JP2000348855A - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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JP2000348855A
JP2000348855A JP15900599A JP15900599A JP2000348855A JP 2000348855 A JP2000348855 A JP 2000348855A JP 15900599 A JP15900599 A JP 15900599A JP 15900599 A JP15900599 A JP 15900599A JP 2000348855 A JP2000348855 A JP 2000348855A
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JP
Japan
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core
metal body
roller
induction heating
magnetic
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JP15900599A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Nomura
年弘 野村
Takashi Ishida
孝史 石田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属体を支持するローラ間で所望の加熱電力を
効率良く供給するに充分な、強磁性体のコアを形成する
ことができ、かつ金属体の変位に無関係に金属体に略一
定の電力が投入できるようにする。 【解決手段】コア6の先端部分に円柱形の磁性体ローラ
5を設けて金属体1と接触して回転するように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ローラを介して
搬送もしくは回転する金属体を誘導加熱する誘導加熱装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来例の構成図を示す。この図
10において、1は帯状の金属体、2は金属体1を支持
するとともに、駆動モータにより金属体1を矢印の方向
に移動させるローラ、3は金属体1に磁束を略直交する
ように供給して金属体1を加熱する際に金属体1の外部
の磁束の通路を形成する高透磁率のコア、4はコアの脚
に巻回した誘導コイル、Φは誘導コイル4の電流により
発生する磁束、Iは誘導コイル4に通電する電流を示
す。この図10において、被加熱物である帯状の金属体
1はローラ2に接触してローラ2の回転する方向に搬送
される。ローラ2間にはU字状で脚部に誘導コイル4を
巻回した高透磁率のコア3が配備されており、誘導コイ
ル4に電流Iを供給して磁束Φを誘起すると、磁束Φの
一部はコア3の一方の脚から金属体に略直交するように
供給されて金属体1内を通って、残りは金属体1を通ら
ないで空間を通ってコア3の他方の脚に戻る。この金属
体1を通る磁束による電磁誘導により金属体1内に渦電
流が発生して金属体1を加熱する。金属体1とコア3と
の間は金属体1の移動中の変位hを考慮した適度のギャ
ップが必要になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の構成で
は、下記の問題があった。 金属体を支持するローラの間隔は金属体の移動中の変
位を少なくするために広げられない限界があり制限され
たローラ間では所望の加熱電力を供給する磁気回路を形
成するに充分な、すなわち、強磁性体により形成するコ
アの断面積を充分に確保できないため、また強磁性体か
らなるコアは飽和磁束密度以下の適当な磁束密度で使用
しなければならないため、大電力の加熱入力を金属体に
投入することができない。
【0004】上記のコアを無くして空心の誘導コイル
にすると磁路での磁束の飽和を考慮する必要は無くなる
が、所望の磁束Φを得るのに大きなATが必要であり、
また高透磁率のコアが無いために、漏れ磁束が多くな
り、金属製のローラ軸、その他加熱してはならない金属
部品を誘導加熱するので、缶加熱や、鋼帯の加熱の例で
は加熱効率が50〜70%と悪い。
【0005】移動中の金属体がローラ間で変位する際
にその変位にコアを追従して動かすのは困難でありコア
は固定せざるを得ないが、金属体が変位するとコアとの
ギャップが変化するので、ギャップの磁気抵抗が変動し
て、加熱入力もそれに従って変動し、移動する金属体の
移動方向の各部分での加熱むらが生じて全体を所望の温
