【発明の詳細な説明】
カルボン酸誘導体の製造
この発明は、生物学的に活性なカルボン酸誘導体、特にマトリックス金属タン
パク質分解酵素阻害剤の製造方法およびそのような化合物のための中間体に関す
る。発明の背景
コラゲナーゼ、ストロメリシンおよびゼラチナーゼのような結合組織損傷に関
与する金属タンパク質分解酵素(「マトリックス金属タンパク質分解酵素」とし
て知られ、ここでは MMP類として略記される)の作用を阻害する性質を有する化
合物は、組織損傷、例えば、慢性関節リューマチ、骨関節炎、骨粗しょう症のよ
うなオステオペニア(osteopenias)、歯周炎、歯肉炎、角膜潰瘍、表皮もしくは
胃潰瘍および腫瘍の転移、浸潤ならびに生長の関与する症状の治療または予防に
潜在的に有用であると考えられている。ヒドロキサム酸MMP 阻害剤がサイトカイ
ン腫瘍壊死因子(「TNF 」)の産生も阻害できることが知られている。TNF の産生
または作用を阻害する化合物は、多くの炎症、感染、免疫性または悪性疾患の治
療もしくは予防に有望であると考えられる。これらは、敗血性ショック、血動性
ショックおよび敗血症候群、虚血後再灌流障害、マラリア、クローン疾患、ミコ
バクテリア感染、髄膜炎、乾癬、鬱血性心不全、線維性疾
患、悪液質、移植拒否、癌、自己免疫疾患、慢性関節リューマチ、多発性硬化症
、放射線損傷、OKT3またはCAMPATH-1のような免疫抑制モノクローナル抗体の投
与による毒性、および高酸素歯槽障害を含むが、これらに限定されない。
金属タンパク質分解酵素は、亜鉛(II)イオン部位が構造中に存在することで特
徴づけられる。現在、ヒト線維芽細胞コラゲナーゼ(タイプ1)、PMN-コラゲナ
ーゼ、72kDa-ゼラチナーゼ、92kDa-ゼラチナーゼ、ストロメリシン、ストロメリ
シン-2およびPUMP-1を含む一連の金属タンパク質分解酵素群の存在することが知
られている。多くの公知の MMP阻害剤は、天然に存在するアミノ酸に基づくペプ
チド誘導体であり、コラーゲン分子中の開裂部位の類似体である。他の公知の M
MP阻害剤は、構造においてペプチドであるというよりむしろ、疑似ペプチドまた
はペプチド様とみなす方がより適切であると考えられる。このような化合物は、
通常、 MMP中の亜鉛(II)部位に結合し得る官能基を有し、公知の分類には、亜鉛
結合基がヒドロキサム酸、カルボン酸、スルフィドリルおよび酸素化リン基(例
えば、ホスフィン酸およびアミノホスホン酸を含むホスホンアミデート)である
ものが含まれる。
疑似ペプチドまたはペプチド様 MMP阻害剤の2つの公知の群は、その亜鉛結合
基としてそれぞれヒドロキサム酸基とカルボキシル基を有する。少数の例外を除
いて、そのような公知の MMP類は、構造式(A)で示され得る。
[式中、Zは亜鉛結合性のヒドロキサム酸(-CONHOH)またはカルボン酸(-COOH)基
であり、基R1からR5はそのような化合物の特定の先行技術の開示に伴って変わり
得る]
このような構造を開示する特許公報の例を以下に示す。
以下の特許公報は、ヒドロキサム酸および/またはカルボン酸に基づくMMP 阻
害剤を開示している:
US 4599361号 (サール)
EP-A-2321081号 (ICI)
EP-A-0236872号 (ロシュ)
EP-A-0274453号 (ベロン)
WO 90/05716 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 90/05719 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 91/02716 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 92/09563 号 (グリコメド)
US 5183900号 (グリコメド)
US 5270326号 (グリコメド)
WO 92/17460 号 (SB)
EP-A-0489577号 (セルテック)
EP-A-0489579号 (セルテック)
EP-A-0497192号 (ロシュ)
US 5256657号 (スターリング)
WO 92/13831 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 92/22523 号 (リサーチ コーポレーション)
WO 93/09090 号 (山之内)
WO 93/09097 号 (三共)
WO 93/20047 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 93/24449 号 (セルテック)
WO 93/24475 号 (セルテック)
EP-A-0574758号 (ロシュ)
EP-A-0575844号 (ロシュ)
WO 94/02446 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 94/02447 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 94/21612 号 (大塚)
WO 94/21625 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 94/24140 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 94/25434 号 (セルテック)
WO 94/25435 号 (セルテック)
WO 95/04033 号 (セルテック)
WO 95/04735 号 (シンテックス)
WO 95/04715 号 (鐘紡)
WO 95/09841 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 95/12603 号 (シンテックス)
