JP2000501124A - 分枝ブロックエチレンポリマー、その製造及びそれを含む組成物 - Google Patents

分枝ブロックエチレンポリマー、その製造及びそれを含む組成物

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Abstract

(57)【要約】 狭いエチレンポリマー、エチレン性不飽和官能化有機化合物及び反応性熱可塑性ポリマーから得られる分枝ブロックエチレンポリマー、及び該分枝ブロックエチレンポリマーの製造方法が、衝撃変性エチレンポリマーの製造に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 分枝ブロックエチレンポリマー、その製造及び それを含む組成物 〔発明の属する技術分野〕 本発明はエチレンポリマーに関し、特にエチレンポリマーのブロックポリマー 、ブロックポリマーを含有する組成物、これらブロックエチレンポリマーの製造 方法及びこれらブロックエチレンポリマーを含有する組成物の製造方法に関する 。 〔発明の背景〕 種々のオレフィン性不飽和モノマーによるエチレンポリマーのグラフト変性は 当該分野で周知である。これらの変性により本質的に非極性のポリマー材料を、 少なくともある範囲で、極性材料と相容化することができる。 しかし、グラフト変性はエチレンポリマーの1以上の他の性質に不利な作用を もたらしうる。たとえばUSP4,134,927;3,884,882及び5 ,140,074にはいずれもグラフト変性材料の架橋によりレオロジー特性が 劣化することが示されている。これらの変化は最終的にはこの材料の加工性に影 響し、その工業用途での有用性を損なう。 またエチレンポリマーを他の成形用ポリマーと混練したい場合、接着性の点で は有効なエチレンポリマーのグラフト変性がエチレンポリマーと混練用又は成形 用ポリマーとの相容性に悪影響を与える。それ故、エチレンポリマー(及び好ま しくは生成ブレンド物)の他の物性、たとえばレオロジー特性を改良しながらブ レンド物の他のポリマーとの相容性が悪影響を受けないようにエチレンポリマー を変性することが望ましい。 産業上直面するもう1つの特殊な問題は、ポリカーボネートの改質である。こ の問題は、ポリカーボネートを低密度もしくは線状低密度ポリエチレンあるいは エチレン/プロピレン共重合体等の熱可塑性ゴムなどの種々のオレフィンポリマ ーと混練することで、ある程度解決されてきた。これらの添加物質はポリカーボ ネートの耐溶剤性を改良できるが、しかし相分離を起し易い上、見返りとして、 混練されたポリカーボネート組成物の靭性、耐衝撃性及びウエルドライン強度に 性能低下をもたらす。これらの相分離及び結果としての有用性の低下が、例えば USP4,496,693に報告されている。 ポリカーボネートの耐衝撃性は、メタクリレート/ブタジエン/スチレン共重 合体又はブチルアクリレートゴム等のエマルションないしコア−シェルエラスト マーの混合により改良できる。しかし、これらのコア−シェルゴムは、粘度を上 昇させることでブレンド物の成形加工性を劣化させ、そしてポリカーボネートの 耐溶剤性に何ら改良を加えない。従って、耐溶剤性改良の目的でポリカーボネー ト等の熱可塑性樹脂と混練される改質剤、特にオレフィンベースの改質剤が、靭 性や衝撃、ウエルドライン強度を劣化させず、また成形品の剥離や割れにより実 証される相分離を起こさないことが望まれた。 USP5,346,963はエチレン性不飽和化合物をグラフトしたエチレン ポリマー及びこれらのグラフトエチレンポリマーと相容性熱可塑性樹脂とのブレ ンド物を開示している。しかし、この引例中のグラフト変性エチレンポリマーの 記載では、本発明に係る分枝ブロックエチレンポリマーは言及されていない。 USP5,300,574は、無水マレイン酸を飽和エチレンポリマーにグラ フトし、このグラフト化反応をポリアミドの存在下で行なった場合に架橋が減少 することが開示されている。しかし、この引例は分枝ブロックエチレンポリマー には言及していない。 HuhgesらはUSP5,346,963において、充填ポリマー用相容化 剤及び他のポリオレフィンやポリアミド用衝撃変性剤として熱可塑性ブレンド物 中に含有される、エチレン性不飽和とカルボニル基との両方を含んだ1以上の不 飽和有機化合物でグラフトされた実質上線状のポリエチレンを開示している。 本発明の1つの目的は、改良された粘弾性挙動を有し、そして熱可塑性成形用 ポリマーとのブレンド物中で改質剤として用いた場合に、このブレンドに改良さ れたレオロジー挙動、良好な耐衝撃性、薄片及びフィルム中での透明性、表面硬 さ及び低下したノッチ感受性の望ましい均衡を与えるエチレンベースのポリマー を作り出すことにある。この目的及び以下に示す他の目的は、分枝ブロックエチ レンポリマーの作製及びこの分枝ブロックエチレンポリマーの本発明組成物中で の使用により達成される。 〔発明の概要〕 1つの態様において、本発明は (a)エチレンポリマー、 (b)エチレン性不飽和官能化有機化合物、及び (c)該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応して分枝ブロックエチレンポ リマーを生成可能な反応性熱可塑性ポリマー を含有する分枝ブロックエチレンポリマーを包含する。 好適な態様において、本発明は (a)(i)ゲル透過クロマトグラフィーで測定したMw/Mn比 約3.0以下 、 (ii)密度 約0.93g/cm3以下及び (iii)短鎖分枝分布指数 約30%以上 を有する均一エチレンポリマー、 (b)エチレン性不飽和官能化有機化合物、及び (c)該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応して分枝ブロックエチレンポ リマーを生成可能な反応性熱可塑性ポリマー を含有する分枝ブロックエチレンポリマーを包含する。 もう1つの態様において、本発明は (a)エチレンポリマー、 (b)エチレン性不飽和官能化有機化合物、及び (c)該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応可能な反応性熱可塑性ポリマ ー を含有する分枝ブロックエチレンポリマーの製造方法であって、(1)エチレン 性不飽和官能化有機化合物をエチレンポリマーの分枝に形成して分枝エチレンポ リマーをつくり、次いで(2)該分枝エチレンポリマーに反応性熱可塑性ポリマ ーを反応させて分枝ブロックエチレンポリマーをつくることを含む分枝ブロック エチレンポリマーの製造方法を包含する。 好適な態様において、本発明は熱可塑性混練用又は成形用ポリマーと、順次 (a)エチレンポリマー、 (b)エチレン性不飽和官能化有機化合物、及び (c)該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応可能な反応性熱可塑性ポリマ ー を含有する分枝ブロックエチレンポリマーとのブレンド物から成る組成物を包含 する。 好適な態様において、本発明は熱可塑性混練用又は成形用ポリマーと、 (a)(i)ゲル透過クロマトグラフィーで測定したMw/Mn比 約3.0以下 、 (ii)密度 約0.93g/cm3以下及び (iii)短鎖分枝分布指数 約30%以上 を有する均質エチレンポリマー、 (b)エチレン性不飽和有機化合物、及び (c)該エチレン性不飽和有機化合物と反応可能な反応性熱可塑性ポリマー を含有する分枝ブロックエチレンポリマーとのブレンド物から成る組成物を包含 する。 更にもう1つの態様において、本発明は (1)a)エチレン性不飽和官能性有機化合物をエチレン化合物に加えて分枝エ チレンポリマーをつくり、次いで b)エチレン性不飽和官能化有機化合物の残部と反応性熱塑性ポリマーを 反応させ、次いで (2)該分枝ブロックエチレンポリマーを熱可塑性成形用ポリマーと混練する熱 可塑性成形用ポリマー、エチレンポリマー、エチレン性不飽和官能化有機化合物 及び反応性熱可塑性ポリマーから組成物を製造する方法を包含する。 好適な態様において、本発明は熱可塑性混練用又は成形用ポリマー、ゲル透過 クロマトグラフィーで測定したMw/Mn比約3.0以下、密度約0.93g/c m3以下及び短鎖分枝分布指数約30%以上を有する均一エチレンポリマー、エ チレン性不飽和官能化有機化合物及び反応性熱可塑性ポリマーから組成物を製造 する方法であって (1)(a)該エチレン性不飽和官能化有機化合物を該均一エチレンポリマーに 付加して分枝均一ポリマーをつくり、次いで (b)該分枝均一エチレンポリマーに反応性熱可塑性ポリマーを反応させ て分枝ブロックエチレンポリマーをつくる ことにより分枝ブロックエチレンポリマーをつくり、次いで (2)該分枝ブロックエチレンポリマーを該熱可塑性混練用又は成形用ポリマー と混練する、組成物の製造方法を包含する。 1つの好適な態様において、前記成分(c)の反応性熱可塑性ポリマーは、ア ミン官能化ポリマーである。他の好適な態様において、前記成分(c)の反応性 熱可塑性ポリマーはポリエステルである。 驚くべきことに、本発明の組成物から成形される物品は、(a)及び(c)に 記載された対応ポリマーのブレンド物[以下に(a)/(c)という]又は(b )のみでグラフト化されたポリマー(a)[以下に(a)/(b)という]の何 れかにより発現される値を超える良好な温度貯蔵弾性率を示す。即ち、本発明の 分枝ブロックエチレンポリマーは、より高温側で軟化し、変形する、即ち(a) /(c)ブレンド物又は(a)/(b)グラフト化物よりも高い上限使用温度を 示す。さらに、本発明の分枝ブロックエチレンポリマーは、(a)/(b)グラ フト化物又は(a)/(c)ブレンド物よりも驚異的に低いtanδを示す。 図1ないし18はグラフ(チャート)である。図1に本発明の分枝ブロックエ チレンポリマー[米印点で表示]の貯蔵弾性率を、本発明の実施例ではない対照 例との比較で示す。図2a及び2bでは、三角印点で表示した本発明の分枝ブロ ックエチレンポリマーと本発明の実施例ではない対照例とのDMSレオロジーを 比較した。図3に本発明の分枝ブロックエチレンポリマーのtanδ、E’及び E”を示す。図4では、菱形印点で表示した本発明の分枝ブロックエチレンポリ マーの190℃でのRMSレオロジーデータを、本発明の実施例ではない対照例 との比較で示す。図5では、菱形印点で表示した本発明の分枝ブロックエチレン ポリマーの190℃でのtanδを、本発明の実施例ではない対照例との比較で 示す。図6に無水マレイン酸にグラフトした均一エチレンポリマーの、ナイロン で代表される反応熱可塑性ポリマーに対する比が異なる本発明の分枝ブロックエ チレンポリマーの190℃でのRMSレオロジーデータを示す。図7に無水マレ イン酸にグラフトした均一エチレンポリマーの、ナイロンで代表される反応性熱 可塑性ポリマーに対する比が異なる本発明の分枝ブロックエチレンポリマーの2 30℃でのRMSレオロジーデータを示す。図8に無水マレイン酸にグラフトし た均一エチレンポリマーの、ナイロンで代表される反応性熱可塑性ポリマーに対 する比が異なる本発明の分枝ブロックエチレンポリマーの190℃でのtanδ を示す。図9に無水マレイン酸にグラフトした均一エチレンポリマーの、ナイロ ンで代表される反応性熱可塑性ポリマーに対する比が異なる本発明の分枝ブロッ クエチレンポリマーの230℃でのタンデルタを示す。 図10では、無水マレイン酸でグラフトした均一エチレンポリマー(MAHg 8200と表示、8200はエチレンポリマーである登録商標Engage 8 200の表示である)(本発明の実施例ではない)の190℃でのRMSデータ を、該グラフト化ポリマーをPCTG(ポリシクロヘキサノールジメトール=テ トラフタレート=グリコール)、PET(ポリエチレンテレフタレート)及びナ イロン6と反応させて作った分枝ブロックエチレンポリマーとの比較で示した。 図11ではMAHg8200(上述)の190℃でのRMSデータを、上記グラ フト化ポリマーをナイロン6、ナイロン11及びナイロン12と反応させて作っ た分枝ブロックエチレンポリマーと共に示した。図12には、230℃とした以 外は図11と同じ比較を示した。図13には、MAHg8200に様々なパーセ ントのナイロン6を添加することでレオロジー指数がどの様に向上するかを示し た。図14には、MAHg8200に様々なパーセントのナイロン6を添加する ことで、溶解強度がどの様に向上するかを示した。図15には、The Dow Chemical Companyから市販されているXU58300と表示 した均一エチレンポリマーに無水マレイン酸を介してグラフトしたナイロン6か ら成る分枝ブロックエチレンポリマーの粘度に対する油の効果を示した。図16 には、The Dow Chemical Companyから市販されている XU58300と表示した均一エチレンポリマーに無水マレイン酸を介してグラ フトしたナイロン6から成る分枝ブロックエチレンポリマーのtanδに対する 油の効果を示した。図17では、無水マレイン酸を介してMAHg8200にグ ラフトした種々の反応性熱可塑性ポリマー、即ちPPO/HIPS(ポリフェニ レンオキシド/耐衝撃性ポリスチレン)、PCTG、PET及びナイロン6から 成る種々の分枝ブロックエチレンポリマーを比較した。図18には、70重量% のMAHg8200と30重量%のナイロン6とから成る分枝ブロックエチレン ポリマーにより得られる種々の温度でのショアA硬さを示した。 図19は、75%のポリプロピレンと0、10、15、20、25及び30% の分枝ブロックエチレンポリマーとを含有する組成物について、230℃でレオ メーター(動的)機械的分光法で決定した粘度の回転速度に対するプロットであ る。 図20は、75%のポリプロピレンと0、10、15、20、25及び30% の分枝ブロックエチレンポリマーとを含有する組成物について、230℃でレオ メーター(動的)機械的分光法で決定したtanδの回転速度に対するプロット である。 図中ITPは実質的に線状のエチレンポリマーであり、PBTはポリブチレン テレフタレートであり、MAHは無水マレイン酸であり、MMA/GMSは本発 明の実施例においても説明するように、重量比98:8:2のメタクリレート− ブチルアクリレート−グリシジルメタクリレートである。DMSは動的機械的分 光法であり、RMSはメオメーター機械的分光法である。均一エチレンポリマー にかんする図中で、ポリオレフィンエラストマーについて頭文語POEをも用い た。RSAはレオメトリックス・ソリッズ・アナライザーである。 本発明の組成物は、衝撃改質ポリマーを用いるいかなる用途でも有用である。 例えば、これらはフィルム、繊維、コーティング、押出シート、多層ラミネート 及び事実上あらゆる種類の成形品及び賦形品、とりわけプロフィル押出ガスケッ ト、ブロー成形及び熱成形品、自動車ダッシュボード、車体側部成形品及び内装 部材、並びに自動車、電気及び電子産業用の他の部品及び部材の製造に有用であ る。本発明の組成物は、ホットメルト接着剤にも有用である。本発明の方法は以 上と同じ又は類似の用途を持つポリマー、組成物及び成形品の製造に有用である 。 本発明の分枝ブロックエチレンポリマーは、レオロジー改質剤、衝撃強度改質 剤及び溶融強度増強剤として驚く程有用である。改質剤の有効性は、該分枝ブロ ックエチレンポリマーの溶融弾性率、分散性及び相容性の関数である。該分枝ブ ロックエチレンポリマーは、ブロー成形及び熱成形に有用である。これらは油展 にも非常に有用である。更に、特に反応性熱可塑性ポリマーがナイロン等のアミ ン官能化ポリマーであるとき、該分枝ブロックエチレンポリマーはリサイクル可 能な非架橋発泡体を作るのに有用である。反応性熱可塑性ポリマーがナイロンで ある分枝ブロックエチレンポリマーの場合には、反応性熱可塑性ポリマーとして ナイロン11を用いた分枝ブロックエチレンポリマーが最高の溶融強度を示し、 ナイロン6を用いたもの、次いでナイロン12を用いたものがそれに続く。 〔発明の詳細な説明〕 本発明の分枝ブロックエチレンポリマーは、(i)エチレンポリマー、好まし くはゲル透過クロマトグラフィーで測定したMw/Mn比約3.0以下を有するポ リマー、更に好ましくは均一エチレンポリマー、(ii)エチレン性不飽和官能 化有機化合物、及び(iii)該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応可能 な反応性熱可塑性ポリマーから製造される。前記エチレンポリマーは、第1のポ リマーブロックと見なすことができる。前記エチレン性不飽和官能化有機化合物 は、該化合物の二重結合を介して前記エチレンポリマーに付加して分枝エチレン ポリマーを生成する。エチレン性不飽和官能化有機化合物により形成される分枝 が十分な長さの(例えば3以上の分子を含有する)ものであると、それ自体第2 のブロックを形成したと言える。しかし、分枝はエチレン性不飽和官能化有機化 合物の単一の分子のみで形成することができる。エチレン性不飽和官能化有機化 合物により形成される分枝の長さにかかわらず、前記分枝エチレンポリマーはエ チレン性不飽和官能化有機化合物の残部の官能基を介して前記反応性熱可塑性ポ リマーと反応して最終ポリマーブロックを生成する。 エチレン性不飽和官能化有機化合物の1以上の分子の残部を含み、反応性熱可 塑性ポリマーを最終ポリマーブロックとして結合させる分枝点は、エチレンと( 必要に応じて)α−オレフィン等他のモノマーからエチレンポリマーを形成する 間に生起し得る、長鎖及び短鎖分枝とは識別可能である。エチレン重合の間の骨 格成長と共に生成する分枝とは対照的に、エチレン性不飽和官能化有機化合物か ら形成される分枝点はエチレンポリマーの源初の重合の後に付加され、分枝ブ ロックエチレンポリマーの最終ポリマーブロックとしての反応性熱可塑性ポリマ ーの結合に必要な反応性サイトを与える。成分(a)−エチレンポリマーについて 成分(a)は、本発明の分枝ブロックエチレンポリマーの製造において第1の ブロックを形成するエチレンポリマーである。この目的に有用なエチレンポリマ ーには、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDP E)及び高密度ポリエチレン(HDPE)等の従来のエチレンポリマーなどが包 含される。LDPEは、典型的には高圧条件下で作られ、密度約0.915ない し約0.935g/cm3を有するものと考えられる。この低密度は、その多く が主鎖と同様の長さの長鎖分枝に起因する、LDPEに特徴的な多ゾーンの無定 形配列の結果として得られる。0.97g/cm3の密度を有する純結晶性ポリ エチレンと比べて純無定形ポリエチレンの密度が0.855g/cm3であるこ とから、LDPEがある程度の結晶性を有すると考えられる。しかし、LDPE はその長鎖分枝が主な特徴である。LDPEは、典型的には炭素原子1000当 り4ないし25、時として90程の長鎖分枝を有する。更にLDPEは、LLD PEの場合のコモノマー組込みより寧ろ鎖成長の間の骨格に沿った切れ戻り及び 分子再配列の結果として、2ないし8の炭素原子を含む短鎖を炭素原子1000 当り10ないし35有する。 LDPEは、エチレンガス、遊離基開始剤及び必要に応じて連鎖移動剤を含む 、加熱、加圧された原料流を反応装置中に注入する管状反応器又はかくはんオー トクレーブの何れかで作ることができる。生成反応は、当業界で公知のように通 常1500ないし3000気圧(152ないし304MPa)で、かつ通常は3 00℃を超えない温度で生起する。LDPEの重合の間に、エチレンを酢酸ビニ ル、アクリル酸エチル、アクリル酸、塩化ビニル又は一酸化炭素等の他の単量体 と共重合させることができる。 LLDPEは、HDPE作製に適切であると通常考えられる種類の低圧条件下 で作られる。しかし、エチレンがホモポリマーを形成するのではなく、最終生成 物において短側鎖の形態及び機能を発現する1以上のα−オレフィンと共重合す るため、低密度生成物(0.910ないし0.940g/cm3)が得られる。 最も頻繁に使われるコモノマーが1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1− ヘキセン又は1−オクテン等のα−オレフィンであるため、これらの側鎖がHD PEを象徴する最密、完全結晶性型充填を妨げるが、しかし高圧条件下で作られ るLDPEから連想される完全分枝長側鎖程に長くはない。LLDPEは担持ク ロム触媒を用いた軽炭化水素希釈剤中のスラリーとして、あるいは有機金属−チ タン型触媒を用いたヘキサン中のスラリーとして作ることができる。そのほか、 約250℃で適宜の炭化水素中の溶液として、あるいはLevineのUSP4 ,011,382やJezlのUSP4,129,729に記載されている様に 気相中で作ることもできる。 HDPEホモポリマー又は共重合体は、典型的には約94%の結晶化度を有し 、そして約0.935g/cm3以上、特に約0.950ないし約0.970g /cm3の密度を有する。結晶化度及び密度がひときわ高いため、HDPEはL DPE 115℃に対し135℃の高融点を有する。結晶性HDPEホモポリマ ーは規則的な線状性を有し、そして典型的には冷却するにつれてHDPEが優れ た靭性度及び破断抵抗特性を獲得するクリスタリットと呼ばれる秩序アグロメレ ートを生成する。エチレンを上述したようにα−オレフィンと共重合させた場合 、あるいはある種の反応機構に固有の副反応により短鎖分枝が得られた場合、結 晶化が妨げられ、それに対応してHDPE中における密度が減少する。例えば、 Ziegler遷移金属触媒を用いて製造したHDPEは炭素原子1000あた り約0.5ないし4の短鎖分枝、特にメチル基をもち得る。HDPEの分子量は 、通常50,000ないし1,000,000以上の範囲である。ある点を超え ると、HDPEの分子量の増加が鎖の絡み合いによる密度の減少をもたらすが、 この効果は甚大ではない。殆どの様相のHDPE強度は、分子量減少と共に低下 する。HDPEは、低沸点炭化水素を入れたループ反応器に高純度エチレンを供 給し、触媒及びポリマー粒子と懸濁させるスラリー系にて生産可能である。その 代りに、ポリマー粒子をかくはん、懸濁させるために、炭化水素を使わずに流動 床を用いる気相プロセスにおいてHDPEを製造することができる。HDPEの 製造方法が、HoganのUSP2,825,721に更に詳しく説明されてい る。均一エチレンポリマーの成分(a)としての使用について 好ましくは、成分(a)を均一エチレンポリマーとする。均一ポリマーは、狭 い多分散性(Mw/Mn)及び均一な短鎖分枝分布をもつことで特徴付けられる。 本明細書に記載した均一エチレンポリマーの多分散性(Mw/Mn)は、ゲル透過 クロマトグラフィー(GPC)が生み出すデータにより決定可能である。この目 的で使用する典型的装置は、140℃のシステム温度で操作する3個の混合多孔 度床のカラムを装着したWaters 150℃高温クロマトグラフィー ユニ ット(Polymer Laboratories 103、104、105及 び106)である。使用する溶媒は1,2,4−トリクロロベンゼンであり、そ れにより0.3重量%の注入用試料溶液を調製する。流速は1.0ミリリットル /分であり、注入量は200マイクロリットルである。 ポリエチレンの分子量決定は、(Polymer Laboratories からの)狭い分子量分布のポリスチレン標準をそれらの溶出体積との関連で用い て行なう。等価ポリエチレン分子量は、下記等式: Mpolyethylene = a*( Mpolystyreneb (式中、a=0.4316であり、b=1.0であり、Mは1,2,4−トリク ロロベンゼン中でのポリエチレン及びポリスチレンの分子量である) を導くため、Williams及びWordがJournal of Poly mer Science,Polymer Letters、6巻、621頁( 1968)に記載している様に、ポリエチレン及びポリスチレン用の適宜のMa rk−Houwink係数を用いることで決定可能である。重量平均分子量Mw は、次式: Mw = Σwi *i (式中wi及びMiは夫々GPCカラムから溶出するi番目のフラクションの重量 分率及び分子量である) に従って通常の方法で計算される。数平均分子量Mnは、次式: Mn =[Σni *i ]/Σni (式中、ni及びMiは夫々GPCカラムから溶出するi番目のフラクションの分 子数及び分子量である) に従って通常の方法で計算される。記号 * は各回の掛け算を表わす。 本明細書に記載した均一エチレンポリマーの多分散性(Mw/Mn)は3.0以 下であり、好ましくは約1.5ないし約2.5であり、更に好ましくは約1.7 ないし約2.3であり、最も好ましくは約2である。 均一エチレンポリマーがエチレン/α−オレフィンインターポリマーである場 合、それらは均一分枝分布を有する。「均一分枝」及び「均一分枝分布」という 用語は、(1)α−オレフィンコモノマーがエチレン/コモノマー共重合体のあ る分子中でランダムに分布する、(2)実質上全ての共重合体分子が同じエチレ ン/コモノマー比を有する、(3)ポリマーが狭い短鎖分子分布により特徴付け られる、(4)ポリマーが検出可能な高密度結晶性ポリマーフラクションを本質 的に含まない[例えば温度の関数としてのポリマー分別溶出を含む技法などによ り測定する]、そして(5)21C.F.R.177.1520(c)及び(d )に記載された条件で測定して、ポリマーが(i)実質的に減少量のn−ヘキサ ン抽出可能物(例えば密度約0.90g/cc以上でエチレン/1−オクテン共 重合体にかんして1%未満の抽出可能物)、又は(ii)特定条件下でポリマー の75重量%以上が可溶であるとき(例えばエチレン/1−オクテン共重合体は 密度約0.90g/cm3で90%可溶であり、密度約0.88g/cm3100 %可溶である)に示される実質的な無定形状態、を有することで特徴付けられる 、という事実を意味する。 典型的には、均一エチレンポリマーは均一短鎖分枝分布を有し、そして検出可 能な高密度フラクションを含まない、即ちこれらのポリマーはUSP5,089 ,321に記載されている温度上昇溶出分別で測定して炭素原子1000当り2 メチル以下の分枝度を有するポリマーフラクションを含有しない。 分枝分布の均一性又は狭さは、更に組成分布分枝指数(CDBI)あるいは短 鎖分枝分布指数(SCBDI)によっても示される。CDBIは、コノモマーの 中央値合計モル含量の50%以下のコモノマー含量を有するポリマー分子の重量 パーセントとして定義される。ポリマーのCDBIは、例えばWild,Jou rnal of Polymer Science,Polymer Phys ics Edition、20巻、441頁(1982)又はUSP4,798 081に記載されている様な温度上昇溶出分別を用いて容易に計算することがで きる。本発明において使用する均一エチレン/α−オレフィンインターポリマー のCDBIは約30%以上であり、好ましくは約50%以上であり、更に好まし くは約80%以上であり、最も好ましくは約90%以上である。 均一エチレンポリマーの定義には、Ziegler−Natta重合プロセス (例えばAndersonのUSP4,076,698に記載されている様な) を用いて製造される不均一分枝線状低密度ポリエチレン又は線状高密度ポリエチ レン、又は当業者が多数の長鎖分枝を持つことを知っている分枝高圧遊離基ポリ エチレン及び他の高圧エチレン共重合体(例えばエチレン/酢酸ビニル共重合体 又はエチレン/ビニルアルコール共重合体)は包含されない。 エチレン/α−オレフィンインターポリマー中の均一エチレンポリマーは、示 差走査熱量測定(DSC)で測定して30℃と150℃との間に単一溶融ピーク のみを有する。これは、広い分枝分布のため2以上の溶融ピークを有するZie gler重合不均一分枝線状エチレンポリマーとは対照的である。しかし、密度 約0.875g/cm3及び約0.91g/cm3を有するある群の均一エチレン ポリマーにかんしては、装置感度によって単一の溶融ピークが低温側(即ち融点 以下)に、ポリマーの総融解熱の12%以下、典型的には9%以下、更に典型的 には6%以下に相当する「肩」あるいは「こぶ」を示す可能性がある。この偶有 形状はポリマー内連鎖変動に起因し、この偶有形状の溶融帯を通して単調に変化 する単一溶融ピークの傾きに基づいて識別される。この偶有形状は、単一溶融ピ ークの融点から34℃以内、典型的には27℃以内、更に典型的には20℃以内 に生ずる。 単一溶融ピークは、インジウム及び脱イオン水で標定した示差走査熱量計を用 いて同定する。この方法には、7mgサイズの試料5個と、約150℃までの 「第1の加熱」、その温度で4分保持、10℃/分で30℃まで冷却、その温度 で3分保持、「第2の加熱」のため10℃/分で150℃まで加熱、熱対流温度 曲線が含まれる。