JP2000502027A - 二次電池の電極として使用するためのLi▲下1+x▼Mn▲下2−x▼O▲下4▼の製造方法 - Google Patents

二次電池の電極として使用するためのLi▲下1+x▼Mn▲下2−x▼O▲下4▼の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 化学式がLi1+X Mn2-X4 である単一相のリチオ化マンガン酸化物の層間化合物を連続的に製造する方法であって、リチウム水酸化物またはリチウム塩とマンガン酸化物またはマンガン塩とを均質に混合する工程と、この均質に混合された塩を反応装置に供給する工程と、この均質な混合された塩を反応装置で連続的に攪拌する工程と、反応装置において酸素含有ガス体中でこの攪拌された混合塩を約650℃から約800℃までの範囲にある温度で約4時間を超えない時間だけ加熱する工程と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】 二次電池の電極として使用するためのLi1+X Mn2-X4の製造方法 発明の技術分野 本発明は、リチウム含有三元系酸化物の微粉および/または薄膜を連続的に製 造するための方法に関する。より詳細には、本発明は、二次電池に役に立つ層間 可能な化合物であるLi1+X Mn2-X4を合成することに関する。 従来は、成分化合物の炭酸塩と酸化物とを混合し、その混合物を高温で加熱す ることによってリチウム含有三元系水酸化物を製造していた。この方法は、電池 に有効な材料を提供するが、反応および冷却に長い時間を要するために商業的に は実用的ではない。 発明の背景 本発明は、再充電可能な二次リチウム電池および二次リチウムイオン電池に関 し、より詳細には、そのような電池の陽極として使用されるLi1+X Mn2-X4 層間化合物(intercalaion compounds)を連続的に製造する方法に関し、ここで 、Xは約0から約0.125までの範囲にある。 現在、市販されている4Vのリチウム電池の陽極材料としてはリチウム−コバ ルト酸化物が使用されている。そのより安い価格と、原料の豊富さと、付加的な 安全性と、環境上の適格性と、電気化学的な性能とによって、Li1+X Mn2-X4 層間化合物は、そのような電池の陽極材料として非常に嘱望されてきた。し かしながら、陰極材料としてのLi1+X Mn2-X4が商業的に好評を博したた めに、電気化学的な要求される性能特性を備えた材料を素早くかつ経済的に製造 することのできる製造方法は以前には知られていなかっ た。本発明は、この問題に取り組むものである。 モル比Li/Mn=0.50を用いてLi2 CO3 と任意のマンガン酸化物と を均質混合し、この混合物を空気中において800〜900℃で反応させ、この 試料が一定の重さになるまでその温度で繰り返して混合物を粉砕し反応させるこ とによって、LiMn24(Li1+X Mn2-X4、ただし、X=0)が、早く も1958年〔D.G.Wickham およびW.J.Croftによる J.Phys.Chem.Solids7(1958 )351-360頁〕頃に合成された。LiMn24 の結晶網目構造(crystal framewo rk)を有するλ−MnO2 を生成するためにLiMn24 を酸浸出(acid leach ing)することと、その後に、リチウム電池の陽極材料としてλ−MnO2 を使用 することとが、Hunter〔1981年 1月20日出願のJ.C.Hunter(Union Carbide社)に よる米国特許第4,246,253 号、1982年 1月26日出願のJ.C.Hunter(Union Carbide 社)による米国特許第4,312,930 号、J.C.HunterによるJ.Solid State Chem.39( 1981)142-147頁〕によって報告された。Hunterは電気化学的にそのλ−MnO2 をLiMn24 にまで還元し、そのことは4Vで発生したが、それらはその電 池を充放電サイクリングしなかった。彼は、また、Wickham および Croftが記述 したものとは別のリチウム化合物とマンガン化合物が、もし使用された反応条件 下でリチウム酸化物またはマンガン酸化物に分解するならば、LiMn24 の 合成に使用できることを発見した。Thackeray らは〔M.Thackeray,P.Johnson,L. de Picciotto,P.Bruce,J.GoodenoughらによるMAT.Res.Bull.19(1984)179-187頁 、M.Thackeray,L.de Picciotto,A.de Kock,P.Johnson,V.Nicholas K.Adendorff らによる J.Power Sources 21(1987)1-8頁〕、LiMn24 のスピネル構造(s pinel structure)へのLiの層間は、電気化学的に可逆であり、Liに対して4 .1Vおよび3.0Vでの2つの電圧平坦域を与え、それはλ−MnO2へのそ れぞれ第1および第2のLiイオンの層間/逆層間(de-intercalaion)に対応す ることを示した。 多くの研究者がリチウム化合物とマンガン化合物の熱反応によるLiMn24 の合成を研究し、その合成は広い温度範囲すなわち300〜900℃の範囲に わたって達成できることが知られている。また、その生成物が、Liを層間およ び逆層間することができることも研究された。約550℃よりも低い温度で生成 されるいわゆる“低温材料”は、不完全な結晶質(crystalline)であり、変形し たスピネル構造を有し、Liに対して約3Vでサイクリングするが4Vではサイ クリングしない〔W.J.Macklin,R.J.Neat,R.J.Powell によるJ.Power Sources 34 (1991)39-49頁、1989年 5月 9日出願のT.Nagaura,M.Yokokawa,T.Hashimoto(ソ ニー社)による米国特許第4,828,834号、1990年12月25日出願の M.M.Thackery,A .de Kock(CSIR)らによる米国特許第4,980,251 号、V.Manev,A.Momchilov,A.Nass alevska,A.Kozawa らによる J.Power Sources 43-44(1993)551.559頁〕。これら は、本出願が目的とする材料ではない。 空気雰囲気中において約600〜900℃で生成されるいわゆる“高温”材料 は、完全な結晶質である。それらは、Liに対して約4Vでサイクリングする能 力を示すが、Liに対して3Vではずっと劣悪にサイクリングし、急速にその能 力を失う〔J.M.Tarascon,E.Wang,J.K.Shokoohi,W.R.McKinnon,S.Colsonらによる J.Electrochem.Soc.138(1991)2859-2868頁〕。ゾルーゲル過程におけるような 低温でLiMn24 が合成される場合でも、それが例えば600〜800℃の 高温でまず最初に焼成/アニールされるならば、それは4Vの型(regime)でサイ クリングする〔1992年 8月 4日出願の P.Barboux,F.K.Shokoohi,J.M.Tarascon(B ellcore 社)による米国特許第5,135,732号〕。高温LiMn24 材料は、本出 願のもう1つの目的である。 研究者が加熱生成物を粉砕再生することとその粉砕再生された粉末を再加熱す ることを頻繁に連係させる(静止)マッフル炉において単一相(single-phase)生 成物を合成することは、反応時間に多くの 時間あるいは多くの日数さえも要することに研究者は概ね気が付いていた〔1992 年 8月 4日出願のP.Barboux,F.K.Shokoohi,J.M.Tarascon(Bellcore社)による米 国特許第5,135,732 号、W.J.Macklin,R.J.Neat,R.J.Powellらによる J.Power So urces 34(1991)39-49頁、A.Mosbah,A.Verbaire,M.Tournoux らによるMat.Res.Bu ll.18(1983)1375-1381頁、T.Ohzuku,M.Kitagawa,T.Hirai らによるJ.Electroche m.Soc.137(1990)769-775頁〕。