JP2000355832A - 焼結金属繊維用グリーン繊維とその製造方法 - Google Patents

焼結金属繊維用グリーン繊維とその製造方法

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JP2000355832A JP17017899A JP17017899A JP2000355832A JP 2000355832 A JP2000355832 A JP 2000355832A JP 17017899 A JP17017899 A JP 17017899A JP 17017899 A JP17017899 A JP 17017899A JP 2000355832 A JP2000355832 A JP 2000355832A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結後の金属繊維が耐屈曲性、結束強度等に
おいて優れたものがえられる前駆体としての焼結金属繊
維用グリーン繊維を得ることにある。 【解決手段】 金属粉体または金属化合物粉体を主成分
として、これに有機結合剤が含有されてなる焼結金属繊
維用グリーン繊維であって、且つ該グリーン繊維の内部
には微細空隙が散在している焼結金属繊維用グリーン繊
維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燒結金属繊維用グリ
ーン繊維及びその製造方法に関する。詳しくは、本発明
のグリーン繊維を焼結することにより得られた金属繊維
は、植毛状態で電池基板用として使用したり、各種電子
機器の電子回路基板用、各種フィルター、触媒用基板等
にも有効に使用される。
【0002】
【従来の技術】近時、金属または合金の粉末を有機バイ
ンダー等と混練し、これを押し出し、次いで脱バインダ
ー及び焼結することにより線材を得る粉末成型法が注目
されている。この方法は金属線材の生産効率を大きく向
上させる。しかしながらこのような粉末成形法の場合は
混練物からの押出し成形体(所謂グリーン)の強度が小
さく、折損し易いという欠点があった。そこでこの欠点
を解決するため、金属または合金の粉末と有機バインダ
ーとの混練物を押出し成形し、ついで脱バインダー及び
焼結する金属線材の製造方法において、金属または合金
の粉末の平均粒径を10μm以下とすることにより、グ
リーンの強度を向上し折損しないものが提案されている
(特開平5−25508号公報)。この先行技術は例え
ば1.5mmという大径の線材を製造するものであり、
所謂有機バインダーとしての熱可塑性樹脂や可塑剤の混
練割合は特別に重視されていないものである。
【0003】一方、前記先行技術に対し、金属または合
金の粉末の粒径は開示されていないが、金属粉末、有機
バインダー(熱可塑性樹脂や可塑剤その他)からなる混
合物と溶剤を混練した後、例えば線径0.25mm程度
の細線状に成形してなる可撓性を有する金属グリーンワ
イヤが開示されている(特開平1−184205号公
報)。更に、平均粒径が50μm以下の金属または合金
粉末を有機バインダーと混練し、脱バインダー後焼結す
ることにより例えば10〜5mm程度の棒材金属焼結部
材を得ることが開示されている(特開昭62−2750
2号公報)。
【0004】また、表面に微細凹凸をもつ導電繊維によ
るフェルト状導電体を使い、該凹凸内に球状活物質を充
填したものを電池用電極として使用することについて特
開昭61−110966号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術
として開示された所謂焼結金属線材(ワイヤ)又は繊維
用のグリーン成形体何れも一長一短があり、前記グリー
ン成形体はその後、脱バインダー及び焼結により得られ
る金属繊維の特性、即ち、耐屈曲性、結束強度等におい
て劣っており、これが改善されることが望まれていた。
本発明は、上記従来技術を背景に、特に焼結後の金属繊
維が耐屈曲性、結束強度等において優れたものが得られ
る前駆体としての焼結金属繊維用グリーン繊維を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の焼結金属繊維用
グリーン繊維は、金属粉体または金属化合物粉体を主成
分として、これに有機結合剤が含有されてなる焼結金属
繊維用グリーン繊維であって、且つ該グリーン繊維の内
部には微細空隙が散在しているものであり、これにより
前記目的を達成できる。更に本発明の焼結金属繊維用グ
リーン繊維の製造方法は、次のようにして製造される。
即ち、平均粒径0.5〜10μm、比表面積0.5〜1
0m2 /gの金属粉体または金属化合物粉体と、該金属
粉体または金属化合物粉体に対して10〜40重量%の
熱可塑性樹脂及び該熱可塑性樹脂に対して10〜50重
