【発明の詳細な説明】
画像信号処理装置およびデジタルデータ信号の処理方法
本発明は、画像信号処理装置およびデジタルデータ信号の処理方法、並びにデ
ジタル画像信号の画像表示装置への出力方法に関する。この画像表示装置は、画
像信号処理装置と接続されており、出力されたデジタル画像信号に相応して形成
される結像を表示する。
画像、すなわち色とグレー値を伴う自然画像または人工的に形成された対象物
の2次元結像のデジタル処理の際には、所望の画像解像度および/または所望の
色分解能ないしはグレー値分解能に依存して画像データに種々異なるデータ形式
が用いられる。画像を計算機に接続されたディスプレイに出力するために通常は
、原色、赤、緑、および青によるいわゆるRGB表示が行われる。ディスプレイ
を制御するためにここでは、計算機と接続されたグラフィックカードが公知であ
り、このグラフィックカードによってRGB画像データが、画像をディスプレイ
に表示するために形成される。グラフィックカードには画像データを中間記憶す
るためにランダムアクセス型のダイナミック半導体メモリ、いわゆるフレームバ
ッファが設けられている。このフレームバッファは、1024×768ピクセル
の通常のディスプレイ解像度では典型的には約1.5Mバイトの記憶容量を有し
ている。画像をディスプレイにカラー表示するためには、RGBフォーマットで
ピクセル当たり16ビットの解像度で十分と見なされている。
これとは別に、デジタル画像の表示の場合、とりわけ画像データの処理、伝送
および記憶に対するビデオ分野では、輝度成分とクロミナンス成分による表示が
、とりわけ表示すべき画像の色分解能およびグレー値分解能に対して高い要求が
課せられるときには有利であることが判明した。この形式の表示はYUV表示と
も称され、ここでは色値が輝度成分Y(明度)と、2つのクロミナンス成分Uお
よびV(色)により表示される。この表示は、ヒトの目が輝度に対しては色度に
対するよりも非常に高い位置的分解能を有している(網膜の棹状体)ことを考慮
している。多くの圧縮方法では、この特性がクロミナンス成分の分解能を比較的
に小さくすることにより直接利用されている。クロミナンス成分は大きな情報密
度を有し、このことは全体として上手い妥協に結び付く。とりわけテレビジョン
分野での画像デジタル表示の際には、YUVモデルが真価を発揮する。種々の他
の輝度−クロミナンス表示の他にさらに、色成分、彩度成分および明度値による
HSVモデル(色相、彩度、値)、並びに色成分、明度成分および彩度成分によ
るHLSモデル(色相、明
度、彩度)が存在する。これら他のモデルはとくにヒトの目の能力に適合されて
いる。
カラー表示の適用分野の広さと、課せられる要求が大きく異なるため、デジタ
ル画像圧縮の分野では輝度成分とクロミナンス成分による表示形式が使用されて
いるが、どのカラーモデルも汎用的に標準であるとは受け入れられていない。
とくにマルチメディア適用のためのパーソナルコンピュータ分野では、ディス
プレイまたは他の画像表示装置に例えばプリンタまたはプロッタのように画像デ
ータを種々異なるデータ形式で表示できることが所望されかつ要求される。この
ためにはまず、種々異なるデータ形式の画像データをただ1つの画像メモリ(フ
レームバッファ)にピクセルごとに記憶し、続いて画像メモリに配属された処理
回路で処理することが必要である。これまでの方法では、画像データは画像メモ
リに記憶する前に共通の、表示する画像表示装置に相応する形式に変換されてい
た。このことにより、表示すべき画像の品質が低下するか、または不必要に多数
のメモリスペースが必要であった。2次元または3次元グラフィックを表示する
ためには、RGB表示ではピクセル当たり16ビットの解像度で十分であると見
なされている。これに対して、この色空間に変換された画像/ビデオ信号に対す
るこの色数量化は解像度が小さいため許容することのできない結果しか得られな
い。品質要求は基本的には、RGB色空間で例えばピクセル当たり24ビットの
高解像度で表示すれば満たされる。しかしこのことにより画像メモリにおけるメ
モリスペース需要が約50%も増大することとなる。しかもデジタルビデオ信号
は、例えば4:2:2−YUV形式の専用表示では、それ自体ピクセル当たり1
6ビットしか必要としないのである。
本発明の課題は、画像信号処理装置とデジタルデータ信号の処理方法を提供し
