JP2000356644A - 熱交換効果を利用した走査型プローブ顕微鏡装置におけるアプローチ方法及びカンチレバー - Google Patents

熱交換効果を利用した走査型プローブ顕微鏡装置におけるアプローチ方法及びカンチレバー

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喜春 白川部
Hiroshi Takahashi
寛 高橋
Nobuhiro Shimizu
信宏 清水
Chiaki Yasumuro
千晃 安室
Tadashi Arai
正 新井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料に対しカンチレバーの探針を精度よくア
プローチ可能とすること。 【解決手段】 走査型プローブ顕微鏡装置においてカン
チレバー1の探針4を試料表面にアプローチさせるた
め、カンチレバー1に熱センサ23を組み込んでおき、
カンチレバー1が試料に接近するにつれて生じる両者間
の熱交換情報を熱センサ23からの出力信号を用いて
得、この熱交換情報によってカンチレバー1と試料との
間の距離を制御するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換効果を利用
した走査型プローブ顕微鏡装置におけるアプローチ方法
及びカンチレバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の走査型プローブ顕微鏡装置は、図
10の(A)に示されるように、試料100の表面を走
査するカンチレバー101とカンチレバー101の位置
を検出するための光学的検出系102とで構成され、観
察のための試料100へのアプローチは、カンチレバー
101又は試料台103を移動させ、カンチレバー10
1の先端にある探針101Aと試料100との間隔を限
りなく狭めてゆき、カンチレバー101の先端にある探
針101Aが試料100に接したと同時に発生するカン
チレバー101の変位やカンチレバー101の歪みを歪
ゲージ104によって検出し(同図(B)参照)、アプ
ローチの制御を行っていた。アプローチ完了後は試料−
探針(カンチレバー)の作用している力(距離) は図示
しないフィードバック制御系によって制御され一定に保
たれるようになっている。
【0003】次に、試料100から数10nm〜数10
0nmの一定間隔で働いている遠距離力の物理現象(例
えば静電気力や磁気力など)を検出する場合には、最初
にAFMないしDFMモードにて試料100の表面の凹
凸情報を取得した後、その情報をもとにして試料100
と探針101Aとの間をあけて再度同一位置をトレース
走査することによって、凸凹情報を取得していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】走査型プローブ顕微鏡
装置における上述した従来のアプローチ方法は、アプロ
ーチまでの試料台又はカンチレバーの駆動は、一般的に
パルスモーター等により速いスピードで接近させ(粗
動)、顕微鏡による目視確認により両者が接触する手前
で粗動を止め、この位置から5μm/sec程度の緩や
かなスピード(微動)でさらに接近させてゆき、上述の
ようにアプローチを完了するに至るものである。
【0005】したがって、従来のアプローチ方法では、
粗動時に目視確認を誤ると探針と試料とが接触してしま
い、探針及びカンチレバー試料を破損してしまうことが
あった。
【0006】さらに、微動でアプローチする際にも、探
針と試料との物理的接触を回避するのが非常に困難であ
った。接触を回避させるため、試料・探針間が極めて接
近した際に発生する原子間力を検知する方法も存在する
が、原子間力が働くようになる間隙は極めて小さく、実
際には原子間力を検知してから微動速度を停止すること
になるため制御する信号処理の遅れが存在し、やはり接
触回避は困難であった。
【0007】次に試料から数10nm〜数100nmの
一定間隔で走査する場合には、最初にAFM又はDFM
モードにて試料表面の凹凸情報を取得した後、その情報
をもとにして試料・探針間をあけて再度同一位置をトレ
ース走査する必要があり、一定間隔でのみ試料表面を走
査することはできなかった。この凹凸情報の取得の際に
起こる探針先端の劣化や2回走査することにより倍の測
定時間がかかること、さらに凹凸情報取得後に起こりう
る試料や探針制御の遅れやクリープ現象による位置ドリ
フトによって、正確なトレース走査ができず、最悪では
一定間隔をあけているにも拘らず探針が試料に接触して
しまう不具合が生じることがあった。このため、本来な
ら影響を受けない遠距離力信号(画像イメージ)に表面
