JP2000354292A - 音声放送装置 - Google Patents

音声放送装置

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JP2000354292A JP16542899A JP16542899A JP2000354292A JP 2000354292 A JP2000354292 A JP 2000354292A JP 16542899 A JP16542899 A JP 16542899A JP 16542899 A JP16542899 A JP 16542899A JP 2000354292 A JP2000354292 A JP 2000354292A
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウリングの発生を自動的に抑制する。 【解決手段】 各マイクロホン1、1、・・・のうち、
有効とされたマイクロホン1の出力信号は、イコライザ
部24内にあるそれぞれ異なる周波数帯域fn (n=
1、2、・・・、N)に通過帯域を有する複数のバンド
パスフィルタ25、25、・・・に入力される。これら
各バンドパスフィルタ25、25、・・・の各出力は、
レベル検出部32に入力され、ここで予め定めた基準レ
ベルとレベル比較される。レベル検出部32による比較
結果は、CPU33に供給され、CPU33は、上記基
準レベルよりも高い信号レベルを示す周波数帯域fn
あると、その周波数帯域fn においてハウリングが発生
しているものと見なす。そして、その周波数帯域fn
おける信号レベルを減衰させるように、イコライザ部2
4内にある各帯域増幅器26、26、・・・の各増幅率
を個別に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロホンによ
って収音して得た音声を放送する音声放送装置に関し、
特にハウリングの発生を抑制する機能を有する音声放送
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記ハウリングという現象は、例えば会
議場や講堂等のように、マイクロホンとスピーカとを同
じ空間内で使用する場合に発生する。このハウリングの
発生は、例えばマイクロホンの近傍に位置するスピーカ
の出力をOFFにしたり、或いは、放送装置全体の音量
を下げることにより、抑制できる。しかし、このような
対処法は、音量不足という放送装置にとって致命的とも
言える不具合を招く恐れがあり、あまり好ましくない。
【0003】そこで、従来、例えば一般に知られている
グラフィックイコライザ装置を用いて上記ハウリングの
発生を抑制する技術がある。これは、上記ハウリングと
いう現象が、マイクロホンとスピーカとの位置関係や、
放送対象となる空間の構造、或いは放送装置自体の電気
的または機械的な構造等、に起因して、或る特定の周波
数帯域において発生する現象である点に着目したもので
ある。即ち、上記イコライザ装置を用いて、ハウリング
の発生する周波数帯域のみの信号を減衰させることによ
り、上記ハウリングを抑制する。このように、特定の周
波数帯域のみの信号を減衰させれば、放送装置の出力全
体としての上記音量不足を回避できる。
【0004】なお、会議場等においては、通常、複数の
マイクロホンを設置して、これらの出力をミキシング装
置等により混合した後、各スピーカ等に供給することが
多い。このような場合には、全てのマイクロホンそれぞ
れに起因するハウリングの発生をできるだけ確実に抑制
するために、上記イコライザ装置をミキシング装置の出
力側に設け、このミキシング装置により各マイクロホン
の各出力信号を混合した後に、上記イコライザ装置によ
る信号処理を施すことが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、ハウリングの発生する周波数は、マイクロホンとス
ピーカとの位置関係にも依存する。従って、例えば複数
のマイクロホンを使用する場合、それぞれのマイクロホ
ンに起因して発生する各ハウリングの周波数は、各マイ
クロホン毎にそれぞれ異なる。この状態で、上記従来技
術のように、全てのマイクロホンについて一括して同じ
条件でハウリングの発生を抑制するための手段、即ち或
る特定の周波数帯域の信号を減衰させると言う手段、を
講ずると、或る特定のマイクロホンを使用するときに
は、そのマイクロホンに起因するハウリングの発生を抑
制できても、それ以外のマイクロホンを使用するときに
は、ハウリングが発生していないにも係わらず上記或る
特定の周波数帯域の信号が不本意にも減衰されてしまう
可能性もある。このようにハウリングの抑制効果に全く
関係のない信号まで減衰されると、放送装置全体として
の音質が劣化することになる。
【0006】また、上記イコライザ装置の操作は、従
来、人間が手動で行っていた。従って、このイコライザ
装置の操作によりハウリングの発生を抑制するには、そ
の操作に或る程度の勘と経験を要していた。即ち、誰も
が、上記イコライザ装置の操作によりハウリングの発生
を抑制できるという訳ではなく、或る程度の熟練者でな
ければ、上記ハウリングの発生を抑制できないという問
題がある。
【0007】そこで、本発明は、上記熟練者でなくとも
誰でも容易に上記ハウリングの発生を防止でき、ひいて
は自動的にハウリングの発生を防止できる音声放送装置
を提供することを目的とする。また、複数のマイクロホ
ンを使用する場合に、各マイクロホン毎にそれぞれ適し
た条件下で放送装置の運用が成されるようにすること
で、放送装置全体としての音質の劣化を防止すること
も、本発明の目的とするところである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち、請求項1に記載の発明は、入力端子
から入力されるマイクロホンの出力信号に基づいて音声
放送用の放送信号を生成して出力端子から出力する音声
放送装置において、上記マイクロホンの出力信号の各周
波数帯域毎の信号レベルを検出するレベル検出手段と、
このレベル検出手段によって検出して得た信号レベルが
所定の基準レベルを超える周波数帯域を検出する周波数
検出手段と、この周波数検出手段によって検出して得た
周波数帯域を表す情報を、例えば表示や音声により出力
する情報出力手段と、を具備するものである。
【0009】なお、ここで言う上記放送信号とは、上記
マイクロホンにより収音して得た音声を、本発明の音声
放送装置による放送対象となる空間内に設置されている
スピーカから出力させるために、これらスピーカ等に供
給する信号のことを言う。また、上記所定の基準レベル
とは、例えばマイクロホンの出力信号からハウリング現
象が発生しているものと見なすことのできる程度の信号
レベルのことを言う。
【0010】即ち、本請求項1に記載の発明によれば、
音声放送装置を使用している空間内においてハウリング
が発生すると、マイクロホンの出力信号の或る特定の周
波数帯域の信号レベルが、上記所定の基準レベルよりも
大きくなる。すると、情報出力手段が、この或る特定の
周波数帯域を表す情報を、例えばグラフィカルな表示
(即ち視覚的形態)や音声(即ち聴覚的形態)等により
出力する。従って、この情報出力手段の出力する情報か
ら、いずれの周波数帯域においてハウリングが発生して
いるのかを、容易に認識できる。よって、例えば上述し
たイコライザ装置等を用いてハウリングを抑制する場合
には、その操作が容易になる。
【0011】請求項2に記載の発明は、入力端子から入
力されるマイクロホンの出力信号に基づいて音声放送用
の放送信号を生成して出力端子から出力する音声放送装
置において、上記マイクロホンの出力信号の各周波数帯
域毎の信号レベルを検出するレベル検出手段と、上記マ
イクロホンの出力信号の各周波数帯域毎の信号レベルを
検出するレベル検出手段と、このレベル検出手段によっ
て検出して得た信号レベルが所定の基準レベルを超える
周波数帯域を検出する周波数検出手段と、この周波数検
出手段によって検出して得た周波数帯域の信号レベルが
上記所定の基準レベル以下となる状態に、該周波数帯域
における上記放送信号の信号レベルを減衰させる減衰手
段と、を具備するものである。
【0012】即ち、本請求項2に記載の発明によれば、
スピーカ等に供給される放送信号のうち、ハウリングが
発生していると見なされる周波数帯域については、この
周波数帯域における上記マイクロホンの出力信号の信号
レベルが所定の基準レベル以下となる程度にまで、即ち
ハウリングが発生しなくなる程度にまで、その信号レベ