ポリマーの総融解熱は、曲線の下側の面積で計算される。前記 偶有形状が存在する場合、それに帰すべき融解熱は化学てんびん及び重量パーセ ント計算により決定し得る。 1つの公知の均一エチレンポリマー群は、「均一線状エチレンポリマー」であ る。均一エチレンポリマーは、以下に定義する長鎖分枝をもたない。「線状」と いう用語は、塊状高圧分枝ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体又はエ チレン/ビニルアルコール共重合体が当業者に多数の長鎖分枝をもつものである と知られている範囲において、これらを意味しない。 均一線状エチレンポリマーは公知のポリマー群からのものであり、その例には USP3,645,992に記載されているもの、比較的高いエチレン濃度のバ ッチ反応器中でいわゆる単一サイト触媒を用いて製造されるもの[USP5,0 26,798(Canich)又はUSP5,055,438(Canich) に記載されている様な]、及び同様に比較的高いオレフィン濃度のバッチ反応器 中で拘束幾何触媒を用いて製造したもの[USP5,064,802(Stev ens)又はEP416815に記載されている様な]が包含される。これらの ポリマーは、Van der Sanden及びHalleがTappi Jo urnal、1992年2月号に記載した様に、長鎖分枝をもたない。例えばE wenのUSP4,937,299、EP129,368、EP260,999 、USP4,701,432、USP4,937,301、USP4,935, 397、USP5,055,438及びWO90/07526に示されている様 に、メタロセン触媒を用いた均一線状エチレンポリマーの製造方法が開発された 。これらのポリマーは、気相、スラリー又は溶液等従来公知の重合方法により製 造することができる。 好適な公知の均一エチレンポリマー群は「実質上線状のエチレンポリマー」で あり、例えば高剪断応力条件下でも溶融破壊感受性が低いといった、望ましいレ ベルの成形加工性により特徴付けられる。実質上線状のエチレンポリマーは、同 一の分子量分布及びメルトインデックスにおいて、線状ポリエチレンよりも可成 り高い表面溶融破壊時の臨界剪断速度、及び線状ポリエチレンよりも可成り低い プロセス指数を有する。実質上線状のエチレンポリマーは高分枝低密度ポリエチ レン(LDPE)と同程度の剪断低粘化及び易成形加工性を有するが、更に線状 低密度ポリエチレン(LLDPE)の強度及び靭性をも有する。本明細書中に記 載した実質上線状のエチレンポリマー及びその製造方法が、USP5,272, 236、USP5,278,272及び米国特許出願08/301,948にも 記載されている。 本明細書において「実質上線状のエチレンポリマー」は、このポリマーがコモ ノマー導入に帰すべき短鎖分枝に加え、長鎖分枝を含むことでも特徴付けられる 。実質上線状のエチレンポリマーは、5.63以上のメルトフロー比I10/I2 、I10/I2−4.63以下の(ゲル透過クロマトグラフィーで測定した)分子 量分布Mw/Mn、並びに本質的に同じI2及びMw/Mnをもつ線状エチレンポリ マーより少なくとも50%大きい表面溶融破壊開始時の臨界剪断速度及び/又は 約2.8×106dyne/cm2以上の表面溶融破壊開始時の臨界剪断速度を有 することで特徴付けられる。 Journal of Rheology,30(2),337−357(1 986)のRamamurthyによれば、ある臨界フローレートを超えると表 面溶融破壊が生起し、鏡面光沢の喪失から、更に厳しい状態である「サメ肌」ま での範囲の表面不整をもたらす。本明細書において、表面溶融破壊の開始時は押 出物表面粗さが40倍の倍率でも検出される押出物光沢消出開始時として特定さ れる。実質上線状のエチレンポリマーは、ほぼ同じI2及びMw/Mnをもつ線状 オレフィンポリマーの表面溶融破壊開始時の臨界剪断速度より少なくとも50% 大きい表面溶融破壊開始時の臨界剪断速度によっても特徴付けられる。Shid aらがPolymer Engineering Science,vol.1 7,No.11,page 770(1977)に記載し、又John Dea lyのRheometers for Molten Plastics,Va n Nostrand Reinhold Co.(1982),97−99頁 に記載されているダイ又はガス押出レオメーター(GER)を用い、5250p sigから500psigまでの窒素圧範囲で溶融破壊現象を同定するため、 見掛け剪断応力対見掛け剪断速度のプロットを用いた。Ramamurityの Journal of Rheology,30(2),337−357(19 86)によると、ある臨界フローレートを超えると、観察される押出物表面不整 を2つの主なタイプ、即ち表面溶融破壊及び光沢溶融破壊に大きく分類すること ができる。 表面溶融破壊は見掛け上定常な流れ条件下で生起し、そして詳しくは鏡面光沢 の喪失から、更に厳しい状態である「サメ肌」までの範囲にわたる。本明細書に おいて、表面溶融破壊の開始時は押出物表面粗さが40倍の倍率でも検出される 押出物光沢消失開始時として特定される。実質上線状のエチレンポリマーについ ての表面溶融破壊開始時の臨界剪断速度は、I2、多分散性及び密度の各々が該 実質上線状のエチレンポリマーのための対応する値の90〜110%内である従 来公知の線状エチレンポリマーの表面溶融破壊開始時の臨界剪断速度よりも少な くとも50%大きい。好ましくは、実質上線状のエチレンポリマーの表面溶融破 壊開始時の臨界剪断応力は約2.8×106dyne/cm2以上である。 総溶融破壊は非定常流条件下で生起して、そして詳しくは規則的表面変形(交 互に粗面及び平滑面が繰り返す、あるいはらせん状のパターン等)からランダム な変形まで変動する。商業的に受け容れられるために(例えばブローフィルム製 品において)、表面欠陥は存在しないまでも、最低限に止めるべきである。表面 溶融破壊開始時の臨界剪断速度(OSMF)及び総溶融破壊開始時の臨界剪断応 力(OGMF)は、本発明において表面粗さの変化及びGERにより製造される 押出物の形態と関係する。本明細書に記載した実質上線状のエチレンポリマーに ついて、総溶融破壊開始時の臨界剪断応力は、好ましくは約4×106dyne /cm2以上である。 以下に記述するGER溶融破壊の決定及びプロセス指数(PI)の決定のため 、無機充填剤不含で、アルミニウム触媒残留物が20ppm以下の実質上線状の エチレンポリマーを試験した。これらの決定のため好ましくは該ポリマーに、フ ェノール、ヒンダードフェノール、亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル等、 好ましくはフェノール又はヒンダードフェノールと、亜リン酸エステル又はホス ホン酸エステルとの組を含有させる。 実質上線状のエチレンポリマーの改良された成形加工性のもう1つの指標は、 レオロジー的プロセス指数(PI)である。PIはポリマーの見掛け粘度(キロ ポアズ単位)であり、ガス押出レオメータ(GER)で測定する。GERについ ては、溶融破壊現象との関連で前述した。プロセス指数は、190℃で2500 psigの窒素圧で測定する。高流動ポリマー(例えば50ないし100g/1 0分あるいはそれを超えるI2を有するポリマー)に対しては、0.0296イ ンチ(752ミクロン)、好ましくは0.0143インチの直径、20:1の長 さ/直径比及び180℃の進入角を有するダイを用いる。 プロセス指数は、次式: [式中2.15×106dyne/cm2は2500psiでの剪断応力であり、 そして剪断速度は次式: (式中Q’はg/分単位での押出速度であり、0.745はg/cm3単位での ポリエチレンの溶融体密度であり、そして直径はインチ単位でのキャピラリーの オリフィス直径である) で表わされる壁面での剪断速度である] からミリポアズ単位で計算される。該PIは、2.15×106dyne/cm2 の見掛け剪断応力で測定した材料の見掛け粘度である。 実質上線状のエチレンポリマーについて、PIはI2、Mw/Mn及び密度の夫 々が該実質上線状のエチレンポリマーのための対応する値の90〜110%内で ある従来公知の線状エチレンポリマーのPIの70%以下である。 更に実質上線状のエチレンポリマーは、均一線状エチレンポリマーよりも改良 された溶融弾性又は溶融張力を有する。「溶融張力」は、メルトインデクサと共 に特別設計のプーリトランスデューサーを用いて測定する。溶融張力は、プーリ 上から30回転/分の標準速度で回転する2インチドラムへと通した押出物又は フィラメントに加えられる負荷である。溶融張力の測定は、Toyoseiki 製Melt Tension Testerにより実施され、そしてJohn DealyによりRheometers for Molten Plasti cs,Van Nostrand Reinhold Co.(1982)25 0−251頁に記載されているものと類似している。本明細書に記載した実質上 線状のエチレンポリマーの溶融張力は少なくとも約2グラムであり、そして特に 約1.5ないし2.5といった狭い分子量分布を有するものに関しては、溶融張 力はメルトインデックス、多分散性及び密度の各々が該実質上線状のエチレンポ リマーのための対応する値の90〜110%内である従来の線状エチレンインタ ーポリマーの溶融張力よりも典型的には少なくとも約5%大きく、そして約60 %まで大きくなる。 これらの実質上線状のエチレンポリマーのもう1つのユニークな特徴は、I10 /I2値を多分散性(Mw/Mn)から本質的に独立したものとするフロー特性で ある。これは、多分散性(Mw/Mn)が高まるに連れてI10/I2値も高まるレ オロジー特性をもつ、従来のZiegler重合不均一ポリエチレン樹脂及び従 来の単一サイト触媒重合均一ポリエチレン樹脂からの重要な差異である。実質上 線状のエチレンポリマーが多分散性(Mw/Mn)及び溶融破壊特性に対して独立 したI10/I2を発揮するように、これにパーオキシドを添加する必要がないこ とに注目すべきである。 一般的に、実質上線状のエチレンポリマーのI10/I2比は少なくとも約5. 63、好ましくは少なくとも約7、とりわけ少なくとも約8、そして最も好まし くは少なくとも約9である。I10/I2比上限に対する唯一の制約は、経済性や 重合動力学等の実施上の配慮事項であるが、しかしI10/I2比上限は典型的に は約20を超えず、好ましくは約15を超えない。これとは対照的に、本明細書 に記載した均一線状エチレンポリマーのI10/I2比は通常6以下である。 実質上線状のエチレンポリマーの優れた溶融弾性及び成形加工性が、それらの 製造方法から得られるものと確信する。該ポリマーは、例えばWO93/071 87、WO93/07188又はWO93/07189に開示されている様に、 少なくとも1つの反応器を用いた(バッチ式に対する)連続式の制御された重合 プロセスにより製造可能である。しかし、これらのポリマーは例えばUSP3, 914,342に記載された多段反応器配列のような多段反応器を用い、所望す る性質を有するインターポリマーを製造するのに十分な重合温度及び圧力で製造 することもできる。 実質上線状のエチレンポリマー生産のための重合条件は通常、溶液重合法に有 用な条件であり、しかし適切な触媒及び重合条件を用いれば、スラリー及び気相 重合法も有用である。また、USP3,914,342に開示されたものなどの 多段反応器重合法も有用である。多段反応器は直列式又は並列式に運転すること ができ、少なくとも1つの反応器中で少なくとも1種の拘束幾何触媒を用いる。 一般的に、連続重合は例えば0ないし250℃の温度および大気圧ないし10 00気圧(100MPa)の圧力など、Ziegler−Natta又はKam insky−Sinn型重合反応にかんする先行技術中で公知の条件で有利に行 なわれる。担体を用いるが、しかし好ましくは触媒を均一(即ち可溶)方式で用 いる。勿論、直接的に触媒及びその助触媒成分を重合プロセスに加え、そして濃 縮モノマーを含む適宜の溶媒又は希釈剤を用いる場合には、活性触媒系がin situで生成することが好ましい。しかし、活性触媒を別の工程で、適宜の溶 媒を重合混合物に加える前に該溶媒中で形成することが好ましい。 好ましくは、「実質上線状のエチレンポリマー」という用語は、バルクポリマ ーが合計炭素原子(骨格及び分枝の両方の炭素を包含する)1000当り約0. 01ないし約3の長鎖分枝で置換されていることを示す。好適なポリマーは、合 計炭素原子1000あたり約0.01ないし約1の長鎖分枝、更に好ましくは合 計炭素原子1000当り約0.05ないし約1の長鎖分枝、そしてとりわけ合計 炭素原子1000当り約0.3ないし約1の長鎖分枝によって置換されている。 本明細書において、「主鎖」という用語は個々の分子を意味し、そして「ポリ マー」又は「バルクポリマー」は従来からの意味で反応器中で作られた状態のポ リマーを意味する。「バルク」ポリマーという用語は重合プロセスにより得られ るポリマーを意味し、そしてこれらの実質上線状のエチレンポリマーにかんして は、長鎖分枝が存在しない分子と長鎖分枝を含む分子との両方を包含する。従っ て、「バルク」ポリマーには重合の間に作られる全ての分子が含まれる。実質上 線状のエチレンポリマーにかんしては、分子の全てが長鎖分枝を含む訳ではなく 、しかしバルクポリマーの平均長鎖分枝含量がバルクポリマーのメルトレオロジ ー(即ち溶融破壊特性)に好影響を与えるのに十分な数の分子が長鎖分枝を含む ものと解される。「実質上線状の」ポリマーとなるポリマーは、バルクポリマー 中の平均長鎖分枝が総炭素原子1000当り少なくとも平均約0.01となるの に少なくとも十分な長鎖分枝含有分子を含む必要がある。 長鎖分枝を含む実質上線状のエチレンポリマーがエチレン/α−オレフィンイ ンターポリマーである場合、長鎖分枝は少なくとも、コモノマー炭素数引く1炭 素の鎖長を有し得る。これとは対照的に、短鎖分枝はコモノマーがポリマー分子 骨格中に組込まれた後のコモノマー残部と同炭素数の鎖長を有するものと定義さ れる。例えば、エチレン/1−オクテンの実質上線状のエチレンポリマーは、長 さが少なくとも7炭素の長鎖分枝を含み、一方で長さが僅か6炭素の短鎖分枝を も含む。 エチレン/α−オレフィンインターポリマーにかんして、長鎖分枝はα−オレ フィンのポリマー骨格中への組込みにより得られる短鎖分枝よりも長い。本発明 において用いる実質上線状のエチレン/α−オレフィンインターポリマー中に長 鎖分枝が存在することの、実験により把握された効果は、本発明において定量化 され、そして前述したガス押出レオメトリー(GER)及び/又はメルトフロー I10/I2の増加として表現したレオロジー特性向上により示される。 長鎖分枝は13C核磁気共鳴分光法(NMR)により短鎖分枝と識別され、そし てエチレンホモポリマー及びエチレンとC2からC6のα−オレフィンとの共重合 体にかんしては、RandallのJournal of Macromole cular Science−Reviews in Macromolecu lar Chemistry and Physics,Volume C29 ,285−297頁(1989)における方法を用いて定量される。しかし実際 的には、長鎖分枝の正確な長さを決定する上で、長鎖分枝の6番目の炭素原子 を超える部分は現在の13C NMRでは識別できず、従ってこの分析法では7炭 素の分枝と70炭素の分枝とを判別できない。 USP4,500,648には、長鎖分枝頻度(LCBF)が等式: LCBF = b/Mw (式中bは長鎖分枝の1分子当りの重量平均数であり、そしてMwは重量平均分 子量である) で表わし得ることが教示されている。分子量平均及び長鎖分枝特性は、ゲル透過 クロマトグラフィー及び固有粘度法により決定される。 エチレン/1−オクテンインターポリマーを包含するエチレンポリマー中の長 鎖分枝の存在の同定に有用な他の方法が知られている。このうち2つの方法は、 小角レーザ光散乱検出器と組合せたゲル透過クロマトグラフィー(GPC−LA LLS)及び示差粘度計検出器と組合せたゲル透過クロマトグラフィー(GPC −DV)である。長鎖分枝検出へのこれらの技法の使用及び基礎理論が、文献に 掲載されている。例えばZimm,G.H.and Stockmayer,W .H.,J.Chem.Phys.,17,1301(1949)及びRudi n,A.,Modern Methods of Polymer Chara cterization,John Wiley & Sons,New Yo rk(1991)pp.103−112が参照できる。 両人共にThe Dow Chemical Companyに所属するA. Willem deGroot及びP.Steve Chumは、1994年1 0月に米国ミズーリ州セントルイスでのFederation of Anal ytical Chemistry and Spectroscopy So ciety(FACSS)年会で、GPC−DVが実質上線状のエチレンインタ ーポリマー中の長鎖分枝存在量の定量に有用な方法であることを示した。特にd eGroot及びChumは、Zimm−Stockmayer等式を用いて測 定した、実質上線状のエチレンホモポリマー試料中の長鎖分枝量が13C NMR を用いて測定した長鎖分枝量と良い相関をなすことを見い出した。 更に、deGroot及びChumはオクテンの存在によってポリエチレン試 料の流体力学的体積が変化せず、従ってオクテン短鎖分枝に帰すべき分子量増加 を試料中のオクテンのモル%を知ることで説明できることを見い出した。1−オ クテン短鎖分枝に帰すべき分子量増加の寄与を取り除くことにより、deGro ot及びChumはGPC−DVを実質上線状のエチレン/オクテン共重合体中 の長鎖分枝量の定量に使用できることを示した。 またdeGroot及びChumは、GPC−DVにより測定したLog(G PC重量平均分子量)の関数としてのLog(I2、メルトインデックス)のプ ロットにより、実質上線状のエチレンポリマーの長鎖分枝の配向(長分枝の長さ ではなく)が高圧高分枝低密度ポリエチレン(LDPE)における該配向に匹敵 し、一方チタン錯体等のZiegler型触媒とハフニウム及びバナジウム錯体 等の均一系触媒とを用いて製造したエチレンポリマーとは明らかに異なることが 示唆されることを教示した。 「実質上線状のエチレンポリマー」という用語と対照的に、「線状」という用 語はポリマーが測定又は説明可能な長鎖分枝を含まない、即ち鎖長が6炭素を超 えると13C核磁気共鳴分光法を用いて判別できないため、本発明において長鎖分 枝を少なくとも6炭素の鎖長のものとして定義すると、ポリマーが炭素1000 当り平均0.01以下の長鎖により置換されている、ことを意味する。 「実質上線状のエチレンポリマー」は拘束幾何触媒を用いて製造され、そして 狭い多分散性(分子量分布)及び狭いコモノマー分布により特徴付けられる。本 明細書において、「インターポリマー」は例えば共重合体、ターポリマー等2種 以上のコモノマーのポリマー、換言すればエチレンと少なくとも1種の他のコモ ノマーが重合することで製造されるポリマーを意味する。これらの実質上線状の エチレンポリマーの他の基本的特徴には、低残留物含量(即ち実質上線状のエチ レンポリマー中の、ポリマー製造に用いた触媒、未反応コモノマー、及び重合過 程で生じた低分子量オリゴマーの濃度が低いこと)、及び分子量分布が従来のオ レフィンポリマーと比べて狭い割りには良好な成形加工性を与える制御された分 子構造が含まれる。 分枝ブロックエチレンポリマー作製の1に実質上線状のエチレンポリマーを用 いるのが好ましいが、2以上の異種の前述したエチレンポリマーの組を用いるこ ともできる。種々エチレンポリマー間の差異は、例えば(i)従来のLLDPE と実質上線状のエチレンポリマーとの組、(ii)実質上線状のエチレンホモポ リマーと実質上線状のエチレン/α−オレフィンインターポリマーとの組、(i ii)異なる制限幾何触媒を用いて作った2以上の実質上線状のエチレンポリマ ー、(iv)異なる反応器又は反応ゾーンの中で作った2以上の実質上線状のエ チレンポリマー、又は(v)密度、Mw/Mn、I2又はI10/I2等で異なる性質 をもつ2以上の実質上線状のエチレンポリマー、を用いることで例証できる。こ れらの組に含まれるエチレンポリマー間の差異は、例えば多モードの密度、広く なったMw/Mn、及び/又は多溶融ピーク等の形で表われる。これらのエチレン ポリマーの組を用いる場合は、以下に記述する二元反応重合法を用いて製造する のが有利である。エチレンポリマーの一般的性質 エチレンポリマーは、エチレンホモポリマーでもよいし、又はエチレンと1以 上のC3−C20α−オレフィンコモノマー及び/又は1以上のC4−C12ジオレフ ィンとのインターポリマーでもよい。エチレンポリマーは、そのほか、エチレン と他の不飽和モノマーと組合せた少なくとも1の上記C3−C20α−オレフィン 及び/又はジオレフィンとのインターポリマーでもよい。多くの場合、エチレン ポリマーをエチレンと1のみのC3−C20α−オレフィンとのインターポリマー とし、更に好ましくはエチレンとプロペン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘ キセン、4−メチル−1−ペンテン又は1−オクテンとのインターポリマーとし 、エチレンと1−オクテンとのインターポリマーが特に好ましい。インターポリ マー化のための他の好適なモノマーには、スチレン、ハロもしくはアルキル置換 スチレン、ビニルベンゾシクロブテン、1,4−ヘキサジエン、及びナフテン類 (例えばシクロペンテン、シクロヘキセン及びシクロオクテン等)が包含される 。 好適なエチレンポリマーは、50ないし95重量%のエチレンと5ないし50 重量%、好ましくは10ないし25重量%の少なくとも1のコモノマーから成る 。コモノマー含量は、ASTM D−2238、B法に準拠した赤外分光法によ っ て測定する。 エチレンポリマーの密度はASTM D−792に準拠して測定され、そして 通常少なくとも約0.85g/cm3であり、多くの場合少なくとも約0.86 5g/cm3であり、そして時として少なくとも約0.89g/cm3である。エ チレンポリマーの密度は通常0.96g/cm3以下であり、多くの場合0.9 3g/cm3以下であり、そして時として0.90g/cm3以下である。ポリマ ーの密度測定は、しばしばポリマーニート、即ち無機充填剤を含まず、かつ20 ppmを超える触媒残渣のアルミニウムを含有しないポリマーについて行なわれ る。 場合によって、本明細書に記載したエチレンポリマーが結晶性及び/又は半結 晶性ポリマーとなる。これらは通常室温で固体であり、そして外界条件下又は冷 却水で誘導された温度でペレット化可能である。例えば、密度0.865g/c m3をもつ実質上線状のエチレン/1−オクテン共重合体は、室温で約10%の 結晶化度をもつ。 エチレンポリマーの分子量は従来より、ASTM D−1238、条件190 ℃/2.16kg[以前は「条件(E)」として知られ、そしてI2としても知 られる]に準拠したメルトインデックス測定を用いて表わされる。メルトインデ ックス値はポリマーの分子量と逆比例する。従って分子量が高い程メルトインデ ックスが低下するが、この関係は線形ではない。エチレンポリマーのためのI2 メルトインデックスは通常約0.01グラム/10分以上であり、好ましくは約 0.1g/10分以上であり、更に好ましくは約0.5g/10分以上であり、 そして最も好ましくは約1.0g/10分以上である。エチレンポリマーのため のI2メルトインデックスは通常約1000g/10分以下、好ましくは約50 0g/10分以下、更に好ましくは約250g/10分以下、そして最も好まし くは約100g/10分以下である。エチレンポリマー製造のための二元反応器の使用 エチレンポリマーの製造に、例えばUSP3,914,342、米国特許出願 08/010,958(1993年1月29日提出)及び同08/208,06 8(1994年3月8日提出)に開示された、多段反応器を直列式又は並列式で 運転できる方法などの、多段反応器重合法を用いるのが多くの場合有利である。 反応器を並列式で運転する場合、溶液のままの各々の重合生成物を1の混合物に 混合する。多段反応器を直列式で運転する場合、第1の反応器もしくは反応ゾー ンの生成物を第2の反応器もしくは反応ゾーンに通し、そこで追加の単量体及び 触媒を加える。 活性触媒が第1の反応器もしくはゾーンから第2の反応器もしくはゾーンへと 通った場合、第2の反応器もしくはゾーンから流出する生成物は、反応器を並列 で運転した場合と同様に、全体的でなくとも主として、各反応器もしくはゾーン で個別に生成した個別のポリマーの組となる。しかし、本明細書に記載したエチ レンポリマーは、第1及び第2の両反応器もしくはゾーンで単量体が同じポリマ ー鎖に重合した場合に、その得られた生成物も包含するものと解される。 並列式反応器からの生成物の流れを混合した後、あるいは直列式で最終反応器 もしくはゾーンから生成物が流出した後、全ての当業界で公知の如く全ての溶媒 を除去して、全てのポリマーをいっしょに1の生成物として回収する。 直列式又は並列式で運転される個々の反応器もしくはゾーンは、各々に使用す る触媒の種類、供給するα−オレフィンコモノマーの種類又は運転温度等の特徴 点に関して相違しうる。例えば、1の反応器もしくはゾーンでは拘束幾何触媒を 用い、一方他のものではZiegler触媒を用いることもある。反応器を並列 式で運転する場合、最終生成物を回収する混合流又は流出液は各反応器の生成物 を等分量で含む必要はない。成分(b)、エチレン性不飽和官能化有機化合物について 本発明の分枝ブロックエチレンポリマーの製造に用いる成分(b)のエチレン 性不飽和官能化有機化合物は炭素−炭素二重結合を含み、そして例えばグラフト 化により狭い多分散エチレンポリマーの分枝を形成する。これらのエチレン性不 飽和官能化有機化合物は、例えばカルボニル基(−C=O)(カルボン酸又は無 水物等)もしくはエポキシ環、アミン、又はアルコール等の官能基を含有して官 能化されており、あるいはオキサゾリンであり得る。少なくとも1のカルボニル基を含有するエチレン性不飽和官能化有機化合物 少なくとも1のカルボニル基を含有するこれらの化合物の代表例は、不飽和カ ルボン酸並びにそれらのエステル、無水物及び塩(金属及び非金属の両方)であ る。好ましくは、該有機化合物がカルボニル基と共役したエチレン性不飽和を含 有する。代表的な化合物には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル 酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルクロトン酸及びケイ皮酸、並びに、存在す る範囲で、これらのエステル、無水物及び塩誘導体が包含される。無水マレイン 酸が、少なくとも1のカルボニル基を含有する好適なエチレン性不飽和有機化合 物である。少なくとも1のエポキシ環を含有するエチレン性不飽和官能化有機化合物 少なくとも1のエポキシ環を含有するエチレン性不飽和有機化合物の代表例に は、例えば不飽和カルボン酸のグリシジルエステル(例えばグリシジル=メタク リレート)、不飽和アルコールのグリシジルエーテル(例えばアリル−グリシジ ル−エーテル)及びアルケニルフェノールのグリシジルエーテル(例えばイソプ ロペニルフェニル−グリシジルエーテル)、並びにエポキシカルボン酸のビニル 及びアリルエステル(例えばエポキシ化オレイン酸のビニルエステル)を包含す る。少なくとも1のエポキシ環を含有する他のエチレン性不飽和有機化合物が、 LaughnerのUSP5,369,154に記載されている。これらのうち 、グリシジル=メタクリレートが好ましい。少なくとも1のアミン官能基を含有するエチレン性不飽和官能化有機化合物 アミンの代表例は、例えばアリルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン 、ペンテニルアミン、ヘキセニルアミン等の少なくとも1のエチレン性不飽和基 をもつアミン化合物、イソプロペニルフェニル=エチル=アミン=エーテル及び その同族化合物(分枝、環状及び非分枝)、アミン化合物のビニル及びアリルエ ーテル等を包含するアミンエーテル、アミン置換酸のビニル及びアリルエステル 等である。各々の場合に、アミンと不飽和は、これらがグラフト化反応を妨害し ない位置の何れにあってもよい。