、この装置ないしこの方法が画像表示装置でデジタル画像データ信号を、少なく
とも2つの異なる所定のデータ形式を基礎として処理および表示できるようにし
、しかもその際に画像メモリのメモリスペース需要が増大することがなく、同時
に所望の色分解能ないしグレー値分解能に対する要求がほんのわずかして低減し
ないようにすることである。
この課題は請求項1に記載された本発明の画像信号処理装置、および請求項1
2に記載されたデジタルデータ信号の処理方法によって解決される。
本発明の画像処理装置は、入力回路と、入力回路に配属された処理回路と、処
理回路に接続された画像メモリと、画像メモリに配属された座標調整装置と、座
標調整装置に後置接続された出力回路とを有し、
前記入力回路には、異なる所定のデータ形式を有する第1と第2のデジタルデ
ータ信号が印加され、
前記処理回路では、第1および第2のデジタルデータ信号に、割り当てられた
データ形式のタイプを表すフォーマット値が付され、またはこれにより変更され
、
前記座標調整回路には、少なくとも一時的に記憶され、フォーマット値の付さ
れた、またはこれにより変更された、データ形式の異なる第1および第2のデジ
タルデータ信号が画像メモリから時間的に順次連続して書き込まれ、
前記座標調整回路は、デジタル画像信号の割り当てられたデータ形式のタイプ
を表すフォーマット値に依存して、第1および/または第2のデジタルデータ信
号の少なくともデータ形式を画像形式に変換し、
前記出力回路は、画像形式に基づいて導出された画像信号を形成し、画像表示
装置に出力するように構成される。
本発明の方法は、異なるデータ形式を有する第1および第2のデジタルデータ
信号を入力回路に印加し、
前記入力回路に配属された処理回路にて、第1および第2のデジタルデータ信
号に、割り当てられたデータ形式のタイプを表すフォーマット値を付すか、また
はこれにより変更し、
フォーマット値の付された、またはこれにより変更されたデジタルデータ信号
を処理回路と接続された画像メモリに少なくとも一時的に記憶し、
前記少なくとも一時的に記憶され、フォーマット値の付された、またはこれに
より変更された、データ形式の異なるデジタルデータ信号を時間的に順次連続し
て、画像メモリに配属された座標調整回路に読み込み、読み込まれたデジタルデ
ータ信号のデータ形式を画像形式に、デジタルデータ信号の割り当てられたデー
タ形式のタイプを表すフォーマット値に依存して変換し、
導出された画像信号を画像形式に基づいて形成し、画像信号を画像表示装置に
、座標調整回路に後置接続された出力回路を介して出力する。
本発明は、第1および第2のデジタルデータ信号として異なるデータ形式で表
された画像データを、色空間の位置構成、色空間要素の分解能等の点で異なる表
示形式で、割り当てられたデータ形式のタイプを表すフォーマット値を付して、
または必要であれば僅かに変形して、画像メモリに例えばピクセルごとまたはピ
クセル群ごとに記憶し、画像表示装置が理解ないし処理できる画像形式への色空
間変換を、表示すべき画像表示装置への読み込みの際に初めて行う、ことに基づ
くものである。第1と第2のデジタルデータ信号のデータ形式が異なることを画
像メモリにおいて区別することは、割り当てられたデータ形式のタイプを表すフ
ォーマット値により行われる。この解決手段により、画像メモリの大きさに対す
る要求が約1/3に低減さ
れるだけでなく、付加的に画像メモリの帯域幅要求も同じように約1/3に低減
される。後者が重要なのは、本発明の画像信号処理装置の主適用として現在使用
されているグラフィックカードのほとんどすべてで、有効グラフィック能力は実
質的にメモリ帯域幅によって決まるからである。
本発明の解決手段はこれまで公知であった実現手段とは実質的に次の点で異な
る。すなわち、画像信号がこれまで通常であったようにその出力すべき表示形態
ではなく、実質的に変更なしのオリジナル表示形態で、単に割り当てられたデー
タ形式のタイプを表すフォーマット値を付すという変更だけで画像メモリに中間
記憶するのである。このことは多くの場合同時に、メモリスペースの最も効率的
な手段である。本発明の解決手段により、カラー画像の表示解像度が僅かだけ低
減された場合、異なる形式または異なる色空間表示の画像信号をただ1つの画像
メモリを使用して処理することができ、公知の実現手段に比較して格段に小さな
