JP2000501802A - シリンダ錠と平鍵を備えた鎖錠装置 - Google Patents

シリンダ錠と平鍵を備えた鎖錠装置

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Abstract

(57)【要約】 シリンダ錠(1)にタンブラ(10)が設けられている。このタンブラは鍵通路(6)の幅広側面(8,9)に対して平行に延びている。このタンブラ(10)の端部はロータ(3)とステータ(4)の間でロックを行う。鍵通路(6)と反対側のタンブラ(10)の背面(17)には、付加的なコーディング部が設けられている。このコーディング部は二つの部分からなる付加的なロック要素(20)と協働する。このロック要素(20)は錠中心軸線に対して直角に摺動可能であり、ロータ(3)とステータ(4)の間の剪断線(32)の範囲において付加的にロックを行う。それによって、付加的なロック組み合わせが可能であり、無断開放に対する錠の安全性が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】 シリンダ錠と平鍵を備えた鎖錠装置 本発明は、シリンダ錠と平鍵を備え、シリンダ錠がステータ内で回転可能なロ ータを備え、このロータが鍵通路と、ロータの長手軸線に対してほぼ直角にかつ 鍵通路の幅広側面に対して平行に配置された、タンブラを有するガイドとを備え 、このタンブラが連行体を備え、この連行体が鍵通路内に達し、平鍵が幅広側面 に案内軌道を備え、鍵が鍵通路に挿入されているときに、この案内軌道がタンブ ラの連行体に係合し、タンブラの少なくとも一部において鍵通路と反対側の平面 に凹部が設けられ、この凹部が付加的なロック要素と協働する、鎖錠装置に関す る。 シリンダ錠と平鍵を備えたこのような鎖錠装置は米国特許第3035433号 明細書によって知られている。シリンダ錠のロータ内には鍵通路が設けられてい る。この鍵通路は錠中心軸線またはロータ中心軸線の方に延びている。この鍵通 路は平鍵を収容するために役立つ。平鍵の幅広側面には、シリンダ錠内でタンブ ラを位置決めするための案内軌道が設けられている。このタンブラは錠内でガイ ドに支承され、このガイドは錠中心軸線に対してほぼ直角にかつ鍵通路の幅広側 面に対して平行に延びている。タンブラは連行体を備えている。この連行体は鍵 通路内に達しているかまたはこの鍵通路内に突出し、鍵を鍵通路に差し込んだと きに、鍵の案内軌道に係合する。鍵が鍵通路に完全に差込まれ、案内軌道が連行 体のための正しい位置決め平面を有する場合には、タンブラは完全に錠のロータ 内にあり、ロータはステータ内で回転することができる。錠は更に、付加的なロ ック要素を備えている。このロック要素はタンブラの背面とステータの間に配置 され、ロックレールからなっている。このロックレールは錠中心軸線に対して平 行であり、すべてのタンブラにわたって延びている。このロックレールはばねに よって、ステータの乗り上げ面を有する溝内へ外側に押される。ロックレールは ロータを回転することにより、ステータの溝から押しのけられ、タンブラの背面 の方へ摺動する。この摺動を可能にするために、鍵通路と反対側のタンブラの背 面には、各々一つの溝が加工されている。この溝はロックレールに対して平行に 延びている。この溝の深さは少なくとも、ロータの回転時のロックレールの押し のけ変位に一致している。そうでない場合には、ロータは回転不可能であり、錠 は開放不可能である。 この種のロック要素は、ステータ内でロータを回転運動しないように保持する 付加的な要素を形成する。ロックレールはしかし、許可されない操作、例えばい わゆる錠のこじ開けに対して安全性を高めない。なぜなら、タンブラがロックレ ールと関係なく開放位置にもたらすことが可能であるからである。タンブラの位 置決めの間、タンブラとロックレールは協働しない。ロータがステータ内で回転 可能になって初めて、すなわちタンブラが正しく位置決めされて初めて、協働が 行われる。しかし、タンブラが正しい開放位置に達するや否や、ロックレールの 摺動路が解放される。というのは、タンブラの背面の溝が正しい位置にあるから である。 