もしそのような労力を要する合成手順がなければ 、LiMn24 に加えて様々な副産物、すなわちMn23 、Mn34 、お よびLi2 MnO3 が生成される。これらの物質はリチウム電池には好ましいも のではなく、小さな容量と短い寿命(high fade rate)とを引き起こす。 好ましくない副産物を生成することに加えて、その合成パラメータもまた分子 /結晶構造およびLiMn24 の物理的性質に悪い影響を及ぼし、これらの材 料性質が電池容量および材料のサイクリング能力(cyclability)に悪い影響を及 ぼす。Momchilov、Manev、およびその協力者〔A.Momchilov,V.Manev,A.Nassalev skaらによるJ.Power Sources 41(1993)305-314頁〕は、リチウム反応体、MnO2 反応体、反応温度、および、空気中で冷却する前の反応時間を変化させた。彼 らは、できるだけ低い融点を有するリチウム塩と、最も大きな表面積を有するM nO2 試料とからスピネルを生成することは有益であることを発見した。その利 点はより早い反応時間とより多孔質の生成物とであり、そのことがより大きな容 量とより優れたサイクリング能力(すなわち、サイクル回数によるより少ない容 量の減衰)とを提供した。しかしながら、反応時間は、いずれの場合にも数日の 長さであった。これらの研究者〔V.Manev,A.Momchilov,A.Nassalevska,A.Kozawa らによる J.Power Sources 43-44(1993)551-559頁、A.Momchilov,V.Manev,A.Na ssalevskaらによる J.Power Sources 41(1993)305-314頁〕は、また、最適反応 温度は約750℃であることを発見した。より高い温度では、恐らく低減した表 面積と、 LiMn24 の中のマンガンを還元する酸素の損失とによって、材料は容量を 低下させた。より低い反応温度では、合成はさらにより長い時間を必要とし、明 らかにより小さい容量の原因となるスピネルの変形の跡が見られた。これらの研 究者は、また、最終温度で反応させる前に、リチウム反応体の融点よりわずかに 高い温度で反応混合物を予熱する利点を実証した。 Tarascon およびその協力者〔J.M.Tarascon,W.R.McKinnon,F.Coowar,T.N.Bowm er,G.Amatucci,D.Guyomard らによる J.Electrochem.Soc.141(1994)1421-1431、 1995年 6月20日出願のJ.M.Tarascon(Bellcore 社)による国際出願第W094l26666 号および米国特許第5,425,932号〕は、(1)Li/Mnのモル比が1/2より も大きい反応体混合物(すなわち、Li/Mnは1.00/2.00〜1.20 /2.00であり、したがって、Li1+X Mn2-X4 のXは0.0〜0.12 5である)を使用し、(2)800〜900℃で長い時間(例えば、72時間) にわたってその反応した生成物を加熱し、(3)酸素を含有するガス体中で非常 に遅い速度すなわち好ましくは2〜10℃/hの速度で約500℃にまで冷却し 、最後に、(4)炉を消すことによってその生成物をより急速に周囲温度にまで 冷却する、ことによって大きい容量および長いサイクル寿命を最も良好に達成さ れることを発見した。ガス体中の酸素濃度が高められていれば、800℃よりも 高い温度から500℃までの冷却速度は、30℃/hに増大させてもよい。この 生成物の格子定数aは、電池における生成物の有効性(product efficacy)の指標 であり、約8.23Åよりも小さいことが望ましいことをこれらの研究者は発見 した。比較すると、Li/Mn=1.00/2.00でもってかつ空気冷却でも って生成されたLiMn24 に対してはa=8.247Åであった。 Manev およびその協力者〔V.Manev,A.Momchilov,A.Nassalevska,A.Sato らに よる J.Power Sources 54(1995)323-328頁〕は、また、1.00/2.00よりも 大きなLi/Mnのモル比は、容量およびサ イクリング能力の両方に対して利点があることを発見した。彼らは最適な比とし て1.05/2.00を選択した。これらの研究者は、また、マツフル炉の混合 前反応体(pre-mix/reactants)の量が10gから100gにまで増量されると、 容量は相当に減少することを発見した。彼らは、炉内の空気の消耗と結果として 生じる生成物の部分的還元とを調査した。この問題は、炉内に空気を流し込むこ とによって緩和された。空気の流れが多すぎる場合には生成物の容量が再び減少 するので、空気の流れは効果のあるものに最適化されなければならなかった。Ma nev およびその協力者は、最も効果のある冷却速度は数10℃/分であることを 発見し、それは Tarascon およびその協力者のそれよりも100倍以上も速かっ た。硝酸リチウムと反応体としての非常に多孔質の化学的な二酸化マンガンとの 使用を含むすべての条件を最適化した後、Manev およびその協力者は、非常に高 い容量と非常に長い寿命とを有する生成物Li1+X Mn2-X4(X=0.033 である)を得た。硝酸リチウムの使用は、この製造方法にほとんど問題がなかっ た。なぜなら、毒性のあるNOx煙霧は合成中に排出されるからである。Manev が硝酸リチウムではなく炭酸リチウムを用いた好結果の合成方法を発見したとき 〔V.Manev によって1995年 3月20〜22日の第9回の IBA Battery Materials Sym posium,Cape Town,South Africa に提出された研究論文(要約書が入手できる) 〕、この新規の製造方法はまたもや数日の反応時間を要した。 Howard〔W.F.Howard Jr.S.P.Wolsky and N.Marincicの後援による 1994年 2 月28日〜 3月 3日の第11回 Intl Seminar on Primary and Secondary Battery T echnology and Application,Deerfield Beach,Fla.の議事録において〕は、可能 なLiMn24 製造装置を主に経費面から論議した。データは説明/提出され なかったが、Howardは、回転キルン(rotary kiln)が静止炉よりも早く熱を伝え ることを提案し、それは反応時間をより短くするように作用する。 長い熱反応時間と組み合わされる望ましい徐冷速度は、パイロットプラントま たは商業的な操業のような大きな規模で実現することは非常に困難である。した がって、望ましくない副産物の発生を防止し、また、必要とされるLi1+X Mn2-X4の化学量論組成(stoichiometry)および構造を維持するとともに、反応時 間と冷却時間とを短くすることは大変に好ましいことであり、その構造はより小 さな格子定数によって表現される。 発明の概要 化学式Li1+X fxMn2-X4 (ここで、Xは約0から約0.125である )を有し、かつ約8.235Åかまたあはそれ以下の格子定数を有するリチウム マンガン酸化物は、リチウム塩/リチウム水酸化物とマンガン酸化物とを混合し 、その混合物を空気中、酸素中、または酸素に富んだ雰囲気中で約650℃から 約800℃までの範囲にある温度で約2時間かまたはそれ以下の間だけ加熱しな がら連続的に攪拌し、そして、空気中、酸素中、または酸素に富んだ雰囲気中で 同様に攪拌を用いて約2時間かまたはそれ以下の間だけその生成物を冷却するこ とによって製造される。 