更に、アミンは非置換か、あるいは必要に応じ て、グラフト化反応を妨害しない例えばアルキル基(好ましくは炭素原子約1な いし約20)、アリール基(好ましくは炭素原子約6ないし約30)、ハロゲン 、エーテル、チオエーテル基等の何れかの基で置換されている。少なくとも1のアルコール官能基を含有するエチレン性不飽和有機化合物 アルコールの代表例は、エチルアルコール及びその同族化合物(分枝、環状及 び非分枝)等のアルコール化合物のアリル及びビニルエーテル、アルコール置換 酸、好ましくはカルボン酸のビニル及びアリルエステル、並びにプロペニルアル コール、ブテニルアルコール、ペンテニルアルコール、ヘキセニルアルコール、 ヘプテニルアルコール、オクテニルアルコール等の化合物などの、ヒドロキシル 基と少なくとも1のエチレン性不飽和基とをもつ化合物である。各々の場合に、 アルコールと不飽和は、これらがグラフト化反応を妨害しない位置の何れにあっ てもよい。更に、アルコールは非置換か、あるいは必要に応じて、グラフト化反 応を妨害しない例えばアルキル基(好ましくは炭素原子約1ないし約20)、ア リール基(好ましくは炭素原子約6ないし約30)、ハロゲン、エーテル、チオ エーテル基等の何れかの基で置換されている。エチレン性不飽和官能化有機化合物として用いるオキサゾリン化合物 本発明において用いる代表的オキサゾリン化合物には、一般式: (式中の各Jは夫々水素、ハロゲン、C1−C10アルキル基又はC6−C14アリー ル基である) の化合物が包含される。 エチレン性不飽和官能化有機化合物は、分枝エチレンポリマーを作るためにエ チレンポリマーに加えた後に、分枝エチレンポリマーのビニル化合物から誘導さ れる部分が重量割合で少なくとも約0.01%、好ましくは少なくとも約0.1 %、更に好ましくは少なくとも約0.2%で、しかし約10%以下、好ましくは 約5%以下、更に好ましくは約2%以下を構成する様な量で用いる。 十分に官能化したエチレン性不飽和有機化合物が成分(c)の反応性熱可塑性 ポリマーと反応して本発明の分枝ブロックエチレンポリマーを作る分枝点として 存在する限りにおいて、エチレン性不飽和官能化有機化合物の一部を非官能化ビ ニル化合物(例えばスチレン等のエチレン性不飽和芳香族化合物)で置換しても よい。 エチレン性不飽和官能化有機化合物は、例えばUSP3,236,917、U SP5,194,509に教示されている様な当業界で公知の方法の何れによっ てもエチレンポリマーにグラフトすることができる。例えばUSP3,236, 917では、ポリマーを2本ロールミキサーに入れ、温度60℃で混合する。次 いで、エチレン性不飽和有機化合物を例えば過酸化ベンゾイル等の遊離基開始剤 と共に加え、グラフト化が完了するまで成分を30℃で混合する。USP5,1 94,509も方法は類似するが、しかし反応温度が例えば210ないし300 ℃と高く、そして遊離基開始剤は用いないか、あるいは低濃度で用いる。 混合装置として二軸脱気押出し機を用いる、代りの、そして好適なグラフト化 法がUSP4,950,541に教示されている。押出し機内で、反応物質が溶 融状態となる温度で、かつ遊離基開始剤の存在下で、エチレンポリマーとエチレ ン性不飽和有機化合物とを混合し、そして反応させる。成分(c)の反応性熱可塑性ポリマーについて 本発明の分枝ブロックエチレンポリマーの製造に用いる成分(c)の反応性熱 可塑性ポリマーは、二官能単量体の縮合あるいは当業界の他の方法により適切に 製造される。 反応性熱可塑性ポリマーは、溶融混合プロセスで官能化エチレン共重合体と反 応可能な官能基を含有する半結晶性又は無定形ポリマーであることが有利である 。半結晶性ポリマーは、好ましくはTm>70℃を有する。無定形ポリマーは、 好ましくはTg>50℃を有する。適切な官能基には、ヒドロキシル、フェノー ル性アミン、エポキシ及びイソシアナートが包含される。適切な反応性熱可塑性 ポリマーの例には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレ フタレート(PET)、ナイロン−6、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリカー ボネート、エポキシで官能化されたポリメチルメタクリレート、エポキシ又は他 の官能基、好ましくは上掲の基で官能化されたスチレン−アクリロニトリルが包 含される。 典型的には、反応性熱可塑性ポリマーを、分枝エチレンブロックポリマーを作 るために分枝エチレンポリマーに付加した後、分枝エチレンブロックポリマーの 反応性熱可塑性ポリマーから誘導された部分が、重量割合で分枝ブロックエチレ ンポリマーの少なくとも約1%、好ましくは少なくとも約2%、更に好ましくは 少なくとも約5%、しかし約40%以下、好ましくは約30%以下、更に好まし くは約25%以下を構成する様な量で用いる。 1の適切な反応性熱可塑性群は、エンジニアリングサーモプラスチックとして 知られる群である。Kirk−Othmer Encyclopedia of Science and Technology 3版は、エンジニアリング プラスチックを100℃以上及び0℃以下で寸法安定性及び機械的性質の殆どを 良好に保つ、ニート又は非補強又は充填熱可塑性樹脂と定義している。用語「エ ンジニアリングプラスチック」と「エンジニアリングサーモプラスチック」は互 換的に使用可能である。エンジニアリングサーモプラスチックには、アセタール 樹脂、ポリアミド(例えばナイロン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ エステル、液晶ポリマー及び選ばれたポリオレフィン、これらの樹脂のブレンド 又はアロイ、並びに他の樹脂タイプ(例えばポリエーテルや、ポリシクロペンタ ン、その共重合体及びポリメチルペンタン等の高温ポリオレフィンを包含する) の若干例が包含される。アミン官能化ポリマーの成分(c)としての使用について 成分(c)として用いる反応性熱可塑性ポリマーの1の特に適切な群は、アミ ン官能化ポリマーとして知られる。アミン官能化ポリマーの1の群は、同じ又は 異なる官能基をもつ二官能単量体、典型的には酸官能基とアミン官能基とを含有 するものの縮合により作り得るポリアミドである。例えばヘキサメチレンジアミ ンをアジピン酸と反応させた場合、ジアミン単位と二酸単位とが交互に連なる クタム等の単量体を自己重合させた場合、付加機構に類似する規則的な頭−尾重 合により 熱を加えてカプロラクタムの温度を240ないし280℃に上げ、そして水及び リン酸等の触媒を系に加える。加水分解が起り、開環し、そして未反応モノマー が系から除かれ、再循環される状態で、重合が起る。系から水を除くことで、重 縮合及びポリマー鎖成長が起る。 本発明に用いるのに適したポリアミドには、そのほかランダム又はブロックコ ポリアミドを作るために2種以上の異なるジアミン及び/又は異なる二酸及び/ 又は異なるアミノ酸を互いに重合させたものも包含される。官能基間の炭素鎖は 、直鎖又は分枝脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素でよい。該鎖は、そのほか酸 素、硫黄又は窒素等のヘテロ原子を含有しうる。本発明に用いるのに適した他の ものは、例えば2種以上のポリアミドの溶融混合、他のジアミン又は二酸とのア ミド結合を含有するジアミン又は二酸単量体の反応、あるいはジイソシアナート とジカルボン酸との反応により得られるものなどのブロック又はランダム共重合 体である。 ポリアミドは最も多くの場合、水脱離を伴いながらジアミン又はアミノ酸のア ミン基が二酸のカルボキシル基と結合する直接アミド化により製造される。カル ボキシル官能基の代替供給源として、エステル、ハロゲン化アシル又はアミド等 の酸官能基の誘導体を用いてもよく、その場合各々の副生物はアルコール、ハロ ゲン化水素又はアンモニアである。ポリアミド形成は、そのほか例えばカプロラ クタムからナイロン−6を作る場合に、カプロラクタムの開環重合によっても生 起する。適切なポリアミドはナイロン−11、ナイロン−12、そして一般的に 言って、280℃以下、多くの場合250℃以下、場合によって230℃以下の 結晶性融点をもつナイロン、又は無定形ナイロンである。 前記ポリアミド及びそれらの製造法が、USP2,071,253、USP2 ,130,523及びUSP2,130,948で詳細に説明されている。 アミン官能化ポリマーの他の群には、1種以上の第一級芳香族、ルイス酸ブロ ック第一級脂肪族及び/又は第二級脂肪族、又は芳香のアミン基を含有するポリ マーが包含される。 USP4,153,381に記載されている様に、第二級アミン基をもつ適切 なポリオール、とりわけポリエーテル及びポリエステルポリオールが、従来から 対応するポリオールと第一級アミンとを反応させ、得られる中間体を水素で還元 することで作られている。第二級アミンは、不活性に置換したアルキル−、シク ロアルキル−またはベンジル−アミンであることが有利である。代りに、第二級 脂肪族ポリアミン化合物を対応する第一級脂肪族アミンとエチレン性不飽和化合 物とのMichael付加反応で作ることができる。アクリロニトリルがとりわ け適切なエチレン性不飽和化合物であるが、第一級アミンとMichael付加 反応する全ての化合物を使うことができる。第一級脂肪族アミン自体は、例えば USP3,128,311、USP3,152,998、USP3,654,3 70、USP3,347,926、USP4,014,933に教示されている 様に、対応するポリオールのアンモニアによる還元アミン化によって作ることが できる。 他の適切なアミン官能化ポリマーは芳香族ポリアミンであり、これには芳香族 アミン基を含有するように変性されたポリオール、とりわけポリエーテル及びポ リエステルポリオールが包含される。これらの芳香族ポリアミンは、例えば対応 するポリエーテル又はポリエステルポリオールをジイソシアナートでキャップし てプレポリマーを作り、次いで該ポレポリマーを水と反応させて遊離のイソシア ナート基を対応する第一級アミンへと加水分解することで作りうる。その代りに 、これらの化合物を1986年10月27日付提出のSteuber et a lの米国特許出願923,255に教示されている様に、対応するポリエーテル 又はポリエステルポリオールとp−ニトロクロロベンゼンと反応させ、次いでニ トロ基をアミン基へと還元することで作ることができる。もう1つの適切な方法 においては、対応するヒドロキシル又は第一級アミン末端停止ポリエーテル又は ポリエステルを、エステル交換反応においてp−アミノ安息香酸の低級アルキル エステル、とりわけメチルエステルと反応させて芳香族ポリアミン化合物を得る ことができる。第二級芳香族ポリアミンは前述したように対応する第一級芳香族 アミン化合物とアクリロニトリル等のエチレン性不飽和化合物とのMichae l反応により作ることができる。 本発明に使用するのに適した、ブロックされた第一級脂肪族ポリアミンは、対 応するヒドロキシル末端停止化合物をアンモニアで還元アミノ化し、次いで過酸 化ベンゾイル、二酸化炭素や、スズ、亜鉛、チタン又はアルミニウムのカルボン 酸塩などのルイス酸で錯化することで作るのが有利である。ルイス酸は、第一級 アミン基1等量あたり約0.2ないし約5当量、好ましくは約0.9ないし約1 .5当量となる量で用いるのが有利である。 本発明で使用するのに適した種々のアミン官能化ポリマーを、次式: [H(A)N]a−−Ea−−(E−G−E)b−−N(A)H (I) [H(A)N]a−−[E−(O−E)c]d−Od−[G−(O−G) c]e−−N(A)H (II) [H(A)N]a−−Q−[O−C(O)−Q−C(O)−O−Q]f−− O−C(O)−Q−C(O)−O−Q−−N(A)H (III) {式中、 各々のAは水素原子であるか、あるいは各炭素原子が必要に応じて第一級又は 第二級アミン基で置換されている、必要に応じて1以上の窒素原子又は酸素原子 が挿入されているC1−C6の直鎖又は分枝アルキル又はアルケニル基であり、 各々のEは各炭素原子が必要に応じてハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、 臭素原子又はヨウ素原子)、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリールオキシ 基、フェニル基又は第一級もしくは第二級アミン基で置換されている、必要にに 応じて1以上の窒素又は酸素原子が挿入されているC1−C20、好ましくはC1− C12、更に好ましくはC1−C8の直鎖、分枝又は環状のアルキル又はアルケニル 基であり、 各々のGは次の構造: [式中、(I)Zは(A)全部又は各部が(i)直鎖、分枝、環状又は複環状、 (ii)脂肪族又は芳香族、及び/又は(iii)飽和又は不飽和であることが でき、1〜35の炭素原子と5までの酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子 及び/又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子)とを含み 、各炭素原子が必要に応じて第一級又は第二級アミン基で置換されている2価の 基、(B)S、S2、SO、SO2、O又はCO、あるいは(C)単結合であり、 (II)各Xは水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子及び/又は臭素 原子)、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキ シル基、メトキシ基、エトキシ基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、フェノ キシ基及び/又はキシリノキシ基等のC1−C12の直鎖又は環状アルキル基、ア ルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基、あるいは第一級又は第二級アミ ン基であり、そして (III)gは0又は1である] で表わされ、 各々のQはE又はGであり、 aは0又は1であり、 bは0ないし10、好ましくは0ないし4、更に好ましくは1ないし3であり 、但しaとbの両方が0となることはなく、 cは1ないし70、好ましくは5 ないし50、更に好ましくは5ないし30であり、 d及びeは両方共0又は1であり、但しdとeの両方が0とならず、そして fは0ないし70、好ましくは5ないし50、更に好ましくは5ないし30で ある}あるいは次式: [H(A)N]a−(E−NH)j−(R2−G−R2−R3)h−R2− G−R2−(E−NH)j−N(A)H (IV) [式中各々のR2は−E−CH(OH)−E−基であり、 各々のR3は−NH−(E−NH)j−基であり、 A、E、G及びaは前述のとおりであり、 hは0ないし25、好ましくは0ないし10、更に好ましくは1ないし3であ り、そして jは1ないし6、好ましくは1ないし4である] で表わすことができる。 上記式中の可変数値は、特定した範囲内又は特に指定していない部分範囲内で 各個独立した値をとることができる。 アミン官能化ポリマーは、通常約0.75以上、好ましくは約0.8以上、更 に好ましくは約0.9以上、そして最も好ましくは約1.0以上の1分子あたり アミン基平均数を有する。アミン官能化ポリマーは、通常約3.5以下、好まし くは約3.0以下、更に好ましくは約2.5以下、最も好ましくは約2.1以下 の1分子あたりアミン基平均数を有する。 アミン官能化ポリマーは、典型的には約400ないし約50,000、好まし くは約600ないし約30,000、更に好ましくは約800ないし約20,0 00の等価重量(アミン基平均数で重量平均分子量を割った値として定義される )を有する。 アミン官能化ポリマーは本発明の分枝ブロックエチレンポリマーの最終ブロッ クを形成するのに十分な量で存在し、しかし分枝ブロックエチレンポリマーに所 望する組成物改質剤としての利益を損なうような高量では存在しない。典型的に は、アミン官能化ポリマーを、分枝エチレンブロックポリマーを作るために分枝 エチレンポリマーに付加した後、分枝エチレンブロックポリマーのアミン官能化 ポリマーから誘導された部分が、重量割合で分枝ブロックエチレンポリマーの少 なくとも約1%、好ましくは少なくとも約2%、更に好ましくは少なくとも約5 %で、かつ約40%以下、好ましくは約30%以下、更に好ましくは約25%以 下を構成する様な量で用いる。 例えば、ポリアミド等の結晶性極性アミン官能化ポリマーが、熱可塑性成形用 ポリマーとのブレンド中での非極性エチレンポリマーの改質剤としての性能を改 善することは、通常は期待されない。しかし、ポリアミド等のアミン官能化ポリ マーを前記した量で用いると、分枝ブロックエチレンポリマーの最終ブロックを 形成するのみでなく、エチレン/ビニル化合物共重合体により作られたドメイン 内で形態的に分散したままとなる。しかし、ポリアミド等のアミン官能化ポリマ ーを前記した量を超えて用いた場合、エチレン/ビニル化合物共重合体が分散し たそれ自体の結晶性ドメインを形成し、そしてこれらのポリアミドドメインの脆 さにより、ブロックターポリマーが混練された組成物に与えるべき衝撃強度の増 加分が帳消しになる。同様に、高過ぎる平均アミン官能基数をもつアミン官能化 ポリマーを用いた場合、架橋が生起し易くなる。成分(c)の反応性熱可塑性ポリマーとしてのポリエステルの使用について 分枝ブロックエチレンポリマーの成分(c)として有用なもう1つの反応性熱 可塑性ポリマー群は、ポリエステルである。ポリエステルはヒドロキシカルボン 酸の自己エステル化により、あるいは結果的な水の脱離を伴い、−[−AABB −]−反復単位をもつポリエステルを与えるジオールとジカルボン酸との段階成 長反応を含む直接エステル化により作ることができる。反応を、キシレン又はク ロロベンゼン等の不活性高沸点溶媒を用い、水を共沸的に除去しながら塊状又は 溶液にて行なうことができる。 その代りに、しかし同様に、ジカルボン酸のエステル形成誘導体をジオールと 共に加熱して、エステル交換反応によってポリエステルを得ることができる。こ の目的に適した酸誘導体は、酸のアルキルエステル、ハライド、塩又は無水物で ある。ビスフェノールと芳香族二酸からのポリアリレートの製造を、ポリカーボ ネート製造に用いるのと本質的に同じ界面系で行なうことができる。 ポリエステルは、そのほか、開始剤として有機第三級塩基、ホスフィン並びに アルカリ及びアルカリ土類金属、水素化物及びアルコキシドを用いる環状エステ ル又はC4−C7ラクトンの開環反応によっても作ることができる。 本発明に用いるのに適したポリエステル製造用反応物質は、ヒドロキシカルボ ン酸のほか、一方又は両方が脂肪族又は芳香族であることができるジオールとジ カルボン酸とである。従って、ポリ(アルキレン=アルカンジカルボキシレート )、ポリ(アルキレン=アリーレンジカルボキシレート)、ポリ(アリーレン= アルカンジカルボキシレート)又はポリ(アリーレン=アリーレンジカルボキシ レート)であるポリエステルが、本発明に用いるのに適している。ポリマー鎖の アルキル部分は、例えばハロゲン原子、C1−C8アルコキシ基又はC1−C8アル キル側鎖で置換されていてもよく、そして鎖のパラフィンセグメント中に2価の ヘテロ原子基(−O−、−Si−、−S−又は−SO2−等)を含有していても よい。また鎖は、不飽和及びC6−C10非芳香族環をも含有することができる。 芳香族環はハロゲン原子、C1−C8アルコキシ基又はC1−C8アルキル基等の置 換基を含有することができ、またどの環位においてもポリマー骨格へ、そして直 接アルコール又は酸官能基へ、あるいは介存原子へと結合することができる。 エステル形成に用いる典型的な脂肪族ジオールは、エチレン−、プロピレン− 及びブチレングリコール等のC2−C10第一級及び第二級グリコールである。頻 繁に用いるアルカンジカルボン酸は、シュウ酸、アジピン酸及びセバシン酸であ る。環含有ジオールは、例えば1,4−シクロヘキシレニルグリコール又は1, 4−シクロヘキサンジメチレングリコール、レソルシノール、ハイドロキノン、 キシリレンジオール、あるいは2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロ パン等の多くのビスフェノールのうちの1であることができる。芳香族二酸には 、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ ーテルジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン 酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸が包含される。 1のジオールと1の二酸のみから作られるポリエステルに加え、本発明に用い る「ポリエステル」という用語には、例えば2以上の異なるジオール及び/又は 2以上の異なる二酸、及び/又は他の2価のヘテロ原子基から作られるものなど の、ランダム、パターン化又はブロックコポリエステルが包含される。これらの コポリエステルの混合物、1のジオールと二酸のみから誘導されるポリエステル の混合物、及びこれら両群のメンバー間の混合物も全て本発明に用いるのに適し 、そして全て用語「ポリエステル」に包含される。例えば、テレフタル酸とのエ ステル化に、エチレングリコールとともにシクロヘキサンジメタノールを用いる と、特に重要な透明無定形コポリエステルが作られる。更に、4−ヒドロキシ安 息香酸と2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸との混合物;テレフタル酸、4−ヒド ロキシ安息香酸及びエチレングリコールの混合物;又はテレフタル酸、4−ヒド ロキシ安息香酸及び4,4’−ジヒドロキシビフェニルの混合物から誘導される 液晶ポリエステルを考慮に入れている。 ポリ(アルキレン=アリーレンジカルボキシラート)であるポリエチレンテレ フタレート及びポリブチレンテレフタレートあるいはこれらの混合物などの、芳 香族二酸から作られる芳香族ポリエステルが、本発明に特に有用である。本発明 に用いるのに適したポリエステルは約0.4ないし1.2の固有粘度を有するこ とができるが、この範囲外の値も許容できる。 前述のポリエステル製造に有用な方法及び材料が、更に詳細にWhinfie ldのUSP2,465,319、PengillyのUSP3,047,53 9、SchwarzのUSP3,374,402、RussellのUSP3, 756,986及びEastのUSP4,393,191に説明されている。 好適な態様において、ポリエステルを、分枝エチレンブロックポリマーを作る ためにエチレン/ビニル化合物共重合体に付加した後、分枝エチレンブロックポ リマーのポリエステルから誘導された部分が、重量割合で、分枝ブロックエチレ ンポリマーの少なくとも約1%、好ましくは少なくとも約2%、更に好ましくは 少なくとも約5%、しかし約30%以下、好ましくは約20%以下、更に好まし くは約10%以下を構成する様な量で用いる。他の態様において、分枝ブロック エチレンポリマー形成を促進するために例えば触媒を用いた場合、ポリエステル 使用量は分枝ブロックエチレンポリマーの約60重量%以上、可能性として約7 0重量%以上、そしておそらく約80重量%以上とすることができるが、しかし これらの範囲外の値も許容される。更に適切な態様において、ポリエステルを、 分枝ブロックエチレンポリマーに含まれるポリエステル量と組成物に含有される 混練用又は成形用ポリマー量との比が約0.01/1以上、しばしば約0.01 5/1以上、場合により約0.02/1以上で、かつ約0.30/1以下、しば しば約0.15/1以下、場合により0.10/1以下となる様な量で用いる。 更に好適な態様において、分枝ブロックエチレンポリマーの製造に用いるポリ エステルは約0.85以下、有利な値として約0.5ないし約0.8、好ましく は約0.55ないし約0.75の固有粘度(IV)を有する。一般的に、比較的 低いIVを有するポリエステルは、比較的高いIVのポリエステルより短いポリ マー鎖から成る。従って、ある質量の低IVポリエステルは同じ質量の高IVポ リエステルより多くの鎖末端基を含有する。分枝ブロックエチレンポリマーの形 成がポリエステル末端基、とりわけ−OH末端基と、エチレンポリマー上のビニ ル化合物から作られる分枝点との反応に依存するため、この目的で比較的多数の 末端基を含有するポリエステルを用いるのが有利である。本発明の分枝ブロックエチレンポリマーの製造法 本発明の分枝ブロックエチレンポリマーは、最初にエチレンポリマーからエチ レン性不飽和官能化有機化合物を含む分枝を形成して作られる。これは前述の方 法、例えばUSP3,236,917、USP5,194,509、及び/又は USP4,950,541に教示されているグラフト重合法を用いて達成するこ とができる。 無水マレイン酸等のエチレン性不飽和官能化有機化合物をエチレンポリマーの 分枝に形成した後、分枝エチレンポリマーと反応性熱可塑性ポリマーとを反応押 出に付すことで、本発明の分枝ブロックエチレンポリマーの製造が完了する。反 応性熱可塑性ポリマーの反応性末端基は、溶融状態で官能化有機化合物分枝の官 能基と反応して化学結合を形成して、最終ポリマーブロックを本発明の分枝ブロ ックエチレンポリマーに付加する。この反応性熱可塑性ポリマーと、エチレン性 不飽和官能化有機化合物から作られた分枝との反応を、所望すれば触媒により促 進させることができる。この反応を、必要に応じて、反応物質を高温、高剪断混 合に付すバンバリーミキサ又は他の装置内で生起させるが、この反応を30mm 二軸押出し機内で行なうための代表的プロフィルは、150、200、250、 250及び250℃、250回転/分、70〜85%トルク、及び滞留時間30 秒である。 分枝ブロックエチレンポリマー製造のために押出し機を用いた場合、典型的に は原料取扱をより簡便化するため、ポリマーを作る個々の成分を1の押出し機を 通る単一通過の間に別々の供給口から順次供給する。エチレンポリマー、エチレ ン性不飽和有機化合物及び反応性熱可塑性ポリマーを同時に反応させた場合、反 応性熱可塑性ポリマーの存在により、分枝形成に必要な不飽和有機化合物の接近 を物理的に妨げられる可能性があるため、エチレン性不飽和有機化合物がエチレ ンポリマー上に僅かな量の分枝しか作らず、あるいは全く作らない恐れがある。本発明のブロックエチレンポリマーの製造における触媒の使用 本発明の分枝ブロックエチレンポリマー製造を完了するための分枝エチレンポ リマーと反応性熱可塑性ポリマーとの反応は、必要に応じて触媒の存在によって 促進される。これらの触媒には、pKa7以上のアルカリ金属又はアルカリ土類 金属塩、及び窒素含有有機塩基が包含される。分枝エチレンポリマーと反応性熱 可塑性ポリマーとを反応させる温度以下で溶融し、そして該温度で低揮発度を有 する触媒が最も有効である。 本発明において触媒として有用なpKa7以上の塩は、リチウム、ナトリウム 、カリウム、マグネシウム、カルシウム又はバリウムに代表されるカチオンと、 アジド、アセタト、ベンゾアート、ボラート、ブロマート、ブロミド、カルボナ ト、カルボキシラト、クロラト、クロリド、クロリト、クロマト、シアナト、シ アニド、ジチオナト、フルオリド、ホルマト、水素カルボナト、水素ホスファト 、水素スルファト、水素スルフィド、水素スルフィト、ヒドロキシド、ヒポホス ファト、ヒポホスフィト、ヨーダト、ヨージド、ヨージト、モリブダト、ニトラ ト、ニトリト、オキサラト、オキシド、ペルクロラト、ペルマンガナト、ホスフ ァト、ホスフィト、ポロホスファト、セレナト、シリカト、スルファト、スルフ ィミド、スルフィト、スルホナト、チオカルボナト、チオシアナト、チオスルフ ァト等の置換、非置換形の両方及びこれらの誘導体で代表されるアニオンから作 られるものである。 本発明において触媒として使うのに好ましい塩は、下記構造: (式中M+はカリウムイオン等のアルカリ金属イオンである) で示される芳香族スルフィミドから誘導される。 本発明において触媒として有用な窒素含有有機塩基の代表例には、アクリジン 、アナリン、アジリジン、ベンジジン、ベンズイミダゾール、イソキノリン、モ ルホリン、ピコリン、ピペラジン、ピペリジン、プリン、ピラジン、ピリジン、 ピリミジン、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、トルイジン、バリン等が包含 される。一般的に、置換及び非置換形の多くの脂肪族及び芳香族アミン並びにそ れらの誘導体が本発明において触媒として使われ、最も一般的なものはトリエチ ルアミン及びピリジン等の第三級アミンである。 