凹凸情報が混入してしまい、純粋な遠距離力信号(画像
イメージ)が取得できないという不具合があった。
【0008】本発明の目的は、従来技術における上述の
問題点を解決することができるようにした、熱交換効果
を利用した走査型プローブ顕微鏡装置におけるアプロー
チ方法及びカンチレバーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、試料と探針又はカンチレバーとの間に働
く熱交換効果を利用し走査型プローブ顕微鏡装置のアプ
ローチの際に探針と試料間隙を精度よく制御するように
したものである。
【0010】請求項1の発明によれば、走査型プローブ
顕微鏡装置においてカンチレバーの探針を試料表面にア
プローチさせるためのアプローチ方法において、前記カ
ンチレバーに熱センサを組み込んでおき、前記カンチレ
バーが前記試料に接近するにつれて生じる両者間の熱交
換情報を前記熱センサからの出力信号を用いて得、該熱
交換情報によって前記カンチレバーと前記試料との間の
距離を制御するようにした方法が提案される。
【0011】熱センサは、熱交換効果を検知できるもの
であれば何でもよいが、例えば、薄膜白金抵抗体を用い
た熱センサーやSi単結晶にドーピングを行って作製され
るピエゾ抵抗体熱センサ、異種金属薄膜抵抗体を組み合
わせたサーモカップル、PN接合を有する半導体素子、
さらにSurface acoustic wave device(SAWデバイス)
等を用いることができる。これら各種方式の選定は使用
環境や所望の感度、使用温度帯域によって選択される。
【0012】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
において、前記試料又は前記カンチレバーを加熱又は冷
却することにより、両者間に温度勾配を持たせ、距離が
接近すると共に起こる両者間の熱交換情報を前記熱セン
サによって検知することにより高感度化を図った方法が
提案される。
【0013】このアプローチ制御方法によれば、試料・
探針間が遠距離の位置からでもセンサー信号を効率よく
検出でき、接触直前に生じる信号のレベル上昇のカーブ
を検知することにより、試料と探針とを接触させること
なくフィードバック制御を開始することを可能にする。
この結果、試料と探針にダメージを与えることなく試料
の高分解能観察を可能にする。
【0014】請求項3の発明によれば、請求項1記載の
方法によりカンチレバーを試料に対して所定距離までア
プローチさせた後、前記カンチレバーと前記試料との間
の距離を一定に保ちつつ試料のトレースを行い、このと
き前記熱センサから得られる出力信号により遠距離測定
を行うようにした試料の測定方法が提案される。
【0015】高感度信号を制御信号として用いることに
より、アプローチ手前数100nm〜数10nmの距離
でアプローチを完了してフィードバック制御を開始する
ことが可能になり、遠距離力の物理現象を表面の凹凸情
報を取得することなく、遠距離力情報のみを取得するこ
とが可能になる。さらに熱センサを高感度化するか又は
温度勾配を大きくすることによって、その制御間隔の距
離は数mmまで広げることが可能である。この従来の制
御間隔では測定不可能な非常に強力な試料表面から放出
されている物理量を測定することも可能になる。
【0016】同様に制御間隔は従来と同等にして、温度
勾配のみを大きくすることにより、見かけ上の感度を向
上させることも可能である。
【0017】請求項4の発明によれば、走査型プローブ
顕微鏡装置のカンチレバーであって、試料との間の熱交
換効果を検知可能な熱センサを設けて成るカンチレバー
が提案される。
【0018】請求項5の発明によれば、請求項4のカン
チレバーを備え、前記熱センサからの出力信号を前記試
料と前記カンチレバーの探針との間隔を制御するための
位置制御信号として用いた走査型プローブ顕微鏡装置が
提案される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0020】図1及び図2には、走査型プローブ顕微鏡
装置に用いるための、本発明によるカンチレバーの実施
の形態の一例が示されており、図1はその平面図、図2
は図1のA−A'線断面図である。
【0021】カンチレバー1は、走査型プローブ顕微鏡
装置のプローブとして用いられるものであり、例えば、
絶縁膜(SiO2)をSiで挟んだSOIウエハー等を用いたフ
ォトリソグラフィーにより製造することができる。カン
チレバー1は、SOIウエハーをエッチングして作られ
た支持部2からレバー部3が一体に延設されて成り、レ
バー部3の自由端部には探針4が一体に形成されてい