ルが減衰手段によって減衰される。従って、上記放送信
号のうち、ハウリングの発生していない周波数帯域の信
号成分については何ら影響を受けることはなく、ハウリ
ングの発生している周波数帯域の信号成分のみが、ハウ
リングの発生が抑制される程度にまで、自動的に減衰さ
れる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明の音声放送装置において、第1の増幅制
御信号に従って上記放送信号の出力レベルを増幅する第
1の増幅手段と、この第1の増幅手段の増幅率を予め定
めた第1の増幅率に設定する状態に上記第1の増幅制御
信号を生成して上記第1の増幅手段に供給する第1の増
幅制御手段と、を備えたものである。
【0014】なお、ここで言う上記第1の増幅率とは、
例えば本請求項3に記載の発明の音声放送装置を用いて
実際に放送を行う際の最大の音量、若しくはそれよりも
若干大き目の音量、に対応する増幅率のことを言う。
【0015】即ち、上記請求項1または2に記載の発明
では、実際にハウリングを発生させることによって、そ
のハウリングの発生周波数を検出し、または、その周波
数でのハウリングの発生を抑制する。そこで、本請求項
3に記載の発明では、実際に音声放送装置を用いて放送
を行う際の最大音量、若しくはそれよりも若干大き目の
音量に設定した上で、上記ハウリングの発生周波数の検
出、またはハウリングの抑制を実行する。このようにす
れば、音声放送装置の実際の運用状況に則した条件下
で、上記ハウリングの発生周波数の検出、またはハウリ
ングの抑制を実現できる。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明の音声放送装置において、第2の増幅制
御信号に従って上記放送信号の出力レベルを増幅する第
2の増幅手段と、この第2の増幅手段の増幅率を予め定
めた初期の増幅率から、この初期の増幅率よりも大きい
第2の増幅率にまで、徐々に変化させる状態に上記第2
の増幅制御信号を生成して上記第2の増幅手段に供給す
る第2の増幅制御手段と、を備えたものである。
【0017】なお、ここで言う上記初期の増幅率とは、
例えば本請求項4に記載の発明の音声放送装置を用いて
実際に放送を行う際に設定する音量範囲のうち比較的に
小さ目の音量に対応する増幅率のことを言う。一方、上
記第2の増幅率とは、例えば本請求項4に記載の発明の
音声放送装置を用いて実際に放送を行う際の最大の音
量、若しくはそれよりも若干大き目の音量、に対応する
増幅率のことを言い、上記請求項3に記載の発明におけ
る第1の増幅率と同程度の増幅率を言う。なお、本請求
項4に記載の発明における上記第2の増幅手段は、上記
請求項3に記載の発明における第1の増幅手段と共用し
ても構わない。
【0018】即ち、上記請求項3に記載の発明では、最
初から、最大音量若しくはそれよりも若干大き目の音量
にて、上記ハウリングの発生周波数の検出、またはハウ
リングの抑制を実行するのに対して、本請求項4に記載
の発明では、徐々に音量を上昇させながら、その都度、
上記ハウリングの発生周波数の検出、またはハウリング
の抑制を実行する。このようにすれば、ハウリングの発
生周波数のみならず、どれくらいの音量のときにハウリ
ングが発生するのか等、ハウリングに関してより詳細な
解析を実現できる。また、ハウリングの発生を抑制する
場合には、そのハウリングの発生周波数帯域において信
号レベルを最小限どれくらい減衰させればよいのか等も
認識できる。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明の音声放送装置において、上記レベル検
出手段が、上記マイクロホンの出力信号が入力され、こ
の入力される信号からそれぞれ異なる複数の周波数帯域
の信号を抽出する複数の抽出手段と、これら各抽出手段
によって抽出して得た各信号の信号レベルと上記所定の
基準レベルとを比較して、その大小関係を判断する判断
手段と、を備えたものである。
【0020】なお、上記各抽出手段は、例えばそれぞれ
異なる周波数帯域に通過帯域を有する複数のバンドパス
フィルタ(BPF)により構成できる。また、判断手段
は、例えば各信号のレベルを比較するだけの単なる比較
器によって構成できるし、或いは、各信号レベルの大小
関係だけでなく両者の差を求めるようにも構成してもよ
い。
【0021】請求項6に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明の音声放送装置において、上記レベル検
出手段が、上記マイクロホンの出力信号のうち所定の周
波数帯域の信号のみを、周波数選択制御信号に従って選
択して出力する選択手段と、この選択手段により選択し
て得た信号の信号レベルと上記所定の基準レベルとを比
較して、その大小関係を判断する判断手段と、上記選択
手段によって選択する周波数帯域を所定の順番に従っ
て、例えば低周波数帯域側から高周波数帯域側に向けて
または高周波数帯域側から低周波数帯域側に向けて、順
次自動的に変更する、即ちスイープさせる状態に上記選
択制御信号を生成して上記選択手段に供給する選択制御
手段と、を備えたものである。
【0022】なお、上記選択手段は、例えば比較的に狭
い通過帯域を有するバンドパスフィルタ等により構成で
きる。
【0023】即ち、上記請求項5に記載の発明が、それ
ぞれ異なる周波数帯域に通過帯域を有するバンドパスフ
ィルタ等を用いてマイクロホンの出力信号から各周波数
帯域の信号成分を一括して取り出すのに対して、本請求
項6に記載の発明は、1つのバンドパスフィルタの通過
帯域をスイープさせることによって、上記マイクロホン
の出力信号から各周波数帯域の信号成分を順次選択的に
取り出すものである。
【0024】従って、請求項5に記載の発明と請求項6
に記載の発明とを比較すると、例えばマイクロホンの出
力信号の各周波数帯域を高速で取り出す場合には、請求
項5に記載の発明の方が有利である。一方、上記バンド
パスフィルタ等の上記レベル検出手段の構成要素を削減
するという意味では、請求項6に記載の発明の方が有利
である。
【0025】請求項7に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の音声放送装置において、上記減衰手段が、上記
入力端子と上記出力端子との間に設けられ、上記入力端
子から入力される上記マイクロホンの出力信号をそれぞ
れ異なる複数の周波数帯域の成分に一旦分割した後、再
度合成して出力する分割合成手段と、この分割合成手段
によって一旦分割して得た上記各周波数帯域毎の各信号
成分をそれぞれレベル調整指令に従って個別にレベル調
整するレベル調整手段と、上記分割合成手段によって一
旦分割して得た上記各周波数帯域のうち、上記周波数検
出手段によって検出して得た周波数帯域を含む周波数帯
域の信号レベルを減衰させる状態に、上記レベル調整指
令を生成して上記レベル調整手段に供給するレベル制御
手段と、を備えたものである。
【0026】なお、ここで言う上記分割合成手段は、例
えばそれぞれ異なる周波数帯域に通過帯域を有する複数
のバンドパスフィルタと、これら各フィルタの出力を加
算する加算器と、の組み合わせにより構成できる。ま
た、レベル調整手段は、例えば、上記各バンドパスフィ
ルタの出力を増幅する増幅器によって構成できる。
【0027】即ち、本請求項7に記載の発明は、請求項
2に記載の発明の音声放送装置における減衰手段の構成
を具体化したもので、言わばイコライザ回路により減衰
手段を構成したものである。
【0028】請求項8に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の音声放送装置において、上記減衰手段が、上記
入力端子と上記出力端子との間に設けられ、減衰帯域制
御指令に応じた周波数帯域に減衰帯域を有する帯域減衰
フィルタ手段と、上記周波数検出手段によって検出して
得た周波数帯域に上記帯域減衰フィルタ手段の減衰帯域
を形成する状態に上記減衰制御指令を生成して上記帯域
減衰フィルタ手段に供給するフィルタ制御手段と、を備
えたものである。
【0029】なお、ここで言う上記減衰フィルタ手段
は、例えば一般に知られているノッチ(NOTCH)フ
ィルタや、バンド幅を非常い狭くしたバンドリジェクト
フィルタ(BRF、またはバンドエリミネートフィル
タ:BEFとも言う。)等によって構成できる。
【0030】即ち、本請求項8に記載の発明は、請求項
2に記載の発明の音声放送装置における減衰手段の構成