本発明の根底をなす課題は、タンブラの正しい開放位置が付加的にコード化さ れ、付加的的なコード化すなわちコーディングが各々のタンブラについて個別的 に可能であり、各々のタンブラのために固有の付加的なロック要素が設けられ、 同じ錠内に、この付加的なコーディングまたはロック部材を備えていないタンブ ラを配置することができるように、公知の種類の鎖錠装置を改良することである 。更に、鍵を引き抜いたときに付加的なロック要素はそれぞれのタンブラをロッ ク位置に保持し、ロータとステータの間の付加的なロックと、タンブラの制限寸 法の有効利用を可能にすべきである。 本発明の課題は、請求項1の特徴部分に記載された特徴によって解決される。 本発明の有利な実施形は従属請求項の特徴によって生じる。 タンブラの少なくとも一部および当該の各々のタンブラのために、二つの部分 からなる付加的なロック要素を配置すると、付加的なロック要素の各々に、正確 に定めることができる固有の開放位置を割り当てることができるという利点があ る。二つの部分で形成したことにより、更に、各々の付加的なロック要素に、剪 断面を付設することができる。この剪断面は両ロック要素の間に形成され、ロー タとステータの間の剪断面と協働する。その際、各々の付加的なロック要素はタ ンブラの背面に常に接触している。この背面には、付加的なロック要素のロック 位置と開放位置のための複数の付加的なコーディング(符号化)部が形成されて いる。このようにタンブラの背面に異なる複数のコーディング部を形成すると、 錠の開放位置が2つのコーディング部、すなわち鍵のコーディング部とタンブラ の背面のコーディング部によって決まるという利点がある。他の利点は、境界範 囲、すなわち最も外側の位置でのみステータに係合し、タンブラのその他の摺動 範囲ではロータの回転を許容しないタンブラも使用可能であることにある。この 摺動範囲では、タンブラの背面の正しいコーディング部が付加的なロック要素と 協働しないときには、付加的なロック要素がロータの回転を阻止する。 凹部または頂部あるいはこの凹部と頂部を組み合わせた形のコーディング部を タンブラの背面の位置決め面に形成したことにより、多数のロック組み合わせが 生じる。隣接する二つの凹部の間の頂部または境界範囲は、ロック要素部分に対 して傾動エッジを生じる。この傾動エッジはタンブラの強制案内時にのみ位置決 めを可能にする。タンブラを開放位置に自由に摺動させるという試みの場合には 、タンブラに接触するロック要素の端部が、タンブラを常にロック位置に押す。 それによって、ロック要素も開放位置にはない。この過程は傾動エッジと、タン ブラの方に作用するロックの要素のばね付勢によって生じる。タンブラの長手軸 線に対してほぼ平行に延びる平らな面との他の組み合わせでは、他のコーディン グの利点が生じる。 タンブラの背面に切欠きを配置し、板を挿入することにより、二つの部分から なるタンブラが生じる。その際、板は付加的なロック要素のための位置決め面を 有する。この位置決め面は所望のコーディング部を備えている。同じ寸法を有す る同一に形成されたタンブラは異なる板を備えることができる。それによって、 ロック部の所望な付加的な組み合わせ変形が生じる。板は公知のごとく、締まり 嵌め、接着または同様な連結方法によってタンブラに連結されている。同じ直径 の一列の穴を位置決め面に加工することにより、板も付加的に単一化することが できる。この穴は出口範囲に、同じまたは異なる寸法の端ぐりを備え、必要に応 じて、頭部分を備えた付加的なピンが穴に挿入される。その際、頭部分は隆起部 およびまたは平らな面を形成する。 本発明による独立した2つのコーディング部の例を有する付加的なロック要素 とタンブラとのこの多彩な新しい組み合わせは、ロック組み合わせを大幅に増や す。錠への無断係合すなわち正しい鍵を用いないで錠を開放することは、不可能 ではなくても、きわめて困難である。付加的なロック要素をタンブラの背面のコ ーディング部に強制的に係合させると、タンブラは、錠からの鍵の引抜き時にも たらされる位置に固定される。それによって、錠は任意の組み立て位置で使用可 能であり、その際タンブラがガイド内の所望な位置を占めないという危険を生じ ない。タンブラは振動によってもロック位置から外へ摺動不可能である。更に、 錠内にあるタンブラの一部だけを付加的なロック要素と組み合わせることもでき る。これはそれにもかかわらず、錠安全性と信頼性を向上させることになる。 