図面の簡単な説明 本発明は、添付の図面と組み合わせて以下の説明を参照することによってより 良く理解することができる。図面において、同じ要素は同じ参照番号が付与され る。 図1は、本発明の製造方法において用いられる連続反応装置の好ましい実施例 の概略部分断面図を示す。 図2は、図1に示される反応装置のシェルの断面図を示す。 図3は、非水の実験用電池の断面図を示す。 図4は、〔試料B〕すなわち、空気中において725℃(2時間)で回転キル ンによって加熱され、実験室用回転キルンにおいてO2 中で徐冷(2.5時間)されたLiOHと電解二酸化マンガン(EMD)とから 製造されたLi1+X Mn2-X4スピネルのX線回折パターンを示す。 図5は、〔試料C〕すなわち、空気中において725℃(2時間)で回転キル ンによって加熱され、回転キルンにおいて空気中で徐冷(1.5時間)されたL iOHとEMDとから製造されたLi1-XMn2−X O4 X線回折パターンを示 す。 図6は、〔試料D〕すなわち、N2中において725℃(1.5時間)で回転 キルンによって加熱されて空気冷却されたLi2 CO3とEMDとから製造され たLi1+X Mn2-X4 スピネルのX線回折パターンを示す。 図7は、〔試料E〕すなわち、空気中において725℃(2時間)で静止床に よって加熱されて空気冷却されたLi2 CO3 とEMDとから製造された制御L i1+X Mn2-X4 スピネルのX線回折パターンを示す。 図8は、〔試料I〕すなわち、空気中において725℃(2時間)で静止床に よって加熱されて空気冷却されたLiOHとEMDとから製造された制御Li1+ X Mn2-X4スピネルのX線回折パターンを示す。 図9は、〔試料K〕すなわち、空気中において725℃(24時間)で静止床 によって加熱されて徐冷(36時間)されたLi2 CO3とEMDとから製造さ れた制御Li1+X Mn2-X4スピネルのX線回折パターンを示す。 図10は、〔試料C〕の2つのサイクルにわたってのスピネルに対するサイク ル曲線(電圧対時間)を示す。 図11は、〔試料K〕の50回のサイクルまでの減衰率を得るための方法(最 小二乗法)を示すための放電容量対サイクル回数の典型的なプロットを示す。 好ましい実施例の説明 本発明は、リチウムマンガン酸化物の化学式に基づいて、リチウム水酸化物ま たは分解性リチウム塩とマンガン酸化物または分解性マンガン塩とを理論量によ って均質に混合し、この均質に混合された化合物を反応装置に供給し、反応装置 の混合された塩を連続的に攪拌し、空気、酸素、または酸素に富んだガス体を反 応装置内に流し込み、約650℃から約800℃までの範囲にある温度で約4時 間を超えない時間だけ反応装置の攪拌された混合化合物を加熱し、そして、好ま しくは2時間を超えない時間だけ約100℃以下の制御された条件下で反応した 生成物を冷却することによって、0≦X≦0.125である化学式Li1+X Mn2-X4 の単一相のリチオ化されたマンガン酸化物の層間化合物を連続的に製造 する方法である。本発明は、また、0≦X≦0.125である化学式Li1+X M n2-X4 に従って、立方スピネル型結晶構造を有するほぼ単一相のリチウムマ ンガン酸化物を合成する方法に関する。より詳細には、本発明は、リチウムまた は適切なリチウム含有合金からなる陽極を有する電気化学的な電池の陰極として 使用するのに適した酸化物を製造するために、そのような酸化物を合成する方法 に関する。本発明は、また、その方法によって製造されたときの酸化物に関し、 さらに、その酸化物をその陽極として含む電気化学的な電池に関する。 本発明によれば、スピネル型結晶構造を有するリチウムマンガン酸化物を合成 する方法は、ここで定義するような少なくとも1つのリチウム水酸化物またはリ チウム塩と、ここで定義するような少なくとも1つのマンガン酸化物またはマン ガン塩との微粉固体の形態での混合物を形成する工程と、その混合物を約650 ℃から約800℃までの範囲にある温度に加熱し、同時に分解することによって 前述の化合物をお互いに反応させてスピネル型結晶構造と立方最密充填された酸 素格子構成とを有する前述のリチウムマンガン酸化物を得る工程と、からなる。 ここで定義するようなリチウム塩とは、空気中で加熱されたときに分解してリ チウム酸化物を形成するリチウム化合物を意味し、また、ここで定義するような マンガン塩とは、空気中で加熱されたときに分解してマンガン酸化物を形成する マンガン化合物を意味する。 リチウム化合物は、LiOH、Li2 CO3、LiNO3、およびこれらの混合 物からなるグループの中の1つであってもよく、また、マンガン化合物は、Mn O2 (電気分解によってまたは化学的にかのいずれかで製造される)、Mn23 、MnCO3、Mn34、MnO、酢酸マンガン、およびこれらの混合物から なるグループの中の1つであってもよい。混合物の形成は化学量論比によるもの であり、したがって、少なくともLi:Mnが約1:2のモル比が存在し、好ま しくはリチウムのわずかな超過を伴い、すなわち、その比は1:2.0〜1:1 .67の程度であり、好ましくは1:1.94〜1:1.82である。混合物の 形成は、塩が十分に均質に混合されさえすれば、回転ドラムミキサー、振動ミル 、ジェットミル、ボールミル、またはそれらに類似するものの中で混合されても よい。 そして、この均質に混合された化合物が、スクリュー供給装置、空気コンベヤ ー、パルスエアジェット、またはそれらに類似するものによってホッパーに送ら れて反応装置に移される。 反応装置は、好ましくは、水平回転か焼炉であり、あるいは、回転スクリュー 、流動床、熱振動コンベヤーベルト、またはカスケード式垂直回転炉床を有する 水平か焼炉である。反応装置の種類の選択は、他の処理パラメータおよび使用さ れる塩に依存する。 図1を参照すると、本発明の1つの実施例において、出発原料1が供給ホッパ ー2に流し込まれる。この材料が、反応装置への出発原料の供給量を制御するの に使用されるスクリューコンベヤー3に重力の作用によって落下する。このスク リューコンベヤー3は、出発原料を回転するシェル反応装置5に排出する。シェ ル5は、従来 技術によるいかなる回転駆動手段によって回転させてもよい。この固体は、回転 シェル5の全長にわたって下方向に移動し、まず、外部シェルによって囲まれた 独立して加熱される領域6a、6b、6cを通過する。その固体が、回転シェル 5からバルブ9を介して生成物ドラム10に排出される。反応装置は、供給スク リューコンべヤー3と排出バルブ9との間の空間が気密を保たれ、図に示される ように、シェル5内の圧力はパイプ8を介してのバッグフィルター11へのガス 抜きによってほぼ大気圧に等しいが、大気がパイプ8から排出される以前には生 成物に接触して侵入する大気によってわずかに正圧下にあるかもしれない。選択 可能なガスパージ吸込パイプ7によって、空気または酸素に富んだガスが逆流し て反応体の全体にわたって連続して流れることができる。このパージガスは、パ イプ8を介しての排ガスとともに反応装置からガス抜きされる。スクリューコン ベヤーおよび回転シェルの駆動手段は、この分野に精通する者には良く知られて いるので図示しない。 図2を参照すると、回転シェル220は、シェルの内側に取り付けられた4つ の等間隔に配置されたリフト羽根210を選択可能に有する。これらのリフト羽 根は、回転シェル220の内側に溶接またはその他の方法で適切に取り付けられ てもよい。この羽根のそれぞれは、それが隣接する羽根から等距離に離間し、か つそれぞれは回転シェル220の全長にわたって軸方向に伸長する。