JP2000500748A - 興奮性アミノ酸誘導体 - Google Patents
興奮性アミノ酸誘導体Info
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Abstract
(57)【要約】
式(I):
[式中、XはO、NRa、S、SO、またはSO2を表し;そしてRは明細書に定義した通りである]の化合物;およびその無毒の代謝的に活性なエステルまたはアミド;およびその医薬的に許容され得る塩は、代謝調節型グルタメート受容体機能のモジュレーターとして有用である。
Description
【発明の詳細な説明】
興奮性アミノ酸誘導体
哺乳動物の中枢神経系(CNS)において、神経インパルスの伝達は、送出ニュ
ーロンにより放出される神経伝達物質と、受容ニューロン上の表面受容体との間
の相互作用により制御され、これが、この受容ニューロンの興奮を引き起こす。
CNSにおいて最も豊富な神経伝達物質であるL−グルタメートは、哺乳動物に
おける主要な興奮性経路を媒介し、興奮性アミノ酸(EAA)と呼ばれている。グ
ルタメートに応答する受容体は、興奮性アミノ酸受容体(EAA受容体)と呼ばれ
ている。WatkinsおよびEvans、Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.、21、
165(1981);Monaghan、Bridges、およびCotman、Ann.Rev.Pha
rmacol.Toxicol.、29、365(1989);Watkins、Krogsgaard−Lar
sen、およびHonore、Trans.Pharm.Sci.、11、25(1990)を参照
。興奮性アミノ酸は、生理的に大変重要なものであり、長期増強(学習および記
憶)、シナプス可塑性の発達、運動制御、呼吸、心臓血管調節、および知覚認知
といったような、様々な生理的プロセスにおける役目を果たす。
興奮性アミノ酸受容体は、2つの一般タイプに分類される。ニューロンの細胞
膜における陽イオンチャンネルの孔に直接関連付けられる(coupled)受容体は、
「イオンチャンネル型」と呼ばれている。このタイプの受容体は、少なくとも3
つのサブタイプに細分されており、これらは、選択的アゴニスト N−メチル−
D−アスパルテート(NMDA)、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソ
オキサゾール−4−プロピオン酸(AMPA)、およびカイニン酸(KA)の脱分極
作用により定義される。受容体のもう1つの一般タイプは、G−タンパク質また
は第二メッセンジャーにリンクしている「代謝調節型(metabotropic)」興奮性ア
ミノ酸受容体である。このもう1つのタイプは、ホスホイノシチド加水分解の増
進、ホスホリパーゼDの活性化、c−AMP形成における増加または減少、およ
びイオンチャンネル機能における変化をもたらす複合(multiple)第二メッセンジ
ャ
ーシステムに関連付けられる。SchoeppおよびConn、Trends in Pharmacol.
Sci.、14、13(1993)。受容体の両方のタイプとも、興奮性経路を介
しての正常なシナプス伝達を媒介するだけでなく、発達の間の、そして一生を通
してのシナプス結合の修飾に関与するらしい。Schoepp、Bockaert、およびSl
adeczek、Trends in Pharmacol.Sci.、11、508(1990);McDon
aldおよびJohnson、Brain Research Reviews、15、41(1990)。
興奮性アミノ酸受容体の過剰な、または不適当な刺激は、興奮毒性として知ら
れている機構を通じてのニューロン細胞損傷または損失をもたらす。このプロセ
スは、様々な条件でのニューロン変性を媒介することが提唱された。そのような
ニューロン変性の医学的重要性は、これらの変性神経学的プロセスの緩和を重要
な治療目標とする。
代謝調節型グルタメート受容体は、複合第二メッセンジャー経路にリンクして
いるグルタメート受容体の非常に異種なファミリーである。これらの受容体が機
能して、グルタメートのシナプス前放出、およびグルタメート興奮に対するニュ
ーロン細胞のシナプス後感受性を変化させる(modulate)。これらの受容体の機能
を変化させる化合物、特にグルタメートのアゴニストおよびアンタゴニストは、
急性および慢性神経変性状態の処置に、並びに抗精神病薬、鎮痙薬、鎮痛薬、抗
不安薬、抗うつ薬、および鎮吐薬として有用である。
本発明は、式:
[式中、
XはO、NRa、S、SO、またはSO2を表し;
Rは水素原子;(1−6C)アルキル基;(2−6C)アルケニル基;(2−6C)
アルキニル基;場合により置換されていることのある芳香族基;場合により置換
されていることのあるヘテロ芳香族基;非芳香族炭素環式基;非芳香族ヘテロ環
式基;1つもしくは2つの単環式芳香族もしくはヘテロ芳香族基と縮合している
非芳香族単環式炭素環式基;1つもしくは2つの単環式芳香族もしくはヘテロ芳
香族基と縮合している非芳香族単環式ヘテロ環式基;または場合により置換され
ていることのある芳香族基、場合により置換されていることのあるヘテロ芳香族
基、非芳香族炭素環式基、非芳香族ヘテロ環式基、1つもしくは2つの単環式芳
香族もしくはヘテロ芳香族基と縮合している非芳香族単環式炭素環式基、および
1つもしくは2つの単環式芳香族もしくはヘテロ芳香族基と縮合している非芳香
族単環式ヘテロ環式基から独立して選択される1つ、2つ、もしくは3つの基で
置換されている(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、もしくは(2−6
C)アルキニル基を表し;
Raは水素または式(CO)nRbの基を表し;
nは0または1であり;そして
RbはRに関して記載した通りである]
の化合物、またはその無毒の代謝的に活性なエステルもしくはアミド、またはそ
の医薬的に許容され得る塩を提供する。
式Iの化合物は、不斉炭素原子を少なくとも4個;シクロプロパン環中に3個
;そしてシクロペンタン環中に1個または2個含むことが分かるであろう。本発
明には、各々の個々のエナンチオマーおよびその混合物を含め、式Iの化合物の
全ての立体異性体型が含まれる。
好ましくは、式Iの化合物は、以下に示す立体配置を有する。
本明細書中で使用する(1−6C)アルキルという用語は、直鎖状または分枝鎖
状の基を意味する。(1−6C)アルキル基に関する意義の例には、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、およびイソブチルといったような(1−
4C)アルキルが含まれる。
(2−6C)アルケニルという用語には、アリルのような(2−4C)アルケニル
が含まれる。
(2−6C)アルキニルという用語には、プロピニルのような(2−4C)アルキ
ニルが含まれる。
ヘテロ芳香族基という用語には、酸素、硫黄、および窒素から選択される1〜
4個のヘテロ原子を含む芳香族5−6員環、並びにベンゼン環、または酸素、硫
黄、および窒素から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5−6員環と縮合し
ている、酸素、硫黄、および窒素から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5
−6員環からなる二環式基が含まれる。ヘテロ芳香族基の例は、フリル、チオフ
ェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミ
ダゾリル、ピリミジル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、およびインドリルである。
芳香族基という用語には、フェニル、およびナフチルのような多環式芳香族炭
素環式環が含まれる。
本明細書中で「場合により置換されていることのあるヘテロ芳香族または芳香
族基」という用語において使用する「場合により置換されていることのある」と
いう用語は、1つまたはそれ以上の置換基が存在していてもよいことを意味し、
該置換基は、式Iの化合物において存在する場合、式Iの化合物が代謝調節型グ
ルタメート受容体機能を変化させるのを妨げない原子および基から選択される。
場合により置換されていることのあるヘテロ芳香族または芳香族基において存
在し得る原子および基の例は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲノ、(1−
6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、カルボキシ
、(1−6C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、(1−6C)アルカノイルア
ミノ、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルスルホニルアミノ、
場合により置換されていることのあるフェニル、フェノキシ、フェニルチオ、フ
ェニルスルホニル、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ、(
1
−6C)フルオロアルキル、および(1−6C)フルオロアルコキシである。具体
的な意義の例は、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メ
チル、メトキシ、メチルチオ、カルボキシ、アセチルアミノ、メタンスルホニル
、ニトロ、アセチル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニルスルホニル、メタン
スルホニルアミノ、およびトリフルオロメチルである。
場合により置換されていることのある芳香族基に関する意義の例は、1−ナフ
チル、2−ナフチル、フェニル、2−ビフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェ
ニル、2−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェ
ニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、
2,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェ
ニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,4
−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフ
ェニル、3,5−ジクロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル
、4−ブロモフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチル
フェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニ
ル、2,3−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメト
キシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル
、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−フ
ルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチル−4−フル
オロフェニル、3−トリフルオロメチル−5−フルオロフェニル、2−フルオロ
−5−トリフルオロメチルフェニル、2−フェノキシフェニル、3−フェノキシ
フェニル、3−カルボキシフェニル、および4−カルボキシフェニルである。
「非芳香族炭素環式基」という用語には、単環式基、例えば、シクロプロピル
、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオ
クチル、シクロノニル、またはシクロデシルといったような(3−10C)シクロ
アルキル基、並びに1−アダマンチルまたは2−アダマンチル、1−デカリル、
2−デカリル、4a−デカリル、ビシクロ[3,3,0]オクチ−1−イル、−2−
イル、または−3−イル、ビシクロ[4,3,0]ノニ−1−イル、−2−イル、−
3
−イル、または−7−イル、ビシクロ[5,3,0]デシ−1−イル、−2−イル、
−3−イル、−4−イル、−8−イル、または−9−イル、およびビシクロ[3.