度に加熱しようとする際に安定した加熱ができない。
(ローラとローラの中間では被加熱物の変位は、被加熱
物の重力および形状の変形、被加熱物に働く電磁力等に
大きく影響されて変動する。) 飲料入りの缶を加熱する場合、径が大きく異なる缶を
一つの加熱装置で加熱する必要があり、缶の下方から加
熱する方式では、駆動ローラを除いた部分では充分な加
熱スペースが得られず、缶の上方から加熱する方式では
径の大きい缶に合わせて磁気回路を構成するため、径の
小さい缶に対しては加熱コイル、コアと缶との距離が離
れすぎる。そのため径の異なる缶を殆ど差の無い時間で
加熱するように入力するような磁気回路を構成すること
は困難である。
【0006】この発明は上記課題を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、金属体を支持す
るローラ間で所望の加熱電力を効率良く供給するに充分
な、コアを形成することができ、かつ金属体の変位の変
化に無関係に金属体に一定の電力を入力できる誘導加熱
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、金属体の表面に略直交するよ
うに磁束を通して誘導加熱する誘導加熱装置であって、
近接して高透磁率のコアを配置し、該コアに誘導コイル
を備えたものにおいて、前記コアの脚部先端部分に金属
体と接触して回転する円柱形の磁性体ローラを設けたこ
とを特徴とする。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の誘導加熱装置において、磁性体ローラは帯状の金属
体の加熱に適用されることを特徴とする。また、請求項
3記載の発明は、請求項1記載の誘導加熱装置におい
て、磁性体ローラは円筒形の缶の加熱に適用されること
を特徴とする。
【0009】また、請求項4記載の発明は、請求項1記
載の誘導加熱装置において、磁性体ローラは床、天井、
壁などの平面もしくは曲面を移動しながら加熱する加熱
装置に適用されることを特徴とする。
【0010】上記請求項1ないし4の構成により金属体
を支持して移動または回転させるローラ、または平面も
しくは曲面の金属面に接触して移動するローラがコアの
一部であり金属体と接触しているのでローラ間全部が磁
気回路を形成する空間として使用でき金属体を加熱する
に充分な電力を供給する強磁性体のコアを構成すること
が可能になる。
【0011】また、誘導コイルに流れる電流により発生
した磁束の殆どは、コアと金属体とを通って循環してお
り、また金属体と、円筒形の磁性体ローラとは常時接触
しているので磁気回路は常に閉磁路となり、金属体への
投入電力を常に一定に保つことが可能になる。
【0012】また、請求項5記載の発明は、請求項1な
いし請求項4のいずれかに記載の誘導加熱装置におい
て、磁性体ローラは表面をゴム、プラスチックなどの金
属面との転動に適した材料でコーティングすることを特
徴とする。
【0013】ローラは加熱面と直接接触、転動するので
表面は滑らかであることが望ましい。しかし磁性体ロー
ラをフェライトコアで構成する場合はフェライトコアは
焼結材であり、硬くて脆い。そのために直接金属体と接
触しないほうが良いこともある。この固くて脆い特性を
改善するために、フェライトコアを粉末にて樹脂に混ぜ
たフェライト磁心を適用すれば磁性体ローラとして使用
することが可能になるが永久磁石としてのフェライトゴ
ムの実用はされているが、この誘導加熱に使える高透磁
率、高磁束密度の磁性材料としてのフェライト樹脂はま
だ開発されていない。
【0014】これらに対し、上記構成により磁性体ロー
ラを形成する磁性体の表面にゴム、プラスチックなどの
金属面との転動に適した材料でコーティングすることに
より磁性体が直接金属体に接触することが無くなり磁性
体ローラ部分を機械的な損傷から保護すること、および
接触、転動面を金属体に適したように構成することが可
能になる。
【0015】また、請求項6記載の発明は、請求項1な
いし請求項5のいずれかに記載の誘導加熱装置におい
て、磁性体ローラは金属体と接触する円柱形のローラ
と、該ローラより僅かに小径のフェライトコアとを交互
に配列して構成することを特徴とする。
【0016】上記の構成により金属体はローラと接触し
磁性体部分はローラより僅かに径を小さくすることで、
直接金属体に接触することが無くなり磁性体部分を機械
的な損傷から保護し、かつ金属体と磁性体とのギャップ
が少ない状態で一定に保ち加熱入力を常に一定に保つこ
とが可能になる。
【0017】また、請求項7記載の発明は、請求項1な
いし請求項5のいずれかに記載の誘導加熱装置におい
て、磁性体ローラは円盤状に形成した強磁性体の鋼板を
