JP2000353857A - 半導体レーザモジュール - Google Patents

半導体レーザモジュール

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JP2000353857A JP2000157044A JP2000157044A JP2000353857A JP 2000353857 A JP2000353857 A JP 2000353857A JP 2000157044 A JP2000157044 A JP 2000157044A JP 2000157044 A JP2000157044 A JP 2000157044A JP 2000353857 A JP2000353857 A JP 2000353857A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光出力を安定して制御可能な半導体レーザモ
ジュールを提供すること。 【解決手段】 活性領域21を挟んで相対向する光反射
面22と光射出面23が形成された半導体発光素子2
と、その半導体発光素子2の光射出面23と相互に光の
入射及び出射を可能に光結合され内部に所定波長の光の
みを反射する回折格子33が形成されている光ファイバ
3とを備え、半導体発光素子2への電流注入により活性
流域に光を生じ、その光を光反射面23と回折格子33
との間で反射増幅させてレーザ光として出力する半導体
レーザモジュール1であって、回折格子33の反射波長
帯域幅が半導体発光素子の光反射面22と光射出面23
間にて共振する光の縦モードの波長間隔より大きく設定
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を出力す
る半導体レーザモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ光を出力する半導体レーザモジュ
ールとしては、図9に示すように、半導体発光素子Aか
ら所定の間隔をおいて回折格子Bを形成した光ファイバ
Cを配置したものが存在する。この半導体レーザモジュ
ールの半導体発光素子Aは、クラッド層D、Dの間に活
性領域Eが形成されており、その活性領域Eの端面には
光射出面Fと光反射面Gが設けられている。光射出面F
は光ファイバCと対面しており光の反射率の低い低反射
面とされており、光反射面Gはその光射出面Fと対向し
て形成されており光の反射率の高い高反射面とされてい
る。一方、光ファイバCは、導光路となるコアに高屈折
率の領域を所定のピッチで複数形成してなる回折格子B
が設けられ、半導体発光素子Aの光射出面F側に所定の
距離隔てて配設されている。そして、この半導体レーザ
モジュールは、半導体発光素子Aへの電流注入により活
性領域Eで光を生じ、光反射面Gと回折格子Bの間で反
射させ増幅させて、回折格子Bのピッチ幅で決まる単一
波長のレーザ光Hを光ファイバCを通じて出力するもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た本発明の前提となる半導体レーザモジュールにあって
は、次のような問題点がある。すなわち、図9に示すよ
うに、半導体発光素子A内で発生した光の一部が光射出
面Fで反射され、光射出面Fから完全には射出されず、
光反射面Gとの間で往復増幅されて微弱なレーザ光Iと
して出力されてしまう。このため、光反射面Gと回折格
子B間の反射増幅により出力される所望のレーザ光Hに
おける発振状態が、その余分な微弱レーザ光Iの発振に
影響され、図10に示すように注入電流−光出力の特性
においてキンク(非直線領域)を生じてしまう。従っ
て、半導体レーザモジュールにおける光出力を安定して
制御することができない。
【0004】そこで本発明は、以上のような問題点を解
決するためになされたものであって、光出力を安定して
制御可能な半導体レーザモジュールを提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、活性
領域を挟んで相対向する光反射面と光射出面が形成され
た半導体発光素子と、その半導体発光素子の光射出面と
相互に光の入射及び出射を可能に光結合され内部に所定
波長の光のみを反射する回折格子が形成されている光フ
ァイバとを備え、半導体発光素子への電流注入により活
性流域に光を生じ、その光を光反射面と回折格子との間
で反射増幅させてレーザ光として出力する半導体レーザ
モジュールであって、回折格子の反射波長帯域幅が半導
