JP2000357488A - 質量分析装置及び質量分析方法 - Google Patents

質量分析装置及び質量分析方法

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JP2000357488A JP2000118476A JP2000118476A JP2000357488A JP 2000357488 A JP2000357488 A JP 2000357488A JP 2000118476 A JP2000118476 A JP 2000118476A JP 2000118476 A JP2000118476 A JP 2000118476A JP 2000357488 A JP2000357488 A JP 2000357488A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一台の質量分析計に複数のイオン源を装着し、
イオン源の迅速な切り替えを実現することで、複数の測
定を並行的に実行することが可能な装置を提供する。 【解決手段】イオン源で生成したイオンを質量分析計に
導き質量分析する質量分析装置において、複数のイオン
源と、当該複数のイオン源の内、少なくとも一のイオン
源からのイオンを電界を発生させることによって前記質
量分析計へ向かうように偏向する偏向手段を有する。 【効果】複数のイオン源を備えたLC/MS,GC/M
S,プラズマイオン化MS等において、複数のイオン源
を稼動させながら、質量分析を行うことが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、質量分析装置に関
わり、特に複数のイオン源を同時に装着し、測定の効率
向上や単位時間当たりの情報量の拡大を図るに最適な質
量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガスクロマトグラフ直結質量分析
計(GC/MS)や液体クロマトグラフ直結質量分析計
(LC/MS),プラズマイオン化質量分析計(プラズ
マイオン化MS)などの分析装置が、環境,医学,薬学
等広範な領域で用いられるようになったきた。
【0003】GC/MS,LC/MSは、極微量の有機
化合物の定性,定量分析に、プラズマイオン化MSは、
微量金属の定性,定量分析に用いられる。GC/MSや
LC/MSは分離手段であるガスクロマトグラフ(GC)
や液体クロマトグラフ(LC)と質量分析計(MS)が結
合した分析装置である。プラズマイオン化MSは質量分
析計(MS)と大気圧下で動作するプラズマイオン源が
結合した分析装置である。
【0004】LC/MSは、液体クロマトグラフ(L
C),大気圧イオン源,質量分析計(MS),データ処
理装置等で構成される。質量分析計は10-3Pa以上の
高真空を必要とするのに対して、LCは大気圧下(105
Pa)で水や有機溶媒などの液体を取り扱う機器であ
る。そのため、この二つの機器の相性が悪く、これら機
器の結合は困難を極めた。しかし、真空技術の進歩と大
気圧下で溶液を噴霧しイオン化する大気圧イオン源の開
発によりLC/MSは実用的なものとなった。図31に
一般的なLC/MSの模式図を示す。
【0005】LC/MSの測定は、一般に以下の手順で
行われる。
【0006】ポンプ11により送られる移動相中に、試
料はオートサンプラ12により自動的に注入される。試
料は分析カラム13により成分毎に分離される。分離さ
れた成分は、LC/MSの大気圧イオン源20に導入さ
れる。導入された成分は、大気圧イオン源20でイオン
化される。生成したイオンは油回転ポンプ22で排気さ
れた中間圧力室21を経て、ターボ分子ポンプ26によ
り排気された高真空室80に導入される。イオンはこの
高真空室80に置かれた質量分析計82により質量分析
され、検出器83によりイオン電流として検出される。
最終的にデータ処理装置84によりマススペクトルやマ
スクロマトグラムなどを与える。
【0007】一般のLC/MS測定の場合、試料導入開
始から一試料の分析が終了するまでの時間は、約一時間
程度必要である。それは、LCの分離時間(30分程
度)が先ず必要であり、また、LC分析には移動相の組
成を時間とともに変化させるグラジエント分析がある
が、この場合には、分析が終了しても、元の移動相組成
に戻す時間(20,30分)が必要だからである。この
ため、試料測定サイクルは1時間程度必要となる。その
ため、自動測定にしても、LC/MS一台あたりの一日
の処理検体数は20から30検体程度に過ぎない。
【0008】LC/MSのイオン源としては、大気圧化
学イオン化イオン源(APCI)とエレクトロスプレイ
イオン源(ESI),ソニックスプレイイオン源(SS
I)が現在広く用いられている。APCIは中性・弱極
性の化合物に、ESIやSSIは高極性・イオン性の化
合物のイオン化に適している。これらのイオン化は相補
的な情報を与えてくれる。また、イオン化の極性(正,
負)によっても与える情報は異なってくる。一つの試料
であってもLC/MS分析から出来るだけ多くの情報を
引き出すために、測定者はイオン源(ESI/APCI
/SSI)を切り替えたり、イオン化の極性を切り替え
たり、移動相,カラム等の分析条件の変更などを頻繁に
行なっている。
【0009】このなかで、イオン源の切り替えは装着さ
れているイオン源を人手により取り外し、新たなイオン
源を装着する方法が広く行われている。これはESI,
APCI,SSIのイオン源の構造が大きく異なるためであ
る。このイオン源の交換は、以下の様に多くの作業と時
間を必要とする。
【0010】先ず、LCやイオン源を停止する。イオン
源温度が室温に戻るまで待つ。次に、イオン源を取り外
し、新イオン源を装着する。イオン源の電源を投入しイ
オン源を加熱する。LCカラムに移動相を流しコンデシ
ョニングを行なう。標準試料によるキャリブレーション
など行なう。
【0011】以上、イオン源の交換には、このように多
くの手順,手間、更に、時間と人手を必要とする。この
煩わしさを嫌い、多くの測定者は装着された一つのイオ
ン源で全ての試料の分析を済ませてしまおうとする事が
往々にしてある。その結果、ネガティブな分析結果を得
る事が多い。これは、LC/MS分析においては、3種
類のイオン源を用いて測定していれば、たとえ試料が一
種類であっても、少なくとも6種類(3種類のイオン源
×正負スペクトル=3×2=6)の異なるデータが得ら
れる可能性があるにも関わらず、測定者がこの可能性を
自ら放棄した事になる。また当然ながら、イオン源の交
換が人手によるため、全分析の自動化は不可能である。
【0012】このLC/MSの処理能力不足の問題を解
決するために、複数のイオン源を簡単に切り替える方法
がいくつか提案されている。
【0013】特開平7−73848号公報には、APC
I,ESIのイオン源の交換を簡単に行なう機構が開示
されている。LC/MS装置のイオン源部に大きな回転
台を設け、ESIとAPCIの2つのイオン源を回転台
に装着する。この回転台を回転させてESIとAPCI
の切り替えを行なう。この方法では、イオン源交換の手
間はかなり簡素化されるが、APCI,ESIの分析を
シリーズに行う必要があるため、分析時間の短縮化は図
れない。当然コンデショニングなどの時間の短縮も図れ
ない。また、測定の多様さ(イオン化法の切替,正/負
極性切替など)に対応する時間短縮法についても何も示
されていない。単位時間あたりの測定効率を向上させる
技術等も開示されていない。
【0014】複数のイオン源を一つの質量分析計に接続
する別の技術が、Journal ofAmerican Society for Mas
s Spectrometry 第3巻(1992年)695ページか
ら705ページに示されている。これは、2つの大気圧
イオン源で生成したイオンをY字形のキャピラリの2つ
の入り口から別々に取り込み、質量分析計に送り込むも
のである。どちらか一方からのイオンを大気圧下からサ
ンプリングすれば、イオン源の機械的な交換無しに、イ
オン源を切り替える事が出来る。しかし、この方式にお
いては大きな問題がある。一つの分析を行なう場合、2
つのイオン源の内、一方は稼動状態、もう一方は不稼動
状態である事が必要である。不稼動状態にするにはイオ
ン源の電源を遮断した上、更にLCからの送液も停止す
る必要がある。それはY字形キャピラリの2つの入り口
からイオンと中性のLC溶液の気体分子が吸入される
と、Y字形キャピラリの途中でイオンと溶液分子との混
合が起きる。そこで、イオン分子反応が起きてしまい、
正しいマススペクトルを与えなくなる恐れが有る。しか
し、LCの停止はLC分析を行なっている間は全く不可
能である。そのため、この方式ではイオン源交換の機械
的な手間は省けても、LC/MS分析の測定効率向上は
図れない。
【0015】図32には、2つのLCと一つのMSを結
び付けた従来の方式を示す。分離された成分は、溶離液
と共に二つのLC10及びLC30から送出される。こ
の溶離液を切り替えバルブ190を経て、大気圧イオン
