JP2000356394A - 燃焼器具の安全制御装置 - Google Patents

燃焼器具の安全制御装置

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JP2000356394A
JP2000356394A JP2000167275A JP2000167275A JP2000356394A JP 2000356394 A JP2000356394 A JP 2000356394A JP 2000167275 A JP2000167275 A JP 2000167275A JP 2000167275 A JP2000167275 A JP 2000167275A JP 2000356394 A JP2000356394 A JP 2000356394A
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良司 松村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換器のフィンにスス等が付着し、運転上
危険な状態に至る以前に、フィン詰りの度合いを検出
し、燃焼器具がフィン詰りした使用末期等における安全
な運転を提供する。 【解決手段】 燃焼開始時や燃焼停止時等、色々な条件
により不完全燃焼を生じ、末燃焼ガスがすすの状態でフ
ィン6に付着する。この付着量が増加すると、熱交換器
4の損傷等を発生して危険な状態に至る。そこで、供給
熱量演算手段17でバーナ5を介して熱交換器4に与え
る供給熱量を、そして有効熱量演算手段18で実際湯水
が得た熱量を各々求め、比較判定手段19により前記の
演算結果を比較判定することでこの危険な状態を検出
し、異常対策実行手段24により、適切な処理を実行す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスや石油燃料を熱源
とする給湯器、温水循環式暖房装置の加熱器、浴槽水の
循環加熱器、温風循環式暖房器等の燃焼器具の安全制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来給湯器等の燃焼器具において、燃焼
開始時や停止時に不完全燃焼を生じ、その時の未燃焼の
炭素等が燃焼熱吸収用の熱交換器のフィン等に付着し
て、燃焼ガスや、燃焼に必要な空気の通路をふさいで、
熱交換器を加熱するバーナの燃焼状態を悪化させること
がある。こうなると未燃焼炭素は煤として燃焼中にも発
生し、さらにフィンに付着し、フィンの熱吸収率を低下
させる。この熱吸収の低下が、熱交換器の燃焼室内の温
度を上昇させるので、これを利用して過昇温度検出器等
を燃焼室側の壁外周辺等に備え、所定温度を超えた場合
に異常と判断して強制的に給湯器の運転を禁止させる制
御を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成では、過昇温度検出器の温度検出性能が悪いので所定
以上の温度を検出した際には、既に使用上危険な状態
(例えば、燃焼室が局部的に破損して、ガスが器具内の
部品を過熱したり、生ガスが洩れたり、一酸化炭素が異
常に発生したりする)に至っていることがあった。一
方、それを防ぐために過昇温度検出器の検出温度を下げ
ると、まだ異常状態に達していないのに、器具運転を早
めに禁止するような誤動作を生じる不具合が発生する。
そのため、より効果的に性能良く燃焼の危険状態を検出
し、回避する手段が望まれていた。
【0004】また、過昇温度検出器による燃焼異常の検
出は、燃焼室の周辺の温度が上昇する異常状態の時は、
有効であるが、周辺温度を上昇させないような異常燃焼
時は、危険な状態のまま燃焼運転を継続してしまうとい
う課題があった。
【0005】そこで、本発明は、熱交換器を加熱する燃
焼部の異常燃焼による危険に至る以前に、その異常の度
合いを検出し、運転を禁止させる燃焼器具の安全制御装
置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の燃焼器具の安全制御装置は、熱交換器の通水
流量を検出する水量検出手段と、熱交換器の熱量を調節
する熱量制御手段と、熱交換器からの温水の出湯温度を
検出する出湯温度検出手段と出湯温度を設定する温度設
定手段と、出湯温度を設定温度にするために必要な熱交
