JP2000348584A - 回路遮断器及びその製造方法 - Google Patents

回路遮断器及びその製造方法

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JP2000348584A
JP2000348584A JP11160965A JP16096599A JP2000348584A JP 2000348584 A JP2000348584 A JP 2000348584A JP 11160965 A JP11160965 A JP 11160965A JP 16096599 A JP16096599 A JP 16096599A JP 2000348584 A JP2000348584 A JP 2000348584A
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circuit breaker
porous body
forming portion
passage forming
circuit
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Yoriyuki Miyazaki
順之 宮▲崎▼
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Harness System Technologies Research Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に大型化することなく、火薬の爆発による
遮断作動時の安全性を高く保持するとともに、製造を容
易にする。 【解決手段】 回路構成用導体を火薬の爆発力で破断す
ることにより回路を強制破断する回路遮断器とその製造
方法。遮断器本体10を収納する本体収納部21及びガ
ス排出路を形成する通路形成部22を一体に有するケー
ス20を備え、その通路形成部22内に火炎伝播を抑止
する多孔体24を装填する。通路形成部22の内面及び
多孔体24の外面にテーパー面22a,24aを形成し
てから多孔体24を通路形成部22内に圧入する。もし
くは通路形成部22内に多孔体24を挿入してからプレ
ス加工によって両者に凹凸を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
おいて、非常時に回路を強制的に遮断させるための回路
遮断器及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両に設けられる非常用の回路遮
断器として、例えば特開平10−55742号公報に示
されるようなものが知られている。この公報にかかる遮
断器は、回路中に組み込まれる回路構成用導体をケース
内に収容する一方、この導体の下方に火薬を爆発させる
爆発手段を有するものであり、非常時にはその爆発手段
を作動させて前記導体を爆破することにより、回路を速
やかに強制破断するようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記回路遮断器におい
て、ケース内が完全に密封されていると、火薬の爆発に
よるガスの発生でケース内が過剰に昇圧するおそれがあ
り、また、ケース内温度も下がりにくくなるため、当該
ケースにはガス抜き用の孔を設けておくことが好まし
い。しかしながら、このようなガス抜き孔を設けると、
当該孔からガスだけでなく火炎までケース外部に飛散し
て周辺部品に悪影響を与えてしまうおそれが生じる。従
って従来は、このような火炎の飛散を防ぐために、十分
な大きさをもつ頑強なカバーでケースを覆い、あるいは
ケース自体を大型化しなければならず、これが遮断器全
体の小型化、軽量化の大きな妨げとなっている。
【0004】このような課題を解決する手段として、前
記ケースにその内部の爆発で発生したガスを排出するた
めのガス排出路を形成するとともに、このガス排出路内
に金属製メッシュなどからなる多孔体を装填することに
より、前記ガスの通路は許容しながら火炎の伝播を抑止
することが考えられる(その原理は後に詳述。)。しか
し、この構造によってケース外への火炎の漏れを防ぐに
は、前記多孔体とガス排出路内面とを確実に圧接させな