次に、添付の図を参照して実施の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。 図1はシリンダ錠とそれに関連する平鍵を側方から見た側面図、 図2は長手軸線に対して直角に切断した図1のシリンダ錠とタンブラ平面を通 る横断面図、 図3は位置決め面に頂部と凹部を備えた、二つの部分からなる本発明によるタ ンブラの斜視図、 図4はタンブラが穴の列を有する挿入された板を備えたシリンダ錠のタンブラ 平面を通る横断面図である。 図1に示した錠装置は、シリンダ錠1と、平鍵2、図示例では平らな可逆鍵と からなっている。このシリンダ錠1は簡略して示され、ステータ4内で回転可能 なロータ3と、外周壁としてシリンダ錠1全体を取り囲むスリーブ5を備えてい る。ロータ3内には、長方形の横断面を有する鍵通路6が加工されている。この 鍵通路6には鍵2の鍵先21が挿入可能である。平らな可逆鍵2の幅広側面13 ,14には、溝の形をした案内軌道15,16ががフライス加工されている。こ の案内軌道はシリンダ錠1内での鎖錠要素の位置決めのために役立つ。鍵2が可 逆鍵であるので、見えない幅広側面14では溝15が下側にあり、溝16が上側 にある。従って、両幅広側面13,14の同一に形成された溝15または16が 、鍵2の中心軸線33に関して斜めに対向している。図示例では、ロータ3内に おいて鍵通路6の各々の幅広側面8,9に、5個のタンブラ10が設けられてい るので、10個の鎖錠要素が生じる。このタンブラ10はロータ3のガイド11 に支承され、錠1の長手軸線7に対して横方向に摺動可能である。ロータ3の後 端18には、図示していない公知の要素が設けられている。この要素は例えば同 様に図示していないドアラッチの要素と協働する。 図2には、シリンダ錠1内のタンブラ10の配置構造が示してある。タンブラ 10はロータ3内のガイド11に挿入されている。鍵2を鍵通路6から引き抜く ことができるロータ3の位置において、ガイド11はステータ4の穴34,35 と協働し、タンブラ10の端部がこの穴34または35に係合する。図2におい て左側の錠半部に示した、ロータ3とステータ4内でのタンブラ10の位置の場 合、錠1はロックされている。すなわち、ロータ3はステータ4と相対的に回転 不可能である。この位置には、鍵2が引き抜かれたときに、タンブラ10がある 。従って、鍵通路6の左側部分には鍵は図示していない。タンブラ10を操作す るために、このタンブラには連行体12が設けられている。この連行体は鍵通路 6内に達している。図1に示した鍵先19が鍵通路6に差し込まれると、連行体 12が溝16と、背面の対応する溝15に係合し、タンブラ10は溝15,16 の輪郭に相応して移動する。溝15,16が正しくコード化されていると、鍵2 が完全に差し込まれたときに、10個すべてのタンブラ10が開放位置、すなわ ち完全にロータ3内にある。タンブラ10のこの位置は図2の右側半部に示して ある。この図2の右側半部は鍵2も示している。それによって、タンブラ10だ けがロック要素として設けられているときには、ロータ3がステータ4内で回転 可能である。 本発明による錠1の実施形の場合には、タンブラ10とステータ4の間に、付 加的なロック要素20が設けられている。このロック要素20は二つの部分で形 成され、ステータ4の穴24に支承された第1の部分21と、ロータ3の穴25 に支承された第2の部分22からなっている。錠1の図示ロック位置においてま たは鍵2を引抜き可能である、ステータ4内のロータ3の位置において、両穴2 4,25の中心軸線26,27は重なる。この位置で、両穴24,25は共通の 一つの案内穴を形成する。この案内穴内で、ロック要素21,22がステータ4 とロータ3の間で往復移動可能である。第1のロック要素21はコップ状に形成 され、圧縮ばね36によってタンブラ10の方へ押されている。第2のロック要 素部分22は肩37を備えている。この肩は段付き穴25の段差部と協働する。 両ロック要素部分21,22の間には、分離面23が形成されている。この分離 面に沿って、両部分21,22が互いに摺動可能である。錠1の長手軸線7の方 に向いた第2のロック要素部分22の段差付き端部28は、タンブラ10の背面 17に接触している。