メモリスペースしか必要としない。
本発明の画像信号処理装置ないし本発明の方法の実施例では、座標調整回路が
、画像メモリに配属された識別および指示回路を有する。この回路ではフォーマ
ット値の付され、変更された第1のデジタルデータ信号がフォーマット値に基づ
いて識別され、変換回路に供給される。変換回路では、第1のデジタルデータ信
号が画像形式に変換される。さらに画像メモリに配属された識別および指示回路
は、フォーマット値が付され、変更された第2のデジタルデータ信号をフォーマ
ット値に基づいて識別し、同期回路に供給する。同期回路では第2のデジタルデ
ータ信号が出力クロック信号により同期される。
本発明の基本は、デジタルデータ信号が所定の固定ワード長を有するビット信
号を表し、割り当てられたデータ形式のタイプを表すフォーマット値が少なくと
も1つの個別のビット信号を各語の所定箇所に有することである。
例えば、デジタルデータ信号を、異なる色座標を有するが同じデータビットの
ワード長を有する2つの異なるデータ形式におくことができ、形式タイプないし
は色座標を表すフォーマット値がフォーマットビット値の2進状態値を表す。こ
れにより画像データに割り当てられたデジタルデータ信号を異なる表示形式で画
像メモリにピクセルごとまたはピクセル群ごとにファイルすることができ、その
際にピクセルないしはピクセル群の表示形式の相違の区別は、画像メモリにおけ
る1つまたは複数の付加的ビットレベルによって行うことができる。この画像メ
モリにおけるビットレベルは例えば、画像信号の色成分の色解像度を僅かに低減
することによって形成することができる。
本発明の具体的実施例では、各デジタルデータ信号
は出力すべき画像ピクセル当たり16ビットのワード長を有し、デジタルデータ
信号の少なくとも1ビットが割り当てられたデータ形式のタイプを表すフォーマ
ット値により置換される。この場合、表示形式の異なる画像データのデジタルデ
ータ信号を記憶するのに16ビット画像メモリで十分である。
本発明のとくに有利な適用では、第1のデジタルデータ信号のデータ形式はR
GBグラフィック形式であり、第2のデジタルデータ信号のデータ形式はビデオ
形式ないしはビデオピクセル形式(YUV)である。2つのデータ形式に対して
ピクセル当たり16ビットのワード長の場合、1024×768ピクセルの画像
記録装置の解像度が達成され、通常は十分である。このためには1.5Mバイト
の大きさの画像メモリが必要である。グラフィック(RGB)データ信号の形式
とビデオピクセル(YUV)データ信号の形式とを区別するためにただ1つのビ
ットを使用すれば、色符号化に対してはまだ15ビットが使用できる。従って表
示すべきグラフィックに対してピクセル当たり15ビットにより、RGB色成分
当たりそれぞれ5ビットの解像度の5:5:5ハイカラー形式を使用することが
できる。すなわち215=32768色を表示することができる。ビデオピクセル
(YUV)データ信号に対しては、2つの順次連続する16ビット語に2つの隣
接するピクセルを符号化する。このとき第1の語には
両方の輝度値がファイルされ、第2の語には2つのピクセルに対して共通に2つ
のクロミナンス値をファイルする。色空間(RGBまたはYUV)を区別するた
めのビットにより輝度値とクロミナンス値の量子化は7ビットの解像度に僅かに
低下する。
本発明の有利な適用は、市販のパーソナルコンピュータ用のグラフィックカー
ドである。とりわけ、グラフィック信号とビデオ信号とを同時に表示することが
要求されるマルチメディア適用分野である。本発明により、計算機により形成さ
れたグラフィックも、ビデオ画像も許容できる品質で表示することができる。と
りわけ両方のグラフィック形式を同時に表示することができ、例えばビデオ画像
を市販のディスプレイに表示されたユーザーインターフェースのウィンドウの中
に表示することができる。
本発明のさらなる特徴、利点、効果は図面に基づく以下の実施例の説明から明
らかとなる。
図1は、本発明の画像信号処理装置の実施例の概略図である。
図2は、実施例で使用される画像データ形式の概略図である。この画像データ
形式には、割り当てられたデータ形式のタイプを表すフォーマット値が付されて
いる。
図1は、グラフィックカード1の形態での本発明の画像信号処理装置の実施例
を示す。このグラフィック