3.1]ノニ−1−イル、−2−イル、−3−イル、または−9−イルといったよ
うな縮合多環式基が含まれる。
「非芳香族ヘテロ環式基」という用語には、酸素、硫黄、および窒素から選択
される1個または2個のヘテロ原子を含む4−7員環、例えば、アゼチジニ−1
−イルもしくは−2−イル、ピロリジニ−1−イル、−2−イル、もしくは−3
−イル、ピペリジニ−1−イル、−2−イル、−3−イル、もしくは−4−イル
、ヘキサヒドロアゼピニ−1−イル、−2−イル、−3−イル、もしくは−4−
イル、オキセタニ−2−イルもしくは−3−イル、テトラヒドロフラニ−2−イ
ルもしくは−3−イル、テトラヒドロピラニ−2−イル、−3−イル、もしくは
−4−イル、ヘキサヒドロオキセピニ−2−イル、−3−イル、もしくは−4−
イル、チエタニ−2−イルもしくは−3−イル、テトラヒドロチオフェニ−2−
イルもしくは−3−イル、テトラヒドロチオピラニ−2−イル、−3−イル、も
しくは−4−イル、ヘキサヒドロチエピニ−2−イル、−3−イル、もしくは−
4−イル、ピペラジニ−1−イルもしくは−2−イル、モルホリニ−1−イル、
−2−イル、もしくは−3−イル、チオモルホリニ−1−イル、−2−イル、も
しくは−3−イル、テトラヒドロピリミジニ−1−イル、−2−イル、−4−イ
ル、もしくは−5−イル、イミダゾリニ−1−イル、−2−イル、もしくは−4
−イル、イミダゾリジニ−1−イル、−2−イル、もしくは−4−イル、オキサ
ゾリニ−2−イル、−3−イル、−4−イル、もしくは−5−イル、オキサゾリ
ジニ−2−イル、−3−イル、−4−イル、もしくは−5−イル、チアゾリニ−
2−イル、−3−イル、−4−イル、もしくは−5−イル、またはチアゾリジニ
−2−イル、−3−イル、−4−イル、もしくは−5−イルが含まれる。
「1つまたは2つの単環式芳香族またはヘテロ芳香族基と縮合している非芳香
族単環式炭素環式基」という用語には、インダニル、1,2,3,4−テトラヒド
ロナフチ−1−イルもしくは−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリニ
−5−イル、−6−イル、−7−イル、もしくは−8−イル、5,6,7,8−テ
トラヒドロイソキノリニ−5−イル、−6−イル、−7−イル、もしくは−8−
イル、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェニ−4−イル、−5−イル、
−6−イル、もしくは−7−イル、ジベンゾ[2,3,6,7]シクロヘプタニ−1
−イルもしくは−4−イル、ジベンゾ[2,3,6,7]シクロヘプテ−4−エニ−
1−イルもしくは−4−イル、または9−フルオレニルといったような、ベンゼ
ン環、または酸素、硫黄、および窒素から選択される1〜4個のヘテロ原子を含
む芳香族5−6員環と縮合している(3−10C)シクロアルキル基が含まれる。
「1つまたは2つの単環式芳香族またはヘテロ芳香族基と縮合している非芳香
族単環式ヘテロ環式基」という用語には、2,3−ジヒドロベンゾピラニ−2−
イル、−3−イル、もしくは−4−イル、キサンテニ−9−イル、1,2,3,4
−テトラヒドロキノリニ−1−イル、−2−イル、−3−イル、もしくは−4−
イル、9,10−ジヒドロアクリジニ−9−イルもしくは−10−イル、2,3−
ジヒドロベンゾチオピラニ−2−イル、−3−イル、もしくは−4−イル、また
はジベンゾチオピラニ−4−イルといったような、ベンゼン環、または酸素、硫
黄、および窒素から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む芳香族5−6員環と
縮合している、酸素、硫黄、および窒素から選択される1個または2個のヘテロ
原子を含む4−7員環が含まれる。
Rに関する意義の例は、それが場合により置換されていることのあるヘテロ芳
香族基を表す場合、2−ピリミジルである。
Rが場合により置換されていることのある芳香族基を表す場合、それは、置換
されていない、またはハロゲン、(1−4C)アルキル、および(1−4C)アルコ
キシから独立して選択される1つもしくは2つの置換基で置換されている2−ナ
フチル基またはフェニル基を表すのが好ましい。
Rに関する意義の例は、それが場合により置換されていることのある芳香族基
を表す場合、2−ナフチル、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフ
ェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、ペンタフルオロ
フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3
,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−
ブ
ロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル
、4−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メ
トキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、および4−トリフルオロメ
チルフェニルである。
Rに関する意義の例は、それが置換されている(1−6C)アルキル、(2−6
C)アルケニル、または(2−6C)アルキニル基を表す場合、置換されていない
、またはハロゲン、(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシ、およびフェニ
ルから独立して選択される1つもしくは2つの置換基でフェニルが置換されてい
るフェニル(1−4C)アルキル基およびジフェニル(1−4C)アルキルである。
とりわけ、Rは、フェニル環が置換されていない、または3−クロロ−4−フル
オロベンジル、4−フルオロベンジル、3−メチルベンジル、4−フルオロ−3
−メチルベンジル、2,3−ジフルオロベンジル、3,4−ジフルオロベンジル、
および3−クロロベンジルといったような、フェニル環がフルオロ、クロロ、メ
チル、イソプロピル、メトキシ、およびフェニルから独立して選択される1つも
しくは2つの置換基で置換されているベンジル基を表し得る。
Rに関する好ましい意義は、水素である。
Raに関する好ましい意義は、水素である。
好ましくは、XはOまたはSを表す。
具体的には、好ましい化合物は、1SR,4SR,5RS,6SR−4−アミノ
−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−4,6−ジカルボン酸、および1S
R,4SR,5RS,6SR−4−アミノ−2−チアビシクロ[3.1.0]ヘキサン
−4,6−ジカルボン酸である。(−)−1R,4R,5S,6R−4−アミノ−2−
オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−4,6−ジカルボン酸が特に好ましい。こ
れらの化合物は、cAMPにリンクしている代謝調節型グルタメート受容体での
、グルタメートの強力なアゴニストであることが見い出された。別の好ましい化
合物は、1SR,3RS,4SR,5RS,6SR−3−(3−クロロ−4−フルオ
ロ)ベンジル−4−アミノ−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−4,6−ジ
カルボン酸である。
本発明には、式Iの化合物の医薬的に許容され得る塩が含まれる。これらの塩
は、その分子の酸性または塩基性部分と結合して存在し得、酸付加塩、第一級、
第二級、第三級、もしくは第四級アンモニウム塩、アルカリ金属塩、またはアル
カリ土類金属塩として存在し得る。一般に、酸付加塩は、式Iの化合物と酸の反
応により製造される。アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩は、一般に、式
Iの化合物と所望の金属塩の水酸化物型の反応により製造される。
そのような塩を形成するために一般に使用される酸には、塩酸、臭化水素酸、
ヨウ化水素酸、硫酸、およびリン酸といったような無機酸、さらにはまた、パラ
トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホ
ン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、および酢酸といったような有機酸
、並びに関連のある無機酸および有機酸が含まれる。従って、そのような医薬的
に許容され得る塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩
、リン酸塩、アンモニウム、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、
ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸
塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタ
ン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩
、セバシン酸塩、フマル酸塩、馬尿酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキサン−
1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ
安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホ
ン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フ
ェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、α−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、
マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタ
レン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩、マグ
ネシウム、テトラメチルアンモニウム、カリウム、トリメチルアンモニウム、ナ
トリウム、メチルアンモニウム、カルシウム等の塩が含まれる。
式Iの化合物の、無毒の代謝的に活性なエステルおよびアミドは、インビボに
おいて加水分解されて、式Iの該化合物、および医薬的に許容され得るアルコー
ルまたはアミンを与える、式Iの化合物のエステルまたはアミド誘導体である。
代謝的に活性なエステルの例には、アルカノール部分が場合により(1−8C)ア
ルコキシ基で置換されていることのある(1−6C)アルカノール、例えば、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、およびメトキシエタノールと形成されるエ
ステルが含まれる。代謝的に活性なアミドの例には、メチルアミンのようなアミ
ンと形成されるアミドが含まれる。
別の態様により、本発明は、式Iの化合物の製造方法であって、
(a)式:
[式中、
R1は水素原子またはアシル基を表し;そして
R2はカルボキシル基またはエステル化されているカルボキシル基を表す]
の化合物、またはその塩を加水分解し;
(b)式:
[式中、
R3はカルボキシル基またはエステル化されているカルボキシル基を表し;そ
して
R4およびR5は各々独立して、水素原子、(2−6C)アルカノイル基、(1−
4C)アルキル基、(3−4C)アルケニル基、またはフェニルが置換されていな
い、もしくはフェニルがハロゲン、(1−4C)アルキル、もしくは(1−4C)ア
ルコキシで置換されているフェニル(1−4C)アルキル基を表す]
の化合物、またはその塩を加水分解し;または
(c)式:
[式中、
R6は水素原子または窒素保護基を表し;そして
R7およびR8は各々独立して、水素原子またはカルボキシル保護基を表す]
の化合物、またはその塩を脱保護し;
その後、必要および/または所望ならば、
(i)式Iの化合物を分割し;
(ii)式Iの化合物を、その無毒の代謝的に活性なエステルまたはアミドに転換
し;および/または
(iii)式Iの化合物、またはその無毒の代謝的に活性なエステルもしくはアミ
ドを、その医薬的に許容され得る塩に転換する;
ことを含んでなる方法を提供する。
カルボン酸およびアミン基の保護は、一般に、McOmie、Protecting Group
s in Organic Chemistry、Plenum Press、NY、1973、およびGreene
およびWuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、第2版、John
Wiley & Sons、NY、1991に記載されている。カルボキシ保護基の例に
は、メチル、エチル、t−ブチル、およびt−アミルといったようなアルキル基;
ベンジル、4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベ
ンジル、2,4−ジメトキシベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、2,4
,
6−トリメチルベンジル、ベンズヒドリル、およびトリチルといったようなアル
アルキル基;トリメチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリルといったような
シリル基;並びにアリルおよび1−(トリメチルシリルメチル)プロペ−1−エニ
−3−イルといったようなアリル基が含まれる。アミン保護基の例には、式R11
CO[式中、R11は(1−6C)アルキル、(3−10C)シクロアルキル、フェニ
ル(1−6C)アルキル、フェニル、(1−6C)アルコキシ、フェニル(1−6C)
アルコキシ、または(3−10C)シクロアルコキシを表す(ここで、フェニル基
は、場合により、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲノ、(1−6C)アルキル
、(1−6C)アルコキシ、カルボキシ、(1−6C)アルコキシカルボニル、カル
バモイル、(1−6C)アルカノイルアミノ、(1−6C)アルキルスルホニルアミ
ノ、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ、および(1−6C)
フルオロアルキルから独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されて
いることがある)]の基のようなアシル基が含まれる。
式IIの化合物を、便利には、塩酸もしくは硫酸といったような酸、またはアル
カリ金属の水酸化物、例えば、水酸化ナトリウムのような塩基の存在下に加水分
解する。その加水分解は、便利には、水のような水性溶媒中、50〜200℃の
範囲内の温度で行う。
式IIIの化合物を、便利には、塩基、例えば、水酸化リチウム、ナトリウム、
もしくはカリウムといったようなアルカリ金属の水酸化物、または水酸化バリウ
ムのようなアルカリ土類金属の水酸化物の存在下に加水分解する。適当な反応媒
体には、水が含まれる。その温度は、便利には、50〜150℃の範囲内である
。
R1に関する好ましい意義は、水素、およびアセチルのような(2−6C)アル
カノイル基である。
R2に関する好ましい意義は、それがエステル化されているカルボキシル基を
表す場合、エトキシカルボニルのような(1−6C)アルコキシカルボニル基であ
る。
式IVの化合物は、従来の方法により脱保護することができる。従って、アルキ
ルカルボキシル保護基は、加水分解により除去することができる。その加水分解
は、便利には、式Vの化合物を、塩基、例えば、水酸化リチウム、ナトリウム、
もしくはカリウムといったようなアルカリ金属の水酸化物、または水酸化バリウ
ムのようなアルカリ土類金属の水酸化物、または塩酸のような酸の存在下に加熱
することにより行うことができる。その加水分解は、便利には、10〜300℃
の範囲内の温度で行う。アルアルキルカルボキシル保護基は、便利には、水素化
により除去することができる。その水素化は、便利には、VIII族の金属触媒、例
えば、炭素に担持させたパラジウムのようなパラジウム触媒の存在下、式Vの化
合物を水素と反応させることにより行い得る。その反応に適当な溶媒には、エタ
ノールのようなアルコールが含まれる。その反応は、便利には、0〜100℃の
範囲内の温度で行う。アシル、アミン保護基もまた、便利には、例えば、アルキ
ルカルボキシル保護基の除去に関して記載したように、加水分解により除去する
。
式IIの化合物は、式V:
の化合物を、便利には、超音波の存在下、シアン化リチウム、ナトリウム、また
はカリウムといったようなアルカリ金属のシアン化物、および塩化アンモニウム
のようなアンモニウムのハロゲン化物と反応させることにより製造することがで
きる。従って、そのアンモニウムのハロゲン化物を、アセトニトリルのような適
当な希釈剤の存在下、クロマトグラフィーグレードのアルミナと混合する。次い
で、その混合物を超音波で照射し、その後、式Vの化合物を加えて、その混合物
を再び照射する。次いで、アルカリ金属のシアン化物を加え、続いて、超音波で
さらに照射する。
次いで、その結果得られたジアステレオ異性のアミノニトリルの混合物を、適
当な塩基、例えば、エチルジイソプロピルアミンのようなアミンの存在下、およ
びジクロロメタンのような適当な溶媒の存在下、塩化アセチルのようなアシル化
剤と反応させて、ジアステレオマーのアシルアミノニトリルの混合物を得る。所
望のジアステレオ異性体を、便利には、例えば、クロマトグラフィーにより、こ
の混合物から分離する。
式IIIの化合物は、式Vの化合物を、シアン化リチウム、ナトリウム、または
カリウムといったようなアルカリ金属のシアン化物、および炭酸アンモニウムま
たはカルバミン酸アンモニウムと反応させることにより製造することができる。
便利な溶媒には、メタノール、水性メタノール、および水性エタノールといった
ようなアルコールが含まれる。便利には、その反応は、10〜150℃の範囲内
の温度で行う。所望ならば、次いで、例えば、式R4Clおよび/またはR5Clの
適当な化合物を使用して、式IIIの化合物をアルキル化することができる。
式IIIの化合物は、便利には、加水分解前に分割することができる。従って、
例えば、R2がカルボキシル基を表す式IIIの化合物は、(R)−2−フェニルグリ
シノールのような光学活性アミンでの処置により分割することができる。
XがOを表す式Vの化合物は、式:
[式中、Zは脱離原子または基、例えば、ヨウ素原子を表す]
の化合物を環化することにより製造することができる。その反応は、便利には、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンのような塩基の存在下に
行う。適当な溶媒には、テトラヒドロフランのようなエーテルが含まれる。その
温度は、便利には、0〜100℃の範囲内である。
式VIの化合物は、式:の化合物を酸化することにより製造することができる。その酸化は、便利には、
適当な従来の酸化方法を使用して、例えば、ジメチルスルホキシド中の塩化オキ
サリル、または(ただし、XがO、NRa、もしくはSO2である場合には)硫酸中
の三酸化クロム(ジョーンズ試薬)を使用して行う。
式VIaの化合物は、J.Amer.Chem.Soc.、110(14)、1988、4
533−4540頁に記載されている方法により製造することができる。
式Vの化合物はまた、式:
の化合物を酸化することにより製造することもできる。その酸化は、便利には、
塩化オキサリルのような活性化剤の存在下、式VIIの化合物をジメチルスルホキ
シドと反応させ、続いて、トリエチルアミンのような塩基で処置することにより
行い得る。その反応は、便利には、−80〜−20℃の範囲内の温度で行う。
式VIIの化合物は、水酸化ナトリウムのような塩基、または5〜14のpH範囲
内の水性緩衝液の存在下、式:
の化合物を、ボランまたはテキシルボランといったようなヒドロホウ素化剤、続
いて、過酸化水素のような酸化剤と反応させることにより製造することができる
。その温度は、便利には、−20〜25℃の範囲内である。その反応は、一般に
、J.Am.Chem.Soc.、1986、108、2049およびJ.Am.Chem
.Soc.、1991、113、4037に記載されている方法により行われ得る
。
式IXの化合物は、ロジウムまたは銅触媒といったような遷移金属触媒の存在下
、式:
の化合物を、式 R2CN2の化合物と反応させることにより製造することができ
る。その反応は、一般に、J.Chem.Soc.Perkin Tran I、1979、2
624;Tetrahedron、1971、27、2957に記載されている方法により
行われ得る。Justus Liebigs Ann.Chem.1963、668、19;および
Tet.Let.1964、2185。
Rが(1−6C)アルキルまたは置換されている(1−6C)アルキル基を表す式
Vの化合物はまた、例えば、ピロリジンの存在下における適当なアルデヒドとの
反応、続いて、ラネーニッケルまたは炭素に担持させたパラジウムを触媒として
使用する、その結果得られたアルキリデン付加物の水素化により、Rが水素原子
を表す、対応する式Vの化合物から製造することもできる。
本明細書中に記載する中間体、例えば、式II、III、およびIVの化合物の多く
は、新規であると信じられ、本発明のさらなる態様として提供する。
本発明により投与する化合物の個々の用量は、勿論、投与される化合物、投与
経路、処置する個々の状態、および同様の考慮事項を含め、その症例を取り巻く
個々の状況により決定されるであろう。その化合物は、経口、直腸、経皮、皮下
、静脈内、筋肉内、または鼻腔内経路を含め、様々な経路により投与することが
できる。あるいはまた、その化合物を連続注入により投与してもよい。典型的な
1
日用量は、本発明の活性化合物を約0.01mg/kg〜約100mg/kg含むであろ
う。好ましくは、1日用量は、約0.05mg/kg〜約50mg/kg、さらに好まし
くは約0.1mg/kg〜約25mg/kgであろう。
様々な生理的機能は、興奮性アミノ酸伝達の過剰な、または不適当な刺激によ
り影響を受けることが示された。本発明の式Iの化合物は、心臓バイパス手術お
よび移植術後に起こる大脳欠損症、発作、脳虚血、脊髄損傷、頭部外傷、周産期
低酸素症、心拍停止、並びに低血糖ニューロン損傷といったような急性神経学的
障害を含め、この状態と関連のある、哺乳動物における様々な神経学的障害を処
置する能力を有すると信じられる。式Iの化合物は、アルツハイマー病、ハンテ
ィングトン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、AIDS誘発性痴呆、眼損傷および網
膜症、認識障害、並びに特発性および薬物誘発性パーキンソン病といったような
、様々な慢性神経学的障害を処置する能力を有すると信じられる。本発明はまた
、これらの障害を処置する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、
式Iの化合物、またはその医薬的に許容され得る代謝的に活性なエステルもしく
はアミド、またはその医薬的に許容され得る塩の有効量を投与することを含んで
なる方法も提供する。
本発明の式Iの化合物はまた、筋痙攣、痙攣、片頭痛、尿失禁、ニコチン禁断
症状、(精神分裂病のような)精神病、薬物耐性、禁断症状、および中止(すなわ
ち、アヘン製剤、ベンゾジアゼピン、ニコチン、コカイン、またはエタノール)
、喫煙中止、不安および関連のある障害(例えば、パニック発作およびストレス
に関連のある障害)、嘔吐、脳水腫、慢性疼痛、睡眠障害、ツレット症候群、注
意欠損障害、並びに晩期ジスキネジーを含め、グルタメート機能不全と関連のあ
る、哺乳動物における様々な他の神経学的障害を処置する能力をも有すると信じ
られる。式Iの化合物はまた、抗うつ薬および鎮痛薬としても有用である。従っ
て、本発明はまた、これらの障害を処置する方法であって、そのような処置を必
要とする患者に、式Iの化合物、またはその医薬的に許容され得る代謝的に活性
なエステルもしくはアミド、またはその医薬的に許容され得る塩の有効量を投与
することを含んでなる方法も提供する。
実験を行って、興奮性アミノ酸受容体に影響を及ぼす、式Iの化合物の能力を
実証した。代謝調節型グルタメート受容体に対する親和性を、ラット脳細胞膜に
結合する、1S,3R−ACPD−感受性[3H]グルタメートの選択的置換により
実証した。[3H]グルタメートの結合を、SchoeppおよびTrueにより記載されて
いるように、ラット前脳の粗膜で行った。SchoeppおよびTrue、Neuroscience
Lett.、145、100−104(1992)並びにWrightら、J.Neuroch
emistry、63、938−945(1994)。例えば、実施例1の化合物は、
この試験において0.055μMのIC50を有することが見い出された。
細胞内第二メッセンジャーにおける受容体を媒介とする変化の研究に基づいて
、代謝調節型グルタメート受容体は、ホスホイノシチド加水分解の増進、または
ホルスコリンが刺激するc−AMP形成における減少のいずれかに関連付けられ
る。D.D.SchoeppおよびB.G.Johnson、Neurochemistry Internation
al、22、277−283(1993)に記載されているラット海馬の切片、並
びにヒトmGluR2を発現する非ニューロン細胞(D.D.Schoeppら、Neuroph
armacology、34、843−850(1995))を使用して、化合物をまた、mG
luRアゴニスト(1S,3R−ACPD、20μM)により、ホルスコリン(30μ
M)が刺激するc−AMP形成の阻害を防ぐ能力に関しても試験することができる
。
別の態様により、本発明は、温血哺乳動物における1つまたはそれ以上の代謝
調節型グルタメート受容体機能を変化させる方法であって、式Iの化合物、また
はその無毒の代謝的に活性なエステルもしくはアミド、またはその医薬的に許容
され得る塩の効果発現量を投与することを含んでなる方法を提供する。