その際、鍵通路6と反対のタンブラ10の側の側面を、タ ンブラ10の背面17と呼ぶ。この背面17は位置決め面29を備えている。こ の位置決め面には、凹部30,31の形をしたコーディング部(符号化部分)が 加工されている。端部28は凹部30,31の側面形状に対応して形成され、図 示例では尖っている。タンブラ10がその長手軸線38の方へあるいは鍵通路6 の幅広側面8,9に対して平行に摺動すると、第2のロック要素部分22の端部 28はその都度凹部30,31に係合する。その際、タンブラ10の位置決め面 29の最も外側の凹部31は特に深く形成されている。この凹部は錠1から鍵2 を引抜いた後でタンブラ10をロック位置に保持する。このロック位置では、タ ンブラ10の一端はステータ4の穴34に係合する。更に、ロック要素20が穴 24内で付加的に係止する。というのは、第1のロック要素部分21がロータ4 とステータ3の間の剪断線32を越えて摺動するからである。図2の右側半部に 示したタンブラ10は開放位置が示してある。すなわち、このタンブラは両端部 がステータ4の穴42に係合していない。タンブラ10はこの位置において鍵2 によって保持される。この保持は連行体12が案内軌道16によって保持および 位置決めされることによって行われる。その際、第2のロック要素部分22の端 部は2つの凹部30の間のエッジ39上にある。このエッジは傾動エッジとして 作用する。その際、両ロック要素部分21,22の間の分離面23はロータ3と ステータ4の間の剪断線32上にある。錠1のすべてのロック要素20がこの位 置あり、タンブラ10がステータ4の穴34,35に係合しないと、ロータ3は 回転可能である。外部手段によっておよび本当の鍵2なしに、この開放位置にタ ンブラ10を位置決めし保持する試みは、失敗に終わる。なぜなら、ロック要素 部分22の端部28は係合エッジ39の両側の両凹部の一方に直ちに係止し、タ ンブラ10をロック位置に摺動するからである。ロック位置では、タンブラ10 の一端がステータ4の穴35に係合する。更に、両ロック要素21,22もタン ブラ10の方へ摺動する。それによって、分離面23はもはや剪断線32に重な らず、第1のロック要素21がロータ3の動きを阻止する。 図2のタンブラ10は二つの部分によって形成されている。背面17には切欠 き40が設けられている。板41とタンブラ10との間の連結は、締まり嵌め、 接着連結または他の公知の適当な連結技術によって行われる。図2の例では、板 41は連行体12に一体的に連結され、全体がタンブラ10の対応する切欠き4 0に圧入されている。この実施形は、タンブラ10を所望な規格寸法に予め製作 することができるという利点がある。タンブラ10の背面17の所望なコーディ ング部の形成は、対応して形成された板41との組み立てによって行われる。そ の際同時に、連行体12の直径を変更することができる。他の利点は、タンブラ 10自体を公知のように例えば非鉄金属で作ることができ、連行体12を備えた 板41のために硬質材料または焼入れされた鋼を使用することができることにあ る。これは錠の耐摩耗強度と寿命を大幅に高める。 図3は二つの部分からなるタンブラ10の拡大斜視図である。タンブラ10は 実際は数ミリメートルの長さである。その際、切欠き40に挿入された板41は 位置決め面29に凹部30,31と頂部42を備えている。この場合、頂部は面 29から突出している。凹部30,31およびまたは頂部42の間には、平らな 面43,44が設けられている。この面はタンブラ10の長手軸線38に対して ほぼ平行に延びている。付加的なロック要素20のための正しい開放位置は、頂 部42上で、凹部30,31内で、平らな面43,44上であるいは中間位置例 えば斜めの側面で予め定めることがができるかあるいはコード化可能である。付 加的なロック要素20のためのこの多数の付加的なコード化例は、対応して形成 された錠1のためのロック変形を大幅に高める。更に、例えばこじ開けることに よって錠を無断開放することは実際には不可能である。なぜなら、付加的なロッ ク要素20の正しい位置と、タンブラ10の正しい位置めが互いに重ね合わされ 、開放の組み合わせを確かめることができないからである。付加的なロック要素 20はロック位置においてステータ4内でのロータ3の回転を効果的にかつ遊び のないように防止する。