WO 95/19956 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 95/19957 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 95/19961 号 (ブリティッシュ バイオテク)
WO 95/19965 号 (グリコメド)
WO 95/23790 号 (SB)発明の要旨
興味ある下位分類のプソイドペプチドヒドロキサム酸およびカルボン酸に基づ
くMMP 阻害剤は、式(A)のR1置換基としてヒドロキシ基を有する。これらのヒド
ロキシ基置換化合物は、当該化合物に関した文献(例えば、WO 94/02446 号、WO
94/02447 号、WO 95/19956 号およびWO 95/19961 号参照)に記載されている多
工程の合成により入手可能である。しかしながら、公知の合成法は最適ではなく
、これらの化合物をより効果的および/または立体選択的に入手可能にするよう
な新規合成ルートが引き続き必要となる。この発明は、ラクトンとαアミノ酸誘
導体との反応により中間体を得、この中間体は、さらに化学的に操作されて所望
の化合物、例えば上記のタイプ(A)[式中、R1はヒドロキシ、R1-R5は上記の特許
公報類に開示されたタイプ(A)のヒドロキサム酸およびカルボン酸に基づくMMP
阻害剤に用い得ることが知られている様々な置換基]を得る方法を提供する。発明の詳細な説明
この発明によれば、式(I)の化合物:
[式中、R1は(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、フェ
ニル(C1-C6)アルキル、フェニル(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、フェノキ
シ(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C1-C6)
アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヘテロアリールオキシ(C1-C6)アルキル、シクロア
ルキル(C1-C6)アルキルまたはシクロアルケニル(C1-C6)アルキル基であり、その
いずれか1つが(C1-C6)アルキル、-O(C1-C6)アルキル、-S(C1-C6)アルキル、ハ
ロおよびシアノ(-CN)から選択される1以上の置換基で任意に置換されてもよく
;
R2は、いずれかの官能基が保護されていてもよい天然または非天然のαアミノ酸
の特徴的な基であり;
R3は、水素または(C1-C6)アルキル基であり;
R4は、水素;(C1-C6)アルキル;(C1-C4)ペルフルオロアルキル;基D-(C1-C6アル
キル)-[ここで、D はヒドロキシ、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキルチオ、
アシルアミノ、任意に置換されたフェニルもしくはヘテロアリール、-NH2、また
はモノ−もしくはジ−(C1-C6アルキル)アミノを表わす];また
はフェニルもしくはヘテロアリール環[ここで、いずれかの環窒素原子がN-オキ
シドとして酸化されていてもよく、その環は任意にベンゼン環またはヘテロ環に
縮合していてもよく、いずれの環も任意に
(a) ヒドロキシ、ハロゲン、-CN 、-CO2H 、-CO2(C1-C6)アルキル、-(C1-C6)
アルキル-CO2(C1-C6)アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6)アルキル、-CON((C1-C6)
アルキル)2、-CHO、-CH2OH、-(C1-C4)ペルフルオロアルキル、-O(C1-C6)アルキ
ル、-S(C1-C6)アルキル、-SO(C1-C6)アルキル、-SO2(C1-C6)アルキル、-NO2、-N
H2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2または-NHCO(C1-C6)アルキルか
ら独立して選択される一以上の置換基または
(b) (C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C8)シク
ロアルキル、(C4-C8)シクロアルケニル、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール
またはヘテロアリールメチルから選ばれる基[いずれの基もハロゲン、ヒドロキ
シ、アミノ、カルボキシ、(C1-C4)ペルフルオロアルキル、(C1-C6)アルキル、-O
(C1-C6)アルキルまたは-S(C1-C6)アルキルからから選択される1以上の置換基で
任意に置換されてもよい]
で置換されていてもよい]であり;
X はカルボン酸基もしくはその塩、または保護されているカルボン酸基を表わす
]の製造法が提供され、
この方法は、式(II)の化合物:
[式中、R1、R2、R3およびR4は、式(I)に関して上に定義したとおりであり、X1
とX2はそれぞれ独立してカルボン酸基もしくはその塩または保護されたカルボン
酸基を表わし、脱離されない基X1またはX2は式(I)の所望の化合物中の基X に対
応する]から基X1およびX2の一つを脱離することからなる。
化合物(II)からの基X1またはX2の脱離(脱炭酸)は、式(II)の化合物を、好ま
しくは相溶性液体溶媒中で、加熱することにより達成される。反応の温度と時間
は一般に臨界的ではないが、反応成分が分解しそうな厳しい条件は避けられる。
一般に、20-60 ℃の反応温度と1-24時間の反応時間が適当である。
化合物(II)において基R1を有する炭素原子の立体化学的配置は、図示のとおり
Rである。この発明により、(II)を脱炭酸すると、優勢な立体異性体として、OH
基を有する炭素原子が図示のとおりSの配置を有している最終産物(I)になる。
式(I)の化合物[式中、X はカルボン酸基またはその塩]は、それ自身でMMP
阻害剤として、または例えばWO 94/02446 号およびWO 94/02447 号に記載のよう
