【発明の詳細な説明】
バイオリアクター
技術分野
本発明は、有機物質を含む水、特に洗車装置から流出した水を処理するための
バイオリアクターに関し、リアクター容器は廃水に含まれる有機成分を吸着でき
る多孔性支持材料から構成され、当該技術において周知の水に含まれる前記有機
成分を分解する微生物が増殖している固定層を備えている。
背景技術
法律制定者及び地方政府の要求を満たすために、DIN 1986及びDIN
1999を遵守している排水システムを適用することによって、洗車装置から
流出した洗浄廃水を都市下水管に排水する前に処理する方法は知られている。そ
うした方法では洗車装置から流出した洗浄廃水は、沈泥槽で機械的に精製され、
主として光線液体分離装置において鉱油炭化水素類から分離され、貯水槽に収集
され、検査槽を通して下水道システムに排水される。その上に清水の必要量を低
下させるためには、さらに化学的及び/又は生物学的処理等のステップを洗浄廃
水精製工程に含めることができる。
ドイツ特許第A−26 51 483号に従うと、廃水と重合体凝集剤とを混
合し、それを少ない水量で最初は沈降ゾーン、その後は吸着剤を通過させること
によって、生物分解性洗剤及び保存料並びに固体を含有している洗車装置から出
た廃水が精製される。
ドイツ特許第C−41 16 082号は、流出した洗浄廃水が機械的又は機
械的及び生物学的に精製され、洗車装置内に再循環させられる、洗車装置におけ
る廃水処理方法を記載している。機械的精製中に発生した固体は特殊処理汚泥バ
ッチに収集される。この方法においては汚染物質は、第1循環路で炭化水素及び
汚染物質を含む個体が洗車装置の廃水から沈殿させることによって分離かつ収集
され、その収集中に炭化水素及び汚染物質が洗剤を含む廃水と一緒
に洗浄ゾーンから抽出され、さらに第2循環路において機械的に浄化された廃水
から浮遊選鉱及び生物学的反応によって非分解性フラクションが分離されるよう
な多段階プロセスで機械的又は生物学的に処理される。
既知の方法の一般的な短所は、洗浄廃水を精巧な多段階プロセスで処理しなけ
ればならない点である。一般には浮遊物及び自動車から洗い落とされた砂及び沈
泥である発生した固体は、特殊処理を必要とする汚泥バッチとして処分されなけ
ればならない。装置内に集まる廃水及び固体は悪臭を有しており、この悪臭は極
度な程度に迷惑になる可能性がある。精製された洗浄廃水を再使用するためには
高い割合の清水が必要とされる。発生した余剰水は下水連絡管を通して都市の汚
水処理施設へ排水されなければならない。これらの不完全さの原因は、主として
洗浄廃水の非効率的な生物学的浄化にあることが判明した。
そこで本発明の課題は、完全に再使用できるように洗浄廃水の生物学的処理の
有効性を増加させることにある。そのためには、ほとんど全く洗車作業が行われ
ない時間の経過後に何の問題も伴わずに廃水処理を再開することが可能でなけれ
ばならない。これは、洗車装置の処理装置における必要条件に合わせて仕立てら
れた効率的に作動するバイオリアクターを提供することによって実行される。
この課題は、固定層が透過性支持体上に配置されており、集水槽が処理水の流
出口の上流にある固定層の下部に備えられており、流出口が同時に逆洗用流入口
として形成されており、さらに流入口及び逆洗用流出口が固定層の上方に備えら
れている上記のタイプのバイオリアクターによって解決される。
発明の開示
好ましい実施形態は後述する請求項の主題である。
本発明のバイオリアクターには、鉱油炭化水素類及び自動車研磨剤を吸着する
ために適しており、さらに多孔性及び微生物の増殖を促進する表面を有している
固定層(fixed bed)材料が充填されている。これらの増殖ゾーンは、形成された
細菌芝が流水のせん断力によって引き剥がされてシステムから放出されてしまわ
ないために必要とされる。
固定層の下方には、固定層材料が作動ゾーンから放出されないように、透過性
支持体、例えばスクリーンガーゼによって固定層から分離されている集水槽が備
えられている。水はポンプでこの集水槽から容器の壁を抜けて側方へ、又は特別
に装備されたパイプを通って上方へのどちらかへ送り出される。流入口及び流出
口は、標準運転中及び逆洗中の両方において均一な水の分散及び均一な流動行動