ければならず、当該圧接状態でガス排出路内に多孔体を
組み込むにはケースを半割にするなど構造を複雑化しな
ければならず、製造は容易でない。また、ケースを分割
することは、密閉性の低下につながり、好ましくない。
【0005】本発明は、このような事情に鑑み、ケース
を特に大型化、分割化することなく遮断作動時の高い安
全性を確保できる回路遮断器及びその回路遮断器を容易
に製造することができる方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、本発明は、回路構成用導体を火薬の爆発
力で破断することにより回路を強制破断する回路遮断器
において、火薬を爆発させて前記回路構成用導体を破断
する破断手段と、この破断手段及び前記回路構成用導体
を収納する収納部と前記火薬の爆発により発生したガス
を外部へ排出するための通路を形成する通路形成部とを
有して全体が一体に形成されたケースと、その通路形成
部内に設けられ、前記ガスの通過は許容しながら火炎の
伝播を抑止する多孔体とを備えるとともに、前記通路形
成部の内面形状及び前記多孔体の外面形状が排出側に向
かって広がる向きのテーパー面をもつ形状であり、これ
ら多孔体の外面と前記通路形成部の内面とが圧接する状
態で当該多孔体が当該通路形成部内に装填されているも
のである。
【0007】この構成では、ケース内外を連通するガス
排出路内に多孔体が設けられているため、回路遮断のた
めの爆発によってケース内に生じたガスは速やかにケー
ス外へ排出される一方、外部への火炎の伝播が多孔体に
よって抑止される。この火炎伝播抑止のメカニズムは次
の通りである。
【0008】 固体壁による消炎現象 火炎伝播先に図8に示すような固体面が存する場合、そ
の火炎温度と固体表面温度との間には大きな格差があ
り、著しい温度勾配が生じる。そして、両温度の間に燃
焼限界火炎温度が存在するため、この温度よりも低温の
領域、すなわち、固体表面から所定寸法dまでの表面近
傍領域には火炎が伝播できず消炎し、当該領域は無炎領
域(デッドスペース)となる。このデッドスペースの寸
法dは燃焼条件によって決まっているので、この寸法d
に対応する寸法(消炎距離)よりも小寸の隙間を形成す
れば、当該隙間を通じては火炎が伝播できないことにな
る。従って、ガス排出路内に多数の小径孔をもつ多孔体
を設ければ、ケース内に発生したガスは速やかに抜きな
がら、遮断器外への火炎の伝播を抑止することが可能に
なる。従って、本発明にかかる多孔体の孔径はなるべく
小さいことが望ましく、数ミクロン程度のものが好適で
ある。
【0009】 発生圧力の低下 燃焼は、圧力が高いほど激しくなる。特に火薬を用いる
場合、その爆発により発生する圧力は相当高いものとな
る。これに対し、本発明のようにガス排出路を設け、こ
のガス排出路内にガス流通性に優れた多孔体を配するよ
うにすれば、ケース内のガスを抜くことによってケース
内圧力を速やかに下げることができ、前記の作用と相
俟って火炎伝播を効果的に抑制することができる。特
に、前記多孔体を金属材料製のメッシュで形成した場
合、発生ガス中の約98%をケース外へ瞬時に放出でき
ることが確認されており、これにより高い燃焼抑制効果
が得られる。
【0010】 多孔体による吸熱 多孔体はその表面積が非常に大きいので、火炎のもつ温
度を効果的に下げることができる。特に、熱伝導性の高
い金属製のメッシュで多孔体を構成した場合には、燃焼
温度を効果的に下げて燃焼の抑制に寄与することができ
る。
【0011】ただし、本発明にいう多孔体の構造はメッ
シュに限られるものではなく、ハニカム構造体や連続発
泡体なども適用が可能である。その材質も、金属のほ
か、セラミックス、耐火性繊維、耐熱性樹脂等が適用可
能である。
【0012】さらに、前記構成では、ケース全体が一体
に形成されているため、当該ケースが分割されている構
造よりも密閉性及び安全性が高い。しかも、通路形成部
の内面及び多孔体の外面に排出側に向かうに従って広が
る向きのテーパー面が与えられているので、通路形成部
内に多孔体を排出側から簡単に圧入することができ、こ
れによって通路形成部内面と多孔体とを確実に圧接さ
せ、火炎の漏れを効果的に抑止することができる。すな