これらの羽 根が固体を混合し続けてシェル内の大気に均質に接触させるように機能しさえす れば、そのような羽根の数はそれの寸法とともに相当に変えられてもよい。この 羽根は、また、シェル220を通って固体が移動することを促進する。固体がシ ェル220を通って下流に移動するのをさらに促進するために、シェル220は 、反応装置の長さの1フィート当たり1/4インチまでの勾配で流れの方向の下 流側に傾けられてもよく、好ましくは、1フィート当たり1/16インチである 。反応装置の寸法は、所望されるそれの容量に依存し て変化させてもよい。 試料に用いられた実験装置は、3フィートの加熱領域を有する直径が2インチ の水平回転チューブ炉によって構成された。ガスの流量は50〜500cc/分 に設定され、回転速度は30RPMに設定された。 類似したパイロット装置は、8フィートの加熱領域を有する直径が6インチの 反応装置によって構成された。ガスの流量は20〜40SCFHに設定された。 回転速度は3〜10RPMに設定された。 処理中に反応体を攪拌し続けることは重要なことである。流動化運動(fluidiz ing motion)によって、急速に熱を伝達することができ、また、気体/表面の界 面露出(interface exposure)を連続的に更新することができる。静止床の処理に 比較して処理の反応動力学を非常に向上させるのは、この条件の組み合わせなの である。 混合物の加熱は、好ましくは、空気、酸素、または酸素に富むガス体の逆流に よって連続的にパージされる雰囲気中において約650℃から約800℃までの 範囲にある温度にまで加熱され、その混合物は、約4時間よりも短い時間だけ好 ましくは約2時間の時間だけ、好ましくは±10℃の精度で最大温度に維持され る。この加熱工程に続いて、空気中で急冷することによる冷却工程または炉の自 然な冷却速度による冷却工程が実施されてもよい。 本発明の加熱工程は、約650℃から約800℃までの範囲にある温度で約4 時間を超えない時間だけ実行される。好ましくは、加熱工程の温度は、約700 ℃から約750℃までの範囲にある温度であり、約1.5時間から約2時間まで の時間だけ実行される。 加熱工程の後に、反応生成物は、約2時間かそれ以下の時間で約200℃以下 にまで都合よく冷却される。好ましくは、この生成物は約100℃以下にまで冷 却され、かつこの冷却工程が約1.5時間以下の時間だけ実行される。冷却工程 が1.5時間かそれ以下の時間だけ実行される場合には、生成物は、その生成物 が酸素を吸収 することを可能にすることによって都合よくアニールリングされ、それによって 格子に変形を生じさせる。冷却工程が約1.5時間かそれ以下の時間だけ都合よ く実行された場合、冷却は、累進的により冷たい温度となる少なくとも2つの領 域において実行される。好ましくは、そのような冷却は、少なくとも3つの別個 の領域においてなされ、領域のそれぞれは、直前の領域よりも少なくとも約90 ℃だけ累進的に冷たくされている。非常に好ましくは、3つの冷却領域における 温度は、約725℃、約625℃、および約525℃である。 Li1+X Mn2-X4 生成物は、例えば、Li/Mn比およびMnの酸化数を 得るための標準の化学的方法および分光学的方法のような様々な方法によって分 析的に特徴づけられる。これらの方法が試料に適用されて材料を説明するのに使 用される化学式が確認された。 これらの材料の特性表示のための最も有益な分析法の1つは、粉末技術を用い たX線回折(XRD)である。XRDは、(1)生成物の純度と、(2)格子定 数との2つの種類の有益な情報をもたらす。いずれの物質も固有の明瞭なXRD パターンを有するので、XRDパターンを標準パターンと比較すると、単一相の 生成物が得られたかどうかが判定できる。研究者は、XRDパターンと電池の性 能との間にかなりの相関を発見していた。例えば、スピネルは、Li2MnO3、 Mn23、および、Mn34 からの顕著なピークを伴うことなく、明瞭なL iMn24 のXRDパターンを有するはずである。これらの材料はサイクリン グせず、また、陰極の浸出によってさらなる害さえも与えるかもしれず、陰極に おける良い材料のブレークアウトの原因となる。 図4、5、8、および9は、それぞれ試料B、C、I、およびKに関する明瞭 なLiMn24 のXRDパターンである。これらのLiMn24 のXRDピ ークは、それらの周知の2θの位置によ って識別され、それらは501から508の番号が付されている。もちろん、X 線がCuKα放射であることを承知の上で、標準的な方法によってこれらの2θ の値を良く知られた結晶の“d”値に変換することができる。XRDパターンは 上述の列挙された材料に関してほとんど同一であると思われるが、これらの4つ の材料は、それらが合成される方法によって異なり、その方法は表1に詳述する 。 図6および7は、副産物が混合されたスピネルに対するXRDパターンを示す 。主生成物Li1+X Mn2-X4 に対するピークには、図4、5、8、および9 での純粋なLi1+X Mn2-X4 に対する対応するピークと同一の番号が付され ている。700番台の番号を付されたピークはLi2 MnO3に関係し、600 番台の番号を付されたピークはMn23 かまたはMn34(これらの2つの 化合物はほんのわずかな小さいピークから識別するのは難しい)のいずれかに関 係する。 第2の種類のXRD情報すなわち格子定数は、図に示されるような走査の目視 検査からは得ることができない。むしろ、結晶学およびXRDの分野に精通した 者に良く知られた専門技術“格子定数精密化法(lattice parameter refinement) ”によって、高い精度ですべてのピークの正確な位置を検査し、この情報から、 結晶軸“a”に関する最良立方スピネル単位格子の寸法を計算したほうが良く、 これが格子定数aである。 格子定数はサイクル回数による放電容量の減少量である容量減衰率と頻繁に直 接に関連するので、多くの研究者が格子定数こそが分析の道具であることを示し た。格子定数は、立方Li−Mnスピネルの化学量論によって(すなわち、Li1+X Mn2-X4 のXによって)およびスピネルの酸化の度合によって変化する 。Li1.00Mn2.004 は、a=8.2476Åの格子定数を有する(米国国家 標準局発行の Monograph 25,21 78(1984)の M.C.Moris,H.F.McMurdie,E.H.Evans ,B.Paretzkin,H.S.Parker,W.Wong-Ng,D.M.Gladhill,C. R.Hubbardらによる Standard X-ray Diffraction Powder Patterns の第21章の Data for 92 Substances)。このaの値はLiを除去すること(酸化)によって 減少し、立方Mn24(λ−MnO2)相に対しては8.03Åの値に達する。 リチウムがLiMn24(Li1+X Mn2-X4 においてX>0)に付加され るとき、マンガンはより酸化されたものとなり、aが約8.2Λにまで減少し〔 J.M.Tarascon,W.R.McKinnon,F.Coowar,T.N.Bowmer,G.Amatucci,D.Guyomard らに よる J.Electrochem.Soc.141(1994)1421-1431〕、スピネルの容量減衰率が減少 する。さらなるリチウムおよびマンガンの酸化が放電容量を減少させ、理論上の 4Vの最大放電容量は、最も多いMnの理論上の酸化数4.00によって決定さ れるときの(1〜3X)のリチウムイオン数/Li1+X Mn2-X4 の分子単位 当たりの電子数である。 