本発明の分枝ブロックエチレンポリマーの製造に用いる触媒の量は、分枝エチ レンポリマーと反応性熱可塑性ポリマーとの合計重量に基づいて、少なくとも約 100ppm、好ましくは少なくとも約1000ppmであり、かつ約3,00 0ppm以下、好ましくは約2,000ppm以下である。分枝ブロックエチレンポリマーと他の混練用又は成形用ポリマーとの混練につい 本発明の分枝ブロックエチレンポリマーを、1以上の他の混練用又は成形用ポ リマーと乾式混練又は溶融混練するのが有利となり得る。1例では、分枝ブロッ クエチレンポリマーを混練用又は成形用ポリマーと乾式混練又は溶融混練し、次 いで成形品として成形し又は押出す。 図中で例証したポリマーから、本発明の分枝ブロックエチレンポリマーが有効 なレオロジー改質剤、有効な溶融強度増強剤、ブロー成形又は熱成形増強剤、有 効な油展ポリマー及び/又は衝撃変性剤であることが分かる。 更に、エチレン性不飽和官能化単量体でグラフト変性したエチレンポリマー、 反応性熱可塑性ポリマー、及び熱可塑性混練用もしくは成形用ポリマーからのラ ンダムな機械的ブレンド物の形成は、分枝ブロックエチレンポリマーとこれらの 混練用又は成形用ポリマーとのブレンドとは別で、かつ異なっている。この相違 は、エチレンポリマー、エチレン性不飽和官能化単量体、アミン官能化ポリマー 、及び混練用もしくは成形用熱可塑性ポリマーの系を調べることで認められる。 ランダムな物理的ブレンド物の場合、エチレン性不飽和官能化ポリマーでグラ フト変性したエチレンポリマーを、その1がアミン官能化ポリマーでもよい1以 上の熱可塑性ポリマーのための本質的にエラストマー的改質剤として用いること ができる。組成物中に2以上の熱可塑性ポリマーが存在する場合、エチレン性不 飽和官能化ポリマーでグラフト変性したエチレンポリマーは、典型的には各熱可 塑性ポリマーに対し本質的に同程度に上記エラストマー的改質剤としての役割を 果たす。これとは対照的に、分枝ブロックエチレンポリマーを改質剤として熱可 塑性混練用又は成形用ポリマーとのブレンド物中で用いたい場合は、分枝ブロッ クエチレンポリマー形成に成功していないと、エチレン性不飽和官能化ポリマー でグラフト変性されたエチレンポリマーが成形用ポリマー全成分の改質剤の役を 果たす、ある種のアミン官能化ポリマーを成形用ポリマーの1として含むランダ ムな物理的ブレンド物と結果的に違いのないものとなる。 反応性熱可塑性ポリマーは、そもそも、そして主にエチレン性不飽和官能化単 量体の粘弾性的特性を改良し、かつ本質的にエラストマー性の改質剤を硬セグメ ント/軟セグメント変性剤へと変換するために存在する。反応性熱可塑性ポリマ ーはハードセグメントを構成し、そしてエチレンポリマーはソフトセグメントを 構成する。かくしてこのハードセグメント/ソフトセグメント改質剤である分枝 ブロックエチレンポリマーは1以上の混練用又は成形用ポリマーのための改質剤 として働く。ハードセグメント/ソフトセグメント改質剤の必須部分である、分 枝ブロックエチレンポリマー中の反応性熱可塑性ポリマーは、単にランダムな物 理的ブレンド物中のもう1つの成形用ポリマーであることとは区別される機能を 果たす。 適切な混練用又は成形用ポリマーには分枝ブロックエチレンポリマーと相容性 のあらゆるポリマーが包含され、そしてグラフト化及び非グラフト化のオレフィ ン及び非オレフィンポリマーの両方が包含される。分枝ブロックエチレンポリマ ーは、そのほか、何れもグラフト化又は非グラフト化の、実質上線状のエチレン ポリマー、従来からの不均一分枝又は均一分枝線状エチレンポリマー、非オレフ ィンポリマー、あるいはこれらのポリマーの何れかの組とも混練することができ る。 混練用又は成形用ポリマーの例には、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密 度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密 度ポリエチレン(ULDPE)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合 体、エチレン−スチレン共重合体、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレン− ジエンモノマー(EPDM)、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン− スチレン(ABS)共重合体、エチレン/アクリル酸(EAA)、エチレン/酢 酸ビニル(EVA)、エチレン/ビニルアルコール(EVOH)、エチレンと一 酸化炭素とのポリマー(ECO、USP4,916,208に記載されているも のを含む)、エチレン−プロピレン−一酸化炭素(EPCO)ポリマー、エチレ ン−一酸化炭素−アクリル酸(ECOAA)ポリマー等が包含される。非オレフ ィン混練用又は成形用ポリマーの代表例は、ポリエステル、ポリ(塩化ビニル) (PVC)、エポキシ、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド等である 。 これらの混練用又は成形用ポリマーの実例は、溶融ブレンド物が個々のポリマ ー相へと分離しない様な、分枝ブロックエチレンポリマーとの相容性により特徴 付けられる。1以上のこれら混練用又は成形用ポリマーを1以上の分枝ブロック エチレンポリマーと混練した場合、ポリマー成分が個々のポリマー相へと分離し て押出物のサージング、フィルムバンド効果等の押出成形加工の障害に至ること がない様な、1対1で又は少なくとも1以上の他のポリマーとの組によって十分 な相互相容性を通常発揮する。 1以上の他の混練用又は成形用熱可塑性ポリマーと混練する分枝ブロックエチ レンポリマーの量は可変であり、そして混練用又は成形用熱可塑性ポリマーの属 性、意図したブレンド物最終用途、添加剤の存在、不在、存在した場合のその属 性などを含む多くの要因に依存する。 典型的には、ブレンド物は少なくとも1部、効果的には少なくとも約2部、好 ましくは少なくとも約5部、かつ約50部以下、効果的には約40部以下、好ま しくは約30部以下の分枝ブロックエチレンポリマーを含有する。同様に、ブレ ンド物は典型的には少なくとも約50部、より効果的には少なくとも約60部、 好ましくは少なくとも約70部、かつ約99部以下、より効果的には約98部以 下、好ましくは約95部以下の混練用又は成形用熱可塑性ポリマーを含有する。 これらの分枝ブロックエチレンポリマー及び混練用又は成形用ポリマーの重量部 数は、必ずしもそうなる必要はないが、合計100重量部である。 しかし、混練用又は成形用ポリマーが組成において、分枝ブロックエチレンポ リマーの分枝を形成する反応性熱可塑性ポリマーと同一である場合、反応性熱可 塑性ポリマーと混練用又は成形用熱可塑性ポリマーとの合計量は、混練した組成 物100重量部あたり30部以上、好ましくは20部以上、更に好ましくは15 部以上、最も好ましくは10部以上となる。 反応性熱可塑性ポリマーとして官能化アミンポリマーを含有する分枝ブロック エチレンポリマーと共に用いるのに好適な混練用又は成形用ポリマーには、(i )ポリオレフィン樹脂、(ii)ポリアミド、(iii)ポリカーボネート、( iv)水素化ポリスチレン及び(v)これらの混合物が包含される。反応性熱可 塑性ポリマーとしてポリエステルを含有する分枝ブロックエチレンポリマーと共 に用いるのに好適な混練用又は成形用ポリマーには、(i)ポリカーボネート、 (ii)ポリエステル、(iii)ポリ(フェニレンエーテル)、(iv)ポリ スルホン、(v)ポリイミド又はポリエーテルイミド、及び(vi)これらの混 合物が包含される。混練用又は成形用ポリマーとしてのポリオレフィンの使用 熱可塑性ポリマーとして有用なポリオレフィン樹脂は、分枝ブロックエチレン ポリマー製造にかんして前述したエチレンポリマーの全て及びポリプロピレンで ある。ポリプロピレンの製造にも、イソタクチックポリプロピレンを作るための プロピレンの立体規則的重合を可能にするZiegler触媒の使用が含まれる 。 用いる触媒は、典型的には、CecchinのUSP4,177,160に詳述 されている三塩化チタンとアルミニウム=ジエチルモノクロリドの組である。ポ リプロピレン製造用の様々な重合法には、約50〜90℃、0.5〜1.5MP a(5〜15気圧)で行なうスラリー法、及び無定形ポリマーの除去に特に配慮 すべき気相及び液体単量体法が包含される。エチレンブロックを持つポリプロピ レンを作るため、上記反応にエチレンを添加することができる。 Ziegler−Natta触媒を用いてポリオレフィン樹脂を作るために、 様々なより高級なオレフィンを単独重合させることができ、その代表例は、1− ブテン、1−メチルペンテン及び4−メチル−1−ペンテンである。本発明に有 用なポリオレフィン樹脂には、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/酢酸 ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/一酸化炭素 共重合体(USP4,916,208及びUSP4,929,673に記載のも のを包含される)、エチレン/プロピレン/一酸化炭素共重合体、エチレン/一 酸化炭素/アクリル酸共重合体、ポリ(塩化ビニル)等の様々なエチレン共重合 体、及びそれらの混合物が包含される。例えばポリ(塩化ビニル)製造のための 懸濁法において、ランダム、ブロック又はグラフト共重合体を作るために、塩化 ビニル単量体を酢酸ビニル、アクリロニトリル、ブタジエン、アクリル酸ブチル 、無水マレイン酸、オレフィン又はスチレン等の他のビニル単量体と共重合させ ることができる。 成形用ポリマーとしてポリアミド樹脂を用いる1つの格別な利点は、該樹脂を 成形機内でブロックターポリマーと混練できることであり、そのため、まずブロ ックターポリマー/成形用ポリマー組成物のペレットを押し出して、組成物に余 計な熱履歴を加えることが避けられる。混練用又は成形用ポリマーとしてのポリアミドの使用 熱可塑性ポリマーとして有用なポリアミドが、前記ブロックターポリマー製造 に用いうるアミン官能化ポリマーの各種として前述されている。成形用ポリマー としてポリアミドを用いた場合、前記ブロックターポリマーの製造に用いたのと 異なるポリアミドを用いることができ、そしてそれが時として好ましい。例えば 、前記ブロックターポリマー製造用ポリアミドがナイロン6であり、一方成形用 ポ リマーとして用いるポリアミドがナイロン−6,6、−6,10又は12である ことができ、及び/又は混練用又は成形用ポリマーが約2.0以上、又は約2. 05ないし約3.5の範囲の平均アミン基数を持つことができる。成形用ポリマ ーとしてポリアミド樹脂を用いる1つの格別な利点は、該樹脂を成形機内でブロ ックターポリマーと混練できることであり、そのため、まずブロックターポリマ ー/成形用ポリマー組成物のペレットを押し出して、組成物に余計な熱履歴を加 えることが避けられる。混練用又は成形用ポリマーとしてのポリカーボネートの使用 混練用又は成形用ポリマーとして有用なポリカーボネートを、ビスフェノール 等のジヒドロキシ化合物と、ジ置換炭酸誘導体、ハロホルマート(グリコール又 はジヒドロキシベンゼンのビスハロホルマート等)もしくは炭酸ジフェニル等の 炭酸エステル又はこれらの置換誘導体等のカーボネート前駆物質とから製造でき る。時としてこれらの成分は、ジヒドロキシ化合物をアルカリ水溶液に溶解し、 脱プロトン化合物してビスフェノラートを作り、そしてカーボネート前駆物質を 有機溶媒に溶解する相境界法によって反応せしめられる。 また時としてこれらの成分は、最初に芳香族ジヒドロキシ化合物、水並びにカ ーボネート前駆物質及びポリカーボネート生成物が可溶のものから選ばれる水と 非混和性の非反応性有機溶媒から作られる混合物を用いて反応せしめられる。溶 媒の代表例には、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタン 、クロロベンゼン及びクロロホルム等の塩素化炭化水素が包含される。混合物の pHをジヒドロキシ化合物がジアニオン形へと活性化する値に調節するため、苛 性ソーダ又は他の塩基を反応混合物に加える。 カーボネート前駆物質をかくはんしたジヒドロキシ化合物の水性アルカリ性溶 液の混合物と接触させるが、この目的でカーボネート前駆物質を気体として反応 混合物中で泡立てるか、あるいは溶液状で溶解、導入することができる。カーボ ネート前駆物質は、ジヒドロキシ化合物1モルあたり典型的には約1.0ないし 1.8、好ましくは約1.2ないし1.5の量で用いる。水性アルカリ性溶液中 でカーボネート前駆物質を含む液滴が十分に分散又は懸濁する様な方式で、混合 物をかくはんする。このかくはんにより生起する有機相と水性相との間の反応に より、ヒドロキシ化合物のビス(カーボネート前駆物質)エステルが得られる。 例えばカーボネート前駆物質がホスゲン等のハロゲン化カルボニルである場合、 このプロセス初期相生成物はモノ又はジクロロホルマートであるか、あるいは末 端にフェノラートイオンを含有する単量体又はオリゴマーである。 これらの中間体モノ及びオリコカーボネートは形成時に有機溶媒に溶解し、次 いでトリエチルアミン及びジメチルアミノピリジンで代表されるカップリング触 媒との接触で縮合して、より高い分子量のポリカーボネートとなることができる 。 重合完了後に有機相と水性相とを分離し、有機相を精製し、そしてそこからポ リカーボネート生成物を回収する。未反応単量体、プロセス残留化学物質及び/ 又は他の電解質を含まなくなるまで、有機相を遠心分離機内で希釈塩基、水及び /又は希釈酸を用いて必要とされる程度に洗浄する。ポリカーボネート生成物の 回収は、スプレー乾燥、水蒸気揮発分除去、ベント付押出し機内での直接揮発分 除去、又はトルエン、シクロヘキサン、ヘプタン、メタノール、ヘキサノール又 はメチルエチルケトン等の非溶媒を用いた沈殿により行なうことができる。 ポリカーボネートの溶融製造法では、塩基性触媒の存在するエステル交換反応 において炭酸の芳香族ジエステルを芳香族ジヒドロキシ化合物と縮合させる。反 応は、典型的には約250〜300℃、真空中で徐々に約1〜100mmHgに 減圧して行なわれる。 ポリカーボネートは、そのほかホスゲン等のカーボネート前駆物質を、芳香族 ジヒドロキシ化合物、塩素化炭化水素溶媒、及び酸受容体と縮合触媒との両方の 働きがあるピリジン、ジメチルアニリン又はCa(OH)2等の物質を含有する 溶液と接触させるプロセスによって、均一溶液内で作ることができる。 ポリカーボネート製造に適したジヒドロキシ化合物の若干例には、式: [式中、(I)Zは(A)全部又は各部が(i)直鎖、分枝、環状又は複環状、 (ii)脂肪族又は芳香族、及び/又は(iii)飽和又は不飽和であることが でき、1〜35の炭素原子と5までの酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子 及び/又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子)とを含む 2価の基、(B)S、S2、SO、SO2、O又はCO、あるいは(C)単結合で あり、 (II)各Xは水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子及び/又は臭素 原子)、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキ シル基、メトキシ基、エトキシ基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、フェノ キシ基及び/又はキシリノキシ基等のC1−C12、好ましくはC1−C8の直鎖又 は環状アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、ア ルコキシ基又はアリールオキシ基、あるいはニトロ基又はニトリル基であり、そ して(III)mは0又は1である] で表わされる様々に架橋した、置換又は非置換の芳香族ジヒドロキシ化合物(あ るいはそれらの混合物)が包含される。 例えば、上記式中Zで示される架橋基は、C2−C30のアルキル基、シクロア ルキル基、アルキリデン基又はシクロアルキリデン基、あるいはこれらの2以上 が芳香族又はエーテル結合で結合したものであることができ、あるいはCH3、 C25、C37、n−C37、i−C37シクロヘキシル、ビシクロ[2.2. 1]ヘプチル、ベンジル、CF2、CF3、CCl3、CF2Cl、CN、(CH22COOCH3又はPO(OCH32等の1以上の基で結合された炭素原子であ ることができる。 特に重要なジヒドロキシ化合物の代表例は、ビス(ヒドロキシフェニル)アル カン、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ジヒドロキシジフェニル及 びビス(ヒドロキシフェニル)スルホンであり、とりわけ2,2−ビス(4−ヒ ドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−A又はビス−A);ハロゲン原 子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることができる、例え ば2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テト ラブロモビスフェノール−A又はTBBA)等の2,2−ビス(3,5−ジハロ −4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラハロビスフェノール−A);アル キル基がメチル基又はエチル基であることができる、例えば2,2−ビス(3, 5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラメチルビスフェノー ル−A)等の2,2−ビス(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)プ ロパン(テトラアルキルビスフェノール−A);1,1−ビス(4−ヒドロキシ フェニル)−1−フェニルエタン(ビスフェノール−AP又はビス−AP);ビ スヒドロキシフェニルフルオレン;及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル )シクロヘキサンである。 以上に概説した方法を用いて、ポリカーボネート製品を、8,000ないし2 00,000、好ましくは15,000ないし40,000の光散乱又はゲル透 過クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量及び/又は約3ないし15 0、好ましくは約10ないし80のメルトフロー値(ASTM表示D1238− 89、条件300/1.2で測定)をもつものとして得られる。但し、これらの 範囲の外の値も同様に許容される。分子量は、反応混合物にフェノール類、炭酸 クロリド類又はフェニルクロロカーボネート類等の単官能物質から選びうる連鎖 停止剤を加えて調節することができる。 線状でなく分枝したポリカーボネート分子は、反応混合物に例えばトリスフェ ノキシエタン等の三又は多官能単量体を加えて得ることができる。 本発明に好適な方法は、芳香族ポリカーボネートを作るものである。本発明に おいて芳香族ポリカーボネートを、ポリカーボネート鎖中に存在し、カーボネー ト前駆物質のカルボニル炭素と結合した1以上のジヒドロキシ化合物の酸素原子 に着目して定義する。芳香族ポリカーボネートにおいては、一部が芳香族環であ るジヒドロキシ化合物残留物によって上記酸素原子の全てが架橋されている。 本明細書に用いる用語「ポリカーボネート」には、そのほか様々なコポリカー ボネートが包含され、そのうちあるものは反応混合物中に1以上の異なるジヒド ロキシ化合物を組み入れることにより製造される。テレフタル酸又はイソフタル 酸のジカルボン酸(又はそれらのエステル形成誘導体)又はヒドロキシカルボン 酸を、反応混合物中で、あるいは前述の異種ジヒドロキシ化合物の1の代りとし て用いた場合、SwartのUSP4,104,533に詳述されているポリ (エステル/カーボネート)が得られる。好適な態様においては、本発明の組成 物はポリ(エステル/カーボネート)を用いない。 コポリカーボネートは、そのほか1以上のジヒドロキシ化合物と、塩素又はア ミノ末端停止ポリシロキサンの存在下でカーボネート前駆物質との反応、ヒドロ キシ末端停止ポリ(フェニレンオキシド)又はポリ(メチルメタクリレート)と の反応又はホスホニル=ジクロリド又はホスホン酸の芳香族エステルとの反応に よっても作ることができる。シロキサン/カーボネートブロックターポリマーが 、PaulのUSP4,596,970に詳述されている。 以上に概説した、本発明実施に用いるのに適したカーボネートポリマーの製造 方法は周知であり、例えばいくつかの方法がSchnellのUSP3,028 ,365、GlassのUSP4,529,791及びGrigoのUSP4, 677,162に詳述されている。混練用又は成形用ポリマーとしてのポリエステルの使用 本発明のブレンド組成物においてポリエステルを混練用又は成形用ポリマーと して用いた場合、該ポリエステルは分枝ブロックエチレンポリマー製造にかんし て成分(c)として前記したものである。本発明のブレンド組成物において混練 用又は成形用ポリマーとして用いるポリエステルが約0.85以上、より効果的 には約0.9ないし約1.2、好ましくは約0.95ないし約1.05の固有粘 度を有することが好ましい。 更に、ポリエステルを分枝ブロックエチレンポリマーの成分(c)として、及 び混練用又は成形用ポリマーとしての両方で用いる場合、各々に異種ポリエステ ルを用いるのが好ましい。熱可塑性ポリマーとしてのポリ(フェニレンエーテル)の使用 適切な熱可塑性ポリマーには、一般式: で示される構造単位を複数個含むポリマーであるポリ(フェニレンエーテル)[ ポリ(フェニレンオキシド)としても知られる]が包含される。 上記単位の各々において、各Q1は夫々水素原子、ハロゲン原子、第一級又は 第二級のC1−C8低級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキ ル基、炭化水素オキシ基、又は少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素 原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基であり、各Q2は夫々水素原子、ハロ ゲン原子、第一級又は第二級のC1−C8低級アルキル基、フェニル基、ハロアル キル基、炭化水素オキシ基又はQ1に対して定義したハロ炭化水素オキシ基であ る。適切な第一級低級アルキル基の例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基 、n−ブチル基、イソブチル基、n−アミル基、イソアミル基、2−メチルブチ ル基、n−ヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2−、3−又は4−メチル ペンチル基及び対応するヘプチル基である。第二級低級アルキル基の例は、イソ プロピル基、sec−ブチル基及び3−ペンチル基である。何れのアルキル基も 、分枝状であるより直鎖状であることが好ましい。最も多くの場合には、各Q1 がアルキル基又はフェニル基、とりわけC1−C4アルキル基であり、そして各Q2 が水素原子である。 ホモポリマー及び共重合体の両方のポリ(フェニレンエーテル)並びにこれら の混合物又はブレンド物が包含される。適切なホモポリマーは、例えば2,6− ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含むものである。適切な共重合体 には、上記単位を例えば2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル 単位との組で含有するランダム共重合体が包含される。 そのほか、分子量、溶融粘度及び/又は衝撃強度等の性質を改良する成分を含 有するポリ(フェニレンエーテル)も包含される。これらのポリマーは、公知の 方法でポリ(フェニレンエーテル)にビニルニトリル化合物(例えばアクリロニ トリル)及びビニル芳香族化合物(例えばスチレン)等のビニル単量体、又はポ リスチレン及びエラストマー等のポリマーを共重合又はグラフトすることで作り うる。生成物は典型的には、グラフト化成分と非グラフト化成分との両方を含有 する。他の適切なポリマーは、カップリング剤が公知の様式で2個のポリ(フェ ニレンエーテル)鎖のヒドロキシ基と反応して、ヒドロキシ基とカップリング剤 との反応の生成物を含有する、より高い分子量のポリマーをなしているカップル 化ポリ(フェニレンエーテル)である。カップリング剤の例は、低分子量ポリカ ーボネート、キノン、複素環化合物、ホルマール及びポリ(フェニレンスルフィ ド)である。例えば、ポリ(フェニレンエーテル)/ポリカーボネート共重合体 が公知であり、そしてUSP5,010,143で説明されている。 ポリ(フェニレンエーテル)は、典型的にはゲル透過クロマトグラフィーで測 定して約3,000〜40,000の範囲内の数平均分子量及び約20,000 〜80,000の範囲内の重量平均分子量を有する。 その固有粘度は、典型的にはクロロホルム中、25℃で測定して約0.15〜 0.6dl/g、好ましくは少なくとも0.25dl/gである。しかし、これ らの範囲外の値も許容される。 ポリ(フェニレンエーテル)は、典型的には少なくとも1の対応するモノヒド ロキシ芳香族化合物の酸化カップリングにより作られる。特に有用で、容易に入 手できるモノヒドロキシ芳香族化合物は、ポリマーがポリ(2,6−ジメチル− 1,4−フェニレンエーテル)と同定できる2,6−キシレノール(各Q1がメ チル基、各Q2が水素原子であるもの)、及び2,3,6−トリメチルフェノー ル(各Q1及び1のQ2がメチル基、他のQ2が水素原子であるもの)である。殆 どの場合、これらは銅、マンガン又はコバルト化合物等の少なくとも1の重金属 化合物を、通常様々な他の物質との組で含有する。好適な触媒系の第一群は、例 えばUSP3,306,874、USP3,306,875、USP3,914 ,266及びUSP4,028,341に開示されているような、銅化合物を含 有するものから成る。これらは通常、第一銅又は第二銅イオン、ハロゲン化物 (例えは塩化物、臭化物又はヨウ化物)イオン及び少なくとも1のアミンの組で ある。マンガン化合物を含有する触媒系が、第二の好適な群を構成する。それら は通常、2価のマンガンがハライド、アルコキシド又はフェノキシド等のアニオ ンと結合したアルカリ性の系である。最も多くの場合、マンガンがジアルキルア ミン、アルカノールアミン、アルキレンジアミン、o−ヒドロキシ芳香族アルデ ヒド、o−ヒドロキシアゾ化合物、w−ヒドロキシオキシム(モノマー及びポリ マー)、o−ヒドロキシアリールオキシム及びβ−ジケトン等の1以上の錯形成 剤及び/又はキレート化剤との錯体として存在する。 以上説明したポリ(フェニレンエーテル)が、USP4,866,130に詳 述されている。 ポリ(フェニレンエーテル)の範囲には、そのほかポリ(フェニレンエーテル )とポリスチレン、ビニル芳香族共重合体及び/又は以下で特定する非スチレン 系ポリマーとを混練して得られるポリ(フェニレンエーテル)ブレンド物である 。混練用又は成形用ポリマーとして用いる熱可塑性ポリマーがポリ(フェニレン エーテル)ブレンドである場合、このブレンドは約20〜約99重量部、好まし くは約30〜約90重量部のポリ(フェニレンエーテル)及び残部がポリスチレ ン、ビニル芳香族共重合体及び/又は非スチレン系ポリマーから成る。好適な配 合は、ポリ(フェニレンエーテル)約30〜約85重量部と、ポリスチレン、耐 衝撃性ポリスチレン、スチレン/ブタジエン/スチレン及び/又はスチレン/エ チレン−ブチレン/スチレンブロックターポリマーのうちから選ばれる1以上約 15〜約70重量部とを含有する。混練用又は成形用ポリマーとしてのポリスルホンの使用 熱可塑性ポリマーとしての有用なポリスルホンは、一般的に一部をスルホン基 により、そして一部をエーテル基又はアルキル基等の非類似基あるいは単結合に よりパラ結合させた芳香族環を含有するポリマーとして記述できる。しかし、ポ リスルホンはカーボネート[−C(O)−]結合を含有しない。ポリスルホンは 、約180〜250℃のガラス転移温度を有する透明剛性熱可塑性樹脂である。 通常のポリスルホンは、ジメチルスルホキシド又は1−メチル−2−ピロリジ ノン等の双極非プロトン性溶媒中で4,4’−ジハロジフェニルスルホンをビス フェノール−Aで求核置換して作られる。