わち、この回路遮断器は、前記ケース全体を一体に形成
するとともに、前記通路形成部の内面形状及び多孔体の
外面形状を排出側に向かって広がる向きのテーパー面を
もつ形状としておき、この多孔体を前記通路形成部内に
排出側から圧入する方法によって、容易に製造すること
ができる。
【0013】また本発明は、回路構成用導体を火薬の爆
発力で破断することにより回路を強制破断する回路遮断
器において、火薬を爆発させて前記回路構成用導体を破
断する破断手段と、この破断手段及び前記回路構成用導
体を収納する収納部と前記火薬の爆発により発生したガ
スを外部へ排出するための通路を形成する通路形成部と
を有して全体が一体に形成されたケースと、その通路形
成部内に設けられ、前記ガスの通過は許容しながら火炎
の伝播を抑止する多孔体とを備えるとともに、前記通路
形成部の内面及び前記多孔体の外面に互いに略合致する
凹凸が形成され、かつ、この凹凸は前記通路形成部の内
面と前記多孔体の外面との隙間を通じての火炎の漏れを
抑止する形状を有しているものである。
【0014】この構成においても、ケース内外を連通す
るガス排出路内に多孔体が設けられているため、前記と
全く同等のメカニズムにより、回路遮断のための爆発に
よってケース内に生じたガスは速やかにケース外へ排出
される一方、外部への火炎の伝播が多孔体によって抑止
される。
【0015】この構成でも、ケース全体が一体に形成さ
れているため、当該ケースが分割されている構造よりも
密閉性及び安全性が高い。しかも、通路形成部の内面及
び多孔体の外面に互いに略合致する形状の凹凸が形成さ
れ、この凹凸によってケース外部への火炎の伝播が抑止
されるようになっているので、通路形成部の内面及び多
孔体の外面に多少の隙間があっても外部への火炎の漏れ
は有効に抑止される。換言すれば、通路形成部の内面と
多孔体の外面とを特に圧接させなくても高い安全性を確
保することができる。従って、この回路遮断器は、前記
ケース全体を一体に形成し、その通路形成部内に前記多
孔体を挿入した後、当該通路形成部の外側からプレス加
工を施すことにより当該通路形成部と多孔体とに互いに
略合致する形状の凹凸を同時に形成するという方法によ
って、容易に製造することができる。
【0016】前記凹凸の具体的な形状としては、ガス排
出方向と直交する方向に延びる形状が好適である。これ
により、ガス排出方向への火炎の伝播をより有効に抑止
できる。より好ましくは、ガス排出方向と直交する方向
について通路形成部の略全域にわたって延びる形状とす
るのがよい。
【0017】また、複数の凹凸をガス排出方向に並ぶ位
置に形成すれば、前記火炎の伝播の抑止効果がさらに高
まる。
【0018】なお、この明細書において「全体が一体に
形成されたケース」「ケース全体を一体に形成する」と
は、当初から単一部材でケースを構成したものに限ら
ず、結果的に一体化されたもの、例えば複数の部材同士
を溶接などの手段で接合して全体を一体化したものも含
む意である。
【0019】ただし、前記ケース全体を鋳造により一体
成形すれば、組立工数が削減されるのに加え、ケース表
面が柔らかいためにその通路形成部内面と多孔体外面と
の密着性が高まり、気密度がさらに高められる。
【0020】また、前記ケースの内面を絶縁塗料でコー
ティングすれば、その表面をさらに柔らかくして前記密
着性をより高めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
〜図4に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態で
は、車両のバッテリーから各電装品へ電源を供給するた
めの回路中に設けられ、その車両衝突時等の非常時に当
該電源供給回路を強制的に遮断するための電源遮断器を
示すが、本発明にかかる電源遮断器の用途はこれに限ら
れず、回路を緊急遮断する場合に広く適用ができるもの
である。
【0022】この実施の形態にかかる遮断器は、回路遮
断機能を持つ遮断器本体10と、これを収容するケース
20とを備えている。
【0023】遮断器本体10は、スクイブ12を保持す
るスクイブ保持部13と、これを外側から覆うハウジン
グ14とを備えている。ハウジング14は、合成樹脂等
の絶縁塗料からなるインナーハウジング14aと、この