を具体化したものである。
【0031】請求項9に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の音声放送装置において、第1の状態と第2の状
態とのいずれか一方の状態に任意に切り換え可能な状態
切換手段と、この状態切換手段が第1の状態にあると
き、有効とされているマイクロホンに係る上記減衰手段
の動作条件を記憶する条件記憶手段と、上記状態切換手
段が第2の状態にあるとき、有効とされているマイクロ
ホンに係る上記減衰手段の動作条件を上記条件記憶手段
から呼び出して上記減衰手段に設定する条件設定手段
と、を備えたものである。
【0032】ここで言う上記第1の状態とは、例えば任
意のマイクロホンを使用したときに、このマイクロホン
に起因するハウリングの発生を抑制するための減衰手段
の動作条件を決定する状態、言わば減衰手段の調整状態
のことを言う。なお、減衰手段の動作条件とは、例え
ば、上記任意のマイクロホンを使用したときにハウリン
グが発生するのか否か、換言すれば減衰手段により放送
信号の或る特定の周波数帯域の信号成分を減衰させる必
要があるのか否かや、ハウリングが発生する場合には放
送信号のいずれの周波数帯域の信号成分をどの程度減衰
させればそのハウリングの発生を抑制できるのか等、の
条件のことを言う。また、第2の状態とは、例えば、実
際に本音声放送装置を用いて放送を行う、即ち運用する
状態のことを言う。
【0033】本請求項9に記載の発明によれば、任意の
マイクロホンに起因するハウリングの発生を抑制するた
めには、まず、上記状態切換手段を第1の状態とする。
この状態で、上記任意のマイクロホンを有効とする、例
えばそのスイッチをONすると、この任意のマイクロホ
ンに起因してハウリングが発生しないように、減衰手段
が動作する。そして、この減衰手段により上記ハウリン
グの発生を略十分に抑制し終えると、例えばその時点で
減衰手段の動作条件が条件記憶手段に記憶される。これ
によって、上記任意のマイクロホンに係る減衰手段の動
作条件が決定される。
【0034】そして、本音声放送装置を実際に運用する
場合には、上記状態切換手段を、第2の状態に切り換え
る。この状態で、任意のマイクロホンを有効とする、例
えばそのスイッチをONすると、条件設定手段が、その
有効とされたマイクロホンに係る減衰手段の動作条件を
上記条件記憶手段から呼び出して減衰手段に設定する。
これによって、減衰手段は、上記任意のマイクロホンの
みに起因するハウリングの発生を抑制するように動作す
る。従って、減衰手段による放送信号の減衰の程度は、
ハウリングの発生を抑制するのに必要かつ十分な最小限
の程度に抑えられる。
【0035】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の発明の音声放送装置において、上記マイクロホンを
複数備えたものである。
【0036】即ち、上記請求項9に記載の発明の作用及
び効果は、本請求項10に記載の発明のように複数のマ
イクロホンを使用する場合に、非常に有効である。ま
ず、予め、状態切換手段を第2の状態とした上で、各マ
イクロホンに係る各減衰手段の動作条件を決定してお
く。このようにすれば、状態切換手段を第1の状態に切
り換えて本音声放送装置を運用する際には、減衰手段
は、常に、有効とされているマイクロホンに係る動作条
件に従って動作する。従って、減衰手段による放送信号
の減衰の程度は、常に、有効とされているマイクロホン
のみに起因するハウリングの発生を抑制するのに必要か
つ十分な最小限の程度に抑えられる。
【0037】請求項11に記載の発明は、請求項2に記
載の発明の音声放送装置において、第3の増幅制御信号
に従って上記放送信号の出力レベルを増幅する第3の増
幅手段と、上記第3の増幅手段の増幅率を徐々に変化さ
せる状態に上記第3の増幅制御信号を生成する第3の増
幅制御手段と、上記レベル検出手段によって検出して得
た各周波数帯域毎の各信号レベルがいずれも上記所定の
基準レベル以下となる状態を維持する範囲内で、上記第
3の増幅手段の増幅率の最大値を検出する最大値検出手
段と、この最大値検出手段により検出して得た上記増幅
率の最大値を、外部から与えられる増幅率調整指令によ
り任意に調整可能な上記第3の増幅手段の増幅率の上限
値、として設定する上限値設定手段と、を備えたもので
ある。
【0038】即ち、上記請求項2に記載の発明におい
て、ハウリングの発生を抑制すべく、上記減衰手段によ
り放送信号の或る特性の周波数帯域における信号レベル
を減衰させても、放送信号全体の出力レベルが極端に上
がり過ぎると、ハウリングは発生する。そこで、本請求
項11に記載の発明では、上記放送信号の信号レベルを
増幅する第3の増幅手段の増幅率を徐々に変化させ、例
えば上昇させる。そして、この上昇過程で、ハウリング
が生じ、これによって、レベル検出手段により検出して
得た各周波数帯域毎の各信号レベルのいずれかが、上記
所定の基準レベルを超えたとする。すると、最大値検出
手段が、その時点、厳密には、上記レベル検出手段によ
り検出して得た信号レベルが上記所定の基準レベルを超
える寸前の、第3の増幅手段の増幅率を検出する。そし
て、上限値設定手段が、この最大値検出手段によって検
出して得た増幅率、即ちハウリングが発生しない範囲内
での増幅率の最大値を、外部から与えられる増幅率調整
指令により任意に調整可能な増幅率の上限値として設定
する。よって、外部から任意に調整可能な所謂ボリュー
ム調整等により上記第3の増幅手段の増幅率を最大にし
ても、ハウリングは発生しない。従って、ハウリングの
発生をより確実に抑制できる。なお、ここで言う第3の
増幅手段は、上記請求項3に記載の発明における第1の
増幅手段または請求項4に記載の発明における第2の増
幅手段と共用しても構わない。
【0039】請求項12に記載の発明は、請求項1また
は2に記載の発明の音声放送装置において、上記マイク
ロホンの出力信号または上記放送信号の位相を任意に反
転可能な位相反転手段を設けたものである。
【0040】なお、ここで言う位相反転手段は、例えば
一般に知られている位相反転器(INV:インバータ)
やオールパスフィルタ(APF)等により構成できる。
【0041】即ち、ハウリングという現象は、或る特定
の周波数帯域で発生しなくても、同じ周波数帯域におい
て位相が変化する、特に反転するだけで発生することが
ある。そこで、本請求項8に記載の発明のように、位相
反転手段を設け、この位相反転手段によりマイクロホン
の出力信号または放送信号の位相を故意に反転させたと
きにもハウリングの発生を抑制できるようにすれば、よ
り確実にハウリングの発生を抑制できる。
【0042】請求項13に記載の発明は、請求項1また
は2に記載の発明の音声放送装置において、上記マイク
ロホンの出力信号または上記放送信号の位相を徐々に変
化させる位相可変手段を設けたものである。
【0043】即ち、上記請求項12に記載の発明が、放
送信号の位相を故意に反転させるのに対して、本請求項
13に記載の発明は、放送信号の位相を徐々に変化させ
ることによって、更に確実にハウリングの発生を抑制し
ようとするものである。なお、ここで言う位相可変手段
は、例えばオールパスフィルタにより構成できる。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明に係る音声放送装置の第1
の実施の形態について、図1から図4を参照して説明す
る。
【0045】図1に、本第1の実施の形態の概略構成を
示す。同図に示すように、本第1の実施の形態は、複数
(M)台のマイクロホン1、1、・・・を備えており、
これら各マイクロホン1、1、・・・は、装置本体2に
設けられている複数の入力端子21、21、・・・に、
それぞれ個別に接続されている。
【0046】装置本体2は、内部に、上記各入力端子2
1、21、・・・を介して接続されている各マイクロホ
ン1、1、・・・を選択的に切り換えるマイク選択スイ
ッチ22を有している。そして、このマイク選択スイッ
チ22によって選択された、即ち有効とされた、マイク
ロホン1の出力信号が、A/D変換器23によりディジ
タル化されて、イコライザ部24に入力される。なお、
このマイク選択スイッチ22は、ミキシング装置のゲイ
ンコントロール機能により構成してもよい。
【0047】イコライザ部24は、それぞれ異なる周波
数帯域fn (n=1、2、・・・、N)に通過帯域を有
する複数(即ちN個)のバンドパスフィルタ25、2
5、・・・を有している。本第1の実施の形態では、例