ジハライドとしてフッ化物又は塩化物 を用いることができる。ポリカーボネートの製造の場合と同様に、ビスフェノー ルを化学量論量の水酸化ナトリウムカリウム等の水性塩基中でビスフェナート形 に活性化する。しかし、ビスフェナートをジハロ単量体と接触させる前に、水を 120〜140℃の共沸混合で系から除去する。 次いで重合をビスフェナート塩の酸化を防ぐために不活性雰囲気中、130〜 160℃で行なう。1時間で250,000程の分子量が得られ、そしてポリス ルホンの分子量が高くなり、成形加工用としては粘稠になり過ぎるのを防ぐため 、結果的に連鎖停止剤として単官能ハライド又はフェノールを用いる。出発単量 体比が1に近づくと最高の分子量のビスフェノール−Aポリスルホンが得られ、 そして有用な性質のための分子量は(クロロホルム中0.2g/100ml、2 5℃での還元粘度で表現して)通常少なくとも0.4dl/gである。ビスフェ ノール−Aポリスルホンは、Amoco Performance Produ cts,Inc.から登録商標Udelポリスルホンとして市販されている。 ポリスルホンの他の群が、それ自体スルホン橋を含有するビスフェノール(ビ スフェノール−S)から合成される。この重合は高温(約285℃まで)、ジフ ェニルスルホン等の双極非プロトン性溶媒中で、炭酸ナトリウム又はカリウム等 の塩基を用いて行なわれる。水の除去は、通常は重要ではない。このタイプのポ リマーは、ICI Americas,Inc.から登録商標Victrexポ リスルホンとして市販されている。 ポリスルホンの製造に用いられてきた他のビスフェノールは、4,4’−ジヒ ドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、 4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ハイドロキノン、ビス(4−ヒドロ キシジフェニル)−2,2−パーフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシジフ ェニル)−1,1−シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン及 び4,4’−ジヒドロキシジフェニルである。 一般的に、ポリスルホンの反復単位は一般式構造式: −−[−−Ar−−S(O)2−−Ar−−O−−Ar(X)4−−[−− Z−−Ar(X)4−−]q−−O−−]p−− (式中Ar、D及びEは前述のとおりであり、qは約0〜約3であり、そしてp は約10〜約100である) で表わせる。混練用又は成形用ポリマーとしてのポリイミド又はポリエーテルイミルの使用 ポリイミドは、二官能カルボン酸無水物と第一級ジアミンとから誘導される縮 合ポリマーである。イミド結合の形成により2当量の水が遊離し、そのうち1は 無水物環の形成においてであり、第二は環中酸素の窒素による置換の結果として である。その代りに、ジアミンをテトラカルボン酸を直接反応させて作ることも できる。何れの場合も、出発物質が無水物であり、そして第2の当量の水を加熱 により遊離させてポリマーを作る場合には、例えばポリアミン酸等の中間体が得 られる。ポリアミン酸を作るための二無水物をジアミンとの反応は、外界温度、 ジメチルアセトアミド、クレソール又はo−クロロフェノール等の双極非プロト ン性溶媒中で起る。最終ポリマーへは、150〜200℃で3〜5時間加熱して 脱水環化させることにより成長する。芳香族ジアミンを用いた場合、トリエチル アミン又は酢酸等の促進剤をクロロベンゼン等の溶媒中で使うことができる。 ポリイミドは、そのほか二酸化炭素を除去しながら芳香族二無水物を芳香族ジ イシシアナートと反応させることにより、あるいはビスマレイミドをジアミンと 反応させることにより作ることができる。 ポリエーテルイミドは、ビスフェノキシド塩のジニトロビスイミドとの求核置 換反応、又はジアミンとエーテル架橋二無水物との間の前記ポリイミド形成反応 により作ることができる。ビスフェノキシド塩とジニトロビスイミドとの間の反 応は、トルエン又はクロロホルムと組合せたジメチルホルムアミド又はジメチル スルホキシド等の双極非プロトン性溶媒中、約40℃で、あるいはクロロベンゼ ンを伴う又は伴わないN−メチルピロリドン中、80〜130℃で行なうことが できる。ポリエーテルイミドは、そのほかビスイミド上のクロロ又はフルオロ基 の置換によっても作ることができる。 ポリイミドの製造に有用なジアミンは脂肪族又は芳香族であることができ、有 用なものにはm−及びp−フェニレンジアミン、2,4−及び2,6−ジアミノ トルエン、p−及びm−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、 4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、 4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィ ド、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチルベンジジン、4 ,4’−イソプロピリデンジアニリン、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ) ベンゼン、1,3−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、ヘキサメチレンジ アミン、ヘプタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン及びデカメチレンジア ミン、1,4−シクロヘキサンジアミン及びビス(4−アミノシクロヘキシル) メタンが包含される。ポリイミドの製造に有用な代表的二無水物には、ピロメリ ト酸二無水物、ベンゾフェノン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ フェニル)プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン 酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス( 3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル二無水物、ビスフェノールAビス エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフル オロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物 、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,2,5,6− ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラ カルボン酸二無水物、ハイドロキノンビスエーテル二無水物、ビス(3,4−ジ カルボキシフェニル)スルホキシド二無水物及び3,4,9,10−ペリレンテ トラカルボン酸二無水物が包含される。 ポリエテルイミドの製造に有用なビスフェノールには、ポリカーボネートの製 造にかんして前述したものが包含される。ポリエーテルイミドの製造に有用な代 表的なジニトロビスイミドには、1,3−ビス(4−ニトロフタルイミド)ベン ゼン、1,4−ビス(4−ニトロフタルイミド)ベンゼン、4,4’−ビス(ニ トロフタルイミド)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−ニトロフタルイ ミド)ジフェニルメタン、2,4−ビス(4−ニトロフタルイミド)トルエン及 び1,6−ビス(4−ニトロフタルイミド)ヘキサンが包含される。分枝ブロックエチレンポリマーと混練用又は成形用ポリマーとのブレンド物の製 造方法 本発明の組成物の製造は、当業界で公知の適切な混練手段によって行なうこと ができる。通常は、分枝ブロックエチレンポリマー、熱可塑性混練用又は成形用 ポリマー、及び必要に応じて本発明組成物中に存在する他の成分及び添加剤をタ ンブラー又はシェーカ内で、完全な分布が得られるように十分にかくはんしなが ら乾式混練して粉体状又は顆粒状にする。所望する場合、乾式混練配合物を更に 、例えば真空を伴う又は伴わない押出し機内で、熱可塑化を起すのに十分な温度 で弛緩化又は剪断応力に付すことができる。混合プロセスに用いることができる 他の装置には、例えばローラーミル、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダ、バ ンバリーミキサー又は往復軸射出成形機が包含される。 前述の分枝ブロックエチレンポリマーの製造方法は、分枝エチレンポリマーと 反応性熱可塑性ポリマー及び必要に応じて混練用又は成形用ポリマーとのブレン ド物の好適な製造方法として有用である。分枝ブロックエチレンポリマーの製造 に押出し機を用いる場合、更に便利な物質取扱法として、製造用の個々の成分と 成形用ポリマーとを1の押出し機を通す単一通過中に個々の供給口から順次供給 する。それよりあとの順序で供給する物質は、通常押出し機の下流供給口から供 給する。 例えば、エチレンポリマーを最初に供給し、次にエチレン性不飽和官能化有機 化合物、次いで反応性熱可塑性ポリマー、そして最後に混練用又は成形用ポリマ ーを供給することができる。その代わりに、前以て調製した分枝エチレンポリマ ーを最初に供給し、次いで反応性熱可塑性ポリマー、そして最後に混練用又は成 形用ポリマーを供給することができる。その代わりに、前以て調製した分枝エチ レンポリマーを反応性熱可塑性ポリマーと共に供給し、次いで混練用又は成形用 ポリマーを供給することができる。 混練用又は成形用ポリマーをミキサーに加える前に、分枝エチレンポリマーを 反応性熱可塑性ポリマーと反応させて分枝ブロックエチレンポリマーを作る順序 を選択した場合、反応性熱可塑性ポリマーと同時又は以前に混練用ポリマーを添 加した場合と比べて優れた性質をもった製品が得られる。この結果は、混練用又 は成形用ポリマーが存在すると、エチレン性不飽和官能化有機化合物の分枝への 形成を妨害し、あるいは反応性熱可塑性ポリマーと形成された分枝との反応を妨 害する恐れのある物理的障害物の役割を果たし得る為である。分枝ブロックエチレンポリマーと混練用又は成形用熱可塑性ポリマーとのブレン ド物から成る物品の製造 熱及び/又は剪断力の適用によって軟化又は溶融させた場合、本発明の組成物 は生産用に適し、そして圧縮、射出成形、気体支援射出成形、カレンダー加工、 真空成形、熱成形、押出及び/又はブロー成形等の従来の方法の1つ又は組を用 いて成形することができる。組成物を、そのほかフィルム、繊維、多層積層物又 は押出シートへと成形、紡糸又は延伸することができ、あるいは適宜の機械によ り1以上の有機又は無機物質と配合することができる。分枝ブロックエチレンポリマーと混練用又は成形用ポリマーとのブレンド物への 他の補助的衝撃変性剤の混合について 本発明の他の態様において、分枝ブロックエチレンポリマーと混練用又は成形 用熱可塑性ポリマーとのブレンド物に、更に補助的な衝撃変性剤を含めることが できる。分枝ブロックエチレンポリマーは混練用又は成形用ポリマーとの組成物 中に存在したとき、衝撃変性剤として有効に働くが、組成物中で分枝ブロックエ チレンポリマーと補助的衝撃変性剤との相乗効果が得られる様々な状況において 、一層良好な性能が得られる。 適切な補助的衝撃変性剤には、例えばA−B又はA−B−A共重合体、コア− シェルグラフト化共重合体等のエラストマー、あるいはそれらの混合物が包含さ れる。 本発明における衝撃変性剤として有用なA−B又はA−B−A共重合体は、線 状、分枝、放射状又はテレブロックの何れかであることができ、そしてテーパ化 部分、即ちAブロックとBブロックとの転移点付近で単量体が交互順序となるか 又は無秩序となるポリマー部分を伴う、又は伴わない、ジブロック(A−B)共 重合体、トリブロック(A−B−A)共重合体又は放射状テレブロック共重合体 の何れかであることができる。 A部分は、多くの場合種々のスチレン単量体又はそれらの置換された変種等の ビニル芳香族炭化水素単量体の1以上を重合させて作ることができ、約4,00 0〜約115,000の重量平均分子量を有し、そして高温での成形加工のため に必要な安定性を有し、しかし軟化点以下で良好な強度を有するといった、熱可 塑性物質に特徴的な性質を有する。 共重合体のB部分は、通常置換又は非置換のC3−C10ジエン、特にブタジエ ン又はイソプレン等の共役ジエンを重合させることで得られ、約20,000〜 約450,000の重量平均分子量を有し、そして負荷応力を吸収、散逸させ、 次いで形状を回復することを可能とするエラストマー特性によって特徴付けられ る。 酸化及び熱不安定性を減らす目的でポリマー鎖又はペンダント芳香族環の不飽 和度を減少させるため、望ましくは本発明に用いるA−B又はA−B−A共重合 体を水素化することができる。 最も好適なビニル芳香族A−B又はA−B−A共重合体は、スチレンとブタジ エン、又はスチレンとイソプレンから作られるビニル芳香族/共役ジエンブロッ ク共重合体である。スチレン/ブタジエン共重合体が水素化されている場合、そ れらはしばしばジブロック形のスチレン/(エチレン/ブチレン)共重合体又は トリブロック形のスチレン/(エチレン/ブチレン)/スチレン共重合体と表現 される。スチレン/イソプレン共重合体が水素化されている場合、それらはしば しばジブロック形のスチレン/(エチレン/プロピレン)共重合体又はトリブロ ック形のスチレン/(エチレン/プロピレン)/スチレン共重合体と表現される 。以上に記載した様なビニル芳香族/ジエンA−B又はA−B−A共重合体が、 HoldenのUSP3,265,766、HaefeleのUSP3,333 ,024、WaldのUSP3,595,942及びWitsiepeのUSP 3,651,014に詳述されており、そしてこれらに記載されたものがShe ll Chemical Companyから様々なKratonエラストマー として市販されている。 本発明において補助的衝撃変性剤として用いるのに適したコア−シェルグラフ ト化共重合体エラストマーは、ジエンゴム、アルキルアクリレートゴム又はこれ らの混合物をベースとするものであり、そして共重合体の約45重量%以上を占 めるエラストマー性相、即ちゴム相を持つ。ジエンゴムをベースとするコア−シ ェルグラフト化共重合体は、ジエン、好ましくは共役ジエンを重合させるか、あ るいはジエンと、スチレン、アクリロニトリル、又はメタクリル酸メチル等の不 飽和カルボン酸のアルキルエステル等のモノオレフィン又は極性ビニル化合物と を共重合させて作られる基体ラテックス、即ちコアを含有する。基体ラテックス は、一般的に約40〜85%のジエン、好ましくは共役ジエンと、約15〜60 %のモノオレフィン又は極性ビニル化合物とから成る。エラストマー性コア相は 、約10℃以下、好ましくは約−20℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する べきである。次に、エチレン性不飽和単量体の混合物を基体ラテックスにグラフ ト重合させる。このグラフト化のために様々な単量体を用いることができ、次の ものがその例である:ビニルトルエン又は塩化ビニル等のビニル化合物;スチレ ン、α−メチルスチレン又はハロゲン化スチレン等のビニル芳香族化合物;アク リロニトリル、メタクリロニトリル又はα−ハロゲン化アクリロニトリル;アク リル酸エチル又はアクリル酸ヘキシル等のC1−C8アルキル=アクリラート;メ タクリル酸メチル又はメタクリル酸ヘキシル等のC1−C8アルキル=メタクリラ ート;メタクリル酸グリシジル;アクリル酸又はメタクリル酸;等又はこれらの 2種以上の混合物。好適なグラフト化単量体には、スチレン、アクリロニトリル 及びメタクリル酸メチルのうち1以上が含まれる。 グラフト化単量体は反応混合物へ同時に又は逐次的に加えられ、逐次的に加え られる場合は、基体ラテックス、即ちコアの周囲に層状、殻状又は痘状添着物を 築く。単量体は様々な比で互いに加えることができるが、2種のみ用いる場合、 それらは多くの場合等量用いられる。メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレ ン共重合体(MBSゴム)の典型的重量比は、基体ラテックス約60〜80重量 部、第1及び第2単量体シェルの各々約10〜20重量部である。MBSゴムの ための好適な配合は、約71部のブタジエン、約3部のスチレン、約4部のメタ クリル酸メチル及び約1部のジビニルベンゼンから成るコア;約11部のスチレ ンの第2相;並びに約11部のメタクリル酸メチル及び約0.1部の1,3−ブ チレングリコール=ジメタクリラートを持つものである。但し、上記部は組成物 全体に基づく重量部である。以上に記述したジエンベースのコア−シェルグラフ ト共重合体エラストマー及びそれらの製造方法が、SaitoのUSP3,28 7,443、CurfmanのUSP3,657,391及びFromuthの USP4,180,494に詳述されている。 アルキルアクリレートゴムをベースとするコア−シェルグラフト共重合体は、 エラストマー性コアを形成する第1の相と、該エラストマー性コアの周囲に剛性 熱可塑性相を形成する第2の相を持つ。エラストマー性コアは、少なくとも約5 0重量%が15以下の炭素原子を含むアクリル酸アルキル及び/又はアラルキル から成る単量体の乳化重合又は懸濁重合で作られ、該アルキルは好ましくはC2 〜C6のものであり、最も好ましくはアクリル酸ブチルである。エラストマー性 コア相は、約10℃以下、好ましくは約−20℃以下のTgを有すべきである。 一般的に、エラストマー性コアの一部として約0.1〜5重量%の(i)例えば ブチレン=ジアクリラート等の、全てが実質上同じ速度で重合する複数の付加重 合可能な反応性基を持つ架橋単量体、及び(ii)マレイン酸ジアリル等の、そ の一部が他と実質上異なる速度で重合する複数の付加重合可能な反応性基を持つ グラフト結合単量体を重合させる。 アクリラートゴムの剛性熱可塑性相は、懸濁又は乳化重合法を用いてエラスト マー性コア表面上に形成される。該相形成に必要な単量体及び必要な開始剤を、 エラストマー性コアを形成した反応性混合物に直接加え、そして単量体供給物が 実質上消尽されるまで重合を進行させる。この目的で使い得るビニル単量体の例 は、メタクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和単量体、あるいは例えばアク リル酸メチル、アクリル酸ヒドロキシエチル又はアクリル酸ヘキシル等のC1− C8アルキル=アクリラート又はメタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル等 のC1−C8アルキル=メタクリラートなどの不飽和カルボン酸のアルキルエスル 、あるいはこれらの何れかの混合物である。熱又はレドックス開始系の何れも使 える。エラストマー性コア上にグラフト結合剤が存在するため、剛性熱可塑性相 を構成する鎖の一部がエラストマー性コアに化学結合する。少なくとも約20% の剛性熱可塑性相からエラストマー性コアへの結合があることが好ましい。 好適なアクリラートゴムは、エラストマー性コア約45〜約95重量%と剛性 熱可塑性相約60〜約5重量%とから成る。エラストマー性コアは、C1−C6ア クリラート、好ましくはn−ブチル=アクリラート約75〜約99.8重量%か ら重合し得る。剛性熱可塑性相は、C1−C8アルキル=メタクリラート、好まし くはメタクリル酸メチル少なくとも約50重量%から重合し得る。アクリラート ゴム及びそれらの製造方法が、OwensのUSP3,808,180及びWi tmanのUSP4,299,928に詳述されている。様々なジエンベース及 びアクリラートベースのコア−シェルグラフト化共重合体が、Rhom&Has sから登録商標Acryloid又は登録商標Paraloidとして市販され ている。 本発明の組成物に有用な他の補助的衝撃変性剤又はエラストマーは、一般的に 、主として様々なモノ−又はジアルケニル単量体から作られ、そして1以上のス チレン性単量体でグラフト化され得る長鎖炭化水素骨格(オレフィン性エラスト マー)をベースとするものである。この目的を満たす公知物質の変化を例示する 数種のオレフィン性エラストマーの代表例は次のとおりである:ブチルゴム;塩 素化ポリエチレンゴム;クロロスルホン化ポリエチレンゴム;1以上のスチレン 性単量体でグラフト化されていてもよい、エチレン/プロピレン共重合体、エチ レン/スチレン共重合体又はエチレン/プロピレン/ジエン共重合体等のオレフ ィンポリマー又はコポリマー;ネオプレンゴム;ニトリルゴム;ポリブタジエン 及びポリイソプレン。 好適なオレフィン性エラストマーの例は、(i)エチレン、プロピレン、イソ プロピレン、ブチレン又はイソブチレン等の少なくとも1のオレフィン単量体又 はブタジエン等の少なくとも1の共役ジエンあるいはこれらの混合物、(ii) エポキシド基を持つエチレン性不飽和単量体(例えばメタクリル酸グリシジル、 及び必要に応じて(iii)エポキシド基を持たないエチレン性不飽和単量体( 例えば酢酸ビニル)から得られる共重合体である。 補助的衝撃変性剤を用いる場合、これは(ブレンド組成物全体に対する重量部 として)少なくとも約1部、好ましくは少なくとも約5部、更に好ましくは少な くとも約10部、そして最も好ましくは少なくとも約15部の量で存在するのが 有利である。補助的衝撃変性剤は、一般的に約50部以下、より効果的には約4 0部以下、好ましくは約30部以下、そして更に好ましくは約25部以下の量で 存在する。 熱可塑性樹脂(ポリカーボネート等)と反応性熱可塑性ポリマー成分(c)と してポリエステルを含有する分枝ブロックエチレンポリマーとのブレンドと一緒 に補助的衝撃変性剤を用いる場合、該剤は該ブレンド中に(ブレンド組成物全体 に対する重量部として)少なくとも約0.1部、より効果的には少なくとも0. 部、好ましくは少なくとも約1部、更に好ましくは少なくとも約3部で、しかし 約25部以下、より効果的には約20部以下、好ましくは約15部以下、更に好 ましくは約10部以下の量で存在する。分枝ブロックエチレンポリマーと混練用又は成形用熱可塑性ポリマーとのブレン ド物の追加成分としてのスチレン性共重合体の使用について 分枝ブロックエチレンポリマーと混練用又は成形用熱可塑性ポリマーとのブレ ンド物としての本発明の態様においては、このブレンド物が更にスチレン性共重 合体を含有する。反応性熱可塑性ポリマーがポリエステルである分枝ブロックエ チレンポリマーのブレンド物において、このスチレン性共重合体が特に有用であ ることが分かった。 適切なスチレン性共重合体は、1以上のスチレン性単量体と、該スチレン性単 量体と共重合可能な1以上のエチレン性不飽和単量体とから作られる。スチレン 系共重合体は、ランダム、交互、ブロック又はグラフト共重合体であることがで き、並びに1以上のスチレン系共重合体の混合体を用いることもできる。 スチレン系共重合体の製造への使用に特に重要なスチレン系単量体には、スチ レン自体に加えて、下記式: [式中各Aは夫々水素原子、C1−C6アルキル基、又は塩素原子もしくは臭素 原子等のハロゲン原子であり、そして各Eは夫々水素原子、C1−C10アルキル 基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、アル キルアリール基、アリールアルキル基もしくはアルコキシ基、又は塩素原子もし くは臭素原子等のハロゲン原子であり、あるいは2のEが連結してナフタレン構 造を作っている] で示される1以上の置換スチレン又はビニル芳香族化合物が包含される[但し、 成分(c)中のコモノマーとして「スチレン」という場合は、これを本明細書中 に記載したスチレン系又はビニル芳香族単量体の何れか、又はその他同種のもの に言及しているものと解される]。適切なスチレン系単量体の代表例には、スチ レン自体のほか、下記の1以上が包含される:ビニルトルエン、o−エチルスチ レン、p−エチルスチレン、ar−(t−ブチル)スチレン、2,4−ジメチル スチレン等の環置換アルキルスチレン;o−クロロスチレン、p−クロロスチレ ン、o−ブロモスチレン、2,4−ジクロロスチレン等の環置換ハロスチレン; 2−クロロ−4メチルスチレン及び2,6−ジクロロ−4−メチルスチレン等の 環−アルキル、環−ハロ置換スチレン;ar−メトキシスチレン、ビニルナフタ レンもしくはアントラセン、p−ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン 、ビニルキシレン、α−メチルスチレン及びα−メチルビニルトルエン。 スチレン系単量体との共重合に特に重要なエチレン性不飽和単量体には、次式 : D−−CH==C(D)−−(CH2n−−G, [式中各Dは夫々水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子又は臭素原子 等)、C1−C6アルキルもしくはアルコキシ基を表し、あるいは互いに連結して 無水物結合を表し、Gは水素原子、ビニル基、C1−C12アルキル基、シクロア ルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキルアリール基、アリール アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ケトキシ基、ハロゲン原子(フ ッ素原子、塩素原子又は臭素原子等)、シアノ基又はピリジル基であり、そして nは0〜9である] で示されるものの1以上が包含される。 スチレン系単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体の代表例は極性もし くは電気陰性基を持つものであり、そして次の1以上を包含する:アクリロニト リル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル 及びフマロニトリル等のビニルニトリル化合物;ブタジエン、イソプレン、イソ ブチレン、ピペリレン、シクロペンタジエン、天然ゴム、塩素化ゴム、1,2− ヘキサジエン、メチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペ ンタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1, 3−ペンタジエン、1,3−及び2,4−ヘキサジエン、例えばジロロブタジエ ン、ブロモブタジエン、クロロプレン及びジブロモブタジエン等のクロロ及びブ ロモ置換ブタジエン及びブタジエン/イソプレン及びイソプレン/イソブチレン 共重合体;1,3−ジビニルベンゼン;2−フェニルプロペン;塩化ビニルもし くはビニリデン等の、ハロ置換誘導体を包含するC2−C10アルキレン化合物; アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、コハク酸、アコチン酸及びイタコン酸 等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸、それらの無水物、並びにアクリル酸 メチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、α−ク ロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、エチルもしくはイソブチル等のア ルキル=アクリラートもしくはメタクリラート、アクリル酸ヒドロキシエチルも しくはヒドロキシプロピル、アクリル酸アミノエチル及びメタクリル酸グリシジ ルなどのC1−C10アルキル、アミノアルキル及びヒドロキシアルキルエステル 及びアミド;無水マレイン酸;クロロマレイン酸ジエチル又はフマル酸ジエチル 等のアルキルもしくはアリール=マレアートもしくはフマラート;C1−C10ア ルキルもしくはC6−C14アリール第一級アミンと無水マレイン酸との反応生成 物を包含する、N−フェニルマレイミド等の脂肪族又は芳香族マレイミド;メタ クリルアミド、アクリルアミド又はN,N−ジエチルアクリルアミド;メチルビ ニルケトン又はメチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン;酢酸ビニルもし くはアリル及びそれより高級なアルキルもしくはアリール置換ビニルもしくはア リルエステル;ビニルアルコール;C1−C6アルキルビニルエーテル等のビニル エーテル及びそれらのアルキル置換ハロ誘導体;ビニルピリジン;ビニルフラ ン;アクロレイン又はクロトンアルデヒド等のビニルアルデヒド;ビニルカルバ ゾール;ビニルピロリドン;N−ビニルフタルイミド;一般式 [式中各Jは夫々水素原子、ハロゲン原子、C1−C10アルキル基又はC6−C14 アリール基である] を有するものを包含するオキサゾリン化合物;など。 