カードは、ディスプレイ2またはその他の画像表示装置、例えばプリンタ、プロ
ッタ等の制御のために必要は画像信号3を送出する。本発明の構成を説明するの
に必要でない回路要素は見やすくするために図1では省略してある。これら回路
要素の他にグラフィックカード1は半導体チップ上に集積されて構成されたグラ
フィック回路4(グラフィックIC)と、これに電気的に接続された画像メモリ
5(フレームバッファ)を有する。この画像メモリはダイナミックランダムアク
セス半導体メモリ(DRAM)の形態であり、1.5Mバイトのフレームバッフ
ァ容量を有し、ピクセル当たり16ビットである。画像メモリ5とグラフィック
回路4とは64ビット幅のバス6を介して相互のデータ交換のために接続されて
いる。
グラフィックカード1は、ディスプレイ2上に画像情報を形成するのに必要な
アナログRGB画像信号3を送出し、そのためにパーソナルコンピュータ8のバ
スシステム7との間のインターフェースとして機能する。そしてグラフィックカ
ードは、パーソナルコンピュータ8のマザーボード上の拡張スロットの1つの挿
入される拡張ボードとして構成されている。バスシステム7を介してグラフィッ
クカード1に供給、処理ないし中間記憶される情報はディスプレイ2に画像信号
としてさらに供給される。画像信号3のアナログ信号伝送は例えばグラフィック
カード1に設けられたデジ
タル/アナログ・コンバータ9によって可能となる。このデジタル/アナログ・
コンバータ9は内部では3つのデジタル/アナログ変換器からなり、それぞれ赤
R、緑Gおよび青Bの色に割り当てられている。各デジタル/アナログ変換器は
8ビット幅の入力端子を有し、これに28、すなわち256の状態を形成するこ
とができる。従って3つの集積デジタル/アナログ変換器は各原色に対してそれ
ぞれ256の段階を形成する。このことは、256の赤色調と、256の緑色調
と、256の青色調とが混合色に組み合わされ、2563のカラースペクトル、
すなわち16Mの異なる色を形成できることを意味する。ディスプレイ2を制御
するために各原色に対して1つの線路が使用され、その信号強度がそれぞれの色
調のニュアンスを表す。3つの色線路すべてにおける最大信号レベルは画素を最
大明度で点灯させる。すなわち白である。また最小信号レベルは黒を形成する。
すなわち無または暗である。
グラフィックカード1は、PCIインターフェース回路11およびビデオイン
ターフェース回路12を備えた入力回路10を有する。PCIインターフェース
回路11はバスシステム7を介してパーソナルコンピュータ8とデータ交換し、
デジタルデータ信号を受信する。バスシステム7は32ビットのデータおよびア
ドレス幅のPCIバスシステムである。またこのデジ
タルデータ信号は、ピクセル当たり16ビットのワード長を有するグラフィック
(RGB)形式である。すなわちピクセル当たり65526色が表示できる。入
力回路10のビデオインターフェース回路12には、16ビット幅の信号線路1
3を介してビデオピクセル形式のデジタルデータ信号がビデオカメラ14に収容
されたビデオデコーダ信号回路15から供給される。ビデオデコーダ信号回路1
5を備えたビデオカメラ14の代わりにビデオインターフェース回路12には、
ビデオピクセル形式のデジタルデータ信号を送出する適切なTVチューナ/デジ
タイザ回路を備えたビデオレコーダ等を接続することもできる。線路16を介し
てビデオピクセル形式のデジタルデータ信号が、破線により概略的に示された処
理回路17に設けられたビデオスケーリング回路18に供給される。この回路で
は、ビデオピクセル形式のデジタルデータ信号に、割り当てられたデータ形式の
タイプを表すフォーマット値が付されるか、これにより変更される。入力回路1
0のPCIインターフェース回路11から送出されたグラフィック(RGB)形
式のデジタルデータ信号は線路19と20を介して、同じように処理回路17に
設けられたVGAコントローラ回路21ないしは符号発生回路22に供給される
。これらの回路では、グラフィック(RGB)形式のデジタルデータ信号に同じ
ように、割り当てられたデータ形式のタイプを相応に
表すフォーマット値が付されるか、またはこれにより変更される。
従って処理回路17の出力端子には、フォーマット値を備えた第1および第2
のデジタルデータ信号が出力される。これらのデータ信号について図2に基づい