換器への供給熱量を演算する供給熱量演算手段と、出湯
温度の関数として実験により予め求めた値を使用して換
算入水温度を算出する入水温度算出手段と前記換算入水
温度と、前記水量検出手段により検出した通水流量と前
記出湯温度により検出した出湯温度から実際の温水が得
た熱量を演算する有効熱量演算手段と、前記供給熱量演
算手段の演算結果が前記有効熱量演算手段の演算結果よ
りも所定量上回る状態が所定時間以上経過したかどうか
を判定する比較判定手段と、前記比較判定手段からの信
号を受信し、器具の安全側に異常対策を実行する異常対
策実行手段を備えた構成としてある。
【0007】
【作用】本発明の燃焼器具の安全制御装置は、熱交換器
への供給熱量が、熱交換器がうけた有効熱量よりも、所
定値上回る状態が所定時間継続すると、異常と判定し、
その信号をうけて実行手段が器具を安全側に制御する。
そして、熱交換器への入水温度検出手段を備えていない
燃焼器具においても、実験によって入水温度を出湯温度
の関数として求めることができ、その演算式を用いた入
水温度算出手段により異常検出するために必要な換算入
水温度を算出することができ、構成の簡素化が図られ
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明による燃焼器具の安全制御装置
に関して図面を参照しながら説明する。
【0009】図1は、本発明の参考例として、ガスを燃
料とする給湯器を示す。水道管から給水を受ける給水路
1は、給水流量を検出する水量検出手段2、給水温度を
検出する入水温度検出手段3を備え、そして熱交換器4
に給水する。熱交換器4はバーナ5の燃焼熱を吸収する
ための多数のフィン6、給水を加熱する加熱パイプ7、
バーナ5を燃焼させる燃焼室8、及び、伝熱後の燃焼ガ
スを収集して排気する排気室9を備えている。
【0010】また、ガス供給管から燃料としてのガス供
給を受けるガス通路10は、途中にガス供給量を負荷に
応じて比例的に調節する比例弁11を有し、バーナ5に
燃料を供給する。給水を加熱した熱交換器4は、給湯路
12へ温水を出湯し、給湯路12は出湯温度を検出する
出湯温度検出手段13、出湯流量を調節する水量制御弁
14を介し、給湯栓15から温水を給湯する。
【0011】制御器16には、供給熱量演算手段17、
有効熱量演算手段18、比較判定手段19、異常対策実
行手段24を設けている。そして、供給熱量演算手段1
7では、水量検出手段2と入水温度検出手段の各検出信
号と湯温設定器23の設定温度信号を受けて出湯温度を
設定温度と等しくするのに必要な供給熱量を演算する。
一方、有効熱量演算手段18では、出湯温度検出手段1
3の検出信号と入水温度検出手段3と水量検出手段2の
各検出信号をうけて実際温水が得た熱量を演算する。比
較判定手段17は、前記供給熱量演算手段17での演算
結果と前記有効熱量演算手段18での演算結果とを比較
し、その比較結果に応じて、信号を異常対策実行手段2
4に送る。異常対策実行手段24は、信号に応じて、予
告や警告の表示を表示器22に出力したり、或は、燃焼
を強制的に停止させたりする処理を実行する。また、制
御器16には操作盤20も電気的に接続され、そして操
作盤20には制御器16への外部電源入力を指示する運
転スイッチ21、湯温表示や異常、熱交換器4での異常
燃焼等を表示する表示器22、出湯温度を設定する湯温
設定器23等を備えている。
【0012】上記構成において、湯温設定器23で出湯
温度を設定し、運転スイッチ22を操作して運転を始
め、給湯栓15を開成する。そして、熱交換器4に給水
路1から水が流れると比例弁11を経てバーナ5にガス
が流れて燃焼し、熱交換器4は燃焼熱を受けて給水を加
熱し、湯が給湯栓15から出湯する。この時の出湯の温
度は水量検出手段2の検出信号と入水温度検出手段3の
検出信号および湯温設定器23の設定信号より、設定温
度に出湯温度がなるように制御器16で比例弁11を制
御し、さらに出湯温度検出手段13の検出信号により補
正してバーナ5に燃料を送る。
【0013】以上のような従来から行われている給湯過
程を経て器具が使用されていくと、長い間に熱交換器4
のフィン6に煤が付着する、あるいは長期の使用と関係
なく、その他の原因で不完全燃焼になる時がある。そこ
で、熱交換器4の煤詰り等による異常燃焼を判定する方
法を説明する。熱交換器4がスス詰りする原因は燃焼開
