JP2000355629A - 熱可塑性樹脂を含浸した成形材料およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂を含浸した成形材料およびその製造方法

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JP2000355629A
JP2000355629A JP11167522A JP16752299A JP2000355629A JP 2000355629 A JP2000355629 A JP 2000355629A JP 11167522 A JP11167522 A JP 11167522A JP 16752299 A JP16752299 A JP 16752299A JP 2000355629 A JP2000355629 A JP 2000355629A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強化繊維間に熱可塑性樹脂が高度に含浸さ
れ、且つ断面形状が実質的に平行四辺形であり、且つ上
下の表面が実質的に平面である連続成形材料及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】 一方向に配向した強化繊維シートに熱可
塑性樹脂を含浸した成形材料30において、断面形状が
実質的に平行四辺形であり且つ上下の表面の凹凸指数δ
がδ≦50μmの成形材料30とする。成形材料30を
製造する方法は、一方向に配向した強化繊維シートに熱
可塑性樹脂15を付着させる手段と、熱可塑性樹脂15
が付着した強化繊維シートを加熱溶融し一体化する手段
と、断面が実質的に平行四辺形であり且つ上下の表面が
実質的に平面とする手段とを講じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方向に配向した
強化繊維シートに熱可塑性樹脂を含浸した成形材料にお
いて、断面形状が実質的に平行四辺形であり且つ上下の
表面が実質的に平面である成形材料及びその製造方法に
関する。
【0002】近年、繊維強化樹脂複合材料の低コスト加
工方法のひとつとして、例えばファイバープレースメン
ト法が注目されている。この方法は、強化繊維にマトリ
ックス樹脂を含浸させた組成物を適度のタックになるよ
うに加熱しながらヘッドで押さえつけて被成形体の型表
面に連続的に貼ってゆく方法である。
【0003】本発明は、前記ファイバープレースメント
法に好適な成形材料及びその製造方法に関する。更に詳
しくは、本発明の成形材料はスポーツ用具、産業用部材
或いは航空機用部材として用いられる。
【0004】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂
とし、このマトリックス樹脂を一方向配向繊維の束また
は幅の狭いテープに含浸させて成形材料とし、該成形材
料を配列させ熱を付与してマトリックス樹脂を溶融し成
形物を得る方法はファイバープレースメント法として知
られている。ファイバープレースメント法は、自動積層
とフィラメント・ワインディングの利点を合わせ持って
いる。すなわち、複雑な形状や凹部に積層できる、シー
トを積層する成形と比べてカットにより発生する成形材
料のロスがない、コンパクションも同時に行える等であ
る。
【0005】ここに使用されているテープ状成形材料
は、例えば、以下に示すようなものが適用される。
【0006】フランス特許第2031719号には次の
ように示されている。即ち、複数本の繊維は、流体が高
速で流れるベンチュリー内で互いに分離される。分離さ
れた複数本の繊維は、粉末状の合成樹脂を保有するフィ
ーダを通過し、粉末状の合成樹脂が付着する。粉末状の
合成樹脂を付着した複数本の繊維はその後、加熱された
型を通って走行し、その型によって固められ、形状が整
えられた帯状物となる。
【0007】また、特公平3−58894号には次のよ
うに示されている。即ち、複数本の繊維を樹脂粒子の入
った槽の中に浸漬し、通過させて、樹脂粒子を付着さ
せ、それから樹脂粒子を付着させた複数本の繊維を加熱
し、溶融し、これを2本の水流により冷却されたシリン
ダの間で狭圧することによって、溶融した樹脂が充填さ
れた型付けストリップとする。次いで、温度調節可能な
水により冷却されたスムーサを通過することにより冷却
によるストリップの収縮をさけ、平滑な仕上げを与え
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ファイバープレースメ
ント法では、成形材料を隙間なく並べ、マトリックス樹
脂を溶融加熱して成形するが、この際のテープ状成形材
料相互間に空隙があると成形物の層間強度や90°引張
強度など繊維と樹脂との界面の接着性能の低下を招く原
因となる。
【0009】このような、空隙を少なくするためには、
成形時に外部より加圧し樹脂のフローと気泡の除去を行
わなければならない。
【0010】従来知られている方法で得られた成形材料
は次の点で満足できない。
【0011】すなわち、前記フランス特許第20317
19号においては、事実上、複数の繊維の間における樹
脂の分布を制御する方法がない。そのため繊維間に拡が
った樹脂は均一であることができず、又、前記方法は高
い繊維含有率が得られないため、成形物とした場合に高
い強度が得られない。また、前記フランス特許公報には
粉末状の合成樹脂を付着した複数本の繊維は加熱された
型によって固められて帯状物が得られるとあるが、加熱
された型を単に通過させたのみでは、帯状物が得られた
としても、高い精度である所定の断面形状を有する連続
帯状物は得られない。
【0012】特公平3−58894号においては、複数
