
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フロントページの続き
(31)優先権主張番号 96202337.0
(32)優先日 平成8年8月23日(1996.8.23)
(33)優先権主張国 ヨーロッパ特許庁(EP)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),AU,BR,CA,C
N,CZ,HU,JP,KR,MX,NO,NZ,PL
,RU,SG,TR,US
(72)発明者 ドウ・マン,アドリアヌス・ペトルス・ア
ントニウス
オランダ国、エヌ・エル・―5175・セー・
ヘー・ローン・オプ・ザント、フアン・サ
ルムストラート・24
(72)発明者 アダン,アントン・エヘベルト・ペーテル
オランダ国、エヌ・エル―5615・セー・エ
ル・エイントホーフエン、ル・サージユ・
テン・ブルクラーン・77