これは必要な場合、ロック位置でステータ4の穴34, 35にごくわずかだけ係合する、すなわち制限寸法を有するタンブラ10の使用 を可能にする。ロック要素20が効果的にロックするので、制限寸法を有するタ ンブラ10の端部は、ロータ3に力が作用したときにも変形または損傷しない。 図4に示した錠1の横断面には、タンブラ10′,10″が示してある。この タンブラは他の実施形の板41を備えている。その際、板41の位置決め面29 には、一列の穴45が加工されている。この穴は第2のロック要素部分22の端 部28のためのコーディング部を形成している。更に、穴45が端ぐり46を備 えている。図4の右側にあ、穴45を備えたこの板41の付加的な変形が示して ある。この場合、少なくとも穴45の一部に、頭部分48を備えたピン47が挿 入されている。この頭部分は傾動エッジを備えた頂部を形成しているが、端面を 備えていてもよい。この実施態様はタンブラ10′または10″の背面17に対 するコーディング部の適合または変更をきわめて簡単に可能にする。というのは 、所望のタンブラが予め製作した個々の部品から必要に応じて組み立てることが できるからである。図4の左側半部から判るように、連行部材12は別個の部品 としてタンブラ10′に挿入可能である。更に、図4に示した、鍵2を有する錠 1は、図2に関連して既に説明したようなすべての特性を有する。 図2の錠の実施の形態の場合にも、図4の錠の実施の形態の場合にも、図示し たタンブラ10,10′または10″のほかに、異なるように形成された位置決 め面29または付加的なロック要素20を備えたコーディング部を備えたタンブ ラを使用可能である。図4の錠に例えば、図3のタンブラを1個または複数個使 用可能である。あらゆる場合、タンブラ10,10′または10″の開放位置が 付加的に符号化され、各々のタンブラ10,10′または10″のための付加的 な符号化が個別に達成され、個別的に変更可能であるという利点がある。符号化 された付加的なタンブラ10,10′または10″はそれぞれ、固有の付加的な ロック要素20を備えている。このロック要素20は鍵2を引き抜いたときにタ ンブラ10,10′または10″をロック位置に保持し、ロータ3自体をステー タ内で回転しないように付加的にロックする。本発明に従って形成された錠1は あらゆる位置に組み込み可能である。というのは、タンブラ10,10′または 10″がロック要素20によって端位置に位置決めおよび保持され、ロータ3ま たはステータ4内でガイド11に沿って不所望な位置を自動的に占めないからで ある。付加的なロック要素20はロータ3とステータ4の間でポジティブまたは ネガティブにロック可能である。ロック要素20の第1の部分21と第2の部分 22の間の分離面23がステータ4の範囲内に、ひいては剪断線32の円の外側 にあると、ロックはポジティブと呼ばれる。その際、ロック要素20の第2の部 分22がステータ4内に達する。ネガティブなロックの場合には、第1の部分2 1がロータ3内に達し、分離面23がロータ3とステータ4の間の剪断線32の 円の中にある。 図4の右側半部のタンブラ10″には、本発明の他の利点が示してある。異な る多数の錠と鍵を備えた鎖錠システムの場合には、タンブラ10″を部分的に使 用しなければならない。このタンブラの端部分49は、端位置でステータ4に係 合させるためには短すぎる。鍵を引き抜いたときに、このようなタンブラ10″ はロック機能を受け持たない。このロック機能は、二つの部分からなるロック要 素20によって実現される。錠1から鍵2を引き抜くと、タンブラ10″は最後 に下方へ案内され、第2のロック要素部分22は最も外側の凹部50に係止され る。それによって、第1のロック要素部分21は剪断線32を越えて内側へ摺動 し、ステータ4内でのロータ3の摺動が阻止される。従って、錠の安全性の大幅 な改善が達成される。他の利点は、コード化された多数の錠を備えて鎖錠装置に おて、個々の錠がロック要素20を介して付加的なコーディング部を選択的に備 えることができることにある。これは、短い端部分49を有するタンブラ10″ の使用時にも、ロックの組み合わせの付加的な拡張、ひいては安全性の改善を可 能にする。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.