の繊維が水性分散樹脂粒子槽の中に設けられた複数本の
ローラーを通過する際に樹脂粒子が複数の繊維を互いに
押離して繊維間に侵入し、樹脂量も水性分散樹脂粒子槽
の濃度で調整が可能なため高い繊維含有率が得られ、ま
た、含浸性も比較的高い物が得られる。但し、成形材料
の型付けは上下2本の冷却したシリンダでの間で狭圧す
ることによって行っているが、該方法では、冷却シリン
ダによる急激な冷却が行われるため、成形材料は収縮が
起こり表面に皺が発生する。これを防止する目的で温度
調節可能な水により冷却されたスムーサを通過すること
も提案されているが、スムーサにはストリップの幅方向
を規制する手段がないため高い精度で所定の断面形状を
有する連続帯状物が得られない。また、冷却シリンダに
おける温度調節可能な水は100℃未満と推定される
が、この温度では例えば熱可塑性ポリイミド樹脂等のよ
うに100℃以上の熱変形温度を有する耐熱性高分子材
料では収縮による皺は平滑にならない。したがって、該
方法で得られた成形物は断面形状が不安定であり、表面
平滑性も必ずしも良好でない。
【0013】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、強化繊維間に熱可塑性樹脂が高度に含
浸され、且つ断面形状が実質的に平行四辺形であり、且
つ上下の表面が実質的に平面である連続成形材料及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るために、本発明は以下の構成からなる。
【0015】一方向に配向した強化繊維シートに熱可塑
性樹脂を含浸した成形材料において、断面形状が実質的
に平行四辺形であり且つ上下の表面の凹凸指数δがδ≦
50μmである成形材料である。
【0016】本発明の成形材料の好ましい態様は、凹凸
指数δがδ≦30μmである成形材料であってよく、成
形材料の巻き最小直径が15mmであってよく、成形材
料の巻き最小直径が50mmであってよく、成形材料の
厚さ(Tmm)と幅(Wmm)の比が1≦W/T≦10
000であってよく、成形材料の断面形状が矩形であっ
てよく、成形材料に占める強化繊維の体積含有率が30
〜70%であってよく、成形材料の強化繊維が炭素繊
維、金属被覆炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維から
選ばれた単独または二種類以上を組み合わせてよく、成
形材料の熱可塑性樹脂がポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ABS、PMMA、ポリビニルアル
コール、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレン
サルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド
から選ばれた単独または二種類以上を組み合わせてよ
い。
【0017】また、本発明の成形材料の製造方法は、一
方向に配向した強化繊維シートに熱可塑性樹脂を付着さ
せる手段と、熱可塑性樹脂が付着した強化繊維シートを
加熱溶融し一体化する手段と、断面を実質的に平行四辺
形とし且つ上下の表面を実質的に平面とする手段とを講
じてなる成形材料の製造方法である。
【0018】前記熱可塑性樹脂が付着した強化繊維シー
トを加熱溶融し一体化する手段は、強化繊維モノフィラ
メントと熱可塑性樹脂とが一体化した成形材料の中間物
を作製する手段であってよく、該成形材料の中間物は、
加熱炉の下流側に設けられた第1番目の一対の凹凸ロー
ラーに導入されるまでの間に熱可塑性樹脂の温度がガラ
ス転移温度未満とならないようにし、且つ、少なくとも
熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上、流動温度未満に温
調された第一の上下一対の凹凸ローラーを通過させ、少
なくともガラス転移温度未満に調整された最終番目の上
下一対の凹凸ローラーを通過させる製造方法であってよ
い。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の成形材料は一方向に配向
した強化繊維と該強化繊維間に含浸された熱可塑性樹脂
とから構成される。
【0020】強化繊維 前記強化繊維には炭素繊維、金属被覆炭素繊維、アラミ
ド繊維、ガラス繊維が挙げられる。
【0021】炭素繊維はポリアクリロニトリル、ピッ
チ、レーヨンなどを既知の方法で焼成して得られるもの
であり、通常は表面処理やサイズ処理が施されている
が、これらが施されていないものも用いられる。
【0022】金属被覆炭素繊維は、炭素繊維の表面にニ
ッケルなどの金属膜を形成させた繊維である。
【0023】アラミド繊維はアミド結合を介して結びつ
いた芳香族基より成る合成繊維状高分子で、該アミド結
合の85%以上が2個の芳香族環と直接結合しており、
該アミド基の50%以上がイミド基で置換されていても
よい。アラミド繊維には、メタ系芳香族化合物を主原料
とするメタ系アラミド繊維とパラ系芳香族化合物を主原
料とするパラ系アラミド繊維がある。メタ系アラミド繊
維としてはポリメタフェニレンイソフタルアミドからな
る繊維でDuPont社のノーメックス(商品名)や帝
人(株)のコーネックス(商品名)等を用いることがで
きる。また、パラ系アラミド繊維としてはポリパラフェ
ニレンイソフタルアミドからなる繊維でDuPont社
のケブラー(商品名)等を用いることができる。また、
共重合型パラ系アラミド繊維として帝人(株)のテクノ
ーラ(商品名)等を用いることができる。
【0024】また、ガラス繊維はけい砂、アルミナなど
からなる各種ガラス原料をマーブルと呼ばれるビー玉状