に、対応するヒドロキサム酸への転換のための中間体として有用である。
この発明の脱炭酸反応に使用される式(II)の化合物は、好ましくは式(III)の
ラクトンと式(IV)のアミノ酸誘導体またはそ
の酸付加塩との反応により製造される。
[式中、R1、R2、R3およびR4、X1およびX2は式(II)に関して定義したとおりであ
る]
化合物(III)と(IV)の反応は、相溶性溶媒中好ましくは非プロトン性溶媒中で
行なわれる。もしアミン(IV)が酸付加塩として反応するときには、遊離した酸を
中和するために塩基が反応溶媒中に存在してもよい。反応の温度と時間は一般に
臨界的ではないが、反応成分または生成物が分解しそうな厳しい条件は避けられ
る。一般に、20-60 ℃の反応温度と1-24時間の反応時間が適当である。
ラクトン(III)においてR1基を有する炭素原子の立体化学的配置は図示のよう
にRである。アミノ酸誘導体(IV)においてR2基を有する炭素原子はS配置が好ま
しい。というのは最終生成物(I)のその炭素原子の好ましい立体配置が同様にS
だからである。その炭素原子の立体配置は、普通は(IV)と(III)の反応により影
響を受けないが、所望により、結果的に生じる炭素原子がR配置である化合物(I
I)は、溶解度差またはクロマトグラフィー技術により普通の方法で除去されても
よい。
化合物(II)または(III)中、基X 、X1およびX2は保護されたカルボン酸基であ
ってもよい。カルボン酸保護基は、例えばペプチド合成の分野から勿論よく知ら
れており、広く使用されているハンドブック「protective groups in Organic S
ynthesis(2nd Edition,T.W.Greene とP.G.M.Wuts,Wiley,New York 1991)」や他
の化学文献中のいたるところで論じられている。カルボン酸保護基の特別な例は
、アリル、tert- ブチルおよびベンジル基を含み、例えば4-メトキシベンジルま
たは2,4-ジメトキシベンジルのように、そのフェニル環が1以上のニトロまたは
メトキシ置換基で任意に置換されてもよい。カルボン酸保護基の個性に応じ、そ
の保護基は酸または塩基加水分解または水素添加により除去され得る。
ラクトン(III)とアミノ酸誘導体(IV)との反応において、もし基X1とX2の一つ
または各々が保護されたカルボン酸基であれば、そのときはラクトン(II)とアミ
ノ酸誘導体(IV)との反応の後、一つまたは各々の保護されたカルボン酸基は脱保
護されてもよく、その結果生じる一つまたは各々のX1とX2をカルボン酸基として
有する化合物(II)は、化合物(I)を製造するために脱炭酸されてもよい。
上記のように定義され、議論された式(II)および(III)の中間体は、それ自身
新規な構造であり、この発明のさらなる面をなす。
ここで使用される用語「(C1-C6)アルキル」または「低級アルキル」は、1か
ら6の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝
鎖状のアルキル部分を意味し、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピ
ル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチルおよびヘキシルを
含む。
用語「(C2-C6)アルケニル」は、EまたはZのどちらかの立体化学が適用できる
少なくとも1つの二重結合を有する2から6の炭素原子を有する直鎖状もしくは
分枝鎖状のアルケニル部分を意味する。この用語は、例えばビニル、アリル、1-
および2-ブテニルならびに2-メチル-2-プロペニルを含む。
用語「シクロアルキル」は、3から8の炭素原子を有する飽和脂肪族環部分を
意味し、例えばシクロヘキシル、シクロオクチル、シクロヘプチル、シクロペン
チル、シクロブチルおよびシクロプロピルを含む。
用語「シクロアルケニル」は、3から8の炭素原子を有する不飽和脂肪族環部
分を意味し、例えばシクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロヘプテニル、
シクロペンテニル、シクロブテニルおよびシクロプロペニルを含む。5から8の
炭素原子のシクロアルケニル環の場合、その環は1より多くの二重結合を含んで
いてもよい。
限定されない用語「ヘテロサイクリル」または「ヘテロサイクリック」は、(i
)S、NおよびOから選択される1以上のヘテロ原子を含み、かつ任意にベンゼン環
に縮合している 5〜7 員の複素環を意味し、例えば、ピロリル、フリル、チエニ
ル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、
ピリジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、モルホ
リニル、ピペラジニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、マレイミド、スクシ
ンイミド、フタルイミド、1,2-ジメチル-3,5-ジオキソ-1,2,4-トリアゾリジン-4
-イル、3-メチル-2,5-ジオキソ-1- イミダゾリジニルおよび3,4,4-トリメチル-2
,5-ジオキソ-1-イミダゾリジニルを含む。
限定されない用語「ヘテロアリール」は、5 〜7 員の置換または非置換の芳香
族複素環を意味する。
この明細書で特に断りがなければ、ここでいかなる部分にも適用される用語「
置換」は、そのそれぞれが個々に(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ヒドロ
キシ、メルカプト、(C1-C6)アルキルチオ、アミノ、ハロ(フッ素、塩素、臭素
およびヨウ素を含む)、ニトロ、トリフルオロメチル、-COOH、-CONH2、-CN 、-
COORAまたは-CONHRARA[ここでRAは(C1-C6)アルキル基または天然のαアミノ酸
残基である]である、4までの置換基で置換されていることを意味する。