量%の可塑剤からなる有機結合剤との混合組成物を溶融
押出紡糸機にて2〜700倍の引き落とし倍率で引き取
り、内部に微細空隙が散在するグリーン繊維を得る。
【0007】
【発明の実施の形態】まず本発明の焼結金属繊維用グリ
ーン繊維の最大の特徴は、焼結金属繊維用グリーン繊維
が、その中に微細空隙を散在して有していることであ
る。この微細空隙が散在する必要性は次の理由による。
その理由1は、最終的に得られる焼結金属繊維の特性、
とりわけ耐屈曲性、結束強度等の向上が挙げられる。一
般に金属粉体を有機結合剤中で成形した物は強度が弱
く、特に繊維状という微細成形体の場合屈曲性に劣ると
いう問題を抱えていた。焼結を目的とするために金属又
は金属化合物粉体の含有量は多量に含まねばならず、有
機結合剤量を多くして上記問題に対応する事は困難であ
った。この様な耐屈曲性等を有効に上げる手段として
は、ある一定量の割合で微細空隙を設けることが最も効
果があることを本発明者らは知見した。即ち繊維中に微
細空隙を設けることによって屈曲の力が掛かったときに
内部応力がすばやく分散することが出来る作用によるも
のである。もちろん微細空隙の形態は問わないがより微
細で金属粉体の分散性を損なわない程度が良い。
【0008】その理由2は、内部に微細空隙を有する事
によって、脱媒する際に有機結合剤等の熱分解によって
発生するガスを効率よく外部に逃がしてやることが出来
る。内部で発生したガスが外部に速やかに逃げないと膨
張し、そして一気に外部に逃げるか、または内部に滞留
したままになる。前者は外部に逃げる際に大きな穴が空
く事が多く見られ、また後者は一部膨張したままの繊維
形状となる。この微細空隙の形状(形体、大きさ)は特
に制限がない。一方散在状態は、特に制限ないが、全体
的には表面層部分よりも内部に多く散在する方が好まし
いが、同時に表面に露出する状態で若干散在している方
が、前記脱媒時のガス抜けがよりスムースに行われるの
で好ましい。
【0009】尚、微細空隙の散在の割合はあまりにも多
くても、逆にあまりにも少なくても好ましくないので、
適正割合は事前に適宜確認して決めるのがよい。次に、
前記微細空隙形成手段について説明する。これには次の
(a)〜(d)が例示できる。これら例示については、
更に後述する。 (a)混合物に空気を内在させて紡糸する方法。 空気の内在化は、敢えて空気を吹き込むようなことをし
なくても良いが、予備混合(溶融混練ペレタイズ化)段
階とか、紡糸段階等で積極的に脱泡をしないことであ
る。空気が内在していることで口金から吐出されると同
時的に発泡作用が働き、グリーン繊維の内部に微細空隙
が形成される。この発泡作用は空気が主体であるが、有
機結合剤、中でも可塑剤が助勢的に作用している。
【0010】(b)有機結合剤としての熱可塑性樹脂が
融点の異なる2種以上のブレンド樹脂を使用することに
よって形成する方法。 2種以上でも2〜3種を用い、しかも樹脂間の中で相互
に相容性の良くない樹脂同志の組合せがより微細空間が
生成し易い、(後述する実施例2はこの良い例の1つで
ある)。これによる微細空隙生成のメカニズムは、紡糸
の際に行う引き落としで発生するフィブリル化現象(分
散樹脂間の相分離による微細割れ現象)が積極的にな
る。その結果微細空隙の形成となって表れる。
【0011】(c)紡糸後の引き落とし(2〜700
倍)による方法。 紡糸しつつ引っ張ることで、金属粒子と樹脂とが分離し
フィブリル化現象により微細空隙の生成作用に寄与す
る。 (d)グリーン繊維表面の化学エッチングによる方法。 尚、微細空隙の形成手段の基本となるものは、前記
(c)の紡糸後の引き落とし(2〜700倍)による方
法であり、他の(a)(b)(d)はこれを併用するこ
とでより好ましく行われると言うものである。
【0012】次に本発明の焼結金属繊維用グリーン繊維
の構成について説明する。本発明で使用する金属粉体又
は金属化合物粉体は、その粒形状には特に制限ないが、
粒径(平均)は可能な限り小さいのが良く、具体的には
10μm程度以下、好ましくは8μm以下で、そしてそ
の粒子の比表面積は、可能な限り大きいほど良く、具体
的には0.5m2 /g以上、好ましくは1m2 /g以上
である。そしてこれに混合する有機結合剤の量は、10
〜60重量%(該粉体に対して)、好ましくは15〜5
0重量%である。この粒子径と比表面積の金属粉体又は
金属化合物粉体と該結合剤の混合とが相まってその相乗
作用によって、より細い該グリーン繊維でも糸切れな
く、適正な強度ももって、所望する微細空隙も好ましく
散在する状態で得ることがより容易になる。ここで該粒
径は特に好ましい紡糸性に、そして該比表面積は適正な
微細空隙(あまりに大きくない)の散在と繊維強度に作
用するものである。
【0013】尚、前記粒径は、レーザー回折散乱法や沈