て詳細に説明する。直接順次連続する2つのグラフィック(RGB)ピクセル2
3と24が示されており、これらはそれぞれ16ビットのワード長を有する。各
デジタルデータ信号23,24の第1ビット25にはフォーマット値“1”が付
されており、これによりグラフィック(RGB)形式であることが識別される。
残りのビット、すなわち第2ビット26から第16ビット27までは変化されず
、3つの色成分、赤、緑および青の色情報を含んでいる。従って色符号化に対し
て15ビットが使用される。これによりグラフィック表示に対して、RGB色成
分当たりそれぞれ5ビットの解像度の5:5:5ハイカラー形式を使用すること
ができる。これにより215=32768色が表示される。ビデオピクセル(YU
V)形式のデジタルデータ信号に対しては、2つの直接順次連続する2つの16
ビット語に2つの隣接するピクセルが符号化される。すなわち、データ信号28
と29のそれぞれ第1ビット25にはフォーマット値“0”が割り当てられたデ
ータ形式の識別子として書き込まれる。データ信号28の第1ワードには2つの
輝度値Yn+1とYnがフ
ァイルされ、第2ワードには2つのピクセルに対して共通の2つのクロミナンス
値Vn,Vn+1およびUn,Un+1がファイルされる。色空間(RGBまた
はYUV)を区別するための第1ビット25により、輝度値とクロミナンス値の
量子化は7ビットの分解能に低減される。
このようにフォーマット値30の付された、またはこれにより変更されたデジ
タルデータ信号23,24,28,29は線路31を介して座標調整回路32に
供給される。この座標調整回路は画像メモリ5に配属されており、図1には破線
により概略的に示されている。画像メモリには、フォーマット値30の付された
、またはこれにより変更された第1および第2のデジタルデータ信号が一時的に
記憶される。画像メモリ5は、1.5Mバイトの記憶容量を有し、ピクセル当た
り16ビットに構成されている。有利には物理的画像リフレッシュメモリが画像
メモリ5内で、16メモリレベルの大きさに構成されている。ここでは1メモリ
レベルを、画像メモリにピクセルごとまたはピクセル群ごとにファイルされた画
像データの表示形式を区別するためのフォーマット値30に割り当てることがで
きる。従ってこのビットレベルは色成分の色分解能の減少によって形成される。
これにより例えば16ビット深度の画像メモリで間に合うことになる。この解決
手段により、画像メモリの容量に対する要求が1/3
に低減されるだけでなく、付加的に画像メモリに対する帯域幅要求も1/3に低
減される。従来のグラフィックカードによる表示品質に同じ要求を課せば、ピク
セル当たり24ビットによるRGB色空間を表示しなければならないこととなる
。このことは画像メモリのメモリスペース需要が約50%上昇することを意味す
る。
座標調整回路32内に設けられ、メモリインターフェース回路33に後置接続
された識別および指示回路34は、画像メモリ5から時間的に順次連続して読み
出されるデジタルデータ信号23,24,28,29を、割り当てられたデータ
形式のそれぞれのタイプを表すフォーマット値30に基づいて識別し、データ信
号のフォーマット値が“1”であればシフトレジスタからなる同期回路35に、
フォーマット値が“0”であれば色空間変換回路37に供給する。グラフィック
(RGB)形式のデジタルデータ信号は、シフトレジスタ35を介してデジタル
/アナログ変換器9に、アナログ画像信号3を形成するため直接供給される。デ
ジタルデータ信号がビデオピクセル(YUV)形式であれば、このデータ信号は
色空間変換回路37により変換され、これに続いて出力回路36、すなわちデジ
タル/アナログ変換器9に供給される。
ここでの変換は例えば次式に従って行われる。
G=Y−0.698・V−0.336・U
R=V+Y
B=U+Y
図示の実施例では入力回路10が2つの物理的に別個の入力端子を有する。こ
れらの入力端子には第1のデジタルデータ信号23,24と第2のデジタルデー
タ信号28,29が印加される。これにより異なるデータ形式のデータ信号23
,24,28,29はハードウェア的に明瞭に分離して存在する。さらに、図1
にはわかりやすくするため明確に示されていないが、異なるデータ形式を有する
2つのデータ信号23,24,28,29を入力回路のただ1つの入力端子に印