の小球に一旦成形し、それを再溶融して紡糸するマーブ
ルメルト法や溶融炉から溶融ガラスの流れを作り、その
流れに沿って設けられている多数の紡糸炉から直接紡糸
されるディレクトメルト法により得られるもので、Eガ
ラス、Sガラス、Aガラス、Tガラスと云われている繊
維である。
【0025】これらの繊維は単独または2種以上複合ま
たは混合された繊維を使用することができる。
【0026】熱可塑性樹脂 熱可塑性樹脂には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、ABS、PMMA、ポリビニルア
ルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデンなどの汎用樹脂が用いられて良
く、また、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネ
ート、ポリブチレンテレフタレートなどの汎用エンジニ
アリングプラスチィクスが用いられて良く、また、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド等の特
殊エンジニアリングプラスチックスが用いられてよい。
【0027】これらの熱可塑性樹脂は単独または2種以
上複合または混合された樹脂を使用することができる。
【0028】樹脂組成 成形材料に含まれる前記強化繊維と前記熱可塑性樹脂と
の割合は、強化繊維の体積含有率で30〜70%が好ま
しい。30%未満であると成形物の補強効果に乏しく、
70%を超えると熱可塑性樹脂が量的に不足し、強化繊
維と熱可塑性樹脂との界面強度の低下をもたらすからで
ある。
【0029】成形材料には、使用する目的に応じて流動
性改質剤、難燃防止剤、着色剤等の添加剤を含む事もで
きる。但し、添加剤の利用により、成形材料が基本的に
保有する化学的、機械的性能の低下をもたらす事もある
ため、添加剤を使用する場合には、成形材料の使用目的
に支障とならない程度に用いてもよい。
【0030】成形材料の表面 本発明の成形材料の最大の特徴の一つは、成形材料の上
下の表面が実質的に平面であることである。すなわち、
成形材料の上下表面の凹凸指数δが下記式である。
【0031】
【数4】
【0032】さらに好ましくは、
【0033】
【数5】
【0034】である。
【0035】ここで、δは成形材料の任意の表面におけ
る最大高さから最小高さを引いた絶対値と定義する。
【0036】凹凸指数δが50μmを超えると、成形材
料を多数積層した場合に局所的な厚さ斑となるばかり
か、凹凸部分によって形成されるボイドが最終製品に残
存して欠陥となる場合があるからである。
【0037】このような凹凸指数δは、以下の手段で測
定できる。例えば、株式会社キーエンス製のレーザーフ
ォーカス式変位計で半導体レーザーを光源とする装置を
用いてよい。本装置によれば直径2μmの極小スポット
を0.1μmの分解能で計測することが可能である。
【0038】成形材料の断面 本発明の成形材料の他の特徴の一つは、成形材料の断面
形状が実質的に平行四辺形であることである。すなわ
ち、成形材料の厚さ(Tmm)と幅(Wmm)の比が下
記の式で示される範囲である。
【0039】
【数6】
【0040】W/Tが1未満であると成形材料の厚さが
大きくなり、該成形材料の内部に繊維の蛇行やボイドな
どの内部欠陥が生じ易いばかりか、該成形材料を加工す
る際に熱で容易に溶け難くなるため、最終製品の生産性
が低下することになり好ましくない。また、W/Tが1
0000を超えると成形材料の厚さが小さくなり、幅方
向に目開きのない成形材料の製作が困難となる。
【0041】ここで、平行四辺形としては、矩形である
ことが製作上及びレベルアップのし易さなど利用上の面
から好ましいが、矩形以外の平行四辺形であってもよ
い。
【0042】成形材料の巻き径 成形材料を巻回した場合の巻き最小直径は50mm以上
が望ましく、さらに望ましくは15mm以上である。巻
き最小直径が15mm未満の場合には成形材料は強化繊
維の切断または屈曲による破損を生ずる。従って、成形
材料の荷姿は前記最小直径以上であれば問題ない。
【0043】成形材料の製造方法 成形材料は、以下の手段で製作することが可能である。
例えば、先ず、強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸する手段
には次の各手段が列挙できる。
【0044】(1)強化繊維を熱可塑性樹脂粉末のサス
ペンジョン液中を通過させて、該強化繊維に熱可塑性樹
脂を付着させ、次いで熱可塑性樹脂のガラス転移温度ま
たは融点以上の温度で熱可塑性樹脂を溶融し一体化す
る。該方法によれば、熱可塑性樹脂をより完全に強化繊
維に含浸することが可能になる。この場合、熱可塑性樹
脂粉末の平均粒子径は5〜20μm程度が好ましく、熱
可塑性樹脂は粉末状となるものに限定される。
【0045】(2)強化繊維を熱可塑性樹脂粉末の流動
床中を通過させて、場合によっては熱可塑性樹脂粉末を
帯電させて該強化繊維に熱可塑性樹脂を付着させ、次い
で熱可塑性樹脂のガラス転移温度または融点以上の温度
で熱可塑性樹脂を溶融し一体化する。該方法によれば、
熱可塑性樹脂をより完全に強化繊維に含浸することが可
能になる。この場合、熱可塑性樹脂粉末の平均粒子径は
5〜20μm程度が好ましく、熱可塑性樹脂は粉末状と
なるものに限定される。
【0046】(3)強化繊維を熱可塑性樹脂溶液中を通
過させて、該強化繊維に熱可塑性樹脂を付着させ、次い
で熱可塑性樹脂の溶剤を除去する。該方法によれば、熱
可塑性樹脂をより完全に強化繊維に含浸することが可能
になる。この場合、熱可塑性樹脂は溶剤に溶解するもの
に限定される。
【0047】(4)溶融した熱可塑性樹脂を強化繊維に