用語「αアミノ酸の特徴的な基」は、αアミノ酸の-CH(NH2)(COOH)部分に結合
する特徴的な側鎖を意味する。天然のαアミノ酸は以下の:グリシン、アラニン
、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトフ
ァン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミ
ン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、グルタミン酸およびアスパラギン酸を含
む。
官能置換基、例えばアミノ、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、グアニジ
ル、イミダゾリルまたはインドリル基を特徴
的な側鎖に含む天然のαアミノ酸は、アルギニン、リジン、グルタミン酸、アス
パラギン酸、トリプトファン、ヒスチジン、セリン、スレオニン、チロシンおよ
びシステインを含む。式(II)または(III)の化合物におけるR2がこれら側鎖の1
つであるときに、官能置換基は任意に保護されていてもよい。
αアミノ酸の側鎖における官能置換基に関連して用いられるときの用語「保護
」は、実質的に非官能性のこのような置換基の誘導体を意味する。この意味で、
保護されたアミノ基はアミドおよびアシルアミノを含み、保護されたヒドロキシ
またはメルカプト基はエーテルおよびチオエーテルを含み、保護されたカルボキ
シル基はエステルを含み、そしてイミダゾリル、インドリルまたはグアニジル基
はt-ブトキシカルボニル誘導体として保護されていてもよい。これらはこの分野
で公知の多くの保護誘導体の単なる例にすぎず、他のものは当業者に公知である
だろう。
上述のとおり、この発明の方法と中間体は、X がカルボン酸基のときはMMP 阻
害剤であり、X が保護されたカルボン酸基のときは脱保護して対応するカルボン
酸MMP 阻害剤を製造することができる化合物(I)の製造に有用である。加えて、X
がカルボン酸基である化合物(I)は、公知の方法によりMMP 阻害剤でもある対応
するヒドロキサム酸へ転換され得る。それゆえ、化合物(II)と(III)における基R1
、R2、R3およびR4の個性は、所期のMMP 阻害剤最終産物の所期の構造に従って
、選択されることが好ましい。これらの基は、それ故、類似構造の公知MMP 阻
害剤の対応する位置に見られるものから選ばれてもよい。それゆえ:
R1基は例えば、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、
n-デシル、シクロヘキシルプロピル、フェニルプロピル、4-クロロフェニルプロ
ピル、4-メチルフェニルプロピル、4-メトキシフェニルプロピル、フェニルブチ
ル、プロピルオキシメチルおよびプロピルスルファニル、または特にイソブチル
であってもよく;
R2は例えば、基R7-(B)n-[ここで、n は0または1であり、B は2価の直鎖状ま
たは分枝鎖状の、飽和または不飽和の炭素数6以下の(1つのOまたはS原子に
より中断されていてもよい)炭化水素鎖を表わし、R7はCONHOH、カルボキシル、
エステル化またはアミド化されたカルボキシル、シクロアルキル、シクロアルケ
ニル、ヘテロサイクリル、フェニル、ナフチル、または置換されたフェニルもし
くはナフチル(ここで、置換基はフェニル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ベ
ンジルオキシ、またはR8-(C=O)-(C1-C6アルキル)-O-(ここでR8は、ヒドロキシ
、アミノ、またはアミド結合を介して結合したアミノ酸残基である)である)か
あるいはR7は水素(n=O のときを除く)];
-CH(C1-C4ペルフルオロアルキル)2;
-C(C1-C4ペルフルオロアルキル)3;または
-C(C1-C6アルキル)2R11またはα位が(C1-C6アルキル)もしくはR11で置換された
3から8員のシクロアルキル基[ここでR1 1
は-OH 、-SH 、ハロゲン、(C1-C4)ペルフルオロアルキル、-CH2OH、-CO2H 、-C
O2(C1-C6)アルキル、任意に置換されたフェニルまたは任意に置換されたヘテロ
アリール、-O(C1-C6アルキル)、-S(C1-C6アルキル)、-SO(C1-C6アルキル)、-SO2
(C1-C6アルキル)、-OPh、-OCH2Ph 、-SPh、-SOPh 、-SO2Ph、-SCH2Ph 、-SOCH2P
h、または-SO2CH2Ph 、シクロヘキシルメチルスルファニル、シクロヘキシルメ
チルスルフィニルまたはシクロヘキシルメチルスルフォニル(ここで前記のPh(
フェニル)またはシクロヘキシル基のいずれも例えば-OH または-O(C1-C6アルキ
ル)またはハロゲンで置換されてもよい)でもよく;
特定なR2基の例は、4-メトキシフェニルメチル、シクロヘキシルメチル、2-チエ
ニルメチル、(4- ヒドロキシカルボニルメトキシ)-フェニルメチル、(4- フェ
ニル)フェニルメチル、メトキシカルボニルエチル、N-ヒドロキシアミノカルボ
ニルエチル1,1-ジエチルプロピ-1- イル、1-シクロプロピル- エチル、アダマン
タ-1- イル、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロピ-2- イル、2-ヒドロキシプロピ
-2- イル、2-メルカプトプロピ-2- イル、2-メトキシプロピ-2- イル、2-カルボ
キシプロピ-2- イル、2-メトキシカルボニルプロピ-2- イル、2-(2- メトキシエ
トキシメトキシ)プロピ-2- イル、2-(テトラヒドロピラン-4- イル)プロピ-2-
イル、2-(テトラヒドロフラン-2- イル)プロピ-2- イル、1-ヒドロキシ- シ
クロペンチ-1- イル、2-(4- メトキシベンジルスルフィニル)プロピ-2- イル、2
-(4- メトキ