源20に導入し、質量分析計82によりマススペクトル
を得る。2つのLC流路は、必要な時に切り替えバルブ
190を切り替える事により達成できる。この方式の利
点は、選択された一つのLCと別のLCを両方とも停止
することなくLC分離を行なえる事である。しかしなが
ら、この方式は、2つのLCを高速に切り替える事が困
難であり、並行分析は不可能である。当然、同じ時間に
分析対象がLC10とLC30から溶出する場合、一方
のLCしか分析できない。また、切り替えバルブ190
および連結パイプ34中で2つの溶離液が混合する恐れ
が有るため、高速のLCの切替はできない。
【0016】特開平6−215729号公報には、2種
類のLCのイオン源とGCのイオン源を組み合わせた例
が示されている。これは、LC/MSとGC/MSの両
方の機能を備えるようにしたものであり、任意に切り替
えて使用することができるものである。更に、LC/M
Sとして使用するときには、ディフレクタ電極の電圧を
切り替える事で、2種類のイオン源を使用できるように
したものである。しかし、この構成ではLCから流入さ
れる大量の溶媒を取り除く手段が示されていない。その
ため、2つのイオン源が互いに汚染し合う事によるバッ
クグラウンドレベルの上昇などが大きな問題となる。高
感度のイオン化手段であるEIを用いるGC/MSとL
C/MSの併用は、GC/MSの高感度を大きく損ねて
しまう。即ち、LC/MSあるいはGC/MSとして実
際の使用は困難である。また、同時にLCとGCの測定
を行なうことはできない。また、LC/MSとして使用
するときは、2種類のイオン源を使用できるものの、2
組のディフレクタ電極を使用するため、イオンを効率よ
く質量分析計へ導入するためのディフレクタ電極の軸合
せをそれぞれ行なう必要がある。さらに、2種類のイオ
ン源を同時に使用しているとき、分析を行なわない方は
ディフレクタ電極によって質量分析計以外にイオンの飛
行方向を偏向させる必要が有る。質量分析計に導かれな
いイオンは装置内の壁面に衝突し、ディフレクタ電極を
汚したり、二次電子を発生させ、ノイズの原因となる。
従ってイオン源の切り替えはできても、結局の所、2組
のイオン源の同時使用は困難である。
【0017】一方、イオン源と質量分析計の間に静電偏
向器を置き、イオンを偏向する技術自身は特許、文献等
に記載されている。大気圧イオン源と質量分析計の間に
四重極偏向器を配置した例として、特開平7−7859
0号公報がある。この例では、大気圧下で動作するプラ
ズマイオン源で生成したイオンを四重極偏向器により9
0度偏向し質量分析計に導くものである。これによりプ
ラズマイオン源で生成した光、中性微粒子が質量分析
計、検出器に入射しなくなり、高S/N比が得られると
している。ここでは、四重極偏向器は専ら、一つのイオ
ン源で生成されたイオンの90度偏向のために用いるの
みで、複数のイオン源の切り替え、並行導入等の技術開
示は全くなされていない。
【0018】米国特許5,073,713 には、キャピラリ電気
泳動,大気圧イオン源(ESI)と質量分析計が開示さ
れている。この特許の構成部品の一つとして四重極偏向
器が開示されている。この四重極偏向器の役目は、ES
Iで生成し、真空室に導入されたイオンを中性微粒子な
どから分離し、S/N比の向上を図るものである。この
例の中には、複数のイオン源との結合、切り替え等の技
術の開示は一切無い。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】LC/MSの測定は、
LCの分離時間の短縮と自動測定により能率化が図れて
きた。しかし、イオン源の交換は相変わらず人手によら
なければならないものが多い。さらに、一つのLCから
の溶出する成分を一つの質量分析計が引き受けシーケン
シャルに処理するだけでも、LCの分離、グラジエント
溶出のイニシャライズなどのための時間は必ず必要であ
る。そのため、全体の測定時間の短縮は図られていない
ばかりか、測定対象試料や測定項目が増えるたびに全体
での測定時間は伸びるばかりであった。
【0020】近年、測定対象試料が急激に増加するとと
もに、これら分析装置も高い処理能力が要求されるよう
になってきた。また、一方で水質分析などの場合、測定
分野が一つにも関わらず、測定手法がGC/MS,LC
/MS,プラズマイオン化MSなど多肢に渡るものが多
くなった。そのため、分析毎に装置を準備しなければな
らず、コストの急騰、広いスペースを必要とするなど問
題が多くなった。そのため、データの纏めを含め、分析
装置の低価格化,小型化,一体化等が強く要求されるよ
うになった。しかしながら、従来の技術ではこれら要求
に応えるものはなかった。
【0021】本発明は、かかる問題点を解決するために
成されたものであり、一台の質量分析計に複数のイオン
源を装着し、イオン源の迅速な切り替えを実現すること
で、複数の測定を並行的に実行することが可能な装置を
提供することを目的としたものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の特徴は、イオン源で生成したイオンを質量分
析計に導き質量分析する質量分析装置において、複数の
イオン源と、当該イオン源の内、任意のイオン源からの
イオンを前記質量分析計へ向かうように偏向する偏向手
段を有することである。
【0023】上記偏向手段は、具体的には、2枚の平板
電極から成る静電偏向器か、あるいは4つの電極から成
る四重極偏向器によって構成される。
【0024】本発明の構成によれば、複数のイオン源が
同時にイオンを生成している状態でも、所望のイオン源
からのイオンを選択的に質量分析計に対して導入する事
が出来る。静電偏向器を用いた構成であれば、全てのイ
オン源からのイオンを同時に質量分析計へ導くことも可
能となる。
【0025】また、本発明に適用できるイオン源とし
て、エレクトロスプレイイオン源,大気圧化学イオン
源,ソニックスプレイイオン源,誘導結合プラズマイオ
ン源,マイクロ波誘導イオン源,電子イオン化イオン
源,化学イオン化イオン源,レーザイオン化イオン源,
グロー放電イオン源,FABイオン源,二次イオン化イ
オン源を用いることが出来、これらのイオン源を種類を
問わず組合わせて使用することも可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】(第一の実施例)図1は、本発明
による大気圧イオン化LC/MS装置の一実施例を示
す。
【0027】図1に示されるように、本実施例の大気圧
イオン化LC/MSにおいては、2台の液体クロマトグ
ラフ(以下、LC)が、それぞれ大気圧イオン源を介し
て1台の質量分析装置(以下、MS)に接続される。
【0028】ここで、1台のLCからの試料を質量分析
計で分析を行う際の動作を説明する。
【0029】LC10において、移動相(溶離液)は溶
離液瓶からポンプ11により送り出され、オートサンプ
ラ12に供給される。試料溶液はオートサンプラ12に
より溶離液中に注入され分析カラム13に導入される。
この分析カラム13により試料は成分毎に分離される。
分離された成分は分析カラム13を出て、連結パイプ1
4を経て、大気圧下の第一のイオン源20の噴霧キャピ
ラリ15に導入される。噴霧キャピラリ15の先端部に
は、高電圧電源17から供給される3kV〜6kV程度
の高電圧が印加されている。ここで試料溶液は、キャピ
ラリと同軸方向に噴出する高速の噴霧ガス16と高電界
により大気圧の噴霧空間18中に電荷を持った微細な液
滴18として噴出される。この微細な液滴18は大気中
のガス分子と衝突して更に微細化し、最終的にイオンが
大気中に放出される。
【0030】第一のイオン源20で生成したイオンは、
真空ポンプ86で真空排気された真空室80に導入さ
れ、イオンは真空室80内に置かれたイオン加速電極2
3に印加されたイオン加速電圧Va1により加速され
る。イオンは真空中を飛行し静電偏向器70に導入さ
れ、静電偏向器70内の静電界により右方向に偏向さ
れ、静電偏向器第二電極72に開けられた細孔73を通
過して質量分析計82に導かれる。ここでイオンは質量
分析される。イオンは検出器83により検出され、デー
タ処理装置84によりマススペクトルやマスクロマトグ
ラムなどを与える。制御装置85はデータ処理装置84
に接続され、液体クロマトグラフ,大気圧イオン源,質
量分析装置などを制御する。
【0031】真空筐体94の壁面には、静電偏向器70
を介して第一のイオン源20と相対する位置に、第二の
イオン源40が装着されている。LC30から送り込ま
れた試料成分は第二のイオン源40に送られイオン化さ
れる。生成したイオンは真空室80に送り込まれる。こ
こで、イオン加速電極43に印加されたイオン加速電圧
Va2によりイオンは加速される。静電偏向器70に入
射したイオンは、静電偏向器70内の静電界により右方
向に偏向される。
【0032】複数のイオン源20,40からイオンが静
電偏向器70に同時に入射すると、どちらのイオン源か
らのイオンも共に偏向され、細孔73を経て質量分析計
82に送り込まれる。質量分析計82は同時に導入され