降法等の一般的な方法によって測定されたものであり、
比表面積はガス吸着法、BET比表面積法等によって測
定し求められたものである。前記金属粉体または金属化
合物粉体は、例えばニッケル、ニッケル合金、コバル
ト、アルミニウム、鉄、銅といった金属又はこれらを主
成分とする合金、前記金属の酸化物、硫化物、水酸化
物、塩化物といった金属化合物などが挙げられる。これ
ら金属化合物の中では酸化物、又は水酸化物が好まし
い。これは焼結効率もよく、公害も出さない等の点でよ
り優れているからである。言うまでもないが該金属化合
物の場合は、焼結が還元的に行われ金属単体に化し、金
属繊維に変化することのできる金属化合物と言うことに
なる。これら2種以上の混合でも良い。
【0014】前記有機結合剤は、金属又はその化合物粉
体に対して良好な結合剤となり、そして押出機中で容易
に熱可塑化し、適正な強度をもって容易に紡糸出来、且
つ微細空隙が該粒体との界面や該結合剤内で形成できる
ようなもの、換言すれば該粉体との間に適度の相容性
(あまり良いのも好ましくない)があり、溶融粘度、又
は溶融時の引っ張りに対する張力が適度にあるものとい
える。更には少なくとも焼成温度では円滑に燃焼除去さ
れるものと言える。前記機能を持つ有機結合剤は、主と
して熱可塑性樹脂によって達成される。例えば、ポリビ
ニルブチラール、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリ
メチルメタアクリレート、ポリビニルアルコール、スチ
レン/アクリル共重合体、(高分子量)ポリエチレング
リコール、ポリウレタン、脂肪族ポリエステル(例えば
ポリ乳酸)、セルロース系高分子、ポリアミド、ポリエ
ステルなどが挙げられる。これらの各樹脂は種々の求め
る性能によって決めればよいが、これらの中でも、焼成
による脱媒性の点も考えて、炭素と水素又は炭素、水素
及び酸素よりなる脂肪族ポリマーが好ましく、更には混
合・紡糸中における熱安定性も考慮して炭素、水素及び
酸素からなる各原子からなるポリマから選ぶのが好まし
い。例えば前記中ポリビニルブチラール、ポリビニルア
ルコール、エチレン/ビニルアルコール共重合体又はポ
リメチルメタアクリレートが対象として例示できる。こ
れらはより燃焼温度も低く、より早く焼却、除去され、
また焼成されて残る金属粉体も相互に緻密に連結し、よ
り優れた金属繊維が得られやすい。他にこれら好まし脂
肪族ポリマーは、金属又はその化合物粉体に対して、特
に焼成環境で化学的悪影響を及ぼすこともなく、公害に
なるような廃ガスも発生もない。
【0015】又前記熱可塑性樹脂は、一種に限らず融点
の違う2種類以上、好ましくは2〜3種類の樹脂を混合
しても良い。2種類以上の場合には、良紡糸性と共に微
細空隙の散在がより好ましく形成され、且つ適正な焼成
時の繊維としての形状の保持性(相互にくっつき合うと
か、倒れるとかということがない)が広い温度範囲で一
種よりも良いという理由による。これは、焼成に伴って
現象として起こる熱可塑性樹脂の溶融課程で、まず融点
の低い該樹脂が融けそして燃焼して行くが、その間でも
融点の高い該樹脂が存在することで繊維形状が維持でき
るので、ほとんど形状が崩れることなくスムースに焼却
除去されて、最終の金属繊維を得ることができるためと
考えられる。この二種以上の混合の場合には低融点の該
樹脂を多く、高融点のそれを少ない量で使用するのが好
ましい。
【0016】更に前記有機結合剤における熱可塑性樹脂
にあって、該樹脂を可塑化する可塑剤の併用はより好ま
しい。これは次のような理由による。前記の通り焼結金
属繊維用グリーン繊維は、少なくとも金属又はその化合
物粉体と熱可塑性樹脂を主とする有機結合剤とによりな
っているが、しかしこの2成分のみでは、例えば紡糸の
際に必要な溶融張力が不足し、より細繊化出来なかった
り、出来あがったグリーン繊維の耐屈曲性等が劣った
り、後加工がしにくい等の場合がある。この様なときに
該可塑剤の存在は、より安定して紡糸が出来、且つ後加
工に必要な物性が得やすく、又微細空隙率が調整されな
がら紡糸され易いといった効果がある。これは該粉体と
該結合剤との混合によって得られる溶融粘度の調整が容
易になり、その結果紡糸の際のノズルからの引き落とし
(溶融状態での引き延ばし)が広範囲で出来るようにな
り、所望する空隙も容易に形成される様になるためであ
る。
【0017】前記可塑剤は、前記の作用の他に、溶融混
合状態で分解等もなく常に安定して連続紡糸が出来、得
られたグリーン繊維からブリードアウト(繊維からのし
みだし)等するようなことのないことも考慮して、事前
にテストして最適なものを選択することになる。以上の
ことから、望ましい可塑剤を具体的に例示すると次の通
りである。まず沸点が150〜350℃、好ましくは2
00〜300℃の範囲にある高沸点有機化合物でより具