えば、各バンドパスフィルタ25、25、・・・の各バ
ンド幅を1/3オクターブとし、これを28バンド分
(即ちN=28個)備えている。そして、これら各バン
ドパスフィルタ25、25、・・・の各出力を、それぞ
れに対応して設けられた複数(即ちN個)の帯域増幅器
26、26、・・・により増幅し、これら増幅後の各信
号を、各加算器27、27、・・・において、上記A/
D変換器23の出力から減算する。そして、この減算し
て得た信号を、イコライザ部24の出力としている。な
お、ここで言う各バンドパスフィルタ25、25、・・
・が、特許請求の範囲に記載の抽出手段に対応する。そ
して、これらバンドパスフィルタ25、25、・・・と
加算器27、27、・・・の組み合せが、特許請求の範
囲に記載の分割合成手段に対応し、各帯域増幅器26、
26、・・・が、特許請求の範囲に記載のレベル調整手
段に対応する。
【0048】イコライザ部24の出力は、オールパスフ
ィルタ28及び出力増幅器29を介してD/A変換器3
0に入力され、ここでアナログ信号に変換された後、放
送信号として出力端子31を介して、出力される。この
出力端子31から出力される放送信号は、パワーアンプ
3を介して、各マイクロホン1、1、・・・と同じ空間
内に設置された複数のスピーカ4、4、・・・に供給さ
れる。
【0049】一方、上記イコライザ部24内の上記各バ
ンドパスフィルタ25、25、・・・の各出力、即ちマ
イクロホン1の出力信号からそれぞれ特定の周波数帯域
nの信号成分を抽出して得た信号は、レベル検出部3
2にも供給される。このレベル検出部32は、これに供
給される各信号の信号レベルと、予め設定された基準レ
ベルと、を比較して、これら各両者の大小関係を判断す
る。そして、その判断結果をCPU(中央演算処理装
置)33に供給する。なお、ここで言うレベル検出部3
2が、特許請求の範囲に記載のレベル検出手段に対応
し、より詳細には、判断手段に対応する。ここでは、レ
ベル検出部32にて上記各信号レベルの大小関係を判断
したが、これに代えて、CPU33にて、上記各信号レ
ベルの大小関係の判断を行ってもよい。
【0050】CPU33は、上記レベル検出部32から
供給される判断結果に基づいて、イコライザ部24内に
ある各帯域増幅器26、26、・・・各増幅率を制御す
る。なお、上記のように、各帯域増幅器26、26、・
・・の各出力は、それぞれA/D変換器23によってデ
ィジタル化して得たマイクロホン1の出力信号から減算
される関係にある。従って、例えば、任意の帯域増幅器
26の増幅率を上昇させると、その分、マイクロホン1
の出力信号のうち上記任意の帯域増幅器26に対応する
周波数帯域fn の信号成分が減衰する。なお、このよう
に各帯域増幅器26、26、・・・各増幅率を制御する
CPU33が、特許請求の範囲に記載のレベル制御手段
に対応する。
【0051】CPU33には、例えば各種ツマミやスイ
ッチ、或いはキーボード、マウス等の各種ポインティン
グデバイス構成の操作部34が接続されている。そして
CPU33は、この操作部34の操作に応じてまたは自
動的に、上記マイク選択スイッチ22を切り換えたり、
或いは出力増幅器28の増幅率、即ちこの放送装置の音
量を調整する。なお、後述するが、CPU33は、上記
オールパスフィルタ28の位相反転周波数をも、自動的
に制御する。
【0052】上記操作部34による操作状態や本放送装
置全体の動作状況等は、例えば液晶パネルやCRT構成
の表示部35に表示される。また、場合によっては、こ
の表示部35上に、一般に知られているGUI(Graphi
cal User Interface)技術により擬似的な操作パネルを
構成することもでき、この場合、例えば上記マウス等の
ポインティングデバイスにより表示部35上に構成され
た操作パネルを操作することによっても、上記操作部3
4と同様の機能を実現することもできる。
【0053】CPU33は、例えばROMやRAM等の
半導体メモリ構成の記憶部36に記憶されている制御プ
ログラムに従って、一連の動作を実行する。この記憶部
36は、CPU33の動作に基づいて、各種データを一
時的または半永久的に記憶する手段としても機能する。
【0054】ところで、本第1の実施の形態の音声放送
装置は、各マイクロホン1、1、・・・によって収音し
て得た音声を、各スピーカ4、4、・・・から拡声する
という放送装置本来の機能を奏することは勿論のこと、
各マイクロホン1、1、・・・に起因して発生するハウ
リングを抑制する機能をも備えている。そのために、C
PU33は、各マイクロホン1、1、・・・についてハ
ウリングの発生を抑制するための各種調整を行う所謂調
整モード、及び、実際に本音声放送装置を用いて放送を
行う所謂運用モード、という2つの動作モードを有す
る。
【0055】即ち、本音声放送装置を実際に運用する前
に、まず、上記調整モードにより、各マイクロホン1、
1、・・・についてハウリングの発生を抑制するための
調整を行う。この調整モードへの切り換えは、操作部3
4の操作により実現する。
【0056】上記調整モードにおいて、例えば、今、マ
イク選択スイッチ22の切り換えにより或るマイクロホ
ン1を有効とし、この状態で、放送装置の音量(即ち出
力増幅器29の増幅率)を比較的に大き目に設定すると
する。ここで、ハウリングが発生するとすると、イコラ
イザ部24内にある各バンドパスフィルタ25、25、
・・・のうち、上記ハウリングの発生している周波数帯
域fn に通過帯域を有するもののみの出力レベルが極端
に上昇する。
【0057】各バンドパスフィルタ25、25、・・・
の各出力レベルは、それぞれ、上記レベル検出部32内
において、基準レベルと比較され、ここで両者の大小関
係が判断される。従って、上記基準レベルとして、例え
ば上記各バンドパスフィルタ25、25、・・・の各出
力信号の信号レベルから空間内にハウリングが生じてい
るものと十分に見なすことのできる程度の信号レベルを
設定しておけば、この基準レベルと各バンドパスフィル
タ25、25、・・・の各出力レベルとの大小関係か
ら、上記ハウリングが発生しているか否かや、ハウリン
グが発生している場合にはその周波数帯域fn を、認識
できる。そして、この判断結果は、CPU33に供給さ
れるので、CPU33もまた同様の認識を得ることがで
きる。このようにハウリングの発生している周波数帯域
n を認識するレベル検出部32及びCPU33が、特
許請求の範囲に記載の周波数検出手段に対応する。
【0058】CPU33は、上記認識に基づき、イコラ
イザ部24の出力信号のうち、上記ハウリングが発生し
ていると見なすことのできる周波数帯域fn の信号レベ
ルを所定レベルだけ減衰させるように、イコライザ部2
4内にある各帯域増幅器26、26、・・・の各増幅率
を制御する。これにより、マイクロホンの出力信号も、
上記周波数帯域fn の信号レベルが減衰し、最終的に、
ハウリングが発生しなくなる。なお、ここで言うCPU
33及び各帯域増幅器26を含むイコライザ部24が、
特許請求の範囲に記載の減衰手段に対応する。
【0059】なお、ハウリングという現象は、或る特定
の周波数帯域fn においてハウリングが発生しなくて
も、それと同じ周波数帯域fn において位相が変化する
だけで、特に反転するだけで、発生することもある。そ
こで、CPU33は、イコライザ部24の出力信号(放
送信号)の位相を、上記オールパスフィルタ28により
故意に反転させる。そして、この状態においても、ハウ
リングが発生しないように、上記と同様の手順を実施す
る。このようにすれば、より確実にハウリングの発生を
抑制できる。ここで言うオールパスフィルタ28が、特
許請求の範囲に記載の位相反転手段に対応する。なお、
このオールパスフィルタ28に代えて、CPU33によ
り制御可能な位相反転器を用いてもよい。また、このオ
ールパスフィルタ28により位相を反転させるのではな
く、位相を徐々に変化させるよう構成してもよい。
【0060】更に、大音量のときにもハウリングが発生
しないようにするために、CPU33は、出力増幅器2
9の増幅率を徐々に上昇させていき、その都度、上記と
同様の手順を実施する。これにより、できる限り大きい
音量にまで対応できるようにする。
【0061】このように、或るマイクロホン1につい
て、ハウリングの発生を抑制するための一連の調整が終
了した後、CPU33は、その調整内容、即ちイコライ
ザ部24内にある各帯域増幅器26、26、・・・を制
御するための制御条件(換言すればイコライザ部24の