インナーハウジング14aを外側から覆う補強用の金属
製アウターハウジング14bとからなり、前記インナー
ハウジング14aとスクイブ保持部13との間にバスバ
ー16が挟み込まれている。
【0024】スクイブ12は、火薬を内蔵し、車両衝突
時等の非常時に図略のコントロールユニットからリード
線Dを通じて電気信号を受けることにより、前記火薬を
爆発させてその爆発力を前方(図2(a)(b)では左
方)に出力するものである。
【0025】バスバー16は、前記電源供給回路におけ
るバッテリーと各電装品側の回路とをつなぐ回路構成用
導体であり、その中間部がハウジング14内に組み込ま
れる一方、両端部16a,16bはハウジング14の後
方で左右に屈曲して接続端子部を構成している。このバ
スバー16の中間部分は前記スクイブ12の前方に位置
し、このスクイブ12の出力する爆発力で破断される破
断部18とされている。図例では、この破断部18の肉
厚が局所的に削減され、他の部分よりも破断しやすくな
るように配慮がなされている。
【0026】前記破断部18よりもさらに前方に位置す
るハウジング14の側壁には、複数のガス排出口19が
設けられている。これらのガス排出口19は、前記爆発
によりハウジング14内に発生したガスをハウジング外
(ケース20内)へ排出するためのものである。
【0027】ケース20は、前後に延びる略角筒状の本
体収納部21と、この本体収納部21の前端から下方に
延びる通路形成部22とを一体に有している。
【0028】本体収納部21内には、前記遮断器本体1
0全体が後端開口から挿入され、さらにその後端部がカ
バー28で覆われている。そして、このカバー28及び
前記遮断器本体10が垂直方向のリベット26によって
本体収納部21に固定されている。
【0029】通路形成部22は、ケース20内のガスを
外部に排出するガス排出路を形成するものであり、その
通路内に長手方向略全域にわたって多孔体(この実施の
形態では前記金属メッシュ)24が装填されている。こ
の多孔体24は、その上端部が前記ハウジング14のガ
ス排出口19に対向した状態で、下端部が通路形成部2
2の下端部にリベット26で結合されている。さらに、
この構造の特徴として、図4(a)(b)に示すよう
に、通路形成部22の下半部内側面が下方に向かうに従
って広がる向きに傾斜角度αをもつテーパー面22aと
される一方、多孔体24の下半部外面も下方に向かうに
従って広がる向きに前記傾斜角度αと同等もしくは略同
等の傾斜角度βをもつテーパー面24aとされており、
この多孔体24が前記通路形成部22内に排出側(図例
では下側)から上向きに圧入された状態で、その下方に
水平方向のリベット26が打たれることによって前記多
孔体24の抜け止めがなされている。
【0030】なお、本発明において多孔体や遮断器本体
をケースに固定する手段は、前記リベットに限らず、ね
じ、溶接などの周知手段が適用可能である。
【0031】この回路遮断器の作用は次の通りである。
【0032】この回路遮断器は、そのバスバー16の一
方の接続端子16aがバッテリー側、他方の接続端子1
6bが車載電装品側に接続された状態で、車両の電源供
給回路内に組み込まれる。このセット直後の状態、すな
わち、車両衝突等のアクシデントがいまだ生じていない
通常状態では、図略のバッテリーからバスバー16を通
じて各車載電装品に正常に電力が供給される。
【0033】これに対し、車両衝突等の異常が検出され
ると、図略のコントロールユニットからリード線Dを通
じてスクイブ12に制御信号が入力され、スクイブ12
が作動して内蔵の火薬を爆発させる。この爆発力により
バスバー16の破断部18が破断され、このバスバー1
6が介在する回路が緊急遮断される一方、爆発で生じた
発生ガス及び火炎はガス排出口19から通路形成部22
を通じてケース20の外へ出ようとする。ところが、そ
のうちの発生ガスは金属メッシュからなる多孔体24の
隙間を通じて通路形成部22の下端から下方に速やかに
排出され、これによりケース内圧は急速に下がるのに対
し、火炎の伝播は前述の多孔体の作用で抑止され、通路
形成部22の下端から火炎が飛散することが抑止され
る。また、多孔体24の外面と通路形成部22の内面と
