JP2000503284A - 二重目的安全装置を備える流体分与器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 容器（１）と、分与部材（２）と、流体を選択的に分与せしめるために前記分与部材（２）を作動せしめる作動部材（１０）とを包含し、この作動部材（１０）が、休止位置と前記分与部材（２）を作動せしめる作動位置との間を移動可能であると共に、本体部分（１１）と、出口オリフィス（１３）が設けられている流体放出部分（１２）とを包含し、この流体放出部分（１２）が、前記作動部材（１０）がその作動位置に向かって動くのを防止するロッキング位置と、前記作動部材（１０）がその作動位置に向かって動くのを許す使用位置との間を、前記本体部分（１１）に関して移動可能である流体分与器において、前記流体放出部分（１２）がタング（１４）を包含し、このタング（１４）が、前記ロッキング位置で、前記容器（１）に関して固定されている固定要素と協同し、この協同が前記本体部分（１１）に形成したスロット（１５）を通して行われ、このスリット（１５）が、分与器の最初の使用前には、最初使用安全装置として働く少なくともひとつの材料ブリッジを包含し、この材料ブリッジが、前記流体放出部分（１２）が最初にそのロッキング位置からその使用位置に動かされたときに破壊されるようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 二重目的安全装置を備える流体分与器 本発明は、二重目的安全装置を備える流体分与器に関し、より詳細には、輸送 及び最初の使用の両方における安全を提供する安全装置を有する流体分与器に関 する。 用語“輸送の安全”とは、特に分与器が輸送されている間における分与器の時 ならぬ又は思いがけない作動を防止する装置をさすために用いられる。また、用 語“最初の使用の安全”とは、流体分与器がすでに最初の１回目の使用がされて いるかどうかを使用者に知らせる装置をさすために用いられる。 流体分与器用の輸送安全装置は、当業界ではよく知られている。特に、特許Ｕ Ｓ−３ １４８ ８０６及びＵＳ−３ ４０２ ８６２は次に述べるような輸送安全 装置を開示している。すなわち、この輸送安全装置においては、分与器の作動は 押しボタンの一部分をロッキング位置に枢動せしめることにより防止され、分与 器を作動せしめるためには、前記押しボタンをアンロッキング位置に戻すよう枢 動せしめることが必要である。ロッキング位置においては、押しボタンの一部分 が分与器の固定要素に当接し、これにより前記押しボタンの作動を防止する。押 しボタンがそのアンロッキング位置に動かされたときには、押しボタンはもはや 分与器の前記固定要素とは協同しなくなり、これにより押しボタンを作動せしめ て流体を分与することができる。 “保証”装置とも称されている最初使用安全装置も、また、当業界においてよ く知られている。例えば、文献ＦＲ−２ ６９７ ５０５は分与器の作動部材のま わりに設けられた外部リングの使用を開示している。このリングは、分与器の最 初の使用の前に引き離さなければならないタングを包含しており、このタングを 引き離すと外部リングを取外すことができ、これにより分与器を作動せしめるこ とができる。 以上述べた２つの異なる装置は、それにもかかわらず、分与器の製造及び組立 てを複雑にし、それ故コストを増大せしめる。 本発明の目的は、輸送と最初の使用との両方のための単一の安全装置を有する 流体分与器を提供することにある。すなわち、既知の分与器において、２種類の 安全手段を同時に持つということは、２つの異なる安全装置、すなわち、輸送の 安全を提供する装置と、最初の使用の安全を提供する装置とを使用することを意 味する。したがって、このような分与器の製造及び組立ては一層複雑となり、そ れ故これはコストが高くなることを意味する。 本発明の目的は、上述の欠点を除去し、製造及び組立てを簡単にし、それ故コ ストを減少せしめるために、２種類の安全手段を単一の装置に有益的に兼備させ るようにした流体分与器を提供することにある。 