始時や燃焼停止時、火炎温度が低かったり、ガスと空気
のバランス等の種々な不安定条件により、不完全燃焼を
生じ、ガスが末燃焼状態又は炭素を分解しただけの状態
になり、煤の状態でフィン6に付着するためである。煤
は器具の使用時間経過とともに成長し、熱交換器4での
熱交換の能率を低下させる。そこでこの熱交換の能率の
低下を検出し、異常を判定する。この異常の判定は、実
験データにより十分確かに把握可能である。まず図2の
ブロック図と図3のステップS1〜S8にわたるフロー
チャートに従って順次説明する。
【0014】運転スイッチ21をオン操作(S1)して
外部電源から制御器16に電源を投入し、運転開始の準
備をする。次に給湯栓15を開栓すると(S2)、水量
検出手段2が通水を検出し、この検出信号を受信した制
御器16は運転を開始する。
【0015】次に供給熱量演算(S3)を行う。これ
は、供給熱量演算手段17で水量検出手段2と入水温度
検出手段3からの検出信号と、湯温設定器23の設定温
度とから、通水を設定温度まで熱するのに必要な供給燃
焼量を演算することである。そして、燃焼開始後、出頭
温度の変化が一定時間ある温度範囲に入った時、すなわ
ち湯温が安定した後(S4)に、有効熱量演算手段18
で、出湯温度検出手段13と、入水温度検出手段3と、
水量検出手段2からの各々の検出信号より、実際に湯水
が得た有効熱量を演算(S5)する。ここで、各々の検
出手段にはバラツキが生じるので、そのバラツキを考慮
し、異常に達していないのに異常であると判定しないよ
うに、有効熱量演算手段18では、実際の入水温度より
所定温度を差し引いた値を入水温度として演算に使用す
る。次に比較判定手段19により、供給熱量演算手段1
7で求めた演算結果Gが、有効熱量演算手段18で求め
た演算結果Ghより所定量上回る状態(S6)が、継続
して所定時間経過すると(S7)、煤詰り異常と判定す
る。この異常判定信号をうけて次に異常対策実行手段2
4により、その異常の度合いに応じて、予告や警告を表
示器22に表示したり、或は、安全のため比例弁11を
制御して燃焼を停止(禁止)させ(S8)、異常発生中
を意味する表示を表示器22に表示する。
【0016】なお、前記実例では、実際の入水温度より
所定温度を差し引いて演算し、比較したが、実際の各々
の値GとGhを求め、その差がある所定の数量以上とし
て比較して異常を検出しても良い。例えばG−Ghがあ
る値P1からP2の範囲内の時は予告表示、P2からP
3の範囲の時は警告表示、P3以上になると運転を禁止
し、異常の表示を行う。ここでP1<P2<P3であ
る。
【0017】次に図4を用いて、本発明の実施例を説明
する。なお、上記参考例と同一部分には同一符号を付し
て詳細な説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
前記参考例では、給水温度を検出する入水温度検出手段
3が備わっていたが、この実施例では、給水温度を検出
する入水温度検出手段がない給湯器において、煤詰り異
常を判定する装置である。そして、入水温度検出手段に
代用するものとして、制御器16の中に入水温度算出手
段25を設けている。予め各検出手段(例えば、水量検
出手段や出湯温度検出手段等)の検出時のバラツキを考
慮し、そのバラツキが最も大きい場合でも、異常と誤検
知しないように、入水温度から差し引く所定量を実験で
求めておく。この所定量は、実験と計算結果より最終的
には、出湯温度の関数として表すことができる(例え
ば、所定量ΔT=0.543×To+7.63To:出
湯温度のようなものである)。ここで求めた所定量を使
って、入水温度算出手段25で換算入水温度を演算す
る。供給熱量演算手段17で、水量検出手段2からの水
量と温度設定手段23からの設定温度と、入水温度は、
ある固定値(例えば3℃)として、設定温度まで加熱す
るのに必要な供給熱量を演算する。一方、有効熱量演算
手段18では、入水温度算出手段25で算出した換算入
水温度を利用して、出湯温度と通水流量から、実際に温
水が得た有効熱量を演算する。このようにして演算手段
17、18で演算した結果の偏差値をもとに、比較判定
や、異常検出の方法は、前記実施例と同様に行うもので
ある。
【0018】上記実施例は、換算入水温度を、出湯温度
の関数として演算で求めていたが、これを、予め定数と