が得られるように流入及び流出マニホールドによって形成されている。
時々完全に洗浄されなければならないバイオリアクターの逆洗中には、透過性
を維持するために懸濁物質及び余分な微生物がリアクター容器から除去される。
逆洗は、特別に設計された浄化及びオーバーフロー装置によって底部から上部へ
の向流で実施される。この浄化及びオーバーフロー装置は上に向かって次第に小
さくなる断面を有しており、これは自由なリアクター断面積の圧縮をもたらし、
高流量の逆洗水流を必要とする。高流量の逆洗水流は流入口領域から浮遊懸濁物
質を完全に除去するために適切である。
ポンプの流量制御及びラン−ドライ保護のために水位を検出する目的で組み込
まれている測定用プローブは、制御テクノロジーによって処理装置の総合システ
ムに統合されており、特に定期的逆洗及び自動夜間ラン並びに清水の自動再給水
を保証することによって、洗車時の様々な運転条件への必要な適応を可能にする
。
本発明のバイオリアクターは、機械的及び生物学的に作動する処理ステップを
含む方法で使用される。機械的処理ステップは、混入している粗大泥土が沈降さ
せられる沈泥槽で実施される。これは一般的には、鉱油製品によってしばしば汚
染させられている鉱物粒子を含んでいる。例えば自動車のワックス又は下地皮膜
からのより粗大な鉱油粒子も又沈泥槽に流入する。
沈泥負荷の生物学的処理も又沈泥槽において適切な程度に発生する。下記で説
明するようなろ過設備及びバイオリアクターの逆洗によって、油分解性微生物が
繰り返し何度も沈泥槽に流入し、そこで増殖し、それらの分解作業を実施する。
従って沈泥槽の有機負荷の大部分は微生物によって分解される。これまでの経験
から、沈泥槽の内容物は数ヶ月後にはもはや鉱油成分によって汚染さ
れていない腐植土様塊に分解されるので、家庭用ごみと一緒に容易に処分できる
ことが証明されている。
沈泥槽内を通過した後、廃水は実質的に緩衝剤として役立つ貯水槽に流入し、
そこからポンプで連続的にろ過装置を通って本発明のバイオリアクター内へ送り
込まれる。貯水槽の緩衝作用は2つの態様を有している。その1つは、洗車装置
の使用頻度とは無関係に連続的廃水流がバイオリアクターに給水されなければな
らないという量的態様である。第2は、貯水槽は特に汚れた自動車又は特別な汚
染物質で汚染されている自動車を洗浄するときに発生する高濃度の泥土負荷に対
する希釈水タンクとして役立つ。
ろ過設備は懸濁物質負荷を除去するための従来型フィルターであり、例えば何
層かの粗大及び微細な砂床の交互に重ねられた層から構成されている。エーロゾ
ルフィルターには廃水が重力に伴って、又は重力に逆らって流入でき、時々は洗
浄のために清浄水で逆洗するか、さもなければ交換しなければならない。エーロ
ゾルフィルターの充填は下に流出口が配置されている孔あきプレート等の上で好
都合に実施される。
エーロゾルフィルターの下流にある本発明のバイオリアクターには重力に伴っ
て廃水が流入させられ、支持材料の上には洗車装置で発生する廃水中に含まれる
泥土負荷を分解する微生物が増殖している。これらは一般的に技術で周知である
好気性に作用する細菌であり、同様に周知の選択機構を用いて入手できる。
バイオリアクターから流出した清浄水はその後清浄水タンクに収集され、そこ
から再使用のために洗車装置へ給水される。
明らかに、蒸発及び洗浄された自動車を通してのすくい出し(drag-out)に起因
する循環水の一定の損失には、清浄水を給水することによって対応しなければな
らない。パイロット装置では、このように処理されて補給された廃水を用いて容
易に数万サイクルの作業を達成できることが証明されている。
バイオリアクターは、廃水に含まれる有機成分を吸着できる多孔性支持材料を
含む固定層から構成されており、必要な微生物が十分に増殖できる支持体を提供
する。微生物は、通過する廃水をろ過してその中に含まれている泥土/栄
養素を取り込む細菌芝を支持材料の表面上及び孔の中に形成する。支持材料の吸
着作用は、廃水から吸着した成分を微生物へ補給することによって促進される。
洗浄水に対する固定槽の十分な透過性を保証するために、多孔性支持材料は実
際の細孔間隙に加えて便宜的に個々の支持粒子間に間隙を提供する充填層の形で
存在する。適切な多孔性支持材料は、例えば石炭、粘土、シリカゲル又はペレッ