体発光素子の光反射面と光射出面間にて共振する光の縦
モードの波長間隔より大きく設定されていることを特徴
とする。
【0006】このような発明によれば、半導体発光素子
への注入電流の増加などにより、半導体発光素子の光反
射面と光射出面間で共振する光の縦モードの波長が変動
したとしても、回折格子の反射特性に基づいて発振する
レーザ光の発振状態に対する影響が小さいから、そのレ
ーザ光の注入電流−光出力特性において非直線性(キン
ク)の発生が防止される。
【0007】また本発明は、半導体発光素子が1.48
μm帯用レーザダイオードチップであると共に、回折格
子の反射帯域幅が2nm以上とされていることを特徴と
する。
【0008】このような発明によれば、半導体発光素子
が1.48μm帯用レーザダイオードチップであるた
め、前述の縦モードの波長間隔は1nm程度となる。こ
のため、回折格子の反射帯域幅が2nm以上とされるこ
とにより、レーザ光の発振波長帯域内に複数の縦モード
が存在することとなるから、それらの縦モードが波長変
動しても、レーザ光の発振状態に与える影響は小さく、
そのレーザ光の注入電流−光出力特性において非直線性
(キンク)の発生が防止される。
【0009】また本発明は、回折格子の反射帯域幅が2
〜5nmとされていることが望ましい。
【0010】このような発明によれば、前述のようにレ
ーザ光の注入電流−光出力特性においてキンクの発生が
防止されると共に、レーザ光のスペクトル帯域を狭いも
のとすることが可能となる。このため、エルビウム添加
ファイバを用いた光増幅器における励起用光源として有
用である。
【0011】また本発明は、半導体発光素子の光射出面
が反射率1%以下の反射防止コーティングされているこ
とが望ましい。
【0012】このような発明によれば、半導体発光素子
の光反射面と光射出面との間における光の共振が抑制さ
れるから、レーザ光の注入電流−光出力特性における非
直線性(キンク)の発生が効果的に防止されることとな
る。
【0013】また本発明は、半導体発光素子を収容する
ためのパッケージと、そのパッケージの内部に配置され
半導体発光素子の温度制御を行うペルチェ素子と、パッ
ケージの側壁に設けられパッケージ内外における光の伝
搬を許容するハーメチックガラスと、パッケージの外側
に取り付けられ光ファイバを保持するためのフェルール
と、半導体発光素子と光ファイバとの間の光結合効率を
高めるものであってパッケージの内部に設けられ半導体
発光素子側の光結合を行う第一レンズと、パッケージ外
に配設され光ファイバ側の光結合を行う第二レンズとに
よりなるレンズ系と、を備えたことを特徴とする。また
本発明は、半導体発光素子を収容するためのパッケージ
と、そのパッケージの内部に配置され半導体発光素子の
温度制御を行うペルチェ素子と、パッケージの側壁に設
けられパッケージ内外における光の伝搬を許容するハー
メチックガラスと、パッケージの外側に取り付けられ光
ファイバを保持するためのフェルールと、半導体発光素
子と光ファイバとの間の光結合効率を高めるものであっ
てパッケージ内に配設され半導体発光素子へ向けて光を
集束させると共に光ファイバへ向けて光を集束させる機
能を有するレンズ系と、を備えたこととするのが望まし
い。また本発明は、半導体発光素子を収容するためのパ
ッケージと、そのパッケージの内部に配置され半導体発
光素子の温度制御を行うペルチェ素子とを備え、光ファ
イバの一端がパッケージを貫通して配設されパッケージ
の内部に配置された半導体発光素子と光結合されている
ことが望ましい。
【0014】これらの発明によれば、既存の半導体レー
ザモジュールに適用させることが可能となる。
【0015】また本発明は、光ファイバが先球加工され
ていることが望ましい。このような発明によれば、半導
体発光素子との結合効率が向上することとなる。
【0016】また本発明は、光ファイバのコアの径が端
部へ向けて拡大されていることが望ましい。このような
発明によれば、光ファイバの位置ズレにより、半導体発
光素子との結合効率の低下が防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
に係る種々の実施形態について説明する。なお、各図に
おいて同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
また、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致して
いない。