ここで説明された技術によって製造されたリチウムマンガン酸化物の試料は、 わずかな量の黒鉛(10〜40重量%)および二次電池の陰極混合物を形成する ための結合剤(5重量%)を均質に混合し、この陰極混合物を導電性支持体にプ レスし、そして、乾燥ガス流の中で加熱することによってこの陰極混合物/支持 体アセンブリ(陽極と呼ばれる)を乾燥させることによって正の二次電池電極に 形成された。そして、これらの電極が、平らな電気化学的な試験用電池の形態で 通常の方法によって検査された。そのような電池の1つの形態が、図3に示され る分解可能な電池である。この電池は、導電性支持体302を備えたLi1+X M n2-X4 含有陽極301を用いて乾燥アルゴン雰囲気中で組み立てられ、その 導電性支持体302は、多孔質ガラス繊維および/またはポリプロピレンおよび /またはポリエチレンのセパレーター紙305および306によってステンレス 鋼の導電性支持体304を備えたリチウム箔の陰極303から分離され、そのセ パレーター紙305および306は、50/50−wt/wtのエチレンカーボ ネート(EC)およびジメ チルカーボネート(DMC)溶液における1モルのリチウムヘキサフルオロホス フェート(LiPF6)の混合物からなる電解液を含浸させられた。これらの活 性電池の構成要素は、大気から絶縁される程度に密着接触してプレスされた。図 3に示される分解可能な電池では、このことは、電池本体を構成する平たい円筒 状電池の2つの半分307および308によって実現された。活性電池のサンド イッチが間に配置されるその2つのポリプロピレンの断片が、電池構成要素を一 緒にプレスするためのボルト(図3には図示されない)とともに加工された。2 つの円筒状の半分307および308の間におけるこの電池の周囲を取り囲むポ リプロピレン−ポリエチレンからなる“O”リング309は、電池構成要素が一 緒に加工されてしまえば、電池からの電解液の漏れまたは電池への空気の侵入を 密封するように機能するのみならずボルトの締め過ぎを取り除くようにも機能し た。電池のこの2つの半分は、それらの中心310および311で締結される金 属のボルトによって組み立てられ、これらのボルトは活性電池の構成要素の内外 に電流を通すようなものであった。Oリングは、また、集電ボルト312および 313の周囲の密封を確実にするのに利用された。これらのボルトは、ナット3 14およびワッシャー315によってOリングにしっかりと固定された。 そして、Li1+X Mn2-X4 の可逆変態(reversible transformation)が進 行中の化学式単位当たりのリチウム含有量の変化の関数として、充電−放電サイ クル中の電池の電圧動作を判定するためにこの試験用電池が評価された。充電が 開始されたとき(すなわち、3.1V〜3.5Vの電池電圧によって)、マンガ ンが酸化を始め、リチウムイオンがLi1+X Mn2-X4 の外に出て電解液を通 ってリチウム箔に移動する。このプロセスは電圧が4.3Vに達するまで進行し 、それはほとんどのリチウム原子がリチウム陽極に移動してしまう電位である。 そして、電池は3.0Vまで放電し、かつ陰極 領域の面積当たり0.5mA/cm2の割合で何度も再充電された。そのような 充電および放電の2つのサイクルが、図10に示される。 電池は、活性陰極材料Li1+X Mn2-X4 の1グラム当たりに大よそ120 mAhの電荷が半サイクル毎に通過する。どんな電池システムにも典型的なこと であるが、この電荷の量はサイクル数によって減少した。サイクル減衰と呼ばれ るこの減少は、初期放電容量とともに、陰極材料の最も重要な電池の性能特性の 1つである。この電池に対する最大放電容量を記録した。これは普通は第1サイ クルにおける放電容量であり、電池の中のほんの一部ではあるが第2サイクルに おいてあるいは第3サイクルにおいてさえも容量が最大となった。電池に対する 減衰率は、30サイクルおよび50サイクルの後に、放電容量対サイクル数のグ ラフによって最小二乗法の直線の傾きとして計算された(図11参照)。Li1+ X Mn2-X4 の1グラム当たりのmAhにおけるこの傾きを初期放電容量によ って除算して100を乗算することによって、この傾きがサイクル当たりの容量 損失の百分率での減衰率に変換された。 パイロット規模の回転キルン(反応装置)において、ここで提案された製造方 法によってスピネルが合成された。また、この提案された製造方法によって製造 されたスピネルと比較するために、様々な他の公表された方法または特許を取得 した方法によってスピネルが合成された。これらの方法は、(a)標準の実験室 用手順、すなわち、マッフル炉での熱反応とそれに続く周囲大気での冷却、(b )標準の実験室用手順ではあるが、徐冷(コンピュータ化された制御装置を炉に 使用した)を含む、(c)空気冷却とそれに続く850℃での特殊アニーリング と、その後の500℃または室温までの“非常に”緩慢な徐冷(10℃/h)、 とを含む。さらに、様々な処理パラメータを評価するために、種々の変更がなさ れたパイロット反応装置において合成が実施された。 空気中または酸素に富む雰囲気中での“非常に緩慢な徐冷/アニ ール”工程時にスピネルが結晶格子内に酸素を吸収することは周知のことである 。この現象は、熱重量分析法(TGA)を用いて重量の増加を監視することによ って観察することができる。 スピネル材料を連続的に攪拌することが可能であれば、本発明による徐冷処理 を用いれば、冷却速度を大幅に早めることができる。このことは、固体/気体界 面の非常に大きな露出を提供する。さらに、空気または酸素を連続的にパージす ることは、表面界面における格子内への素早い吸収のために酸素を絶えず有効な ものとする。 試料が示すように、提案された製造方法によって製造されたスピネルに対する 容量およびサイクル減衰率は、多くの時間あるいは数日にさえもおよぶ加熱時間 および冷却時間を含んだ前述の実験室用の最適な製造方法によって製造されたス ピネルに対する容量およびサイクル減衰率にほぼ等しかった。これに反して、提 案された製造方法で費やされる時間にひけをとらないほんの数時間で実験室用の 製造方法が実施された場合には、容量が相当に小さく、いくつかの事例では減衰 率がより高かった。 相関関係に信頼性を与えるために多数の試料が評価された。試験毎に不確さを 提供するために、試料のそれぞれを反復試験において一巡させた(battery cycle d)。したがって、容量およびサイクル減衰率においての相違の程度は、統計的な 検討を必要とする。材料の製造方法の説明が表Iに記述され、平均結果と標準偏 差(σ)のすべてが表IIに示される。 試験結果を対別比較(pairwise comparison)することによって(すべてのデー タの線型多重回帰法に対照したものとして)、権利を主張する本発明による製造 方法の重要な特徴の大部分がここで説明される。対別比較がなされる場合、調査 下にあるパラメータを除いてすべてのパラメータを一定に保持することが望まし い。例えば、異なる加熱/冷却処置を比較する場合、同一材料を比較することが 望ましい。同様に、与えられる組成上の相違(例えば、マンガンに対す るリチウムの比)に関して異なった材料を比較する場合、それらの材料は、同一 の先駆物質EMDおよび同一のリチウム化合物から製造されることが望ましい。 このことは可能な限り実行された。すべての試料スピネルは、非常に反復性のあ る規格を有するKerr−McGee Chemical社のアルカリ電池用の 品質のEMDから合成される。同一リチウム化合物から合成される材料、すなわ ちリチウム水酸化物またはリチウム炭酸塩のいずれか、は可能な限り比較された 。 〔実施例1〕 本発明によるこの実施例は、試験された他のどのような材料と比較しても同程 度かまたはそれ以上に品質が優れていた。本発明による実施例に用いられた製造 方法は、回転キルンにおける空気中での2時間にわたる反応と、回転キルンにお ける空気中での2時間にわたる冷却とから構成され、過剰リチウムによって製造 され、すなわち、Li/Mn2=1.05であった(Li/Mn2=1.00では なく)。