体的には芳香族エステル、脂肪族エステル、ポリアルキ
レンエーテルの各系が挙げられる。該芳香族エステル系
としては、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチ
ル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等
のフタル酸エステルが好ましく挙げられる。
【0018】一方脂肪族エステル系としては、例えばア
ジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、アゼライ
ン酸ジオクチル等が挙げられる。また、ポリアルキレン
エーテル系としては、例えばポリエチレングリコール、
ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレ
ングリコール安息香酸エステル等が挙げられる。前記有
機結合剤が熱可塑性樹脂と可塑剤とからなる場合の各成
分の混合比は、次の通り好ましく例示できる。
【0019】前記金属又はその化合物粉体に対して、1
0〜40重量%好ましくは15〜35重量%の熱可塑性
樹脂、該樹脂に対して10〜50重量%好ましくは15
〜40重量%である。ここで該樹脂を前記融点の異なる
2種を使った場合には、低融点の該樹脂の混合量は、該
10〜40重量%の中で0.5〜0.9割占めるように
すると良い。該混合比の意義はつぎのとおりである。該
樹脂が10重量%未満では該粉体同志が特に紡糸の際に
十分な結合でもって完全につながらない方向に作用す
る。その結果グリーン繊維に紡糸しても途中で切れる事
が多くなる。一方40重量%を越えると該粉体の含有量
が少ないので、繊維への紡糸性は良いが、得られたグリ
ーン繊維を焼結した場合、該粉体間の焼結が十分な緻密
さをもって行われず、その結果所望する特性を有する金
属繊維を得ることが困難になる。
【0020】そして該可塑剤においては、これが該樹脂
に対して50重量%を越えて含むと、特に得られたグリ
ーン繊維からブリードアウトし易くなる。この現象はグ
リーン繊維間でブロッキングを起し取扱いにくくなる。
又繊維としての形状保持性も悪くなる。一方、10重量
%未満では紡糸は可能であるが、可塑化効果を十分に発
揮できず、前記可塑剤による作用効果が十分に発揮でき
なくなる。尚、これら3主成分に更に必要に応じて各種
添加剤(分散剤、滑剤等)の少量の添加は許容される。
【0021】また特に前記可塑剤の併用の場合には、得
られる焼結金属繊維用グリーン繊維がどうしても相互に
ブロッキングし易い傾向にある。このブロッキングは取
扱い性もさることながら、ブロッキング状態での焼結は
一本としての独立した金属繊維の状態で得られず、これ
は特に植毛状態での金属繊維としての使用に極めて不都
合である。この問題解決のためにブロッキング防止剤の
使用が望まれる。該防止剤は、ブロッキング防止性は勿
論必要であるが、焼結によって不都合(燃焼して残査と
し付着するとか、燃えないとか、廃ガス公害を出すとか
等)のものであってはならない。但し燃焼せずに残査と
して付着するものでも得られる金属繊維の特性に悪影響
を及ぼすことなく、より有効に作用するようなものはよ
り好ましいものということができる。このようなブロッ
キング防止性もありながら、より有効なものとしても本
発明では見出していて、それは前記配合する金属粉体を
ブロッキング防止として使用する場合である(請求項
8)。これによる作用効果は焼結することによって、表
面付着した金属粉体が本来の焼結金属繊維の金属と結合
し表面に凹凸を有する繊維となり、表面積の大きいもの
となる。このより大きな表面積をもつ金属繊維は、用途
(例えばフィルターや触媒システムなど)によってはよ
り有利になる。付着する金属粉は該焼結金属繊維用グリ
ーン繊維の金属粉と同一が基本的には好ましいが、異種
の物であっても新たな機能を付与する効果が期待できる
場合もあるのでかまわない。
【0022】また、単にブロッキング防止の作用をする
ブロッキング防止剤として、例えば澱粉、スチレンファ
インパウダー、アクリルファインパウダー等も使用でき
る(請求項9)。尚、前記ブロッキング防止剤を該前記
グリーン繊維に付着させる方法については、例えば紡糸
中に側面から吹き付ける方法、(一般的な油剤付け装置
のように)該防止剤の付着されている回転ローラー上
を、該グリーン繊維を通過させつつ付着させる方法、刷
毛を使って塗るようにして付着させる方法等がある。又
特に予め短繊維にカットして後、付着させる方法を採る
場合には、まず短繊維を攪拌機等に入れて該防止剤を上
から分散状態で落としつつ攪拌するといった方法も採ら
れる。
【0023】前記グリーン繊維の繊維径としては20〜
300μmφの範囲内であるが好ましく、更には50〜