本発明の化合物は、投与前に製剤化するのが好ましい。従って、本発明の別の
態様は、式Iの化合物、および医薬的に許容され得る担体、希釈剤、または賦形
剤を含んでなる医薬品製剤である。本発明の医薬品製剤は、周知かつ容易に入手
できる成分を使用して、既知の方法により製造する。本発明の組成物を製造する
際には、活性成分を、通常、担体と混合するか、または担体で希釈するか、また
は担体内に充填して、カプセル、サシェ、紙、または他の容器の形態になり得る
であろう。担体が希釈剤として働く場合、それは、活性成分に対してビヒクル、
賦形剤、または媒体として働く、固体、半固体、または液体の物質であり得る。
その組成物は、錠剤、丸剤、粉末剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキ
シル剤、懸濁液剤、エマルション剤、溶液剤、シロップ剤、エアゾール剤、例え
ば、活性成分を10重量%まで含む軟膏剤、軟ゼラチンカプセル剤および硬ゼラ
チンカプセル剤、坐剤、無菌注射用溶液剤、並びに無菌包装粉末剤の形態にする
ことができる。
適当な担体、賦形剤、および希釈剤の幾つかの例には、ラクトース、デキスト
ロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、ゴム、アラビア
ゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カル
シウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、シロップ水、
メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびプロピル、タルク、ステア
リン酸マグネシウム、並びに鉱油が含まれる。その製剤には、加えて、滑沢剤、
湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、保存剤、甘味料、または香料が含まれ得る。本
発明の組成物は、当業界で周知の方法を利用することにより、患者に投与した後
、活性成分を即座に、持続的に、または遅延して放出するよう製剤化してもよい
。
その組成物は、単位用量形態で製剤化するのが好ましく、各々の用量は、活性
成分を約5mg〜約500mg、さらに好ましくは約25mg〜約300mg含む。「単
位用量形態」という用語は、ヒト被験者および他の哺乳動物に対する単位的用量
として適当な、物理的に独立した単位をいい、各々の単位は、所望の治療効果を
もたらすよう計算された、予め決定されている量の活性物質を、適当な医薬品担
体、希釈剤、または賦形剤と共に含む。次の製剤例は、単に説明するだけのもの
であって、本発明の範囲を何ら限定しようと意図するものではない。製剤例 1
次の成分を使用して、硬ゼラチンカプセル剤を製造する。 上記成分を混合し、硬ゼラチンカプセルに460mg量を充填する。
製剤例 2
以下の成分を使用して、錠剤を製造する。
各成分を混合し、圧縮して、各々の重量が665mgである錠剤を成形する。
製剤例 3
次の成分を含むエアゾール溶液剤を製造する。
活性化合物をエタノールと混合して、その混合物をプロペラント22の一部に
加え、−30℃まで冷却して、充填装置へ移す。次いで、必要量をステンレス
スチール製の容器に入れ、残りのプロペラントで希釈する。次いで、その容器に
バルブ装置を取り付ける。
製剤例 4
活性成分を各々60mg含む錠剤を次のように製造する。
活性成分、デンプン、およびセルロースをNo.45メッシュ U.S.の篩にか
けて、完全に混合する。その結果得られた粉末とポリビニルピロリドンの溶液と
を混合した後、これをNo.14メッシュ U.S.の篩にかける。このようにして
製造した顆粒を50℃で乾燥させて、No.18メッシュ U.S.の篩にかける。
次いで、あらかじめNo.60メッシュ U.S.の篩にかけておいたカルボキシメ
チルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびタルクを顆粒に加
え、混合した後、これを打錠機で圧縮して、各々の重量が150mgである錠剤を
得る。製剤例 5
薬剤を各々80mg含むカプセル剤を次のように製造する。
活性成分、セルロース、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを混合し
、No.45メッシュ U.S.の篩にかけて、硬ゼラチンカプセルに200mg量を
充填する。
製造例 6
活性成分を各々225mg含む坐剤は、次のように製造することができる。
活性成分をNo.60メッシュ U.S.の篩にかけ、必要最小限の熱を使用して
、あらかじめ溶融しておいた飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁させる。次いで、そ
の混合物を呼称2g容量の坐薬型に流し込んで放冷する。製剤例 7
5ml用量につき、薬剤を各々50mg含む懸濁液剤を次のように製造する。
薬剤をNo.45メッシュ U.S.の篩にかけ、カルボキシメチルセルロースナ
トリウムおよびシロップと混合して、滑らかなペーストとする。安息香酸溶液、
香料、および着色料を少量の水で希釈して、撹拌しながら加える。次いで、十分
水を加えて、必要な容量とする。
製剤例 8
静脈内製剤は、次のように製造することができる。 次の実施例は、本発明を説明する。
次の略語を実施例において使用する:EtOAc、酢酸エチル;THF、テトラ
ヒドロフラン;EtOH、エタノール;TLC、薄層クロマトグラフィー;GC
、ガスクロマトグラフィー;HPLC、高圧液体クロマトグラフィー;m−CP
BA、m−クロロ過安息香酸;Et2O、ジエチルエーテル;DMSO、ジメチル
スルホキシド;DBU、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン
;MTBE、メチル t−ブチルエーテル;およびFDMS、フィールドディソー
プション質量分析法。
実施例 1 1SR,4SR,5RS,6SR−4−アミノ−2−オキサビシクロ− [ 3.1.0]ヘキサン−4,6−ジカルボン酸
(a)2SR−1,2−O−イソプロピリデン−ブタン−1,2,4−トリオール
アセトン(1L)中の1,2,4−ブタントリオール(53g、500mmol)の溶液
をp−トルエンスルホン酸一水和物(4.75g、25mmol)で一度に処理して、周
囲温度で一晩撹拌した。トリエチルアミン(2.5g、25mmol)を一度に加え、
その結果得られた反応混合物を減圧下に濃縮して、粗製の生成物を得た。HPL
C(10% EtOAc/ヘキサン−50% EtOAc/ヘキサン)によって精製する
ことにより、標記化合物73%(53.1g、363mmol)を得た。
FDMS:M++1=147。
元素分析(C7H14O3・0.5H2Oとして)
計算値:C 54.18;H 9.74。
実測値:C 54.50;H 9.56。
(b)5SR,E−5,6−O−イソプロピリデン−5,6−ジヒドロキシ−
2−ヘキセン酸エチル
CH2Cl2(1L)中の塩化オキサリル(48.32g、380.7mmol)の−78
℃の溶液に、DMSO(56.65g、725mmol)を滴加して、15分間撹拌し
た。その後、CH2Cl2(400ml)中の工程(a)の生成物(53g、362.6m
mol)の溶液を、反応温度が−60℃以下に維持される速度で滴加した。N,N−
ジイソプロピルエチルアミン(140.6g、1087mmol)を滴加し、その結果
得られたスラリーを2時間撹拌しながら周囲温度まで温めて、粗製のO−イソプ
ロピリデン−4−オキソ(SR)ブタン−1,2−ジオールを得た。その反応混合
物を0℃まで冷却し、(カルベトキシメチレン)トリフェニルホスホラン(252.
5g、725mmol)を一度に加えて、それを一晩撹拌しながら周囲温度まで温め
た。その反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、H2O、水性NaHSO4、お
よびブラインで連続的に洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下に濃縮して、粗製
の生成物を得た。その生成物をEt2O中でトリチュレートし、Ph3P=Oを濾過
によって除去し、濾液を減圧下に濃縮して、粗製の生成物を得た。HPLC(1
0% EtOAc/ヘキサン−50% EtOAc/ヘキサン)によって精製すること
により、Z異性体2%(1.52g、7.1mmol)および標記E異性体73%(56.
55g、264mmol)を得た。
Z異性体:FDMS:M++1=215。
元素分析(C11H18O4・0.25H2Oとして)
計算値:C 60.39;H 8.52。
実測値:C 60.49;H 8.28。
E異性体:FDMS:M++1=215。
元素分析(C11H18O4として)
計算値:C 61.66;H 8.47。
実測値:C 61.44;H 8.24。
(c)5SR,E−(SR,E)−5,6−ジヒドロキシ−2−ヘキセン酸エチル
THF(700ml)中の工程(b)の生成物(46.4g、216.6mmol)の溶液
を1N HCl(500ml)で一度に処理して、周囲温度で一晩撹拌した。EtOAc
およびNaClを加えて、その結果得られたスラリーを2時間激しく撹拌した。そ
の反応混合物を分液漏斗中で分配して、生成物をEtOAcで抽出した。有機物を
全て合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下に濃縮して、粗製
のジオールを得た。HPLC(25% EtOAc/ヘキサン−95% EtOAc/
ヘキサン)によって精製することにより、標記化合物81%(30.52g、17
5mmol)を得た。
FDMS:M++1=175。
元素分析(C8H14O4・0.25H2Oとして)
計算値:C 53.77;H 8.18。
実測値:C 53.88;H 7.95。
(d)2SR,4RS−2−[(4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−
イル)]−2−ヨード酢酸エチル
周囲温度で、ジエチルエーテル(1.5L)中の工程(c)の生成物(30.41
g、174.6mmol)の溶液を、NaHCO3(44.0g、524mmol)、次いで、
I2(100.8g、788mmol)で連続的に処理して、その結果得られた反応混合
物をTLCにより完了となるまで撹拌した。その反応混合物に、水性Na2S2O3
を加えて、生成物をEt2Oで抽出した。有機物を全て合わせ、Na2S2O3、H2
O、次いで、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下に濃縮して、粗
製の生成物を得た。HPLC(5% EtOAc/ヘキサン−50% EtOAc/ヘ
キサン)によって精製することにより、標記化合物55%(29.05g、97mmo
l)を得た。
FDMS:M++1=301。
元素分析(C8H13IO4・1.0H2Oとして)
計算値:C 30.21;H 4.75。
実測値:C 30.23;H 4.43。
(e)2SR−2−[(4−オキソテトラヒドロフラン−2−イル)]−
ヨード酢酸エチル
3Åの篩(sieves)を用いて、CH2Cl2(500ml)中の工程(d)の生成物(2
8.5g、95mmol)の溶液をピリジニウムクロロクロメート(91.5g、425
mmol)で一度に処理して、周囲温度で一晩撹拌した。その反応混合物をEt2Oで
希釈して、セライト(商標)を通して濾過した。濾液を1N HClで分配して、生
成物をEt2Oで抽出した。有機物を全て合わせ、1N HCl、およびブラインで
洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下に濃縮して、粗製の生成物を得た。HPL
C(10% EtOAc/ヘキサン−50% EtOAc/ヘキサン)によって精製する
ことにより、標記化合物63%(17.9g、60.1mmol)を得た。
FDMS:M+=298。
元素分析(C8H11IO4・0.5H2Oとして)
計算値:C 31.29;H 3.94。
実測値:C 31.16;H 3.75。
(f)1SR,5SR,6SR−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサノ−4−
オン−6−カルボン酸エチル
THF(50ml)中の工程(e)の生成物(5.25g、17.6mmol)の溶液を、
THF(10ml)中のDBU(2.82g、18.5mmol)の溶液の滴加により処理し
て、その結果得られた反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。その反応混合物
を減圧下に減少させ、Et2Oと1N HClとの間で分配して、生成物をEt2Oで
抽出した。有機物を全て合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧
下に濃縮して、粗製の生成物を得た。HPLC(10% EtOAc/ヘキサン−5
0% EtOAc/ヘキサン)によって精製することにより、標記化合物49%(1.