たイオンを差別することなく質量分析する。その結果、
複数のイオン源によるマススペクトルの積算が可能にな
る。
【0033】一方、各々のイオン源の加速電極23や4
3に印加される加速電圧Va1,Va2を制御すれば、
複数のイオン源の中から一つのイオン源を選び、このイ
オン源からのイオンのみを質量分析計82に送り込む事
ができる。即ち、Va1のみOnにし、Va2をOff
(接地電位にする。)にすれば、第一のイオン源で生成し
たイオンのみが質量分析できる事になる。逆にVa1を
Offとし、Va2をOnとすると第二のイオン源で生
成したイオンを質量分析できる。結果として、イオン加
速電圧を印加する電極(特定のイオン源)を選べば、あ
る時刻において測定イオン源を自由に選択できる。
【0034】ここで、図2に本実施例で用いたイオン源
20,静電偏向器70などの模式図を示す。
【0035】静電偏向器70は、円形または多角形の平
板よりなる電極71と72を平行に向かい合わせになる
ように組み立てたものである。二枚の電極の内、質量分
析計82側の第二電極72には、中央に細孔73を設け
る。2つの電極71と72は、絶縁物を介して組み立て
られ、真空ポンプ86により真空排気された真空室80
内に収められる。
【0036】第一のイオン源20で生成されたイオン
は、真空筐体94の壁とイオン加速電極23の間に電源
24によって印加されたイオン加速電圧Va1により加
速される。イオン加速電極23によって加速されたイオ
ンは、真空中を飛行して静電偏向器70に入射し、偏向
される。偏向は、静電偏向器70の2つの電極71と7
2間に電源74から直流電圧を印加することで行われ
る。今、正のイオンビーム88がイオン加速電極23か
ら入射したとすると、電極71に正の電位+Vd1、電極
72に負の電位−Vd1を印加することで、イオンは偏
向され細孔73から質量分析計82側に出射する。負イ
オンが入射した場合は、逆の電位を印加することで、容
易に質量分析計82へ導くことが出来る。
【0037】このように静電偏向器70は、イオンを簡
単に偏向することができる。
【0038】図3に、本実施例の装置外観を示す。
【0039】LC10から送られる試料成分を含む溶離
液は連結チューブ14を経て第一のイオン源20に送ら
れる。LC30からの溶離液は同様に連結チューブ34
を経て第二のイオン源40に送られる。
【0040】これらのイオン源からのイオンは、それぞ
れのイオン加速電極に印加するイオン加速電圧のON/
OFFにより、自由に切り替えて静電偏向器70へ導く
ことが出来る。
【0041】図4に、図3に示したLC/MS装置の詳
細な模式図を示す。
【0042】第一のLC10を構成するポンプ11から
送液された溶離液は、オートサンプラ12に供給され
る。ここで試料が溶離液中に導入され分離カラム13に
より分離される。分離カラム13で成分毎に分離された
試料成分は、連結チューブ14を経て大気圧イオン源2
0に導入される。試料溶液は、高電圧が印加された噴霧
器15から大気中に電荷を持った微細な液滴として噴霧
される。大気中を電界に沿って進む微細な液滴は大気分
子と衝突し更に微細化される。最終的に大気中にイオン
が放出される。生成したイオンは油回転ポンプ22で排
気された中間圧力室21を経て、ターボ分子ポンプ26
で排気された高真空室27に導入される。ここでイオン
は、イオン加速電極23に印加されたイオン加速電圧V
a1により加速され、静電偏向器70に入射する。この
静電偏向器70によりイオンは偏向を受け静電偏向器第
二電極72の中央に開けられた細孔73から出射する。
アインツエルレンズ25により再び収束されたイオン
は、ターボ分子ポンプ86で排気された別の真空室80
に導入される。真空室80内に置かれた質量分析計82
により、イオンは質量分析され検出器83でイオン電流
として検出される。データ処理装置84はデータを整理
し、マススペクトルやマスクロマトグラムを与える。制
御装置85はデータ処理の制御の基で、LC10,30
やイオン源20,40および質量分析計82などを制御
する。
【0043】一方、もう一つのLC30は、同様にポン
プ31,オートサンプラ32,分析カラム33などで構
成される。試料は第二のイオン源40でイオン化され
る。生成したイオンは中間圧力室41を経て、イオン加
速電極43や静電偏向器70が置かれた真空室に導かれ
る。
【0044】尚、第一のイオン源20と第二のイオン源
40からのイオンの導入は、イオン加速電極23,43
の印加電圧Va1,Va2を制御することで、選択が自
由に行える。
【0045】以上は、二つのイオン源を装着した例を示
したが、これ以上のイオン源を装着することも可能であ
る。この場合のイオン源の配置例を図5に示す。
【0046】複数のイオン源20,40,60,62を
静電偏向器70を中心として、真空筐体94の壁面に配
置装着する。真空筐体94の壁には、イオンが通過する
細孔が開けられている。実際は静電偏向器70の細孔7
3を中心として放射状になるように配置する。イオンを
同じ加速電圧で加速し導入すれば、イオンはすべて等し
く偏向を受け細孔73に入射する。
【0047】特定のイオン源からのイオンのみを選択的
に質量分析計に導入したい場合には、イオン源の加速電
圧印加を制御すれば良い。例えばイオン源20のイオン
を測定する場合、イオン加速電極23にのみ加速電圧を
印加し、他のイオン加速電極43,61,63にはすべ
て電圧を印加しないようにする。
【0048】図7から図9に一つのイオン源の選択につ
いて模式的に示した。図7ではイオン加速電極23にの
み加速電圧Va1が印加される。また、他のイオン源
(図中では省略)のイオンは加速されないようにしたた
め、静電偏向器70に入射しない。同様に、図8では第
二のイオン源40が選択され、図9では第三のイオン源
60がそれぞれ選択された例である。
【0049】また、複数のイオン源のイオンを質量分析
計に導入する場合は、複数のイオン源のイオン加速電極
に同時に加速電圧を印加する。例えば、イオン源20と
40のイオンを積算したい場合は、イオン加速電極2
3,43のイオン加速電圧をOnとし、イオン加速電極
61,63のイオン加速電圧をOffとすればよい。
【0050】選択されたイオン源のイオンは、偏向され
細孔73を通り質量分析計82に送り込まれる。(紙面
に水平に飛行後、紙面に垂直な力を受け、紙面に垂直な
方向から細孔73を通過する。)静電偏向器70の形状
は図5に示したように円形でも、図6に示したように多
角形でも良い。
【0051】イオン源の選択には、イオン加速電極に印
加するイオン加速電圧のON/OFF以外に別の方法があ
る。
【0052】イオン加速電圧Va(真空筐体94の壁と
イオン加速電極間の電圧)と細孔73を通過させる偏向
電圧Vd(電極71,72間の電圧)との間には厳密な
相関が有る。図10に示すように、高いイオン加速電圧
Vaで加速されたイオンビーム76は、静電偏向器70
内の電界で偏向しきれず、細孔73の先まで到達してし
まう。その結果、イオンビーム76は細孔73を通過で
きない。また、イオン加速電圧Vaが低い場合、逆にイ
オンビーム75は静電界で大きく偏向され、細孔73の
手前で電極72に衝突してしまう。イオンビーム75は
細孔73を通過できない。
【0053】即ち、イオン加速電圧Vaと静電偏向器7
0の印加電圧Vdとの間には、Va/Vd=kの関係が
成り立つ。静電偏向器70の印加電圧Vdを一定値とし
て、一つのイオン源のみ正確なイオン加速電圧(Va=
kVd)を与え、他のイオン源の加速電圧の値をずらせ
ば(Va′≠kVd)、一つだけのイオン源を選択でき
る。
【0054】逆に、各イオン源のイオン加速電極に別々
のイオン加速電圧Va1,Va2,Va3,…を印加し
て置き、イオン源を選択する時は、Va=kVdの式に
合致した静電偏向器印加電圧Vdを選び印加することで
も特定のイオン源を選択できる。例えば、第二のイオン
源40を選ぶときは,VdはVd=kVa2となる。
【0055】実際の装置においては、各イオン源と細孔
73との距離,位置,イオンの侵入角度などを全く同一
にすることは困難であり、そのため、kは一定とならな
い。従って、予めイオン源を切り替える際に、イオン加
速電圧Vaや静電偏向器の印加電圧Vdは、イオン源毎
に微細な調整をする必要がある。この値はデータ処理装
置84が記憶しておいて、切り替え時にデータ処理装置
84から制御装置85を経て各電源に信号を送り設定す
ればよい。
【0056】Va,Vdの最適値を、いちいち測定者の
手によること無く、自動的に求める事ができる。図1
1,図12にその動作模式図を示す。
【0057】図11は、静電偏向器70の印加電圧Vd
を一定として、各イオン源の最適イオン加速電圧Vaを
求める動作手順を示す。以下に手順を示す。 (1)各イオン源を動作状態とする。 (2)t1で、静電偏向器70の印加電圧Vdを印加す
る。 (3)第一,第二,第三,…全てのイオン源のイオン加
速電圧Vaを接地電位とする。 (4)わずかな待ち時間t11後、第一のイオン源の加
速電圧Va1を掃引する。この場合、前回測定時の値V