200μmφがより好ましい。この様な繊維径の中で前
記微細空隙が散在していると、より一層焼結し易く、得
られる焼結金属繊維の特性(耐屈曲性結束強度等)も優
れることになる。また前記グリーン繊維の断面形状は、
一般には円形であるが異形断面であってもかまわない。
例えば四角、三角、菱形、星形、十字等が例示できる。
異形断面の場合の繊維径は外角の全てが入るように仮想
円を描きその直径を繊維径とする。例えば四角では対角
距離が繊維径となる。
【0024】次に前記焼結金属繊維用グリーン繊維の好
ましい製造方法を例示する。まず既述した具体的な金属
又はその化合物粉体、熱可塑性樹脂及び可塑剤とを採取
し混合からスタートするが、混合の手順としては例えば
予め所定量の該粉体と該熱可塑性樹脂とを加熱加圧付き
混合攪拌機(例えばニーダー)に入れ、攪拌混合しなが
ら該樹脂の可塑化する程度にまで加熱し、均一分散状態
とする。次にこの中に所定量の可塑剤を添加して再び同
一条件にて混合し十分に分散せしめる。そして更にこれ
を混練しペレット化するために、2軸混練押出機(プラ
ンジャ式等)に供給し溶融混練押し出しつつペレットと
して得る。ここで溶融混練押し出し中又は該混合攪拌機
による予備混合中に適当な脱気を行うと、得られるグリ
ーン繊維に含まれる空隙の大きさ(例えばより小さく)
とか、散在状態(例えば内外全体に均一に散在)が変わ
る。つまり空隙を適宜コントロールする事ができる。し
かし、脱気をしすぎると所望する空隙の形成に良くない
ので、注意する必要がある。
【0025】次に該ペレットをバレル温度を予め設定し
ておいた溶融押出紡糸機に供給し所定サイズ径の口金か
ら吐出させる溶融紡糸を行なう。ここで紡糸吐出後はそ
のまま冷却して引き取るのではなく、引き落とし倍率で
2〜700倍、好ましくは5〜500倍で引き落として
引き取る。これによって希望する繊維径の焼結金属繊維
用グリーン繊維が容易に得られると共に、該粉体と有機
結合剤とが適当に乖離することでフィブリル化がより好
ましく行われ、その結果より好ましい状態で微細空隙が
形成されるようになる。更に引き落とし操作によって全
体が配向される事になり強度向上にも役立つ。
【0026】尚、ここで引き落とし倍率とは口金の断面
積表面積d1と最終固化した後のグリーン繊維の断面積
d2から求めた値であり、即ちd1/d2=2〜700
(好ましくは5〜500)の事である。また、焼結金属
繊維用グリーン繊維の有する微細空隙に関し、特に該表
面に散在する該空隙は化学的又は物理的処理することで
新たな形成又は増やすことができる。中でも化学的に該
表面をエッチング処理することが好ましい。例えば可塑
剤としてエステル系又はエテール系が併用された場合に
は、苛性ソーダ等のアルカリ溶液で浸漬処理すると良
い。これによって前記可塑剤が化学的エッチングされ微
細空隙を形成する。
【0027】かくして得られた焼結金属繊維用グリーン
繊維は、種々の目的をもって種々の形で使用される。例
えば該グリーン繊維を予めアスペクト比(繊維長/繊
維)で2〜50、好ましくは5〜40にカットしこれを
基体上に静電等によって植毛するという植毛用があり、
これはこの状態で焼結して例えば電池用基板として有効
に使用される。
【0028】
【実施例】<実施例1>平均粒径2.4μm、比表面積
3.14m2 /gのニッケル粉末と、これに対して2
6.6重量%のポリビニルブチラール(PVB)(積水
化学株式会社製品番BL−1)とを混合機で混合し、次
いで120℃に予め加熱された加圧ニーダーに入れて、
30分間溶融状態で混練した後フタル酸ジブチルをポリ
ビニルブチラールに対して25重量%を添加し引き続き
同一条件にて30分間混練した。得られた混練物をその
まま予め100℃に加熱しておいたプランジャー式押し
出し機に供給して、押し出しペレットを得た。そしてこ
れを吐出孔経0.7mmφの口金を有する溶融紡糸機に
供給し、引き落とし倍率196倍にて引き落とした。こ
の様にして得られた焼結金属繊維用グリーン繊維は、断
面が円形でその直径は50±10μmであった。また該
グリーン繊維の断面を電子顕微鏡で観察し、これを図1
に示した。中央部の方が外周部よりも小さな空隙サイズ
でもって散在していることが判る。そして該グリーン繊
維を空気雰囲気中で400℃で20分脱媒後、900℃
にて水素雰囲気中、10分間保持することによって焼結
して、ニッケル繊維を得た。該繊維は、外径は収縮を起
こしているものの緻密なしっかりした繊維状態を保持し
ており、湾曲や折れる等の問題は発生しなかった。得ら
れたニッケル繊維の比表面積を窒素吸着法によって測定
したところ0.05m2/gであった。
【0029】<実施例2>実施例1と同様なニッケル粉
と、該ニッケル粉に対して22重量%のポリビニルブチ
ラール(実施例1の品番BL−1)融点71.9℃(示