好適なスチレン系共重合体の例には、スチレン/アクリロニトリル共重合体( SAN)等のビニル芳香族/ビニルニトリル共重合体、スチレン/無水マレイン 酸共重合体、スチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、アリールマレイミド /ビニルニトリル/ジエン/スチレン系共重合体、スチレン/メタクリル酸アル キル共重合体、スチレン/メタクリル酸アルキル/メタクリル酸グリシジル共重 合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸メチル/アクリロニ トリル/ブタジエン/スチレン共重合体、又はABS、AESもしくはASA共 重合体等のゴム変性ビニル芳香族/ビニルニトリル共重合体。 ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)は、ビニル芳香 族/ビニルニトリル共重合体がポリブタジエン基体ラテックスにグラフトしたエ ラストマー性熱可塑性複合材料である。ポリブタジエンがゴム、即ちゴム改質剤 又はエラストマー性成分の粒子を構成し、それらがランダムビニル芳香族/ビニ ルニトリル共重合体により形成される熱可塑性マトリックス中に分離した相とし て分散する。一般的に、ビニル芳香族/ビニルニトリル共重合体はゴム粒子中に 吸蔵され、かつグラフトする。AES(アクリロニトリル/EPDM/スチレン )共重合体は、ビニル芳香族/ビニルニトリル共重合体をEPDM(エチレン/ プロピレン/非共役ジエン)ゴムから成る基体にグラフトすることで、該共重合 体をゴム変性して得られるスチレン系共重合体である。AES共重合体が、He ntonのUSP4,766,175で詳述されている。ビニル芳香族/ビニル ニトリル共重合体は、そのほかYuのUSP3,944,631で詳述されて いるASA(アクリロニトリル/スチレン/アクリレート)共重合体の場合には 、アルキルアクリレートエラストマーに架橋して、ゴム変性スチレン系共重合体 に形成することができる。 スチレン系共重合体を形成するために共重合される単量体は、各々が1〜99 重量%内の事実上あらゆる量で用いることができるが、しかしスチレン系共重合 体は一般的に少なくとも約15重量%、好ましくは少なくとも約35重量%、更 に好ましくは少なくとも約60重量%のスチレン系単量体を含有し、残部は1以 上の共重合可能なエチレン性不飽和単量体から成る。ゴム変性された場合、スチ レン系共重合体は一般的に少なくとも約15重量%、好ましくは少なくとも約2 5重量%、更に好ましくは少なくとも約35重量%のスチレン系単量体を含有し 、残部は1以上の共重合可能なエチレン性不飽和単量体から成る。 本発明組成物に用いるゴム変性スチレン系共重合体のエラストマー相は、共重 合体の約45重量%以下、好ましくは約5〜40重量%、更に好ましくは約10 〜30重量%である。好適なエラストマー相は、ASTM D−746−52T 又は56Tで測定して、一般的に0℃以下、更に好ましくは−30℃以下、最も 好ましくは約−110〜約−50℃のガラス転移温度(Tg)を示す。エラスト マー相は約10ミクロン以下、好ましくは約0.05〜約5ミクロン内、更に好 ましくは約0.1〜約0.3ミクロン内の平均粒径を有することが有利であり、 そして25℃、トルエン中で測定して、一般的に約0.1〜約5内の固有粘度を 示す。以上に記載した単量体成分のほか、架橋がゴムに所望されるエラストマー 特性を損なわない限りにおいて、エラストマー相は更に比較的少量の、通常はゴ ムに対して約2重量%以下の、ジビニルベンゼン、ジアリル=マレアート、エチ レングリコール=ジメタクリラート等の架橋剤をも含有することができる。 スチレン系共重合体の分子量は、該重合体が本発明組成物の他の成分と溶融ブ レンド可能な様なメルトフロー粘度をもつ限り、特に臨界的という訳ではない。 しかし、好ましくは、ASTM D−1238−65T(1)で測定したスチレ ン系共重合体のメルトフロー粘度は約0.01〜約10dl/分、更に好ましく は約0.1〜約5dl/分、更に好ましくは約2〜約3dl/分である。エチレ ン性不飽和単量体が極性基を持つ場合、極性基は一般的に約1.4〜4.4デバ イス単位の基モーメントを有するが、この範囲外の値も同様に許容される。スチ レン系共重合体は、乳化、懸濁又は塊状法により作ることができる。 以上に記述したABS又は他のスチレン系共重合体の製造方法が、Child ersのUSP2,820,773、CalvertのUSP3,238,27 5、CarrockのUSP3,515,692、AckermanのUSP4 ,151,128、KruseのUSP4,187,260、SimonのUS P4,252,911、WeberのUSP4,526,926、RuddのU SP4,163,762及びWeberのUSP4,624,986に詳述され ている。 混練用又は成形用熱可塑性ポリマーと分枝ブロックエチレンポリマーとのブレ ンド物中にスチレン系共重合体が存在する場合、該共重合体は(ブレンド組成物 総重量に対する重量部で)少なくとも約5部、より効果的には少なくとも約10 部、好ましくは少なくとも約15部、そして更に好ましくは少なくとも約20部 、しかし約75部以下、より効果的には約55部以下、好ましくは約50部以下 、更に好ましくは約45部以下の量で存在する。分枝ブロックエチレンポリマーと混練用又は成形用熱可塑性ポリマーとのブレン ド物に対する流動性改良剤の存在について 分枝ブロックエチレンポリマーと混練用又は成形用熱可塑性ポリマーとのブレ ンド物は、更に流動性改良剤を含むことが有利である。流動性改良剤の例は、ポ リアミド及び/又はポリオレフィンである。 流動性改良剤として有用なポリアミドは、本発明の分枝ブロックエチレンポリ マーの成分(c)である反応性熱可塑性ポリマーとして有用なアミン官能化ポリ マーに関して前記したとおりである。流動性改良剤として有用なポリオレフィン は、熱可塑性混練用又は成形用ポリマーの可能な組成かに関した前記したとおり である。 混練用又は成形用熱可塑性ポリマーと分枝ブロックエチレンポリマーとのブレ ンド物中に流動性改良剤樹脂が存在する場合、該樹脂は(ブレンド組成物の総重 量に対する重量部で)少なくとも約5部、より効果的には少なくとも約10部、 好ましくは少なくとも約15部、更に好ましくは少なくとも約20部の量で存在 する。同様に、流動性改良剤樹脂は約75部以下、より効果的には約55部以下 、好ましくは約50部以下、更に好ましくは約45部以下の量で存在する。成分(c)の反応性熱可塑性ポリマーがポリエステルである、分枝ブロックエチ レンポリマーを用いた好適な組成物 成分(c)の反応性熱可塑性ポリマーがポリエステルである、分枝ブロックエ チレンポリマーを用いた好適な組成物は、下記の組成を有する: (a)分枝ブロックエチレンポリマー:少なくとも約1部、より効果的には少な くとも約2部、そして好ましくは少なくとも約5部、しかし約40部以下、より 効果的には約30部以下、そして好ましくは約20部以下; (b)熱可塑性混練用又は成形用ポリマー:少なくとも約60部、より効果的に は少なくとも約70部、そして好ましくは少なくとも約80部、しかし約99部 以下、より効果的には約98部以下、そして好ましくは約95部以下; (c)スチレン系重合体(存在する場合):少なくとも約5部、より効果的には 少なくとも約10部、好ましくは少なくとも約15部、そして更に好ましくは少 なくとも約20部、しかし約75部以下、より効果的には約55部以下、好まし くは約50部以下、そして更に好ましくは約45部以下; (d)補助的衝撃変性剤(存在する場合):少なくとも約0.1部、より効果的 には少なくとも約0.5部、好ましくは少なくとも約1部、そして更に好ましく は少なくとも約3部;しかし約25部以下、より効果的には約20部以下、好ま しくは約15部以下、そして更に好ましくは約10部以下;及び (e)流動性改良剤(存在する場合):少なくとも約5部、より効果的には少な くとも約10部、好ましくは少なくとも約15部、そして更に好ましくは少なく とも約20部、しかし約75部以下、より効果的には約55部以下、好ましくは 約50部以下、そして更に好ましくは約45部以下。 本発明の1つの態様において、分枝ブロックエチレンポリマーは、反応性熱可 塑性ポリマーがポリカプリラクトンである分枝ブロックエチレンポリマーから成 る。これらの組成物は、混練用又は形成用ポリマーとしてのポリカーボネート及 び均一エチレンポリマー、並びに補助的衝撃変性剤としてのスチレン−アクリロ ニトリルグラフト化エチレン−プロピレン−ジエンゴムとの組で有用である。こ れらのブレンド物は、分枝ブロックエチレンポリマー0.001〜50重量%、 均一エチレンポリマー0.01〜50重量%、ポリカーボネート50〜99.9 9重量%、及びスチレン−アクリロニトリルグラフト化エチレン−プロピレン− ジエンゴム0.01〜10重量%から成る。 これらの組成物は、良好な溶融成形加工性及び靭性を有するため、自動車用途 、コンピュータ及び事務機器、通信デバイスのためのプロフィル押出、射出成形 用途及び他の薄肉射出成形用途に有用である。分枝ブロックエチレンポリマー用及び/又は分枝ブロックエチレンポリマーと添 加混練用又は成形用ポリマーとのブレンド物用の添加剤の存在について 本発明の組成物の難燃性及び点火抵抗を向上させるため、様々な添加剤を必要 に応じて用いることが有利である。その代表例には、酸化アンチモン、塩化アン チモン、オキシ塩化アンチモン、酸化スズ(IV)、塩化スズ(IV)及び酸化 ヒ素等のアンチモン、ビスマス、ヒ素、スズ及び鉛の酸化物及びハロゲン化物な どの、周期律表第IVA族及び第V族の金属の酸化物及びハロゲン化物;芳香族 ホスファート及びホスホナート(これらのハロゲン化誘導体を包含する)、アル キル酸ホスファート、トリブトキシエチル=ホスファート、1,3−ジクロロ− 2−プロパノール=ホスファート、3,9−トリブロモネオペントキシ−2,4 ,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ(5.5)ウンデカン− 3,9−ジオキシド、ホスフィンオキシド、リン酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、 チオ尿素、尿素、アンモニウム=スルファマート、ポリリン酸アンモニウム及び スズ(IV)=スルフィド等のリン、窒素、ホウ素及び硫黄の有機及び無機化合 物;二酸化チタン、臭化クロム、酸化ジルコニウム、モリブデン酸アンモニウム 及び酸化スズ(IV)水和物等のチタン、バナジウム、クロム及びマグネシウム 等の他の金属の酸化物、ハロゲン化物及び水和物;リン酸アンチモン、アンチモ ン酸ナトリウム、KSb(OH)6、NH4SbF6及びSbS3等のアンチモン化 合物;酒石酸カリウムアンチモン、ヘキサン酸のアンチモン塩、Sb(OCH2 CH3)、Sb[OCH(CH3)CH2CH33、アンチモンポリエチレングリ コラート、ペンタエリトリトール=アンチモニト及びトリフェニルアンチモン等 の無機酸のアンチモンエステル、環境アルキルアンチモニトエステル及びア リールアンチモン酸;ホウ酸;水酸化アルミナ;フルオロホウ酸アンモニウム; 酸化モリブデン;ヘキサブロモシクロデカン等のハロゲン化炭化水素;デカブロ モジフェニル=オキシド;1,2−ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ) エタン;テトラブロモビスフェノール−Aから作られるものなどのハロゲン化カ ーボネートオリゴマー;臭素化グリシジルエーテル等のハロゲン化エポキシ樹脂 ;テトラブロモフタル酸無水物;ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化オレ フィンポリマー又はコポリマー;オクタブロモジフェニル=オキシド;アンモニ ウム=ブロミド;イソプロピルジ(4−アミノベンゾイル)イソステアロイル= チタナート;及びスルファート、ビスルファート、スルホナート、スルホンアミ ド及びスルフィミド等の芳香族硫黄化合物の金属塩;硫黄、リン及び窒素化合物 の他のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩;LaughnerのUSP4,7 86,686に記載された他のもの等並びにこれらの混合物が包含される。好適 な難燃化添加剤は、三酸化アンチモン(Sb23)である。本発明の組成物にお いて難燃剤を用いた場合、それは組成物総量に対して一般的に約15重量%以下 、より効果的には約0.1〜15重量%、好ましくは約0.1〜10重量%、そ して更に好ましくは約0.5〜5重量%の量で使用する。 以下に述べる様な他の目的で、本発明の組成物において様々な添加剤を必要に 応じて用いることが有利である:有機金属化合物、イソスタゾロン、有機硫黄及 びメルカプタン等の抗菌剤;フェノール類、第二級アミン、亜リン酸エステル及 びチオエステル等の酸化防止剤;第四級アンモニウム化合物、アミン、並びにエ トキシル化、プロポキシル化又はグリセロール化合物等の帯電防止剤;タルク、 クレー、雲母、シリカ、石英、カオリン、窒化アルミニウム、TiO2、硫酸カ ルシウム、B23、アルミナ、ガラスのフレーク、ビーズ、ウィスカーもしくは フィラメント、ニッケル粉末、並びに金属又は黒鉛繊維等の充填剤及び補強剤; 加水分解安定剤;脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、金 属ステアラート、パラフィン及びミクロクリスタリンワックス、シリコーン並び にオルトリン酸エステル等の潤滑剤;微粒子又は粉末化固体、石けん、ワックス 、シリコーン、ポリグリコール、並びにトリメチロールプロハン=トリステアラ ート又はペンタエリトリトール=テトラステアラート等の錯エステル等の離型 剤;顔料、染料及び着色剤;o−フタラート、アジパート及びベンゾアート等の 二塩基酸(又はそれらの無水物)と一価アルコールとのエステルなどの可塑剤; 有機スズ=メルカプチド、チオグリコール酸のオクチルエステル並びにカルボン 酸バリウム及びカドミウム等の熱安定剤;ヒンダードアミン、o−ヒドロキシフ ェニルベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−アルコキシベンゾフェノン、 サリチラート、シアノアクリラート、ニッケル錯体、マロン酸ベンジリデン及び オキサラニリド酸の紫外線安定剤。好適なヒンダードフェノール酸化防止剤は、 Ciba−Geigy Corp.から市販されている登録商標Irganox 1076である。この添加剤を用いる場合、一般的には組成物の合計重量の4 5%を超えることはなく、そしてより効果的には約0.001〜15%、好まし くは約0.01〜10%、そして更に好ましくは約0.1〜10%である。 分枝ブロックエチレンポリマーと添加混練用又は成形用ポリマーとのブレンド 物の場合、同様にポリマーブレンド物に、必要に応じて充填剤、着色剤、酸化防 止剤、帯電防止剤、滑り剤、粘着付与剤、香料等の他の添加剤を含ませることが できる。分枝ブロックエチレンポリマーの使用温度向上のための利用について 本発明の分枝ブロックエチレンポリマーは、エチレンポリマーの比較的軟いセ グメントと、好ましくはエンジニアリング熱可塑性樹脂である反応性熱可塑性ポ リマーの比較的硬いセグメントとを持つ。硬いエンジニアリング熱可塑性セグメ ントが左右することにより、エチレンポリマーの使用温度上限を高めることがで きる。この態様において、エンジニアリング熱可塑性衝撃変性剤は、本発明の分 枝ブロックエチレンポリマーの総重量に対して、好ましくは約50%以下、更に 好ましくは約40%以下、最も好ましくは約30%以下、更により好ましくは約 20%以下の量で存在する。これらの量において、上記エンジニアリング熱可塑 性樹脂が、分枝ブロックエチレンポリマーが使用できる、即ち溶融しない、ある いは望ましくない変形を起こさない温度範囲広げることが観察された。エチレン 共重合体の量は、好ましくは少なくとも約0.01重量%、更に好ましくは少な くとも約0.1重量%、最も好ましくは少なくとも約1重量%、そして更により 好ましくは少なくとも約10重量%である。実施例 本発明を限定せずに例証するため、下記実施例を示す。特に断らない限り、% 、比及び部は重量基準である。本発明の実施例を番号で表示し、本発明の実施例 ではない比較試料をアルファベットで表示した。 本発明実施を例示するため、以下にいくつかの好適な態様の実施例を示したが 、しかしこれらの実施例はいかなる意味においても本発明範囲を限定するもので はない。本発明の特に望ましい特徴点のいくつかが、実施例の特性に対し、本発 明の特徴点を持たず、従って本発明の態様ではない様々な対照例配合物(比較試 料)の特性を対比することによって認識可能となる。 実施例1〜7に関して、特に断らない限り、実施例の組成物に含有される分枝 ブロックエチレンポリマーは、ナイロン6(重量平均分子量22,000及びメ ルトインデックス7を有する)と線状又は実質上線状のエチレンポリマー(無水 マレイン酸分枝1重量%を含有する)とを各々下記に示した量で乾式混練するこ とで調製した。無水マレイン酸分枝は、過酸化物開始剤を用いて、分枝線状又は 実質上線状のエチレンポリマーの重量を基準として1重量%の量で、線状又は実 質上線状のエチレンポリマー上に形成した。ナイロン6と分枝線状又は実質上線 状のエチレンポリマーとの乾式混練物を、次いでナイロン6が無水マレイン酸分 枝と反応し、最終ブロックとして付加することで、分枝ブロックエチレンコポリ マーを形成させるために、300mmのWerner & Pfleidere r押出し機内で溶融混合した。この反応性押出に用いた条件は、150、200 、250、250及び250℃のゾーン温度、トルク70〜85%、及び滞留時 間30秒であった。分枝ブロックエチレンポリマーを、ポリオレフィンとの混練 のため、氷水中を通過させ、小粒状に切断し、そして回収した。 ブレンド組成物を、各乾燥成分をペイントシェーカ内で5分間混合し、次いで 該乾式混練配合物を、ゾーン温度を150、200、280、280及び280 ℃とした以外は分枝ブロックエチレンポリマー調製に用いたのと同じ条件のWe rner & Pfleiderer押出し機に供給することで調製した。押出 物を再びストランド状に冷却し、そしてペレット状に切断した。ペレットをエア ドラフト内にて、120℃で3時間以上乾燥させ、次いで200℃(供給側)、 250℃、250℃及び255℃(ノズル側)のバレル温度、80°Fの成形型 温度及び120回転/分のスクリュウ速度のクロトンArburg成形機にて試 験片を作るために用いた。 「ポリプロピレン」は、Himontからの登録商標Profax6323ポ リプロピレンである。 「HDPE」は、密度約0.96g/cm3、I2メルトインデックス(AST M D1238に準拠)約10g/分を持つ高密度ポリエチレンである。 「POE」は、前述した非分枝実質上線状のエチレンポリマーである。 「POE−b−MAH」は、前述した無水マレイン酸分枝を含有する実質上線 状のエチレンポリマーである。 「B/BEP I」は、無水マレイン酸分枝を含有する実質線状のエチレンポ リマー70重量%とナイロン6 30重量%とから作った分枝ブロックエチレン ポリマーである。 「B/BEP II」は、(i)密度0.869g/cm3、メルトインデッ クス(I2)4及び無水マレイン酸分枝を持つ、Mitsui Petroch emicalからの線状均一エチレンポリマーである、登録商標Tafmer P−0180エチレン/プロピレン共重合体80重量%と、(ii)ナイロン6 20重量%とから作った分枝ブロックエチレンポリマーである。 「EP」は、エチレンポリマーが非分枝か、分枝か、あるいは分枝ブロックエ チレンポリマーに形成されているか否かの如何を問わず、混練組成物中に存在す る線状又は実質上線状のエチレンポリマーの重量%である。 ナイロン6は、Allied Signalから市販されている、メルトイン デックス7、分子量22,000のポリアミド(Capron 8207)であ る。 EG8200gMAHは、I2 5g/10分を有し、無水マレイン酸1重量 %でグラフトされたポリオレフィンエラストマーである。 The Dow Chemical Companyの登録商標であるENG AGE8150は、The Dow Chemical Companyから市 販されているI2 0.5/10分のポリオレフィンエラストマーである。 実施例1〜5及び対照例A〜Cに対し、物理的及び機械的性質についての下記 試験を行い、これらの試験結果を併せて表1に示した。 耐衝撃性(アイゾット)は、ASTM表示D256−84(方法A)に準拠し たアイゾット試験により、25℃で測定した。切欠は半径10ミル(0.254 mm)であった。アイゾットの結果をフート・ポンド/インチで示した。 耐衝撃性(ウエルドライン)もASTM表示D256−84(方法A)に準拠 したアイゾット試験により、25℃で測定したが、しかしダブルゲート成形型内 で突合せ溶接により形成した試料を用いた。試料は切欠なしで、溶接部がバイス 固定腕上面より1mm高くなる様にバイス固定した。ウエルドラインの結果も、 試料が破壊しなかったことを「N.B.」で示した実施例5を除いて、フート・ ポンド/インチで示した。 槍落下衝撃試験(槍落下)は、23℃で、1/2インチの錐を保持した100 ポンドの錘を厚さ1/8インチの環状試験片上に落下させることにより行った。 錘付き槍は穿孔軌道を自由落下し、試料衝撃後に槍を収容する0.640インチ の穴を持つアルミニウム鋳造基台の下り傾斜路内に定置した試料に衝撃を与える 。装置はDynatup Mode18250であった。試料は、衝撃を生じな い側面上に亀裂又は穿孔を示したならば、不合格である。槍が軌道上に表示した 必要な高さから落下して、ある量のエネルギーを発現したときの結果を、合格( 衝撃点での槍による亀裂又は穿孔がない)又は不合格(材料が亀裂又は穿孔を示 す)の何れかとした。表1に示した値は「合格」、又は試料が不合格とならずに 受容した、インチ・ポンドで示した最大エネルギー量である。 荷重下の変形温度(DTUL)は、ASTM表示D648−82に準拠して、 66psiで測定した。結果を℃で示した。 曲げ弾性率(F弾性率)は、ASTM D790で測定した。結果をpsiで 示した。 特に断らない限り、実施例で用いた実質上線状のエチレンポリマーは、USP 5,272,236に示された方法に従って、トリス(パーフルオロフェニル) ボランで賦活した[((CH345))−(CH32Si−N−(t−C49 )]Ti(CH32有機金属触媒を用いた溶液重合法により作った。特 に断らない限り、全ての部及び%は総重量を基準とする重量部及び重量%である 。特に断らない限り、下記試験法を用いた。 1.切欠付アイゾット衝撃 ASTM D−256(23℃、0℃、 (フート・ポンド/インチ) −18℃、−29℃及び−40℃) 2.引張(psi) ASTM D−638 3.降伏(psi) ASTM D−638 4.伸び(%) ASTM D−638 5.白色度指数(WI) ASTM E−313 6.黄色度指数(YI) ASTM E−313 7.粒径(ミクロン) 薄片化成形試験片の顕微鏡写真、 ASTM D−3763−86 8.ダイナタップ ASTM D3763−86(−29℃) 具体的態様 試料調製 ポリマーをWerner Pfleiderer ZSK−53/5L共回転 二軸押出し機に供給することで、全ての試料を調製した。ポリマーを押出し機に 供給した後、重量比1:1:0.032の無水マレイン酸(MAH)/メチルエ チルケトン(MEK)/LUPERSOL 130(開始剤)混合物を、計量ポ ンプにより注入ノズルを通して押出し機のゾーン1の末端に供給した。LUPE RSOL 130は、ATOCHEMにより製造販売されている2,5−ジ(t −ブチルパーオキシ)ヘキシン−3である。溶媒、未反応MAH及び他の妨害物 質の揮発分除去を促進するため、押出し機を水銀26インチ以上の真空レベルに 保った。 登録商標Attane樹脂は、The Dow Chemical Comp anyにより製造販売されているULDPEエチレン/1−オクテン樹脂である 。登録商標Tafmer P−0180樹脂は、Mitsui Petroch emicalにより製造販売されているエチレン/プロピレン共重合体である。 下記材料を用いた。 ADMER QF 500AはMitsui Petrochemicalに より製造販売されている、MAH1.5重量%でグラフトされたポリプロピレン であり、該グラフト化ポリマーは230℃で3.0g/10分のメルトインデッ クスと密度0.900g/cm3を有していた。 登録商標Primacor 3460は、The Dow Chemical Companyにより製造販売されているエチレンとアクリル酸の共重合体で あり、この材料はアクリル酸9.7重量%を含有し、メルトインデックス20g /10分を有していた。 グラフト変性均一エチレンポリマー。この材料は、MAH1.3重量%を含有 し、メルトインデックス0.25g/10分及び密度0.870g/cm3を有 していた。 登録商標Profax 6524。Himontにより製造販売されているポ リプロピレンであり、230℃で4g/10分のメルトインデックス及び密度0 .9g/cm3を有していた。 グラフト変性均一エチレンポリマー(以下に登録商標INSITEテクノロジ ーポリマー又はITPという)は、USP4,950,541に記載された方法 に従って調製した。ポリマー成分をある重量比で乾式混合し、次いで約210℃ で運転したWerner Pfleiderer ZSK−30二軸押出し機内 に供給した。1の押出し機通過でブレンド物を調製した。 射出成形試料を200〜250℃内のバレル温度、40barのバレル圧、8 5°F(29℃)の冷却成形型温度及び約12秒の冷却成形型内滞留温度で運転 した50トンNegri Bossi射出成形機を用いて調製した。試料を、2 .5インチ×6.5インチ×0.075インチのプラークに成形した。 曲げ弾性率及びアイゾット衝撃特性(室温及び−30℃)を、表8の試料の各 々について測定した。これらの特性は、例えば自動車部品等多くの用途で重要で ある。これらの特性を、ASTM D−790及びD−256に準拠して夫々測 定した。 無水マレイン酸で官能化されたエチレン−プロピレン−ジエンエラストマー。 Uniroyal Chemical(製品表示−ROYALTUF 465 A)により販売されている。 無水マレイン酸で官能化されたエチレン−プロピレンエラストマー。Exxo n Chemical(製品表示−Exxelor VA 1801)により販 売されている。 前述のとおり無水マレイン酸でグラフト変性されたエチレン−プロピレンエラ ストマー(MitsuiからのTafmer P−0180)。 Nylon 1000−1は、Hoechst−Celaneseからの射出 成形用低Mwナイロン−6,6である。 Nylon 1200−1は、Hoechst Clelaneseからの押 出用高Mwナイロン−6,6である。 実施例において、反応性押出により無水マレイン酸をエチレン−オクテン共重 合体にグラフトして調製した無水マレイン酸グラフト化エチレン−1−オクテン 共重合体(ITP−g−MAH)を用いた。ITP−g−MAHを作るのに用い たエチレン−オクテン共重合体は、溶液重合法において拘束幾何単一サイト触媒 から作った共重合体であった。最終グラフト共重合体(ロットXUR−1567 −48562−D4)は、メルトインデックス約0.5g/10分、密度0.8 7g/cc及びMAH含量1重量%を有していた(1%MAH−g−ITP)。 ポリブチレンテレフタレート(PBT)は、CelaneseからのCela nex 2002(固有粘度0.9)であった。 重量比90:8:2のメタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/メタクリル酸 グリシジル(MMA/GMA)から成るアクリル共重合体。 試験法 試料の動的機械的特性を、Rheometrics Solid analy zerRSA−IIを用いて検討した。試験片を薄片状(厚み約15〜20ミル )に調製した。試料の測定を、−120℃から試料が溶融するか、あるいは過度 に変形する、可能な限り高い温度までの温度範囲で行った。