本発明のこの実施例は試料Bおよび試料Cである。試料Bの場合には、 実験室用の小さい回転キルンにおいてO2 雰囲気中で冷却がなされるのに(試料 を725℃にまで最初に再加熱した後に)、試料Cの場合には、パイロットキル ンにおいて空気中で試料がゾーン冷却されることを除いては、これらの2つの試 料はまったく同じに製造された。表IIは、試料BおよびCが十分な放電容量と表 の中で最も低い減衰率(あるいはそれに等しい)とを呈することを示す。さらに 、それらのXRDパターン(図4および5)は明瞭であり、格子定数は最も低い 格子定数の1つである。 特に、本発明による実施例は、実験室用の長い経路(静止床炉)によって製造 された材料と同程度に優れており、その実験室用の長い経路は、20時間の反応 時間と、(a)“実験室用の徐冷”と呼ばれる12時間の冷却時間か、または、 (b)〔アニール/非常に緩慢な徐冷〕と呼ばれる800℃以上での試料のアニ ーリングと“ 非常に”緩慢な徐冷すなわち10℃/hでの冷却とを含む処置のいずれか、とを 含む。表IIからの具体的な比較は以下の通りである。 a.試料BおよびC(本発明)対H(“同一”パイロット材料ではあるが合成 後に〔アニール/非常に緩慢な徐冷〕がなされる)は、本発明による材料は、〔 アニール/非常に緩慢な徐冷〕がなされた材料よりも優れていなくとも、〔アニ ール/非常に緩慢な徐冷〕がなされた材料と同程度に優れていることを示す。 b.試料Iは、本発明による試料の先駆物質および混合物に等しい先駆物質お よび混合物によって製造された実験室製造試料ではあるが、試料Iは〔アニール /非常に緩慢な徐冷〕処置がなされた。材料Iは、平均して、BおよびCより少 しも優れていない。Iの50サイクルの減衰率および容量は、他の2つのそれと 統計的に同等である。なぜなら、“I”の値に対する標準偏差はそれほど大きい からである。試料Iは明瞭なXRDパターンを提供した(図8)。 c.試料Kは、先駆物質および混合物がBおよびCと等しいが、Kは実験室用 静止炉で20時間だけ反応させられ、それから、〔アニール/非常に緩慢な徐冷 〕処置ではなく“実験室用の徐冷”がなされた。試料Kは、最も優れた材料の1 つであるが、容量と減衰率においてはBおよびCより少しも優れていない。Kに 対するXRDパターンは明瞭である(図9)。 d.試料L’は、Li2 CO3 から製造され、そして、〔アニール/非常に緩 慢な徐冷〕処置がなされたパイロット材料である。(類似する〔アニール/非常 に緩慢な徐冷〕がなされた試料Hは、LiOHから製造された。)本発明によら ない実施例はLi2CO3 製造された。しかしながら、試料Oは、それが実験室 用の徐冷がなされたことを除けば、L’と全く同じ実験室製造試料である。試料 Oは使用L’と同程度に優れており、〔アニール/非常に緩慢な徐冷〕処置は7 25℃での反応とそれに続く実験室用の徐冷に比較して少しも進歩がないことを 示す。 e.試料Gは、L’と同じように合成されたパイロット材料であるが、再加熱 されて実験室用の徐冷がなされた。試料Gは、L’よりも低い減衰率を呈し、( d)におけるように、〔アニール/非常に緩慢な徐冷〕処置が725℃での反応 とそれに続く実験室用の徐冷よりも劣ってさえいることを示す。 g.試料I対I’および試料J対J’は、725℃で製造される材料の〔アニ ール/非常に緩慢な徐冷〕処置が性能を改善することを示す。 〔実施例2〕 本発明は、(1)空気流を用いた回転キルンはほんの2時間にすぎない反応時 間を可能にするのに、静止炉での2時間にわたる反応は全く不適切な生成物を生 成し、(2)空気を用いた回転キルンでの2時間にわたる反応と同様の効果を得 るには、実験室用静止炉での20時間にわたる反応時間が必要とされる、ことを 表IIにおいて示す。実験室用の徐冷は、基本的には、反応時間を2時間以上に延 ばして試験を混乱させるので、この実施例に対しては空気冷却が使用された。 a.試料Mは、きっかり2時間で静止炉において合成され、それから、空気冷 却された。この製造方法は、XRD走査が示すように、有害な副産物が材料を汚 染した。初期容量はほんの76.8mAh/gにすぎず、組み立てられた4つの 電池のうち2つは10回さえもサイクルしなかった。これらの問題は、不純物の 高い濃度によるものである。この材料は、電池陰極としては全く不適切である。 Li/Mn2 =1.00でもってLiOHから製造されはするが静止炉で20時 間反応させられる比較用の出発原料は、試料Nである。この材料は、標準的な優 れた材料と比べれば減衰率は並であるが、優れたXRDパターンおよび初期容量 を呈した。Li/Mn2 =1.00でもって回転キルンで製造された材料は1つ もない。 b.試料AおよびFは、同じ混合前駆体から出発させ、空気流を 用いた回転キルンで反応させ、それに続いて空気冷却した2つの材料である。先 駆物質および混合物がAおよびFと同じである試料I’は、静止/実験室用炉に おいて反応時間=20時間で製造された。回転キルンによる試料(AおよびF) は、放電容量および減衰率のいずれにおいても実験室用炉で20時間にわたって 反応させた材料(I’)と同程度に優れている。回転キルンでの2時間の反応は 、静止炉における20時間での反応にほぼ等しい効果があり、かつ静止炉におけ る2時間の反応よりも相当に効果があることを、この実施例および実施例2のa .が示す。 c.同じ先駆物質(Li2 CO3)および同じ混合物から製造される3つの試 料は、E(静止実験室用炉においてほんの2時間の反応時間で製造されて空気冷 却される)、L(パイロット回転キルンにおいて2時間の反応時間で製造されて 空気冷却される)、および、J’(静止実験室用炉において20時間の反応時間 で製造されて空気冷却される)である。Eの製造方法は、汚染された材料を生じ ることとなり(図7のXRDパターンを参照)、またいくぶん小さい放電容量を 有する(112mAh/g)。J’のXRDパターンは明瞭であったが、J’も 同様にいくぶん小さい容量を示す。パイロット試料であるLは、3つの中で最も 優れた容量を示し、また、明瞭なXRDパターンを有した。驚いたことに、実験 室用炉で2時間で製造された試料が最も優れた減衰率を示したが、すべての場合 において減衰率は貧弱なものであった。 〔実施例3〕 本発明による製造方法に関しては、回転キルンに酸素含有ガスが必要とされる 。このことは表IIの試料Dによって示され、この試料Dは、反応中および冷却中 にキルンを通してN2 を流すことによって製造された。その容量は許容できない ほど小さく(101mAh/g)、XRD走査(図6)での不純な部分に対応し ている。減衰率も同様に貧弱である。回転キルンで空気を流して製造された比較 用の試料はLであり、このLは、許容できる容量および明瞭なXRD走査を示し 、Dよりも優れている。Lの減衰率はより高い容量から効き始めるとはいえ、D の減衰率と比較してもひけを取らない。本発明の実施例BおよびCに関する結果 は、酸素雰囲気または空気雰囲気のいずれもが満足すべきものであることを示す 。 〔実施例4〕 回転キルンにおける緩慢/ゾーン冷却(2時間)による本発明の製造方法は有 益なものである。表IIに示すように、このことは、そのような方法で冷却された 試料BおよびCを試料Aと比較することによって実証され、試料Aは同一の混合 前駆体および反応生成物であるが空気冷却される。試料BおよびCは、試料Aよ りも容量が相当に優れていることを示し、また減衰率は特に相当に優れているこ とを示す。 〔実施例5〕 表IIは、本発明による製造方法では、1.00よりも大きなLi/Mn2 比が 有益であることを示す。Li/Mn2 比=1.00である試料は、回転キルンで は1つも製造および冷却されなかった。