シリンダ錠(1)と平鍵(2)を備え、シリンダ錠(1)がステータ(4) 内で回転可能なロータ(3)を備え、このロータが鍵通路(6)と、ロータ( 3)の長手軸線(7)に対してほぼ直角にかつ鍵通路(6)の幅広側面(8, 9)に対して平行に配置された、タンブラ(10)を有するガイド(11)と を備え、このタンブラ(10)が連行体(12)を備え、この連行体が鍵通路 (6)内に達し、平鍵(2)が幅広側面(13,14)に案内軌道(15,1 6)を備え、鍵(2)が鍵通路(6)に挿入されているときに、この案内軌道 がタンブラ(10)の連行体(12)に係合し、タンブラ(10)の少なくと も一部において鍵通路(6)と反対側の平面(17)に凹部が設けられ、この 凹部が付加的なロック要素と協働する、鎖錠装置において、タンブラ(10) の少なくとも一部のために、タンブラ(10)につき、二つの部分からなる付 加的なロック要素(20)が1個づつ設けられ、二つの部分からなるこのロッ ク要素(20)がタンブラ(10)の背面(17)とステータ(4)の間に設 けられ、ロック要素(20)の両部分(21,22)の間に分離面(23)が 設けられ、各々のロック要素(20)の第1の部分(21)がステータ(4) の穴(24)に摺動可能に支承され、第2の部分(22)がロータ(3)の穴 (25)内に摺動可能に支承され、この両穴(24,25)の中心軸線(26 ,27)が錠(1)のロック位置で重なり、各々のロック要素(20)の第2 の部分(22)の、ロータ(3)の長手軸線(7)の方に向いた端部(28) が、所属のタンブラ(10)の背面(17)に接触し、付加的なロック要素( 20)のロック位置および開放位置のための複数の付加的なコーディング部( 30,31,42)を備えた位置決め面(29)が、各々のタンブラ(10) の背面(17)に設けられ、ロック要素(20)の第2の部分(22)の端部 (28)が、それぞれ関連するタンブラ(10)の背面(17)のコーディン グ部(30,31,42)内に正しく位置決めされるときに、各々のロック要 素(20)の第1と第2の部分(21,22)の間の分離面(23)が、ロー タ(3)とステータ(4)の間の剪断線(32)に重なっていることを特徴と する鎖錠装置。 2.タンブラ(10)の背面(17)の位置決め面(29)のコーディング部が 、凹部(30,31)または頂部(42)あるいはこの凹部(30,31)と 頂部(42)の組み合わせからなっていることを特徴とする請求項1記載のシ リンダ錠を備えた鎖錠装置。 3.タンブラ(10)の背面(17)に切欠き(40)が設けられ、この切欠き (40)に板(41)が挿入され、この板(41)がコーディング部(30, 31,42)を有する位置決め面(29)を備えていることを特徴とする請求 項1または2記載のシリンダ錠を備えた鎖錠装置。 4.タンブラ(10)の位置決め面(29)のコーディング部(30,31,4 2)の間に、平らな面(43,44)が設けられ、この面(43,44)がタ ンブラ(10)の長手軸線(38)に対して平行に延びていることを特徴とす る請求項1〜3のいずれか一つに記載のシリンダ錠を備えた鎖錠装置。 5.タンブラ(10)の位置決め面(29)の、凹部(30,31)によって形 成された2つのコーディング部の間に、両凹部(30,31)の隣接する壁の 交線がロック要素(20)の第2の部分(22)の端部(28)のための傾動 エッジ(39)を形成するように、この壁が形成されていることを特徴とする 請求項1〜4のいずれか一つに記載のシリンダ錠を備えた鎖錠装置。 6.タンブラ(10,10′,10″)の位置決め面(29)に、複数の穴(4 5)が配置され、この穴(45)が付加的なロック要素(20)の第2の部分 (22)のためのコーディング部を形成していることを特徴とする請求項1〜 5のいずれか一つに記載のシリンダ錠を備えた鎖錠装置。 7.位置決め面(29)の一つまたは複数の穴(45)に、頭部分(48)を有 するピン(47)が挿入され、このピン(47)の頭部分(48)が位置決め 面(29)に頂部と平らな面の少なくとも一方を形成していることを特徴とす る請求項6記載のシリンダ錠を備えた鎖錠装置。
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