特性EQ)を、記憶部36に記憶し、即ち保存する。そ
して、マイク切換スイッチ22を切り換えて、上記ハウ
リングの発生を抑制するための調整を、他のマイクロホ
ン1、1、・・・についても同様に実施する。
【0062】この調整モードにおける一連の調整を実現
するために、CPU33は、例えば図2に示すフローチ
ャートに従って動作する。
【0063】即ち、CPU33は、調整モードに入る
と、まず、操作部34から、任意のマイクロホン1、例
えばこれをm(m=1、2、・・・、M)というインデ
ックスを用いて表すとマイクロホン[m]、についての
調整を開始する旨の命令が与えられるのを待機する所謂
コマンド待ち状態となる(ステップS2)。なお、この
状態において、操作部34から、上記運用モードに切り
換える旨の命令が与えられた場合には、CPU33は、
運用モードに切り換わる。
【0064】上記ステップS2において、操作部34か
ら、任意のマイクロホン[m]について調整を開始する
旨の命令が与えられると(YESになると)、CPU3
3は、マイク切換スイッチ22を制御して、そのマイク
ロホン[m]を有効とする(ステップS4)。そして、
所定の初期設定を行う。例えば、イコライザ部24内に
ある各帯域増幅器26、26、・・・の各増幅率を均一
にしてイコライザ部24の特性EQを各周波数に対して
フラットな特性とすると共に、このイコライザ部の特性
EQを変更(調整)した回数を表す回数インデックスk
をリセットし、即ちk=0とする。なお、このイコライ
ザ部24の特性を変更できる回数kについては、その上
限値(これをKとする)を予め決めておく。この変更回
数kを無限にしておくと、イコライザ部24の特性EQ
が奇抜な特性となって、音質が極端に劣化する可能性が
あるからである。また、この初期設定において、出力増
幅器29の増幅率Gを予め定めた増幅率G0 とし、初期
の音量を決めておく。
【0065】上記初期設定後、CPU33は、上記初期
設定の条件でハウリングが発生するか否かを確認するた
めに、ハウリングが成長するのに十分な時間だけ待機す
る(ステップS8)。そして、この一定時間経過後に、
イコライザ部24内の各バンドパスフィルタ26、2
6、・・・の各出力うち、信号レベルが上記基準レベル
を超えるものがあるか否かを確認する(ステップS1
0)。
【0066】このステップS10において、例えば、或
る周波数帯域fn の信号レベルが、上記基準レベルを超
えたことを確認した場合(YESの場合)には、CPU
33は、その周波数帯域fn においてハウリングが発生
しているものと判断する。そして、その周波数帯域fn
における信号レベルを所定レベルだけ減衰させるよう
に、その周波数帯域fn に対応する帯域増幅器26の増
幅率を制御する(ステップS12)。これと同時に、C
PU33は、イコライザ部24の特性EQを1回変更し
たものとして、上記変更回数kを1回カウントする(ス
テップS14)。この変更回数kのカウントにより、C
PU33は、その変更回数kがその上限値Kを超えたか
否かを確認し(ステップS16)、超えていない場合
(NOの場合)には、ステップS8に戻って、再度、ハ
ウリングが発生するか否かを確認する。
【0067】一方、上記ステップS10において、いず
れの周波数帯域fn においても信号レベルが基準レベル
を超えないこと、即ちハウリングが発生していないこと
を確認すると(NOの場合)、CPU33は、オールパ
スフィルタ28を制御して放送信号の位相を180度回
転させる(ステップS18)。そして、この状態で、再
度、ハウリングが発生するか否かを確認するために、一
定時間待機した後(ステップS20)、各周波数帯域f
n における各信号レベルを確認する(ステップS2
2)。ここで、或る周波数帯域fn の信号レベルが、上
記基準レベルを超えたことを確認した場合(YESの場
合)には、CPU33は、上記ステップS10において
NOの場合と同様に、ステップS12に進む。一方、ス
テップS22において、いずれの周波数帯域fn の信号
レベルも上記基準レベルを超えないことを確認した場合
(NOの場合)には、CPU33は、現在よりも少し音
量を上げた状態で上記と同様の調整を行うべく、ステッ
プS24に進む。
【0068】ただし、ステップS24は、現在の音量、
即ち出力増幅器29の増幅率Gが、予めこの調整モード
における調整用に定められた上限値GH の範囲内である
か否かを判断するステップである。即ち、上記出力増幅
器29の増幅率Gが、この調整用に定めた上限値GH
範囲内であるとき(NOの場合)にのみ、CPU33
は、出力増幅器29の増幅率Gを所定量、例えば1段階
だけ上昇させて(ステップS26)、ステップS8に戻
る。一方、出力増幅器29の増幅率Gが、既に上記上限
値GH に設定されている場合(YESの場合)には、C
PU33は、現在調整の対象としているマイクロホン
[m]についての一連の調整が終了したものとして、現
在のイコライザ部24の特性EQ、即ち各帯域増幅器2
6、26、・・・の各増幅率を、記憶部36に記憶する
(ステップS28)。
【0069】なお、図には示さないが、このとき同時
に、例えば、調整後のイコライザ部24の特性EQ、或
るいはこのイコライザ部24を調整する前の各周波数帯
域fnにおける信号レベル等を、表示部35に表示した
り、或いはその旨の情報を音声により出力してもよい。
このようにすれば、上記マイクロホン[m]を使用する
とハウリングが発生するのかや、ハウリングが発生する
場合にはいずれの周波数帯域fn において発生するの
か、更にはそのハウリングの発生を抑制するにはイコラ
イザ部24をどのように制御すればよいのか等、を把握
できる。このように、上記イコライザ部24の特性EQ
等の情報を表示部35に表示したり或いは音声で出力し
たりする手段が、特許請求の範囲に記載の情報出力部に
対応する。
【0070】また、上記ステップS16において、イコ
ライザ部24の特性EQを変更した回数kがその上限値
Kを超えたものと判断した場合(YESの場合)にも、
CPU33は、マイクロホン[m]についての調整を終
了することとし、上記ステップS28に進む。そして、
その時点でのイコライザ部24の特性EQを、記憶部3
6に記憶する。
【0071】CPU33は、上記ステップS28の処理
を終えた後、調整の対象としていた上記マイクロホン
[m]の有効状態を解除すべくマイク切換スイッチ22
を制御(OFF)して(ステップS30)、ステップS
2に戻る。そして、操作部34から、新たに任意のマイ
クロホン[m]についての調整を開始する旨の命令が与
えられるのを待機するコマンド待ち状態となる。
【0072】なお、この図2のフローチャートによれ
ば、全てのマイクロホン1、1、・・・についての調整
を実施するには、その都度、操作部36から調整の対象
とするマイクロホン[m]を指示しなければならない。
そこで、図2のフローチャートのステップS2に代え
て、図3(a)に示すステップS102をCPU33に
実行させる。そして、図2のフローチャートのステップ
S30の次の動作として、図3(b)に示すステップS
32をCPU33に実行させ、その結果に応じて、ステ
ップS34を介して図2のステップS4に戻るか、若し
くは調整モードを抜けるよう、プログラムを構成しても
よい。
【0073】この図3を用いる構成によれば、CPU3
3は、調整モードに切り換わると、直ぐに、マイクロホ
ン[1]についての調整を実施する。そして、このマイ
クロホン[1]についての一連の調整(ステップS30
までの動作)を終了すると、これ以降、同様の調整を、
マイクロホン[M]までについて、それぞれ順に実施す
る(ステップS32のNO場合、ステップS34)。そ
して、マイクロホン[1]からマイクロホン[m]まで
の全てのマイクロホンについての一連の調整を終了した
時点で(ステップS32のYESの場合)、CPU33
は、この調整モードを抜けて、例えば運用モードに切り
換わる。このようにすれば、調整の対象とするマイクロ
ホン[m]を指定しなくても、自動的に全てのマイクロ
ホン1、1、・・・についての調整が成される。
【0074】上記調整モードにおいて、各マイクロホン
1、1、・・・についてのハウリングの発生を抑制する
ための一連の調整を終えた後、CPU33は、操作部3
4の操作によりまたは自動的に、運用モードに切り換わ
る。これにより、放送装置は、実際の放送を実施できる
状態となる。
【0075】この運用モードにおいては、CPU33
は、各マイクロホン1、1、・・・のうち、有効とした
ものに係る上記イコライザ部24の制御条件を、上記記