すなわち、試料BおよびCとは直接には 比較されなかった。これは、過剰なリチウムによる明白な利益があることが、実 験室で合成された材料によってその前に証明されていたからである。したがって 、パイロットプラントでより貧弱な材料を生成することはなかった。上述の(1 .c)において、“本発明による”合成物は、最も優れた実験室合成物と同程度 に優れていることが示され、その実験室合成物は、20時間の反応時間および実 験室での徐冷(すなわち、60℃/hまたは12時間にわたる冷却)によって製 造されたものであった。したがって、その最も優れた実験室材料が、Li/Mn2 比=1.00であること以外は同じである材料よりも優れていることが示され るならば、Li/Mn2 比>1.00によるパイロット材料(本発明による製造 方法による)は、Li/Mn2 比=1.0 0での本発明の製造方法による材料よりも優れていると推測できる。 本発明による製造方法による材料BおよびCと同じである試料Kが、Li/M n2 比=1.00であること以外は同じである試料K’と比較される。試料K’ はKよりも大きな容量を示し、これは理論から予想される。しかし、Kの容量は 、依然として適切であるに足りるものである。必要とされる特徴である減衰率に おいては、試料Kは試料K’よりも非常に優れている。推測によって、本発明に よる製造方法による材料は、Li/Mn2 比=1.00による回転キルンでの材 料よりも優れているはずである。 表 I 試料の製造およびその説明 試料A : パイロット材料である。Li/Mn2 比=1.05。空気流を 用いた回転キルンにおいて725℃でLiOH/EMDを2時間反応させた。空 気冷却。 試料B : 試料Aが実験室用回転キルンで725℃にまで再加熱され、O2 中において周囲温度にまで300℃/hでそのキルンの中において徐冷された 。 試料C : パイロット材料である。試料Aがパイロット回転キルンで空気 中においてゾーン冷却された。冷却は2時間を要した。 試料D : パイロット材料である。Li/Mn2 比=1.05。N2 流を 用いた回転キルンにおいて725℃でLi2 CO3 /EMDを2時間反応させた 。空気冷却。 試料E : 実験室材料である。Li/Mn2 比=1.05。静止炉におい て725℃でLi2 CO3 /EMDを2時間反応させた。空気冷却。 試料F : パイロット材料である。Li/Mn2 比=1.05。空気流を 用いた回転キルンにおいて725℃でLiOH/EMDを2時間反応させた。空 気冷却。 試料G : パイロット材料である。Li/Mn2 比=1.05。空気流を 用いた回転キルンにおいて725℃でLi2 CO3 / EMDを2時間反応させた。空気冷却。725℃にまで再加熱され、実験室用静 止炉において60℃/hで徐冷された。 試料H : パイロット材料である。試料Bが実験室用静止炉で850℃に まで再加熱され、室温にまで非常に緩慢に冷却された(すなわち、10℃/hで )。 試料I’ : 実験室材料である。Li/Mn2 比=1.05。静止炉にお いて725℃でLiOH/EMDを20時間反応させた。空気冷却。 試料I : 実験室材料である。試料I’が静止炉で850℃にまで再加熱 され、500℃にまで非常に緩慢に冷却された(すなわち、10℃/hで)。そ れから、室温にまで急速に冷却するために炉が消された。 試料J’ : 実験室材料である。Li/Mn2 比=1.05。静止炉にお いて725℃でLi2 CO3 /EMDを20時間反応させた。空気冷却。 試料J : 実験室材料である。試料J’が静止炉で850℃にまで再加熱 され、500℃にまで非常に緩慢に冷却された(すなわち、10℃/hで)。そ れから、室温にまで急速に冷却するために炉が消された。 試料K : 実験室材料である。Li/Mn2 比=1.05。静止炉におい て725℃でLiOH/EMDを20時間反応させた。それから、60℃/hで 室温にまで徐冷された。(注: この“実験室徐冷”は10℃/hであるベルコ ア冷却(Bellcore cooling)よりも かなり急速である。) 試料K’ : 実験室材料である。Li/Mn2 比=1.00。静止炉にお いて725℃でLiOH/EMDを20時間反応させた。それから、60℃/h で室温にまで“実験室徐冷”された。 試料L : パイロット材料である。Li/Mn2 比=1.05。空気流を 用いた回転キルンにおいて725℃でLi2CO3/EMDを2時間反応させた。 空気冷却。 試料L’ : パイロット材料である。試料Lが実験室用静止炉で850℃ にまで再加熱され、それから、その炉の中で10℃/hで室温にまで冷却された 。 試料M : 実験室材料である。Li/Mn2 比=1.00。静止炉におい て725℃でLiOH/EMDを2時間反応させた。空気冷却。 試料N : 実験室材料である。Li/Mn2 比=1.00。静止炉におい て725℃でLiOH/EMDを20時間反応させた。空気冷却。 試料O : 実験室材料である。Li/Mn2 比=1.05。静止炉におい て725℃でLi2 CO3 /EMDを20時間反応させた。“実験室徐冷”すな わち60℃/hで徐冷された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.化学式がLi1+X Mn2-X4である単一相のリチオ化されたマンガン酸 化物の層間化合物を連続的に製造する方法であって、 (a)前記リチオ化マンガン酸化物の化合物に基づいた量だけ、リチウム水酸 化物またはリチウム塩とマンガン酸化物またはマンガン塩とを均質に混合する工 程と、 (b)この均質に混合された化合物を反応装置に供給する工程と、 (c)反応装置においてこの均質な混合化合物を連続的に攪拌する工程と、 (d)反応装置において空気または酸素に富むガス体の存在下でこの攪拌され た混合化合物を約650℃から約800℃までの範囲にある温度で約4時間を超 えない時間だけ加熱する工程と、 を備えたことを特徴とする製造方法。 2.Xが0.0から約0.125までの範囲にある請求項1に記載の製造方法 。 3.反応生成物を約200℃以下にまで冷却する工程をさらに含む請求項1に 記載の製造方法。 4.反応生成物を約100℃以下にまで冷却する工程をさらに含む請求項3に 記載の製造方法。 5.冷却工程の後に、冷却された生成物を反応装置から取り除く工程をさらに 含む請求項1に記載の製造方法。 6.工程(a)が回転ドラムミキサーによって実行される請求項1に記載の製 造方法。 7.工程(a)がボールミルによって実行される請求項1に記載の製造方法。 8.工程(a)が振動ミルによって実行される請求項1に記載の製造方法。 9.工程(a)がジェットミルによって実行される請求項1に記 載の製造方法。 10.供給する工程(b)がスクリュー供給装置によって実行される請求項1 に記載の製造方法。 11.供給する工程(b)が空気コンベヤーによって実行される請求項1に記 載の製造方法。 12.供給する工程(b)がパルスエアジェットによって実行される請求項1 に記載の製造方法。 13.工程(c)中に、前記ガス体が、空気、酸素、または酸素に富む空気の 流れによって連続的にパージされる請求項1に記載の製造方法。 14.工程(c)中に、前記ガス体が、酸素に富むガス体の逆流によって連続 的にパージされる請求項1に記載の製造方法。 15.反応装置が、入口端部よりもわずかに低い出口端部を有する水平回転チ ューブである請求項1に記載の製造方法。 16.反応装置が回転スクリューを有する水平か焼炉である請求項1に記載の 製造方法。 17.反応装置が流動床である請求項1に記載の製造方法。 18.反応装置が熱振動コンベヤベルトである請求項1に記載の製造方法。 19.反応装置がカスケード式垂直回転炉床である請求項1に記載の製造方法 。 20.