47g、8.63mmol)を得た。
FDMS:M+=170。
元素分析(C8H10O4・0.1H2Oとして)
計算値:C 55.88;H 5.98。
実測値:C 55.73;H 5.81。
(g)1SR,4SR,5RS,6SR−4−
(アミノベンジルオキシカルボニル)−2−オキサビシクロ[3.1.0]−
ヘキサン−4,6−ジカルボン酸ジエチル
EtOH:H2Oの1:1の混合物(合計体積50ml)中の工程(f)の生成物(
3.0g、17.6mmol)の溶液を、NH2CO2NH4(4.13g、52.9mmol)、
次いで、KCN(1.72g、26.4mmol)で連続的に処理して、55℃で40時
間温めた。その反応物に、NaOH(4.0g、100mmol)を一度に加えて、還流
下に48時間温めた。その反応混合物を減圧下に濃縮して、粗製のアミノ二酸を
H2O中で再構築した。水性成分をEt2O(3×)で洗浄し、0℃まで冷却して、
濃HClでpH=1に酸性とした。その水性成分をEt2O(3×)で洗浄し、NaH
CO3でpH=10に塩基性として、乾燥状態となるまで減圧下に濃縮した。固形
物質をTHF:H2Oの1:1の混合物(合計体積100ml)中で再構築し、ベン
ジルクロロホルメート(4.50g、26.4mmol)を滴加しながら0℃で撹拌して
、それを48時間撹拌しながら周囲温度まで温めた。その反応混合物を希釈して
、Et2Oで洗浄した。水層を濃HClでpH=1に酸性として、NaClとEtOAc
とで分配した。生成物をEtOAcで抽出し、MgSO4で乾燥させ、減圧下に濃縮
して、粗製のN−CBZ二酸を得た。この中間体をCH3CN中で再構築し、ト
リエチルアミン(5.6g、56mmol)、次いで、ヨードエタン(6.5g、42mmo
l)で連続的に処理して、50℃で48時間温めた。その反応混合物をEt2Oで希
釈して、1N HClで分配した。生成物をEt2Oで抽出し、ブラインで洗浄し、
MgSO4で乾燥させ、減圧下に濃縮して、粗製の生成物を得、これをHPLC(
10% EtOAc/ヘキサン−50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、標
記化合物18%(1.18g、3.13mmol)を得た。
FDMS:M+=377。
元素分析(C19H23NO7として)
計算値:C 60.47;H 6.14;N 3.71。
実測値:C 60.61;H 6.44;N 3.75。
(h)2N NaOH(20ml)中の工程(g)の生成物(0.71g、1.86mmol)
の溶液を還流下に3日間温めた。その反応混合物を分配して、EtOAcで洗浄し
た。その後、その結果得られた水性成分を6N HClで酸性として、EtOAcで
洗浄した。有機物を全て捨てた。水相を乾燥状態となるまで濃縮し、H2O中で
再構築して、そのpHを1N NaOHで14に調節した。その結果得られた固形
物質を濾過により除去して、濾液を減圧下に減少させた。そのpHを1N HCl
で2に調節し、Dowex(商標)50×8−100陽イオン交換樹脂に適用し、10
% ピリジン/H2Oで溶出して、標記化合物72%(0.25g、1.34mmol)を
得た。
融点 分解>200℃。
FDMS:M++1=188。
元素分析(C7H9NO5として)
計算値:C 44.92;H 4.85;N 7.48。
実測値:C 44.69;H 4.73;N 7.25。
実施例 2 1S,4S,5R,6S エナンチオマーおよび 1R,4R,5S,6R エナンチオマーの 4−アミノ−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−4,6−ジカルボン酸
(a)2SR−2−[(4−オキソテトラヒドロフラン−2−イル)]−
ヨード酢酸エチル
アセトン(500ml)中の実施例 1、工程(d)の生成物(34.0g、113m
mol)の0℃の溶液を、反応温度が15℃以下に維持される速度でのジョーンズ試
薬(225ml、450mmol)の滴加により処理した。添加が完了したら、その反応
物を3時間撹拌しながら周囲温度まで温めた。2−プロパノール(30ml)を滴加
して、その反応をクエンチした。その反応体積を減圧下に減少させて、生成物を
Et2Oで抽出した。有機物を全て合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4
)、調製用(preparation)HPLC(10% EtOAc/ヘキサン−50% EtO
Ac/ヘキサン)により精製して、標記化合物24.6g(82.5mmol、73%)を
得た。
FDMS:M+=298。
元素分析(C8H11IO4として)
計算値:C 32.24;H 3.72。
実測値:C 32.37;H 3.82。
(b)1SR,5SR,6SR−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサノ−4−
オン−6−カルボン酸エチル
EtOAc(1.5L)中の工程(a)の生成物(39.6g、133mmol)の10℃
の溶液をEtOAc(100ml)中のDBU(25.28g、166mmol)の溶液の滴
加により処理して、その反応がTLCおよびGCにより完了と判断されるまで、
その結果得られた反応混合物を10−15℃で撹拌した。その反応混合物を1N
HClで酸性として、生成物をEtOAcで抽出した。有機物を全て合わせ、Na2
S2O3、次いで、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下に濃縮して、
粗製の生成物を得た。HPLC(5% EtOAc/ヘキサン−50% EtOAc/
ヘキサン)によって精製することにより、標記化合物52%(14.7g、86.3
mmol)を得た。
FDMS:M+=170。
元素分析(C8H10O4・0.25H2Oとして)
計算値:C 55.01;H6.06。
実測値:C 55.32;H 5.76。
(c)1SR,4SR,5RS,6SR−(4−スピロ−5'−ヒダントイン)−
2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸エチル
周囲温度で、100% EtOH(100ml)およびH2O(40ml)中の工程(b
)から得られた生成物(14.0g、82mmol)の溶液を、(NH4)2CO3(16.0
g、
205mmol)、およびKCN(6.70g、103mmol)で連続的に処理して、35
℃で1時間温めた。その反応混合物を0℃まで冷却して、5N HClの滴加によ
り、生成物を溶液からpH=4で沈殿させた。固形物質を減圧濾過によって集め
、2−プロパノールで洗浄し、減圧下に80℃で乾燥させて、標記化合物12.
24g(51mmol、62%)を得た。
融点:161−163℃。
FDMS:M+=240。
元素分析(C10H12N2O5−0.60H2Oとして)
計算値:C 47.85;H 5.30;N 11.16。
実測値:C 47.53;H 4.89;N 10.91。
(d)1SR,4SR,5RS,6SR−4−(スピロ−5'−ヒダントイン)−
2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸
2N NaOH(70ml)中の工程(c)から得られた生成物(8.5g、35.4m
mol)の溶液を周囲温度で3時間撹拌した。その反応混合物を0℃まで冷却して、
濃HClの滴加により、生成物5.0g(23.6mmol、67%)を溶液からpH=1
で沈殿させた。水性濾液をNaClで飽和し、EtOAcで抽出して、所望の生成物
2.3g(10.8mmol、16%)をさらに得た。標記化合物の合わせた合計収量は
、7.3g(34.4mmol、97%)であった。
融点:258−261℃。
FDMS:M+1=213。
元素分析(C8H8N2O5として)
計算値:C 45.29;H 3.80;N 13.20。
実測値:C 45.00;H 3.65;N 12.99。
(e)1R,4R,5S,6R−(−)−4−(スピロ−5'−ヒダントイン)−2−
オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート
EtOH(2L)中の工程(d)に記載したように製造した化合物のラセミ混合
物(6.67g、31.4mmol)の65℃の溶液を、EtOH(500ml)中のR−(−
)−2−フェニルグリシノール(4.74g、34.5mmol)の溶液で処理して、そ
の結果得られた反応混合物を、溶解が起こるまで還流下に加熱した。その反応混
合物を一晩撹拌しながら周囲温度まで冷却した。生成物4.20g(12mmol)を
減圧濾過によって95%以上のeeで集めた。さらにもう一度EtOHから再結晶
化することにより、そのキラル塩3.83g(11mmol、35%)を、99.5%を
超えるeeで得た。
αD=−111°(c=0.1、H2O)。
融点:198−201℃。
元素分析(C16H19N3O6−0.5H2Oとして)
計算値:C 53.63;H 5.63;N 11.73。
実測値:C 53.67;H 5.60;N 11.65。
そのキラル塩(3.8g、10.9mmol)を、1N HCl、NaCl、およびEtOAc
の間で分配することにより遊離酸に転換した。有機相を分離し、MgSO4で乾燥
させ、減圧下に濃縮して、標記化合物2.15g(10.1mmol、93%)を、99
.5%を超えるeeで得た。
αD=−134°(c=0.01、MeOH)。
融点:260−262℃。
FDMS:M+1=213。
元素分析(C8H8N2O5として)
計算値:C 45.29;H 3.80;N 13.20。
実測値:C 45.48;H 4.04;N 13.13。
(f)1S,4S,5R,6S−(+)−4−(スピロ−5'−ヒダントイン)−2−
オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート
工程(e)から得られた母液を合わせて、減圧下に濃縮した。塩基付加塩を、
1N HCl、NaCl、およびEtOAcの間で分配することにより遊離酸に転換し
た。有機相を分離し、MgSO4で乾燥させ、減圧下に濃縮して、固形物質2.2
g(10.4mmol)を得た。この固形物質を熱EtOH(100ml)に溶解して、Et
OH(50ml)中のS−(+)−2−フェニルグリシノール(1.56g、11.4mmo
l)の溶液で処理した。最初に塩が沈殿した後、EtOH(50ml)をさらに加えて
、還流した。その溶液を周囲温度まで一晩冷却するにつれて、そのキラル塩が結
晶化して、2.4g(6.9mmol、66%)を、99.5%を超えるeeで得た。
αD=+103°(c=0.1、H2O)。
融点:217−220℃。
元素分析(C16H19N3O6−0.5H2Oとして)
計算値:C 53.63;H 5.63;N 11.73。
実測値:C 53.87;H 6.07;N 10.69。
そのキラル塩(2.3g、6.6mmol)を、1N HCl、NaCl、およびEtOAcの
間で分配することにより遊離酸に転換した。有機相を分離し、MgSO4で乾燥さ
せ、減圧下に濃縮して、標記化合物1.30g(6.1mmol、93%)を、99.5
%を超えるeeで得た。
αD=+128°(c=0.01、MeOH)。
融点:267−269℃。
FDMS:M++1=213。
元素分析(C8H8N2O5・0.4AcOHとして)
計算値:C 44.75;H 4.10;N 11.86。
実測値:C 44.50;H 4.06;N 12.11。
(g)1R,4R,5S,6R−(−)−4−アミノ−2−オキサビシクロ−
[3.1.0]ヘキサン−4,6−ジカルボン酸
2N NaOH(35ml)中の工程(e)の生成物(2.10g、10mmol)の溶液
を還流温度で一晩温めた。次いで、その反応混合物を0℃まで冷却し、6N H
ClでpH=1に酸性として、乾燥状態となるまで濃縮した。固形物質を、pH=
12で、H2O中で再構築し、Bio−Rad(商標)AG1−X8陰イオン交換樹脂
に適用し、3N AcOHで溶出して、標記化合物1.51g(8.07mmol、8
1%)を、99.5%を超えるeeで得た。
融点 >275℃(分解)。
αD=−63°(c=0.01、H2O)。
FDMS:M++1=188。
元素分析(C7H9NO5として)
計算値:C 44.93;H 4.85;N 7.48。
実測値:C 44.66;H 4.82;N 7.36。
(h)1S,4S,5R,6S−(+)−4−アミノ−2−オキサビシクロ−
[3.1.0]ヘキサン−4,6−ジカルボン酸
2N NaOH(15ml)中の工程(f)の生成物(1.2g、5.6mmol)の溶液0
を還流温度で一晩温めた。次いで、その反応混合物を0℃まで冷却し、6N H
ClでpH=1に酸性として、乾燥状態となるまで濃縮した。固形物質を、pH=
12で、H2O中で再構築し、Bio−Rad(商標)AG1−X8陰イオン交換樹脂
に適用し、3N AcOHで溶出して、標記化合物0.83g(4.40mmol、79
%)を、99.5%を超えるeeで得た。
融点 >275℃(分解)。
αD=+62°(c=0.01、H2O)。
FDMS:M++1=188。
元素分析(C7H9NO5−0.3H2Oとして)
計算値:C 43.66;H 5.03;N 7.27。
実測値:C 43.37;H 4.68;N 7.06。実施例 3 1R,4R,5S,6R−4−アミノ−2−オキサビシクロ[3.1.0]− ヘキサン−4,6−カルボン酸