憶部36から呼び出して、この呼び出した制御条件に基
づいて、イコライザ部24内の各帯域増幅器26、2
6、・・・を制御する。このように、イコライザ部24
は、有効とされたマイクロホン1に起因するハウリング
の発生を抑制するための状態に制御されるので、ハウリ
ングは発生しない。
【0076】そして、上記とは別のマイクロホン1を新
たに有効とした場合には、CPU33は、それまでの制
御条件に代えて、新たに有効としたマイクロホン1に係
る制御条件を記憶部36から呼び出して、この新たに呼
び出した制御条件に従ってイコライザ部24を制御す
る。このように、イコライザ部24は、有効とされてい
るマイクロホン1のみに係る制御条件に基づいて、その
特性EQが制御される。従って、ハウリングの発生を抑
制するために上記放送信号の或る特定の周波数帯域fn
の信号成分を減衰させることによる放送装置全体として
の音質の劣化を、必要最小限に抑えることができる。
【0077】なお、上記図2のフローチャートにおい
て、ステップS6の初期設定で設定する出力増幅器29
の出力ゲインG0 が、特許請求の範囲に記載の初期の増
幅率に対応し、この出力ゲインGの最大設定値GH が、
特許請求の範囲に記載の第2の増幅率に対応する。そし
て、このときの出力増幅器29が、特許請求の範囲に記
載の第2の増幅手段に対応し、この出力増幅器29の増
幅率Gを制御するCPU33が、特許請求の範囲に記載
の第2の増幅制御手段に対応する。
【0078】また、上記記憶部36が、特許請求の範囲
に記載の条件記憶手段に対応し、CPU33が、特許請
求の範囲に記載の条件設定手段に対応する。そして、調
整モードが、特許請求の範囲に記載の第1の状態に対応
し、運用モードが、特許請求の範囲に記載の第2の状態
に対応する。これら各モードの切り換えを操作部34に
よって実現する構成が、特許請求の範囲に記載の状態切
換手段に対応する。
【0079】ただし、上記のように或る特定の周波数帯
域fn の信号レベルを減衰させることによってハウリン
グの発生を抑制できても、放送装置全体の音量、即ち出
力増幅器29の増幅率Gを極端に上げ過ぎると、ハウリ
ングは発生する。そこで、本第1の実施の形態では、例
えば操作部34等により調整可能な出力増幅器29の増
幅率Gの上限値を、予め設定しておく。これを実現する
ために、上記調整モードにおいて、図2または図3のフ
ローチャートに基づく調整を終えた後、CPU33に、
図4のフローチャートに示す動作を実行させる。
【0080】即ち、まず、初期設定として、出力増幅器
29の増幅率Gを或る程度の値、例えばG=G0 に設定
する(ステップS52)。そして、この条件下で、ハウ
リングが発生するか否かを確認するために一定時間待機
して(ステップS54)、その一定時間経過後、イコラ
イザ部24の各バンドパスフィルタ25、25、・・・
の各出力レベルのうち、上述した基準レベルを超えるも
のがあるか否かを確認する(ステップS56)。
【0081】ここで、いずれかの出力レベルが基準レベ
ルを超える場合(YESの場合)には、その時点で出力
増幅器29に設定されている増幅率Gを1段階下げた増
幅率(G−1)を、上記出力増幅器29の増幅率Gの上
限値として設定し(ステップS58、S60)、このフ
ローを終了する。一方、ステップS56において、いず
れの出力レベルも基準レベル以下である場合(NOの場
合)には、出力増幅器29の増幅率Gがその最大値GH
に達しない限り(ステップS62においてNOである限
り)、その増幅率Gを所定量、例えば1段階だけ上昇さ
せて(ステップS64)、ステップS54に戻る。そし
て、再度、上記と同様の動作を実行する。なお、出力増
幅器29の増幅率Gが最大値GH に達してもハウリング
が生じない場合(ステップS62においてYESの場
合)には、この最大値GH を上記上限値として設定すべ
くステップS60に進み、このフローを終了する。
【0082】このように、運用時における出力増幅器2
9の増幅率Gの上限値をハウリングの発生しない範囲内
に制限しておけば、操作部34等の操作により、出力増
幅器29の増幅率G、即ち音量を最大にしても、決して
ハウリングは発生しない。従って、ハウリングの発生を
より確実に抑制できる。
【0083】なお、ここで言う上記出力増幅器29が、
特許請求の範囲に記載の第3の増幅手段に対応する。そ
して、調整モードにおいて、図4のフローチャートに従
って、上記出力増幅器29の増幅率Gを変化させながら
上記上限値となる増幅率Gを検出し、これを設定するC
PU33が、特許請求の範囲に記載の第3の増幅制御手
段、最大値検出手段及び上限値設定手段に対応する。
【0084】本第1の実施の形態においては、複数のマ
イクロホン1、1、・・・を使用する場合について説明
したが、マイクロホン1が1台の場合でも、本技術を適
用できることは言うまでもない。
【0085】また、イコライザ部24については、本第
1の実施の形態と同様の機能を実現するのであれば、本
第1の実施の形態で説明した構成に限らない。例えば、
各バンドパスフィルタ25、25の出力を各帯域増幅器
26、26、・・・により増幅し、この増幅後の各信号
を加算して得た信号を、イコライザ部24の出力として
もよい。そして、このイコライザ部24をディジタル回
路構成としたが、アナログ回路構成としてもよい。
【0086】更に、上記イコライザ部24の出力信号の
位相を反転させるために、オールパスフィルタ28を用
いたが、これに代えて、例えば位相反転回路(Inverte
r)を用いてもよい。また、位相を反転させるのではな
く、徐々に位相を変化させるよう構成してもよい。な
お、特に位相を反転させたり変化させたりする必要のな
い場合には、これらオールパスフィルタ28等の位相反
転手段や位相可変手段を設けなくてもよい。
【0087】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図5から図8を参照して説明する。
【0088】図5に、本第2の実施の形態の概略構成を
示す。同図に示すように、本第2の実施の形態に係る装
置本体101は、内部に、レベル検出部102とフィル
タ部103と出力増幅部104とを有しており、これら
は、マイクロホン105が接続される入力端子106
と、パワーアンプ107を介してスピーカ108に接続
される出力端子109と、の間に、それぞれ直列に接続
されている。これらレベル検出部102とフィルタ部1
03と出力増幅部104との直列接続は、例えばDSP
(ディジタル信号処理装置)110により構成され、こ
のDSP110の動作は、CPU111によって制御さ
れる。なお、本第2の実施の形態におけるCPU111
も、上記第1の実施の形態におけるCPU33と同様
に、調整モードと運用モードとの2つのモードを有して
いる。
【0089】即ち、CPU111は、まず、調整モード
において、上記フィルタ部103として、例えば図6に
示すような非常に狭帯域、例えばQがQ=60乃至80
程度の通過帯域を有するバンドパスフィルタを構成す
る。そして、出力増幅部104の増幅率G、即ち音量
を、比較的に大き目の値G0 に設定する。この状態で、
所定の周波数帯域、例えばこの放送装置により放送しよ
うとする音声の周波数帯域fd (d=1、2、・・・、
D)内において、上記バンドパスフィルタ103の通過
帯域を低周波数側から高周波数側へと比較的にゆっくり
と変移(スイープ)させる。そして、この過程における
マイクロホン105の出力レベルを、レベル検出部10
2により検出する。
【0090】ここで、上記レベル検出部102によって
検出して得た信号レベルが、予め定めた基準レベル、例
えばハウリングが発生しているものと十分に見なすこと
のできるレベル、を超えたとき、CPU111は、その
周波数帯域に減衰帯域を有するノッチフィルタを、上記
フィルタ部103により構成する。そして、この動作
を、上記各周波数帯域fd にわたって順次実施すること
によって、例えば図7に示すように、ハウリングが発生
すると見なすことのできる周波数帯域(同図に二点鎖線
で示す周波数帯域)に減衰帯域を有する1以上のノッチ
フィルタを構成する。なお、これを実現するには、フィ
ルタ部103は、少なくとも上記バンドパスフィルタ
と、1以上のノッチフィルタと、を構成できる能力を有
するものでなければならないことは言うまでもない。
【0091】この調整モードにおけるCPU111の一
連の動作を、図8に示す。なお、この図8に示すフロー
チャートに従ってCPU111を制御するための制御プ