積層して構成することを特徴とする。
【0018】上記の構成により磁性体を積層して構成し
たことで磁性体内での渦電流の発生を抑制でき切削加工
によるローラに比べて高周波の鉄損を一桁減少させるこ
とが可能になる。また、積層方向に磁束を誘導するので
不要な漏れ磁束をローラ端に生じさせない効果がある。
【0019】さらに、フェライトコアに比べて丈夫で割
れにくく高温にも耐える材料が使用できるのでコーティ
ング無しでローラとして使用することが可能である。2
0KHz以上の高周波では鉄損がフェライトコアより多
くなるが、10KHz以下では1テスラ以上の高磁束密
度で使用できるので、フェライトコアの数倍の磁束が得
られ、その分コアの断面積を小さくできて装置の小型化
に有効である。
【0020】また、請求項8記載の発明は、金属体表面
に略直交するように磁束を通して誘導加熱する誘導加熱
装置であって、金属体に近接して高透磁率のコアを配置
し、該コアの脚部先端側の端部に金属体と接触して回転
し、コアの脚部先端面と金属体との距離を一定に保つロ
ーラを設けることを特徴とする。
【0021】上記の構成により金属体と接触するローラ
は金属体とコア先端との距離を一定に保つことが可能に
なる。なお、ローラとコアとを交互に配置して金属体と
コア先端との距離を小さくしても金属体とコアとが接触
しないで安定したギャップを保つようにすることが可能
である。ここで、ローラの回転軸の位置がが可動であれ
ばそれに追従してコアん.お位置も動くのが望ましい。
【0022】また、請求項9記載の発明は、請求項8記
載の誘導加熱装置において、ローラは、コアの脚部先端
部貫通するよう穿孔した軸孔、もしくはコアの脚部先端
面に開口して設けたU溝に、コアと非接触に取付けられ
た回転軸に装着してなることを特徴とする。
【0023】上記の構成により金属体を支持するローラ
を回転軸に固着し、該回転軸をコアの先端部の軸孔もし
くはU溝に通すことで金属体とコア先端との間隔を一定
に保つことが可能になる。
【0024】また、請求項10記載の発明は、請求項8
記載の誘導加熱装置において、誘導コイルは、コアの側
面では金属体に近接して平行になりローラが配置された
両端部ではローラを迂回して金属体から離れて巻回する
鞍形に形成することを特徴とする。
【0025】上記の構成によりローラを駆動する回転軸
をよけるためのコアの軸孔、もしくはU溝を設ける必要
は無くなり、コアの加工工数を削減することが可能にな
る。また、誘導コイルはコアの側面では金属体に平行に
して近接させることで、空間に逃げる漏れ磁束が少なく
なり熱効率を高くすることが可能になる。
【0026】なお、上記でローラを回転させる駆動源は
複数必要なわけではなくベルト、滑車、プーリーなどを
組み合せて1台の駆動源で全ローラを回転させることも
可能である。
【0027】また、請求項11記載の発明は、請求項8
または請求項9に記載の誘導加熱装置において、コアの
外にあるローラを回転する回転軸を歯車もしくはベルト
で回転軸から離れた位置の駆動源と連携して駆動し、誘
導コイルは円筒形ローラの外側を巻回するレーストラッ
ク形状に形成することを特徴とする。
【0028】上記の構成により誘導コイルの製作が容易
になり、また、ローラなど誘導コイル内に配備される部
品を低抵抗の金属や絶縁物で構成することにより駆動関
係の部品での発熱を少なくして小型で安価な装置にする
ことが可能になる。
【0029】また、請求項12記載の発明は、請求項1
ないし請求項10のいずれかに記載の誘導加熱装置にお
いて、金属体の移動方向もしくは回転方向と直交する方
向に磁束が循環するように分割した複数の磁極を有する
コアを設けることを特徴とする。
【0030】上記構成により金属体の移動方向と直交す
る方向に磁束の循環路を形成して、一ロ−ラのスペース
で加熱装置が完結するので、装置を小型にすることが可
能になる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は請求項1および2記載の発
明の実施の形態の主要部の構成図を示す。この図1にお
いて、従来例と同一の符号を付けた部材はおおよそ同一
の機能を有するのでその説明は省略する。この図1にお
いて、1は帯状の金属体、5は金属体1を支持して移動
させる円柱形の磁性体ローラ、6は金属体1に磁束を略
直交するように供給して金属体1を加熱する際に、磁性
体ローラ5の下方に近接して配備され、磁性体ローラ5
とともに金属体1の外部の磁束の通路を形成するU字状
のコア、7はコア6の脚部に巻回した誘導コイル、Φは
誘導コイルの電流により生ずる磁束、Iは誘導コイル7
の電流を示す。この図1において、被加熱物である帯状