押出機等で注入し、一体化する。該方法によれば、熱可
塑性樹脂をより多く強化繊維に含浸することが可能にな
る。この場合、熱可塑性樹脂は強化繊維の表面に被覆し
た状態となりやすいので、樹脂の含浸工程を設けること
が好ましい。
【0048】(5)強化繊維を熱可塑性樹脂の繊維と混
紡し、次いで熱可塑性樹脂のガラス転移温度または融点
以上の温度で熱可塑性樹脂を溶融し一体化する。該方法
によれば、熱可塑性樹脂をより多く強化繊維に含浸する
ことが可能になる。この場合、熱可塑性樹脂は繊維とな
るものに限定される。
【0049】(6)強化繊維を熱可塑性樹脂のフィルム
でサンドイッチし、次いで熱可塑性樹脂のガラス転移温
度または融点以上の温度で熱可塑性樹脂を溶融し一体化
する。該方法によれば、熱可塑性樹脂をより多く強化繊
維に含浸することが可能になる。この場合、熱可塑性樹
脂はフィルムとなるものに限定される。
【0050】次いで、断面が実質的に平行四辺形であり
且つ上下の表面が実質的に平面である成形材料を得る手
段としては、前記強化繊維への熱可塑性樹脂を含浸する
手段の下流側に、断面を実質的に平行四辺形に賦形する
手段と上下の表面を実質的に平面とする手段とを講じ
る。
【0051】このような手段としては、熱可塑性樹脂が
ガラス転移温度未満とならないようにした状態の成形材
料を、先ず、少なくとも熱可塑性樹脂のガラス転移温度
以上、流動温度未満に温調された第1番目の上下一対の
凹凸ローラーに通過させ、少なくともガラス転移温度未
満に調整された最終番目の上下一対の凹凸ローラーに通
過させることによって達成される。
【0052】ガラス転移温度が200℃を超えるポリイ
ミド樹脂のような高いガラス転移温度を有する熱可塑性
樹脂の場合、複数個の上下一対の凹凸ローラーを設け、
段階的に温度を低下させ、最終番目の凹凸ローラーが室
温付近に調整されるように導入することが好ましい。
【0053】前記手段によれば、断面が実質的に平行四
辺形であり且つ上下の表面が実質的に平面である成形材
料を得ることが可能となる。
【0054】成形材料及び製造プロセスの一例 以下に本発明の成形材料及び製造プロセスの一例を具体
的に述べる。
【0055】図1は本発明の一実施の形態に係る成形材
料を示す。成形材料30は少なくとも一方向に配向した
強化繊維モノフィラメント12に熱可塑性樹脂15を含
浸したシート状組成物であって、断面が実質的に平行四
辺形であり且つ、上下の面の凹凸指数δが50μm以
下、好ましくは30μm以下である成形材料である。こ
こでいうところの凹凸指数とは、図2に示すように成形
材料30の表面33において、凹凸の最大値から最小値
を引いた絶対値である。
【0056】図3は本発明の一実施の形態に係る成形材
料を製造するためのプロセスを示すものである。
【0057】すなわち強化繊維モノフィラメント12を
1000〜400000本束ねた強化繊維束の強化繊維
シート13または強化繊維束を複数本並べてなる強化繊
維シート13(以下強化繊維シートと呼称)を少なくと
も粉末状熱可塑性樹脂と分散媒とを含むサスペンジョン
液50が入った浴槽51にガイドローラー40を介して
導入する。ここで強化繊維シート13は複数本の互い違
いに浴槽51内に配置されたガイドバー42、43、4
4、45、46を通過する間に、開繊されつつ粉末状熱
可塑性樹脂が強化繊維モノフィラメント12(図1)の
間に取り込まれる。
【0058】粉末状熱可塑性樹脂が強化繊維モノフィラ
メント12の間に取り込まれることを容易にするために
は、一般に、粉末状熱可塑性樹脂の平均粒子径が5〜2
0μm、最大粒子径が100μm未満であることが必要
である。粉末状熱可塑性樹脂の粒子径が5μm未満であ
ると粒子径が小さすぎて強化繊維モノフィラメント12
の間に取り込まれたものが素抜けし脱落するため量的に
樹脂が非常に少なくなり成形材料30としての性能が発
現できない。一方、粉末状熱可塑性樹脂の粒子径が10
0μm以上であると粒子径が大きすぎるために強化繊維
モノフィラメント12の間に取り込まれる樹脂の量が非
常に少なくなり成形材料30としての性能が発現できな
いからである。実際に、強化繊維モノフィラメント12
の間に取り込まれる樹脂量は、前述の樹脂の粒子径の他
に、サスペンジョン液50の濃度、分散媒の種類、強化
繊維の種類などによって任意に調整される。
【0059】尚、強化繊維シート13には一般的に取り
扱い性を改善するためや成形物の性能を発現するために
適当な集束剤が数%施されているものもある。このよう
な集束剤の付着した強化繊維シート13を用いる場合に
は強化繊維シート13の開繊性に対してはマイナス要因
となり粉末状熱可塑性樹脂の付着を妨げるように作用す
る場合や集束剤が最終成形品の諸特性に悪影響を及ぼす
場合には、サスペンジョン液50に導入する上流側で溶
剤や焼却によって強化繊維シート13に含まれる集束剤
を除去する工程を設けることが好ましい。
【0060】強化繊維モノフィラメント12の間に粉末
状熱可塑性樹脂を付着した強化繊維シート18は粉末状
熱可塑性樹脂の融点またはガラス転移温度以上に加熱さ
れた加熱炉65にガイドローラー41を介して導入さ
れ、粉末状熱可塑性樹脂は融けて強化繊維モノフィラメ
ント12と一体となって成形材料の中間物20となる。
ここで、加熱炉65には上部スチールベルト60と下部
スチールベルト61とが一対となったベルトコンベア6
3を設け、粉末状熱可塑性樹脂を付着した強化繊維シー
ト18がベルトコンベア63を通過するようにすること
で粉末状熱可塑性樹脂が強化繊維モノフィラメント12
の間に充分に含浸した状態となり、且つ、表面の平滑性
をも付与することになる。
【0061】尚、粉末状熱可塑性樹脂を付着した強化繊
維シート18に含まれるサスペンジョン液50の分散媒