は圧接していて強い密着状態にあるため、両面の隙間か
ら火炎が外方に漏れるおそれもない。しかも、ケース2
0は全体が一体に形成されているため、例えば当該ケー
ス20が半割構造である場合よりも密閉性が高い。
【0034】従って、この遮断器によれば、コンパクト
な構造でありながら、遮断作動時の高い安全性を確保す
ることができる。そして、この遮断器は、例えば次の方
法によって容易に製造できる。
【0035】まず、前記図4(a)に示したように本体
収納部21と通路形成部22とを有するケース20を一
体に形成する。その手段として鋳造による成形をすれ
ば、ケース20の製造工数が削減されるとともに、その
表面が柔らかいために後述の多孔体24外面との密着性
が高められる。このケースの本体収納部21の後端部及
び通路形成部22の下端部にリベット挿通用の貫通孔2
5を設けておく。
【0036】次に、本体収納部21に遮断器本体10を
後方から装填し、そのさらに後方をカバー28で覆い、
このカバー28の貫通孔及び前記貫通孔25にリベット
26を上下方向に挿通して前記遮断器本体10及びカバ
ー28を本体収納部21内に固定する。
【0037】一方、通路形成部22内には、その下側
(ガス排出側)から上向きに多孔体24を圧入する。こ
のとき、通路形成部22の内面及び多孔体24の外面に
それぞれ前述のテーパー面22a,24aを形成してお
くことにより、通路形成部22に対して多孔体24を難
なく圧入することができる。従って、ケース20を特に
半割構造にすることなく、これを一体構造とした上で、
その通路形成部22内に不都合なく多孔体24を組み込
むことができ、かつ、その多孔体24の外面と通路形成
部22の内面とを圧接させて高いシール性(火炎シール
性)を確保することができる。この圧入前の段階で、ケ
ース20の内面を絶縁塗料でコーティングしておけば、
安全性がより高められるとともに、柔らかいコーティン
グ面と多孔体24との密着性が高く、気密性をより向上
させることができる。
【0038】圧入後は、通路形成部22の貫通孔25に
リベット26を挿通、固定して多孔体24の抜け止めを
行うことにより、遮断器が完成する。
【0039】この実施の形態では、通路形成部22及び
多孔体24のそれぞれ下半部にテーパー面22a,24
aを形成するようにしているが、それ以外の部分、例え
ば上部や中間部にテーパー面を形成するようにしてもよ
いし、全域にわたってテーパー面とするようにしてもよ
い。また、このテーパー面は、図示のように通路形成部
22が角筒状の場合、そのうちのいずれか一つの側面に
形成するようにしてもよいし、複数の側面、場合によっ
ては全側面に形成するようにしてもよい。この場合に
は、多孔体24の圧入作業がより楽になり、かつ、その
圧入強さを高めることができる。通路形成部22が円筒
状の場合には、前記テーパー面として円錐面を多孔体2
4の外面及び通路形成部22の内面に形成すればよい。
【0040】本発明の第2の実施の形態を図5及び図6
に基づいて説明する。なお、この実施の形態において、
遮断器本体10及びこれを収納する本体収納部21の構
造は前記第1の実施の形態で示したものと同等であり、
ここでは説明を省略する。
【0041】この実施の形態においては、前記第1の実
施の形態と異なり、通路形成部22内に多孔体24が隙
間をもって挿入されているが、図5(a)(b)に示す
ように、多孔体24の外面及び通路形成部22の内面に
は、それぞれ互いに略合致する形状の凹凸22b,24
bが形成されている。これらの凹凸22b,24bは、
図5(b)に示すように左右方向(すなわちガス排出方
向と直交する方向)の略全域にわたって同方向に延び、
かつ上下複数段にわたって形成されている。そして、こ
の多孔体24の下方が前記第1の実施の形態と同様に水
平方向のリベット26によって抜け止めされている。
【0042】この実施の形態においても、遮断器10で
の爆発によって生じた発生ガスは金属メッシュからなる
多孔体24の隙間を通じて通路形成部22の下端から下
方に速やかに排出され、これによりケース内圧が急速に
下がる一方、前記爆発によって生じた火炎の伝播は前述
の多孔体の作用で抑止され、通路形成部22の下端から
火炎が飛散することが抑止される。ここで、多孔体24