の金属体1は磁性体ローラ5に接触してその回転する方
向に送られる。コア6の脚部に巻回した誘導コイル7に
電流Iを供給して磁束Φを発生させると、磁束Φはコア
6の一方の脚から磁性体ローラ5を通って金属体に略直
交するように供給されて金属体1内を通って別の磁性体
ローラ5を通ってコア6の他方の脚に戻る。この金属体
を通る磁束により金属体1内に渦電流が生じて金属体1
を加熱する。金属体1は磁性体ローラ5に支持されてい
るので外部に形成される磁気回路は常に一定に保たれ、
金属体1の移動中の変位による金属体1内での発生電力
の変動は無くなる。
【0032】また、金属体1を支持する磁性体ローラ5
の隣り合う磁性体ローラ5との間隔は金属体1の移動に
際して機械的に許容できる距離に選べるので磁気回路を
形成する空間が金属体を別の支持ローラで支持する場合
に比べて広くなり、その分金属体に発生する電力を大き
くすることができる。なお、磁性体ローラ5はモータ駆
動されている。
【0033】また、上記実施例では誘導加熱装置は固定
配置され、被加熱物である金属体が移動する場合につい
て説明したが、逆に天井、壁、床などの平面または曲面
を自走して加熱する局部的な歪み取り加熱のような装置
にも走行するためのローラとして磁性体ローラを使用し
ても良い。さらに、上記実施例では移動する金属体を全
体加熱する例について説明したが例えば帯鋼の端部のみ
を加熱するエッジヒータに適用しても良い。
【0034】図2は請求項1および2記載の発明の別の
実施の形態の主要部の構成図を示す。この図2におい
て、1は帯状の金属体、5は金属体1を支持して移動さ
せる円柱形の磁性体ローラ、7は後述のコアの中脚に巻
回した誘導コイル、8は金属体1に磁束を略直交するよ
うに供給して金属体1を加熱する際に、磁性体ローラ5
の下方に近接して配備された磁極8aと、磁極8aの前
後に別の磁極8b、8cを設けたE字状のコア、Φは誘
導コイルに流れる電流により生じる磁束、Iは誘導コイ
ルの電流を示す。
【0035】この図2が図1と異なる点は、隣り合う磁
性体ローラで金属体を支持するとともに、その隣り合う
磁性体ローラの間をU字状のコアで接続して磁気回路を
構成する代わりに、E字状のコアを使用して磁性体ロー
ラ毎に独立した磁気回路を形成するようにした点であ
る。このようにすることにより磁性体ローラ一個で完結
するような加熱装置の場合に対応することが可能にな
る。
【0036】図3は請求項3記載の発明の実施の形態の
主要部の構成を示し、(a)は断面構成図、(b)は側
面図を示す。この図3において、9は被加熱材である飲
料入りの缶、10は缶9を支持して回転させる円柱形の
磁性体ローラ、11は缶9に磁束を略直交するように供
給して缶9を加熱する際に、磁性体ローラ10の下方に
近接して配備され、磁性体ローラ10とともに缶9の外
部の磁束の通路を形成するU字状のコア、12はコアの
脚に巻回した誘導コイル、13は缶9を回転させる際の
押えローラ、Φは誘導コイルの電流により生ずる磁束、
Iは誘導コイルの電流を示す。なお、コア6の脚部は缶
9の長さより短く形成されている。
【0037】この図3が図1と異なる点は磁性体ローラ
とコアを使用して帯状の金属体を加熱する代わりに下方
にコア11を有する磁性体ローラ10上に横倒しにした
缶9を搭載して、上部を抑えローラ13で抑えて缶を回
転させながら加熱するようにした点である。
【0038】図4は請求項6記載の発明の実施の形態の
主要部の構成図を示す。この図4において、14は磁性
体ローラで、被加熱物を支持するローラ14aの間に、
ローラ14aより僅かに径の小さいフェライトコア等で
形成される強磁性体14bを挟んで構成されている。こ
の図4において、被加熱物である金属体、または缶はロ
ーラ14aにより支持されて移動または回転しておりロ
ーラ14aより僅かに径の小さい強磁性体14bと、コ
アとにより図1、図2に示すような磁路を構成する。
【0039】図5は請求項7記載の発明の実施の形態の
主要部の構成図を示す。この図5において、15は被加
熱物を支持する磁性体ローラであり、強磁性の鋼板を穴
あき円板に打ち抜いたものを積層した積層体15aで構
成している。
【0040】この図5が図4と異なる点は、ローラとロ
ーラより僅かに径の小さい強磁性体とで円筒形の磁性体
ローラを構成する代わりに強磁性体の鋼板を打ち抜いも
のを積層した積層体で構成した点である。
【0041】このようにすることにより、切削加工によ
る円柱形ローラに比べて高周波の鉄損を一桁減少させる
ことができ、また、積層方向に磁束を誘導するので不要
な漏れ磁束をローラ端に生じさせない効果がある。
【0042】また、フェライトコアに比べて丈夫で割れ
にくく高温にも耐える材料が使用できるのでコーティン