【0018】(実施形態1)図1は半導体レーザモジュ
ール1の概要図である。図1において、半導体レーザモ
ジュール1は、半導体発光素子2と光ファイバ3を備え
て構成されている。半導体発光素子2は、光の発生及び
増幅を行う活性領域21を有しており、その活性領域2
1を挟んで相対向する光反射面22、光射出面23が設
けられている。この半導体発光素子2は、活性領域21
へ電流を注入されることにより光を生じ増幅して、その
光を光反射面22で反射して光射出面23から射出する
ようになっている。半導体発光素子2としては、たとえ
ば、ファブリペロー型のInGaAsP/InPのダブ
ルヘテロ構造のレーザダイオードチップが用いられ、I
nPからなるクラッド層24、24の間にInGaAs
Pからなる活性領域21が設けられた構造とされる。ま
た、半導体発光素子2として、たとえば、発振波長が
1.48μm帯用のものが用いられる。この場合、半導
体レーザモジュール1を光増幅器の励起用光源として利
用できる。
【0019】半導体発光素子2における電流の注入手段
としては、たとえば、半導体発光素子2に電流注入用の
駆動回路(図示なし)を接続したものが採用され、クラ
ッド層24、24を通じて活性領域21へ電流を流せる
ような構造のものであればよい。このような駆動回路か
ら半導体発光素子2に所定の電流が注入されることでク
ラッド層24及び活性領域21が励起されて自然放出光
を発生し、この自然放出光が誘導放出を引き起こしなが
ら活性領域を伝搬し、誘導放出光とともに光射出面23
から射出されることとなる。なお、半導体発光素子2
は、前述のInGaAsP/InPのダブルヘテロ構造
体のものに限られるものでなく、光を発生し増幅すると
共に前述の光反射面22及び光射出面23を有するもの
であれば、その他の半導体等により形成されたものであ
ってもよい。また、半導体発光素子2は、1.48μm
帯用のものに限られるものではなく、その他の波長でレ
ーザ光を発振させるものであってもよい。
【0020】半導体発光素子2の光射出面23は、反射
防止コーティング(ARコーティング)されており、光
反射率が非常に低いものとされている。この光射出面2
3の反射防止コーティングとしては、たとえば、誘電体
多層膜が用いられる。この誘電体多層膜は、シリカ(S
iO2)、チタニア(TiO2)、窒化けい素(Si
N)、酸化アルミニウム(Al23)、フッ化マグネシ
ウム(MgF2)、アモルファスシリコンなどの薄い膜
を積層して構成したものであって、その膜の材質の屈折
率、厚さ及び層数を適宜変えることにより特定波長にお
ける光反射率を任意に設定することが可能である。この
光射出面23の反射防止コーティングは、光反射率が1
%以下とされていることが望ましい。このような光反射
率にすることにより、光射出面23での光の反射が抑制
され、光反射面22との間で光が反射増幅してレーザ光
として出力されるのを低減することが可能となる。
【0021】一方、半導体発光素子2の光反射面22
は、発振波長における光反射率が非常に高いものとされ
ている。この光反射面22においても、光射出面23と
同様に誘電体多層膜により形成することにより高い光反
射率とすればよい。なお、光反射面22は結晶へき開面
とし蒸着するなどして形成する場合もある。
【0022】図1のように、その半導体発光素子2の光
射出面23側には、光ファイバ3が配置され、その光反
射面22と相互に光の入射及び出射を可能に光結合され
ている。すなわち、光射出面23から射出された光が光
ファイバ3の端面へ入射され、光ファイバ3から射出さ
れた光が光射出面23へ入射されるように、半導体発光
素子2の光射出面23側に光ファイバ3が配設されてい
る。この光ファイバ3は、長尺状の導光部材であって、
クラッド31の中心位置に沿って高屈折率のコア32が
形成されている。そして、このコア32には、特定波長
の光を反射するための回折格子34が設けられている。
この回折格子33は、半導体発光素子2の光反射面22
と共にファブリペロー型の共振器を構成するものであっ
て、光ファイバ3の光軸方向に沿ってコア32の実効屈
折率を周期的に変化させて形成されている。その実効屈
折率の周期により光の反射波長特性が設定されることと
なる。その回折格子33により反射される光の反射波長
(ブラッグ波長)λRは、次の式(1)で表される。
【0023】λR =2・n1・Λ ‥‥(1) n1:回折格子33における最小屈折率 Λ :回折格子33の周期 また、回折格子33における周期Λの間隔は徐々に変化