シベンジルスルフォニル)プロピ-2- イル、2-シクロヘキシルメチルスルファニ
ル- プロピ-2- イル、シクロヘキシルメチルスルフィニル- プロピ-2- イル、シ
クロヘキシルメチルスルファニル- プロピ-2- イル、ジフェニルメチルまたは2-
フェニルプロピ-2- イル;そして特にtert- ブチル、ベンジル、2-フルオロプロ
ピ-2- イル、2-メチルスルファニルプロピ-2- イル、2-メチルスルフィニル- プ
ロピ-2- イル、2-メチルスルホニルプロピ-2- イル、2-メルカプトプロピ-2- イ
ル、2-ベンジルスルファニル- プロピ-2- イル、2-ベンジルスルフィニルプロピ
-2- イル、シクロヘキシルメチルスルファニルプロピ-2- イルおよび2-(4- メト
キシベンジルスルフィニル)プロピ-2- イルが含まれる;
R3は、例えば水素またはメチルでよく;
R4は、水素、エチル、プロピル、n-ブチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロ
ピル、2,2-ジメチル-3- ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、メトキシエチ
ル、エトキシエチル、メトキシプロピル、2,2-ジメチル-3- メトキシプロピル、
2,2-ジメチル-3- エトキシプロピル、2-エチルチオエチル、2-アセトキシエチル
、N-アセチル- アミノエチル、3-(2- ピロリドン)プロピル、任意に置換された
フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチル;また
は任意に置換されたフェニル、ナフチル、フラニル、チエニル、ピロリニル、テ
トラヒドロフラニル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジア
ゾリル、ピリジニル、ピリジニルN-オキシド、
ピペラジニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピラジ
ニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ジチアニル、ベンゾ[b]チエニル、イソキ
サゾリルまたはキノリニル;特にメチル、t-ブチル、ベンジル、フェニル、3-メ
トキシフェニル、ピリジン-2- イル、ピリジン-3- イル、およびチアゾール-2-
イル、4,5-ジメチルチアゾール-2- イル、5-ブロモチアゾール-2- イル、4-エト
キシカルボニルメチル- チアゾール-2- イル、5-メチル-1,3,4- チアジアゾール
-2- イルまたは4-tert- ブチルチアゾール-2- イルでよい。
特に、この発明の方法は、化合物(I)[式中、R1はイソブチル、R2はtert- ブ
チルまたは2-メルカプト-2- メチルプロピル、R3は水素、そしてR4はメチルまた
は2-ピリジニル]、特にR2基を有する炭素原子がS立体配置である化合物の製造
に適している。
出発原料のラクトン(III)は、式(V)のコハク酸誘導体:
[置換基R1、X1およびX2は式(III)で定義したとおりである]を臭素で処理し、H
Br の脱離によりラクトン環を形成することにより製造され得る。
出発物質のアミノ酸誘導体(IV)は、公知物質であるかまたは
標準的な合成方法により入手できる。
以下の実施例はこの発明の方法の使用を示すものである。実施例1
MMP 阻害剤 3R-(2,2- ジメチル-1S-メチルカルバモイル- プロピルカルバモイ
ル)-2S- ヒドロキシ-5- メチル- ヘキサン酸(7)と3R-(2,2-ジメチル-1S-メチル
カルバモイル- プロピルカルバモイル)-2S- ヒドロキシ-5- メチル- ヘキサノヒ
ドロキサム酸(9)の製造工程1
3R- イソブチル-4- オキソ- オキセタン-2,2- ジカルボン酸ジベンジルエステル
(1)と2-ベンジルオキシカルボニル-2- ブロモ-3S-イソブチル- コハク酸-1- ベ
ンジルエステル(2)
水素化ナトリウム(2.0g 、50mmol,60% 分散)を2-ベンジルオキシカルボニル-
3R-イソブチル- コハク酸 1- ベンジルエステル(3)(10.0g 、25mmol)のテトラヒ
ドロフラン(100mL)溶液に0℃で加えた。1時間後、臭素(1.28mL 、25mmol)を滴
下した。橙色の反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を酢酸エチルと水
で分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発させて橙色の油
を得た。これをシリカ上に吸収させ、シリカのカラムクロマトグラフィーで、ヘ
キサン中0-10
0%酢酸エチルの勾配で溶出して精製した。適当な画分を蒸発させ、放置により固
化する無色の油としてラクトン(1)(7.67g、19.3mmol.77%);vmax(溶液)2965,18
48,1749,1499および1458cm-1;δH(CDCl3)0.80(3H,d,J=6.5Hz),0.83(3H,d,J=6.5H
z),1.44(2H,m),1.67(1H,m),4.34(1H,t,J=8.25Hz),5.26(4H,m)および7.35(10H,m)
;δc(CDCl3)167.7,165.0,164.6,134.3,134.1,128.8,128.6,128.6,128.2,68.5,68
.4,57.5,33.6,25.5,21.9,および 21.9;C23H24O6理論値 C:69.68,H:6.10,実験値
:69.69,H:6.08;
[α]D 20.0・C=+41.1°,(c=2,MeOH)
および黄色の油として臭化物(2)(1.35g、2.8mmol 、11%)を得た。vmax2958,1744
,1456 および 1232cm-1;δH(CDCl3)0.77(3H,d,J=6.4Hz),0.83(3H,d,J=6.6Hz),1.