してそのデータを制御器16に入力しておき、そのデー
タを使って、有効熱量演算手段で有効熱量を演算し、そ
の結果を比較判定手段により判定し、上記と同様の方法
で異常検出を行うことも可能である。
【0019】なお、本発明は、給湯器に限るものではな
く、室内放熱器に温水を循環する温水暖房装置の加熱
器、浴槽水を循環加熱する風呂追焚加熱器、温風暖房器
等の燃焼器具においても活用でき、熱交換器が使用末期
に危険な状態に到る使用状態を改善できる。
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の燃焼器
具の安全制御装置は、熱交換器への供給熱量と熱交換器
がうける有効熱量を演算し、その演算結果を比較判定手
段で判定し、その判定信号をもとに異常対策実行手段に
より、異常対策を行うものであるから、例えばフィンの
すす詰り等の異常により、湯水への熱交換が異常にな
り、熱交換器の亀裂や破損等により燃焼ガスが器具内の
他の部品を熱したり、不燃焼ガスが漏洩する等の危険な
状態に至る前に、運転禁止処理を行い、使用末期状態等
の燃焼器具をより安全に、かつ安心して使用できる。ま
た、異常に至っていないのに、誤検出により運転を禁止
するという状態が軽減でき、より正確な処理ができる。
【0021】特にこの発明では異常検出するための換算
入水温度を算出して求め、これを利用するので入水温度
検出手段が不要になり、コストの削減が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼器具の安全制御装置の参考例を示
す構成図
【図2】同装置の異常検出を判定するためのブロック図
【図3】同装置の異常検出を判定するためのフローチャ
ート
【図4】本発明の燃焼器具の安全装置におけるブロック
【符号の説明】
2 水量検出手段 3 入水温度検出手段 13 出湯温度検出手段 17 供給熱量演算手段 18 有効熱量演算手段 19 比較判定手段 23 湯温設定器 24 異常対策実行手段 25 入水温度算出手段
フロントページの続き (72)発明者 松村 良司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大垣 雅由 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器の通水流量を検出する水量検出
    手段と、熱交換器の熱量を調節する熱量制御手段と、熱
    交換器からの温水の出湯温度を検出する出湯温度検出手
    段と、出湯温度を設定する温度設定手段と、出湯温度を
    設定温度にするために必要な熱交換器への供給熱量を演
    算する供給熱量演算手段と、出湯温度の関数として実験
    により予め求めた値を使用して換算入水温度を算出する
    入水温度算出手段と、前記換算入水温度と前記水量検出
    手段により検出した通水流量と前記出湯温度により検出
    した出湯温度から実際の温水が得た熱量を演算する有効
    熱量演算手段と、前記供給熱量演算手段の演算結果が前
    記有効熱量演算手段の演算結果よりも所定量上回る状態
    が所定時間以上経過したかどうかを判定する比較判定手
    段と、前記比較判定手段からの信号を受信し、器具の安
    全側に異常対策を実行する異常対策実行手段を備えた燃
    焼器具の安全制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101208033B1 (ko) 2010-07-29 2012-12-04 한국전력공사 열교환기의 온도제어 방법 및 장치
KR101480912B1 (ko) 2012-10-26 2015-01-13 린나이코리아 주식회사 온도센서를 이용한 보일러의 불완전 연소방지방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101208033B1 (ko) 2010-07-29 2012-12-04 한국전력공사 열교환기의 온도제어 방법 및 장치
KR101480912B1 (ko) 2012-10-26 2015-01-13 린나이코리아 주식회사 온도센서를 이용한 보일러의 불완전 연소방지방법

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