ト形のゼオライト類又は例えばポリウレタン、ポリスチレンその他から作られた
その他の十分な細孔容積を備えたプラスチックフォームフレークである。特別に
適切な材料は、例えば1〜10mmの粒径、0.25〜1.0g/cm3の振動
密度、0.40〜1.0cm3/gの細孔容積及び500m2/gを越える表面積
を有している。しかし、匹敵する物理的特性を備えたその他の材料も同様に使用
することができる。
明らかに、バイオリアクターは懸濁粒子で目詰まりしたり過度の細菌増殖によ
って閉塞したりすることを回避するために、定期的に逆洗しなければならない。
バイオリアクターは、洗い流された物質が沈泥槽内へ運ばれ、そこで油分解性細
菌が作用できるような方法で逆洗される。
いわゆる夜間ランによって、洗浄頻度の少ない時間においてバイオリアクター
を運転状態に保持することが有用である。このためには、清浄水を便宜的に貯水
槽内に再循環させ、これをそこからエーロゾルフィルターを通してバイオリアク
ターへ流入させる。循環路は、バイオリアクターを通る水の定期的流動を保証し
、従ってさらに貯水槽からの定期的な栄養素の補給を保証する。同時に貯水槽に
含まれている泥土負荷が一晩かけてゆっくりと分解されることが可能になるが、
これは翌日の新しい流入廃水がまず最初に比較的に正常な貯水槽の水で希釈され
、それによって微生物への突然の衝撃的負荷が回避されることを意味する。
上述のように、バイオリアクターは好気性に作動する。このためには一般的に
は洗浄水に含まれる酸素の量では不十分である。このため、バイオリアクター内
に、好ましくは空気注入器によって酸素又は空気を導入することが有用である。
このためにはバイオリアクターから流出する水の一部を分岐させ、これ
を空気で飽和させ、それをバイオリアクター内へ再循環させる。しかし、水を空
気で飽和させた後に清浄水タンクからバイオリアクター内へ水を再循環させるこ
とも容易に可能である。
清浄水タンクはバイオリアクターから流出した清浄水を収集し、洗浄サイクル
において再使用できるようにする。タンクの十分な容積は、浄化及び各種の処理
方法(逆洗、アフターラン)の両方のために十分な量の水を利用できることを保
証する。洗車装置へ放出される清浄水は、まず最初に例えばUV照射を用いる除
菌装置によって滅菌される。
明らかに、洗車プロセスにおいて使用される保存料は生体静力学的又は生物学
的成分を有しておらず、完全に生物分解性である。処理装置の寸法を決定すると
きには生物分解速度を考慮に入れなければならない。すなわち、分解能力が高い
ほど、一定限度内でサイズの小さな貯水槽、バイオリアクター及び清浄水タンク
を設計することができる。平均的洗車装置については、沈泥槽及び貯水槽及び清
浄水タンクは6m3の収集容積を有していなければならず、さらにフィルター装
置及びバイオリアアクターは1〜1.5m3の容積を備えていなければならない
ことが判明している。全てのパイプ及びタンクに使用できる材料は、耐食性材料
でも、或いは必要条件に合致するプラスチック、特にガラス繊維強化プラスチッ
ク若しくはHP−PEのどちらであってもよい。
従って洗車装置から流出した洗浄廃水は当業界において周知の沈泥槽を通って
貯水槽に、そしてそこからエーロゾルフィルターを通って好気性に作動するバイ
オリアクターへ送り込まれる。固定層の支持材料は多孔性で、大きな比表面積を
有しており、水成分を吸着することができ、特別な微生物の増殖に使用される。
リアクター内の水は循環ポンプによって絶えず循環させられており、圧力を加え
ずに適切な装置、好ましくは注入器によって周囲大気から大気中酸素である酸素
が補給されている。循環速度は広範な限度内で変更できる。循環速度は、バイオ
フィルムが損傷しないような速度でなければならない。洗浄廃水はバイオリアク
ターからオーバーフロー制御装置を通って清浄水タンクに流入する。この水はそ
こから任意で除菌装置を通って洗車プロセスへ100%再循環させられる。
エーロゾルフィルター又はリアクター容器の流入口と流出口の水圧差が、保持
されている懸濁物質の負荷又は余剰生物学の尺度としての限界値、例えば0.5
バールに達した場合はバイオリアクターを逆洗することが必要である。
さらに、本発明のバイオリアクターはガソリンススタンドの作業領域及びガソ