以上述べた目的を達成するために、本発明は、容器と、分与部材と、流体を選 択的に分与せしめるために前記分与部材を作動せしめる作動部材とを包含し、こ の作動部材が、休止位置と前記分与部材を作動せしめる作動位置との間を移動可 能であると共に、本体部分と、出口オリフィスが設けられている流体放出部分と を包含し、この流体放出部分が、前記作動部材がその作動位置に向かって動くの を防止するロッキング位置と、前記作動部材がその作動位置に向かって動くのを 許す使用位置との間を、前記本体部分に関して移動可能である流体分与器におい て、前記流体放出部分がタングを包含し、このタングが、前記ロッキング位置で 、前記容器に関して固定されている固定要素と協同し、この協同が前記本体部分 に形成したスロットを通して行われ、このスリットが、分与器の最初の使用前に は、最初使用安全装置として働く少なくともひとつの材料ブリッジを包含し、こ の材料ブリッジが、前記流体放出部分が最初にそのロッキング位置からその使用 位置に動かされたときに破壊されるようにしたことを特徴とする流体分与器、を 提供するものである。 好適には、前記流体放出部分は、前記作動部材が移動可能である方向に対して 垂直な軸線のまわりを回転することによって前記本体部分に関して移動可能であ り、前記流体放出部分は、そのロッキング位置では前記作動部材が移動可能であ る前記方向に対して実質的に平行に延びると共に、その使用位置では前記作動部 材が移動可能である前記方向に対して実質的に垂直に延びる。 本発明の第１の実施例において、前記スロットは、前記流体放出部分がそのロ ッキング位置であるときに前記タングのいずれか一方の側に延び、これにより前 記流体放出部分がその使用位置に向かっていずれか一方の方向へ動くことができ る。 有益的には、分与器が初めて使用される前は、前記スロットは前記タングの両 側に破壊可能な材料ブリッジを備えている。 本発明の第２の実施例において、前記スロットは、前記流体放出部分がそのロ ッキング位置であるときに前記タングの一方の側にのみ延び、このスロットは、 分与器が初めて使用される前は、前記側に破壊可能な材料ブリッジを備えている 。 好適には、前記分与部材は、固定要素の手段により前記容器に固定して取付け られ、前記流体放出部分がそのロッキング位置であるときに、前記タングは前記 固定要素と協同し、前記作動部材がその作動位置に向かって動くのを防止する。 有益的には、前記本体部分は前記流体放出部分がその使用位置であるときにこ の流体放出部分と協同する当接部材を包含する。 また、前記流体放出部分は、その使用位置で、前記本体部分に固着されている フラットに協同して前記流体放出部分をその使用位置にロックせしめるリブを包 含する。 有益な実施例において、前記分与部材はポンプであると共に、前記固定要素は 固定リングであり、かつ前記作動部材は前記ポンプ上で及び前記リングのまわり で軸方向に移動可能である押しボタンである。 他の有益な実施例において、前記分与部材は弁であると共に、前記固定要素は 固定リングであり、かつ前記作動部材は押しボタンである。 有益的に、前記押しボタンは角度的に移動可能であると共に前記リングに当接 する２つの内部リブを包含し、これらの内部リブが、前記タングと協同して、前 記流体放出部分がそのロッキング位置である間前記押しボタンが作動されるのを 防止する。 有益的に、前記作動部材の流体放出部分はノズルを包含する。 本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して非限定的な例として述べる 下記の詳細な説明から明らかになるであろう。 図１は、本発明の流体分与器の断面図である。 図２は、本発明の流体分与器の変形例の断面図である。 図３は、本発明の最初使用安全装置を詳細に示す部分正面図である。 図４は、本発明の他の変形例を示す、図２と同様な図である。 図４ａは、本発明の他の変形例を示す、図１と同様な図である。 