グ無しでローラとして使用することができる。20KH
z以上の高周波では鉄損がフェライトコアより多くなる
が、10KHz以下では1テスラ以上の高磁束密度で使
用できるので、フェライトコアの数倍の磁束が得られ
る。
【0043】さらに、電磁鋼板を打ち抜いたものと、円
筒状のフェライトコアとを重ねて積層することで両者の
長所を併せ持つ磁性体ローラを作ることもできる。すな
わち、周波数の比較的低い領域では高透磁率の電磁鋼板
に磁束が集中し、高い周波数の領域では電磁鋼板内の渦
電流が磁束も侵入を抑制し、高い周波数の磁束を通し易
いフェライコアに磁束が集中するので、広い周波数領域
での使用に適した磁性体ローラを構成することができ
る。
【0044】図6は請求項8および9に記載の発明の実
施の形態の主要部の構成図を示す。この図6において、
9は被加熱物である缶、16は缶9を支持して回転する
ローラ、17はローラ16により一定の空隙を保って配
備されるU字状のコア(図では一方の脚側のみしめして
いる)、18はコア17に巻回した誘導コイル、19は
ローラ16をコアの所定の位置になるように固着する軸
を示す。この図6において、缶9はコア17の脚部先端
の両端部に軸19に固着されて、缶9とコア17との空
隙が一定に保たれるように配備されたローラ16で支持
されてローラ16の回転により回転するように構成され
ている。そして、誘導コイル18を励磁することにより
生じた磁束はコア17の一方の脚部先端から小さな空隙
を通って缶9に供給されてコア17の他方の脚部に戻
る。それにより缶9は誘導加熱される。なお、ローラ1
6の軸19はコア17の脚部先端に軸孔を設けてコアと
非接触で貫通できるようにするか、コア17の脚部先端
にU形の溝を穿ち、コアと非接触で回転するように配備
されている。
【0045】図7は請求項10記載の発明の実施の形態
の主要部の構成図を示す。この図7において、9は被加
熱物である缶、16は缶9を支持して回転するローラ、
17はローラ16により缶9との間に一定の空隙を保っ
て配備されるコア、19は回転軸、20は直線部分が缶
9に接近するようにしてローラ16の部分でローラ16
の下側を迂回するようにしてコア17の一方の脚に巻回
した鞍形の誘導コイルを示す。軸19は駆動モータで駆
動される。この図7において、誘導コイル20は直線部
分が缶9に接近するようにして構成することにより、缶
9に生ずる渦電流が流れる回路を二次回路とし、誘導コ
イル20を一次回路とした場合一次,二次回路の結合が
良くなり、誘導コイル20側から缶9側への加熱入力の
伝達の効率が良くなるが、この発明のようにローラ16
の部分ではローラの下側を迂回するようにしてコア17
に巻回することにより、その他の部分を缶に近接配置し
て高効率にすることができる。
【0046】図8は請求項11の発明の実施の形態の主
要部の構成図を示す。この図8において、9は被加熱物
である缶、17は缶9との間に一定の空隙を保って配備
されるコア、21は直線部分が缶9に接近するようにし
てレーストラック状になるようにしてコア17に巻回し
た誘導コイル、22はコア17のそれぞれの脚部先端に
設置した各一対のプーリー23a,23a1と、23
b,23B1との間にに架けられたベルト、24はプー
リー23a,23a1を支える軸、25は駆動モータに
繋がりコア17の両側に設置した一対のプーリー23
b、およびコア17の一方端(図8(b)では右端)に
設置したプーリー23cを駆動する駆動軸、26は駆動
軸25と伝達軸27にそれぞれ取付られたプーリー23
cの間に架けられたベルト、27はプーリー23cとコ
ア17の両端に設置された一対のプーリー23b1とが
取付られた伝達軸を示す。
【0047】この図8が図7と異なる点は誘導コイル2
0の端部がローラの下側を迂回して巻かれる代わりに誘
導コイル21はローラの外側を迂回してレーストラック
状になるようにした点と、ローラ16で缶9を回転させ
る代わりにベルト22で缶を回転させるようにした点で
ある。このようにすることにより、誘導コイルの製作が
容易になる。駆動モータの回転力は駆動軸15を介して
一対のプーリー23bおよび右端のプーリー23cに伝
達され、前記一対のプーリー23bとコア17の脚部先
端側の一対のプーリー23aとの間に架けられた左右の
ベルト22により缶9に回転力を伝達する。一方駆動軸
25に取付られたプーリー23cと伝達軸27に取付ら
れたプーリー23cとの間に架けられたベルト26を介
して伝達軸27に駆動モータの回転力が伝達され、伝達
軸27に取付られた一対のプーリー23b1とコア17
の他方の脚部先端側に取付られた一対のプーリー23a
1との間に架けられたベルト22を駆動して缶9に回転