の外面と通路形成部22の内面とには前記のような凹凸
22b,24bが形成されているため、両面同士が全域
にわたって圧接していなくても、両面同士の隙間を通じ
てのケース外方への火炎の伝播は前記凹凸22b,24
bによって有効に抑止される。しかも、前記第1の実施
の形態と同様、ケース20は全体が一体に形成されてい
るため、例えば当該ケース20が半割構造である場合よ
りも密閉性が高い。
【0043】従って、この遮断器によっても、コンパク
トな構造でありながら、遮断作動時の高い安全性を確保
することができる。そして、この遮断器は、例えば次の
方法によって容易に製造できる。
【0044】まず、前記図6(a)に示したように本体
収納部21と通路形成部22とを有するケース20を一
体に形成する。その手段として鋳造による成形をすれ
ば、ケース20の製造工数が削減されるとともに、その
表面が柔らかいために後述の多孔体24外面との密着性
が高められる。このケースの本体収納部21の後端部及
び通路形成部22の下端部にリベット挿通用の貫通孔2
5を設けておく。
【0045】次に、同図(b)に示すように本体収納部
21に遮断器本体10を後端開口から装填し、そのさら
に後方をカバー28で覆い、このカバー28の貫通孔及
び前記貫通孔25にリベット26を上下方向に挿通して
前記遮断器本体10及びカバー28を本体収納部21内
に固定する。
【0046】一方、通路形成部22内には、その下側
(ガス排出側)から上向きに多孔体24を挿入する。こ
のとき、通路形成部22の内面と多孔体24の外面との
間には多少の隙間があってもよく、特に圧入させる必要
はない。従って、通路形成部22内に多孔体24を難な
く装填することができる。すなわち、ケース20を特に
半割構造にすることなく、これを一体構造とした上で、
その通路形成部22内に不都合なく多孔体24を組み込
むことができる。
【0047】前記装填後、通路形成部22の貫通孔25
にリベット26を挿通、固定して多孔体24の抜け止め
を行ってから、図6(c)に示すように、前記通路形成
部22に対してその外方から(図では前後両側方から)
プレス面に凹凸をもったプレス金型30によってプレス
加工を施す。これにより、多孔体24の外面と通路形成
部22の内面とに前記図5(a)(b)に示したような
凹凸24b,22bが同時形成されるとともに、プレス
部分で両面同士が強く圧接する。
【0048】さらに、このプレスの前の段階で、ケース
20の内面を絶縁塗料でコーティングしておけば、安全
性がより高められるとともに、柔らかいコーティング面
と多孔体24との密着性が高く、気密性をより向上させ
ることができる。また、予めプレス成形箇所の肉厚を他
の部分よりも薄くしておけば、プレス加工がより円滑に
なる。
【0049】なお、この実施の形態では、凹凸22b,
24bを上下複数段にわたって形成するようにしている
が、単一の凹凸であっても火炎の伝播を有効に抑止でき
る形状であればよい。また、凹凸22b,24bの具体
的な形状についても、実質的に火炎の漏れを防止できる
形状であればよく、例えば第3の実施の形態として図7
に示すように、複数の凹凸22b(24b)を千鳥状に
配設してもよいし、さらに多数の凹凸を通路形成部22
の広領域にわたって規則的に配列し、もしくは散在させ
るようにしてもよい。
【0050】その他、本発明は例えば次のような実施の
形態をとることも可能である。
【0051】(1)本発明において、ガス排出路は最低限
多孔体を装填できる長さを有しておればよく、その通路
長は火炎の伝播を抑止できる範囲で適宜設定が可能であ
る。ただし、前記実施形態のように、ガス排出口19か
らの火炎伝播方向と略直交する方向に延びる形状とすれ
ば、より短い通路長で外部への火炎の飛散を有効に抑止
できるとともに、その通路出口の向きを自由に設定する
ことが可能となる利点がある。例えば、図例のような下
向きにして排出口の位置を極力下げるようにすることに
より、バッテリーから浮上する比重の小さな微量の水素
ガスが通路形成部22内に侵入するのをより確実に防止
するといったことが可能になる。
【0052】(2) 前記多孔体24は、ガス排出路の長手
方向の一部にのみ配してもよい。ただし、図示のように