図５は、本発明の分与器がそのロッキング位置である状態を示す全体図である 。 図６は、本発明の分与器がその使用位置である状態を示す、図５と同様な図で ある。 図７は、本発明の分与器がその使用位置である状態を示す斜視図である。 図１を参照するに、本発明の流体分与器は容器１を包含し、この容器は分与部 材２が有益的には固定要素３の手段により取付けられている開口を有する。分与 部材２は、任意の種類のものとすることができ、より詳細には、ポンプ又は弁か ら成る。同様に、固定要素３はねじ締付け又はスナップ締付け用のリング、カッ プ、若しくは分与部材を容器に固定するのに適当な他の任意の固定要素とするこ とができる。流体分与器は、有益的には押しボタンである作動部材１０の手段に より作動される。 本発明によれば、この作動部材（すなわち、押しボタン）１０は、本体部分１ １と流体放出部分１２とを包含する。作動部材１０は、例えば分与部材２として ポンプが使用されている場合には、休止位置と分与部材を作動せしめる位置との 間を移動可能である。流体放出部分１２には、出口オリフィス１３が設けられ、 また有益的にはノズル１９が設けられている。この流体放出部分１２は、押しボ タン１０がその作動位置に動くのを防止するロッキング位置と、押しボタン１０ がその作動位置に動くのを許す使用位置との間を、本体部分１１に関して動くこ とができる。図１は、押しボタン１０の流体放出部分１２のロッキング位置を詳 細に示す。この流体放出部分１２は、例えばタング１４のような突出部分を有し 、このタング１４は、ロッキング位置で、容器１に関して固定されている固定要 素３と協同して、押しボタン１０が動くのを防止する。有益的には、前記タング １４は、図１及び図２に見ることができるように前記固定要素３の一部分に当接 する。しかし、分与部材２が固定要素３を使用しないで容器１に直接取付けられ ているときには、タングは容器１又はポンプ本体の一部分のいずれかと協同する 。容器に関して固定されている固定要素３と協同するために、流体放出部分１２ のタング１４は、押しボタン１０の本体部分１１に形成されているスロット１５ を通して延びている。 前記流体放出部分１２は、好適には、押しボタン１０が動く方向に対して垂直 である軸線のまわりを回転することにより押しボタン１０の前記本体部分１１に 関して動かされる。図面に示される例においては、押しボタン１０は垂直に動き 、流体放出部分１２は水平軸線のまわりを回転する。したがって、流体放出部分 １２は、そのロッキング位置で、作動部材１０が動く前記方向に対して実質的に 平行である。一方、流体放出部分１２は、その使用位置で、作動部材１０が動く 前記方向に対して実質的に垂直である。有益的には、図４に示されるように、当 接部材１８を押しボタン１０の本体部分１１に設けることができる。一例として 、この当接部材は、流体放出部分１２の上に延び、流体放出部分１２とその使用 位置であるときに協同するフランジ１８である。この方法において、流体放出部 分１２が回転することができる最大角度は、好適には、ロッキング位置に関して ±９０゜であり、前記当接部材１８により決定することができる。当接部材の他 の例が図４ａに示されている。この例において、流体放出部分１２は、この流体 放出部分を使用位置にロックするように本体部分１１に固着されているフラット ２１と協同するリブ２０を有する。 流体放出部分１２を本体部分１１に関して回転移動せしめるために、スロット １５は、好適には、図３に見ることができるように、わずかに曲げられた形状と され、これにより、タング１４がロッキング位置と使用位置との間でスロット１ ５内を回転して動くことができるようにされている。 図１及び図２に見ることができるように、タング１４は、そのロッキング位置 であるときに、分与部材２の固定要素３に当接し、その結果、押しボタン１０の 作動は防止される。流体放出部分１２がその使用位置に向かって動かされたとき には、タング１４は、固定要素３と協同しなくなるまでスロット１５内を滑動し 、本体部分１１の外側の、図７に示される位置となる。