を飛散させるためにガイドローラー41と加熱炉65と
の間に乾燥機55を設けることが好ましい。なぜなら、
乾燥機55を設けないと、加熱炉65の温度が一般には
150℃以上となるため分散媒によってはこの温度で突
沸し、成形材料の中間物20にボイドや表面くぼみ等の
欠陥が発生する場合があるためである。
【0062】次いで、成形材料の中間物20は、加熱炉
65を通過後、熱可塑性樹脂の温度がガラス転移温度以
下にならない様に凸ローラー70と凹ローラー71とが
一対となったローラーに通過させ成形材料の中間物20
の断面形状を形成する。
【0063】加熱炉65の下流側に設けられた第1番目
の一対のローラー70、71の出側と第2番目の一対の
ローラー72、73の入り側との距離は出来るだけ短い
方が第1番目で形成された断面形状を維持するために好
ましい。このためには、凸ローラーと凹ローラーの直径
は小さくし、複数本設けることが好ましい。この場合、
第2番目の一対のローラーと第3番の一対のローラーの
距離も前記第1番目の一対のローラーと第2番目の一対
のローラーの距離と同様であり、以後のローラーについ
ても同様である。凸ローラーと凹ローラーの対の数は使
用する熱可塑性樹脂の種類や強化繊維の種類やライン速
度に依って異なるが、精度の高い断面形状を得るために
は少なくとも3組〜5組設けることが望ましい。図3に
は5組の例として、凸ローラー70、72、74、7
6、78と凹ローラー71、73、75、77、79を
示している。
【0064】このような凸ローラーと凹ローラーの直径
は30〜100mm、また、図4に示すように一対のロ
ーラー間の距離(互いに隣接するローラー間の距離)7
1aは35〜105mm程度が好ましい。
【0065】凸ローラー70、72、74、76、78
と凹ローラー71、73、75、77、79の温度は、
断面形状が実質的な平行四辺形であり且つ上下の表面が
実質的に平面である成形材料を得るために非常に重要で
ある。
【0066】成形材料の中間物20は、加熱炉65の下
流側に設けられた第1番目の一対の凹凸ローラー70、
71に導入されるまでの間に温度が低下するが、成形材
料の中間物20は、加熱炉65の下流側に設けられた第
1番目の一対の凹凸ローラー70、71に導入されるま
での間に熱可塑性樹脂の温度がガラス転移温度未満とな
らないようにし、且つ、少なくとも熱可塑性樹脂のガラ
ス転移温度以上、流動温度未満に温調された第1番目の
上下一対の凹凸ローラー70、71を通過させ、少なく
ともガラス転移温度未満に調整された最終番目の上下一
対の凹凸ローラー78、79を通過させることによって
本発明の成形材料30が得られる。
【0067】第1番目の一対の凹凸ローラー70、71
に導入されるまでの間に成形材料の中間物20の熱可塑
性樹脂の温度がガラス転移温度未満とならないようにす
ることと第1番目の一対の凹凸ローラー70、71の温
度が熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上で流動温度未満
であることとは、第1番目の一対の凹凸ローラー70、
71での成形材料の変形を容易にするためであり、ま
た、表面平滑性を発現するためである。第1番目の一対
の凹凸ローラー70、71の温度が熱可塑性樹脂のガラ
ス転移温度未満であると樹脂の変形が困難なため実質的
な平行四辺形とはならないばかりか、成形材料の中間物
20は急冷却されることによりその表面に皺が発生す
る。
【0068】一方、第1番目の一対の凹凸ローラー7
0、71の温度が熱可塑性樹脂の流動温度以上となると
熱可塑性樹脂が流動するため成形材料が固化しないので
形状が定まらない。
【0069】最終番目の一対の凹凸ローラー78、79
の温度がガラス転移温度未満であるのは第1番目以降の
一対の凹凸ローラーで形成された成形材料の断面形状を
更に決定的な状態にするためである。
【0070】前記一対の凹凸ローラーの数は使用する熱
可塑性樹脂の種類や強化繊維の種類によって任意に設定
することができる。
【0071】一対の凹凸ローラーにより成形材料へ負荷
する圧力は線圧で0.5〜5kg/cm程度であれば断
面形状が実質的な平行四辺形であり表面平滑性である成
形材料が得られる。
【0072】尚、熱可塑性樹脂の種類によっては、第2
番目以後の一対の凹凸ローラーの温度を段階的に室温ま
で下げるような温度設定をとってもよい。
【0073】これらの温度制御は図5に示すような凸ロ
ーラーと凹ローラーに埋め込まれた温度制御可能なヒー
ター101によって、各ローラー毎に行われる。ヒータ
ー101は熱媒のような液体状のものであってもよい。
【0074】また、一対の凹凸ローラーによってできる
平行四辺形の断面形状は第1番目の一対の凹凸ローラー
70、71から最終番目の一対の凹凸ローラー78、7
9までの断面形状が最終の成形材料30の断面形状と同
じであってよく、または、少なくとも最終番目の一対の
凹凸ローラー78、79の断面形状が最終の成形材料3
0と同じであり且つ第1番目の一対の凹凸ローラー7
0、71から最終番目の一つ上流側の一対の凹凸ローラ
ー76、77の断面形状が最終番目より小さくてよい。
【0075】次に、前述のようにして成形材料の中間物
20は複数の一対の凹凸ローラーによって断面形状が実
質的に平行四辺形で且つ上下の表面が実質的に平面であ
る最終の成形材料30となる。成形材料30はワインダ
ー90によって巻き取ることもできる。
【0076】
【実施例】以下に実施例により具体的に説明するが、本
発明はその要旨を超えない限り下記実施例に限定される
ものではない。
【0077】〔実施例1〕図3に示すように、強化繊維
シート13として東邦レーヨン(株)製の炭素繊維束H