加することもできる。この場合は、印加されるデータ信号23,24,28,2
9のデータ形式の区別をソフトウェア的に、入力回路10または処理回路17に
配属された制御回路によって実現することができる。この回路も同じようにグラ
フィックカード1に集積して構成されている。さらに図1の回路では、PCIイ
ンターフェース回路11に、RGBデータ形式のデジタルデータ信号の他に、Y
UV形式のデジタルデータ信号を供給することもできる。このYUV形式のデジ
タルデータ信号は(図1には図示しない)線路を介してビデオスケーリング回路
18に供給され、ここで割り当てられたデータ形式のタイプを表すフォーマット
値が付されるか、またはこれにより変更される。この場合も、処理回路17ない
し入力回路10に配属され
た制御回路が必要であり、この制御回路によりソフトウェア的に、印加されるデ
ジタルデータ信号のデータ形式の相違を識別し、フォーマット値30が処理回路
17で相応に割り当てられるように制御する。重要なことは、処理回路17とし
て示された回路が入力端子に印加される、データ形式の異なるデジタルデータ信
号23,24,28,29を識別し、相応するフォーマット値を割り当てること
である。これにより線路31の出力端子には、割り当てられたデータ形式の所属
のタイプを表すフォーマット値30が相応に付された、またはこれにより変更さ
れたデータ信号が印加される。
参照符号リスト
1 グラフィックカード
2 ディスプレイ
3 RGB画像信号
4 グラフィック回路
5 画像メモリ
6 バス
7 バスシステム
8 パーソナルコンピュータ
9 デジタル/アナログコンバータ
10 入力回路
11 PCIインターフェース回路
12 ビデオインターフェース回路
13 信号線路
14 ビデオカメラ
15 ビデオデコーダ信号回路
16 線路
17 処理回路
18 ビデオスケーリング回路
19,20 線路
21 VGAコントローラ回路
22 符号発生回路
23,24 デジタルデータ信号
25 第1のビット
26 第2のビット
27 16ビット
28,29 デジタルデータ信号
30 フォーマット値
31 線路
32 座標調整回路
33 メモリインターフェース回路
34 識別および指示回路
35 同期回路
36 出力回路
37 色空間変換回路
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1998年1月22日(1998.1.22)
【補正内容】
れに対して、この色空間に変換された画像/ビデオ信号に対するこの色数量化は
解像度が小さいため許容することのできない結果しか得られない。品質要求は基
本的には、RGB色空間で例えばピクセル当たり24ビットの高解像度で表示す
れば満たされる。しかしこのことにより画像メモリにおけるメモリスペース需要
が約50%も増大することとなる。しかもデジタルビデオ信号は、例えば4:2
:2−YUV形式の専用表示では、それ自体ピクセル当たり16ビットしか必要
としないのである。
GB−A−2117208から、オリジナルの画像ドキュメントと文字ドキュ
メントから合成された画像ドキュメントを、同期走査される感光材料に記録する
方法が公知である。ここではオリジナルの画像信号および文字信号が同じワード
長のデータ形式に変換され、バッファメモリに記憶される。データ形式には、文
字信号を画像信号から区別するために区別ビットが付されている。この区別ビッ
トに依存して、画像信号または文字信号がバッファメモリから読み出され、処理
回路にさらに供給される。この方法の目的は、画像データと文字データを共通し
て出力する際に、文字データの編集を行うことができるようにすることである。
異なる画像データタイプの画像信号の処理は、この公知の装置によっては不可能
である。
EP−A−0673156には、異なるカラー出力
ユニット、例えばカラープリンタ、カラースキャナ等を制御する装置が記載され
ている。
本発明の課題は、画像信号処理装置とデジタルデータ信号の処理方法を提供し
、この装置ないしこの方法が画像表示装置でデジタル画像データ信号を、少なく
とも2つの異なる所定のデータ形式を基礎として処理および表示できるようにし
、しかもその際に画像メモリのメモリスペース需要が増大することがなく、同時
に所望の色分解能ないしグレー値分解能に対する要求がほんのわずかして低減し
ないようにすることである。