するように形成されている。このため、回折格子33の
反射波長特性は所定の帯域幅を有している。そして、こ
の回折格子33の反射帯域幅は、半導体発光素子2の光
反射面22と光射出面23の間で共振する光の縦モード
の波長間隔より大きく設定されている。ここで、回折格
子33の反射帯域幅とは、回折格子33を形成した光フ
ァイバ3に光を伝送させたときに、回折格子33で最大
に反射される光の波長を中心とし、その最大反射量に対
し半減した反射量となる短波長と長波長との間の波長領
域をいう。前述のように、回折格子33の反射帯域幅が
設定されることにより、半導体レーザモジュール1にお
ける注入電流−光出力特性において非直線性(キンク)
の発生が防止されることとなる。
【0024】このような回折格子33のキンク発生防止
機能について詳説すると、半導体発光素子2の活性領域
21で発生した光は、図1のように、半導体発光素子2
の光反射面22と光ファイバ3の回折格子33との間で
共振することにより回折格子33の特性で決まる所望波
長のレーザ光41として出力されるが、活性領域21で
発生した光の一部が光射出面23で反射してしまうと、
光反射面22と光射出面23との間で共振して不要なレ
ーザ光42として出力されることとなる。この不要なレ
ーザ光42は、図2に示すように、多数の縦モードを形
成して所望のレーザ光41の波長スペクトル41aの発
振領域に多数のサブピーク42aを有するサイドローブ
となって現れる。このサブピーク42、42間の波長間
隔Δλは、次の式(2)により与えられる。
【0025】 Δλ=λ2/(2・n2・L) ‥‥(2) λ :レーザ光41における波長41a n2:実効屈折率 L :光反射面22と光射出面23との距離(共振器
長) そして、これらのサブピーク42aは、注入電流の増加
に伴う活性領域21の温度上昇により、長波長側(図2
では右側)へズレていく傾向がある。ここで、レーザ光
41のスペクトル41aの帯域幅が図3のように狭いも
のであると、サブピーク42aが変動してスペクトル4
1aの波長と重なることにより、所望のレーザ光41の
発振状態に大きな影響を及ぼすこととなる。このような
不要レーザ光42aの影響により、図10のように、レ
ーザ光41の電流−光出力特性において非直線領域(キ
ンク)を生じると考えられる。
【0026】このような事態を避けるためには、図2に
示すように、回折格子33の反射帯域幅を広くすること
によりスペクトル41aの帯域幅を広くして、サブピー
ク42aが変動してもスペクトル41aに与える影響を
小さくすることにより可能となる。すなわち、レーザ光
41のスペクトル41aの帯域を広げることにより、ス
ペクトル41aの帯域内には常時サブピーク42aが存
在することとなり、そのサブピーク42aが波長変動し
ても、そのサブピーク42aによるスペクトル41aへ
の影響度は小さいため、レーザ光41の発振状態は安定
したものとなる。従って、レーザ光41の注入電流−光
出力特性においてキンクの発生が防止できる。
【0027】このような回折格子33の具体的な反射波
長帯域幅としては、半導体発光素子が1.48μm帯用
レーザダイオードチップである場合、2nm以上とする
のが望ましい。すなわち、この場合、サブピーク42a
の波長間隔Δλは、前述の式(2)にλ=1.48μ
m、n2=3.5、L=300μmの代入により、約1.
0nmとなる。このため、回折格子33の反射波長帯域
幅を2nm以上とすれば、レーザ光41のスペクトル4
1aの帯域内に必ずサブピーク42aが複数存在するこ
ととなる。従って、それらのサブピーク42aが注入電
流の増加等により波長変動しても、前述のごとくレーザ
光41の発振状態に与える影響は小さく、光出力特性に
キンクの発生が回避できる。
【0028】また、このような回折格子33の形成は、
干渉露光法を用いることに形成すればよい。すなわち、
光ファイバ3の外側からゲルマニウムが添加されたコア
32へ向けてその軸方向へ干渉縞となった紫外光を照射
することにより、コア32にその干渉縞の光強度分布に
応じた実効屈折率を有する回折格子33が形成されるこ
ととなる。なお、この回折格子33は、図1においては
光ファイバ3の端部から所定の距離隔てて形成されてい
るが、その距離を隔てず光ファイバ3の端部から直に形
成されていてもよい。
【0029】次に、前述した半導体レーザモジュール1
の具体的な構造について説明する。
【0030】図4において、パッケージ50の内部には
半導体発光素子2が収容されており、パッケージ50の