TA−12K(炭素繊維モノフィラメント12000
本、引張り強度3920MPa、弾性率235、比重
1.77、伸度1.7%、汎用サイズ品)の1本束を用
い、炭素繊維束(強化繊維シート13)は強化繊維ボビ
ン10に2kg巻いてあるものを用いた。
【0078】マトリックス用樹脂としてはVictre
x社製ポリエーテルエーテルケトン(以下PEEKと呼
称:融点334℃、ガラス転移温度143℃)を機械粉
砕により平均粒子径10μm、最大粒子径50μmの粉
末状熱可塑性樹脂としたものを用いた。炭素繊維束HT
A−12Kはガイドローラー40を介してPEEK樹脂
の入ったパウダーサスペンジョン液50の入った浴槽5
1に導入される。
【0079】ここで、パウダーサスペンジョン液50は
PEEK粉末をアセトンやアルコール等を含む極性有機
溶媒に分散させたもので、PEEK樹脂/極性有機溶媒
の濃度は約7〜10g/リットルの範囲となるように運
転中にコントロールした。
【0080】浴槽51には固定式のガイドバー42〜4
6を5本設け、炭素繊維束はガイドバー42〜46を交
互に通過させ、通過する間に、開繊されつつPEEK樹
脂が炭素繊維モノフィラメントの間に取り込まれるよう
にした。尚、炭素繊維束にはエポキシ系の集束剤が付着
しているためサスペンジョン浴槽51に入る前にアセト
ンで除去する工程を設けた。
【0081】前述のようにして、炭素繊維束にPEEK
樹脂粉末が取り込まれた炭素繊維束(粉末状熱可塑性樹
脂を付着した強化繊維シート18)を得た。該炭素繊維
束は次いで120℃に設定された乾燥機18を通過し、
ここで極性有機溶媒を除去した。次いで、加熱炉65に
導入した。加熱炉65に設けられた上下一対のスチール
ベルトコンベア63が380℃一定に保たれるように設
定して炭素繊維束を通過させた。
【0082】この時のスチールベルトコンベア63によ
る圧力は3kgf/cm2 とした。加熱炉65により炭
素繊維束に付着したはPEEK樹脂は溶融し、炭素繊維
モノフィラメントと一体化した成形材料の中間物20を
得た。次いで、該成形材料の中間物20は、加熱炉65
の下流側に設けられた第1番目の一対のローラー(凸ロ
ーラー70と凹ローラー71)に導入した。尚、加熱炉
65を出てから第1番目の一対のローラーに入る時点で
の該成形材料の中間物20の温度は220℃であった。
【0083】前記一対の凹凸ローラーは5対設置し該成
形材料の中間物20を通過させた。尚、図4に示すよう
に第1番目の一対のローラー70、71の出側と第2番
目の一対のローラー72、73の入り側との距離71a
は60mmとし、図5に示すように一対の凹凸ローラー
によってできる断面は成形材料の幅(凹凸ローラーの凹
凸部分の幅71b)となる長方形であり、第1番目のロ
ーラーから第5番目のローラーまで、それぞれ、5.5
mm、5.7mm、5.9mm、6.0mm、6.0m
mとした。
【0084】また、一対の凹凸ローラーの温度は、第1
番目のローラーから第5番目のローラーまで、それぞ
れ、220℃、180℃、150℃、120℃、80℃
とした。
【0085】一対の凹凸ローラーにより成形材料へ負荷
する圧力は線圧で2kg/cmとした。
【0086】このようにして最終の成形材料30を得
た。成形材料30は最後にワインダー90に巻き付けら
れた。得られた成形材料30は、その断面を顕微鏡で観
察した結果ほぼ長方形であり、その幅(W)が6.0m
m、厚さ(T)が0.130mmの矩形であり、W/T
は46.2であった。また、硫酸で分解して測定したP
EEK樹脂含有量は35%、炭素繊維体積含有率は58
%、ボイド率は0.6%であった。
【0087】また、成形材料30の表面を株式会社キー
エンス製のレーザーフォーカス式変位計を用いて計算し
た凹凸指数δは、30μmであり、非常に表面平滑性に
優れていた。成形材料30の巻き最小直径は15mm
で、これより小さくすると炭素繊維の切断による破損が
発生した。
【0088】はんだごてで成形材料30の両端部を接合
して複数本並べてシート状とし、これを一方向に16p
ly金型内に積層し、ホットプレスを用いて温度390
℃、圧力3kgf/cm2 、保持時間3分間の条件で積
層板を製作した。硫酸で分解して測定した積層板のボイ
ド率は0.1%であった。
【0089】この積層板について、ASTM D 30
39 及びASTM D 3864に準拠して90°引
張強度試験及び圧縮層間せん断強度試験を実施した。
【0090】90°引張強度及び圧縮層間せん断強度
は、各々85MPa及び112MPaであった。これら
の結果を下記表1に示す。
【0091】〔実施例2〕前記実施例1で凹凸ローラー
の第1ローラー温度を200℃とした以外は前記実施例
1と同様にして、成形材料30を得た。
【0092】得られた成形材料30は、その断面を顕微
鏡で観察した結果ほぼ長方形であり、その幅(W)が
6.0mm、厚さ(T)が0.131mmの矩形であ
り、W/Tは45.8であった。また、硫酸で分解して
測定したPEEK樹脂含有量は35%、炭素繊維体積含
有率は57%、ボイド率は0.9%であった。
【0093】また、成形材料30の表面を株式会社キー
エンス製のレーザーフォーカス式変位計を用いて計算し
た凹凸指数δは、40μmであり、表面平滑性に優れて
いた。
【0094】成形材料30の巻き最小直径は15mm
で、これより小さくすると炭素繊維の切断による破損が
発生した。
【0095】はんだごてで成形材料30の両端部を接合
して複数本並べてシート状とし、これを一方向に16p
ly金型内に積層し、ホットプレスを用いて温度390
℃、圧力3kgf/cm2 、保持時間3分間の条件で積
層板を製作した。硫酸で分解して測定した積層板のボイ
ド率は0.3%であった。この積層板について、AST