ログラムは、このCPU111に接続されているROM
やRAM等の半導体メモリ構成の記憶部112に記憶さ
れている。
【0092】同図に示すように、CPU111は、調整
モードに入ると、まず、所定の初期設定を行う(ステッ
プS52)。この初期設定においては、例えば、出力増
幅部104の増幅率Gを比較的に大き目の上記G=G0
とすると共に、上記フィルタ部103により構成するバ
ンドパスフィルタ103の通過帯域fd を最も低い周波
数帯域f1 に設定する。そして、このフィルタ部103
により構成する上記ノッチフィルタの構成数rをリセッ
トし、即ちr=0とする。なお、このノッチフィルタを
構成できる数rについては、その最大値(これをRとす
る)を予め決めておく。この最大値Rは、フィルタ部1
03を構成するDSP110の能力にも依存するが、こ
の構成数Rを余り大きくし過ぎると、放送装置の音質が
極端に劣化するからである。なお、ここで言う上記出力
増幅部104に設定する増幅率G 0 が、特許請求の範囲
に記載の第1の増幅率に対応し、出力増幅部104が特
許請求の範囲に記載の第1の増幅手段に対応する。そし
て、この出力増幅部104の増幅率GをG=G0 に設定
するCPU111が、特許請求の範囲に記載の第1の増
幅制御手段に対応する。
【0093】上記初期設定後、CPU111は、上記初
期設定の条件でハウリングが発生するか否かを確認する
ために、ハウリングが成長するのに十分な時間だけ待機
する(ステップS54)。そして、この一定時間経過後
に、レベル検出部102によって検出して得た信号レベ
ルが上記基準レベルを超えるか否かを確認する(ステッ
プS56)。
【0094】ここで、例えば、上記レベル検出部102
により検出して得た信号レベルが、上記基準レベルを超
えたことを確認した場合(YESの場合)には、CPU
111は、現在、バンドパスフィルタの通過帯域が設定
されいてる周波数帯域fd においてハウリングが発生し
ているものと判断する。そして、その周波数帯域fd
減衰帯域を有するノッチフィルタを構成する(ステップ
S58)。これと同時に、CPU111は、上記ノッチ
フィルタを1つ構成したものとして、その構成数rを1
つカウントする(ステップS60)。そして、このカウ
ントにより、上記ノッチフィルタの構成数rがその最大
数Rに達したか否かを確認し(ステップS62)、達し
ていない場合(NOの場合)には、バンドパスフィルタ
の通過帯域fX を所定周波数、例えば1段階だけ高周波
数側にシフトすべく次のステップS64に進む。
【0095】上記ステップS64において、バンドパス
フィルタの通過帯域fd を高周波数側にシフトした後、
CPU111は、このシフト後のバンドパスフィルタの
通過帯域fd が、本第2の実施の形態においてハウリン
グ検出の対象とする最高周波数fD を超えたか否かを確
認する(ステップS66)。ここで、周波数シフト後の
バンドパスフィルタの通過帯域fd が、上記最高周波数
D を超えていないことを確認した場合(NOの場合)
には、CPU111は、ステップS54に戻り、そのシ
フト後の周波数帯域fd について、上記と同様の動作を
繰り返す。一方、上記シフト後のバンドパスフィルタの
通過帯域fd が上記最高周波数fD を超えた場合(YE
Sの場合)には、CPU111は、このフローを抜け
て、例えば運用モードに移る。
【0096】なお、上記ステップS62において、ノッ
チフィルタの構成数rが、その最大数Rに達した場合
(YESの場合)にも、CPU111は、このフローを
抜ける。また、上記ステップS56において、レベル検
出部102により検出して得た信号レベルが基準レベル
を超えない場合(NOの場合)には、CPU111は、
その時点でのバンドパスフィルタの通過帯域fd に上記
ノッチフィルタを構成することなく、ステップS64に
進む。
【0097】上記調整モードにおいて、各周波数帯域f
d にわたって、適宜ノッチフィルタを構成した後、CP
U111は、運用モードに切り換わる。これによって、
本第2の実施の形態の放送装置は、実際の放送を実施で
きる状態となる。勿論、ハウリングの発生する可能性の
高い周波数帯域については、上記ノッチフィルタが構成
されているので、この運用モードにおいては、ハウリン
グは発生しない。
【0098】即ち、上記第1の実施の形態が、ハウリン
グの発生する周波数帯域において放送信号の信号レベル
を減衰させることにより、ハウリングの発生を抑制する
のに対して、本第2の実施の形態では、ハウリングの発
生する周波数帯域に上記ノッチフィルタを構成すること
により、ハウリングの発生を抑制する。従って、ハウリ
ングの発生を必要かつ十分な程度に抑制し、これによっ
て音質の劣化を必要最小限に抑えるという意味では、上
記第1の実施の形態の方が有利である。しかし、装置構
成の簡素化及び低コスト化という点では、上記DSP1
11構成のノッチフィルタによりハウリングの発生を抑
制するという本第2の実施の形態の方が有利である。
【0099】また、本第2の実施の形態では、上記1つ
のバンドパスフィルタを用いてその通過帯域を変移させ
て、ハウリングの発生する周波数帯域を検出するので、
この点においても、複数のバンドパスフィルタ25、2
5、・・・を用いて上記ハウリングの発生周波数帯域を
検出するという上記第1の実施の形態に比べて、装置全
体の構成を簡素化かつ低コスト化できる。ただし、ハウ
リングの発生する周波数帯域を高速で検出するには、上
記第1の実施の形態の方が有利であることは言うまでも
ない。
【0100】なお、本第2の実施の形態においても、上
記図8のフローチャートに従ってCPU111を動作さ
せた後、第1の実施の形態における図4のフローチャー
トに従ってCPU11を動作させることにより、放送装
置の運用時(運用モード)における出力増幅部104の
増幅率Gの調整可能な上限値を制限してもよい。
【0101】また、上記ノッチフィルタに代えて、狭帯
域のバンドリジェクトフィルタを用いてもよい。そし
て、このノッチフィルタを含むフィルタ部103、レベ
ル検出部102及び出力増幅部104を、DSP110
により構成したが、これに限らない。即ち、それぞれを
別個のDSPにより実現してもよいし、純粋なハードウ
ェア構成としてもよい。
【0102】そして、上記第1の実施の形態と同様に、
マイクロホン105を複数台設けてもよい。この場合、
各マイクロホン105に係る上記フィルタ部103の制
御条件、即ち各ノッチフィルタを構成する周波数帯域f
d を、記憶部112に記憶させておき、放送装置を運用
する際に、有効とされているマイクロホン105に係る
制御条件を上記記憶部112から呼び出して、この呼び
出した条件のみに基づいて、上記ノッチフィルタを構成
すれば、マイクロホン105を複数台設けたときの放送
装置の音質の劣化を、必要最小限に抑えることができ
る。
【0103】本第2の実施の形態におけるフィルタ部1
03によって構成されるバンドパスフィルタが、特許請
求の範囲に記載の選択手段に対応し、このバンドパスフ
ィルタの通過帯域fk を変移させるよう制御するCPU
111が、特許請求の範囲に記載の選択制御手段に対応
する。また、本第2の実施の形態におけるレベル検出手
段102もまた、特許請求の範囲に記載の判断手段に対
応する。
【0104】そして、フィルタ103により構成される
ノッチフィルタが、特許請求の範囲に記載の帯域減衰フ
ィルタ手段に対応し、所定の周波数帯域にこのノッチフ
ィルタを構成させるよう制御するCPU111が、特許
請求の範囲に記載のフィルタ制御手段に対応する。
【0105】
【発明の効果】以上のように、本発明の音声放送装置に
よれば、この装置を使用している空間内でハウリングが
発生すると、そのハウリングの発生する周波数帯域が自
動的に検出され、その周波数帯域における放送信号の信
号レベルが、上記ハウリングが発生しなくなる程度にま
で自動的に減衰される。従って、上述した従来技術とは
異なり、人間がわざわざ手動でハウリングを抑制するた
めの手段を講じなくても、自動的にハウリングの発生を
確実に抑制できるという効果がある。なお、ハウリング
の発生しない周波数帯域については、放送信号の信号レ
ベルは減衰されないので、放送装置全体としての音量が
不足することもない。
【0106】また、例えばマイクロホンを複数台使用す
る場合でも、上記特定の周波数帯域における放送信号の
信号レベルの減衰程度を、常に、実際に使用中のマイク
ロホンのみに起因するハウリングの発生を抑制するのに
必要かつ十分な程度に抑えることができる。従って、全