多孔体24をハウジング14のガス排出口19に対向さ
せ、発生ガスの圧力を多孔体24で分散させることによ
り、ケース20やハウジング14の強度的負担を軽減で
き、例えばケース20の変形によって当該ケース20と
多孔体24との間に新たな隙間が生じるといった不都合
を回避できる利点も得られる。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明は、ケース内での爆
発により発生したガスを遮断器外部へ排出するためのガ
ス排出路を形成するとともに、このガス排出路を形成す
る通路形成部内に、前記ガスの通過は許容しながら火炎
の伝播を抑止する多孔体を装填したものであるので、特
に全体を大型化することなく、遮断作動時の高い安全性
を確保することができるとともに、ケース全体を一体に
形成することにより、その密閉性ひいては安全性を向上
させることができる。しかも、このようにケースが一体
化された構成であっても、多孔体挿入前に通路形成部内
面及び多孔体外面に適当なテーパー面を形成しておいた
り、挿入後に適当な凹凸を形成したりすることにより、
容易に製造することを可能にしながら、通路形成部内面
と多孔体外面との隙間を通じてケース外に火炎が漏れる
のを有効に抑止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる回路遮断器
を後方から見た一部断面斜視図である。
【図2】(a)は前記回路遮断器が遮断作動する前の状
態を示す断面平面図、(b)は同回路遮断器が遮断作動
した後の状態を示す断面平面図である。
【図3】前記回路遮断器の外観斜視図である。
【図4】(a)(b)は前記回路遮断器の製造工程を示
す断面側面図である。
【図5】(a)は本発明の第2の実施の形態にかかる回
路遮断器の一部断面側面図、(b)は同回路遮断器の前
面図である。
【図6】(a)(b)(c)は図5にかかる回路遮断器
の製造工程を示す断面側面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態にかかる回路遮断器
の前面図である。
【図8】固体壁に向かって火炎が伝播したときの温度勾
配を示す説明図である。
【符号の説明】
10 遮断器本体 12 スクイブ(破断手段) 16 バスバー(回路構成用導体) 18 破断部 20 ケース 21 本体収納部 22 通路形成部 22a 通路形成部のテーパー面 22b 通路形成部の凹凸 24 多孔体 24a 多孔体のテーパー面 24b 多孔体の凹凸 26 リベット 30 プレス金型

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路構成用導体を火薬の爆発力で破断す
    ることにより回路を強制破断する回路遮断器において、
    火薬を爆発させて前記回路構成用導体を破断する破断手
    段と、この破断手段及び前記回路構成用導体を収納する
    収納部と前記火薬の爆発により発生したガスを外部へ排
    出するための通路を形成する通路形成部とを有して全体
    が一体に形成されたケースと、その通路形成部内に設け
    られ、前記ガスの通過は許容しながら火炎の伝播を抑止
    する多孔体とを備えるとともに、前記通路形成部の内面
    形状及び前記多孔体の外面形状が排出側に向かって広が
    る向きのテーパー面をもつ形状であり、これら多孔体の
    外面と前記通路形成部の内面とが圧接する状態で当該多
    孔体が当該通路形成部内に装填されていることを特徴と
    する回路遮断器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回路遮断器において、前
    記多孔体が金属材料製のメッシュからなることを特徴と
    する回路遮断器。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の回路遮断器にお
    いて、前記ケース全体が鋳造により一体成形されている
    ことを特徴とする回路遮断器。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の回路遮
    断器において、前記ケースの内面が絶縁塗料でコーティ