a1のデータがあれば、零からではなく、このVa1の
±10%程度を掃引すれば、十分であり時間の節約にも
なる。掃引しながら、質量分析計82により、全イオン
量または、特定イオンのイオン電流値を計測する。 (5)イオン電流値が最大値となる点が、イオン加速電
圧Va1の最適値である。即ち、細孔73を通過したイ
オンが最大となる点Va1が求まる。この時の加速電圧
Va1をデータ処理装置84は記憶する。 (6)同様に、第二,第三,…のイオン源について、V
a2,Va3…を求める。これにより、各イオン源の最
適イオン加速電圧Vaは決定され、データ処理装置84
により、イオン源の選択が可能になる。
【0058】図12は、各イオン源の加速電圧Vaを一
定として、各イオン源毎の最適静電偏向器印加電圧Vd
を求める動作手順を示す。 (1)各イオン源を動作状態とする。 (2)第一,第二,第三,…のイオン源のイオン加速電
圧Vaを接地電位とする。 (3)静電偏向器の印加電圧Vdを接地電位とする。 (4)t1で、第一のイオン源の加速電圧Va1を印加
する。 (5)t11から、静電偏向器の印加電圧Vdを掃引す
る。この場合、前回測定時のVdのデータがあれば、零
からではなく、このVdの値の±10%程度を掃引すれ
ば、十分であり時間の節約にもなる。掃引しながら、質
量分析計82により、全イオン量または、特定イオンの
イオン電流値を計測する。 (5)イオン電流値が最大値となる点が、静電偏向器の
印加電圧Vd1の最適値である。即ち、細孔73を通過
したイオンが最大となる点が求まる。この時の加速電圧
Vd1をデータ処理装置84は記憶する。 (6)同様に、第二第二,第三,のイオン源について、
Vd2,Vd3…を求める。これにより、各イオン源毎
の最適静電偏向器印加電圧Vdは決定され、データ処理
装置84により、イオン源の選択が可能になる。
【0059】図13にイオン源切替の動作手順を示す。
尚、ここでは、イオン源が二つの場合の例で説明する。
【0060】ある時刻において第一のイオン源20を選
択する。先ず、測定者はデータ処理装置84に第一のイ
オン源20の選択を指示する。データ処理装置84は、
記憶されたイオン加速電圧Va1や静電偏向器印加電圧
Vd1と切替指示を制御装置85に送る。制御装置85
はVa1の設定信号とVa2リセット信号を信号線94
を介してイオン加速電源24に送る。これにより、イオ
ン加速電源24はVa1の設定とVa2のリセットを電
源線95,96を通じて行なう。静電偏向器70の印加
電圧Vd1は、制御装置85から信号線93を介して静
電偏向器電源74に送られ、電極71,72に電源線9
1,92を介して設定される。この結果、第一のイオン
源20で生成したイオンのみが加速、偏向され質量分析
される。即ち、第一のイオン源20が選択された事にな
る。イオン源の選択が完了すれば、通常の質量分析の手
順に従い分析を行ない、データ処理装置84によりデー
タ収集を行なう。
【0061】また、第二のイオン源40の選択も、同様
に行なわれる。即ち、Va2をOnにする一方、Va1
をOff(接地電位)とする。 (第二の実施例)図14に本発明の第二の実施例を示
す。
【0062】第一の実施例では、複数のイオン源に対し
て、それぞれ個別の液体クロマトグラフが用意されてい
た。この場合、LC測定を含めてイオン源を一緒に切り
替える事ができる。
【0063】これに対して本実施例においては、1台の
LCから流出する試料成分を分岐ティー78で分流して
2つのイオン源に送るものである。更に本実施例では、
第一のイオン源20にはESIを採用し、第二のイオン
源40にはAPCIを採用し、必要によりイオン源を切
り替える。
【0064】LCに逆相カラムを装着した場合、保持時
間が早い(小さい)時間にイオン性,高極性の化合物が
溶出する。一方、保持時間が遅く(大きく)なると疎水
性の化合物が溶出する。LC/MSイオン源の中で、E
SIはイオン性,高極性の化合物を高感度にイオン化で
きるのに対して、APCIは低極性や中極性の化合物を
イオン化し易い。これを利用して、保持時間の早い間は
ESI,遅くなったらAPCIに切り替えて分析する
と、極性の大きく異なる成分を含む試料を一回の測定で
分析可能になる。
【0065】また本実施例の応用として、同じ種類のイ
オン源(例えばESIを2台)を用い、イオン化の条件
(ESI印加電圧,カウンタガス温度,ドリフト電圧な
ど)を大きく変えて測定をしてもよい。
【0066】また、2つのイオン源を同時に作動させ質
量分析計82に導入するイオンの量を増やしS/N比改
善を図る事もできる。
【0067】また更に、イオン源を3台装着する構成で
あれば、第一のイオン源20にESI,第二のイオン源
40にAPCI、第三のイオン源をSSIとすることに
より、この3つのイオン源の交換をイオン加速電圧Va
を瞬時に切り替えることで容易に行うことが可能にな
る。 (第三の実施例)図15に、第三の実施例の模式図を示
す。図15は、ガスクロマトグラフ(以下、GC)とM
Sを接続した所謂GC/MSであり、GCを2組接続し
た例である。
【0068】オートサンプラ100より採取された試料
溶液は、GC101の注入口102に注入される。試料
溶液はここで加熱気化されGCカラム103に導入され
る。GCカラム103を経て成分毎に分離された試料
は、ターボ分子ポンプ26で排気された真空室に置かれ
たイオン源104に導かれる。イオン源104は通常の
MSで用いられるイオン源であれば、電子イオン化(E
I)イオン源や化学イオン化(CI)イオン源、また他
のイオン源でも良い。EIの場合、フィラメント(図示
なし)から放出された熱電子の衝撃を受け、試料分子は
イオン化される。CIの場合、イオン分子反応によりイ
オンが生成される。生成したイオンはイオン源から放出
され静電偏向器70に入射する。
【0069】ここでGC101の分析を行う場合は、イ
オン源104から入射したイオンが偏向され、ターボ分
子ポンプ86で排気された高真空室80内に置かれた質
量分析計82に導かれて質量分析される。別のGC11
1を経て導入される試料分子は、イオン源114でイオ
ン化される。
【0070】イオン源104と114は、静電偏向器7
0の細孔73を中心に放射状の位置に配置される。質量
分析計82は、この軸に直角となる位置に配置される。
GC/MSの場合、LC/MSの場合と異なり、イオン
源はターボ分子ポンプ26で排気された独立の真空室に
配置される。
【0071】本実施例で示すように、GC/MSにおい
ても、上述の実施例で示したLC/MSと同様に、イオ
ン加速電極23,43の印加電圧を制御するのみで、瞬
時にイオン源の切り替えを行うことが可能となる。 (第四の実施例)図16に、第四の実施例を示す。図1
6に示される構成は、LCとGCが同時にMSに接続さ
れている例である。
【0072】LC10から溶出する成分は大気圧下のイ
オン源20でイオン化され、油回転ポンプ22で真空排
気された中間圧力室を経て、ターボ分子ポンプ26によ
り排気された真空室に導かれる。イオンはイオン加速電
極23に印加されたイオン加速電圧Va1により加速さ
れた後、静電偏向器70に入射し、偏向される。イオン
はさらに細孔73を経てターボ分子ポンプ86で排気さ
れた真空室80に入り、質量分析計82により質量分析
される。
【0073】GC101のためのイオン源104は、L
Cの大気圧イオン源20と静電偏向器70の反対側に設
置されている。大気圧イオン源20と異なり、GC/M
Sのイオン源104はターボ分子ポンプ26で排気され
た静電偏向器70と同じ部屋内に設置されている。これ
はGCのイオン源104が電子イオン化(EI)イオン
源で10-1Pa程度の真空を必要とするためである。
【0074】本実施例に示すように、本発明であれば、
1台のMSに対してLCとGCを同時に接続することが
でき、イオン加速電極23,43の印加電圧を制御する
のみで、瞬時にイオン源の切り替えを行うことができ、
LC/MS測定とGC/MS測定の両方の測定が可能と
なる。 (第五の実施例)図17には元素の定性,定量分析に用
いられるプラズマイオン源(誘導結合プラズマ(IC
P)またはマイクロウエーブ誘導プラズマ(MIP))
を2つ接続した質量分析装置の例を示す。
【0075】Ar(アルゴン)ガスボンベ120,13
0から供給されたArガス中に試料霧化器121,13
1から試料が混合され、プラズマイオン源124,13
4に供給される。誘導コイル122,132に供給され
る高周波の誘導により、Arは高温のプラズマ123,
133となる。Ar中の金属元素は高温のプラズマ中で
イオン化される。生成したイオンは、油回転ポンプ2
2,42で排気された中間圧力室を経て、ターボ分子ポ
ンプ26で真空排気された真空室に導かれる。真空室に
導入されたイオンは、イオン加速電極23,43に印加
されたイオン加速電圧により加速された後、静電偏向器
70により偏向される。
【0076】本実施例においても、前述の実施例で示し
たようなイオン加速電極23,43への印加電圧の切り
替えを行うことにより、2つのプラズマイオン源からの