この使用位置において、 押しボタン１０を作動せしめて流体を分与せしめることができる。 本発明によれば、押しボタン１０の本体部分１１に形成されているスロット１ ５は、“保証”装置又は“最初使用表示”装置としても知られている最初使用安 全装置を備えている。この装置は、好適には流体分与部分１２がそのロッキング 位置からその使用位置に初めて動かされたときに、破壊されるのに適当である少 なくともひとつの材料ブリッジ１６により構成される。この方法において、材料 ブリッジ１６が破壊されていない場合には、使用者は分与器がまだ一度も作動さ れていないことを知る。この破壊可能な材料ブリッジは、例えばプラスチックス 材料のような任意適当な材料から作ることができ、有益的には押しボタン１０の 本体部分１１に一体的に形成される。 特に図３に詳細に示されるように、ロッキング位置において、スロット１５は 流体放出部分１２の両側に延びることができ、これにより流体放出部分にはロッ キング位置から両方向への使用位置へ動くことができる。この実施例において、 スロット１５は、したがって、好適には２つの材料ブリッジ１６を有し、これら の材料ブリッジはタング１４の両側に位置し、これにより最初使用安全装置は両 方向に効力がある。勿論、スロット１５は流体放出部分１２のロッキング位置か らいずれか一方の側の方向のみに延びることができ、この場合には、１つのみの 材料ブリッジを前記側に設けることが必要となる。 前述したように、分与部材２は弁であってもよい（図４ａ参照）。そして、こ の場合において、押しボタン１０は軸方向に動かされないで角度的にのみ動かさ れて弁を始動させることができる。このような場合には、１つはそれ以上の内部 リブ３１，３２（好適には２つのリブ）を固定要素３に当接するように押しボタ ン１０の内部に設けることが有益である。これによれば、流体放出部分１２がロ ッキング位置であるときには、２つのリブ３１及び３２はタング１４と協同して ３点接触を形成し、この３点接触は押しボタン１０のいかなる軸方向及び／又は 角度方向の動きを防止する。そして、流体放出部分１２がその使用位置に向かっ て動かされたときには、押しボタンを角度的に動かすことが可能となる。なぜな ら、押しボタン１０とリング３との間の接触が２点によってのみ生じるからであ る。有益的にはリブ３１及び３２は、ほぼ等辺の三角形を形成するようにタング １４と協同するような方法で設けられる。 以上述べた如く、本発明の分与器は２つの所望する種類の安全手段、すなわち 、分与器がロッキング位置である限りは分与器が作動されるのを防止する輸送安 全と、分与器が以前に使用されたかどうかを使用者に知らせる最初使用安全とを 提供することができる。そして、本発明の分与器のこれら２つの安全手段は、同 じ装置、より詳細にはタング１４と協同するスロット１５により実施される。し たがって、本発明は、製造及び組立ての複雑さを最小にして、それ故最小コスト で２種類の安全手段を備える分与器を作ることができる利点を提供する。その上 、前述したように、本発明の分与器はいかなる型式の容器、いかなる型式の分与 部材、及びいかなる型式の固定要素にも容易に適用されるものである。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 にそのロッキング位置からその使用位置に動かされたと きに破壊されるようにしたことを特徴とする。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 容器（１）と、分与部材（２）と、流体を選択的に分与せしめるために前記 分与部材（２）を作動せしめる作動部材（１０）とを包含し、この作動部材（１ ０）が、休止位置と前記分与部材（２）を作動せしめる作動位置との間を移動可 能であると共に、本体部分（１１）と、出口オリフィス（１３）が設けられてい る流体放出部分（１２）とを包含し、この流体放出部分（１２）が、前記作動部 材（１０）がその作動位置に向かって動くのを防止するロッキング位置と、前記 