差熱分析計による)と融点129.2℃(同測定によ
る)の高密度ポリエチレン(三井化学株式会社製 品番
2100JP)を同ニッケル粉に対して6重量%混合
し、前記混合熱可塑性樹脂に対して14.3重量%のフ
タル酸ジブチルを加え150℃に加熱した加熱加圧ニー
ダーに入れ実施例1と同様に混練りした。更に140℃
に加熱したプランジャーに供給し混練してペレタイズ化
した。そして得られたペレットを、ノズル孔径0.7m
mφの口金を有する溶融紡糸機に供給し、引き落とし倍
率196倍にて引き落とした。この様にして得られたグ
リーン繊維は断面が円形でその直径は50±10μmで
あった。また電子顕微鏡で該繊維の断面を観察すると、
図2に示すように内部、表面共に微細空隙が散在してい
た。そして該繊維を空気雰囲気中で400℃で20分脱
媒後、900℃にて水素雰囲気中、10分間保持して焼
結を終了し、所望するニッケル繊維を得た。このニッケ
ル繊維は、実施例1と同様に緻密で湾曲もなく形状を保
持し、強靱なものであった。
【0030】尚、別途該グリーン繊維を直立させた状態
で同様に加熱焼結してみたが、この加熱焼結中に該繊維
は倒れることなく焼結され、直立を保ってニッケル繊維
と化した。つまり耐屈曲性に優れていることを示してい
る。 <実施例3>実施例1におけるニッケル粉末に対して、
エチレン/ビニルアルコール共重合体(日本合成化学株
式会社、品番3835)27.5重量%と、ポリエチレ
ングリコール安息香酸エステル(三洋化成工業株式会
社、品番EB−200)を該共重合体に対して、29重
量%をそれぞれ準備し実施例1と同じ手順にて加圧ニー
ダーでの混合及び混練し、ペレット化を行った。得られ
たペレットを実施例1と同様の口金で、バレル温度70
〜200℃にて行ない直径180μmのグリーン繊維を
得た(引き落とし倍率15.2)。このグリーン繊維の
断面を電子顕微鏡で観察すると、ほぼ実施例1と同じ状
態で微細空隙が繊維全体に均一に散在していた。そして
該グリーン繊維を空気雰囲気下400℃にて20分かけ
て脱媒後、900℃にて水素雰囲気中、焼結してニッケ
ル繊維を得た。該繊維を湾曲してみたが変形することも
なく、強靱な繊維であった。
【0031】<実施例4>まず平均粒径2.9μm、比
表面積3.2m2 /gのニッケル粉と平均粒径1.2μ
m、比表面積8.2m2 /gの酸化ニッケルとをそれぞ
れ8:2(重量%)の割合で混合したニッケル系混合粉
体、該混合粉体に対して実施例1と同様にPVBが2
6.6重量%、PVBに対して25重量%のフタル酸ジ
ブチルとを混合し、混練してペレットを得た。そして該
ペレットを用いて実施例1と同様に溶融紡糸機にて引き
落とし率196倍にて紡糸し、繊維径55μmのグリー
ン繊維を得た。グリーン繊維の断面を電子顕微鏡で観察
すると空隙の散在状態は内部、表面ともほぼ同じであっ
たが、その大きさは若干小さかった。
【0032】該グリーン繊維を実施例1と同様に脱媒・
焼結して焼結繊維を得た。該焼結繊維は、外観的にも実
施例1と差はなく、また湾曲しても変形することなく強
靱で緻密なものであった。 <実施例5>実施例1で得た焼結金属繊維用グリーン繊
維を1mm(アスペクト比20)にカットし、20%の
水酸化ナトリウム液に24時間浸漬した後、水洗して真
空乾燥機中で乾燥した。この繊維を電子顕微鏡で表面観
察すると表面空隙は実施例1よりも多く増えていた。次
に該表面処理のカット繊維を、接着剤の塗布された(未
乾燥)金属板に植毛(直立)するように接着固定して、
この全体を空気雰囲気中で400℃で20分加熱(脱
媒)後、更に900℃、水素雰囲気中にて10分間保持
して焼結しニッケル繊維得た。該繊維は倒れることなく
一本、一本独立して直立状態で変形もせずの状態で得ら
れた。
【0033】<実施例6>平均粒径1.66μm、比表
面積2.2m2 /gのニッケル粉と、これに対して2
7.5重量%のPVB(実施例1の品番BL−1)、該
PVBに対して33.4重量%のフタル酸ジブチルと
で、実施例1と同様に加圧ニーダーに入れて1時間攪拌
混合し、これを更に溶融混練してペレタイズで得た。そ
してこれを口径1mmのノズルから溶融紡糸し、引き落
とし率100倍で引き落としして、直径100μmのグ
リーン繊維を得た。そして該繊維を束にして長さ1mm
カットした。カットは順調に行うことができたが、実施
例1と異なりブロッキングして該カット糸は個々に分離
しなかった。そこでこのブロッキングを解消するため
に、該カット繊維を攪拌機に入れブロッキング防止剤と
して同じニッケル粉体を使い、これを該カット繊維に対
して8重量%分を採取してゆっくりと攪拌しながら添加
した。該カット繊維の1本1本の表面に均一にニッケル
粉が付着し、ブロッキングは完全に解消した。そしてこ
のニッケル付着のカット繊維を空気雰囲気下400℃に