この課題は請求項1に記載された本発明の画像信号処理装置、および請求項1
2に記載されたデジタルデータ信号の処理方法によって解決される。
本発明の画像処理装置は、入力回路と、入力回路に配属された処理回路と、処
理回路に接続された画像メモリと、画像メモリに配属された座標調整装置
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1998年3月19日(1998.3.19)
請求の範囲
1. 所定の第1の画像データ形式を有する第1のデジタル画像データ信号(
23,24)と、前記第1の画像データ形式とは異なる所定の第2の画像データ
形式を有するデジタル画像データ信号(28,29)とを処理し、ここで、第1
(23,24)および第2(28,29)のデジタル画像データ信号の画像デー
タ形式の一方はRGBグラフィック形式であり、時間的に順次連続するデジタル
画像データ信号(23,24,28,29)の他方の画像データ形式はビデオ形
式であり、第1および/または第2のデジタル画像データ信号から導出された画
像信号(3)を画像表示装置に出力する画像信号処理装置であって、
前記画像表示装置は画像信号処理装置と接続されており、出力された画像信号
(3)に相応する結像を作成するものである、画像信号処理装置において、
入力回路(10)と、入力回路に配属された処理回路(17)と、処理回路(
17)に接続された画像メモリ(5)と、画像メモリ(5)に配属された座標調
整装置(32)と、座標調整装置(32)に後置接続された出力回路(9)とを
有し、
前記入力回路(10)には、異なる所定の画像データ形式を有する第1(23
,24)と第2(28,29)のデジタル画像データ信号が印加され、
前記処理回路(17)では、第1(23,24)および第2(28,29)の
デジタル画像データ信号に、割り当てられた画像データ形式のタイプを表すフォ
ーマット値(30)が付され、またはこれにより変更され、
前記座標調整回路(32)には、少なくとも一時的に記憶され、フォーマット
値(30)の付された、またはこれにより変更された、画像データ形式の異なる
第1(23,24)および第2(28,29)のデジタル画像データ信号が画像
メモリ(5)から時間的に順次連続して書き込まれ、
前記座標調整回路は、デジタル画像信号(23,24,28,29)の割り当
てられた画像データ形式のタイプを表すフォーマット値(30)に依存して、第
1(23,24)および/または第2(28,29)のデジタル画像データ信号
の少なくとも画像データ形式を画像形式に変換し、
前記出力回路(9)は、画像形式に基づいて導出された画像信号(3)を形成
し、画像表示装置に出力する、
ことを特徴とする画像信号処理装置。
2. 座標調整回路(32)は、画像メモリ(5)に配属された識別および指
示回路(34)を有し、
該識別および指示回路では、フォーマット値(30)の付された、またはこれ
により変更された第1のデ
ジタル画像データ信号(23,24)がフォーマット値(30)に基づいて識別
され、座標調整回路(37)に供給され、
該座標調整回路では、第1のデジタル画像データ信号(23,24)が画像形
式に変換される、請求項1記載の画像信号処理装置。
3. 画像メモリ(5)に配属された識別および指示回路(34)は、フォー
マット値(30)の付された、またはこれにより変更された第3のデジタル画像
データ信号をフォーマット値(30)に基づいて識別し、同期回路(35)に供
給し、
該同期回路では、第2のデジタル画像データ信号(28,29)が出力クロッ
ク信号により同期される、請求項2記載の画像信号処理装置。
4. デジタル画像データ信号(23,24,28,29)は、所定の固定ワ
ード長を有する順次連続するビット信号であり、
割り当てられた画像データ形式のタイプを表すフォーマット値(30)は、デ
ジタル画像データ信号(23,24,28,29)の各ワードの所定箇所に少な
くとも1つの個別のビット信号を有する、請求項1から3までのいずれか1項記
載の画像信号処理装置。
5. 時間的に順次連続する画像データ信号(23,24,28,29)は、
色座標は異なるが、画像データビットのワード長は同じである2つの異なる画像
データ形式で存在し、
形式タイプないしは色座標タイプを表すフォーマット値は、フォーマットビッ