回転速度10ラジア ン/秒、歪7.0×10-4で測定を行った。 引張特性は、Instron Sries IX自動化試験系1.04により 試験した。試験の機械パラメータは、試料速度18.21pts/秒、クロスヘ ッド速度2.00インチ/分、フルスケール荷重範囲10.00(ポンド)、湿 度50%、温度73°Fであった。 実施例1 ITP−g−MAH(1400g)とPBT(600g)とを乾式混練/混合 し、次いで30mm Werner & Pfleiderer二軸押出機(2 50回転/分、トルク70〜85%を与える供給速度、及び5バレルの設定ゾー ン温度150、200、250、250及び250℃)を用いて溶融混練して調 製した。Conairストランドチョッパを用いて、押出物をペレット化した。 図1中の結果により、MAH−g−ITP/PBTブレンド物が、対照試料であ るITP−g−MAH又はITP/PBTブレンド物よりも高い使用温度を持つ ことが示される。動的機械的分析(固相、伸び)を用いたとき、対照試料の両方 が約60℃で失格したが、ITP−g−MAH/PBTは120℃まで安定であ った。レオロジーの比較を図2に示した。これらの結果により、ITP−g−M AH/PBTが向上した成形加工性と増強された擬可塑性(剪断低粘化)挙動を 持つ熱可塑性エラストマーであることが示された。図19に示した様に、ITP −g−MAH/PBTブレンド物がITP単独の場合と比べて改良された引張特 性をも持つことが示された。図2及び3のDMS試験から得たtanδにより、 これらの材料がブロー成形及び熱成形用途に有用であろうことも示された。 実施例2 ITP−g−MAH(133g)とNMA/GMAアクリル共重合体(57g )とを混合し、そしてHaake System 90トルクレオメータ内、2 30℃で10分間溶融混練して、組成物を調製した。次いで、得られた混合物を 外界温度まで冷却し、そしてミルを用いてペレット化した。図4中のRSAの結 果により、ITP−g−MAH(MMA/GMA)の反応性ブレンド物が高い使 用温度を持つ、即ち試料が110℃まで安定であることが示された。 以上の実施例において本発明をかなり詳細に記載したが、これらの詳述は例示 のためであり、本発明を限定するものと解すべきではない。以上の実施例に基づ いて、請求の範囲に記載した本発明の意図及び範囲から逸脱せずに、多くの変形 例をつくり出すことができる。 実施例3〜7 表1に、本実施例で探索したナイロン(エンジニアリング熱可塑性樹脂の代表 例)変性エラストマーを掲示した。これらの組成物を、無水マレイン酸グラフト 化エラストマーであるMAH変性Engage8200(The Dow Ch emical Companyの商標である)(EG8200MAH)とナイロ ン6とを特定の比で乾式混練し、そして250回転/分の35mm Werne r−Pfleiderer共回転二軸押出機内、260℃で溶融混合して調製し た。特定したポリオレフィンマトリックス樹脂との最終混練のために、押し出さ れた各変性エラストマーを氷水浴中に通し、小粒状に切断し、そして回収した。 図4及び5のグラフにより、実質上線状のエチレンエラストマー、無水マレイ ン酸グラフト化、実質上線状のエチレンエラストマー及びポリアミド変性実質上 線状のエチレンエラストマーの剪断速度0.1ラジアン/秒〜100ラジアン/ 秒内でのレオロジー及びtanδ特性を比較した。図6ないし図9(190℃及 び230℃)により、これらと同じレオロジー及び弾性率特性に関する、種々濃 度のポリアミドの無水マレイン酸グラフト化実質上線状のエチレンエラストマー に対する効果を示した。これらの図により、新しいナイロン変性Engageエ ラストマーが驚異的に増加した剪断感受性ばかりでなく、代表的なEngage ポリマー(狭い多分散エチレンポリマーの代表例)よりもかなり高い溶融弾性率 (低いtanδ)を持つことが示された。190℃(ナイロン6の融点より低い )での粘度曲線の傾きが、230℃(ナイロン6の融点より高い)での粘度曲線 の傾きと比べて変化が僅かであり、高温側で予想されるソフト程度であったこと は興味深い。 *The Dow Chemical Companyから市販されているエ チレンポリマー。 図4〜18に示した特性の本発明のポリマーを、実施例3〜7と同様に調製し た。図1〜2a、2bのポリマーを、実施例1及び2の場合と同様に調製した。 本発明の分枝ブロックエチレンポリマーのtanδ値も均一エチレンポリマー 又は分枝均一エチレンポリマーより優れており、そして低剪断下でも高剪断下で もかなり高い溶融弾性率(高い貯蔵弾性率)を示唆している。更に、本発明の分 枝ブロックエチレンポリマーが成形用ポリマーとのブレンド物に相応する効果を 有することが分かった。この様な混練された組成物は、均一エチレンポリマー又 は分枝均一エチレンポリマーのみで変性された組成物よりも、低剪断下で高い剪 断感受性及び高い溶融弾性率を発揮する。実施例8〜24:成分(c)の反応性熱可塑性ポリマーがアミン−官能化ポリマ ーである分枝ブロックエチレンポリマーの使用 実施例8〜24の組成物に含まれる分枝ブロックエチレンポリマーを、ナイロ ン6(重量平均分子量22,000、メルトインデックスを有する)と無水マレ イン酸分枝点を含有するエチレンポリマー(E/MAHポリマー)とを各々下記 量で乾式混練して調製した。無水マレイン酸分枝点を、過酸化物開始剤を用いて 、 E/MAHポリマーの重量を基準として約1重量%の量でE/MAHポリマー上 に形成した。その後、ナイロン6とE/MAHポリマーとの乾式混練物を30m m Werner & Pfleiderer押出し機内で溶融混合して、ナイ ロン6を無水マレイン酸分枝点と反応させて、E/MAH共重合体内の最終ブロ ックとして付加することで、分枝ブロックエチレンポリマーを作った。上記反応 性押出機に用いた条件は、ゾーン温度150、200、250、250及び25 0℃、250回転/分、トルク40〜65%及び滞留時間30秒であった。熱可 塑性成形用ポリマーとの混練のために、分枝ブロックエチレンポリマーを氷水浴 中に通し、小粒状に切断し、回収した。 実施例8〜24の最終組成物及び対照例A〜Iを、各乾燥成分をペイントシェ ーカ内で5分間混合し、次いでゾーン温度が150、200、280、280及 び280℃である以外は分枝ブロックエチレンポリマー調製に用いたのと同じ条 件下のWerner & Pfleiderer押出し機に得られた乾式混練配 合物に供給することで調製した。押出物をストランド状に再冷却し、そしてペレ ットとして切断した。ペレットをエアドラフト内、120℃で3時間乾燥させ、 次いでバレル温度が200℃(供給側)、250℃、250℃及び255℃(ノ ズル側)、成形型温度が80°F、そしてスクリュウ速度が120回転/分の7 0トンArburg成形機内で試験片を調製するために用いた。試料は試験前に アニールしなかった。 実施例8〜13及び対照例A〜Dの配合物含量を、組成物総量に対する重量部 で表IIに示した。 表II中: 「ポリプロピレン」はHimontからの、メルトインデックス約12を持ち 、ブレンド成分(b)として前記したタイプのポリオレフィン樹脂の1種である Profax 6323ポリプロピレンである。 「HDPE」は、密度約0.96g/cm3及びI2メルトインデックス(AS TM D 1238に準拠)約35を有し、ブレンド成分(b)として前記した タイプのポリオレフィン樹脂の他の1種である高密度ポリエチレンである。 「エチレンポリマー」は密度約0.87g/cm3を有し、無水マレイン酸分 枝点を含有しない「実質上線状の」エチレンポリマーである。 「E/MAH共重合体」は密度約0.87g/cm3を有し、分枝点として無 水マレイン酸を約1.0重量%の量で含有する「実質上線状の」エチレンポリマ ーである。 「ナイロン6」は、メルトインデックス約7及び重量平均分子量約22,00 0を持つAllied SignalからのCapron 8207ポリアミド 。 「分枝ブロックエチレンポリマー I」は、(i)I2約0.5を有し、含有 するエチレンポリマーが「実質上線状」であるE/MAH共重合体70重量%と (ii)ナイロン6 30重量%とから調製した分枝ブロックエチレンポリマー である。 「分枝ブロックエチレンポリマー II」は、(i)ポリプロピレンを含有し 、密度0.869g/cm3、I2メルトインデックス4を有し、そして無水マレ イン酸分枝点を含む、,Mitsui Petrochemicalからの線状 、狭いMWDエチレンポリマーであるTafmer P−0180 80重量% と(ii)ナイロン6 20重量%とから調製した分枝ブロックエチレンポリマ ーである。 「%エチレンポリマー」は、エチレンポリマーが分枝点を含有するか、E/MA H共重合体の形態か、あるいは分枝ブロックエチレンポリマーに形成されている か否かの如何を問わず、混練された組成物中に存在するエチレンポリマーの重量 %である。 実施例8〜13及び対照例A〜Dに対し、物理的及び機械的性質について下記 試験を行い、これらの試験の結果を表IIに示した。 レオロジー指数には、試料を該試料平面内で往復的に回転するプレート間に配 置する粘弾性的機械的分光法により決定される試料粘度が関与する。試料を軟化 点以上のある温度に加熱し、そしてプレートが様々な速度回転する様強制するた めに必要な力により粘度を決定した。プレートを0.1ラジアン/秒で回転させ たときの190℃での試料粘度を、100ラジアン/秒での粘度で割った試料の 粘度比として得た無単位の値を、表IIに示した。 耐衝撃性(アイゾット)は、ASTM表示D 256−84(方法A)に準拠 したアイゾット試験により、25℃で測定した。切欠は半径10ミル(0.25 4mm)であった。アイゾットの結果をフート・ポンド/インチで示した。 耐衝撃性(ウエルドライン)もASTM表示D 256−84(方法A)に準 拠したアイゾット試験により、25℃で測定したが、しかしダブルゲート成形型 内で突合せ溶接により形成した試料を用いた。試料は切欠なしで、溶接部がバイ ス固定腕上面より1mm高くなる様にバイスに固定した。ウエルドラインの結果 を、試料が破壊しなかったことを「N.B.」で示した実施例5を除いて、フー ト・ポンド/インチで示した。 槍落下衝撃試験(槍落下)は、23℃で、1/2インチの錐を保持した100 ポンドの錘を厚み1/8インチの環状試験片上に落下させることにより行った。 錘付き槍は穿孔軌道を自由落下し、アルミニウム鋳造基台の下り傾斜路内に定置 した試料に衝撃を与える。表IIに示した値は、インチ・ポンドで示した、槍が 試料を破壊するのに必要なエネルギーである。 曲げ弾性率(F弾性率)は、ASTM D 790に準拠して測定した。結果 をkpsiで示した。 表IIIに示したデータにより、分枝ブロックエチレンポリマーが、ポリオレ フィン樹脂等の成形用ポリマーと混合したときに、望ましい特性バランスを持つ 組成物を作るのに有効であることを示している。高い値が高い剪断感受性を示唆 するため、レオロジー指数値が高いことが特に際立っている。この比における大 きな分子は、材料が低剪断下で溶融強度を保つことを示し、そして小さな分母は 、材料か易加工性となる様に剪断低粘化をなし、一般的に両方共に望ましい性質 である。各実施例が対照例A又はBよりも少ないエチレンポリマーを含有する事 実にもかかわらず、実施例について示した様な特性のバランスが得られた。表I II中のデータから、ブレンド組成物中でエチレンポリマーを利用する有効な手 段が、前述した様な分枝ブロックエチレンポリマーを作り、次いで該分枝ブロッ クエチレンポリマーを成形用ポリマーの改質剤として用いることであると結論付 けられる。対照例A及びBと比較して、実施例は大きな表面耐久性とスクラッチ ング抵抗とを有する。 実施例14〜18及び対照例Eの組成物を、実施例8〜13及び対照例A〜D の組成物と同様に調製した。実施例14〜18及び対照例Eの配合物含量を、組 成物総量に対する重量部で表IVに示した。表IV中、「ポリプロピレン」、「 E/MAH共重合体」及び「分枝ブロックエチレンポリマーI」は表IIの場合 と同じである。分枝ブロックエチレンポリマーIよりも少量のポリアミドから調 製した分枝ブロックエチレンポリマーを、実施例14〜17の組成物中で用いた が、これらを表IV中で下記の通りに表示されている。 「分枝ブロックエチレンポリマーIII」は、I2メルトインデックス約0. 5を有し、無水マレイン酸分枝点を含有する「実質上線状の」エチレンポリマー 90重量%とナイロン6 10重量%とから調製した分枝ブロックエチレンポリ マーである。 「分枝ブロックエチレンポリマーIV」は、I2メルトインデックス約0.5 を有し、無水マレイン酸分枝点を含有する「実質上線状の」エチレンポリマー8 5重量%とナイロン6 15重量%とから調製した分枝ブロックエチレンポリマ ーである。 「分枝ブロックエチレンポリマーV」は、I2メルトインデックス約0.5を 有し、無水マレイン酸分枝点を含有する「実質上線状の」エチレンポリマー80 重量%とナイロン6 20重量%とから調製した分枝ブロックエチレンポリマー である。 「分枝ブロックエチレンポリマーVI」は、I2メルトインデックス約0.5 を有し、無水マレイン酸分枝点を含有する「実質上線状の」エチレンポリマー7 5重量%とナイロン6 25重量%とから調製した分枝ブロックエチレンポリマ ーである。 分枝ブロックエチレンポリマー及び組成物全体の各々に対するナイロンの重量 %も表IIIに示した。 実施例7〜13及び対照例A〜Dで行ったのと同じ試験を、実施例14〜18 及び対照例Eの物理的及び機械的特性についても行ったが、但し、各分枝ブロッ クエチレンポリマーの溶融強度は前述したプーリ/ドラム型溶融張力テスタを用 いて決定し、且つセンチニュートンで測定した。これらの試験の結果を、表Vに 示した。 実施例14〜18及び対照例Eの結果が、分枝ブロックエチレンポリマーを改 質剤として混練された組成物中に用いた場合に、望ましい特性のバランスが得ら れることが更に裏付けられる。本発明においてポリアミドを分枝ブロックエチレ ンポリマーの最終ブロック形式に用いる限りにおいて、使用ポリアミド量を増し ていくと、アイゾット特性も増強されていくことが分かる。 実施例19及び対照例Fの組成物を、実施例8〜18及び対照例A〜Eの組成 物と同じ方法で調製した。実施例20及び対照例G(分枝ブロックエチレンポリ マーが作られる筈の原料を含有したが、しかし、作られなかった)を、成分を同 時にバンバリーミキサー内、220℃で12分間混合して調製した。実施例19 、20及び対照例F、Gの配合物含量を、表Vに組成物総量に対する重量部で示 した。表Vにおいて、「ポリプロピレン」、「E/MAH共重合体」及び「分枝 ブロックエチレンポリマーVI」は、表IIIの場合と同じである。「ナイロン 6」は、表IIの場合と同じである。各組成物全体に対するナイロンの重量%も 、表VIに示した。 実施例8〜18及び対照例A〜Eで行ったものと同じ試験のいくつかを、実施 例19、20及び比較例F、Gについても行い、これらの試験の結果も表VIに 示した。 実施例19、20及び対照例F、Gの結果により、分枝エチレンポリマー及び アミン官能化ポリマー(ポリアミド等)を成形用ポリマー(ポリオレフィン樹脂 等)と混練するときの、分枝エチレンポリマーとアミン官能化ポリマーとから分 枝ブロックエチレンポリマーが形成される様な条件下で混合を行うのが重要であ ることが示される。これらの条件には、先ず別の装置内で分枝ブロックエチレン ポリマーを作り、次いでこれを成形用ポリマーと混練すること、あるいは上記3 種の原料の全てを押出し機等の同一の装置内で混合するが、しかし分枝ブロック エチレンポリマー形成のためのアミン官能化ポリマーの分枝エチレンポリマーと の反応を、成形用ポリマーの存在が該反応の阻害となる以前に行わせる様な順序 で行うことが含まれる。 例えば、対照例Fは分枝ブロックエチレンポリマーが作られたであろう成分と ポリプロピレンとのブレンド物である。しかし、対照性Fの3種の成分互いに乾 式混練し、次いで押出し機内で同時に溶融混合したため、対照例Fの調製によっ てはブレンド物中に分枝ブロックエチレンポリマーが作られなかった。実施例1 9において最初にE/MAH分枝エチレンポリマーとポリアミドとから分枝ブロ ックエチレンポリマーを作る様に、同じ成分を用いた場合、得られるポリプロピ レンとのブレンド物は著しく高いアイゾット、ウエルドライン及び槍落下値を示 す組成物を作る。対照例Gの如くバンバリーミキサーの高温高剪断条件下でE/ MAH分枝エチレンポリマー、ポリアミド及びポリオレフィン樹脂の同時混練を 行った場合も、得られる混練された組成物の特性は対照例Fの特性より良好とい う訳ではなく、また成形用ポリマーとの溶融混合を行う前に分枝ブロックエチレ ンポリマーを作る実施例20の特性よりも著しく劣る。 一般的に、分枝ブロックエチレンポリマーがそれを作り出す成分と比べて向上 したレオロジー特性を持つことが分かった。例えば、動的機械的分光法により試 験した場合、分枝ブロックエチレンポリマーはエチレンポリマーと分枝エチレン ポリマーの何れよりも著しく高い低剪断速度下での粘度を示し、しかも更にその 高剪断下での粘度がエチレンポリマー又は分枝エチレンポリマーが示す粘度と同 じレベルまで低下するためその前駆物質よりも著しく高い剪断感受性を示す。分 枝ブロックエチレンポリマーのtanδ値もエチレンポリマー又は分枝エチレン ポリマーの値よりも優れており、そのことが高剪断下と同様低剪断下でもかなり 高い溶融弾性率(高い貯蔵弾性率)を持つことを示唆している。 更に、分枝ブロックエチレンポリマーが成形用ポリマーとのブレンド物に相応 する効果を及ぼすことが分かった。この混練された組成物は、エチレンポリマー 又は分枝エチレンポリマーのみによって改質された組成物よりも大きな低剪断下 での溶融強度及び弾性率を発揮し、しかもこのポリマーは高剪断下で分枝エチレ ンポリマーと実質上同じ粘度まで低粘化するのに十分な剪断感受性を有する。例 えば、図20はエチレン/分枝点共重合体と、及びアミン官能化共重合体として 様々な量のポリアミドから作った分枝ブロックエチレンポリマーと混練したポリ プロピレンの様々な剪断速度での粘度を示している。分枝ブロックエチレンポリ マーを含有するブレンド物は、低剪断下で高い粘度を有するが、しかし高剪断下 でエチレン/分枝点共重合体のみを含有するブレンド物と同程度に低粘化する。 図21は、同じ群のブレンド物に関する、損反弾性率を貯蔵弾性率で割ったta nδを示している。ポリプロピレンを、エチレン/分枝点共重合体のみの代わり に分枝ブロックエチレンポリマーと混練した組成物は、小tanδを有し、従っ て高貯蔵弾性率を持つ。高貯蔵弾性率は、大きな量の回復可能な弾性率を表す。 tanδ値の決定は、Melt Rheology and Its Role in Plastics Processing,Dealy and Wi ssbrun,Van Nostrand,1990から引用されるものなど、 公知の方法に基づく。 これらの特性改良は、アミン官能化ポリマーが大きな粒径均一性を持つサブミ クロン粒子として分枝エチレンポリマー粒子中で分散する様に、分枝ブロックエ チレンポリマーが混練された組成物内で分散する傾向を持つことと関係している ものと確信する。これとは対照的に、アミン官能化ポリマーが最初に分枝ブロッ クエチレンポリマー中に形成されることなく、単に分枝エチレンポリマーとのラ ンダムな物理的ブレンド物の成分として混合された場合、該エチレンポリマー内 に分散したアミン官能化ポリマーは粒径均一性を僅かに持つか、あるいは持たず 、そしてこの様な場合、アミン官能化ポリマーは成形用ポリマーマトリックス内 でエチレンポリマーと何ら連携することなく、巨大な超ミクロン粒子として分散 す る可能性もある。 結論として、好適な態様においては、分枝ブロックエチレンポリマー中のアミ ン官能化ポリマーが、その粒子の約50%以上、多くの場合約65%以上、たび たび約80%以上、そして場合によっては約90%以上が、分枝エチレンポリマ ー粒子中に分散したアミン官能化ポリマー粒子全員の平均粒径の約80%〜約1 20%内の粒径を有するものとして、分枝エチレンポリマー中に分散する。 分枝ブロックエチレンポリマー中のアミカン官能化ポリマーが、小粒径の極め て均一な粒子群として分枝エチレンポリマー中に分散している場合、分枝エチレ ンポリマー粒子自体が小さくなり、そして成形用ポリマーマトリックス内で一層 均一に分散し、その結果優れたエラストマー性衝撃強度を持つ組成物が得られる 。これとは対照的に、単にアミン官能化ポリマー粒子が分枝ブロックエチレンポ リマーターポリマーを含まないランダムな物理的ブレンド物の成分である場合、 分枝エチレンポリマー粒子が大きくなり、及び/又は分枝エチレンポリマー粒子 群がアグロメレートする傾向があり、そして事実上あたかも大きな粒子の如くふ るまうドメインを形成する。従って、他の好適な態様においては、分枝エチレン ポリマー粒子の粒径の、該粒子中に分散したアミン官能化ポリマー粒子の平均粒 径に対する比は、これらから分枝ブロックエチレンポリマーを作った場合に、分 枝ブロックエチレンポリマーが形成されず、アミン官能化ポリマーがランダムな 物理的ブレンド物の単なる成分である場合の、分枝エチレンポリマー粒子の粒径 の、アミン官能化ポリマー粒子の平均粒径に対する比よりも著しく小さくなる。 従って、分枝ブロックエチレンポリマーを形成する混練された組成物における 有利な効果は、過剰量のアミン官能化ポリマーを用いた場合に失われる。分枝ブ ロックエチレンポリマーの最終ブロックを形成するアミン官能化ポリマーの付加 価値は、架橋する可能性があり、あるいは脆く、混練された組成物の切欠感受性 を高める結晶性ドメインを形成する可能性がある遊離のアミン官能化ポリマーに より相殺される。 実施例21〜24及び対照例H、Iの組成物を、実施例8〜18及び対照例A 〜Eの組成物と類似した混合条件を用いて調製した。しかし、対照例H及びIは 、全成分を分枝ブロックエチレンポリマーを形成させる順序で混合するのではな く、 一緒に混合したため、分枝ブロックエチレンポリマーを作り得たが、そうならな かった状況の典型である。実施例21〜24及び対照例H、Iの配合物含量を、 組成物総量に対する重量部で表VIIに示した。表VII中、 「ポリカーボネート」はメルトフロー10のビスフェノール−Aポリカーボネ ートであり、 「分枝ブロックエチレンポリマーVII」は、I2メルトインデックス0.3 7を有するE/MAH共重合体70重量%とナイロン6 30重量%とから調製 した分枝ブロックエチレンポリマーであり、 「エポキシ」は、The Dow Chemical Companyからの D.E.R.−332エポキシ樹脂等のビスフェノール−A/エピクロロヒドリ ンエポキシ樹脂であり、 E.S.O.はエポキシ化大豆油粘着付与剤であり、そして IR 1076はIrganox 1076安定剤である。 また表VI中で、「ナイロン6」、「分枝ブロックエチレンポリマーI」及び 「E/MAH共重合体」は表II中のものと同じである。更に表VII中に、対 照例H、I及び実施例16、17全体に対するE/MAH共重合体の重量%を示 した。 実施例1〜11及び対照例A〜Eについて行ったのと同じ試験のいくつかを、 実施例14〜17及び対照例H、Iの物理的及び機械的特性について行った。実 施した他の試験は、下記のとおりである。 破壊点での引張強度及び破壊点での%伸びの両方を、ASTM表示D 638 −84に準拠して測定した。 ASTM表示D 523−85に準拠し、Hunter Associate sから入手可能なDr.Lange Reflectometerを用いて、試 験片の光沢の測定を行った。 これら試験の各結果を表VIIに示した。N.B.は、ウエルドライン試験で 破壊しなかったことを示す。 対照例H、I及び実施例23、24の結果により、エチレン/MAH共重合体 が、分枝ブロックエチレンポリマーに形成せずにそれ自体を用いた場合に、分枝 ブロックエチレンポリマーと同じ程度には衝撃特性を向上させないことが分かる 。エチレン/MAH共重合体は、分枝ブロックエチレンポリマーよりも低い粘度 及び低い弾性率を有する。そのため、アミン官能化ポリマーが分枝ブロックエチ レンポリマー作製に用いられずに、他のブレンド成分としてのみ用いられた場合 、得られる組成物は特に低温において、ブロックの組成物程に望ましい衝撃特性 によって特徴付けられない。成分(c)の反応性熱可塑性ポリマーがポリエステルである分枝ブロックエチレ ンポリマーを用いた実施例 実施例25の組成物は、分枝ブロックエチレンポリマーのポリカーボネートと のブレンド物である。対照例A1の組成物は、分枝ブロックエチレンポリマーを 作った筈の3種の成分とポリカーボネートとのブレンド物である。しかし、対照 例A1の調製では、4種の原料全てを同時に混練したため、分枝ブロックエチレ ンポリマーとポリカーボネートとのブレンド物は得られなかった。対照例B1の 組成物は、無水マレイン酸分枝点のみを含有するエチレンポリマー(E/MAH 共重合体)とポリカーボネートとのブレンド物である。対照例(1及びD1の組 成物は、各々分枝点を含有しない実質上線状のエチレンポリマーのポリカーボネ ートとのブレンド物である。対照例E1、F1及びG1の組成物は、各々他種オ レフィンポリマーとポリカーボネートとのブレンド物である。 実施例25の組成物に含ませた分枝ブロックエチレンポリマーは、ポリ(ブチ レンテレフタレート)30重量%と無水マレイン酸分枝点を含有する「実質上線 状の」エチレンポリマー(E/MAH共重合体)70重量%との混合物を、30 mm Werner & Pfleiderer押出し機内で溶融混練すること により調製した。無水マレイン酸分枝点は、過酸化物開始剤を用い、E/MAH 共重合体の重量に対して1重量%の量で「実質上線状の」エチレンポリマー上に 形成した。分枝ブロックエチレンポリマー調製に用いた条件は、ゾーン温度15 0、200、250、250及び250℃、250回転/分、トルク70〜85 %及び滞留時間30秒であった。 実施例25及び対照例A1〜G1の最終組成物を、各乾燥成分をペイントシェ ーカ内で5分間混合し、次いでこの乾式混練物を、ゾーン温度150、200、 280、280及び280℃とした以外は、分枝ブロックエチレンポリマー調製 に用いたのと同じ条件下のWerner & Pfleidererに押出し機 に供給することで調製した。押出物をストランド状に冷却し、次いでペレット状 に切断した。これらのペレットをエアドラフト内、120℃で3時間乾燥させ、 次いでバレル温度280℃、成形型温度82℃及びスクリュウ速度120回転/ 分の70トンArburg成形機により試験片をつくることに用いた。 実施例25及び対照例A1〜G1の配合物含量を、組成物総量に対する重量部 で下記表IXに示した。表IX中、 「ポリカーボネート」は重量平均分子量約28,000を有するビスフェノー ル−Aポリカーボネートであり、 「分枝ブロックエチレンポリマー」は、ポリ(ブチレンテレフタレート)と、 前述の無水マレイン酸分枝点を含有する「実質上線状の」エチレンポリマーとか ら調製した分枝ブロックエチレンポリマーであり、 「E/MAH共重合体」は、無水マレイン酸分枝を含有し、I2メルトインデ ックス0.5を有する実質上線状のエチレンポリマーであり、 「PBT」はポリ(ブチレンテレフタレート)であり、 「POE」は無水マレイン酸分枝点を含有せず、I2メルトインデックス0. 5を有する「実質上線状の」エチレンポリマーであり、 「ECO」はエチレン/一酸化炭素共重合体であり、 「HDPE」は密度約0.96g/cm3及びI2メルトインデックス(AST M D 1238に準拠)約10を有する高密度ポリエチレンであり、そして 「LLDPE」はI2メルトインデックス(ASTM D 1238に準拠) 約4を有する線状低密度ポリエチレンである。 実施例25及び対照例A1〜G1に対して下記試験を行い、これらの試験の結 果も表IXに示した。 耐衝撃性を、ASTM表示D 256−84(方法A)に準拠したアイゾット 試験(アイゾット)により、25℃で測定した。切欠は半径10ミル(0.25 4mm)であった。衝撃は、各組成物の1試料については試験片を切り出したプ ラーク中のフローラインに平行な方向とし、そしてもう1つの試料についてはフ ローラインと垂直な方向とした。衝撃がフローラインと平行な場合のアイゾット の結果の、衝撃がフローラインと垂直な場合のそれに対する比を、「異方性」と 表示した無単位の値として示した。次いで、アイゾットの結果を各試料の延性/ 脆性転移温度(DBTT)の推定のために用いた。