て20分加熱(脱媒)後、更に900℃にて、水素雰囲
気中で10分間加熱し焼結した。得られたニッケル繊維
の比表面積を窒素吸着法によって測定したところ0.0
8m2 /gであった(実施例1よりも表面積が大きくな
っていることが判る)。
【0034】<実施例7>実施例4と同じ処方でまずペ
レットをつくり、同様に紡糸した。但しこの場合の引き
落とし率は306倍としてより大きく引き落としてグリ
ーン繊維の径を40μmに小さくして紡糸した。該繊維
の断面を電子顕微鏡で観察すると実施例4よりも若干大
きな空隙が散在していた。そして該繊維を該例と同様条
件で加熱脱脂、焼結してニッケル繊維を得た。該ニッケ
ル繊維を湾曲テストしたが変形するようなこともなく強
靱であった。
【0035】<比較例1>実施例1と同じ成分、組成比
で同様にしてまず予め120℃に加熱された加圧ニーダ
ーにて加熱混練した。そしてこの得られた混練物を真空
ポンプによって減圧のできる加熱(100℃)2軸押出
機に供給して、70mmHg減圧下で押し出しつつペレ
ットに造粒した。そして得られた該ペレットを実施例1
と同様に紡糸して52μm径のグリーン繊維を得た。該
繊維の断面を電子顕微鏡で観察して写真を撮った。これ
を図3に示す。該図から明らかなように図1と比較して
内部に微細空隙は実質的に散在していないことが判る。
該繊維表面も樹脂に覆われたような状態で空隙はなく緻
密状態である。該繊維を曲げようとすると、すぐに折
れ、脆いものであった。更に該繊維を実施例1と同様に
空気雰囲気中で400℃で20分脱媒後、900℃に
て、水素雰囲気中で、10分間保持して焼結した。得ら
れた焼結繊維は気泡のようなものを抱き込み、そして元
の繊維形状を保持せずに一塊りのような状態で焼結して
いた。
【0036】
【発明の効果】本発明の焼結金属繊維用グリーン繊維
は、金属粉体または金属化合物粉体を主成分として、こ
れに有機結合剤が含有されてなる焼結金属繊維用グリー
ン繊維であって、且つ該グリーン繊維の内部には微細空
隙が散在しているので、該グリーン繊維に屈曲の力が掛
かったときに内部応力がすばやく分散されることで耐屈
曲性,結接強度に優れたグリーン繊維が得られるように
なった。また、脱媒する際に有機結合剤等の熱分解によ
って発生するガスを効率良く外部に逃がしてやることが
出来る。これにより該グリーン繊維を焼結することによ
り得られる焼結金属繊維は、耐屈曲性、結束強度等の向
上が顕著に見られ、強靱な金属繊維が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のグリーン繊維の断面の電子顕微鏡で
観察した写真。
【図2】実施例2のグリーン繊維の断面の電子顕微鏡で
観察した写真。
【図3】比較例1のグリーン繊維の断面の電子顕微鏡で
観察した写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三田 朋幸 滋賀県守山市森川原町163番地 グンゼ株 式会社滋賀研究所内 (72)発明者 武野 光弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 橋本 彰 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4L037 AT02 AT03 CS10 FA02 FA03 FA05 FA12 PA45 PS03 UA04 UA15 UA20

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉体または金属化合物粉体を主成分
    として、これに有機結合剤が含有されてなる焼結金属繊
    維用グリーン繊維であって、且つ該グリーン繊維の内部
    には微細空隙が散在していることを特徴とする焼結金属
    繊維用グリーン繊維。
  2. 【請求項2】 平均粒径10μm以下、比表面積0.5
    2 /g以上の金属粉体または金属化合物粉体と該金属
    粉体または金属化合物粉体に対して10〜60重量%の
    有機結合剤とを含有されてなる請求項1に記載の焼結金
    属繊維用グリーン繊維。
  3. 【請求項3】 前記金属粉体または金属化合物粉体がニ
    ッケル、ニッケル合金、コバルト、アルミニウム、鉄、
    銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化アルミニウム、
    酸化鉄、酸化銅、水酸化ニッケル及び水酸化コバルトの
    群から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2
    に記載の焼結金属繊維用グリーン繊維。
  4. 【請求項4】 前記有機結合剤が金属粉体または金属化
    合物粉体に対して10〜40重量%の熱可塑性樹脂と該