リンポンプ領域から汚染水を集めて処理するために適合することが判明している
。このため、洗車装置で発生する廃水だけではなくその他のそうした廃水も使用
できることが理解される。従って本発明のバイオリアクターは、ガソリンスタン
ドのために必要とされるような大気水を処理するための装置に交換するために適
切である。本発明はさらにその他の方法においても有益に使用できる。
通常、リアクター容器については、特に廃水の内容物を通しての負荷が加えら
れるために、タンク内の静的負荷及び装置構造に対する最適の容器形状に従って
好ましくはアーチ状の底部及びカバーを備えており、溶接部が金属シートから構
成される円筒が選択される。しかし、本発明のバイオリアクターにおける多数の
適用及び例えば洗車装置の廃水処理装置にとっては、そうした容器は最適ではな
い。本発明のこれら及びその他の適用では、リアクター容器及びそれと一緒に稼
動する処理装置の任意の小組立体は、好ましくは洗車装置において洗車設備のす
ぐ側に最適に配置されている閉鎖空間内に収容しなければならない。空間の高さ
が制限されるために、廃水の蓄積量に対して、出入口の寸法が構造的に与えられ
る値である通例の出入口より大きい円筒径が入手される。通常の円筒形容器はそ
うした出入口を通過するために適合しないので、実際上はリアクター容器を通過
させられるように空間の壁の1つに十分に大きな組立体開口部が破り開けられ、
容器が据え付けられた後に壁開口部が再び閉鎖されなければならない。このため
に要する費用及び設備建造の静力学へ必然的に生じる危険は極めて大きな短所で
ある。
本発明に従うとこれは排除され、あらゆる廃水容量に対して使用できるバイオ
リアクターを備えた処理装置のための好ましい解決策が提供される。請求項12
に記載の本発明の基本的概念に従うと、リアクター容器の水平投影(horizontal
projection)は構造的に与えられる値を与えられる面積寸法内に維
持するので、従って上記の例では本発明の容器水平投影において基本的量として
使用できる据付空間の通常の標準出入口に対応する。通常、空間の高さは構造的
に与えられるが、他方では処理装置自体の廃水容量によっても与えられ、これは
リアクター容器及び1又は2以上のモジュール、つまり平行連結容器を供えた特
殊廃水処理装置の廃水量を管理するモジュラーシステムのモジュールを形成する
リアクター容器の他の面積寸法を生み出す。
このため本発明は建造者が建物を選択するとき、及び特に処理装置の据付の面
積寸法を選択するときに広範囲の設計の自由を与え、さらにリアクター容器の組
立て及び据付に適合させるための建物における最終的又は一時的変更を不要にす
るという長所を有している。
実際上、構造的要件を満たすためには請求項13に記載の本発明の実施形態が
リアクター容器の設計にとって最も適合していることが判明している。標準の8
0cmの出入口を基本として考えると、通常はほとんど正方形の水平投影が入手
されるが、もちろん本発明の長所を利用するためにはその他の水平投影形状も可
能である。仮定上の場合、長方形の短い方の辺が容器水平投影の構造的に与えら
れる面積寸法である。
構造的仕様とは別に、リアクター容器の負荷の結果として生じる容器仕様も又
慣習的に円筒形に対応しない容器形状で満たすことができる。これは請求項14
に表現されている。驚くべきことに、熱可塑性樹脂から作られた容器は、フラッ
トなプレートからなる溶接構造であることから、特に廃水による容器充填の根本
的に静的な負荷を実質的に変形することなく除去できるために十分な固有の剛性
を有していることが判明した。これは特に、請求項15に記載の主題であるいわ
ゆるHP−PE(高圧法ポリエチレン)プラスチック類によって達成される。
そうした容器のフラットな壁及びフラットな底部はさらに別の長所を備えてい
る。モジュラーシステムの結果として生じる多数の容器を空間節約方法で壁に1
個ずつ据え付けることができる。これは、多角形水平投影は所定の建物の平面図
内に通常の容器の円形断面より良好に収容できるので、そうした装置に対して1
つだけのモジュールが使用される場合でさえ適用できる。このため壁
に幾つかのモジュールを1つずつ配置する方法は、特に容器水平投影が長方形か
ら正方形の場合は、通常の空間の平面図において最適に利用可能な空間を利用す