る。なお、探針4はレバー部3と別体であってもよい。
【0022】レバー部3には、窓3A、3Bがあけられ
ており、これによりレバー部3の良好な可撓性を実現し
ているが、窓3A、3Bは必ずしも必要ではない。
【0023】レバー部3の基部付近には、一対の熱セン
サ素子5、6がレバー部3の長手方向に延びるように設
けられている。熱センサ素子5、6は、図2からも判る
ように、カンチレバー1の基体を成しているN+基板上
にP+層としてイオンインプラテーション等により形成
され、このときできるピエゾ抵抗体により熱検出が可能
となっている。熱センサ素子5、6は、また、熱検出の
機能のほか、レバー部3の歪を検出するための歪センサ
としても働くことができ、熱センサ兼歪センサ素子とし
て設けられている。
【0024】熱センサ素子5、6の各一端5A、6Aは
センサ間配線7により電気的に接続され、熱センサ素子
5、6の各他端5B、6Bには熱センサ素子5、6を外
部回路に接続するための電極端子8、9が接続されてい
る。
【0025】センサ間配線7及び電極端子8、9は、い
ずれも、アルミニウム(Al)等の金属薄膜をパターニング
して形成するなど、公知の適宜の手段で形成することが
できる。
【0026】カンチレバー1は、上述の如く、レバー部
3の基部付近に熱センサ素子5、6を設け、これにより
熱センサTSを構成するようにしたので、カンチレバー
1が試料(図示せず)に近づくことにより生じる両者間
の熱交換効果により、探針4と試料との間の距離を示す
ことができる熱センサ出力信号を電極端子8、9から得
ることができる。これと同時に、レバー部3が変形する
ことにより生じる熱センサ素子5、6の抵抗値の変化を
示す歪出力信号も電極端子8、9から検出することがで
きる。
【0027】図3には、カンチレバー1を試料に所定の
一定速度で近づけていった場合における経過時間Tに従
う熱センサTSからの熱センサ出力信号ST及び、歪出
力信号SDのレベル変化との関係を示すグラフが示され
ている。
【0028】先ず歪出力信号SDのレベル変化について
説明すると、探針4と試料との間が大きく離れている間
はその出力レベルは所定の基準レベルLOであり、探針
4が試料と接触を開始することによりはじめてそのレベ
ルが生じる。この時点がt1である。そして、アプロー
チの瞬間に歪出力信号SDのレベルは正から負へと大き
く変化する。すなわち、時点t2がアプローチの瞬間を
示すことになる。したがって、T<t2がアプローチ動
作領域、T=t2がアプローチの瞬間、T>t2がアプ
ローチ完了後のフィードバック制御開始領域ということ
になる。以上は、従来の歪ゲージを用いたアプローチ検
出の動作と同じである。
【0029】一方、熱センサ出力信号STのレベルは、
時点t2よりも前に、熱交換効果により上昇し始め、T
=t2において最大レベルとなる。探針4が試料と接触
した後は、熱センサ素子6の熱が試料側に奪われるの
で、熱センサ出力信号STのレベルは一時的に急激に低
下した後、徐々に基準レベルLOに近づくことになる。
【0030】以上の説明から判るように、歪出力信号S
Dのレベルはアプローチの瞬間の前後において僅かに変
化するのみであるから、アプローチの瞬間が到達する前
にアプローチ動作を停止させ、探針4と試料と所定の微
小間隙距離に保つのが極めて困難である。
【0031】しかし、熱センサ出力信号STのレベル
は、アプローチの瞬間t2よりも大分前から変化しはじ
めるので、アプローチの瞬間をかなり的確に予想するこ
とができ、試料と探針にダメージを与えることなく試料
の高分解能観察を可能にする。
【0032】したがって、熱センサ出力信号STとして
得られる高感度信号を制御信号として用いることによ
り、アプローチ手前数100nm〜数10nmの距離で
アプローチを完了してフィードバック制御を開始するこ
とが可能になり、遠距離力の物理現象を表面の凹凸情報
を取得することなく、遠距離力情報のみを取得すること
が可能になる。さらに熱センサTSを高感度化するか又
はカンチレバー1と試料との間の温度勾配を大きくする
ことによって、その制御間隔の距離は数mmまで広げる
ことが可能である。同様に制御間隔は従来と同等にし
て、温度勾配のみを大きくすることにより、見かけ上の
感度を向上させることも可能である。
【0033】カンチレバー1を用いることにより、アプ
ローチ動作において探針4を試料に接触させてしまいカ
ンチレバーを損傷させてしまうという事故を極めて効果
的に避けることができる。
【0034】図4は、本発明によるカンチレバーの他の
実施の形態を示す平面図であり、図5は図4のB−B'
線断面図である。図4、図5に示したカンチレバー21
は、熱センサと歪センサとを独立して別に設けた点でカ