(a)2S−1,2−O−イソプロピリデン−ブタン−1,2,4−トリオール
アセトン(500ml)中のS−(−)−1,2,4−ブタントリオール(25g、2
36mmol)の溶液をp−トルエンスルホン酸一水和物(1.80g、9.4mmol)で一
度に処理して、周囲温度で一晩撹拌した。トリエチルアミン(0.95g、9.4m
mol)を一度に加え、その結果得られた反応混合物を減圧下に濃縮して、粗製の生
成物を得た。HPLC(10% EtOAc/ヘキサン−90% EtOAc/ヘキサ
ン)によって精製することにより、標記化合物87%(29.88g、204mmol)
を得た。
αD=+2°(c=0.01、CH2Cl2)。
FDMS:M++1=147。
元素分析(C7H14O3・0.25H2Oとして)
計算値:C 55.79;H 9.70。
実測値:C 55.80;H 9.32。
(b)5S,E−5,6−O−イソプロピリデン−5,6−ジヒドロキシ−2−
ヘキセン酸エチル
CH2Cl2(1L)中のDMSO(31.75g、406mmol)の−78℃の溶液に
、塩化オキサリル(38.71g、305mmol)を、反応温度が−65℃以下に維
持される速度で滴加して、その後、さらに30分間撹拌した。この反応混合物に
、CH2Cl2(100ml)中の工程(a)の生成物(29.7g、203mmol)の溶液
を、反応温度が−60℃以下に維持される速度で滴加した。添加が完了したら、
その反応混合物を−78℃で6時間撹拌した。トリエチルアミン(101g、1
000mmol)を滴加して、その結果得られたスラリーを2時間撹拌しながら周囲
温度まで温めて、粗製のO−イソプロピリデン−4−オキソ(S)ブタン−1,2
−ジ
オールを得た。その反応混合物を0℃まで冷却し、(カルベトキシメチレン)トリ
フェニルホスホラン(88.4g、250mmol)を一度に加えて、それを一晩撹拌
しながら周囲温度まで温めた。その反応混合物を、H2O、水性NaHSO4、お
よびブラインで連続的に洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下に濃縮して、粗製
の生成物を得た。その生成物をEt2O(500ml)中でトリチュレートし、Ph3P
=Oを濾過によって除去し、濾液を減圧下に濃縮して、粗製の生成物を得た。H
PLC(10% EtOAc/ヘキサン)によって精製することにより、標記化合物
82%(35.55g、166mmol)を得た。
αD=−9°(c=0.01、CH2Cl2)。
αD=−11°(c=0.01、MeOH)。
FDMS:M+=214。
元素分析(C11H18O4として)
計算値:C 61.66;H 8.47。
実測値:C 61.53;H 8.17。
(c)5S,E−5,6−ジヒドロキシ−2−ヘキセン酸エチル
THF(330ml)中の工程(b)の生成物(35.4g、165mmol)の溶液を
1N HCl(330ml)で一度に処理して、周囲温度で一晩撹拌した。その反応物
のpHをNaHCO3で7に調節した後、EtOAcおよびNaClを加えて、その結
果得られたスラリーを1時間激しく撹拌した。その反応混合物を分液漏斗中で分
配して、生成物をEtOAcで抽出した。有機物を全て合わせ、ブラインで洗浄し
、MgSO4で乾燥させ、減圧下に濃縮して、粗製のジオールを得た。HPLC(
10% EtOAc/ヘキサン−90% EtOAc/ヘキサン)によって精製するこ
とにより、標記化合物86%(24.6g、141mmol)を得た。
αD=−6°(c=0.01、CH2Cl2)。
αD=−22°(c=0.01、MeOH)。
FDMS:M++1=175。
元素分析(C8H14O4・0.25H2Oとして)
計算値:C 53.77;H 8.18。
実測値:C 53.50;H 8.48。
(d)2R,4S−2−[(4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)]−
2−ヨード酢酸エチル
周囲温度で、ジエチルエーテル(1L)中の工程(c)の生成物(24.6g、14
1mmol)の溶液を、NaHCO3(35.6g、424mmol)、次いで、I2(80.7
g、635mmol)で連続的に処理して、その結果得られた反応混合物をTLCに
より完了となるまで撹拌した。その反応混合物に、固形のNa2S2O3を加えて、
変色が起こるまで激しく撹拌した。その反応混合物を水で分配して、生成物をE
t2Oで抽出した。有機物を全て合わせ、Na2S2O3、H2O、次いで、ブライン
で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下に濃縮して、粗製の生成物を得た。H
PLC(10% EtOAc/ヘキサン−50% EtOAc/ヘキサン)によって精
製することにより、標記化合物55%(23.51g、78.3mmol)を得た。
αD=+64°(c=0.01、CHCl3)。
FDMS:M+=300。
元素分析(C8H13IO4・0.5H2Oとして)
計算値:C 31.09;H 4.57。
実測値:C 30.89;H 4.48。
(e)2R−2−[(4−オキソテトラヒドロフラン−2−イル)]−
ヨード酢酸エチル
アセトン(500ml)中の工程(d)の生成物(23.3g、77.6mmol)の0℃
の溶液を、反応温度が10℃以下に維持される速度でのジョーンズ試薬(225m
l、450mmol)の滴加により処理した。添加が完了したら、その反応物を6時間
撹拌しながら周囲温度まで温めた。2−プロパノール(25ml)を滴加して、その
反応をクエンチした。その反応体積を減圧下に減少させて、生成物をEt2Oで抽
出した。有機物を全て合わせ、10% NaHCO3、H2O、およびブラインで洗
浄し、乾燥させ(MgSO4)、分取HPLC(10% EtOAc/ヘキサン−50%
EtOAc/ヘキサン)により精製して、標記化合物18.6g(62.3mmol、80
%)を得た。
αD=+65°(c=0.01、CHCl3)。
FDMS:M+=298。
元素分析(C8H11IO4として)
計算値:C 32.24;H 3.72。
実測値:C 32.48;H 3.62。
(f)1R,5R,6R−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサノ−4−オン−
6−カルボン酸エチル
EtOAc(750ml)中の工程(e)の生成物(18.45g、61.9mmol)の1
0℃の溶液を、EtOAc(75ml)中のDBU(11.78g、77.4mmol)の溶液
の滴加により処理して、その結果得られた反応混合物を11℃で1時間撹拌した
。その反応混合物を1N HClで酸性として、生成物をEtOAcで抽出した。有
機物を全て合わせ、Na2S2O3、次いで、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥さ
せ、減圧下に濃縮して、粗製の生成物を得た。HPLC(10% EtOAc/ヘキ
サン−50% EtOAc/ヘキサン)によって精製することにより、標記化合物6
3%(6.62g、38.9mmol)を得た。
融点:88−89℃。
αD=+164°(c=0.01、CHCl3)。
FDMS:M++1=171。
元素分析(C8H10O4として)
計算値:C 56.47;H 5.92。
実測値:C 56.18;H 5.65。
(g)1R,4R,5S,6R−(4−スピロ−5'−ヒダントイン)−2−
オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸エチル
EtOH(25ml)およびH2O(10ml)中の工程(f)から得られた生成物(3.
0g、17.6mmol)の室温の溶液を、(NH4)2CO3(3.44g、44.1mmol)
、およびKCN(1.43g、22mmol)で連続的に処理して、35℃で1時間温
めた。その反応混合物のpHを5N HClで1に下げて、乾燥状態となるまで濃
縮した。生成物を2−プロパノール/H2O(10:1)から再結晶化し、濾過し
、減圧下に80℃で乾燥させて、標記化合物1.15g(4.8mmol、27%)を得
た。
融点:195−197℃。
αD=−128°(c=0.01、MeOH)。
FDMS:M+1=241。
元素分析(C10H12N2O5として)
計算値:C 50.00;H 5.04;N 11.66。
実測値:C 49.99;H 4.89;N 11.44。
(h)1R,4R,5S,6R−(4−スピロ−5'−ヒダントイン)−2−
オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート
1N NaOH(15ml)中の実施例 gの生成物(1.10g、4.58mmol)の溶
液を周囲温度で3時間撹拌した。その反応混合物を5N HClでpH=1に酸性
として、生成物をEtOAcで抽出した。有機物を全て合わせ、ブラインで洗浄し
、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、標記化合物0.94g(4.4mmol、97%)を
得た。
αD=−139°(c=0.01、MeOH)。
融点:268−270℃。
FDMS:M++1=213。
元素分析(C8H8N2O5−0.1H2Oとして)
計算値:C 44.91;H 3.86;N 13.09。
実測値:C 44.80;H 3.85;N 12.92。
(i)1R,4R,5S,6R−(−)−4−アミノ−2−オキサビシクロ−
[3.1.0]ヘキサン−4,6−ジカルボン酸
工程(h)から得られた生成物0.90g(4.2mmol)を利用して、実施例2g
から得られた化合物と同一の標記化合物を得た。
実施例 4 1SR,4RS,5RS,6RS−4−アミノ−2−チアビシクロ[3.1.0]− ヘキサン−4,6−ジカルボン酸
(a)(1SR,5RS,6RS)−[2−チアビシクロ[3.1.0]ヘキセ−3−
エン]カルボン酸エチル
チオフェン(100ml)中の[Rh(OAc)2]2の70℃の溶液に、チオフェン(2
0ml)中のジアゾ酢酸エチル(11.4g、100mmol)の溶液を滴加した。添加が
完了したら、その反応物を還流下に3時間温め、オレンジ色の油状物質となるま
で濃縮し、分取HPLC(10% EtOAc/ヘキサン)により精製して、標記化
合物6.51g(38%、38.2mmol)を得た。
FDMS:M+=170。
元素分析(C8H10O2Sとして)
計算値:C 56.45;H 5.92;S 18.84。
実測値:C 56.72;H 6.21;S 19.11。
(b)(1SR,4RS,5RS,6RS)−4−ヒドロキシ−[2−
チアビシクロ[3.1.0]ヘキサン]カルボン酸エチル
THF(25ml)中の工程(a)の生成物(0.90g、5.29mmol)の0℃の溶
液に、BH3・THFの溶液(1M、5.3mmol)を滴加して、その後、0℃で6時
間撹拌した。3N NaOH(5ml)、続いて、30% H2O2(1ml)を滴加した。
その結果得られた反応混合物を一晩撹拌しながら周囲温度まで温めた。その反応
物を飽和NaHCO3で分配して、生成物をEt2Oで抽出した。有機物を全て合わ
せ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、PC−TLC(10% EtOAc/
ヘキサン−50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、標記化合物0.48g(
48%、2.5mmol)を得た。
FDMS:M+=188。
元素分析(C8H12O3S・0.4H2Oとして)
計算値:C 49.16;H 6.60;S 16.40。
実測値:C 49.03;H 6.28;S 17.80。
(c)(1SR,5RS,6RS)−4−オキソ−[2−チアビシクロ[3.1.0]−
ヘキサン]カルボン酸エチル
CH2Cl2(400ml)中のDMSO(3.56g、45.6mmol)の−78℃の溶
液に、塩化オキサリル(4.35g、34.3mmol)を、反応温度が−65℃以下に
維持される速度で滴加した。添加が完了したら、その反応物を30分間平衡化し
、続いて、反応温度を−65℃以下に維持しながら、CH2Cl2(20ml)中の工
程(b)の生成物(4.31g、22.8mmol)の溶液を滴加した。その反応物を徐
々に−40℃まで温めて、この後、その反応物をもう一度−78℃まで冷却して
、トリエチルアミン(11.54g、114mmol)の滴加によりクエンチした。そ
の反応物を1N HClとNaClとで分配して、生成物をEt2Oで抽出した。有機
相を全て合わせ、H2O、およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、分取
HPLC(10% EtOAc/ヘキサン−50% EtOAc/ヘキサン)により精製
して、標記化合物3.20g(17.2mmol、75%)を得た。
融点:55−57℃。
FDMS:M+=186。
元素分析(C8H10O3Sとして)
計算値:C 51.60;H 5.41;S 17.23。
実測値:C 51.59;H 5.32;S 17.63。
(d)(1SR,4RS,5RS,6RS)−4−(スピロ−5'−ヒダントイン)−
[2−チアビシクロ[3.1.0]ヘキサン]カルボン酸エチル
周囲温度で、EtOH(25ml)およびH2O(10ml)中の工程(c)から得られ
た生成物(3.22g、17.3mmol)の溶液を、(NH4)2CO3(3.37g、43.