61-1.83(3H,m),3.48(1H,m),5.17(4H,m)および7.32(10H,m); δc(CDCl3)177.1,16
5.7,165.3,134.4,134.3,128.5,128.2,128.1,68.9,68.7,63.0,50.5,39.0,26.3,23
.4および20.9.工程2
2-[1R-(2,2- ジメチル-1S-メチルカルバモイル- プロピルカルバモイル)-3-メチ
ル- ブチル]-2-ヒドロキシ- マロン酸ジベンジルエステル(5)方法1 テトラヒドロフラン(10mL)中の3R- イソブチル-4- オキソ- オキセタン-2,2-
ジカルボン酸ジベンジルエステル(1)(1.0g、2.52mmol)を2S- アミノ-3,3,N- ト
リメチル- ブチルアミド(4)(399mg 、2.77mmol)で処理し、この溶液を室温で7
日間熟成させた。この溶液を酢酸エチルと塩酸(1M)で分配した。有機
層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発させて白色の泡(1.32 g 、2.4mmol
、97%)を得た。δH(CDCl3)0.77(3H,d,J=6Hz),0.79(3H,d,J=6Hz),0.98(9H,s),1.
81-1.27(3H,m),2.76(3H,d,J=5.7Hz),3.50(1H,m),4.10(2H,m),5.00-5.28(4H,m),5
.72(1H,m),6.80(1H,d,J=9.3Hz)および7.29-7.32(10 H,m).
方法2
テトラヒドロフラン(10mL)中の3R- イソブチル-4- オキソ- オキセタン-2,2-
ジカルボン酸ジベンジルエステル(1)(2.48g 、6.26mmol)を2S- アミノ-3,3,N-
トリメチル- ブチルアミド(4)(992mg 、6.89mmol)で処理し、この溶液を室温で
一晩熟成させた。この溶液を酢酸エチルと塩酸(2M)で分配した。有機層をブライ
ンで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発させて白色の泡(3.13g 、92%)を得た。構造を
NMR により確認した。工程3
2-[1R-(2,2- ジメチル-1S-メチルカルバモイル- プロピルカルバモイル)-3-メチ
ル- ブチル]-2-ヒドロキシ- マロン酸(6)
2-[1R-(2,2- ジメチル-1S-メチルカルバモイル- プロピルカルバモイル)-3-メ
チル- ブチル]-2-ヒドロキシ- マロン酸ジベンジルエステル(5)(161mg、0.3mmol
)をエタノール(5mL)に溶解した。5%パラジウム炭素(16mg 、10重量%)を加え、混
合物を
常圧、室温で2時間水素添加した。触媒をキーゼルグール上でろ過し、溶媒を減
圧下に除去し、白色の固体として生成物(76mg 、0.21mmol、70% )を得た。δH(
d6-DMSO)0.65-0.73(6H,m),0.75(9H,s),1.0-1.5(3H,m),2.41(3H,d,J=6.0 Hz),2.9
5(1H,m),3.95(1H,d)および 7.63-7.80(2H,m).工程4
3R-(2,2-ジメチル-1S-メチルカルバモイル- プロピルカルバモイル)-2S- ヒドロ
キシ-5- メチルヘキサン酸(7)
ルート1
2-[1R-(2,2- ジメチル-1S-メチルカルバモイル- プロピルカルバモイル)-3-メ
チル- ブチル]-2-ヒドロキシ- マロン酸(6)(76mg 、0.21mmol)をトルエン(2mL)
中で2時間還流加熱した。トルエンをその後減圧下に除去し、白色の泡として生
成物(58mg 、0.18mmol,87%)を得た。δH(d6-DMSO)0.82(6H,m),0.88(9H,s),1.4(
1H,m),1.47(2H,m),2.54(3H,d,J=4.4 Hz),2.69(1H,m),3.90(1H,d,J=6.8Hz)および
4.00(1H,d,J=9.5Hz).ルート2
トルエン中の2-[1R-(2,2- ジメチル-1S-メチルカルバモイル- プロピルカルバ
モイル)-3-メチル- ブチル]-2-ヒドロキシ- マロン酸ジベンジルエステル(5)(82
0mg、1.5mmol)を5%パラジウム炭素(82mg 、10重量%)で処理し、60psi 、75℃で
一晩水素
添加した。反応混合物を冷却した。触媒をキーゼルグール上でろ過し、溶媒を減
圧下に除去し、無色のガラスとして生成物(443mg、1.4mmol 、93% )を得た。1H
NMRは上記のとおり。工程5
N1- ベンジルオキシ-N4-(2,2- ジメチル-1S-メチルカルバモイル- プロピル)-2S