イオンを瞬時に選択して質量分析計82に導入すること
ができる。
【0077】本実施例において、2つのプラズマイオン
源124,134は、静電偏向器70を中心として、同
軸上でかつ質量分析計82の軸と直角になる位置に配置
される。この様な配置にすることにより、プラズマイオ
ン源から放出される光や中性微粒子が、質量分析計82
に導かれることがなくなり、従って、低ノイズでありな
がら2つのプラズマイオン源を瞬時に切り替え可能なI
CP−MSを実現することが可能である。
【0078】尚、2つのプラズマイオン源として、IC
Pのみを設置することも、また、ICPとMIPを混在
させて設置することも可能である。 (第六の実施例)上記第一〜第五の実施例では、複数の
イオン源を静電偏向器70の周囲に配置し、イオン源を
イオン加速電圧Vaと静電偏向器の電界の組合せにより
自由に選択できる事を示した。そこで第六の実施例とし
て、これら複数のイオン源の具体的な切り替えタイミン
グについて示す。
【0079】本発明におけるイオン源の切り替えタイミ
ングは、イオン加速電極23,43への印加電圧の切り
替えタイミングが該当する。本発明では、イオン加速電
極23,43への印加電圧の切り替えを質量分析計82
の質量掃引周期に同期させて行う。イオン源の選択は、
データ処理装置84及び制御装置85からの制御によ
り、イオン加速電源24から選択すべきイオン源のイオ
ン加速電極にイオン加速電圧Vaを供給することで行わ
れる。これにより、複数のイオン源の並行測定が可能に
なる。
【0080】図18に、2つのイオン源を備えた場合の
イオン加速電圧Vaの切り替えによるイオン源の切り替
えタイミングと、質量分析計82の質量掃引の周期のタ
イミングを示す。横軸は時間の経過である。
【0081】図18によれば、時刻t1からt2の間は
第一のイオン源が選択されている。
【0082】t1で、制御電源85からイオン源の切り
替えの指示が、イオン加速電源24に行なわれる。イオ
ン加速電源24は、第一のイオン源20のイオン加速電
圧Va1をOnとし、他のイオン源の加速電圧をOff
とする。静電偏向器70の印加電圧Vdは印加されたま
まである。これにより、第一のイオン源が選択された事
になる。
【0083】わずかの待ち時間の後、t11から質量分
析計82の質量掃引が質量m1からm2に向け開始され
る。質量掃引開始とともにデータ処理装置84はイオン
電流値を質量とともに計測し、マススペクトルを取得す
る。すなわち、この質量掃引で得られたマススペクトル
は、第一のイオン源で生成されたイオンのマススペクト
ルである。
【0084】時刻がt2となり質量掃引が終了すると、
データ処理装置84,制御装置85はイオン加速電圧の
切り替えをイオン加速電源24に指示する。これによ
り、第二のイオン源が選択される。また、同様に待ち時
間の後、質量の掃引が開始され、データ処理装置84に
おいて第二のイオン源からのマススペクトルを収集す
る。これを繰り返すことにより、質量掃引の奇数回は第
一のイオン源のマススペクトル、偶数回は第二のイオン
源からのマススペクトルが記録され、マススペクトルフ
ァイルがデータ処理装置84の記憶装置上に完成する。
即ち、図19の最下段「マススペクトル」のようなデー
タ収集が出来た事になる。
【0085】図19には、図18のタイミングで収集さ
れた2つのイオン源からのクロマトグラムを示す。な
お、縦軸はイオンの電流値であり、横軸は時間である。
【0086】図19の上段は、第一のイオン源によるク
ロマトグラムであり、下段は第二のイオン源によるクロ
マトグラムである。質量掃引に同期して2つのイオン源
から交互にデータ収集を行っているため、データ処理装
置84においては、太い実線で示されるような形態でデ
ータが収集される。つまり、2つのイオン源からのイオ
ンを時分割(t1,t2,…tn)で交互にデータ収集
する。データ収集の後、データ処理装置84は、データ
を整理し各データ間の値を内挿して、図20に示したご
とく元のマスクロマトグラムを再現し、CRTやプリン
タに出力する。
【0087】質量分析計82の質量掃引は、質量20か
ら質量2000までなら0.1 秒から0.5 秒程度で行
なえる。図19の場合、掃引時間の2倍が一つのLCの
測定周期となる。即ち、一成分(一LC)あたり0.2
秒から1秒間隔でデータを取得できる事になる。
【0088】GCの場合、一成分の溶出時間は数秒程度
と短いが、0.2 秒間隔のデータ取得なら十分にクロマ
トグラムの変化に追従出来るし、定量分析も可能にな
る。
【0089】LCの場合、成分の溶出時間は数十秒程度
となるため、1秒周期の測定で十分にクロマトグラムの
変化に追従可能である。
【0090】また、質量掃引については、高感度測定の
ために、リニアでなくステップ状に行なう所謂SIM(S
elected Ion Monitoring)法が広く用いられている。こ
の場合も図18と同様にイオン源の切り替え、ステップ
掃引周期を一致させれば良い。また、イオン源の切り替
え周期と質量掃引の周期を異なるようにすることも可能
である。
【0091】イオン源の切り替え周期と質量掃引の周期
を異ならせた場合のSIM法の例を図21,図22に示
す。
【0092】図21では、質量分析計82のステップ掃
引の一ステップ(一質量のイオンの検出)の間にイオン
源の切り替えを高速に行うものである。n個のイオン源
の場合、質量掃引の一ステップの時間に1/nを乗じた
ものがイオン源の切り替え周期となる。
【0093】即ち、時刻t1からt3の間、質量分析計
82は質量m1のイオンを検出しているが、このt1と
t3の間のt2で第一のイオン源と第二のイオン源を切
り替えられる。また次の周期では、t3とt5の間に質
量分析計82はm2のイオンを検出する。このt3とt
5の間のt4でもイオン源が切り替えられる。これによ
り、データ処理装置84の記憶装置には、奇数周期のデ
ータは第一のイオン源、偶数周期は第二のイオン源に由
来するデータがファイルされる。また、さらにそれらデ
ータは順にm1,m2,…と順に、収集した質量のイオ
ン量のデータが記録されている。データ処理装置84は
整理しクロマトグラムをCRTやプリンタに出力でき
る。
【0094】また、図22に他の手法を示す。図22の
例では、質量ステップ毎にイオン源を切り替えるが、図
22では一つのイオン源が選択されている間に、複数の
質量ステップを行なう方式である。
【0095】一質量の測定時間をtdとし、m個の異な
る質量のイオンを計測する場合、イオン源の切替時間は
両者の積m・tdとなる。図21,図22の場合もデー
タ処理装置84によりイオン源の切替とデータとの相関
は管理されているため、収集したデータを後程処理し
て、CRTなどに独立なクロマトグラムのように出力す
ることが可能となる。
【0096】本実施例で示したようなイオン源の切り替
え操作を行うことにより、複数のイオン源を1台のMS
にて並列測定を行うことが可能になる。 (第七の実施例)前述までの実施例では、イオン加速電
極23と静電偏向器70の間は、直接イオンが導入され
るように説明したが、この間には、質量分析計で多用さ
れている、静電レンズ、高周波多極(四重極,六重極,
八重極,…など)イオンガイドなどを挿入することもで
きる。
【0097】図23に示すように高周波多極イオンガイ
ド87をイオン加速電極23と静電偏向器70の間に置
く事により、イオンの透過効率を大きく改善する事がで
きる。イオン源20で生成されたイオンは前述のように
イオン加速電圧Vaにより加速される。イオンの加速さ
れる領域は、大気圧から真空の室にイオンと大気分子が
導入される領域である。そのため、圧力が高く、高真空
は望めない。加速されたイオンは残留気体分子と衝突
し、運動エネルギを失う事になる。イオンの加速と運動
エネルギの消滅が起きる事により、最終的にイオンの運
動エネルギに広がりができる。この運動エネルギの広が
りは、図10に示したように、静電偏向器70内でイオ
ンビームの広がりとして現れる。これによりイオン源2
0で生成したイオンの一部が失われる。この損失をカバ
ーするために、高周波多極イオンガイド87が用いられ
る。この高周波多極イオンガイド87は、イオンをイオ
ンガイドの中心軸方向に収束させるとともに、残留気体
分子とイオンとの衝突により、イオンの速度を平均化さ
せる事(エネルギーの平準化)ができるため、静電偏向
器70におけるイオンの偏向によるイオンビームの広が
りを防ぐ事ができる。すなわち、イオンビームを偏向
し、効率良く細孔73を通す事ができる。細孔73を通
過したイオンビームに広がりがある場合は、前述のよう
にアインツェルレンズを設けてイオンを収束させること
ができる。また、高周波多極イオンガイドを静電偏向器
70と質量分析計82の間に設置してイオンを効率よく
質量分析計に導くことができる。
【0098】前述第一〜第七の実施例においては、イオ
ンの選択は、専らイオン加速電圧のOn/Offによる
としたが、第一の実施例の中で示したように、イオン加
速電圧と静電偏向器の印加電圧の組合せを意図的にずら
す事でもイオンビームを遮断できる。