ンチレバー1と異なっている。したがって、カンチレバ
ー21の各部のうちカンチレバー1の各部に対応する部
分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0035】カンチレバー21においては、符号5、6
で示される素子は、歪センサを構成する素子として用い
られており、N+の半導体領域で構成されるレバー部3
の基体上には、イオンインプラテーションによりP+
を形成し、配線22が形成されている。熱センサ23は
抵抗体等の熱源を探針上に設けられる構成となってい
る。熱源の例として、探針部に選択的に白金(Pt)、チ
タン(Ti)、アルミニウム(Al)等の金属薄膜をスパッタリ
ング等の公知の手法によって設け、その両端に位置する
電極端子からP+層の配線22を引き出しその両端に電極
端子24と25が外部回路との接続端子として公知の手
段で設けられている。ここで、熱センサ23の部分と電
極端子24,25の材料は同一でも異なるものでもよ
く、配線22は抵抗体であるので、熱センサとしても機
能する。熱センサ23の抵抗が大きく、電極端子24,
25の抵抗が小さいことが機能上好ましい。3C、3
D、3Eは、レバー部3にあけられた窓であり、主に各
配線部を熱的に遮断する働きをする。
【0036】カンチレバー21では、熱センサ23が探
針部4に配設されているので、前記カンチレバーの場合
に比べて、カンチレバー1と試料との間の熱交換効果に
よる電気的出力を高レベルで取り出すことができるので
高感度である。なお、配線22(P+層)の表面はシリコ
ン酸化膜(SiO2)で覆われている。また熱センサと歪セ
ンサを別々に設定できるので、カンチレバー1に比べ、
より高精度の観察ができる。
【0037】図6は、図4に示したカンチレバー21の
変形例を示す図であり、図7は図6のC−C'線断面図
である。図6及び図7に示したカンチレバー31は、カ
ンチレバー21における窓3Cをなくして熱センサ33
をレバー部3の略中心部に直線的に設けるようにしたも
のであり、カンチレバー31のその他の構成はカンチレ
バー21と同様であるので、対応する場合には同一の番
号を付して説明を省略する。熱センサ33となる抵抗と
配線22はP+層をイオンインプラテーションにより同
時に形成する。配線22は電極端子24、25と接続さ
れる。
【0038】カンチレバー31によれば、探針に金属薄
膜等を付着することなく熱センサ33の抵抗体を得られ
るので、探針先端部の先鋭度を損なうことなく熱検出に
必要な抵抗体を探針部に設けることができる。さらに熱
センサからの配線22が、レバー部3の略中心部を真直
に延びるようにしてレバー部3に設けられている。また
配線22は抵抗体でできているため、熱センサとしても
機能する。従って、カンチレバー31と試料との間の熱
交換効果による熱の検出をより一層効率よく正確に行う
ことができる。図8は、図4に示したカンチレバー21
の変形例を示す図であり、図9は図8のD−D'線の断
面図である。図8及び図9に示したカンチレバー41
は、カンチレバー21における熱センサ23と配線22
の材料を入れ替え、センサ間配線7の部分と、熱センサ
43とをP+層で製作したものである。カンチレバー4
1のその他の構成はカンチレバー21と同様であるの
で、対応する場合には同一の番号を付して説明を省略す
る。熱センサ43は歪みセンサ5,6と同時にP+層を
イオンインプラテーションすることにより同時形成でき
る。配線22は電極端子24,25と同時に金蔵薄膜材
料で製作する。
【0039】カンチレバー41によれば、探針に金属薄
膜等を付着することなく熱センサ43の抵抗体を得られ
るので、探針先端部の先鋭度を損なうことなく熱検出に
必要な抵抗体を探針部に設けることができる。さらに配
線22は金属薄膜により製作するので、抵抗値を小さく
できる。従って熱センサとしてより理想的な機能をす
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、試料・探針間が遠距離
の位置からでもセンサー信号を効率よく検出でき、接触
直前に生じる信号のレベル上昇のカーブを検知すること
により、試料と探針とを接触させることなくフィードバ
ック制御を開始することを可能にする。この結果、試料
と探針にダメージを与えることなく試料の高分解能観察
が可能となる。
【0041】また、熱センサから得られる出力信号を制
御信号として用いることにより、アプローチ手前数10
0nm〜数10nmの距離でアプローチを完了してフィ
ードバック制御を開始することが可能になり、遠距離力
の物理現象を表面の凹凸情報を取得することなく、遠距