外部に取り付けられた光ファイバ3とレンズ系60を介
して光結合されている。パッケージ50は内部を密封可
能とした箱体であって、その内部の床面51にはペルチ
ェ素子52が載置されている。このペルチェ素子52は
電圧の印加により熱を発生し、また吸収する機能を有し
ている。このペルチェ素子52上には、L型キャリア5
3、チップキャリア54、サブマウント55が順次載置
され、サブマウント55上に半導体発光素子2が取り付
けられている。サブマウント55は半導体発光素子2の
ヒートシンクとして機能するものであり、チップキャリ
ア54は半導体発光素子2の取り付け作業性を考慮して
設けられた部材であり、L型キャリア53は半導体発光
素子2の取り付け台となると共にレンズ系60の第一レ
ンズ61の取り付け部材として機能している。また、L
型キャリア53、チップキャリア54、サブマウント5
5は熱伝導性に優れた素材で形成されており、ペルチェ
素子52の加熱または冷却により半導体発光素子2の温
度制御が効果的に行われるようになっている。また、第
一レンズ61は、半導体発光素子2と光ファイバ3との
間で往復する光における半導体発光素子2側の結合を行
うものである。
【0031】パッケージ50の側壁には、ハーメチック
ガラス56が取り付けられている。たとえば、前述の第
一レンズ61に対面するパッケージ50の側壁部分が開
口され、その開口位置にハーメチックガラス56が配設
されている。ハーメチックガラス56は、透光性を有す
るガラス板材であって、このハーメチックガラス56を
通じてパッケージ50内外の光の伝搬が可能となってい
る。また、ハーメチックガラス56が設けられたパッケ
ージ50の側壁の外側部分には、第二レンズ62および
フェルール71が取り付けられている。第二レンズ62
は、半導体発光素子2と光ファイバ3との間で往復する
光における光ファイバ3側の結合を行うものであって、
ハーメチックガラス56を挟んで第一レンズ61と相対
向するように配置されている。フェルール71は、光フ
ァイバ3を保持するための部材であって、中心に開設さ
れた細径の貫通孔に光ファイバ3が装着できるようにな
っている。このような構造とされた半導体レーザモジュ
ール1は、パッケージ50内に配された半導体発光素子
2とパッケージ50外に配された光ファイバ3が、第一
レンズ61、ハーメチックガラス56、第二レンズ62
を介して光結合され、その半導体発光素子2と光ファイ
バ3との間で光を増幅して光ファイバ3を通じて出力す
ることができる。
【0032】次に、半導体レーザモジュール1の作動に
ついて説明する。
【0033】図1において、半導体発光素子2のクラッ
ド層24、24間に所定の電圧を印加して、各クラッド
層24及び活性領域21へ電流を注入する。すると、ク
ラッド層24と活性領域21が励起されて自然放出光を
発する。この自然放出光は、活性領域21内で誘導放出
を引き起こして誘導放出光と共に進行して、反射率の高
い光反射面22で反射されて反射率の低い光射出面23
から射出されていく。しかしながら、その光のうちの一
部は光射出面23で反射され、光反射面22との間で共
振してしまう場合がある。
【0034】一方、光射出面23から光ファイバ3側へ
射出された光は、光ファイバ3のコア32内へ入射され
て、コア32に沿って進行し回折格子33で反射され
る。その際、回折格子33により反射された所定の波長
帯域の光のみが半導体発光素子2側へ進行し、光ファイ
バ3の端面から射出され半導体発光素子2の光射出面2
3を通じて活性領域21内へ入射される。そして、活性
領域21内を進行する光は、再び増幅されながら光反射
面22で反射され、その光反射面22と光ファイバ3の
回折格子33との間での往復を繰り返し増幅された後、
回折格子33を透過して所望のレーザ光41として出力
されていく。また、レーザ光41と共に、半導体発光素
子2内の光反射面22と光射出面23間で共振する光も
増幅されて不要なレーザ光42として出力されていく。
その際、回折格子33の反射波長帯域幅がレーザ光42
における縦モードの波長間隔より広く設定されているか
ら、レーザ光41の波長スペクトル41aはその縦モー
ドの波長間隔より広い帯域を有するものとなる。
【0035】ここで、半導体発光素子2への注入電流を
増加していくと、不要なレーザ光42にあっては、図2
に示すように、活性領域21の温度上昇等により縦モー
ドの各サブピーク42aが長波長側へ変動し始める。そ
れに対し、所望のレーザ光41にあっては、光ファイバ