    ングされていることを特徴とする回路遮断器。
  5. 【請求項5】 火薬を爆発させて回路構成用導体を破断
    する破断手段と、この破断手段及び前記回路構成用導体
    を収納する収納部と前記火薬の爆発により発生したガス
    を外部へ排出するための通路を形成する通路形成部とを
    もつケースと、その通路形成部内に設けられ、前記ガス
    の通過は許容しながら火炎の伝播を抑止する多孔体とを
    備えた回路遮断器の製造方法であって、前記ケース全体
    を一体に形成するとともに、前記通路形成部の内面形状
    及び多孔体の外面形状を排出側に向かって広がる向きの
    テーパー面をもつ形状としておき、この多孔体を前記通
    路形成部内に排出側から圧入することを特徴とする回路
    遮断器の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の回路遮断器の製造方法に
    おいて、前記多孔体を金属製のメッシュで形成すること
    を特徴とする回路遮断器の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の回路遮断器の製
    造方法において、前記ケース全体を鋳造により一体成形
    することを特徴とする回路遮断器の製造方法。
  8. 【請求項8】 回路構成用導体を火薬の爆発力で破断す
    ることにより回路を強制破断する回路遮断器において、
    火薬を爆発させて前記回路構成用導体を破断する破断手
    段と、この破断手段及び前記回路構成用導体を収納する
    収納部と前記火薬の爆発により発生したガスを外部へ排
    出するための通路を形成する通路形成部とを有して全体
    が一体に形成されたケースと、その通路形成部内に設け
    られ、前記ガスの通過は許容しながら火炎の伝播を抑止
    する多孔体とを備えるとともに、前記通路形成部の内面
    及び前記多孔体の外面に互いに略合致する凹凸が形成さ
    れ、かつ、この凹凸は前記通路形成部の内面と前記多孔
    体の外面との隙間を通じての火炎の漏れを抑止する形状
    を有していることを特徴とする回路遮断器。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の回路遮断器において、前
    記凹凸はガス排出方向と直交する方向に延びる形状をも
    つことを特徴とする回路遮断器。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の回路遮断器において、
    前記凹凸はガス排出方向と直交する方向について通路形
    成部の略全域にわたって延びる形状をもつことを特徴と
    する回路遮断器。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれかに記載の回
    路遮断器において、複数の凹凸がガス排出方向に並ぶ位
    置に形成されていることを特徴とする回路遮断器。
  12. 【請求項12】 請求項8〜11のいずれかに記載の回
    路遮断器において、前記多孔体が金属材料製のメッシュ
    からなることを特徴とする回路遮断器。
  13. 【請求項13】 請求項8〜12のいずれかに記載の回
    路遮断器において、前記ケース全体が鋳造により一体成
    形されていることを特徴とする回路遮断器。
  14. 【請求項14】 請求項8〜13のいずれかに記載の回
    路遮断器において、前記ケースの内面が絶縁塗料でコー
    ティングされていることを特徴とする回路遮断器。
  15. 【請求項15】 請求項8〜14のいずれかに記載の回
    路遮断器の製造方法であって、前記ケース全体を一体に
    形成し、その通路形成部内に前記多孔体を挿入した後、
    当該通路形成部の外側からプレス加工を施すことにより
    当該通路形成部と多孔体とに互いに略合致する形状の凹
    凸を同時に形成することを特徴とする回路遮断器の製造
    方法。
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