力を伝達する。このようにして缶9は横倒し状態で長手
方向の前後左右の4個所をベルト22で支持されて回転
する。
【0048】図9は請求項12の発明の実施の形態の主
要部の構成図を示し、(a)は側面図、(b)は(a)
の正面図を示す。この図9において、1は帯状の金属
体、16は金属体1を支持して移動させるローラ、28
は金属体1の移動方向と直交する方向で前記ローラ16
間に磁束の循環路を形成するコア、29はコア28に巻
回する誘導コイル、30はコア28の先端部が金属体1
と一定に空隙を保つように支持するローラ16をコア2
8の両端部、および中間に配備するように固着する軸を
示す。この図9において、金属体1を加熱するために金
属体1に磁束を供給するコア28は金属体1の移動方向
と直交する方向で磁束の循環路ができるように構成され
ており、コア28の両端部および中間には金属体1とコ
ア28の先端部とが一定の空隙を保つようにして金属体
1を搬送するローラ16が軸30に装着されて配備され
ている。このようにすることにより一ローラのスペース
で誘導加熱装置を完結できて装置を小型化することがで
きる。
【0049】
【発明の効果】この発明によれば、円柱形の磁性体ロー
ラにより被加熱物を移動もしくは回転させるのでコアと
被加熱物との距離が小さく、かつ一定に保たれて、被加
熱物の変位に関わりなく加熱電力を一定に保ち、また加
熱電力を投入するための磁気回路を構成する空間として
被加熱物の支持ローラピッチ間の全スぺースを有効に使
用でき、所望の加熱電力を投入するための磁気回路の構
成が容易になる効果がある。また、飲料入りの缶のよう
に径が異なる缶を加熱する際も53または66mmの径
で、104〜122mmの長さ缶に対し80mm程度の
加熱長さを得るように一組の磁性体ローラとそれに繋が
るコアおよび誘導コイルを用いることで所望の時間内に
飲料を加熱する電力を大小いずれの缶加熱の場合にも投
入できる。
【0050】さらに、磁性体ローラとコアとを組み合わ
せたことにより漏れ磁束が少なくなるので缶および帯状
の金属体の加熱のいずれの場合も加熱効率は従来50〜
70%であったものが80〜90%と高くすることがで
きる。
【0051】また、強磁性体の鋼板を積層して円柱形の
磁性体ローラを構成することにより積層と平行する方向
に通過する磁束に対しては磁気抵抗が小さくなり、積層
と直交する方向には磁気抵抗が大きくなるので横方向へ
の磁束の漏洩を少なくする効果があり、積層体とするこ
とで、積層体内での渦電流の誘起量を抑制して鉄損を少
なくするとともに、機械的、熱的強度が期待できる効果
がある。
【0052】さらに、磁性体ローラのローラを使用する
代わりに被加熱物の支持ローラとコアとを組み合せて被
加熱物とコアとの空隙が小さく、かつ一定に保たれるよ
うにすることによりコアを固定部のみで構成することが
可能になり摩擦によるコアの損耗を未然に防止する効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1のおよび2記載の発明の実施の形態の
主要部の構成図
【図2】請求項1および2記載の発明の別の実施の形態
の主要部の構成図
【図3】請求項3記載の発明の実施の形態の主要部の構
成を示し、(a)は断面構成図、(b)は側面図
【図4】請求項6記載の発明の実施の形態の主要部の構
成を示し、(a)は断面構成図、(b)は側面図
【図5】請求項7記載の発明の実施の形態の主要部の構
成を示し、(a)は側面図、(b)は(a)の正面図
【図6】請求項8および9に記載の発明の実施の形態の
主要部の構成を示し、(a)は側面図、(b)は(a)
の正面図
【図7】請求項10記載の発明の実施の形態の主要部の
構成を示し、(a)は側面図、(b)は(a)の正面図
【図8】請求項11の発明の実施の形態の主要部の構成
を示し、(a)は側面図、(b)は(a)の正面図
【図9】請求項12の発明の実施の形態の主要部の構成
図を示し、(a)は側面図、(b)は(a)の正面図
【図10】従来例の構成図
【符号の説明】
5、10,14,15 磁性体ローラ 6、8、11,17、28 コア 7、12、18、20,21、29 誘導コイル 8a、8b、8c 磁極 9 缶 13 押えローラ 14a、16 ローラ 14b フェライト
コア 19、24、29 軸 22、25 ベルト 23a、23b、23c プーリー 25 駆動軸 27 伝達軸 30 軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K059 AB04 AB19 AB20 AB24 AB26 AB28 AC10 AC37 AC54 AC62 AD03 AD27 AD28 AD34 AD40 CD44 CD52 CD55 CD73 CD75 CD77