作動部材（１０）がその作動位置に向かって動くのを許す使用位置との間を、前 記本体部分（１１）に関して移動可能である流体分与器において、前記流体放出 部分（１２）がタング（１４）を包含し、このタング（１４）が、前記ロッキン グ位置で、前記容器（１）に関して固定されている固定要素と協同し、この協同 が前記本体部分（１１）に形成したスロット（１５）を通して行われ、このスリ ット（１５）が、分与器の最初の使用前には、最初使用安全装置として働く少な くともひとつの材料ブリッジを包含し、この材料ブリッジが、前記流体放出部分 （１２）が最初にそのロッキング位置からその使用位置に動かされたときに破壊 されるようにしたことを特徴とする流体分与器。 ２ 請求項１記載の流体分与器において、前記流体放出部分（１２）が、前記作 動部材（１０）が移動可能である方向に対して垂直な軸線のまわりを回転するこ とによって前記本体部分（１１）に関して移動可能であり、前記流体放出部分（ １２）が、そのロッキング位置では前記作動部材（１０）が移動可能である前記 方向に対して実質的に平行に延びると共に、その使用位置では前記作動部材（１ ０）が移動可能である前記方向に対して実質的に垂直に延びる流体分与器。 ３ 請求項１又は２記載の流体分与器において、前記スロット（１５）が、前記 流体放出部分（１２）がそのロッキング位置であるときに前記タング（１４）の いずれか一方の側に延び、これにより前記流体放出部分（１２）がその使用位置 に向かっていずれか一方の方向へ動くことができる流体分与器。 ４ 請求項３記載の流体分与器において、分与器が初めて使用される前は、前記 スロット（１５）が前記タング（１４）の両側に破壊可能な材料ブリッジ（１６ ）を備えている流体分与器。 ５ 請求項１又は２記載の流体分与器において、前記スロット（１５）が、前記 流体放出部分（１２）がそのロッキング位置であるときに前記タング（１４）の 一方の側にのみ延び、このスロット（１５）が、分与器が初めて使用される前は 、前記側に破壊可能な材料ブリッジ（１６）を備えている流体分与器。 ６ 請求項１〜５いずれか一項に記載の流体分与器において、前記分与部材（２ ）が、固定要素（３）の手段により前記容器（１）に固定して取付けられ、前記 流体放出部分（１２）がそのロッキング位置であるときに、前記タング（１４） が前記固定要素（３）と協同し、前記作動部材（１０）がその作動位置に向かっ て動くのを防止する流体分与器。 ７ 請求項１〜６のいずれか一項に記載の流体分与器において、前記本体部分（ １１）が、前記流体放出部分（１２）がその使用位置であるときにこの流体放出 部分（１２）と協同する当接部材（１８）を包含する流体分与器。 ８ 請求項７記載の流体分与器において、前記流体放出部分（１２）が、その使 用位置で、前記本体部分（１１）に固着されているフラット（２１）に協同して 前記流体放出部分（１２）をその使用位置にロックせしめるリブ（２０）を包含 する流体分与器。 ９ 請求項６記載の流体分与器において、前記分与部材（２）がポンプであると 共に、前記固定要素（３）が固定リングであり、かつ前記作動部材（１０）が前 記ポンプ（２）上で及び前記リング（３）のまわりで軸方向に移動可能である押 しボタンである流体分与器。 １０ 請求項６記載の流体分与器において、前記分与部材（２）が弁であると共 に、前記固定要素（３）が固定リングであり、かつ前記作動部材（１０）が押し ボタンである流体分与器。 １１ 請求項１０記載の流体分与器において、前記押しボタン（１０）が、角度 的に移動可能であると共に前記リング（３）に当接する２つの内部リブ（３０， ３１）を包含し、これらの内部リブ（３０，３１）が、前記タング（１４）と協 同して、前記流体放出部分（１２）がそのロッキング位置である間前記押しボタ ン（１０）が作動されるのを防止する流体分与器。 １２ 請求項１〜１１項のいずれか一項に記載の流体分与器において、前記作動 部材（１０）の流体放出部分（１２）がノズル（１９）を包含する流体分与器。