る。しかし、ベースフレームを用いてモジュラーシステムの数個のモジュールを
最適に結合することができるので、請求項16の特徴を利用することが推奨され
る。
図面の簡単な説明
本発明を下記の図面を参照してより詳細に説明する。
図1は、本発明のバイオリアクターの実施形態を概略図に示している。
図2は、図1に従った本発明のバイオリアクターが組み込まれている廃水処理
装置の全体図を示している。
図3は、本発明のバイオリアクターにおける逆洗流出口の好ましい実施形態の
詳細を示している。
図4は、2個のモジュール取付けの略透視図を示している。
図5は、図4の線V−Vに沿った断面図を示している。
発明を実施するための最良の形態
図1に記載のバイオリアクターは、3つの区画である下方集水槽46、固定層
48及び上方流入槽49に分かれているリアクター容器8から構成されている。
下方集水槽46と固定層48との間には、固定層充填材料の透過を確実に防止す
る、例えばスクリーンガーゼ又は孔あきプレートでできている透過性支持体47
が挿入されている。上方流入槽49は、固定層充填材料が通常の条件下で逆洗流
において浮き上がるような低比重を有する材料から構成されている場合にのみ固
定層48との境界が区切られなければならない。この場合は、透水性膜をそこに
も挿入することができる。
処理される水は、パイプ27及び29から分散マニホールド24を通って上方
流入槽49へ流入する。固定層48を通過した後、水はポンプ31によって流出
マニホールド及びパイプ30を通って下方集水槽46から送り出される。パイプ
30から送り出された清浄水は、バルブ35を通過して清浄水タンクに
流入する前に、パイプ32及び注入器10を通って流入する空気と混合される。
パイプ30から送り出された水の一部は、注入器10を通って流入する空気が
補給された後、バルブ34及びパイプ33を通ってバイオリアクター内の微生物
の酸素需要を満たすためにパイプ29及びバイオリアクター8へ再循環させられ
る。
システム内のパイプ水圧は常に監視される。水圧測定点40はパイプ30にお
ける水圧を測定し、バイオリアクター8の流入口と流出口間の水圧差を計算する
ために使用される。パイプ30における流入水圧の低下が生じると、これは固定
層の目詰まりを示しているので、逆洗システムが作動させられ、それによって水
流の方向を逆転させるために対応するバルブが開閉された後にパイプ17を通し
て清浄水が流出パイプ30内に押し流される。清浄水はマニホールド26を通っ
て下方集水槽に流入し、下方から固定層48を通過して上方分散槽49内へ押し
流され、そこからオーバーフロー装置28及びパイプ14を通って沈泥槽へ送り
込まれる。この場合、マニホールド24につながる流入パイプ27又は29は閉
鎖されている。
バイオリアクター8における水位を監視するためには相違する測定点を備えた
水位制御装置25が使用され、制御ラインSによってポンプ31及び中央制御装
置と接続されている。通常の運転では、水位は常に上方流入槽49にある2ヶ所
の測定点の間で維持されている。保守のため、又は他の理由から固定層48がラ
ンドライされる場合は、下方収集槽46における別の測定点が必要とされる。
図2は、廃水処理システムの全体図を示している。同一数字は同一位置を表し
ている。点線は本装置を制御するための制御ラインを示している。
ガソリンスタンドの洗車装置、作業場又は表面流出水からの廃水は給水パイプ
1を通って沈泥槽2に流入し、そこで粗大泥土が沈降させられる。パイプ21は
、粗大泥土が取り除かれた廃水の緩衝装置として役立つ貯水槽3に連絡している
。貯水槽3には上方及び下方切換え点を備えた水位制御装置4が備えられている
。
貯水槽3から送り出された水は、本実施形態では1ユニットを形成している
吸込体5及び給水ポンプ6を通過し、パイプ22を通ってエーロゾルフィルター
7に流入する。バルブを備えたパイプ23によって、パイプ22からの汚水のサ
ンプリングが可能である。
貯水槽3から送り出された水は分散マニホールド24を通ってエーロゾルフィ
ルター7に流入する。フィルターには粗大な砂と微細な砂が交互に重ねられた層
状で充填されており、廃水は上部から底部へ流れる。ろ過された廃水はポンプ9
を使用してマニホールド26を通ってパイプ27を通して運ばれる。水位制御装