加熱する工程が約2時間かまたはそれ以下の時間だけ実行される請求項 1に記載の製造方法。 21.加熱する工程が約1.5時間かまたはそれ以下の時間だけ実行される請 求項1に記載の製造方法。 22.加熱する工程の温度が約700℃から約800℃までの温度である請求 項21に記載の製造方法。 23.工程(d)中に、空気、酸素、または酸素に富むガス体の流れによって 連続的にパージすることを含む請求項1に記載の製造 方法。 24.前記連続的なパージが空気の逆流によってなされる請求項23に記載の 製造方法。 25.前記冷却する工程が約2時間よりも少ない時間だけ実行される請求項2 3に記載の製造方法。 26.冷却する容器が、回転スクリューを有する水平か焼炉である請求項3に 記載の製造方法。 27.冷却する容器が流動床である請求項3に記載の製造方法。 28.冷却する容器が回転キルンである請求項3に記載の製造方法。 29.冷却する容器が、熱振動コンベヤベルトである請求項3に記載の製造方 法。 30.冷却する容器が、カスケード式垂直回転炉床である請求項3に記載の製 造方法。 31.冷却する工程が、約2時間かまたはそれ以下の時間だけ実行される請求 項3に記載の製造方法。 32.冷却する工程が、約1.5時間かまたはそれ以下の時間だけ実行される 請求項3に記載の製造方法。 33.前記冷却する工程が、約1.5時間よりも少ない時間だけ実行される請 求項25に記載の製造方法。 34.冷却する工程が、累進的により低い温度である複数のゾーンにおいて実 行される請求項25に記載の製造方法。 35.冷却する工程が、少なくとも2つのゾーンにおいて実行される請求項3 4に記載の製造方法。 36.累進的に冷却されるそれぞれのゾーンにおける温度が、直前のゾーンよ りも少なくとも約90℃だけ低い請求項35に記載の製造方法。 37.累進的に冷却されるゾーンにおける温度が、約725℃、約625℃、 および約525℃である請求項36に記載の製造方法。 38.累進的に冷却されるゾーンにおける温度が、約800℃、約650℃、 および約500℃である請求項36に記載の製造方法。 39.累進的に冷却されるゾーンにおける温度が、約750℃、約600℃、 および約450℃である請求項36に記載の製造方法。 40.前記冷却された生成物に酸素を吸収させることによって該生成物をアニ ールする、化学式がLi1+X Mn2-X4 であるスピネル構造のリチオ化層間化 合物を生成するための請求項36に記載の製造方法。 41.前記冷却された生成物に酸素を最大限の量だけ吸収させることによって 該生成物をアニールする請求項40に記載の製造方法。 42.冷却する工程中に、前記ガス体が、空気、酸素、または酸素に富むガス 体の流れによって連続的にパージされる請求項1に記載の製造方法。 43.冷却する工程中に、前記ガス体が、空気の逆流によって連続的にパージ される請求項33に記載の製造方法。 44.前記マンガン酸化物またはマンガン塩が、MnO2(電気分解によって かまたは化学的にかのいずれかで製造される)、MnCO3、Mn23、Mn3 4、MnO、マンガン酢酸塩、およびこれらの混合物からなるグループから選 択される請求項1に記載の製造方法。 45.工程(a)に先立って、前記マンガン酸化物が熱処理されてしまってい る請求項1に記載の製造方法。 46.前記リチウム水酸化物またはリチウム塩が、LiOH、Li2CO3、L iNO3、および、それらの混合物および水和物からなるグループから選択され る請求項1に記載の製造方法。 47.電気分解によって製造されるMnO2が、それの合成中にLiOHまた はNH4 OHによって中和される請求項45に記載の製造方法。 48.スピネル型結晶構造を有するリチウムマンガン酸化物を合 成する方法でああって、 少なくとも1つのリチウム水酸化物またはリチウム塩と、少なくとも1つのマ ンガン酸化物またはマンガン塩との微粉固体の形態での均質な混合物を形成する 工程と、 空気の逆流を用いて連続的にパージしながら約650℃から約800℃までの 範囲にある温度で約4時間を超えない時間にわたって反応装置内で該混合物を連 続的に攪拌および加熱して前記塩をお互いに反応させる工程と、 を備えたことを特徴とする合成方法。 49.リチウム塩またはリチウム水酸化物が、LiOH、Li2CO3、LiN O3、およびそれらの混合物からなるグループから選択され、マンガン酸化物ま たはマンガン塩が、MnO2、Mn23、MnCO3、Mn34、MnO、マンガ ン酢酸塩、およびこれらの混合物からなるグループから選択される請求項48に 記載の合成方法。 50.混合物の加熱が、空気中において約700℃から800℃までの範囲に ある温度で実行され、該混合物が、約2時間以下の時間だけその最高温度に維持 される請求項48に記載の合成方法。 51.混合物を形成する前に、マンガン酸化物に熱処理がなされてしまってい る請求項48に記載の合成方法。 52.請求項48に記載の合成方法によって合成された、スピネル結晶構造を 有するリチウムマンガン酸化物。 53.リチウムマンガン酸化物が、Xが0.0から0.2である化学式Li1+ X Mn2-X4を有する請求項48に記載の合成方法。 54.化学式Li1+X Mn2-X4が、Mn陽イオンの量が理諭値と異なる( Mn2)O4(Mn2)O4 n-1の網目状構造を有する請求項53に記載の合成方法 。 55.前記取り除く工程の前に、 (I)冷却する前に反応装置から生成物を取り除く工程と、 (ii)その反応生成物を別容器に移す工程と、 をさらに備えた請求項1に記載の製造方法。 56.回分法によって化学式Li1+X Mn2-X4 の単一相のリチオ化マンガ ン酸化物の層間化合物を製造する方法であって、 (a)前記リチオ化マンガン酸化物の化合物に基づいた理論量だけ、リチウム 水酸化物またはリチウム塩とマンガン酸化物またはマンガン塩とを均質に混合す る工程と、 (b)この均質に混合された化合物を反応装置に供給する工程と、 (c)反応装置においてこの均質な混合化合物を攪拌する工程と、 (d)反応装置において空気または酸素に富むガス体の存在下でこの攪拌され た混合化合物を約650℃から約800℃までの範囲にある温度で約4時間を超 えない時間だけ加熱する工程と、 (e)その反応生成物を約100℃以下にまで冷却する工程と、を備えたこと を特徴とする製造方法。 57.前記冷却する容器が回転スクリューを有する水平か焼炉である請求項5 6に記載の製造方法。 58.前記冷却する容器が流動床である請求項56に記載の製造方法。 59.前記冷却する容器が熱振動コンベヤベルトである請求項56に記載の製 造方法。 60.前記冷却する容器がカスケード式垂直回転炉床である請求項56に記載 の製造方法。 61.前記冷却する容器が回転キルンである請求項56に記載の製造方法。 62.前記冷却する工程が約2時間かまたはそれ以下の時間だけ実行される請 求項56に記載の製造方法。 63.前記冷却する工程が約1.5時間かまたはそれ以下の時間だけ実行され る請求項56に記載の製造方法。 64.前記冷却する工程が約1時間よりも少ない時間だけ実行さ れる請求項56に記載の製造方法。 65.前記生成物が、約8.235Åよりも小さい立方スピネルa軸格子定数 を有する請求項37に記載の製造方法。 66.加熱する工程(d)が、累進的により熱くされた複数のゾーンで実行さ れる請求項1に記載の製造方法。 67.加熱する工程が、少なくとも4つのゾーンで実行される請求項66に記 載の製造方法。 68.前記累進的な加熱ゾーンのそれぞれにおける温度が、直前のゾーンより も少なくとも25℃だけ高い請求項67に記載の製造方法。 69.攪拌され混合された化合物が、それぞれのゾーンに少なくとも約30分 の時間だけとどまる請求項66に記載の製造方法。
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