【0099】また、イオン加速電極と静電偏向器70の
間に、イオン偏向器を置き、通常は接地電位としイオン
ビームに何ら影響を与えないようにしておき、イオンビ
ームを遮断したい時、偏向電圧を印加してイオンビーム
をカットすることもできる。また、イオン偏向器の代わ
りにアインツエルレンズを置き、印加電圧を制御してイ
オンビームのOn/Offに用いても良い。 (第八の実施例)前述までの実施例は、静電偏向器70
によりイオンを偏向していたが、これ以外にも四重極偏
向器を用いても本発明を実現できる。
【0100】図24に、本実施例のLC/MS装置の概
略構成図を示す。イオンの偏向手段として四重極偏向器
81を用いている点以外は、第一の実施例と同じ構成で
ある。
【0101】第一のイオン源20で生成したイオンは、
真空ポンプ86で真空排気された真空室80に導入され
る。イオンは四重極偏向器81により90度偏向され、
質量分析計82に導かれ質量分析される。イオンは検出
器83により検出され、データ処理装置84においてマ
ススペクトルやマスクロマトグラムなどを算出する。
【0102】第二のイオン源40で生成したイオンも同
様に、四重極偏向器81により90度偏向され、質量分
析計82に導かれ質量分析される。
【0103】本実施例において、2台のLCを1台のM
Sに接続する上で、最も重要な構成要素は、上記の四重
極偏向器81である。各LCの大気圧イオン源は、図2
4に示されるように四重極偏向器81の相対する二面に
それぞれ配置される。四重極偏向器81の各面から入射
したイオンは、四重極偏向器81内の四重極電界により
偏向され、1つのイオン源からのイオンのみが選択的に
質量分析計に導かれる。その他のイオン源からのイオン
は、質量分析計82とは反対の方向に偏向され、イオン
補捉器28に捉えられ、質量分析計82に入射できなく
なる。導入するイオン源の選択は、四重極偏向器81の
4つの電極に印加する電圧を変えることにより行われ
る。
【0104】図25に図24の四重極偏向器81の模式
図を示す。四重極偏向器81は、1つの円柱または円筒
を4つ割りにした電極を円弧部分を向かい合わせになる
ように組み立てたものである。4つ割りにされた側面は
外部に向けられ四角の形状となる。4つの電極は絶縁物
を介して、四角の筒(図示なし)内に組み立てられる。
4つの電極の内、相向かい合う電極81aと81c,8
1bと81dの二組の電極間に直流電圧を印加する。イ
オンは四重極電極の長手(Z軸)方向ではなく、側面
(XY平面)の電極間より入射させる。例えば、正のイ
オンビーム88を側面(Y軸方向)から入射し、電極8
1a,81cに負の電位、電極81b,81dに正の電
位を印加すると、イオンは90度偏向され、四重極偏向
器81の電極81bと81cの間、即ちX軸方向89か
ら外部に出射する。このように四重極偏向器81は、イ
オンを簡単に90度偏向することができる。
【0105】図26,図27に四重極偏向器81の動作
機能を示す。
【0106】図26に、第一のイオン源20で生成され
たイオンを質量分析計82に導入する場合を示す。ま
ず、各イオン源で生成されたイオンは、加速電圧“A”
Vで加速され四重極偏向器81に入射する。このとき、
電極81a,81cには“−a・A”の直流電圧が印加
されている。一方、電極81b,81dには“+b・
A”の直流電圧が印加されている。その結果、四重極偏
向器81内には四重極正電場が形成される。すると、第
一のイオン源20からのイオンは、90度偏向され、質
量分析計82に導かれる。このとき、第二のイオン源4
0からのイオンは、電極81aと81bの間から入射し
ているが、入射したイオンは破線のように偏向され、イ
オン捕捉器28に捉えられ、決して質量分析計82に入
射することはない。
【0107】イオン捕捉器28は、円筒状の金属容器
で、入射されたイオンを捕捉するとともに、入射イオン
の衝突によって生じた二次電子をも捕捉するようにす
る。このイオン補捉器28を備えることにより、真空室
27内に散乱するイオンや電子をなくすことが可能とな
り、ノイズ量を低減することができ、結果として精度の
高い分析が可能となる。また、このイオン捕捉器28に
直流増幅器(図示なし)を接続し、イオン電流を計測す
ることも可能である。なおイオン捕捉器28は長時間の
測定の結果汚れた場合、取り外して掃除できる構造であ
ることが好ましい。
【0108】図27には、第二のイオン源40からのイ
オンを質量分析計82に導入する場合を示す。この場合
は、電極81a,81cに“+b・A”の電圧を、一
方、電極81b,81dに“−a・A”を印加する。す
なわち、図26に示した電圧の印加と逆にする。する
と、第2大気圧イオン源40で生成したイオンは、四重
極偏向器81の電界により実線の様に90度偏向され、
質量分析計82に導入される。一方、第一のイオン源2
0から四重極偏向器81に導入されたイオンは、破線の
ような軌道をとり、質量分析計82に導入されることは
ない。
【0109】以上から、四重極偏向器81を構成する4
つの電極に印加される電圧を切り替え制御することによ
り、同時に動作している2つのイオン源から、1つのイ
オン源を選択することが可能である。実際に、電極に印
加する電圧は、a=−0.45,b=+0.6 程度であ
る。四重極質量分析計の場合、イオン加速電圧Aは20
V程度あるから、四重極偏向器81の電極に印加する電
圧は−9V,+12V程度で良い。
【0110】本実施例におけるイオン源の切り替えタイ
ミングは、前述の平板電極を用いた静電偏向器を使用す
る実施例と同様に、質量分析計82の質量掃引の周期と
同期させて行うことが出来る。更に、図21,図22に
示すようなSIM法での測定も当然ながら行うことが可
能である。
【0111】また、本実施例で用いた四重極偏向器81
は、図15〜図17で示したGC/MSやプラズマイオ
ン化MSと組み合わせた装置においても、同様に適用す
ることが可能である。 (第九の実施例)図28に、第九の実施例を示す。本実
施例は、第八の実施例に備えられていたイオン捕捉器2
8の代わりに、新たに第三のイオン源60が備えられた
ものである。四重極偏向器を用いる点は第八の実施例と
変わりはない。
【0112】図29に、第三のイオン源60からのイオ
ンを選択的に質量分析計82に導く方法を示す。この場
合においては、四重極偏向器81を構成する4つの電極
81a,81b,81c,81dを全て同じ電位(接地電
位など)にする。第三のイオン源60で生成したイオン
は、実線のように直進し、質量分析計82に導入され
る。第一,第二のイオン源20,40で生成したイオン
は同様に直進するため(破線)、質量分析計82に導入
されることはない。
【0113】尚、第一,第二のイオン源20,40で生
成したイオンを質量分析計82に導入する場合は、第八
の実施例と同様の制御を行う。
【0114】図30には、本実施例の更に具体的な例を
示す。これは、2つのLC用の大気圧イオン源20,4
0と1つのGC用のEIイオン源104を1台のMSに
設置した例である。
【0115】本実施例においては、四重極偏向器81へ
の印加電圧の切り替えを行うことにより、第一のLC1
0、または第二のLC30、或いはGC101からのイ
オン化試料を瞬時に選択して質量分析計82に導入する
ことができる。
【0116】尚、図30の例においては、GCのイオン
源104は、質量分析計82と同軸上に配置する。一
方、LCの大気圧イオン源20,40は、質量分析計8
2の軸に直角に配置される。これは以下の利点があるた
めである。LC/MSのイオン源20,40からは、大
気圧イオン源であるために、イオン以外に液滴,中性微
粒子等も放出している。中性微粒子等は質量分析計82
に導入されるとノイズとして検出される。また、中性微
粒子等は四重極偏向器81で偏向を受けないため、四重
極偏向器81に入射してもそのまま直進し検出器に侵入
してノイズを発生させる。従って、図30のような配置
構成にすることにより、イオン源20,40から放出さ
れた中性微粒子等を質量分析計82に入射させなくする
ことができる。これによりマススペクトル上のノイズを
小さくすることが可能となる。
【0117】また、GC/MSのEIまたはCIイオン
源104は真空中のガスのイオン化のため、LC/MS
の大気圧イオン源と異なり中性微粒子等は生成しない。
そのため、四重極偏向器81を直進し、中性微粒子を除
けない位置に設置されていても問題はない。
【0118】本実施例の構成では、質量分析計82に導
かれなかったイオンの影響により、前述までの実施例の
構成よりは、測定精度が悪くなるという欠点はあるもの
の、イオン源が増設されることにより、更に高スループ
ットの測定が可能になるというメリットが生じる。
【0119】更には、図30のような構成にすることに
より、GC/MS,LC/MSが同時に実現でき、両手
法を必要とする分析の効率を飛躍的に高めることができ
る。
【0120】尚、LCのイオン源20または40に代え
て、プラズマイオン源を設置することも可能である。こ
のように構成すれば、GC/MS,LC/MSに加えて