ト値の2つの2進状態値の1つにより表される、請求項1から4までのいずれか
1項記載の画像信号処理装置。
6. 各デジタル画像データ信号(23,24,28,29)は、出力すべき
画像ピクセル当たり16ビットのワード長を有し、
デジタル画像データ信号(23,24,28,29)の少なくとも1ビットは
、割り当てられた画像データ形式のタイプを表すフォーマット値(30)により
置換される、請求項4または5記載の画像信号処理装置。
7. 入力回路(10)はビデオインターフェース回路(12)とバスインタ
ーフェース回路を有し、
前記ビデオインターフェース回路にはデジタル画像データ信号(23,24,
28,29)がビデオ形式で印加され、
前記バスインターフェース回路にはデジタル画像データ信号(23,24,2
8,29)がRGBグラフィック形式で印加される、請求項7記載の画像信号処
理装置。
8. 出力回路はデジタル/アナログコンバータ(9)を有する、請求項1か
ら8までのいずれか1項記載の画像信号処理装置。
9. 画像出力装置は、例えば1024×768のピクセル解像度の市販のデ
ィスプレイを有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の画像信号処理装
置。
10. 画像信号処理装置は、市販のパーソナルコンピュータ(8)で使用す
るためのグラフィックカード(1)である、請求項1から10までのいずれか1
項記載の画像信号処理装置。
11. 所定の第1の画像データ形式を有する第1のデジタル画像データ信号
と、前記第1の画像データ形式とは異なる所定の第2の画像データ形式を有する
第2のデジタル画像データ信号(28,29)とを処理し、ここで、第1(23
,24)および第2(28,29)のデジタル画像データ信号の画像データ形式
の一方はRGBグラフィック形式であり、時間的に順次連続するデジタル画像デ
ータ信号(23,24,28,29)の他方の画像データ形式はビデオ形式であ
り、第1および(23,24)/または第2(28,29)のデジタル画像デー
タ信号から導出された画像信号(3)を、出力された画像信号に相応して形成さ
れる結像を作成する画像表示装置に出力する方法において、
異なる画像データ形式を有する第1(23,24)および第2(28,29)
のデジタル画像データ信号を入力回路(10)に印加し、
前記入力回路(10)に配属された処理回路(17)にて、第1(23,24
)および第2(28,29)のデジタル画像データ信号に、割り当てられた画像
データ形式のタイプを表すフォーマット値(30)を付すか、またはこれにより
変更し、
フォーマット値(30)の付された、またはこれにより変更されたデジタル画
像データ信号(23,24,28,29)を処理回路(17)と接続された画像
メモリ(5)に少なくとも一時的に記憶し、
前記少なくとも一時的に記憶され、フォーマット値(30)の付された、また
はこれにより変更された、画像データ形式の異なるデジタル画像データ信号(2
3,24,28,29)を時間的に順次連続して、画像メモリ(5)に配属され
た座標調整回路(32)に読み込み、読み込まれたデジタル画像データ信号(2
3,24,28,29)の画像データ形式を画像形式に、デジタル画像データ信
号(23,24,28,29)の割り当てられた画像データ形式のタイプを表す
フォーマット値(30)に依存して変換し、
導出された画像信号を画像形式に基づいて形成し、画像信号を画像表示装置に
、座標調整回路(32)に後置接続された出力回路(36)を介して出力する、
ことを特徴とする画像信号処理方法。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H04N 9/00 G06F 15/66 310
【要約の続き】
またはこれにより変更された、データ形式の異なる第1
(23,24)および第2(28,29)のデジタルデ
ータ信号が画像メモリ(5)から時間的に順次連続して
書き込まれ、前記座標調整回路は、デジタル画像信号
(23,24,28,29)の割り当てられたデータ形
式のタイプを表すフォーマット値(30)に依存して、
第1(23,24)および/または第2(28,29)
のデジタルデータ信号の少なくともデータ形式を画像形
式に変換し、前記出力回路(9)は、画像形式に基づい
て導出された画像信号(3)を形成し、画像表示装置に
出力する。