耐衝撃性を、更にASTM表 示D 256−84(方法A)に準拠したアイゾット試験(ウエルドライン)に より、25℃で、しかしダブルゲート成形型内で突合せ溶接により形成した試料 について測定した。試料は切欠なしで、そして溶接部がバイス固定腕の上面より 1mm上方に位置する様に、試料をバイス内に配置した。ウエルドラインの結果 を、kg・cm/cmで示した。 表IXのデータにより、分枝ブロックエチレンポリマーが、成形用ポリマーと 混合されたときに、望ましい特性バランスを有する組成物を作るのに有効である ことが示される。対照例A1は、PCブレンド物中で分枝ブロックエチレンポリ マーを作った筈であるが、しかし作らなかった成分を含有するが、実施例25よ りもかなり低いウエルドライン値を有する。ある種の他の形態のオレフィンポリ マーを各々含有する他の対照例は、個々のカテゴリーにおいて極めて優れた特性 を有するが、しかし何れも実施例25のような3のカテゴリー全てにおける望ま しいバランスを持たない。例えば、C1〜E1は全て印象的な異方性を有するが 、しかし極めて低いウエルドラインに災いされている。表VIIIのデータによ り、ブレンド組成物中でオレフィンポリマーを用いる有効な手段が、該ポリマー を分枝ブロックエチレンポリマー(本明細書に記載した様な)を作ることに使い 、次いで該分枝ブロックエチレンポリマーを成形用ポリマーとの混練改質剤とし て用いることであると結論できる。 これらの特性改良は、ポリエステルが大きな粒径均一性を持つサブミクロンと してエチレン/分枝点共重合体内粒子中で分散する様分枝ブロックエチレンポリ マーが混練された組成物内で分散する傾向を持つことと関係しているものと確信 する。これとは対照的に、ポリエステルが最初に分枝ブロックエチレンポリマー 中に形成されることなく、単にエチレン/分枝点共重合体とのランダム物理的な ブレンド物中の成分として混合された場合、該エチレンポリマー内に分散したポ リエステルは粒径均一性を僅かに持つか、あるいは持たず、そしてこの様な場合 、ポリエステルは成形用ポリマーマトリックス樹脂内でエチレンポリマーと何ら 連携することなく、巨大なミクロン超粒子として分散する可能性もある。 結論として、好適な態様においては、分枝ブロックエチレンポリマー中のポリ エステルが、その粒子の約50%以上、多くの場合約65%以上、たびたび約8 0%以上、そして場合によっては約90%以上が、エチレン/分枝点共重合体粒 子中に分散したポリエステル粒子全員の平均粒径の約80%〜約120%内の粒 径を有するものとして、エチレン/分枝点共重合体中に分散する。 分枝ブロックエチレンポリマー中のポリエステルが、小粒径の極めて均一な粒 子群としてエチレン/分枝点共重合体中に分散している場合、エチレン/分枝点 共重合体粒子自体が小さくなり、そして成形用ポリマーマトリックス内で一層均 一に分散し、その結果優れたエラストマー性衝撃強度を持つ組成物が得られる。 これとは対照的に、ポリエステル粒子がターポリマー形成を伴わずに、単にラン ダムな物理的ブレンド中の成分である場合、エチレン/分枝点共重合体粒子が大 きくなり、及び/又はエチレン/分枝点共重合体粒子群がアグロメレートする傾 向があり、そして事実上あたかも大きな粒子の如くふるまうドメインを形成する 。従って、他の好適な態様においては、エチレン/分枝点共重合体粒子の粒径の 、該粒子中に分散したポリエステル粒子の粒径に対する比は、これらから分枝ブ ロックエチレンポリマーを作った場合に、ブロック共重合体が形成されず、ポリ エステルがランダムな物理的ブレンド物の単なる成分である場合の、エチレン/ 分枝点共重合体粒子の粒径の、ポリエステル粒子の粒径に対する比よりも著しく 小さくなる。 実施例26〜29の組成物を、実施例25の組成物と同様に調製した。実施例 26〜28の組成物で用いた分枝ブロックエチレンポリマーは、固有粘度0.5 9を有するポリ(エチレンテレフタレート)と、無水マレイン酸分枝点を含有す る「実質上線状の」エチレンポリマーとをカリウム=パラトリル=スルフィミド (KPTSM)触媒の存在下で反応させることで調製した。触媒の恩恵を受けて 作った分枝ブロックエチレンポリマーが一層好ましいが、実施例26で用いた様 な触媒なしで作ったものも有用な製品である。各実施例で用いた分枝ブロックエ チレンポリマーは、無水マレイン酸分枝点を含有する「実質上線状の」エチレン ポリマー30重量%とポリ(エチレンテレフタレート)70重量%とから調製し た。混練された各組成物は、ポリカーボネート93重量%と分枝ブロックエチレ ンポリマー7重量%とから調製した。実施例27〜29で用いたKPTSM触媒 の量を、分枝ブロックエチレンポリマーを作ったE/MAH共重合体とポリ(エ チレンテレフタレート)との合計重量に対して秤定した重量ppmで表して、下 記表に示した。 実施例26〜29の耐衝撃性を、ASTM表示D 256−84(方法A)に 準拠したアイゾット試験により、25℃で、ダブルゲート成形型内に突合せ溶接 により作って「ウエルドライン」試料を対象として測定した。試料は切欠なしで 、 そして溶接部がバイス固定腕上面より1mm上方に位置するように、試料をバイ ス内に配置した。実施例26〜29のアイゾットの結果を、各実施例の組成物に つき11回のトライアルについて示し、そしてこれら11回のトライアルの各々 の結果を「破壊なし」、「部分破壊」又は「脆性破壊」の何れかに分類した。下 記表中の試料の脆性破壊は、試料が2の別々の片に分離する破壊を意味し、部分 破壊においては、試料は明確に分離せず、主要部が蝶番状に残存することを意味 する。各試料のアイゾット数値は、部分又は脆性破壊の各々の11のトライアル の平均値である。アイゾットの結果を、フート・ポンド/インチで、且つ部分又 は脆性破壊の各群のアイゾット値の標準偏差として示した。 実施例26〜29の結果により、実施例26〜29の組成物における混練改質 剤として分枝ブロックエチレンポリマーを作る際に、KPTSMが触媒として存 在すると、触媒の恩恵なしに作った分枝ブロックエチレンポリマーよりも良好な 衝撃強度への寄与をなす分枝ブロックエチレンポリマーが得られることが示され る。実施例26の組成物は極めて立派なアイゾット値を示したが、実施例27〜 29の組成物は、ブレンド物中に用いる分枝ブロックエチレンポリマーの調製の 間に、より多量のKPTSM触媒を用いる程、向上したアイゾット及び少ない脆 性破壊を示した。実施例30:反応性熱可塑性ポリマーがポリカプリラクトンである分枝ブロック エチレンポリマーの使用 ベース樹脂として、重量平均分子量18,000g/モルを持つビスフェノー ルAポリカーボネートを用いた。使用したポリオレフィン相は、密度0.88g /cc及びI230g/10分を有する実質上線状のエチレン/1−オクテンポ リマーであった。スチレン/アクリロニトリルでグラフトしたエチレン/プロピ レン/非共役ジエンエラストマーを、Uniroyal Chemicalから 商品名 Royaltuff 372P20(SAN−g−EPDM)で入手し た。ポリ(カプロラクトン)(PCL)は、Union Carbideから商 品名Tone P−767で入手した。タンブラー内で、70/30重量比のM AH−g−EOをPCLと混練した。この混合物を、30mm Werner & Pfleiderer共回転二軸押出機を用いてペレット化した。押出条件 は、スクリュウ速度設定245回転/分、バレル温度190、260、160、 260℃、及び成形型温度260℃であった。樹脂組成は、下記のとおりである 。 樹脂組成分子量分析:溶媒として塩化メチレン、溶媒キャリヤーとしてテトラヒドロフラ ンを用い、サイズ排除クロマトグラフ法を紫外線検出器と結合させた。LEXA Nポリカーボネート標準を用いて校正を行った。 粘度(Nu):毛管レオメーター及び内径1.27mm長さ25.4mmの寸法 の環状ダイを用いて、剪断粘度を測定した。使用した温度は270℃であった。 報告した値は、80及び2900/秒での粘度である。 アイゾット衝撃:アイゾット衝撃値を、0.25mm(10ミル)切欠付試料に ついて決定した。10フート・ポンドの振り子を用いて試験した。 延性−脆性転移温度(DBTT):試料のアイゾット衝撃破壊が延性から脆性 に移行する温度。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年10月24日(1997.10.24) 【補正内容】 補正された請求の範囲 1.(a) 3.0以下のゲル透過クロマトグラフィーで測定したMw/Mn比及び 50%以上の組成分布幅指数をもつことによって特徴づけられる均一 エチレンポ リマーからなる第1のブロック、及び (b) エチレン性不飽和官能化有機化合物の1以上の分子の残渣からなる分枝 点、 及び (c) 該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応可能な反応性熱可塑性ポリ マーからなる最終ブロックからなると共に、第1のブロックと最終ブロックが分 枝点を介して共に結合して分枝ブロックエチレンポリマーを形成していることを 特徴とする分枝ブロックエチレンポリマー。 2.エチレン性不飽和官能化有機化合物がカルボニル基を含有する請求項1の分 枝ブロックエチレンポリマー。 3.エチレン性不飽和官能化有機化合物が無水マレイン酸である請求項1の分枝 ブロックエチレンポリマー。 4.エチレン性不飽和官能化有機化合物がエポキシ環をもつ請求項1の分枝ブロ ックエチレンポリマー。 5.エチレン性不飽和官能化有機化合物がオキサゾリン、アミン又はアルコール である請求項1の分枝ブロックエチレンポリマー。 6.エチレンポリマーが、0.93g/cm3以下の密度、少なくとも70%の 組成分布幅指数及び示差走査熱量測定で測定した単一融点を−30℃〜150℃ の間に有する 請求項1の分枝ブロックエチレンポリマー。 7.均一エチレンポリマーが、 (i)5.63以上のメルトフロー比 I10/I2 (ii)(I10/I2)−4.63以下のMw/Mnで定義される分子量分布、 及び (iii)各々が実質上線状のエチレンポリマーのための対応する値の90〜1 10%内にある本質的に同じI2及びMw/Mnをもつ線状エチレンポリマーよ りも少なくとも50%大きい表面溶融破壊の開始時の臨界剪断速度、及び (iv)示差走査熱量測定で測定した単一溶融ピークを−30℃〜150℃の間 に有する ことによって特徴づけられる実質上線状のエチレンポリマーである請求 項1の分枝ブロックエチレンポリマー。 8.実質上線状のエチレンポリマーの総溶融破壊の開始時の臨界剪断応力が約4 ×106ダイン/cm2以上である請求項7の分枝ブロックエチレンポリマー。 9.実質上線状のエチレンポリマーが合計炭素原子1000当り平均0.01〜 3の 長鎖分枝をもつ請求項7の分枝ブロックエチレンポリマー。 10.実質上線状のエチレンポリマーが、I2、多分散性及び密度の各々が実質上 線状のエチレンポリマーのための対応する値の90〜110%内にある線状エチ レンポリマーのプロセス指数の約70%以下のプロセス指数をもつ請求項8の分 枝ブロックエチレンポリマー。 11.反応性熱可塑性ポリマーがアミン官能化ポリマーである請求項1の分枝ブロ ックエチレンポリマー。 12.反応性熱可塑性ポリマーがポリエステルである請求項1の分枝ブロックエチ レンポリマー。 13.(a) 3.0以下のゲル透過クロマトグラフィーで測定したMw/Mn比及び 50%以上の組成分布幅指数をもつことによって特徴づけられる均一エチレンポ リマーからなる第1のブロック、及び (b) エチレン性不飽和官能化有機化合物の1以上の分子の残渣からなる分枝 点、 及び (c) 該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応可能な反応性熱可塑性ポリ マーからなる最終ブロックを含有する分枝ブロックエチレンポリマーの製造方法 であって、(1)エチレン性不飽和官能化有機化合物を第1のブロックの均一エチ レンポリマーの分枝に形成して分枝エチレンポリマーをつくり、次いで(2)最終 ブロックの反応性熱可塑性ポリマーを該分枝エチレンポリマーと反応させること からなり、且つ第1のブロックと最終ブロックを分枝点を介していっしょに結合 させることを 特徴とする分枝ブロックエチレンポリマーの製造方法。 14.エチレンポリマーが、0.93g/cm3以下の密度、70%以上の組成分 布幅指数及び示差走査熱量測定で測定した単一融点ピークを−30℃〜150 ℃の間に有する 均一エチレンポリマーである請求項13の方法。 15.均一エチレンポリマーが、 (i)5.63以上のメルトフロー比 I10/I2 (ii)(I10/I2)−4.63以下のMw/Mnで定義される分子量分布、 及び (iii)本質的に同じI2とMw/Mnをもつ線状エチレンポリマーより少なく とも約50%大きい表面溶融破壊の開始時の臨界剪断速度をもつことによって 特 徴づけられる実質上線状のエチレンポリマーである請求項14の方法。 16.pKaが7以上のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、及び窒素含有有 機塩基から選ばれる触媒の存在下に反応性熱可塑性ポリマーを分枝エチレンポリ マーと反応させる請求項14の方法。 17.触媒がアミンである請求項14の方法。 18.触媒が芳香族スルフィミドから誘導される請求項14の方法。 19.触媒がカリウムパラトリルスルフィミドである請求項14の方法。 20.(1) 第1のブロックの均一エチレンポリマーのエチレン性不飽和有機化合物 分枝点の形成と(2)第2のブロックの反応性熱可塑性ポリマーと第1のブロック の均一エチレンポリマーとの反応を1の押出機を 通す単一通過によって行う請求 項14の方法。 21.熱可塑性ブレンド用又は成形用ポリマーと、順次 (a) 3.0以下のゲル透過クロマトグラフィーで測定したMw/Mn比及び 50%以上の組成分布幅指数をもつことによって特徴づけられる均一エチレンポ リマーからなる第1のブロック、及び (b) エチレン性不飽和官能化有機化合物の1以上の分子の残渣からなる分枝 点、 及び (c) 該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応可能な反応性熱可塑性ポリ マーからなる最終ブロックからなると共に、第1のブロックと最終ブロックが分 枝点を介して共に結合している 分枝ブロックエチレンポリマーとのブレンド物。 22.均一エチレンポリマーが0.93g/cm3以下の密度をもち且つ示差走査 熱量測定で測定した単一融点ピークを−30℃〜150℃の間にもつ 請求項21 のブレンド物。 23.均一エチレンポリマーが、 (i)5.63以上のメルトフロー比 I10/I2 (ii)(I10/I2)−4.63以下のMw/Mnで定義される分子量分布、 及び (iii)本質的に同じI2とMw/Mnをもつ線状エチレンポリマーより少なく とも50%大きい表面溶融破壊の開始時の臨界剪断速度をもつことによって 特徴 づけられる実質上線状のエチレンポリマーである請求項21のブレンド物。 24.熱可塑性混練用又は成形用ポリマーがポリカーボネート、ポリエステル、ポ リ(フェニレンエーテル)、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリプロピレ ン及びポリエチレンからなる群から選ばれる請求項21のブレンド物。 25.熱可塑性混練用又は成形用ポリマーが実質上線状のエチレンポリマーである 請求項21のブレンド物。 26.さらにスチレン系コポリマー、エラストマー状衝撃変性剤、流動助剤又はそ れらの混合物を含有する請求項21のブレンド物。 27.さらに油又は充填剤の少なくとも1を含有する請求項21のブレンド物。 28.反応性熱可塑性ポリマーがナイロン6である請求項21のブレンド物。 29.成形品又は押出し品の形状の請求項21のブレンド物。 30.熱可塑性成形用ポリマー、エチレンポリマー、エチレン性不飽和官能化有機 化合物及び反応性熱可塑性ポリマーから組成物を製造する方法であって、 (1)(a) 3.0以下のゲル透過クロマトグラフィーで測定したMw/Mn比及び 50%以上の組成分布幅指数をもつことによって特徴づけられる均一エチレンポ リマーからなる第1のブロック、及び (b) エチレン性不飽和官能化有機化合物の1以上の分子の残渣からなる分枝 点、及び (c) 該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応可能な反応性熱可塑性ポリ マーからなる最終ブロックを含有する分枝ブロックエチレンポリマーを、該エチ レン性不飽和官能化有機化合物を第1のブロックの均一エチレンポリマーの 分枝点に形成して分枝エチレンポリマーとすることによってつくり、 次いで最終ブロックの反応性熱可塑性ポリマーを該分枝エチレンポリマーと 反応させると共に、第1のブロックと最終ブロックを該分枝点を介していっしょ に結合することによってつくり、そして (2) 該分枝ブロックエチレンポリマーを熱可塑性成形用ポリマーと混練する ことを特徴とする組成物の製造方法。 31.エチレンポリマーが、0.93g/cm3以下の密度、70%以上の組成分 布幅指数及び示差走査熱量測定で測定した単一融点ピークを−30℃〜150℃ の間に有する 均一エチレンポリマーである請求項30の方法。 32.最終ブロックの反応性熱可塑性ポリマーを7以上のpKaをもつアルカリ金 属塩又はアルカリ土類金属塩、又は窒素含有有機塩基から選ばれる触媒の存在下 に第1のブロックの分枝均一 エチレンポリマーと反応させる請求項30の方法。 33.(a)第1のブロックの均一エチレンポリマーの分枝への不飽和官能化有機化 合物の形成と (b)最終ブロックの反応性熱可塑性ポリマーと分枝エチレンポリマ ーの反応と(c)分枝ブロックエチレンポリマーと混練用又は成形用熱可塑性樹脂の混練をすべて 1の押出機を通す単一通過によって行う請求項32の方法。 34.分枝エチレンポリマーと最終ブロックの反応性熱可塑性ポリマーを共に押出 機に供給し、そして混練用又は成形用樹脂を該押出機を通す同じ通過流の下流部を通して供給する 請求項30の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 81/06 C08L 81/06 101/00 101/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,US,UZ (72)発明者 ホフマイスター,フランク アメリカ合衆国サウスカロライナ州 29607 グリーンビル グリフィン ロー ド 405 (72)発明者 ホー,ソイ エイチ アメリカ合衆国テキサス州 77566 レー クジャクソン オーチッド コート 54 (72)発明者 ヒューズ,モーガン アメリカ合衆国テキサス州 77515−3449 アングレトン ミルトン ストリート 708 (72)発明者 ファム,ホーング ティ アメリカ合衆国テキサス州 77566−3616 レークジャクソン ウオルナット スト リート 707 (72)発明者 ナムハタ,サラダ ピー オランダ国エヌエル−テルノイゼン クラ プルースラーン 70 (72)発明者 ボスニアク,クリブ ピー アメリカ合衆国ミシガン州 48642 ミド ランド スプリングヒル ロード 4171 (72)発明者 ジョンストン,ロバート ティ アメリカ合衆国テキサス州 77566 レー クジャクソン ファウン トレイル 117 (72)発明者 パリク,ディーパック アール アメリカ合衆国テキサス州 77566−3616 レークジャクソン エヌ トリリウム コート 59 (72)発明者 パテル,ラゲン エム アメリカ合衆国テキサス州 77566 レー クジャクソン スカーレット オーク 114 (72)発明者 ワーリング,クレイグ エル アメリカ合衆国テキサス州 77566 レー クジャクソン レインツリー レーン 220 (72)発明者 オジョー,サミュエル エイ アメリカ合衆国テキサス州 77459−4342 ミズーリシテイ ターニング ロー レ ーン 2626

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a) エチレンポリマー、 (b) エチレン性不飽和官能化有機化合物、及び (c) 該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応可能な反応性熱可塑性ポリマー を含有することを特徴とする分枝ブロックエチレンポリマー。 2.エチレン性不飽和官能化有機化合物がカルボニル基を含有する請求項1の分 枝ブロックエチレンポリマー。 3.エチレン性不飽和官能化有機化合物が無水マレイン酸である請求項1の分枝 ブロックエチレンポリマー。 4.エチレン性不飽和官能化有機化合物がエポキシ環をもつ請求項1の分枝ブロ ックエチレンポリマー。 5.エチレン性不飽和官能化有機化合物がオキサゾリン、アミン又はアルコール である請求項1の分枝ブロックエチレンポリマー。 6.エチレンポリマーが、 (i) ゲル透過クロマトグラフィーで測定したMw/Mn比約3.0以下、 (ii) 密度約0.93g/cm3以下及び (iii) 短鎖分枝分布指数約30%以上、及び (iv) 示差走査熱量測定で測定した単一溶融ピーク−30℃〜150℃を有する 請求項1の分枝ブロックエチレンポリマー。 7.狭い各分散エチレンポリマーが、 (i) メルトフロー比 I10/I2 5.63以上、 (ii) Mw/Mnで定義した分子量分布(I10/I2)−4.63以下をもち、且 つ (iii) 各々が実質上線状のエチレンポリマーのための対応する値の90〜110 %内である本質的に同じI2及びMw/Mnをもつ線状エチレンポリマーよりも表 面溶融破壊の開始時の臨界剪断速度が少なくとも約50%大きく、且つ、 (iv) 示差走査熱量測定で測定した単一溶融ピーク約30〜150℃を有するこ とによって特徴づけられる実質上線状のエチレンポリマーであり、ここにおいて 実質上線状のエチレンポリマーがさらに50%より大きいSCBD指数をもつこ とによって特徴づけられる請求項1の分枝ブロックエチレンポリマー。 8.実質上線状のエチレンポリマーの総溶融破壊の開始時の臨界剪断応力が約4 ×106ゲイン/cm2以上である請求項7の分枝ブロックエチレンポリマー。 9.実質上線状のエチレンポリマーが合計炭素原子1000当たり平均約0.0 1〜約3の長鎖分枝をもつ請求項7の分枝ブロックエチレンポリマー。 10.実質上線状のエチレンポリマーが、I2、各分散性及び密度の各々が実質 上線状のエチレンポリマーのための対応する値の90〜110%内にある線状エ チレンポリマーのプロセス指数の約70%以下のプロセス指数をもつ請求項8の 分枝ブロックエチレンポリマー。 11.反応性熱可塑性ポリマーがアミン官能化ポリマーである請求項1の分枝ブ ロックエチレンポリマー。 12.反応性熱可塑性ポリマーがポリエステルである請求項1の分枝ブロックエ チレンポリマー。 13.(a) エチレンポリマー、 (b) エチレン性不飽和官能化有機化合物、及び (c) 該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応可能な反応性熱可塑性ポリマー を含有する分枝ブロックエチレンポリマーの製造方法であって、(1)エチレン性 不飽和官能化有機化合物をエチレンポリマーの分枝に形成して分枝エチレンポリ マーをつくり、次いで(2)該分枝エチレンポリマーを反応性熱可塑性ポリマーと 反応させることを特徴とする分枝ブロックエチレンポリマーの製造方法。 14.エチレンポリマーが、 (i) ゲル透過クロマトグラフィーで測定したMw/Mn比約3.0以下、 (ii) 密度約0.93g/cm3以下及び (iii) 短鎖分枝分布指数約30%以上、及び (iv) 示差走査熱量測定で測定した単一溶融ピーク−30℃〜150℃を有する 均一エチレンポリマーである請求項13の方法。 15.エチレンポリマーが、 (i) メルトフロー比I10/I2 5.63以上、 (ii) Mw/Mnで定義される分子量分布 (I10/I2)−4.63以下をもち 、 (iii) 表面溶融破壊の開始時の臨界剪断速度が本質的に同じI2及びMw/Mnを もつ線状エチレンポリマーより少なくとも約50%大きく、且つ (iv) 50%以上のSCBD指数をもつことによって特徴づけられる実質上線状 のエチレンポリマーである請求項14の方法。 16.pKaが7以上のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、及び窒素含有 有機塩基から選ばれる触媒の存在下に反応性熱可塑性ポリマーを分枝エチレンポ リマーと反応させる請求項14の方法。 17.触媒がアミンである請求項14の方法。 18.触媒が芳香族スルフィミドから誘導される請求項14の方法。 19.触媒がカリウムパラトリルスルフィミドである請求項14の方法。 20.エチレンポリマーのエチレン性不飽和有機化合物分枝の形成と反応性熱可 塑性ポリマーとエチレンポリマーの反応の両者を1の押出し機を通す単一通過に よって行う請求項14の方法。 21.熱可塑性混練用又は成形用ポリマーと、順次 (a) エチレンポリマー、 (b) エチレン性不飽和官能化有機化合物、及び (c) 該エチレン性不飽和官能化有機化合物と反応可能な反応性熱可塑性ポリマー を含有する分枝ブロックエチレンポリマーとのブレンド物。 22.エチレンポリマーが (i) ゲル透過クロマトグラフィーで測定したMw/Mn比約3.0以下、 (ii) 密度約0.93g/cm3以下及び (iii) 短鎖分枝分布指数約30%以上、及び (iv) 示差走査熱量測定で測定した単一溶融ピーク−30℃〜150℃を有する 均一エチレンポリマーである請求項21のブレンド物。 23.エチレンポリマーが、 (i) メルトフロー比I10/I2 5.63以上、 (ii) Mw/Mnで定義される分子量分布 (I10/I2)−4.63以下をも ち、 (iii) 表面溶融破壊の開始時の臨界剪断速度が本質的に同じI2及びMw/Mnを もつ線状エチレンポリマーより少なくとも約50%大きく、且つ (iv) 50%以上のSCBD指数をもつ請求項21のブレンド物。 24.熱可塑性混練用又は成形用ポリマーがポリカーボネート、ポリエステル、 ポリ(フェニレンエーテル)、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリプロピ レン及びポリエチレンからなる群から選ばれる請求項21のブレンド物。 25.熱可塑性混練用又は成形用ポリマーが実質上線状のエチレンポリマーであ る請求項21のブレンド物。 26.さらにスチレン系コポリマー、エラストマー状衝撃変性剤、流動助剤又は それらの混合物を含有する請求項21のブレンド物。 27.さらに油又は充填剤の少なくとも1を含有する請求項21のブレンド物。 28.反応性熱可塑性ポリマーがナイロン6である請求項21のブレンド物。 29.成形品又は押出し品の形状の請求項21のブレンド物。 30.(1) a) エチレン性不飽和官能性有機化合物をエチレン化合物に加えて分 枝エチレンポリマーをつくり、次いで b) エチレン性不飽和官能化有機化合物の残部と反応性熱可塑性ポリマーを反応 させ、次いで (2) 該分枝ブロックエチレンポリマーを熱可塑性成形用ポリマーと混練すること を特徴とする熱可塑性成形用ポリマー、エチレンポリマー、エチレン性不飽和官 能化有機化合物及び反応性熱可塑性ポリマーから組成物を製造する方法。 31.エチレンポリマーが、 (i) 多分散性 約3.0以下 (ii) 密度 約0.93g/cm3以下、 (iii) 短鎖分枝分布指数 約30%以上、及び (iv) 示差走査熱量測定で測定した単一溶融ピーク −30〜150℃ をもつ均一エチレンポリマーである請求項30の方法。 32.pKaが7以上のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、及び窒素含有 有機塩基から選ばれる触媒の存在下に反応性熱可塑性ポリマーを分布の狭い分枝 エチレンポリマーと反応させる請求項30の方法。 33.(a)エチレンポリマーのエチレン性不飽和有機化合物分枝の形成、(b)反応 性熱可塑性ポリマーと分枝エチレンポリマーの反応、及び(c)分枝ブロックエチ レンポリマーと混練用又は成形用熱可塑性樹脂との混練のすべてを1の押出し機 を通す単一通過によって行う請求項30の方法。 34.分枝エチレンポリマーと反応性熱可塑性ポリマーを一緒に押出し機に供給 し、そして混練用又は成形用樹脂を該押出し機を通す同じ通過中の下流部に供給 する請求項30の方法。
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