置25は、フィルター装置がランドライするのを防止するだけではなく、ろ過装
置を多かれ少なかれ完全に空にするための下方切り換え点を有している。オーバ
ーフロー装置28は、フィルター7の逆洗が必要になると、パイプ14を通して
水を沈泥槽2内に再循環させる。
マニホールド26を通してフィルターから回収された水はパイプ27及びポン
プ9並びにパイプ29を通してバイオリアクター8に流入する。そこでは、水は
その中に配置されている、有益には大きな細孔容積及び個々の粒子間の十分な間
隙を備えた活性炭素ペレットである多孔性支持材料の表面上方にマニホールド2
4によって分散させられる。多孔性支持材料には排水の有機泥土負荷に適合させ
られた微生物が増殖している。廃水はバイオリアクターの固定層を上部から底部
へ通過し、ポンプ31を用いてパイプ30を通してバイオリアクター8のマニホ
ールド26を通して清浄水タンク11内へ給水される。水位制御装置25は、エ
ーロゾルフィルター7の場合と同様にバイオリアクター8の十分な充填を保証す
る。
パイプ30に挿入されている注入器は、パイプ32を通して取り入れられた空
気をバイオリアクター8から送り出された水に噴射する。空気で飽和した水は主
としてパイプ30を通って清浄水タンク11内に送られるが、一部はパイプ33
を通ってバイオリアクター内へ再循環させられ、そこでリアクター及び微生物へ
の十分な酸素供給を保証する。ソレノイドバルブ34及び35は、バイオリアク
ター8と清浄水タンク11との間の空気飽和水の正しい配分比を保証する。同様
にバイオリアクター8のバッチ方式作動も可能であるが、その場合はパイプ33
を通る循環路が空気補給を実施する。完全に浄化された水だけ
がタンク11に給水される。
清浄水タンク11は、バイオリアクター8から生物学的に浄化された水を受け
入れる。水位制御装置36は、洗車作業及び夜間循環路運転の両方を維持するこ
とを可能にするために、清浄水タンクに十分な量の水が充填されていることを保
証する。循環水の量が少な過ぎる場合は、パイプ12を通して清水が給水される
。
清浄水タンク11からポンプ15を用いてパイプ37を通って取り出された水
は、洗車装置内のパイプ13へ給水される。好ましくは殺菌性除菌剤の添加を回
避するために、UV照射に基づく除菌設備18が洗浄水の無菌性を保証する。空
気の充填されている緩衝剤容器19は、ポンプ15と協力して、洗車装置内へ流
入する一様な水量を保証する。この水圧を監視及び制御するためには水圧計39
が使用される。
或いは流出管38は下水管へ連絡しており、平均以上の貯水量が生じた場合に
余分な水を排水するために役立つ。これは、処理装置がさらにガソリンスタンド
で生じた表面水を処理する場合、及び重度の沈降から生じた大量の水を受ける場
合には特に有用である。さもなければ、本装置は100%循環路運転で作動する
。
さらにバイオリアクターへのパイプ27及び清浄水タンクへのパイプ30には
水圧測定点が配置されており、参照番号40が付けられている。これらはポンプ
9及び10の作動水圧を監視するために使用される。
これらの容器の1つが泥土粒子又はバイオマスで高度に目詰まりした場合は、
清浄水タンク11からパイプ37、ポンプ15及びパイプ16、17を通ってエ
ーロゾルフィルター7及びバイオリアクター8への逆洗プロセスが開始される。
水は下方マニホールド26を通ってリアクターに流入し、オーバーフロー装置2
8及びパイプ14を通って泥土粒子又はバイオマスを沈泥槽2へ洗い流す。微生
物も又この方法で沈泥槽2に流入することができ、そこで増殖することができ、
そこに沈降した泥土の生物学的処理を生じさせることができる。
洗車活動が少ない場合、つまり特に夜間、週末及び休日においては、エーロゾ
ルフィルター及びバイオリアクターの運転状態を維持するために、好ましく
は水の循環が維持される。この循環は清浄水タンク11から始まり、パイプ37
、ポンプ15及びパイプ43を通って貯水槽3内に戻る。そのためソレノイドバ
ルブ44は中央制御装置によって開放される。同時に洗車設備及び逆洗パイプに
連絡しているストップバルブ41及び42は閉鎖される。その後循環は、通常の
処理運転におけると同様に、貯水槽3からエーロゾルフィルター7及びバイオリ
アクター8を通って清浄水タンク内へ伸びる。一定時間の循環後には、循環して