M D 3039 及びASTM D 3864に準拠
して90°引張強度試験及び圧縮層間せん断強度試験を
実施した。
【0096】90°引張強度及び圧縮層間せん断強度
は、各々83MPa及び110MPaであった。これら
の結果を下記表1に示す。
【0097】〔実施例3〕前記実施例1で凹凸ローラー
の第1ローラー温度を180℃とした以外は前記実施例
1と同様にして、成形材料30を得た。
【0098】得られた成形材料30は、その断面を顕微
鏡で観察した結果ほぼ長方形であり、その幅(W)が
6.0mm、厚さ(T)が0.132mmの矩形であ
り、W/Tは45.5であった。また、硫酸で分解して
測定したPEEK樹脂含有量は35%、炭素繊維体積含
有率は57%、ボイド率は1.1%であった。また、成
形材料30の表面を株式会社キーエンス製のレーザーフ
ォーカス式変位計を用いて計算した凹凸指数δは、50
μmであり、表面平滑性に優れていた。
【0099】成形材料30の巻き最小直径は15mm
で、これより小さくすると炭素繊維の切断による破損が
発生した。
【0100】はんだごてで成形材料30の両端部を接合
して複数本並べてシート状とし、これを一方向に16p
ly金型内に積層し、ホットプレスを用いて温度390
℃、圧力3kgf/cm2 、保持時間3分間の条件で積
層板を製作した。硫酸で分解して測定した積層板のボイ
ド率は0.3%であった。
【0101】この積層板について、ASTM D 30
39 及びASTM D 3864に準拠して90°引
張強度試験及び圧縮層間せん断強度試験を実施した。
【0102】90°引張強度及び圧縮層間せん断強度
は、各々82MPa及び109MPaであった。これら
の結果を下記表1に示す。
【0103】〔比較例1〕前記実施例1で凹凸ローラー
の第1番目から第5の温度を100℃、90℃、80
℃、70℃、60℃とした以外は前記実施例1と同様に
して、成形材料30を得た。
【0104】得られた成形材料30は、その断面を顕微
鏡で観察した結果ほぼ長方形であり、その幅(W)が
5.9mm、厚さ(T)が0.138mmであり、W/
Tは41.9であった。また、硫酸で分解して測定した
PEEK樹脂含有量は35%、炭素繊維体積含有率は5
4%、ボイド率は3%であった。
【0105】また、成形材料30の表面を株式会社キー
エンス製のレーザーフォーカス式変位計を用いて計算し
た凹凸指数δは、70μmであり、表面平滑性に劣るも
のであり、表面に皺も認められた。
【0106】成形材料30の巻き最小直径は15mm
で、これより小さくすると炭素繊維の切断による破損が
発生した。
【0107】はんだごてでプリプレグ両端部を接合して
複数本並べてシート状とし、これを一方向に16ply
金型内に積層し、ホットプレスを用いて温度390℃、
圧力3kgf/cm2 、保持時間3分間の条件で積層板
を製作した。硫酸で分解して測定した積層板のボイド率
は1.0%であった。
【0108】この積層板について、ASTM D 30
39 及びASTM D 3864に準拠して90°引
張強度試験及び圧縮層間せん断強度試験を実施した。
【0109】90°引張強度及び圧縮層間せん断強度
は、各々76MPa及び91MPaであった。これらの
結果を下記表1に示す。
【0110】〔比較例2〕前記実施例1で凹凸ローラー
を取り外し、その代わりにストレートタイプのヒートバ
ー1本を設け、この温度を100℃とした以外は前記実
施例1と同様にして、成形材料を得た。
【0111】得られた成形材料30は、その断面を顕微
鏡で観察した結果、断面中央部に対して両端が薄い扁平
状であり、その幅(W)が7.8mm、厚さ(T)が平
均で0.103mmであり、W/Tは75.7であっ
た。また、硫酸で分解して測定したPEEK樹脂含有量
は35%、炭素繊維体積含有率は52%、ボイド率は5
%であった。
【0112】また、成形材料30の表面を株式会社キー
エンス製のレーザーフォーカス式変位計を用いて計算し
た凹凸指数δは、140μmであり、表面平滑性に非常
に劣るものであり、表面に皺も認められた。
【0113】成形材料30の巻き最小直径は15mm
で、これより小さくすると炭素繊維の切断による破損が
発生した。
【0114】はんだごてでプリプレグ両端部を接合して
複数本並べてシート状とし、これを一方向に20ply
金型内に積層し、ホットプレスを用いて温度390℃、
圧力3kgf/cm2 、保持時間3分間の条件で積層板
を製作した。硫酸で分解して測定した積層板のボイド率
は1.7%であった。
【0115】この積層板について、ASTM D 30
39 及びASTM D 3864に準拠して90°引
張強度試験及び圧縮層間せん断強度試験を実施した。
【0116】90°引張強度及び圧縮層間せん断強度
は、各々70MPa及び85MPaであった。これらの
結果を下記表1に示す。
【0117】
【表1】
【0118】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、強化繊維
に熱可塑性樹脂が高度に含浸され、且つ断面形状が実質
的に平行四辺形であり、且つ上下の表面が実質的に平面
である連続成形材料を提供することが可能となる。
【0119】従って本発明の成形材料によれば、製品の
加工温度を与えた状態で比較的短い時間で僅かな圧力を
付加するのみで強化繊維が規則正しく配列されたボイド
のない最終成形品を得ることが可能となる。
【0120】本発明の成形材料によれば、例えばファイ
バープレースメントのような低コスト加工方法に適用で
きるようになるとともに、これによって得られた成形物
はスポーツ用具、産業用部材あるいは航空機用部材など