3mmol)、およびKCN(1.41g、21.6mmol)で連続的に処理して、その反
応がTLCにより完了と判断されるまで、35℃で温めた。その反応混合物を6
N HClで酸性とし、NaClで分配して、生成物をEtOAcで抽出した。有機物
を全て合わせ、乾燥させ(MgSO4)、2−プロパノールから再結晶化して、標記
化合物2.25g(8.8mmol、51%)を得た。
融点:197−200℃。
FDMS:M+=256。
元素分析(C10H12N2O4S・0.75IPAとして)
計算値:C 48.83;H 6.02;N 9.30。
実測値:C 48.75;H 6.07;N 8.94。
(e)(1SR,4RS,5RS,6RS)−4−アミノ−[2−チアビシクロ−
[3.1.0]ヘキサン]−4,6−ジカルボキシレート
2N NaOH(20ml)中の工程(d)から得られた生成物(0.85g、3.3
0mmol)の溶液を還流下に4日間温めた。次いで、その反応混合物を6N HCl
で酸性として、乾燥状態となるまで濃縮した。固形物質を、pH=11で、H2O
中で再構築し、Bio−Rad(商標)AG1−X8陰イオン交換樹脂に適用し、3N
AcOHで溶出して、乾燥状態となるまで濃縮した。生成物を熱H2O/2−プ
ロパノール混合物中でトリチュレートし、濾過して、標記化合物0.31g(46
%、1.5mmol)を得た。
融点 >250℃。
FDMS:M+=203。
元素分析(C7H9NO4S・0.5H2Oとして)
計算値:C 39.62;H 4.75;N 6.60;S 15.11。
実測値:C 39.81;H 4.48;N 6.69;S 14.27。実施例 5 1R,4R,5S,6R−4−アミノ−2−オキサビシクロ[3.1.0]−
ヘキサン−4,6−ジカルボン酸
(a)(1SR,5SR,6SR)−[2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキセ−3−
エン]カルボン酸エチル
フラン(250ml)中の[Rh(OAc)2]2の溶液に、10℃で撹拌しながら、フラ
ン(250ml)中のジアゾ酢酸エチル(100g)の溶液を約2〜2.5時間かけて
滴加した。その添加が約2/3進行した時点で、[Rh(OAc)2]20.1gをさら
に加えた。HPLC分析がジアゾ酢酸エチルの消費の完了を示した後、水(40
0ml)中のNaHSO3(200g)の溶液を加えて、その結果得られた二相混合物
を1〜2時間撹拌しながら周囲温度まで温めた。次いで、その反応混合物をMT
BG(500ml)で抽出して、有機相を水(400ml)および飽和NaCl(300ml)
で洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。次いで、溶媒を蒸発により除去し、そ
の結果得られた油状物質を減圧蒸留して(0.2mm Hgで45℃)、標記化合物(4
7−54g)を油状物質として得た。
(b)(1SR,4RS,5SR,6SR)−4−ヒドロキシ−[2−
オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン]カルボン酸エチル
乾燥フラスコ中、窒素下に0℃以下で、ボラン 硫化ジメチル複合体(10M、
21.2ml)に、THF中の2,3−ジメチル−2−ブテン(4M、53.0ml)の溶
液をシリンジによって加えることにより、テキシルボランの溶液を製造した。使
用する前に、その溶液を0℃未満で2時間撹拌した。
N2下、工程(a)の生成物(32.73g、212.30mmol)をTHF150m
lに溶解した。その結果得られた溶液を撹拌しながら−0.5℃まで冷却した。そ
の撹拌溶液を冷却しながら、そのシステムを排気して、N2で2回パージした。
温度を4.4℃未満に維持しながら、先に製造したテキシルボラン溶液を全部、
40分かけてカニューレによって加えた。0℃で2時間撹拌した後、30% H2
O287mlを70分かけて徐々に加えて、その温度を30℃未満で維持した。過
酸化物を加えた後、pH=7のリン酸緩衝液(1M KH2PO4および1M K2H
PO4中)15mlを加えて、周囲温度まで温めながら、その混合物を一晩(14時
間)撹拌した。その混合物を5℃未満に冷却して、飽和水性Na2S2O325mlを
徐々に加えた。次いで、EtOAc 75mlを加え、続いて、飽和水性Na2S2O3
75mlを徐々に加えた。次いで、また別に飽和水性Na2S2O340mlを徐々に加
えた。その混合物を15分間撹拌した後、EtOAc 75mlと飽和水性Na2S2O3
30mlとの間で分配した。水層をEtOAc 50mlで3回逆抽出した。合わせた
有機層をブライン30mlで洗浄して、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を除去して
、油状物質54.44gを得た。その油状物質を、3:2のヘキサン:EtOAc
で溶出する、フラッシュクロマトグラフフィー(シリカゲル370g、3:2の
ヘキサン:EtOAcで湿式充填した(wet packed))により精製して、標記化合物
31.72gを油状物質として得た。
(c)(1SR,5SR,6SR)−4−オキソ−[2−オキサビシクロ−
[3.1.0]ヘキサン]カルボン酸エチル
N2下、温度を−65℃以下に保ちながら、DMSO(28.74g、367.8
mmol)の溶液に、CH2Cl2(300ml)中の塩化オキサリル(25.70g、202
.44mmol)を35分かけて滴加した。その溶液を10分間撹拌して、−70℃ま
で冷却して戻した。その温度を−67℃で維持しながら、CH2Cl2100mlに
溶解した工程(b)の生成物31.68g(ポテンシー83%として補正すると、
26.29g、152.71mmol)の溶液を40分かけて滴加した。その温度を−
50℃以下に保ちながら、その混合物を5分間撹拌した後、トリエチルアミン6
2ml(45.01g、444.83mmol)を15分かけて滴加した。15分間撹拌し
た後、TLCが反応の完了を示して、その混合物を約−40℃まで温めた。その
混合物を濾過して、CH2Cl2300mlで洗浄した。濾液を1N HCl 150ml
で2回抽出した。水層をCH2Cl250mlで逆抽出した。合わせた有機層をブラ
イン75mlで洗浄して、Na2SO4で乾燥させた。大部分の溶媒を回転蒸発に
より除去して、液状物質44.36gが残った。種結晶を幾つか加え、フラスコ
をN2でガスシールして、周囲温度で30分間撹拌すると、希薄なスラリーが形
成された。室温のスラリーに、ヘキサン20mlを徐々に加えた。そのスラリーを
、周囲温度で90分、次いで、氷/NaCl/水浴中で3時間撹拌した。固形物質
を濾過し、5:1のヘキサン:EtOAc 25mlで洗浄し、減圧下に乾燥させて
、標記化合物(19.48g)を白色の結晶として得た。第2収量の結晶(2.28
g)を濾液から得た。
(d)(1SR,4SR,5RS,6SR)−4−(スピロ−5'−ヒダントイン)−
2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサンカルボン酸エチル
周囲温度で、メタノール25ml中の炭酸アンモニウム(5.65g、58.8mmo
l)、シアン化カリウム(2.01g、30.9mmol)のスラリーに、メタノール25
ml中の工程(c)の生成物(5.0g、29.4mmol)の溶液を加えた。その混合物
を周囲温度で撹拌して、HPLCによりモニターした。23時間後、その反応が
完了した。その混合物を水100mlで希釈し、冷却して、結晶種を入れた。pH
を6N 塩酸で9.6〜7.0に調節して、白色の固形物質を得た。そのスラリー
を0−5℃で1.5時間撹拌し、濾過して、冷水−メタノール(2:1)75mlで
洗浄した。その白色の固形物質を減圧下に40℃で乾燥させて、標記化合物(5.
55g、78.6%)を得た。生成物を1H NMRにより同定した。
(e)(1SR,4SR,5RS,6SR)−4−(スピロ−5'−ヒダントイン)−
2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサンカルボン酸
2N NaOH(63.2ml)中の工程(d)の生成物(7.59g、31.6mmol)
の溶液を周囲温度で30分間撹拌した。次いで、加水分解を12NH Cl(5.2
7ml、63.2mmol)の添加によりクエンチした。次いで、その反応混合物を0℃
で3時間撹拌した後、減圧濾過した。集めた固形物質を減圧下に50℃で一晩乾
燥させて、標記化合物(6.12g、91.3%)を得た。1
H NMR(DMSO−d6)δ:2.24(s,1H)、2.26(s,1H)、3.
35(d,1H,J=11Hz)、4.05(d,1H,J=11Hz)、4.39(d
,1H,J=5Hz)。13
C NMR(DMSO−d6)δ:22.14、30.75、65.74、68.3
2、70.61、156.32、171.11、175.63。
元素分析(C8H8N2O5として)
計算値:C 45.29;H 3.80;N 13.2。
実測値:C 45.02;H 3.75;N 12.92。
(f)1R,4R,5S,6R−(−)−4−スピロ−5'−ヒダントイン−2−
オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサンカルボン酸,(R)−(−)−2−
フェニルグリシノール塩
工程(e)の生成物(0.80g、3.8mmol)に、エタノール(20ml)および水
(4ml)中の(R)−(−)−フェニルグリシノール(0.52g、3.8mmol)を加えた
。その混合物を還流温度まで加熱し、水1mlをさらに加えて、均質な溶液を製造
した。還流温度で約30分後、その混合物を周囲温度まで冷却した。周囲温度で
一晩撹拌した後、その反応混合物を濾過し、冷たい、エタノールと水との25:
5の混合物1mlで洗浄し、減圧下に50℃で一晩乾燥させて、標記化合物(0.5
7g、43.3%)を白色の固形物質として得た。1
H NMR(DMSO−d6)δ:2.05(t,1H,J=3.3Hz)、2.20(
d,1H,J=3Hz)、3.30(d,1H,J=11Hz)、3.50(m,1H)
、3.55(m,1H)、4.0(d,1H,J=11Hz)、4.1(m,1H)、4.