いる水及び接続されているタンク内の水の質は徐々に清浄水タンク11内の水質
に近づく。
図3は、オーバーフロー装置28に関して本発明のバイオリアクターの特別な
実施形態を示している。逆洗の場合、逆洗水は清浄水タンクからパイプ30を通
って下方集水槽46に流入する。水は集水槽46からスクリーンガーゼ47を通
って固定層48に流入し、固定層をフラッシュ洗浄し、さらに残留物及び上方槽
49内に弱く付着している微生物を洗い流す。逆洗水は、受け皿型又は漏斗型で
流出パイプ14内に開口しているオーバーフロー装置28を通して排水される。
上方に向かって先細になる断面積を備えたオーバーフロー装置の受け皿型又は漏
斗型の形状は、破砕された粒子が加速させられ、オーバーフロー装置28の端部
を越えて皿の中に、そしてそこからパイプ14内に誘導されるように上向きに進
行する水流の加速をもたらす。このため逆洗流は、泥土粒子を特にオーバーフロ
ー装置に輸送できるように上方領域においてのみ加速され、固定層の領域では比
較的均一に伸びて上方へ向かう。
図4の図面から明らかなように、ある処理装置はバイオリアクター8のために
2個のリアクター容器50及び51を必要とする。容器50及び51のデザイン
及び容積は同一である。各容器はモジュラーシステムのモジュールに相応し、そ
の容量はモジュールの増加を通して処理装置の構造的に与えられる容量に対応す
る。リアクター容器8の水平投影は2個のモジュール50及び51の水平投影か
ら構成されるので、輪郭が長方形の短い辺52、53及び長い辺54、56によ
って形成される2個のモジュールの水平投影の2倍に相当する。この実施形態に
おける短い辺52、53の長さは、出入口によって決定される空間に据え付けら
れる場合には、2個のモジュールが通過できなければならな
い標準出入口の80cmの寸法から生じる構造的に与えられる値に相当する。そ
の他の面積上の寸法は、容器高さHを考慮に入れて必要な容器容積の結果として
生じる長方形の等しく長い辺54、56によって与えられる。このため容器の高
さは、通常は同様に組立体及び/又は空間の高さによって与えられる。そこで容
器50及び51の増加は処理装置の構造的に与えられる容量の増加を生じさせる
。容器の水平投影は構造的に与えられる寸法Lによって与えられるが、それに対
して直角の容器寸法1はモジュールに対して選択することができる。
このように、モジュール50及び51を備えたあらゆる容量の処理装置を管理
することができる。
容器は、図4及び5によっては示されていないフラットな立上り壁57〜60
及びフラットな底部を有している。図5に部分的に示されている立上り壁57及
び58は、等しく肉厚プレート61及び61の形の熱可塑性樹脂から作られてい
る。これらのプレートは64に配置されている溶接結合を用いて63の相互に連
結している端部で材料固定方法で相互連結されている。十分な寸法に定められて
いるプレート厚さと共にこれらの材料固定連結部は、ほとんど変形せずに受け入
れた負荷を取り除くことのできる寸法的に安定した容器を生じさせる。使用でき
る熱可塑性樹脂はいわゆる高圧法ポリエチレンである。
モジュール50及び51を一緒に保持してそれらを正確に取り付けるために、
耐屈曲性方法で金属部分65から作られているベースフレーム65が備えられて
いる。それらの一部が66〜68で示されているフレーム部材は、同様に材料固
定接続法、特に溶接によって耐屈曲性方法により4隅でフレーム構造に組み立て
ることができる。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),UA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F
I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE
,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,
LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M
X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,
UG,US,UZ,VN,YU