プラズマイオン化MSをも同時に測定可能になる。
【0121】本実施例においては、3つのイオン源を四
重極偏向器81の周りに設置して、四重極偏向器81の
電極に印加する電圧を制御することで、3つのイオン源
を切り替えて使用することが可能になる。しかしこの場
合、選択されていないイオン源が別のイオン源から放出
されたイオンにより汚染される問題が起きる。この場
合、質量分析されているイオンを放出しているイオン源
(選択されたイオン源)以外のイオン源に供給されるイ
オン加速電圧を遮断すれば、非選択イオン源からイオン
は放出されず他のイオン源を汚染することはない。
【0122】以上に示したように、本発明では、1台の
MSに対して様々な種類のイオン源を複数接続して、同
時に測定を行うことが可能となる。従って、本発明に依
れば、LC/MS,GC/MS,プラズマイオン化MS
の測定を、1台のMSで同時に行うことができる。
【0123】本発明におけるイオン源の切り替えは、四
重極質量分析計,イオントラップ質量分析計,磁場型質
量分析計,飛行時間型質量分析計などに広く応用するこ
とが可能である。
【0124】また、イオン源の種類も質量分析計に適用
されている多く種類のイオン源を適用することが可能で
ある。即ち、質量分析では、ESI,APCI,EI,
CI,ICP,MIP以外にも、分析対象により、レー
ザイオン化イオン源,FABイオン源,二次イオン化
(SIMS)イオン源(これらの3つイオン源は、何れ
も高真空下で動作する)、グロー放電イオン源等が広く
使われる。本発明に適用可能なこれらのイオン源は、大
気圧下で動作させるもの、高真空下で動作させるもの等
種々あるが、いずれも前述の方法で組み合わせ使用が可
能になる。
【0125】
【発明の効果】本発明によれば、複数のイオン源を備え
たLC/MS,GC/MS,プラズマイオン化MS等に
おいて、複数のイオン源を稼動させながら、質量分析を
行うことが可能である。また、本発明では、イオン源の
動作に関わらずイオン加速電極や四重極偏向器の印加電
圧の切り替えを行うのみで、質量分析計に導くイオンを
容易に、且つすばやく切り替えることができるので、単
位時間当たりの試料処理能力を大幅に向上させる事が可
能となり、高スループットの装置が実現できる。
【0126】さらに、1台の質量分析計で複数のイオン
源の分析を行うことが可能であるので、装置の小型化,
低価格化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の基本構成を示す図であ
る。
【図2】静電偏向器70の説明図である。
【図3】本発明の第一の実施例の外観構成を示す図であ
る。
【図4】本発明の第一の実施例の内部概略構成を示す図
である。
【図5】円形の静電偏向器において4台のイオン源を装
着した例を示す図である。
【図6】多角形の静電偏向器において4台のイオン源を
装着した例を示す図である。
【図7】図5の構成例において、イオンの偏向の様子を
表した図である。
【図8】図5の構成例において、イオンの偏向の様子を
表した図である。
【図9】図5の構成例において、イオンの偏向の様子を
表した図である。
【図10】イオン加速電極の印加電圧と静電偏向器の電
界との関係を説明する図である。
【図11】イオン加速電極の最適な印加電圧を求める動
作を説明する図である。
【図12】静電偏向器の最適な印加電圧を求める動作を
説明する図である。
【図13】第一の実施例の動作を説明する図である。
【図14】第二の実施例の構成を示す図である。
【図15】第三の実施例の構成を示す図である。
【図16】第四の実施例の構成を示す図である。
【図17】第五の実施例の構成を示す図である。
【図18】第六の実施例の測定動作を表す図である。
【図19】2つのイオン源による測定の際のクロマトグ
ラムを表す図である。
【図20】CRTやプリンタからの出力例を示した図で
ある。
【図21】第六の実施例の他の測定動作を表す図であ
る。
【図22】第六の実施例の他の測定動作を表す図であ
る。
【図23】第七の実施例の構成を示す図である。
【図24】第八の実施例の構成を示す図である。
【図25】四重極偏向器の外観を示す図である。
【図26】四重極偏向器によるイオンの偏向を説明する
図である。
【図27】四重極偏向器によるイオンの偏向を説明する
図である。
【図28】第九の実施例の構成を示す図である。
【図29】四重極偏向器によるイオンの偏向を説明する
図である。
【図30】第九の実施例の具体的な構成を示す図であ
る。
【図31】従来の例を示す図である。
【図32】従来の例を示す図である。
【符号の説明】
10,30,50…液体クロマトグラフ、11,31…
ポンプ、12,32…オートサンプラ、13,33…分
離カラム、14,34…連結パイプ、16…噴霧ガス、
17…高圧電源、19…廃棄ガス排出口、20…第一の
イオン源、21,41…中間圧力室、22,42…油回
転ポンプ、23,43,61,63…イオン加速電極、
24…イオン加速電源、26,29,86…ターボ分子
ポンプ、27…真空室、28…イオン捕捉器、40…第
二のイオン源、60…第三のイオン源、62…第四のイ
オン源、70…静電偏向器、71…静電偏向器第一電
極、72…静電偏向器第二電極、73…静電偏向器細
孔、74…静電偏向器電源、78…分岐ティー、80…
真空室、81…四重極偏向器、81a,81b,81c,
81d…四重極偏向器電極、82…質量分析計、83…
検出器、84…データ処理装置、85…制御装置、87
…質量分析計電源、88…入射イオンビーム、89…出
射イオンビーム、90…四重極偏向器電源、91,92
…電源線、93…信号線、100,110…GCオート
サンプラ、101,111…ガスクロマトグラフ(G
C)、102,112…インジェクタ、103,113
…GCカラム、104,114…イオン源、120,1
30…Arガス、121,131…噴霧器、122,1
32…プラズマプローブ、123,133…プラズマ、
124,134…プラズマイオン源、160,170…
ディフレクター電極、190…流路切り替えバルブ、1
91…ドレイン用ビーカ、200…ガスクロ用イオン
源。

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン源で生成したイオンを質量分析計に
    導き質量分析する質量分析装置において、 複数のイオン源と、 当該複数のイオン源の内、少なくとも一のイオン源から
    のイオンを静電界によって前記質量分析計へ向かうよう
    に偏向する偏向手段を有することを特徴とする質量分析
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1の質量分析装置において、 前記偏向手段は、2枚の平板電極から成る静電偏向器で
    あることを特徴とする質量分析装置。
  3. 【請求項3】請求項2の質量分析装置において、 前記イオン源毎にイオン加速電極を備え、 当該イオン加速電極への印加電圧の制御により、前記任
    意のイオン源のイオンを前記静電偏向器へ導入すること
    を特徴とする質量分析装置。
  4. 【請求項4】請求項3の質量分析装置において、 前記イオン加速電極と前記静電偏向器の間に、イオンを
    収束するイオンガイドを備えたことを特徴とする質量分
    析装置。
  5. 【請求項5】請求項2の質量分析装置において、 前記静電偏向器の2枚の平板電極のそれぞれは、前記質
    量分析計へイオンが導入される軸上で、平行となるよう
    に配置され、 前記複数のイオン源は、前記平行に配置された平板電極
    間にイオンを導入できる位置に配置され、 当該静電偏向器と複数のイオン源から成る配列の面は、
    前記質量分析計と前記静電偏向器とを結ぶ軸と、直角に
    交わるように配置されることを特徴とする質量分析装
    置。
  6. 【請求項6】請求項5の質量分析装置において、 前記質量分析計側に配置される前記平板電極は、偏向さ
    れたイオンが通過する細孔を有することを特徴とする質
    量分析装置。
  7. 【請求項7】請求項1の質量分析装置において、 前記偏向手段は、4つの電極からなる四重極偏向器であ
    ることを特徴とする質量分析装置。
  8. 【請求項8】請求項7の質量分析装置において、 前記四重極偏向器は、前記各電極に印加する電位を切り
    替えることにより、1つのイオン源のイオンを選択的に
    質量分析計に導入することを特徴とする質量分析装置。
  9. 【請求項9】請求項7の質量分析装置において、 入射されるイオンを捕捉するイオン捕捉部を備え、 前記質量分析計と前記イオン捕捉部と前記四重極偏向器
    とを同一軸上に配置したことを特徴とする質量分析装
    置。
  10. 【請求項10】請求項9の質量分析装置において、 前記四重極偏向器と2つのイオン源とを同一軸上に配置
    し、 当該四重極偏向器と2つのイオン源からなる配列の軸
    は、前記質量分析計と前記イオン捕捉部とを含む配列の
    軸と、前記四重極偏向器を中心として直角に交わるよう