18(d,1H,J=6Hz)、7.25(m,1H)、7.30(m,2H)、7.35
(m,2H)。
エナンチオマー過剰率は、HPLCにより98.8%であることが測定された。
(g)1R,4R,5S,6R−(−)−4−アミノ−2−オキサビシクロ−
[3.1.0]ヘキサン−4,6−ジカルボン酸
工程(f)の生成物(1.0g、2.86mmol)に、2M 水性水酸化ナトリウム
15ml(30mmol、10当量)を加えた。その溶液を還流温度で43時間加熱した
。その結果得られた混合物を周囲温度まで冷却した後、CH2Cl2(5×30ml)
で抽出した。水層をH2O 10mlで希釈して、3M HClでpH 2に酸性とした
。濁った混合物を濾過し、2M NaOHを使用して、そのpHを8に調節した後
、その溶液を週末にわたり放置した。この結果、残留するケイ酸からゲルの形成
が起こった。そのゲルを、中位の(medium)ガラスフリットを通しての濾過により
1時間かけて除去して、H2O 50mlで濯いだ。
イオン交換カラムをBio−Rad AG 1−X8、100−200メッシュ、酢
酸型、樹脂25gから調製した。脱イオンH2Oを使用して、その樹脂を重力フ
ローカラムに移し、1M NaOH(2×50ml)およびH2O(2×50ml、または
溶離液が中性となるまで)で引き続いて洗浄した。水性生成物溶液を50mlずつ
樹脂上に注いだ。そのカラムを、溶離液が中性となるまで、H2O(約100ml)
、1:1のTHF/H2O 70ml、およびH2O 100mlで引き続いて洗浄した
。生成物を酢酸とH2Oとの1:3の混合物120mlで溶出した。溶離液を全部
、1つのフラスコに集めて、白色の固形物質0.48gとなるまで蒸発させた。
その固形物質をH2O 5ml中でスラリー化して、粗い(coarse)ガラスフリット上
に集めた。そのフラスコをH2O(2×5ml)でさらに濯いで、これらの濯ぎ液を
使用して、集めた固形物質を洗浄した。減圧下に70℃で18時間乾燥させた後
、標記化合物(0.33g、62%)を白色の固形物質として得た。その構造を1H
NMRおよび分析により確認した。
実施例 6 1SR,4RS,5RS,6RS−4−アミノ−(2−スルホニルビシクロ− [ 3.1.0]ヘキサン)−4,6−ジカルボン酸
(a)(1SR,4RS,5RS,6RS)−(4−スピロ−5'−ヒダントイン)−
[2−スルホニルビシクロ[3.1.0]ヘキサン]−6−カルボン酸エチル
EtOAc(50ml)中の実施例4(d)から得られた生成物(0.51g、2.0
mmol)の室温の溶液に、m−CPBA(1.56g、5.0mmol)を一度に加えて、そ
の反応がTLCにより完了と判断されるまで、室温で撹拌した。その反応物を1
0% NaHCO3で希釈して、生成物をEtOAcで抽出した。有機物を全て合わ
せ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、分取HPLC(10% EtOAc
/ヘキサン−50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、標記化合物0.21
g(0.73mmol、36%)を得た。
融点 >275℃。
FDMS:M+=288。
元素分析(C10H12N2O6S・0.4m−クロロ安息香酸として)
計算値:C 43.81;H 4.02;N 7.98;S 9.14。
実測値:C 43.87;H 4.04;N 7.96;S 9.44。
(b)(1SR,4RS,5RS,6RS)−4−アミノ−(2−
スルホニルビシクロ[3.1.0]ヘキサン)−6−カルボキシレート
2N NaOH(10ml)中の(a)の生成物(0.14g、0.49mmol)の溶液を
還流下に一晩温めた。その反応混合物を5N HClでpH=1に酸性として、乾
燥状態となるまで濃縮した。生成物を、pH=12で、H2O中で再構築し、Bio
−Rad(商標)AG1−X8陰イオン交換樹脂に適用し、3N AcOHで溶出して
、標記化合物0.10g(87%、0.43mmol)を得た。
融点 >250℃。
FDMS:M++1=236。
元素分析(C7H9NO6S・0.5H2Oとして)
計算値:C 34.43;H 4.13;N 5.74。
実測値:C 34.29;H 3.98;N 5.45。実施例 7 1SR,3RS,4SR,5RS,6SR−3−((3−クロロ−4−フルオロ)− ベンジル)−4−アミノ−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−4,6− ジカルボン酸
(a)1SR,5SR,6SR−3−((3−クロロ−4−フルオロ)−
ベンジリデニル)−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサノ−4−
オン−6−カルボン酸エチル
EtOH(100ml)中の実施例1(f)の生成物(4.3g、25.2mmol)、3
−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒド(8.0g、50.4mmol)、およびピロ
リジン(0.9g、12.6mmol)の溶液を室温で18時間撹拌した。その反応混合
物を乾燥状態となるまで濃縮して、残留物をHPLC(5% EtOAc/ヘキサン
−50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、標記化合物4.2g(53%)を
得た。
融点:110−112℃。
FDMS:M+=310。
元素分析(C15H12ClFO4として)
計算値:C 57.99;H 3.89。
実測値:C 57.92;H 3.75。
(b)1SR,3SR,5SR,6SR−3−((3−クロロ−4−フルオロ)−
ベンジル)−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサノ−4−オン−6−
カルボン酸エチル
および
1SR,3RS,5SR,6SR−3−((3−クロロ−4−フルオロ)−
ベンジル)−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサノ−4−オン−6−
カルボン酸エチル
工程(a)の生成物(8.8g、28.3mmol)、ラネーNi(0.2g)、EtOAc
、
および水素を40psiで15分間利用して、標記の化合物の混合物を製造した。
ケトンの過度の還元のため、ピリジニウムクロロクロメートおよび粉篩(powdere
d sieves)を使用して、粗製の生成物を酸化して、粗製のケトン6.8gを得た。
残留物をHPLC(5% EtOAc/ヘキサン−50% EtOAc/ヘキサン)によ
り精製して、標記の化合物の混合物5.2g(58%)を得た。
FDMS:M+=312。
元素分析(C15H14ClFO4として)
計算値:C 57.61;H 4.51。
実測値:C 56.98;H 4.70。
(c)1SR,3RS,4SR,5RS,6SR−3−((3−クロロ−4−
フルオロ)ベンジル)−(4−スピロ−5'−ヒダントイン)−2−
オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸エチル
1:1のEtOH/水の混合物中、工程(b)の生成物(1.0g、3.2mmol)
、炭酸アンモニウム(0.75g、9.6mmol)、およびKCN(0.25g、3.8m
mol)を利用して、標記化合物を製造した。その反応混合物を35−40℃で48
時間加熱した。その反応混合物を水とEtOAcとの間で分配した。EtOAcで抽
出した後、有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮し、ラジアルクロマトグラフィー
(EtOAc/ヘキサン)を使用して、精製して、生成物のヒダントイン0.18g(
14%)を得た。生成物をクロロホルムから結晶化することにより、白色の固形
物質を得た。
融点:224−226℃。
FDMS:M+=382。
元素分析(C17H16ClFN2O5−0.5CHCl3として)
計算値:C 47.51;H 3.75;N 6.33。
実測値:C 47.87;H 3.69;N 6.22。
(d)1SR,3RS,4SR,5RS,6SR−3−((3−クロロ−4−
フルオロ)ベンジル)−4−アミノ−2−オキサビシクロ[3.1.0]−
ヘキサン−4,6−ジカルボン酸
工程(c)の生成物(0.1g、0.26mmol)および1N NaOH(10ml)を還
流温度で48時間利用して、標記化合物を製造した。その反応混合物を1N H
ClでpH=10に調節して、陰イオン交換を粗製の生成物に対して行った。生成
物をH2Oから再結晶化して、真空オーブン中、70℃で乾燥させて、標記化合
物8mg(9%)を得た。
融点:250−251℃。
FDMS:M+=330。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07D 333/78 C07D 333/78
(81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG,
CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,T
D,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,UG
),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,
TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,BA,BB,
BG,BR,BY,CA,CN,CU,CZ,EE,G
E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR
,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LV,MD,
MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,R
O,RU,SD,SG,SI,SK,TJ,TM,TR
,TT,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 バリ,マシュー・ジェイ
アメリカ合衆国46228インディアナ州 イ
ンディアナポリス、ウエスト・エリン・ド
ライブ3438番
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.式: [式中、 XはO、NRa、S、SO、またはSO2を表し; Rは水素原子;(1−6C)アルキル基;(2−6C)アルケニル基;(2−6C) アルキニル基;場合により置換されていることのある芳香族基;場合により置換 されていることのあるヘテロ芳香族基;非芳香族炭素環式基;非芳香族ヘテロ環 式基;1つもしくは2つの単環式芳香族もしくはヘテロ芳香族基と縮合している 非芳香族単環式炭素環式基;1つもしくは2つの単環式芳香族もしくはヘテロ芳 香族基と縮合している非芳香族単環式ヘテロ環式基;または場合により置換され ていることのある芳香族基、場合により置換されていることのあるヘテロ芳香族 基、非芳香族炭素環式基、非芳香族ヘテロ環式基、1つもしくは2つの単環式芳 香族もしくはヘテロ芳香族基と縮合している非芳香族単環式炭素環式基、および 1つもしくは2つの単環式芳香族もしくはヘテロ芳香族基と縮合している非芳香 族単環式ヘテロ環式基から独立して選択される1つ、2つ、もしくは3つの基で 置換されている(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、もしくは(2−6 C)アルキニル基を表し; Raは水素または式(CO)nRbの基を表し; nは0または1であり;そして RbはRに関して記載した通りである] の化合物、またはその無毒の代謝的に活性なエステルもしくはアミド、またはそ の医薬的に許容され得る塩。 2.Raが水素を表す、請求項1に記載の化合物。 3.XがOまたはSを表す、請求項1に記載の化合物。 4.Rが、水素原子、または置換されていない、もしくはハロゲン、(1−4 C)アルキル、(1−4C)アルコキシ、およびフェニルから独立して選択される 1つもしくは2つの置換基でフェニルが置換されているフェニル(1−4C)アル キルもしくはジフェニル(1−4C)アルキル基を表す、請求項1〜3のいずれか に記載の化合物。 5.以下に示す立体化学: を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。 6.Rが水素原子を表す、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。 7.1SR,4SR,5RS,6SR−4−アミノ−2−オキサビシクロ[3.1. 0]ヘキサン−4,6−ジカルボン酸;1SR,4SR,5RS,6SR−4−アミ ノ−2−チアビシクロ[3.1.0]ヘキサン−4,6−ジカルボン酸;1SR,4R S,5RS−4−アミノ−(2−スルホニルビシクロ[3.1.0]ヘキサン)−4,6 −ジカルボン酸;および1SR,3RS,4SR,5RS,6SR−3−(3−クロ ロ−4−フルオロベンジル)−4−アミノ−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキ サン−4,6−ジカルボン酸に関して選択される、請求項1に記載の化合物。 8.1R,4R,5S,6R−4−アミノ−2−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキ サン−4,6−ジカルボン酸である、請求項1に記載の化合物。 9.式Iの化合物の製造方法であって、 (a)式:[式中、 R1は水素原子またはアシル基を表し;そして R2はカルボキシル基またはエステル化されているカルボキシル基を表す] の化合物、またはその塩を加水分解し; (b)式: [式中、 R3はカルボキシル基またはエステル化されているカルボキシル基を表し;そ して R4およびR5は各々独立して、水素原子、(2−6C)アルカノイル基、(1− 4C)アルキル基、(3−4C)アルカノイル基、またはフェニルが置換されてい ない、もしくはフェニルがハロゲン、(1−4C)アルキル、もしくは(1−4C) アルコキシで置換されているフェニル(1−4C)アルキル基を表す] の化合物、またはその塩を加水分解し;または (c)式:[式中、 R6は水素原子または窒素保護基を表し;そして R7およびR8は各々独立して、水素原子またはカルボキシル保護基を表す] の化合物、またはその塩を脱保護し; その後、必要および/または所望ならば、 (i)式Iの化合物を分割し; (ii)式Iの化合物を、その無毒の代謝的に活性なエステルに転換し;および/ または (iii)式Iの化合物、またはその無毒の代謝的に活性なエステルもしくはアミ ドを、その医薬的に許容され得る塩に転換する; ことを含んでなる方法。 10.請求項1に記載の化合物、および医薬的に許容され得る担体、希釈剤、 または賦形剤を含んでなる医薬品製剤。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US686495P | 1995-11-16 | 1995-11-16 | |
US60/006,864 | 1995-11-16 | ||
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