    熱可塑性樹脂に対して10〜50重量%の可塑剤とによ
    りなる請求項3に記載の焼結金属繊維用グリーン繊維。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂が融点の異なる少なく
    とも2種類のブレンド樹脂である請求項4に記載の焼結
    金属繊維用グリーン繊維。
  6. 【請求項6】 前記有機結合剤における可塑剤が沸点1
    50〜350℃の芳香族エステル、脂肪族エステル、及
    びポリアルキレンエーテルからなる群から選ばれる少な
    くとも1種である請求項5に記載の焼結金属繊維用グリ
    ーン繊維。
  7. 【請求項7】 前記焼結金属繊維用グリーン繊維の繊維
    径が20〜300μmφである請求項6に記載の焼結金
    属繊維用グリーン繊維。
  8. 【請求項8】 前記焼結金属繊維用グリーン繊維の表面
    に、前記金属粉体または金属化合物粉体が付着されてな
    ることを特徴とする請求項7に記載の焼結金属繊維用グ
    リーン繊維。
  9. 【請求項9】 前記焼結金属繊維用グリーン繊維の表面
    にブロッキング防止剤が付着されていることを特徴とす
    る請求項8に記載の焼結金属繊維用グリーン繊維。
  10. 【請求項10】 前記焼結金属繊維用グリーン繊維のア
    スペクト比が2〜50よりなる植毛用カット繊維である
    ことを特徴とする請求項9に記載の焼結金属繊維用グリ
    ーン繊維。
  11. 【請求項11】 平均粒径0.5〜10μm、比表面積
    0.5〜10m2 /gの金属粉体または金属化合物粉体
    と、該金属粉体または金属化合物粉体に対して10〜4
    0重量%の熱可塑性樹脂及び該熱可塑性樹脂に対して1
    0〜50重量%の可塑剤からなる有機結合剤との混合組
    成物を溶融押出紡糸機にて2〜700倍の引き落とし倍
    率で引き取り、内部に微細空隙が散在するグリーン繊維
    を製造することを特徴とする焼結金属繊維用グリーン繊
    維の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記焼結金属繊維用グリーン繊維の表
    面を化学エッチング処理した請求項11に記載の焼結金
    属繊維用グリーン繊維の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記金属粉体または金属化合物粉体が
    ニッケル、ニッケル合金、コバルト、アルミニウム、
    鉄、銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化アルミニウ
    ム、酸化鉄、酸化銅、水酸化ニッケル及び水酸化コバル
    トの群から選ばれた少なくとも1種を用いた請求項11
    に記載の焼結金属繊維用グリーン繊維の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記熱可塑性樹脂が融点の異なる少な
    くとも2種類のブレンド樹脂を用いた請求項13に記載
    の焼結金属繊維用グリーン繊維の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記有機結合剤における可塑剤が沸点
    150〜350℃の芳香族エステル、脂肪族エステル、
    及びポリアルキレンエーテルからなる群から選ばれる少
    なくとも1種を用いた請求項14に記載の焼結金属繊維
    用グリーン繊維の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記焼結金属繊維用グリーン繊維の繊
    維径が20〜300μmφとした請求項15に記載の焼
    結金属繊維用グリーン繊維の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記焼結金属繊維用グリーン繊維の表
    面に、前記金属粉体または金属化合物粉体を付着させた
    請求項16に記載の焼結金属繊維用グリーン繊維の製造
    方法。
  18. 【請求項18】 前記焼結金属繊維用グリーン繊維の表
    面にブロッキング防止剤を付着させた請求項17に記載
    の焼結金属繊維用グリーン繊維の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記焼結金属繊維用グリーン繊維のア
    スペクト比が2〜50よりなる植毛用カット繊維とした
    ことを特徴とする請求項18に記載の焼結金属繊維用グ
    リーン繊維の製造方法。
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