3の回折格子33により波長が決定されているから、そ
のスペクトル41aの波長が注入電流の増減の影響を受
けず一定である。このため、レーザ光41のスペクトル
41aをレーザ光42のサブピーク42aが通過してい
くこととなる。
【0036】しかしながら、レーザ光41のスペクトル
41aが広い帯域幅を有しているから、注入電流の増加
等によりサブピーク42aが変動しても、レーザ光41
aが受ける影響は小さくなる。一方、半導体発光素子2
の光射出面23に反射防止コーティングを施して光反射
率を減少させることにより、光反射面22と光射出面2
3における光の共振が低減できる。このため、不要なレ
ーザ光42の出力レベルが低くなるため、そのレーザ光
42のサブピーク42aが波長変動しても、レーザ光4
1aが受ける影響は小さいものとなる。従って、所望の
レーザ光41の発振状態が安定したものとなり、レーザ
光41の発振において注入電流−出力特性において非直
線領域(キンク)が発生することがない。
【0037】ここで、半導体レーザモジュール1を実際
に作動させたときの注入電流−出力特性を図5に示す。
図5において、注入電流を徐々に増加させても光出力に
非直線領域(キンク)が発生せず、安定した光出力特性
が得られた。このときの半導体レーザモジュール1は、
半導体発光素子2として1.48μm帯用のものを用
い、回折格子33の反射波長帯域幅を2nmとし、光射
出面23に光反射率0.1%の反射防止コーティングを
施したものである。
【0038】一方、本発明の前提となる半導体レーザモ
ジュールを作動させたときの注入電流−出力特性は、前
述したように図10に示すとおりである。この半導体レ
ーザモジュールは、半導体発光素子として1.48μm
帯用のものを用い、回折格子33の反射波長帯域幅を
0.5nmとし、光射出面23に光反射率1.7%の反射
防止コーティングを施したものである。また、その半導
体レーザモジュールにおいて、回折格子33の反射波長
帯域幅を2nmに広げた場合には、図11に示すような
注入電流−出力特性となった。すなわち、光射出面23
の光反射率が依然1.7%と高いために半導体発光素子
2と回折格子33の間で複合共振器が形成されており、
反射波長帯域幅を広げた効果が損われ、注入電流−光出
力特性において緩やかなうねり状のキンクを生じてい
る。
【0039】(実施形態2)前述の半導体レーザモジュ
ール1において、具体的な実装構造としてレンズ系60
の第一レンズ61および第二レンズ62が一つのレンズ
で構成されていてもよい。たとえば、図6に示すよう
に、集光レンズ63をL型キャリア53に取り付けて、
半導体発光素子2から発せられる光の出射位置に配置す
ることにより、半導体発光素子2と光ファイバ3の光結
合を行うことが可能となる。
【0040】(実施形態3)前述の半導体レーザモジュ
ール1において、具体的な実装構造として、半導体発光
素子2と光ファイバ3を光結合するレンズ系60、集光
レンズ63を配設せず、また、ハーメチックガラス56
を設けることなく、パッケージ50内へその側壁を貫通
させて光ファイバ3を挿入させて半導体発光素子2と直
接に光結合させてもよい。
【0041】(実施形態4)前述の半導体レーザモジュ
ール1において、回折格子33の反射波長帯域幅を2〜
5nmに設定する場合もある。すなわち、回折格子33
の反射波長帯域幅を2nm以上とすることは実施形態1
で述べたとおりであるが、反射波長帯域幅を5nm以下
に制限することにより、半導体レーザモジュール1を光
増幅器における励起用光源として有効に利用できる。た
とえば、半導体レーザモジュール1における反射波長帯
域幅が2nm以上とされることにより、光出力が安定し
て制御できるため励起用光源として必要条件を満たして
おり、かつ、反射波長帯域幅が5nm以下とされること
により発振されるレーザ光のスペクトル帯域幅が8nm
程度となり、エルビウム添加ファイバの励起に適した狭
いスペクトルとなる。このため、光増幅器の励起用光源
として有用なものとなる。
【0042】(実施形態5)前述の半導体レーザモジュ
ール1において、光ファイバ3が先球加工されていても
よい。たとえば、図7に示すように、半導体発光素子2
側の光ファイバ3の先端が先球加工されることにより、
半導体発光素子2との光結合効率の向上が図れる。
【0043】(実施形態6)前述の半導体レーザモジュ
ール1において、光ファイバ3のコア32の径が端部に
向けて拡大されていてもよい。たとえば、図8に示すよ