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属体の表面に略直交するように磁束を通
    して誘導加熱する誘導加熱装置であって、近接して高透
    磁率のコアを配置し、該コアに誘導コイルを備えたもの
    において、前記コアの脚部先端部分に金属体と接触して
    回転する円柱形の磁性体ローラを設けたことを特徴とす
    る誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の誘導加熱装置において、磁
    性体ローラは帯状の金属体の加熱に適用されることを特
    徴とする誘導加熱装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の誘導加熱装置において、磁
    性体ローラは円筒形の缶の加熱に適用されることを特徴
    とする誘導加熱装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の誘導加熱装置において、磁
    性体ローラは床、天井、壁などの平面もしくは曲面を移
    動しながら加熱する加熱装置に適用されることを特徴と
    する誘導加熱装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の誘導加熱装置において、磁性体ローラは表面をゴム、
    プラスチックなどの金属面との転動に適した材料でコー
    ティングすることを特徴とする誘導加熱装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の誘導加熱装置において、磁性体ローラは金属体と接触
    する円筒形のローラと、該ローラより僅かに小径のフェ
    ライトコアとを交互に配列して構成することを特徴とす
    る誘導加熱装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の誘導加熱装置において、磁性体ローラは円盤状に形成
    した強磁性体の鋼板を積層して構成することを特徴とす
    る誘導加熱装置。
  8. 【請求項8】金属体表面に略直交するように磁束を通し
    て誘導加熱する誘導加熱装置であって、金属体に近接し
    て高透磁率のコアを配置し、該コアの脚部先端側の端部
    に金属体と接触して回転し、コアの脚部先端面と金属体
    との距離を一定に保つローラを設けることを特徴とする
    誘導加熱装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の誘導加熱装置において、ロ
    ーラは、コアの脚部先端部貫通するよう穿孔した軸孔、
    もしくはコアの脚部先端面に開口して設けたU溝に、コ
    アと非接触に取付けられた回転軸に装着してなることを
    特徴とする誘導加熱装置。
  10. 【請求項10】請求項8記載の誘導加熱装置において、
    誘導コイルは、コアの側面では金属体に近接して平行に
    なりローラが配置された両端部ではローラを迂回して金
    属体から離れて巻回する鞍形に形成することを特徴とす
    る誘導加熱装置。
  11. 【請求項11】請求項8または請求項9に記載の誘導加
    熱装置において、コアの外にあるローラを回転する回転
    軸を歯車もしくはベルトで回転軸から離れた位置の駆動
    源と連携して駆動し、誘導コイルは円筒形ローラの外側
    を巻回するレーストラック形状に形成することを特徴と
    する誘導加熱装置。
  12. 【請求項12】請求項1ないし請求項10のいずれかに
    記載の誘導加熱装置において、金属体の移動方向もしく
    は回転方向と直交する方向に磁束が循環するように分割
    した複数の磁極を有するコアを設けることを特徴とする
    誘導加熱装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101690312B1 (ko) * 2015-07-20 2017-01-09 창원대학교 산학협력단 메탈잉크 코팅 강판의 유도가열 건조 장치 및 방법
JP6108582B1 (ja) * 2016-05-17 2017-04-05 デウォン アプライド エンジニアリング カンパニーDaewon Applied Eng.Co. コイルスプリング連続加熱装置及びこれを用いたコイルスプリング連続加熱方法

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