の各種の用途に広く適用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形材料の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の成形材料の凹凸指数δを示す縦断面図
である。
【図3】本発明の成形材料の連続的に製造するためのプ
ロセスを示す側面図である。
【図4】本発明の成形材料の断面を平行四辺形に製造す
るためのプロセスを示す側面図である。
【図5】本発明の成形材料の断面を平行四辺形に製造す
るためのプロセスを示す正面図である。
【符号の説明】
10 強化繊維ボビン 12 強化繊維モノフィラメント 13 強化繊維シート 15 熱可塑性樹脂 18 粉末状熱可塑性樹脂を付着した強化繊維シート 20 成形材料の中間物 30 成形材料 33 表面 40、41 ガイドローラー 42〜46 ガイドバー 50 パウダーサスペンジョン液 51 パウダーサスペンジョン浴槽 55 乾燥機 60 上部スチールベルト 62 下部スチールベルト 63 ベルトコンベアー 65 加熱炉 70、72、74、76、78 凸型ローラー 71、73,75,77,79 凹型ローラー 71a ローラー間距離 71b 凹凸ローラーの凹凸部分の幅 80 引き取りローラー 90 ワインダー 101 ヒーター
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AA08 AB06 AB09 AB10 AB22 AD04 AD05 AD06 AD08 AD09 AD37 AD41 AD42 AD44 AD45 AD46 AG12 AJ04 AJ11 AJ37

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に配向した強化繊維シートに熱可
    塑性樹脂を含浸した成形材料において、断面形状が実質
    的に平行四辺形であり且つ上下の表面の凹凸指数δが下
    記の式で示される範囲である成形材料。 【数1】
  2. 【請求項2】 前記凹凸指数δが下記の式で示される範
    囲である請求項1記載の成形材料。 【数2】
  3. 【請求項3】 前記平行四辺形が矩形である請求項1記
    載の成形材料。
  4. 【請求項4】 前記成形材料を巻回した場合の巻き最小
    直径が15mmである請求項1記載の成形材料。
  5. 【請求項5】 前記成形材料を巻回した場合の巻き最小
    直径が50mmである請求項1記載の成形材料。
  6. 【請求項6】 前記成形材料の厚さ(Tmm)と幅(W
    mm)の比が下記の式で示される範囲である請求項1記
    載の成形材料。 【数3】
  7. 【請求項7】 前記成形材料に占める強化繊維の体積含
    有率が30〜70%である請求項1記載の成形材料。
  8. 【請求項8】 前記強化繊維が炭素繊維、金属被覆炭素
    繊維、アラミド繊維、ガラス繊維から選ばれた単独また
    は二種類以上を組み合わせて成る請求項1記載の成形材
    料。
  9. 【請求項9】 前記熱可塑性樹脂がポリエチレン、ポリ
    プロピレン、ポリスチレン、ABS、PMMA、ポリビ
    ニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩
    化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリアセ
    タール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレー
    ト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニ
    レンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイ
    ミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミ
    ドから選ばれた単独または二種類以上を組み合わせて成
    る請求項1記載の成形材料。
  10. 【請求項10】 一方向に配向した強化繊維シートに熱
    可塑性樹脂を付着させる手段と、熱可塑性樹脂が付着し
    た強化繊維シートを加熱溶融し一体化する手段と、断面
    を実質的に平行四辺形とし且つ上下の表面を実質的に平
    面とする手段とを講じることを特徴とする成形材料の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 前記熱可塑性樹脂が付着した強化繊維
    シートを加熱溶融し一体化する手段は、強化繊維モノフ
    ィラメントと熱可塑性樹脂とが一体化した成形材料の中
    間物を作製する手段であることを特徴とする請求項10
    記載の成形材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記成形材料の中間物を作製する手段
    は、加熱炉の下流側に設けられた第1番目の一対の上下
    凹凸ローラーに導入されるまでの間に熱可塑性樹脂の温
    度がガラス転移温度未満とならないようにし、且つ、少
    なくとも熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上、流動温度
    未満に温調された第1番目の上下一対の凹凸ローラーを
    通過させ、少なくともガラス転移温度未満に調整された
    最終番目の上下一対の凹凸ローラーを通過させることを
    特徴とする請求項11記載の成形材料の製造方法。
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