うに、半導体発光素子2側の光ファイバ3の端部におい
て、コア32に拡径部32aが形成されることにより、
光ファイバ3の配置ズレを生じても半導体発光素子2と
の結合効率の低下が防止できる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果を得ることができる。回折格子の反射波
長帯域幅が半導体発光素子の光反射面と光射出面間にて
共振する光の縦モードの波長間隔より大きく設定される
ことにより、レーザ光の発振における注入電流−光出力
特性において非直線性(キンク)の発生が防止でき、安
定してレーザ光の出力を制御することができる。
【0045】また、半導体発光素子が1.48μm帯用
レーザダイオードチップであると共に、回折格子の反射
帯域幅が2nm以上とされることにより、その半導体発
光素子におけるレーザ光の発振において、注入電流−光
出力特性において非直線領域(キンク)の発生が確実に
防止できる。
【0046】また、回折格子の反射帯域幅が2〜5nm
とされることにより、注入電流−光出力特性においてキ
ンクの発生が防止できると共に、レーザ光のスペクトル
帯域を狭いものとすることができる。このため、エルビ
ウム添加ファイバを用いた光増幅における励起用光源と
して有用なものとなる。
【0047】また、半導体発光素子の光射出面が反射率
1%以下の反射防止コーティングされることにより、半
導体発光素子の光反射面と光射出面との間における光の
共振が抑制される。このため、レーザ光の注入電流−光
出力特性における非直線領域(キンク)の発生が効果的
に防止できる。
【0048】また、光ファイバが先球加工されることに
より、半導体発光素子との結合効率の向上が図れる。こ
のため、レーザ光の最大出力特性が向上する。
【0049】また、光ファイバのコアの径が端部へ向け
て拡大されることにより、光ファイバの位置ズレにより
半導体発光素子との結合効率の低下が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体レーザモジュールの概要図である。
【図2】半導体レーザモジュールにより出力されるレー
ザ光のスペクトルを示す図である。
【図3】本発明の前提となる半導体レーザモジュールに
より出力されるレーザ光のスペクトルを示す図である。
【図4】半導体レーザモジュールの構造の説明図であ
る。
【図5】半導体レーザモジュールにおけるレーザ光の注
入電流−光出力特性を示す図である。
【図6】半導体レーザモジュールの構造の説明図であ
る。
【図7】実施形態5に係る半導体レーザモジュールの説
明図である。
【図8】実施形態6に係る半導体レーザモジュールの説
明図である。
【図9】本発明の前提となる半導体レーザモジュールの
概要図である。
【図10】本発明の前提となる半導体レーザモジュール
におけるレーザ光の出力特性を示す図である。
【図11】本発明の前提となる半導体レーザモジュール
におけるレーザ光の出力特性を示す図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザモジュール、2…半導体発光素子、2
1…活性領域 22…光反射面、23…光射出面、3…光ファイバ、3
1…クラッド 32…コア、33…回折格子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性領域を挟んで相対向する光反射面と
    光射出面が形成された半導体発光素子と、その半導体発
    光素子の光射出面と相互に光の入射及び出射を可能に光
    結合され内部に所定波長の光のみを反射する回折格子が
    形成されている光ファイバとを備え、前記半導体発光素
    子への電流注入により前記活性流域に光を生じ、その光
    を前記光反射面と前記回折格子との間で反射増幅させて
    レーザ光として出力する半導体レーザモジュールであっ
    て、 前記回折格子の反射帯域幅が前記半導体発光素子の前記
    光反射面と前記光射出面間にて共振する光の縦モードの
    波長間隔より大きく設定されていることを特徴とする半
    導体レーザモジュール。
  2. 【請求項2】 前記半導体発光素子が1.48μm帯用
    レーザダイオードチップであると共に、前記回折格子の
    反射帯域幅が2nm以上であることを特徴とする請求項
    1に記載の半導体レーザモジュール。
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