離力情報のみを取得することが可能になる。さらに熱セ
ンサを高感度化するか又は温度勾配を大きくすることに
よって、その制御間隔の距離は数mmまで広げることが
可能である。この従来の制御間隔では測定不可能な非常
に強力な試料表面から放出されている物理量を測定する
ことも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカンチレバーの実施の形態の一例
を示す平面図。
【図2】図1のA−A'線断面図。
【図3】図1カンチレバーを用いて行う本発明によるア
プローチ方法を説明するための説明図。
【図4】本発明によるカンチレバーの他の実施の形態を
示す平面図。
【図5】図4のB−B'線断面図。
【図6】図4に示したカンチレバーの変形例を示す平面
図。
【図7】図6のC−C'線断面図。
【図8】図4に示したカンチレバーの変形例を示す平面
図。
【図9】図8のD−D'線断面図。
【図10】従来のアプローチ方法を説明するための説明
図で、(A)はアプローチ前の様子を示す図、(B)は
アプローチ後の様子を示す図。
【符号の説明】
1、21、31、41 カンチレバー 2 支持部 3 レバー部 4 探針 5、6 熱センサ素子(歪センサ素子) 23、33、43、TS 熱センサ ST 熱センサ出力信号 SD 歪出力信号
フロントページの続き (72)発明者 清水 信宏 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 安室 千晃 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 新井 正 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 Fターム(参考) 2F063 AA23 AA43 CA28 CA40 DA01 DB01 DB06 DD02 EA16 EB05 EB07 EB15 EC01 EC03 EC06 EC26 JA09 KA01 LA03 ZA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査型プローブ顕微鏡装置においてカン
    チレバーの探針を試料表面にアプローチさせるためのア
    プローチ方法において、 前記カンチレバーに熱センサを組み込んでおき、前記カ
    ンチレバーが前記試料に接近するにつれて生じる両者間
    の熱交換情報を前記熱センサからの出力信号を用いて
    得、該熱交換情報によって前記カンチレバーと前記試料
    との間の距離を制御するようにしたことを特徴とする走
    査型プローブ顕微鏡装置におけるアプローチ方法。
  2. 【請求項2】 前記試料又は前記カンチレバーを加熱又
    は冷却することにより、両者間に温度勾配を持たせるよ
    うにした請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡装置にお
    けるアプローチ方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法により前記カンチレ
    バーを前記試料に対して所定距離までアプローチさせた
    後、前記カンチレバーと前記試料との間の距離を一定に
    保ちつつ試料のトレースを行い、このとき前記熱センサ
    から得られる出力信号により遠距離測定を行うようにし
    た試料の測定方法。
  4. 【請求項4】 走査型プローブ顕微鏡装置のカンチレバ
    ーであって、試料との間の熱交換効果を検知可能な熱セ
    ンサを設けて成ることを特徴とするカンチレバー。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のカンチレバーを備え、前
    記熱センサからの出力信号を前記試料と前記カンチレバ
    ーの探針との間隔を制御するための位置制御信号として
    用いたことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡装置。
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Cited By (2)

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KR20190133948A (ko) * 2018-05-24 2019-12-04 인천대학교 산학협력단 피코와트 열분해능 주사열현미경용 열저항탐침 제작방법
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