    に配置されることを特徴とする質量分析装置。
  11. 【請求項11】請求項7の質量分析装置において、 前記質量分析計と前記四重極偏向器と前記イオン源の一
    つとを同一軸上に配置し、 前記四重極偏向器と2つのイオン源とを同一軸上に配置
    し、当該四重極偏向器と2つのイオン源からなる配列の
    軸は、前記質量分析計と任意の1つのイオン源とを含む
    配列の軸と、前記四重極偏向器を中心として直角に交わ
    るように配置されることを特徴とする質量分析装置。
  12. 【請求項12】分析試料をイオン化する複数のイオン源
    と、イオンの質量分析を行う質量分析計と、前記複数の
    イオン源からのイオンを選択的に前記質量分析計に導入
    する2枚の平板電極から成る静電偏向器或いは4つの電
    極から成る四重極偏向器とを備えた質量分析装置であっ
    て、 前記複数のイオン源は、エレクトロスプレイイオン源,
    大気圧化学イオン化イオン源,結合誘導プラズマイオン
    源,マイクロ波誘導イオン源,電子イオン化イオン源,
    化学イオン化イオン源,レーザイオン化イオン源,FA
    Bイオン源,二次イオン化(SIMS)イオン源,グロ
    ー放電イオン源の何れかであること特徴とする質量分析
    装置。
  13. 【請求項13】分析試料のイオンを生成するイオン源が
    配置された第1の室と、質量分析計が置かれた第2の室
    とを備え、前記第1の室で生成されたイオンを前記第2
    の室に導き質量分析する質量分析装置において、 前記第1の室と第2の室の間に、前記イオン源からのイ
    オンを前記質量分析計へ向かうように偏向する偏向手段
    が配置された第3の室を備え、 前記第3の室に対して、前記第1の室は少なくとも2つ
    接続されることを特徴とする質量分析装置。
  14. 【請求項14】請求項13において、 前記第2の室に対して接続される第1の室は、前記第2
    の室と第3の室とを結ぶ軸と直角となる軸上に配置され
    ることことを特徴とする質量分析装置。
  15. 【請求項15】2枚の平板電極からなる静電偏向器と、
    当該静電偏向器の電極間にイオンを導入できる位置に配
    置された複数のイオン源と、各イオン源毎に備えられイ
    オン源からのイオンを加速するイオン加速電極と、当該
    イオン源からのイオンを質量分離する質量分析計とを備
    え、前記複数のイオン源からのイオンを選択的に前記質
    量分析計に導いて測定を行う質量分析方法であって、 前記質量分析計に導くべきイオンを生成するイオン源に
    対応するイオン加速電極に、イオンを加速させるための
    電圧を印加することを特徴とする質量分析方法。
  16. 【請求項16】請求項15において、 前記質量分析計へイオンを導入するイオン源の切り替え
    は、前記質量分析計の質量掃引の周期と同期して行われ
    ることを特徴とする質量分析方法。
  17. 【請求項17】請求項15において、 前記質量分析計が任意の質量数に対してイオン電流の計
    測を行っている間に、前記イオン源の切り替え動作を行
    うことを特徴とする質量分析方法。
  18. 【請求項18】請求項15において、 特定のイオン源からのイオンを前記質量分析計へ導入す
    る間に、複数の質量数の質量掃引をステップ的に行うこ
    とを特徴とする質量分析方法。
  19. 【請求項19】4つの電極部材からなる四重極偏向器
    と、当該四重極偏向器の各電極部材の間隙にイオンを導
    入できる位置に配置された複数のイオン源と、当該イオ
    ン源からのイオンを質量分離する質量分析計とを備え、
    前記複数のイオン源からのイオンを選択的に前記質量分
    析計に導いて測定を行う質量分析方法であって、 前記四重極偏向器の対向する2つの電極部材からなる第
    1の組を高電位とし、他の2つの電極部材からなる第2
    の組を前記第1の組より低電位とする第1のステップ
    と、 前記第1の組を前記第2の組よりも高電位とする第2の
    ステップとを有することを特徴とする質量分析方法。
  20. 【請求項20】請求項19において、 前記第1のステップと第2のステップは連続的に切り替
    えられ、 当該各ステップの切り替え周期は、前記質量分析計の質
    量掃引の周期と同期して行われることを特徴とする質量
    分析方法。
  21. 【請求項21】請求項19において、 前記質量分析計が任意の質量数に対してイオン電流の計
    測を行っている間に、前記第1のステップと第2のステ
    ップの切り替えが行われることを特徴とする質量分析方
    法。
  22. 【請求項22】請求項19において、 前記四重極偏向器の4つの電極を全て等電位とする第3
    のステップを有することを特徴とする質量分析方法。
  23. 【請求項23】請求項15及び19において、 前記複数のイオン源は、前記静電偏向器或いは前記四重
    極偏向器に対して同時期にイオンの放出を行うことを特
    徴とする質量分析方法。
  24. 【請求項24】少なくとも片方の電極にイオンを通過さ
    せる細孔を有する2枚の平板電極からなる静電偏向器
    と、当該静電偏向器の電極間にイオンを導入できる位置
    に配置された複数のイオン源と、各イオン源毎に備えら
    れイオン源からのイオンを加速するイオン加速電極と、
    当該イオン源からのイオンを質量分離する質量分析計と
    を備え、前記複数のイオン源からのイオンを選択的に前
    記質量分析計に導いて測定を行う質量分析方法であっ
    て、 前記各イオン加速電極と前記静電偏向器には、前記静電
    偏向器の細孔にイオンを導くように電圧が印加され、 測定すべきイオン源を選択する際には、測定を行わない
    イオン源の前記イオン加速電極への印加電圧を変更する
    ことを特徴とする質量分析方法。
  25. 【請求項25】少なくとも片方の電極にイオンを通過さ
    せる細孔を有する2枚の平板電極からなる静電偏向器
    と、当該静電偏向器の電極間にイオンを導入できる位置
    に配置された複数のイオン源と、各イオン源毎に備えら
    れイオン源からのイオンを加速するイオン加速電極と、
    当該イオン源からのイオンを質量分離する質量分析計と
    を備え、前記複数のイオン源からのイオンを選択的に前
    記質量分析計に導いて測定を行う質量分析方法であっ
    て、 前記各イオン加速電極のそれぞれに異なる電圧を印加
    し、 測定すべきイオン源を選択する際には、選択したイオン
    源からのイオンが前記静電偏向器の細孔に導入されるよ
    うに前記静電偏向器への印加電圧を変更することを特徴
    とする質量分析方法。
  26. 【請求項26】少なくとも片方の電極にイオンを通過さ
    せる細孔を有する2枚の平板電極からなる静電偏向器
    と、当該静電偏向器の電極間にイオンを導入できる位置
    に配置された複数のイオン源と、各イオン源毎に備えら
    れイオン源からのイオンを加速するイオン加速電極と、
    当該イオン源からのイオンを質量分離する質量分析計と
    を備えた質量分析装置における、前記イオン源からのイ
    オンを前記細孔へ導くために、前記イオン加速電極と前
    記静電偏向器へ印加すべき電圧を設定する方法であっ
    て、 静電偏向器の印加電圧を固定し、 設定すべきイオン源以外のイオン源に対応するイオン加
    速電極への印加電圧を接地電位として、設定すべきイオ
    ン源に対応したイオン加速電圧を掃引し、 イオン電流が最大となる時の印加電圧を当該掃引を行っ
    たイオン加速電極への印加電圧とすることを特徴とする
    質量分析装置の印加電圧設定方法。
  27. 【請求項27】少なくとも片方の電極にイオンを通過さ
    せる細孔を有する2枚の平板電極からなる静電偏向器
    と、当該静電偏向器の電極間にイオンを導入できる位置
    に配置された複数のイオン源と、各イオン源毎に備えら
    れイオン源からのイオンを加速するイオン加速電極と、
    当該イオン源からのイオンを質量分離する質量分析計と
    を備えた質量分析装置における、前記イオン源からのイ
    オンを前記細孔へ導くために、前記イオン加速電極と前
    記静電偏向器へ印加すべき電圧を設定する方法であっ
    て、 設定すべきイオン源に対応したイオン加速電極への印加
    電圧を固定し、 設定すべきイオン源以外のイオン加速電極への印加電圧
    を接地電位として、前記静電偏向器への印加電圧を掃引
    し、 イオン電流が最大となる時の印加電圧を、設定すべきイ
    オン源に対応した静電偏向器への印加電圧とすることを
    特徴とする質量分析装置の印加電圧設定方法。
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