てのマイクロホンについて同じ条件下でハウリングの発
生を抑制するという上述した従来技術に比べて、放送装
置全体としての音質の劣化を必要最小限に抑えることが
できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音声放送装置の第1の実施の形態
の概略構成を示すブロック図である。
【図2】同第1の実施の形態におけるCPUの動作を表
すフローチャートである。
【図3】図2のフローチャートの一部改造例を示す図で
ある。
【図4】同第1の実施の形態において、図2及び図3と
は別のCPUの動作を表すフローチャートである。
【図5】本発明に係る音声放送装置の第2の実施の形態
の概略構成を示すブロック図である。
【図6】同第2の実施の形態において、ハウリングの発
生周波数を検出する状態を表す図である。
【図7】同第2の実施の形態において、ハウリングの発
生を抑制する状態を表す図である。
【図8】同第2の実施の形態におけるCPUの動作を表
すフローチャートである。
【符号の説明】
1 マイクロホン 21 入力端子 24 イコライザ部 31 出力端子 32 レベル検出部 33 CPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 隆一 兵庫県神戸市中央区港島中町7丁目2番1 号 ティーオーエー株式会社内 (72)発明者 徳丸 恵子 兵庫県神戸市中央区港島中町7丁目2番1 号 ティーオーエー株式会社内 (72)発明者 中澤 敏 兵庫県神戸市中央区港島中町7丁目2番1 号 ティーオーエー株式会社内 Fターム(参考) 5D020 CC01 CC05 CC06 5K046 AA00 BA00 BB00 DD02 DD13 HH02 HH41 HH55 HH79

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力端子から入力されるマイクロホンの
    出力信号に基づいて音声放送用の放送信号を生成し出力
    端子から出力する音声放送装置において、 上記マイクロホンの出力信号の各周波数帯域毎の信号レ
    ベルを検出するレベル検出手段と、 このレベル検出手段によって検出して得た信号レベルが
    所定の基準レベルを超える周波数帯域を検出する周波数
    検出手段と、 この周波数検出手段によって検出して得た周波数帯域を
    表す情報を出力する情報出力手段と、を具備する音声放
    送装置。
  2. 【請求項2】 入力端子から入力されるマイクロホンの
    出力信号に基づいて音声放送用の放送信号を生成し出力
    端子から出力する音声放送装置において、 上記マイクロホンの出力信号の各周波数帯域毎の信号レ
    ベルを検出するレベル検出手段と、 このレベル検出手段によって検出して得た信号レベルが
    所定の基準レベルを超える周波数帯域を検出する周波数
    検出手段と、 この周波数検出手段によって検出して得た周波数帯域の
    信号レベルが上記所定の基準レベル以下となる状態に、
    該周波数帯域における上記放送信号の信号レベルを減衰
    させる減衰手段と、を具備する音声放送装置。
  3. 【請求項3】 第1の増幅制御信号に従って上記放送信
    号の出力レベルを増幅する第1の増幅手段と、 この第1の増幅手段の増幅率を予め定めた第1の増幅率
    に設定する状態に上記第1の増幅制御信号を生成して上
    記第1の増幅手段に供給する第1の増幅制御手段と、を
    備えた請求項1または2に記載の音声放送装置。
  4. 【請求項4】 第2の増幅制御信号に従って上記放送信
    号の出力レベルを増幅する第2の増幅手段と、 この第2の増幅手段の増幅率を予め定めた初期の増幅率
    から、この初期の増幅率よりも大きい第2の増幅率にま
    で、順次変化させる状態に上記第2の増幅制御信号を生
    成して上記第2の増幅手段に供給する第2の増幅制御手
    段と、を備えた請求項1または2に記載の音声放送装
    置。
  5. 【請求項5】 上記レベル検出手段が、 上記マイクロホンの出力信号が入力され、この入力され
    る信号からそれぞれ異なる複数の周波数帯域の信号を抽
    出する複数の抽出手段と、 これら各抽出手段によって抽出して得た各信号の信号レ
    ベルと上記所定の基準レベルとを比較して、その大小関
    係を判断する判断手段と、を備えた請求項1または2に
    記載の音声放送装置。
  6. 【請求項6】 上記レベル検出手段が、 上記マイクロホンの出力信号のうち所定の周波数帯域の
    信号のみを、周波数選択制御信号に従って選択して出力
    する選択手段と、 この選択手段により選択して得た信号の信号レベルと上
    記所定の基準レベルとを比較して、その大小関係を判断
    する判断手段と、 上記選択手段によって選択する周波数帯域を所定の順番
    に従って順次変更する状態に上記選択制御信号を生成し
    て上記選択手段に供給する選択制御手段と、を備えた請
    求項1または2に記載の音声放送装置。
  7. 【請求項7】 上記減衰手段が、 上記入力端子と上記出力端子との間に設けられ、上記入
    力端子から入力される上記マイクロホンの出力信号をそ
    れぞれ異なる複数の周波数帯域の成分に一旦分割した
    後、再度合成して出力する分割合成手段と、 この分割合成手段によって一旦分割して得た上記各周波
    数帯域毎の各信号成分をそれぞれレベル調整指令に従っ
    て個別にレベル調整するレベル調整手段と、 上記分割合成手段によって一旦分割して得た上記各周波
    数帯域のうち、上記周波数検出手段によって検出して得
    た周波数帯域を含む周波数帯域の信号レベルを減衰させ
    る状態に、上記レベル調整指令を生成して上記レベル調
    整手段に供給するレベル制御手段と、 を備えた請求項2に記載の音声放送装置。
  8. 【請求項8】 上記減衰手段が、 上記入力端子と上記出力端子との間に設けられ、減衰帯
    域制御指令に応じた周波数帯域に減衰帯域を有する帯域
    減衰フィルタ手段と、 上記周波数検出手段によって検出して得た周波数帯域に
    上記帯域減衰フィルタ手段の減衰帯域を形成する状態に
    上記減衰制御指令を生成して上記帯域減衰フィルタ手段
    に供給するフィルタ制御手段と、を備えた請求項2に記
    載の音声放送装置。
  9. 【請求項9】 第1の状態と第2の状態とのいずれか一
    方の状態に任意に切り換え可能な状態切換手段と、 この状態切換手段が第1の状態にあるとき、有効とされ
    ているマイクロホンに係る上記減衰手段の動作条件を記
    憶する条件記憶手段と、 上記状態切換手段が第2の状態にあるとき、有効とされ
    ているマイクロホンに係る上記減衰手段の動作条件を上
    記条件記憶手段から呼び出して上記減衰手段に設定する
    条件設定手段と、を備えた請求項2に記載の音声放送装
    置。
  10. 【請求項10】 上記マイクロホンを複数備えた請求項
    9に記載の音声放送装置。
  11. 【請求項11】 第3の増幅制御信号に従って上記放送
    信号の出力レベルを増幅する第3の増幅手段と、 この第3の増幅手段の増幅率を順次変化させる状態に上
    記第3の増幅制御信号を生成して上記第3の増幅手段に
    供給する第3の増幅制御手段と、 上記レベル検出手段によって検出して得た各周波数帯域
    毎の各信号レベルがいずれも上記所定の基準レベル以下
    となる状態を維持する範囲内で、上記第3の増幅手段の
    増幅率の最大値を検出する最大値検出手段と、 この最大値検出手段により検出して得た上記増幅率の最
    大値を、外部から与えられる増幅率調整指令により任意
    に調整可能な上記第3の増幅手段の増幅率の上限値、と
    して設定する上限値設定手段と、を備えた請求項2に記
    載の音声放送装置。
  12. 【請求項12】 上記マイクロホンの出力信号または上
    記放送信号の位相を任意に反転可能な位相反転手段を設
    けた請求項1または2に記載の音声放送装置。
  13. 【請求項13】 上記マイクロホンの出力信号または上
    記放送信号の位相を順次変化させる位相可変手段を設け
    た請求項1または2に記載の音声放送装置。
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