- ヒドロキシ-3R-イソブチル- コハク酸アミド(8)
テトラヒドロフラン(4mL)と水(2mL)中の3R-(2,2-ジメチル-1S-メチルカルバモ
イル- プロピルカルバモイル)-2S- ヒドロキシ-5- メチルヘキサン酸(7)(443mg
、1.4mmol)を0-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(358mg、2.24mmol)と1-(3-
ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(579mg、2.94mmol)で
処理した。攪拌を室温で一晩続けた。溶媒を減圧下に除去した。生成物を酢酸エ
チルで抽出し、塩酸(1M)、炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、乾燥し
(MgSO4)、減圧下に蒸発して、淡黄色の泡(573mg、1.36mmol、97%)を得た。δH(d6
-DMSO)0.79(6H,m),0.89(9H,s),1.0-1.3(3H,m),2.55(3H,d,J=4.6Hz),2.71(1H,m)
3.75(1H,t,J=7.6Hz),4.17(1H,d,J=9.6Hz),4.78(2H,s),5.41(1H,d,J=7.5Hz),7.24
(5H,m),7.34(1H,d,J=9.4Hz)および 7.72(1H,m).工程6
3R-(2,2-ジメチル-1S-メチルカルバモイル- プロピルカルバモ
イル)-2S- ヒドロキシ-5- メチル- ヘキサノ- ヒドロキサム酸(9)
エタノール(10mL)中のN1- ベンジルオキシ-N4-(2,2- ジメチル-1S-メチルカル
バモイル- プロピル)-2S- ヒドロキシ-3R-イソブチル- コハク酸アミド(8)(573m
g、1.36mmol)を10% パラジウム炭素(57mg 、10重量%)で処理し、室温、常圧で2
日間水素添加した。触媒をキーゼルグール上でろ過し、溶媒を減圧下に除去し、
淡褐色の固体(419mg、1.26mmol、93% )を得た。δH(d6-DMSO)0.63(3H,m),0.72(9
H,s),1.25(3H,m),2.40(3H,d,J=4.5Hz),2.51(1H,m),3.70(1H,t),3.97(1H,d,J=9.4
Hz),5.37(1H,d),7.37(1H,d,J=9.4Hz)および 7.74(1H,m).実施例2
2S- アミノ-N- メチル-3-(4-ナフタレン-1- イル- フェニル)- プロピオンアミ
ド塩酸塩(13)
[1S- メチルカルバモイル-2-(4-ナフタレン-1- イル- フェニル)-エチル]カ
ルバミン酸 tert-ブチルエステル(14)(500mg 、1.28mmol)をエタノール(5mL)に
溶解した。塩化水素ガスを溶液中に10分間通気した。溶媒を減圧下に蒸発し、
黄色の
泡(473mg、1.39mmol、>100%)を得た。δH(CDCl3)2.70(3H,bs),3.4-3.6(3H,m),4.
80(1H,bs)および7.1-8.6(11H,m).
2-ヒドロキシ-2- {3-メチル-1R-[1S-メチルカルバモイル-2- (4- ナフタレン-1
- イル)-フェニル)-エチルカルバモイル]-ブチル}- マロン酸 ジベンジルエス
テル(12)
テトラヒドロフラン(5mL)中の3R- イソブチル-4- オキソ- オキセタン-2,2-
ジカルボン酸 ジベンジルエステル(1)(200mg 、0.5mmol)を2S- アミノ-N- メチ
ル-3-(4-ナフタレン-1- イル- フェニル)-プロピオンアミド塩酸塩(13)(187mg、
0.55mmol)と4-メチルモルフォリン(60 μL 、0.55mmol)で処理した。攪拌を室温
で一晩続けた。沈殿物が生成した。酢酸エチルと塩酸(2M)を加えた。有機層を分
離し、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発して淡緑色の油を得た。これを
シリカのカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン中0-100%酢酸エチルの勾配
で溶出して精製した。適当な画分を蒸発させ、1H NMRによると約13% のジアステ
レオマーを含んでいる無色の油として生成物(265mg、0.38mmol,76%)を得た。δH
(CDCl3)0.66(3H,d,J=6.6Hz),0.72(3H,d,J=6.4Hz),0.86(2H,m),1.53(1H,m,),2.7
4(3H,d,J=4.8Hz),3.00-3.45(3H,m),4.73(1H,m),5.09-5.29(4H,m),6.30(1H,m),6.
73(1H,d,J=8.0Hz),7.22-7.54(18H,m)および 7.84-792(3H,m).
実施例1の工程3と4の方法により、(12)はMMP 阻害剤、3R-[1S-メチルカル
バモイル-2-(4-ナフタレン-1- イル)-フェニル)-エチルカルバモイル]-2S- ヒド
ロキシ-5- メチル- ヘキサン酸へ転換され、これは次いで実施例1の工程5と6
の方法により、MMP 阻害剤、3R-[1S- メチルカルバモイル-2-(4-ナフタレン-1-
イル)-フェニル)-エチルカルバモイル]-2S- ヒドロキシ-5- メチル- ヘキサノ-
ヒドロキサム酸へ転換される。実施例3
2- {1R-[2,2-ジメチル-1S-(ピリジン-2- イルカルバモイル)- プロピルカルバ
モイル]-3-メチル- ブチル}-2- ヒドロキシ- マロン酸ジベンジルエステル(10)
テトラヒドロフラン(5mL)中の3R- イソブチル-4- オキソ- オキセタン-2,2-
ジカルボン酸ジベンジルエステル(1)(200mg 、0.5mmol)を2S- アミノ-3,3- ジメ
チル-N- ピリジン-2- イル- ブチルアミド(15)(114mg、0.55mmol)で処理した。
この溶液を室温で一晩熟成させた。反応混合物を酢酸エチルと塩酸(1M)で分配し
た。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発させて黄色の油
を得た。これをシリカのカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン中0-100%酢
酸エチルの勾配で溶
出して精製した。適当な画分を蒸発させ、白色の固体として生成物(255mg、0.44
mmol、89%)を得た。δH(CDCl3)0.74(6H,d,J=6.4Hz),1.03(9H,s),1.43-1.95(3H,m
),3.36(1H,dd,J=3.3,11.4Hz),4.63(1H,d),5.20-5.30(4H,m)7.17(1H,bt),7.20-7.
40(10H,m),7.75(1H,bt)および 8.32(2H,bt).
実施例1の工程3と4の方法により、(10)はMMP 阻害剤、3R- (2,2- ジメチル-1
S-ピリジン-2- イルカルバモイル- プロピルカルバモイル)-2S-ヒドロキシ-5-
メチル- ヘキサン酸へ転換され、これは次いで実施例1の工程5と6の方法によ
り、MMP 阻害剤、3R-(2,2-ジメチル-1S-ピリジン-2- イルカルバモイル- プロピ
ルカルバモイル)-2S-ヒドロキシ-5- メチル- ヘキサノヒドロキサム酸へ転換さ
れる。実施例4
2-ヒドロキシ-2-[3-メチル-1R-(1S-メチルカルバモイル-2- フェニル- エチルカ
ルバモイル)-ブチル]-マロン酸ジベンジルエステル(11)
テトラヒドロフラン(5mL)中の3R- イソブチル-4- オキソ- オキセタン-2,2-
ジカルボン酸ジベンジルエステル(1)(200mg 、0.5mmol)を2S- アミノ-N- メチル
-3- フェニル- プロピオンアミド(16)(90mg 、0.55mmol)で処理し、反応を室温
で18時間
熟成させた。反応を酢酸エチルと塩酸(1M)で分配した。有機層を分離し、ブライ
ンで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下に蒸発させた。粗生成物をシリカのカラム
クロマトグラフィーに付し、ヘキサン中0-100%酢酸エチルの勾配で溶出して精製
した。適当な画分を蒸発させ、無色の油として生成物(150mg、0.26mmol、52%)を
得た。δH(CDCl3)0.66(6H,m),0.80-1.45(3H,m),2.68(3H,d,J=4.8Hz),2.95-3.22(
3H,m),4.58(1H,m),5.03-5.27(4H,m),6.12(1H,m),6.60(1H,d,J=8.6Hz)および 7.1
6-7.38(15H,m).
実施例1の工程3と4の方法により、(11)はMMP 阻害剤、3R-[1S-メチルカルバ
モイル-2- フェニル)-エチルカルバモイル]-2S- ヒドロキシ-5- メチル- ヘキサ
ン酸へ転換され、これは次いで実施例1の工程5と6の方法により、MMP 阻害剤
、3R-[1S- メチルカルバモイル-2- フェニル)-エチルカルバモイル]-2S- ヒドロ
キシ-5- メチル- ヘキサノヒドロキサム酸へ転換される。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07D 305/12 C07D 305/12
// A61P 43/00 A61K 31/00 643D
A61K 31/165 31/165
31/4402 31/44 601
(72)発明者 ボウルズ ステファン アーサー
イギリス、オーエックス4 5エルワイ、
オックスフォード カウリー、ウオトリン
トン ロード(番地なし)ブリティッシュ
バイオテック ファーマシューティカル
ズ リミテッド